JP6705975B2 - エレクトレット化フィルムおよび電子装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エレクトレット化フィルムおよび電子装置に関する。
エレクトレット化フィルムとは、外部に電界が存在しない状態でも内部に電荷を保持して外部に対して電界を形成するフィルムである。
このようなエレクトレット化フィルムに関する技術としては、例えば、特許文献1(特開2012−122041号公報)および特許文献2(特開2011−84735号公報)に記載のものが挙げられる。
特許文献1には、ガラス転移点または軟化点が120℃以上であり、かつ吸水率が0.2%以下である圧電・焦電素子用多孔質樹脂シートが記載されている。
また、特許文献2には、熱可塑性樹脂50〜88重量%および無機粉末50〜12重量%を含む熱可塑性樹脂延伸フィルムからなるコア層(A)を含み、コア層(A)が厚み方向の断面観察によるフィルムの厚み方向に3〜30μmの高さ、かつフィルムの面方向に50〜500μmの径を有する空孔を100〜3,000個/mmの頻度で含むフィルムに直流高電圧放電処理を施してエレクトレット化したことを特徴とするエレクトレット化フィルムが記載されている。
特開2012−122041号公報 特開2011−84735号公報
特許文献1および2に記載されているような多孔性エレクトレット化フィルムはフィルム内部の空孔に多くの電荷を保持することが可能であるものの、高温下で電荷が減衰しやすく、高温下での電荷保持性について十分に満足できるものではなかった。
そのため、従来の多孔性エレクトレット化フィルムを用いた電子装置は、感度および長期信頼性の点で改善の余地があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、感度および長期信頼性に優れた電子装置を実現できるエレクトレット化フィルムを提供するものである。
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討を重ねた。その結果、エレクトレット化フィルムを構成する樹脂として環状オレフィン系重合体を選択しつつ、フィルムを非多孔性とし、さらに特定の条件で測定される圧電定数d33を特定値以上とすることにより、感度および長期信頼性に優れた電子装置を実現できるエレクトレット化フィルムが得られることを見出して、本発明を完成させた。
本発明によれば、以下に示すエレクトレット化フィルムおよび電子装置が提供される。
[1]
環状オレフィン系重合体により構成されたエレクトレット化フィルムであって、
当該エレクトレット化フィルムは非多孔性フィルムであり、
当該エレクトレット化フィルムの厚み方向に荷重0.5N、動的荷重±0.25N、周波数110Hz、温度23℃、湿度50%の条件で押圧力を加えて測定される、厚み方向の圧電定数d33が100pC/N以上であるエレクトレット化フィルム。
[2]
上記[1]に記載のエレクトレット化フィルムにおいて、
上記エレクトレット化フィルム中の無機充填材の含有量が、上記エレクトレット化フィルムの全体を100質量%としたとき、10質量%以下であるエレクトレット化フィルム。
[3]
上記[1]または[2]に記載のエレクトレット化フィルムにおいて、
上記エレクトレット化フィルムのガラス転移温度が100℃以上220℃以下であるエレクトレット化フィルム。
[4]
上記[1]乃至[3]のいずれか一つに記載のエレクトレット化フィルムにおいて、
JIS Z0208に準拠し、温度40℃、湿度90%RHの条件下で測定される、上記エレクトレット化フィルムの透湿係数が0.5g・mm/m・day以下であるエレクトレット化フィルム。
[5]
上記[1]乃至[4]のいずれか一つに記載のエレクトレット化フィルムにおいて、
ASTM D570に準拠して測定される、温度23℃の水中に24時間浸漬した際の上記エレクトレット化フィルムの吸水率が0.1質量%以下であるエレクトレット化フィルム。
[6]
上記[1]乃至[5]のいずれか一つに記載のエレクトレット化フィルムにおいて、
JIS K7136に準拠して測定される、上記エレクトレット化フィルムのヘイズが10%以下であるエレクトレット化フィルム。
[7]
上記[1]乃至[6]のいずれか一つに記載のエレクトレット化フィルムにおいて、
上記エレクトレット化フィルムの周波数1MHzでの比誘電率が3.0以下であるエレクトレット化フィルム。
[8]
上記[1]乃至[7]のいずれか一つに記載のエレクトレット化フィルムにおいて、
上記エレクトレット化フィルムを100℃、窒素雰囲気下で100時間静置する耐熱性試験をおこなったとき、上記耐熱性試験前の上記エレクトレット化フィルムの厚み方向の圧電定数d33をDとし、上記耐熱性試験後の上記エレクトレット化フィルムの厚み方向の圧電定数d33をDとしたとき、
/Dが0.60以上1.1以下であるエレクトレット化フィルム。
[9]
上記[1]乃至[8]のいずれか一つに記載のエレクトレット化フィルムにおいて、
厚みが5μm以上500μm以下であるエレクトレット化フィルム。
[10]
上記[1]乃至[9]のいずれか一つに記載のエレクトレット化フィルムにおいて、
