JP6703097B2 - 感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、レジスト膜、パターン形成方法、電子デバイスの製造方法、レジスト膜付きマスクブランクス、レジスト膜付きマスクブランクスのパターン形成方法 - Google Patents

感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、レジスト膜、パターン形成方法、電子デバイスの製造方法、レジスト膜付きマスクブランクス、レジスト膜付きマスクブランクスのパターン形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、レジスト膜、パターン形成方法、電子デバイスの製造方法、レジスト膜付きマスクブランクス、及び、レジスト膜付きマスクブランクスのパターン形成方法に関する。
従来、IC(Integrated Circuit、集積回路)及びLSI(Large Scale Integrated circuit、大規模集積回路)等の半導体デバイスの製造プロセスにおいては、フォトレジスト組成物を用いたリソグラフィーによる微細加工が行われている。近年、集積回路の高集積化に伴い、サブミクロン領域又はクオーターミクロン領域の超微細パターン形成が要求されるようになってきている。それに伴い、露光波長もg線からi線に、更にKrFエキシマレーザー光に、というように短波長化の傾向が見られ、現在では193nm波長を有するArFエキシマレーザーを光源とする露光機が開発されている。また、更に解像力を高める技術として、投影レンズと試料の間を高屈折率の液体(以下、「液浸液」ともいう)で満たす、いわゆる「液浸法」の開発が進み、また、更には、現在では、エキシマレーザー光以外にも、電子線、X線及びEUV(Extreme Ultra Violet、極紫外線)光等を用いたリソグラフィーも開発が進んでいる。これに伴い、各種の活性光線及び放射線に有効に感応し、感度及び解像度に優れた化学増幅型レジスト組成物が開発されており、主要構成成分である酸発生剤についても種々の化合物が開発されている。
例えば、特許文献1では、高エネルギー線又は熱に感応し、特定構造のスルホン酸を発生する光酸発生剤を含むことを特徴とする化学増幅型レジスト材料、を開示している。
特開2011−13479号公報
本発明者らは、特許文献1に記載された酸発生剤を用いて感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を調製し、スペース幅の狭い微細なレジストパターン(例えば、数十nmオーダー)を上記感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物で作製して検討したところ、パターンの形状が所定の要求を満たさない(すなわち、矩形以外の形状となる)場合があることを知見した。
更に、上記感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、解像力が低く、また、露光ラチチュードが小さい場合があり、さらなる改善が必要であることを明らかとした。
そこで、本発明は、解像力が高く、露光ラチチュードに優れ、パターン形状特性に優れた感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を提供することを課題とする。
また、本発明は、上記感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いたレジスト膜、パターン形成方法、電子デバイスの製造方法、レジスト膜付きマスクブランクス、及び、レジスト膜付きマスクブランクスのパターン形成方法を提供することも課題とする。
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、特定構造の酸を発生する化合物を用いることで所望の効果が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、以下の構成により上記目的を達成することができることを見出した。
〔1〕 活性光線又は放射線の照射により後述する一般式(I)又は(II)で表される酸を発生する化合物を含有する、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
〔2〕 一般式(I)中、Yは環式構造を含む、〔1〕に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
〔3〕 一般式(I)中、Xは酸素原子である、〔1〕又は〔2〕に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
〔4〕 一般式(II)中、Vは環式構造を含む、〔1〕又は〔2〕に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
〔5〕 更に、後述する一般式(1)で表される構造単位を含有する樹脂を含む、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
〔6〕 〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物により形成されたレジスト膜。
〔7〕 〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いてレジスト膜を形成するレジスト膜形成工程と、
レジスト膜を露光する露光工程と、
露光されたレジスト膜を、現像液を用いて現像する現像工程と、を含む、パターン形成方法。
〔8〕 現像液が有機溶剤を含む、〔7〕に記載のパターン形成方法。
〔9〕 露光工程が、電子線又は極紫外線を用いて露光する工程である、〔7〕又は〔8〕に記載のパターン形成方法。
〔10〕 〔7〕〜〔9〕のいずれかに記載のパターン形成方法を含む、電子デバイスの製造方法。
〔11〕 マスクブランクスと、マスクブランクス上に配置された〔6〕に記載のレジスト膜と、を備えた、レジスト膜付きマスクブランクス。
〔12〕 〔11〕に記載のレジスト膜付きマスクブランクスにおけるレジスト膜を露光する露光工程と、
レジスト膜付きマスクブランクスにおける露光されたレジスト膜を現像する現像工程と、を含む、レジスト膜付きマスクブランクスのパターン形成方法。
本発明によれば、解像力が高く、露光ラチチュードに優れ、パターン形状特性に優れた感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を提供することができる。
また、本発明によれば、上記感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いたレジスト膜、パターン形成方法、電子デバイスの製造方法、レジスト膜付きマスクブランクス、及び、レジスト膜付きマスクブランクスのパターン形成方法を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本明細書に於ける基(原子団)の表記に於いて、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本明細書中における「活性光線」又は「放射線」とは、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光)、X線、及び、電子線(EB)等を意味する。また、本発明において光とは、活性光線又は放射線を意味する。
また、本明細書中における「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線、X線、及び、EUV光等による露光のみならず、電子線、及び、イオンビーム等の粒子線による描画も露光に含める。
本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
なお、本発明において、数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)は、下記条件のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)から求められる標準ポリスチレン換算値である。
装置:東ソー社製 HLC−8320GPCカラム:東ソー社製 TSK−GEL G3000PWXL展開溶媒:THF(テトラヒドロフラン)
〔感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物〕
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、活性光線又は放射線の照射により後述する一般式(I)又は一般式(II)で表される酸を発生する化合物(以下、単に「酸発生剤」ともいう)を含有する。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、上記の構成とすることで、解像力が高く、露光ラチチュードが優れる特性を有する。また、本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物により作製されるレジストパターンは、レジストパターンの下層である基板に対して垂直方向に切断した際の断面形状が矩形となる。すなわち、本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、パターン形状特性にも優れる。
これは、詳細には明らかではないが、以下のように推測される。
一般式(I)又は一般式(II)で表される酸の特徴としては、フッ素原子又はフッ素原子を含有する基(一般式(I)又は一般式(II)中のA又はA)が置換された炭素原子に隣接する炭素原子が、フッ素原子以外の基を置換基として有している点が挙げられる。
一般式(I)又は一般式(II)で表される酸は、上述の特徴により、特許文献1に記載された光酸発生剤により発生される酸と比べるとフッ素原子の含有量が少なく、その表面自由エネルギーも低くなるため、レジストの塗膜中において膜深部に亘って均一に分散しやすくなる(言い換えると、表面への偏在が抑制される)。この結果、パターン形状性に優れるものと推測される。
また、一般式(I)又は一般式(II)で表される酸では、
上述のフッ素原子以外の基として極性の高い基を有する点、及び/又は、
上述のフッ素原子以外の基として嵩高い基を有することによってスルホン酸周りがバルキーな構造である点にも特徴がある。
一般式(I)又は一般式(II)で表される酸は、上記構造的な特徴によってその拡散性が抑制され、非露光部への侵入が低減できると推測される。この結果、解像力が高く、露光ラチチュードに優れる性能が得られるものと考えられる。
以下、本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物に含まれる成分について詳述する。
<酸発生剤>
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物に含まれる酸発生剤は、活性光線又は放射線の照射により下記一般式(I)又は下記一般式(II)で表される酸を発生する。
酸発生剤は、低分子化合物の形態であってもよく、ポリマーの形態であってもよい。
酸発生剤が、低分子化合物の形態である場合、分子量は3000以下であることが好ましく、2000以下であることがより好ましく、1000以下であることが更に好ましい。
酸発生剤が、ポリマーの形態である場合、その構造は特に限定されず、例えば、後述する<樹脂(A)>の一部に組み込まれていてもよい。酸発生剤が、ポリマーの形態である場合、その重量平均分子量は、GPC(Gel Permeation Chromatography)法によりポリスチレン換算値として、好ましくは1,000〜200,000であり、より好ましくは2,000〜20,000である。
以下、一般式(I)又は一般式(II)で表される酸について詳述する。
(一般式(I)で表される酸)
上記一般式(I)中、
及びAは、それぞれ独立して、フッ素原子、又は、フッ素原子を含む1価の有機基を表す。
Xは、酸素原子、硫黄原子、又は、*N−T基(*=N−T基)を表す。また、*は上記一般式(I)中の二重結合と連結する位置を表す。Tは1価の有機基を表す。
Yは、ヘテロ原子を有していてもよい1価の炭化水素基を表す。なお、Yにヘテロ原子が含まれる場合、Y中のヘテロ原子は、上記Xと結合している炭素原子に結合しない。
以下、一般式(I)で表される酸について詳述する。
一般式(I)中、A及びAは、それぞれ独立して、フッ素原子、又は、フッ素原子を含む1価の有機基を表す。
フッ素原子を含む1価の有機基としては、例えば、水素原子の一部又は全部がフッ素原子又はフルオロアルキル基で置換された炭素数1〜10個の直鎖状又は分岐状アルキル基が挙げられる。具体的には、CF、C、C、C、C11、C13、C15、C17、CHCF、CHCHCF、CH、CHCH、CH、CHCH、CH又はCHCH等が挙げられる。
及びAは、それぞれ独立して、フッ素原子又は炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基が好ましく、フッ素原子又はCFがより好ましく、フッ素原子が更に好ましい。
一般式(I)中、Xは、酸素原子、硫黄原子、又は、*N−T基を表す。また、*は上記一般式(I)中の二重結合と連結する位置を表し、Tは1価の有機基を表す。
Tで表される1価の有機基としては、特に限定されないが、例えば、メトキシ基、エトキシ基及びtert−ブトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基及びp−トリルオキシ基等のアリールオキシ基;メチルチオキシ基、エチルチオキシ基及びtert−ブチルチオキシ基等のアルキルチオキシ基;フェニルチオキシ基及びp−トリルチオキシ基等のアリールチオオキシ基;メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基及びアダマンチルメチルオキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;フェノキシカルボニル基等のアリールオキシカルボニル基;アセトキシ基、シクロヘキシルカルボニル基及びアダマンチルカルボニル基等のアルキルカルボニル基又はシクロアルキルカルボニル基;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘプチル基、ヘキシル基、ドデシル基及び2―エチルヘキシル基等の直鎖アルキル基及び分岐アルキル基;ビニル基、プロペニル基及びヘキセニル基等のアルケニル基;アセチレン基;プロピニル基及びヘキシニル基等のアルキニル基;シクロアルキル基;フェニル基及びトリル基等のアリール基;ベンジル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、1−フェニルプロピル基、2−フェニルプロピル基、3−フェニルプロピル基、1−ナフチルメチル基及び2−ナフチルメチル基等のアラルキル基;炭素数3〜30の単環又は多環のラクトン基;炭素数2〜20のオキソアルキル基;炭素数6〜10のオキソシクロアルキル基;カルバモイル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ビシクロ[4.1.10]ヘプチル基、アダマンチル基、又は、1価の炭化水素基Yの説明において後述するステロイド骨格を有する基等の環状アルキル基(炭素数1〜20であることが好ましい。また、環構造中にヘテロ原子を有していてもよいほか、環骨格を構成する炭素がカルボニル炭素(C(=O))であってもよい。);カルボキシ基;シアノ基;複素環基が挙げられる。
Tとしては、直鎖アルキル基(炭素数1〜20が好ましい。)、分岐アルキル基(炭素数3〜20が好ましい。)、環状アルキル基(炭素数3〜20が好ましい。)、アルコキシ基(炭素数1〜20のシクロアルキルオキシ基が好ましい。)、アセトキシ基(炭素数1〜20が好ましい。)が好ましい。また、これらの基は更に置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、上述したTで表される1価の有機基又はヒドロキシ基等が挙げられる。
なかでも、解像性と露光ラチチュードをより向上させる観点から、Tは、環式構造を含む1価の有機基であることがより好ましい。その環式構造は特に限定されず、脂環基、アリール基、複素環基(芳香属性を有するものだけでなく、芳香族性を有さないものも含む。)等を含み、脂環基を有する1価の有機基であることが好ましい。環構造中にヘテロ原子を有していてもよいほか、環骨格を構成する炭素がカルボニル炭素(C(=O))であってもよい。
なお、パターン形状性がより優れる観点から、Xは、フッ素原子を含まないことが好ましい。
一般式(I)中、Yは、ヘテロ原子を有していてもよい1価の炭化水素基を表す。
Yで表されるヘテロ原子を有していてもよい1価の炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基及び複素環基が挙げられる。ただし、Yがヘテロ原子を有する場合には、上記ヘテロ原子は一般式(I)中の−C(=X)基には連結しない。言い換えると、Yは、炭素原子を介して一般式(I)中の−C(=X)基に連結する。また、Yは、ポリマー鎖であってもよい。
Yで表されるヘテロ原子を有していてもよい1価の炭化水素基(1価の炭化水素基Y)は、後述する環式構造を含む1価の炭化水素基、又は、式(la)で表される1価の炭化水素基であることが好ましく、環式構造を含む1価の炭化水素基であることがより好ましい。
以下、環式構造を含む1価の炭化水素基、式(la)で表される1価の炭化水素基についてそれぞれ詳述する。
Yが、ヘテロ原子を有していてもよい、環式構造を含む1価の炭化水素基である場合、Yに含まれる環式構造は特に限定されず、脂環基、アリール基、複素環基(芳香属性を有するものだけでなく、芳香族性を有さないものも含み、例えば、テトラヒドロピラン環、ラクトン環構造、スルトン環構造も含む。)等が挙げられる。Yに含まれる環式構造としては、かさ高い構造が好ましく、環骨格を構成する原子数が7以上であることが好ましく、8以上であることがより好ましく、10以上であることが更に好ましい。かさ高さの観点から、Yは、多環の環式構造を含むことが特に好ましい。
脂環基としては、単環でも多環でもよく、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、及び、シクロオクチル基等の単環のシクロアルキル基、ノルボルニル基、ノルボルネン−イル基、トリシクロデカニル基(例えば、トリシクロ[5.2.1.0(2,6)]デカニル基)、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、及び、アダマンチル基等の多環のシクロアルキル基が好ましく、アダマンチル基がより好ましい。また、ピペリジン基、デカヒドロキノリン基、及び、デカヒドロイソキノリン基等の窒素原子含有脂環基も好ましい。中でも、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基、デカヒドロキノリン基、及び、デカヒドロイソキノリン基といった炭素数7以上のかさ高い構造を有する脂環基が、PEB(露光後加熱)工程での膜中拡散性を抑制でき、露光ラチチュード向上の観点から好ましい。中でも、アダマンチル基、及び、デカヒドロイソキノリン基が特に好ましい。
アリール基としては、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナンスレン環、及び、アントラセン環のいずれか由来の基が挙げられる。なかでも、193nmにおける光吸光度の観点から低吸光度であるナフタレン環由来の基が好ましい。
複素環基としては、フラン環、チオフェン環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、ピリジン環、及び、ピペリジン環のいずれか由来の基が挙げられる。中でもフラン環、チオフェン環、ピリジン環、及び、ピペリジン環のいずれか由来の基が好ましい。その他の好ましい複素環基として、下記に示す構造由来の1価の基を挙げることができる(式中、Wはメチレン基又は酸素原子を表し、Rは1価の有機基を表す。また、なお、一般式(I)中の−C(=X)基との結合位置は、下記式において結合し得る炭素原子であれば特に限定されない。)。
上記の環式構造を含む1価の有機基は、更に置換基を有していてもよい。
置換基としては、アルキル基(直鎖、分岐、及び、環状のいずれであってもよく、炭素数1〜12が好ましい)、アリール基(炭素数6〜14が好ましい)、ヒドロキシ基、アルコキシ基、エステル基、アミド基、ウレタン基、ウレイド基、チオエーテル基、スルホンアミド基、及び、スルホン酸エステル基等が挙げられる。
なお、環式構造を含む1価の有機基において、環骨格を構成する炭素はカルボニル炭素(C(=O))であってもよい。
また、環式構造を含む1価の有機基としては、下記に示されるステロイド骨格を有する基であることも好ましい。
Yは、式(la)で表される1価の炭化水素基であることも好ましい。
一般式(la)中、L11は連結基であり、X11は置換基である。
11により表される連結基としては、例えば、−COO−、−CO−、−C(=S)−、−CONR−(Rは水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜10)又はシクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20)を表す)、アルキレン基(好ましくは炭素数1〜5)、シクロアルキレン基(好ましくは炭素数3〜10)、アルケニレン基、アルキニレン基、及び、アリーレン基(好ましくは炭素数6〜10)が挙げられ、上記の複数の組み合わせであってもよい。L11により表される連結基は、フッ素原子を含まないことが好ましい。
11としては、−COO−、−CO−、又は、−CONH−であることが好ましく、−COO−、又は、−CO−であることがより好ましい。
また、X11で表される置換基としては、例えば、−R、*−NR等が挙げられる。ここで、*は一般式(la)中のL11との結合位置を表す。Rは、アルキル基、単環又は多環のシクロアルキル基、アルケニル基、オキソアルキル基、オキソシクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、ラクトン基又はスルトン基を表す。R及びRは、各々独立に、水素原子、アルキル基、単環又は多環のシクロアルキル基、アルケニル基、オキソアルキル基、オキソシクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、ラクトン基又はスルトン基を表す。R及びRは相互に結合して、R及びRが結合する窒素原子と共に環構造を形成してもよい。
、R及びRとしてのアルキル基の炭素数は1〜20であることが好ましい。R、R及びRとしての単環又は多環のシクロアルキル基の炭素数は3〜20であることが好ましい。R、R及びRとしてのアルケニル基及びオキソアルキル基の炭素数は2〜20であることが好ましい。R、R及びRとしてのオキソシクロアルキル基の炭素数は6〜10であることが好ましい。R、R及びRとしてのアリール基及びアラルキル基の炭素数は6〜18であることが好ましい。R、R及びRとしてのラクトン基の炭素数は3〜30であることが好ましく、単環及び多環のいずれであってもよい。R、R及びRとしてのスルトン基の炭素数は3〜30であることが好ましく、単環及び多環のいずれであってもよい。R、R、及びRに含まれる炭素上の水素原子は、置換基によって置換されていてもよい。
炭素数1〜20の直鎖状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、及び、n−デシル基等が挙げられる。置換基を有するアルキル基として、例えば、シクロペンチルメチル基、シクロペンチルエチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、アダマンチルメチル基、アダマンチルエチル基、ノルボルニルメチル基、ノルボルニルエチル基、カンホロイルメチル基、及び、カンホロイルエチル基等の環式アルキル基を有する直鎖状のアルキル基を挙げることができる。
炭素数3〜20の分岐状のアルキル基としては、例えば、i−プロピル基、sec−ブチル基、i−ブチル基、及び、t−ブチル基等を挙げることができる。
炭素数3〜20の単環又は多環のシクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、及び、カンホロイル基等が挙げられ、置換基を有する単環又は多環のシクロアルキル基として、例えば、メチルシクロペンチル基、メチルシクロヘキシル基、メチルアダマンチル基、エチルシクロペンチル基、エチルシクロヘキシル基、及び、エチルアダマンチル等を挙げることができる。また、R、R及びRとしてのシクロアルキル基は、環構造中にエーテル性酸素原子を含んでいてもよい。
炭素数2〜20のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、1−メチルエテニル基、アリル基、3−ブテニル基、1−メチルアリル基、2−メチルアリル基、4−ペンテニル基、及び、5−ヘキセニル基等を挙げることができる。
炭素数2〜20のオキソアルキル基、及び、炭素数2〜20のオキソシクロアルキル基としては、例えば、2−オキソ−プロピル基、2−オキソ−ブチル基、2−オキソ−3−メチル−ブチル基、2−オキソ−ペンチル基、2−オキソ−3−メチル−ペンチル基、2−オキソ−4−メチル−ペンチル基、2−オキソ−3−エチル−ペンチル基、2−オキソ−ヘキシル基、2−オキソ−3−メチル−ヘキシル基、2−オキソ−4−メチル−ヘキシル基、2−オキソ−5−メチル−ヘキシル基、2−オキソ−3−エチル−ヘキシル基、2−オキソ−4−エチル−ヘキシル基、2−オキソ−ヘプチル基、2−オキソ−3−メチル−ヘプチル基、2−オキソ−4−メチル−ヘプチル基、2−オキソ−5−メチル−ヘプチル基、2−オキソ−6−メチル−ヘプチル基、2−オキソ−3−エチル−ヘプチル基、2−オキソ−4−エチル−ヘプチル基、2−オキソ−5−エチル−ヘプチル基、2−オキソ−3−プロピル−ヘプチル基、2−オキソ−4−プロピル−ヘプチル基、2−オキソ−オクチル基、2−オキソ−3−メチル−オクチル基、2−オキソ−4−メチル−オクチル基、2−オキソ−5−メチル−オクチル基、2−オキソ−6−メチル−オクチル基、2−オキソ−7−メチル−オクチル基、2−オキソ−3−エチル−オクチル基、2−オキソ−4−エチル−オクチル基、2−オキソ−5−エチル−オクチル基、2−オキソ−シクロペンチル基、2−オキソ−シクロヘキシル基、2−オキソ−シクロヘプチル基、2−オキソ−シクロプロピルメチル基、2−オキソ−メチルシクロヘキシル基、2−オキソ−シクロヘキシルメチル基、2−オキソ−ノルボルニル基、2−オキソ−トリシクロ[5.2.1.02,6]デシル基、2−シクロ−オキソテトラシクロ[4.4.0.12,57,10]ドデシル基、及び、2−オキソ−ボルニル基等を挙げることができる。
炭素数6〜18のアリール基としては、例えば、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、p−ヒドロキシフェニル基、p−トリフルオロメチルフェニル基、1−ナフチル基、及び、1−アントラセニル基等を挙げることができる。
炭素数6〜18のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、1−フェニルプロピル基、2−フェニルプロピル基、3−フェニルプロピル基、1−ナフチルメチル基、及び、2−ナフチルメチル基等が挙げられる。
炭素数3〜30のラクトン基は、対応するラクトンから1個の水素原子が脱離した一価の基であり、このようなラクトンとしては、単環式もしくは多環式ラクトンであり、例えば、γ−ブチロラクロン、γ−バレロラクトン、アンゲリカラクトン、γ−ヘキサラクトン、γ−ヘプタラクトン、γ−オクタラクトン、γ−ノナラクトン、3−メチル−4−オクタノライド(ウイスキーラクトン)、γ−デカラクトン、γ−ウンデカラクトン、γ−ドデカラクトン、γ−ジャスモラクトン(7−デセノラクトン)、δ−ヘキサラクトン、4,6,6(4,4,6)−トリメチルテトラヒドロピラン−2−オン、δ−オクタラクトン、δ−ノナラクトン、δ−デカラクトン、δ−2−デセノラクトン、δ−ウンデカラクトン、δ−ドデカラクトン、δ−トリデカラクトン、δ−テトラデカラクトン、ラクトスカトン、ε−デカラクトン、ε−ドデカラクトン、シクロヘキシルラクトン、ジャスミンラクトン、シスジャスモンラクトン、及びメチルγ−デカラクトンが挙げられる。またラクトン基として、下記のものも挙げられる。点線は結合位置を表す。
