JP2017179225A - 被膜形成用の塗布液とその製造方法、及び被膜付基材の製造方法 - Google Patents

被膜形成用の塗布液とその製造方法、及び被膜付基材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】基材に塗布した後にクラックを生じにくい透明被膜形成用塗布液を提供する。
【解決手段】本発明の透明被膜形成用塗布液は、金属アルコキシドとキレート形成可能な有機化合物(A成分)と、3官能以上のシラン化合物およびその加水分解縮合物の少なくとも一方(B成分)と、金属アルコキシドおよびその加水分解縮合物の少なくとも一方(C成分)と、金属酸化物粒子とが、水と有機溶媒を含む混合溶媒中に溶解または分散している。このとき、A成分のモル数(M1)とC成分のモル数(M3)のモル比(M1/M3)が0.25以上2.0未満の範囲にあり、B成分のモル数(M2)とC成分のモル数(M3)のモル比(M2/M3)が0.1以上9.0以下の範囲にあり、平均粒子最長径5〜80nmの金属酸化物粒子が、金属酸化物粒子の固形分量とA〜C成分の固形分量との合計量に対して1〜80質量%である。
【選択図】なし

Description

本発明は、被膜形成用の塗布液に関する。
詳しくは、比較的低温で硬化するにもかかわらず、硬度と耐クラック性の両立に優れた透明被膜を形成することのできる塗布液に関する。
従来、ガラスやプラスチックなどの基材に機能を付与するために基材表面に被膜が形成されている。例えば、ガラス、プラスチックシート、プラスチックレンズ、樹脂フィルム、および表示装置前面板などの基材表面の耐擦傷性を向上させるため、基材表面にハードコート膜を形成する。このようなハードコート膜として、有機樹脂膜や無機膜が知られている。さらに、有機樹脂膜や無機膜中に樹脂粒子やシリカ等の無機粒子を配合して、耐擦傷性をさらに向上させることも知られている。
また、透明被膜中に導電性粒子を配合して帯電防止性能、電磁波遮蔽性能を付与した透明被膜付基材も知られている。さらに、透明被膜中に高屈折率粒子を配合した高屈折率透明被膜や、透明被膜中に低屈折率粒子を配合して反射防止性能を付与した低屈折率透明被膜、着色顔料粒子を配合した透明性被膜等も知られている。
また、基材の屈折率や誘電率を調節するために、アルコキシド化合物、あるいはこれにコロイド粒子を配合した塗布液を用いてゾル−ゲル法によりタッチパネル用の被膜を形成することも知られている。しかしながら、この方法では、被膜を硬化するために500℃程度で加熱する必要があり、耐熱性の高い基材しか使用できなかった。
これに対し、アセチルアセトナートキレート化合物と、シラン化合物と、シリコン以外の金属アルコキシドを含む塗布液を用いると、(乾燥時あるいは乾燥後に)紫外線照射によって比較的低温で硬化し、耐久性に優れた透明セラミックス被膜を形成できることが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
また、アセチルアセトンで安定化した金属アルコキシドを添加したテトラアルコキシシランを加水分解ならびに脱水縮合させたゾルAと、1つの官能基をアルキル基化したアルキルトリアルコキシシランを加水分解ならびに脱水縮合させたゾルBとの混合物と、イソプロピルアルコールを主成分とする溶媒と、これらに混在するジオール類からなるコーティング溶液を用い、微細な凹凸状表層を有するゾルゲル膜を形成することが知られている(例えば、特許文献2を参照)。
特開平2−48403号公報 特開2005−281132号公報
特許文献1に開示された塗布液では、比較的低温で硬化する透明被膜を提供できるものの、例えば、下地が樹脂の場合にはクラックの発生を抑えることがやや困難であるという問題がある。
また、特許文献2には、3官能シラン(例えば、アルキルトリアルコキシシラン)を加水分解および脱水縮合(加水分解縮合)して得られるゾルを用いて、微細な凹凸状表層を形成することが開示されている。しかしながら、低温では十分な硬度の被膜とはなりにくいため、少なくとも600℃程度による焼成が必要であった。このため、耐熱性の低い基材を用いることができなかった。
本発明は、基材に塗布した後に十分な硬度と耐擦傷性を有するとともにクラックを生じにくい被膜形成用の塗布液を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記問題点を解消すべく鋭意検討した結果、金属アルコキシドとキレート形成可能な有機化合物と3官能以上のシラン化合物と金属アルコキシド(ただし、シリコンアルコキシドを除く)と金属酸化物粒子とが水および有機溶媒からなる混合溶媒中に溶解または分散した塗布液を用いると、十分な硬度を有するとともにクラックを生じにくい被膜が得られることを見いだした。本発明はこの知見をもとに完成されたものである。
すなわち、本発明の被膜形成用の塗布液は、金属アルコキシドとキレート形成可能な有機化合物(A成分)と、3官能以上のシラン化合物およびその加水分解縮合物の少なくとも一方(B成分)と、金属アルコキシドおよびその加水分解縮合物の少なくとも一方(C成分)と平均粒子最長径が5〜80nmの金属酸化物粒子とが、水と有機溶媒を含む混合溶媒中に溶解または分散している。この時、A成分のモル数(M1)とC成分のモル数(M3)のモル比(M1/M3)が0.25以上2.0未満であり、B成分のモル数(M2)とC成分のモル数(M3)のモル比(M2/M3)が0.1以上9.0以下である。なお、B成分とC成分は、それぞれ後述する式(1)と式(2)のように表される。金属酸化物粒子は、金属酸化物粒子の固形分量とA〜C成分の固形分量との合計量に対して、1〜80質量%含まれる。
さらに、B成分に由来するSiO換算固形分濃度(濃度C2)を0.005〜12質量%の範囲とし、C成分に由来する元素Mの酸化物換算固形分濃度(濃度C3)を0.02〜14.25質量%の範囲とし、金属酸化物粒子の固形分濃度(濃度CF)を0.001〜12質量%の範囲とする。この時の濃度C2と濃度C3と濃度CFの合計(CT)を0.1〜15質量%の範囲とする。これらにより、被膜の耐クラック性が向上する。
さらに、B成分が3官能シラン化合物およびその加水分解縮合物の少なくとも一方である場合には、モル比(M2/M3)を0.5〜8.0の範囲とする。
また、本発明の塗布液の製造方法は、以下の第1工程〜第3工程を備えている。
第1工程:有機溶媒と、水と、3官能以上のシラン化合物(B成分)と、加水分解触媒とを配合して、予備液1を調製する工程
第2工程:有機溶媒と、金属アルコキシドとキレート形成可能な有機化合物(A成分)と、金属アルコキシド(C成分)とを配合して、予備液2を調製する工程。ここで、A成分の配合量は、C成分の金属元素1モルに対して0.25モル以上2.0モル未満の範囲である。
第3工程:予備液1と、予備液2と、水とを配合し、5℃以上40℃以下で撹拌する工程
なお、B成分とC成分は、それぞれ後述する式(1)と式(2)のように表される。
金属酸化物粒子の配合は、第1工程〜第3工程の少なくとも一つの工程で行えばよく、複数の工程で実施しても構わない。金属酸化物粒子の配合量は、金属酸化物粒子の固形分量とA〜C成分の固形分量との合計量に対して、1〜80質量%である。
さらに、本発明の被膜付基材は、前述のいずれかの構成の塗布液を用いて基材上に被膜が形成されている。
さらに、本発明の被膜付基材の製造方法は、前述のいずれかの構成の塗布液を基材に塗布する塗布工程と、塗布工程の後で基材を80℃以上150℃以下で加熱する乾燥工程と、乾燥工程の後で基材上に形成された塗布膜に紫外線を照射する照射工程と、照射工程の後で塗布膜を80℃以上300℃以下で加熱する加熱工程とを備えている。300℃以下のプロセスで成膜できるため、耐熱性の低い基材上に、硬度と耐クラック性を両立する被膜を作製することができる。
本発明を適用すれば、塗布液に高屈折率粒子を配合することで、高屈折率(屈折率1.3〜2.3)な透明被膜を形成できる。
以下に、本発明の被膜形成用の塗布液、塗布液の製造方法、被膜付基材、および被膜付基材の製造方法について説明する。
〔被膜形成用の塗布液〕
被膜形成用の塗布液(以下、「本塗布液」と称す。)は、金属アルコキシドとキレート形成可能な有機化合物(A成分)と、式(1)で表される3官能以上のシラン化合物およびその加水分解縮合物の少なくとも一方(B成分)と、式(3)で表される金属アルコキシドおよびその加水分解縮合物の少なくとも一方(C成分)が、水と有機溶媒を含む混合溶媒中に溶解または分散している。
(R(4−m)Si(R (1)
(ここでmは3と4の少なくとも一方。Rは炭素数1から8の非置換または置換アルキル基、炭素数6から18の非置換または置換アリール基、およびビニル基のいずれかである。Rは炭素数1から8の非置換または置換アルコキシ基、炭素数6から18の非置換または置換アリールオキシ基、ビニルオキシ基、水酸基、水素原子、およびハロゲン原子のいずれかであり、同一であってもよく、異なっていてもよい。)
M(OR (2)
(ここで、Mは、Be、Al、Sc、Ti、V、Cr、Fe、Ni、Zn、Ga、Ge、As、Se、Y、Zr、Nb、In、Sn、Sb、Te、Hf、Ta、W、Pb、B、Bi、Ce、およびCuから選ばれた1種の元素であり、Rは炭素数1から10の非置換または置換アルキル基であり、同一であってもよく、異なっていてもよい。nはMの原子価と同じ数である。)
上述の式(1)から解るように、B成分には、m=3の場合の、「3官能シラン化合物およびその加水分解縮合物の少なくとも一方(B3成分)」と、m=4の場合の、「4官能シラン化合物およびその加水分解縮合物の少なくとも一方(B4成分)」とがある。そして、本塗布液はB3成分とB4成分の少なくとも一方をB成分として含んでいる。なお、本塗布液には、B成分とC成分が加水分解縮合して生成される加水分解縮合物を含んでいてもよい。
このとき、A成分のモル数(M1)とC成分のモル数(M3)のモル比(M1/M3)は、0.25以上2.0未満の範囲である必要がある。さらに、B成分のモル数(M2)とC成分のモル数(M3)のモル比(M2/M3)は0.1以上9.0以下の範囲にある必要がある。ここで、各成分が加水分解した場合でも、モル数(M1〜M3)には、加水分解前の構造を基準とした値を用いる。
