JP3343567B2 - 糸状菌のエンハンサーdna塩基配列およびその用途 - Google Patents
糸状菌のエンハンサーdna塩基配列およびその用途Info
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Description
用タンパク質およびペプチドを効率的に生産するために
有効な新規エンハンサーDNA塩基配列、これを導入し
たプロモーター、そのプロモーターを含む発現用プラス
ミドおよびそれを用いた有用タンパク質ならびにペプチ
ド製造法に関するものである。
宿主としては、これまで大腸菌や酵母が主に用いられて
きた。しかし、大腸菌では、異種タンパク質を高発現さ
せた場合、菌体内に不溶性のタンパク質を形成したり、
真核生物のタンパク質に特徴的な糖鎖の付加などの翻訳
後修飾が起こらず、活性のあるタンパク質を得るために
少なからず困難を伴うという欠点がある。また、酵母で
は、糖鎖の付加は起こるが、生産量が低いという問題が
あった。
パク質を多量に分泌生産し、例えば工業的に利用されて
いるアスペルギルス・ニガーの株ではグルコアミラーゼ
を培養液1リットル当たり20g以上、また、アスペルギ
ルス・オリゼでもα−アミラーゼを固体培養で1kg当た
り50g程度生産するといわれており、セルラーゼ生産菌
であるトリコデルマ・リーセイも同レベルの酵素生産性
を有しているので、同種はもちろん異種タンパク質につ
いても高分泌生産の可能性を秘めていると期待されてい
る。また、アスペルギルス・オリゼやアスペルギルス・
ニガーなどのように醸造食品の製造や食品加工用酵素の
生産に利用されているものが多く、これらの糸状菌は各
種関係機関、例えば、アメリカ食品薬品局(FDA)に
おいて宿主として安全であると評価されており、これら
の糸状菌による有用タンパク質生産も認可されやすいと
考えられる。
る微生物として、糸状菌を遺伝子工学の宿主として、様
々なタンパク質の生産が近年報告されるようになってき
た。遺伝子工学により目的のタンパク質を生産する場
合、その生産効率は、使用するプロモーターによる転写
量、転写後の翻訳効率、発現したタンパク質の糖鎖付加
などの翻訳後修飾、遺伝子のコピー数、宿主プロテアー
ゼによるタンパク質の分解など様々な因子によって規制
されるが、まず第一に、目的タンパク質の転写量が多く
なければ、転写量以上の発現分泌は望むべくもない。こ
の観点から、いかにして強力なプロモーターを取得する
かが大きな問題となるため、糸状菌においても種々のプ
ロモーターが単離され、これらを用いて目的タンパク質
の生産が報告されている。その代表例としてアスペルギ
ルス・ニガーのグルコアミラーゼ遺伝子のプロモーター
[Biotechnology, 5, 368(1987)]、アスペルギルス・
オリゼのα−アミラーゼ遺伝子のプロモーター[Biotec
hnology, 6, 1419(1988)]、トリコデルマ・リーセイの
セロビオハイドラーゼI遺伝子のプロモーター[Biotec
hnology, 7, 596(1989)]等があげられる。
る研究は、他の微生物に比べて遅れており、プロモータ
ーに関する遺伝子発現機構は、まだほとんど解明されて
おらず、ここ数年でようやく報告例が増えてきているの
が現状である。例えば、炭素源の利用に関する遺伝子の
負の発現制御に関係しているカタボライト抑制遺伝子
[Mol. Microbiol., 7, 847-857(1993)]あるいは、広
く真核生物の遺伝子発現調節領域で見い出されるCCA
AT配列の結合因子[Mol. Gen. Genet., 235, 81(199
2)]に関する研究などがあげられるに過ぎない。したが
って、糸状菌による有用タンパク質の生産は、使用する
プロモーターの本来の発現制御に依存しており、目的に
応じたプロモーターを選択して利用しているのが現状で
あり、プロモーターの発現調節力を改良してより有用な
プロモーターを取得する試みは、現在まで行われていな
い。したがって、プロモーターの改良技術が提供されれ
ば、新規高発現プロモーターを単離することなく、既存
のプロモーターを改良することにより、より有用性の高
いプロモーターが取得できるのみならず、そのプロモー
ターの発現制御も可能となり、有用タンパク質のより効
率的な生産が可能となる。
モーターの発現制御に関する解析、例えば、エンハンサ
ー核酸塩基配列を同定し、このエンハンサー配列の機能
を解明することにある。さらに、これを利用してプロモ
ーターを改良し、このプロモーターを用いた発現プラス
ミドを構築し、このプラスミドを用いて糸状菌を形質転
換することによるタンパク質発現系を開発することにあ
る。
に、本発明者らは鋭意研究を行い、アスペルギルス・オ
リゼのα−グルコシダーゼ遺伝子(agdA)のプロモータ
ーを単離し、このプロモーターの詳細な解析を行った結
果、正の発現調節に深くかかわっている新規エンハンサ
ー核酸塩基配列を見い出し、このエンハンサー配列をプ
ロモーターに複数個導入することにより、プロモーター
の転写活性の増大および炭素源に対する依存性の排除に
成功した。さらに、この改良プロモーターと選択マーカ
ーとして硝酸還元酵素遺伝子(niaD)を用いて有用タン
パク質およびペプチドを効率的に発現せしめるための新
規発現プラスミドを構築した。また、このプラスミドを
用いて糸状菌を形質転換し、有用タンパク質、例えば、
α−グルコシダーゼの高生産株、あるいは、任意の生産
性を有する形質転換体を取得することに成功し、本発明
を完成するに至った。
NNATTTA−を含有するエンハンサーDNA塩基配
列、(2) NNがGCである(1)記載のエンハンサ
ーDNA塩基配列、(3) 配列−CCAATCAGC
GT−を含有するエンハンサーDNA塩基配列、(4)
(1)または(3)記載の配列を含有するエンハンサ
ーDNA塩基配列、(5) NNがGCである(4)記
載のエンハンサーDNA塩基配列、および(6)
(1)または(3)記載のエンハンサーDNA塩基配列
を、1個または複数個、糸状菌で機能するプロモーター
領域に導入したことを特徴とする改良プロモーター、
(7) プロモーター領域が糸状菌由来の加水分解酵素
遺伝子、または、解糖系酵素遺伝子のプロモーター領域
である(6)記載の改良プロモーター、(8) プロモ
ーター領域が、配列番号:2で示されるアスペルギルス
・オリゼ(Aspergillus oryzae)由来のα−グルコシダ
ーゼ遺伝子のプロモーター領域、あるいは、その部分配
列を含むプロモーター領域である(6)記載の改良プロ
モーター、ならびに(9) (6)記載の改良プロモー
ターを有し、宿主糸状菌の形質転換体の選択に好適なマ
ーカー遺伝子を有し、ターミネーターを有し、大腸菌で
複製可能なDNA領域を有する、糸状菌におけるポリペ
プチド発現用プラスミド、(10) マーカー遺伝子が
糸状菌由来の硝酸還元酵素遺伝子、オルニチンカルバモ
イルトランスフェラーゼ遺伝子、トリプトファンシンタ
ーゼ遺伝子、またはアセトアミダーゼ遺伝子である
(9)記載のプラスミド、(11) マーカー遺伝子
が、アスペルギルス属由来の硝酸還元酵素遺伝子である
(9)記載のプラスミド、(12) ターミネーター
が、配列番号:3で示されるアスペルギルス・オリゼ由
来のα−グルコシダーゼ遺伝子のターミネーター、ある
いは、その部分配列を含むターミネーターである(9)
記載のプラスミド、(13) ポリペプチドをコードす
るDNAをプロモーターおよびターミネーターの間に有
する(9)記載のプラスミド、さらに(14) (1
3)記載のプラスミドを糸状菌に導入し、得られた形質
転換体を培養することよりなるポリペプチドの製造法。
を提供する。なお、特許請求の範囲および発明の詳細な
説明に記載の配列中、Nはヌクレオチドを示し、Aはア
デニン、Tはチミン、Cはシトシン、Gはグアニンを表
す。また、本明細書においては、これらの配列におい
て、左側が5’末端側、右側が3’末端側として示して
あるが、逆方向の配列であっても本発明のエンハンサー
機能を発揮するものであり、特に断らない限り、この表
記をもって両方のエンハンサー配列を示すものとする。
以下、本発明について詳しく説明する。
コシダーゼ遺伝子(agdA)のプロモーターの単離を行っ
た。すなわち、α−グルコシダーゼ遺伝子を含むプラス
ミドpTGF-1[特開平第6-62868号]を材料にして、プロ
モーター、ターミネーターを含むα−グルコシダーゼ遺
伝子(agdA)の全塩基配列を決定するために、デレーシ
ョンクローンの作製をキロシークエンス用デレーション
キット(宝酒造社製)を用いて行い、これらのクローン
の塩基配列をジデオキシ法により決定した。決定された
全塩基配列からプロモーター領域(配列番号:2)、α
−グルコシダーゼコード領域(配列番号:1)、ターミ
ネーター領域(配列番号:3)をそれぞれ決定後、プロ
モーター領域のエンハンサー核酸塩基配列候補の検索を
遺伝子解析ソフトを用いて、アスペルギルス・オリゼの
α−アミラーゼ遺伝子(amyB)[Biosci. Biotech. Bio
chem., 56, 1849-1853(1992)]あるいは、グルコアミラ
ーゼ遺伝子(glaA)[Curr. Genet., 22, 85-91(199
2)]のプロモーターと比較することにより行った。
列の機能を確認するために、まず、agdA遺伝子のプロモ
