JP6700713B2 - 液体吐出装置とその制御方法 - Google Patents

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本発明は、液体吐出装置とその制御方法に関する。
近年の液体吐出装置の一例であるインクジェット装置では、色材として直径が数百nm程度の大きさの顔料粒子を含む顔料インクを記録媒体に向けて吐出することが多い。インクジェット装置が非吐出状態で長時間放置されると、顔料インク内の溶媒等よりも比重が重い固形成分である顔料粒子は、液体吐出ヘッドやインクタンクの内部で下側に沈降してしまう。液体吐出ヘッドやインクタンクの内部で顔料粒子が沈降すると、顔料インク内で色材の濃度差が生じてしまう。色材の濃度差が生じたインクで記録を行うと画像品位が低下する。
近年、特色インクとして多く用いられる白インクは顔料粒子として酸化チタンを含み、その比重は非常に大きく沈降速度が速い。この酸化チタンが沈降すると粘度が大幅に高くなる。特に、液体吐出ヘッドの吐出口付近で酸化チタンが沈降すると、吐出不良を引き起こし、従来の吸引回復動作では吸引出来ない程にインクの粘度が部分的に高くなる。
そこで、吸引回復が出来ない程にインクの粘度が高くなる前の早い段階で吸引回復動作を行って、顔料粒子が沈降したインクを液体吐出ヘッドの外部へ排出し、インクタンクからフレッシュインクを液体吐出ヘッドに供給することで対応していた。しかしながら、白インク等の沈降速度が速い顔料粒子を含むインクでは、頻繁に吸引回復動作を行わなければならず、廃インクが膨大になり、ユーザーの負担が増大していた。
これに対し、特許文献1に記載されているように、吸引したインクをインクタンクに戻すリサイクルシステムを構成することで、吸引回復動作による廃インクを大幅に低減させることができる。
特開2007−105929号公報
特許文献1に開示されたリサイクルシステムでは、液体吐出ヘッドを、キャップを介して吸引手段により吸引し、吸引したインクを第1または第2のインクタンクに戻すように構成されている。この構成によれば、吸引したインクはリサイクルされるため、廃インクを無くすことが出来る。このリサイクルシステムにおいて、早い段階で液体吐出ヘッド内のインクをキャップから排出させれば、インクを吸引不能になることは回避できるが、液体吐出ヘッド内のインクの濃度を均一化することはできない。
本発明の目的は、廃液を発生させることなく、液体吐出ヘッド内の液体が吸引不能となることを回避でき、液体吐出ヘッドの内部の液体の濃度を均一化できる液体吐出装置とその制御方法を提供することにある。
上述した目的を達成するため、本発明に係る液体吐出装置は、液体を吐出する吐出口が形成された吐出口形成面を有する液体吐出ヘッドと、液体吐出ヘッドへ供給される液体を貯留するタンクと、タンクから液体吐出ヘッドへ液体を供給するための第1の流路と、吐出口形成面をキャッピングするキャップと、キャップ内を負圧にすることによって液体吐出ヘッドから液体を吸引する吸引手段と、を備える液体吐出装置において、吸引手段によって吸引された液体を液体吐出ヘッドに戻すための第2の流路と、第2の流路を第1の流路に接続および接続解除する切換手段と、を備え、切換手段は、第2の流路が第1の流路に接続されていないときはタンクから液体吐出ヘッドへ液体を供給することができ、第2の流路が第1の流路に接続されているときは第2の流路から液体吐出ヘッドへ液体を戻すことができることを特徴とする。
本発明によれば、液体の粘度が上昇して吸引回復不能になる前に、吸引回復動作を行って液体吐出不良を防止することができ、その際に、吸引した液体を液体吐出ヘッドまで循環させるので、廃液を増やすことはない。また、液体の循環によりその液体自体が攪拌されるため、濃度が均一化され、濃度不均一による液体吐出不良が防止できる。
本発明の第1の実施形態の液体吐出ヘッドの回復機構の要部の模式図である。 図1に示す回復機構の斜視図である。 液体吐出ヘッドの放置経過時間とインク濃度の関係を示すグラフである。 本発明の第2の実施形態の液体吐出ヘッドの回復機構の要部の模式図である。 本発明の第3の実施形態の液体吐出ヘッドの回復機構の要部の模式図である。 図5に示す回復機構の供給路切換え手段を示す模式図である。 図5に示す回復機構による吸引回復動作のフローチャートである。 本発明の第4の実施形態の液体吐出ヘッドの回復機構の要部の模式図である。 図8に示す回復機構の供給路切換え手段を示す模式図である。 図8に示す回復機構による吸引回復動作のフローチャートである。 本発明の第5の実施形態の液体吐出ヘッドの回復機構の要部の模式図である。 本発明の第6の実施形態の液体吐出ヘッドの回復機構の吸引排出流路開閉弁の模式図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。ただし、例示する実施形態に記載されている構成要素はあくまでも例示であり、本発明の範囲を限定する主旨のものではない。なお、各図面を通して、同一または対応する構成部分には、同一の符号を付している。
(第1の実施形態)
