JP6706967B2 - 添接板取替工法 - Google Patents

添接板取替工法 Download PDF

Info

Publication number
JP6706967B2
JP6706967B2 JP2016091871A JP2016091871A JP6706967B2 JP 6706967 B2 JP6706967 B2 JP 6706967B2 JP 2016091871 A JP2016091871 A JP 2016091871A JP 2016091871 A JP2016091871 A JP 2016091871A JP 6706967 B2 JP6706967 B2 JP 6706967B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plate
splicing plate
splicing
existing
cutting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016091871A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017198042A (ja
Inventor
弘昌 川村
弘昌 川村
正一 竹内
正一 竹内
角本 周
周 角本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oriental Shiraishi Corp
Original Assignee
Oriental Shiraishi Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oriental Shiraishi Corp filed Critical Oriental Shiraishi Corp
Priority to JP2016091871A priority Critical patent/JP6706967B2/ja
Publication of JP2017198042A publication Critical patent/JP2017198042A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6706967B2 publication Critical patent/JP6706967B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Bridges Or Land Bridges (AREA)
  • Working Measures On Existing Buildindgs (AREA)

Description

本発明は、添接板の取替工法に関し、詳しくは、橋梁を共用(使用)しながら古くなった添接板を取り替える橋梁の鋼桁の添接板取替工法に関するものである。
従来、橋梁の鋼桁の添接板取替工法としては、添接板を取り替える鋼桁の端部を下から支保工で支持して取り替えていた(特許文献1の従来技術参照)。しかし、道路等と立体交差する橋梁では、道路を封鎖したり、迂回路を作ったりしないと支保工を設置できないという問題があった。その上、仮設である支保工の設置に時間と手間が掛かるため、添接板取替工事自体のコストアップの要因となっていた。
支保工を設置しないで、橋梁を共用しつつ鋼桁の添接板を取り替える工法としては、特許文献1に、スプライスプレートを少しずつ切断すると同時に切断部に露出した母材の突合せ部を開先加工した後、上記開先加工された母材の突合せ溶接を施工し、この切断及び母材の開先加工と母材の突合せ溶接とを繰り返しながらスプライスプレートを少しずつ切断して分割し、次いで、分割したスプライスプレートを取り付け、鋼桁を支持する支保工を設置しないでスプライスプレートを取り替えるスプライスプレートの取替方法が開示されている(特許文献1の特許請求の範囲、明細書の第2頁左下欄第2行目〜第3頁右上欄第11行目、図面の第1図、第2図等参照)。
しかし、特許文献1に記載のスプライスプレートの取替方法は、支保工等はいらないものの、母材の突合せ部の開先加工と、その溶接、スプライスプレートの切断を繰り返さなければならず、手間と時間が掛かるという問題があった。また、スプライスプレートの切断もグラインダー等を作業員が手で持ち行っているため、鋼桁自体を損傷してしまう危険性が高いという問題もあった。
特開昭64−48695号公報
そこで、本発明は、前述した問題を鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、橋梁の共用下で支保工を設置することなく安価に短時間で添接板の取り替えができる添接板取替工法を提供することにある。
請求項1に記載の添接板取替工法は、橋梁の共用下において橋梁の鋼桁の既設添接板を新たな添接板に取り替える添接板の取替工法であって、前記鋼桁に装着された状態で前記既設添接板を下側の添接板と上側の添接板に切断する添接板切断工程と、一の鋼桁から他の鋼桁へ応力を伝達するバイパス材を、これらの鋼桁のフランジ間に跨って設置するバイパス材設置工程と、を備え、前記添接板切断工程で切断した既設添接板の一部を撤去して新たな添接板に取り替えた後、切断した残りの既設添接板を撤去して新たな添接板に取り替えることを特徴とする。
