JP2007276303A - インクジェット式記録装置によるフラッシング制御方法及びインクジェット式記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】混色防止フラッシングを伴うクリーニング操作の総時間を短くでき、記録装置に衝撃を加えてもキャッピング手段から外部へのインク漏れが生じにくく、又、フラッシングの吐出量を少なくできるインクジェット式記録装置によるフラッシング制御方法及びインクジェット式記録装置を提供する。
【解決手段】
フラッシング制御方法では記録ヘッドからのインク吸引動作と、記録ヘッドから吐出されてキャッピング装置のキャップ内にあるインクを排出する空吸引動作を含むクリーニング操作時にインク吸引動作と空吸引動作の間に記録ヘッドのノズル内のインクを排出するフラッシングを行う。このインク吸引動作、すなわち、本吸引がされた後の記録ヘッドのインク流路内の圧力変動はサブタンクにより吸収されて、本吸引がされた後の記録ヘッドのインク流路の本吸引による負圧が速やかに解消される。
【選択図】図8
【解決手段】
フラッシング制御方法では記録ヘッドからのインク吸引動作と、記録ヘッドから吐出されてキャッピング装置のキャップ内にあるインクを排出する空吸引動作を含むクリーニング操作時にインク吸引動作と空吸引動作の間に記録ヘッドのノズル内のインクを排出するフラッシングを行う。このインク吸引動作、すなわち、本吸引がされた後の記録ヘッドのインク流路内の圧力変動はサブタンクにより吸収されて、本吸引がされた後の記録ヘッドのインク流路の本吸引による負圧が速やかに解消される。
【選択図】図8
Description
本発明はインクジェット式記録装置によるフラッシング制御方法及びインクジェット式記録装置に関する。
一般にインクジェット式記録装置は、インクカートリッジからのインクの供給を受けるインクジェット式記録ヘッドと、記録用紙を記録ヘッドに対して相対的に搬送させる紙送り手段を備え、記録ヘッドを主走査方向に移動させながら印刷データに基づいて記録用紙にインク滴を吐出させることで記録が行われる。前記インクジェット式記録ヘッドは、圧力発生室で加圧したインクをノズルからインク滴として記録用紙に吐出させて印刷を行う関係上、ノズル開口からの溶媒の蒸発に起因するインク粘度の上昇や、インクの固化、塵埃の付着、さらには気泡の混入などによりノズル開口に目詰まりを発生し、印刷不良を起こすという問題を抱えている。
このために、この種のインクジェット式記録装置には、非印刷時に記録ヘッドのノズル形成面を封止するためのキャッピング手段を備えている。このキャッピング手段は記録ヘッドにおけるノズル開口のインクの乾燥を防止する蓋体として機能するだけでなく、ノズル開口に目詰まりが生じた場合にキャッピング手段によりノズル形成面を封止し、吸引ポンプからの負圧によりノズルからインクを吸引排出させてノズル開口の目詰まりを解消させるインク滴の吐出能力回復機能をも備えている。
記録ヘッドの目詰まり解消のために行う強制的なインクの吸引排出処理は、クリーニング操作と呼ばれる。このクリーニング操作は、装置の長時間の休止後に印刷を再開する場合や、ユーザが印刷不良を認識して例えばクリーニングスイッチを操作した場合などに実行される。そして、クリーニング操作では吸引ポンプによる負圧を加えて記録ヘッドよりキャッピング手段内にインクを吸引排出させた後に、例えばゴム材料等により形成したワイピング部材によりノズル形成面を払拭する操作が伴われる。
又、インクジェット式記録装置は記録ヘッドに印刷とは関係のない駆動信号を印加してインク滴を吐出させる機能も備えている。この機能はフラッシング操作と呼ばれ、前記ワイピング部材による払拭操作によりヘッドのノズル開口近傍に生じた不揃いのメニスカスを回復させたり、また印刷動作中にインク滴の吐出の機会が少ないノズル開口において、インクの増粘による目詰まりを防止する目的で、一定周期ごとに実行されるように構成されている。
又、複数の色を印刷可能なインクジェット式記録装置においては、特許文献1に記載されているように記録ヘッドからインクを比較的多量にキャッピング手段に吸引排出させた後にフラッシング操作が実施されて、混色防止が行われている。