としては、かさ高い官能基がより好ましく、例えば、炭素数5〜10の単環又は多環のシクロアルキル基を含む基であることが好ましい。このような基として、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、メチルシクロペンチル基、メチルシクロヘキシル基、メチルアダマンチル基、エチルシクロペンチル基、エチルシクロヘキシル基、エチルアダマンチル基、ノルボルニル基、カンホロイル基、シクロペンチルメチル基、シクロペンチルエチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、アダマンチルメチル基、アダマンチルエチル基、ノルボルニルメチル基、ノルボルニルエチル基、カンホロイルメチル基、及び、カンホロイルエチル基等を挙げることができる。なかでも、シクロヘキシル基、及び、アダマンチル基がより好ましい。
上述したように、R及びRは相互に結合して、R及びRが結合する窒素原子と共に環構造を形成してもよい。この環構造の環員数は3〜18個であることが好ましく、単環でも多環でもよく、また、R及びRが結合する窒素原子以外に、更に、窒素原子、酸素原子、及び、硫黄原子等のヘテロ原子を含んでいてもよい。
及びRによって形成される環構造としては、例えば、下記のものが挙げられる。ここで*は、一般式(la)中のL11との結合位置を表す。
上述したように、R、R、及びRに含まれる炭素上の水素原子は、置換基によって置換されていてもよい。置換基としては、例えば、フッ素原子以外のハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、ヒドロキシ基、チオール基、アルキル基、及び、アリール基等が挙げられるほか、フッ素原子以外のハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子、及び、ケイ素原子等のヘテロ原子を含む有機基等を挙げることができる。更には上述したR、R、及びRの同一炭素上の2つの水素原子が1つの酸素原子で置換されたケトン基を例示することができる。これらの置換基は、構造上可能な範囲内でいくつ存在していてもよい。
なお、パターン形状性がより優れる観点から、Yは、フッ素原子を含まないことが好ましい。
また、上述のとおり、酸発生剤はポリマー形態であってもよい。
酸発生剤がポリマー形態である場合には、Yで表される1価の炭化水素基が、ポリマーユニット(例えば、ビニル系ポリマー等)を有する1価の炭化水素基であることが好ましい。
酸触媒反応の反応性と酸拡散性のバランスの観点から、一般式(I)中、Xは、酸素原子であることが好ましい。
一方、解像力及び露光ラチチュードがより良好となる観点からは、一般式(I)中、Xは、酸素原子、又は、*N−T基であることも好ましく、*N−T基(Tは環式構造を含む1価の有機基である)であることがより好ましい。
また、解像力、露光ラチチュード又はパターン形状性がより優れる観点から、一般式(I)中、Yは、ヘテロ原子を含んでいてもよい、環式構造を含む1価の炭化水素基であることが好ましい。
以下、一般式(I)で表される酸の具体例を以下に示す。
(一般式(II)で表される酸を発生する化合物)
以下、一般式(II)で表される酸について詳述する。

上記一般式(II)中、
及びAは、上記一般式(I)中のA及びAと同義である。
Yは、ヘテロ原子を有していてもよい、環式構造を含む1価の炭化水素基である。なお、Yにヘテロ原子が含まれる場合、Y中のヘテロ原子は、水酸基と結合している炭素原子に結合しない。なお、上記ヘテロ原子を有していてもよい、環式構造を含む1価の炭化水素基の定義は、上述した一般式(I)中のYで説明した「ヘテロ原子を有していてもよい、環式構造を含む1価の炭化水素基」と同義である。
Vは、水素原子、又は、ヘテロ原子を有していてもよい1価の炭化水素基を表す。なお、Vにヘテロ原子が含まれる場合、V中のヘテロ原子は、水酸基と結合している炭素原子に結合しない。
一般式(II)中、Vで表される1価の炭化水素基は、上記一般式(I)中のYと同義であり、また、その好適態様についても同様である。なお、Vにヘテロ原子が含まれる場合、V中のヘテロ原子は、水酸基と結合している炭素原子に結合しない。言い換えると、Vは、炭素原子を介して一般式(II)中の水酸基と結合している炭素原子に連結する。また、パターン形状性がより優れる観点から、Vは、フッ素原子を含まないことが好ましい。
また、一般式(II)中、A、A、及び、Yは、それぞれ上述した一般式(I)中のA、A、及び、Yと同義であり、また、その好適態様についても同様である。なお、Yにヘテロ原子が含まれる場合、Y中のヘテロ原子は、水酸基と結合している炭素原子に結合しない。言い換えると、Yは、炭素原子を介して一般式(II)中の水酸基と結合している炭素原子に連結する。
YとVとが連結して環を形成してもよい。
また、解像力、露光ラチチュード又はパターン形状性がより優れる観点から、一般式(II)中、Vは、ヘテロ原子を含んでいてもよい、環式構造を含む1価の炭化水素基であることが好ましく、Y及びVのいずれもが、ヘテロ原子を含んでいてもよい、環式構造を含む1価の炭化水素基であることが好ましい。
以下、一般式(II)で表される酸の具体例を以下に示す。
(活性光線又は放射線の照射により一般式(I)又は一般式(II)で表される酸を発生する化合物)
活性光線又は放射線の照射により一般式(I)又は一般式(II)で表される酸を発生する化合物としては、その構造は特に限定されないが、スルホニウム塩及びヨードニウム塩といったオニウム塩等のイオン性構造を有する化合物、又は、オキシムエステル及びイミドエステル等の非イオン性化合物構造を有するものが好ましい。オニウム塩としては、スルホニウム塩であることがより好ましい。
・イオン構造を有する化合物
活性光線又は放射線の照射により一般式(I)又は一般式(II)で表される酸を発生する化合物としては、それぞれ、下記一般式(I−A)又は一般式(II−A)で表される化合物であることが好ましい。
上記一般式(I−A)中、A、A、X、Y、及びVは、それぞれ上述した一般式(I)中のA、A、X、Y、及びVと同義であり、Mは、1価のカチオンを表す。
上記一般式(II−A)中、A、A、Y、及びVは、それぞれ上述した一般式(II)中のA、A、Y、及びVと同義であり、Mは、1価のカチオンを表す。
一般式(I−A)又は一般式(II−A)中、Mで表される1価のカチオンとしては、例えば、下記一般式(ZI)及び(ZII)で表されるカチオンを挙げることができる。
上記一般式(ZI)において、
201、R202及びR203は、各々独立に、有機基を表す。
201、R202及びR203としての有機基の炭素数は、一般的に1〜30、好ましくは1〜20である。
また、R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、又は、カルボニル基を含んでいてもよい。R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
なお、酸発生剤は、一般式(ZI)で表される構造を複数有する化合物であってもよい。例えば、一般式(ZI)で表される化合物のR201〜R203の少なくとも1つが、一般式(ZI)で表されるもうひとつの化合物のR201〜R203の少なくとも1つと、単結合又は連結基を介して結合した構造を有する化合物であってもよい。
酸強度の観点からは、発生酸のpKaが−1以下であることが、感度向上のために好ましい。
201、R202及びR203の有機基としては、アリール基(炭素数6〜15が好ましい)、直鎖又は分岐のアルキル基(炭素数1〜10が好ましい)、及び、シクロアルキル基(炭素数3〜15が好ましい)等が挙げられる。
201、R202及びR203のうち、少なくとも1つがアリール基であることが好ましく、3つ全てがアリール基であることがより好ましい。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等の他に、インドール残基、ピロール残基等のヘテロアリール基も可能である。
201、R202及びR203としてのこれらアリール基、アルキル基、及び、シクロアルキル基は更に置換基を有していてもよい。その置換基としては、ニトロ基、フッ素原子等のハロゲン原子、カルボキシ基、水酸基、アミノ基、シアノ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜15)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜15)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜7)、アシル基(好ましくは炭素数2〜12)、及び、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜7)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、R201、R202及びR203から選ばれる2つが、単結合又は連結基を介して結合していてもよい。連結基としてはアルキレン基(炭素数1〜3が好ましい)、−O−,−S−,−CO−,及び、−SO−等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
201、R202及びR203のうち少なくとも1つがアリール基でない場合の好ましい構造としては、特開2004−233661号公報の段落0046、0047、特開2003−35948号公報の段落0040〜0046、米国特許出願公開第2003/0224288A1号明細書に式(I−1)〜(I−70)として例示されている化合物、及び、米国特許出願公開第2003/0077540A1号明細書に式(IA−1)〜(IA−54)、式(IB−1)〜(IB−24)として例示されている化合物等のカチオン構造を挙げることができる。
一般式(ZI)で表されるカチオンの好ましい例として、以下に説明する一般式(ZI−3)又は(ZI−4)で表されるカチオンを挙げることができる。先ず、一般式(ZI−3)で表されるカチオンについて説明する。
上記一般式(ZI−3)中、
は、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又はアルケニル基を表し、
及びRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表し、RとRが互いに連結して環を形成してもよく、
とRは、互いに連結して環を形成してもよく、
及びRは、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、2−オキソアルキル基、2−オキソシクロアルキル基、アルコキシカルボニルアルキル基、又は、アルコキシカルボニルシクロアルキル基を表し、RとRが互いに連結して環を形成してもよく、この環構造は酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケトン基、エーテル結合、エステル結合、又は、アミド結合を含んでいてもよい。
としてのアルキル基は、好ましくは炭素数1〜20の直鎖又は分岐アルキル基であり、アルキル鎖中に酸素原子、硫黄原子、又は、窒素原子を有していてもよい。具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−ドデシル基、n−テトラデシル基、及び、n−オクタデシル基等の直鎖アルキル基、並びに、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、ネオペンチル基、及び、2−エチルヘキシル基等の分岐アルキル基を挙げることができる。Rのアルキル基は置換基を有していてもよく、置換基を有するアルキル基としては、シアノメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、メトキシカルボニルメチル基、及び、エトキシカルボニルメチル基等が挙げられる。
としてのシクロアルキル基は、好ましくは炭素数3〜20のシクロアルキル基であり、環内に酸素原子又は硫黄原子を有していてもよい。具体的には、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、及び、アダマンチル基等を挙げることができる。Rのシクロアルキル基は置換基を有していてもよく、置換基の例としては、アルキル基、アルコキシ基が挙げられる。
としてのアルコキシ基は、好ましくは炭素数1〜20のアルコキシ基である。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基、t−ブチルオキシ基、t−アミルオキシ基、及び、n−ブチルオキシ基が挙げられる。Rのアルコキシ基は置換基を有していてもよく、置換基の例としては、アルキル基、シクロアルキル基が挙げられる。
としてのシクロアルコキシ基は、好ましくは炭素数3〜20のシクロアルコキシ基であり、シクロヘキシルオキシ基、ノルボルニルオキシ基、及び、アダマンチルオキシ基等を挙げることができる。Rのシクロアルコキシ基は置換基を有していてもよく、置換基の例としては、アルキル基、シクロアルキル基が挙げられる。
としてのアリール基は、好ましくは炭素数6〜14のアリール基であり、例えばフェニル基、ナフチル基、及び、ビフェニル基等が挙げられる。Rのアリール基は置換基を有していてもよく、好ましい置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、及び、アリールチオ基が挙げられる。置換基がアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基又はシクロアルコキシ基の場合、上述したRとしてのアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基及びシクロアルコキシ基と同様のものが挙げられる。
としてのアルケニル基は、ビニル基、アリル基が挙げられる。
及びRは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を表し、RとRが互いに連結して環を形成してもよい。なお、R及びRのうち少なくとも1つは、アルキル基、シクロアルキル基、及び、アリール基を表すことが好ましい。R、Rについてのアルキル基、シクロアルキル基、及び、アリール基の具体例及び好ましい例としては、Rについて前述した具体例及び好ましい例と同様のものが挙げられる。RとRが互いに連結して環を形成する場合、R及びRに含まれる環の形成に寄与する炭素原子の数の合計は、4〜7であることが好ましく、4又は5であることが特に好ましい。
とRは、互いに連結して環を形成してもよい。RとRが互いに連結して環を形成する場合、Rがアリール基(好ましくは置換基を有してもよいフェニル基又はナフチル基)であり、Rが炭素数1〜4のアルキレン基(好ましくはメチレン基又はエチレン基)であることが好ましく、好ましい置換基としては、上述したRとしてのアリール基が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。RとRが互いに連結して環を形成する場合における他の形態として、Rがビニル基であり、Rが炭素数1〜4のアルキレン基であることも好ましい。
及びRにより表されるアルキル基は、好ましくは炭素数1〜15のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、及び、エイコシル基等を挙げることができる。
及びRにより表されるシクロアルキル基は、好ましくは炭素数3〜20のシクロアルキル基、例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、及び、アダマンチル基等を挙げることができる。
及びRにより表されるアルケニル基は、好ましくは、2〜30のアルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基、及びスチリル基を挙げることができる。
及びRにより表されるアリール基としては、例えば、炭素数6〜20のアリール基が好ましく、具体的にはフェニル基、ナフチル基、アズレニル基、アセナフチレニル基、フェナンスレニル基、ペナレニル基、フェナントラセニル基、フルオレニル基、アントラセニル基、ピレニル基、及び、ベンゾピレニル基等が挙げられる。好ましくは、フェニル基、ナフチル基であり、より好ましくは、フェニル基である。
及びRにより表される2−オキソアルキル基及びアルコキシカルボニルアルキル基のアルキル基部分としては、例えば、先にR及びRとして列挙したものが挙げられる。
及びRにより表される2−オキソシクロアルキル基及びアルコキシカルボニルシクロアルキル基のシクロアルキル基部分としては、例えば、先にR及びRとして列挙したものが挙げられる。
一般式(ZI−3)で表されるカチオンは、好ましくは、以下の一般式(ZI−3a)及び(ZI−3b)で表されるカチオンである。
一般式(ZI−3a)及び(ZI−3b)において、R、R及びRは、上記一般式(ZI−3)で定義した通りである。
Yは、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を表し、酸素原子又は窒素原子であることが好ましい。m、n、p及びqは整数を意味し、0〜3であることが好ましく、1〜2であることがより好ましく、1であることが更に好ましい。SとYを連結するアルキレン基は置換基を有してもよく、好ましい置換基としてはアルキル基が挙げられる。
は、Yが窒素原子である場合には1価の有機基を表し、Yが酸素原子又は硫黄原子である場合には存在しない。Rは、電子求引性基を含む基であることが好ましく、下記一般式(ZI−3a−1)〜(ZI−3a−4)で表される基であることが特に好ましい。
上記(ZI−3a−1)〜(ZI−3a−3)において、Rは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表し、好ましくはアルキル基である。Rについてのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基の具体例及び好ましい例としては、上記一般式(ZI−3)におけるRについて前述した具体例及び好ましい例と同様のものが挙げられる。
上記(ZI−3a−1)〜(ZI−3a−4)において、*は一般式(ZI−3a)で表される化合物中のYとしての窒素原子に接続する結合手を表す。
Yが窒素原子である場合、Rは、−SO−Rで表される基であることが好ましい。Rは、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表し、好ましくはアルキル基である。Rについてのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基の具体例及び好ましい例としては、Rについて前述した具体例及び好ましい例と同様のものが挙げられる。
一般式(ZI−3)で表されるカチオンは、特に好ましくは、以下の一般式(ZI−3a’)及び(ZI−3b’)で表されるカチオンである。
一般式(ZI−3a’)及び(ZI−3b’)において、R、R、R、Y及びRは、上記一般式(ZI−3a)及び(ZI−3b)で定義した通りである。
一般式(ZI−3)で表されるカチオンの具体例を以下に挙げる。なお、下記式中、Meはメチル基、Buはn−ブチル基を表す。
次に、一般式(ZI−4)で表されるカチオンについて説明する。
一般式(ZI−4)中、
13は、水素原子、フッ素原子、水酸基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、又はシクロアルキル基を有する基を表す。これらの基は置換基を有してもよい。
14は複数存在する場合は各々独立して、水酸基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルキルスルホニル基、シクロアルキルスルホニル基、又はシクロアルキル基を有する基を表す。これらの基は置換基を有してもよい。
15は各々独立して、アルキル基、シクロアルキル基又はナフチル基を表す。2個のR15が互いに結合して環を形成してもよく、環を構成する原子として、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子等のヘテロ原子を含んでもよい。これらの基は置換基を有してもよい。
lは0〜2の整数を表す。
rは0〜8の整数を表す。
一般式(ZI−4)において、R13、R14及びR15のアルキル基としては、直鎖状若しくは分岐状であり、炭素数1〜10のものが好ましい。
13、R14及びR15のシクロアルキル基としては、単環若しくは多環のシクロアルキル基が挙げられる。
13及びR14のアルコキシ基としては、直鎖状若しくは分岐状であり、炭素数1〜10のものが好ましい。
13及びR14のアルコキシカルボニル基としては、直鎖状若しくは分岐状であり、炭素数2〜11のものが好ましい。
13及びR14のシクロアルキル基を有する基としては、単環若しくは多環のシクロアルキル基を有する基が挙げられる。これら基は、置換基を更に有していてもよい。
14のアルキルカルボニル基のアルキル基としては、上述したR13〜R15としてのアルキル基と同様の具体例が挙げられる。
14のアルキルスルホニル基及びシクロアルキルスルホニル基としては、直鎖状、分岐状、環状であり、炭素数1〜10のものが好ましい。
上記各基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子)、水酸基、カルボキシ基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、及び、アルコキシカルボニルオキシ基等を挙げることができる。
2個のR15が互いに結合して形成してもよい環構造としては、2個のR15が一般式(ZI−4)中の硫黄原子と共に形成する5員又は6員の環、特に好ましくは5員の環(即ち、テトラヒドロチオフェン環又は2,5−ジヒドロチオフェン環)が挙げられ、アリール基又はシクロアルキル基と縮環していてもよい。この2価のR15は置換基を有してもよく、置換基としては、例えば、水酸基、カルボキシ基、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、及び、アルコキシカルボニルオキシ基等を挙げることができる。上記環構造に対する置換基は、複数個存在してもよく、また、それらが互いに結合して環を形成してもよい。
一般式(ZI−4)におけるR15としては、メチル基、エチル基、ナフチル基、及び2個のR15が互いに結合して硫黄原子と共にテトラヒドロチオフェン環構造を形成する2価の基等が好ましく、2個のR15が互いに結合して硫黄原子と共にテトラヒドロチオフェン環構造を形成する2価の基が特に好ましい。
13及びR14が有し得る置換基としては、水酸基、アルコキシ基、又はアルコキシカルボニル基、ハロゲン原子(特に、フッ素原子)が好ましい。
lとしては、0又は1が好ましく、1がより好ましい。
rとしては、0〜2が好ましい。
以上説明した一般式(ZI−3)又は(ZI−4)で表されるカチオン構造の具体例としては、上述した、特開2004−233661号公報、特開2003−35948号公報、米国特許出願公開第2003/0224288A1号明細書、米国特許出願公開第2003/0077540A1号明細書に例示されている化合物等のカチオン構造の他、例えば、特開2011−53360号公報の段落0046、0047、0072〜0077、0107〜0110に例示されている化学構造等におけるカチオン構造、特開2011−53430号公報の段落0135〜0137、0151、0196〜0199に例示されている化学構造等におけるカチオン構造等が挙げられる。
次に、一般式(ZII)について説明する。
一般式(ZII)中、R204、R205は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
204及びR205のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基としては、前述の化合物(ZI)におけるR201〜R203のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基と同様である。
中でも、R204、R205のアリール基としてはフェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。R204、R205のアリール基は、酸素原子、窒素原子、又は、硫黄原子等を有する複素環構造を有するアリール基であってもよい。複素環構造を有するアリール基の骨格としては、例えば、ピロール、フラン、チオフェン、インドール、ベンゾフラン、及び、ベンゾチオフェン等を挙げることができる。
また、R204、R205のアルキル基及びシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。
204、R205のアリール基、アルキル基、及び、シクロアルキル基は、置換基を有していてもよい。R204、R205のアリール基、アルキル基、及び、シクロアルキル基が有していてもよい置換基としては、前述の化合物(ZI)におけるR201〜R203のアリール基、アルキル基、及び、シクロアルキル基が有していてもよいものが挙げられ、例えば、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜15)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、及び、フェニルチオ基等を挙げることができる。
一般式(ZII)で表されるカチオンの具体例を示す。
一般式(ZI)で表されるカチオンの好ましい例としては、以下に説明する一般式(7)で表されるカチオンも挙げることができる。
式中、Aは硫黄原子を表す。
mは1又は2を表し、nは1又は2を表す。但し、Aが硫黄原子の時、m+n=3、A
がヨウ素原子の時、m+n=2である。
Rは、アリール基を表す。
は、プロトンアクセプター性官能基で置換されたアリール基を表す。
プロトンアクセプター性官能基とは、プロトンと静電的に相互作用し得る基或いは電子を有する官能基であって、例えば、環状ポリエーテル等のマクロサイクリック構造を有する官能基、又は、π共役に寄与しない非共有電子対をもった窒素原子を有する官能基を意味する。π共役に寄与しない非共有電子対を有する窒素原子とは、例えば、下記一般式に示す部分構造を有する窒素原子である。
プロトンアクセプター性官能基の好ましい部分構造として、例えば、クラウンエーテル構造、アザクラウンエーテル構造、1〜3級アミン構造、ピリジン構造、イミダゾール構造、及び、ピラジン構造等を挙げることができる。
プロトンアクセプター性官能基を有する化合物(PA)は、活性光線又は放射線の照射により分解してプロトンアクセプター性が低下、消失、又はプロトンアクセプター性から酸性に変化した化合物を発生する。ここで、プロトンアクセプター性の低下、消失、又はプロトンアクセプター性から酸性への変化とは、プロトンアクセプター性官能基にプロトンが付加することに起因するプロトンアクセプター性の変化であり、具体的には、プロトンアクセプター性官能基を有する化合物(PA)とプロトンからプロトン付加体が生成する時、その化学平衡に於ける平衡定数が減少することを意味する。
一般式(7)で表されるカチオンの具体例を示す。なお、下記一般式においてEtはエチル基を表す。
・非イオン性化合物構造を有する化合物
活性光線又は放射線の照射により一般式(I)又は一般式(II)で表される酸を発生する化合物としては、非イオン性化合物構造を有するものであってもよく、例えば、下記一般式(ZV)、(ZVI)で表される化合物を挙げることができる。
一般式(ZV)、(ZVI)中、
209及びR210は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、シアノ基又はアリール基を表す。R209、R210のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基としては、前述の化合物(ZI)におけるR201〜R203のアリール基、アルキル基、及び、シクロアルキル基として説明した各基と同様である。R209、R210のアリール基、アルキル基、及び、シクロアルキル基は、置換基を有していてもよい。この置換基としても、前述の化合物(ZI)におけるR201〜R203のアリール基、アルキル基、及び、シクロアルキル基が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
A’は、アルキレン基、アルケニレン基又はアリーレン基を表す。
A’としてのアルキレン基は、置換基を有していてもよく、好ましくは炭素数1〜8、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、及び、オクチレン基等を挙げることができる。