図1,2は、本発明の第1の実施形態の液体吐出ヘッドの回復機構を含む液体吐出装置の要部を示す模式図である。図1,2に示すように、キャリッジ1000に搭載されている液体吐出ヘッド1001が吐出口形成面1003を有している。吐出口形成面1003には、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、白の各色の液体(インク)をそれぞれ吐出する吐出口がそれぞれ形成されている。各吐出口の内部には、エネルギー発生素子である電気熱変換体が備えられており、この電気熱変換体に駆動信号に基づいた電気信号を印加することによって、インクに気泡を発生させ、その気泡の圧力によって、インクを吐出口から吐出させる。イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、及び白の各色のインクは、タンクユニット3000から供給路(インク供給チューブ)3010を通って吐出口の内部まで供給される。
液体吐出ヘッド1001を搭載したキャリッジ1000は、図2の矢印方向に往復可能なように、スライド軸3040にガイドされている。不図示のキャリッジモータに駆動されてキャリッジ1000が記録用シートSの表面の上方を往復移動しながら、液体吐出ヘッド1000からインクを吐出させる。そして、キャリッジ1000の往復移動に合わせて、不図示の搬送モータを間欠的に作動させて記録用シートSを送る。これらの動作を同期させて行うことにより、記録用シートSの表面にインクを付着させて画像を形成する。
キャリッジ1000の往復移動を妨げないように、各色ごとに1本ずつ設けられているインク供給チューブ3010は、キャリッジ1000の全範囲の往復移動を許容する長さと柔軟性が必要である。例えば、インク供給チューブ3010の長さはキャリッジ1000の往復移動長さの約2倍であり、その材質はシリコンやポリエチレンなどである。
タンクユニット3000を構成する各色のタンク(インクタンク)3001は、交換等のために取り外し可能に構成されている。インクタンク3001は、インク流路との接続口を2ヶ所有している。すなわち、タンクタンク3001の第1のジョイント3030がインク供給チューブ3010に接続され、第2のジョイント3020がサブタンク3200に接続される。液体吐出ヘッド1001のインクが消費されると、インクタンク3001から液体吐出ヘッド1001にインクが供給され、その分だけ、空気がサブタンク3200を介してインクタンク3001に入る。
サブタンク3200とインクタンク3001の連結流路には流路開閉弁350が設けられており、開閉することで、サブタンク3200とインクタンク3001を連通させたり、連通解除したりする。
回復系300は、液体吐出ヘッド1001の往復移動範囲(記録幅)よりも外側に位置し、チューブポンプなどの吸引手段310とそれに接続されたキャップ301とを含む。キャップ301によって吐出口形成面1003を覆い、吸引手段310の発生する負圧(吸引力)により吐出口からインクを吸引して、吐出口付近に存在する増粘したインクを、吸引手段310の出口に設けられた吸引排出流路320に排出する。このように、回復系300の作用により、増粘したインクを液体吐出ヘッド1001の外部に排出するため、増粘したインクに起因する不吐出等の不具合が解消する。吸引排出流路320には吸引排出流路開閉弁340が設けられており、吸引排出流路開閉弁340は、インクを循環させない場合には閉じられる。
液体吐出ヘッド1001内にインクがあり、非吐出の状態で放置されると、前述したように顔料粒子が沈降する。そこで、液体吐出ヘッド1001の吸引回復動作を行うために、不図示の駆動系によりキャップ301を上昇させ、液体吐出ヘッド1001の吐出口形成面1003をキャッピングする。そして、吸引排出流路開閉弁340を開く。同時に、流路開閉弁350を閉じ、大気に開放されているサブタンク3200とインクタンク3001との接続を遮断する(図1(b)の状態)。この状態で、吸引手段310を所定量だけ駆動して、キャップ301内を負圧にする。それにより、液体吐出ヘッド1001の吐出口からインクを吸引してキャップ301内に排出させる。そして、液体吐出ヘッド1001からキャップ301、吸引手段310、吸引排出流路320を介して、インクタンク3001にインクを流入させる。それと連続して、インクタンク3001からインク供給チューブ3010を介して、液体吐出ヘッド1001に再びインクを流入させる。このようにして、液体吐出ヘッド1001とインクタンク3001の間でインクを循環させる。
このように、回復系300の作用により、増粘したインクを液体吐出ヘッド1001の外部に排出して、増粘したインクに起因する不吐出等の不具合を防ぐとともに、液体吐出ヘッドとインクタンクとの間でインクを循環させる。この時、インク自体の流れによってインクが撹拌されて顔料粒子の沈降が抑制され、さらに、既に沈降した顔料粒子が再度浮上してインク中に分散されることもある。このように、本実施形態では、吸引回復動作によって、顔料粒子の沈降とそれに伴うインクの粘度の上昇およびインクの濃度差の増大を抑えるのみならず、それらを解消する作用が生じる。従って、液体吐出ヘッドが非吐出状態のまま長時間放置される際に、吸引回復動作を行った後に次回の吸引回復動作を行うまでの間隔を長くすることができる。理想的には、放置開始時から1回目の吸引回復動作を必要とするまでの間隔と同等の間隔を置いて、2回目以降の吸引回復動作を行えばよい。
