JP6703425B2 - プラズマ処理方法及びプラズマ処理装置 - Google Patents

プラズマ処理方法及びプラズマ処理装置 Download PDF

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Description

本発明は、被処理物に対し、例えば、表面改質等をプラズマにより行うプラズマ処理を所定の処理条件に応じて実行制御するプラズマ処理方法及びプラズマ処理装置に関する。
例えば、特許文献1には、従来のプラズマ処理装置の一例が開示されている。特許文献1の場合、真空容器(チャンバー)と、真空容器に隣設したプラズマ発生空間に第一のガスを導入し、該第一のガスに電気エネルギーを供給してプラズマを発生させるプラズマ発生機構を有している。
特開2000−164580号公報 特開2001−26887号公報
しかしながら、従来のプラズマ処理加工装置の場合、上記プラズマ発生機構により、外部で発生させたプラズマをチャンバーに導入しているため、プラズマ照射量や照射時間を可変してプラズマ加工を行えるものの、処理可能内容が一定の範囲に限定されていた。このため、従来、例えば、スパッタクリーニング、イオン注入、成膜処理等の基本的処理内容が異なる処理仕様に応じたプラズマ処理加工装置を必要とし、また、同一の被処理物を処理仕様別に移動させる必要があり、設備コストや処理コストが高くなるという問題があった。
本発明の目的は、種々の処理仕様に応じたプラズマ処理を一つのチャンバー内で行うことができるプラズマ処理方法およびプラズマ処理装置を提供することである。
本発明の第1の形態は、
被処理物を設置可能な処理室と、
処理室内を排気して高真空化する高真空化手段と、
高真空化された処理室内に所定の気体を導入する気体導入手段と、
高周波電源と、
高電圧パルス発生源と、
前記処理室内に設置された被処理物と導通接続された導体を介して前記高周波電源の高周波出力と前記高電圧パルス発生源により発生された高電圧パルスとを重畳して被処理物に印加する印加手段と、
少なくとも前記高周波出力および/または前記高電圧パルスの印加態様を含むプラズマ処理条件を入力する入力手段と、
入力されたプラズマ処理条件を記憶する記憶手段と、
前記気体導入手段による前記処理室内への気体導入をした後、所定の処理時間の間、前記印加態様に応じて前記印加手段による印加制御を行う印加制御手段と、を設け、
前記記憶手段に記憶された印加態様に基づいて前記印加制御手段による前記高周波出力および前記高電圧パルスの印加制御を行って、前記処理室内に設置された被処理物に対するプラズマ処理の実行制御を行うことを特徴とするプラズマ処理方法である。
本発明の第2の形態は、
前記記憶手段は下記の印加要素(a)、(b)、(c)および前記処理時間のうち1または2以上を記憶可能であるプラズマ処理方法である。
(a)前記高周波出力を印加する出力幅、
(b)前記高周波出力の印加開始を経て前記高電圧パルスを印加する高電圧パルスの印加時期、
(c)(a)と(b)による前記高周波出力および前記高電圧パルスの印加を1単位として繰り返し実行するための繰返し周波数または該1単位の周期
本発明の第3の形態は、前記プラズマ処理条件には、前記気体導入手段により前記処理室内に導入される1種または2種以上の気体の種別および/または該気体の導入圧力による気体導入態様が含まれ、前記記憶手段に記憶された気体導入態様に基づいて前記気体導入を実行制御してから前記印加態様に基づく印加制御を行って前記被処理物に対するプラズマ処理の実行制御を行うプラズマ処理方法である。
本発明の第4の形態は、
前記印加要素(a)、(b)、(c)はそれぞれ、下記の入力可能範囲
(a):5〜300μs、
(b):0〜2000μs、
(c):1〜5000pps、
において入力可能にしたプラズマ処理方法である。
本発明の第5の形態は、前記印加態様の印加要素として、前記高周波電源の電力を100〜3000Wの入力可能範囲で入力可能にしたプラズマ処理方法である。
本発明の第6の形態は、前記印加態様の印加要素として、前記高電圧パルス発生源の高圧パルス電圧を1〜30kVの入力可能範囲で入力可能にしたプラズマ処理方法である。
本発明の第7の形態は、前記記憶手段は2以上の同種または異種の印加態様を印加制御の実行順序別に記憶可能であり、前記印加制御手段は前記実行順序別に、前記記憶手段に記憶した印加態様に応じた印加制御を行うプラズマ処理方法である。
本発明の第8の形態は、少なくとも前記記憶手段に異なる第1印加態様と第2印加態様を実行順序別に記憶させてプラズマ処理を実行した場合に、前記第1印加態様による印加制御により被処理物の表面改質を行った後、前記第2印加態様による印加制御により該被処理物に対して前記気体に含有された成分の堆積処理またはイオン注入処理を行うプラズマ処理方法である。
本発明の第9の形態は、
被処理物を設置可能な処理室と、
処理室内を排気して高真空化する高真空化手段と、
高真空化された処理室内に所定の気体を導入する気体導入手段と、
高周波電源と、
高電圧パルス発生源と、
前記処理室内に設置された被処理物と導通接続された導体を介して前記高周波電源の高周波出力と前記高電圧パルス発生源により発生された高電圧パルスとを重畳して被処理物に印加する印加手段と、
少なくとも前記高周波出力および/または前記高電圧パルスの印加態様を含むプラズマ処理条件を入力する入力手段と、
入力されたプラズマ処理条件を記憶する記憶手段と、
前記気体導入手段による前記処理室内への気体導入をした後、所定の処理時間の間、前記印加態様に応じて前記印加手段による印加制御を行う印加制御手段と、を有し、
前記記憶手段に記憶された印加態様に基づいて前記印加制御手段による前記高周波出力および前記高電圧パルスの印加制御を行って、前記処理室内に設置された被処理物に対するプラズマ処理の実行制御を行うことを特徴とするプラズマ処理装置である。
本発明の第10の形態は、
前記記憶手段は下記の印加要素(a)、(b)、(c)および前記処理時間のうち1または2以上を記憶可能であるプラズマ処理装置である。
(a)前記高周波出力を印加する出力幅、
(b)前記高周波出力の印加開始を経て前記高電圧パルスを印加する高電圧パルスの印加時期、
(c)(a)と(b)による前記高周波出力および前記高電圧パルスの印加を1単位として繰り返し実行するための繰返し周波数または該1単位の周期
本発明の第11の形態は、前記プラズマ処理条件には、前記気体導入手段により前記処理室内に導入される1種または2種以上の気体の種別および/または該気体の導入圧力による気体導入態様が含まれ、
前記記憶手段に記憶された気体導入態様に基づいて前記気体導入を実行制御してから前記印加態様に基づく印加制御を行って前記被処理物に対するプラズマ処理の実行制御を行うプラズマ処理装置である。
本発明の第12の形態は、
前記印加要素(a)、(b)、(c)はそれぞれ、下記の入力可能範囲
(a):5〜300μs、
(b):0〜2000μs、
(c):1〜5000pps、
において入力可能にしたプラズマ処理装置である。
本発明の第13の形態は、前記印加態様の印加要素として、前記高周波電源の電力を100〜3000Wの入力可能範囲で入力可能にしたプラズマ処理装置である。
本発明の第14の形態は、前記印加態様の印加要素として、前記高電圧パルス発生源の高圧パルス電圧を1〜30kVの入力可能範囲で入力可能にしたプラズマ処理装置である。
本発明の第15の形態は、前記記憶手段は2以上の同種または異種の印加態様を印加制御の実行順序別に記憶可能であり、前記印加制御手段は前記実行順序別に、前記記憶手段に記憶した印加態様に応じた印加制御を行うプラズマ処理装置である。
特許文献2にはチャンバー内に設置された被処理物と導通接続された導体を介して高周波出力と高電圧パルスとを重畳して被処理物に印加することによってプラズマを発生させるプラズマ発生技術が開示されている。本発明は、係るプラズマ発生技術に基づいて、例えば、スパッタクリーニング、イオン注入、成膜処理等の基本的処理内容に応じて高周波出力および/または高電圧パルスの印加態様を設定することにより種々の処理仕様によるプラズマ処理を行える点に着目してなされた発明である。