請求項2に記載の添接板取替工法は、請求項1に記載の添接板取替工法において、前記既設添接板を取り替える順番は、前記鋼桁の下フランジの既設添接板を取り替えた後、前記添接板切断工程で切断した既設添接板のうち下側添接板を取り替え、その後、前記添接板切断工程で切断した既設添接板の上側添接板を取り替えることを特徴とする。
請求項3に記載の添接板取替工法は、請求項1又は2に記載の添接板取替工法において、前記添接板切断工程では、回転切削ドリルをレール上に載置して該レールに沿って前記回転切削ドリルを移動することにより前記添接板を切断することを特徴とする。
請求項4に記載の添接板取替工法は、請求項1ないし3のいずれかに記載の添接板取替工法において、前記バイパス材は、前記鋼桁のフランジの端面に沿って溶接されていることを特徴とする。
請求項5に記載の添接板取替工法は、請求項1ないし4のいずれかに記載の添接板取替工法において、前記既設添接板を撤去した後、前記既設添接板が当接していた前記鋼桁の摩擦接合面に、ブラスト処理を施すブラスト処理工程を行うことを特徴とする。
請求項6に記載の添接板取替工法は、請求項5に記載の添接板取替工法において、前記ブラスト処理工程を行った後、前記摩擦接合面に合金材料を溶射する金属溶射工程を行うことを特徴とする。
請求項7に記載の添接板取替工法は、請求項1ないし6のいずれかに記載の添接板取替工法において、全ての既設添接板を新たな添接板に取り替えた後、鋼材表面のピンホールを塗料で埋める封孔処理工程を行うことを特徴とする。
請求項1〜7に係る発明によれば、橋梁の共用下において、支保工を設置することなく添接板の取り替えができる。このため、道路を封鎖したり、迂回路を作ったりする必要がなくなり、安価に短時間で添接板の取り替えが可能となる。
特に、請求項2に係る発明によれば、下フランジ→ウェブ下→ウェブ上の順番で添接願を取り替えるので、添接板の取替前後において応力変化が小さくなり安全である。
特に、請求項3に係る発明によれば、鋼桁に装着された状態で既設添接板を切断することが容易であり、鋼桁の母材を傷めるおそれがなく、短時間で添接板を切断することができる。
特に、請求項4に係る発明によれば、橋梁の供用下において、鋼桁間の応力の伝達をスムーズに行え、安全に添接板の取り替えを行うことができる。
特に、請求項5に係る発明によれば、ブラスト処理により鋼桁の摩擦接合面の錆びを短時間で容易且つ確実に落とすことができ、短時間で添接板を取り替えることができるとともに、新たに設置する添接板の耐久性が向上する。
特に、請求項6及び請求項7に係る発明によれば、金属溶射や封孔処理により、さらに新たに設置する添接板の耐久性を向上させることができる。
本発明の実施形態に係る添接板取替工法の施工手順を示すフローチャートである。 同上の添接板取替工法の添接板切断工程において切断する添接板の切断位置を示す鋼桁の側面図である。 同上の添接板切断工程においてウェブ添接板を切断する専用工具を示す平面図である。 同上の添接板切断工程における専用工具で添接板を切断している状況を示す写真である。 同上の添接板切断工程が終了し、添接板が切断された状態を示す写真である。 本発明の実施形態に係る添接板取替工法のバイパス材設置工程に用いる引張バイパス材を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る添接板取替工法のバイパス材設置工程に用いる圧縮バイパス材を示す斜視図である。 同上のバイパス材設置工程におけるバイパス材溶接状況を示す写真である。 同上のバイパス材設置工程が終了した状態を示す写真である。 本発明の実施形態に係る添接板取替工法の既設添接板撤去工程が終了した状態を示す写真である。 本発明の実施形態に係る添接板取替工法のブラスト処理工程におけるブラスト処理状況を示す写真である。 同上のブラスト処理工程が終了した状態を示す写真である。 本発明の実施形態に係る添接板取替工法の金属溶射工程におけるブラスト処理状況を示す写真である。 同上の金属溶射工程が終了した状態を示す写真である。 本発明の実施形態に係る添接板取替工法の新設添接板設置工程が終了した状態を示す写真である。 本発明の実施形態に係る添接板取替工法の封孔処理工程における封孔処理状況を示す写真である。 本発明の実施形態に係る添接板取替工法が終了した状態を示す写真である。
以下、本発明に係る添接板取替工法を実施するための一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
(1)添接板切断工程
図1は、本発明の実施形態に係る添接板取替工法の施工手順を示すフローチャートである。図1に示すように、本発明の実施形態に係る添接板取替工法では、先ず、H形鋼からなる鋼桁H1,H2にボルト接合されて装着された状態で、添接板であるウェブ用のスプライスプレートWPを切断する添接板切断工程を行う(図2も参照)。
