JP6705970B2 - 金属酸化物用分散剤、これを用いた金属酸化物分散体及びシリコーン重合体組成物並びにこれらの製造方法 - Google Patents

金属酸化物用分散剤、これを用いた金属酸化物分散体及びシリコーン重合体組成物並びにこれらの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、金属酸化物用分散剤、これを用いた金属酸化物分散体及びシリコーン重合体組成物並びにこれらの製造方法に関するものである。
金属酸化物と、塗膜等を形成する重合体とを混合した重合体組成物は、金属酸化物の特性に応じて、例えば塗料等の着色塗膜、画像表示装置用の被覆膜、発光ダイオード素子の封止材等の様々な分野で用いられている。このうち、着色用途の分野では、近年、多機能携帯情報端末等のタッチパネル自体の縁部分(ベゼルとも称する。)の着色塗膜として用いられるようになっている。
この種の重合体組成物により形成される塗膜等は、塗膜等全体で所望の機能が発揮されることが求められるため、金属酸化物が塗膜等全体に一様に存在していることが望ましい。そのため、金属酸化物が重合体組成物に均一に分散していることが求められる。しかし、金属酸化物を重合体組成物中に均一に分散させることや、その分散状態を維持することは必ずしも容易ではない。そこで、一般には分散剤が使用される(例えば、特許文献1参照。)
また、近年、タッチパネルの構造は、二枚のガラス基板を用いた構造から一枚のガラス基板を用いた構造に変更されてきている。従来の二枚のガラス基板を用いた場合は、ガラス基板の間に透明電極を配置し固着するため、ガラス基板の間に酸化インジウムスズ(ITO)の透明電極を配置した状態で加熱処理した後に、ベゼルを形成することが可能であった。しかし、一枚のガラス基板にITOの透明電極を配置する構造の場合は、ベゼルとともに高温(概ね、230〜300℃)で加熱処理を行う必要が生じた。そのため、ベゼルに用いる重合体組成物の耐熱性が要求されるようになっている。このような耐熱性を実現するため、重合体組成物を構成する樹脂として、シリコーン重合体が採用されることが多い。
シリコーン重合体に金属酸化物を均一に分散させたとされる組成物等としては、例えば、金属酸化物の微粒子、所定の平均組成式で表されるアルコキシ基含有シロキサンオリゴマー、水酸基含有ポリシロキサン及びチタンアルコキシドの縮合物を所定重量部ずつ含有する高屈折材料形成用組成物(特許文献2)や、金属酸化物微粒子、所定の組成式で表されるチタンアルコレート、チタンアシレート又はこれらの誘導体、及び、所定の組成式で表されるオルガノシラン又はその誘導体を含有するコーティング用組成物(特許文献3)が提案されている。
特開2012−106240号公報 特開2006−299251号公報 特開2004−99879号公報
発明者らの検討によると、特許文献1に記載のような分散剤を用いると分散体とした時などに粘度が上昇してゲル化する場合がある、ゲル化しない場合でも、ベゼルが変色し、意匠性が低下するなど耐熱性が十分ではない、特許文献2、3に記載のような各種組成物を用いた場合でも、前述のようにベゼルとともに高温で加熱処理を行うと、特許文献1の分散剤の場合と同様に耐熱性が十分ではないという問題が生じた。そこで、本発明の目的は、例えばベセルの製造時のように高温での加熱処理を伴う場合であっても、変色の発生を抑制可能な金属酸化物用分散剤、金属酸化物分散体及びシリコーン重合体組成物を提供することにある。
前述の課題に鑑みて、本発明者らが鋭意検討を行ったところ、特定のブロック共重合体と特定のシリコーン重合体とを、水の量が所定範囲の条件下で加熱して得られる反応生成物を金属酸化物の分散剤の有効成分として使用したところ、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明の要旨は以下の通りである。
本発明の第一は、カルボキシル基及びアミノ基から選択される少なくとも1種の親水性基を有する親水部と、疎水性基を有する疎水部とを有するブロック共重合体(但し、ポリエステル構造を含むものを除く。)と、アルコキシ基を含有しフェニル基を含有せず数平均分子量300以上6000未満のシリコーン重合体との、前記シリコーン重合体100重量部に対する水の含有量が1.5重量部以下における反応生成物を有効成分として含有する金属酸化物用分散剤、に関する。
本発明では、前記シリコーン重合体100重量部に対する水の量が0.5重量部以上1.5重量部以下における反応生成物を有効成分として含有するのが好ましい。
本発明では、前記シリコーン重合体が、官能基として、アルコキシ基のみ、又は、アルコキシ基及びアルキル基のみを有するのが好ましい。
本発明では、前記ブロック共重合体(A)と前記シリコーン重合体(B)の含有比(A/B)が重量基準で85/15〜30/70であるのが好ましい。
本発明の第二は、前記金属酸化物用分散剤、金属酸化物及び溶媒を含む金属酸化物分散体に関する。
本発明の第三は、前記金属酸化物分散体及びシリコーン重合体を含むシリコーン重合体組成物に関する。
本発明の第四は、カルボキシル基及びアミノ基から選択される少なくとも1種の親水性基を有する親水部と、疎水性基を有する疎水部とを有するブロック共重合体(但し、ポリエステル構造を含むものを除く。)と、アルコキシ基を含有しフェニル基を含有せず数平均分子量300以上6000未満のシリコーン重合体と、を混合し、
前記シリコーン重合体100重量部に対する水の量が1.5重量部以下で加熱下で反応させる工程を含む、金属酸化物用分散剤の製造方法に関する。
本発明では、前記シリコーン重合体100重量部に対する水の量が0.5重量部以上1.5重量部以下であるのが好ましい。
本発明の第五は、前記の製造方法により金属酸化物用分散剤を得る分散剤調製工程、
分散剤調製工程で得られた金属酸化物用分散剤、金属酸化物及び溶媒を混合する工程を含む、金属酸化物分散体の製造方法に関する。
本発明の第六は、前記の製造方法により金属酸化物分散体を得る分散体調製工程、
分散体調製工程で得られた金属酸化物分散体及びシリコーン重合体を混合する工程を含む、シリコーン重合体組成物の製造方法に関する。
本発明によれば、例えばベセルの製造時のように高温での加熱処理を伴う場合であっても、変色の発生を抑制可能な金属酸化物用分散剤、金属酸化物分散体及びシリコーン重合体組成物を提供することができる。
以下、本発明に係る金属酸化物用分散剤、金属酸化物分散体及びシリコーン系重合体組成物並びにその製造方法の実施形態について説明する。
<金属酸化物用分散剤>
本発明の金属酸化物用分散剤は、(A)カルボキシル基及びアミノ基から選択される少なくとも1種の親水性基を有する親水部と、疎水性基を有する疎水部とを有するブロック共重合体(但し、ポリエステル構造を含むものを除く。)と、(B)アルコキシ基を含有しフェニル基を含有せず数平均分子量300以上6000未満のシリコーン重合体との、(B)シリコーン重合体100重量部に対する水の量が1.5重量部以下における反応生成物を有効成分として含有する。
このように、本発明の金属酸化物用分散剤は、(A)特定のブロック共重合体と、(B)特定のシリコーン重合体とを、(B)100重量部に対する水の量が1.5重量部以下となる条件下で反応させて得られる反応生成物を有効成分として含有する。この反応生成物は、(A)ブロック共重合体と(B)シリコーン重合体とが架橋反応して生成した化合物であると考えられる。ブロック共重合体とシリコーン重合体との反応生成物は、シリコーン重合体に由来する性質と、ブロック共重合体に由来する性質とを合わせ持つことで、金属酸化物や塗膜形成に用いられるシリコーン重合体との相溶性が向上し、分散安定性が向上するとともに、シリコーン重合体の特性により分散剤自体の耐熱性が向上する。そのため、本発明の分散剤は、金属酸化物の分散体や、塗膜を形成するシリコーン重合体組成物に用いる分散剤として好適である。