本発明の第1の形態によれば、
前記印加手段により、前記処理室内に設置された被処理物と導通接続された導体を介し
て前記高周波電源の高周波出力と前記高電圧パルス発生源により発生された高電圧パルスとを重畳して被処理物に印加し、前記入力手段により、少なくとも前記高周波出力および/または前記高電圧パルスの印加態様を含むプラズマ処理条件を入力して前記記憶手段に記憶させて、
前記印加制御手段により、前記気体導入手段による前記処理室内への気体導入をした後、所定の処理時間の間、前記印加態様に応じて前記印加手段による印加制御を行い、
前記記憶手段に記憶された印加態様に基づいて前記印加制御手段による前記高周波出力および前記高電圧パルスの印加制御を行って、前記処理室内に設置された被処理物に対するプラズマ処理の実行制御を行うので、所望の印加態様を前記記憶手段に記憶、設定することにより、上記の種々の処理仕様に応じたプラズマ処理を実行制御することができる。したがって、各種処理仕様に対応したプラズマ処理加工装置を用いることなく、一台のプラズマ処理装置により広範囲のプラズマ処理を行え、設備コストや処理コストを大幅に削減することができる。
本発明の第2の形態によれば、印加要素(a)の出力幅、同(b)の印加時期、同(c)の周期および前記処理時間のうち1または2以上を記憶、設定することができるので、所望の処理仕様を広範囲に設定して一台のプラズマ処理装置を稼働することにより種々のプラズマ処理を低コストで実行することができる。
本発明の第3の形態によれば、印加態様に加え、気体導入態様を記憶、設定することによって、多様なプラズマ処理を低コストで実行制御することができる。
本発明の第4の形態によれば、印加要素(a)、(b)、(c)はそれぞれ、下記の入力可能範囲
(a):5〜300μs、
(b):0〜2000μs、
(c):1〜5000pps、
において入力可能にしたので、広い制御範囲で印加態様を設定可能にして、プラズマ処理の実行可能領域の多様化を図ることができる。
本発明の第5の形態によれば、印加態様の印加要素として、高周波電源の電力を100〜3000Wの入力可能範囲で入力可能にすることにより、高周波出力の設定バリエーションを多様化でき、種々のプラズマ処理を低コストで実行することができる。
本発明の第6の形態によれば、印加態様の印加要素として、高圧パルス電圧を1〜30kVの入力可能範囲で入力可能にすることにより、高電圧パルスの設定バリエーションを多様化でき、種々のプラズマ処理を低コストで実行することができる。
本発明の第7の形態によれば、記憶手段に2以上の同種または異種の印加態様を印加制御の実行順序別に記憶、設定し、印加制御手段により該実行順序別に、該記憶手段に記憶した印加態様に応じた印加制御を行えるので、単一種のプラズマ処理のみならず、処理室内に設置した被処理物に対する異なるプラズマ処理を、記憶、設定した実行順序で実行制御して低コストで実行することができる。
本発明の第8の形態によれば、少なくとも異なる第1印加態様と第2印加態様を実行順序別に記憶手段に記憶させてプラズマ処理を実行した場合に、第1印加態様による印加制御により被処理物の表面改質を行った後、第2印加態様による印加制御により該被処理物に対して導入気体に含有された成分の堆積処理またはイオン注入処理を行えるので、表面改質と、堆積処理(またはイオン注入処理)とを別々のプラズマ処理装置で行うことなく、被処理物を処理室内に設置したまま行うことができ、設備コストはもとより、各処理工
程に必要な作業時間や処理時間等の処理コストを大幅に削減することができる。
本発明の第9の形態によれば、
前記印加手段により、前記処理室内に設置された被処理物と導通接続された導体を介して前記高周波電源の高周波出力と前記高電圧パルス発生源により発生された高電圧パルスとを重畳して被処理物に印加し、前記入力手段により、少なくとも前記高周波出力および/または前記高電圧パルスの印加態様を含むプラズマ処理条件を入力して前記記憶手段に記憶させて、
前記印加制御手段により、前記気体導入手段による前記処理室内への気体導入をした後、所定の処理時間の間、前記印加態様に応じて前記印加手段による印加制御を行い、
前記記憶手段に記憶された印加態様に基づいて前記印加制御手段による前記高周波出力および前記高電圧パルスの印加制御を行って、前記処理室内に設置された被処理物に対するプラズマ処理の実行制御を行うので、所望の印加態様を前記記憶手段に記憶、設定することにより、上記の種々の処理仕様に応じたプラズマ処理を実行制御することができる。したがって、各種処理仕様に対応したプラズマ処理加工装置を用いることなく、一台により広範囲のプラズマ処理を行え、設備コストや処理コストを大幅削減を可能にするプラズマ処理装置を実現することができる。
本発明の第10の形態によれば、印加要素(a)の出力幅、同(b)の印加時期、同(c)の周期および前記処理時間のうち1または2以上を記憶、設定することができるので、所望の処理仕様を広範囲に設定して一台のプラズマ処理装置を稼働することにより種々のプラズマ処理を低コストで実行可能にしたプラズマ処理装置を実現することができる。
本発明の第11の形態によれば、印加態様に加え、気体導入態様を記憶、設定することによって、多様なプラズマ処理を低コストで実行制御可能なプラズマ処理装置を実現することができる。
本発明の第12の形態によれば、印加要素(a)、(b)、(c)はそれぞれ、下記の入力可能範囲
(a):5〜300μs、
(b):0〜2000μs、
(c):1〜5000pps、
において入力可能にしたので、広い制御範囲で印加態様を設定可能にして、プラズマ処理の実行可能領域の多様化を図ることのできるプラズマ処理装置を実現することができる。
本発明の第13の形態によれば、印加態様の印加要素として、高周波電源の電力を100〜3000Wの入力可能範囲で入力可能にすることにより、高周波出力の設定バリエーションを多様化でき、種々のプラズマ処理を低コストで実行可能にしたプラズマ処理装置を実現することができる。
本発明の第14の形態によれば、印加態様の印加要素として、高圧パルス電圧を1〜30kVの入力可能範囲で入力可能にすることにより、高電圧パルスの設定バリエーションを多様化でき、種々のプラズマ処理を低コストで実行可能にしたプラズマ処理装置を実現することができる。
本発明の第15の形態によれば、記憶手段に2以上の同種または異種の印加態様を印加制御の実行順序別に記憶、設定し、印加制御手段により該実行順序別に、該記憶手段に記憶した印加態様に応じた印加制御を行えるので、単一種のプラズマ処理のみならず、処理室内に設置した被処理物に対する異なるプラズマ処理を、記憶、設定した実行順序で実行制御して低コストで実行可能なプラズマ処理装置を実現することができる。
本発明の一実施形態に係るプラズマ処理装置の真空排気系の概略構成図である。 前記プラズマ処理装置のガス導入系の概略構成図である。 前記プラズマ処理装置の制御部20のブロック図である。 前記プラズマ処理装置に用いる重畳装置4の回路図である。 制御部20によるプラズマ処理条件の入力設定処理を示すフローチャートである。 制御部20による高真空化処理を示すフローチャートである。 制御部20によるプラズマ処理を示すフローチャートである。 制御部20によるガス導入処理を示すフローチャートである。 印加制御のための初期設定処理を示すフローチャートである。 高周波・高圧パルス印加処理を実行制御する、制御部20の印加処理部の概略構成を示す図である。 該印加処理部による印加制御処理を示すタイミングチャートである。 高周波・高圧パルス印加処理を示すフローチャートである。 高周波・高圧パルス印加処理のオンオフ処理の詳細を示すフローチャートである。 図13に続くフローチャートである。 プラズマ処理の実行処理例を模式的に示す図である。 タッチパネル27のパネル表示例を示す図である。 高周波・高圧パルス印加波形の実測波形例を示す波形図である。 一実施例のDLC成膜パラメータ設定レシピを示す表である。 他の実施例のパラメータ設定レシピを示す表である。