モル比(M1/M3)が2.0以上であると、C成分におけるOR部の大半に、A成分が配位することになり、B成分とC成分との反応が抑えられるおそれがある。このため、硬化時に−M−O−Si−の架橋が形成されにくく、得られる被膜の硬度が不十分となるおそれがある。また、被膜に残存するA成分の量が増加し、膜の表面抵抗値等の電気的特性が経時的に変化し、信頼性が低下するおそれもある。また、モル比(M1/M3)が0.25未満の場合、C成分の反応が過剰となるため、塗布液中での加水分解縮合物の安定性が悪くなり、塗布液寿命が短くなるため、得られる被膜の耐クラック性に悪影響を及ぼすおそれがある。特に、モル比(M1/M3)は0.5以上1.0以下の範囲が好ましい。
モル比(M2/M3)が0.1未満の場合は、塗布液の安定性が低下し、塗布液寿命が短くなる。そのため、膜厚、屈折率、硬度等の被膜の特性が安定して得られないおそれがある。一方、モル比(M2/M3)が9.0を超えると、塗布液から形成された塗布膜を300℃以下の温度で加熱した場合に、被膜の硬度が不十分となるおそれがある。
金属酸化物粒子は、平均粒子最長径が5〜80nmである。ここで、平均粒子最長径が5nm未満であると、粒子表面の活性が高いため塗布液の安定性が悪く、造膜時に粒子の凝集が起こることから膜中での配列が悪くなり、緻密な膜とならず、硬度や耐擦傷性、屈折率が十分とならないことがある。また、そのサイズの金属酸化物粒子を製造すること自体が困難である。逆に、80nmよりも大きいと、設計上の膜厚と比較して粒子径が大きいため耐擦傷性が低下したり、透明性が不十分となることがある。平均粒子最長径は、特に10〜50nmが好ましい。
この金属酸化物粒子は、金属酸化物粒子の固形分量とA〜C成分の固形分量との合計量に対して、1〜80質量%含まれる。ここで、金属酸化物粒子の量が1質量%未満であると添加量が少なすぎ、目的の効果が得られない場合がある。逆に、80質量%よりも大きいと、相対的にB成分やC成分のバインダー成分が減少するため、粒子間を埋めるのに必要な量より不足し、緻密な膜とならないことがある。金属酸化物粒子の量は、特に10〜60質量%が好ましい。
このような塗布液を用いれば、UV処理および低温(80〜300℃)での加熱処理により、充分な硬度と耐擦傷性を備える被膜を形成することができる。そのため、耐熱性に劣る基材に対しても充分な硬度と耐擦傷性を持つ被膜が形成でき、充分な硬度を有するとともにクラックを生じにくい被膜付基材が得られる。
さらに、塗布液に高屈折率粒子を配合することで、屈折率が高い(屈折率1.3〜2.3)透明被膜を形成できる。
また、B成分に由来するSiO換算固形分濃度(濃度C2)は0.005〜12質量%が好ましい。濃度C2が0.005質量%以上であると、加水分解反応が円滑に進み、被膜の耐クラック性を十分に高くすることができる。また、濃度C2が12質量%以下であると、加水分解反応が過剰に進むこともなく、安定した塗布液を得ることができる。特に、0.01〜8質量%が好ましい。
C成分に由来する元素Mの酸化物換算固形分濃度(濃度C3)は0.02〜14.25質量%が好ましい。
濃度C3が0.02質量%以上であると、加水分解反応が円滑に進み、被膜の耐クラック性が十分に高くなる。また、濃度C3が14.25質量%以下であると、加水分解反応が過剰に進むこともなく、安定した塗布液が得られる。特に、0.04〜9.5質量%であることが好ましい。
金属酸化物粒子の固形分濃度(濃度CF)は、0.001〜12質量%が好ましい。ここで、0.001質量%未満であると、添加量が少なすぎ、目的の効果が得られない場合がある。逆に、12質量%よりも大きいと、バインダー成分が不足し、緻密な膜とならないことがある。濃度CFは、特に0.01〜9質量%が好ましい。
さらに、濃度C2と濃度C3と濃度CFの合計の濃度CTは0.1〜15質量%が好ましい。濃度CTが0.1質量%以上であると、通常の塗布条件でも十分な厚さの膜を得ることができ、硬度と耐クラック性の高い膜を得るために繰り返し塗布する必要性も少なくなる。濃度CTが15質量%以下であると、通常の塗布条件でも得られる膜厚を制御でき、クラックの発生を抑制することが容易となる。また、塗布液の安定性も十分となるため、経時的な粘度の上昇を抑制できる。そのため、得られる被膜の膜厚、屈折率、硬度等の特性が安定する。さらに、濃度CTは0.2〜10質量%がより好ましい。
ところで、本塗布液に3官能シラン化合物およびその加水分解縮合物のうち少なくとも一方(B3成分)がB成分として含まれる場合には、塗布液のpHは4〜8が好ましく、さらに、4〜7.5がより適している。B3成分を含んだ配合液が酸性のままだと、3官能シラン化合物が不溶性の固形分として析出しやすくなり好ましくない。
また、本塗布液に含まれるB成分が3官能シラン化合物およびその加水分解縮合物のうち少なくとも一方(B3成分)である時、すなわち、B成分としてB3成分だけが含まれている時、B成分のモル数(M2)とC成分のモル数(M3)とのモル比(M2/M3)は0.5以上8.0以下の範囲であることが好ましい。モル比(M2/M3)が0.5未満であると、塗布液の安定性が低下し、塗布液寿命が短くなる。そのため、膜厚、屈折率、硬度等の被膜特性が安定して得られない場合がある。さらには耐クラック性が低下するおそれもある。モル比(M2/M3)が8.0を超えると、得られる被膜の硬度が不十分となり、耐クラック性が低下するおそれがある。さらに、モル比(M2/M3)は、0.6以上7.5以下がより適している。
同様に、本塗布液がB成分としてB3成分だけを含んでいる時、C成分に由来する元素Mの酸化物換算固形分濃度(濃度C3)は0.02〜14質量%が好ましく、さらに、0.04〜9.5質量%がより適している。濃度C3が14質量%以下であると、加水分解反応が過剰に進むことはなく、安定した塗布液が得られる。
次に、3官能シラン化合物およびその加水分解縮合物の少なくとも一方(B3成分)と、4官能シラン化合物およびその加水分解縮合物の少なくとも一方(B4成分)が塗布液に含まれる場合を説明する。B3成分のモル数(MB3)と、B4成分のモル数(MB4)とのモル比(MB4/MB3)の値は、0.01以上1以下が好ましい。モル比(MB4/MB3)が0.01以上であると膜の硬度が向上し、1以下であると耐クラック性の低下を起こしにくい。さらに、モル比は、0.01以上0.5以下が特に適している。
ここで、B3成分やB4成分が加水分解した場合でも、モル数は、加水分解前の構造を基準とした値である。また、B3成分とB4成分とC成分部との加水分解縮合物が含まれていても構わない。
以下、本発明の塗布液に含まれる各成分を詳細に説明する。
<A成分>
A成分は、金属アルコキシドとキレート形成可能な有機化合物であり、1種の有機化合物でも、2種以上を混合して用いてもよい。キレート剤としての効果の観点よりアセチルアセトンを用いることが特に好ましい。
この他にも、A成分として、トリフルオルアセチルアセトン、ヘキサフルオルアセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、ベンゾイルトリフルオルアセトン、ジベンゾイルメタン、フロイルアセトン、トリフルオルフロイルアセトン、ベンゾイルフロイルメタン、テノイルアセトン、トリフルオルテノイルアセトン、フロイルテノイルアセトン、オキシン、2−メチルオキシン、4−メチルオキシン、5−メチルオキシン、6−メチルオキシン、7−メチルオキシン、オキシン−5−スルホン酸、7−ヨードオキシン−5−スルホン酸、キノリン−2−カルボン酸、キノリン−8−カルボン酸、8−ヒドロキシシノリン、4−ヒドロキシ−1,5−ナフチリジン、8−ヒドロキシ−1,6−ナフチリジン、8−ヒドロキシ−1,7−ナフチリジン、5−ヒドロキシキノキサリン、8−ヒドロキシキナゾリン、2,2′−ビピリジン、2−(2′−チエニル)ピリジン、1,10−フェナントロリン、2−メチル−1,10−フェナントロリン、5−メチル−1,10−フェナントロリン、2,9−ジメチル−1,10−フェナントロリン、4,7−ジメチル−1,10−フェナントロリン、5−クロル−1,10−フェナントロリン、6−ブロム−1,10−フェナントロリン、5−ニトロ−1,10−フェナントロリン、5−フェニル−1,10−フェナントロリン、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、ジメチルグリオキシム、ジメチルグリオキシム−o−メチルエステル、ジメチルジチオカルバミン酸、ジエチルジチオカルバミン酸、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、1−ニトロソ−2−ナフトール、2−ニトロソ−1−ナフトール、3−ヒドロキシフラボン、5−ヒドロキシフラボン、1−(2−ピリジルアゾ)−2−ナフトール、4−(2−ピリジルアゾ)レゾルシン、2−(4′−ジメチルアミノフェニルアゾ)ピリジン、エリオクロムブラックA、エリオクロムブラックT、エリオクロムブルーブラックB、エリオクロムブルーブラックR、フタレインコンプレクソン、アルカノールアミン、およびヒドロキシ酸等を例示できる。
A成分としては下記式(1)で表されるカルボニル基を2個以上有するカルボニル化合物が特に好適である。
式(3)において、Rは炭素数1〜10の有機基である。Rは炭素数1〜10の有機基または水酸基である。Rとしては、例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、フェニル基、フリル基、チエニル基、トリフルオロメチル基 、メトキシ基、およびエトキシ基等を挙げることができる。特にメチル基、エチル基、およびエトキシ基が好ましい。Rでは、例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、フェニル基、フリル基、チエニル基、トリフルオロ基、メトキシ基、およびエトキシ基等が有機基として例示できる。
<B成分>
B成分(3官能以上のシラン化合物)を配合することにより、塗布膜(透明被膜)の硬度や耐クラック性が向上する。特に、3官能シラン化合物は、嵩高い非官能性の有機基(炭素数1から8の非置換または置換アルキル基、炭素数6から18の非置換または置換アリール基、またはビニル基)を有するため、被膜に可撓性が付与され、さらに被膜と基材(有機材料)との濡れ性が向上する。そのため、耐クラック性がさらに向上する。また、成膜工程における紫外線照射により、有機基の少なくとも一部が分解する場合でも、応力集中が緩和されることとなるため、これも耐クラック性の向上に寄与する。