尚、反応生成物自体の構造や特性を特定することは、複数の反応が一度に生じて反応系が複雑化していると考えられるため、現時点では困難であることを付言しておく。
本発明で用いるブロック共重合体は、カルボキシル基及びアミノ基から選択される少なくとも1種の親水性基を有する親水部と、疎水性基を有する疎水部とで構成されるもののうち、ポリエステル構造を有するブロック共重合体を除いたものである。ポリエステル構造を有するブロック共重合体としては、ブロック共重合体の主鎖にポリエステル構造を有するもの、側鎖にポリエステル構造を有するものが含まれる。このようにポリエステル構造を有すると、理由は定かではないが、本発明の効果を得ることができない傾向にある。
カルボキシル基及びアミノ基から選択される少なくとも1種の親水性基を有する親水部は、ブロック共重合体における相対的に親水性を有する親水性部を構成し、疎水性基を有する疎水部は、ブロック共重合体における相対的に疎水性を有する疎水性部を構成する。
前記親水部となるブロックは、例えば、(a)カルボキシル基及び(b)アミノ基から選択される少なくとも1種の親水性基を有するモノマーの単独重合体若しくは共重合体、又は、これらのモノマーと、(c)これらのモノマーと重合可能な他のモノマーとの共重合体であるのが好ましい。このうち、(a)若しくは(b)の親水性基を有するモノマーの単独重合体、又は(a)及び(b)の親水性基を有するモノマーの共重合体がより好ましく、(a)又は(b)の親水性基を有するモノマーの単独重合体が特に好ましく、(a)の親水性基を有するモノマーの単独重合体が最も好ましい。
(a)カルボキシル基を有するモノマーとしては、例えば、分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有する不飽和化合物が挙げられる。このようなモノマーの具体例としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルテトラヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、4−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメリット酸等が挙げられる。これらのモノマーは単独で用いても、組み合わせて用いてもよい。また、組み合わせて用いる場合は、ランダム共重合体でもよいし、ブロック共重合体でもよいし、その他の構造の共重合体でもよい。
尚、本発明では、特にことわらない限り、「アクリル酸」等及び「メタクリル酸」等の両者を合わせて示す場合、「(メタ)アクリル酸」等と記載することとする。
(b)アミノ基を有するモノマーとしては、例えば、分子中に少なくとも1個のアミノ基を有する不飽和化合物が挙げられる。アミノ基の窒素原子に結合する官能基としては特に限定はなく、例えば、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基などが挙げられる。
このようなモノマーの具体例としては、N−ヒドロキシメチルアクリルアミドや、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのモノマーは単独で用いても、組み合わせて用いてもよい。また、組み合わせて用いる場合は、ランダム共重合体でもよいし、ブロック共重合体でもよいし、その他の構造の共重合体でもよい。
(c)他のモノマーとしては、例えば、カルボキシル基及びアミノ基から選択される少なくとも1種の親水性基を有するモノマーのいずれとも共重合し得るモノマーである。このような他のモノマーを含むことで、親水部のカルボキシル基及びアミノ基に基づく酸価及びアミン価の程度を調整することができる。このようなモノマーとしては、例えば、不飽和カルボン酸アルキルエステル、不飽和カルボン酸脂環式炭化水素エステル、不飽和カルボン酸グリシジルエステル、カルボン酸ビニルエステル、シアン化ビニル、脂肪族共役ジエン、アルコール性水酸基を有するモノマーなどが挙げられる。これらのモノマーは単独で用いても、組み合わせて用いてもよい。また、組み合わせて用いる場合は、ランダム共重合体でもよいし、ブロック共重合体でもよいし、その他の構造の共重合体でもよい。
不飽和カルボン酸アルキルエステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。
不飽和カルボン酸脂環式炭化水素エステルとしては、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
不飽和カルボン酸グリシジルエステルとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
カルボン酸ビニルエステルとしては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等が挙げられる。
シアン化ビニルとしては、例えば、(メタ)アクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリル等が挙げられる。
脂肪族共役ジエンとしては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン等が挙げられる。
アルコール性水酸基を有するモノマーとしては、カルボキシル基に由来する水酸基以外の水酸基を有するモノマーを意味する。このようなアルコール性水酸基を有するモノマーとしては、例えば、分子中に少なくとも1個のアルコール性水酸基を有する不飽和化合物が挙げられる。このようなモノマーの具体例としては、2−ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N−ヒドロキシメチルアクリルアミド、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(a)〜(c)のモノマーに由来する構造単位の含有比、言い換えると、これらのモノマーの混合比は、金属酸化物、塗膜形成重合体の種類等に応じて適宜決定することができる。(c)のモノマーを用いる場合は、カルボキシル基及びアミノ基に基づく酸価及びアミン価を調整する観点からは、(c)のモノマーに由来する構造単位の含有量は、(a)及び(b)のモノマーに由来する構造単位の合計100重量部に対して、0〜400重量部が好ましく、70〜300重量部がより好ましい。また、(a)と(b)のモノマーを含む場合は、(a)と(b)のモノマーの含有比(重量基準)は、目的に応じて適宜変更することができる。
また、(a)〜(c)のモノマーのうち複数種を用いる場合の共重合体の構造は、ランダム共重合体でもよいし、ブロック共重合体でもよいし、その他の構造の共重合体でもよい。
前記疎水部となるブロックは、疎水性基を有する重合体であるのが好ましい。疎水性基を有する重合体は、(d)疎水性基を有するモノマーの単独重合体若しくは共重合体が好ましい。本発明において疎水性基は、前述の親水性基に対して相対的に親水性が低い基ないしは構造単位を意味し、疎水部を構成する主鎖に含まれる構造単位ないしは側鎖に含まれる官能基を意味するものとする。
(d)疎水性基を有するモノマーとしては、例えば、不飽和カルボン酸アルキルエステル、不飽和カルボン酸脂環式炭化水素エステル、不飽和カルボン酸グリシジルエステル、カルボン酸ビニルエステル、シアン化ビニル、脂肪族共役ジエンなどが挙げられる。これらの具体例としては、前記(c)のモノマーにおいて述べたものと同じものが挙げられる。