以下、本発明の一実施形態に係るプラズマ処理装置を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本実施形態に係るプラズマ処理装置の真空排気系の概略構成を示す。図2は同プラズマ処理装置のガス導入系の概略構成図を示す。
本実施形態に係るプラズマ処理装置は、プラズマ処理を行う被処理物(以下、ワークWという。)を設置可能な処理室(以下、チャンバーという。)1と、処理室内を排気して高真空化する高真空化手段と、高真空化された処理室1内に所定の気体を導入する気体導入手段と、を有する。
図1に示すように、高真空排気経路として排気管路D1〜D7がチャンバー1外側に配設されている。排気管路D1はチャンバー1と連通し、排気管路D2、D3に分岐接続している。最終の排気管路D5には、油回転真空ポンプ(以下、ロータリーポンプという。)RPが設置されている。排気管路D4とD5の間には、メカニカルブースターポンプMBPが設置されている。ロータリーポンプRPおよびメカニカルブースターポンプMBPは予備排気用ポンプであり、超高真空に至る前段階での高真空引きに供される。ロータリーポンプRPおよびメカニカルブースターポンプMBPは、到達圧力がそれぞれ、約0.7Pa、4×10-1Paである排気能力を有している。
排気管路D3の一端側はターボ分子ポンプTMPの吸気側に接続されている。排気管路D4の排気側は排気管路5と排気管路7に分岐している。ターボ分子ポンプTMPの排気側は、排気管路D7に接続されている。排気管路D4の排気側はメカニカルブースターポ
ンプMBP吸気側経路になっている。排気管路D2と排気管路D4の間には、ラフバルブRVが設けられている。ターボ分子ポンプTMPは超高真空形成用ポンプであり、到達圧力が約1×10-7Paである排気能力を有している。
排気経路の開閉を行うためのメインバルブMV、ラフバルブRV、フォアバルブFVが各排気経路に設けられている。ラフバルブRVは排気管路D4においてメカニカルブースターポンプMBPの吸気側に設置されている。フォアバルブFVは排気管路D7に設置されている。メインバルブMVは排気管路D3に設置されている。排気管路D2、D3の分岐点とチャンバー1の間の排気管路D1にコンダクタンスバルブCVが設置されている。コンダクタンスバルブCVは、ターボ分子ポンプTMPの吸気側に設けられ、管路開度を0〜100%調整可能なコンダクタンス可変バルブである。
高真空度を計測するための真空計IG、PGがそれぞれ、排気管路D1に設けられている。真空計IGは電離真空計であり、その計測範囲は1.3×10-5Pa〜6.7×10-1Paである。真空計PGはピラニ真空計であり、その計測範囲は4.0×10-1Pa〜2.7×103Paである。排気管路D1には、ダイヤフラム圧力計DGが設置されている。ダイヤフラム圧力計DGの計測範囲は0.1Pa〜10MPaである。排気管路D7には、ターボ分子ポンプTMPの排気側とフォアバルブFVとの間にサーモカップル真空計TCが設置されている。サーモカップル真空計TCは、粗引き時の圧力計測に使用される。
図1の真空排気系において、高真空化手段を3種の排気ポンプ(ロータリーポンプRP、メカニカルブースターポンプMBPおよびターボ分子ポンプTMP)により構成して、ロータリーポンプRP、メカニカルブースターポンプMBPおよびターボ分子ポンプTMPを順次駆動することによりチャンバー1内を超高真空状態にすることができる。
チャンバー1には、真空状態を常圧状態に戻すためのドレイン管路D6が設けられている。ドレイン管路D6の開閉を行うためのリークバルブSV1が設けられている。ベント処理等を行う場合、リークバルブSV1の開成によりチャンバー1内はドレイン管路D6を介して常圧状態になる。
図2に示すように、チャンバー1にはプラズマ処理に使用する各種気体を導入する導入経路7が接続されている。本実施形態においては、ダイヤモンドライクカーボン(以下、DLCという。)の成膜処理を一実施例とし、6種の気体(処理ガス:アルゴンAr、水素H2、メタンCH4、アセチレンC22、ヘキサメチルジシロキサンHMDSO、トルエンC65CH3)を導入可能にしている。6種の処理ガスはそれぞれ、ガス供給源14〜19から供給可能になっている。ガス供給源としてはボンベ収容のガス貯留態様に限らず、例えば、水素発生装置などのガス発生態様を使用することができる。ガス供給源14〜19からの供給ガスはそれぞれ、個別のガス供給路8〜13を通じて導入経路7に供給され、導入経路7を介してチャンバー1内に導入される。
ガス供給路8〜13には、各ガス供給路の開閉を行うための電磁開閉バルブV1〜V6が設けられている。導入経路7にはチャンバー1とガス供給路との間に電磁開閉バルブV7が設置されている。
図2の気体導入系において、気体導入手段をガス供給源14〜19と、導入経路7およびガス供給路8〜13により構成して、電磁開閉バルブV1〜V7の開閉により、チャンバー1内に単一種気体または混合気体を導入することができる。チャンバー1と各電磁開閉バルブへの経路途中には、導入ガス量を検出して計測信号を出力可能なガス流量計FMが設置されている。
本実施形態に係るプラズマ処理装置は、図2に示すように、プラズマ発生用電源部として、高周波電源としての高周波発生装置(以下、RF電源という。)2と、高電圧発生源としての高電圧パルス発生装置3を有し、さらに、該電源部の電気エネルギーをチャンバー1内のワークWに印加するために、RF電源2の高周波出力と高電圧パルス発生装置3の発生高電圧パルスとを重畳する重畳装置4と、重畳装置4の重畳出力を、フィードスルー(高電圧導入部)5を介してチャンバー1内に配設した導体6に供給して、導体6に導通接続されたワークWに印加する印加手段を備えている。
図3は本実施形態に係るプラズマ処理装置に設けた制御部20の概略構成を示す。
本実施形態に係るプラズマ処理装置は、制御系として、プラズマ処理条件を入力するための入力手段と、入力されたプラズマ処理条件に基づきプラズマ処理を実行制御する制御部20と、重畳装置4を含むプラズマ発生制御用通電制御回路部31とを有する。制御部20は、CPU21、プラズマ処理制御プログラムを記憶するROM22及びワーキングメモリのRAM23からなるマイクロプロセッサにより構成されている。制御部20はプログラマブルロジックデバイス(PLD)を用いて構成することができる。RF電源2と高電圧パルス発生装置3は、中継基板24を介して制御部20に接続されている。プラズマ発生制御用通電制御回路部31には、重畳装置4を介して導体6に供給する出力電流を検出し、出力電流が所定レベル以下であることを示す検出信号を制御部20に出力する出力電流検出回路(図示せず)が含まれている。該検出信号を受信した場合、制御部20はプラズマ発生異常であると判断して、運転停止のエラー処理を実行する。制御部20は、プラズマ処理制御プログラムの実行によりRF電源2のRF出力制御および高電圧パルス発生装置3の高電圧パルス発生制御を行う。
図4は重畳装置4の回路構成の一例を示す。ワークWと導通接続された導体6は、RF電源2の高周波出力(RF出力)と高電圧パルス発生装置3の高電圧パルスの各印加に共用され、RF出力と高電圧パルスと重畳装置4を介してワークWに印加可能になっている。
重畳装置4は、ワークWと高電圧パルス発生装置3との間を結合すると共に、高電圧パルス発生装置3とRF電源2との間の相互干渉を阻止する結合・相互干渉阻止回路部4aと、RF電源2とワークWとのインピーダンスを整合する整合回路部4bとを有している。
結合・相互干渉阻止回路部4aは、高電圧パルスによりアーク放電を生じさせ、回路を導通するためのギャップG、RF電源2からのRF出力が高電圧パルス発生装置3に影響するのを阻止するためのダイオードD及びコイルL1、高電圧パルスがRF電源2に影響しないようにするための抵抗R、保護ギャップgを有する。ギャップGはパルス印加電圧が低い場合は、短絡して使用することがある。また、ギャップGに抵抗を並列接続することによりパルス印加電圧を低減することができる。結合・相互干渉回路部4aは、ダイオードDのカソードが高電圧パルス発生装置3の出力側に接続されている。また、抵抗Rの非接地側端は同軸ケーブル4dによってRF電源2に接続されている。
