JPWO2019208580A1 - 積層体および電子装置 - Google Patents

積層体および電子装置 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2019208580A1
JPWO2019208580A1 JP2020515491A JP2020515491A JPWO2019208580A1 JP WO2019208580 A1 JPWO2019208580 A1 JP WO2019208580A1 JP 2020515491 A JP2020515491 A JP 2020515491A JP 2020515491 A JP2020515491 A JP 2020515491A JP WO2019208580 A1 JPWO2019208580 A1 JP WO2019208580A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
adhesive layer
electretized
laminate
electretized film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020515491A
Other languages
English (en)
Inventor
中村 雄三
雄三 中村
江里口 真男
真男 江里口
智也 又吉
智也 又吉
丸子 展弘
展弘 丸子
佳郎 田實
佳郎 田實
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Kansai University
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Kansai University
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc, Kansai University filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Publication of JPWO2019208580A1 publication Critical patent/JPWO2019208580A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B7/00Layered products characterised by the relation between layers; Layered products characterised by the relative orientation of features between layers, or by the relative values of a measurable parameter between layers, i.e. products comprising layers having different physical, chemical or physicochemical properties; Layered products characterised by the interconnection of layers
    • B32B7/02Physical, chemical or physicochemical properties
    • B32B7/025Electric or magnetic properties
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G7/00Capacitors in which the capacitance is varied by non-mechanical means; Processes of their manufacture
    • H01G7/02Electrets, i.e. having a permanently-polarised dielectric
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02NELECTRIC MACHINES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H02N1/00Electrostatic generators or motors using a solid moving electrostatic charge carrier
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R19/00Electrostatic transducers
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R19/00Electrostatic transducers
    • H04R19/01Electrostatic transducers characterised by the use of electrets
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R19/00Electrostatic transducers
    • H04R19/02Loudspeakers
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N30/00Piezoelectric or electrostrictive devices
    • H10N30/20Piezoelectric or electrostrictive devices with electrical input and mechanical output, e.g. functioning as actuators or vibrators
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N30/00Piezoelectric or electrostrictive devices
    • H10N30/30Piezoelectric or electrostrictive devices with mechanical input and electrical output, e.g. functioning as generators or sensors
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N30/00Piezoelectric or electrostrictive devices
    • H10N30/80Constructional details
    • H10N30/85Piezoelectric or electrostrictive active materials
    • H10N30/857Macromolecular compositions

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Acoustics & Sound (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

本発明の積層体(50)は、エレクトレット化フィルム(A)と、エレクトレット化フィルム(A)の少なくとも一方の面の一部分に設けられた粘接着層(B)と、粘接着層(B)上に設けられた電極層(C)と、を備える。

