JP6706143B2 - オートテンショナ - Google Patents

オートテンショナ Download PDF

Info

Publication number
JP6706143B2
JP6706143B2 JP2016100968A JP2016100968A JP6706143B2 JP 6706143 B2 JP6706143 B2 JP 6706143B2 JP 2016100968 A JP2016100968 A JP 2016100968A JP 2016100968 A JP2016100968 A JP 2016100968A JP 6706143 B2 JP6706143 B2 JP 6706143B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coil
leaf spring
housing
peripheral surface
belt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2016100968A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017207163A (ja
Inventor
▲高▼橋 弘好
弘好 ▲高▼橋
宜大 立石
宜大 立石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bando Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Bando Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bando Chemical Industries Ltd filed Critical Bando Chemical Industries Ltd
Priority to JP2016100968A priority Critical patent/JP6706143B2/ja
Publication of JP2017207163A publication Critical patent/JP2017207163A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6706143B2 publication Critical patent/JP6706143B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Devices For Conveying Motion By Means Of Endless Flexible Members (AREA)

Description

本発明は、ベルト駆動システムのベルトに与える張力を自動調整するオートテンショナに関する。
近年、自動車の省燃費化技術の1つとしてベルト式始動システム(ISGシステム、BASシステムなど)の開発が進められている。これらのベルト駆動システムでは、エンジンの始動、自動車の通常走行、制動時の回生において、エンジンのクランク軸によりエンジン補機を駆動し、エンジン補機の1つであるモーター/ジェネレータが駆動されて発電を行い、その一方で、エンジンの再始動、アシストにおいてはモーター/ジェネレータがエンジンを駆動して補助する。これにより、エンジン再始動時の静粛性を向上させ、燃費向上を行っている。
このようにベルト式始動システムでは、各運転モードに従ってモーター/ジェネレータでの駆動・従動の入れ替わりが発生しているため、このシステムに搭載されるオートテンショナには、駆動・従動の頻繁な入れ替わりに対応できることが要求される。
これらベルト式始動システムに適したオートテンショナとして、エンジンのクランクプーリによりモーター/ジェネレータプーリを駆動するときの緩み側に1つのオートテンショナを配置し、モーター/ジェネレータプーリによるクランクプーリの駆動時にオートテンショナによる補機ベルトの押圧力を増大させてその張力を制御するバネ式油圧シリンダを備えたものが提案されており、例えば特許文献1に開示されている。
特開2003−161160号公報
しかし、特許文献1に開示されているようなオートテンショナでは、モーター/ジェネレータによるクランク軸の駆動時に補機ベルトの張力を制御する別の機構(バネ式油圧シリンダ)を必要とするため、ベルト駆動システムに対する搭載性が悪く、しかもコストアップするのは避けられない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ベルト式始動システムにおいてモーター/ジェネレータによるクランク軸の駆動時に補機ベルトの張力を制御する場合でも、そのための別機構を用いることなく、オートテンショナ単体で制御できるようにして、オートテンショナを従来品と同等の搭載性を有するものとし、かつコストアップを抑えることにある。
前記の目的を達成するために、本発明では、固定部材の筐体内部に回動部材を付勢する捩りコイルばねを備えるオートテンショナにおいて、固定部材の筐体内周面と捩りコイルばねとの間にコイル状に巻かれたコイル板ばねを介装し、そのコイル板ばねを利用して、回動部材の動きを抑制する摩擦ダンピング力を発生させてベルトの張力を制御することとした。
