JP6014941B2 - プラズマ処理装置及び成膜方法 - Google Patents
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Description
前記チャンバー内に配置され、基材を保持する基材ホルダーと、
前記チャンバーに繋げられ、前記チャンバー内に処理ガスを導入するガス導入経路と、
前記チャンバー内に50〜500kHzの高周波出力を供給する高周波電源と、
を具備し、
前記高周波電源から供給された高周波出力により前記チャンバー内に前記処理ガスのプラズマを発生させて前記基材にプラズマ処理を行うことを特徴とする。
前記チャンバー内に配置され、基材を保持する基材ホルダーと、
前記チャンバーに繋げられ、前記チャンバー内にイオン注入用の処理ガスを導入する第1ガス導入経路と、
前記チャンバーに繋げられ、前記チャンバー内に成膜用の処理ガスを導入する第2ガス導入経路と、
前記チャンバー内に50〜500kHzの高周波出力を供給する高周波電源と、
を具備し、
前記高周波電源から供給された高周波出力により前記チャンバー内に前記処理ガスのプラズマを発生させて前記基材にプラズマ処理を行うことを特徴とする。
前記プラズマ処理は、前記チャンバー内に前記一の処理ガスのプラズマを発生させて前記基材の表面を窒化又は浸炭又は浸炭窒化又は珪素イオン注入した後に、前記チャンバー内に前記DLC成膜用処理ガスのプラズマを発生させて前記基材の表面にDLC膜を成膜する処理であることも可能である。
上記プラズマ処理装置によれば、50〜500kHzの高周波電源を用いるため、DLC膜の成膜速度を従来技術に比べて速くすることができ、その結果、生産コストを低くすることができる。
また、前記DLC成膜用処理ガスが珪素を含有するガスであり、前記基材の表面に成膜するDLC膜が珪素含有DLC膜であることも可能である。
前記プラズマ処理は、前記チャンバー内に前記一の処理ガスのプラズマを発生させて前記基材の表面を窒化又は浸炭又は浸炭窒化又は珪素イオン注入した後に、前記チャンバー内に前記珪素化合物ガスのプラズマを発生させて前記基材の表面に珪素化合物膜を成膜し、前記珪素化合物ガス及び前記DLC成膜用処理ガスのプラズマを発生させて前記珪素化合物膜上に珪素含有DLC膜を成膜する処理であることも可能である。
前記チャンバー内に配置され、基材を保持する基材ホルダーと、
前記チャンバーに繋げられ、前記チャンバー内に第1及び第2の珪素化合物ガス、DLC成膜用処理ガスを導入するガス導入経路と、
前記チャンバー内に50〜500kHzの高周波出力を供給する高周波電源と、
を具備し、
前記高周波電源から供給された高周波出力により前記チャンバー内に前記第1の珪素化合物ガスのプラズマを発生させて前記基材の表面に珪素化合物膜を成膜した後に、前記高周波電源から供給された高周波出力により前記チャンバー内に前記第2の珪素化合物ガス及び前記DLC成膜用処理ガスのプラズマを発生させて前記珪素化合物膜上に珪素含有DLC膜を成膜するプラズマ処理を行うことを特徴とする。
尚、第2の珪素化合物ガスは第1の珪素化合物ガスと同一のガスであっても良いし、異なるガスであっても良い。
50〜500kHzの高周波出力によって成膜用の処理ガスのプラズマを発生させることにより、前記基材上に薄膜を成膜する第2工程と、
を具備することを特徴とする特徴とする。
DLC成膜用処理ガスのプラズマを50〜500kHzの高周波出力によって発生させることにより、前記基材の表面にDLC膜を成膜する第2工程と、
を具備することを特徴とする。
また、前記DLC成膜用処理ガスが珪素を含有するガスであり、前記基材の表面に成膜するDLC膜が珪素含有DLC膜であることも可能である。
本発明に係る基材の表面処理方法は、50〜500kHzの高周波出力によって珪素イオン注入用の処理ガスのプラズマを発生させることにより、基材の表面に珪素イオンを注入することを特徴とする。
本発明に係る基材の表面処理方法は、50〜500kHzの高周波出力によって珪素化合物ガスのプラズマを発生させることにより、基材の表面に珪素化合物膜を成膜することを特徴とする。
第2の珪素化合物ガス及びDLC成膜用処理ガスのプラズマを50〜500kHzの高周波出力によって発生させることにより、前記珪素化合物膜上又は前記基材上に珪素含有DLC膜を成膜する第2工程と、
を具備することを特徴とする。