Description

本発明は、積層体および電子装置に関する。
エレクトレット化フィルムとは、外部に電界が存在しない状態でも内部に電荷を保持して外部に対して電界を形成するフィルムである。
このようなエレクトレット化フィルムに関する技術としては、例えば、特許文献1(特開平8−41260号公報)および特許文献2(特開2010−89496号公報)に記載のものが挙げられる。
特許文献1には、環状オレフィン系樹脂(A)と、高分子化合物に不飽和カルボン酸およびその誘導体から選ばれる少なくとも1種の変性単量体をグラフト共重合してなる変性高分子化合物(B)とを含む樹脂組成物からなるエレクトレットが記載されている。
また、特許文献2には、エレクトレット化フィルム(A)の少なくとも片方の面に、表面抵抗値が1×10−2〜9×10Ωである導電層(E)を設けた誘電体フィルム(B)を、接着剤層(C)を介して積層したことを特徴とする導電層を備えたエレクトレット(F)が記載されている。
特開平8−41260号公報 特開2010−89496号公報
エレクトレット化フィルムに保持された電荷を利用して発生させた電荷を外部に取り出すためには、エレクトレット化フィルムの少なくとも片方の面、好ましくは両面に、電気信号を伝達するための電極層を形成する必要がある。
しかしながら、本発明者らの検討によれば、エレクトレット化フィルムの両面に電極層を形成すると、エレクトレット化フィルムの表面に保持された電荷が消失してしまい、その結果、エレクトレット化フィルムに保持された電荷を有効に利用することが出来ず、発生させた電荷を外部に十分に取りだすことができない場合があることが明らかになった。
すなわち、従来のエレクトレット化フィルムは、保持された電荷を有効に利用し、発生させた電荷を外部に取り出すという点で改善の余地があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、エレクトレット化フィルムから多くの電荷を取り出すことが可能なエレクトレット化積層体を提供するものである。
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討を重ねた。その結果、エレクトレット化フィルムの一面の一部分のみに粘接着層を形成し、さらにその粘接着層上に電極層を形成することによって、エレクトレット化フィルムから多くの電荷を取り出すことが可能なエレクトレット化積層体が得られることを見出して、本発明を完成させた。
本発明によれば、以下に示す積層体および電子装置が提供される。
[1]
エレクトレット化フィルム(A)と、
上記エレクトレット化フィルム(A)の少なくとも一方の面の一部分に設けられた粘接着層(B)と、
上記粘接着層(B)上に設けられた電極層(C)と、
を備える積層体。
[2]
上記[1]に記載の積層体において、
上記エレクトレット化フィルム(A)の一面の全体の面積をSとし、
上記エレクトレット化フィルム(A)の上記一面における上記粘接着層(B)が形成された部分の面積をSとしたとき、
100×S/Sで表される粘接着層(B)の占有面積率が0.1%以上99%以下である積層体。
[3]
上記[1]または[2]に記載の積層体において、
上記粘接着層(B)は、上記エレクトレット化フィルム(A)の一面の全体にわたって一様に形成されている積層体。
[4]
上記[1]乃至[3]のいずれか一つに記載の積層体において、
上記粘接着層(B)の少なくとも一部は、上記エレクトレット化フィルム(A)の一面にパターン状に形成されている積層体。
[5]
上記[1]乃至[4]のいずれか一つに記載の積層体において、
上記エレクトレット化フィルム(A)は非多孔性フィルムである積層体。
[6]
上記[1]乃至[5]のいずれか一つに記載の積層体において、
上記エレクトレット化フィルム(A)は環状オレフィン系重合体を含む積層体。
[7]
上記[1]乃至[6]のいずれか一つに記載の積層体において、
上記エレクトレット化フィルム(A)と上記電極層(C)との間に、上記粘接着層(B)が存在しない空隙部を有する積層体。
[8]
上記[1]乃至[7]のいずれか一つに記載の積層体において、
圧電パネル、圧力センサー、ハプティックデバイス、圧電振動発電装置、静電誘導発電装置、平面スピーカー、または超音波発生装置に用いられる積層体。
[9]
上記[1]乃至[8]のいずれか一つに記載の積層体を備える電子装置。
[10]
上記[9]に記載の電子装置において、
圧電パネル、圧力センサー、ハプティックデバイス、圧電振動発電装置、静電誘導発電装置、平面スピーカー、または超音波発生装置である電子装置。
本発明によれば、エレクトレット化フィルムから多くの電荷を取り出すことが可能なエレクトレット化積層体を提供することができる。
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
本発明に係る実施形態の積層体の構造の一例を模式的に示した断面図である。 本発明に係る実施形態の積層体の構造の一例を模式的に示した断面図である。 実施例および比較例の粘接着層(C)のパターン形状を模式的に示した平面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には共通の符号を付し、適宜説明を省略する。また、図は概略図であり、実際の寸法比率とは一致していない。また、数値範囲の「A〜B」は特に断りがなければ、A以上B以下を表す。
1.積層体
以下、本実施形態に係る積層体50について説明する。
図1および図2は、本発明に係る実施形態の積層体50の構造の一例を模式的に示した断面図である。
図1および図2に示すように、本実施形態に係る積層体50は、エレクトレット化フィルム(A)と、エレクトレット化フィルム(A)の少なくとも一方の面の一部分に設けられた粘接着層(B)と、粘接着層(B)上に設けられた電極層(C)と、を備える。
ここで、粘接着層(B)は、図1に示すようにエレクトレット化フィルム(A)の少なくとも一方の面の一部分に設けられていればよいが、エレクトレット化フィルム(A)の表面に保持された電荷の消失をより一層抑制する観点から、図2に示すようにエレクトレット化フィルム(A)の両面のそれぞれ一部分に設けられていることが好ましい。
ここで、図1に示すように、エレクトレット化フィルム(A)の一方の面の一部分のみに粘接着層(B)が設けられている場合、粘接着層(B)が設けられていない側の電極層(C)は、エレクトレット化フィルム(A)の表面に直接形成されていてもよい。
本実施形態において、粘着層と接着層を総称して粘接着層と呼ぶ。
エレクトレット化フィルムに保持された電荷を利用して発生させた電荷を外部に取り出すためには、エレクトレット化フィルムの少なくとも片方の面、好ましくは両面に、電気信号を伝達するための電極層を形成する必要がある。
しかしながら、本発明者らの検討によれば、エレクトレット化フィルムの両面に電極層を形成すると、エレクトレット化フィルムの表面に保持された電荷が消失してしまい、その結果、エレクトレット化フィルムに保持された電荷を有効に利用することが出来ず、発生させた電荷を外部に十分に取りだすことができない場合があることが明らかになった。
すなわち、従来のエレクトレット化フィルムは、保持された電荷を有効に利用し、発生させた電荷を外部に取り出すという点で改善の余地があった。
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討を重ねた。その結果、エレクトレット化フィルム(A)の少なくとも一方の面の一部分に粘接着層(B)を形成し、さらにその粘接着層(B)上に電極層(C)を形成することによって、エレクトレット化フィルム(A)から多くの電荷を取り出すことが可能なエレクトレット化積層体が得られることを初めて見出した。
この理由は明らかではないが、エレクトレット化フィルム(A)の少なくとも一方の面の一部分に粘接着層(B)を形成することによって、エレクトレット化フィルム(A)の両側全面が電極層(C)と直接接触した状態で覆われることを抑制できるため、エレクトレット化フィルム(A)の表面にたまった電荷が電極層(C)を通じて消失し難くなると考えられる。また、エレクトレット化フィルム(A)の少なくとも一方の面の一部分に粘接着層(B)を形成しているため、エレクトレット化フィルム(A)と電極層(C)との間の空間に保持された電荷を有効に利用することができるため、エレクトレット化フィルム(A)から電荷を外部に取り出すことが可能となる。
すなわち、本実施形態に係る積層体50は、エレクトレット化フィルム(A)の少なくとも一方の面の一部分に粘接着層(B)を形成し、さらにその粘接着層(B)上に電極層(C)を形成することによって、エレクトレット化フィルム(A)の表面にたまった電荷の消失を抑制しながら、エレクトレット化フィルム(A)から多くの電荷を取り出すことが可能となる。