具体的には、第1の発明は、固定側に固定され、筒状の筐体内に軸部を有する固定部材と、前記固定部材の軸部に回動可能に支持されたボス部と、ベルトを押圧するためのベルト押圧部とを有する回動部材と、前記固定部材の筐体内に設けられ、前記回動部材を前記ベルト押圧部がベルトを押圧する方向に回動付勢する捩りコイルばねとを備えたオートテンショナであって、前記捩りコイルばねと前記筐体との間には、コイル状に巻かれたコイル板ばねが前記回動部材に連結された状態で該回動部材の回動に伴い前記軸部回りに筐体内周面と圧接しながら回動するように介装されていることを特徴とする。
上記構成とすることで、固定部材の筐体内部において、捩りコイルばねと筐体との間に介装されたコイル板ばねが、回動部材の回動に伴い筐体内周面と圧接しながら回動し、このコイル板ばねと筐体内周面との圧接に伴う抵抗力により、回動部材の回動を抑制する摩擦ダンピング力が発生することとなる。これにより、ベルト押圧部と接触しているベルトからの張力による回動部材の回動をより効果的に抑制することが可能となり、オートテンショナ以外の制御部品を別途用いることなく、簡単な構成でベルト張力を制御できるオートテンショナを実現することができる。
第2の発明は、第1の発明において、前記コイル板ばねは、前記固定部材の筐体内に拡径方向に付勢されて筐体内周面に圧接した状態で嵌合されていることを特徴とする。
上記構成とすることで、コイル板ばねが拡径方向に付勢された状態で筐体内周面に圧接されているため、その圧接力により摩擦ダンピング力を発生させることができる。そして、ベルト張力の増大により回動部材がベルトに押し返されてコイル板ばねが拡径したときに、コイル板ばねの筐体内周面に対する圧接力が更に増大する。このため、ベルト張力の増大時にはより大きな摩擦ダンピング力を発生させることが可能となり、回動部材の回動を抑制しベルトの張力を制御することが可能となる。
第3の発明は、第1の発明において、前記固定部材の筐体には、前記コイル板ばねが所定の角度だけ回動したときに該コイル板ばねの端部と接触してコイル板ばねの回動を止めることにより、コイル板ばねを拡径させて筐体内周面に対する圧接力を増大させる係止部が設けられていることを特徴とする。
上記構成とすることで、回動部材が所定の角度だけ回動したときにコイル板ばねの端部が係止部に接触して係止され、コイル板ばねが回動しなくなるため、それ以上回動部材が回動するとコイル板ばねは回動部材から押されて拡径することとなる。これにより、コイル板ばねの筐体内周面に対する圧接力が増大して、大きな摩擦ダンピング力を生じさせることができ、回動部材の所定の角度以上の回動に対して摩擦ダンピング力を発生させてベルト張力を制御するオートテンショナを実現することが可能となる。
第4の発明は、第1〜第3の発明のいずれか1つにおいて、前記捩りコイルばねの一端部から周方向に沿って90°に該当する箇所近傍に対応する前記コイル板ばねの一端側の外周面には、ダンピング樹脂材が設けられていることを特徴とする。
上記構成とすることで、捩りコイルばねがコイル板ばねを径方向外向きに押圧することでコイル板ばね外周面が筐体内周面に圧接する箇所にダンピング樹脂材を設けることで、効率良く摩擦ダンピング力を発生させることが可能となる。
第5の発明は、第1〜第3の発明のいずれか1つにおいて、前記コイル板ばねの外周面には、全体に亘ってダンピング樹脂材が設けられていることを特徴とする。
上記構成とすることで、コイル板ばねの外周面全体に亘ってダンピング樹脂材が設けられているため、より効果的に摩擦ダンピング力を発生させることが可能となる。
第6の発明は、第3〜第5の発明のいずれか1つにおいて、前記係止部と該係止部に接触する前記コイル板ばねの端部との少なくとも一方には、緩衝材が設けられていることを特徴とする。
上記構成とすることで、コイル板ばねが所定の角度だけ回動してコイル板ばねの端部が筐体内周面に設けられた係止部と接触したときに、その接触時の衝撃が緩衝材により低減されて異音が発生するのを防ぐことができる。
以上説明したように、本発明によれば、オートテンショナの固定部材の筐体と、回動部材を付勢する捩りコイルばねとの間にコイル状のコイル板ばねを介装し、回動部材の回動に伴いコイル板ばねを筐体内周面に圧接しながら回動させて摩擦ダンピングを発生させるようにした。これにより、他の制御部品を使わずにベルト張力を制御するオートテンショナを実現するようにした。
本発明の実施形態1に係るオートテンショナの斜視図である。 オートテンショナの断面図である。 固定部材の筐体内部に介装されるコイル板ばねとダンピング樹脂材との斜視図である。 オートテンショナを用いたベルト駆動システムの概略図である。 実施形態2に係るオートテンショナを示す図1相当図である。 実施形態2のコイル板ばねを示す図3相当図である。 実施形態2のオートテンショナにおける回動部材が回動する前の状態を示す筐体内部の斜視図である。 回動部材が所定の角度回動したときの状態を示す図7相当図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態の説明は本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。また、上下方向については、図1等に記載された方向に基づいて説明する。
(実施形態1)