ーターのサブクローニングと各種デレーションプロモー
ター(図4)を構築した。次に、構築された各種デレー
ションプロモーターを用いてagdAプロモーターの発現に
必要なエンハンサー配列を同定するために、この各種デ
レーションプロモーターにレポーター遺伝子としての大
腸菌のβ−グルクロニダーゼ(GUS)遺伝子(uidA)を
結合した融合遺伝子を構築し、この融合遺伝子と、agdA
ターミネーター、選択マーカーとしてのアスペルギルス
・オリゼの硝酸還元酵素遺伝子(niaD)からなる、種々
のプロモーター活性測定用プラスミド(図2)を構築し
た。このプラスミドを用いて、アスペルギルス・オリゼ
の硝酸還元酵素欠損株を公知の方法[Agric. Biol. Che
m., 51, 323-328(1987)]により形質転換し、得られた
形質転換体のサザン解析を行い、その中から宿主のniaD
遺伝子座に相同的に1コピー、インテグレートされ、染
色体に組み込まれるときの位置効果と導入されるコピー
数の影響を受けずに、正確にプロモーター活性を測定で
きる形質転換体を選択した。これら選択された形質転換
体のβ−グルクロニダーゼ(GUS)活性を公知の方法[P
roc. Natl. Sci. USA, 83, 8447-8451(1986)]に準じて
測定することにより、agdAプロモーター上のエンハンサ
ー配列を同定した。
モーター上のXhoI-EcoRV領域にエンハンサー配列が存在
し、さらに、この領域中にエンハンサー候補配列が含ま
れており、このエンハンサー候補配列およびその上流と
下流の配列を特異的に欠失させたとき、agdAデレーショ
ンプロモーター6および7の活性は激減することから、
このデレーションプロモーターで欠失している配列(図
1)がエンハンサー核酸塩基配列であると同定した。す
なわち、DNA塩基配列単位B(5’−CGGGCAT
TTA−3’)および塩基配列単位C(5’−CCAA
TCAGCGT−3’)を含むエンハンサー核酸塩基配
列を提供するに至った。
を含むDNA塩基配列単位E(図1)をagdAプロモータ
ーに1個導入し、合計2個のDNA塩基配列単位Eを含
むagdAプロモーターのGUS活性は、約3倍増加すること
を示す(図5)ことから、この塩基配列単位Eもまたエ
ンハンサー機能を有することを確証した。
4および5塩基目をamyBプロモーター、glaAプロモータ
ーに存在する配列−AA−に置換した配列E(AA)あ
るいは、他の任意の塩基に置換した配列E(TC)、配
列E(CG)のいずれの配列を導入した場合にも、プロ
モーター活性は2倍以上増加することを示した(図
5)。
5’末端から4および5塩基目の塩基配列は、−GC−
に特定されることなく、どの塩基に置換されてもエンハ
ンサー作用を示すことが確認された。すなわち、塩基配
列の揺らぎを含む配列A(5’−CGGNNATTTA
−3’)は、エンハンサー機能を有することが確証され
た。以上の如く、新規エンハンサー核酸塩基配列が提供
された。
新規エンハンサー核酸塩基配列を糸状菌で機能するプロ
モーターに導入することによるプロモーター活性の改良
を提供するものである。
としては、糸状菌において機能するものであれば特に制
限されないが、具体的には、α−アミラーゼ、グルコア
ミラーゼ、α−グルコシダーゼ、プロテアーゼ、リパー
ゼ、セルラーゼ、セロビオハイドラーゼ、アセトアミダ
ーゼ等の加水分解酵素遺伝子、3−ホスホグリセレート
キナーゼ、グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒ
ドロゲナーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ等の解糖系
酵素遺伝子のプロモーターが挙げられる。好適なプロモ
ーターは、アスペルギルス属のα−アミラーゼ、グルコ
アミラーゼ、α−グルコシダーゼの遺伝子から単離する
ことができる。より好適には、アスペルギルス・オリゼ
のα−グルコシダーゼ遺伝子のプロモーターが挙げられ
る。そのプロモーターの全塩基配列は、配列番号2で示
されるが、その部分配列であっても糸状菌におけるプロ
モーターとしての機能を有する限り本発明に含まれる。
ーへの導入部位は、プロモーター領域であれば特に制限
されるものではない。また、導入方法は、例えば以下の
ようにして行うことができる。まず、導入したいプロモ
ーター領域を適当な2種類の制限酵素[A]、[B]で
消化する。ただし、[A]は平滑末端を生じる酵素を用
いる。なければ[A]の末端をDNAブランチングキッ
ト(宝酒造社製)を用いて平滑末端化する。次に、5’
末端から制限酵素サイトを[B]・[A]の順で付加し
たプライマーと制限酵素サイトを付加しないプライマー
を用いて、エンハンサー配列を含む断片をPCR法によ
り増幅する。このようにして増幅した断片を上述の如く
消化したプロモーターに挿入することにより、平滑末端
サイトと制限酵素Bサイトでそれぞれ結合される。結合
後、平滑末端サイトの制限酵素認識サイトは消失される
が、もう一方のサイトには[B]・[A]のサイトが存
在する。エンハンサー配列を2個以上導入する場合に
は、1個導入されたプロモーターを制限酵素[A]と
[B]で消化後、以下、同様の方法で順次エンハンサー
配列を導入することにより成し遂げられる。また、導入
するエンハンサー配列の個数により、任意の転写活性を
持つプロモーターの構築が可能となる。さらに、具体的
な1例として図6に示す如くエンハンサー配列を導入し
たα−グルコシダーゼ遺伝子のプロモーターは、転写活
性が増加するのみならず、グルコース抑制を受けず、炭
素源に影響されない恒常的に高発現するプロモーターに
改良された。すなわち、プロモーターの発現制御の改良
にも成功するに至った。
上述の如く改良された糸状菌で機能するプロモーター
と、ターミネーターを有し、宿主の形質転換体の選択に
好適なマーカー遺伝子を有し、大腸菌で複製可能なDN
A領域を有するものである。
るものであれば特に制限されないが、具体的には、配列
番号3に示されるアスペルギルス・オリゼのα−グルコ
シダーゼ遺伝子のターミネーター、あるいは、その部分
配列を含むターミネーターがより好適に用いられる。
酵素(niaD)、オルニチンカルバモイルトランスフェラ
ーゼ(argB)、トリプトファンシンターゼ(trpC)、ア
セトアミダーゼ(amdS)の遺伝子が挙げられる。ただ
し、宿主糸状菌は、選定された選択マーカーについての
機能的遺伝子を有しない株を用いなければならない。よ
り好適な選択マーカー遺伝子は、硝酸還元酵素遺伝子
(niaD)である。niaD遺伝子を選択マーカーとして用い
る場合には、このマーカーに対して遺伝子に欠損を有す
る糸状菌のniaD株を宿主として用いなければならない。
このniaD変異株は、アンクルらの方法[Mol. Gen. Gene
t., 218, 99-104(1989)]により取得することができ
る。このniaD遺伝子を選択マーカーとして用いることに
より、宿主の染色体のniaD遺伝子座に相同的にインテグ
レートされる形質転換体を取得することが容易になる。
すなわち、インテグレートされる位置による発現の影響
は排除されるため、目的とする有用タンパク質の発現
は、インテグレートされるコピー数に規定されるのみで
ある。従って、本発明の発現プラスミドのプロモーター
へのエンハンサー配列の導入個数の調整と、niaD遺伝子
により選択された形質転換体のコピー数をサザン解析で
調べることにより、有用タンパク質の高生産のみなら
ず、任意の生産力を持つ形質転換体の取得が可能とな
る。さらに、アスペルギルス属、例えばアスペルギルス
・オリゼのniaD遺伝子は、多くの糸状菌、例えばアスペ
ルギルス・ニガー、アスペルギルス・ニドランス、ペニ
シリュウム・クリソゲナムなどで機能を有する[Mol. G
en. Genet., 218, 99-104(1989)]ため、種々の糸状菌
を宿主として利用することが可能である。
にして行うことができる。大腸菌ベクター、例えばpUC1
18のマルチクローニングサイトにniaD遺伝子を含むプラ
スミドpSTA14[Mol. Gen. Genet., 218, 99-104(198
9)]から適当な制限酵素で切り出したniaD遺伝子を挿入
する。次に、使用するターミネーター領域を適当な制限
酵素で切り出すか、あるいは、PCR法により増幅し
て、上記のプラスミドに挿入する。得られたプラスミド
に前述の方法で構築したエンハンサー配列を導入したプ
ロモーターを適当な制限酵素で切り出して、ターミネー
ター領域に隣接して挿入する。このようにして発現プラ
スミドが構築できる。さらに、具体的な例として図8に
示す手順で構築されたプラスミドpNAG136、pNAG142が挙
げられる。これらのプラスミドは、発現させるべき目的
のタンパク質をコードするDNA断片を、プロモーター
とターミネーターの間に挿入するとき利用できる制限酵
素サイトを増やす目的で、8種類の制限酵素認識サイト
を導入してある。
ク質あるいはペプチドを、糸状菌を宿主として製造する
方法をも開示するものである。これは、例えば次のステ
ップにより成し遂げられる。まず、目的タンパク質をコ
ードするDNAの開始コドン上流と終止コドン下流に適
当な制限酵素サイトを部位特異的変異法[Proc. Natl.