特に白インクの顔料粒子は顔料の比重が大きいため沈降が激しく、回復系300によって液体吐出ヘッド内の増粘したインクを排出しようとしても、粘度が高すぎて吸引できない可能性がある。本実施形態では、インクの粘度が高くなり過ぎる前に吸引回復動作を行うことによって、液体吐出ヘッド内のインクが吸引不能になることを防ぎ、かつ、吸引したインクを回収して液体吐出ヘッドに戻して再利用するため、廃インクをほとんど無くすことができる。
より詳細に説明すると、通常、非吐出状態で放置された液体吐出ヘッド1001の内部の下部(吐出口付近)では、インク中の顔料粒子が沈降し、インクの濃度が高くなる。これに対し、液体吐出ヘッド1001の内部の上部では、顔料粒子が下方に沈降した分だけインクの濃度が低くなる。顔料インクは、濃度が高くなるほど粘度が上昇するため、液体吐出ヘッド1001の内部の下部のインクは粘度が高い。特に、顔料粒子として酸化チタンを含む白インクは比重が大きいので、白インクは液体吐出ヘッド1001の内部の下部において大幅に粘度が上昇する。高粘度のインクが液体吐出ヘッド1001の吐出口付近に溜まってしまうと、吐出口付近の流路抵抗が大きくなるので、吸引回復動作によって排出するためには大きな吸引力が必要になる。従って、特に白インクの場合には、液体吐出ヘッド1001が放置されてからの経過時間によっては、吸引手段310によって吸引できない程にインクの粘度が上昇してしまうことがある。顔料粒子の沈降速度は、主に顔料粒子の径やインクの比重および粘度等の物性で決まり、沈降によるインクの濃度の上昇と粘度の上昇との関係も、同様の物性によって決まる。従って、液体吐出ヘッドの放置時間(日数)と吸引回復動作に必要な吸引力との関係は、インクの物性から求めることが出来る。必要な吸引力が分かれば、装置の性能から発生可能な吸引力と対比して、どのくらいの期間液体吐出ヘッドを非吐出状態で放置すれば吸引回復不能になるかが求められる。逆に言うと、その装置において回復可能な最長の放置時間が求められる。
上記したようなインク物性からの理論計算と、実際の放置試験の結果とを検討して、本実施形態において吸引回復動作を行うタイミングを決めることができる。一例として、本発明者は、以下の条件における吸引回復動作を行うタイミングを決めた。すなわち、濃度10%程度の顔料粒子を含む白インクが、直径が約20μmの約2000個の吐出口を有する液体吐出ヘッド1001の内部に存在する状態で放置する実験を行った。この時、最大で約50kPaの吸引力を発生可能な吸引手段310を含む回復系300によって、液体吐出ヘッド1001の吸引回復動作を行った。この実験により、この液体吐出ヘッド1001を3日以上放置すると、顔料粒子が沈降してインクの粘度が上昇し、このインクを吸引するのに50kPa以上の吸引力が必要となることが判った。すなわち、この条件では、液体吐出ヘッドを3日以上放置すると、回復系300によって吸引回復動作を行うことができないため、非吐出状態で放置してから、遅くとも3日以内に吸引動作を行う必要があることが判った。
以上説明したようにインクの回復吸引動作を可能にするという観点では、液体吐出ヘッド1001の放置後3日以内に回復吸引動作を行う必要がある。ただし、液体吐出によって形成した画像の品質低下を防ぐためにインクの濃度のばらつきを抑えるという観点で、インクを循環させるタイミングを決めることが望まれる場合がある。前述したように、非吐出状態で放置された液体吐出ヘッド1001の内部の下部(吐出口付近)ではインクの濃度が高くなり上部では低くなるというインクの濃度差が生じる。前述した条件の下では、液体吐出ヘッド1001を非吐出状態で約12時間以上放置した時に、液体吐出ヘッド1001の内部の上部と下部で10%以上のインクの濃度差が生じることが、実験によって判った。そして、10%以上のインクの濃度差が生じると、形成する画像に影響が発生することが判っている。従って、画像形成への影響が生じない程度のインクの濃度差に抑えるために、放置してから遅くとも約12時間後に、インクの濃度の均一化のための撹拌を行えばよい。
このように、吸引回復不能になる前という観点と、インク濃度差による画像への影響が出る前という観点とから、吸引回復動作およびインク循環を行うタイミング(放置後にどれだけの時間が経過したときにこの動作を行うか)を決めている。ここでは、放置後に経過時間が12時間以内のうちにインク循環を行う必要があるということが実験で求められているため、余裕を見て6時間毎に吸引回復・インク循環動作を行うことにする。吸引手段310の駆動量は、吐出口付近の沈降インクを排出可能な吸引力と、インク濃度を均一化できるための攪拌量とから決められる。本発明者の検討によると、この駆動量は、インクタンク3001と液体吐出ヘッド1001との間の循環路をインクが少なくとも複数回循環する程度の駆動力をインクに付与する量である。
このインク循環動作において、キャップ301で吸引したインクは、インクタンク3001を介して液体吐出ヘッド1001に戻すので廃液(廃インク)は生じない。つまり、廃インクを発生させずに、液体吐出ヘッド1001内のインク沈降による問題(吸引回復不能とインク濃度不均一)を防止することができる。このインク循環により廃インクが発生しないので、キャッピング時には常にインク循環させることも考えられる。しかし、様々な機構部品および電気部品の耐久性や消費電力を考慮すると、インク循環動作の実施回数はなるべく減らしたい。そこで、前述したように、液体吐出ヘッド1001を非吐出状態で一定時間経過する度にインク循環動作を行えば、必要最小限の実施回数にすることができ、効率的である。