図2は、本添接板切断工程において切断する添接板の切断位置を示す鋼桁の側面図である。図2に示すように、本実施形態に係る添接板切断工程では、後工程においてウェブ用スプライスプレートWPを半分ずつ取り替えるため、中央付近においてウェブ用スプライスプレートWPを水平方向に切断ラインL1に沿って上下半分に切断する。
また、最終的に折り曲げることによりスプライスプレートWPを切断するので、折り曲げる際にウェブ用スプライスプレートWPの下端が、鋼桁H1の下フランジ上面のフランジ用スプライスプレートFP1を止め付けているボルトに引っ掛かるおそれがある(図6、図7も参照)。このため、本添接板切断工程では、スプライスプレートWPの下端部も水平方向に切断ラインL2に沿って切断する。
図3は、本添接板切断工程においてウェブ用スプライスプレートWPを切断する専用切断工具であるエンドミルカッター1を示す平面図である。図3に示すように、エンドミルカッター1は、鋼材用の回転切削ドリル10と、この回転切削ドリル10を駆動する駆動モータ11と、回転切削ドリル10が走行する走行レール12と、回転切削ドリル10を走行させる走行モータ13など、から構成されている。
また、走行レール12は、左右一対の支持材14,15を介して、鋼桁H1,H2のウェブ上に設置されている。支持材14,15は、永久磁石であるマグネットMを有し、マグネットMの磁力により鋼桁H1,H2のウェブに磁着することで、走行レール12を所定の位置に固定する機能を有している。なお、本発明に係る支持材は、マグネットではなく、ウェブ用スプライスプレートWPを止め付けているボルトを利用して走行レール12を固定するようにしてもよい。ボルトが数本なくても鋼桁H1,H2間の応力伝達にはさほど影響がないからである。
なお、走行モータ13は、走行レール12上に固定されたスクリューシャフト16を回転させることにより、回転切削ドリル10及び駆動モータ11を載置する台が走行レール12上を移動する仕組みとなっている。
図4は、本添接板切断工程においてエンドミルカッター1でウェブ用スプライスプレートWPを切断している状況を示す写真であり、図5は、本工程により切断完了後のウェブ用スプライスプレートWPの写真である。本添接板切断工程では、図4に示すように、先ず、支持材14,15のマグネットMを、スプライスプレートWPに磁力により装着して、エンドミルカッター1を切断ラインL1,L2に応じた位置に設置する。
そして、前述のエンドミルカッター1の回転切削ドリル10を回転させる。その状態で走行モータ13を作動させて走行レール12上において回転切削ドリル10を走行させることにより、図4に示すように、切断ラインL1に沿ってウェブ用スプライスプレートWPを切断する。これにより、図5に示すように、ウェブ用下側スプライスプレートWP1,ウェブ用上側スプライスプレートWP2に分割される。また、切断ラインL2に沿ってウェブ用下側スプライスプレートWP1を切断しウェブ用下側スプライスプレート片WP1’とウェブ用下側スプライスプレート片WP3にさらに分割する。
(2)バイパス材設置工程
次に、図1に示すように、本実施形態に係る添接板取替工法では、橋梁に作用する死活荷重(デッドロード+ライブロード)の応力を伝達する後述のバイパス材を、鋼桁H1,H2間に架け渡して設置するバイパス材設置工程を行う。バイパス材を設置することにより、橋梁の共用下で支保工を設置することなく添接板の取り替えが可能とすなる。
本工程で用いるバイパス材は、橋梁の引張応力が作用する鋼桁H1,H2間の下フランジに設置される左右一対の引張バイパス材2と、橋梁の圧縮応力が作用する鋼桁H1,H2間の下フランジに設置され左右一対の圧縮バイパス材2’の2種類のバイパス材からなる。
図6は、本バイパス材設置工程に用いる引張バイパス材2を示す斜視図であり、(a)が引張バイパス材2の構成を示す分解斜視図、(b)が引張バイパス材2の組立斜視図である。図7は、本バイパス材設置工程に用いる圧縮バイパス材2’を示す斜視図であり、(a)が圧縮バイパス材2’の構成を示す分解斜視図、(b)が圧縮バイパス材2’の組立斜視図である。
図6に示すように、引張バイパス材2は、鋼桁H1,H2の下フランジの側端面に沿って接合されるL字状の左右一対のコネクションプレート20,21と、これらのコネクションプレート20,21を連結する矩形状の表裏2枚の連結プレート22,23と、これらの連結プレート22,23間に介装される矩形状のフィーラープレート24と、鋼桁H1,H2の下フランジ及びコネクションプレート20,21に直交して架け渡されるコの字状の4枚の直交プレート25など、から構成されている。
そして、図7に示すように、圧縮バイパス材2’は、引張バイパス材2と同様に、L字状の左右一対のコネクションプレート20’,21’と、これらのコネクションプレート20’,21’を連結する矩形状の表裏2枚の連結プレート22’,23’と、前述の4枚の直交プレート25など、から構成されている。また、圧縮バイパス材2’の連結プレート22’,23’には、の連結プレート22’,23’が面外方向へ曲がって座屈するのを防止する補剛リブ22a’23a’が、鋼桁H1,H2の上フランジに沿った中央線上に形成されている。