Sci. USA, 82, 488(1985)]あるいは、PCR法により
それぞれ導入し、これらの制限酵素サイトを両端に持つ
DNA断片を発現プラスミド例えばpNAG136あるいは、p
NAG142に挿入する。または、目的タンパク質の遺伝子の
ターミネーターが糸状菌で機能する場合は、タンパク質
のコード領域とターミネーター領域を含むDNA断片
を、同様な方法で調製してプロモーターに連結すること
も可能である。この様にして得られた形質転換ベクター
を用いて、このベクターに含まれる選択マーカーに対し
て遺伝子に欠損を有する糸状菌を公知の方法[Agric. B
iol. Chem., 51, 323-328(1987)]により形質転換す
る。次に、選択マーカーに対する選択培地で生育できる
形質転換体を取得後、この形質転換体を適当な培地、培
養条件で培養し、目的のたんぱく質を生産させる。生産
された目的のタンパク質は、適当な方法で定性、定量
し、また、必要に応じて単離・精製される。
るが、本発明の実施例はこれらに限られるものではな
い。なお、本実施例で使用した制限酵素およびその他の
遺伝子操作用酵素は、宝酒造または東洋紡績の製品を用
い、これらの酵素の反応条件は製品購入時に添付される
説明書に従った。
ロモーター領域とタ ーミネーター領域の同定と塩基配列 アスペルギルス・オリゼRIB40株のα−グルコシダーゼ
遺伝子を含む7.0kbのPstI部位に挿入したプラスミドpTG
F-1[特開平6-62868]を材料に用いた。
caI断片をpTGF-1から取得し、この断片にEcoRIリンカー
を付加した後、プラスミドpUC118のEcoRI部位に正、逆
両方向に挿入してそれぞれ得られたプラスミドpTGS-1と
pTGS-2を用いて、α−グルコシダーゼ遺伝子の全塩基配
列を決定するために、デレーションクローンの作成をキ
ロシークエンス用デレーションキット(宝酒造社製)を
用いて行った。具体的には、pTGS-1あるいは、pTGS-2を
SmaIとPstIで切断し、エキソヌクレアーゼIIIによる消
化、マングビーンヌクレアーゼによる平滑末端化、クレ
ノーフラグメントによる末端修復後、ライゲーションし
て各鎖長のデレーションプラスミドを作成した。これら
のデレーションプラスミドから1本鎖DNAを調製し、
ジデオキシ法[Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 74, 5463
-5467(1977)]により自動シークエンサー370A(アプラ
イド バイオシステムズ社製)を用いて、塩基配列を決
定した。決定した配列中の約3.2kb HindIII-EcoRV領域
中にα−グルコシダーゼ遺伝子のコード領域が存在する
ことが確認されており[特開平6-62868]、また、糸状
菌におけるイントロンのコンセンサス配列[「The stru
cture and organization of nuclear genes of filamen
tous fungi」IRL Press, Oxford, pp93-139(1987)]に
一致する配列を3ヶ所見い出した。以上の結果より、配
列番号1に示す985アミノ酸からなるα−グルコシダー
ゼ遺伝子のコード領域を含む全塩基配列が決定された。
さらに上流のプロモーター領域の塩基配列を決定するた
めに、pTGF-1[特開平6-62868]の1.5kb PstI-SalI断片
をプラスミドpUC118あるいは、pUC119のマルチクローニ
ング部位のPstI, SalI部位に挿入した。そのプラスミド
から1本鎖DNAを調製し、デレーションプラスミドの
時と同様にジデオキシ法により自動シークエンサーを用
いて塩基配列を決定した。以上の結果より配列番号2に
示す720bpのプロモーター領域の塩基配列を決定した。
ドン(TGA)より3’下流のターミネーター領域の塩基
配列は、デレーションプラスミドにより決定された5.0k
b ScaI断片中に十分な長さが含まれており、配列番号3
に、終止から840bpのターミネーター領域の塩基配列を
示す。
中に存在する未知のエンハンサー配列を同定するため
に、まず、プロモーターのホモロジー検索をDNASI
S遺伝子解析ソフト(日立ソフトウエアエンジニアリン
グ社製)を用いて行った。一般的に高発現、高分泌する
ことが知られているアスペルギルス・オリゼのα−アミ
ラーゼ遺伝子(amyB)のプロモーター[Biosci. Biotec
h. Biochem., 56,1849-1853(1992)]あるいは、グルコ
アミラーゼ遺伝子(glaA)のプロモーター[Curr. Gene
t., 22, 85-91(1992)]と比較したところ、プロモータ
ー領域全体としてのホモロジーはamyBのプロモーターと
51%、glaAのプロモーターと52%のホモロジーを示した
が、特にホモロジーの高い領域は見つからなかった。そ
こで、次に、agdAのプロモーターを20-50bp単位に分割
してより詳細なホモロジー検索をしたところ、図1に示
す(5’−CGGGCTAAAT−3’)の配列と高ホ
モロジーの配列(5’−CGGAAATTTA−3’)
が、amyBプロモーターとglaAプロモーターで発見され
た。また、この過程でamyBプロモーターとglaAプロモー
ターで共通に保存されている2つの公知の領域Region
I、II[Curr. Genet., 22, 85-91(1992)]もまた、agdA
プロモーター領域に存在することが確認された。
モーターのサブクロ ーニングと各種デレーションプロモ
ーターの構築 ホモロジー検索で見つかった配列(5’−CGGGCT
AAAT−3’)のエンハンサー作用の有無、あるい
は、それ以外のエンハンサー部位を同定するために、ag
dAプロモーターのサブクローニングをPCR法を用いて
行った。
位置17から718の702bpを増幅するためにPstIサイトを付
加した上流プライマーとして、 5SP: 5'-GGCTGCAGTCATGGCACCACTAGAGATG-3' SalIサイトを付加した下流プライマーとして、 3ASP: 5'-CCGTCGACCGTGGTCCGCCAAGTTGATT-3' をDNA合成機モデル391 PCR-MATE(アプライド バイ
オシステムズ社製)を用いて合成した。上記の2つのプ
ライマーとテンプレートとしてプラスミドpTGF-1を用い
てサーマル・サイクラー(パーキンエルマージャパン社
製)により、agdAプロモーターのPstI-SalI断片を取得
し、この断片をpUC118のマルチクローニングサイトに挿
入してagdAプロモーターを含むプラスミドpAGP1(図
1)を取得した。
なagdAの各種デレーションプロモーターを構築した。具
体的には、例えば、pAGP1をPstI、EcoT14Iで消化した
後、0.8%アガロース電気泳動にかけ分離した約3.8kb Ps
tI-EcoT14I断片をジーンクリーンキット(バイオ101
社製)を用いて回収した。この断片をDNAブランチン
グキット(宝酒造社製)を用いて平滑末端化後、セルフ
ライゲーションする事により、agdAデレーションプロモ
ーター2(P-agdA2)を含むプラスミドpAGP2を取得し
た。以下、pAGP1をPstIとXhoI、EcoRV、あるいは、FbaI
で二重消化した後、同様な方法でagdAデレーションプロ