前述の式(1)のRにおいて、炭素数1から8の非置換または置換アルキル基として、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ブチル基等が挙げられる。炭素数6から18の非置換または置換アリール基として、フェニル基、ナフチル基、これらにアルキル基が置換した基等が挙げられる。前述の式(1)のRにおいて、炭素数1から8の非置換または置換アルコキシ基として、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、およびブトキシ基等が挙げられる。炭素数6から18の非置換または置換アリールオキシ基として、フェノキシ基、ナフチルオキシ基、これらにアルキル基が置換した基等が挙げられる。ハロゲン原子として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、およびヨウ素原子等が挙げられる。
また、3官能シラン化合物としては、メチルトリメトキシシラン(MTMS)、メチルトリエトキシシラン(MTES)、エチルトリエトキシシラン(ETES)、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、トリフルオロメチルトリメトキシシラン、トリフルオロメチルトリエトキシシランγ-(メタ)アクリロオキシプロピルジメトキシシラン、およびγ-(メタ)アクリロオキシプロピルジエトキシシラン等が好適に挙げられる。これらは1種を用いてもよく任意の2種以上を混合して用いてもよい。ただし、Rがあまり長鎖になると十分な硬度を得るのが困難となるおそれがある。またRが互いに異なると、加水分解速度に違いが生じ、均一な反応が起こりにくくなるので、メチルトリメトキシシラン(MTMS)を用いることが好ましい。
4官能シラン化合物としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラクロロシラン、トリメトキシシラン等が挙げられる。特に、テトラエトキシシランが好ましい。
4官能シラン化合物は、1種単独で用いてもよく、複数種を組み合わせて用いてもよい。
<C成分>
前述のように、C成分は、式(2)で表される金属アルコキシドおよびその加水分解縮合物の少なくとも一方である。C成分の金属元素MにはSi以外の金属元素が選択される。具体的には、金属元素Mは、Be、Al、Sc、Ti、V、Cr、Fe、Ni、Zn、Ga、Ge、As、Se、Y、Zr、Nb、In、Sn、Sb、Te、Hf、Ta、W、Pb、B、Bi、CeおよびCuから選ばれる少なくとも1種の元素のアルコキシドが用いられる。特に、Ti、Al、Zrが好ましい。
C成分としての金属アルコキシドには、アルミニウムトリメトキシド、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリプロポキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリn−ブトキシド、アルミニウムトリイソブトキシド、アルミニウムトリt−ブトキシド、アルミニウムトリペンチルオキシド、アルミニウムトリヘキシルオキシド、アルミニウムトリオクチルオキシド、アルミニウムトリベンジルオキシド、アルミニウムトリフェノキシド、アルミニウムトリメトキシエトキシド、アルミニウムトリメトキシエトキシエトキシド、アルミニウムトリメトキシプロポキシド、チタニウムテトラメトキシド、チタニウムテトラエトキシド、チタニウムテトラプロポキシド、チタニウムテトライソプロポキシド、チタニウムテトラメトキシエトキシド、チタンテトラブトキシド、ジルコニウムテトラメトキシド、ジルコニウムテトラエトキシド、ジルコニウムテトラプロポキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムテトラメトキシエトキシド、ジルコニアブトキシド、ニオビウムペンタエトキシド、インジウムトリメトキシド、インジウムトリエトキシド、インジウムトリプロポキシド、インジウムトリイソプロポキシド、インジウムトリn−ブトキシド、インジウムトリイソブトキシド、インジウムトリt−ブトキシド、インジウムトリペンチルオキシド、インジウムトリヘキシルオキシド、インジウムトリオクチルオキシド、インジウムトリベンジルオキシド、インジウムトリフェノキシド、インジウムトリメトキシエトキシド、インジウムトリメトキシエトキシエトキシド、インジウムトリメトキシプロポキシド、アンチモニートリメトキシド、アンチモニートリエトキシド、アンチモニートリプロポキシド、アンチモニートリイソプロポキシド、アンチモニートリn−ブトキシド、およびアンチモニートリイソブトキシド等が挙げられる。これらは1種を用いてもよく任意の2種以上を混合して用いてもよいが、加水分解速度が適当で、入手が容易である観点よりチタニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムテトラプロポキシドを用いることが好ましい。
<金属酸化物粒子>
金属酸化物粒子を配合することにより、塗布膜の硬度や耐擦傷性が向上する。具体的には、シリカ、シリカアルミナ、チタニア、ジルコニア、Sb、SnOが例示され、これらの中から選ばれる1種、または混合物、またはこれらの複合酸化物、またはこれらの混合物が使用できる。その形状は、球状粒子以外にも、非球状(例えばラグビーボール、繭玉、ジャガイモのような歪な球形)、中空状、リング状、鎖状、棒状といった粒子も使用することができる。ただし、平均粒子最長径(D)は5〜80nmであり、10〜50nmの範囲にあることが好ましい。また、下記式で表される球状係数が0.3〜1であることが好ましく、0.5〜1.0であることがより好ましい。球状係数(=D/D)が0.3未満の場合は、透明被膜中での粒子の分散性が不充分で、粒子が凝集することがあり、硬度や耐擦傷性が不充分となる場合がある。但し、Dは最長径の中点で最長径と直交する平均粒子短径を示す。なお、平均粒子最長径(D)および平均粒子短径(D)は、電子顕微鏡写真を撮影し、任意の100個の粒子について粒子径を測定し、その平均値として得たものである。
特に屈折率が高い塗布膜が要求される場合は、比較的屈折率が高いチタン、ジルコニウム、アンチモン、スズを含む金属酸化物粒子が選択される。
<D成分>
本塗布液には、製造工程に由来して、加水分解用触媒が0.2質量%程度残留することがある。本塗布液の用途に応じて、加水分解用触媒を除去することが望まれる。その場合には、例えば、イオン交換、中和、蒸留などにより加水分解用触媒を除去する。中和を行う場合は、酸中和物質が本塗布液中に残留する。以下、中和処理の場合を詳細に説明する。 D成分は、塗布液のpHを4〜8にするために添加される酸中和物質である。前述のB成分として3官能シラン化合物(B3成分)が含まれる場合、B3成分は酸触媒等の加水分解用触媒により加水分解される。配合液を中性に戻すために酸中和物質を添加する。配合液が酸性のままであると3官能シラン化合物が不溶性の固形分として析出しやすくなり好ましくない。本塗布液中に含まれるD成分は1質量%以下が好ましい。
酸中和物質には、金属不純分の混入、有機溶媒への溶解性の観点よりアミン化合物が好適である。アミン化合物として、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、トリメチルアミン、エチレンジアミン、ピペリジン、アニリン、およびピリジン等が挙げられる。酸中和物質を1種用いてもよいし、任意の2種以上の酸中和物質を混合して用いてもよい。
<混合溶媒>
本塗布液には、水および有機溶媒の混合溶媒が用いられる。ただし、有機溶媒として、前記成分(A)金属アルコキシドとキレート形成可能な有機化合物(A成分)は除外される。水と有機溶媒との混合比率としては、好ましくは水/有機溶媒(質量比)が20/80〜0.1/99.9であり、より好ましくは10/90〜1/99である。有機溶媒は、沸点が120℃以上であることが好ましい。より好ましくは150℃以上である。ただし、沸点が300℃以下であることが好ましい。また、20℃における有機溶媒の粘度が1〜400mPa・sの範囲にあることが好ましく、20〜350mPa・sの範囲にあることがより好ましい。また、複数の有機溶媒が混合される場合、沸点が120℃以上、20℃における粘度が1〜400mPa・sである有機溶媒が50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましい。
有機溶媒として、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール、エチレングリコール、ヘキシレングリコール等のアルコール類、酢酸メチルエステル、酢酸エチルエステル等のエステル類、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル等のエーテル類、アセトン、およびメチルエチルケトン等のケトン類等が挙げられる。
なお、本塗布液には、その効果を阻害しない範囲で、任意成分を添加させることができる。例えば、無機酸化物微粒子、有機樹脂微粒子、オルガノポリシロキサン樹脂微粒子、顔料、着色料、帯電防止剤、および界面活性剤などを添加してもよい。
〔本塗布液の製造方法〕
本塗布液の製造方法は、下記の第1工程、第2工程および第3工程を含んでいる。
なお、金属酸化物粒子の配合は、第1工程〜第3工程の少なくとも1つの工程で行われる。特に、塗膜中に粒子を均一に分散させる観点から、粒子表面がB成分で処理される第1工程で配合を行う事が好ましい。その配合量は、金属酸化物粒子の固形分量とA〜C成分の固形分量との合計量に対して、1〜80質量%である。配合に際しては、粒子が充分に分散できるよう撹拌下で行うことが望ましい。
第1工程:有機溶媒と、水と、B成分(式(1)で表される3官能以上のシラン化合物)と加水分解触媒とを配合して予備液1を調製する工程
ここで、B成分に4官能シラン化合物を使用した場合は、B成分の配合量は工程2におけるC成分の金属元素Mの1モルに対し、0.1モル以上9.0モル以下の範囲である。