次に、吸引回復およびインク循環を行うタイミングの他の設定方法について説明する。すなわち、液体吐出ヘッド1001の吐出口の付近におけるインク濃度を検知して、その濃度が所定の閾値に到達したらインク循環動作を行うようにする。一例をあげると、吐出口の近傍に濃度測定手段を設け、所定の時間経過すると液体吐出を行って画像を形成し、その画像の濃度測定を行って、画像濃度とインク濃度の関係を求める。そして、画像濃度が許容限界になるときのインク濃度を閾値として設定し、吐出口近傍のインク濃度がその閾値以上になったときにインク循環を伴う吸引回復動作を行うようにする。その構成およびシーケンスについて以下に説明する。
キャリッジ1000に、LED(発光素子)とフォトダイオード(受光素子)を有する不図示の濃度測定手段が搭載されている。発光素子および受光素子は、不図示のCPUによって駆動制御される。発光素子から記録媒体である記録用シートSに光を照射し、照射によって生じる散乱光のうち、記録用シートSから垂直方向に散乱する光を含む上方に向かう散乱光が、フォトダイオードに向けられる。こうして受光したフォトダイオードの出力から記録用シートSに形成された画像の濃度を検知する。濃度測定時には、濃度測定手段が記録用シートS上に形成された画像に対向する位置までキャリッジ1000が移動して、前述した濃度測定を行う。
この濃度測定手段を用いて測定したインク濃度の、液体吐出ヘッド1001を非吐出状態で放置してからの経過時間に伴う推移を、図3のグラフに示している。経過時間のみにより制御する場合には、画像品位が不良(NG)と判断されるインク濃度になる経過時間Dを、インク循環を行うタイミングとして設定する。しかしながら、液体吐出ヘッド1001が放置される環境の違い(例えば機内温度が低い)等により、図3のグラフに点線で示すように沈降速度が遅い場合がある。そこで、経過時間A、B、Cに達したタイミングでそれぞれ画像形成を行い、上述したように画像の濃度測定を行って、3つのタイミングの濃度測定結果から画像品位がNGと判断されるインク濃度になる経過時間Eを割り出す。その経過時間Eを、インク循環を行うタイミングとして設定する。逆に沈降速度が速くなる環境下でも、同様の方法で適切なインク循環のタイミングを見つけることができる。このように、画像濃度から液体吐出ヘッド1001内インク濃度を検出することで、適切なインク循環のタイミングを取ることができる。
また、吸引回復動作およびインク循環を行うタイミングのさらに他の設定方法について説明する。前述した方法と同様にインク循環の回数を必要最小限にするために、LED(発光素子)とフォトダイオード(受光素子)を有する不図示の吐出検知手段を設け、不吐出の吐出口を検知してその増加状況から、インク循環を行うべきタイミングを設定する。吐出検知手段は、吐出されたインク滴が発光素子と受光素子の間を通過して両素子間の光を遮るか否かに基づいて検知を行う。
液体吐出ヘッド1001を非吐出状態で放置してから所定の時間が経過したら吐出の検知を行う。この時、インクの沈降によりインクの濃度が上昇してインクの粘度が上昇すると、不吐出になる吐出口の割合が増える。吐出を検知してから、再び所定の時間が経過したら再び吐出の検知を行い、前回からの不吐出の吐出口の増加数を求めて、それが所定の閾値(例えば100個)以上に達したら、画像品位が不良と判断されるインク濃度になったと判断し、インク循環を実施する。このように、不吐出の吐出口の増加によりインクの沈降状況を検知することで、インク循環の適切なタイミングを設定することも出来る。
以上説明したように、本実施形態では、吸引排出流路320をインクタンク3001に接続して、インクタンク3001から供給路チューブ3010を介して液体吐出ヘッド1001へ向かってインクが流れる。従って、液体吐出ヘッド1001に接合されたキャップ301から、吸引排出流路320とインクタンク3001を介して液体吐出ヘッド1001に戻る循環流が発生し、流路内のインクの撹拌が一気に出来る。したがって、インクタンク3001等の各部品にそれぞれ個別の撹拌機構を設けなくても良いというメリットがある。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態では、図4に模式的に示すように、吸引排出流路320が、インク供給チューブ3010に接続され、吸引排出流路開閉弁340を有している。この吸引排出流路開閉弁340は、インク循環しない場合は閉じられている。
吸引回復動作時には、キャップ301によって液体吐出ヘッド1001の吐出口形成面1003をキャッピングし、吸引排出流路開閉弁340を開放する。同時に、流路開閉弁350を閉じ、大気開放されたインクタンク3001とインク供給チューブ3010との接続を閉じ(図4(b)に示す状態)、吸引手段310を所定量駆動する。そうすると、キャップ301内が負圧になり、液体吐出ヘッド1001の吐出口からインクが吸引される。従って、液体吐出ヘッド1001から、キャップ301、吸引手段310、吸引排出流路320、インク供給チューブ3010を介して液体吐出ヘッド1001に戻るインク循環流が形成される。その他のインクの流れやインク循環のタイミング等については、第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