モーター3、4、あるいは、5を含むプラスミドpAGP
3、4、あるいは、5をそれぞれ取得した。
モーターとglaAプロモーターに相同性の高い塩基配列
(5’−CGGGCTAAAT−3’)だけを欠失させ
たagdAデレーションプロモーター6(P-agdA6)は、コ
ンビネーションPCR法[「PCRTechnology」,Stocton
Press, New York, pp.61-70(1989)]を用いて取得し
た。具体的には、まず、高ホモロジー配列を欠失した内
部上流プライマーとして、 5ISP: 5'-GCGTCGTGTCGGGGGATGGACCAATCAGC-3' 同じく内部下流プライマーとして、 3IASP: 5'-CATCCCCCGACACGACGCTTGAGCCCTGA-3' を合成した。
グの時に合成した上流プライマー5SPと内部下流プライ
マー3IASPを用いてPCR産物1を増幅し、同じく内部
上流プライマー5ISPと下流プライマー3ASPを用いてPC
R産物2を増幅した。得られたPCR産物1と2を混合
してテンプレートとし、上流プライマー5SPと下流プラ
イマー3ASPを用いて3回目のPCR反応をGene AmpTM k
it(パーキンエルマージャパン社製)を用いて下記の反
応溶液中で行った。 H2O 70.5μl 10x反応溶液 10μl dNTP mix(1,25mM) 16μl 上流プライマー5SP(0.1mM) 1μl 下流プライマー3ASP(0.1mM) 1μl PCR産物1 1μl(5-100ng) PCR産物2 1μl(5-100ng) AmplitaqTMDNAポリメラーゼ 0.5μl 反応条件は(94℃, 0.5分)→(55℃, 1分)→(72℃,
2分)で25サイクル行った。PCR増幅後の反応溶液
は、フェノール・クロロホルム処理後、エタノール沈澱
で回収し、PstI、SalIで処理した後、0.8%アガロース電
気泳動に供し、agdAデレーションプロモーター6(P-ag
dA6)を単離・精製した。このデレーションプロモータ
ーをPstI、SalIで処理したpUC118に挿入してP-agdA6を
含むプラスミドpAGP6を取得した。
て、図1に示すような相同性の高い塩基配列のすぐ下流
領域3とすぐ上流領域1だけを欠失させたagdAデレーシ
ョンプロモーター7(P-agdA7)あるいは、8(P-agdA
8)をそれぞれ取得してPstI、SalI処理したpUC118にそ
れぞれ挿入して、pAGP7あるいは、pAGP8を取得した。ま
た、コンビネーションPCR法により得たデレーション
プロモーターは、目的の配列が欠失していることをジデ
オキシ法により塩基配列を調べることにより確認した。
ミドの構築 構築された各種agdAデレーションプロモーターを用いて
agdAプロモーターの発現に必要なエンハンサー配列を同
定するため、agdAターミネーターと選択マーカーとして
のアスペルギルス・オリゼの硝酸還元酵素遺伝子(nia
D)とレポーター遺伝子としての大腸菌(E. coli)のβ
−グルクロニダーゼ(GUS)遺伝子(uidA)からなるプ
ロモーター活性測定用プラスミドpNAGT4(図2)を構築
した。
プラスミドpSTA14[Mol. Gen. Genet., 218, 99-104(19
89)]をXhoI、HindIIIで消化後、0.8%アガロース電気泳
動に供し、niaDを含む4.4kbのXhoI-HindIII断片を単離
・精製した。この断片をDNAブランチングキット(宝
酒造社製)を用いて平滑末端化した後、EcoRI処理後同
じく平滑末端化処理したpUC118に挿入してpNR10を得
た。
S)遺伝子(uidA)を挿入するために、pBI221[Proc. N
atl. Acad. Sci. USA, 83, 8447-8451(1986)]のGUS遺
伝子の5’上流のSmaIサイトで消化し、これにSalIリン
カーを付けセルフライゲーションした後、次に、3’下
流のSacIサイトで消化後、平滑末端化してXbaIリンカー
を付け同様にセルフライゲーションしてpBI221-SXを得
た。このpBI221-SXからGUS遺伝子を含む約1.9kbのSalI-
XbaI断片をアガロース電気泳動を用いて同様に単離・精
製した後、pNR10のマルチクローニングサイトのSalI、X
baIサイトに挿入してプラスミドpNRG1を得た。
gdA)のターミネーター(T-agdA)を挿入するために、
まず、ターミネーターをPCR法により取得した。配列
番号3に示すagdAターミネーターの存在位置8から837の
830bpを増幅するためにXbaIサイトを付加した上流プラ
イマーとして、5TSP: 5'-CCTCTAGAAGCGTAACAGGATAGCCT
AG-3' SmaIサイトを付加した下流プライマーとして、 3TASP: 5'-GGCCCGGGAGTAACCCATTCCCGGTTCT-3' をDNA合成機モデル391 PCR-MATE(アプライド バイ
オシステムズ社製)を用いて合成した。上記2つのプラ
イマーとテンプレートとしてプラスミドpTGF-1を用いて
サーマル・サイクラー(パーキンエルマージャパン社
製)によりagdAターミネーターのXbaI-SmaI断片を取得
した。この断片をXbaI、SmaI消化したpNRG1に挿入して
プロモーター活性測定用プラスミドpNAGT4を得た。
モーターを挿入して得られたプラスミドを用いてアスペ
ルギルス・オリゼの形質転換体を取得した。
ーターを含むプラスミドのうちpAGP2、3、4、5は、SalI
とNaeIで消化後、アガロース電気泳動を用いてデレーシ
ョンプロモーターを含むSalI-NaeI断片を単離・精製し
た。また、SalIとPstIで処理したpAGP1、6、7、8から同
様にして、デレーションプロモーターを含むSalI-PstI
断片を単離・精製した。
は、SalI、PstI消化し、同様にそれぞれの制限酵素で処
理されたpNAGT4を単離・精製した後、使用した制限酵素
に対応する各デレーションプロモーター断片をpNAGT4に
それぞれ導入することにより、pNAGG1-1からpNAGG1-8の
8種類のプラスミドを得た。図2にその一例を示す。
スミドによるアスペルギルス・オリゼの形質転換を行っ
た。アスペルギルス・オリゼの硝酸還元酵素欠損株(ni
aD-)、例えば、niaD14株[Mol. Gen. Genet., 218, 99
-104(1989)]をデキストリン・ペプトン培地(2% デキ
ストリン、1% ポリペプトン、0.5% KH2PO4、0.05% MgSO
4・7H2O)で30℃、3日間振とう培養した後、得られた菌
体を滅菌水で洗浄した。この菌体を細胞壁溶解液[10mM
リン酸緩衝液、pH 6.0、0.8M NaCl、20mg/ml ヤタラー
ゼ(宝酒造社製)]に懸濁し、30℃、2〜3時間緩やかに
振とうすることによりプロトプラスト化した。得られた
プロトプラストをガラスフィルターで濾過することによ
り残存する菌体を除去した。
の方法[Agric. Biol. Chem., 51,323-328(1987)]によ
りコンピテントセルの調製および形質転換を行い、単一
窒素源として硝酸を含む培地、例えば、ツァペック・ド
ックス培地(0.2% NaNO3、0.1% K2HPO4、0.05% KCl、0.