本実施形態に係る積層体50において、エレクトレット化フィルム(A)と電極層(C)との接着性をより良好に保つ観点から、粘接着層(B)がエレクトレット化フィルム(A)の一面の全体にわたって一様に形成されていることが好ましい。
本実施形態に係る積層体50において、粘接着層(B)の少なくとも一部は、エレクトレット化フィルム(A)の一面にパターン状に形成されていることが好ましい。こうすることで、エレクトレット化フィルム(A)と電極層(C)との接着性をより良好に保ちながら、エレクトレット化フィルム(A)からより多くの電荷を取り出すことが可能となる。
ここで、パターン状とは、例えば、ドット状、格子状、網目状、線状、ストライプ状、ジグザグ状等の同形状のパターンが規則的に繰り返し並んで形成され、隣り合うパターンの間に隙間がある形状あるいは配置を意味する。
本実施形態に係る積層体50において、エレクトレット化フィルム(A)の一面の全体の面積をSとし、エレクトレット化フィルム(A)の上記一面における粘接着層(B)が形成された部分の面積をSとしたとき、100×S/Sで表される粘接着層(B)の占有面積率が、エレクトレット化フィルム(A)と電極層(C)との接着性をより良好に保つ観点から、0.1%以上が好ましく、0.2%以上がより好ましく、0.5%以上がさらに好ましく、1.0%以上が特に好ましい。
また、本実施形態に係る積層体50において、エレクトレット化フィルム(A)からより多くの電荷を取り出す観点から、100×S/Sで表される粘接着層(B)の占有面積率は、99%以下が好ましく、90%以下がより好ましく、80%以下がさらに好ましく、70%以下が特に好ましい。
本実施形態に係る積層体50の形状は特に限定されないが、例えば、フィルム状、シート状、板状等が挙げられる。これらの中でもフィルム状またはシート状が好ましい。
次に、本実施形態に係る積層体50を構成する各層について説明する。
<エレクトレット化フィルム(A)>
本実施形態に係るエレクトレット化フィルム(A)は、電荷保持性や柔軟性、成形性、取扱い性、コスト等のバランスの観点から、樹脂を含むことが好ましく、吸湿性が低くて絶縁性に優れており、電荷保持力が高いことから、熱可塑性樹脂を含むことがより好ましい。
エレクトレット化フィルム(A)を構成する熱可塑性樹脂としては特に限定されないが、例えば、環状オレフィン系重合体、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ−4−メチルペンテン、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体等のポリオレフィン系樹脂;エチレン−酢酸ビニル共重合体;ポリスチレン系樹脂;ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、塩素化ポリエチレン等の塩素系樹脂;ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、パーフルオロアルコキシフッ素樹脂、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体、エチレン−四フッ化エチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体等のフッ素系樹脂;ポリシアン化ビニル、ポリシアン化ビニリデン等のシアノ系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸樹脂等のポリエステル系樹脂;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11等のポリアミド系樹脂;(メタ)アクリル系樹脂等が挙げられる。
これらの熱可塑性樹脂は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併用して用いてもよい。
これらの中でも、熱可塑性樹脂としては、絶縁性に優れており電荷保持力が高いことから、ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、およびポリスチレン系樹脂から選択される一種または二種以上が好ましく、環状オレフィン系重合体、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、フッ素系樹脂、およびスチレン系樹脂から選択される一種または二種以上がより好ましく、環状オレフィン系重合体が特に好ましい。
本実施形態に係るエレクトレット化フィルム(A)中の樹脂の含有量は特に限定されないが、エレクトレット化フィルム(A)全体を100質量%としたとき、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上であり、好ましくは100質量%以下である。
これにより、電荷保持性、機械的特性、取扱い性、成形性、柔軟性、耐熱性、耐湿性、透明性等のバランスにより優れたエレクトレット化フィルム(A)を得ることができる。
本実施形態に係るエレクトレット化フィルム(A)は、単層であっても、二種以上の層であってもよい。すなわち、エレクトレット化フィルム(A)の数は1枚以上とすることができる。
また、エレクトレット化フィルム(A)を形成するために使用する樹脂フィルムの形態としては、無延伸フィルムであってもよいし、一軸方向または二軸方向に延伸したフィルムであってもよいが、エレクトレット化フィルム(A)の耐熱性や機械的強度を向上させる観点から、一軸方向または二軸方向に延伸したフィルムであることが好ましい。
本実施形態に係るエレクトレット化フィルム(A)は、多孔性フィルムであっても、非多孔性フィルムであってもよいが、得られる電子装置の長期信頼性を良好にできる観点から、非多孔性フィルムであることが好ましい。
本実施形態に係るエレクトレット化フィルム(A)は、柔軟性や透明性をより良好にする観点から、エレクトレット化フィルム中の無機充填材の含有量が、エレクトレット化フィルム(A)の全体を100質量%としたとき、0質量%以上30質量%以下であることが好ましく、0質量%以上20質量%以下であることが好ましく、0質量%以上10質量%以下であることがより好ましく、0質量%以上5質量%以下であることが特に好ましい。
このような無機充填材としては、例えば、炭酸カルシウム、焼成クレー、シリカ、けいそう土、白土、タルク、酸化チタン、硫酸バリウム、アルミナ、ゼオライト、マイカ、セリサイト、ベントナイト、セピオライト、バーミキュライト、ドロマイト、ワラストナイト、ガラスファイバー等が挙げられる。
本実施形態に係るエレクトレット化フィルム(A)は、高温下での電荷保持性をより向上させる観点から、ガラス転移温度が100℃以上であることが好ましく、110℃以上であることがより好ましく、120℃以上であることが特に好ましい。
また、本実施形態に係るエレクトレット化フィルム(A)は、柔軟性および透明性を向上させる観点から、ガラス転移温度が220℃以下であることが好ましく、200℃以下であることがより好ましく、180℃以下であることが特に好ましい。
本実施形態に係るエレクトレット化フィルム(A)の周波数1MHzでの比誘電率は、電荷保持性をより向上させ、感度がより優れる電子装置を得る観点から、3.0以下であることが好ましく、2.5以下であることがより好ましい。
本実施形態に係るエレクトレット化フィルム(A)の厚みは特に限定されないが、例えば5μm以上500μm以下であり、好ましくは10μm以上300μm以下であり、より好ましくは15μm以上200μm以下である。本実施形態に係るエレクトレット化フィルム(A)の厚みがこの範囲内であると、機械的特性、取扱い性、成形性等のバランスがより優れている。
(環状オレフィン系重合体)
本実施形態に係るエレクトレット化フィルム(A)は、厚み方向の圧電定数d33をより一層良好にすることができる点から、環状オレフィン系重合体を含むことが好ましい。
環状オレフィン系重合体としては、例えば、エチレンまたはα−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体および環状オレフィンの開環重合体から選択される少なくとも一種が挙げられる。
エチレンまたはα−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体としては、例えば、国際公開第2008/047468号の段落0030〜0123に記載の重合体を用いることができる。