また、B成分に3官能シラン化合物を使用した場合は、B成分の配合量は工程2におけるC成分の金属元素Mの1モルに対し、0.5モル以上8.0モル以下の範囲である。さらに、中和処理を実施して、予備液1のpHを5〜8の範囲に調整する。
第2工程:有機溶媒と、A成分と、C成分(式(2)で表される金属アルコキシド)とを配合して金属アルコキシド溶液(予備液2)を調製する工程
ここで、A成分は、C成分の金属元素Mの1モルに対し、0.25モル以上2モル未満の範囲である。
第3工程:第1工程で得られた予備液1と、第2工程で得られた予備液2と、水とを配合し、5℃以上40℃以下の温度で撹拌する工程
上述した各工程について、以下に詳しく説明する。
<第1工程>
B成分に4官能シラン化合物を使用する場合は、有機溶媒、水および加水分解用触媒の存在下、4官能シラン化合物を加水分解縮合させ、4官能シラン化合物およびその加水分解縮合物の少なくとも一方が混合溶媒に分散する溶液(予備液1)を調製する。あるいは、B成分に3官能シラン化合物を使用する場合は、有機溶媒、水および加水分解用触媒の存在下、3官能シラン化合物を加水分解縮合させ、さらに中和を実施して溶液のpHを5〜8の範囲にする。このようにして、3官能シラン化合物およびその加水分解縮合物のうち少なくとも一方が混合溶媒に分散する予備液1が得られる。通常、この第1工程では、有機溶媒に水、加水分解用触媒、B成分を添加し、5〜40℃で5〜120分の撹拌を行い、予備液1を得る。
加水分解用触媒としては、(a)硝酸、酢酸、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、フッ化水素などの無機酸、(b)シュウ酸、マレイン酸などのカルボン酸、(c)メタンスルホン酸などのスルホン酸、および(d)酸性或いは弱酸性の無機塩などの触媒を使用することができる。ただし、これらに限定されるものではない。また、これらの触媒を任意に複数種混合してもよい。加水分解触媒の量は、B成分の3官能以上のシラン化合物に対して0.001〜1モル%(SiO換算、外割)の範囲内であることが好ましい。
水の量は、B成分の3官能以上のシラン化合物1モルに対し、0.5〜10モル(SiO換算、外割)の範囲が好ましい。このモル比の範囲であれば、B成分の加水分解を効果的に進める点で有効である。なお、水の量は、より好ましくは1〜8モルの範囲である。
B成分の予備液1における量は、加水分解縮合が進行できる程度であれば、格別に限定されるものではないが、0.01〜8質量%(SiO換算)の範囲が好ましい。
また、B成分が3官能シラン化合物の場合は、3官能シラン化合物の加水分解縮合物が生じてから、配合液を中性に戻すために酸中和物質を添加する。B成分を含んだ配合液が酸性のままであると3官能シラン化合物が不溶性の固形分として析出しやすくなり好ましくない。ここで3官能シラン溶液のpHは5〜8が好ましく、より好ましくはpH6〜7.5が推奨される。
なお、酸中和物質(D成分)は必ずしも必須ではない。酸中和物質の添加によらず、イオン交換樹脂を用いて、加水分解用触媒を除去し、pHを5〜8としてもよい。
<第2工程>
この工程では、有機溶媒にA成分とC成分(式(2)で表される金属アルコキシド)を添加し、撹拌することにより金属アルコキシドやその加水分解縮合物を含む金属アルコキシド溶液(予備液2)を調製する。有機溶媒、A成分またはC成分は上述の通りである。
この工程におけるC成分のモル数(M3)に対するA成分のモル数(M1)のモル比(M1/M3)は、0.25以上2.0未満の範囲にある。この工程で、A成分はC成分のアルコキシ基に配位するが、モル比(M1/M3)が0.25以上2.0未満の範囲にあれば、A成分が有するキレート配位基に配位されない金属アルコキシドが残存するので、C成分の反応性を制御することができる。なお、モル比(M1/M3)は、0.5以上1.0以下の範囲がより好ましい。
モル比(M1/M3)が2.0以上の場合、金属アルコキシドのアルコキシ基に対する配位が進行しすぎるので、金属アルコキシドの安定化が過大となり、B成分との共加水分解縮合にも影響し、被膜形成用塗布液の低温硬化(80〜300℃)にも適さなくなるおそれがある。
この工程により得られる金属アルコキシド溶液は、A成分が配位した金属アルコキシドやその加水分解縮合物を含んでいる。
〔第3工程〕
第1工程で調製した3官能以上のシラン溶液(予備液1)に、第2工程で調製した金属アルコキシド溶液(予備液2)を添加し、続いて水を添加し、5〜40℃で撹拌し、本塗布液が得られる。
この工程の前に、予備液1に含まれるB成分、すなわち、加水分解縮合後におけるB成分の重量平均分子量(ポリスチレン換算)は、300〜3000の範囲であることが耐クラック性の観点から好ましい。なお、B成分の重量平均分子量は、500〜1500の範囲がより好ましい。ここで、重量平均分子量は、GPCにより求められる。
ここで、B成分が4官能シラン化合物の場合は、B成分のモル数(M2)とC成分のモル数(M3)とのモル比(M2/M3)が0.1以上9.0以下、好ましくは0.2以上5.0以下の範囲であることが好ましい。B成分が3官能シラン化合物の場合は、B成分のモル数(M2)とC成分のモル数(M3)とのモル比(M2/M3)が0.5以上8以下、好ましくは0.6以上7.5以下の範囲であることが好ましい。モル比(M2/M3)がこれらの範囲にあると、共加水分解反応が円滑に進むからである。
水の添加により、3官能以上のシランの加水分解縮合物と、金属アルコキシドの少なくとも一方との共加水分解縮合反応が促進されるので、緻密な被膜を得るうえで好ましい。
なお、B成分が3官能シラン化合物を含む場合は、本塗布液のpHは4〜8が好ましく、4〜7.5がより好ましい。
〔被膜付基材の製造方法〕
被膜付基材の製造方法は、本塗布液を基材に塗布する塗布工程と、基材上の塗布液を乾燥させて塗布膜を形成する乾燥工程と、基材上の塗布膜を硬化させて被膜付基材を形成する硬化工程を含む。硬化工程は、照射工程および加熱工程を含むことが好ましい。この乾燥工程と硬化工程について、好ましい態様としては、乾燥工程は基材上の塗布液を80℃以上150℃以下で加熱する工程、硬化工程は、乾燥工程後の塗布膜付基材に対し紫外線を照射する照射工程および80℃以上300℃以下で加熱する加熱工程とからなる。
本塗布液を基材へ塗布する布方法としては、ディップ法、スピナー法、バーコート法、スプレー法、ロールコーター法、フレキソ印刷法、スリットコート法等従来公知の方法を採用することができる。基材としては、例えば、ガラス、ITO膜が処理された基材、ポリカーボネート、アクリル樹脂、PET、およびTAC等の素材を用いたシート、フィルム、およびパネル等が挙げられる。
乾燥工程では、基材を変質させることなく所望の硬度、耐クラック性等が得られれば特に加熱温度に制限はないが、80〜150℃の範囲が好ましく、90〜140℃の範囲がより好ましい。また、乾燥工程では、1〜10分程度加熱することが好ましい。
乾燥工程では、所望の硬度、耐クラック性等を有する被膜が得られれば一回の工程操作の中で乾燥および加熱を実施してもよく、乾燥した後乾燥温度より高温で加熱してもよい。この場合、乾燥工程が硬化工程を兼ねることもできる。乾燥方法や加熱方法としては従来公知の方法を採用することができる。また、電磁波照射処理を併用することもできる。
乾燥工程における加熱温度が80℃未満の場合は、溶剤の残存や、−M−O−M−、または、−M−O−Si−の架橋不足により、十分な膜強度が得られず、加熱乾燥温度が150℃を超えると、B成分の有機基が分解し、所望の膜特性が得られないことがある。
照射工程では、乾燥工程によって乾燥した透明被膜に紫外線(UV)を照射する。例えば、2kwの高圧水銀灯を用いて3,000mJ/cmの紫外線を照射する。UV照射により、被膜内でA成分の脱離が生じて、被膜は加熱工程で架橋しやすい状態となる。
照射工程の後、被膜を80〜300℃の範囲で加熱する。この加熱工程により、透明被膜は十分に架橋の進んだ状態となる。加熱温度が80〜300℃の範囲にあれば、例えばITO配線の抵抗変化を抑制することができる。なお、加熱時間は、1〜10分が好ましい。
〔被膜付基材〕
前述の成膜方法により得られた被膜の平均膜厚(T)は20〜200nmが好ましく、40〜150nmの範囲がより好ましい。被膜の平均膜厚(T)が20nm以上であると、膜厚が十分であるため成膜できない部分(塗布ムラ)が生じにくく、成膜した効果も十分に得られる。一方、平均膜厚(T)が200nm以下であると、クラックの発生を十分に抑制することができ、また、膜の硬度も十分なものとなる。
本発明による被膜は、液晶表示装置の電極基板と配向膜との間に用いる絶縁膜、タッチパネルの透明電極上の保護膜等に好適に用いることができる。
以下、透明被膜を形成するための塗布液の実施例を、具体的に説明する。本塗布液は、タッチパネルの透明電極上の保護膜等に適用することができる。本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
[実施例1]
《透明被膜形成用の塗布液の調製》
(第1工程)
ヘキシレングリコール(和光純薬(株)製)4926.49g、平均粒子径が25nmのシリカ粒子のヘキシレングリコール分散液(SiO濃度20質量%)597.01g、純水243.58gおよび濃度61質量%の硝酸4.06gを混合し、5分間撹拌する。ついで、撹拌しながらB成分(4官能シラン化合物)としてエチルシリケート(多摩化学(株)製:SiO濃度28.8質量%)を995.02g添加し、30分間撹拌する。このようにして、固形分濃度6.0質量%の予備液1を得る。
(第2工程)
ヘキシレングリコール(和光純薬(株)製)を2382.7g、A成分としてアセチルアセトン(和光純薬(株)製)を119.40g、C成分としてテトライソプロピルチタネート(マツモトファインケミカル(株)製:オルガチックスTA−10、TiO濃度28質量%)を682.0g混合し、5分間撹拌する。これにより、固形分濃度6.0質量%の予備液2を得る。
(第3工程)
撹拌しながら予備液1に予備液2を混合し、10分間撹拌した後、純水49.75を加え、5℃で144時間撹拌する。撹拌終了後、0.8μmのフィルターで濾過を行い、凝集物等を除去して濃度CTが6.0質量%の塗布液を調製する。