05% MgSO4・7H2O、2% グルコース、pH 5.5]で生育可能
な形質転換体をそれぞれのプラスミドにつき各12株づつ
合計96株取得した。
のβ−グルクロニダ ーゼ活性 得られた各種形質転換体のサザン解析を行い、その中か
ら、相同的に1コピー、インテグレートされた株を選択
して、β−グルクロニダーゼ(GUS)活性を測定した。
NAの調製を行った。形質転換体の分生胞子1白金耳を
デキストリン・ペプトン培地(2% デキストリン、1% ポ
リペプトン、0.5% KH2PO4、0.1% NaNO3、0.05% MgSO4・
7H2O)100mlに接種し、30℃、3日間振とう培養後、得ら
れた菌体を3G1ガラスフィルターで集め滅菌水で洗浄し
た。この菌体の水分を濾紙により除去した後、あらかじ
め-80℃に冷却した乳鉢を用いて液体窒素中ですりつぶ
した。この菌体破砕物をTE溶液(10mM Tris-HCL、1mM
EDTA、pH 8.0)に懸濁した後、溶菌溶液(0.5% SDS、5
0mM EDTA)を等量加えて緩やかに撹拌後、37℃、30分間
放置した。得られた溶菌液を3000rpm、20分間冷却遠心
分離後、上清を取得した。その上清を等量のフェノール
・クロロホルム混合液で2回処理して、夾雑するタンパ
ク質を除去後、2.5倍容の冷エタノールを加えDNAを
沈澱させた。この沈殿物を0.1mg/mlのRNaseを含むTE
溶液に緩やかに溶解して30℃、30分間反応した。この溶
液をフェノール・クロロホルム処理した後、2.5倍容の
冷エタノールを添加し、生じた染色体DNAをパスツー
ルピペットで巻き取った。巻き取ったDNAを乾燥後、
TE溶液に溶解し、染色体DNA溶液を調製した。得ら
れた染色体DNAをSalIで消化後、アガロース電気泳動
で分離しナイロンメンブレン、例えば、ハイボンドN
(アマシャム社製)にブロットした後、プラスミドpUC1
18をプローブとしてサザン解析を行った。この時、EC
LランダムプライムDNAラベリング・検出システム
(アマシャム社製)を用いてプローブのラベリングおよ
びシグナルの検出を行った。その結果、形質転換に用い
たプラスミドに含まれる各デレーションプロモーターの
サイズに依存した9.3kbから8.9kbのシングルバンドの検
出、あるいは、このシングルバンドに加え、プラスミド
のサイズに相当する11.0kbから10.6kbにもハイブリダイ
ズして合計2本のバンドが検出される場合の2通りのパ
ターンが存在した。この結果は、図3に示すように、1
本のバンドの場合は1コピー、2本のバンドのばあいは2
コピー以上、宿主のniaD遺伝子座に相同的にインテグレ
ートされていることを意味している。
カー遺伝子としてniaD遺伝子を含んでおりこの選択マー
カー単独で形質転換した場合は、高頻度で相同的にイン
テグレートされる[Mol. Gen. Genet., 218, 99-104(19
89)]ことが明らかになっているが、これに新たに導入
したい別の遺伝子を含むプラスミドを用いて形質転換し
た場合にも、導入される遺伝子の影響を受けずに、niaD
遺伝子座で相同的にインテグレートされることが明らか
となった。また、ごく希にniaD遺伝子座で2重交差によ
る組み換えを生じ、niaD遺伝子のみがインテグレートさ
れるパターンも存在した。
の測定に適した形質転換体、即ち、相同的に1コピーだ
けインテグレートされ、染色体に組み込まれる時の位置
効果と導入されるコピー数の影響を受けずに、正確にプ
ロモーター活性を測定できる形質転換体を、使用したプ
ラスミドにつき任意に2株ずつ合計16株選択した。
個をツァペック・ドックス・ポリペプトン培地(1% ポ
リペプトン、0.1% K2HPO4、0.05% MgSO4・7H2O、0.05%
KCL、0.01% FeSO4、2% グルコース、pH 5.5)15mlに接
種し、30℃、3日間振とう培養後、得られた菌体を3G1ガ
ラスフィルターで集めた。この菌体の水分を濾紙で除去
した後、約0.2gの菌体を-80℃に冷却した乳鉢を用いて
液体窒素中ですりつぶした。この菌体破砕物を0.8mlの
抽出溶液(50mM リン酸緩衝液、pH 7.0、10mM EDTA、0.
1% Triton X-100、0.1% sarkosyl、10mM β−メルカプ
トエタノール)に懸濁後、約1分間激しく撹拌すること
により酵素を抽出後、15000rpm、15分間、遠心分離して
菌体残さを除去した上清を酵素溶液とした。得られた酵
素液中のβ−グルクロニダーゼ(GUS)活性は、公知の
方法[Proc. Natl. Acad. Sci. USA,83, 8447-8451(198
6)]に準じて、1mlの反応溶液(50mM リン酸緩衝液、pH
7.0、0.1% Triton X-100、10mM β−メルカプトエタノ
ール、1mM p−ニトロフェニルグルクロニド)中で37℃
で酵素液5μlから50μlを反応させ、415nm の吸光度を
測定することにより行った。なお、この時の活性は、デ
レーションしていない本来のα−グルコシダーゼプロモ
ーター(P-agdA1)により生産されたGUS活性を100%とす
る相対活性で示した。その結果を図4に示す。
させた場合、P-agdA1とP-agdA2の間の領域(PstI-EcoT1
4I)とP-agdA3とP-agdA4の間の領域(XhoI-EcoRV)の2
ヶ所で大きな活性低下が見られた。その内、PstI-EcoT1
4I領域中には、公知の保存配列RegionI[Curr. Genet.,
22, 85-91(1992)]が存在していた。また、XhoI-EcoRV
領域中には、ホモロジー検索の結果見い出された塩基配
列B(5’−CGGGCATTTA−3’)が含まれて
いた。さらに、上記の配列Bだけを欠失したデレーショ
ンプロモーター(P-agdA6)の活性もまた激減している
ことから、agdAプロモーターに存在する塩基配列Bは、
新規なエンハンサーであることが確認された。また、エ
ンハンサー配列Bの前後の塩基配列だけをそれぞれ欠失
したプロモーターP-agdA7とP-agdA8のうち、P-agdA7の
相対活性は19%しか示さず、ここで欠失した配列C
(5’−CCAATCAGCGT−3’)もまたエンハ
ンサー配列であることが確認された。
の決定 新規なエンハンサー配列であることが確認された塩基配
列B(5’−CGGGCATTTA−3’)と保存性の
高い配列が、実施例2で行ったホモロジー検索の結果、
α−アミラーゼプロモーターとグルコアミラーゼプロモ
ーターにも存在することが確認されており、これらの配
列もまた、エンハンサー機能を持つかどうかを確認する
ために、配列Bと異なる塩基部分を任意の塩基と置換し
た配列を、agdAプロモーターに挿入したプロモーターを
作成して、そのプロモーター活性を測定した。
ー(0.7kb PstI-SalI断片)を含むプラスミドpAGP1を用
いてagdAプロモーターのEcoRVとClaIサイトを制限酵素
処理した後、DNAブランチングキット(宝酒造社製)
を用いて平滑末端化し、セルフライゲーションすること
によりエンハンサー配列を含まないEcoRV-ClaI断片を除
去したagdAデレーションプロモーター131(P-agdA13
1)を含むプラスミドpAGP131を取得した(図5)。次
に、図5に示すエンハンサー配列BおよびCを含むDN
A塩基配列E(具体的配列は図4に示す)を除去したEc
oRV-ClaI断片の変わりに挿入するために、この配列Eを
PCR法により取得した。具体的には、上流プライマー
として、 5SPE: 5'-TCAAGCGTCGTGTCGGGCATT-3' ClaIサイトを付加した下流プライマーとして、 3ASPE: 5'-CCATCGATGATATCCCTACGCTGATTGG-3' をDNA合成機モデル391 PCR-MATE(アプライド バイ
オシステムズ社製)を用いて合成した。上記の2つのプ
ライマーとテンプレートとしてプラスミドpTGF-1を用い
てサーマル・サイクラー(パーキンエルマージャパン社
製)により増幅した。この増幅された配列EをagdAプロ
モーターに挿入するために、P-agdA131の時と同様にagd
AプロモーターをEcoRVとClaIで消化し、アガロース電気
泳動を用いてEcoRV-ClaI断片を除去した。これと配列E
をライゲーションすることにより配列Eを挿入したプロ
モーター131GC(P-agdA132GC)を含むプラスミドp
AGP132-GCを得た。
4塩基目と5塩基目が−AA−に置換された配列(5’
−CGGAAATTTA−3’)、即ち、α−アミラー
ゼ(amyB)プロモーターとグルコアミラーゼ(glaA)プ
ロモーターに共通する配列を含む配列E(AA)をP-ag
dA131GCと同様に、agdAプロモーターに挿入するために
配列E(AA)のPCR増幅を行った。上流プライマー
として、 5SPE-AA: 5'-TCAAGCGTCGTGTCGGAAATT-3' を合成し、下流プライマーは、配列E増幅で使用したプ
ライマー3ASPEを用いて今までと同様にサーマル・サイ
クラーにより増幅した。この増幅された配列E(AA)
をP-agdA132GCの時と同様な方法でagdAプロモーターに
挿入して、プロモーター132AA(P-agdA132AA)を