例えば、繰り返し構造単位の少なくとも一部に脂環族構造を有する重合体(以下、単に「脂環族構造を有する重合体」ともいう)であり、重合体の繰り返し単位の少なくとも一部に脂環族構造を有するものであればよく、具体的には下記式(1)で表される1種ないし2種以上の構造を有する重合体を含むことが好ましい。
Figure 2019208580
ここで、上記式(1)中、x、yは共重合比を示し、0/100≦y/x≦95/5を満たす実数である。x、yはモル基準である。
nは置換基Qの置換数を示し、0≦n≦2の実数である。
は、炭素原子数2〜20の炭化水素基よりなる群から選ばれる2+n価の基である。
は、水素原子、または炭素原子数1〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる1価の基である。
は、炭素原子数2〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる4価の基である。
Qは、COOR(Rは、水素原子、または炭素原子数1〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる1価の基である。)である。
、R、RおよびQは、それぞれ1種であってもよく、2種以上を任意の割合で有していてもよい。
また、上記式(1)において、Rは、好ましくは、炭素原子数2〜12の炭化水素基から選ばれる1種ないし2種以上の2価の基であり、さらに好ましくはn=0の場合、下記式(2)で表される2価の基であり、最も好ましくは、下記式(2)において、pが0または1である2価の基である。Rの構造は1種のみ用いても、2種以上を併用しても構わない。
Figure 2019208580
ここで、上記式(2)中、pは、0〜2の整数である。
また、エチレンまたはα−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体としては、下記式(3)で表現される環状オレフィン系共重合体である。例えば、エチレンまたは炭素原子数が3〜30の直鎖状または分岐状のα−オレフィン由来の構成単位(A)と、環状オレフィン由来の構成単位(B)とからなる。
Figure 2019208580
ここで、上記式(3)中、Rは、炭素原子数2〜20の炭化水素基よりなる群から選ばれる2価の基である。
は、水素原子、または炭素原子数1〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる1価の基である。
およびRは、それぞれ1種であってもよく、2種以上を任意の割合で有していてもよい。
x、yは共重合比を示し、5/95≦y/x≦95/5を満たす実数である。好ましくは50/50≦y/x≦95/5、さらに好ましくは、55/45≦y/x≦80/20である。x、yはモル基準である。
エチレンまたはα−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体は、エチレンおよび環状オレフィンからなる共重合体が好ましく、環状オレフィンがビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン、シクロペンタジエン−ベンザイン付加物およびシクロペンタジエン−アセナフチレン付加物からなる群から選ばれる一種または二種以上であるものが好ましく、ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテンおよびテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンから選択される少なくとも一種であるものがより好ましい。
エチレンまたはα−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体としては、上記式(1)で表される1種ないし2種以上の構造を有する重合体または上記式(3)で表現される環状オレフィン系共重合体が水素添加処理された重合体であってもよい。
また、環状オレフィン系重合体としては、環状オレフィンの開環重合体を用いることができる。
環状オレフィンの開環重合体としては、例えば、ノルボルネン系単量体の開環重合体およびノルボルネン系単量体とこれと開環共重合可能なその他の単量体との開環重合体、ならびにこれらの水素化物等が挙げられる。
ノルボルネン系単量体としては、例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(慣用名:ノルボルネン)およびその誘導体(環に置換基を有するもの)、トリシクロ[4.3.01,6.12,5]デカ−3,7−ジエン(慣用名ジシクロペンタジエン)およびその誘導体、7,8−ベンゾトリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン(慣用名メタノテトラヒドロフルオレン:1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンともいう)およびその誘導体、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(慣用名:テトラシクロドデセン)およびその誘導体、等が挙げられる。
これらの誘導体の環に置換される置換基としては、アルキル基、アルキレン基、ビニル基、アルコキシカルボニル基、アルキリデン基等が挙げられる。なお、置換基は、1個または2個以上を有することができる。このような環に置換基を有する誘導体としては、例えば、8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチリデン−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン等が挙げられる。
これらのノルボルネン系単量体は、それぞれ単独であるいは2種以上を組み合わせて用いられる。
ノルボルネン系単量体の開環重合体、またはノルボルネン系単量体とこれと開環共重合可能なその他の単量体との開環重合体は、単量体成分を、公知の開環重合触媒の存在下で重合して得ることができる。
開環重合触媒としては、例えば、ルテニウム、オスミウム等の金属のハロゲン化物と、硝酸塩またはアセチルアセトン化合物と、還元剤とからなる触媒;チタン、ジルコニウム、タングステン、モリブデン等の金属のハロゲン化物またはアセチルアセトン化合物と、有機アルミニウム化合物とからなる触媒;等を用いることができる。
ノルボルネン系単量体と開環共重合可能なその他の単量体としては、例えば、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン等の単環の環状オレフィン系単量体等を挙げることができる。
ノルボルネン系単量体の開環重合体の水素化物や、ノルボルネン系単量体とこれと開環共重合可能なその他の単量体との開環重合体の水素化物は、通常、上記開環重合体の重合溶液に、ニッケル、パラジウム等の遷移金属を含む公知の水素化触媒を添加し、炭素−炭素不飽和結合を水素化することにより得ることができる。
本実施形態において環状オレフィン系重合体は1種類を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本実施形態に係るエレクトレット化フィルム(A)中の環状オレフィン系重合体の含有量は特に限定されないが、エレクトレット化フィルム(A)全体を100質量%としたとき、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上であり、好ましくは100質量%以下である。
これにより、高温や高温高湿度下での電荷保持性、機械的特性、取扱い性、成形性、柔軟性、耐熱性、耐湿性、透明性等のバランスにより優れたエレクトレット化フィルム(A)を得ることができる。
(添加剤)
本実施形態に係るエレクトレット化フィルム(A)には、目的に応じて、各種添加剤を添加してもよい。添加剤の添加量は、本発明の目的を損なわない範囲内で用途に応じて適宜選択される。
上記添加剤としては、耐熱安定剤、耐候安定剤、スリップ剤、耐放射線剤、可塑剤、滑剤、離型剤、核剤、摩擦磨耗性向上剤、難燃剤、帯電防止剤、着色剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、耐衝撃剤、表面ぬれ改善剤、塩酸吸収剤および金属不活性化剤からなる群から選択される一種または二種以上の添加剤が挙げられる。
特に、熱可塑性樹脂を原料とし、押出機等を用いてフィルムを成形する場合、フィルム外観上のブツの原因となる押出機内でペレット同士の摩擦によって生じるゲル化をより一層抑制するため、固体原料がペレットである場合、押出機にペレットを供給する前に、予めペレットの外部に滑剤を添加することが好ましい。