上記のようなモノマーを用いたブロック共重合体は、例えば、有機過酸化物やアゾ化合物などのラジカル開始剤を用いたラジカル重合方法などの公知の重合方法により合成することができる。
本発明のブロック共重合体は、分散性向上の観点から、数平均分子量が10000〜100000が好ましく、20000〜40000がより好ましい。ブロック共重合体の数平均分子量は、各モノマーの種類及び含有量、重合反応の停止のタイミング等を適宜選択することにより調整できる。また、数平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)により測定できる。
本発明のブロック共重合体は、分散性向上の観点から、酸価は、20〜200mgKOH/gが好ましく、40〜120mgKOH/gがより好ましい。また、同じく分散性の観点から、アミン価は、20〜200mgKOH/gが好ましく、20〜100mgKOH/gがより好ましい。ブロック共重合体は、酸価のみを有していてもよいし、アミン価のみを有してもよいし、酸価とアミン価を有していてもよい。酸価とアミン価の両方を有する場合も、それぞれ、上記の範囲であればよい。
本発明のブロック共重合体は、前述のような特性を有するように合成してもよいし、市販のものを使用してもよい。市販のものとしては、例えば以下のものを例示できる。
親水性基としてカルボキシル基とアミノ基を有するアクリルブロック共重合体としては、大塚化学社製のタープラスD2001、ビックケミー社製のDisperbyk2001などが挙げられる。
親水性基としてアミノ基を有するアクリルブロック共重合体としては、大塚化学社製のタープラスD2003、ビックケミー社製のDisperbyk−LPN6919、Disperbyk−LPN21116などが挙げられる。
金属酸化物用分散剤の合成に用いられるシリコーン重合体は、数平均分子量が300以上6000未満のシリコーンオリゴマーが好ましく、1000以上2000以下がより好ましい。数平均分子量が300未満である場合耐熱性改善効果が少なくなる傾向にあり、6000以上である場合、分散剤との反応性が悪くなる傾向にある。
金属酸化物用分散剤の合成に用いられるシリコーン重合体は、アルコキシ基を含有し、フェニル基を含有しない。アルコキシ基を含有することで、共重合体と重合反応可能となる。フェニル基を含有すると、金属酸化物と混合した際に耐熱性が悪くなる傾向があるが、これを含有しないため、高い耐熱性を確保できる。また、このようなシリコーン重合体としては、シロキサン結合を主鎖に有し、アルコキシ基、又は、アルコキシ基とアルコキシ基以外の有機系の官能基とを側鎖に有するポリオルガノシロキサン等が挙げられる。ポリオルガノシロキサンの分子構造は、直鎖状でも分岐鎖を有するものであってもよい。このようなポリオルガノシロキサンとしては、例えば、平均組成式(1)RSiO3/2(但し、Rは、アルコキシ基を表すか、又は、アルコキシ基と、独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、(メタ)アクリル基またはエーテル基とを表す。)で示される単位を含む網目状シリコーンのレジンまたはオイル、平均組成式(2)R SiO2/2(但し、Rは、アルコキシ基を表すか、又は、アルコキシ基と、独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、(メタ)アクリル基またはエーテル基とを表し、Rは同じであっても異なってもよい。)で示される単位を含む直鎖状シリコーンのレジンまたはオイル、平均組成式(1)及び(2)で示される単位を含むシリコーン(但し、R、Rは、アルコキシ基を表すか、又は、アルコキシ基と、独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、(メタ)アクリル基、エステル基またはエーテル基とを表し、R及びRは同じであっても異なってもよい。)のレジンまたはオイル等が挙げられる。
上記平均組成式(1)及び/又は(2)で示される単位を有する直鎖状又は網目状シリコーンにおいて、式中のR及びRの具体例は、例えば、次のようなものである。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子等が挙げられる。
アルコキシ基としては、例えば、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状のものが挙げられ、より具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等、
アルキル基としては、例えば、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状のものが挙げられ、より具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。尚、「アルキル基」には、置換アルキル基を含まないものとする。
置換アルキル基としては、例えば、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状のものが挙げられ、より具体的には、フルオロアルキル基、クロロアルキル基、ヒドロキシアルキル基、(メタ)アクリロキシアルキル基およびメルカプトアルキル基等が挙げられる。
アルケニル基としては、例えば、炭素数2〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状のものが挙げられ、より具体的には、ビニル基、1−メチルビニル基、1−プロペニル基、アリル基(2−プロペニル基)、2−メチル−2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、3−シクロペンテニル基、3−シクロヘキセニル基等が挙げられる。
(メタ)アクリル基としては、例えば、炭素数4〜20の一般式が−R−OCOCH=CH、または、炭素数5〜20の一般式が−R−OCOCH(CH)=CHで表されるものが挙げられる(式中、Rはアルキル基を表す)。
エーテル基としては、例えば、炭素数2〜20の一般式が−(RO)(RO)の構造を有するものが挙げられる(式中、RおよびRは独立してアルキル基、Rは水素原子またはアルキル基を表す。a及びbは、1≦a+b≦20を満たす整数である。)。より具体的には、−COCOH等が挙げられる。
金属酸化物用分散剤の合成に用いられるシリコーン重合体としては、官能基として、アルコキシ基のみ、又は、アルコキシ基及びアルキル基のみを有するのが好ましい。このようなシリコーン重合体としては、例えば、前述の平均組成式(1)及び/又は(2)で示される単位を有する直鎖状又は網目状シリコーンにおいて、式中のR及びRとして、アルコキシ基のみ、又は、アルコキシ基及びアルキル基のみを有するのが好ましい。
アルコキシ基としては、特に限定はないが、加水分解の容易性の観点から、炭素数が1〜8のアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜4のアルコキシ基がより好ましい。このようなアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、アリルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基などが挙げられる。このうち、炭素数が1〜6の鎖状又は環状アルキル基のアルキルオキシ基がさらに好ましく、炭素数が1〜2の鎖状アルキル基のアルキルオキシ基が特に好ましい。