得られた塗布液における各成分の濃度、モル比等を表1に示す。なお、表1中でA成分(金属アルコキシドとキレート形成可能な有機化合物)のモル数をM1、B成分(3官能以上のシリカ化合物およびその加水分解縮合物の少なくとも一方)のモル数をM2とする。また、B成分として、3官能シリカ化合物およびその加水分解縮合物の少なくとも一方(B3成分)と、4官能シリカ化合物およびその加水分解縮合物の少なくとも一方(B4成分)とが共に存在する時、B3成分のモル数をMB3、B4成分のモル数をMB4とする。
式(2)で表される金属アルコキシドおよびその加水分解縮合物の少なくとも一方(C成分)のモル数をM3とする。
金属酸化物粒子の固形分含有量は、金属酸化物粒子の固形分量、A成分の固形分量、B成分の固形分量、およびC成分の固形分量の合計量に対する割合である。
塗布液において、B成分に由来するSiO換算固形分濃度を濃度C2、C成分に由来する元素Mの酸化物換算固形分濃度を濃度C3、金属酸化物粒子の固形分濃度CF、濃度C2と濃度C3と濃度CFの合計を濃度CTとする。
塗布液について経時安定性を下記の方法で評価する。結果を表1に示す。
《経時安定性》
塗布液を40℃で72時間加熱した後、E型粘度計(東機産業(株)製:TV−25型)にて粘度を測定し、以下の基準で評価する。
◎:粘度に変化が認められない
○:わずかに粘度の増加がみられる(5mPa・s未満)
×:明らかな粘度の増加がみられる(5mPa・s以上)
《透明被膜付基材の評価》
透明被膜付基材について、膜厚、表面抵抗値および鉛筆硬度を下記の方法で測定する。結果を表1に示す。
《膜厚》
表面粗さ測定機(東京精密(株)製:サーフコム)にて測定する。
《表面抵抗値》
表面抵抗値は、表面抵抗測定機((株)三菱化学アナリテック製:ハイレスターUX MCP−HT800)にて測定する。
《鉛筆硬度》
JIS−K−5600に準じて鉛筆硬度試験器により測定した。即ち、透明被膜表面に対して45度の角度に鉛筆をセットし、所定の加重を負荷して一定速度で引っ張り、傷の有無を観察する。
膜厚、表面抵抗値および鉛筆硬度の評価用の透明被膜付基材は次の方法で準備する。
実施例1で得た塗布液をフレキソ印刷法により、ITO膜付ガラス基板(AGCファブリテック(株)製、厚み:1.1mm)上に塗布する。90℃で5分間乾燥し、ついで、波長365nmの紫外線(3000mJ/cm)と波長254nmの紫外線(2000mJ/cm)を照射した後、230℃で30分間加熱して透明被膜付基材を得る。
透明被膜付基材について、全光線透過率、ヘイズおよび耐擦傷性を下記の方法で測定する。結果を表1に示す。
《全光線透過率およびヘイズ》
全光線透過率およびヘイズは、ヘーズメーター(スガ試験機(株)製)により測定する。
《耐擦傷性の測定》
#0000スチールウールを透明被膜表面に当て、荷重2kg/cmで10回摺動し、膜の表面を目視観察し、以下の基準で耐擦傷性を評価する。
評価基準:
筋状の傷が認められない :◎
筋状に傷が僅かに認められる:○
筋状に傷が多数認められる :△
面が全体的に削られている :×
全光線透過率、ヘイズおよび耐擦傷性の評価用の透明被膜付基材は次の方法で準備する。
実施例1で得た塗布液をフレキソ印刷法により、シリカ膜付ガラス基板(AGCファブリテック(株)製、厚み:1.1mm)上に塗布する。90℃で5分間乾燥し、ついで、波長365nmの紫外線(3000mJ/cm)と波長254nmの紫外線(2000mJ/cm)を照射した後、230℃で30分間加熱して透明被膜付基材を得る。
透明被膜付基材について、屈折率を下記の方法で測定する。結果を表1に示す。
《屈折率》
分光エリプソメーター(SOPRA(株)製:ES4G、@550nm)にて測定する。
屈折率の評価用の透明被膜付基材は次の方法で準備する。
実施例1で得た塗布液をフレキソ印刷法により、6インチシリコンウェハ((株)松崎製作所製、厚み:0.625mm)上に塗布する。90℃で5分間乾燥し、ついで、波長365nmの紫外線(3000mJ/cm)と波長254nmの紫外線(2000mJ/cm)を照射した後、230℃で30分間加熱して透明被膜付基材を得る。
透明被膜付基材について、耐クラック性を下記の方法で測定した。結果を表1に示す。
《塗布膜の耐クラック性》
塗布膜の表面を目視観察し、以下の基準で耐クラック性を評価する。
◎:塗布面内にクラックが認められない
○:エッジ部に僅かにクラックが認められる
×:塗布面内にクラックが生じる
塗布膜の耐クラック性の評価用の透明被膜付基材は次の方法で準備する。
2μm厚みのアクリル樹脂層をシリカ膜付ガラス基板(AGCファブリテック(株)製、厚み:1.1mm)上に形成した。アクリル樹脂層はバーコーター(No.4)を用いて塗布し、次いで80℃で2分間乾燥した後、波長365nmの紫外線(300mJ/cm)を照射する。実施例1で得た塗布液をフレキソ印刷法にて、該アクリル樹脂層付ガラス基板上に塗布し、90℃で5分間乾燥し、次に、3000mJ/cmの紫外線(波長365nm)を照射した後、230℃で30分間加熱して透明被膜付基材を得る。
[実施例2]
《透明被膜形成用の塗布液の調製》
以下の工程以外は、実施例1と同様にして、塗布液を調製する。
得られた塗布液における各成分の濃度、モル比等を表1に示す。
(第2工程)
ヘキシレングリコール(和光純薬(株)製)を2047.4g、A成分としてアセチルアセトン(和光純薬(株)製)を454.44g、C成分としてテトライソプロピルチタネート(マツモトファインケミカル(株)製:オルガチックスTA−10、TiO濃度28質量%)を682.3g混合し、5分間撹拌する。これにより、固形分濃度6.0質量%の予備液2を得る。
《透明被膜付基材の評価》
この塗布液を使用する以外は実施例1と同様にして、測定、評価した。結果を表1に示す。
[実施例3]
《透明被膜形成用の塗布液の調製》
以下の工程以外は、実施例1と同様にして、塗布液を調製する。
得られた塗布液における各成分の濃度、モル比等を表1に示す。
(第2工程)
ヘキシレングリコール(和光純薬(株)製)を244.98g、A成分としてアセチルアセトン(和光純薬(株)製)を50.79g、C成分としてテトライソプロピルチタネート(マツモトファインケミカル(株)製:オルガチックスTA−10、TiO濃度28質量%)を682.3g混合し、5分間撹拌する。これにより、固形分濃度6.0質量%の予備液2を得る。
《透明被膜付基材の評価》
この塗布液を使用する以外は実施例1と同様にして、測定、評価した。結果を表1に示す。
[実施例4]
《透明被膜形成用の塗布液の調製》
以下の工程以外は、実施例1と同様にして、塗布液を調製する。
得られた塗布液における各成分の濃度、モル比等を表1に示す。
(第1工程)
ヘキシレングリコール(和光純薬(株)製)6549.32g、平均粒子径が25nmのシリカ粒子のヘキシレングリコール分散液(SiO濃度20質量%)597.01g、純水320.96gおよび濃度61質量%の硝酸5.35gを混合し、5分間撹拌する。ついで、撹拌しながらB成分(4官能シラン化合物)としてエチルシリケート(多摩化学(株)製:SiO濃度28.8質量%)を1442.79g添加し、30分間撹拌する。このようにして、固形分濃度6.0質量%の予備液1を得る。
(第2工程)
ヘキシレングリコール(和光純薬(株)製)を774.21g、A成分としてアセチルアセトン(和光純薬(株)製)を38.87g、C成分としてテトライソプロピルチタネート(マツモトファインケミカル(株)製:オルガチックスTA−10、TiO濃度28質量%)を221.75g混合し、5分間撹拌する。これにより、固形分濃度6.0質量%の予備液2を得る。
《透明被膜付基材の評価》
この塗布液を使用する以外は実施例1と同様にして、測定、評価した。結果を表1に示す。
[実施例5]
《透明被膜形成用の塗布液の調製》
以下の工程以外は、実施例1と同様にして、塗布液を調製する。
得られた塗布液における各成分の濃度、モル比等を表1に示す。
(第1工程)
ヘキシレングリコール(和光純薬(株)製)2221.77g、平均粒子径が25nmのシリカ粒子のヘキシレングリコール分散液(SiO濃度20質量%)597.01g、純水114.63gおよび濃度61質量%の硝酸1.91gを混合し、5分間撹拌する。ついで、撹拌しながらB成分(4官能シラン化合物)としてエチルシリケート(多摩化学(株)製:SiO濃度28.8質量%)を248.76g添加し、30分間撹拌する。このようにして、固形分濃度6.0質量%の予備液1を得る。
(第2工程)
ヘキシレングリコール(和光純薬(株)製)を5062.15g、A成分としてアセチルアセトン(和光純薬(株)製)を254.13g、C成分としてテトライソプロピルチタネート(マツモトファインケミカル(株)製:オルガチックスTA−10、TiO濃度28質量%)を1449.89g混合し、5分間撹拌する。これにより、固形分濃度6.0質量%の予備液2を得る。
《透明被膜付基材の評価》
この塗布液を使用する以外は実施例1と同様にして、測定、評価した。結果を表1に示す。
[実施例6]
《透明被膜形成用の塗布液の調製》
以下の工程以外は、実施例1と同様にして、塗布液を調製する。
得られた塗布液における各成分の濃度、モル比等を表1に示す。
(第1工程)
ヘキシレングリコール(和光純薬(株)製)5846.33g、平均粒子径が25nmのシリカ粒子のヘキシレングリコール分散液(SiO濃度20質量%)298.51g、純水121.79gおよび濃度61質量%の硝酸2.03gを混合し、5分間撹拌する。ついで、撹拌しながらB成分(4官能シラン化合物)としてエチルシリケート(多摩化学(株)製:SiO濃度28.8質量%)を497.51g添加し、30分間撹拌する。このようにして、固形分濃度6.0質量%の予備液1を得る。
(第2工程)
ヘキシレングリコール(和光純薬(株)製)を2783.13g、A成分としてアセチルアセトン(和光純薬(株)製)を59.79g、C成分としてテトライソプロピルチタネート(マツモトファインケミカル(株)製:オルガチックスTA−10、TiO濃度28質量%)を341.15g混合し、5分間撹拌する。これにより、固形分濃度6.0質量%の予備液2を得る。
《透明被膜付基材の評価》
この塗布液を使用する以外は実施例1と同様にして、測定、評価した。結果を表1に示す。
[実施例7]
《透明被膜形成用の塗布液の調製》
以下の工程以外は、実施例1と同様にして、塗布液を調製する。
得られた塗布液における各成分の濃度、モル比等を表1に示す。
(第1工程)