また、前記第1工程の前に、窒化用処理ガス、浸炭用処理ガス、浸炭窒化用処理ガス及び珪素イオン注入用処理ガスのいずれか一の処理ガスのプラズマを50〜500kHzの高周波出力によって発生させることにより、前記基材の表面の窒化又は浸炭又は浸炭窒化又は珪素イオン注入を行う工程をさらに具備することも可能である。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1によるプラズマ処理装置を概略的に示す構成図である。
以下、本発明の実施の形態2による基材の表面処理方法について説明する。この基材の表面処理方法は、図1に示すプラズマ処理装置を用いることにより基材の表面に窒化層を形成するものである。このプラズマ処理装置における高周波電源4は例えば250kHzの周波数を用い、処理ガスとしては窒素ガス又はアンモニアガス又はアンモニアと水素の混合ガス等を用いる。
以下、本発明の実施の形態3による基材の表面処理方法について説明する。この基材の表面処理方法は、図1に示すプラズマ処理装置を用いることにより基材の表面に浸炭層を形成するものである。このプラズマ処理装置における高周波電源4は例えば250kHzの周波数を用い、処理ガス(原料ガス)としてはメタンガス、アセチレンなどの炭化水素系ガス及びアルゴンガスを用いる。
以下、本発明の実施の形態4による基材の表面処理方法について説明する。この基材の表面処理方法は、図1に示すプラズマ処理装置を用いることにより基材の表面に窒化層を形成し、この窒化層上にDLC膜を形成するものである。このプラズマ処理装置における高周波電源4は例えば250kHzの周波数を用い、処理ガスとしては窒素ガスを用い、DLC膜の原料ガスとしては、炭化水素系のガスを用いるが、トルエンガスやアセチレンガスが取り扱いやすい。
実施の形態2と同様のオーステナイト系ステンレス鋼SUS304からなる基材と、SKH51からなる基材を用意する。
まず、上述した基材と同様のSUS304基材及びSKH51基材を用意する。
以下、本発明の実施の形態5による基材の表面処理方法について説明する。この基材の表面処理方法は、図1に示すプラズマ処理装置を用いることにより基材の表面に浸炭窒化層を形成し、この浸炭窒化層上にDLC膜を形成するものである。このプラズマ処理装置における高周波電源4は例えば250kHzの周波数を用い、処理ガスとしてはメタンガス及び窒素ガスを用い、DLC膜の原料ガスとしては実施の形態4と同様のものを用いる。
実施の形態1と同様のオーステナイト系ステンレス鋼SUS304からなる基材2を用意し、実施の形態1と同様の方法により、基材2の表面の酸化物層をエッチングにより除去する。
上述した (1)のように基材表面に浸炭窒化層を形成した後に、実施の形態4と同様の成膜条件で、前記浸炭窒化層上に60分間の成膜時間でDLC膜を成膜する。
まず、実施の形態1と同様のオーステナイト系ステンレス鋼SUS304からなる基材2を用意し、実施の形態1と同様の方法により、基材2の表面の酸化物層をエッチングにより除去する。この後、実施の形態4と同様の成膜条件で、基材2の表面上にDLC膜を成膜する。
実施の形態4の(1)と同様の方法で、SUS304基材及びSKH51基材それぞれの表面に窒化処理をした後にDLC膜を形成したサンプルを用意する。また、実施の形態4の(2)と同様の方法で、SUS304基材及びSKH51基材それぞれの表面に窒化処理をせずにDLC膜を形成したサンプルを用意する。
荷重負荷速度100N/分でダイヤモンド圧子を10mm/分で押し付けながら引張り、皮膜の破壊した臨界荷重(Lc値)をAEセンサー及び顕微鏡観察により求めた。
実施の形態4の(1)と同様の方法で、SUS304基材の表面に窒化処理をした後にDLC膜を形成したサンプルを用意する。また、実施の形態4の(2)と同様の方法で、SUS304基材の表面に窒化処理をせずにDLC膜を形成したサンプルを用意する。
図8は、摩擦係数に及ぼす浸炭窒化処理の影響を調べるために、浸炭窒化処理無しサンプル33及び浸炭窒化処理有りサンプル34それぞれのDLC膜の摩擦係数を測定した結果である摩擦係数とすべり距離との関係を示す図である。
以下、本発明の実施の形態8による基材の表面処理方法について説明する。この基材の表面処理方法は、図1に示すプラズマ処理装置を用いることにより基材の表面に窒化層を形成し、この窒化層上に珪素含有DLC膜を形成するものである。このプラズマ処理装置における高周波電源4は例えば250kHzの周波数を用い、処理ガスとしては窒素ガスを用い、珪素含有DLC膜の原料ガスとしては、珪素化合物ガス及び炭化水素系のガスを用いる。珪素化合物ガスとしては、取り扱いの容易で低温での成膜が可能なヘキサメチルジシラザンやヘキサメチルジシロキサン(以下、これらを総称してHMDSともいう)を用いることが好ましい。