金属酸化物用分散剤の合成に用いられるシリコーン重合体におけるアルコキシ基の含有量は、特に限定はないが、耐熱性向上の観点から、10〜50重量%が好ましい。
金属酸化物用分散剤の合成に用いられるシリコーン重合体は、市販のものを使用することができる。例を挙げれば以下のとおりであるが、これらに限定されるわけではない。
KR−500、KR−513、KC−89S、X−40−9225、X41−1053(信越化学工業株式会社)、Mシリケート51(多摩化学工業株式会社)など。
反応生成物中のブロック共重合体(A)と前記シリコーン重合体(B)の含有比(A/B)は、特に限定はないが、耐熱性向上の観点から、重量基準で85/15〜30/70であるのが好ましく、80/20〜30/70であるのがより好ましい。反応生成物中の含有比は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)およびNMR(核磁気共鳴)により測定することができる。また、この含有比は反応生成物を合成する際の混合比により換算できる。
本発明に係る金属酸化物用分散剤に含まれる有効成分としての反応生成物は、カルボキシル基及びアミノ基から選択される少なくとも1種の親水性基を有する親水部と、疎水性基を有する疎水部とを有するブロック共重合体(但し、ポリエステル構造を含むものを除く。)と、アルコキシ基を含有しフェニル基を含有せず数平均分子量300以上6000未満のシリコーン重合体と、を混合し、前記シリコーン重合体100重量部に対する水の量が1.5重量部以下で、加熱下で反応させることにより得ることができる。
より具体的に説明すると、次のとおりである。先ず、前述の特定のブロック共重合体及び前述の特定のシリコーン重合体を準備する。そして、これらを溶媒とともに反応槽に添加し、混合する。この時、シリコーン重合体100重量部に対して、水の量が1.5重量部以下となるように水の含量を調整する。そして、加熱条件下で両者を反応させることで、所望の反応生成物を得ることができる。
反応時に使用する溶媒としては、前述の特定のブロック共重合体及びシリコーン重合体を溶解することができ、反応に不活性な溶剤であれば特に限定はなく、各種の有機溶媒を用いることができる。例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)などである。
溶媒の使用量は、ブロック共重合体とシリコーン重合体の合計100重量部に対して100〜300重量部が好ましい。
ブロック共重合体(A)とシリコーン重合体(B)の混合比(A/B)は、特に限定はないが、耐熱性向上の観点から、重量基準で85/15〜30/70であるのが好ましく、80/20〜30/70であるのがより好ましい。
反応時の水の量は、シリコーン重合体100重量部に対して1.5重量部以下であるのが好ましく、0.0重量部超1.5重量部以下がより好ましく、0.2重量部以上1.5重量部以下がさらに好ましく、0.5重量部以上1.0重量部以下が特に好ましい。水の量をこのような特定の範囲にすることで、耐熱性に優れた反応生成物を得ることができる。尚、他の条件が同じであれば水を含まない場合よりも、水を含む条件の方が、耐熱性に優れた金属酸化物用分散剤を提供できる傾向にある。
ブロック重合体とシリコーン重合体の反応は、反応液の温度が100〜150℃で、1〜10時間行うのが好ましい。
反応終了後、室温まで徐冷することで、反応生成物を有効成分として含む金属酸化物用分散剤が得られる。
<金属酸化物分散体>
本発明に係る金属酸化物分散体は、前述の金属酸化物用分散剤、金属酸化物及び溶媒を含む。このように、本発明に係る金属酸化物用分散剤を含有することで、金属酸化物が分散体中に良好に分散されるとともに、耐熱性が良好な分散体を得ることができる。
金属酸化物用分散剤の含量は、分散性、耐熱性の観点から、金属酸化物分散体全量に対して、2〜10重量%が好ましい。
本発明で使用可能な金属酸化物としては、着色用途に使用される金属酸化物が挙げられる。このような金属酸化物としては、例えば、酸化亜鉛(ZnO)、酸化チタン(TiO、TiO、Ti)、酸化アンチモン(Sb)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化鉛(Pb)、酸化鉄(Fe、Fe)、酸化クロム(III)(Cr)等のような1種の金属元素の酸化物、或いは、例えば、PbCrO、ZnCrO、BaCrO、CoO・Al等のような2種以上の金属元素の金属酸化物の複合体等が挙げられ、用途に応じて適宜選択可能である。このように、本発明で用いる金属酸化物は、1種又は2種以上の金属元素の酸化物を含むものを用いることができる。また、金属酸化物としては、上記のような各種の金属酸化物を1種(複合体の場合は複合体で1種とする。)のみ用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
このうち、例えば、白色系の着色用途の場合は、可視光領域の反射率が高く、屈折率が高いため、二酸化チタン(TiO)が好適である。
また、本発明では、金属酸化物は表面処理されたものであってもよい。表面処理に用いる物質としては、有機系の物質でもよいし、無機系の物質でもよいし、両者を組み合わせてもよい。尚、本発明では、金属酸化物の表面処理を行う場合、表面処理の対象となる金属酸化物を「核となる金属酸化物」と称する。
表面処理において無機系の物質を用いる場合は、耐候性や色相を向上させる観点から、金属水酸化物及び/又は金属酸化物が好ましい。このような表面処理された金属酸化物としては、例えば、核となる金属酸化物の表面を、それを構成する金属の金属元素と同一又は異なる種の金属水酸化物及び/又は金属酸化物で表面処理したものが挙げられる。また、二種以上の金属酸化物(複合体を含む)を表面処理する場合、それらを構成する金属の金属元素と同一又は異なる種の金属水酸化物及び/又は金属酸化物で表面処理したものでもよい。この時、表面処理に用いる金属は1種でもよいし、2種以上でもよい。また、表面処理に用いる金属酸化物も1種でもよいし、2種以上でもよい。さらに、表面処理において金属水酸化物及び金属酸化物を用いる場合、それらを構成する金属元素は、同一でもよいし、異なっていてもよい。
このように表面処理に用いる金属水酸化物及び/又は金属酸化物を構成する金属元素としては、特に限定はなく、核となる金属酸化物を構成する金属元素を考慮して適宜選択することができ、例えば、アルミニウム、シリコン、チタン、ジルコニウム、アンチモン、スズ、亜鉛などが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。尚、このような金属元素の金属酸化物は、例えば、Al、SiO、TiO、ZrO、Sb、酸化スズ(SnO、SnO、SnO)、ZnOなどが挙げられる。また、同じく金属水酸化物としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化ケイ素、水酸化チタン、水酸化ジルコニウム、水酸化アンチモン、水酸化スズ、水酸化亜鉛などが挙げられる。
有機系の物質を用いる場合は、耐熱性の観点から、シリコン含有有機系化合物等が好ましい。このような有機系化合物としては、例えば、シリコーン樹脂(例えば、ポリジメチルシロキサン、ポリメチル水素シロキサンなど)、シランカップリング剤等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
このように有機系及び/又は無機系の物質により金属酸化物の表面処理を行う方法としては、従来公知の方法を適宜採用することができる。