整合回路部4bは共振用の可変コンデンサC1およびコイルL2と、インピーダンス変換用のコンデンサC2とにより構成されている。コンデンサC2は抵抗Rに並列接続されているので、非接地側端が同軸ケーブル4dにより、RF電源2に接続されている。可変コンデンサC1のギャップG側の端子は、フィールドスルー5および導体6側のギャップG形成導体4cに接続されている。
入力手段は、液晶タッチパネル27と、タッチパネル27による入力情報を取得して制御部20に与えるタッチパネル制御部28と、タッチパネル操作表示等の各種表示を行う表示パネル30と、制御部20およびタッチパネル制御部28からの指示情報に基づき表示パネル30の表示駆動制御を行う表示パネル制御部29とを有する。入力手段によって入力され得るプラズマ処理条件には、少なくとも高周波出力および/または高電圧パルスの印加態様が含まれている。本発明においては、入力デバイスに液晶タッチパネルに限定されず、キーボードやボタンスイッチによるキー入力手段等を使用することができる。
制御部20の駆動電源はプラズマ処理装置の適所に設置された電源スイッチ25をオンすることにより駆動電源装置26から供給される。駆動電源装置26はタッチパネル27および表示パネル30の駆動電源も供給しているが、図3においてはその供給ルートを省いている。RF電源2と高電圧パルス発生装置3は、それぞれ固有の駆動電源回路を内蔵している。
制御部20は、ロータリーポンプRP、メカニカルブースターポンプMBPおよびターボ分子ポンプTMPの各駆動制御を行うための制御信号S1〜S3と、メインバルブMV、ラフバルブRV、フォアバルブFV、コンダクタンスバルブCVおよびリークバルブSV1のそれぞれを開閉駆動するための開閉指示信号S7、S4、S5、S6、S8、電磁開閉バルブV1〜V7のそれぞれを開閉駆動するための開閉指示信号S14〜S20とをプラズマ処理制御プログラムの実行に伴って出力する。制御部20には、ガス流量計FMの計測信号S21、真空計IGおよび真空計PGによる真空度の計測信号S9、S10、およびコンダクタンスバルブCVの管路開度信号S12が入力可能になっている。また、ダイヤフラム圧力計DGの計測信号S11およびサーモカップル真空計TCの計測信号S13も入力可能になっている。
制御部20は、チャンバー1内に処理ガスを導入した状態で、所定の処理時間の間、入力情報の印加態様に応じて上記印加手段による印加制御を行う印加制御手段を構成している。RAM23は入力されたプラズマ処理条件を記憶する記憶手段を構成している。
入力設定可能なプラズマ処理条件には、高周波出力および/または高電圧パルスの印加態様の他に、RF電源2の電力値、高電圧パルス発生装置3による発生高圧パルスのパルス波高値が含まれている。また、プラズマ処理条件として、処理ガスの種別および/または該処理ガスのの導入圧力による気体導入態様を設定することができる。プラズマ処理条件の設定は単一の処理ステップずつ行え、最大20段階の処理ステップまで設定可能になっている。勿論、本発明においては1つの処理ステップだけでのプラズマ処理も実行可能になっている。処理ステップ毎に設定されたプラズマ処理条件データはRAM23に設けた設定パラメータファイルに保存可能になっている。
図16はタッチパネル27のパネル表示例を示す。同図(16A)は自動成膜時に表示される画面表示例である。設定パラメータファイルに保存されているプラズマ処理条件の設定データを読み出したときに、(16A)に示す画面表示により該データが表示される。この画面表示上で自動運転を開始、一時停止、終了を指示入力することができる。なお、図16中の数値はモデル値で示されている。
(16A)に示す画面表示において、16aは成膜運転状態を報知する表示領域である。表示領域16aは自動運転の開始から終了までの運転状況を表示する。16bはプラズマ処理条件の各種設定パラメータを報知する表示領域である。表示領域16bの上段には、処理ステップ番号別の設定パラメータが表示される。「前後ボタン」をタッチ入力(以下、単に押下という。)することにより処理ステップ番号(1〜20)を切り替えることができる。表示領域16bには、高周波出力と高電圧パルスの印加態様を表示する印加態
様データ表示領域16c、16dと、処理ガス別の気体導入態様を表示する気体導入態様データ表示領域16eが含まれている。
(16A)の画面表示においては、上記表示領域の他に、設定パラメータファイルの保存先を表示する表示領域16f、自動運転の開始、強制終了を指示入力できる押下ボタンを表示する表示領域16g、自動運転ないし設定エラーを表示する表示領域16h、真空排気開始からプラズマ処理の終了までの経過時間を表示する表示領域16iなどが設けられている。
図16の(16B)は自動運転による成膜パラメータ(プラズマ処理条件)の設定登録を行うときに表示される画面表示例である。(16B)の画面表示において、表示領域16jは、保存されている既存の設定データの読込または設定パラメータファイルへの設定データの登録を指示入力できる押下ボタンを表示する表示領域である。表示領域16kは、成膜パラメータを処理ステップ別に設定するためのページ切替ボタンを表示する表示領域である。切替ボタンによる切替可能ページ数は、処理ステップ1〜5、6〜10、11〜15、16〜20の4種類であり、(16B)の表示画面で5個の処理ステップずつ切替可能になっている。
表示領域16kは、電源モードあるいは終了時モードを指示入力できるモード設定ボタンを表示する表示領域である。「電源モード」を選択指示することにより、高電圧パルスの印加してからRF出力を印加する印加順序での印加制御が実行可能になり、「電源モード」を選択しない場合には、「電源モード」と逆に、RF出力を印加してから高電圧パルスを印加する印加順序での印加制御が実行可能になる。設定可能な終了時モードには、プラズマ処理後動作として終了処理が実行される終業モード、プラズマ処理後動作としてベント処理が実行されるベントモードがあり、終業モードまたはベントモードのオン操作によりいずれかのモードが設定可能になっている。プラズマ処理の終了時に終業モードまたはベントモードのいずれも実行したくない場合、表示領域16kにおける「冷却時間」の設定を行うことができる。「冷却時間」を設定した場合には、プラズマ処理の終了後、設定時間の間、真空排気処理が実行されワーク冷却処理が実行可能になっている。
表示領域16mは、プラズマ処理条件を設定するための表示領域である。表示領域16mには、印加態様の設定が可能な印加態様データ設定領域16nと、処理ガス別の気体導入態様の設定が可能な気体導入態様データ設定領域16oと、運転条件の設定が可能な運転条件設定領域16pとが含まれている。各設定領域の数値領域を押下操作することにより、初期値から順番に最小桁から順番に大きい数値に歩進させることができ、数値領域近傍の左横のボタンを押下することにより数値を減少させることができる。
処理時間データは初期値が「0」として表示され、処理時間データの入力操作のない場合、あるいは「0」を設定した処理ステップは実行制御されないパスステップとなる。成膜パラメータを入力した後、表示領域16jの「登録ボタン」を押下すると、プラズマ処理条件を登録することができる。
印加態様として処理ステップ毎に設定可能な主要な印加要素には下記の(a)、(b)、(c)および処理時間(分、秒)が含まれている。印加態様の詳細については後述の図11により説明する。
(a)RF出力を印加する出力幅Tr(μs)、
(b)RF出力の印加開始を経て高電圧パルスを印加する高電圧パルスの印加時期T2、(c)(a)と(b)によるRF出力および高電圧パルスの印加を1単位として繰り返し実行するための繰返し周波数F(pps)。周波数Fデータはこれに基づいて演算して求められる該1単位の周期を得るために使用される。これらの印加要素の他に、高電圧パル
スの出力電圧値(kV)、RF電源の入射電力値(W)、高電圧パルスのパルス幅Tp(μs)が設定可能になっている。なお、本発明においては、これらの印加要素の一部を固定して、残りの印加要素を設定可能パラーメータにしてもよい。