図4は、本発明の実施形態に係るオートテンショナSを用いたベルト駆動システムを示す。このベルト駆動システムは、例えば4つのプーリT1〜T4とオートテンショナSとそれらに巻き掛けられる補機ベルトUとを備え、ベルト式始動システムとして用いられている。
具体的には、4つのプーリT1〜T4は、例えばエンジンのクランク軸T1aに設けられたクランクプーリT1、コンプレッサ(図示せず)の入力軸T2aに設けられたコンプレッサプーリT2、アイドラプーリT3、モーター/ジェネレータ(図示せず)の回転軸T4aに設けられたモーター/ジェネレータプーリT4とで構成されている。そして、これら4つのプーリT1〜T4とオートテンショナSのプーリ部1とに補機ベルトUが巻き掛けられており、各プーリT1〜T4の回転に合わせて補機ベルトUが矢印方向に回行する構成となっている。
そして、上記オートテンショナSは、クランクプーリT1とモーター/ジェネレータプーリT4との間に配置され、クランクプーリT1がモーター/ジェネレータプーリT4を駆動するときの緩み側となる補機ベルトUを押圧してベルト張力を付与するようになっている。
図1及び図2に示すように、オートテンショナSは、エンジンに固定される固定部材3と、基端部で固定部材3に回動可能に連結支持された回動部材としてのアーム2と、該アーム2の先端部に固定部材3の中心と偏心するように配置されたベルト押圧部としてのプーリ部1とを備えている。
固定部材3は、例えばアルミニウム等の金属からなる略有底円筒状の筐体6を有し、その筺体6内の底部には筒状の軸部7が底部から筐体6の開口側に延びるように突設され、この軸部7は先端側に向かって外径が小さくなるようなテーパがかけられている。そして、軸部7の中心部には筐体6の底部を貫通する軸孔7aが形成され、その軸孔7aの内径は、軸部7の外径とは逆に、筐体6の底部から軸部7の先端側上方向に向かうにつれて径が大きくなるようにテーパがかけられている。
筺体6の外周部には、その長さ方向の中央に固定部材3をエンジンに固定するための例えば2つの固定ブラケット部5,5と、この固定ブラケット部5よりも筺体6の開口側に位置する上端フランジ部4とが一体に成形されている。
固定ブラケット部5,5は、筺体6の周方向に沿った2か所で突出した三角板状をしており、各々の先端部に固定孔5aが貫通形成されており、この固定孔5a,5aにネジなどの締結部材を挿通してエンジンに締結することで、固定部材3がエンジンに固定されることとなる。
上端フランジ部4は一方向に突出した扇状であり、その先端部には、先端部を段差状に切り欠くことで、筺体6の軸部7を中心とする円弧状の案内部15が形成されている。
上記アーム2は、固定部材3の筺体6から半径方向外側に延びる例えばアルミニウム等の金属で構成されたもので、その基端部に筺体6の中心方向に延びる円筒状のボス部11を備え、先端部にプーリ取付部12を備えている。そして、アーム2の上端外周には、半径方向外側に突出した規制部16が設けられている。
ボス部11は、先端側に向かうにつれて外径が小さくなる先細りテーパ状に形成されており、このボス部11を固定部材3の軸部7内の軸孔7aに軸部7の先端側から嵌合することで、アーム2が軸部7にその軸心回りに回動可能に支持されている。ここで、ボス部11の外周面と軸部7の軸孔7a内周面との間には、コーン状の軸部ダンピング材20が設けられている。そして、アーム2の上端外周に設けられた規制部16が、固定部材3の上端フランジ部4に設けられた案内部15と係合することにより、アーム2が所定の角度以上に回動するのを規制している。
そして、ボス部11の先端部は筺体6の底部外面よりも突出し、その突出部分にはワッシャ6aがカシメなどにより固定されており、このワッシャ6aによりアーム2のボス部11が筺体6の軸孔7aから抜け止めされた状態になっている。このため、ワッシャ6aはアーム2の回動に伴ってボス部11と共に回動することとなる。ここで、ワッシャ6aと筐体6底部外面との間には薄板リング状の底部ダンピング材21が設けられている。なお、ボス部11の中心部には、テーパ状の貫通孔11aが肉抜きのために設けられている。
プーリ取付部12には、ボス部11と平行に延びる締結孔12aが形成されている。そして、該締結孔12aに締結ボルトを締結させることで、プーリ部1がプーリ取付部12上に固定部材3の軸部7と偏心した状態でベアリング18を介して回転自在に支持されている。
そして、このように固定部材3の軸部7回りに回動するアーム2の先端部にプーリ部1が取り付けられていることで、補機ベルトUが張られる方向(図4におけるA方向)又は補機ベルトUが緩む方向(図4におけるB方向)にアーム2が軸部7回りに回動し、プーリ部1が移動するように構成されている。
上記筐体6の内周面と軸部7の外周面との間には円筒状の空間が形成され、該空間にアーム2(回動部材)をプーリ部1(ベルト押圧部)がベルトUを押圧する方向に回動付勢する捩りコイルばね8が設置されている。捩りコイルばね8は、軸部7の外周を囲み、軸部7とほぼ同心に配置されている。ここで、捩りコイルばね8は、シリコンクロム銅等の金属又は金属化合物で構成することができる。