圧電パネル、圧力センサー、ハプティックデバイス、圧電振動発電装置、静電誘導発電装置、平面スピーカー、または超音波発生装置に用いられるエレクトレット化フィルム。
[11]
上記[1]乃至[10]のいずれか一つに記載のエレクトレット化フィルムを用いた電子装置。
[12]
上記[11]に記載の電子装置において、
圧電パネル、圧力センサー、ハプティックデバイス、圧電振動発電装置、静電誘導発電装置、平面スピーカー、または超音波発生装置である電子装置。
本発明によれば、感度および長期信頼性に優れた電子装置を実現できるエレクトレット化フィルムを提供することができる。
以下、本発明を実施形態に基づいて説明する。なお、本実施形態では、数値範囲を示す「A〜B」は特に断りがなければ、A以上B以下を表す。
<エレクトレット化フィルム>
本実施形態に係るエレクトレット化フィルムは、環状オレフィン系重合体により構成された非多孔性フィルムである。そして、本実施形態に係るエレクトレット化フィルムは、得られる電子装置の感度を良好にする観点から、エレクトレット化フィルムの厚み方向に荷重0.5N、動的荷重±0.25N、周波数110Hz、温度23℃、湿度50%の条件で押圧力を加えて測定される、厚み方向の圧電定数d33が100pC/N以上であり、より好ましくは150pC/N以上であり、さらに好ましくは180pC/N以上である。
また、上記厚み方向の圧電定数d33の上限値は特に限定されないが、高温下での電荷保持性をより良好にする観点から、500pC/N以下が好ましく、400pC/N以下がより好ましく、300pC/N以下がさらに好ましい。
本発明者らの検討によれば、多孔性エレクトレット化フィルムはフィルム内部の空孔に多くの電荷を保持することが可能であるものの、高温下で電荷が減衰しやすく、高温下での電荷保持性について十分に満足できるものではないことを知見した。
そして、本発明者らは上記知見を基にさらに鋭意検討した。その結果、環状オレフィン系重合体により構成された非多孔性フィルムは高温下での電荷保持性について優れ、得られる電子装置の長期信頼性を良好にできることを見出した。
さらに、本発明者らの検討によれば、環状オレフィン系重合体により構成された非多孔性フィルムの厚み方向の圧電定数d33を100pC/N以上することにより、得られる電子装置の感度を良好にできることを見出した。
このような圧電定数d33を達成するためには、後述するように、環状オレフィン系重合体により構成された非多孔性フィルムに対するコロナ荷電処理の方法を工夫することが重要となる。
本実施形態に係るエレクトレット化フィルムは、柔軟性や透明性をより良好にする観点から、エレクトレット化フィルム中の無機充填材の含有量が、エレクトレット化フィルムの全体を100質量%としたとき、0質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0質量%以上5質量%以下であることがより好ましく、0質量%以上1質量%以下であることが特に好ましい。
このような無機充填材としては、例えば、炭酸カルシウム、焼成クレー、シリカ、けいそう土、白土、タルク、酸化チタン、硫酸バリウム、アルミナ、ゼオライト、マイカ、セリサイト、ベントナイト、セピオライト、バーミキュライト、ドロマイト、ワラストナイト、ガラスファイバー等が挙げられる。
本実施形態に係るエレクトレット化フィルムは、高温下での電荷保持性をより向上させる観点から、ガラス転移温度が100℃以上であることが好ましく、110℃以上であることがより好ましく、120℃以上であることが特に好ましい。
また、本実施形態に係るエレクトレット化フィルムは、柔軟性および透明性を向上させる観点から、ガラス転移温度が220℃以下であることが好ましく、200℃以下であることがより好ましく、180℃以下であることが特に好ましい。
本実施形態に係るエレクトレット化フィルムは、高温高湿度下での電荷保持性をより向上させ、長期信頼性により優れる電子装置を得る観点から、JIS Z0208に準拠し、温度40℃、湿度90%RHの条件下で測定される透湿係数が0.5g・mm/m・day以下であることが好ましく、0.3g・mm/m・day以下であることがより好ましく、0.2g・mm/m・day以下であることがさらに好ましい。本実施形態に係るエレクトレット化フィルムの透湿係数の下限は特に限定されないが、例えば、0.001g・mm/m・day以上である。
本実施形態に係るエレクトレット化フィルムは、高温高湿度下での電荷保持性をより向上させ、長期信頼性により優れる電子装置を得る観点から、ASTM D570に準拠して測定される、温度23℃の水中に24時間浸漬した際の吸水率が0.1質量%以下であることが好ましく、0.05質量%以下であることがより好ましい。本実施形態に係るエレクトレット化フィルムの吸水率の下限は特に限定されないが、例えば、0.0001質量%以上である。
本実施形態に係るエレクトレット化フィルムは、透明性をより向上させる観点から、JIS K7136に準拠して測定されるヘイズが10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、1%以下が更に好ましく、0.5%以下が特に好ましい。