このような摩擦やせん断によるゲル化を抑制する滑剤としては、脂肪酸アミド系滑剤や金属石鹸系滑剤、および液状滑剤等が挙げられる。より具体的には、脂肪酸アミド系滑剤の場合、エチレンビスステアリン酸アミド、金属石鹸系滑剤の場合、ステアリン酸カルシムやステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸ナトリウム、および液状滑剤の場合、パラフィンオイルやナフテンオイル等が挙げられる。これらの滑剤の添加量としては、原料ペレット100質量部に対して、0.005〜0.3質量部であることが好ましく、0.01〜0.1質量部であることがより好ましく、0.03〜0.08質量部であることがさらに好ましい。
ここで、滑剤の添加量が上記下限値以上であると、滑剤の効果がより一層得られやすく、ゲルの発生をより一層抑制することができる。一方、滑剤の添加量が上記上限値以下であると、フィルムのヘイズがより一層低くなり、透明性をより良好にしたり、外観や機械物性をより一層良好にしたりすることができる。熱可塑性樹脂からなる固体原料であるペレットに対する滑剤の添加方法としては、タンブラーミキサー等の混合器を用いて、ペレットと滑剤とを均一に混合することが挙げられる。
(エレクトレット化フィルムの製造方法)
本実施形態に係るエレクトレット化フィルムの製造方法は、例えば、以下の2つの工程を含む。
(1)樹脂フィルムを作製する工程
(2)得られた樹脂フィルムに対してコロナ荷電処理をおこない、エレクトレット化する工程
以下、各工程について説明する。
はじめに、樹脂フィルムを作製する。
樹脂フィルムの製造方法としては特に限定はされないが、例えば、公知の各種の成形方法(キャスト成形、押出成形、インフレーション成形、射出成形、圧縮成形、カレンダー成形等)により、樹脂をフィルム状に成形することにより得る方法が挙げられる。
これらの樹脂フィルムの製造方法のうち、単軸押出機およびTダイを用いてフィルムをキャスト成形することが量産性に優れ、製造コストを低減する上で好ましい。特に、樹脂がエチレンまたはα−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体の場合であって、単軸押出機およびTダイを用いて、光線透過率が高く、かつヘイズが低い透明性に優れたフィルムを得る場合には、フィルム成形条件として、例えば、ポリマーフィルターの併用を含めて、特開2005−343148号公報に記載の方法を参考とすることができる。また、キャスティング時、フィルムの平滑性を付与する目的で、キャストロールに対するTダイから押し出された溶融ウェブの圧着方法として、公知の静電ピンニング方式、表面が鏡面仕上げされたスリーブタッチ方式(千葉機械工業社製)、または公知の金属弾性体ロールを圧着する手法を用いることができる。さらに、フィルムを二軸方向に加熱延伸することにより、フィルムの脆性を改良してもよい。ここで、フィルムを二軸方向に加熱延伸する手法としては、例えば、逐次延伸法、同時二軸延伸等を挙げることができる。
つぎに、得られた樹脂フィルムに対して、例えばコロナ荷電処理をおこない、樹脂フィルムをエレクトレット化する。これにより、本実施形態に係るエレクトレット化フィルム(A)を得ることができる。
ここで、(1)針が等間隔に配置された針状電極を用いてコロナ荷電処理をおこなうこと、(2)コロナ荷電処理時の電極間の距離、(3)コロナ荷電処理時の電圧、の3つの条件を高度に制御することが好ましい。すなわち、上記の3つの条件に係る各種因子を高度に制御する製造方法によって厚み方向の圧電定数d33がより一層優れたエレクトレット化フィルム(A)を得ることができる。
より具体的には、直流高圧電源に繋がった針状電極とアース電極の間に樹脂フィルムを固定し電圧を印加することが好ましい。このとき、針状電極とアース電極の間の距離を20〜50mmに設定し、さらに印加する電圧を15〜30kVもしくは−30〜−15kVに設定することが好ましい。
これにより樹脂フィルムに電荷を十分に注入することができ、厚み方向の圧電定数d33がより一層優れたエレクトレット化フィルム(A)を得ることができる。
<粘接着層(B)>
本実施形態に係る積層体50は、エレクトレット化フィルム(A)と電極層(C)とを接着させるために粘接着層(B)を有する。
粘接着層(B)を構成する粘接着剤としては特に限定されないが、例えば、ポリ(メタ)アクリル系粘接着剤、シリコーン系粘接着剤、ポリウレタン系粘接着剤、オレフィン系粘接着剤、スチレン系粘接着剤、ゴム系粘接着剤、ビニルエーテル系粘接着剤、ポリエステル系粘接着剤、エポキシ系粘接着剤、ポリアミド系粘接着剤、ポリ酢酸ビニル系粘接着剤、ABS系粘接着剤、紫外線硬化型粘接着剤等が挙げられる。本実施形態において、粘着剤と接着剤を総称して粘接着剤と呼ぶ。
これらの中でも、耐候性および透明性等に優れ、広範な用途に使用できることから、ポリ(メタ)アクリル系粘接着剤が好ましい。ポリ(メタ)アクリル系粘接着剤としては、エマルジョン型、溶剤型、ホットメルト型、溶液型等があり、本実施形態においては、いずれの型のものも使用できる。これらの中でも、安全面、品質面、コスト面からエマルジョン型のポリ(メタ)アクリル系粘接着剤が好ましい。
粘接着層(B)は、必要に応じて他の任意成分を含有してもよい。他の任意成分としては、タッキファイヤー、粘着性微球体、増粘剤、pH調整剤、消泡剤、防腐防黴剤、顔料、無機充填剤、安定剤、濡れ剤、湿潤剤等が挙げられる。タッキファイヤーとしては、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、水添石油樹脂、スチレン系樹脂、アルキルフェノール樹脂等が挙げられる。
粘接着層(B)の厚さは特に制限されないが、例えば、0.01μm以上50μm以下であることが好ましく、0.03μm以上30μm以下であることがより好ましい。
粘接着層(B)は、例えば、エレクトレット化フィルム(A)または電極層(C)上に粘接着剤を塗布することにより形成することができる。粘接着剤は溶剤に溶解して塗布液として塗布してもよいし、水系エマルジョンとして塗布してもよいし、液状の粘接着剤を直に塗布してもよい。
粘接着剤塗布液を塗布する方法としては、従来公知の塗布方法、例えば、グラビアコーター法、コンマコーター法、バーコーター法、ナイフコーター法、ダイコーター法、ロールコーター法等の塗布方式;インクジェット方式;スクリーン印刷方式等を用いることができる。
<電極層(C)>
電極層(C)は、粘接着層(B)上に設けられている。ここで、電極層(C)は、例えば図1および図2に示すように、粘接着層(B)が存在しない空隙部上にも設けられていることが好ましい。こうすることで、空隙部に電荷を保持させることが可能となる。
電極層(C)としては、例えば、アルミニウム箔、銅箔、亜鉛箔、金箔、銀箔、プラチナ箔、ニッケル箔、チタン箔、クロム箔、タングステン箔、モリブデン箔、白金箔、タンタル箔、ニオブ箔、ジルコニウム箔、ステンレス箔、合金箔等の金属膜;ITO(酸化インジウム・スズ)膜、酸化スズ膜等の金属酸化物膜;有機導電樹脂膜等の膜;金属ナノワイヤー;金属ナノ粒子;導電性塗料等が挙げられる。
図1に示すように、エレクトレット化フィルム(A)の一方の面のみに粘接着層(B)が設けられている場合、粘接着層(B)が設けられていない側の電極層(C)は、エレクトレット化フィルム(A)の表面に直接形成されていてもよい。この場合、電極層(C)は、導電性塗料の塗工や金属の蒸着等によって形成してもよい。
電極層(C)の厚みは特に限定されないが、例えば0.01μm以上10μm以下、好ましくは0.03μm以上7μm以下、さらに好ましくは0.05μm以上5μm以下である。
<用途>
本実施形態に係る積層体50は、例えば、圧電パネル(例えば、タッチ圧を検出できるタッチパネル)、圧力センサー、ハプティックデバイス、圧電振動発電装置、静電誘導発電装置、平面スピーカー、超音波発生装置等の電子装置に好適に用いることができる。
特に、本実施形態に係る積層体50は、電子装置を構成する圧電素子または焦電素子として用いることができる。
2.電子装置
本実施形態に係る電子装置は、構成部品の一つとして本実施形態に係る積層体50を備えている。
本実施形態に係る積層体50を用いた電子装置としては、例えば、圧電パネル(例えば、タッチ圧を検出できるタッチパネル)、圧力センサー、ハプティックデバイス、圧電振動発電装置、静電誘導発電装置、平面スピーカー、超音波発生装置等の電子装置として好適である。
特に、本実施形態に係る積層体50は、電子装置を構成する圧電素子または焦電素子として用いることができる。