捩りコイルばね8は、その一端部がアーム2に設けた捩りコイルばね係止部(図示せず)に、他端部が筐体6底部に設けた捩りコイルばね係止部(図示せず)にそれぞれ係止されることで、拡径方向に捩られた状態で組み込まれている。そして、捩りコイルばね8は、補機ベルトUの張力が増大してアーム2が図4におけるA方向に反時計回り方向に回動したときに拡径するようになっており、この捩りコイルばね8の拡径時の縮径方向への復元力により、捩りコイルばね8はアーム2を補機ベルトUが図4でB方向に回動付勢することとなる。この回動付勢によりプーリ部1を通して補機ベルトUの張力を制御することができる。
そして、本発明の特徴として、筐体6内部における捩りコイルばね8の径方向外側に、コイル状に巻かれたコイル板ばね9が筐体6内に嵌装されている。ここで、コイル板ばね9は、捩りコイルばね8と同じ向きに、つまり捩りコイルばね8と同じ方向に捩ったときに拡径するように設けられている。
図3に示すように、コイル板ばね9は、その一側部に設けられたコイル状に巻かれたコイル部9aと、他側部にコイル部9aに一体に設けられ、幅をもつ円弧板状の係合部9bとを備え、例えばシリコンクロム銅等の金属又は金属化合物で構成されている。
コイル部9aは、予め径拡方向に付勢された状態で筐体6内に嵌装されている。そして係合部9bは、捩りコイルばね8の一端部から周方向に沿って90°に該当する箇所近傍において、拡径方向に捩られた状態で組み込まれている捩りコイルばね8から径方向外向きに押圧されることにより、筐体6の内周面を押圧している。
係合部9bの内周面においてコイル部9aと反対側には、断面矩形状の緩衝部9cが半径方向内側へ向かって突設されており、該緩衝部9cは、その一側面に捩りコイルばね8の一端部が、また他側面にアーム2の捩りコイルばね係止部がそれぞれ接触するように配置されて、捩りコイルばね8と捩りコイルばね係止部との間に挟まれている。これにより、コイル状に巻かれたコイル板ばね9はアーム2(回動部材)に連結された状態で該アーム2の回動に伴い筺体6の軸部7回りに筐体6内周面と圧接しながら回動するようになっている。また、緩衝部9cは捩りコイルばね8の一端部と捩りコイルばね係止部との間を緩衝する機能を果たしている。更に、係合部9bのコイル部9aと反対側端部には2つの矩形状の切欠9d,9dが周方向に所定の間隔をあけて形成されている。
コイル板ばね9の係合部9bの外周面には、係合部9bと略同形で径方向に一回り大きいダンピング樹脂材10が係合部9bを覆うように係合されている。ダンピング樹脂材10の材質としては、例えばナイロン、ポリエチレン、ポリエーテルサルフォン(PES)等の熱可塑性樹脂を用いることができる。一方、コイル部9aの外周面は、摩擦係数が高くなるように粗く表面加工されている。
ダンピング樹脂材10の内周面には互いに対向するように内側に突出した2つの突起10a,10aが設けられている。該突起10a,10aはコイル板ばね9の2つの切欠9d,9dとそれぞれ係合しており、このことで、ダンピング樹脂材10とコイル板ばね9とが回動一体に係合している。尚、ダンピング樹脂材10の外周面には周方向に所定の間隔を空けた位置にコイル板ばね9の中心方向に沿って延びる複数の溝部10b,10b,…が設けられている。
以下において、本発明の実施形態に係るオートテンショナSを用いたベルト駆動装置の動きを説明する。
エンジンの始動時においては、クランクプーリT1が回転することで、補機ベルトUを回行させる。具体的には、クランクプーリT1が図4における時計回り方向に回転し、それに合わせて補機ベルトUが矢印方向に走行されることとなる。そして、補機ベルトUの走行に伴い、コンプレッサプーリT2、アイドラプーリT3、モーター/ジェネレータプーリT4がそれぞれ駆動されて図示の方向へ回転することとなる。
このとき、クランクプーリT1の回転によって補機ベルトUが走行移動するため、クランクプーリT1から見て補機ベルトUの進行方向進み側である、オートテンショナSのプーリ部1が巻き掛けられている部分は緩み側となる。この補機ベルトUの緩みに伴い、プーリ部1が補機ベルトUの緩む方向(B方向)に移動するようにアーム2が固定部材3の軸部7回りに回動する。
ここで、捩りコイルばね8が拡径方向に捩られた状態で組み込まれており、捩りコイルばね8の端部から周方向に沿って90°に該当する箇所近傍の係合部9bが筐体6の内周面を押圧しているため、係合部9b外周面に係合されたダンピング樹脂材10が筐体6の内周面に押し当てられながら回動し、アーム2が回動するのを抑制するような摩擦ダンピング力が発生する。尚、軸部ダンピング材20及び底部ダンピング材21によっても合わせて摩擦ダンピング力が発生する。
一方、エンジン再始動においては、モーター/ジェネレータが作動してモーター/ジェネレータプーリT4が図4で時計回り方向に回転することで、補機ベルトUを同じ方向に走行させる。
このとき、モーター/ジェネレータプーリT4の矢印方向の回転によって補機ベルトUが走行するため、クランクプーリT1から見て補機ベルトUの進行方向進み側である、オートテンショナSのプーリ部1が巻き掛けられている部分は、今度は張り側となりその部分でベルト張力が増大する。この補機ベルトUの張力の増大に伴い、プーリ部1が図4でA方向に移動するように、アーム2が固定部材3の軸部7回りに回動する。