本実施形態に係るエレクトレット化フィルムは、高温下での電荷保持性をより向上させ、長期信頼性により優れる電子装置を得る観点から、エレクトレット化フィルムを100℃、窒素雰囲気下で100時間静置する耐熱性試験をおこなったとき、耐熱性試験前のエレクトレット化フィルムの厚み方向の圧電定数d33をDとし、耐熱性試験後のエレクトレット化フィルムの厚み方向の圧電定数d33をDとしたとき、D/Dが0.60以上1.1以下であることが好ましく、0.80以上1.1以下であることがより好ましく、0.90以上1.1以下であることがさらに好ましい。
本実施形態に係るエレクトレット化フィルムの厚みは特に限定されないが、例えば5μm以上500μm以下であり、好ましくは10μm以上300μm以下であり、より好ましくは15μm以上200μm以下である。本実施形態に係るエレクトレット化フィルムの厚みがこの範囲内であると、機械的特性、取扱い性、成形性等のバランスがより優れている。
(環状オレフィン系重合体)
本実施形態に係るエレクトレット化フィルムは環状オレフィン系重合体により構成されている。
環状オレフィン系重合体としては、例えば、エチレンまたはα−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体および環状オレフィンの開環重合体から選択される少なくとも一種が挙げられる。
エチレンまたはα−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体としては、例えば、国際公開第2008/047468号の段落0030〜0123に記載の重合体を用いることができる。
例えば、繰り返し構造単位の少なくとも一部に脂環族構造を有する重合体(以下、単に「脂環族構造を有する重合体」ともいう)であり、重合体の繰り返し単位の少なくとも一部に脂環族構造を有するものであればよく、具体的には下記式(1)で表される1種ないし2種以上の構造を有する重合体を含むことが好ましい。
Figure 0006705975
ここで、上記式(1)中、x、yは共重合比を示し、0/100≦y/x≦95/5を満たす実数である。x、yはモル基準である。
nは置換基Qの置換数を示し、0≦n≦2の実数である。
は、炭素原子数2〜20の炭化水素基よりなる群から選ばれる2+n価の基である。
は、水素原子、または炭素原子数1〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる1価の基である。
は、炭素原子数2〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる4価の基である。
Qは、COOR(Rは、水素原子、または炭素原子数1〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる1価の基である。)である。
、R、RおよびQは、それぞれ1種であってもよく、2種以上を任意の割合で有していてもよい。
また、上記式(1)において、Rは、好ましくは、炭素原子数2〜12の炭化水素基から選ばれる1種ないし2種以上の2価の基であり、さらに好ましくはn=0の場合、下記式(2)で表される2価の基であり、最も好ましくは、下記式(2)において、pが0または1である2価の基である。Rの構造は1種のみ用いても、2種以上を併用しても構わない。
Figure 0006705975
ここで、上記式(2)中、pは、0〜2の整数である。
また、エチレンまたはα−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体としては、下記式(3)で表現される環状オレフィン系共重合体である。例えば、エチレンまたは炭素原子数が3〜30の直鎖状または分岐状のα−オレフィン由来の構成単位(A)と、環状オレフィン由来の構成単位(B)とからなる。
Figure 0006705975
ここで、上記式(3)中、Rは、炭素原子数2〜20の炭化水素基よりなる群から選ばれる2価の基である。
は、水素原子、または炭素原子数1〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる1価の基である。
およびRは、それぞれ1種であってもよく、2種以上を任意の割合で有していてもよい。
x、yは共重合比を示し、5/95≦y/x≦95/5を満たす実数である。好ましくは50/50≦y/x≦95/5、さらに好ましくは、55/45≦y/x≦80/20である。x、yはモル基準である。
エチレンまたはα−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体は、エチレンおよび環状オレフィンからなる共重合体が好ましく、環状オレフィンがビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン、シクロペンタジエン−ベンザイン付加物およびシクロペンタジエン−アセナフチレン付加物からなる群から選ばれる一種または二種以上であるものが好ましく、ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテンおよびテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンから選択される少なくとも一種であるものがより好ましい。