このように、キャップ301を介して吸引したインクを、インク供給チューブ3010から液体吐出ヘッド1001に循環させることで、インクを撹拌することができる。この場合、インク供給チューブ3010および液体吐出ヘッド1001の内部で撹拌(循環)されるインクの量が比較的少なく、インクの循環に要する時間を短くできるメリットがある。インクタンク3001には、別の撹拌機構を設けることが好ましい。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態では、図5に示すように、液体吐出ヘッド1001とインクタンク3001とをつなぐインク供給チューブ3010に供給路切り換え手段(インク供給路切り換え手段)500が設けられている。このインク供給路切り換え手段500に、キャップ301に接続された吸引排出流路320の端部に位置するジョイント321(図6参照)が接続および接続解除可能である。
吸引回復動作を行う際には、キャップ301を上昇させて液体吐出ヘッド1001の吐出口形成面1003をキャッピングし、吸引排出流路320をインク供給路切り換え手段500に接続する。図6(a)はインク供給路切り換え手段500にジョイント321が接続されていない状態、図6(b)はジョイント321が接続された状態を示す。液体吐出ヘッド1001のインク供給口1004は液体吐出ヘッド1001の上部に設けられている。
インク供給路切り換え手段500は、吸引排出流路320の先端のジョイント321と対向する位置に、開口部501を有している。ジョイント321は、先端部は閉じられており、横穴322が設けられている。ジョイント321の外周には、図6の上下方向にスライド可能なジョイントシールゴム323と、ジョイントシールゴム323をスライド方向に付勢するシールゴム付勢手段324が取り付けられている。
ジョイント321がインク供給路切り換え手段500に接続されていないときには、バネ等の付勢手段530がボール520を第1のシールゴム510に向かって付勢して、第1シールゴム510をシールして流路を閉じている。そして、ジョイント321の横穴322はジョイントシールゴム323により閉鎖されている。この状態で、インク供給チューブ3010と液体吐出ヘッド1001が繋がっており、すなわち、インクタンク3001と液体吐出ヘッド1001が繋がっている。
ジョイント321をインク供給路切り換え手段500に接続する際には、吸引排出流路320を不図示の駆動手段にて図6の上方へ駆動させ、ジョイント321を開口部501に挿入させる。ジョイント321が付勢手段530の付勢力に抗してボール520を押し込み、ボール520が第2シールゴム511に密着してシールすると同時に、ジョイントシールゴム323が開口部501の周縁部に密着して押圧されることでシールする。この状態では、第2シールゴム511で流路は閉鎖され、第1シールゴム510で流路は開放され、ジョイントシールゴム323でジョイント321と開口部501が接続される。つまり、吸引排出流路320がインク供給路切り換え手段に接続されると、インクタンク3001と液体吐出ヘッド1001の流路が閉鎖され、吸引排出流路320と液体吐出ヘッド1001がつながる。その結果、キャップ301から、吸引手段310と吸引排出流路320とインク供給路切り換え手段500とを介して、液体吐出ヘッド1001につながっている。前述した第1〜2の実施形態では、吸引排出流路320が、インクタンク3001やインク供給チューブ3010を介して間接的に液体吐出ヘッドに接続されて循環路が形成されていた。しかし、本実施形態では、吸引排出流路320が実質的に直接に液体吐出ヘッドに接続されて循環路が形成されている。
インク循環のタイミング及びインクの流れについては、第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。ここでは、液体吐出ヘッド1001を非吐出状態で放置して6時間経過する毎に攪拌(インク循環)するシーケンスを例にとって説明する。そのフローチャートを図7に示す。
印字等の液体吐出が終了し、吐出口形成面1003をキャッピングして放置(S1)すると、不図示のタイマー手段が作動開始する(S2)。そのタイマー手段が、液体吐出ヘッド1001を放置してからの経過時間が6時間になったことを検知すると(S3)、攪拌のためのインク循環を行う(S4)。まず、吸引排出流路320をインク供給路切り換え手段500に接続する(S5)。それにより、前述したとおり、キャップ301−吸引手段310−吸引排出流路320−インク供給口1004−液体吐出ヘッド1001とつながる。この状態で、吸引手段310を所定量駆動させる。そうすると、キャップ301内が負圧になり、液体吐出ヘッド1001の吐出口からインクが引き出される。そして、キャップ301−吸引手段310−吸引排出流路320−インク供給口1004−液体吐出ヘッド1001のインク供給口1004の順にインクが流れる。つまり、キャップ301から液体吐出ヘッド1001に戻るインク循環が行われる。吸引手段の駆動量は、第1の実施形態と同様に本発明者が検討により求めた量で、少なくともインク循環路を複数回循環させる量である。