A’としてのアルケニレン基は、置換基を有していてもよく、好ましくは炭素数2〜6、例えば、エテニレン基、プロペニレン基、及び、ブテニレン基等を挙げることができる。
A’としてのアリーレン基は、置換基を有していてもよく、好ましくは炭素数6〜15、例えば、フェニレン基、トリレン基、及び、ナフチレン基等を挙げることができる。
A’が有してもよい置換基としては、例えば、シクロアルキル基、アリール基、アミノ基、アミド基、ウレイド基、ウレタン基、ヒドロキシ基、及び、カルボキシ基等の活性水素を有するもの、更に、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、アルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等)、チオエーテル基、アシル基(アセチル基、プロパノイル基、ベンゾイル基等)、アシロキシ基(アセトキシ基、プロパノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等)、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基等)、シアノ基、及び、ニトロ基等が挙げられる。また、アリーレン基については更にアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等)を挙げることができる。
Rzは、一般式(I)又は一般式(II)で表される酸のHが解離した構造を表し、それぞれ下記一般式(I−s)又は下記一般式(II−s)で表される。
一般式(I−s)中、A、A、X、Y、及びVは、それぞれ上述した一般式(I)中のA、A、X、Y、及びVと同義である。*は、一般式(ZV)又は(ZVI)で表される化合物残基との結合部を表す。
一般式(II−s)中、A、A、Y、及びVは、それぞれ上述した一般式(II)中のA、A、Y、及びVと同義である。*は、一般式(ZV)又は(ZVI)で表される化合物残基との結合部を表す。
一般式(ZV)又は(ZVI)で表される化合物残基の具体例を以下に示す。具体例中の*は、上記一般式(I−s)又は(II−s)の*との結合部を表す。また、Meはメチル基を表す。
以下、活性光線又は放射線の照射により一般式(I)又は一般式(II)で表される酸を発生する化合物の具体例を挙げる。
活性光線又は放射線の照射により一般式(I)又は一般式(II)で表される酸を発生する化合物の合成方法は、公知の合成方法によって合成することができる。合成方法の一例を以下に示す。
本発明の組成物は、上述した一般式(I)で表される酸を発生する化合物(酸発生剤(I))及び一般式(II)で表される酸を発生する化合物(酸発生剤(II))から選ばれる酸発生剤を1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、本発明の組成物は、上述した酸発生剤(I)及び(II)から選ばれる酸発生剤と、酸発生剤(I)及び(II)以外の酸発生剤とを組み合わせて使用してもよい。
酸発生剤(I)及び(II)以外の酸発生剤としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、又は、マイクロレジスト等に使用されている活性光線又は放射線の照射により酸を発生する公知の化合物及びそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。
たとえば、ジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、イミドスルホネート、オキシムスルホネート、ジアゾジスルホン、ジスルホン、又は、o−ニトロベンジルスルホネートを挙げることができる。
また、これらの活性光線又は放射線の照射により酸を発生する基、又は、化合物をポリマーの主鎖又は側鎖に導入した化合物、例えば、米国特許第3,849,137号明細書、独国特許第3914407号明細書、特開昭63−26653号公報、特開昭55−164824号公報、特開昭62−69263号公報、特開昭63−146038号公報、特開昭63−163452号公報、特開昭62−153853号公報、又は、特開昭63−146029号公報等に記載の化合物を用いることができる。
更に米国特許第3,779,778号明細書、又は、欧州特許第126,712号明細書等に記載の光により酸を発生する化合物も使用することができる。
酸発生剤(I)及び(II)以外の酸発生剤としては、US2012/0076996A1の段落[0337]〜[0400]の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
本発明の組成物中、酸発生剤の含有量は、感活性光線性又は感放射線性組成物の全固形分を基準として、好ましくは0.1〜20質量%、より好ましくは0.5〜18質量%、更に好ましくは5〜18質量%である。光酸発生剤の含量をこの範囲とすることで、レジストパターンを形成したときの露光余裕度の向上、及び、架橋層形成材料との架橋反応性が向上する。本発明の組成物が2種以上の光酸発生剤を含む場合は、光酸発生剤の総含有量が上記範囲内であることが好ましい。
<樹脂(A)>
樹脂(A)は、酸の作用により極性が変化する樹脂である。本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、樹脂(A)として、酸の作用により分解する基を有する樹脂(以下、「樹脂(A1)」ともいう。)を含有するか、又は、樹脂(A)として、フェノール性水酸基を有する樹脂(以下、「樹脂(A2)」ともいう。)を含有するか、のいずれかの態様であることが好ましい。
(酸の作用により分解する基を有する樹脂(A1))
樹脂(A1)は、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大し、あるいは、酸の作用により有機溶剤を主成分とする現像液に対する溶解性が減少する樹脂であり、樹脂の主鎖及び側鎖の少なくともいずれかに、酸の作用により分解してアルカリ可溶性基を生じる基(以下、「酸分解性基」ともいう)を有する。
アルカリ可溶性基としては、例えば、カルボキシ基、フッ素化アルコール基(好ましくはヘキサフルオロイソプロパノール基)、又は、スルホン酸基が挙げられる。
樹脂(A1)は、上述した酸分解性基を有する繰り返し単位を有することが好ましい。酸分解性基を有する繰り返し単位は、下記一般式(AI)で表される繰り返し単位であることが好ましい。
一般式(AI)に於いて、
Xaは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基を表す。
Tは、単結合又は2価の連結基を表す。
Rx〜Rxは、それぞれ独立に、アルキル基(直鎖若しくは分岐)又はシクロアルキル基(単環若しくは多環)を表す。
Rx〜Rxの2つが結合して、シクロアルキル基(単環若しくは多環)を形成してもよい。
Xaにより表される、置換基を有していてもよいアルキル基としては、例えば、メチル基又は−CH−R11で表される基が挙げられる。R11は、ハロゲン原子(フッ素原子等)、ヒドロキシ基又は1価の有機基を表し、例えば、炭素数5以下のアルキル基、炭素数5以下のアシル基が挙げられ、好ましくは炭素数3以下のアルキル基であり、更に好ましくはメチル基である。Xaは、一態様において、好ましくは水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はヒドロキシメチル基等である。
Tの2価の連結基としては、アルキレン基、−COO−Rt−基、及び、−O−Rt−基等が挙げられる。式中、Rtは、アルキレン基又はシクロアルキレン基を表す。
Tは、単結合又は−COO−Rt−基が好ましい。Rtは、炭素数1〜5のアルキレン基が好ましく、−CH−基、−(CH−基、又は、−(CH−基がより好ましい。
Rx〜Rxのアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、及び、t−ブチル基等の炭素数1〜4のものが好ましい。
Rx〜Rxのシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、及び、シクロヘキシル基等の単環のシクロアルキル基、並びに、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、及び、アダマンチル基等の多環のシクロアルキル基が好ましい。
Rx〜Rxの2つが結合して形成されるシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、及び、シクロヘキシル基等の単環のシクロアルキル基、並びに、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、及び、アダマンチル基等の多環のシクロアルキル基が好ましい。炭素数5〜6の単環のシクロアルキル基がより好ましい。
Rx〜Rxの2つが結合して形成される上記シクロアルキル基は、例えば、環を構成するメチレン基の1つが、酸素原子等のヘテロ原子、又は、カルボニル基等のヘテロ原子を有する基で置き換わっていてもよい。
一般式(AI)で表される繰り返し単位は、例えば、Rxがメチル基又はエチル基であり、RxとRxとが結合して上述のシクロアルキル基を形成している態様が好ましい。
上記各基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、アルキル基(炭素数1〜4)、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基(炭素数1〜4)、及び、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基(炭素数2〜6)等が挙げられ、炭素数8以下が好ましい。
酸分解性基を有する繰り返し単位の合計としての含有量は、樹脂(A1)中の全繰り返し単位に対し、20〜90mol%であることが好ましく、25〜85mol%であることがより好ましく、30〜80mol%であることが更に好ましい。
以下に、酸分解性基を有する繰り返し単位の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
具体例中、Rx、Xaは、水素原子、CH、CF、又はCHOHを表す。Rxa、Rxbはそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基を表す。Zは、極性基を含む置換基を表し、複数存在する場合は各々独立である。pは0又は正の整数を表す。Zにより表される極性基を含む置換基としては、例えば、水酸基、シアノ基、アミノ基、アルキルアミド基又はスルホンアミド基を有する、直鎖又は分岐のアルキル基、シクロアルキル基が挙げられ、好ましくは、水酸基を有するアルキル基である。分岐状アルキル基としてはイソプロピル基が特に好ましい。
樹脂(A1)は、一般式(AI)で表される繰り返し単位として、なかでも、一般式(3)で表される繰り返し単位を含有することが好ましい。
一般式(3)中、
31は、水素原子又はアルキル基を表す。
32は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基又はsec−ブチル基を表す。
33は、R32が結合している炭素原子と共に単環の脂環炭化水素構造を形成するのに必要な原子団を表す。上記脂環炭化水素構造は、環を構成する炭素原子の一部が、ヘテロ原子、又は、ヘテロ原子を有する基で置換されていてもよい。
31のアルキル基は、置換基を有していてもよく、置換基としてはフッ素原子、水酸基等が挙げられる。
31は、好ましくは水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はヒドロキシメチル基を表す。
32は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、又は、イソプロピル基であることが好ましく、メチル基、又は、エチル基であることがより好ましい。
33が炭素原子と共に形成する単環の脂環炭化水素構造は、3〜8員環であることが好ましく、5又は6員環であることがより好ましい。
33が炭素原子と共に形成する単環の脂環炭化水素構造において、環を構成し得るヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子等が挙げられ、ヘテロ原子を有する基としては、カルボニル基等が挙げられる。ただし、ヘテロ原子を有する基は、エステル基(エステル結合)ではないことが好ましい。
33が炭素原子と共に形成する単環の脂環炭化水素構造は、炭素原子と水素原子とのみから形成されることが好ましい。
一般式(3)で表される構造を有する繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、これらに限定されるものではない。
一般式(3)で表される構造を有する繰り返し単位の含有量は、樹脂(A1)中の全繰り返し単位に対して20〜80モル%であることが好ましく、25〜75モル%であることがより好ましく、30〜70モル%であることが更に好ましい。
また、樹脂(A1)は、ラクトン構造又はスルトン(環状スルホン酸エステル)構造を有する繰り返し単位を含有することが好ましい。
ラクトン基又はスルトン基としては、ラクトン構造又はスルトン構造を有していればいずれでも用いることができるが、好ましくは5〜7員環のラクトン構造又はスルトン構造であり、5〜7員環のラクトン構造又はスルトン構造にビシクロ構造、スピロ構造を形成する形で他の環構造が縮環しているものが好ましい。下記一般式(LC1−1)〜(LC1−17)、(SL1−1)及び(SL1−2)のいずれかで表されるラクトン構造又はスルトン構造を有する繰り返し単位を有することがより好ましい。また、ラクトン構造又はスルトン構造が主鎖に直接結合していてもよい。好ましいラクトン構造又はスルトン構造としては(LC1−1)、(LC1−4)、(LC1−5)、(LC1−8)であり、(LC1−4)であることがより好ましい。特定のラクトン構造又はスルトン構造を用いることでLWR(line width roughness)、現像欠陥が良好になる。
ラクトン構造部分又はスルトン構造部分は、置換基(Rb)を有していても有していなくてもよい。好ましい置換基(Rb)としては、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数4〜7のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基、カルボキシ基、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、及び、酸分解性基等が挙げられる。より好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、シアノ基、又は、酸分解性基である。nは、0〜4の整数を表す。nが2以上の時、複数存在する置換基(Rb)は、同一でも異なっていてもよく、また、複数存在する置換基(Rb)同士が結合して環を形成してもよい。
樹脂(A1)は、下記一般式(III)で表されるラクトン構造又はスルトン構造を有する繰り返し単位を含有することが好ましい。
式(III)中、
Aは、エステル結合(−COO−で表される基)又はアミド結合(−CONH−で表される基)を表す。
は、複数個ある場合にはそれぞれ独立にアルキレン基、シクロアルキレン基、又はその組み合わせを表す。
Zは、複数個ある場合にはそれぞれ独立に、単結合、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合
又はウレア結合
を表す。ここで、Rは、各々独立して水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。
は、ラクトン構造又はスルトン構造を有する1価の有機基を表す。
nは、−R−Z−で表される構造の繰り返し数であり、0〜2の整数を表す。
は、水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基を表す。
のアルキレン基、シクロアルキレン基は置換基を有してよい。
Zは好ましくは、エーテル結合、エステル結合であり、特に好ましくはエステル結合である。
のアルキル基は、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。Rのアルキレン基、シクロアルキレン基、Rにおけるアルキル基は、各々、置換されていてもよく、置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、メルカプト基、ヒドロキシ基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、及び、ベンジルオキシ基等のアルコキシ基、並びに、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基等のアセトキシ基が挙げられる。Rは、水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、又は、ヒドロキシメチル基が好ましい。
における好ましい鎖状アルキレン基としては炭素数が1〜10の鎖状のアルキレンが好ましく、より好ましくは炭素数1〜5であり、例えば、メチレン基、エチレン基、及び、プロピレン基等が挙げられる。好ましいシクロアルキレン基としては、炭素数3〜20のシクロアルキレン基であり、例えば、シクロヘキシレン基、シクロペンチレン基、ノルボルニレン基、及び、アダマンチレン基等が挙げられる。なかでも、鎖状アルキレン基がより好ましく、メチレン基が特に好ましい。
で表されるラクトン構造又はスルトン構造を有する1価の有機基は、ラクトン構造又はスルトン構造を有していれば限定されるものではなく、具体例として上述した一般式(LC1−1)〜(LC1−17)、(SL1−1)及び(SL1−2)で表されるラクトン構造又はスルトン構造が挙げられ、これらのうち(LC1−4)で表される構造が特に好ましい。また、(LC1−1)〜(LC1−17)、(SL1−1)及び(SL1−2)におけるnは2以下のものがより好ましい。
また、Rは無置換のラクトン構造又はスルトン構造を有する1価の有機基、或いはメチル基、シアノ基又はアルコキシカルボニル基を置換基として有するラクトン構造又はスルトン構造を有する1価の有機基が好ましく、シアノ基を置換基として有するラクトン構造(シアノラクトン)又はスルトン構造(シアノスルトン)を有する1価の有機基がより好ましい。
一般式(III)において、nが1又は2であることが好ましい。
以下に一般式(III)で表されるラクトン構造又はスルトン構造を有する基を有する繰り返し単位の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
下記具体例中、Rは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又はハロゲン原子を表し、好ましくは、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、又は、アセトキシメチル基を表す。
下記式中、Meはメチル基を表す。
一般式(III)で表される繰り返し単位の含有量は、複数種類含有する場合は合計して樹脂(A1)中の全繰り返し単位に対し、15〜60mol%が好ましく、より好ましくは20〜60mol%、更に好ましくは30〜50mol%である。
樹脂(A1)は、また、一般式(III)で表される単位以外にも、上述したラクトン構造又はスルトン構造を有する繰り返し単位を含有していてもよい。
ラクトン基又はスルトン基を有する繰り返し単位の具体例として、上記に挙げた具体例に加え、以下を挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
上記具体例の中で特に好ましい繰り返し単位としては、下記の繰り返し単位が挙げられる。最適なラクトン基又はスルトン基を選択することにより、パターンプロファイル、疎密依存性が良好となる。
ラクトン基又はスルトン基を有する繰り返し単位は、通常光学異性体が存在するが、いずれの光学異性体を用いてもよい。また、1種の光学異性体を単独で用いても、複数の光学異性体を混合して用いてもよい。1種の光学異性体を主に用いる場合、その光学純度(ee)が90%以上のものが好ましく、より好ましくは95%以上である。
一般式(III)で表される繰り返し単位以外のラクトン構造又はスルトン構造を有する繰り返し単位の含有量は、複数種類含有する場合は合計して樹脂中の全繰り返し単位に対し、15〜60mol%が好ましく、より好ましくは20〜50mol%、更に好ましくは30〜50mol%である。
また、一般式(III)から選ばれる2種以上のラクトン又はスルトン繰り返し単位を併用することも可能である。併用する場合には一般式(III)の内、nが1であるラクトン又はスルトン繰り返し単位から2種以上を選択し併用することが好ましい。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物が、ArF露光用であるとき、ArF光への透明性の点から、樹脂(A1)は実質的には芳香族基を有さないことが好ましい。より具体的には、樹脂(A1)の全繰り返し中、芳香族基を有する繰り返し単位が全体の5モル%以下であることが好ましく、3モル%以下であることがより好ましい。また、樹脂(A1)は単環又は多環の脂環炭化水素構造を有することが好ましい。
樹脂(A1)は、単環又は多環の脂環炭化水素構造を有する繰り返し単位として、例えば、極性基(例えば、アルカリ可溶性基、水酸基又はシアノ基等)を持たない脂環炭化水素構造を有し、非酸分解性の繰り返し単位を含有してもよい。このような繰り返し単位としては、一般式(IV)で表される繰り返し単位が挙げられる。
上記一般式(IV)中、Rは少なくとも一つの環状構造を有し、極性基を有さない炭化水素基を表す。
Raは水素原子、アルキル基又は−CH−O−Ra基を表す。式中、Raは、水素原子、アルキル基又はアシル基を表す。Raは、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基又はトリフルオロメチル基が好ましく、水素原子又はメチル基がより好ましい。
が有する環状構造には、単環式炭化水素基及び多環式炭化水素基が含まれる。単環式炭化水素基としては、たとえば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基若しくはシクロオクチル基などの炭素数3〜12のシクロアルキル基、又は、シクロへキセニル基など炭素数3〜12のシクロアルケニル基が挙げられる。好ましい単環式炭化水素基としては、炭素数3〜7の単環式炭化水素基であり、より好ましくは、シクロペンチル基又はシクロヘキシル基が挙げられる。
多環式炭化水素基には環集合炭化水素基又は架橋環式炭化水素基が含まれ、環集合炭化水素基の例としては、ビシクロヘキシル基又はパーヒドロナフタレニル基などが含まれる。架橋環式炭化水素環として、例えば、ピナン、ボルナン、ノルピナン、ノルボルナン、若しくは、ビシクロオクタン環(ビシクロ[2.2.2]オクタン環又はビシクロ[3.2.1]オクタン環等)などの2環式炭化水素環、ホモブレダン、アダマンタン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、若しくは、トリシクロ[4.3.1.12,5]ウンデカン環などの3環式炭化水素環、又は、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン、若しくは、パーヒドロ−1,4−メタノ−5,8−メタノナフタレン環などの4環式炭化水素環などが挙げられる。また、架橋環式炭化水素環には、縮合環式炭化水素環、例えば、パーヒドロナフタレン(デカリン)、パーヒドロアントラセン、パーヒドロフェナントレン、パーヒドロアセナフテン、パーヒドロフルオレン、パーヒドロインデン、又は、パーヒドロフェナレン環などの5〜8員シクロアルカン環が複数個縮合した縮合環も含まれる。
好ましい架橋環式炭化水素環として、ノルボルニル基、アダマンチル基、ビシクロオクタニル基、又は、トリシクロ[5、2、1、02,6]デカニル基などが挙げられる。より好ましい架橋環式炭化水素環としてノルボニル基又はアダマンチル基が挙げられる。
これらの脂環式炭化水素基は置換基を有していてもよく、好ましい置換基としてはハロゲン原子、アルキル基、水素原子が置換されたヒドロキシ基、又は、水素原子が置換されたアミノ基などが挙げられる。ハロゲン原子としては臭素原子、塩素原子又はフッ素原子が好ましい。また、アルキル基としては、メチル基、エチル基、ブチル基、又は、t−ブチル基が好ましい。上記のアルキル基は更に置換基を有していてもよく、更に有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、水素原子が置換されたヒドロキシ基、又は、水素原子が置換されたアミノ基が挙げられる。
上記水素原子が置換された基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、置換メチル基、置換エチル基、アルコキシカルボニル基、又は、アラルキルオキシカルボニル基が挙げられる。アルキル基としては炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、置換メチル基としてはメトキシメチル、メトキシチオメチル、ベンジルオキシメチル、t−ブトキシメチル、又は、2−メトキシエトキシメチル基が好ましく、置換エチル基としては、1−エトキシエチル、又は、1−メチル−1−メトキシエチルが好ましく、アシル基としては、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル又はピバロイル基などの炭素数1〜6の脂肪族アシル基が好ましく、アルコキシカルボニル基としては炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基が好ましい。
樹脂(A1)が、極性基を持たない脂環炭化水素構造を有し、非酸分解性の繰り返し単位を含有する場合、この繰り返し単位の含有量は、樹脂(A1)中の全繰り返し単位に対し、1〜40モル%が好ましく、より好ましくは2〜20モル%である。
極性基を持たない脂環炭化水素構造を有し、非酸分解性の繰り返し単位の具体例としては、米国公開特許2012/0135348号公報の段落0354に開示された繰り返し単位を挙げることができるが、本発明はこれらに限定されない。
一方、KrFエキシマレーザー光、電子線、X線、又は、波長50nm以下の高エネルギー光線(EUV等)をレジスト膜に照射する場合には、樹脂(A1)は、芳香族炭化水素基を有する繰り返し単位を含むことが好ましく、フェノール性水酸基を有する繰り返し単位を含むことがより好ましい。フェノール性水酸基を有する繰り返し単位としては、下記に示す繰り返し単位が特に好ましい。
このような芳香族炭化水素基を有する繰り返し単位を含む樹脂としては、具体的には、下記一般式(A)で表される繰り返し単位を有する樹脂が挙げられる。
式中、R01、R02及びR03は、各々独立に、例えば、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はアルコキシカルボニル基を表す。Arは、例えば、芳香環基を表す。なお、R03とArとがアルキレン基であり、両者が互いに結合することにより、−C−C−鎖と共に、5員又は6員環を形成していてもよい。
n個のYは、各々独立に、水素原子又は酸の作用により脱離する基を表す。但し、Yの少なくとも1つは、酸の作用により脱離する基を表す。
nは、1〜4の整数を表し、1〜2が好ましく、1がより好ましい。
01〜R03としてのアルキル基は、例えば、炭素数20以下のアルキル基であり、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基又はドデシル基である。より好ましくは、これらアルキル基は、炭素数8以下のアルキル基である。なお、これらアルキル基は、置換基を有していてもよい。
アルコキシカルボニル基に含まれるアルキル基としては、上記R01〜R03におけるアルキル基と同様のものが好ましい。
シクロアルキル基は、単環のシクロアルキル基であってもよく、多環のシクロアルキル基であってもよい。好ましくは、シクロプロピル基、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基等の炭素数3〜8の単環のシクロアルキル基が挙げられる。なお、これらシクロアルキル基は、置換基を有していてもよい。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子がより好ましい。