本発明においては、上記複数の印加要素をすべて可変設定する場合に限らず、プラズマ処理の多様化を図るうえで、印加要素(a)、(b)、(c)および処理時間のうち1または2以上を可変設定可能にすることができる。
印加要素(a)、(b)、(c)はそれぞれ、下記の広範囲の入力可能範囲
(a):5〜300μs、
(b):0〜2000μs、
(c):1〜5000pps、
において入力、設定可能になっている。
RF電源の入射電力値は100〜3000Wの入力可能範囲で入力、設定可能であり、高電圧パルスの出力電圧値は1〜30kVの入力可能範囲で入力、設定可能である。処理ステップ毎に設定可能な気体導入態様データは、処理ガス別のガス流量(sccm)である。
処理ステップ毎に設定可能な運転条件データは、チャンバー1内の制御圧力、チャンバー1内に設けたアーク放電異常検出器(図示せず)によるアーキング検出回数の上限値、プラズマ発生制御用通電制御回路部31の出力電流検出機能によるプラズマ発生異常判断基準となる出力電流の下限値などである。プラズマ処理を実行するときのチャンバー1内の圧力(Pa)も1処理条件として設定可能になっている。ガス導入前のチャンバー内の真空度は1.33×10-3Paにあらかじめ設定されている。ガス導入前のチャンバー内の真空度も1処理条件として設定可能にしてもよい。
図18の(18A)は一実施例のDLC成膜に使用する成膜パラメータの設定レシピを示す。この実施例では、5段階の処理ステップ1〜5が設定されている。(18A)は、設定パルスタイミング(繰返し周波数F、RF幅Tr、パルス遅れT2、パルス幅Tp)により実行されるプラズマ処理の処理時間、ガス種、ガス流量、繰返し周波数F、RF幅Tr、パルス遅れT2、パルス幅Tp、RF入射電力、ガス導入時のチャンバー内圧力、高圧パルス電圧のパラメータに関する設定レシピである。
処理ステップ1〜5に関して、それぞれ、処理ガスとして、Ar+H2、H2+HMDSO、HMDSO+C22、HMDSO+CH4+C65CH3、C22+C65CH3の混合ガスが導入される。この設定レシピによれば、処理ステップ1、2においてスパッタクリーニングの前処理が行われ、ついで処理ステップ3、4においてイオン注入処理が行われ、最後に処理ステップ5において堆積処理が行われるという、異なるプラズマ処理加工の連続処理を行うことができる。
同図(18B)は、(18A)の設定レシピに基づいて実施されたDLC成膜検証実験における実測値である。(18B)に示すように、真空計PGの測定圧力は設定したチャンバー内圧力にほぼ一致するオーダーの値であり、アーキング回数も「0」で、円滑に設定成膜パラメータによるプラズマ処理が実行されたことがわかる。(18B)には、コンダクタンスバルブCVの開閉率、RF反射電力、高圧パルス電流、アーキング回数の実測データも示している。
図5は制御部20によるプラズマ処理条件の入力設定処理を示す。
ステップS40において、図16の(16B)のプラズマ処理条件の設定登録画面による登録有無が判断される。「登録ボタン」の押下により、登録ありと判断して、ステップS41〜ステップS44において、各処理ステップm(m:1〜20)についての処理ガスの導入条件、高周波印加条件、高電圧パルス印加条件の各入力データが設定パラメータデータファイルに記憶、設定される。
(16A)の自動成膜画面において、表示領域16gの「開始ボタン」を押下することにより、設定条件に応じてチャンバー1の高真空化処理およびプラズマ処理が実行可能になる。
図6はプラズマ処理の実行に先立って実行される高真空化処理を示す。
最初に、3種の真空排気用排気ポンプ(ロータリーポンプRP、メカニカルブースターポンプMBPおよびターボ分子ポンプTMP)の始動処理が行われる(ステップS51)。該始動処理においては、ポンプ起動やポンプ予熱処理等が行われる。ついで、ラフバルブRVを駆動して、粗引きポンプ(ロータリーポンプRP、メカニカルブースターポンプMBP)の排気経路が開成され、チャンバー1の粗引き真空排気が行われる(ステップS52)。真空計PGによる真空度計測により粗引き真空度が10Pa以下になったか否かを判断し(ステップS53)、粗引き真空度に到達した場合には高真空排気処理に移る(ステップS54)。
高真空排気処理の実行に際しては、ラフバルブRVを閉成駆動し、かつメインバルブMV、フォアバルブFV等の真空排気系を開成駆動して、ターボ分子ポンプTMPによる排気が行われる(ステップS54)。ターボ分子ポンプTMPによる排気で得られる超高真空度は真空計IGにより計測される。真空計IGの計測データからチャンバー1内部が設定真空度に到達したことを検出して、高真空化処理が終了する(ステップS55)。
図7はプラズマ処理を実行する実行処理手順を示す。
上記の高真空化処理の終了によってプラズマ処理が起動される。まず、設定パラメータデータファイルから処理ステップ毎のデータがRAM23のワークエリアに取り込まれる(ステップS1〜S3)。ワークエリアにおいては実行要求のある処理ステップ別の処理フラグがオンになっている。処理ステップ番号順にガス導入処理(ステップS4)、高周波・高圧パルス印加処理(ステップS5)が順次実行される。1つの処理ステップに関する高周波・高圧パルス印加処理が完了した場合、当該処理ステップの処理フラグはオフになる(ステップS6、S7)。ついで、次の処理ステップがあるか否かを判断し、全処理ステップを終えた場合、終了処理に移行する(ステップS8)。
処理フラグがオンになっている次の処理ステップがある場合、CPU21のタイマ機能を起動し、所定時間(5秒)が経過してから(ステップS9、S10)、次の処理ステップに対する処理(ステップS2〜S7)が繰返し実行される。全処理ステップを終えた場合、設定された終了モードに応じた終了処理が実行される(ステップS11)。ステップ移行時間は、上記の5秒に限らず、短いほど全ステップの処理完了に要する時間を短縮化することができる。
図8はガス導入処理(ステップS4)の詳細を示す。
設定パラメータデータから取得した処理ガス種別およびガス流量を処理ステップ別に判別し、1処理ステップに対して設定された設定ガスの導入経路を開通してチャンバー1に設定ガスが導入可能になる。設定ガスのガス供給源14〜19のいずれかに設けた電磁開
閉バルブV1〜V6および電磁開閉バルブV7を開成駆動して、導入経路7と設定ガス供給路とを連通させてガス種別毎のガス導入を行うことができる(ステップS21)。ガス流量計FMからの計測信号に基づいて設定ガス量の導入が可能になっている(ステップS22)。設定ガス量の導入を終えると、開成した電磁開閉バルブを閉成駆動して当該設定ガスの導入経路は閉鎖される(ステップS23)。
複数種のガス導入も実行可能であり、1種のガス導入後には次の別種のガス導入が設定されているか否かが判断される(ステップS24)。図18に示したDLC設定レシピのように、別のガス導入がある場合、当該別の設定ガスの導入処理が繰り返される(ステップS21〜S23)。別のガス導入がない場合、電磁開閉バルブV7を閉成駆動してガス導入処理は終了する(ステップS25)。
図9は高周波・高圧パルス印加処理(ステップS5)の実行に必要な初期設定処理を示す。この初期設定処理はプラズマ処理の開始に伴い実行される制御部2による初期化処理の実行時に実行可能になっている。
図10は、高周波・高圧パルス印加処理を実行制御する、制御部20の印加処理部の概略構成を示し、図11は該印加処理部による印加制御タイミングチャートを示す。
図9に示すように、プラズマ処理の開始に伴い、印加要素として設定された繰返し周波数Fから、RF出力および高電圧パルスの組合せた印加を1単位として繰り返す周期T1(T1=1/F)が求められ、周期T1はRAM23の所定エリアに記憶、セットされる(ステップS61、S62)。ついで、印加要素の出力幅Trから1周期の時間T0(T0=T1−Tr)が求められ、時間T0はRAM23の所定エリアに記憶、セットされる(ステップS63)。さらに、高電圧パルスの印加時期T2とパルス幅Tpとを合算した時間T3(T3=T2+Tp)が求められ、時間T3はRAM23の所定エリアに記憶、セットされる(ステップS64)。周期T0、T1、T3を演算しない場合にはこれらの時間も印加要素として入力、設定可能にしてもよい。