図6、図7に示すように、引張バイパス材2及び圧縮バイパス材2’は、コネクションプレート20,20’が、鋼桁H1の下フランジの端面沿いに溶接され、コネクションプレート21,21’が、鋼桁H2の下フランジの端面沿いに溶接されている。コネクションプレート20,21,20’,21’の鋼桁H1,H2への溶接は、レ形開先を設けて完全溶け込み溶接により行う。
また、直交プレート25は、コネクションプレート20,21,20’,21’と鋼桁H1,H2の下フランジに跨って設置され、両者の接合部分が溶接されている。この直交プレート25は、コネクションプレート20,21,20’,21’に、溶接部分を軸とする曲げ応力に対抗する機能を有している。
コネクションプレート20,21,20’,21’及び連結プレート22,23,22’,23’は、溶接構造用圧延鋼材(SM490YB or SM490YA)からなり、その他のフィーラープレート24及び直交プレート25は、一般構造用圧延鋼材(SS400)なる。
また、コネクションプレート20,21,20’,21’と、連結プレート22,23,22’,23’との連結は、M22の高力六角ボルト(F10T)でボルト接合(摩擦接合)されている。
なお、図6、図7では、鋼桁H1,H2の片面のみを示したが、引張バイパス材2及び圧縮バイパス材2’は、図示しない鋼桁H1,H2の他の面にももう1セットずつある。即ち、鋼桁H1,H2は、左右一対の引張バイパス材2及び左右一対の圧縮バイパス材2’により、下フランジ及び上フランジの両側が、添接板を迂回して接合されている。
図8は、コネクションプレート20,21の鋼桁H1,H2への溶接状況を示す写真であり、図9は、引張バイパス材2の設置完了後を示す写真である。本バイパス材設置工程では、先ず、図8に示すように、両面一対のコネクションプレート20,21(20’,21’)を鋼桁H1,H2の下フランジの両側に溶接する。その後、図9に示すように、コネクションプレート20,21同士を、フィーラープレート24を介して連結プレート22,23でボルト接合し、直交プレート25を取り付けて、引張バイパス材2の設置が完了する。同様に、圧縮バイパス材2’も鋼桁H1,H2の下フランジの両側に設置する。
以上、実施形態に係るバイパス材として、引張バイパス材2と圧縮バイパス材2’を例示して説明したが、本発明に係るバイパス材は、図示した形態に限られるものではなく、鋼桁間に跨って設置され、軸方向力、曲げ応力、せん断応力の各種の応力が伝達可能な構成であればよい。
(3)既設添接板撤去工程
次に、本実施形態に係る添接板取替工法では、図1、図10に示すように、既設添接板を撤去する既設添接板撤去工程を行う。本実施形態に係る添接板取替工法では、先ず、図2に示す鋼桁H1,H2間の下フランジの添接板である表裏2枚のフランジ用スプライスプレートFP1,FP2を撤去する。
図10は、本既設添接板撤去工程終了後の状態を示す写真である。写真は、上側ウェブ用スプライスプレートWP2を撤去した状態を示している。なお、写真では、後工程のブラスト処理工程の養生のため、新設添接板を設置する部分を除いて養生シートを貼着している状態を示している。図10に示すように、インパクトレンチ等を用いて添接板(スプライスプレートWP2)を止め付けている全ての高力六角ボルトを緩めて外し、添接板を撤去する。
(4)ブラスト処理工程
次に、本実施形態に係る添接板取替工法では、図1、図11に示すように、前工程で撤去した添接板の摩擦接合面(添接板と鋼桁との接触面)に砂を高速度で吹き付け発射するブラスト処理工程を行う。図11は、ブラスト処理状況を示す写真であり、図12は、ブラスト処理完了後を示す写真である。図10と図12との比較により、本工程により錆びが落ちていることが確認できる。
本ブラスト処理工程は、既設添接板を撤去した後の摩擦接合面の錆びを落とすとともに、新設添接板と鋼桁H1,H2の摩擦接合を良好にするために行う。本実施形態に係るブラスト処理工程では、砂を発射したが、砂以外の鉱物や鉄小球などの金属固体などを発射しても構わない。要するに、固体を高速度で吹き付けて摩擦接合面を粗面とすることができればよい。
(5)金属溶射工程
次に、本実施形態に係る添接板取替工法では、図1、図13、図14に示すように、前工程でブラスト処理を施した摩擦接合面に、アルミニウム・マグネシウム合金材料を溶射する金属溶射工程を行う。
具体的には、本金属溶射工程は、アルミニウム・マグネシウム合金材料を、ブラスト処理を施した摩擦接合面に溶射してアルミニウム・マグネシウム合金からなる溶射皮膜を形成した後、その溶射皮膜に電解質水溶液、又は電解質水溶液を含む水性塗料を塗布し、含浸させ、溶射皮膜から溶出するマグネシウムイオンを前記摩擦接合面に析出させ、水酸化マグネシウムを主成分とする皮膜を形成する、いわゆるプラズマアーク工法(TAPS工法:登録商標)により行う(特開2014-167172号公報参照)。
図13は、本金属溶射工程におけるアルミニウム・マグネシウム合金溶射状況を示す写真であり、図14は、本金属溶射工程終了後の摩擦接合面を示す写真である。図13、図14に示すように、本金属溶射工程は、合金を溶射しない摩擦接合面以外の面には、養生シートを貼着して金属溶射を行う。このように、本金属溶射工程を行うことにより、摩擦接合面を粗面にして摩擦力を向上させるとともに、点錆の発生が防止され、溶射金属の早期消耗が防止されるので、新設添接板の耐久性が高くなる。また、後工程の封孔処理の手間を軽減することができる。