当該電子装置において、本実施形態に係る積層体50は、電極層(C)を介して受け取った電気エネルギーを機械的エネルギーに変換できる。これにより、本実施形態に係るエレクトレット化フィルム(A)が変形して、振動し、ユーザーに触覚をフィードバックできる。
また、当該電子装置において、本実施形態に係る積層体50は、電子装置が受けた振動の機械的エネルギーを電気エネルギーに変換できる。当該電気エネルギーは、電極層(C)を介して他の装置等に送られる。
また、当該電子装置において、本実施形態に係る積層体50は、電極層(C)を介して受け取った電気エネルギーを機械的エネルギーに変換できる。これにより、本実施形態に係るエレクトレット化フィルム(A)が変形して、振動し、音を発生できる。
本実施形態に係る電子装置は、例えば、公知の情報に基づいて作製することができる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
また、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
以下、本実施形態を、実施例・比較例を参照して詳細に説明する。なお、本実施形態は、これらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
1.測定方法
(1)圧電定数d33
圧電定数測定装置(PIEZOTEST社製、ピエゾメーターシステムPM200)を用いて、実施例および比較例で得られたエレクトレット化積層体の厚み方向に荷重0.5N、動的荷重±0.25N、周波数110Hz、温度23℃、湿度50%の条件で押圧力を加え、エレクトレット化積層体の厚み方向の圧電定数d33を測定した。測定は5回おこない、これらの平均値を採用した。
(2)荷重に対する発生電荷量
一辺25mmの正方形の形状に切り出したエレクトレット化積層体を、厚み1mmのアルミニウム板で挟み、サンプルの両側面をエレクトロメーター(KEITHLEY社製、Model 617 Programmable Electrometer)に接続した。サンプルの厚み方向に引張試験機(エー・アンド・デイ社製、TENSILON RTG−1250)で繰り返し0.2Nから10Nの圧縮荷重を加え、その際に発生する電荷量をエレクトロメーターで測定した。測定は10回繰り返し行い、ピークtoピークの値の平均値を採用した。
(3)粘接着層(B)の占有面積率
電子顕微鏡(KEYENCE社製、VHX−1000)を用いて、粘接着層(B)付きの電極層(C)の、粘接着層(B)側の表面を撮影した。次いで、得られた画像を二値化処理することにより、粘接着層(B)が形成された部分の面積を算出した。
次いで、エレクトレット化フィルム(A)の一面の全体の面積をSとし、粘接着層(B)が形成された部分の面積をSとし、100×S/Sにより粘接着層(B)の占有面積率を算出した。
[実施例1]
(エレクトレット化フィルム(A)の作製)
単軸押出機とTダイキャスト成形装置を用いて、エチレンとテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンとからなる環状オレフィン系共重合体(エチレンの含有量:69モル%、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンの含有量:31モル%)により構成されたペレット100質量部に対し、ペレット外部に滑剤としてエチレンビスステアリン酸アミド(花王社製、カオーワックス EB−FF)0.05質量部を添加したものを押出成形することにより、環状オレフィン系重合体により構成された無延伸の非多孔性フィルムを得た。その後、二軸延伸機により、縦方向、横方向にそれぞれ延伸倍率2倍で加熱延伸し、厚みが50μmの非多孔性フィルムを得た。
次いで、直流高圧電源に繋がった針状電極とアース電極の間(電極間距離:35mm)に非多孔性フィルムを固定した。ここで、直流高圧電源に繋がった針状電極とアース電極を有する装置には、春日電機社製の直流高圧電源、針状電極およびアース電極を使用した。次いで、温度23℃、湿度50%RHの環境下で、直流高電圧(−20kV)を非多孔性フィルムに5秒間印加して非多孔性フィルムを帯電させることによりエレクトレット化フィルムを作製した。
(粘接着層(B)付きの電極層(C)の作製)
アルミ箔(三菱アルミニウム社製、FOIL、厚み11μm)の片側面に、水性アクリルエマルジョン型接着剤(3M社製、SP−7533)を、図3に示す格子状パターンとなるように、スクリーン印刷により塗布し、塗膜を形成した。次いで、上記塗膜を、25℃で15分間静置した後、加熱乾燥することにより、粘接着層(B)付きの電極層(C)を得た。
(エレクトレット化積層体の作製)
エレクトレット化フィルム(A)の両側面に、粘接着層(B)付きの電極層(C)を、エレクトレット化フィルム(A)と粘接着層(B)が接するように貼り合わせ、エレクトレット化積層体を得た。
得られたエレクトレット化積層体について各種評価をおこなった。得られた結果を表1に示す。
[実施例2]
スクリーン印刷により塗布される粘接着層(B)のパターンを、図3に示す格子状パターンに変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。得られた結果を表1に示す。
[実施例3]
アルミ箔(三菱アルミニウム社製、FOIL、厚み11μm)の片側面に、紫外線硬化型感圧接着剤(十条ケミカル社製、JELCON RAYTAC−10N)を、図3に示すドット状パターンとなるように、スクリーン印刷により塗布し、塗膜を形成した。次いで、25℃で15分間静置した後、紫外線を照射することにより、粘接着層(B)付きの電極層(C)を得た。得られた粘接着層(B)付きの電極層(C)を用いて、エレクトレット化積層体を作製したこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。得られた結果を表1に示す。
[実施例4]
ポリエチレン製ネット(口径1mm)の全面にスプレー型の接着剤(3M社製、スプレーのり77)を塗布し、塗布した面をアルミ箔(三菱アルミニウム社製、FOIL、厚み11μm)の片側面に押し当てた後、剥離することで、アルミ箔に接着剤を格子状に転写させ、粘接着層(B)付きの電極層(C)を得た。得られた粘接着層(B)付きの電極層(C)を用いて、エレクトレット化積層体を作製したこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。得られた結果を表1に示す。
[実施例5]
アルミ箔(三菱アルミニウム社製、FOIL、厚み11μm)の代わりに、厚み30μmのアルミ箔と厚み50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムとを接着したAL−PETフィルム(アルペット(登録商標)、パナック社製)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。ここで、アルミ箔側に粘接着層(B)を形成した。得られた結果を表1に示す。
[実施例6]
アルミ箔(三菱アルミニウム社製、FOIL、厚み11μm)の代わりに、厚み30μmのアルミ箔と厚み50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムとを接着したAL−PETフィルム(アルペット(登録商標)、パナック社製)を用いた以外は、実施例3と同様の操作を行った。ここで、アルミ箔側に粘接着層(B)を形成した。得られた結果を表1に示す。
[比較例1]
アルミ箔(三菱アルミニウム社製、FOIL、厚み11μm)の片側面に、両面テープ(積水化学工業社製、高透明両面テープ5400Aシリーズ)を貼り合わせることにより、粘接着層(B)付きの電極層(C)を作製したこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。得られた結果を表1に示す。
[比較例2]
エレクトレット化フィルム(A)の両面に、真空蒸着によりアルミ蒸着膜を形成し、両面に電極層(C)が形成された、エレクトレット化積層体を作製した。
得られたエレクトレット化積層体について各種評価をおこなった。得られた結果を表1に示す。
Figure 2019208580
表1から明らかなように、実施例のエレクトレット化積層体は、厚み方向の圧電定数d33が高く、荷重に対する発生電荷量も多いことが分かった。これにより、センサーやアクチュエーター、発電装置等の各種電子装置へと利用することが有用であることが理解できる。
この出願は、2018年4月26日に出願された日本出願特願2018−085064号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。