含むプラスミドpAGP132-AAを取得した。また、それ以外
にも、エンハンサー配列Bの5’末端から4塩基目と5
塩基目が、−TC−、あるいは−CG−に置換された配
列を含む配列E(TC)あるいは配列E(CG)を上述
と同様な方法で PCRを用いて増幅した後、agdAプロ
モーターに挿入してプロモーター132TC(P-agdA13
2TC)あるいは、プロモーター132CG(P-agdA132C
G)を含むプラスミドpAGP132-TCあるいは、pAGP132-CG
を取得した。
SalIで処理後、種々の改変agdAプロモーターを含むPstI
-SalI断片をアガロース電気泳動により単離・精製し
た。この断片を実施例4で構築したプロモーター活性測
定用プラスミドpNAGT4(図2)のPstI、SalIサイトに挿
入して、pNAGG1-131、-132GC、-132AA、-132TCそして-1
32CGを得た。つぎに、これらのプラスミドを用いて実施
例5で示した方法でアスペルギルス・オリゼの形質転換
体を各々のプラスミドにつき、各6株ずつ合計30株取
得した。これらの形質転換体のサザン解析を実施例6の
方法で行い、硝酸還元酵素遺伝子(niaD)座で相同的に
1コピー、インテグレートされ、染色体に組み込まれる
位置効果と導入されるコピー数の影響を受けない形質転
換体を任意に2株ずつ選択した。選択された形質転換体
を実施例6の方法に従い、ツァペック・ドックス・ポリ
ペプトン培地での培養後、液体窒素による菌体破砕、破
砕菌体からの酵素の抽出、抽出酵素液のβ−グルクロニ
ダーゼ(GUS)活性測定を行うことにより改変プロモー
ターの活性を測定した。
含むDNA塩基配列EをagdAプロモーターに導入した改
変プロモーター132GC(P-agdA132GC)のGUS活性
は、コントロールのP-agdA131と比べて2.7倍の上昇を示
し、エンハンサー配列BおよびCを含む配列Eは、プロ
モーター活性を増強する能力を有することが確認され
た。また、エンハンサー配列Bの5’末端から4および
5塩基目をamyBプロモーター、glaAプロモーターに存在
する配列−AA−に置換した配列E(AA)あるいは、
他の任意の塩基に置換した配列E(TC)、配列E(C
G)のいずれの配列を導入した場合にもプロモーター活
性は2倍以上増加することを示した。以上の結果より、
エンハンサー配列Bの5’末端から4および5塩基目の
塩基配列は、−GC−に特定されることなくどの塩基に
置換されてもエンハンサー作用を示すことが確認され
た。すなわち、塩基配列の揺らぎを含む配列A(5’−
CGGNNATTTA−3’)は、エンハンサー機能を
有することが示された。
プロモーターの改良 2塩基の揺らぎを含むエンハンサー配列A(5’−CG
GNNATTTA−3’)とエンハンサー配列Cを含む
DNA塩基配列EをagdAプロモーターに複数個導入する
ことにより、プロモーター活性の改良を行った。
agdA132GCは、配列Eが1個導入されたプロモーターで
あり、この時導入される配列Eの5’末端は平滑末端で
結合し、結合後EcoRVの認識サイトは消失する。一方、
3’末端は配列Eに元々含まれるEcoRVサイトに加えP
CRのときにClaIサイトが付加されているため、結合
後、図5あるいは、6に示すように2つの制限酵素サイ
トが存在する。このEcoRV、ClaIサイトを利用して複数
個タンデムに配列Eを順次導入していった。具体的に
は、P-agdA132GCを含むプラスミドpAGP132-GCをEcoRV、
ClaIで消化し、これに実施例7でPCR増幅した3’末
端にEcoRV、ClaIサイトを持つ配列Eを導入して、pAGP1
33を構築した。このpAGP133をEcoRV、ClaIで消化し、以
下同様に、順次配列Eをプロモーターに導入していき、
最高11個導入し、合計12個、配列Eがタンデムに存
在するプロモーターP-agdA142までを含むプラスミドを
構築した。これらのプラスミドの中から配列Eが4個、
6個、12個存在するプロモーターを含むプラスミドpA
GP134、136、142をPstI、SalIで消化後、これらの改良
プロモーターをアガロース電気泳動で単離・精製し、Ps
tI、SalIサイトを両端に持つ改良プロモーターを実施例
4で構築したプロモーター活性測定用プラスミドpNAGT4
(図2)のPstI、SalIサイトに挿入してpNAGG1-134、-1
36、142を取得した。
としてアスペルギルス・オリゼのグルコアミラーゼ遺伝
子(agdA)のプロモーターを用いて、これにレポーター
遺伝子としてのGUS遺伝子を連結したプラスミドをagdA
プロモーターの場合と同様に構築した。具体的には、ま
ず、公知のglaAプロモーター塩基配列[Curr. Genet.,
22, 85-91(1992)]から以下に示すプライマーを合成し
てglaAプロモーター(P-glaA)をサブクローニングし
た。PstIサイトを付加した上流プライマーとして、 5SGP: 5'-GGCTGCAGAGCCTACGCTAAAGCAAAGT-3' SalIサイトを付加した下流プライマーとして、 5ASGP: 5'-CCGTCGACTGCTTCGACTTCGTTTGCTG-3' これらのプライマーを用いてglaAプロモーター(P-gla
A)を含むプラスミド、例えば、pRGA-1[Gene, 108, 14
5-150(1991)]をテンプレートとしてPCR増幅を行
い、galAプロモーター(P-glaA)の0.7kb PstI-SalI断
片を取得し、実施例4で構築したプロモーター活性測定
用プラスミドpNAGT4のPstI、SalIサイトに挿入してpNGA
G1を構築した。次に、これらのプラスミドを用いて実施
例5で示した方法で形質転換体を各々のプラスミドにつ
き各6株ずつ合計24株取得し、これらの形質転換体の
サザン解析を実施例6の方法で行い、niaD遺伝子座で相
同的に1コピー、インテグレートされた形質転換体を任
意に2株ずつ選択した。選択された形質転換体から実施
例6の方法に従い菌体培養、酵素の抽出を行い、抽出酵
素液のβ−グルクロニダーゼ(GUS)活性測定を行うこ
とにより、改良プロモーターの活性を測定した。
ロモーターにタンデムに導入するに従いGUS活性は増加
し、P-agdA142では、配列Eが1個存在するP-agdA131に
比べて3.5倍のプロモーター活性の増強が確認された。
さらに、本来、高発現プロモーターとして有用なglaAプ
ロモーターと比べても3倍以上のプロモーター活性を示
し、エンハンサー配列をプロモーターに導入する方法
は、非常に有効であることが確認された。
する有効性 エンハンサー配列Eをタンデムに複数個導入することに
より高発現化されたプロモーターP-agdA142の炭素源に
対する有効性を試験するために、種々の炭素源を含む培
地で生育した菌体のGUS活性を測定した。
ロモーター(P-agdA1)にGUS遺伝子を連結した融合遺伝
子が1コピー、インテグレートされた形質転換体および
実施例8で使用した改良プロモーター(P-agdA142)あ
るいは、glaAプロモーター(P-gla)とGUS遺伝子の融合
遺伝子が1コピー、インテグレートされた形質転換体、
各々2株、合計6株の分生胞子1x106個をツァペック・
ドックス・ポリペプトン培地(1% ポリペプトン、0.1%
K2HPO4、0.05% MgSO4・7H2O、0.05% KCl、0.01% FeS
O4、2% グルコース、pH 5.5)あるいは、この培地のグ
ルコースを表1に示す各種の炭素源に置換した培地15ml
に接種し、30℃、3日間振とう培養後、実施例6の方法
に従い、菌体破砕、酵素抽出を行い、抽出酵素液のGUS
活性を測定した。その結果を表1に示す。
のプロモーター(P-agdA1)に比べてグルコースで10倍
以上、他の炭素源でも5〜6倍、高活性を示した。さら
に、P-agdA142は、glaAプロモーター(P-glaA)に比べ
ても供試したいずれの炭素源においても高活性を示し
た。また、glaAプロモーターあるいは、本来のagdAプロ
モーターは、グルコース抑制の影響を受けるため、炭素
源グルコースのときの活性は極端に低下する特徴を有す
るが、改良プロモーターでは、グルコースにおいても他
の炭素源の約80%の相対活性を保持していた。この結果
は、エンハンサー配列を複数個導入することにより改良
されたプロモーターP-agdA142は、炭素源に影響され
ず、恒常的に高発現することを意味しており、その有用
性は非常に高く、プロモーターの発現制御機能もまた、
改良できることを示した。
解析 実施例8で構築された改良プロモーターP-agdA142によ
りGUS活性の顕著な増加が確認されたが、この活性増加
が、プロモーターの転写活性の増加、すなわち、GUS遺
伝子(uidA)のmRNAの増加のためであるかどうかの
確認を行った。
1個だけ存在するプロモーター(P-agdA131)4個存在す
るプロモーター(P-agdA134)あるいは、12個存在する
改良プロモーター(P-agdA142)とGUS遺伝子の融合遺伝
子が1コピー、インテグレートされた形質転換体の分生
胞子1x106個をツァペック・ドックス・ポリペプトン培
地100mlに接種し、30℃、3日間振とう培養後、ガラス
フィルターで集菌し、滅菌水で洗浄した。洗浄菌体約2.