なお、アルミニウム・マグネシウム合金材料を溶射する場合を例示して説明したが、溶射する金属は、特に、アルミニウム・マグネシウム合金材料に限定されるものではなく、溶射が容易で防錆に有効な金属であればよい。また、コストダウンのため、本工程を行わなくても、添接板を取り替えられることは云うまでもない。但し、本金属溶射工程を行うことにより、新設添接板の耐久性が高くなるのは明らかである。
(6)新設添接板設置工程
次に、本実施形態に係る添接板取替工法では、図1、図15に示すように、前工程でアルミニウム・マグネシウム合金を溶射した摩擦接合面を自然乾燥により乾燥させた後、新設添接板を設置する新設添接板設置工程を行う。具体的には、前記摩擦接合面に添接板を据え置き、添接板のボルト孔に高力六角ボルトを挿通してインパクトレンチ等を用いて高力六角ボルトで締め付けて設置する。
なお、取り替える既設添接板にスチフナーなどの補剛材が設置されている場合は、新設添接板の補剛材も切断されていることとなる。このため、新設添接板に形成されている補剛材同士も添接板で接合する。この補剛材の添接板は、既設添接板の補剛材の断面積以上の断面積を有する添接板とする。
次に、本実施形態に係る添接板取替工法では、図1に示すように、未だ取り替えていない既設添接板を撤去する既設添接板撤去工程を行い、(3)既設添接板撤去工程〜(6)新設添接板設置工程を繰り返す。添接板を取り替える順番は、フランジ用スプライスプレートFP1,FP2を取り替え、次に、(1)添接板切断工程で切断したウェブ用スプライスプレートWPのウェブ用下側スプライスプレートWP1を取り替え、最後に、残りの上側ウェブ用スプライスプレートWP2を取り替える。この添接板を取り替える順番は、施工試験で取替前後において応力変化が一番小さい順番が採用されたものである。
(7)封孔処理工程
次に、本実施形態に係る添接板取替工法では、図1、図16に示すように、鋼材表面に残存するピンホールを塗料で埋めて防錆効果を高める封孔処理を行う。図16は、本封孔処理工程における封孔処理状況を示す写真である。本封孔処理工程では、具体的には、図16に示すように、刷毛やローラ等を用いて鋼桁や新設添接板の鋼材表面に防錆塗料を塗布し、鋼材表面に残存するピンホールを埋める。
(8)バイパス材撤去工程
次に、本実施形態に係る添接板取替工法では、図1に示すように、前工程で塗布した塗料が乾燥した後、前述のバイパス材を撤去するバイパス材撤去工程を行う。具体的には、手動ガス切断器などを用いて引張バイパス材2及び圧縮バイパス材2’のコネクションプレート20,21,20’,21’を溶断して引張バイパス材2及び圧縮バイパス材2’を撤去する。勿論、溶断ではなく他の方法で切断してもよいことは云うまでもない。また、引張バイパス材2及び圧縮バイパス材2’を存置してもよい場合は、本工程を行わなくてもよい。
図17は、本発明の実施形態に係る添接板取替工法が完了した状態を示す写真である。図17に示すように、前工程が終了すれば、本発明の実施形態に係る添接板取替工法が完了する。
以上説明した本発明の実施形態に係る添接板取替工法によれば、橋梁の共用下、即ち、橋梁上の路面や線路等を車両等が通行しており、橋梁に死活荷重(デッドロード+ライブロード)が載荷されている状況下において、支保工を設置することなく添接板の取り替えができる。このため、道路を封鎖したり、迂回路を作ったりする必要がなくなり、安価に短時間で添接板の取り替えが可能となる。
また、本実施形態に係る添接板取替工法によれば、下フランジ→ウェブ下→ウェブ上の順番で添接願を取り替えるので、添接板の取替前後において応力変化が小さくなり安全である。
さらに、本実施形態に係る添接板取替工法によれば、前述の専用切断工具であるエンドミルカッター1で切断するので、鋼桁に装着された状態で既設添接板を切断することが容易であり、鋼桁の母材を傷めるおそれがなく、短時間で添接板を切断することができる。
以上、本発明の実施形態に係る添接板取替工法について詳細に説明したが、前述した又は図示した実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたって具体化した一実施形態を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。
1 :エンドミルカッター(専用切断工具)
10 :回転切削ドリル
11 :駆動モータ
12 :走行レール
13 :走行モータ
14、15 :支持材
M :マグネット
2 :引張バイパス材(バイパス材)
2’ :圧縮バイパス材(バイパス材)
20,20’,21,21’ :コネクションプレート
22,23,22’,23’ :連結プレート
24,24’ :フィーラープレート
25 :直交プレート
FP1,FP2 :フランジ用スプライスプレート(添接板)
WP :ウェブ用スプライスプレート(添接板)
WP1 :下側ウェブ用スプライスプレート(添接板)
WP2 :上側ウェブ用スプライスプレート(添接板)
WP3,WP1’ :下側ウェブ用スプライスプレート片(添接板)