03がアルキレン基を表す場合、このアルキレン基としては、好ましくは、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基及びオクチレン基等の炭素数1〜8のものが挙げられる。
Arとしての芳香環基は、炭素数6〜14のものが好ましく、例えば、ベンゼン環、トルエン環及びナフタレン環が挙げられる。なお、これら芳香環基は、置換基を有していてもよい。
酸の作用により脱離する基Yとしては、例えば、−C(R36)(R37)(R38)、−C(=O)−O−C(R36)(R37)(R38)、−C(R01)(R02)(OR39)、−C(R01)(R02)−C(=O)−O−C(R36)(R37)(R38)及び−CH(R36)(Ar)により表される基が挙げられる。
式中、R36〜R39は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基を表す。R36とR37とは、互いに結合して、環構造を形成していてもよい。
01及びR02は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基を表す。
Arは、アリール基を表す。
36〜R39、R01、又はR02としてのアルキル基は、炭素数1〜8のアルキル基であることが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、へキシル基及びオクチル基が挙げられる。
36〜R39、R01、又はR02としてのシクロアルキル基は、単環のシクロアルキル基であってもよく、多環のシクロアルキル基であってもよい。単環のシクロアルキル基としては、炭素数3〜8のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基及びシクロオクチル基が挙げられる。多環のシクロアルキル基としては、炭素数6〜20のシクロアルキル基が好ましく、例えば、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボロニル基、カンファニル基、ジシクロペンチル基、α−ピナニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデシル基及びアンドロスタニル基が挙げられる。なお、シクロアルキル基中の炭素原子の一部は、酸素原子等のヘテロ原子によって置換されていてもよい。
36〜R39、R01、R02、又はArとしてのアリール基は、炭素数6〜10のアリール基であることが好ましく、例えば、フェニル基、ナフチル基及びアントリル基が挙げられる。
36〜R39、R01、又はR02としてのアラルキル基は、炭素数7〜12のアラルキル基であることが好ましく、例えば、ベンジル基、フェネチル基及びナフチルメチル基が好ましい。
36〜R39、R01、又はR02としてのアルケニル基は、炭素数2〜8のアルケニル基であることが好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基及びシクロへキセニル基が挙げられる。
36とR37とが互いに結合して形成し得る環は、単環型であってもよく、多環型であってもよい。単環型としては、炭素数3〜8のシクロアルカン構造が好ましく、例えば、シクロプロパン構造、シクロブタン構造、シクロペンタン構造、シクロへキサン構造、シクロヘプタン構造及びシクロオクタン構造が挙げられる。多環型としては、炭素数6〜20のシクロアルカン構造が好ましく、例えば、アダマンタン構造、ノルボルナン構造、ジシクロペンタン構造、トリシクロデカン構造及びテトラシクロドデカン構造が挙げられる。なお、環構造中の炭素原子の一部は、酸素原子等のヘテロ原子によって置換されていてもよい。
上記各基は、置換基を有していてもよい。この置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アミノ基、アミド基、ウレイド基、ウレタン基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ハロゲン原子、アルコキシ基、チオエーテル基、アシル基、アシロキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基及びニトロ基が挙げられる。これら置換基は、炭素数が8以下であることが好ましい。
酸の作用により脱離する基Yとしては、下記一般式(B)で表される構造がより好ましい。
式中、L及びLは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。
Mは、単結合又は2価の連結基を表す。
Qは、アルキル基、シクロアルキル基、環状脂肪族基、芳香環基、アミノ基、アンモニウム基、メルカプト基、シアノ基又はアルデヒド基を表す。なお、これら環状脂肪族基及び芳香環基は、ヘテロ原子を含んでいてもよい。
なお、Q、M、Lの少なくとも2つが互いに結合して、5員又は6員環を形成していてもよい。
及びLとしてのアルキル基は、例えば炭素数1〜8のアルキル基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、n-ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基及びオクチル基が挙げられる。
及びLとしてのシクロアルキル基は、例えば炭素数3〜15のシクロアルキル基であり、具体的には、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基及びアダマンチル基が挙げられる。
及びLとしてのアリール基は、例えば炭素数6〜15のアリール基であり、具体的には、フェニル基、トリル基、ナフチル基及びアントリル基が挙げられる。
及びLとしてのアラルキル基は、例えば炭素数6〜20のアラルキル基であり、具体的には、ベンジル基及びフェネチル基が挙げられる。
Mとしての2価の連結基は、例えば、アルキレン基(例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基又はオクチレン基)、シクロアルキレン基(例えば、シクロペンチレン基又はシクロヘキシレン基)、アルケニレン基(例えば、エチレン基、プロペニレン基又はブテニレン基)、アリーレン基(例えば、フェニレン基、トリレン基又はナフチレン基)、−S−、−O−、−CO−、−SO−、−N(R)−、又は、これらの2以上の組み合わせである。ここで、Rは、水素原子又はアルキル基である。Rとしてのアルキル基は、例えば炭素数1〜8のアルキル基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基及びオクチル基が挙げられる。
Qとしてのアルキル基及びシクロアルキル基は、上述したL及びLとしての各基と同様である。
Qとしての環状脂肪族基又は芳香環基としては、例えば、上述したL及びLとしてのシクロアルキル基及びアリール基が挙げられる。これらシクロアルキル基及びアリール基は、好ましくは、炭素数3〜15の基である。
Qとしてのヘテロ原子を含んだ環状脂肪族基又は芳香環基としては、例えば、チイラン、シクロチオラン、チオフェン、フラン、ピロール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾピロール、トリアジン、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、トリアゾール、チアジアゾール、チアゾール及びピロリドン等の複素環構造を有した基が挙げられる。但し、炭素とヘテロ原子とで形成される環、又は、ヘテロ原子のみによって形成される環であれば、これらに限定されない。
Q、M及びLの少なくとも2つが互いに結合して形成し得る環構造としては、例えば、これらがプロピレン基又はブチレン基を形成してなる5員又は6員環構造が挙げられる。なお、この5員又は6員環構造は、酸素原子を含有している。
一般式(2)におけるL、L、M及びQで表される各基は、置換基を有していてもよい。この置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アミノ基、アミド基、ウレイド基、ウレタン基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ハロゲン原子、アルコキシ基、チオエーテル基、アシル基、アシロキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基及びニトロ基が挙げられる。これら置換基は、炭素数が8以下であることが好ましい。
−(M−Q)で表される基としては、炭素数1〜20の基が好ましく、炭素数1〜10の基がより好ましく、炭素数1〜8が更に好ましい。
以下にヒドロキシスチレン繰り返し単位を有する樹脂(A1)の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。なお、下記具体例において、tBuはt−ブチル基を表し、Etはエチル基を表す。
本発明における樹脂(A1)は、常法に従って(例えばラジカル重合)合成することができる。
樹脂(A1)の重量平均分子量は、GPC(Gel Permeation Chromatography)法によりポリスチレン換算値として、好ましくは1,000〜200,000であり、より好ましくは2,000〜20,000、更に好ましくは3,000〜15,000、特に好ましくは3,000〜11,000である。
樹脂(A1)の分散度(分子量分布)は、通常1.0〜3.0であり、好ましくは1.0〜2.6、より好ましくは1.0〜2.0、更に好ましくは1.1〜2.0である。分子量分布の小さいものほど好ましい。
組成物中、樹脂(A1)の含有率は、全固形分中30〜99質量%が好ましく、50〜95質量%がより好ましい。
また、樹脂(A1)は、1種で使用してもよいし、複数併用してもよい。
(フェノール性水酸基を有する樹脂(A2))
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、樹脂(A)として、フェノール性水酸基を有する樹脂(A2)を含有する態様であってもよい。
フェノール性水酸基とは、芳香環基の水素原子をヒドロキシ基で置換してなる基である。芳香環とは、単環又は多環の芳香環であり、ベンゼン環及びナフタレン環等が挙げられる。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物が樹脂(A2)を含有する場合、この組成物を用いて形成した露光部においては、活性光線又は放射線の照射によって酸発生剤から発生する酸(上述の一般式(I)又は一般式(II))の作用により、フェノール性水酸基を有する樹脂(A2)と後述する酸架橋剤(C)との架橋反応が進行し、ネガ型のパターンが形成される。
フェノール性水酸基を有する樹脂(A2)は、少なくとも一種のフェノール性水酸基を有する繰り返し単位を含むことが好ましい。フェノール性水酸基を有する繰り返し単位としては特に限定されないが、下記一般式(1)で表される繰り返し単位であることが好ましい。
一般式(1)中、R11は水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、又はハロゲン原子を表す。
は、単結合又は2価の連結基を表す。
Arは、芳香族環を表す。
m1は、1以上の整数を表す。
11における置換基を有していてもよいメチル基としては、トリフルオロメチル基及びヒドロキシメチル基等を挙げることができる。
11は、水素原子又はメチル基であることが好ましく、水素原子であることが現像性の理由から好ましい。
の2価の連結基としては、カルボニル基、アルキレン基(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜5)、スルホニル基(−S(=O)−)、−O−、−NH−又はこれらを組合せた2価の連結基が好ましい。
は、単結合、カルボニルオキシ基(−C(=O)−O−)又は−C(=O)−NH−を表すことが好ましく、単結合又はカルボニルオキシ基(−C(=O)−O−)を表すことがより好ましく、単結合であることがドライエッチング耐性向上の観点で更に好ましい。
Arの芳香族環は、単環又は多環の芳香族環であり、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フルオレン環、及び、フェナントレン環等の炭素数6〜18の置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環、又は、例えば、チオフェン環、フラン環、ピロール環、ベンゾチオフェン環、ベンゾフラン環、ベンゾピロール環、トリアジン環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、トリアゾール環、チアジアゾール環、及び、チアゾール環等のヘテロ環を含む芳香環ヘテロ環を挙げることができる。中でも、ベンゼン環、ナフタレン環が解像性の観点で好ましく、ベンゼン環が感度の観点でより好ましい。
m1は1〜5の整数であることが好ましく、1がより好ましい。m1が1でArがベンゼン環の時、−OHの置換位置はベンゼン環のB(Bが単結合である場合にはポリマー主鎖)との結合位置に対して、パラ位でもメタ位でもオルト位でもよいが、架橋反応性の観点から、パラ位、メタ位が好ましく、パラ位がより好ましい。
Arの芳香族環は、上記−OHで表される基以外にも置換基を有していてもよく、置換基としては例えば、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、及び、アリールカルボニル基が挙げられる。
フェノール性水酸基を有する繰り返し単位は、下記一般式(2)で表される繰り返し単位であることが架橋反応性、現像性、及び、ドライエッチング耐性の理由でより好ましい。
一般式(2)中、
12は、水素原子又はメチル基を表す。
Arは、芳香族環を表す。
12は、水素原子又はメチル基を表し、水素原子であることが現像性の理由から好ましい。
一般式(2)におけるArは、一般式(1)におけるArと同義であり、好ましい範囲も同様である。一般式(2)で表される繰り返し単位は、ヒドロキシスチレンから誘導される繰り返し単位(すなわち、一般式(2)においてR12が水素原子であり、Arがベンゼン環である繰り返し単位)であることが感度の観点から好ましい。
更に、樹脂(A2)は、下記一般式(3)で表される繰り返し単位を有することが好ましい。
一般式(3)中、R13は水素原子又はメチル基を表す。
Xは非酸分解性の多環脂環炭化水素構造を有する基を表す。
Arは芳香族環を表す。
m2は1以上の整数である。
一般式(3)におけるR13は水素原子又はメチル基を表すが、水素原子が特に好ましい。
一般式(3)のArの芳香族環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フルオレン環、及び、フェナントレン環等の炭素数6〜18の置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環、又は、例えば、チオフェン環、フラン環、ピロール環、ベンゾチオフェン環、ベンゾフラン環、ベンゾピロール環、トリアジン環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、トリアゾール環、チアジアゾール環、及び、チアゾール環等のヘテロ環を含む芳香環ヘテロ環を挙げることができる。中でも、ベンゼン環、ナフタレン環が解像性の観点で好ましく、ベンゼン環が最も好ましい。
Arの芳香族環は、上記−OXで表される基以外にも置換基を有していてもよく、置換基としては例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1〜6)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜10)、アリール基(好ましくは炭素数6〜15)、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜6)、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜7)が挙げられ、アルキル基、アルコキシ基、又は、アルコキシカルボニル基が好ましく、アルコキシ基がより好ましい。
Xは非酸分解性の多環脂環炭化水素構造を有する基を表す。
非酸分解性の多環脂環炭化水素構造の好ましいものとしては、アダマンタン構造、デカリン構造、ノルボルナン構造、ノルボルネン構造、セドロール構造、シクロヘキシル基を複数有する構造、シクロヘプチル基を複数有する構造、シクロオクチル基を複数有する構造、シクロデカニル基を複数有する構造、シクロドデカニル基を複数有する構造、及び、トリシクロデカン構造が挙げられ、なかでもアダマンタン構造が好ましい。
m2は1〜5の整数であることが好ましく、1が最も好ましい。m2が1でArがベンゼン環の時、−OXの置換位置はベンゼン環のポリマー主鎖との結合位置に対して、パラ位でもメタ位でもオルト位でもよいが、パラ位又はメタ位が好ましく、パラ位がより好ましい。
一般式(3)で示される繰り返し単位の具体例としては、以下のものが挙げられる。
樹脂(A2)が、上記一般式(3)で表される繰り返し単位を有する場合、その含有量は、樹脂(A2)の全繰り返し単位に対して、1〜40モル%であることが好ましく、より好ましくは2〜30モル%である。
本発明で用いられる樹脂(A2)は、上記繰り返し単位以外の繰り返し単位として、下記のような繰り返し単位(以下、「他の繰り返し単位」ともいう)を更に有することも好ましい。
これら他の繰り返し単位を形成するための重合性モノマーの例としてはスチレン、アルキル置換スチレン、アルコキシ置換スチレン、ハロゲン置換スチレン、O−アルキル化スチレン、O−アシル化スチレン、水素化ヒドロキシスチレン、無水マレイン酸、アクリル酸誘導体(アクリル酸、アクリル酸エステル等)、メタクリル酸誘導体(メタクリル酸、メタクリル酸エステル等)、N−置換マレイミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、及び、置換基を有してもよいインデン等を挙げることができる。
樹脂(A2)は、これら他の繰り返し単位を含有してもしなくてもよいが、含有する場合、これら他の繰り返し単位の樹脂(A2)中の含有量は、樹脂(A2)を構成する全繰り返し単位に対して、一般的に1〜30モル%、好ましくは1〜20モル%、より好ましくは2〜10モル%である。
樹脂(A2)は、公知のラジカル重合法、アニオン重合法又はリビングラジカル重合法(イニファーター法等)により合成することができる。
樹脂(A2)の重量平均分子量は、1000〜200000であることが好ましく、2000〜50000であることがより好ましく、2000〜15000であることが更に好ましい。
樹脂(A2)の分散度(分子量分布)(Mw/Mn)は、2.0以下であることが好ましく、感度及び解像性をより向上させる観点から、1.0〜1.80であることがより好ましく、1.0〜1.60が更に好ましく、1.0〜1.20が特に好ましい。リビングアニオン重合等のリビング重合を用いることで、得られる高分子化合物の分散度(分子量分布)が均一となり、好ましい。樹脂(A2)の重量平均分子量及び分散度は、GPC測定によるポリスチレン換算値として定義される。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物に、上記樹脂(A2)を含有させる場合、その含有量は、全固形分に対して30〜95質量%であることが好ましく、40〜90質量%であることがより好ましく、50〜85質量%であることが更に好ましい。
また、樹脂(A2)は、1種で使用してもよいし、複数併用してもよい。
<架橋剤(C)>
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物をネガ型パターンの形成に用いる場合であって、樹脂(A)としてフェノール性水酸基を有する樹脂(A2)を使用する場合には、架橋剤を用いることが好ましい。架橋剤としては、メチロール基を分子内に2個以上有する化合物(以下、「化合物(C)」又は「架橋剤」等という)を含有することが好ましい。
なかでも、ヒドロキシメチル化又はアルコキシメチル化フェノール化合物、アルコキシメチル化メラミン系化合物、アルコキシメチルグリコールウリル系化合物及びアルコキシメチル化ウレア系化合物が好ましく、これらは任意の置換基を有していてもよい。架橋剤として特に好ましい化合物(C)は、分子内にベンゼン環を3〜5個含み、更にヒドロキシメチル基又はアルコキシメチル基を合わせて2個以上有し、分子量が1200以下のフェノール誘導体、又は、アルコキシメチルグリコールウリル誘導体が挙げられる。
アルコキシメチル基としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基が好ましい。
上記架橋剤のうち、ヒドロキシメチル基を有するフェノール誘導体は、対応するヒドロキシメチル基を有さないフェノール化合物とホルムアルデヒドを塩基触媒下で反応させることによって得ることができる。また、アルコキシメチル基を有するフェノール誘導体は、対応するヒドロキシメチル基を有するフェノール誘導体とアルコールを酸触媒下で反応させることによって得ることができる。
別の好ましい架橋剤の例として、更にアルコキシメチル化メラミン系化合物、アルコキシメチルグリコールウリル系化合物類及びアルコキシメチル化ウレア系化合物のようなN−ヒドロキシメチル基、又は、N−アルコキシメチル基を有する化合物を挙げることができる。
このような化合物としては、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサエトキシメチルメラミン、テトラメトキシメチルグリコールウリル、1,3−ビスメトキシメチル−4,5−ビスメトキシエチレンウレア、ビスメトキシメチルウレア等が挙げられ、EP0,133,216A号、西独特許第3,634,671号、同第3,711,264号、EP0,212,482A号に開示されている。
これら架橋剤の中で特に好ましいものを以下に挙げる。
式中、L〜Lは、各々独立に、水素原子、ヒドロキシメチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物が、架橋剤を含有する場合、架橋剤の含有量は、組成物中の全固形分に対して、3〜65質量%であることが好ましく、5〜50質量%であることがより好ましい。
架橋剤(C)は単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
<窒素原子を有し、酸の作用により脱離する基を有する低分子化合物(D)>
本発明の組成物は、窒素原子を有し、酸の作用により脱離する基を有する化合物(以下「化合物(D)」ともいう)を含有してもよい。
酸の作用により脱離する基としては特に限定されないが、アセタール基、カルボネート基、カルバメート基、3級エステル基、3級水酸基、又は、ヘミアミナールエーテル基が好ましく、カルバメート基、又は、ヘミアミナールエーテル基であることが特に好ましい。
酸の作用により脱離する基を有する化合物(D)の分子量は、100〜1000が好ましく、100〜700がより好ましく、100〜500が特に好ましい。
化合物(D)としては、酸の作用により脱離する基を窒素原子上に有するアミン誘導体が好ましい。
化合物(D)は、窒素原子上に保護基を有するカルバメート基を有しても良い。カルバメート基を構成する保護基としては、下記一般式(d−1)で表すことができる。
一般式(d−1)において、
Rbは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜10)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜30)、アリール基(好ましくは炭素数3〜30)、アラルキル基(好ましくは炭素数1〜10)、又はアルコキシアルキル基(好ましくは炭素数1〜10)を表す。Rbは相互に連結して環を形成していてもよい。
Rbが示すアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基は、ヒドロキシ基、シアノ基、アミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、オキソ基等の官能基、アルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい。Rbが示すアルコキシアルキル基についても同様である。
上記Rbのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及びアラルキル基(これらのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及びアラルキル基は、上記官能基、アルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい)としては、例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、及び、ドデカン等の直鎖状、分岐状のアルカンに由来する基、これらのアルカンに由来する基を、例えば、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基の1種以上或いは1個以上で置換した基、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、ノルボルナン、アダマンタン、及び、ノルアダマンタン等のシクロアルカンに由来する基、これらのシクロアルカンに由来する基を、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、及び、t−ブチル基等の直鎖状、分岐状のアルキル基の1種以上或いは1個以上で置換した基、ベンゼン、ナフタレン、及び、アントラセン等の芳香族化合物に由来する基、これらの芳香族化合物に由来する基を、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、及び、t−ブチル基等の直鎖状、分岐状のアルキル基の1種以上或いは1個以上で置換した基、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、インドール、インドリン、キノリン、パーヒドロキノリン、インダゾール、及び、ベンズイミダゾール等の複素環化合物に由来する基、これらの複素環化合物に由来する基を直鎖状、分岐状のアルキル基或いは芳香族化合物に由来する基の1種以上或いは1個以上で置換した基、直鎖状、分岐状のアルカンに由来する基・シクロアルカンに由来する基をフェニル基、ナフチル基、及び、アントラセニル基等の芳香族化合物に由来する基の1種以上或いは1個以上で置換した基等或いは上述の置換基がヒドロキシ基、シアノ基、アミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、及び、オキソ基等の官能基で置換されている基等が挙げられる。
Rbとして好ましくは、直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、シクロアルキル基、又は、アリール基である。より好ましくは、直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は、シクロアルキル基である。
2つのRbが相互に連結して形成する環としては、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、複素環式炭化水素基、又は、その誘導体等が挙げられる。
一般式(d−1)で表される基の具体的な構造としては、US2012/0135348 A1 段落0466に開示された構造を挙げることができるが、これに限定されるものではない。
化合物(D)は、下記一般式(6)で表される構造を有するものであることが特に好ましい。
一般式(6)において、Raは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。lが2のとき、2つのRaは同じでも異なっていてもよく、2つのRaは相互に連結して式中の窒素原子と共に複素環を形成していてもよい。複素環には式中の窒素原子以外のヘテロ原子を含んでいてもよい。
Rbは、上記一般式(d−1)におけるRbと同義であり、好ましい例も同様である。
lは0〜2の整数を表し、mは1〜3の整数を表し、l+m=3を満たす。
一般式(6)において、Raとしてのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及び、アラルキル基は、Rbとしてのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及び、アラルキル基が置換されていてもよい基として前述した基と同様な基で置換されていてもよい。