エチレンまたはα−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体としては、上記式(1)で表される1種ないし2種以上の構造を有する重合体または上記式(3)で表現される環状オレフィン系共重合体が水素添加処理された重合体であってもよい。
また、環状オレフィン系重合体としては、環状オレフィンの開環重合体を用いることができる。
環状オレフィンの開環重合体としては、例えば、ノルボルネン系単量体の開環重合体およびノルボルネン系単量体とこれと開環共重合可能なその他の単量体との開環重合体、ならびにこれらの水素化物等が挙げられる。
ノルボルネン系単量体としては、例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(慣用名:ノルボルネン)およびその誘導体(環に置換基を有するもの)、トリシクロ[4.3.01,6.12,5]デカ−3,7−ジエン(慣用名ジシクロペンタジエン)およびその誘導体、7,8−ベンゾトリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン(慣用名メタノテトラヒドロフルオレン:1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンともいう)およびその誘導体、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(慣用名:テトラシクロドデセン)およびその誘導体、等が挙げられる。
これらの誘導体の環に置換される置換基としては、アルキル基、アルキレン基、ビニル基、アルコキシカルボニル基、アルキリデン基等が挙げられる。なお、置換基は、1個または2個以上を有することができる。このような環に置換基を有する誘導体としては、例えば、8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチリデン−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン等が挙げられる。
これらのノルボルネン系単量体は、それぞれ単独であるいは2種以上を組み合わせて用いられる。
ノルボルネン系単量体の開環重合体、またはノルボルネン系単量体とこれと開環共重合可能なその他の単量体との開環重合体は、単量体成分を、公知の開環重合触媒の存在下で重合して得ることができる。
開環重合触媒としては、例えば、ルテニウム、オスミウム等の金属のハロゲン化物と、硝酸塩またはアセチルアセトン化合物と、還元剤とからなる触媒;チタン、ジルコニウム、タングステン、モリブデン等の金属のハロゲン化物またはアセチルアセトン化合物と、有機アルミニウム化合物とからなる触媒;等を用いることができる。
ノルボルネン系単量体と開環共重合可能なその他の単量体としては、例えば、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン等の単環の環状オレフィン系単量体等を挙げることができる。
ノルボルネン系単量体の開環重合体の水素化物や、ノルボルネン系単量体とこれと開環共重合可能なその他の単量体との開環重合体の水素化物は、通常、上記開環重合体の重合溶液に、ニッケル、パラジウム等の遷移金属を含む公知の水素化触媒を添加し、炭素−炭素不飽和結合を水素化することにより得ることができる。
本実施形態において環状オレフィン系重合体は1種類を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本実施形態に係るエレクトレット化フィルムの周波数1MHzでの比誘電率は、電荷保持性をより向上させ、感度がより優れる電子装置を得る観点から、3.0以下であることが好ましく、2.5以下であることがより好ましい。
本実施形態に係るエレクトレット化フィルム中の環状オレフィン系重合体の含有量は特に限定されないが、エレクトレット化フィルム全体を100質量%としたとき、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上であり、好ましくは100質量%以下である。
これにより、高温や高温高湿度下での電荷保持性、機械的特性、取扱い性、成形性、柔軟性、耐熱性、耐湿性、透明性等のバランスにより優れたエレクトレット化フィルムを得ることができる。
(添加剤)
本実施形態に係るエレクトレット化フィルムには、目的に応じて、各種添加剤を添加してもよい。添加剤の添加量は、本発明の目的を損なわない範囲内で用途に応じて適宜選択される。
上記添加剤としては、環状オレフィン系重合体以外の樹脂、耐熱安定剤、耐候安定剤、スリップ剤、耐放射線剤、可塑剤、滑剤、離型剤、核剤、摩擦磨耗性向上剤、難燃剤、帯電防止剤、着色剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、耐衝撃剤、表面ぬれ改善剤、塩酸吸収剤および金属不活性化剤からなる群から選択される一種または二種以上の添加剤が挙げられる。