Claims (10)

  1. エレクトレット化フィルム(A)と、
    前記エレクトレット化フィルム(A)の少なくとも一方の面の一部分に設けられた粘接着層(B)と、
    前記粘接着層(B)上に設けられた電極層(C)と、
    を備える積層体。
  2. 請求項1に記載の積層体において、
    前記エレクトレット化フィルム(A)の一面の全体の面積をSとし、
    前記エレクトレット化フィルム(A)の前記一面における前記粘接着層(B)が形成された部分の面積をSとしたとき、
    100×S/Sで表される粘接着層(B)の占有面積率が0.1%以上99%以下である積層体。
  3. 請求項1または2に記載の積層体において、
    前記粘接着層(B)は、前記エレクトレット化フィルム(A)の一面の全体にわたって一様に形成されている積層体。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の積層体において、
    前記粘接着層(B)の少なくとも一部は、前記エレクトレット化フィルム(A)の一面にパターン状に形成されている積層体。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の積層体において、
    前記エレクトレット化フィルム(A)は非多孔性フィルムである積層体。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の積層体において、
    前記エレクトレット化フィルム(A)は環状オレフィン系重合体を含む積層体。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の積層体において、
    前記エレクトレット化フィルム(A)と前記電極層(C)との間に、前記粘接着層(B)が存在しない空隙部を有する積層体。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の積層体において、
    圧電パネル、圧力センサー、ハプティックデバイス、圧電振動発電装置、静電誘導発電装置、平面スピーカー、または超音波発生装置に用いられる積層体。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の積層体を備える電子装置。
  10. 請求項9に記載の電子装置において、
    圧電パネル、圧力センサー、ハプティックデバイス、圧電振動発電装置、静電誘導発電装置、平面スピーカー、または超音波発生装置である電子装置。
JP2020515491A 2018-04-26 2019-04-23 積層体および電子装置 Pending JPWO2019208580A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018085064 2018-04-26
JP2018085064 2018-04-26
PCT/JP2019/017273 WO2019208580A1 (ja) 2018-04-26 2019-04-23 積層体および電子装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2019208580A1 true JPWO2019208580A1 (ja) 2021-03-11