上記Raのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及びアラルキル基(これらのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及びアラルキル基は、上記基で置換されていてもよい)の具体例としては、Rbについて前述した具体例と同様な基が挙げられる。
また、上記Raが相互に連結して形成する複素環としては、好ましくは炭素数20以下であり、例えば、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、1,2,3,6−テトラヒドロピリジン、ホモピペラジン、4−アザベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、5−アザベンゾトリアゾール、1H−1,2,3−トリアゾール、1,4,7−トリアザシクロノナン、テトラゾール、7−アザインドール、インダゾール、ベンズイミダゾール、イミダゾ[1,2−a]ピリジン、(1S,4S)−(+)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デック−5−エン、インドール、インドリン、1,2,3,4−テトラヒドロキノキサリン、パーヒドロキノリン、及び、1,5,9−トリアザシクロドデカン等の複素環式化合物に由来する基、これらの複素環式化合物に由来する基を直鎖状、分岐状のアルカンに由来する基、シクロアルカンに由来する基、芳香族化合物に由来する基、複素環化合物に由来する基、ヒドロキシ基、シアノ基、アミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、及び、オキソ基等の官能基の1種以上或いは1個以上で置換した基等が挙げられる。
化合物(D)の具体的としては、US2012/0135348 A1 段落0475に開示された化合物を挙げることができるが、これに限定されるものではない。
一般式(6)で表される化合物は、特開2007−298569号公報、特開2009−199021号公報などに基づき合成することができる。
本発明において、酸の作用により脱離する基を窒素原子上に有する低分子化合物(D)は、一種単独でも又は2種以上を混合しても使用することができる。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物が化合物(D)を含む場合、その含有量は、組成物の全固形分を基準として、0.001〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは0.001〜10質量%、更に好ましくは0.01〜5質量%である。
<塩基性化合物(E)>
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、露光から加熱までの経時による性能変化を低減するために、塩基性化合物(E)を含有することが好ましい。
塩基性化合物としては、好ましくは、下記式(A)〜(E)で示される構造を有する化合物を挙げることができる。
一般式(A)及び(E)中、R200、R201及びR202は、同一でも異なってもよく、水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20)又はアリール基(好ましくは炭素数6〜20)を表し、ここで、R201とR202は、互いに結合して環を形成してもよい。
上記アルキル基について、置換基を有するアルキル基としては、炭素数1〜20のアミノアルキル基、炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基、又は、炭素数1〜20のシアノアルキル基が好ましい。
203、R204、R205及びR206は、同一でも異なってもよく、炭素数1〜20個のアルキル基を表す。
これら一般式(A)及び(E)中のアルキル基は、無置換であることがより好ましい。
好ましい化合物として、グアニジン、アミノピロリジン、ピラゾール、ピラゾリン、ピペラジン、アミノモルホリン、アミノアルキルモルフォリン、及び、ピペリジン等を挙げることができ、更に好ましい化合物として、イミダゾール構造、ジアザビシクロ構造、オニウムヒドロキシド構造、オニウムカルボキシレート構造、トリアルキルアミン構造、アニリン構造又はピリジン構造を有する化合物、水酸基及び/又はエーテル結合を有するアルキルアミン誘導体、水酸基及び/又はエーテル結合を有するアニリン誘導体等を挙げることができる。
イミダゾール構造を有する化合物としては、イミダゾール、2、4、5−トリフェニルイミダゾール、及び、ベンズイミダゾール等が挙げられる。ジアザビシクロ構造を有する化合物としては、1、4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、1、5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノナ−5−エン、1、8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エン等が挙げられる。オニウムヒドロキシド構造を有する化合物としては、トリアリールスルホニウムヒドロキシド、フェナシルスルホニウムヒドロキシド、2−オキソアルキル基を有するスルホニウムヒドロキシド、具体的にはトリフェニルスルホニウムヒドロキシド、トリス(t−ブチルフェニル)スルホニウムヒドロキシド、ビス(t−ブチルフェニル)ヨードニウムヒドロキシド、フェナシルチオフェニウムヒドロキシド、及び、2−オキソプロピルチオフェニウムヒドロキシド等が挙げられる。オニウムカルボキシレート構造を有する化合物としては、オニウムヒドロキシド構造を有する化合物のアニオン部がカルボキシレートになったものであり、例えばアセテート、アダマンタン−1−カルボキシレート、パーフロロアルキルカルボキシレート等が挙げられる。トリアルキルアミン構造を有する化合物としては、トリ(n−ブチル)アミン、トリ(n−オクチル)アミン等を挙げることができる。アニリン化合物としては、2,6−ジイソプロピルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジブチルアニリン、N,N−ジヘキシルアニリン等を挙げることができる。水酸基及び/又はエーテル結合を有するアルキルアミン誘導体としては、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリス(メトキシエトキシエチル)アミン等を挙げることができる。水酸基及び/又はエーテル結合を有するアニリン誘導体としては、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アニリン等を挙げることができる。
好ましい塩基性化合物として、更に、フェノキシ基を有するアミン化合物、フェノキシ基を有するアンモニウム塩化合物を挙げることができる。
アミン化合物は、1級、2級、3級のアミン化合物を使用することができ、少なくとも1つのアルキル基が窒素原子に結合しているアミン化合物が好ましい。アミン化合物は、3級アミン化合物であることがより好ましい。アミン化合物は、少なくとも1つのアルキル基(好ましくは炭素数1〜20)が窒素原子に結合していれば、アルキル基の他に、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20)又はアリール基(好ましくは炭素数6〜12)が窒素原子に結合していてもよい。
また、アミン化合物は、アルキル鎖中に、酸素原子を有し、オキシアルキレン基が形成されていることが好ましい。オキシアルキレン基の数は、分子内に1つ以上、好ましくは3〜9個、更に好ましくは4〜6個である。オキシアルキレン基の中でもオキシエチレン基(−CH2CH2O−)又はオキシプロピレン基(−CH(CH3)CH2O−又は−CH2CH2CH2O−)が好ましく、より好ましくはオキシエチレン基である。
アンモニウム塩化合物は、1級、2級、3級、4級のアンモニウム塩化合物を使用することができ、少なくとも1つのアルキル基が窒素原子に結合しているアンモニウム塩化合物が好ましい。アンモニウム塩化合物は、少なくとも1つのアルキル基(好ましくは炭素数1〜20)が窒素原子に結合していれば、アルキル基の他に、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20)又はアリール基(好ましくは炭素数6〜12)が窒素原子に結合していてもよい。
アンモニウム塩化合物は、アルキル鎖中に、酸素原子を有し、オキシアルキレン基が形成されていることが好ましい。オキシアルキレン基の数は、分子内に1つ以上、好ましくは3〜9個、更に好ましくは4〜6個である。オキシアルキレン基の中でもオキシエチレン基(−CH2CH2O−)又はオキシプロピレン基(−CH(CH3)CH2O−又は−CH2CH2CH2O−)が好ましく、より好ましくはオキシエチレン基である。
アンモニウム塩化合物のアニオンとしては、ハロゲン原子、スルホネート、ボレート、及び、フォスフェート等が挙げられるが、中でもハロゲン原子、スルホネートが好ましい。ハロゲン原子としてはクロライド、ブロマイド、又はアイオダイドが好ましく、スルホネートとしては、炭素数1〜20の有機スルホネートが好ましい。有機スルホネートとしては、炭素数1〜20のアルキルスルホネート、及び、アリールスルホネートが挙げられる。アルキルスルホネートのアルキル基は置換基を有していてもよく、置換基としては例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、アルコキシ基、アシル基、及び、アリール基等が挙げられる。アルキルスルホネートとして、具体的にはメタンスルホネート、エタンスルホネート、ブタンスルホネート、ヘキサンスルホネート、オクタンスルホネート、ベンジルスルホネート、トリフルオロメタンスルホネート、ペンタフルオロエタンスルホネート、及び、ノナフルオロブタンスルホネート等が挙げられる。アリールスルホネートのアリール基としてはベンゼン環、ナフタレン環、及び、アントラセン環が挙げられる。ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環は置換基を有していてもよく、置換基としては炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐アルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基が好ましい。直鎖若しくは分岐アルキル基、シクロアルキル基として、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、及び、シクロヘキシル基等が挙げられる。他の置換基としては炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アシル基、及び、アシルオキシ基等が挙げられる。
フェノキシ基を有するアミン化合物、フェノキシ基を有するアンモニウム塩化合物とは、アミン化合物又はアンモニウム塩化合物のアルキル基の窒素原子と反対側の末端にフェノキシ基を有するものである。フェノキシ基は、置換基を有していてもよい。フェノキシ基の置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルボキシ基、カルボン酸エステル基、スルホン酸エステル基、アリール基、アラルキル基、アシルオキシ基、及び、アリールオキシ基等が挙げられる。置換基の置換位は、2〜6位のいずれであってもよい。置換基の数は、1〜5の範囲でいずれであってもよい。
フェノキシ基と窒素原子との間に、少なくとも1つのオキシアルキレン基を有することが好ましい。オキシアルキレン基の数は、分子内に1つ以上、好ましくは3〜9個、更に好ましくは4〜6個である。オキシアルキレン基の中でもオキシエチレン基(−CH2CH2O−)又はオキシプロピレン基(−CH(CH3)CH2O−又はCH2CH2CH2O−)が好ましく、より好ましくはオキシエチレン基である。
フェノキシ基を有するアミン化合物は、フェノキシ基を有する1又は2級アミンとハロアルキルエーテルを加熱して反応させた後、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラアルキルアンモニウム等の強塩基の水溶液を添加した後、酢酸エチル、クロロホルム等の有機溶剤で抽出することにより得ることができる。又は、フェノキシ基を有するアミン化合物は、1又は2級アミンと末端にフェノキシ基を有するハロアルキルエーテルを加熱して反応させた後、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラアルキルアンモニウム等の強塩基の水溶液を添加した後、酢酸エチル、クロロホルム等の有機溶剤で抽出することにより得ることもできる。
(プロトンアクセプター性官能基を有し、かつ、活性光線又は放射線の照射により分解してプロトンアクセプター性が低下、消失、又はプロトンアクセプター性から酸性に変化した化合物を発生する化合物(PA))
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、塩基性化合物として、プロトンアクセプター性官能基を有し、かつ、活性光線又は放射線の照射により分解してプロトンアクセプター性が低下、消失、又はプロトンアクセプター性から酸性に変化した化合物を発生する化合物〔以下、化合物(PA)ともいう〕を更に含んでいてもよい。
プロトンアクセプター性官能基とは、プロトンと静電的に相互作用し得る基或いは電子を有する官能基であって、例えば、環状ポリエーテル等のマクロサイクリック構造を有する官能基、又は、π共役に寄与しない非共有電子対をもった窒素原子を有する官能基を意味する。π共役に寄与しない非共有電子対を有する窒素原子とは、例えば、下記一般式に示す部分構造を有する窒素原子である。
プロトンアクセプター性官能基の好ましい部分構造として、例えば、クラウンエーテル構造、アザクラウンエーテル構造、1〜3級アミン構造、ピリジン構造、イミダゾール構造、及び、ピラジン構造等を挙げることができる。
化合物(PA)は、活性光線又は放射線の照射により分解してプロトンアクセプター性が低下、消失、又はプロトンアクセプター性から酸性に変化した化合物を発生する。ここで、プロトンアクセプター性の低下、消失、又はプロトンアクセプター性から酸性への変化とは、プロトンアクセプター性官能基にプロトンが付加することに起因するプロトンアクセプター性の変化であり、具体的には、プロトンアクセプター性官能基を有する化合物(PA)とプロトンからプロトン付加体が生成する時、その化学平衡に於ける平衡定数が減少することを意味する。
化合物(PA)の具体例としては、例えば、下記化合物を挙げることができる。
更に、化合物(PA)の具体例としては、例えば、特開2014−41328号公報の段落0421〜0428、特開2014−134686号公報の段落0108〜0116に記載されたものを援用することができ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。なお、下記式中、Buはブチル基を表す。
また、化合物(PA)として、上記で挙げたもののほか、特開2014−41328号公報の段落0429〜0433に記載されたものを援用することができ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
これらの塩基性化合物は、単独であるいは2種以上一緒に用いられる。
塩基性化合物の使用量は、組成物中の固形分を基準として、通常、0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜5質量%である。
酸発生剤と塩基性化合物の組成物中の使用割合は、酸発生剤/塩基性化合物(モル比)=2.5〜300であることが好ましい。即ち、感度、解像度の点からモル比が2.5以上が好ましく、露光後加熱処理までの経時でのレジストパターンの太りによる解像度の低下抑制の点から300以下が好ましい。酸発生剤/塩基性化合物(モル比)は、より好ましくは5.0〜200、更に好ましくは7.0〜150である。
塩基性化合物としては、例えば、特開2013−11833号公報の段落0140〜0144に記載の化合物(アミン化合物、アミド基含有化合物、ウレア化合物、含窒素複素環化合物等)を用いることができる。
<界面活性剤(F)>
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、更に、界面活性剤(F)を含有することができ、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤(フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤、フッ素原子と珪素原子の両方を有する界面活性剤)のいずれか、あるいは2種以上を含有してもよい。
フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤としては、例えば特開昭62−36663号公報、特開昭61−226746号公報、特開昭61−226745号公報、特開昭62−170950号公報、特開昭63−34540号公報、特開平7−230165号公報、特開平8−62834号公報、特開平9−54432号公報、特開平9−5988号公報、特開2002−277862号公報、米国特許第5405720号明細書、同5360692号明細書、同5529881号明細書、同5296330号明細書、同5436098号明細書、同5576143号明細書、同5294511号明細書、同5824451号明細書記載の界面活性剤を挙げることができ、下記市販の界面活性剤をそのまま用いることもできる。
使用できる市販の界面活性剤として、例えばエフトップEF301、EF303、(新秋田化成(株)製)、フロラードFC430、431、4430(住友スリーエム(株)製)、
メガファックF171、F173、F176、F189、F113、F110、F177、F120、R08(大日本インキ化学工業(株)製)、サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105、106(旭硝子(株)製)、トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)、GF−300、GF−150(東亜合成化学(株)製)、サーフロンS−393(セイミケミカル(株)製)、エフトップEF121、EF122A、EF122B、RF122C、EF125M、EF135M、EF351、352、EF801、EF802、EF601((株)ジェムコ製)、PF636、PF656、PF6320、PF6520(OMNOVA社製)、FTX−204D、208G、218G、230G、204D、208D、212D、218、222D((株)ネオス製)等のフッ素系界面活性剤又はシリコン系界面活性剤を挙げることができる。またポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)もシリコン系界面活性剤として用いることができる。
また、界面活性剤としては、上記に示すような公知のものの他に、テロメリゼーション法(テロマー法ともいわれる)もしくはオリゴメリゼーション法(オリゴマー法ともいわれる)により製造されたフルオロ脂肪族化合物から導かれたフルオロ脂肪族基を有する重合体を用いた界面活性剤を用いることができる。フルオロ脂肪族化合物は、特開2002−90991号公報に記載された方法によって合成することができる。
フルオロ脂肪族基を有する重合体としては、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート及び/又は(ポリ(オキシアルキレン))メタクリレートとの共重合体が好ましく、不規則に分布しているものでも、ブロック共重合していてもよい。また、ポリ(オキシアルキレン)基としては、ポリ(オキシエチレン)基、ポリ(オキシプロピレン)基、ポリ(オキシブチレン)基等が挙げられ、また、ポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとオキシエチレンとのブロック連結体)、又は、ポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとのブロック連結体)等同じ鎖長内に異なる鎖長のアルキレンを有するようなユニットでもよい。更に、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体は2元共重合体ばかりでなく、異なる2種以上のフルオロ脂肪族基を有するモノマー、又は、異なる2種以上の(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)等を同時に共重合した3元系以上の共重合体でもよい。
例えば、市販の界面活性剤として、メガファックF−178、F−470、F−473、F−475、F−476、F−472(大日本インキ化学工業(株)製)を挙げることができる。更に、C613基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C37基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体等を挙げることができる。
また、本発明では、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤以外の他の界面活性剤を使用することもできる。具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、及び、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、及び、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテ−ト、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、及び、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤等を挙げることができる。
これらの界面活性剤は単独で使用してもよいし、また、いくつかの組み合わせで使用してもよい。
組成物中、界面活性剤の含有量は、組成物全量(溶剤を除く)に対して、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.05〜5質量%である。
<疎水性樹脂(H)>
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、疎水性樹脂(以下、「疎水性樹脂(H)」又は単に「樹脂(H)」ともいう)を含有してもよい。なお、疎水性樹脂(H)は樹脂(A)とは異なることが好ましい。
疎水性樹脂(H)は、界面に偏在するように設計されることが好ましいが、界面活性剤とは異なり、必ずしも分子内に親水基を有する必要はなく、極性/非極性物質を均一に混合することに寄与しなくてもよい。
疎水性樹脂を添加することの効果として、水に対するレジスト膜表面の静的/動的な接触角の制御、液浸液追随性の向上、アウトガスの抑制等を挙げることができる。
疎水性樹脂(H)は、膜表層への偏在化の観点から、“フッ素原子”、“珪素原子”、及び、“樹脂の側鎖部分に含有されたCH部分構造”のいずれか1種以上を有することが好ましく、2種以上を有することが更に好ましい。
疎水性樹脂(H)が、フッ素原子及び/又は珪素原子を含む場合、疎水性樹脂(H)に於ける上記フッ素原子及び/又は珪素原子は、樹脂の主鎖中に含まれていてもよく、側鎖中に含まれていてもよい。
疎水性樹脂(H)がフッ素原子を含んでいる場合、フッ素原子を有する部分構造として、フッ素原子を有するアルキル基、フッ素原子を有するシクロアルキル基、又は、フッ素原子を有するアリール基を有する樹脂であることが好ましい。
フッ素原子を有するアルキル基(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜4)は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖又は分岐アルキル基であり、更にフッ素原子以外の置換基を有していてもよい。
フッ素原子を有するシクロアルキル基及びフッ素原子を有するアリール基は、それぞれ、1つの水素原子がフッ素原子で置換されたシクロアルキル基及びフッ素原子を有するアリール基であり、更にフッ素原子以外の置換基を有していてもよい。
フッ素原子を有するアルキル基、フッ素原子を有するシクロアルキル基、及びフッ素原子を有するアリール基として、好ましくは、下記一般式(F2)〜(F4)で表される基を挙げることができるが、本発明は、これに限定されるものではない。
一般式(F2)〜(F4)中、
57〜R68は、各々独立に、水素原子、フッ素原子又はアルキル基(直鎖若しくは分岐)を表す。但し、R57〜R61の少なくとも1つ、R62〜R64の少なくとも1つ、及びR65〜R68の少なくとも1つは、各々独立に、フッ素原子又は少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基(好ましくは炭素数1〜4)を表す。
57〜R61及びR65〜R67は、全てがフッ素原子であることが好ましい。R62、R63及びR68は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基(好ましくは炭素数1〜4)が好ましく、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基であることが更に好ましい。R62とR63は、互いに連結して環を形成してもよい。
疎水性樹脂(H)は、珪素原子を含有してもよい。珪素原子を有する部分構造として、アルキルシリル構造(好ましくはトリアルキルシリル基)、又は環状シロキサン構造を有する樹脂であることが好ましい。
フッ素原子又は珪素原子を有する繰り返し単位の例としては、US2012/0251948A1〔0519〕に例示されたものを挙げることができる。
また、上記したように、疎水性樹脂(H)は、側鎖部分にCH部分構造を含むことも好ましい。
ここで、疎水性樹脂(H)中の側鎖部分が有するCH部分構造(以下、単に「側鎖CH部分構造」ともいう)には、エチル基、プロピル基等が有するCH部分構造を包含するものである。
一方、疎水性樹脂(H)の主鎖に直接結合しているメチル基(例えば、メタクリル酸構造を有する繰り返し単位のα−メチル基)は、主鎖の影響により疎水性樹脂(H)の表面偏在化への寄与が小さいため、本発明におけるCH部分構造に包含されないものとする。
より具体的には、疎水性樹脂(H)が、例えば、下記一般式(M)で表される繰り返し単位等の、炭素−炭素二重結合を有する重合性部位を有するモノマーに由来する繰り返し単位を含む場合であって、R11〜R14がCH「そのもの」である場合、そのCHは、本発明における側鎖部分が有するCH部分構造には包含されない。
一方、C−C主鎖から何らかの原子を介して存在するCH部分構造は、本発明におけるCH部分構造に該当するものとする。例えば、R11がエチル基(CHCH)である場合、本発明におけるCH部分構造を「1つ」有するものとする。
上記一般式(M)中、
11〜R14は、各々独立に、側鎖部分を表す。
側鎖部分のR11〜R14としては、水素原子、1価の有機基等が挙げられる。
11〜R14についての1価の有機基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルオキシカルボニル基、シクロアルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、シクロアルキルアミノカルボニル基、及び、アリールアミノカルボニル基等が挙げられ、これらの基は、更に置換基を有していてもよい。
疎水性樹脂(H)は、側鎖部分にCH部分構造を有する繰り返し単位を有する樹脂であることが好ましく、このような繰り返し単位として、下記一般式(II)で表される繰り返し単位、及び、下記一般式(III)で表される繰り返し単位のうち少なくとも一種の繰り返し単位(x)を有していることがより好ましい。
以下、一般式(II)で表される繰り返し単位について詳細に説明する。
上記一般式(II)中、Xb1は水素原子、アルキル基、シアノ基又はハロゲン原子を表し、Rは1つ以上のCH部分構造を有する、酸に対して安定な有機基を表す。ここで、酸に対して安定な有機基は、より具体的には、酸分解性基を有さない有機基であることが好ましい。
b1のアルキル基は、炭素数1〜4のものが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ヒドロキシメチル基又はトリフルオロメチル基等が挙げられるが、メチル基であることが好ましい。
b1は、水素原子又はメチル基であることが好ましい。