0gを炭素源がグルコースあるいは、マルトースのツァペ
ック・ドックス・ポリペプトン培地100mlに移した後、
さらに、30℃、12時間振とう培養した菌体をガラスフィ
ルターで集め、滅菌水で洗浄した。この洗浄菌体の水分
を濾紙で除去後、約2.0gの菌体を-80℃に冷却した乳鉢
を用いて液体窒素中ですりつぶし、この菌体破砕物に6m
lのグアニジンイソチオシアネート溶液(5M グアニジン
イソチオシアネート、10mM EDTA、50mM Tris-HCl、pH
7.5)と0.6mlのβ−メルカプトエタノールを加え懸濁溶
液を調整後、公知の方法[DNA, 2, 329-335(1983)]に
準じてRNAを調製した。このRNAの20μgをホルム
アルデヒド・アガロースゲル電気泳動で分離後、ナイロ
ンメンブレン例えば、ハイボンドN(アマシャム社製)
へ、トランスブロットした後、トランスイルミネーター
を用いて紫外線照射することによりメンブレン上にRN
Aを固定した。次に、プラスミドpBI221-SX(図2)か
ら調製した1.9kb XbaI-SalI断片のGUS遺伝子(uidA)と
メンブレンをハイブリダイゼーション溶液(5xSSPE、5x
Denhardt's溶液、50% ホルムアミド、0.5% SDS、100μg
/ml 熱変性鮭精子DNA)中で42℃、17時間ハイブリダイ
ズさせた後、適当な洗浄溶液、例えば、6xSSCあるい
は、0.2xSSC,0.1% SDSでメンブレンを洗浄した。このメ
ンブレンとハイブリダイズしたシグナルはX線フィルム
上で検出された。
コース、マルトースいずれの場合においても、エンハン
サー配列が1個のプロモーター(P-agdA131)より12個存
在するプロモーター(P-agdA142)の方が、多量のGUS遺
伝子(uidA)のmRNAが検出された。これは、agdAプ
ロモーターにエンハンサー配列を複数個導入することに
よりプロモーターの転写活性が増加したことを意味して
おり、GUS活性の増加は、P-agdA142のプロモーター機能
が改善された結果であることが確認された。
G142の構築 硝酸還元酵素遺伝子(niaD)を選択マーカーに持ち、高
発現プロモーターP-agdA136あるいは、P-agdA142とagdA
ターミネーターの間にマルチクローニングサイト(MC
S)を導入した汎用性のある高発現ベクターpNAG136ある
いは、pNAG142を図8に示す手順で構築した。
ーの存在位置8から585の578bpを増幅するために、実施
例4で合成したXbaIサイトを付加した上流プライマー5T
SPとSmaIサイトを付加した下流プライマー、 3TASP-2: 5'-GGGAGGTGTACGCTTGGTAAAGT-3' をDNA合成機モデル391 PCR-MATE(アプライド バイ
オシステムズ社製)を用いて合成した。これらのプライ
マーを用いてプラスミドpTGF-1[特開平6-62868]をテ
ンプレートとしてPCR増幅を行い、agdAターミネータ
ーの0.6kb XbaI-SmaI断片を取得した。この断片を実施
例4で構築したniaD遺伝子を含むプラスミドpNR10のマ
ルチクローニングサイト(MCS)のXbaI、SmaIサイトに
挿入してプラスミドpNRT10を構築した。このプラスミド
のPstI、SalIサイトに、実施例8で構築したエンハンサ
ー配列を6個あるいは、12個もつ高発現プロモーターP-a
gdA136あるいは、P-agdA142のPstI-SalI断片をそれぞれ
挿入して、pNAG136xsあるいは、pNAG142xsを取得した。
発現agdAプロモーター(P-agdA136あるいは、P-agdA14
2)の間にマルチクローニングサイトを導入するため
に、まず、マルチクローニングサイトとして使用可能な
制限酵素の検索を行った。すなわち、高発現ベクターの
構成要素であるniaD遺伝子、agdAターミネーター(T-ag
dA)、高発現プロモーター(P-agdA136あるいは、P-agd
A142)、pUC118のいずれにも存在しない制限酵素の検索
を行った結果、pNAG136xsあるいは、pNAG142xsで使用で
きるXbaI、SalI以外に新たに、NdeI、NotI、PmaCI、Spe
Iが使用できることが確認された。また、高発現agdAプ
ロモーターの5’末端に存在するHindIII、SphIを除去
すれば、これらの制限酵素も使用できるため、pNAG136x
sあるいは、pNAG142xsをHindIII、SphIで消化し、DN
Aブランチングキット(宝酒造社製)を用いて平滑末端
化した後、セルフライゲーションすることにより、Hind
III、SphIサイトを除去した。次に、上述の検索の結
果、使用可能な8種類の制限酵素(両端はXbaIとSalI)
からなるマルチクローニングサイト(図8)をDNA合
成機を用いてセンス鎖、アンチセンス鎖をそれぞれ合成
し、これらを混合後、(94℃、1分間)→(55℃、10分
間)インキュベート後、氷冷することによりアニールさ
せ2本鎖のマルチクローニングサイトを取得した。合成
した1本鎖DNAは以下に示す。
TAGTCACGTGGCGGCCGCAAGCTTG-3' アンチセンス鎖: 5'-TCGACAAGCTTGCGGCCGCCACGTGACTAGT
CATATGGCATGCT-3'
の5’末端をT4ポリヌクレオチドキナーゼ(宝酒造社
製)を用いてリン酸化した後、HindIII、SphIを除去し
たpNAG136xs、pNAG142xsのXbaI、SalIサイトに挿入する
ことにより、pNAG136とpNAG142を構築した。
−グルコシダーゼ高生産株の取得 実施例8で構築したエンハンサー配列Eを複数個agdAプ
ロモーターに導入することにより高発現プロモーターに
改良されたP-agdA136あるいは、P-agdA142によるα−グ
ルコシダーゼ(AGL)高生産株を育種するために、ま
ず、形質転換用プラスミドpNAGL136あるいは、pNAGL142
を構築した。その構築手順を図9に示す。
dA136あるいは、P-agdA142を含むプラスミドpAGP136あ
るいは、pAGP142をCpoI、BamHIで消化後、アガロース電
気泳動で単離・精製した。次に、α−グルコシダーゼ遺
伝子(agdA)を含むプラスミドpTGF-1[特開平6-6286
8]をCpoI、BamHIで処理し、agdAのコード領域およびタ
ーミネーター領域を含む3.8kb CpoI-BamHI断片を、同様
に単離・精製した。この断片を前述のCpoI、BamHI処理
したプラスミドに挿入してpAGL136あるいは、pAGL142を
構築した。これらのプラスミドをPstI、SmaIで消化後、
4.4kbあるいは、4.7kbの改良agdAプロモーターに連結さ
れたagdA遺伝子のPstI-SmaI断片を単離・精製し、この
断片を実施例4で構築した選択マーカーとしての硝酸還
元酵素遺伝子(niaD)を含むプラスミドpNR10のPstI、S
maIサイトに挿入することにより、形質転換プラスミドp
NAGL136あるいは、pNAGL142を構築した。
5で示した方法でアスペルギルス・オリゼの硝酸還元酵
素欠損株(nia14)の形質転換を行い、約300株の形
質転換体を取得後、高生産株のスクリーニングを以下に
述べる方法で行った。形質転換体の分生胞子1白金耳
を、0.05%4−ニトロフェニル−α−D−グルコシド(4N
PG)を含むツァペック・ドックス寒天培地(0.2% NaN
O3、0.1% K2HPO4、0.05% KCl、0.05% MgSO4・7H2O、2%
グルコース、1.5% 寒天、pH 5.5)に接種し、生育した
菌体コロニーの周辺の色が、分泌されたα−グルコシダ
ーゼの作用により基質である4NPGが分解され生じた4−
ニトロフェノールのために黄色に変化し始める時間およ
び色の強さを指標に、スクリーニングを行った。このス
クリーニングにより、活性の強い十数株を選択し、次
に、これらの形質転換体のサザン解析を行い、コピー数
の最も多い株をスクリーニングした。また、同時に、活
性の弱い任意の数株についてもサザン解析を行った。な
お、染色体DNAの調製は、実施例6の方法に従って行
った。ここで得られた染色体DNAをXhoI、SalIで消化
後、アガロース電気泳動で分離し、ナイロンメンブラ
ン、例えば、ハイボンドN(アマシャム社製)にブロッ
トした後、3.8kb CpoI-BamHI断片のagdA遺伝子をプロー
ブとしてサザン解析を行った。この時、ECLランダム
プライムDNAラベリング・検出キット(アマシャム社
製)を用いてプローブのラベリングおよびシグナルの検
出を行った。
ギルス・オリゼが本来持っているagdAに相当する7.1kb
のバンドが共通して検出され、それ以外に、使用した高
発現プロモーターの長さに依存した8.0kbあるいは、8.9
kbのバンドが検出され合計2本のシグナルが存在するni
aD遺伝子座で相同的に1コピー、インテグレートしてい
る株、あるいは、この2本のシグナルに加えさらに、使
用した形質転換プラスミド(pNAGL136あるいは、pNAGL1
42)のサイズに相当する12.0kbあるいは、12.3kbのバン
ドもまた検出され合計3本のシグナルが存在する相同的
に2コピー以上、インテグレートしている株、の2通り
のパターンが検出された。また、プレートスクリーニン
グで活性の強かった形質転換体は、いずれも2コピー以
上インテグレートされており、この中から、12.0kbのシ
グナルの最も強い株AGL136-60は、4から5コピー、12.