このインク循環により、液体吐出ヘッド1001の下部に沈降した顔料インクを、キャップ310を通して液体吐出ヘッド1001の上部(インク供給口1004)に流すことができるので、液体吐出ヘッド1001の内部のインクを上下に攪拌することができる。このインク循環(撹拌)を6時間毎に繰り返すことで、沈降によって吸引回復不能になることを防止するとともに、液体吐出ヘッド1001内のインク濃度を均一化することが出来る。
以上説明したように、吸引排出流路320を液体吐出ヘッド1001に実質的に直接接続した状態でのインク循環では、インクタンク3001を介さず、液体吐出ヘッド1001の内部のインクのみを撹拌(インク循環)する。従って、循環するインク量は液体吐出ヘッド1001内部に存在する量のみであり、最短の時間でインク循環を実施できる。インク循環の時間短縮により、液体吐出による印字等を行う前のユーザーの待ち時間を減らすことができる。さらに、例えば図2に示すように、右側端部に回復系300、左側端部にインクタンク3001が配置されたシリアルプリンターであっても、吸引排出流路320は、インクタンク3001と接続しないので、短くできる。それによってインク循環時間をさらに短くでき、ユーザーの待ち時間を短くできる。この構成では、インクタンク3001及びインク供給チューブ3010に別の撹拌機構を設けることがより好ましい。
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態について、図8,9に示す模式図と図10に示すフローチャートを参照して説明する。第1〜3の実施形態と同様の部分には同様の符号を付与して説明を省略する。キャップ301、吸引手段310、吸引排出流路320には、通常はインクはなく空気が存在するので、本実施形態では、これらの部分にインクタンク3001からインクを入れて空気を抜いてからインクを循環させる。インクタンク3001を含む循環路でインク循環を行う場合、キャップ等の内部の空気はインクタンク3001内に入って、そこで吸収されるため、液体吐出ヘッド1001に行くことはない。しかし、インクタンク3001を介さずに液体吐出ヘッド1001に至るインク循環を行う場合には、空気を吸収する部分がなく、空気が液体吐出ヘッド1001に送られて溜まってしまい、その空気が吐出不良の原因になる。そこで、本実施形態では、インク充填動作とインク循環動作を選択的に実施可能であり、インク循環を行う前にインクを充填して空気を抜いておく。そのシーケンスについて以下に説明する。なお、図8、9に示す構成では、インク供給チューブ3010からインクタンク3001までの経路は、第1の実施形態と同様であるため図示及び説明を省略する。
本実施形態のインク循環シーケンスでは、第3の実施形態と同様に、液体吐出ヘッド1001をキャッピングして放置すると(S1)、不図示のタイマー手段が作動開始する(S2)。そのタイマー手段が経過時間が6時間に達したことを検知すると(S3)、攪拌のためのインク循環を行う(S4)。まず、キャップを外し(S7、図8(a))、インク供給路切り換え手段500に吸引排出流路320を接続する。この接続時には、図9(b)に示すように、ジョイント321の開口部501内への挿入量をh2にする。この挿入量は、不図示のジョイント駆動手段の駆動量を調節することによって設定する。
この挿入量h2では、ボール520は第1、第2シールゴム510、511から離れ、ちょうど液体吐出ヘッド1001へのインク供給口1004の入口にくる(図9(b))。そうすると、インク供給口1004の入口に設けられた図示しないシール部(例えばゴムなどの弾性部材)と接し、この部分の流路を閉鎖する。つまり、インクタンク3001からの流路は、液体吐出ヘッド1001へ向かう方向には閉鎖され、吸引排出流路320へつながる。この状態で、吸引手段310を所定量だけ逆転させる(S9)。本例の吸引手段310は、例えばチューブポンプで構成されており、正方向駆動と逆転駆動が可能で、駆動方向の切り換えによりインクの流れ方向を変えることができる。予め設定されている逆転駆動量は、キャップ301と吸引手段310と吸引排出流路320にインクを充填させるために必要な駆動量である。このようにして、図8(b)の矢印方向にインクタンク3001からインクが流れ、キャップ301と吸引手段310と吸引排出流路320にインクが充填される。
次に、キャッピング(S10)し、不図示のジョイント駆動手段を動かして、ジョイント321の開口部501内への挿入量をh1にする(S5、図9(c))。そうすると、第3の実施形態の図6(b)に示す状態と同様に、ボール520は第2シールゴム511と接してシールし、この部分の流路を閉鎖する。つまり、インクタンク3001−液体吐出ヘッド1001の流路が閉鎖され、吸引排出流路320と液体吐出ヘッド1001がつながる。このように、インク供給路切換え手段500がジョイント321の挿入位置を制御することで流路を切換える。
そして、第3の実施形態と同様に、吸引手段310を所定量駆動する。そうすると、キャップ301内が負圧になり、液体吐出ヘッド1001の吐出口からインクが引き出される。そして、キャップ301−吸引手段310−吸引排出流路320−インク供給口1004−液体吐出ヘッド1001の吐出口の順にインクが流れ、キャップ301から液体吐出ヘッド1001へ戻るインク循環が行われる。吸引手段310の駆動量は、本発明者が検討して求めたインク濃度均一化のための攪拌量で、少なくともインク循環路をインクが複数回循環する量である。
このように、本実施形態ではインク循環前にキャップ301と吸引手段310と吸引排出流路320にインクを充填させることで、液体吐出ヘッド1001に空気を混入させることが避けられる。それにより、液体吐出ヘッド1001への空気混入による弊害(例えば不吐出など)を避けることができる。このインク循環動作前のインク充填動作は、インク循環の度に行わなくてもよい。前回のインク循環時以降、液体吐出を実施していなければ、インクが充填されているのでインク充填動作を行う必要はないということは言うまでもない。
また、インク循環により、液体吐出ヘッド1001の下部に沈降した顔料インクを、キャップ310を通して液体吐出ヘッド1001の上部(インク供給口1004)に流すことができ、液体吐出ヘッド1001の内部のインクを上下に攪拌することができる。このインク循環を所定タイミングで繰り返すことで、沈降による吸引回復不能やインク濃度差による画像不良を防止できる。このインク循環において廃インクは発生しない。
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態について、図11を参照して説明する。第1〜4の実施形態と同様の部分には同様の符号を付与して説明を省略する。まず本実施形態の背景について説明すると、インク循環路が長い場合にはインク循環に要する時間が長く、仮にインク循環中に印字等のための液体吐出命令を行うと、インク循環が完了するまでユーザーは待たされる。インク循環中に液体吐出命令が出された場合には、最短時間で液体吐出が行えることが望ましい。そのため、本実施形態では、液体吐出命令が出されると最短のインク循環路を構成するように切り換え、液体吐出が終了してからインク循環路の残りの部分を通るインク循環を行うようにする。
具体的には、液体吐出ヘッド1001とインクタンク3001を含むインク循環路と、インクタンクを通らずにインク供給路切り換え手段500から液体吐出ヘッド1001に戻るインク循環路と、液体吐出ヘッドを通らないインク循環路を選択的に構成できる。
液体吐出ヘッドを非吐出状態で放置して所定時間経過すると、図11(a)に示すように、液体吐出ヘッド1001とインクタンク3001を含むインク循環路におけるインク循環を行う。そのシーケンスは、第1の実施形態と同様であり、時間はかかるがインク流路全体を一気に攪拌できる。このインク循環の最中に液体吐出命令を受信すると、図5,6に示す第3の実施形態と同様に、キャップ301から吸引手段310とインク供給路切り換え手段500を介して液体吐出ヘッド1001に戻る、最短のインク循環路に切り換えてインク循環を続行する。この場合、インク循環に要する時間は短くて済むので、ユーザーの待ち時間は少なくてすむ。この短いインク循環路におけるインク循環を終了させた後に液体吐出を行い、液体吐出が終了すると、切り換え後の図11(b)に示すインク循環路で除外されたインクタンク3001およびインク供給チューブ3010の内部に存在するインクを循環させる。具体的には、インク供給路切り換え手段500にジョイント321を接続し、キャップ301と吸引手段の間の流路開閉弁350を閉じ、インクタンク3001とサブタンク3200の間の流路開閉弁350と吸引排出流路320中の流路開閉弁350を開く。その結果、図11(b)に示すように、吸引手段310から、吸引排出流路320とインクタンク3001とインク供給チューブ3010を介して吸引手段310に戻るインク循環路が構成される。このインク循環路は、液体吐出ヘッド1001とキャップ301を含んでいない。この状態で、吸引手段310を所定量駆動してインク循環を行う(図11(b)の矢印にて図示)。これにより、図5,6(b)に示す最短のインク循環路から除外されてインクの循環が十分に行われなかった吸引排出流路320とインクタンク3001とインク供給チューブ3010においてインク循環による攪拌が行える。その結果、全ての経路におけるインク循環が行われ、インク濃度の均一化が図れる。
このように、本実施形態では、状況に応じて、インク循環路を変更して撹拌が行われる場所を変えることができる。すなわち、インクタンクを介さずにキャップから液体吐出ヘッドにインクを戻すことで、インク循環時間を短くできる。さらに、シリアルプリンターにおいて、吸引手段とインクタンクの配置によらず、インク循環路を短くでき、それにより、インク循環時間をより短くできる。それにより、ユーザーのインク循環待ち時間を短くでき、ユーザーの負担が抑えられる。また、インク循環路が短くなることで省スペース化が可能であるため、装置の大型化やコストアップ抑制の効果がある。
上述したように、インクの循環は、液体吐出ヘッドの放置開始後の経過時間に応じて決めたタイミングで行っても、インク濃度を測定してインクの沈降を検知した場合に行ってもよく、いずれの場合もユーザーのインク循環待ち時間を短くすることができる。
(第6の実施形態)
本発明の第6の実施形態について、図12を参照して説明する。第1〜5の実施形態と同様の部分には同様の符号を付与して説明を省略する。まず本実施形態の背景について説明すると、インク循環時に同一流速で連続的にインクを流すと、沈降していない上澄み部分のインクだけが流れて攪拌効果が低くなる場合がある。そこで、本実施形態では、撹拌効果を向上させるために、一例として、吸引手段310の高速駆動と低速駆動とを交互に複数回繰り返すことで、インク流速に緩急をつけ、乱流を発生させて、インク流れが均一化しないようにする。
また、本実施形態の変形例では、吸引手段310を駆動してインクを循環させている状態で、吸引排出流路開閉弁340の開閉を行い、断続的なインク流れにすることで乱流を起こし、インク流れが均一化しないようにして良い。その動作を説明する。具体的には、吸引手段310を駆動させながら、吸引排出流路開閉弁340の開閉を行う。図12に示す吸引排出流路開閉弁340は、不図示の駆動機構により弁ゴム343(ゴムなどの可撓膜)を図面の上下方向に動かして流路の内壁面と接離させて、吸引排出流路320の開閉を行うことができる。すなわち、図12(a)に示すように弁ゴム343が上昇している状態では、吸引排出流路320は開放されて矢印で示すようにインクが流れる。一方、図12(b)に示すように弁ゴム343が下降している状態では、弁ゴム343が吸引排出流路320の内壁面に接触して閉鎖し、インクが流れない。このように、吸引排出流路320内をインクが流れたり停まったりすることを繰り返す断続的な流動のために、吸引排出流路320および吸引排出流路開閉弁340の内部に渦が発生する(図12(b)に矢印にて図示)。この渦により、流れが乱流になり、攪拌効果を上げることができる。
なお、インクが循環する流路内に壁等を設けることにより渦を発生させて乱流にすることで、インク流れが均一化しないようにすることも効果的である。ただし、この壁等によってインクが流れない部分が発生しないようにする必要がある。
以上説明した第1〜第6の実施形態では、液体吐出ヘッド1001の目詰まり解消のための回復吸引に使用するキャップ301を用いてインクの循環路を構成しているが、回復吸引用のキャップとは別にインク循環専用のキャップを設けてもよい。
301 キャップ
310 吸引手段
320 吸引排出流路
321 ジョイント
340 吸引排出流路開閉弁
350 流路開閉弁
500 供給路切換え手段(インク供給路切り換え手段)
1000 キャリッジ
1001 液体吐出ヘッド
1003 吐出口形成面
3001 タンク(インクタンク)
3010 供給路(インク供給チューブ)

Claims (6)

  1. 液体を吐出する吐出口が形成された吐出口形成面を有する液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドへ供給される液体を貯留するタンクと、前記タンクから前記液体吐出ヘッドへ液体を供給するための第1の流路と、前記吐出口形成面をキャッピングするキャップと、前記キャップ内を負圧にすることによって前記液体吐出ヘッドから液体を吸引する吸引手段と、を備える液体吐出装置において、
    前記吸引手段によって吸引された液体を前記液体吐出ヘッドに戻すための第2の流路と、
    前記第2の流路を前記第1の流路に接続および接続解除する切換手段と、を備え、
    前記切換手段は、前記第2の流路が前記第1の流路に接続されていないときは前記タンクから前記液体吐出ヘッドへ液体を供給することができ、前記第2の流路が前記第1の流路に接続されているときは前記第2の流路から前記液体吐出ヘッドへ液体を戻すことができることを特徴とする液体吐出装置。
  2. 前記第2の流路は先端にジョイントを有し、前記切換手段に設けられた開口部への前記ジョイントの挿入量に基づいて流路を切り換えることを特徴とする請求項に記載の液体吐出装置。
  3. 前記第2の流路は、前記液体吐出ヘッドの上部に液体を供給することを特徴とする請求項1または2に記載の液体吐出装置。
  4. 前記液体吐出ヘッドを放置してからの経過時間が所定時間以上になると、前記第2の流路を前記第1の流路に接続して前記液体吐出ヘッド、前記キャップ、前記第2の流路、との間で液体を循環することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  5. 前記吸引手段によって吸引された液体を前記タンクに供給するための第3の流路をさらに備えることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  6. 液体を吐出する吐出口が形成された吐出口形成面を有する液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドへ供給される液体を貯留するタンクと、前記タンクから前記液体吐出ヘッドへ液体を供給するための第1の流路と、前記吐出口形成面をキャッピングするキャップと、前記キャップ内を負圧にすることによって前記液体吐出ヘッドから液体を吸引する吸引手段と、前記吸引手段によって吸引された液体を前記液体吐出ヘッドに戻すための第2の流路と、前記第2の流路を前記第1の流路に接続および接続解除する切換手段と、を備える液体吐出装置の制御方法であって、
    前記第2の流路が前記第1の流路に接続されていないときに前記タンクから前記液体吐出ヘッドへ液体を供給する工程と、
    前記第2の流路が前記第1の流路に接続されているときに前記第2の流路から前記液体吐出ヘッドへ液体を戻す工程と、
    を備えることを特徴とする制御方法。
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