としては、1つ以上のCH部分構造を有する、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アリール基、及び、アラルキル基が挙げられる。上記のシクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アリール基、及び、アラルキル基は、更に、置換基としてアルキル基を有していてもよい。
は、1つ以上のCH部分構造を有する、アルキル基又はアルキル置換シクロアルキル基が好ましい。
としての1つ以上のCH部分構造を有する酸に安定な有機基は、CH部分構造を2個以上10個以下有することが好ましく、2個以上8個以下有することがより好ましい。
一般式(II)で表される繰り返し単位の好ましい具体例を以下に挙げる。なお、本発明はこれに限定されるものではない。
一般式(II)で表される繰り返し単位は、酸に安定な(非酸分解性の)繰り返し単位であることが好ましく、具体的には、酸の作用により分解して、極性基を生じる基を有さない繰り返し単位であることが好ましい。
以下、一般式(III)で表される繰り返し単位について詳細に説明する。
上記一般式(III)中、Xb2は水素原子、アルキル基、シアノ基又はハロゲン原子を表し、Rは1つ以上のCH部分構造を有する、酸に対して安定な有機基を表し、nは1から5の整数を表す。
b2のアルキル基は、炭素数1〜4のものが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ヒドロキシメチル基又はトリフルオロメチル基等が挙げられるが、水素原子であることが好ましい。
b2は、水素原子であることが好ましい。
は、酸に対して安定な有機基であるため、より具体的には、酸分解性基を有さない有機基であることが好ましい。
としては、1つ以上のCH部分構造を有する、アルキル基が挙げられる。
としての1つ以上のCH部分構造を有する酸に安定な有機基は、CH部分構造を1個以上10個以下有することが好ましく、1個以上8個以下有することがより好ましく、1個以上4個以下有することが更に好ましい。
nは1から5の整数を表し、1〜3の整数を表すことがより好ましく、1又は2を表すことが更に好ましい。
一般式(III)で表される繰り返し単位の好ましい具体例を以下に挙げる。なお、本発明はこれに限定されるものではない。
一般式(III)で表される繰り返し単位は、酸に安定な(非酸分解性の)繰り返し単位であることが好ましく、具体的には、酸の作用により分解して、極性基を生じる基を有さない繰り返し単位であることが好ましい。
疎水性樹脂(H)が、側鎖部分にCH部分構造を含む場合であり、更に、特にフッ素原子及び珪素原子を有さない場合、一般式(II)で表される繰り返し単位、及び、一般式(III)で表される繰り返し単位のうち少なくとも一種の繰り返し単位(x)の含有量は、疎水性樹脂(H)の全繰り返し単位に対して、90モル%以上であることが好ましく、95モル%以上であることがより好ましい。含有量は、疎水性樹脂(H)の全繰り返し単位に対して、通常、100モル%以下である。
疎水性樹脂(H)が、一般式(II)で表される繰り返し単位、及び、一般式(III)で表される繰り返し単位のうち少なくとも一種の繰り返し単位(x)を、疎水性樹脂(H)の全繰り返し単位に対し、90モル%以上で含有することにより、疎水性樹脂(H)の表面自由エネルギーが増加する。その結果として、疎水性樹脂(H)がレジスト膜の表面に偏在しにくくなり、水に対するレジスト膜の静的/動的接触角を確実に向上させて、液浸液追随性を向上させることができる。
また、疎水性樹脂(H)は、(i)フッ素原子及び/又は珪素原子を含む場合においても、(ii)側鎖部分にCH部分構造を含む場合においても、下記(x)〜(z)の群から選ばれる基を少なくとも1つを有していてもよい。
(x)酸基、
(y)ラクトン構造を有する基、酸無水物基、又は酸イミド基、
(z)酸の作用により分解する基
酸基(x)としては、フェノール性水酸基、カルボン酸基、フッ素化アルコール基、スルホン酸基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)メチレン基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルカルボニル)メチレン基、ビス(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルスルホニル)メチレン基、ビス(アルキルスルホニル)イミド基、トリス(アルキルカルボニル)メチレン基、及び、トリス(アルキルスルホニル)メチレン基等が挙げられる。
好ましい酸基としては、フッ素化アルコール基(好ましくはヘキサフルオロイソプロパノール)、スルホンイミド基、又は、ビス(アルキルカルボニル)メチレン基が挙げられる。
酸基(x)を有する繰り返し単位としては、アクリル酸、メタクリル酸による繰り返し単位のような樹脂の主鎖に、直接、酸基が結合している繰り返し単位、或いは、連結基を介して樹脂の主鎖に酸基が結合している繰り返し単位等が挙げられ、更には酸基を有する重合開始剤又は連鎖移動剤を重合時に用いてポリマー鎖の末端に導入することもでき、いずれの場合も好ましい。酸基(x)を有する繰り返し単位が、フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有していてもよい。
酸基(x)を有する繰り返し単位の含有量は、疎水性樹脂(H)中の全繰り返し単位に対し、1〜50モル%が好ましく、より好ましくは3〜35モル%、更に好ましくは5〜20モル%である。
酸基(x)を有する繰り返し単位の具体例を以下に示すが、本発明は、これに限定されるものではない。式中、Rxは水素原子、CH、CF、又は、CHOHを表す。
ラクトン構造を有する基、酸無水物基、又は酸イミド基(y)としては、ラクトン構造を有する基が特に好ましい。
これらの基を含んだ繰り返し単位は、例えば、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルによる繰り返し単位等の、樹脂の主鎖に直接この基が結合している繰り返し単位である。或いは、この繰り返し単位は、この基が連結基を介して樹脂の主鎖に結合している繰り返し単位であってもよい。或いは、この繰り返し単位は、この基を有する重合開始剤又は連鎖移動剤を重合時に用いて、樹脂の末端に導入されていてもよい。
ラクトン構造を有する基を有する繰り返し単位としては、例えば、先に樹脂(A)の項で説明したラクトン構造を有する繰り返し単位と同様のものが挙げられる。
ラクトン構造を有する基、酸無水物基、又は酸イミド基を有する繰り返し単位の含有量は、疎水性樹脂(H)中の全繰り返し単位を基準として、1〜100モル%であることが好ましく、3〜98モル%であることがより好ましく、5〜95モル%であることが更に好ましい。
疎水性樹脂(H)に於ける、酸の作用により分解する基(z)を有する繰り返し単位は、例えば、樹脂(A)で挙げた酸の作用により分解してカルボキシ基を生じる基を有する繰り返し単位と同様のものが挙げられるが、これに限定されるものではない。酸の作用により分解する基(z)を有する繰り返し単位が、フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有していてもよい。疎水性樹脂(H)に於ける、酸の作用により分解する基(z)を有する繰り返し単位の含有量は、樹脂(H)中の全繰り返し単位に対し、1〜80モル%が好ましく、より好ましくは10〜80モル%、更に好ましくは20〜60モル%である。
疎水性樹脂(H)は、更に、上述した繰り返し単位とは別の繰り返し単位を有していてもよい。
フッ素原子を含む繰り返し単位は、疎水性樹脂(H)に含まれる全繰り返し単位中10〜100モル%が好ましく、30〜100モル%がより好ましい。また、珪素原子を含む繰り返し単位は、疎水性樹脂(H)に含まれる全繰り返し単位中、10〜100モル%が好ましく、20〜100モル%がより好ましい。
一方、特に疎水性樹脂(H)が側鎖部分にCH部分構造を含む場合においては、疎水性樹脂(H)が、フッ素原子及び珪素原子を実質的に含有しない形態も好ましい。また、疎水性樹脂(H)は、炭素原子、酸素原子、水素原子、窒素原子及び硫黄原子から選ばれる原子のみによって構成された繰り返し単位のみで実質的に構成されることが好ましい。
疎水性樹脂(H)の標準ポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは1,000〜100,000で、より好ましくは1,000〜50,000である。
また、疎水性樹脂(H)は、1種で使用してもよいし、複数併用してもよい。
疎水性樹脂(H)の組成物中の含有量は、組成物中の全固形分に対し、0.01〜10質量%が好ましく、0.05〜8質量%がより好ましい。
疎水性樹脂(H)は、残留単量体及びオリゴマー成分が0.01〜5質量%であることが好ましく、より好ましくは0.01〜3質量%である。また、分子量分布(Mw/Mn、分散度ともいう)は、1〜5の範囲が好ましく、より好ましくは1〜3の範囲である。
疎水性樹脂(H)は、各種市販品を利用することもできるし、常法に従って(例えばラジカル重合)合成することができる。
<溶剤(G)>
本発明に係る感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、通常、溶剤を更に含有する。
この溶剤としては、例えば、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸アルキルエステル、アルコキシプロピオン酸アルキル、環状ラクトン(好ましくは炭素数4〜10)、環を含有してもよいモノケトン化合物(好ましくは炭素数4〜10)、アルキレンカーボネート、アルコキシ酢酸アルキル、ピルビン酸アルキル等の有機溶剤を挙げることができる。
アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレートとしては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA、別名1−メトキシ−2−アセトキシプロパン)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、及び、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートが好ましく挙げられる。
アルキレングリコールモノアルキルエーテルとしては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME、別名1−メトキシ−2−プロパノール)、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、及び、エチレングリコールモノエチルエーテルが好ましく挙げられる。
乳酸アルキルエステルとしては、例えば、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、及び、乳酸ブチルが好ましく挙げられる。
アルコキシプロピオン酸アルキルとしては、例えば、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、及び、3−メトキシプロピオン酸エチルが好ましく挙げられる。
環状ラクトンとしては、例えば、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトン、β−メチル−γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、γ−オクタノイックラクトン、及び、α−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンが好ましく挙げられる。
環を含有してもよいモノケトン化合物としては、例えば、2−ブタノン、3−メチルブタノン、ピナコロン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、3−メチル−2−ペンタノン、4−メチル−2−ペンタノン、2−メチル−3−ペンタノン、4,4−ジメチル−2−ペンタノン、2,4−ジメチル−3−ペンタノン、2,2,4,4−テトラメチル−3−ペンタノン、2−ヘキサノン、3−ヘキサノン、5−メチル−3−ヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2−メチル−3−ヘプタノン、5−メチル−3−ヘプタノン、2,6−ジメチル−4−ヘプタノン、2−オクタノン、3−オクタノン、2−ノナノン、3−ノナノン、5−ノナノン、2−デカノン、3−デカノン、4−デカノン、5−ヘキセン−2−オン、3−ペンテン−2−オン、シクロペンタノン、2−メチルシクロペンタノン、3−メチルシクロペンタノン、2,2−ジメチルシクロペンタノン、2,4,4−トリメチルシクロペンタノン、シクロヘキサノン、3−メチルシクロヘキサノン、4−メチルシクロヘキサノン、4−エチルシクロヘキサノン、2,2−ジメチルシクロヘキサノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン、2,2,6−トリメチルシクロヘキサノン、シクロヘプタノン、2−メチルシクロヘプタノン、及び、3−メチルシクロヘプタノンが好ましく挙げられる。
アルキレンカーボネートとしては、例えば、プロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、エチレンカーボネート、及び、ブチレンカーボネートが好ましく挙げられる。
アルコキシ酢酸アルキルとしては、例えば、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル、酢酸−2−(2−エトキシエトキシ)エチル、酢酸−3−メトキシ−3−メチルブチル、及び、酢酸−1−メトキシ−2−プロピルが好ましく挙げられる。
ピルビン酸アルキルとしては、例えば、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、及び、ピルビン酸プロピルが好ましく挙げられる。
好ましく使用できる溶剤としては、常温常圧下で、沸点130℃以上の溶剤が挙げられる。具体的には、シクロペンタノン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、乳酸エチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸エチル、酢酸−2−エトキシエチル、酢酸−2−(2−エトキシエトキシ)エチル、及び、プロピレンカーボネートが挙げられる。
本発明に於いては、上記溶剤を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
本発明においては、有機溶剤として構造中に水酸基を含有する溶剤と、水酸基を含有しない溶剤とを混合した混合溶剤を使用してもよい。
水酸基を含有する溶剤、水酸基を含有しない溶剤としては前述の例示化合物が適宜選択可能であるが、水酸基を含有する溶剤としては、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸アルキル等が好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチルがより好ましい。また、水酸基を含有しない溶剤としては、アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、アルキルアルコキシプロピオネート、環を含有してもよいモノケトン化合物、環状ラクトン、酢酸アルキル等が好ましく、これらの内でもプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチルが特に好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノンが最も好ましい。
水酸基を含有する溶剤と水酸基を含有しない溶剤との混合比(質量)は、1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、より好ましくは20/80〜60/40である。水酸基を含有しない溶剤を50質量%以上含有する混合溶剤が塗布均一性の点で特に好ましい。
溶剤は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含有する2種類以上の混合溶剤であることが好ましい。
<その他成分>
本発明の感活性光線性又は感放射線性組成物は、上記に説明した成分以外にも、カルボン酸オニウム塩、染料、可塑剤、光増感剤、及び、光吸収剤等を適宜含有することができる。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、及び、本発明のパターン形成方法において使用される各種材料(例えば、レジスト溶剤、現像液、リンス液、反射防止膜形成用組成物、トップコート形成用組成物など)は、金属等の不純物を含まないことが好ましい。これら材料に含まれる不純物の含有量としては、1ppm以下が好ましく、10ppb以下がより好ましく、100ppt以下が更に好ましく、10ppt以下が特に好ましく、1ppt以下が最も好ましい。ここで、金属不純物としては、Na、K、Ca、Fe、Cu、Mg、Al、Li、Cr、Ni、Sn、Ag、As、Au、Ba、Cd、Co、Pb、Ti、V、W、及び、Zn等を挙げることができる。
上記各種材料から金属等の不純物を除去する方法としては、例えば、フィルターを用いた濾過を挙げることができる。フィルター孔径としては、ポアサイズ10nm以下が好ましく、5nm以下がより好ましく、3nm以下が更に好ましい。フィルターの材質としては、ポリテトラフロロエチレン製、ポリエチレン製又はナイロン製のフィルターが好ましい。フィルターは、これらの材質とイオン交換メディアを組み合わせた複合材料であってもよい。フィルターは、有機溶剤であらかじめ洗浄したものを用いてもよい。フィルター濾過工程では、複数種類のフィルターを直列又は並列に接続して用いてもよい。複数種類のフィルターを使用する場合は、孔径及び/又は材質が異なるフィルターを組み合わせて使用してもよい。また、各種材料を複数回濾過してもよく、複数回濾過する工程が循環濾過工程であっても良い。
感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の製造においては、樹脂、光酸発生剤等の各成分をレジスト溶剤に溶解させた後、素材が異なる複数のフィルターを用いて循環ろ過を行なうことが好ましい。例えば、孔径50nmのポリエチレン製フィルター、孔径10nmのナイロン製フィルター、孔径3nmのポリエチレン製フィルターを順列に接続し、10回以上循環ろ過を行なうことが好ましい。フィルター間の圧力差は小さい程好ましく、一般的には0.1MPa以下であり、0.05MPa以下であることが好ましく、0.01MPa以下であることが更に好ましい。フィルターと充填ノズルの間の圧力差も小さい程好ましく、一般的には0.5MPa以下であり、0.2MPa以下であることが好ましく、0.1MPa以下であることが更に好ましい。
感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の製造装置の内部は、窒素等の不活性ガスによってガス置換を行なうことが好ましい。これにより、酸素等の活性ガスが組成物中に溶解することを抑制できる。
感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物はフィルターによってろ過された後、清浄な容器に充填される。容器に充填された組成物は、冷蔵保存することが好ましい。これにより、経時による性能劣化が抑制される。組成物の容器への充填が完了してから、冷蔵保存を開始するまでの時間は短い程好ましく、一般的には24時間以内であり、16時間以内が好ましく、12時間以内がより好ましく、10時間以内が更に好ましい。保存温度は0〜15℃が好ましく、0〜10℃がより好ましく、0〜5℃が更に好ましい。
また、上記各種材料に含まれる金属等の不純物を低減する方法としては、各種材料を構成する原料として金属含有量が少ない原料を選択する、各種材料を構成する原料に対してフィルター濾過を行う、及び、装置内をテフロン(登録商標)でライニングする等して、コンタミネーションを可能な限り抑制した条件下にて蒸留を行う等の方法を挙げることができる。各種材料を構成する原料に対して行うフィルター濾過における好ましい条件は、上述した条件と同様である。
フィルター濾過の他、吸着材による不純物の除去を行ってもよく、フィルター濾過と吸着材を組み合わせて使用してもよい。吸着材としては、公知の吸着材を用いることができ、例えば、シリカゲル及びゼオライトなどの無機系吸着材、ならびに、活性炭などの有機系吸着材を使用することができる。上記各種材料に含まれる金属等の不純物を低減するためには、製造工程における金属不純物の混入を防止することが必要である。製造装置から金属不純物が十分に除去されたかどうかは、製造装置の洗浄に使用された洗浄液中に含まれる金属成分の含有量を測定することで確認することができる。使用後の洗浄液に含まれる金属成分の含有量は、100ppt(parts per trillion)以下がより好ましく、10ppt以下が更に好ましく、1ppt以下が特に好ましい。
現像液、リンス液等の有機系処理液は、静電気の帯電、引き続き生じる静電気放電に伴う薬液配管や各種パーツ(フィルター、O−リング及びチューブなど)の故障を防止するため、導電性の化合物を添加してもよい。導電性の化合物としては特に制限されないが、例えば、メタノールが挙げられる。添加量は特に制限されないが、好ましい現像特性及びリンス特性を維持する観点で、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。薬液配管の部材に関しては、SUS(ステンレス鋼)、又は、帯電防止処理の施されたポリエチレン、ポリプロピレン若しくはフッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、パーフロオロアルコキシ樹脂など)によって被膜された各種配管を用いることができる。フィルター及びO−リングに関しても同様に、帯電防止処理の施されたポリエチレン、ポリプロピレン、又はフッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン及びパーフロオロアルコキシ樹脂など)を用いることができる。
上記各種材料を保存する容器の内壁面は、金属などの不純物が溶出しないように処理をされていることが好ましい。容器の内壁面としては、電解研磨処理されたステンレス鋼からなる面、グラスライニングされた面、含フッ素樹脂でコーティングされた面がより好ましい。
本発明の方法により形成されるパターンに対して、パターンの表面荒れを改善する方法を適用してもよい。パターンの表面荒れを改善する方法としては、例えば、国際公開第2014/002808号に開示された水素を含有するガスのプラズマによってレジストパターンを処理する方法が挙げられる。その他にも、特開2004−235468号公報、米国特許出願公開第2010/0020297号明細書、特開2008−83384号公報、及び、Proc. of SPIE Vol.8328 83280N−1”EUV Resist Curing Technique for LWR Reduction and Etch Selectivity Enhancement”に記載されているような公知の方法を適用してもよい。
本発明のパターン形成方法は、DSA(Directed Self−Assembly)におけるガイドパターン形成(例えば、ACS Nano Vol.4 No.8 Page4815−4823参照)にも用いることができる。
また、上記の方法によって形成されたレジストパターンは、例えば特開平3−270227号公報及び特開2013−164509号公報に開示されたスペーサープロセスの芯材(コア)として使用できる。
〔レジスト膜〕
本発明は、上述した感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物により形成されたレジスト膜にも関する。このようなレジスト膜は、上述した感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用い、例えば、後述するような固形分濃度で基板上に塗布されることにより形成される。上述した感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、スピンコート、ロールコート、フローコート、ディップコート、スプレーコート、ドクターコート等の適当な塗布方法により基板上に塗布され、60〜150℃で1〜20分間、好ましくは80〜120℃で1〜10分間プリベークしてレジスト膜を形成する。形成されたレジスト膜の膜厚は、10〜200nmが好ましく、10〜150nmがより好ましく、20〜150nmが更に好ましい。
基板は、シリコン基板、金属蒸着膜又は金属を含む膜が設けられた基板が挙げられ、表面にCr、MoSi若しくはTaSi、又は、それらの酸化物若しくは窒化物による蒸着膜が設けられた基板である。
〔パターン形成方法〕
本発明は上記感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いたパターン形成方法にも関する。
本発明のパターン形成方法は、
上述した感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いて基板上にレジスト膜を形成するレジスト膜形成工程と、
上記レジスト膜を露光する露光工程と、
露光された上記レジスト膜を、現像液を用いて現像する現像工程と、を含む。
なお、本発明のパターン形成方法は、必要に応じて、更にリンス液を用いてリンスするリンス工程を含んでいてもよい。
感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物中の全固形分濃度は、一般的には1〜10質量%、より好ましくは1〜8.0質量%、更に好ましくは1.0〜6.0質量%である。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、上記の成分を溶剤に溶解し、フィルター濾過した後、支持体に塗布して用いることが好ましい。フィルターとしては、ポアサイズ0.1μm以下、より好ましくは0.05μm以下、更に好ましくは0.03μm以下のポリテトラフロロエチレン製、ポリエチレン製、及び、ナイロン製のものが好ましい。なお、フィルターは、複数種類を直列又は並列に接続して用いてもよい。また、組成物を複数回濾過してもよい。更に、フィルター濾過の前後で、組成物に対して脱気処理等を行ってもよい。
組成物は、集積回路素子の製造に使用されるような基板(例:シリコン/二酸化シリコン被覆)上にスピナー等の適当な塗布方法により塗布される。その後乾燥し、感活性光線性又は感放射線性樹脂膜(レジスト膜)を形成することができる。
上記レジスト膜に、所定のマスクを通して活性光線又は放射線を照射し、好ましくはベーク(加熱)を行い、現像及びリンスする。これにより良好なパターンを得ることができる。なお、電子ビームの照射では、マスクを介さない描画(直描)が一般的である。
製膜後、露光工程の前に、前加熱工程(PB;Prebake)を含むことも好ましい。
また、露光工程の後かつ現像工程の前に、露光後加熱工程(PEB;Post Exposure Bake)を含むことも好ましい。
加熱温度はPB、PEB共に70〜120℃で行うことが好ましく、80〜110℃で行うことがより好ましい。
加熱時間は30〜300秒が好ましく、30〜180秒がより好ましく、30〜90秒が更に好ましい。
加熱は通常の露光現像機に備わっている手段で行うことができ、ホットプレート等を用いて行ってもよい。
ベークにより露光部の反応が促進され、感度及びパターンプロファイルが改善する。
活性光線又は放射線としては特に限定されないが、例えばKrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、電子線、及び、EUV光等が挙げられる。解像力及び露光ラチチュードより良好となる観点から、なかでも、電子線又はEUV光(極紫外線)が好ましい。
本発明の感活性光線性又は感放射線性組成物を用いて形成された膜を現像する工程において使用する現像液は特に限定しないが、例えば、アルカリ現像液又は有機溶剤を含有する現像液(以下、有機系現像液とも言う)を用いることができる。解像力及び露光ラチチュードより良好となる観点から、なかでも、有機系現像液を用いることが好ましい。