ヘキシレングリコール(和光純薬(株)製)4006.65g、平均粒子径が25nmのシリカ粒子のヘキシレングリコール分散液(SiO濃度20質量%)895.52g、純水365.37gおよび濃度61質量%の硝酸6.09gを混合し、5分間撹拌する。ついで、撹拌しながらB成分(4官能シラン化合物)としてエチルシリケート(多摩化学(株)製:SiO濃度28.8質量%)を1492.54g添加し、30分間撹拌する。このようにして、固形分濃度6.0質量%の予備液1を得る。
(第2工程)
ヘキシレングリコール(和光純薬(株)製)を1981.24g、A成分としてアセチルアセトン(和光純薬(株)製)を179.38g、C成分としてテトライソプロピルチタネート(マツモトファインケミカル(株)製:オルガチックスTA−10、TiO濃度28質量%)を1023.45g混合し、5分間撹拌する。これにより、固形分濃度6.0質量%の予備液2を得る。
《透明被膜付基材の評価》
この塗布液を使用する以外は実施例1と同様にして、測定、評価した。結果を表1に示す。
[実施例8]
《透明被膜形成用の塗布液の調製》
以下の工程以外は、実施例1と同様にして、塗布液を調製する。
得られた塗布液における各成分の濃度、モル比等を表1に示す。
(第1工程)
ヘキシレングリコール(和光純薬(株)製)4265.33g、平均粒子径が25nmのシリカ粒子のヘキシレングリコール分散液(SiO濃度20質量%)597.01g、純水212.06gおよび濃度61質量%の硝酸3.53gを混合し、5分間撹拌する。ついで、撹拌しながらB成分(4官能シラン化合物)としてエチルシリケート(多摩化学(株)製:SiO濃度28.8質量%)を812.60g添加し、30分間撹拌する。このようにして、固形分濃度6.0質量%の予備液1を得る。
(第2工程)
ヘキシレングリコール(和光純薬(株)製)を2732.87g、A成分としてアセチルアセトン(和光純薬(株)製)を175.4g、C成分としてノルマルプロピルジルコネート(マツモトファインケミカル(株)製オルガチックスZA−45、ZrO濃度21.2質量%)を1151.69g混合し、5分間撹拌する。これにより、固形分濃度6.0質量%の予備液2を得る。
《透明被膜付基材の評価》
この塗布液を使用する以外は実施例1と同様にして、測定、評価した。結果を表1に示す。
[実施例9]
《透明被膜形成用の塗布液の調製》
以下の工程以外は、実施例1と同様にして、塗布液を調製する。
得られた塗布液における各成分の濃度、モル比等を表1に示す。
(第1工程)
B成分(3官能シラン化合物)としてKBM−13(信越化学工業(株)製:SiO濃度44.1質量%)574.00gおよびソルミックスAP−11(日本アルコール販売(株)製)1509.32gを混合し、30分撹拌する。ついで撹拌しながら濃度0.1質量%の硝酸459.4gを30分かけて逐次添加し、30分間撹拌する。この時のpHは2.0であった。これに撹拌しながらトリエタノールアミン(林純薬工業(株)製)4.07gを添加し、10分撹拌して固形分濃度9.9質量%の予備液1−1を調製する。この時のpHは7.1であった。
ついで、ヘキシレングリコール(和光純薬(株)製)3065.40gに撹拌しながら平均粒子径が25nmのシリカ粒子のヘキシレングリコール分散液(SiO濃度20質量%)597.01gを混合し、5分間撹拌する。これに撹拌しながら予備液1−1を添加し30分間撹拌して固形分濃度6.0質量%の予備液1を調製する。
(第2工程)
ヘキシレングリコール(和光純薬(株)製)を2799.07g、A成分としてアセチルアセトン(和光純薬(株)製)を140.52g、C成分としてテトライソプロピルチタネート(マツモトファインケミカル(株)製:オルガチックスTA−10、TiO濃度28質量%)を801.71g混合し、5分間撹拌して固形分濃度6.0質量%の予備液2を調製する。
《透明被膜付基材の評価》
この塗布液を使用する以外は実施例1と同様にして、測定、評価した。結果を表1に示す。
[実施例10]
《透明被膜形成用の塗布液の調製》
以下の工程以外は、実施例1と同様にして、塗布液を調製する。
得られた塗布液における各成分の濃度、モル比等を表1に示す。
(第1工程)
B成分(3官能シラン化合物)としてKBM−13(信越化学工業(株)製:SiO濃度44.1質量%)812.27gおよびソルミックスAP−11(日本アルコール販売(株)製)2135.83gを混合し、30分撹拌する。ついで撹拌しながら濃度0.1質量%の硝酸649.73gを30分かけて逐次添加し、30分間撹拌する。この時のpHは2.0であった。これに撹拌しながらトリエタノールアミン(林純薬工業(株)製)5.76gを添加し、10分撹拌して固形分濃度9.9質量%の予備液1−1を調製する。この時のpHは7.0であった。
ついで、ヘキシレングリコール(和光純薬(株)製)3759.59gに撹拌しながら平均粒子径が25nmのシリカ粒子のヘキシレングリコール分散液(SiO濃度20質量%)597.01gを混合し、5分間撹拌する。これに撹拌しながら予備液1−1を添加し30分間撹拌して固形分濃度6.0質量%の予備液1を調製する。
(第2工程)
ヘキシレングリコール(和光純薬(株)製)を1488.87g、A成分としてアセチルアセトン(和光純薬(株)製)を74.74g、C成分としてテトライソプロピルチタネート(マツモトファインケミカル(株)製:オルガチックスTA−10、TiO濃度28質量%)を426.44g混合し、5分間撹拌して固形分濃度6.0質量%の予備液2を調製する。
《透明被膜付基材の評価》
この塗布液を使用する以外は実施例1と同様にして、測定、評価した。結果を表1に示す。
[実施例11]
《透明被膜形成用の塗布液の調製》
以下の工程以外は、実施例1と同様にして、塗布液を調製する。
得られた塗布液における各成分の濃度、モル比等を表1に示す。
(第1工程)
B成分(3官能シラン化合物)としてKBM−13(信越化学工業(株)製:SiO濃度44.1質量%)920.57gおよびソルミックスAP−11(日本アルコール販売(株)製)2420.61gを混合し、30分撹拌する。
ついで撹拌しながら濃度0.1質量%の硝酸736.36gを30分かけて逐次添加し、30分間撹拌する。この時のpHは2.0であった。これに撹拌しながらトリエタノールアミン(林純薬工業(株)製)6.53gを添加し、10分撹拌して固形分濃度9.9質量%の予備液1−1を調製する。この時のpHは7.1であった。
ついで、ヘキシレングリコール(和光純薬(株)製)4075.13gに撹拌しながら平均粒子径が25nmのシリカ粒子のヘキシレングリコール分散液(SiO濃度20質量%)597.01gを混合し、5分間撹拌する。これに撹拌しながら予備液1−1を添加し30分間撹拌して固形分濃度6.0質量%の予備液1を調製する。
(第2工程)
ヘキシレングリコール(和光純薬(株)製)を893.32g、A成分としてアセチルアセトン(和光純薬(株)製)を44.85g、C成分としてテトライソプロピルチタネート(マツモトファインケミカル(株)製:オルガチックスTA−10、TiO濃度28質量%)を255.86g混合し、5分間撹拌して固形分濃度6.0質量%の予備液2を調製する。
《透明被膜付基材の評価》
この塗布液を使用する以外は実施例1と同様にして、測定、評価した。結果を表1に示す。
[実施例12]
《透明被膜形成用の塗布液の調製》
以下の工程以外は、実施例1と同様にして、塗布液を調製する。
得られた塗布液における各成分の濃度、モル比等を表1に示す。
(第1工程)
B成分(3官能シラン化合物)としてKBM−13(信越化学工業(株)製:SiO濃度44.1質量%)324.91gおよびソルミックスAP−11(日本アルコール販売(株)製)854.33gを混合し、30分撹拌する。ついで撹拌しながら濃度0.1質量%の硝酸259.89gを30分かけて逐次添加し、30分間撹拌する。この時のpHは2.0であった。これに撹拌しながらトリエタノールアミン(林純薬工業(株)製)2.30gを添加し、10分撹拌して固形分濃度9.9質量%の予備液1−1を調製する。この時のpHは7.1であった。
ついで、ヘキシレングリコール(和光純薬(株)製)2339.65gに撹拌しながら平均粒子径が25nmのシリカ粒子のヘキシレングリコール分散液(SiO濃度20質量%)597.01gを混合し、5分間撹拌する。これに撹拌しながら予備液1−1を添加し30分間撹拌して固形分濃度6.0質量%の予備液1を調製する。
(第2工程)
ヘキシレングリコール(和光純薬(株)製)を4168.83g、A成分としてアセチルアセトン(和光純薬(株)製)を209.28g、C成分としてテトライソプロピルチタネート(マツモトファインケミカル(株)製:オルガチックスTA−10、TiO濃度28質量%)を1194.03g混合し、5分間撹拌して固形分濃度6.0質量%の予備液2を調製する。
《透明被膜付基材の評価》
この塗布液を使用する以外は実施例1と同様にして、測定、評価した。結果を表1に示す。
〔実施例13〕
《透明被膜形成用の塗布液の調製》
以下の工程以外は、実施例1と同様にして、塗布液を調製する。
得られた塗布液における各成分の濃度、モル比等を表1に示す。
(第1工程)
B3成分(3官能シラン化合物)としてKBM−13(信越化学工業(株)製:SiO濃度44.1質量%)382.67gおよびソルミックスAP−11(日本アルコール販売(株)製)1006.21gを混合し、30分撹拌した。ついで撹拌しながら濃度0.1質量%の硝酸306.09gを30分かけて逐次添加し、30分間撹拌する。この時のpHは2.0であった。これに撹拌しながらトリエタノールアミン(林純薬工業(株)製)2.71gを添加し、10分撹拌して固形分濃度9.9質量%の予備液1−1を調製する。この時のpHは6.9であった。
ヘキシレングリコール(和光純薬(株)製)3569.80gに撹拌しながら平均粒子径が25nmのシリカ粒子のヘキシレングリコール分散液(SiO濃度20質量%)597.01g、純水50.63gおよび濃度61質量%の硝酸0.84gを混合し、5分間撹拌する。ついで、撹拌しながらB4成分(4官能シラン化合物)としてエチルシリケート(多摩化学(株)製:SiO濃度28.8質量%)を292.98g添加し、30分間撹拌する。これに撹拌しながら予備液1−1を添加し30分間撹拌して固形分濃度6.0質量%の予備液1を調製する。
(第2工程)