特に、環状オレフィン系重合体として、エチレンまたはα−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体を原料とし、押出機等を用いてフィルムを成形する場合、フィルム外観上のブツの原因となる押出機内でペレット同士の摩擦によって生じるゲル化をより一層抑制するため、固体原料がペレットである場合、押出機にペレットを供給する前に、予めペレットの外部に滑剤を添加することが好ましい。
このような摩擦やせん断によるゲル化を抑制する滑剤としては、脂肪酸アミド系滑剤や金属石鹸系滑剤、及び液状滑剤等が挙げられる。より具体的には、脂肪酸アミド系滑剤の場合、エチレンビスステアリン酸アミド、金属石鹸系滑剤の場合、ステアリン酸カルシムやステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸ナトリウム、及び液状滑剤の場合、パラフィンオイルやナフテンオイル等が挙げられる。これらの滑剤の添加量としては、原料ペレット100質量部に対して、0.005〜0.3質量部であることが好ましく、0.01〜0.1質量部であることがより好ましく、0.03〜0.08質量部であることがさらに好ましい。
ここで、滑剤の添加量が上記下限値以上であると、滑剤の効果がより一層得られやすく、ゲルの発生をより一層抑制することができる。一方、滑剤の添加量が上記上限値以下であると、フィルムのヘイズがより一層低くなり、透明性をより良好にしたり、外観や機械物性をより一層良好にしたりすることができる。エチレンまたはα−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体からなる固体原料であるペレットに対する滑剤の添加方法としては、タンブラーミキサー等の混合器を用いて、ペレットと滑剤とを均一に混合することが挙げられる。
(エレクトレット化フィルムの製造方法)
本実施形態に係るエレクトレット化フィルムの製造方法は、以下の2つの工程を含む。
(1)環状オレフィン系重合体により構成された非多孔性フィルムを作製する工程
(2)得られた非多孔性フィルムに対してコロナ荷電処理をおこない、エレクトレット化する工程
以下、各工程について説明する。
はじめに、環状オレフィン系重合体により構成された非多孔性フィルムを作製する。
環状オレフィン系重合体により構成された非多孔性フィルムの製造方法としては特に限定はされないが、例えば、公知の各種の成形方法(キャスト成形、押出成形、インフレーション成形、射出成形、圧縮成形、カレンダー成形等)により、本実施形態に係る環状オレフィン系重合体をフィルム状に成形することにより得る方法が挙げられる。
これらの非多孔性フィルムの製造方法のうち、単軸押出機及びTダイを用いてフィルムをキャスト成形することが量産性に優れ、製造コストを低減する上で好ましい。特に、環状オレフィン系重合体がエチレンまたはα−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体の場合であって、単軸押出機及びTダイを用いて、光線透過率が高く、かつヘイズが低い透明性に優れたフィルムを得る場合には、フィルム成形条件として、例えば、ポリマーフィルターの併用を含めて、特開2005−343148号公報に記載の方法を参考とすることができる。また、キャスティング時、フィルムの平滑性を付与する目的で、キャストロールに対するTダイから押し出された溶融ウェブの圧着方法として、公知の静電ピンニング方式、表面が鏡面仕上げされたスリーブタッチ方式(千葉機械工業社製)、または公知の金属弾性体ロールを圧着する手法を用いることができる。さらに、フィルムを二軸方向に加熱延伸することにより、フィルムの脆性を改良してもよい。ここで、フィルムを二軸方向に加熱延伸する手法としては、例えば、逐次延伸法、同時二軸延伸等を挙げることができる。
つぎに、得られた非多孔性フィルムに対してコロナ荷電処理をおこない、環状オレフィン系重合体により構成された非多孔性フィルムをエレクトレット化し、厚み方向の圧電定数d33を上記下限値以上とする。これにより、本実施形態に係るエレクトレット化フィルムを得ることができる。ここで、前述したように、厚み方向の圧電定数d33を上記下限値以上とするためには、後述するように、環状オレフィン系重合体により構成された非多孔性フィルムに対するコロナ荷電処理の方法が重要である。
より具体的には、厚み方向の圧電定数d33が上記下限値以上である、環状オレフィン系重合体により構成された非多孔性フィルムを得るためには、(1)針が等間隔に配置された針状電極を用いてコロナ荷電処理をおこなうこと、(2)コロナ荷電処理時の電極間の距離、(3)コロナ荷電処理時の電圧、の3つの条件を高度に制御することが重要である。すなわち、上記の3つの条件に係る各種因子を高度に制御する製造方法によって初めて厚み方向の圧電定数d33が上記下限値以上である環状オレフィン系重合体により構成された非多孔性フィルムを得ることができる。