金属酸化物の形状は、樹脂組成物中に分散させるため、微粒子であるのが好ましい。また、微粒子の一次粒子の平均粒子径は、可視光の反射率、着色力の観点から、0.01〜0.4μmが好ましい。下限としては、0.1μm以上が好ましく、0.2μm以上がより好ましい。上限としては、0.3μm以下がより好ましい。また、レイリー散乱の観点からは、0.2〜0.3μmが好ましい。尚、金属酸化物を表面処理した場合は、表面処理された金属酸化物の微粒子の一次粒子の平均粒子径がこの範囲にあるのが好ましい。
前述のように金属酸化物を表面処理した場合、核となる金属酸化物の量比は、特に限定はないが、分散性及び耐候性の観点から、表面処理した金属酸化物全体に対して、核となる金属酸化物が89〜99.8重量%であるのが好ましい。下限としては、90重量%以上がより好ましく、91.5重量%以上がさらに好ましい。上限としては、97重量%以下がより好ましく、95重量%以下がさらに好ましく、94.5重量%以下が特に好ましい。
金属酸化物として、二酸化チタン(TiO)を用いる場合を例に、好適例を以下に説明する。
二酸化チタンとしては、結晶形がアナタース型、ルチル型のいずれのものでもよく、それらは必要に応じて混合して使用することもできる。初期の機械的特性、長期耐候性、屈折率、着色力、耐熱性の観点からは、ルチル型が好ましい。
本発明では、硫酸法、塩素法等の各種の方法で製造された二酸化チタンを使用可能であるが、不純物が少ないという点からは、塩素法で製造されたものが好ましい。
本発明では、金属酸化物として二酸化チタンを微粒子にしてそのまま使用してもよいし、触媒活性の抑制、耐光性、耐候性、分散性の観点から、前述の有機系及び/又は無機系の物質により表面処理をしたものを使用してもよい。表面処理した場合、核となる金属酸化物としての二酸化チタンの含量は、前述のように、表面処理した金属酸化物全体に対して89〜99.95重量%が好ましい。
表面処理に用いる無機系の物質としては、前述の金属水酸化物又は金属酸化物を使用可能であるが、分散性及び耐候性の観点から、アルミニウム、ジルコニウム、シリコン、並びに、これらの水酸化物及び酸化物から選択される少なくとも一種が好ましい。このうち、酸化アルミニウム及び/又は水酸化アルミニウムが好ましく、酸化アルミニウム及び/若しくは水酸化アルミニウムと、二酸化ケイ素及び/若しくは水酸化ケイ素並びに/又は酸化ジルコニウム及び/若しくは水酸化ジルコニウムとを組み合わせたものがより好ましく、酸化アルミニウム及び/又は水酸化アルミニウムと二酸化ケイ素及び/又は水酸化ケイ素とを組み合わせたものが更に好ましい。このとき、酸化アルミニウム及び/又は水酸化アルミニウムを用いる場合(両者を用いる場合はその合計量)その含有量は、分散性の観点から、表面処理された金属酸化物全体に対して0.5〜10重量%が好ましい。下限としては、1.5重量%以上がより好ましく、2重量%以上がさらに好ましい。上限としては、7重量%以下がより好ましい。また、二酸化ケイ素及び/又は水酸化ケイ素を用いる場合(両者を用いる場合はその合計量)その含有量は、耐候性の観点から、表面処理された金属酸化物全体に対して0.5〜5重量%が好ましい。下限としては、1重量%以上がより好ましい。上限としては、3重量%以下がより好ましく、2.5重量%以下がさらに好ましい。また、酸化ジルコニウム及び/又は水酸化ジルコニウムを用いる場合(両者を用いる場合はその合計量)その含有量は、耐候性の観点から、表面処理された金属酸化物全体に対して0.5〜3重量%が好ましい。下限としては、1重量%以上がより好ましい。上限としては、2.5重量%以下がより好ましい。
表面処理に用いる有機系の物質としては、前述したシリコン含有有機系化合物等が好ましい。シリコン含有有機系化合物等を用いる場合は、その含量は、分散性の観点から、表面処理された金属酸化物全体に対して0.2〜5重量%が好ましい。下限としては、0.5重量%以上がより好ましく、1.5重量%以上がさらに好ましい。また、上限としては、3重量%以下がより好ましく、2.5重量%以下がさらに好ましい。
金属酸化物の含量は、着色性及び成膜性のバランスから、固形分基準として、分散体中に50〜70重量部であるのが好ましい。
本発明で使用可能な溶媒としては、特に限定はなく、例えば、芳香族系、ケトン系、エステル系、グリコールエーテル系、アルコール系、脂肪族系等の各種の有機溶剤が挙げられる。このうち、後述するシリコーン重合体組成物で使用するシリコーン重合体との相溶性の観点からは、芳香族系、ケトン系、エステル系、グリコールエーテル系から選択される有機溶剤が好ましい。
有機溶剤は、1種のみでもよいし、2種以上組み合わせたものでもよい。
芳香族系の有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
ケトン系の有機溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、アセチルアセトン、イソホロン、アセトフェノン、シクロヘキサノン等が挙げられる。
エステル系の有機溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、プロピオン酸メチル、酢酸−3−メトキシブチル、エチルグリコールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、モノクロロ酢酸メチル、モノクロロ酢酸エチル、モノクロロ酢酸ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ブチルカルビトールアセテート、乳酸ブチル、エチル−3−エトキシプロピオネート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸プロピル、1,3−ブチレングリコールジアセテート等が挙げられる。
グリコールエーテル系の有機溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル等の水溶性のグリコールエーテル類、
エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコール−2−エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル、ジエチレングリコール−n−ヘキシルエーテル、ジエチレングリコール−2−エチルヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールプロピルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルプロピオネート等の非水溶性のグリコールエーテル類等が挙げられる。
アルコール系の有機溶剤としては、例えば、エタノール、メタノール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類、
エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ペンタメチレングリコール、トリメチレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、トリプロピレングリコール、分子量2000以下のポリエチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、イソブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、メソエリスリトール、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