制御部20には、高周波・高圧パルス印加処理をシーケンス制御するための、図10に示す印加処理部を有する。印加処理部は、シーケンス制御用のカウンタ構成部を有し、該カウンタ構成部はカウンタ入力部40、高速カウンタ41(高速カウンタC0という。)および高速カウンタ設定部42からなる第1のカウンタ手段と、カウンタ入力部43、高速カウンタ44(高速カウンタC1という。)および高速カウンタ設定部45からなる第2のカウンタ手段と、を有する。第1のカウンタ手段の出力スイッチ信号R0は中継基板24を介してRF電源2に与えられるとともに、中継基板24の分岐ライン46を通じてカウンタ入力部43に入力可能になっている。第2のカウンタ手段の出力スイッチ信号R1は中継基板24を介して高電圧パルス発生装置3に与えられる。
カウンタ入力部40は制御部20からの内部クロック47を高速カウンタC0に出力可能になっている。カウンタ入力部43は制御部20からの内部クロック49に同期して出力スイッチ信号R0を取り込んで高速カウンタC1に出力可能になっている。高速カウンタC0、C1はカウンタ命令ではカウント実行できない高速な入力信号を計測するためのカウンタにより構成されている。高速カウンタ設定部42は、高速カウンタC0の出力タイミング(1周期の時間T0および周期T1)を記憶する設定記憶部48を有する。高速カウンタ設定部45は、高速カウンタC1の出力タイミング(高電圧パルスの印加時期T2および時間T3)を記憶する設定記憶部50を有する。高速カウンタ設定部42、45はそれぞれ、制御部20のタイマ監視機能を用いて設定記憶部48、50の設定時間の到達を監視して高速カウンタC0、C1の各出力スイッチのON/OFF制御を行うことができる。第1、第2のカウンタ手段はRAM23のメモリエリアを利用して構成されてい
る。第1、第2のカウンタ手段のカウント機能を制御部20に外付けされるカウンタにより構成してもよい。本実施形態においては、RF電源2と高電圧パルス発生装置3に出力タイミングを生成するために、上記の高速カウンタおよび高速カウンタ設定部を有する第1、第2のカウンタ手段によって、スキャンタイムに依存しないパルス出力制御を円滑に行っている。本発明においては、第1、第2のカウンタ手段に限らず、RF電源2と高電圧パルス発生装置3に出力タイミングを生成可能な機能を有するタイミング生成手段を使用することができる。
図12は高周波・高圧パルス印加処理(ステップS5)の概要を示す。
実行すべき処理ステップにおいて設定された、RF出力および高電圧パルスの印加に必要なパルスタイミングデータがRAM23のワークエリアに取得、セットされる(ステップS30)。ついで、上記の印加制御部による印加制御処理が設定処理時間の間、実行されて、当該処理ステップによるプラズマ処理が行われる(ステップS31)。設定処理時間の経過により印加制御処理を終了し、パルスタイミングデータのリセットを行って、処理ステップ分の印加処理が終了する(ステップS32、S33)。
図13および図14は印加制御処理(ステップS31)の詳細を示す。
印加制御処理はパルスタイミングデータのセット処理(ステップS30)の後、実行開始になる(ステップS111)。処理時間の計時はCPU21のタイマ機能により行われ、該タイマ機能は印加制御処理の実行開始によって起動される。以下、印加制御処理の詳細を図11、図13および図14を参照して説明する。
図11の(11A)は実際に印加されるRF出力波形Wrと、高電圧パルス波形Wpとを模式的に示す。図17はRF出力波形Wrおよび高電圧パルス波形Wpの実測波形を示す。図17の実測に使用したRF電源の周波数は13.56MHzである。
図11の(11B)、(11C)、(11D)、(11E)および(11F)はそれぞれ、高速カウンタC0、出力スイッチ信号R0、カウンタ入力部43における外部信号取込み、高速カウンタC1、出力スイッチ信号R1の動作タイミングを示す。
高速カウンタC0はオンになってカウントを開始し(ステップS112)、高速カウンタC0のカウント値が高速カウンタ設定部42にセットされた1周期の時間T0に一致したとき(P2)に出力スイッチ信号R0が出力可能になる(ステップS113、S114)。さらに、高速カウンタC0のカウント値が高速カウンタ設定部42にセットされた周期T1(>T0)に達したとき(P3)に出力スイッチ信号R0がオフになり(ステップS115、S116)、高速カウンタC0はリセットされる(ステップS117)。以上の処理によって、RF電源2の出力をON/OFFする出力スイッチ信号R0が中継基板24を介して出力可能になっている。RF電源2からのRF出力が出力スイッチ信号R0のオン−オフ時間、重畳装置4を通じて導体6に供給可能になる。
出力スイッチ信号R0は中継基板24を介してカウンタ入力部43にも外部出力されて、カウンタ入力部43に入力される。カウンタ入力部43は入力された出力スイッチ信号R0の立ち下がりタイミングP4で高速カウンタC1はリセットされてカウントを開始する(ステップS118〜S120)。高速カウンタC1のカウント値が高速カウンタ設定部45にセットされた、高電圧パルスの印加時期T2に一致したとき(P5)に出力スイッチ信号R1がオンになる(ステップS121、S122)。さらに、高速カウンタC1のカウント値が高速カウンタ設定部45にセットされた時間T3(>T2)に達したとき(P6)に出力スイッチ信号R1がオフになり(ステップS123、S124)、高速カ
ウンタC1はリセットされる(ステップS125)。以上の処理によって、高電圧パルス発生装置3の出力をON/OFFする出力スイッチ信号R1が一つのRF出力に対応して同期的に発生されて、中継基板24を介して出力され、出力スイッチ信号R1のオン−オフ時間に応じて、高電圧パルス発生装置3の高電圧パルス出力は重畳装置4を経て導体6に供給可能になる。
出力スイッチ信号R0、R1による、1回分のRF出力および高電圧パルスの印加処理(ステップS111〜S125)は設定処理時間が経過するまで繰り返し実行される。処理時間が経過した場合、印加処理は終了する(ステップS126)。
図15は上記印加制御処理によりワークWにRF出力および高電圧パルスを印加して行われるプラズマ処理の実行処理例を模式的に示す。図15において、図10に示した印加制御部と重畳装置4を簡略したスイッチ態様60で表している。
図15の(15A)はRF出力および高電圧パルスを印加しないチャンバー1内状態を示す。同図(15B)はRF出力の印加状態を示す。同図(15C)はRF出力をオフし、高電圧パルスを印加する前のチャンバー1内状態を示す。同図(15D)は高電圧パルスを印加したときの印加状態を示す。上記印加制御処理によって、(15A)から(15B)に移行する処理PS1、(15B)から(15C)に移行する処理PS2、(15C)から(15D)に移行する処理PS3、(15D)から(15C)に移行する処理PS4、(15C)から(15B)に移行する処理PS5、および処理PS2〜PS5の繰り返し実行が処理時間経過まで行われる。
(15B)のRF出力印加状態においては、RF出力の印加により、ワークWの周りにプラズマPが発生する。このとき、プラズマPとワークWとの境界には自己バイアスによるシース(静電鞘)61が形成される。ついで、RF出力の印加がオフになると、ワークW周囲のシース61がなくなり、ワークWの周囲にプラズマPが漂っている(15C)の状態になる。さらに、(15D)において高電圧パルスが印加されると、シース62が形成されるとともに、ワークWの周辺のプラズマが高電圧パルスによってワークW表面側に引き込まれて、処理ガス中に含まれている元素によるイオン注入や成膜を行うことができる。高電圧パルスの印加をオフにすると、(15C)の状態になり、シースがなくなってアフターグローによるプラズマにより成膜等が進行していく。アフターグローは電離した電子とイオンが元の状態に戻ろうとする領域におけるプラズマ状態である。アフターグロープラズマ状態においては、電子温度も下がり、プラズマ密度も低い状態になるので、例えば、DLC成膜等において有効なラジカルが発生する。以上のプラズマ処理によって、本発明においてはイオン注入、表面堆積等のプラズマ処理仕様に応じて、RF出力および高電圧パルスの印加態様を可変設定することによって広範囲かつ高精度のプラズマ処理を実行することができる。