Claims (7)

  1. 橋梁の共用下において橋梁の鋼桁の既設添接板を新たな添接板に取り替える添接板の取替工法であって、
    前記鋼桁に装着された状態で前記既設添接板を下側の添接板と上側の添接板に切断する添接板切断工程と、
    一の鋼桁から他の鋼桁へ応力を伝達するバイパス材を、これらの鋼桁のフランジ間に跨って設置するバイパス材設置工程と、を備え、
    前記添接板切断工程で切断した既設添接板の一部を撤去して新たな添接板に取り替えた後、切断した残りの既設添接板を撤去して新たな添接板に取り替えること
    を特徴とする添接板取替工法。
  2. 前記既設添接板を取り替える順番は、前記鋼桁の下フランジの既設添接板を取り替えた後、前記添接板切断工程で切断した既設添接板のうち下側添接板を取り替え、その後、前記添接板切断工程で切断した既設添接板の上側添接板を取り替えること
    を特徴とする請求項1に記載の添接板取替工法。
  3. 前記添接板切断工程では、回転切削ドリルをレール上に載置して該レールに沿って前記回転切削ドリルを移動することにより前記添接板を切断すること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の添接板取替工法。
  4. 前記バイパス材は、前記鋼桁のフランジの端面に沿って溶接されていること
    を特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の添接板取替工法。
  5. 前記既設添接板を撤去した後、前記既設添接板が当接していた前記鋼桁の摩擦接合面に、ブラスト処理を施すブラスト処理工程を行うこと
    を特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の添接板取替工法。
  6. 前記ブラスト処理工程を行った後、前記摩擦接合面に合金材料を溶射する金属溶射工程を行うこと
    を特徴とする請求項5に記載の添接板取替工法。
  7. 全ての既設添接板を新たな添接板に取り替えた後、鋼材表面のピンホールを塗料で埋める封孔処理工程を行うこと
    を特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の添接板取替工法。
JP2016091871A 2016-04-28 2016-04-28 添接板取替工法 Active JP6706967B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016091871A JP6706967B2 (ja) 2016-04-28 2016-04-28 添接板取替工法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016091871A JP6706967B2 (ja) 2016-04-28 2016-04-28 添接板取替工法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017198042A JP2017198042A (ja) 2017-11-02
JP6706967B2 true JP6706967B2 (ja) 2020-06-10