図9は、混色防止のためのフラッシングを含む従来のクリーニング操作のフローチャートである。同図に示すように、S(ステップ、以下同じ)100ではキャッピング手段により記録ヘッドのノズル形成面を封止した状態で吸引ポンプによる負圧を加えて記録ヘッドよりキャッピング手段内にインクを吸引排出させる本吸引が行われる。この本吸引とは、吸引ポンプが所定時間駆動されることによって、記録ヘッドからインクを吸引排出させる処理である。
この本吸引の後、S110では「キャップ開」となり、すなわち、キャッピング手段が開かれる。この後、S120では記録ヘッドはワイピング部材上を通過して該ワイピング部材による払拭動作を受け、ノズル形成面に付着したインクは、このワイピング動作によって取り除かれる。この後、S130では記録ヘッドは、印刷領域を挟んでキャッピング手段とは反対側の非印刷領域に移動した状態にされた後、キャッピング手段では空吸引が行われる。この空吸引とは、記録ヘッドのノズル形成面が非封止状態(大気開放状態を含む)で行われる吸引のことである。そして、S140では記録ヘッドがキャッピング手段まで移動されてキャッピング手段にて記録ヘッドが封止されない状態で、フラッシング操作を行う。この後、記録ヘッドがキャッピングされる。
又、クリーニング操作とは別に印字開始前に混色防止のためのフラッシングを行うことも提案されている(特許文献2)。図10及び図11はその一例のフローチャートであり、図9のフローチャートと同様のステップは同一符号を付す。図10に示すようにクリーニング操作がスタートすると、「本吸引(S100)」、「キャップ開(S110)」、「ワイピング(S120)」、「空吸引(S130)」の一連の処理がされた後、待機し、印刷命令を待つ。そして、図11に示すように、印刷命令があると、S140でフラッシングが行われ、S150で印字動作が行われる。
特開昭63−296955号公報
特開2000−62215号公報
ところが、特許文献1ではインクの圧力調整手段を備えていないため、本吸引がされた後の記録ヘッドのインク流路内の負圧の解消が遅れ、本吸引が終了した時点から記録ヘッド流路内のインクが安定するまでの時間(すなわち、インク気泡の自然消滅又はインク気泡を縮小させるために要する時間)を待ってからフラッシングを行う必要がある。このため、クリーニング操作の総時間が長くなる。
又、特許文献1ではクリーニングの空吸引後にフラッシングを実施するため、クリーニング操作直後にキャッピング手段内にフラッシングの吐出分インクが残存することになる。従って、このキャッピング手段内にインクが残存した状態で記録装置が落下等により衝撃が加わった場合、キャッピング手段が一時的に開放されてしまい、キャッピング手段内に残存していたインクが外部に漏れる虞がある。
特許文献2ではクリーニング直後にはフラッシングを実施せず、印字開始前にクリーニング後のフラッシングを実施するが、この場合、クリーニングから印字までの経過時間を考慮し、多量のインクをフラッシングで吐出する必要がある。これは、記録ヘッドのノズル内に混入した他の色のインクがノズル内で拡散するため、この拡散した領域分のインクを吐出するためである。従って、特許文献2では印字開始前の混色防止フラッシングはインク消費量が多くなる。
本発明の目的は、混色防止フラッシングを伴うクリーニング操作の総時間を短くでき、記録装置に衝撃を加えてもキャッピング手段から外部へのインク漏れが生じにくく、又、フラッシングの吐出量を少なくできるインクジェット式記録装置によるフラッシング制御方法及びインクジェット式記録装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、本発明は複数色のインク滴を吐出する記録ヘッドにインクの圧力を変動吸収する圧力調整手段を搭載したインクジェット式記録装置によるフラッシング制御方法において、前記記録ヘッドからのインク吸引動作と、該記録ヘッドから吐出されてキャッピング手段のキャップ内にあるインクを排出する空吸引動作を含むクリーニング操作時に、前記インク吸引動作と空吸引動作の間に前記記録ヘッドのノズル内のインクを排出するフラッシングを行うことを特徴とするインクジェット式記録装置によるフラッシング制御方法を要旨とするものである。
ここで、クリーニング操作とは、記録ヘッドからのインク吸引動作とキャッピング手段のキャップ内のインクを排出する空吸引動作を含む操作である。又、空吸引とは、記録ヘッドのノズル形成面が非封止状態(大気開放状態を含む)で行われる吸引のことをいう。