より具体的には、直流高圧電源に繋がった針状電極とアース電極の間に非多孔性フィルムを固定し電圧を印加する。このとき、針状電極とアース電極の間の距離を20〜50mmに設定し、さらに印加する電圧を15〜30kVもしくは−30〜−15kVに設定する。
これにより環状オレフィン系重合体により構成された非多孔性フィルムに電荷を十分に注入することができ、厚み方向の圧電定数d33が上記下限値以上である本実施形態に係るエレクトレット化フィルムを得ることができる。
(用途)
本実施形態に係るエレクトレット化フィルムは、例えば、圧電パネル(例えば、タッチ圧を検出できるタッチパネル)、圧力センサー、ハプティックデバイス、圧電振動発電装置、静電誘導発電装置、平面スピーカー、超音波発生装置等の電子装置に好適に用いることができる。
特に、本実施形態に係るエレクトレット化フィルムは、電子装置を構成する圧電素子または焦電素子として用いることができる。
<電子装置>
本実施形態に係る電子装置は、構成部品の一つとして本実施形態に係るエレクトレット化フィルムを備えている。
本実施形態に係るエレクトレット化フィルムを用いた電子装置としては、例えば、圧電パネル(例えば、タッチ圧を検出できるタッチパネル)、圧力センサー、ハプティックデバイス、圧電振動発電装置、静電誘導発電装置、平面スピーカー、超音波発生装置等の電子装置として好適である。
特に、本実施形態に係るエレクトレット化フィルムは、電子装置を構成する圧電素子または焦電素子として用いることができる。
このような電子装置は、例えば、第1の電極と、本実施形態に係るエレクトレット化フィルムと、第2の電極と、をこの順で有している。第1の電極は本実施形態に係るエレクトレット化フィルムの主面上に直接または間接的に配置され、第2の電極は本実施形態に係るエレクトレット化フィルムの他方の主面上に直接または間接的に配置される。
ここで、当該電子装置が有するエレクトレット化フィルムの数は1枚以上とすることができる。
第1の電極および第2の電極の例としては、ITO(酸化インジウム・スズ)電極、酸化スズ電極、金属ナノワイヤー、金属ナノ粒子、および有機導電樹脂等が挙げられる。
当該電子装置において、本実施形態に係るエレクトレット化フィルムは、第1の電極および第2の電極を介して受け取った電気エネルギーを機械的エネルギーに変換できる。これにより、本実施形態に係るエレクトレット化フィルムが変形して、振動し、ユーザーに触覚をフィードバックできる。
また、当該電子装置において、本実施形態に係るエレクトレット化フィルムは、電子装置が受けた振動の機械的エネルギーを電気エネルギーに変換できる。当該電気エネルギーは、第1の電極および第2の電極を介して他の装置等に送られる。
また、当該電子装置において、本実施形態に係るエレクトレット化フィルムは、第1の電極および第2の電極を介して受け取った電気エネルギーを機械的エネルギーに変換できる。これにより、本実施形態に係るエレクトレット化フィルムが変形して、振動し、音を発生できる。
本実施形態に係る電子装置は、例えば、公知の情報に基づいて作製することができる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
また、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
以下、本実施形態を、実施例・比較例を参照して詳細に説明する。なお、本実施形態は、これらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
1.測定方法
(1)圧電定数d33
圧電定数測定装置(PIEZOTEST社製、ピエゾメーターシステムPM300)を用いて、エレクトレット化フィルムの厚み方向に荷重0.5N、動的荷重±0.25N、周波数110Hz、温度23℃、湿度50%の条件で押圧力を加え、エレクトレット化フィルムの厚み方向の圧電定数d33を測定した。測定は5回おこない、これらの平均値を採用した。
(2)ガラス転移温度
DSC(Differential Scanning Calorimetry)装置(島津製作所社製、DSC−60A)を用いて、エレクトレット化フィルムのガラス転移温度を測定した。
(3)透湿係数
JIS Z0208に準拠しカップ法により、温度40℃、湿度90%RHの条件下でエレクトレット化フィルムの透湿係数を測定した。
(4)吸水率
ASTM D570に準拠し、温度23℃の水中にエレクトレット化フィルムを24時間浸漬した際のエレクトレット化フィルムの重量増加率(=100×重量増加量/浸漬前のエレクトレット化フィルムの重量)を吸水率として測定した。
(5)ヘイズ
JIS K 7136に準拠し、ヘイズメーター(日本電色工業社製、HAZE METER NDH5000SP)を用いて、エレクトレット化フィルムのヘイズを測定した。
(6)比誘電率
プレシジョンLCRメーター(アジレント・テクノロジー社製、4284A)を用いて、エレクトレット化フィルムの周波数1MHzでの比誘電率を測定した。
(7)高温下での電荷保持性
エレクトレット化フィルムを100℃、窒素雰囲気下で360時間静置する耐熱性試験をおこなった。ここで、0時間後(耐熱性試験前)、100時間後および360時間後のエレクトレット化フィルムの厚み方向の圧電定数d33をそれぞれ測定した。