このときにも、上記と同様にして、捩りコイルばね8の一端部から周方向に沿って90°に該当する箇所近傍における係合部9bが筐体6内周面を押圧しながら筺体6の軸部7回りに回動し、係合部9b外周面に係合されたダンピング樹脂材10が筐体6の内周面に押し当てられ、アーム2が回動するのを抑制するような摩擦ダンピング力が発生する。尚、この場合にも、軸部ダンピング材20及び底部ダンピング材21によっても合わせて摩擦ダンピング力が発生する。
ここで、プーリ部1が図4でA方向に移動すると、コイル板ばね9は拡径することとなり、コイル部9aが筐体6内周面と圧接し、より強い摩擦ダンピング力が発生する。そして、更にA方向にアーム2が回動したときには、アーム2がそれ以上回動するのを抑止する程度まで強い摩擦ダンピング力が発生する。これにより、アーム2のそれ以上の回動が抑止される。
このように、本実施形態では、筐体6の内周面と捩りコイルばね8との間にコイル状に巻かれたコイル板ばね9が、捩りコイルばね8の一端部から周方向に沿って90°に該当する箇所近傍における係合部9bがアーム2の回動に伴い筐体6の内周面を押圧しながら回動するように、介装されているため、アーム2のA方向及びB方向へのいずれの回動であっても、その回動に伴い、アームの回動を抑制する摩擦ダンピング力を発生させることができる。
そして、補機ベルトUの張力が増大するA方向にアーム2が大きく回動したときには、コイル板ばね9が拡径することでコイル部9aが筐体6内周面と圧接し、それに伴いより強い摩擦ダンピング力を発生させてアーム2の回動を抑止することができる。
さらに、ダンピング樹脂材10が、捩りコイルばね8の一端部から周方向に沿って90°に該当する箇所近傍に対応する係合部9b外周面に設けられているため、より効果的に摩擦ダンピング力を発生させることができる。以上により、本実施形態では、オートテンショナ以外に他の制御部品を用いることなく、簡単な構成でベルトの張力を制御することができる。
(実施形態2)
図5は実施形態2に係るオートテンショナを示している。なお、以下の実施形態では、図1〜3と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
図6に示すように、この実施形態では、コイル板ばね9はコイル部9aのみで構成されており、コイル部9aの外周面全体に亘ってダンピング樹脂材10が設けられている。更に、コイル部9aの両端部のうち筐体6の底部側に位置する端部19には、樹脂などで構成された緩衝材22が接着などによって一体的に設けられている。
そして、本実施形態におけるコイル板ばね9は筐体6と捩りコイルばね8との間に介装されており、アーム2(回動部材)に連結された状態で該アーム2の回動に伴い筺体6の軸部7回りに筐体6内周面と圧接しながら回動するようになっている。また、図7に示すように、筐体6の内周面に係止部17が突設され、この係止部17は、通常の状態で、コイル板ばね9の端部19(緩衝材22)と周方向に間隔が空くように配置されている。その他の構成は実施形態1と同じである。
この実施形態においては、アーム2が図4でA方向に回動したとき、実施形態1と同様に、捩りコイルばね8の一端部から周方向に沿って90°に該当する箇所近傍はダンピング樹脂材10を筐体6の内周面に押し当てながらアーム2に追従して回動し、アーム2が回動するのを抑制するような摩擦ダンピング力が発生する。
そして、アーム2が同方向に所定の角度回動したときには、図8に示すように、コイル板ばね9の端部19が筐体6内周面に突設された係止部17と接触することとなる。これにより、アーム2がそれ以上回動したときには、係止部17によって係止されたコイル板ばね9は、全体がそれ以上アーム2に追従して回動せず、アーム2に係止されている他端部がアーム2から押されて拡径することとなり、アーム2の回動を抑制する摩擦ダンピング力が増大する。これにより、アーム2のそれ以上の回動が抑止される。
ここで、コイル板ばねコイル部9aの外周面全体に亘ってダンピング樹脂材10が設けられているため、より効果的に摩擦ダンピング力を発生することができる。
また、この実施形態では、コイル板ばね9の端部19に緩衝材22が設けられているため、係止部17との接触時における衝撃が緩衝材22により低減されて異音の発生を防ぐことができる。
以上より、実施形態2においても実施形態1と同様に、他の制御部品を用いることなく、簡単な構成でベルトの張力を制御することができる。
(他の実施形態)
なお、本発明は、上記各実施形態に限定されず、例えば、実施形態1におけるコイル板ばねをコイル部9aのみから構成されるものとしてもよい。また、逆に実施形態2におけるコイル板ばねをコイル部9aと係合部9bとからなるコイル板ばねとしてもよい。更に、コイル部9aと係合部9bとを備えるコイル板ばね9の外周全体にダンピング樹脂材を設けてもよい。これらの場合においても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
本発明は、特に補機ベルトのオートテンショナに極めて有用である。
S オートテンショナ
T プーリ
U 補機ベルト
1 プーリ部(ベルト押圧部)
2 アーム(回動部材)
3 固定部材
4 上端フランジ部
5 固定ブラケット部
6 筐体
7 軸部
8 捩りコイルばね
9 コイル板ばね
10 ダンピング樹脂材
11 ボス部
12 プーリ取付部
13 締結ボルト
14 凹部
15 案内部
16 規制部
17 係止部
18 ベアリング
19 端部
20 軸部ダンピング材
21 底部ダンピング材
22 緩衝材