脂肪族系の有機溶剤としては、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素等が挙げられる。
溶媒の含有量は、用途に応じて適宜決定することができる。例えばベゼル用の場合は、分散体中に10〜50重量%が好ましい。
本発明の金属酸化物分散体は、必要に応じて、pH調整剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防カビ剤等の添加剤を含有してもよい。添加剤の含有量は、用途等に応じて適宜決定すればよいが、分散体に対して、0.1〜10重量%であるのが好ましい。
本発明の金属酸化物分散体は、前述の本発明に係る金属酸化物用分散剤を予め調製し、当該金属酸化物用分散剤、金属酸化物及び溶媒を混合する工程を含む製造方法により、得ることができる。
より具体的に説明すると、金属酸化物用分散剤、金属酸化物及び溶媒、また、必要に応じて用いる添加剤を混合槽に投入し、この混合液に対して、ビーズミル、サンドミル、ディスパー等の公知の分散機を用いて分散処理を行うことで、本発明の金属酸化物分散体が得られる。混合槽に投入する際の各成分の量は、前述の金属酸化物分散体と同様にするとよい。金属酸化物用分散剤は、混合液中0.1〜10重量%、金属酸化物は、混合液中で50〜70重量%、溶媒は、混合液中で10〜50重量%、添加剤は、0〜10重量%であるのが好ましい。
<シリコーン重合体組成物>
本発明に係るシリコーン重合体組成物は、前述の本発明に係る金属酸化物分散体及びシリコーン重合体を含む。このように、本発明に係る金属酸化物分散体を含有することで、シリコーン重合体組成物中に、分散体に含まれる金属酸化物が良好に分散されるとともに、耐熱性が良好なシリコーン重合体組成物を得ることができる。
金属酸化物分散体の含量(固形分基準)は、着色と成膜のバランスの観点から、シリコーン重合体組成物全量に対して、40〜65重量%が好ましい。
シリコーン重合体組成物において使用可能なシリコーン重合体としては、塗膜を形成可能なものであれば特に限定はなく、例えば、樹脂を各種のシラン化合物で変性した変性シリコーンのレジン、シロキサン結合を主鎖に有し有機系の官能基を側鎖に有するポリオルガノシロキサン等が挙げられる。ポリオルガノシロキサンの分子構造は、直鎖状でも分岐鎖を有するものであってもよい。このようなポリオルガノシロキサンとしては、例えば、平均組成式(1)RSiO3/2(但し、Rは独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、(メタ)アクリル基、エステル基またはエーテル基を表す。)で示される単位を含む網目状シリコーンのレジンまたはオイル、平均組成式(2)R SiO2/2(但し、Rは独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、(メタ)アクリル基、エステル基またはエーテル基を表し、Rは同じであっても異なってもよい。)で示される単位を含む直鎖状シリコーンのレジンまたはオイル、平均組成式(1)及び(2)で示される単位を含むシリコーンのレジンまたはオイル等が挙げられる。
上記平均組成式(1)及び/又は(2)で示される単位を有する直鎖状又は網目状シリコーンにおいて、式中のR及びRの具体例は、例えば、次のようなものである。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子等が挙げられる。
アルコキシ基としては、例えば、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状のものが挙げられ、より具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等、
アルキル基としては、例えば、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状のものが挙げられ、より具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。尚、「アルキル基」には、置換アルキル基を含まないものとする。
置換アルキル基としては、例えば、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状のものが挙げられ、より具体的には、アリールアルキル基、フルオロアルキル基、クロロアルキル基、ヒドロキシアルキル基、(メタ)アクリロキシアルキル基およびメルカプトアルキル基等が挙げられる。
アルケニル基としては、例えば、炭素数2〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状のものが挙げられ、より具体的には、ビニル基、1−メチルビニル基、1−プロペニル基、アリル基(2−プロペニル基)、2−メチル−2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、3−シクロペンテニル基、3−シクロヘキセニル基等が挙げられる。
アリール基としては、例えば、炭素数6〜20のものが挙げられ、より具体的には、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、3,4−キシリル基、3,5−キシリル基、1−ナフチル基等が挙げられる(加熱時ベンゼンを発生しにくい観点からは、無置換のフェニル基以外のものが好ましい。)。
アラルキル基としては、例えば、炭素数7〜20のものが挙げられ、より具体的には、ベンジル基、フェネチル基等があげられる。
(メタ)アクリル基としては、例えば、炭素数4〜20の一般式が−R−OCOCH=CH、または、炭素数5〜20の一般式が−R−OCOCH(CH)=CHで表されるものが挙げられる(式中、Rはアルキル基を表す)。
エステル基としては、例えば、炭素数2〜20の一般式が−OCORで表されるものが挙げられる(式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基を表す)。
エーテル基としては、例えば、炭素数2〜20の一般式が−(RO)(RO)の構造を有するものが挙げられる(式中、RおよびRは独立してアルキル基、Rは水素原子またはアルキル基を表す。a及びbは、1≦a+b≦20を満たす整数である。)。より具体的には、−COCOH等が挙げられる。
このうち、R及びRとしては、独立して、水素原子、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基、炭素数1〜6の直鎖状、分岐状もしくは環状の置換アルキル基または炭素数6〜9のアリール基が好ましく、水素原子、メチル基またはトリル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。
直鎖状シリコーンの具体例としては、炭素数1〜20のアルキル基とアルコキシ基を有するシラン化合物の縮合から調製されるアルキル系直鎖状シリコーン(メチル系直鎖状シリコーン等)、メチル・フェニル等のアルキル・アリール系直鎖状シリコーン、フェニル等のアリール系直鎖状シリコーン、メチル・ハイドロジェン等のハイドロジェン系直鎖状シリコーン等が挙げられる。
変性シリコーンレジンとしては、アクリル酸などのアクリルモノマーにシラン化合物を反応させたモノマーを重合又は他のアクリルモノマーに共重合させたアクリル樹脂変性シリコーンレジン、ポリエステルの水酸基等にシラン化合物を反応させたポリエステル樹脂変性シリコーンレジン、樹脂のアミノ基残基等にエポキシ含有シラン化合物を反応させたエポキシ樹脂変性シリコーンレジン、アルキッド樹脂に同様に反応性シラン化合物で変性したアルキッド樹脂変性シリコーンレジン、オキシム系開始剤を用いて樹脂と直接共有結合を形成させるゴム系のシリコーンレジン等が挙げられる。