このとき、耐熱性試験前のエレクトレット化フィルムの厚み方向の圧電定数d33(D)と100時間後のエレクトレット化フィルムの厚み方向の圧電定数d33(D)とから、D/Dを算出した。
(8)高温・高湿度下での電荷保持性
エレクトレット化フィルムを85℃、85%RHの環境下で100時間静置する耐湿熱性試験をおこなった。ここで、0時間後、24時間後および100時間後のエレクトレット化フィルムの厚み方向の圧電定数d33をそれぞれ測定した。
(9)電子装置の感度評価
100℃、窒素雰囲気下で100時間静置する耐熱性試験後のエレクトレット化フィルムの両面にアルミ箔からなる電極を取り付け、センサー感度評価用サンプルを作製した。得られたセンサー感度評価用サンプルをオシロスコープに接続し、フィルムの厚み方向に指で繰返し押圧を加え、電圧の発生を観察し、以下の基準でセンサー感度を評価した。
〇:押圧由来の電圧のピークがはっきりと判別可能
×:押圧由来のピークが判別不可
[実施例1]
単軸押出機とTダイキャスト成形装置を用いて、エチレンとテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンとからなる環状オレフィン系共重合体(エチレンの含有量:69モル%、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンの含有量:31モル%)により構成されたペレット100質量部に対し、ペレット外部に滑剤としてエチレンビスステアリン酸アミド(花王社製、カオーワックス EB−FF)0.05質量部を添加したものを押出成形することにより、環状オレフィン系重合体により構成された無延伸の非多孔性フィルムを得た。その後、二軸延伸機により、縦方向、横方向にそれぞれ延伸倍率2倍で加熱延伸し、厚みが50μmの非多孔性フィルムを得た。
次いで、直流高圧電源に繋がった針状電極とアース電極の間(電極間距離:35mm)に非多孔性フィルムを固定した。ここで、直流高圧電源に繋がった針状電極とアース電極を有する装置には、春日電機社製の直流高圧電源、針状電極およびアース電極を使用した。次いで、温度23℃、湿度50%RHの環境下で、直流高電圧(−20kV)を非多孔性フィルムに5秒間印加して非多孔性フィルムを帯電させることによりエレクトレット化フィルムを作製した。
得られたエレクトレット化フィルムについて各種評価をおこなった。得られた結果を表1に示す。
[実施例2]
フィルムの厚みを100μmに変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行った。得られた結果を表1に示す。
[実施例3]
エチレンとテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンの含有量をエチレンの含有量:63モル%、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンの含有量:37モル%に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行った。得られた結果を表1に示す。
[実施例4]
単軸押出機とTダイキャスト成形装置を用いて、環状オレフィン系共重合体(ポリプラスチックス社製、TOPAS 6013M−07)により構成されたペレットを押出成形することにより、環状オレフィン系重合体により構成された厚みが75μmの無延伸の非多孔性フィルムを得た。
次いで、直流高圧電源に繋がった針状電極とアース電極の間(電極間距離:35mm)に非多孔性フィルムを固定した。ここで、直流高圧電源に繋がった針状電極とアース電極を有する装置には、春日電機社製の直流高圧電源、針状電極およびアース電極を使用した。次いで、温度23℃、湿度50%RHの環境下で、直流高電圧(−20kV)を非多孔性フィルムに5秒間印加して非多孔性フィルムを帯電させることによりエレクトレット化フィルムを作製した。
得られたエレクトレット化フィルムについて各種評価をおこなった。得られた結果を表1に示す。
[比較例1]
単軸押出機とTダイキャスト成形装置を用いて、エチレンとテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンとからなる環状オレフィン系共重合体(エチレンの含有量:69モル%、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンの含有量:31モル%)により構成されたペレット100質量部に対し、ペレット外部に滑剤としてエチレンビスステアリン酸アミド(花王社製、カオーワックス EB−FF)0.05質量部を添加したものを押出成形することにより、環状オレフィン系重合体により構成された無延伸の非多孔性フィルムを得た。その後、二軸延伸機により、縦方向、横方向にそれぞれ延伸倍率2倍で加熱延伸し、厚みが50μmの非多孔性フィルムを得た。