アルカリ現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、及び、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、及び、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、及び、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、及び、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、及び、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、及び、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩、並びに、ピロール、及び、ピヘリジン等の環状アミン類等のアルカリ性水溶液を使用することができる。更に、上記アルカリ性水溶液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。アルカリ現像液のアルカリ濃度は、通常0.1〜20質量%である。
アルカリ現像液のpHは、通常10.0〜15.0である。
有機系現像液としては、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、エーテル系溶剤等の極性溶剤及び炭化水素系溶剤を用いることができる。
ケトン系溶剤としては、例えば、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、アセトン、2−ヘプタノン(メチルアミルケトン)、4−ヘプタノン、1−ヘキサノン、2−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、フェニルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、アセトニルアセトン、イオノン、ジアセトニルアルコール、アセチルカービノール、アセトフェノン、メチルナフチルケトン、イソホロン、及び、プロピレンカーボネート等が挙げられる。
エステル系溶剤としては、例えば、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、酢酸アミル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチルー3−エトキシプロピオネート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸ブチル、蟻酸プロピル、乳酸エチル、乳酸ブチル、及び、乳酸プロピル等が挙げられる。
アルコール系溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、n−ヘプチルアルコール、n−オクチルアルコール、及び、n−デカノール等のアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、及び、トリエチレングリコール等のグリコール系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、及び、メトキシメチルブタノール等のグリコールエーテル系溶剤等が挙げられる。
エーテル系溶剤としては、例えば、上記グリコールエーテル系溶剤の他、ジオキサン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
アミド系溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、及び、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が使用できる。
炭化水素系溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、ペンタン、ヘキサン、オクタン、及び、デカン等の脂肪族炭化水素系溶剤が挙げられる。
上記の溶剤は、複数混合してもよいし、上記以外の溶剤又は水と混合し使用してもよい。有機系現像液中に含まれる水の含量としては、10質量%未満であることが好ましく、実質的に水分を含有しないことがより好ましい。
すなわち、有機系現像液に対する有機溶剤の使用量は、現像液の全量に対して、90質量%以上100質量%以下であることが好ましく、95質量%以上100質量%以下であることが好ましい。
特に、有機系現像液は、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤及びエーテル系溶剤からなる群より選択される少なくとも1種類の有機溶剤を含有する現像液であるのが好ましい。
有機系現像液には、必要に応じて界面活性剤を適当量添加することができる。界面活性剤としては特に限定されないが、例えば、イオン性若しくは非イオン性のフッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤等を用いることができる。これらのフッ素及び/又はシリコン系界面活性剤として、例えば特開昭62−36663号公報、特開昭61−226746号公報、特開昭61−226745号公報、特開昭62−170950号公報、特開昭63−34540号公報、特開平7−230165号公報、特開平8−62834号公報、特開平9−54432号公報、特開平9−5988号公報、米国特許第5405720号明細書、同5360692号明細書、同5529881号明細書、同5296330号明細書、同5436098号明細書、同5576143号明細書、同5294511号明細書、同5824451号明細書記載の界面活性剤を挙げることができ、好ましくは、非イオン性の界面活性剤である。非イオン性の界面活性剤としては特に限定されないが、フッ素系界面活性剤又はシリコン系界面活性剤を用いることが更に好ましい。界面活性剤の使用量は現像液の全量に対して、通常0.001〜5質量%、好ましくは0.005〜2質量%、より好ましくは0.01〜0.5質量%である。
リンス液としては、純水を使用し、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
現像方法としては、たとえば、現像液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面に現像液を表面張力によって盛り上げて一定時間静止することで現像する方法(パドル法)、基板表面に現像液を噴霧する方法(スプレー法)、一定速度で回転している基板上に一定速度で現像液吐出ノズルをスキャンしながら現像液を吐出しつづける方法(ダイナミックディスペンス法)等を適用することができる。
また、現像工程又はリンス工程の後に、パターン上に付着している現像液又はリンス液を超臨界流体により除去する処理を行うことができる。
なお、感活性光線性又は感放射線性膜(レジスト膜)を形成する前に、基板上に予め反射防止膜を塗設してもよい。
反射防止膜としては、チタン、二酸化チタン、窒化チタン、酸化クロム、カーボン、及び、アモルファスシリコン等の無機膜型と、吸光剤とポリマー材料からなる有機膜型のいずれも用いることができる。また、有機反射防止膜として、ブリューワーサイエンス社製のDUV30シリーズ及びDUV−40シリーズ、シプレー社製のAR−2、AR−3及びAR−5等の市販の有機反射防止膜を使用することもできる。
活性光線又は放射線の照射時に膜とレンズの間に空気よりも屈折率の高い液体(液浸媒体)を満たして露光(液浸露光)を行ってもよい。これにより解像性を高めることができる。用いる液浸媒体として好ましくは水である。水は屈折率の温度係数の小ささ、入手の容易さ、及び、取り扱いのしやすさの点でも好適である。
また、屈折率が向上できるという点で屈折率1.5以上の媒体を用いることもできる。この媒体は、水溶液でもよく有機溶剤でもよい。
液浸液として水を用いる場合、屈折率の向上等を目的とする添加剤を僅かな割合で添加してもよい。添加剤の例としてはシーエムシー出版「液浸リソグラフィーのプロセスと材料」の第12章に詳しく記載されている。一方、193nm光に対して不透明な物質、及び、屈折率が水と大きく異なる不純物の存在は、膜上に投影される光学像の歪みを招くため、使用する水としては蒸留水が好ましい。更にイオン交換フィルター等で精製した純水を用いてもよい。純水の電気抵抗は18.3MQcm以上であることが望ましく、TOC(有機物濃度)は20ppb以下であることが望ましく、脱気処理をしていることが望ましい。
感活性光線性又は感放射線性組成物により形成された膜(レジスト膜)と液浸液との間には、レジスト膜と液浸液との接触を避けるために、液浸液難溶性膜(以下、「トップコート」ともいう)を設けてもよい。トップコートに必要な機能としては、レジスト膜上への塗布適性、放射線、特には193nmの波長を有した放射線に対する透明性、及び液浸液難溶性が挙げられる。トップコートを形成するための組成物(トップコート組成物)としては、レジスト膜を構成する感活性光線性又は感放射線性組成物と混合せず、レジスト膜上に均一に塗布できるものを用いることが好ましい。
トップコートに含まれる材料としては、193nmにおける透明性という観点からは、芳香族を含有しないポリマーが好ましい。このようなポリマーとしては、例えば、炭化水素ポリマー、アクリル酸エステルポリマー、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリビニルエーテル、シリコン含有ポリマー及びフッ素含有ポリマーが挙げられる。上述した疎水性樹脂は、トップコートとしても好適なものである。トップコートから液浸液へ不純物が溶出すると光学レンズを汚染されるため、トップコートに含まれるポリマーの残留モノマー成分は、少ない方が好ましい。
トップコートは、例えば、上述した疎水性樹脂及び溶剤を含むトップコート組成物を用いて、レジスト膜上に塗布形成されることが好ましい。
使用しうる溶剤としては、後述する樹脂を溶解し、レジスト膜を溶解しない限りは特に制限はないが、例えば、アルコール系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、フッ素系溶剤、又は、炭化水素系溶剤などが好適に挙げられ、非フッ素系のアルコール系溶剤を用いることがより好ましい。これにより、レジスト膜に対する非溶解性が更に向上し、トップコート組成物をレジスト膜上に塗布した際に、レジスト膜を溶解することなく、より均一に、トップコートを形成できる。溶剤の粘度としては、5cP(センチポアズ)以下が好ましく、3cP以下がより好ましく、2cP以下が更に好ましく、1cP以下が特に好ましい。なお、センチポアズからパスカル秒へは、次式で換算できる:1000cP=1Pa・s。
これらの溶剤は一種単独で又は複数を混合して用いてもよい。
トップコート組成物は、更に、下記(A1)〜(A3)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含有することが好ましい。
(A1)酸拡散制御剤
(A2)エーテル結合、チオエーテル結合、ヒドロキシ基、チオール基、カルボニル結合及びエステル結合からなる群より選択される結合又は基を含有する化合物
(A3)ラジカルトラップ基を有する化合物
以下、(A1)〜(A3)についてそれぞれ説明する。
<(A1)酸拡散制御剤>
トップコート組成物は、更に、酸拡散制御剤を含有することが好ましい。トップコート組成物が含みうる酸拡散制御剤は、例えば、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物が含みうる塩基性化合物(E)と同様のものを用いることができる。
(酸拡散制御剤の含有量)
トップコート組成物における酸拡散制御剤の含有量は、トップコート組成物の固形分を基準として、0.01〜20質量%が好ましく、0.1〜10質量%がより好ましく、1〜5質量%が更に好ましい。
<(A2)エーテル結合、チオエーテル結合、ヒドロキシ基、チオール基、カルボニル結合及びエステル結合からなる群より選択される結合又は基を含有する化合物>
エーテル結合、チオエーテル結合、ヒドロキシ基、チオール基、カルボニル結合及びエステル結合からなる群より選択される基又は結合を少なくとも一つ含む化合物(以下、化合物(A2)とも呼ぶ)について、以下に説明する。
上記の通り、化合物(A2)は、エーテル結合、チオエーテル結合、ヒドロキシ基、チオール基、カルボニル結合及びエステル結合からなる群より選択される基又は結合を少なくとも一つ含む化合物である。これら基又は結合に含まれる酸素原子又は硫黄原子は、非共有電子対を有するため、レジスト膜から拡散してきた酸との相互作用により、酸をトラップすることができる。
トップコート組成物の一形態において、化合物(A2)は、上記群から選択される基又は結合を2つ以上有することが好ましく、3つ以上有することがより好ましく、4つ以上有することが更に好ましい。この場合、化合物(A2)に複数含まれるエーテル結合、チオエーテル結合、ヒドロキシ基、チオール基、カルボニル結合及びエステル結合から選択される基又は結合は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
化合物(A2)は、分子量が3000以下であることが好ましく、2500以下であることがより好ましく、2000以下であることが更に好ましく、1500以下であることが特に好ましい。
また、化合物(A2)に含まれる炭素原子数は、8個以上であることが好ましく、9個以上であることがより好ましく、10個以上であることが更に好ましい。
また、化合物(A2)に含まれる炭素原子数は、30個以下であることが好ましく、20個以下であることがより好ましく、15個以下であることが更に好ましい。
また、化合物(A2)は、沸点が200℃以上の化合物であることが好ましく、沸点が220℃以上の化合物であることがより好ましく、沸点が240℃以上の化合物であることが更に好ましい。
また、化合物(A2)は、エーテル結合を有する化合物であることが好ましく、エーテル結合を2つ以上有することが好ましく、3つ以上有することがより好ましく、4つ以上有することが更に好ましい。
トップコート組成物において、化合物(A2)は、下記一般式(1)で表されるオキシアルキレン構造を含有する繰り返し単位を含有することが好ましい。
式中、
11は、置換基を有してもよいアルキレン基を表し、
nは、2以上の整数を表し、
*は、結合手を表す。
一般式(1)中のR11により表されるアルキレン基の炭素数は特に制限されないが、1〜15であることが好ましく、1〜5であることがより好ましく、2又は3であることが更に好ましく、2であることが特に好ましい。このアルキレン基が置換基を有する場合、置換基は特に制限されないが、例えばアルキル基(好ましくは炭素数1〜10)であることが好ましい。
nは、2〜20の整数であることが好ましく、そのなかでも、DOF(Depth of field)がより大きくなる理由から、10以下であることがより好ましい。
nの平均値は、DOFがより大きくなる理由から、20以下であることが好ましく、2〜10であることがより好ましく、2〜8であることが更に好ましく、4〜6であることが特に好ましい。ここで、「nの平均値」とは、化合物(A2)の重量平均分子量をGPCによって測定し、得られた重量平均分子量と一般式が整合するように決定されるnの値を意味する。nが整数でない場合は、四捨五入した値とする。
複数あるR11は同一であっても異なってもよい。
また、上記一般式(1)で表される部分構造を有する化合物は、DOFがより大きくなる理由から、下記一般式(1−1)で表される化合物であることが好ましい。
式中、
11の定義、具体例および好適な態様は、上述した一般式(1)中のR11と同じである。
12およびR13は、それぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を表す。アルキル基の炭素数は特に制限されないが、1〜15であることが好ましい。R12およびR13は、互いに結合して環を形成してもよい。
mは、1以上の整数を表す。mは、1〜20の整数であることが好ましく、そのなかでも、DOFがより大きくなる理由から、10以下であることがより好ましい。
mの平均値は、DOFがより大きくなる理由から、20以下であることが好ましく、1〜10であることがより好ましく、1〜8であることが更に好ましく、4〜6であることが特に好ましい。ここで、「mの平均値」は、上述した「nの平均値」と同義である。
mが2以上である場合、複数あるR11は同一であっても異なってもよい。
トップコート組成物において、一般式(1)で表される部分構造を有する化合物は、少なくとも2つのエーテル結合を含むアルキレングリコールであることが好ましい。
化合物(A2)は、市販品を使用してもよく、公知の方法によって合成してもよい。
以下に、化合物(A2)の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
化合物(A2)の含有率は、上層膜(トップコート)中の全固形分を基準として、0.1〜30質量%が好ましく、1〜25質量%がより好ましく、2〜20質量%が更に好ましく、3〜18質量%が特に好ましい。
<(A3)ラジカルトラップ基を有する化合物>
(A3)ラジカルトラップ基を有する化合物を化合物(A3)ともいう。
ラジカルトラップ基は、活性ラジカルを捕捉し、ラジカル反応を停止させる基である。このようなラジカルトラップ基としては、例えば、活性ラジカルと反応し、安定フリーラジカルへと変換される基、及び、安定フリーラジカルを有する基が挙げられる。
このようなラジカルトラップ基を有する化合物としては、例えば、ヒドロキノン、カテコール、ベンゾキノン、ニトロキシルラジカル化合物、芳香族ニトロ化合物、N−ニトロソ化合物、ベンゾチアゾール、ジメチルアニリン、フェノチアジン、ビニルピレン、及び、これらの誘導体などが挙げられる。
また、塩基性を有さないラジカルトラップ基としては、具体的には、例えば、ヒンダードフェノール基、ヒドロキノン基、N−オキシルフリーラジカル基、ニトロソ基、および、ニトロン基からなる群から選ばれる少なくとも1種の基が好適に挙げられる。
化合物(A3)が有するラジカルトラップ基の数としては特に限定はないが、化合物(A3)が高分子化合物以外の化合物である場合、ラジカルトラップ基は1分子中1〜10個が好ましく、1〜5個がより好ましく、1〜3個が更に好ましい。
一方、化合物(A3)が繰り返し単位を有する高分子化合物である場合、ラジカルトラップ基を有する繰り返し単位が1〜5個のラジカルトラップ基を有することが好ましく、1〜3個のラジカルトラップ基を有することがより好ましい。また上記高分子化合物中のラジカルトラップ基を有する繰り返し単位の組成比は、1〜100モル%であることが好ましく、10〜100モル%がより好ましく、30〜100モル%が更に好ましい。
ラジカルトラップ基を有する化合物(A3)としては、窒素酸素結合を有する化合物が好ましく、下記一般式(1)〜(3)のいずれかで表される化合物がより好ましい。
なお、下記一般式(1)で表される化合物が、N−オキシルフリーラジカル基を有する化合物に相当し、下記一般式(2)で表される化合物が、ニトロソ基を有する化合物に相当し、下記一般式(3)で表される化合物が、ニトロン基を有する化合物に相当する。
一般式(1)〜(3)中、R〜Rは、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を表す。式(1)においてR及びRが結合して環を形成していてもよく、式(3)においてR〜Rの少なくとも二つが結合して環を形成していてもよい。
〜Rが表すアルキル基、シクロアルキル基、及び、アリール基、R及びRが結合して形成していてもよい環、並びに、R〜Rの少なくとも二つが結合して形成していてもよい環は、置換基を有していてもよい。
〜Rが表すアルキル基としては、例えば、直鎖状又は分岐状である炭素数1〜10のアルキル基が挙げられ、その具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、及び、n−ヘキシル基などが挙げられ、なかでも、メチル基、エチル基、n−ブチル基、又は、t−ブチル基が好ましい。
〜Rが表すシクロアルキル基としては、例えば、炭素数3〜15のシクロアルキル基が挙げられ、その具体例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、シクロオクチル基、ノルボルニル基、及び、アダマンチル基などが好適に挙げられる。
〜Rが表すアリール基としては、例えば、炭素数6〜14のアリール基が挙げられ、その具体例としては、フェニル基、トリル基、及び、ナフチル基などが好適に挙げられる。
及びRが形成していてもよい環、及び、R〜Rが形成していてもよい環としては、好ましくは5〜10員環であり、より好ましくは5又は6員環である。
〜Rが表すアルキル基、シクロアルキル基、及び、アリール基、R及びRが結合して形成していてもよい環、並びに、R〜Rの少なくとも二つが結合して形成していてもよい環が有していてもよい置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子)、ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、オキシ基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基、アシルアミド基(RCONH−:Rは、置換若しくは無置換のアルキル基又はフェニル基)、−SO2Na、及び、−P(=O)(OC25)2等を挙げることができる。
〜Rが表すシクロアルキル基、及び、アリール基が有していてもよい置換基としては、更に、アルキル基を挙げることができる。
なお、一般式(1)〜(3)のいずれかで表される化合物は、樹脂の形態であってもよく、この場合、R〜Rの少なくとも一つが、樹脂の主鎖又は側鎖へ結合していてもよい。
以下に、ラジカルトラップ基を有する化合物(A3)の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
ラジカルトラップ基を有する化合物(A3)が低分子化合物である場合、その分子量は特に限定されず、分子量100〜5000であることが好ましく、100〜2000であることがより好ましく、100〜1000であることが更に好ましい。
また、ラジカルトラップ基を有する化合物(A3)が、繰り返し単位を有する高分子化合物である場合、その重量平均分子量は、5000〜20000が好ましく、5000〜10000がより好ましい。
ラジカルトラップ基を有する化合物(A3)としては、市販品の化合物を使用してもよいし、公知の方法で合成した化合物を使用してもよい。なお、化合物(A3)は、市販のラジカルトラップ基を有する低分子化合物と、エポキシ基、ハロゲン化アルキル基、酸ハライド基、カルボキシ基、イソシアネート基などの反応性基を有する高分子化合物との反応によって合成してもよい。
ラジカルトラップ基を有する化合物(A3)の含有量は、トップコート組成物の全固形分を基準として、通常、0.001〜10質量%であり、好ましくは0.01〜5質量%である。
トップコート組成物は、(A1)〜(A3)からなる群より選択される1種の化合物を複数含んでも良い。例えば、互いに区別される2種以上の化合物(A1)を含んでも良い。
また、トップコート組成物は、(A1)〜(A3)からなる群より選択される2種以上の化合物を含有しても良い。例えば、化合物(A1)及び化合物(A2)の両方を含有しても良い。
トップコート組成物が、(A1)〜(A3)からなる群より選択される化合物を複数含む場合、それら化合物の含有量の合計は、トップコート組成物の全固形分を基準として、通常、0.001〜20質量%であり、好ましくは0.01〜10質量%であり、より好ましくは1〜8質量%である。
ラジカルトラップ基を有する化合物(A3)は、1種類単独又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
トップコートを剥離する際は、現像液を使用してもよいし、別途剥離剤を使用してもよい。剥離剤としては、感活性光線性又は感放射線性膜への浸透が小さい溶剤が好ましい。剥離工程がレジストの現像処理工程と同時にできるという点では、アルカリ現像液により剥離できることが好ましい。アルカリ現像液で剥離するという観点からは、トップコートは酸性であることが好ましいが、レジストとの非インターミクス性の観点から、中性であってもアルカリ性であってもよい。
トップコートと液浸液との間には、屈折率の差がないか又は小さいことが好ましい。この場合、解像力を向上させることが可能となる。露光光源がArFエキシマレーザー(波長:193nm)の場合には、液浸液として水を用いることが好ましいため、ArF液浸露光用トップコートは、水の屈折率(1.44)に近いことが好ましい。
また、透明性及び屈折率の観点から、トップコートは、薄膜であることが好ましい。トップコートは、感活性光線性又は感放射線性膜と混合せず、更に液浸液とも混合しないことが好ましい。この観点から、液浸液が水の場合には、トップコートに使用される溶剤は、本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物に使用される溶媒に難溶で、かつ非水溶性の媒体であることが好ましい。また、液浸液が有機溶剤である場合には、トップコートは水溶性であっても非水溶性であってもよい。
液浸露光処理以外によって露光を行う場合であっても、樹脂膜上にトップコートを形成してもよい。
〔電子デバイスの製造方法〕
また、本発明は、上記した本発明のパターン形成方法を含む電子デバイスの製造方法にも関する。上記製造方法により得られる電子デバイスは、電気電子機器(家電、OA(office automation)・メディア関連機器、光学用機器及び通信機器等)に、好適に搭載されるものである。
〔レジスト膜付きマスクブランクス、そのパターン形成方法〕
また、本発明は、上記のようにして得られるレジスト膜を備えたレジスト膜付きマスクブランクスにも関する。本発明のレジスト膜付きマスクブランクスは、マスクブランクスと、マスクブランクス上に上述したレジスト膜と、を備える。なお、マスクブランクスとは、少なくとも透明基板と、その上に配置される遮光膜とを有する。
このようなレジスト膜付きマスクブランクスを得るために、フォトマスク作製用のフォトマスクブランクス上にレジストパターンを形成する場合、使用される透明基板としては、石英、フッ化カルシウム等の透明基板を挙げることができる。一般には、この基板上に、遮光膜、反射防止膜、更に位相シフト膜、追加的にはエッチングストッパー膜、エッチングマスク膜といった機能性膜の必要なものを積層する。機能性膜の材料としては、ケイ素、又はクロム、モリブデン、ジルコニウム、タンタル、タングステン、チタン、及び、ニオブ等の遷移金属を含有する膜が積層される。また、最表層に用いられる材料としては、ケイ素又はケイ素に酸素及び/又は窒素を含有する材料を主構成材料とするもの、更にそれらに遷移金属を含有する材料を主構成材料とするケイ素化合物材料や、遷移金属、特にクロム、モリブデン、ジルコニウム、タンタル、タングステン、チタン、及び、ニオブ等より選ばれる1種以上、又は、更にそれらに酸素、窒素、及び、炭素より選ばれる元素を1以上含む材料を主構成材料とする遷移金属化合物材料が例示される。
遮光膜は単層でもよいが、複数の材料を塗り重ねた複層構造であることがより好ましい。複層構造の場合、1層当たりの膜の厚みは、特に限定されないが、5nm〜100nmであることが好ましく、10nm〜80nmであることがより好ましい。遮光膜全体の厚みとしては、特に限定されないが、5nm〜200nmであることが好ましく、10nm〜150nmであることがより好ましい。
〔レジスト膜付きマスクブランクスのパターン形成方法〕
また、本発明は、上記のようにして得られるレジスト膜を備えたレジスト膜付きマスクブランクスのパターン形成方法にも関する。
本発明のレジスト膜付きマスクブランクスのパターン形成方法は、
上述したレジスト膜付きマスクブランクスにおけるレジスト膜を露光する露光工程と、
レジスト膜付きマスクブランクスにおける上記露光されたレジスト膜を現像する現像工程と、を含む。
上記工程において、露光工程とは、上述の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物のパターン形成方法として説明した露光工程と同様であり、好適態様も同じである。
また、上記工程において、現像工程とは、上述の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物のパターン形成方法として説明した現像工程と同様であり、好適態様も同じである。
上記工程を経てレジスト膜付きマスクブランクスにパターンを形成した後、このパターンをマスクとして用いて、適宜エッチング処理及びイオン注入等を行い、半導体微細回路及びインプリント用モールド構造体等を作成する。