前記シリコーン系レジンとしては、市販のものを用いることができる。例を挙げれば以下のとおりであるが、これらに限定されるわけではない。
KC−89、KC−89S、X−21−3153、X−21−5841、X−21−5842、X−21−5843、X−21−5844、X−21−5845、X−21−5846、X−21−5847、X−21−5848、X−22−160AS、X−22−170B、X−22−170BX、X−22−170D、X−22−170DX、X−22−176B、X−22−176D、X−22−176DX、X−22−176F、X−40−2308、X−40−2651、X−40−2655A、X−40−2671、X−40−2672、X−40−9220、X−40−9225、X−40−9226、X−40−9227、X−40−9246、X−40−9247、X−40−9250、X−40−9323、X−40−2460M、X−41−1053、X−41−1056、X−41−1805、X−41−1810、KF6001、KF6002、KF6003、KR212、KR213、KR217、KR220L、KR242A、KR271、KR282、KR300、KR311、KR400、KR251、KR255、KR401N、KR500、KR510、KR5206、KR5230、KR5235、KR9218、KR9706、KR165(信越化学工業株式会社)、
グラスレジン(昭和電工株式会社)、
SH804、SH805、SH806A、SH840、SR2400、SR2402、SR2405、SR2406、SR2410、SR2411、SR2416、SR2420(東レ・ダウコーニング株式会社)、
FZ3711、FZ3722(株式会社NUC)、
DMS−S12、DMS−S15、DMS−S21、DMS−S27、DMS−S31、DMS−S32、DMS−S33、DMS−S35、DMS−S38、DMS−S42、DMS−S45、DMS−S51、DMS−227、PSD−0332、PDS−1615、PDS−9931、XMS−5025(株式会社JNC)、
メチルシリケートMS51、メチルシリケートMS56(三菱化学株式会社)、
エチルシリケート28、エチルシリケート40、エチルシリケート48(コルコート株式会社)、
GR100、GR650、GR908、GR950(昭和電工株式会社)等の部分縮合物。
シリコーン重合体組成物で使用するシリコーン重合体の分子量としては、用途に応じて適宜決定することができるが、例えばベゼル用途の場合は、成膜性の観点から、数平均分子量が1000〜1000000であるのが好ましく、2000〜800000であることがより好ましく、2500〜500000であることがさらに好ましい。
また、シリコーン重合体のシリコーン重合体組成物中の含量は、用途に応じて適宜決定することができるが、例えばベゼル用途の場合は、成膜性と着色性の観点から、30〜60重量%が好ましい。
シリコーン重合体組成物には、必要に応じ、金属酸化物分散体、シリコーン重合体の濃度の調整のため、金属酸化物分散体で使用可能な前述の溶媒をさらに添加してもよい。また、必要に応じ、分散助剤、pH調整剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防カビ剤、フッ素系有機化合物、界面活性剤、密着促進剤、凝集防止剤、表面調整剤(レベリング剤)等の各種の添加剤を添加しても良い。同じ添加剤が金属酸化物分散体に含まれる場合は、添加量を調整すればよい。
本発明に係るシリコーン重合体組成物は、前述のようにして金属酸化物分散体を調製した後、得られた金属酸化物分散体と前述のようなシリコーン重合体とを混合する工程を含む製造方法により得ることができる。
より具体的には、予め調製した金属酸化物分散体、シリコーン重合体、並びに、必要に応じて添加する溶媒及び添加剤を、所望の濃度になるように混合槽に投入し、ディスパー等により撹拌することで得ることができる。
以上のようにして得られたシリコーン重合体組成物は、本発明に係る金属酸化物用分散剤を含むことで、金属酸化物が良好に分散されているとともに、耐熱性が良好なため、塗膜の形成用として好適である。特に、従来よりも高い耐熱性が要求される多機能携帯端末のタッチパネルのベゼル用途として好適である。
本発明の実施形態につき、以下の実施例により具体的に説明する。
(製造例1):ブロック共重合体aの製造
攪拌装置、冷却器、温度計、滴下ロートを備えた1000mlのセパラブルフラスコ内を窒素置換した後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート70.00gをセパラブルフラスコに入れ、攪拌しながら100℃に昇温した。次いで、滴下ロートにメタクリル酸2−ヒドロキシエチル30.00g、メタクリル酸n−ブチル90.00g、アゾビスイソブチロニトリル0.50gを100℃で4時間かけてセパラブルフラスコ中に滴下した。滴下終了後、24時間保持し反応を完了した。
得られた反応溶液に、メタクリル酸32.00g、アゾビスイソブチロニトリル0.25g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート20.00gの混合溶液を添加した後、60℃で30時間反応させた。反応の終点は、反応液中の未反応モノマーをガスクロマトグラフィにて測定して判断した。
得られたブロック共重合体aは、メタクリル酸n−ブチルに基づく疎水性基としてn−ブチル基を有する疎水部、及び、メタクリル酸に基づく親水性基としてカルボキシル基を有する親水部を有するブロック共重合体であり、酸価が80mg−KOH/g、数平均分子量が20000であった。
(製造例2):ブロック共重合体bの製造
メタクリル酸の使用量を32.00gに替えて、20.00gとした以外は製造例1と同様にしてブロック共重合体bを得た。
得られたブロック共重合体bは、メタクリル酸n−ブチルに基づく疎水性基としてn−ブチル基を有する疎水部、及び、アクリル酸に基づく親水性基としてカルボキシル基を有する親水部を有するブロック共重合体であり、酸価が50mg−KOH/g、数平均分子量が21000であった。
(製造例3):ブロック共重合体cの製造
攪拌装置、冷却器、温度計、滴下ロートを備えた1000mlのセパラブルフラスコ内を窒素置換した後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート70.00gをセパラブルフラスコに入れ、攪拌しながら100℃に昇温した。次いで、滴下ロートにメタクリル酸2−ヒドロキシエチルのカプロラクトン5mol付加物30.00g、メタクリル酸n−ブチル90.00g、アゾビスイソブチロニトリル0.50g、100℃で4時間かけてセパラブルフラスコ中に滴下した。滴下終了後、24時間保持し反応を完了した。
得られた反応溶液に、アクリル酸32.00g、アゾビスイソブチロニトリル0.25g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート20.00gの混合溶液を添加した後、60℃で30時間反応させた。反応の終点は、反応液中の未反応モノマーをガスクロマトグラフィにて測定して判断した。
得られたブロック共重合体cは、酸価が80mg−KOH/g、数平均分子量が20000であった。
ブロック共重合体cは、疎水性基としてメタクリル酸n−ブチルに基づくn−ブチル基を有する疎水部と、親水性基としてアクリル酸に基づくカルボキシル基を有する親水部を有するブロック共重合体であり、疎水部は、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルのカプロラクトン5mol付加物に基づくポリエステル構造を含む。