3kbのシグナルの最も強い株AGL142-72は、3から4コピ
ー、それぞれインテグレートされていると推定された。
それに加えて、形質転換に使用したプラスミドから得ら
れた1コピーおよび2コピー株をそれぞれ2株ずつ選択
した、これら10株の形質転換体のα−グルコシダーゼ
(AGL)活性を測定した。
2白金耳を、デキストリン・ペプトン(DP)培地(2%
デキストリン、1% ポリペプトン、0.5% KH2PO4、0.05%
MgSO4・7H2O)あるいは、炭素源が2% グルコースか2%
マルトースのツァペック・ドックス・ポリペプトン(C
D−P)培地(1% ポリペプトン、0.1% K2HPO4、0.05%
MgSO4・7H2O、0.05% KCl、0.01% FeSO4、2% 炭素源、pH
5.5)の3種類の培地15mlに接種し、30℃、3日間振と
う培養後、ガラスフィルターを用いて菌体を除去した培
養濾液を調製した。この培養濾液中のα−グルコシダー
ゼ(AGL)活性は、反応溶液(20mM 酢酸緩衝液、pH 5.
0、0.2% 4−ニトロフェニル−α−D−グルコシド(4NP
G))に適当量、例えば、0.1mlの培養濾液を加え1mlと
し、37℃で任意の時間(1〜60分間)反応後、2.0mlの0.
5M Na2CO3溶液を加えて反応を停止して、反応溶液中に
遊離してくる4−ニトロフェノール(4NP)を405nmの吸
光度の上昇で測定した。1ユニット(U)は、1分間に
1μmolの4NPを遊離する活性と定義した。また、培養濾
液中のタンパク質濃度は、プロテインアッセイ染色液
(バイオラッド社製)により定量した。測定結果を表2
に示す。
培養した場合でも親株より非常に高く、例えば、1コピ
ー、インテグレートされるだけでDP培地の時AGL142-9
5株で40倍以上増加した。また、AGL136株、AGL142株の
いずれの形質転換体においても、インテグレートされた
コピー数が多いほど活性が高く、サザン解析の結果、最
もコピー数が多かったAGL136-60株、AGL142-72株では、
DP培地で80倍以上、CD−P培地のグルコースの時で
130倍以上、マルトースの時で25倍以上活性増加が見ら
れた。また、使用した改良プロモーターの活性は、P-ag
dA136よりP-agdA142の方が高く、これを反映して同じコ
ピー数の形質転換体では、AGL142株の方が活性が高かっ
た。
に用いた場合、相同的にインテグレートされるため、染
色体に組み込まれるときの位置効果の影響を受けず、従
って、使用するプロモーターの強さと、インテグレート
されるコピー数により、任意の酵素活性を持つ形質転換
体を取得することが可能であることを意味する。さら
に、形質転換体のAGLの炭素源マルトースに対するグル
コースの相対活性は、親株では15%しか示さないのに対
してほとんどの株で70〜80%を示し、これは、改良プロ
モーターにより生産されるAGLは、グルコース抑制の影
響をほとんど受けないことを意味する。
いて、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行い、
α−グルコシダーゼと同様の分子量のタンパク質が明ら
かに増大していることを確認した。
糸状菌で機能するプロモーターに導入することにより、
プロモーターの転写活性が増加するのみならず、任意の
強さのプロモーターを構築でき、さらに、その発現制御
機能の改良も可能となり、既存のプロモーターをより有
用なプロモーターに改良できる。また、このようにして
改良されたプロモーターを含む発現プラスミドを用いれ
ば、産業上有用な酵素、タンパク質、ポリペプチド等
を、安全性が高く高分泌能を有する糸状菌を宿主とし
て、より効率的に大量に製造することが可能となった。
また、本発明のエンハンサー配列に関するプロモーター
の解析は、少なからず糸状菌の発現制御機構の解明に貢
献するものである。
の制限酵素地図およびエンハンサー配列とその周辺の塩
基配列を示す。
示す。
レーションパターンを示す。
ターの相対活性を示す。
対を任意の塩基と置換したときのプロモーター活性を示
す。
したときのプロモーター活性を示す。
ーのノーザンブロット解析を示す電気泳動の図面代用写
真である。
示す。
を示す。
の相同的インテグレーションパターンを示す。
Claims (14)
- 【請求項1】 配列−CGGNNATTTA−を含有す
るエンハンサーDNA塩基配列。 - 【請求項2】 NNがGCである請求項1記載のエンハ
ンサーDNA塩基配列。 - 【請求項3】 配列−CCAATCAGCGT−を含有
するエンハンサーDNA塩基配列。 - 【請求項4】 請求項1または3記載の配列を含有する
エンハンサーDNA塩基配列。 - 【請求項5】 NNがGCである請求項4記載のエンハ
ンサーDNA塩基配列。 - 【請求項6】 請求項1または3記載のエンハンサーD
NA塩基配列を、1個または複数個、糸状菌で機能する
プロモーター領域に導入したことを特徴とする改良プロ
モーター。 - 【請求項7】 プロモーター領域が糸状菌由来の加水分
解酵素遺伝子、または、解糖系酵素遺伝子のプロモータ
ー領域である請求項6記載の改良プロモーター。 - 【請求項8】 プロモーター領域が、配列番号:2で示
されるアスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)
由来のα−グルコシダーゼ遺伝子のプロモーター領域、
あるいは、その部分配列を含むプロモーター領域である
請求項6記載の改良プロモーター。 - 【請求項9】 請求項6記載の改良プロモーターを有
し、宿主糸状菌の形質転換体の選択に好適なマーカー遺
伝子を有し、ターミネーターを有し、大腸菌で複製可能
なDNA領域を有する、糸状菌におけるポリペプチド発
現用プラスミド。 - 【請求項10】 マーカー遺伝子が糸状菌由来の硝酸還
元酵素遺伝子、オルニチンカルバモイルトランスフェラ
ーゼ遺伝子、トリプトファンシンターゼ遺伝子、または
アセトアミダーゼ遺伝子である請求項9記載のプラスミ
ド。 - 【請求項11】 マーカー遺伝子が、アスペルギルス属
由来の硝酸還元酵素遺伝子である請求項9記載のプラス
ミド。 - 【請求項12】 ターミネーターが、配列番号:3で示
されるアスペルギルス・オリゼ由来のα−グルコシダー
ゼ遺伝子のターミネーター、あるいは、その部分配列を
含むターミネーターである請求項9記載のプラスミド。 - 【請求項13】 ポリペプチドをコードするDNAをプ
ロモーターおよびターミネーターの間に有する請求項9
記載のプラスミド。 - 【請求項14】 請求項13記載のプラスミドを糸状菌
に導入し、得られた形質転換体を培養することよりなる
ポリペプチドの製造法。
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ES2287989T3 (es) * | 1997-12-22 | 2007-12-16 | Dsm Ip Assets B.V. | Clonacion de expresion en hongos filamentosos. |
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Curr.Genet.,22,85−91 |
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