本発明によれば、インク吸引動作、すなわち、本吸引がされた後の記録ヘッドのインク流路内の負圧(すなわち、圧力変動)は圧力調整手段により吸収される。この結果、本吸引がされた後の記録ヘッドの本吸引によるインク流路の負圧が速やかに解消されるため、本吸引が終了した時点から記録ヘッド流路内のインクが安定するまでの時間(すなわち、インク気泡の自然消滅又はインク気泡を縮小させるために要する時間)が短くなり、混色防止のためのフラッシングを早期に行うことができる。この結果、クリーニング操作の総時間が短くなる。
又、特許文献1や特許文献2とは異なり、本発明では前述のように本吸引後の記録ヘッドのインク流路の負圧の解消が早く、その上で、フラッシングを空吸引の前に行うため、ノズル内に混入したインク内での他の色の拡散は少なくなり、混色防止フラッシングのインク消費量を少なくできる。
又本発明によれば、この制御方法を行うインクジェット式記録装置に衝撃を加えても、キャッピング手段のキャップは空吸引がされてインクが排出されているため、キャッピング手段のキャップから外部へのインク漏れが生じにくい効果がある。
又、この場合、前記インク吸引動作と、フラッシング間に前記記録ヘッドのノズル形成面のワイピングを行ってもよい。ワイピングがされると、記録ヘッドのノズル内に混色インクが拡散するが、前記フラッシングにより混色インクが吐出されて、混色防止が図られる。
又、本発明は、ノズルから複数色のインクを吐出する記録ヘッドと、前記記録ヘッドに搭載されるとともに前記インクの圧力変動を吸収する圧力調整手段と、前記記録ヘッドのノズル形成面を封止するキャップを備えたキャッピング手段と、前記キャップと接続されるとともに該キャップ内に負圧を作用させる吸引手段と、前記キャッピング手段により前記記録ヘッドのノズル形成面が封止された状態で、前記吸引手段を作動させて、前記記録ヘッドのインクを強制的に排出させることにより本吸引を行う本吸引制御手段と、前記本吸引制御手段によって前記記録ヘッドからインクを強制的に排出した後、前記ノズルから前記キャップへ向けインクを空吐出させるフラッシング制御手段と、前記フラッシング制御手段によるフラッシングの後、前記吸引手段を作動させて前記キャップ内のインクを排出させる空吸引制御手段とを備えることを特徴とするインクジェット式記録装置を要旨とするものである。
本発明のインクジェット式記録装置によれば、本吸引がされた後の記録ヘッドのインク流路内の負圧(すなわち、圧力変動)は圧力調整手段により吸収される。この結果、本吸引がされた後の記録ヘッドのインク流路の負圧が速やかに解消されるため、本吸引が終了した時点から記録ヘッド流路内のインクが安定するまでの時間(すなわち、インク気泡の自然消滅又はインク気泡を縮小させるために要する時間)が短くなり、混色防止のためのフラッシングを早期に行うことができる。この結果、本発明のインクジェット式記録装置ではクリーニング操作の総時間が短くなる。
又、特許文献1や特許文献2とは異なり、本発明のインクジェット式記録装置では本吸引後の記録ヘッドのインク流路の負圧の解消が早く、その上で、フラッシングを空吸引の前に行うため、ノズル内に混入したインク内での他の色の拡散は少なくなり、混色防止フラッシングのインク消費量を少なくできる。
又、本発明のインクジェット式記録装置によれば、インクジェット式記録装置に衝撃を加えても、キャッピング手段のキャップは空吸引がされてインクが排出されているため、キャッピング手段から外部へのインク漏れが生じにくい。
この場合、インクジェット式記録装置は前記記録ヘッドのノズル形成面のワイピングを行うワイピング手段と、前記本吸引制御手段による本吸引と前記フラッシング制御手段によるフラッシングの間に、前記ワイピング手段により前記記録ヘッドのワイピングを行うワイピング制御手段を備えるようにしてもよい。このように構成すると、本発明のインクジェット式記録装置ではワイピングがされると、記録ヘッドのノズル内に混色インクが拡散するが、前記フラッシングにより混色インクが吐出されて、混色防止が図られる。
又、この場合、前記フラッシングの後、一定時間待機してから、前記空吸引制御手段は空吸引を行うようにしもよい。このように構成すると、フラッシングの後、待機して空吸引が行われる。