また、本実施の形態では、DLC膜に珪素を含有させているため、珪素を含有しないDLC膜に比べて摩擦・摩耗特性を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態9による基材の表面処理方法について説明するが、実施の形態8と同一部分についての詳細な説明は省略する。
以下、本発明の実施の形態10による基材の表面処理方法について説明する。この基材の表面処理方法は、図1に示すプラズマ処理装置を用いることにより基材の表面に珪素イオンを注入して珪素注入層を形成し、この珪素注入層上にDLC膜を形成するものである。このプラズマ処理装置における高周波電源4は例えば250kHzの周波数を用い、処理ガスとしてはHMDSを用いる。
実施の形態4、5、8、9又は10と同様の方法でDLC膜を成膜した場合でも、何らかの事情でDLC膜を除去した後に再度DLC膜を基材表面に成膜する場合がある。この場合も図1に示すプラズマ処理装置を用いてDLC膜を除去することが可能である。
2…基材
3…基材ホルダー
4…高周波電源(RF電源)
5…ヒーター
10…ガス導入口
13…真空ポンプ
Claims (8)
- チャンバーと、
前記チャンバー内に配置され、基材を保持する基材ホルダーと、
前記チャンバーに繋げられ、前記チャンバー内にDLC成膜用の処理ガスを導入するガス導入経路と、
前記チャンバー内の前記基材に50〜500kHzの高周波出力を供給する高周波電源と、
を具備し、
前記高周波電源から供給された高周波出力により前記チャンバー内に前記DLC成膜用の処理ガスのプラズマを発生させて前記基材にDLC膜を成膜するプラズマ処理装置であり、
前記基材は、金型、機械部品及び工具のいずれかであり、
前記プラズマ処理装置は磁場生成装置を有さないことを特徴とするプラズマ処理装置。 - 請求項1において、
前記ガス導入経路は、さらに第1の珪素化合物ガスを導入する経路であり、
前記DLC膜を成膜することは、前記高周波電源から供給された高周波出力により前記チャンバー内に前記第1の珪素化合物ガス及び前記DLC成膜用の処理ガスのプラズマを発生させて前記基材に珪素含有DLC膜を成膜することを特徴とするプラズマ処理装置。 - 請求項1又は2において、
前記ガス導入経路は、さらにエッチング用の処理ガスを導入する経路であり、
前記DLC膜を成膜する前に、前記高周波電源から供給された高周波出力により前記チャンバー内に前記エッチング用の処理ガスのプラズマを発生させて前記基材の表面層を除去することを特徴とするプラズマ処理装置。 - 請求項1乃至3のいずれか一項において、
前記ガス導入経路は、さらにアッシング用の処理ガスを導入する経路であり、
前記DLC膜を成膜した後に、前記高周波電源から供給された高周波出力により前記チャンバー内に前記アッシング用の処理ガスのプラズマを発生させて前記DLC膜を除去することを特徴とするプラズマ処理装置。 - 請求項1乃至4のいずれか一項において、
前記高周波電源は300kHz以下の高周波出力を供給するものであることを特徴とするプラズマ処理装置。 - 50〜500kHzの高周波出力によってDLC成膜用の処理ガスのプラズマを発生させることにより、基材にDLC膜を成膜する成膜方法であり、
前記基材は、金型、機械部品及び工具のいずれかであり、
前記DLC膜を成膜することは、前記高周波出力によって第1の珪素化合物ガス及び前記DLC成膜用の処理ガスのプラズマを発生させることにより、前記基材に珪素含有DLC膜を成膜することであり、
前記プラズマを発生させる際に磁場を生成させないことを特徴とする成膜方法。 - 請求項6において、
前記DLC膜を成膜する前に、前記高周波出力によってエッチング用の処理ガスのプラズマを発生させることにより、前記基材の表面層を除去することを特徴とする成膜方法。 - 請求項6又は7において、
前記DLC膜を成膜した後に、前記高周波出力によってアッシング用の処理ガスのプラズマを発生させることにより、前記DLC膜を除去することを特徴とする成膜方法。
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