ヘキシレングリコール(和光純薬(株)製)を2799.07g、A成分としてアセチルアセトン(和光純薬(株)製)を140.52g、C成分としてテトライソプロピルチタネート(マツモトファインケミカル(株)製:オルガチックスTA−10、TiO濃度28質量%)を801.71g混合し、5分間撹拌して固形分濃度6.0質量%の予備液2を調製する。
《透明被膜付基材の評価》
この塗布液を使用する以外は実施例1と同様にして、測定、評価した。結果を表1に示す。
[実施例14]
《透明被膜形成用の塗布液の調製》
以下の工程以外は、実施例1と同様にして、塗布液を調製する。
得られた塗布液における各成分の濃度、モル比等を表2に示す。
(第1工程)
ヘキシレングリコール(和光純薬(株)製)4717.17g、平均粒子径が25nmのシリカ粒子のヘキシレングリコール分散液(SiO濃度20質量%)298.51g、純水229.25gおよび濃度61質量%の硝酸3.82gを混合し、5分間撹拌する。ついで、撹拌しながらB成分(4官能シラン化合物)としてエチルシリケート(多摩化学(株)製:SiO濃度28.8質量%)を1119.40g添加し、30分間撹拌する。このようにして、固形分濃度6.0質量%の予備液1を得る。
(第2工程)
ヘキシレングリコール(和光純薬(株)製)を2679.96g、A成分としてアセチルアセトン(和光純薬(株)製)を134.54g、C成分としてテトライソプロピルチタネート(マツモトファインケミカル(株)製:オルガチックスTA−10、TiO濃度28質量%)を767.59g混合し、5分間撹拌する。これにより、固形分濃度6.0質量%の予備液2を得る。
《透明被膜付基材の評価》
この塗布液を使用する以外は実施例1と同様にして、測定、評価した。結果を表2に示す。
[実施例15]
以下の工程以外は、実施例1と同様にして、塗布液を調製する。
得られた塗布液における各成分の濃度、モル比等を表2に示す。
(第1工程)
ヘキシレングリコール(和光純薬(株)製)5554.43g、平均粒子径が25nmのシリカ粒子のヘキシレングリコール分散液(SiO濃度20質量%)1492.54g、純水286.57gおよび濃度61質量%の硝酸4.78gを混合し、5分間撹拌する。ついで、撹拌しながらB成分(4官能シラン化合物)としてエチルシリケート(多摩化学(株)製:SiO濃度28.8質量%)を621.89g添加し、30分間撹拌する。このようにして、固形分濃度6.0質量%の予備液1を得る。
(第2工程)
ヘキシレングリコール(和光純薬(株)製)を1488.87g、A成分としてアセチルアセトン(和光純薬(株)製)を74.74g、C成分としてテトライソプロピルチタネート(マツモトファインケミカル(株)製:オルガチックスTA−10、TiO濃度28質量%)を426.44g混合し、5分間撹拌する。これにより、固形分濃度6.0質量%の予備液2を得る。
《透明被膜付基材の評価》
この塗布液を使用する以外は実施例1と同様にして、測定、評価した。結果を表2に示す。
[実施例16]
《透明被膜形成用の塗布液の調製》
第1工程において、平均粒子径が12nmのシリカ粒子のヘキシレングリコール分散液(SiO濃度20質量%)597.01gを用いたこと以外は実施例1と同様にして、濃度CTが6.0質量%の塗布液を調製する。
得られた塗布液における各成分の濃度、モル比等を表2に示す。
《透明被膜付基材の評価》
この塗布液を使用する以外は実施例1と同様にして、測定、評価した。結果を表2に示す。
[実施例17]
《透明被膜形成用の塗布液の調製》
第1工程において、平均粒子径が45nmのシリカ粒子のヘキシレングリコール分散液(SiO濃度20質量%)597.01gを用いたこと以外は実施例1と同様にして、濃度CTが6.0質量%の塗布液を調製する。
得られた塗布液における各成分の濃度、モル比等を表2に示す。
《透明被膜付基材の評価》
この塗布液を使用する以外は実施例1と同様にして、測定、評価した。結果を表2に示す。
[実施例18]
《透明被膜形成用の塗布液の調製》
第1工程において、平均粒子最長径が50nmで球状係数が0.5の鎖状シリカ粒子のヘキシレングリコール分散液(SiO濃度20質量%)597.01gを用いたこと以外は実施例1と同様にして、濃度CTが6.0質量%の塗布液を調製する。
得られた塗布液における各成分の濃度、モル比等を表2に示す。
《透明被膜付基材の評価》
この塗布液を使用する以外は実施例1と同様にして、測定、評価した。結果を表2に示す。
[実施例19]
《透明被膜形成用の塗布液の調製》
第1工程において、平均粒子径が12nmのシリカアルミナ粒子のヘキシレングリコール分散液(SiO・Al濃度20質量%)597.01gを用いたこと以外は実施例1と同様にして、濃度CTが6.0質量%の塗布液を調製する。
得られた塗布液における各成分の濃度、モル比等を表2に示す。
《透明被膜付基材の評価》
この塗布液を使用する以外は実施例1と同様にして、測定、評価した。結果を表2に示す。
[実施例20]
《透明被膜形成用の塗布液の調製》
第1工程において、平均粒子最長径が20nmで球状係数が0.7のチタニア粒子のヘキシレングリコール分散液(TiO濃度20質量%)597.01gを用いたこと以外は実施例1と同様にして、濃度CTが6.0質量%の塗布液を調製する。
得られた塗布液における各成分の濃度、モル比等を表2に示す。
《透明被膜付基材の評価》
この塗布液を使用する以外は実施例1と同様にして、測定、評価した。結果を表2に示す。
[実施例21]
《透明被膜形成用の塗布液の調製》
第1工程において、平均粒子最長径が20nmで球状係数が0.6のジルコニア粒子のヘキシレングリコール分散液(ZrO濃度20質量%)597.01gを用いたこと以外は実施例1と同様にして、濃度CTが6.0質量%の塗布液を調製する。
得られた塗布液における各成分の濃度、モル比等を表2に示す。
《透明被膜付基材の評価》
この塗布液を使用する以外は実施例1と同様にして、測定、評価した。結果を表2に示す。
[実施例22]
《透明被膜形成用の塗布液の調製》
第1工程において、20nm五酸化アンチモン粒子のヘキシレングリコール分散液(Sb濃度20質量%)597.01gを用いたこと以外は実施例1と同様にして、濃度CTが6.0質量%の塗布液を調製する。
得られた塗布液における各成分の濃度、モル比等を表2に示す。
《透明被膜付基材の評価》
この塗布液を使用する以外は実施例1と同様にして、測定、評価した。結果を表2に示す。
[実施例23]
《透明被膜形成用の塗布液の調製》
第1工程において、平均粒子径が8nmの二酸化スズ粒子のヘキシレングリコール分散液(SnO濃度20質量%)597.01gを用いたこと以外は実施例1と同様にして、濃度CTが6.0質量%の塗布液を調製する。
得られた塗布液における各成分の濃度、モル比等を表2に示す。
《透明被膜付基材の評価》
この塗布液を使用する以外は実施例1と同様にして、測定、評価した。結果を表2に示す。
[比較例1]
《透明被膜形成用の塗布液の調製》
以下の工程以外は、実施例1と同様にして、塗布液を調製する。
得られた塗布液における各成分の濃度、モル比等を表3に示す。
(第1工程)
ヘキシレングリコール(和光純薬(株)製)5965.52g、平均粒子径が25nmのシリカ粒子のヘキシレングリコール分散液(SiO濃度20質量%)0.25g、純水3.59gおよび濃度61質量%の硝酸0.06gを混合し、5分間撹拌する。ついで、撹拌しながらB成分(4官能シラン化合物)としてエチルシリケート(多摩化学(株)製:SiO濃度28.8質量%)を20.63g添加し、30分間撹拌する。このようにして、固形分濃度0.1質量%の予備液1を得る。
(第2工程)
ヘキシレングリコール(和光純薬(株)製)を3943.58g、A成分としてアセチルアセトン(和光純薬(株)製)を2.48g、C成分としてテトライソプロピルチタネート(マツモトファインケミカル(株)製:オルガチックスTA−10、TiO濃度28質量%)を14.14g混合し、5分間撹拌する。これにより、固形分濃度0.1質量%の予備液2を得る。
(第3工程)
撹拌しながら予備液1に予備液2を混合し、10分間撹拌した後、純水49.75を加え、5℃で144時間撹拌する。撹拌終了後、0.8μmのフィルターで濾過を行い、凝集物等を除去して濃度CTが0.1質量%の塗布液を調製する。
《透明被膜付基材の評価》
この塗布液を使用する以外は実施例1と同様にして、測定、評価した。結果を表3に示す。
[比較例2]
《透明被膜形成用の塗布液の調製》
以下の工程以外は、実施例1と同様にして、塗布液を調製する。
得られた塗布液における各成分の濃度、モル比等を表3に示す。
(第1工程)
ヘキシレングリコール(和光純薬(株)製)1687.71g、平均粒子径が25nmのシリカ粒子のヘキシレングリコール分散液(SiO濃度20質量%)6343.28g、純水841.79gおよび濃度61質量%の硝酸14.03gを混合し、5分間撹拌する。ついで、撹拌しながらB成分(4官能シラン化合物)としてエチルシリケート(多摩化学(株)製:SiO濃度28.8質量%)を466.42g添加し、30分間撹拌する。このようにして、固形分濃度15.0質量%の予備液1を得る。
(第2工程)
ヘキシレングリコール(和光純薬(株)製)を221.13g、A成分としてアセチルアセトン(和光純薬(株)製)を56.06g、C成分としてテトライソプロピルチタネート(マツモトファインケミカル(株)製:オルガチックスTA−10、TiO濃度28質量%)を319.83g混合し、5分間撹拌する。これにより、固形分濃度15.0質量%の予備液2を得る。
(第3工程)
撹拌しながら予備液1に予備液2を混合し、10分間撹拌した後、純水49.75を加え、5℃で144時間撹拌する。撹拌終了後、0.8μmのフィルターで濾過を行い、凝集物等を除去して濃度CTが15.0質量%の塗布液を調製する。
《透明被膜付基材の評価》
この塗布液を使用する以外は実施例1と同様にして、測定、評価した。結果を表3に示す。
[比較例3]
《透明被膜形成用の塗布液の調製》
第1工程において、平均粒子径が120nmのシリカ粒子のヘキシレングリコール分散液(SiO濃度20質量%)597.01gを用いたこと以外は実施例1と同様にして、濃度CTが6.0質量%の塗布液を調製する。
得られた塗布液における各成分の濃度、モル比等を表3に示す。
《透明被膜付基材の評価》
この塗布液を使用する以外は実施例1と同様にして、測定、評価した。結果を表3に示す。