(実施例1〜7、比較例1〜9)
<金属酸化物用分散剤の製造>
表1及び2の「金属酸化物用分散剤」の項目に示す組成になるように各成分を反応槽に投入して混合し、表1に示す同項目の加熱条件で撹拌し、得られた各反応生成物を有効成分として含む金属酸化物用分散剤を調製した。
表1中の製造例1〜3以外のブロック共重合体は以下のとおりである。
タープラスD2001:大塚化学社製。親水部にカルボキシル基とアミノ基を有するアクリルブロック共重合体。酸価30gKOH/mg、アミン価110gKOH/mg。
タープラスD2003:大塚化学社製。親水部にアミノ基を有するアクリルブロック共重合体。アミン価115gKOH/mg。
ソルスパース41000:ルーブリゾール社製。非ブロック共重合であるポリエーテルリン酸エステル。酸価50gKOH/mg。
ソルスパース36000:ルーブリゾール社製。カルボキシル基を有するポリエステル。酸価45gKOH/mg。
ソルスパースJ200:ルーブリゾール社製。アミノ基及びカルボキシル基を有するポリエステル。酸価15gKOH/mg、アミン価30gKOH/mg。
ヒノアクトT−8000E:川研ファインケミカル社製。アミノ基及びカルボキシル基を有するポリエステル。アミン価が26gKOH/mg、酸価が4gKOH/mg。
表1中のシリコーンオリゴマーは以下のとおりである。
KR−500:信越化学工業株式会社製。メチル基及びメトキシ基を含有し、フェニル基を含有しない。数平均分子量は1000〜2000。メトキシ基含量は28重量%。
Mシリケート51:多摩化学工業株式会社製。Sin−1(OCH2(n+1)(nは平均4)で示される。
KC−89S:信越化学工業株式会社製。メチル基及びメトキシ基を含有し、フェニル基を含有しない。分子量は300。メトキシ基含量は45重量%。
KBM−13:信越化学工業株式会社製。メチルトリメトキシシラン。
X−40−9250:信越化学工業株式会社製。メチル基及びメトキシ基を含有する。数平均分子量は10000。メトキシ基含量は25重量%。
X−40−9246:信越化学工業株式会社製。メチル基及びメトキシ基を含有する。数平均分子量は6000。メトキシ基含量は12重量%。
KR−510:信越化学工業株式会社製。メチル基、フェニル基及びメトキシ基を含有する。数平均分子量は2000。メトキシ基含量は17重量%。
<金属酸化物分散体の製造>
表1の「金属酸化物分散体」の項目に示す組成になるように各成分を混合槽に投入し、ビーズで分散し、各金属酸化物分散体を得た。使用した金属酸化物は、二酸化チタンであり、石原産業社製のタイペーク(登録商標)CR−60で、Al表面処理済み、二酸化チタン含有率95重量%、平均粒子径0.21μm、ルチル型である。
<シリコーン重合体組成物の製造>
前述のようにして得られた各金属酸化物分散体100重量部、シリコーン重合体(信越化学工業株式会社製、商品名:KR−300、固形分50%)223重量部を混合槽に投入し、ディスパーにて撹拌、分散し、シリコーン重合体組成物を得た。
<対照シリコーン重合体組成物の製造>
前述の<シリコーン重合体組成物の製造>において、各金属酸化物分散体に替えて、その金属酸化物分散体の調製において用いたブロック共重合体自体を用いた以外は、前述の<シリコーン重合体組成物の製造>と同様にして対照シリコーン重合体組成物を調製した。
(評価)
<塗膜の形成>
得られたシリコーン重合体組成物を、スピンコーターを用いて、厚さ1mm、100mm角のガラス板にそれぞれ、塗膜の厚みが30μmとなるように塗布し、塗布板を得た。各塗布板を90℃で2.5分間乾燥した(プレベイク)後、250℃で120分間硬化反応させ(ポストベイク)、ガラス板上に形成された各塗膜を得た。
<ΔL*、Δb*、「Δb*の変化率」の測定>
分光測色計(コニカミノルタ社製、製品名CM−3600d、D65光源)を用いて、プリベイク後及びポストベイク後にL*、b*を測定し、ΔL*、Δb*、「Δb*の変化率」を算出した。算出結果を表1、2に示す。ΔL*は、ポストベイク後のL*からプレベイク後のL*を引いた値である。Δb*は、ポストベイク後のb*からプレベイク後のb*を引いた値である。「Δb*の変化率」は、実施例及び比較例のΔb*(b1)とそれに対応する対照のΔb*(b0)との比(b1/b0)である。
評価基準は、Δb*の変化率が75%未満のものを良好とし、75%以上のものを不良とする。Δb*の変化率が75%未満であると、加熱前後の色の変化が抑制され、設計通りの色調整が可能になるという利点がある。
Figure 0006705970
Figure 0006705970
表1、2から分かるように、本発明に係る金属酸化物用分散剤を用いて金属酸化物分散体を得て、この金属酸化物分散体を用いたシリコーン重合体組成物によれば、耐熱性が良好な塗膜が形成されることが分かる。

Claims (10)

  1. カルボキシル基及びアミノ基から選択される少なくとも1種の親水性基を有する親水部と、疎水性基を有する疎水部とを有するブロック共重合体(但し、ポリエステル構造を含むものを除く。)と、
    アルコキシ基を含有しフェニル基を含有せず数平均分子量300以上2000以下のシリコーン重合体との、
    前記シリコーン重合体100重量部に対する水の量が1.5重量部以下における反応生成物を有効成分として含有する金属酸化物用分散剤。
  2. 前記シリコーン重合体100重量部に対する水の量が0.5重量部以上1.5重量部以下における反応生成物を有効成分として含有する請求項1記載の金属酸化物用分散剤。
  3. 前記シリコーン重合体が、官能基として、アルコキシ基のみ、又は、アルコキシ基及びアルキル基のみを有する請求項1又は2に記載の金属酸化物用分散剤。
  4. 前記ブロック共重合体(A)と前記シリコーン重合体(B)の含有比(A/B)が重量基準で85/15〜30/70である請求項1〜3の何れか1項に記載の金属酸化物用分散剤。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の金属酸化物用分散剤、金属酸化物及び溶媒を含む金属酸化物分散体。
  6. 請求項5に記載の金属酸化物分散体及びシリコーン重合体を含むシリコーン重合体組成物。
  7. カルボキシル基及びアミノ基から選択される少なくとも1種の親水性基を有する親水部と、疎水性基を有する疎水部とを有するブロック共重合体(但し、ポリエステル構造を含むものを除く。)と、
    アルコキシ基を含有しフェニル基を含有せず数平均分子量300以上2000以下のシリコーン重合体と、を混合し、
    前記シリコーン重合体100重量部に対する水の量が1.5重量部以下で加熱下で反応させる工程を含む、金属酸化物用分散剤の製造方法。
  8. 前記シリコーン重合体100重量部に対する水の量が0.5重量部以上1.5重量部以下である、請求項7記載の金属酸化物用分散剤の製造方法。
  9. 請求項7又は8に記載の製造方法により金属酸化物用分散剤を得る分散剤調製工程、
    分散剤調製工程で得られた金属酸化物用分散剤、金属酸化物及び溶媒を混合する工程を含む、金属酸化物分散体の製造方法。
  10. 請求項9に記載の製造方法により金属酸化物分散体を得る分散体調製工程、
    分散体調製工程で得られた金属酸化物分散体及びシリコーン重合体を混合する工程を含む、シリコーン重合体組成物の製造方法。
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