Family

ID=68295054

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020515491A Pending JPWO2019208580A1 (ja) 2018-04-26 2019-04-23 積層体および電子装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JPWO2019208580A1 (ja)
WO (1) WO2019208580A1 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001210549A (ja) * 1999-11-19 2001-08-03 Mitsui Chemicals Inc エレクトレット
WO2014017204A1 (ja) * 2012-07-25 2014-01-30 株式会社ビスキャス 振動発電体
JP2014141651A (ja) * 2012-12-27 2014-08-07 Sekisui Chem Co Ltd エレクトレットシート
JP2017069527A (ja) * 2015-10-02 2017-04-06 東洋紡株式会社 エレクトレット

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001210549A (ja) * 1999-11-19 2001-08-03 Mitsui Chemicals Inc エレクトレット
WO2014017204A1 (ja) * 2012-07-25 2014-01-30 株式会社ビスキャス 振動発電体
JP2014141651A (ja) * 2012-12-27 2014-08-07 Sekisui Chem Co Ltd エレクトレットシート
JP2017069527A (ja) * 2015-10-02 2017-04-06 東洋紡株式会社 エレクトレット

Also Published As

Publication number Publication date
WO2019208580A1 (ja) 2019-10-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Song et al. Surface‐embedded stretchable electrodes by direct printing and their uses to fabricate ultrathin vibration sensors and circuits for 3D structures
EP3879590A1 (en) Laminated piezoelectric element and electro-acoustic transducer
JP2011084735A (ja) エネルギー変換用フィルム
US11515810B2 (en) Energy conversion film and energy conversion element using same
KR102604331B1 (ko) 적층체 및 그 용도
JP2008226641A (ja) 透明導電膜積層体
WO2018159765A1 (ja) エレクトレット化フィルムおよび電子装置
JP2020037633A (ja) センサ材料、センサおよび電子装置
CN114026708A (zh) 高分子复合压电体及压电薄膜
JP2015186909A (ja) 積層体
US20210280770A1 (en) Piezoelectric sensor
JPWO2019208580A1 (ja) 積層体および電子装置
KR20170010316A (ko) 수지 필름, 적층체 및 그의 제조 방법, 및 연료 전지의 제조 방법
JP4948324B2 (ja) 高分子柔軟電極が付されたエレクトロデバイス
JP2018054590A (ja) 伸縮性コンデンサおよび変形センサ
EP4129497A1 (en) Layered piezoelectric element and electroacoustic transducer
JP2013067737A (ja) 透明粘着シート
JP2009046561A (ja) 高分子柔軟電極及びこれが付されたエレクトロデバイス
JP7264348B2 (ja) エレクトレット素子および電子装置
JP7357265B2 (ja) エレクトレット素子および電子装置
JP2014072285A (ja) トランスデューサ
JP2008044332A (ja) シート材料及び該シートを使用した製品
JP2020161652A (ja) エレクトレット素子、エレクトレット構造体、センサおよび電子装置
US20220271215A1 (en) Laminated piezoelectric element
JP7428044B2 (ja) 圧電シート

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200824

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20200827

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211026

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211224

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20220524