本発明に係るプラズマ処理装置は、RF電源2および高電圧発生装置3を含む印加手段により、チャンバー1内に設置されたワークWと導通接続された導体6を介してRF出力と高電圧パルスとを重畳してワークWに印加し、タッチパネル27を含む入力手段により、少なくともRF出力および/または高電圧パルスの印加態様を含むプラズマ処理条件を入力してRAM23に記憶させて、制御部20によって、チャンバー1内への処理ガスを導入した後、設定処理時間の間、設定印加態様に応じて該印加手段による印加制御を行い、設定、記憶された印加態様に基づいてRF出力および高電圧パルスの印加制御を行うというプラズマ処理方法に基づいて、ワークWに対するプラズマ処理の実行制御を行うことができる。したがって、本実施形態によれば、所望の印加態様を記憶、設定することにより、種々の処理仕様に応じたプラズマ処理を実行制御することができるので、各種処理仕様に対応したプラズマ処理加工装置を用いることなく、一台のプラズマ処理装置により広
範囲のプラズマ処理を行え、設備コストや処理コストを大幅に削減可能になる。
本発明に係るプラズマ処理装置を用いて、例えば、図18の(18A)に示したDLC成膜パラメータ設定レシピに基づいてDLC成膜を実施した結果、良質のDLC膜を造形することができる。この設定レシピによれば、イオン注入処理(処理ステップ3)の実行によって残留応力が極めて小さいDLC膜を生成することができる。
図19は、本発明に係るプラズマ処理装置に好適な処理仕様別の設定パラメータの設定内容を示す。
図19の設定内容は各種処理仕様に対してプラズマ処理実験を行った結果から得られたデータである。図19の(19A)〜(19D)はそれぞれ、ボンバード(またはスパッタリング)、シリコン膜形成、傾斜層の形成、デポ層の形成の処理仕様を示す。これらの処理仕様に示すように、本発明に係るプラズマ処理装置においては、繰返し周波数等のパルスタイミング、処理ガスの導入時のガス圧力、RF電力および高電圧パルス電圧を種々、設定することによって、プラズマ処理内容の異なる処理仕様を高精度に実行処理することができる。
本発明においては、図18の(18A)に示したDLC成膜パラメータ設定レシピの実施例のように、少なくとも異なる第1印加態様と第2印加態様を実行順序別にRAM23に設定、記憶させてプラズマ処理を実行した場合に、第1印加態様による印加制御により被処理物の表面改質(スパッタクリーニング)を行った後、第2印加態様による印加制御によりワークWに対して導入気体に含有された成分の堆積処理またはイオン注入処理を行うことができる。したがって、本発明によれば、単一種のプラズマ処理のみならず、表面改質、堆積処理(またはイオン注入処理)等の複数処理ステップのプラズマ処理を別々のプラズマ処理装置で行うことなく、ワークWをチャンバー1内に設置したまま行うことができ、設備コストはもとより、各処理工程に必要な作業時間や処理時間等の処理コストを大幅に削減することができる。
本発明に係るプラズマ処理方法においては、実施例の6種の処理ガスに限定されず、5種以下あるいは7種以上の処理ガス供給源を設置してチャンバー1内に自動導入可能にすることができる。6種の処理ガス以外にもプラズマ処理仕様に応じて種々の処理ガスを使用することができる。
例えば、ボンバード処理仕様には、基本的にはAr(アルゴン)ガスを用いるのが好ましいが、Ar+H2(水素)の組み合わせを用いることもできる。H2単体での仕様で効果が得られる場合もある。Ar以外の不活性ガスとしては、He(ヘリウム)、Ne(ネオン)、Kr(クリプトン)、Xe(キセノン)、これらの不活性ガスと水素の組み合わせで用いることも可能である。特別な場合として、カーボン基材のエッチングの場合は、O2(酸素)を用いることも可能である。
シリコン(Si)膜形成処理仕様には、HMDSOの他に、例えば、テトラエトキシシランTEOS((C25O)4Si)、テトラメトキシシランTMOS((CH3O)4Si)、テトラメチルシランTMS((CH34Si)等を使用してよく、好ましくはHMDSOまたはTMSを使用することができる。
傾斜層あるいはデポ層の形成用処理仕様には、例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、エチレン、アセチレン等の炭化水素ガス、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン等の飽和鎖状炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタン等の環状飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素などを炭素源と
して使用でき、好ましくは、メタン、アセチレン、トルエンを使用することができる。なお、調整ガスとしてAr、H2等を使用してもよい。
イオン注入等のドーピング処理仕様には、例えば、導電性、その他の特性を付加するために用いる有機金属として、例えば、トリメトキシボラン((CH3O)3B)、トリエトキシボラン((C25O)3B)、トリ−i−プロポキシアルミニウム(Al(O−i−C373)、テトラ−i−プロポキシチタン(Ti(O−i−C373)、テトラキス(ジメチルアミノ)チタニウム(Ti((CH32N)4)、テトラ−n−ブトキシジルコニウム(Zr(OCH2CH2CH2CH34)、ペンタエトキシニオブ(Nb(OC255)、ペンタエトキシタンタル(Ta(OC255)等を使用することができる。
本発明は、上記実施形態や変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種々変形例、設計変更などをその技術的範囲内に包含するものであることは云うまでもない。
本発明によれば、実施例のダイヤモンドライクカーボン(DLC)の成膜の他に、例えば、ボバードないしスパッタリングの表面改質と、各種堆積処理、イオン注入処理等の種々のプラズマ処理仕様に応じたプラズマ処理に適用することができる。
1 処理室
2 高周波発生装置(RF電源)
3 高電圧パルス発生装置
4 重畳装置
4a 結合・相互干渉阻止回路部
4b 整合回路部
4c ギャップG形成導体
4d 同軸ケーブル
5 フィードスルー
6 導体
7 導入経路
8 ガス供給路
9 ガス供給路
10 ガス供給路
11 ガス供給路
12 ガス供給路
13 ガス供給路
14 ガス供給源
15 ガス供給源
16 ガス供給源
17 ガス供給源
18 ガス供給源
19 ガス供給源
20 制御部
21 CPU
22 ROM
23 RAM
24 中継基板
25 電源スイッチ
26 駆動電源装置
27 液晶タッチパネル
28 タッチパネル制御部
29 表示パネル制御部
30 表示パネル
31 プラズマ発生制御用通電制御回路部
32 オリフィス部
33 オリフィス
34 上部
35 鍔部
36 貫通穴
37 貫通穴
RP 油回転真空ポンプ
MBP メカニカルブースターポンプ
TMP ターボ分子ポンプ
CV コンダクタンスバルブ
RV ラフバルブ
FV フォアバルブ
SV1 リークバルブ
D1〜D5 排気管路
D6 ドレイン管路
D7 排気管路
V1〜V7 電磁開閉バルブ
IG 真空計
PG 真空計
DG ダイヤフラム圧力計
TC サーモカップル真空計
FM ガス流量計
W ワーク
P プラズマ
G ギャップ
D ダイオード
L1 コイル
L2 コイル
R 抵抗
G 保護ギャップ
C1 可変コンデンサ

Claims (15)

  1. 被処理物を設置可能な処理室と、
    処理室内を排気して高真空化する高真空化手段と、
    高真空化された処理室内に所定の気体を導入する気体導入手段と、
    高周波電源と、
    高電圧パルス発生源と、