Claims (5)

  1. 固定側に固定され、筒状の筐体内に軸部を有する固定部材と、
    前記固定部材の軸部に回動可能に支持されたボス部と、ベルトを押圧するためのベルト押圧部とを有する回動部材と、
    前記固定部材の筐体内に設けられ、前記回動部材を前記ベルト押圧部がベルトを押圧する方向に回動付勢する捩りコイルばねとを備えたオートテンショナであって、
    前記捩りコイルばねと前記筐体との間には、コイル状に巻かれたコイル板ばねが前記回動部材に連結された状態で該回動部材の回動に伴い前記軸部回りに筐体内周面と圧接しながら回動するように介装されており、
    前記固定部材の筐体には、前記コイル板ばねが所定の角度だけ回動したときに該コイル板ばねの端部と接触してコイル板ばねの回動を止めることにより、コイル板ばねを拡径させて筐体内周面に対する圧接力を増大させる係止部が設けられていることを特徴とするオートテンショナ。
  2. 請求項1において、
    前記コイル板ばねは、前記固定部材の筐体内に、拡径方向に付勢されて筐体内周面に圧接した状態で嵌合されていることを特徴とするオートテンショナ。
  3. 請求項1又は2において、
    前記捩りコイルばねの一端部から周方向に沿って90°に該当する箇所近傍に対応する前記コイル板ばねの一端側の外周面には、ダンピング樹脂材が設けられていることを特徴とするオートテンショナ。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つにおいて、
    前記コイル板ばねの外周面には、全体に亘ってダンピング樹脂材が設けられていることを特徴とするオートテンショナ。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つにおいて、
    前記係止部と該係止部に接触する前記コイル板ばねの端部との少なくとも一方には、緩衝材が設けられていることを特徴とするオートテンショナ。
JP2016100968A 2016-05-20 2016-05-20 オートテンショナ Expired - Fee Related JP6706143B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016100968A JP6706143B2 (ja) 2016-05-20 2016-05-20 オートテンショナ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016100968A JP6706143B2 (ja) 2016-05-20 2016-05-20 オートテンショナ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017207163A JP2017207163A (ja) 2017-11-24
JP6706143B2 true JP6706143B2 (ja) 2020-06-03