次いで、直流高圧電源に繋がった直径0.05mmのワイヤー電極とアース電極の間(電極間距離:7mm)に非多孔性フィルムを固定した。ここで、使用した直径0.05mmのワイヤー電極とアース電極を有する装置は、エレメント有限会社製、製品名:ELCG−05N2である。次いで、温度23℃、湿度50%RHの環境下で、直流高電圧(−8kV)を非多孔性フィルムに60秒間印加して非多孔性フィルムを帯電させることによりエレクトレット化フィルムを作製した。
得られたエレクトレット化フィルムについて各種評価をおこなった。得られた結果を表1に示す。
[比較例2]
フィルムとして非多孔性のポリエチレンテレフタレートフィルムを使用したこと以外は実施例1と同様の操作を行った。得られた結果を表1に示す。
[比較例3]
多孔性ポリプロプレンエレクトレット化フィルム(EMFIT社製、EMFIT、厚み90μm)について各種評価を行った。得られた結果を表1に示す。
Figure 0006705975
表1から明らかなように、実施例のエレクトレット化フィルムは厚み方向の圧電定数d33が高く、耐熱性試験および耐湿熱性試験後における圧電定数d33の保持率も優れているとともに高いセンサー感度を示すことが分かった。
この出願は、2017年3月3日に出願された日本出願特願2017−041001号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。

Claims (12)

  1. 環状オレフィン系重合体により構成されたエレクトレット化フィルムであって、
    当該エレクトレット化フィルムは非多孔性フィルムであり、
    当該エレクトレット化フィルムの厚み方向に荷重0.5N、動的荷重±0.25N、周波数110Hz、温度23℃、湿度50%の条件で押圧力を加えて測定される、厚み方向の圧電定数d33が100pC/N以上であるエレクトレット化フィルム。
  2. 請求項1に記載のエレクトレット化フィルムにおいて、
    前記エレクトレット化フィルム中の無機充填材の含有量が、前記エレクトレット化フィルムの全体を100質量%としたとき、10質量%以下であるエレクトレット化フィルム。
  3. 請求項1または2に記載のエレクトレット化フィルムにおいて、
    前記エレクトレット化フィルムのガラス転移温度が100℃以上220℃以下であるエレクトレット化フィルム。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載のエレクトレット化フィルムにおいて、
    JIS Z0208に準拠し、温度40℃、湿度90%RHの条件下で測定される、前記エレクトレット化フィルムの透湿係数が0.5g・mm/m・day以下であるエレクトレット化フィルム。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載のエレクトレット化フィルムにおいて、
    ASTM D570に準拠して測定される、温度23℃の水中に24時間浸漬した際の前記エレクトレット化フィルムの吸水率が0.1質量%以下であるエレクトレット化フィルム。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載のエレクトレット化フィルムにおいて、
    JIS K7136に準拠して測定される、前記エレクトレット化フィルムのヘイズが10%以下であるエレクトレット化フィルム。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載のエレクトレット化フィルムにおいて、
    前記エレクトレット化フィルムの周波数1MHzでの比誘電率が3.0以下であるエレクトレット化フィルム。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載のエレクトレット化フィルムにおいて、
    前記エレクトレット化フィルムを100℃、窒素雰囲気下で100時間静置する耐熱性試験をおこなったとき、前記耐熱性試験前の前記エレクトレット化フィルムの厚み方向の圧電定数d33をDとし、前記耐熱性試験後の前記エレクトレット化フィルムの厚み方向の圧電定数d33をDとしたとき、
    /Dが0.60以上1.1以下であるエレクトレット化フィルム。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載のエレクトレット化フィルムにおいて、
    厚みが5μm以上500μm以下であるエレクトレット化フィルム。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載のエレクトレット化フィルムにおいて、
    圧電パネル、圧力センサー、ハプティックデバイス、圧電振動発電装置、静電誘導発電装置、平面スピーカー、または超音波発生装置に用いられるエレクトレット化フィルム。
  11. 請求項1乃至10のいずれか一項に記載のエレクトレット化フィルムを用いた電子装置。
  12. 請求項11に記載の電子装置において、
    圧電パネル、圧力センサー、ハプティックデバイス、圧電振動発電装置、静電誘導発電装置、平面スピーカー、または超音波発生装置である電子装置。
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