    前記処理室内に設置された被処理物と導通接続された導体を介して前記高周波電源の高周波出力と前記高電圧パルス発生源により発生された高電圧パルスとを重畳して被処理物に印加する印加手段と、
    少なくとも前記高周波出力および/または前記高電圧パルスの印加態様を含むプラズマ処理条件を入力する入力手段と、
    入力されたプラズマ処理条件を記憶する記憶手段と、
    前記気体導入手段による前記処理室内への気体導入をした後、所定の処理時間の間、前記印加態様に応じて前記印加手段による印加制御を行う印加制御手段と、を設け、
    前記印制御手段は、高周波出力および/または高圧パルス印加処理をシーケンス制御するための印加処理部を有し、印加処理部は、シーケンス制御用のカウンタ構成部を有し、該カウンタ構成部は内部クロックを有したカウンタ入力部、高速カウンタおよび高速カウンタ設定部からなる第1のカウンタ手段と、内部クロックを有したカウンタ入力部、高速カウンタおよび高速カウンタ設定部からなる第2のカウンタ手段を有し、第1のカウンタ手段の出力スイッチ信号は前記高周波電源に与えられるとともに、第2のカウンタ手段のカウンタ入力部に入力可能になっており、第2のカウンタ手段の出力スイッチ信号は前記高電圧パルス発生源に与えられ、前記第1のカウンタ手段と前記第2のカウンタ手段によってスキャンタイムに依存しない出力制御を円滑に行い、
    前記記憶手段に記憶された印加態様に基づいて前記印加制御手段による前記高周波出力および前記高電圧パルスの印加制御を行って、前記処理室内に設置された被処理物に対するプラズマ処理の実行制御を行うことを特徴とするプラズマ処理方法。
  2. 前記記憶手段は下記の印加要素(a)、(b)、(c)および前記処理時間のうち1または2以上を記憶可能である、
    (a)前記高周波出力を印加する出力幅、
    (b)前記高周波出力の印加開始を経て前記高電圧パルスを印加する高電圧パルスの印加時期、
    (c)(a)と(b)による前記高周波出力および前記高電圧パルスの印加を1単位として繰り返し実行するための繰返し周波数または該1単位の周期、
    請求項1に記載のプラズマ処理方法。
  3. 前記プラズマ処理条件には、前記気体導入手段により前記処理室内に導入される1種または2種以上の気体の種別および/または該気体の導入圧力による気体導入態様が含まれ、
    前記記憶手段に記憶された気体導入態様に基づいて前記気体導入を実行制御してから前記印加態様に基づく印加制御を行って前記被処理物に対するプラズマ処理の実行制御を行う請求項1または2に記載のプラズマ処理方法。
  4. 前記印加要素(a)、(b)、(c)はそれぞれ、下記の入力可能範囲
    (a):5〜300μs、
    (b):0〜2000μs、
    (c):1〜5000pps、
    において入力可能にした請求項2に記載のプラズマ処理方法。
  5. 前記印加態様の印加要素として、前記高周波電源の電力を100〜3000Wの入力可能範囲で入力可能にした請求項1〜4のいずれかに記載のプラズマ処理方法。
  6. 前記印加態様の印加要素として、前記高電圧パルス発生源の高圧パルス電圧を1〜30kVの入力可能範囲で入力可能にした請求項1〜5のいずれかに記載のプラズマ処理方法。
  7. 前記記憶手段は2以上の同種または異種の印加態様を印加制御の実行順序別に記憶可能であり、
    前記印加制御手段は前記実行順序別に、前記記憶手段に記憶した印加態様に応じた印加制御を行う請求項1〜6のいずれかに記載のプラズマ処理方法。
  8. 少なくとも前記記憶手段に異なる第1印加態様と第2印加態様を実行順序別に記憶させてプラズマ処理を実行した場合に、前記第1印加態様による印加制御により被処理物の表面改質を行った後、前記第2印加態様による印加制御により該被処理物に対して前記気体に含有された成分の堆積処理またはイオン注入処理を行う請求項7に記載のプラズマ処理方法。
  9. 被処理物を設置可能な処理室と、
    処理室内を排気して高真空化する高真空化手段と、
    高真空化された処理室内に所定の気体を導入する気体導入手段と、
    高周波電源と、
    高電圧パルス発生源と、
    前記処理室内に設置された被処理物と導通接続された導体を介して前記高周波電源の高周波出力と前記高電圧パルス発生源により発生された高電圧パルスとを重畳して被処理物に印加する印加手段と、
    少なくとも前記高周波出力および/または前記高電圧パルスの印加態様を含むプラズマ処理条件を入力する入力手段と、
    入力されたプラズマ処理条件を記憶する記憶手段と、
    前記気体導入手段による前記処理室内への気体導入をした後、所定の処理時間の間、前記印加態様に応じて前記印加手段による印加制御を行う印加制御手段と、を有し、
    前記印制御手段は、高周波出力および/または高圧パルス印加処理をシーケンス制御するための印加処理部を有し、印加処理部は、シーケンス制御用のカウンタ構成部を有し、該カウンタ構成部は内部クロックを有したカウンタ入力部、高速カウンタおよび高速カウンタ設定部からなる第1のカウンタ手段と、内部クロックを有したカウンタ入力部、高速カウンタおよび高速カウンタ設定部からなる第2のカウンタ手段を有し、第1のカウンタ手段の出力スイッチ信号は前記高周波電源に与えられるとともに、第2のカウンタ手段のカウンタ入力部に入力可能になっており、第2のカウンタ手段の出力スイッチ信号は前記高電圧パルス発生源に与えられ、前記第1のカウンタ手段と前記第2のカウンタ手段によってスキャンタイムに依存しない出力制御を円滑に行い、
    前記記憶手段に記憶された印加態様に基づいて前記印加制御手段による前記高周波出力および前記高電圧パルスの印加制御を行って、前記処理室内に設置された被処理物に対するプラズマ処理の実行制御を行うことを特徴とするプラズマ処理装置。
  10. 前記記憶手段は下記の印加要素(a)、(b)、(c)および前記処理時間のうち1または2以上を記憶可能である、
    (a)前記高周波出力を印加する出力幅、
    (b)前記高周波出力の印加開始を経て前記高電圧パルスを印加する高電圧パルスの印加時期、
    (c)(a)と(b)による前記高周波出力および前記高電圧パルスの印加を1単位として繰り返し実行するための繰返し周波数または該1単位の周期、
    請求項9に記載のプラズマ処理装置。
  11. 前記プラズマ処理条件には、前記気体導入手段により前記処理室内に導入される1種または2種以上の気体の種別および/または該気体の導入圧力による気体導入態様が含まれ、
    前記記憶手段に記憶された気体導入態様に基づいて前記気体導入を実行制御してから前記印加態様に基づく印加制御を行って前記被処理物に対するプラズマ処理の実行制御を行う請求項9または10に記載のプラズマ処理装置。
  12. 前記印加要素(a)、(b)、(c)はそれぞれ、下記の入力可能範囲
    (a):5〜300μs、
    (b):0〜2000μs、
    (c):1〜5000pps、
    において入力可能にした請求項10に記載のプラズマ処理装置。
  13. 前記印加態様の印加要素として、前記高周波電源の電力を100〜3000Wの入力可能範囲で入力可能にした請求項9〜12のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
  14. 前記印加態様の印加要素として、前記高電圧パルス発生源の高圧パルス電圧を1〜30kVの入力可能範囲で入力可能にした請求項9〜13のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
  15. 前記記憶手段は2以上の同種または異種の印加態様を印加制御の実行順序別に記憶可能であり、
    前記印加制御手段は前記実行順序別に、前記記憶手段に記憶した印加態様に応じた印加制御を行う請求項9〜14のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
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