Family

ID=60414962

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016100968A Expired - Fee Related JP6706143B2 (ja) 2016-05-20 2016-05-20 オートテンショナ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6706143B2 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07103295A (ja) * 1993-10-04 1995-04-18 Bando Chem Ind Ltd オートテンショナ
JP2007064254A (ja) * 2005-08-29 2007-03-15 Mitsuboshi Belting Ltd オートテンショナ
JP5627621B2 (ja) * 2011-04-28 2014-11-19 三ツ星ベルト株式会社 オートテンショナ
JP6246080B2 (ja) * 2014-06-24 2017-12-13 バンドー化学株式会社 オートテンショナ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017207163A (ja) 2017-11-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA3026902C (en) Rotary tensioner
US8192312B2 (en) Isolator with damping
US8602930B2 (en) Drive belt tensioner for motor generator unit
US10746264B2 (en) Rotary tensioner
JP5798627B2 (ja) 非対称性の半径方向摩擦ダンパ作用をもつ伸縮バネを備えたテンショナ
RU2520620C2 (ru) Устройство натяжения
US8157682B2 (en) Tensioner
KR20050111577A (ko) 벨트구동장치용 2아암 벨트 텐션 장치
JP3916973B2 (ja) オートテンショナ
JP4248204B2 (ja) ベルト伝動装置
JP6706143B2 (ja) オートテンショナ
JP6246080B2 (ja) オートテンショナ
JP4088118B2 (ja) オートテンショナ
JP2017122470A (ja) オートテンショナ
JP2004132390A (ja) オートテンショナ
JP2018132127A (ja) オートテンショナ及びそれを備えたベルト式始動システム
JP5918043B2 (ja) オートテンショナ
JP2017211049A (ja) オートテンショナ
JP6614040B2 (ja) オートテンショナ
JPH07103295A (ja) オートテンショナ
WO2020121924A1 (ja) オートテンショナ
JP2006138433A (ja) オートテンショナ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190422

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200225

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200220

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200330

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200428

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200515

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6706143

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees