JP2022072513A - 記録装置およびその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 簡易な構成によってキャップと接続されたチューブに液体が残存することを抑制する。【解決手段】 液体を吐出する吐出口を有する記録ヘッドと、吐出口をキャッピングするキャップと、キャップの内部が大気と連通する連通状態と、連通しない非連通状態と、に切り替え可能な切り替え手段と、キャップの内部を減圧する減圧手段と、を備え、キャップが吐出口をキャッピングするキャッピング位置に位置し、且つ、キャップが非連通状態のときに減圧手段の駆動を開始した後、切り替え手段によりキャップを連通状態にした後に減圧手段の駆動を停止する。【選択図】 図7

Description

本発明は、画像を記録する記録装置およびその制御方法に関する。
従来、記録ヘッドから液体を吐出することで記録が行われる記録装置においては、記録ヘッドに対するメンテナンス処理を適宜行っている。メンテナンス処理には、記録ヘッドの吐出口から強制的に液体を吸引することによりヘッド内部の泡や不純物を除去する吸引動作、吐出口が設けられた吐出口面の液滴を払拭するワイピング動作、および記録に先立って吐出動作を整える予備吐出動作が含まれる。
メンテナンス処理のうち吸引動作には、吐出口面をキャッピング可能なキャップと、キャップに接続されたチューブに設けられるポンプと、が一般的に用いられる。また、キャップの内部を大気と連通する状態と連通しない状態に選択可能な大気連通弁も備えるものがある。
特許文献1には、キャップの内部を大気と連通させるための大気連通チューブと、大気連通チューブ内に流れ込んだ液体を受容可能な廃インクタンクを備える構成が開示されている。吸引ポンプを逆転駆動してキャップの内部に空気を送り込むことで、大気連通チューブに流れ込んだ液体を廃インクタンクに排出することができる。
特開2011-156674号公報
しかしながら、特許文献1の構成では、大気連通チューブと接続される廃インクタンクを別途設ける必要があり、装置構成が複雑になる虞がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、簡易な構成によってキャップと接続されたチューブに液体が残存することを抑制することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る記録装置は、液体を吐出する吐出口を有する記録ヘッドと、前記吐出口をキャッピングするキャップと、前記キャップの内部が大気と連通する連通状態と、連通しない非連通状態と、に切り替え可能な切り替え手段と、前記キャップの内部を減圧する減圧手段と、を備え、前記キャップが前記吐出口をキャッピングするキャッピング位置に位置し、且つ、前記キャップが前記非連通状態のときに前記減圧手段の駆動を開始した後、前記切り替え手段により前記キャップを前記連通状態にした後に前記減圧手段の駆動を停止することを特徴とする。
本発明によれば、簡易な構成によってキャップと接続されたチューブに液体が残存することを抑制することができる記録装置を提供することができる。
第1実施形態に係るインクジェット記録装置の内部構成を示す斜視図である。 第1実施形態に係る回復装置の詳細構成を示す模式図である。 第1実施形態に係るキャップの構成を説明する拡大断面図である。 第1実施形態に係るインクジェット記録装置の制御構成を示すブロック図である。 従来の吸引回復シーケンスを説明するフローチャートである。 吸引回復シーケンスが実行されているときの回復装置を示す模式的な断面図である。 第1実施形態に係る過吸引対策シーケンスを説明するフローチャートである。 過吸引対策シーケンスの効果を説明する、回復装置周辺の模式的な断面図である。 第1実施形態に係る過吸引対策シーケンスの効果を説明する表である。 2キャップ構成において実行される従来の吸引回復シーケンスを説明するフローチャートである。 第2実施形態に係る過吸引対策シーケンスを説明するフローチャートである。 過吸引対策シーケンスが実行されているときの回復装置を示す模式的な断面図である。 第3実施形態のキャップの構成を示す上面図である。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。但し、以下の実施形態は本発明を限定するものではなく、また、本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。また、実施形態に記載されている構成要素の相対配置、形状等はあくまで例示であり、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
図1(a)は、本実施形態に適用されるインクジェット記録装置(以下、記録装置)100の内部構成を示す斜視図である。記録装置100は、液体としてのインクを吐出する吐出口を備える記録ヘッド109(図2参照)と、記録ヘッドを搭載して移動するキャリッジ101と、を備える。キャリッジ101は、キャリッジモータ102を駆動源としたタイミングベルト103の移動に伴って、ガイドシャフト104に案内支持されながら、図1に示すX方向に往復移動する。フレキシブルケーブル105は、キャリッジ101の移動に追従しながら、装置本体の基板と記録ヘッド109とを電気的に接続している。また、キャリッジ101の移動範囲の一方の端部には、記録ヘッド109の吐出機能を良好に維持する回復処理を行うための回復装置108が設けられている。
搬送ローラ対106は、記録媒体107を挟持するとともに、その回転に伴って記録媒体107を、X方向と交差する所定方向(Y方向)に搬送する。本実施形態では、X方向とY方向とは直交する。記録ヘッド109は、キャリッジ101とともにX方向に移動しながら記録データに基づいてインク滴を吐出して、記録媒体107に対して所定長さ(1バンド分)の画像を記録する(記録動作)。1バンド分の画像が記録されると、記録媒体は搬送ローラ対106の回転により所定量だけ搬送される(間欠搬送動作)。この1バンド分の記録動作と間欠搬送動作を繰り返すシリアル記録方式によって、記録媒体107の全体に画像が記録される。
図1(b)は、本実施形態で用いる記録ヘッド109のうち、インクが吐出される吐出口が配列された吐出口面側を示す模式図である。記録ヘッド109は、1インチ当たり1200個の密度で1280個の吐出口がY方向に並ぶ吐出口列110をインクの色毎に備えている。本実施形態では、ブラックインクを吐出する吐出口列110K、シアンインクを吐出する吐出口列110C、マゼンタインクを吐出する吐出口列110M、およびイエローインクを吐出する吐出口列110Yが記録ヘッド109のX方向に並んでいる。
吐出口列110K、110C、110M、110Yのそれぞれは、1インチ当たり600個の密度で吐出口が並ぶ2列の吐出口列が、1/1200インチずれて千鳥状に配置されたものである。この2つの列(以降、Even列とOdd列)を1つの吐出口列と見なすことで、記録媒体上に1インチ当たり1200個のドットを形成することができる。各吐出口から吐出されるインク滴の量(吐出量)は約4.5plである。ただし、ブラックインクは高濃度を実現するため、他色のインクよりも吐出量を多く設定してもよい。
本実施形態の記録ヘッド109は、熱エネルギーを利用してインクを吐出するインクジェットヘッドであり、吐出口内に熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備える。尚、インクを吐出する方式は熱エネルギーを利用する方法に限るものではなく、圧電素子によってインクを吐出する方法等、他の方式であっても良い。
記録ヘッド109をX方向に走査しながらインク滴を吐出することにより、X方向に2400dpi(dot/inch)、Y方向に1200dpiの記録密度でドットを形成することができる。また、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクの4色のインクを吐出する記録ヘッド109は、各色で独立に構成されていても良いし、一体的に構成されていても良い。また、上記4色のインクの他に、粒状性向上を目的として淡シアンインクや淡マゼンタインクを追加してもよく、発色向上を目的としてレッドインク、グリーンインク、ブルーインクを追加してもよい。すなわち、記録ヘッド109から吐出されるインクの色は本実施形態の4色に限定されない。
本実施形態のキャリッジ101には、記録ヘッド109及びインクタンク213(図2参照)が着脱自在に搭載される。本実施形態では、記録ヘッド109とインクタンク213が一体となってキャリッジ101に搭載されている。
インクタンク213のインク残量は、記録ヘッド109の吐出口列110から排出されるインクの量をカウントするドットカウンタの値に基づいて検出される。ドットカウンタは、後述する制御ユニットにより実現可能である。吐出口列110から排出されるインクには、記録動作のために吐出口列110から吐出されるインクや、回復処理のために吐出口列110から吸引排出されるインクが含まれる。
ドットカウンタは、吐出数にインク1滴あたりの体積を乗じた値や吸引排出量(以降、吸引量)をカウントする。インクタンク213のインク残量を記憶するメモリを設け、ドットカウント値が記憶されることで、インクタンク213内のインク残量の管理が容易なものとなる。また、制御ユニットがこのメモリにアクセスすることで、記録装置100に対するインクタンク213の装着の有無を検出することも可能となる。
ドットカウンタで管理するドットカウント値は、記録ヘッド109から排出されたインク量を示しており、値が大きいほどインクが排出されている状態を表す。例えば、メモリに保存されているドットカウント値を用いてユーザーにインクタンク213のインク残量を通知する際には、インクタンク213の全容量からドットカウント値を差し引いた値に基づいて通知する。
図2は、回復装置108の詳細構成を示す模式図である。図2において、201はガイドシャフト104と係合するためのキャリッジ101の軸受け部である。記録ヘッド109は、インクタンク213と流体的に接続された状態でキャリッジ101に保持されている。
回復装置108は、記録ヘッド109の吐出口面をキャッピング可能なキャップ202と、キャップ202に接続された吸引チューブ203と、吸引チューブ203を介してキャップ202内を減圧するための吸引ポンプ206と、を備える。キャップ202は、不図示の駆動機構によってZ方向(重力方向)に移動可能な構成である。キャリッジ101(記録ヘッド109)が回復装置108と対向するホームポジションに位置する状態においてキャップ202が上昇することで吐出口面をキャッピングし、下降することで吐出口面から離間する。図2に示すキャップ202は、吐出口面から離間した離間位置に位置する。
吸引チューブ203は、ゴムや樹脂などで形成され可撓性を有し、キャップ202から吸引されるインクが排出される排出経路を構成する。減圧手段である吸引ポンプ206は、本実施形態においてはチューブポンプが用いられる。なお、本実施形態における吸引ポンプ206にはチューブポンプが用いられているが、その他の方式の吸引ポンプであっても構わない。吸引ポンプ206により吸引されたインクは、不図示の廃インク吸収体に収容される。
吸引ポンプ206は、吸引チューブ203をプラスチック製のポンプベース207により外側から規制し、その内側に回転可能で吸引チューブ203を押圧するコロ(ローラ)209を備えたコロホルダー208を配置した構成を有する。ポンプベース207とコロホルダー208によってチューブガイド面が半円形状で形成されている。コロホルダー208は、2個のコロ209が回転軸210を中心に回転可能に保持されており、コロ209が吸引チューブ203をしごきながら移動することでキャップ202内に負圧を発生させている。
また、回復装置108は、キャップ202の内部を大気と連通させるための大気連通チューブ204と、大気連通チューブ204を開閉可能な大気連通弁205と、を備える。大気連通チューブ204は、吸引チューブ203と同様、ゴムや樹脂などで形成され可撓性を有する。大気連通弁205は、キャップ202の内部が大気と連通する開状態(連通状態)と、連通しない閉状態(非連通状態)と、に不図示のカム機構によって切り替え可能な切り替え手段である。
回復装置108はさらに、吐出口面に当接しながら移動することで吐出口面をワイピングするワイパー211と、ワイパー211を保持するワイパーホルダー212と、を備える。キャップ202が下降して吐出口面から離間した状態において、ワイパーホルダー212がY方向にスライド移動することによって、ワイパー211が吐出口面に残留したインク滴や紙粉をワイピングするように構成されている。
図3は、キャップ202の構成を詳細に説明するためのキャップ202周辺の拡大断面図である。図3のキャップ202は、離間位置に位置する。キャップ202には、吸引チューブ203と接続される吸引口31と、大気連通チューブ204と接続される大気連通口32と、が形成されている。また、キャップ202の内部には、インクを吸収可能な多孔質の吸収体33が備えられている。
吸引口31と大気連通口32は、複数の吐出口列からできるだけ均一にインクを吸引するために、キャップ202内のX方向における中央近傍に設ける。これに限らず、インクの種類に応じて吸引強度を変更したい場合は、吸引強度を強くしたい吐出口列と対向する位置の近傍に吸引口31を設ける構成を採用してもよい。
本実施形態のキャップ202は、複数の吐出口列110を一括して吸引する構成としたが、吐出口列110のそれぞれに対して個別にキャップを用意する形態であってもよい。
<画像処理システムの構成例>
次に、記録装置100の制御を実行するための制御構成について説明する。図4は、記録装置100の制御系の構成を説明するためのブロック図である。まず、スキャナやデジタルカメラ等の画像入力機器401やハードディスク等の各種記憶媒体に保存されている多値画像データが、画像入力部402に入力される。
画像入力部402は、記録装置100の外部に接続されたホストコンピュータであり、インターフェイス回路403を介して、記録装置100である画像出力部404に対して記録すべき画像情報を転送する。画像入力部402には、画像データを転送する際に必要なCPU405や、記憶素子(ROM406)が配置されている。ホストコンピュータの形態としては、情報処理装置としてのコンピュータとするほか、イメージリーダなどの形態とすることもできる。
記録制御部407の内部には、CPU408、入出力ポート409を含み、制御プログラムなどを記憶した記憶素子(ROM410)や、各種画像処理を実施する際のワークエリアとなるRAM411、不揮発性メモリNVRAM412が配置されている。ROM410は、CPU408の制御プログラムや記録動作に必要なパラメータなどの各種データを格納している。RAM411は、CPU408のワークエリアとして使用されると共に、画像入力部402から受信した画像データや生成した記録データなどの各種データの一時保管等を行う。そして、記録制御部407において変換された画像データに基づき、記録ヘッド109の吐出口から記録媒体にインクを吐出することにより画像を記録する。
また、記録制御部407には入出力ポート409を通じて、キャリッジ101や搬送ローラ対106を動作させるための各種モータ418の駆動回路413が接続される。また、記録制御部407は、入出力ポート409を通じて、吸引ポンプ206を駆動する吸引モータ419の駆動回路414、記録ヘッド109の駆動回路415が接続される。入出力ポート409には、記録装置100の周辺環境の温湿度を検知する温湿度センサ421などのセンサ類が接続される。さらに入出力ポート409には、記録装置100の表示部や操作部420をコントロールするための表示部操作部コントローラ416が接続される。
(インクの組成)
インクジェット記録用のインクに用いられる着色剤としては、色剤の彩度・色再現性等の画像品質の高さ、利用できる色剤の種類の豊富さ、水への溶解性、目詰まりなどの信頼性の点から水溶性染料が使用されている。しかし水溶性染料は、耐光性および耐水性の点で課題があるため、染料に比べて耐光性および耐水性に優れている顔料インクが用いられる記録装置が増えている。本実施形態の記録装置100においても、顔料インクが用いられる。
以下、本実施形態におけるインク処方について、詳細に説明する。本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施形態によって何ら限定されるものではない。なお、文中「部」及び「%」とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
<顔料分散液の調製>
(ブラック顔料分散液の調製)
先ず、顔料20.0部、樹脂水溶液60.0部、及び水20.0部を、0.3mm径のジルコニアビーズの充填率を80%としたビーズミル(LMZ2;アシザワファインテック製)に入れ、回転数1,800rpmで5時間分散した。なお、顔料としては、カーボンブラック(商品名:プリンテックス90;デグサ製)を用いた。
また、樹脂水溶液としては、スチレン-アクリル酸共重合体であるジョンクリル678(ジョンソンポリマー製)を、酸価と当量の水酸化カリウムで中和したものを含む、樹脂(固形分)の含有量が20.0%である水溶液として用いた。その後、回転数5,000rpmで30分間遠心分離を行うことにより凝集成分を除去し、さらにイオン交換水で希釈することで、顔料の含有量が15.0%、水溶性樹脂(分散剤)の含有量が9.0%であるブラック顔料分散液を得た。
(マゼンタ顔料分散液の調製)
顔料をC.I.ピグメントレッド122(商品名:トナーマゼンタE02;クラリアント製)に変更した。それ以外は、上記のブラック顔料分散液の調製と同様の手順により、顔料の含有量が15.0%、水溶性樹脂(分散剤)の含有量が9.0%であるマゼンタ顔料分散液を得た。
(シアン顔料分散液の調製)
顔料をC.I.ピグメントブルー15:3(商品名:トナーシアンBG;クラリアント製)に変更した。それ以外は、上記のブラック顔料分散液の調製と同様の手順により、顔料の含有量が15.0%、水溶性樹脂(分散剤)の含有量が9.0%であるシアン顔料分散液を得た。
(イエロー顔料分散液の調製)
顔料をC.I.ピグメントイエロー74(商品名:Hansa Brilliant Yellow 5GX;クラリアント製)に変更した。それ以外は、上記のブラック顔料分散液の調製と同様の手順により、顔料の含有量が15.0%、水溶性樹脂(分散剤)の含有量が9.0%であるイエロー顔料分散液を得た。
<インクの調整>
表1の上段に示す各成分(単位:%)を混合した後、ポアサイズが1.2μmであるメンブレンフィルター(HDCIIフィルター;ポール製)にて加圧ろ過することで、顔料インク1~6をそれぞれ調製した。イオン交換水の使用量は、成分の合計量が100.0%となる含有量とした。なお、アセチレノールE100は川研ファインケミカル製の界面活性剤である。表1の下段には、顔料インク中の顔料の含有量(単位:%)を示した。このようにして得られたインクをそれぞれカートリッジに充填した。
また、シリコン系の界面活性剤としてBYK333を添加しているが、シリコン系の界面活性剤であり、表面張力を低下させることで、記録媒体上での濡れ広がりを良くする効果が得られる。また、フッ素系の界面活性剤も表面張力を低下させる目的で使用されるが、これらの界面活性剤はシャンプーなどに添加するように、インクとして泡立ちやすくなってしまう。また、分散体を作成するうえで水溶性の樹脂を用いているが、インクとして粘り気がでることで消泡性は低下する場合がある。
この泡立ちやすく、消えにくいという特性によって、泡による大気連通チューブの閉塞という課題(詳しくは後述)がする場合がある。
Figure 2022072513000002
<記録ヘッドの回復>
記録装置100は、記録動作のために記録ヘッド109を使用しない場合は、吐出口からの水分蒸発を防ぐためにキャップ202により吐出口面をキャッピングした状態で保たれる。しかしながら、キャップ202によって吐出口面をキャッピングした状態であっても、放置時間が長くなるにつれて、吐出口からの水分蒸発が進むことでインク粘度が上昇し、インクを正常に吐出することが困難になる。そこで、キャッピング状態から記録動作を開始する場合は、キャッピングした状態での放置時間に応じて、予備的にインクを吐出する予備吐出動作を行うことで吐出口蒸発した増粘インクを排出する。或いは、後述する吸引ポンプ206による吸引回復を実施することで、記録ヘッド109の吐出状態を回復することが一般的である。
以下で、図5を用いて回復装置108による一般的な吸引回復シーケンスについて説明する。図5に示す吸引回復シーケンスは、キャップ202により記録ヘッド109の吐出口面をキャッピングした状態で開始される。キャッピング位置に位置するキャップ202は、吐出口面に対する当接圧が所定値になるように構成されたバネ等を含む押圧手段(不図示)によって吐出口面に押圧されている。
まずステップ501で、CPU408は大気連通弁205を閉じ、ステップ502でコロ209を閉じた後、ステップ503で吸引ポンプ206を駆動して記録ヘッド109の吐出口からインクを吸引する吸引動作を開始する。ここで、ステップ502のコロ209を閉じる動作とは、コロ209によって吸引チューブ203を押圧する位置へ移動させることを意味する。
吸引動作を所定時間継続した後、CPU408は吸引動作を停止させ(ステップ504)、続いてステップ505で大気連通弁205を開くことで、キャップ202の内部を大気と連通させる。ステップ505により、吸引動作で減圧されたキャップ202の内部が大気圧に開放され、その後ステップ507で再び吸引ポンプ206を駆動することでキャップ202の内部に溜まったインクを吸引排出する。このように、キャップ202の内部を大気に開放した状態でキャップ202からインクを吸引することを空吸引と称する。
ここで、本実施形態のキャップ202は複数の吐出口列110を一括してキャッピングする構成のため、ステップ503の吸引動作によって排出された複数色のインクがキャップ202内で混ざり合うことがある。この混色インクがキャップ202内に満たされることで混色インクが吐出口内に場合がある。特に、吐出口からインクが漏れ出てしまわないように、吐出口に対してインクの水頭差による負圧がかかるよう設定されているため、吐出口内に入り込んだ混色インクは記録ヘッド109の内部やインクタンク213へと逆流する虞がある。
これに対して、吸引動作を停止した後、CPU408は速やかにステップ506に移行して、記録ヘッド109に混色解消のための予備吐出動作を実施させる。本実施形態では、ステップ507の空吸引と並行して予備吐出動作を実行する。速やかに予備吐出を行うことで、混色インクが時間経過とともに内部に拡散するのを抑制することができ、予備吐出するインク量も少なく抑えることができる。
その後、ステップ508でキャップ202を離間位置へ移動させて、ステップ509でワイパー211によって吐出口面をワイピングすることで、吐出口面に付着したインクを除去する。さらに、ステップ510で再び予備吐出を実施(ワイプ後予備吐出)し、ワイピング時にワイパー211によって吐出口内へ押し込まれた混色インクを除去することで、吸引回復シーケンスは完了する。最後に、ステップ510にてコロ209が吸引チューブ203を押圧しない位置へ移動させる、コロ解除動作を実施して終了する。なお、コロ解除動作のタイミングは、ステップ507の空吸引完了後であれば、どのタイミングでも構わない。
また、ステップ507で空吸引を実施する際には、並行して行うステップ506で予備吐出されるインクによってキャップ202内を満たされることがないように、予備吐出によるインク吐出量と吸引ポンプ206による排出速度を設定する。また、本実施形態では混色解消のための予備吐出と空吸引を同時に実施する構成を説明したが、空吸引を予備吐出よりも先に開始する形態であってもよい。
以上のような吸引回復シーケンスを実施することで、一般的には記録ヘッド109の吐出状態を良好に維持することができる。しかしながら、前述した泡立ちやすく消泡しにくいインクを用いる場合は、吸引回復シーケンス中に大気連通チューブ204が泡によって閉塞されることにより、インクの排出量が多くなる現象が発生することがある。より具体的には、吸引回復シーケンス中のステップ507で空吸引を実施している際に、キャップ202内のみならずインクタンク213からインクを吸引してしまう現象(以下、過吸引)が発生することがある。
本実施形態では前述したように、インクタンク213から排出されたインク量をドットカウンタによりカウントすることで、インクタンク213の残量管理を行っている。ところが、過吸引が発生した場合はドットカウンタにより管理している排出インク量よりも多くのインクが排出される。すなわち、インクタンク213のインク残量がドットカウンタにより管理している量よりも少なくなるため、インク量が不十分のまま記録動作を継続することで白スジや抜け落ちなどの印字品位の低下を招く。
以下で図6を用いて、本実施形態における過吸引の発生メカニズムを説明する。図6は吸引回復シーケンスを実行中の回復装置108周辺の模式的な断面図である。図6(a)は図5のステップ503で吸引動作を開始した直後を示す。大気連通弁205を閉じた状態で吸引ポンプ206の回転を介した直後のため、吐出口列110からはインクが吸引されていない。
図6(b)は、キャップ202内の空気の排出が進み、吐出口列110からもインク61が吸引されている様子を示す。インク61は、吸収体33を経由した後、吸引チューブ203側へ流れ込んでいく。破線で示す矢印は空気の流れを表しており、吸引ポンプ206の駆動によって、キャップ202内のみならず、大気連通チューブ204からも空気が吸引(排出)される。これにより、空気が吸引された大気連通チューブ204は押しつぶされた状態になる。
図6(c)は、吸引ポンプ206の動作を止めることで吸引動作を停止させたステップ504直後の様子を示している。押しつぶされていた大気連通チューブ204は、キャップ202内の負圧が緩和されることによって形が復元する。大気連通チューブ204が復元する際、破線の矢印で示す方向に空気の流れが発生するため、キャップ202から大気連通チューブ204へ向けてインク62が逆流する現象が発生する。
図6(d)は、ステップ507で空吸引を開始した直後の様子を示している。空吸引を実行するために、大気連通弁205は開放されている。染料インクのように泡立ちにくいインクの場合は、空吸引によって大気連通チューブ204に逆流したインクも吸引ポンプ206により吸引排出される。空吸引によって大気連通チューブ204からインクが吸引されている間、吐出口列110からはインクは吸引されない。
しかしながら、泡立ちやすく消泡しにくいインクを使用した場合、大気連通弁205を開けて空吸引を実施していても、大気連通チューブ204における泡の発生が原因で、吐出口列110からもインクが吸引される過吸引が発生する。図6(e)は、図6(d)と同じタイミングを表しているが、大気連通チューブ204に泡立ちやすく消泡しにくいインクが逆流している場合を示す。
図6(e)に示すように、大気連通チューブ204に泡63が存在する場合、液体のみが存在する場合と比較して圧力損失が大きくなる。すなわち、泡63を吸引するために必要な圧力が、吐出口列110におけるメニスカス耐圧よりも大きい圧力であるため、吸引ポンプ206の吸引によって吐出口におけるメニスカスが破壊されて吐出口列110からインクが排出されてしまう。
本実施形態では上記課題を解決することが目的であり、吸引回復シーケンスの代わりに過吸引対策シーケンスを適用させることで、特別な機構を追加することなく、空吸引によって排出されるインク量を低減することができる。
図7を用いて過吸引対策シーケンスの説明を行う。基本的な動作は図5を用いて説明した吸引回復シーケンスと同じであり、ステップ701~703はステップ501~503と対応し、ステップ706~711はステップ506~511に対応する。過吸引対策シーケンスにおいては、ステップ703で吸引動作を開始した後、ステップ704で大気連通弁205を開放させて、その後に吸引ポンプ206を停止する(ステップ705)。すなわち、吸引動作を停止する前に大気連通弁205を開放させる点が、従来の吸引回復シーケンスと異なる。
図8は過吸引対策シーケンスの効果を説明するための、回復装置108周辺を示す断面模式図である。過吸引対策シーケンスにおいては、吸引ポンプ206の吸引動作が継続している状態で大気連通弁205を開放する。そのため、大気連通チューブ204における空気の流れは、破線の矢印で示すように大気連通弁205から大気連通口32の方向に生じる。大気連通弁205を開放すると、ステップ703(図6(b)参照)でつぶれていた大気連通チューブ204が復元されるが、破線の矢印方向に発生している空気の流れによって、キャップ202から大気連通チューブ204へのインクの逆流は抑制される。これにより、図6(e)で示すような泡63の発生も抑制される。
図9は、吸引動作により吐出口列110から吸引するブラックインクの吸引量と、空吸引により吐出口列110から吸引するブラックインクの過吸引量と、を比較するための表である。図9では、本発明の第1実施形態、第1比較例及び第2比較例を、泡立ちやすく消泡しにくいインクの一例としてブラックインクを用いた結果を示す。図9において、吸引時間は吸引ポンプの駆動を開始してから停止するまでの時間であり、吸引動作と空吸引の合計時間に対応する。吸引量は、吸引動作の実施前後でのインクタンク213の重量変化を計測することで測定している。過吸引量は、空吸引の実施前後でのインクタンク213の重量変化を計測することで測定している。
第1比較例は、通常の吸引回復シーケンスにおける吸引動作と空吸引を実施した場合の、吸引時間・吸引量・過吸引量を示している。第1比較例においては、合計の吸引時間は2.0秒に設定され、吸引動作による吸引量が260mgであり、空吸引による過吸引量が30mgであることが計測された。
第2比較例は、通常の吸引回復シーケンスにおける吸引動作を実施するが、空吸引を実施しない場合の、吸引時間・吸引量・過吸引量を示している。吸引動作の吸引時間が2.0秒であり、その吸引量が230mgである。第2比較例では空吸引を実施しないため、過吸引量は測定対象外となる。
本発明は、過吸引対策シーケンスにおける吸引動作と空吸引を実施した場合の、吸引時間・吸引量・過吸引量を示している。本発明の過吸引対策シーケンスを実施することで、空吸引による過吸引量は0mgに抑えることができた。なお、記録ヘッド109に対して十分な回復を行うのに必要な吸引量(230mg)を吸引するため、本発明では吸引時間を2.2秒に設定した。これは、吸引ポンプ206の動作中に大気連通弁205を開放すると、動作終了後に大気連通弁205を開放する場合と比較して負圧が大気圧に戻る時間が早まり、同じ吸引時間で吸引可能な量が低減することによる。
このように、吸引ポンプ206の動作中に大気連通弁205を開放することによって、空吸引において吐出口列110からインクが吸引される過吸引を抑制することができる。これにより、インクタンク213内のインク残量をドットカウンタによって適切に管理することが可能となる。
尚、本実施形態においてはキャップ202で複数色の吐出口列110をキャッピングして吸引する構成を説明したが、1色分の吐出口列110を1つのキャップ202でキャッピングする構成においても、過吸引対策シーケンスは適用可能である。1色のみ吸引する際は、ステップ706の混色解消予備吐出を省略することも可能である。
〔第2実施形態〕
第1実施形態においては、複数色の吐出口列110を一括して吸引した場合の過吸引対策シーケンスについて説明した。本実施形態では、複数のキャップで吸引を実施する場合の過吸引対策を目的とする。具体的には、シアンインクとマゼンタインクを一方のキャップ(以降、左キャップ)を用いて一括吸引し、イエローインクとブラックインクを他方のキャップ(以降、右キャップ)で一括吸引を行う、2キャップ構成とする。
第1実施形態と同様に、吸引チューブ203、大気連通チューブ204、大気連通弁205及びコロ209はキャップ毎に用意する構成である一方、コロ209は左キャップと右キャップを一括して開状態もしくは一括して閉状態にする構成である。そのため、片側のキャップのみ吸引動作を実施する場合は、吸引する側のキャップと接続された大気連通弁205を閉状態とし、吸引しない側のキャップと接続された大気連通弁205を開状態とした状態で吸引ポンプ206を駆動する。
図10を用いて、通常の吸引回復シーケンスを左キャップのみ実施する場合を説明する。ステップ1001にて、左キャップに接続された大気連通弁205を閉状態とし、右キャップに接続された大気連通弁205を開状態とする。ステップ1002~1004はステップ502~504に対応する。ステップ1003における吸引動作では、左キャップによりキャッピングされている吐出口列110からはインクが吸引される一方、右キャップによりキャッピングされている吐出口列110からはインクが吸引されず空吸引が行われる。
ステップ1005にて、閉状態だった左キャップを開状態に切り替えた後、ステップ1006で左キャップによりキャッピングされていたシアンインクとマゼンタインクの混色解消のための予備吐出を行う。この予備吐出と並行して、ステップ1007で右キャップと左キャップの両方で空吸引を行う。この空吸引の際に、左キャップの大気連通チューブ204に逆流したインクや泡によって、左キャップでキャッピングされた吐出口列110からインクが吸引排出される過吸引が発生することがある。
これに対して、図11を用いて、一方のキャップのみ吸引する場合の本実施形態の過吸引対策シーケンスを示している。まず、ステップS1001において大気連通弁205の開閉を選択することで、片側キャップもしくは両キャップで吸引回復を実施するのかを制御する。
図11は、本実施形態において特徴的な片側のキャップのみ吸引回復シーケンスを実施する際の、過吸引対策シーケンスを示している。基本的な動作は図10を用いて説明した吸引回復シーケンスと同じであり、ステップ1101~1103はステップ1001~1003に対応し、ステップ1106~1111はステップ1006~1011に対応する。図11に示す過吸引対策シーケンスでは、吸引動作を継続した状態でステップ1104にて左キャップに接続される大気連通弁205を開放する。その後、ステップ1105で吸引ポンプ206を停止させる。
本実施形態のように複数のキャップ202に対して共通の吸引ポンプ206を用いる形態においても、吸引動作を停止する前に大気連通弁205を開放することで、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
〔第3実施形態〕
第1、第2実施形態において説明した過吸引対策シーケンスとして吸引ポンプ206を動作させたままで、大気連通弁205を開けた場合、前述したように大気連通弁205から大気連通口32へ向かう空気の流れが発生する。このとき、図12(a)に示すように、大気連通口32からキャップ202内に入り込む空気によって、キャップ202の吸収体33に保持されていたインクや泡が持ち上がって、吐出口列110に接触することがある。
この吐出口列110へのインクや泡の接触によって吐出口の内部までインクが入り込んでしまった場合、予備吐出だけでは回復を十分に行えないことがある。そこで本実施形態においては、過吸引対策シーケンスを実施した際に大気連通口32からの逆流インクが吐出口列110に衝突することを防止する構成を備える。具体的には、図12(b)に示すように、キャップ202内で、大気連通口32と吐出口列110の間を仕切る仕切り部材としての板状部材1201を備える構成とする。
図13は、キャップ202を上方から見たときの、大気連通口32と吐出口列110の詳細な位置関係を示す。図13(a)は、吸収体33と板状部材1201を省略したキャップ202の上面図であり、図13(b)は、吸収体33を省略し、板状部材1201を図示したキャップ202の上面図である。
図13(a)に示すように、大気連通口32は吐出口列110Yと吐出口列110Mの直下に設けられている。そのため、図13(b)に示すように、板状部材1201を吸収体33の下方であって、大気連通口32を覆う位置に配置する。なお、吸引ポンプ206による吸引効率を低下させないために、吸引口31は板状部材1201によって覆われないように構成する。板状部材1201は、吸引ポンプ206により発生する空気の流れを阻害しないように、Y方向上流側においてキャップ202から隙間G分、離れて設けている。
以上のように、第1、第2実施形態に加えて、本実施形態の構成を採用することで、吐出口列110におけるインクの混色をより低減することができる。
(その他の実施形態)
上述した実施形態では、キャリッジ101上にインクタンク213が搭載された構成を説明した。しかしながら、インクタンク213が装置に固定または着脱可能に装着される構成で、記録ヘッド109とインクタンク213をチューブにより供給する構成に対しても本発明を適用可能である。
また、吸引動作は上述した実施形態に限定されず、例えばチューブにより記録ヘッド109へインクが供給される形態において、チューブを閉塞する弁を閉じた状態で吸引ポンプ206を動作させた後に、弁を開放して吸引する動作に対しても適用可能である。
また、前述の実施形態では、間欠搬送動作と記録動作を繰り返しながら画像を記録する、所謂シリアル記録方式の記録ヘッド109について説明した。しかしながら、本発明は、記録媒体の幅に相当する領域に複数の吐出口を備える、所謂フルライン方式の記録ヘッドに対しても適用可能である。
また、本発明は、紙や布、不織布、OHPフイルム等の記録媒体を用いる記録装置100全てに適用が可能であり、記録媒体の種類は限定されない。具体的な適用装置としては、プリンタ、複写機、ファクシミリなどの事務機や大量生産機、半導体素子などの工業用途等を挙げることができる。
また、前述の実施形態では、本発明の特徴的な処理を行う記録制御部407が記録装置100内部に備えられている形態について説明したが、記録制御部407は記録装置100内部に備えられている必要はない。例えば、記録装置100と接続されるホストコンピュータ(画像入力部402)のプリンタドライバに記録制御部407の機能を持たせるようにしてもよい。このように、ホストコンピュ-タと記録装置100を含んで構成される記録システムも本発明の範疇である。この場合、ホストコンピュータは、記録装置100にデータを供給するデータ供給装置として機能し、また、記録装置100を制御する制御装置としても機能することになる。
100 インクジェット記録装置
109 記録ヘッド
202 キャップ
205 大気連通弁(切り替え手段)
206 吸引ポンプ(減圧手段)

Claims (12)

  1. 液体を吐出する吐出口を有する記録ヘッドと、
    前記吐出口をキャッピングするキャップと、
    前記キャップの内部が大気と連通する連通状態と、連通しない非連通状態と、に切り替え可能な切り替え手段と、
    前記キャップの内部を減圧する減圧手段と、を備え、
    前記キャップが前記吐出口をキャッピングするキャッピング位置に位置し、且つ、前記キャップが前記非連通状態のときに前記減圧手段の駆動を開始した後、前記切り替え手段により前記キャップを前記連通状態にした後に前記減圧手段の駆動を停止することを特徴とする記録装置。
  2. 前記減圧手段の駆動を停止した後、前記キャップが前記キャッピング位置に位置し、且つ、前記キャップが前記連通状態のときに前記減圧手段を駆動する空吸引を実行することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記空吸引の後、前記キャップが前記吐出口から離間する離間位置に移動することを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
  4. 前記記録ヘッドは第1吐出口と第2吐出口を有し、
    前記キャップは、前記第1吐出口をキャッピングする第1キャップと、前記第2吐出口をキャッピングする第2キャップと、を含み、
    前記切り替え手段は前記第1キャップと前記第2キャップを個別に切り替え可能であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の記録装置。
  5. 前記キャップの内部を大気と連通させるための大気連通チューブを備え、
    前記切り替え手段は、前記大気連通チューブを開閉する弁であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の記録装置。
  6. 前記キャップは、前記大気連通チューブが接続される大気連通口と、前記大気連通口と前記吐出口との間を仕切る仕切り部材と、を有することを特徴とする請求項5に記載の記録装置。
  7. 前記減圧手段は、前記キャップと接続されたチューブと、前記チューブに設けられたポンプと、を含むことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の記録装置。
  8. 前記切り替え手段と前記減圧手段とは異なる駆動源により駆動されることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の記録装置。
  9. 前記液体は、水溶性の樹脂もしくはフッ素系もしくはシリコン系の界面活性剤を含むインクであることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の記録装置。
  10. 液体を吐出する吐出口を有する記録ヘッドと、前記吐出口をキャッピングするキャップと、前記キャップの内部を減圧する減圧手段と、を備える記録装置の制御方法であって、
    前記キャップが前記吐出口をキャッピングするキャッピング位置に位置し、且つ、前記キャップの内部が大気と連通しない非連通状態のときに前記減圧手段の駆動を開始する第1工程と、
    前記第1工程の後に前記キャップの内部を大気と連通する連通状態にする第2工程と、
    前記第2工程の後に前記減圧手段の駆動を停止する第3工程と、を有することを特徴とする制御方法。
  11. 前記第3工程の後、前記キャップが前記キャッピング位置に位置し、且つ、前記キャップが前記連通状態のときに前記減圧手段を駆動する第4工程を有することを特徴とする請求項10に記載の制御方法。
  12. 前記第4工程の後、前記キャップを前記吐出口から離間させる第5工程を有することを特徴とする請求項11に記載の制御方法。
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