Family

ID=60239001

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016091871A Active JP6706967B2 (ja) 2016-04-28 2016-04-28 添接板取替工法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6706967B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017213606A (ja) * 2016-05-30 2017-12-07 日本橋梁株式会社 既設金属板の切断装置
JP7306367B2 (ja) * 2020-12-04 2023-07-11 Jfeスチール株式会社 鋼床版、鋼床版構造、およびこれを有する橋梁

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017198042A (ja) 2017-11-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6706967B2 (ja) 添接板取替工法
JP2008050774A (ja) 鋼床板改修方法
KR20200134317A (ko) 크레인 메인 거더의 스플라이스 조인트
JP2009024466A (ja) 溶接部の補強方法
JP2014172050A (ja) ピーニング施工台車
JP2010132415A (ja) クレーン補修方法および補修クレーン
CN113638326B (zh) 一种斜拉桥正交异性板钢箱梁整体维修加固施工方法
Ricker Field welding to existing steel structures
KR200492604Y1 (ko) 비철금속 자동용접용 주행레일 거치대
CN103321157B (zh) 一种耐候钢钢箱梁的施工方法
JP6740846B2 (ja) 床版取替構造及び床版取替工法
JP6271801B1 (ja) 道路橋点検デッキ及び道路橋点検デッキの施工方法
JP5178450B2 (ja) 鋼製橋脚隅角部の補強方法及び装置
CN108857261A (zh) 采用定位法滚筒式飞剪转鼓磨损修复工艺
JPH0651961B2 (ja) 橋梁鉄筋コンクリ−ト床版の張替え工法
JP3753160B2 (ja) 鋼管フランジを有する鈑桁およびその製造方法
CHAMPNEY et al. Stud welding of shear connectors on steel bridges
US11802379B1 (en) Self guarded frog copper weld fixture
JP6476451B2 (ja) 橋梁の支承部の補修方法
JP2708698B2 (ja) 摩擦接合高力ボルト継手と溶接継手との併用継手の施工方法
JPH08318473A (ja) 突き合わせ継手部の芯出し装置
JP2012229539A (ja) 添接板取付け金具及び添接板取付け構造
JP4035915B2 (ja) 梁継手部の保守方法
JPH11292460A (ja) 天井クレ−ンのクレーンガーダ
JP6564291B2 (ja) 外壁パネルフレーム交換方法および外壁パネルフレーム交換部構造

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170522

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190402

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191210

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191213

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200121

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200512

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200519

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6706967

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250