[比較例4]
《透明被膜形成用の塗布液の調製》
以下の工程以外は、実施例1と同様にして、塗布液を調製する。
得られた塗布液における各成分の濃度、モル比等を表3に示す。
(第2工程)
ヘキシレングリコール(和光純薬(株)製)を1545.07g、A成分としてアセチルアセトン(和光純薬(株)製)を956.71g、C成分としてテトライソプロピルチタネート(マツモトファインケミカル(株)製:オルガチックスTA−10、TiO濃度28質量%)を682.30g混合し、5分間撹拌する。これにより、固形分濃度6.0質量%の予備液2を得る。
《透明被膜付基材の評価》
この塗布液を使用する以外は実施例1と同様にして、測定、評価した。結果を表3に示す。
[比較例5]
《透明被膜形成用の塗布液の調製》
以下の工程以外は、実施例1と同様にして、塗布液を調製する。
得られた塗布液における各成分の濃度、モル比等を表3に示す。
(第2工程)
ヘキシレングリコール(和光純薬(株)製)を2453.94g、A成分としてアセチルアセトン(和光純薬(株)製)を47.84g、C成分としてテトライソプロピルチタネート(マツモトファインケミカル(株)製:オルガチックスTA−10、TiO濃度28質量%)を682.30g混合し、5分間撹拌する。これにより、固形分濃度6.0質量%の予備液2を得る。
《透明被膜付基材の評価》
この塗布液を使用する以外は実施例1と同様にして、測定、評価した。結果を表3に示す。
[比較例6]
《透明被膜形成用の塗布液の調製》
以下の工程以外は、実施例1と同様にして、塗布液を調製する。
得られた塗布液における各成分の濃度、モル比等を表3に示す。
(第1工程)
B成分(3官能シラン化合物)としてKBM−13(信越化学工業(株)製:SiO濃度44.1質量%)953.03gおよびソルミックスAP−11(日本アルコール販売(株)製)2506.04gを混合し、30分撹拌する。ついで撹拌しながら濃度0.1質量%の硝酸762.34gを30分かけて逐次添加し、30分間撹拌する。この時のpHは2.0であった。これに撹拌しながらトリエタノールアミン(林純薬工業(株)製)6.76gを添加し、10分撹拌して固形分濃度9.9質量%の予備液1−1を調製する。この時のpHは7.1であった。
ついで、ヘキシレングリコール(和光純薬(株)製)4169.8gに撹拌しながら平均粒子径が25nmのシリカ粒子のヘキシレングリコール分散液(SiO濃度20質量%)597.01gを混合し、5分間撹拌する。これに撹拌しながら予備液1−1を添加し30分間撹拌して固形分濃度6.0質量%の予備液1を調製する。
(第2工程)
ヘキシレングリコール(和光純薬(株)製)を714.66g、A成分としてアセチルアセトン(和光純薬(株)製)を35.88g、C成分としてテトライソプロピルチタネート(マツモトファインケミカル(株)製:オルガチックスTA−10、TiO濃度28質量%)を204.69g混合し、5分間撹拌して固形分濃度6.0質量%の予備液2を調製する。
《透明被膜付基材の評価》
この塗布液を使用する以外は実施例1と同様にして、測定、評価した。結果を表3に示す。
[比較例7]
《透明被膜形成用の塗布液の調製》
以下の工程以外は、実施例1と同様にして、塗布液を調製する。
得られた塗布液における各成分の濃度、モル比等を表3に示す。
(第1工程)
B成分(3官能シラン化合物)としてKBM−13(信越化学工業(株)製:SiO濃度44.1質量%)54.15gおよびソルミックスAP−11(日本アルコール販売(株)製)142.39gを混合し、30分撹拌する。ついで撹拌しながら濃度0.1質量%の硝酸43.32gを30分かけて逐次添加し、30分間撹拌する。この時のpHは2.0であった。これに撹拌しながらトリエタノールアミン(林純薬工業(株)製)0.38gを添加し、10分撹拌して固形分濃度9.9質量%の予備液1−1を調製する。この時のpHは7.0であった。
ついで、ヘキシレングリコール(和光純薬(株)製)1550.08gに撹拌しながら平均粒子径が25nmのシリカ粒子のヘキシレングリコール分散液(SiO濃度20質量%)597.01gを混合し、5分間撹拌する。これに撹拌しながら予備液1−1を添加し30分間撹拌して固形分濃度6.0質量%の予備液1を調製する。
(第2工程)
ヘキシレングリコール(和光純薬(株)製)を5657.7g、A成分としてアセチルアセトン(和光純薬(株)製)を284.02g、C成分としてテトライソプロピルチタネート(マツモトファインケミカル(株)製:オルガチックスTA−10、TiO濃度28質量%)を1620.47g混合し、5分間撹拌して固形分濃度6.0質量%の予備液2を調製する。
《透明被膜付基材の評価》
この塗布液を使用する以外は実施例1と同様にして、測定、評価した。結果を表3に示す。
〔評価結果〕
表1および2に示すように、実施例1〜23は、本発明の塗布液を用いて製造された透明被膜付基材は、鉛筆硬度、耐擦傷性および耐クラック性に優れることがわかる。
一方、表3に示す比較例1〜7の塗布液を用いた透明被膜付基材では、硬度および耐クラック性の双方を満足させることはできない。

Claims (7)

  1. 金属アルコキシドとキレート形成可能な有機化合物(A成分)と、
    下記式(1)で表される3官能以上のシラン化合物およびその加水分解縮合物の少なくとも一方(B成分)と、
    下記式(2)で表される金属アルコキシドおよびその加水分解縮合物の少なくとも一方(C成分)と、
    平均粒子最長径が5〜80nmの金属酸化物粒子と、
    水と、
    有機溶媒を含み、
    前記A成分のモル数(M1)と前記C成分のモル数(M3)のモル比(M1/M3)が0.25以上2.0未満であり、
    前記B成分のモル数(M2)と前記C成分のモル数(M3)のモル比(M2/M3)が0.1以上9.0以下であり、
    前記金属酸化物粒子の固形分含有量は、前記金属酸化物粒子の固形分量、前記A成分の固形分量、前記B成分の固形分量、および前記C成分の固形分量の合計量に対して、1〜80質量%であることを特徴とする被膜形成用の塗布液。
    (R(4−m)Si(R (1)
    (mは3と4の少なくとも一方。Rは炭素数1から8の非置換または置換アルキル基、炭素数6から18の非置換または置換アリール基、およびビニル基のいずれかである。Rは炭素数1から8の非置換または置換アルコキシ基、炭素数6から18の非置換または置換アリールオキシ基、ビニルオキシ基、水酸基、水素原子、およびハロゲン原子のいずれかであり、同一であってもよく、異なっていてもよい。)
    M(OR (2)
    (Mは、Be、Al、Sc、Ti、V、Cr、Fe、Ni、Zn、Ga、Ge、As、Se、Y、Zr、Nb、In、Sn、Sb、Te、Hf、Ta、W、Pb、B、Bi、Ce、およびCuから選ばれる1種の元素である。Rは炭素数1から10の非置換または置換アルキル基であり、同一であってもよく、異なっていてもよい。nはMの原子価と同じ数である。)
  2. 前記B成分に由来するSiO換算固形分濃度(濃度C2)が0.005〜12質量%の範囲にあり、
    前記C成分に由来する元素Mの酸化物換算固形分濃度(濃度C3)が0.02〜14.25質量%の範囲にあり、
    前記金属酸化物粒子の固形分濃度(濃度CF)が0.001〜12質量%の範囲にあり、
    前記濃度C2と前記濃度C3と前記濃度CFの合計(濃度CT)が0.1〜15質量%の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の塗布液。
  3. 前記B成分が3官能シラン化合物およびその加水分解縮合物の少なくとも一方であり、前記B成分のモル数(M2)と前記C成分のモル数(M3)のモル比(M2/M3)が0.5〜8.0の範囲にあることを特徴とする請求項1又は2に記載の塗布液。
  4. 前記金属酸化物粒子が、シリカ、シリカアルミナ、チタニア、ジルコニア、五酸化アンチモンおよび二酸化スズから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の塗布液。
  5. 有機溶媒と、水と、式(1)で表される3官能以上のシラン化合物(B成分)と、加水分解触媒とを配合して、予備液1を調製する第1工程と、
    有機溶媒と、金属アルコキシドとキレート形成可能な有機化合物(A成分)と、式(2)で表される金属アルコキシド(C成分)とを配合して、予備液2を調製する第2工程(ただし、前記A成分の配合量は、前記C成分の元素M1モルに対し、0.25モル以上2.0モル未満の範囲である)と、
    前記予備液1と、前記予備液2と、水を配合し、5℃以上40℃以下の温度で撹拌する第3工程を含み、
    前記第1工程〜第3工程の少なくとも1つの工程で金属酸化物粒子が配合されることを特徴とする塗布液の製造方法。
    (R(4−m)Si(R (1)
    (mは3と4の少なくとも一方。Rは炭素数1から8の非置換または置換アルキル基、炭素数6から18の非置換または置換アリール基、およびビニル基のいずれかである。Rは炭素数1から8の非置換または置換アルコキシ基、炭素数6から18の非置換または置換アリールオキシ基、ビニルオキシ基、水酸基、水素原子、およびハロゲン原子のいずれかであり、同一であってもよく、異なっていてもよい。)
    M(OR (2)
    (Mは、Be、Al、Sc、Ti、V、Cr、Fe、Ni、Zn、Ga、Ge、As、Se、Y、Zr、Nb、In、Sn、Sb、Te、Hf、Ta、W、Pb、B、Bi、Ce、およびCuから選ばれる1種の元素であり、Rは炭素数1から10の非置換または置換アルキル基である。nはMの原子価と同じ数である。)
  6. 前記金属酸化物粒子の配合量は、前記金属酸化物粒子の固形分量、前記A成分の固形分量、前記B成分の固形分量、および前記C成分の固形分量の合計量に対して、1〜80質量%であることを特徴とする請求項5記載の塗布液の製造方法。
  7. 請求項1〜4のいずれかに記載の塗布液を基材に塗布する塗布工程と、
    前記塗布工程の後で、前記基材上の前記塗布液を乾燥させて塗布膜を形成する乾燥工程と、
    前記塗布膜を硬化させて被膜を形成する硬化工程を備えることを特徴とする被膜付基材の製造方法。
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