なお、本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いてインプリント用モールドを作成する場合のプロセスについては、例えば、特許第4109085号公報、及び特開2008−162101号公報に記載されている。
以下に実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、及び、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。
〔感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の調製〕
以下に、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物に含まれる各種成分を示す。
<酸発生剤>
酸発生剤として以下の化合物を合成して使用した。
(第1表)
<樹脂(A1)>
樹脂(A1)として以下の樹脂を使用した。
<樹脂(A2)>
樹脂(A2)として以下の樹脂を使用した。
<塩基性化合物>
塩基性化合物としては、以下のものを用いた。
テトラブチルアンモニウムハイドロキサイド(E−15)
<架橋剤>
架橋剤としては、以下のものを用いた。
<疎水性樹脂>
疎水性樹脂としては、以下のものを用いた。
<界面活性剤>
界面活性剤としては、以下のものを用いた。
W−1:メガファックF176(DIC(株)製)(フッ素系)
W−2:メガファックR08(DIC(株)製)(フッ素及びシリコン系)
W−3:PF6320(OMNOVA Solutions Inc.製)(フッ素系)
W−4:トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)
W−5:ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)(シリコン系)
<溶剤>
溶剤としては、以下のものを用いた。
S1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)
S2:シクロヘキサノン
B1:プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)
B2:乳酸エチル
後掲の各表に示す成分を溶剤に溶解させ、それぞれについて固形分濃度4質量%の溶液を調製した。次いで、0.05μmのポアサイズを有するポリテトラフルオロエチレンフィルターを用いて、得られた溶液を濾過することにより、各感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(レジスト組成物)を調製した。
なお、各表における各成分について、複数使用した場合の比は「質量比」である。
また、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(レジスト組成物)中の各成分の含有量は、表中に記載した通りである。
また、溶剤(表中*1)の含有量は、組成物が上記固形分濃度となる量とした。
得られた感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物について、その性能を下記に示す各種方法によって評価し、結果を各表に示した。
<実施例1A〜24A、比較例1A〜5A>
(露光条件1:ArF液浸露光、アルカリ現像)
12インチのシリコンウエハ上に有機反射防止膜形成用組成物ARC29SR(日産化学社製)を塗布し、205℃で、60秒間ベークを行い、膜厚98nmの反射防止膜を形成した。次いで、得られた反射防止膜上に、調製した感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を塗布し、130℃で、60秒間ベーク(PB:Prebake)を行い、膜厚120nmのレジスト膜を形成した。
トップコートを用いる場合は、更にトップコート用樹脂をデカン/オクタノール(質量比9/1)に溶解させた3質量%の溶液を前述で得られたレジスト膜上に塗布し、85℃で、60秒間ベークを行い、膜厚50nmのトップコート層を形成した。これにArFエキシマレーザー液浸スキャナー(ASML社製 XT1700i、NA1.20、C−Quad、アウターシグマ0.981、インナーシグマ0.895、XY偏向)を用い、線幅48nmの1:1ラインアンドスペースパターンの6%ハーフトーンマスクを通して露光した。液浸液としては超純水を使用した。その後100℃で、60秒間加熱(PEB:Post Exposure Bake)した後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液(2.38質量%)で30秒間パドルして現像し、純水でパドルしてリンスした後、スピン乾燥して、ポジ型レジストパターンを形成した。
(評価試験)
・感度評価
上記で得られたライン/スペース=1/1のラインパターン(ArF液浸露光:線幅48nm)について、走査型電子顕微鏡(日立社製S9380)で観察した。線幅48nmのラインアンドスペースパターン(ライン:スペース=1:1)を解像するときの最小照射エネルギーを感度とした。
・解像力評価
上記の感度を示す照射量における限界解像力(ラインとスペースとが分離解像する最小の線幅)を解像力とした。この値が小さいほど、解像力が優れる。
・露光ラチチュード評価
線幅48nmの1:1ラインアンドスペースのパターンを再現する露光量を最適露光量とし、露光量を変化させた際にパターンサイズが48nm±10%を許容する露光量幅を求め、この値を最適露光量で割って百分率表示した。値が大きいほど露光量変化による性能変化が小さく、露光ラチチュードが良好である。
・線幅の面内均一性(CDU)評価
上記最適露光量により形成した1:1ラインアンドスペースパターンにおける各ラインパターン中の100個の線幅を測定し、その測定結果から算出した平均値の標準偏差(σ)の3倍値(3σ)を求めて線幅の面内均一性(CDU)(nm)を評価した。以上から求められる3σは、その値が小さいほど、上記レジスト膜に形成された各ラインCDの面内均一性(CDU)が高いことを意味する。
・パターン形状評価
上記の感度を示す照射量における線幅48nmのラインアンドスペースパターン(ライン:スペース=1:1)の断面形状を走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−4300)を用いて観察した。
ラインパターンの断面形状において、[ラインパターンのボトム部(底部)における線幅/ラインパターンの中部(ラインパターンの高さの半分の高さ位置)における線幅]で表される比率が1.05以上のものを「順テーパー」とし、上記比率が1.05未満のものを「矩形」として、2段階で評価を行った。
これらの評価結果を第2表に示す。
(第2表)
<実施例1B〜24B、比較例1B〜5B>
(露光条件2:ArF液浸露光、有機溶剤系現像)
12インチのシリコンウエハ上に有機反射防止膜形成用組成物ARC29SR(日産化学社製)を塗布し、205℃で60秒間ベークを行い、膜厚95nmの反射防止膜を形成した。次いで、得られた反射防止膜上に、調製した感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を塗布し、100℃で、60秒間に亘ってベーク(PB:Prebake)を行い、膜厚100nmのレジスト膜を形成した。
得られたウエハをArFエキシマレーザー液浸スキャナー(ASML社製;XT1700i、NA1.20、C−Quad、アウターシグマ0.900、インナーシグマ0.812、XY偏向)を用い、線幅48nmの1:1ラインアンドスペースパターンの6%ハーフトーンマスクを通して露光した。液浸液としては超純水を用いた。その後、105℃で60秒間加熱(PEB:Post Exposure Bake)した。次いで、ネガ型現像液(酢酸ブチル)で30秒間パドルして現像し、リンス液〔メチルイソブチルカルビノール(MIBC)〕で30秒間パドルしてリンスした。続いて、4000rpmの回転数で30秒間ウエハを回転させることにより、線幅48nmの1:1ラインアンドスペースのネガ型レジストパターンを形成した。
得られたネガ型レジストパターンに対して、感度評価、解像力評価、露光ラチチュード評価、及び、線幅の面内均一性(CDU)評価を行った。これらの評価方法は、実施例1A〜24Aにおける各評価方法と同様である。また、パターン形状評価については下記の方法により行った。結果を第3表に示す。
・パターン形状評価
上記の感度を示す照射量における線幅48nmのラインアンドスペースパターン(ライン:スペース=1:1)の断面形状を走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−4300)を用いて観察した。
ラインパターンの断面形状において、[ラインパターンのトップ部(表面部)における線幅/ラインパターンの中部(ラインパターンの高さの半分の高さ位置)における線幅]で表される比率が1.05以上のものを「逆テーパー」とし、上記比率が1.05未満のものを「矩形」として、2段階で評価を行った。
(第3表)
<実施例1C〜24C、比較例1C〜5C>
(露光条件3:EB(電子線)露光、アルカリ現像、ポジ型パターン)
調製した感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を、スピンコーターを用いて、ヘキサメチルジシラザン処理を施したシリコン基板上に均一に塗布した。次いで、ホットプレート上で120℃、90秒間加熱乾燥を行い、膜厚60nmの感活性光線性又は感放射線性膜(レジスト膜)を形成した。電子線照射装置((株)日立製作所製HL750、加速電圧50keV)を用い、得られた感活性光線性又は感放射線性膜に対して電子線照射を行った。照射後、直ぐにホットプレート上にて110℃、90秒間加熱した。更に濃度2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロオキサイド水溶液を用いて23℃で60秒間現像し、30秒間純水にてリンスした後、スピン乾燥してポジ型レジストパターンを形成した。
(評価試験)
・感度評価
得られたパターンの断面形状を走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−4300)を用いて観察した。線幅50nmの1:1ラインアンドスペースのレジストパターンを解像するときの露光量(電子線照射量)を感度とした。この値が小さいほど、感度が高い。
・解像力評価
上記の感度を示す露光量(電子線照射量)における限界解像力(ラインとスペースが分離解像する最小の線幅)をLS解像力とした。この値が小さいほど、解像力が優れる。
・露光ラチチュード評価
線幅50nmのラインアンドスペースパターン(ライン:スペース=1:1)を再現する露光量を最適露光量とし、露光量を変化させた際にパターンサイズが50nm±20%を許容する露光量幅を求め、この値を最適露光量で割って百分率表示した。値が大きいほど露光量変化による性能変化が小さく、露光ラチチュードが良好である。
・パタ−ン形状評価
上記の感度を示す露光量(電子線照射量)における線幅50nmの1:1ラインアンドスペースのレジストパターンの断面形状を走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−4300)を用いて観察した。
ラインパターンの断面形状において、[ラインパターンのボトム部(底部)における線幅/ラインパターンの中部(ラインパターンの高さの半分の高さ位置)における線幅]で表される比率が1.05以上のものを「順テーパー」とし、上記比率が1.05未満のものを「矩形」として、2段階で評価を行った。
これらの評価方法による結果を第4表に示す。
(第4表)
<実施例1D〜24D、比較例1D〜5D>
(露光条件4:EB(電子線)露光、アルカリ現像、ネガ型パターン)
調製した感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を、スピンコーターを用いて、ヘキサメチルジシラザン処理を施したシリコン基板上に均一に塗布した。次いで、ホットプレート上で120℃、90秒間加熱乾燥を行い、膜厚60nmの感活性光線性又は感放射線性膜(レジスト膜)を形成した。電子線照射装置(株)日立製作所製HL750、加速電圧50keV)を用い、得られた感活性光線性又は感放射線性膜に対して電子線照射を行った。照射後、直ぐにホットプレート上で110℃、60秒間加熱した。更に濃度2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロオキサイド水溶液を用いて23℃で60秒間現像し、30秒間純水にてリンスした後、スピン乾燥してネガ型レジストパターンを得た。
得られたネガ型レジストパターンに対して、感度評価、解像力評価、及び、露光ラチチュード評価を行った。これらの評価方法は、実施例1C〜24Cにおける各評価方法と同様である。また、パターン形状評価については下記の方法により行った。結果を第5表に示す。
・パターン形状評価
上記の感度を示す露光量(電子線照射量)における線幅50nmの1:1ラインアンドスペースのレジストパターンの断面形状を走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−4300)を用いて観察した。
ラインパターンの断面形状において、[ラインパターンのトップ部(表面部)における線幅/ラインパターンの中部(ラインパターンの高さの半分の高さ位置)における線幅]で表される比率が1.05以上のものを「逆テーパー」とし、上記比率が1.05未満のものを「矩形」として、2段階で評価を行った。
(第5表)
<実施例1E〜24E、比較例1E〜5E>
(露光条件5:EUV(極紫外線)露光、アルカリ現像)
≪レジスト組成物の塗布及び塗布後ベーク(PB)≫
12インチシリコンウエハ上に、有機膜形成用組成物であるDUV44(Brewer Science社製)を塗布し、200℃で60秒間ベークして、膜厚60nmの有機膜を形成した。形成した有機膜の上に、調製した感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を塗布し、120℃の条件で60秒間ベークし、膜厚40nmの感活性光線性又は感放射線性膜(レジスト膜)を形成した。
≪露光≫
<L/Sパターン評価>
上記で作製したウエハに、NA(レンズ開口数、Numerical Aperture)0.25、ダイポール照明(Dipole 60x、アウターシグマ0.81、インナーシグマ0.43)でEUV露光を行った。具体的には、ウエハ上寸法がピッチ40nm、幅20nmのラインアンドスペースパターン(L/Sパターン)を形成する為のパターンが含まれたマスクを介して、露光量を変えてEUV露光を行った。
≪露光後ベーク(PEB(Post Exposure Bake))
照射後、EUV露光装置から取り出したら、ただちに、120℃の温度で60秒間ベーク(PEB)した。
≪現像≫
2.38質量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)水溶液を用いて現像した。
(評価試験)
・感度
ピッチ40nm、幅20nmのラインアンドスペースパターン(L/Sパターン)を解像するときの照射エネルギーを感度(Eop)とした。この値が小さいほど性能が良好であることを示す。
・解像力評価
上記Eopに於いて、分離している(1:1)のラインアンドスペースパターンの最小線幅を解像力とした。この値が小さいほど性能が良好であることを示す。
・露光ラチチュード評価
ピッチ40nm、幅20nmのラインアンドスペースパターン(L/Sパターン)を再現する露光量を最適露光量とし、露光量を変化させた際にパターンサイズが50nm±20%を許容する露光量幅を求め、この値を最適露光量で割って百分率表示した。値が大きいほど露光量変化による性能変化が小さく、露光ラチチュードが良好である。
・パターン形状評価
上記の感度を示す露光量における線ピッチ40nm、幅20nmのラインアンドスペースパターン(L/Sパターン)のレジストパターンの断面形状を走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−4300)を用いて観察した。
ラインパターンの断面形状において、[ラインパターンのボトム部(底部)における線幅/ラインパターンの中部(ラインパターンの高さの半分の高さ位置)における線幅]で表される比率が1.05以上のものを「順テーパー」とし、上記比率が1.05未満のものを「矩形」として、2段階で評価を行った。
(第6表)
<実施例1F〜24F、比較例1F〜5F>
(露光条件6:EUV(極紫外線)露光、有機溶剤系現像)
(上層膜形成用組成物)
下記第7表に示す各成分を、同表に示す溶剤に溶解させた。これを0.03μmのポアサイズを有するポリエチレンフィルターを用いてろ過して、上層膜形成用組成物を得た(固形分濃度5質量%)。なお、下記第7表において「MIBC」はメチルイソブチルカルビノールを表す。
(第7表)
以下に、上層膜形成用組成物を得る際に使用した樹脂V−1を示す。これら以外の添加剤は、上述したものと同じである。
樹脂V−1の組成比、重量平均分子量及び分散度は、下記第8表に示す。
(第8表)
[EUV露光評価]
第11表に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(レジスト組成物)を用いて、以下の操作によりレジストパターンを形成した。
≪レジスト組成物の塗布及び塗布後ベーク(PB)≫
12インチシリコンウエハ上に、有機膜形成用組成物であるDUV44(Brewer Science社製)を塗布し、200℃で60秒間ベークして、膜厚60nmの有機膜を形成した。形成した有機膜の上に、調製した感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を塗布し、120℃の条件で60秒間ベークし、膜厚40nmの感活性光線性又は感放射線性膜(レジスト膜)を形成した。
≪上層膜形成用組成物の塗布及び塗布後ベーク(PB)≫
実施例3F、12Fについては、上記第7表に示す上層膜形成用組成物(トップコート組成物)を、上記ベーク後のレジスト膜上に塗布し、その後、下記第11表に記載の上層膜PB温度(単位:℃)で60秒間に亘ってベークを行い、膜厚40nmの上層膜(トップコート)を形成した。
≪露光≫
<L/Sパターン評価>
上記で作製したウエハに、NA(レンズ開口数、Numerical Aperture)0.25、ダイポール照明(Dipole 60x、アウターシグマ0.81、インナーシグマ0.43)でEUV露光を行った。具体的には、ウエハ上寸法がピッチ40nm、幅20nmのラインアンドスペースパターン(L/Sパターン)を形成する為のパターンが含まれたマスクを介して、露光量を変えてEUV露光を行った。
≪露光後ベーク(PEB(Post Exposure Bake))≫
照射後、EUV露光装置から取り出したら、ただちに、下記第11表に記載の温度で60秒間ベーク(PEB)した。
≪現像≫
その後、シャワー型現像装置(ACTES(株)製ADE3000S)を用いて、50回転(rpm)でウエハを回転しながら、現像液(23℃)を、200mL/分の流量で30秒間スプレー吐出することで、現像を行った。なお、現像液としては、下記第11表に記載の現像液を用いた。下記第9表に、各例で用いた現像液を併せて示す。
(第9表)
≪リンス≫
その後、50回転(rpm)でウエハを回転しながら、リンス液(23℃)を、200mL/分の流量で15秒間スプレー吐出することで、リンス処理を行った。
最後に、2500回転(rpm)で60秒間高速回転してウエハを乾燥させた。なお、リンス液としては、下記第11表に記載のリンス液を用いた。下記第10表に各例で用いたリンス液を併せて示す。
(第10表)
(評価試験)
以下の項目について評価を行った。結果の詳細は、下記第11表に示す。
・感度評価
ウエハ上寸法がピッチ40nm、幅20nmのラインアンドスペースパターン(L/Sパターン)を解像するときの照射エネルギーを感度(Eop)とした。この値が小さいほど性能が良好であることを示す。
・解像力評価
上記Eopに於いて、分離している(1:1)のラインアンドスペースパターンの最小線幅を解像力とした。この値が小さいほど性能が良好であることを示す。
・露光ラチチュード評価
ウエハ上寸法がピッチ40nm、幅20nmのラインアンドスペースパターン(L/Sパターン)を再現する露光量を最適露光量とし、露光量を変化させた際にパターンサイズが50nm±20%を許容する露光量幅を求め、この値を最適露光量で割って百分率表示した。値が大きいほど露光量変化による性能変化が小さく、露光ラチチュードが良好である。
・パターン形状評価
上記の感度を示す露光量における40nm、幅20nmのラインアンドスペースパターン(L/Sパターン)のレジストパターンの断面形状を走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−4300)を用いて観察した。
ラインパターンの断面形状において、[ラインパターンのトップ部(表面部)における線幅/ラインパターンの中部(ラインパターンの高さの半分の高さ位置)における線幅]で表される比率が1.05以上のものを「逆テーパー」とし、上記比率が1.05未満のものを「矩形」として、2段階で評価を行った。
(第11表)
第2〜6表、第11表の結果から、一般式(I)又は一般式(II)で表される酸を発生する化合物を含む実施例の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、解像力、露光ラチチュード、パターン形状性のいずれにおいても優れていることが確認された。
一方、上記の一般式(I)又は一般式(II)で表される酸を発生する化合物を含まない比較例の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、所望の要求を満たさないことは明らかである。

Claims (15)

  1. 活性光線又は放射線の照射により下記一般式(I)又は(II)で表される酸を発生する化合物を含有する、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
    上記一般式(I)中、
    及びAは、それぞれ独立して、フッ素原子、又は、フッ素原子を含む1価の有機基を表す。
    Xは、酸素原子、硫黄原子、又は、*N−T基を表す。また、*は上記一般式(I)中の二重結合と連結する位置を表し、Tは1価の有機基を表す。
    Yは、ヘテロ原子を有していてもよい、環式構造を含む1価の炭化水素基であって、前記環式構造が、単環の脂環基、アリール基、または複素環基である、炭化水素基を表す。なお、Yにヘテロ原子が含まれる場合、Y中のヘテロ原子は、前記Xと結合している炭素原子に結合しない。
    上記一般式(II)中、
    及びAは、前記一般式(I)中のA及びAと同義である。
    Yは、ヘテロ原子を有していてもよい、環式構造を含む1価の炭化水素基である。なお、Yにヘテロ原子が含まれる場合、Y中のヘテロ原子は、水酸基と結合している炭素原子に結合しない。
    Vは、水素原子、又は、ヘテロ原子を有していてもよい1価の炭化水素基を表す。なお、Vにヘテロ原子が含まれる場合、V中のヘテロ原子は、水酸基と結合している炭素原子に結合しない。
  2. 前記一般式(I)中、Xは酸素原子である、請求項1に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  3. 活性光線又は放射線の照射により下記一般式(I)又は(II)で表される酸を発生する化合物を含有する、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
    上記一般式(I)中、
    及びAは、それぞれ独立して、フッ素原子、又は、フッ素原子を含む1価の有機基を表す。
    Xは、硫黄原子、又は、*N−T基を表す。また、*は上記一般式(I)中の二重結合と連結する位置を表し、Tは1価の有機基を表す。
    Yは、ヘテロ原子を有していてもよい1価の炭化水素基を表す。なお、Yにヘテロ原子が含まれる場合、Y中のヘテロ原子は、前記Xと結合している炭素原子に結合しない。
    上記一般式(II)中、
    及びAは、前記一般式(I)中のA及びAと同義である。
    Yは、ヘテロ原子を有していてもよい、環式構造を含む1価の炭化水素基である。なお、Yにヘテロ原子が含まれる場合、Y中のヘテロ原子は、水酸基と結合している炭素原子に結合しない。
    Vは、水素原子、又は、ヘテロ原子を有していてもよい1価の炭化水素基を表す。なお、Vにヘテロ原子が含まれる場合、V中のヘテロ原子は、水酸基と結合している炭素原子に結合しない。
  4. 前記一般式(I)中、Yは環式構造を含む、請求項3に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  5. 下記一般式(I−A)で表される化合物、または、活性光線又は放射線の照射により下記一般式(II)で表される酸を発生する化合物を含有する、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
    上記一般式(I−A)中、
    及びAは、それぞれ独立して、フッ素原子、又は、フッ素原子を含む1価の有機基を表す。
    Xは、硫黄原子、又は、*N−T基を表す。また、*は上記一般式(I)中の二重結合と連結する位置を表し、Tは1価の有機基を表す。
    Yは、ヘテロ原子を有していてもよい1価の炭化水素基を表す。なお、Yにヘテロ原子が含まれる場合、Y中のヘテロ原子は、前記Xと結合している炭素原子に結合しない。
    は、下記一般式(ZI)または(ZII)で表されるカチオンを表す。
    一般式(ZI)中、R201、R202及びR203は、置換基を有していてもよいアリール基を表す。
    一般式(ZII)中、R204及びR205は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
    上記一般式(II)中、
    及びAは、前記一般式(I)中のA及びAと同義である。
    Yは、ヘテロ原子を有していてもよい、環式構造を含む1価の炭化水素基である。なお、Yにヘテロ原子が含まれる場合、Y中のヘテロ原子は、水酸基と結合している炭素原子に結合しない。
    Vは、水素原子、又は、ヘテロ原子を有していてもよい1価の炭化水素基を表す。なお、Vにヘテロ原子が含まれる場合、V中のヘテロ原子は、水酸基と結合している炭素原子に結合しない。
  6. 前記一般式(I−A)中、Yは環式構造を含む、請求項5に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  7. 前記一般式(II)中、Vは環式構造を含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  8. 更に、下記一般式(1)で表される構造単位を含有する樹脂を含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
    一般式(1)中、R11は水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、又はハロゲン原子を表す。
    は、単結合又は2価の連結基を表す。
    Arは、芳香族環を表す。
    m1は、1以上の整数を表す。
  9. 請求項1〜のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物により形成されたレジスト膜。
  10. 請求項1〜のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いてレジスト膜を形成するレジスト膜形成工程と、
    前記レジスト膜を露光する露光工程と、
    露光された前記レジスト膜を、現像液を用いて現像する現像工程と、を含む、パターン形成方法。
  11. 前記現像液が有機溶剤を含む、請求項1に記載のパターン形成方法。
  12. 前記露光工程が、電子線又は極紫外線を用いて露光する工程である、請求項1又は1に記載のパターン形成方法。
  13. 請求項1〜1のいずれか1項に記載のパターン形成方法を含む、電子デバイスの製造方法。
  14. マスクブランクスと、前記マスクブランクス上に配置された請求項に記載のレジスト膜と、を備えた、レジスト膜付きマスクブランクス。
  15. 請求項1に記載のレジスト膜付きマスクブランクスにおけるレジスト膜を露光する露光工程と、
    レジスト膜付きマスクブランクスにおける前記露光されたレジスト膜を現像する現像工程と、を含む、レジスト膜付きマスクブランクスのパターン形成方法。
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