以下、本発明をオフキャリッジタイプのインクジェット式記録装置に具体化した一実施形態を図1〜8を参照して説明する。
図1は、インクジェット式記録装置のケース(図示せず)内に備えられたインクジェット式記録装置本体1の模式平面図である。インクジェット式記録装置本体1の非印刷領域Aには、メインタンクとしてインクカートリッジ部2a〜2dが設けられている。インクカートリッジ部2a〜2dは、それぞれインクカートリッジ15(図2参照)及び図示しないホルダ等が設けられている。このインクカートリッジ部2a〜2dは使用される互いに異なる色のインク数に対応しており、本実施形態は4個のインクカートリッジ部2a〜2dが設けられている。インクカートリッジ部2a〜2dの各インクカートリッジ15内には、インクが貯留されたインクパック16(図2参照)が設けられ、このインクパック16から補給用チューブ4a〜4dを介して、サブタンク5a〜5dにインクが補給されるように構成されている。
図1は、インクジェット式記録装置のケース(図示せず)内に備えられたインクジェット式記録装置本体1の模式平面図である。インクジェット式記録装置本体1の非印刷領域Aには、メインタンクとしてインクカートリッジ部2a〜2dが設けられている。インクカートリッジ部2a〜2dは、それぞれインクカートリッジ15(図2参照)及び図示しないホルダ等が設けられている。このインクカートリッジ部2a〜2dは使用される互いに異なる色のインク数に対応しており、本実施形態は4個のインクカートリッジ部2a〜2dが設けられている。インクカートリッジ部2a〜2dの各インクカートリッジ15内には、インクが貯留されたインクパック16(図2参照)が設けられ、このインクパック16から補給用チューブ4a〜4dを介して、サブタンク5a〜5dにインクが補給されるように構成されている。
サブタンク5a〜5dは、各インク数に対応させてキャリッジ3上に設けられている。本実施形態では合計4個のサブタンク5a〜5dがキャリッジ3上に搭載されている。このサブタンク5a〜5dは、補給用チューブ4a〜4dを介して補給されたインクを、キャリッジ3下面に搭載された液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド30(図2参照)に対して供給可能に構成されている。
又、キャリッジ3は、キャリッジモータ6に連結されているタイミングベルト7を介して駆動されるとともに走査ガイド部材8に案内されて、紙送り部材9の長手方向、すなわち記録用紙の幅方向である主走査方向に往復移動されるように構成されている。
一方、キャリッジ3の移動経路上における一端部は、非印刷領域Aであるホームポジションとされ、この非印刷領域Aにはキャッピング手段としてのキャッピング装置10、吸引ポンプ11(図2参照)、廃液タンク12が配置されている。
キャッピング装置10は、キャップ35と、該キャップ35を上下方向に移動させるための昇降装置70(図3及び図4参照)を備える。
昇降装置70について説明する。
昇降装置70について説明する。
図3及び図4に示すように、キャッピング装置10のフレームFに対してスライダ71が摺動可能に支持され、このスライダ71にはキャップ35が支持されている。
スライダ71の下底部には、ほぼ水平方向に向かって延びる一対の長孔71aが形成されている(図3、図4では一方の長孔71aのみ図示されている。)。図4に示すようにフレームFにはアーム74が回動自在に取り付けられ、アーム74の自由端側には、一対の水平軸76が突出されて各長孔71a内に移動自在に係入されている。この結果、スライダ71は、アーム74を介してフレームFに対して円弧状軌跡をもって立ち上がりが可能である。すなわち、スライダ71は、昇降自在とされている。
スライダ71の下底部には、ほぼ水平方向に向かって延びる一対の長孔71aが形成されている(図3、図4では一方の長孔71aのみ図示されている。)。図4に示すようにフレームFにはアーム74が回動自在に取り付けられ、アーム74の自由端側には、一対の水平軸76が突出されて各長孔71a内に移動自在に係入されている。この結果、スライダ71は、アーム74を介してフレームFに対して円弧状軌跡をもって立ち上がりが可能である。すなわち、スライダ71は、昇降自在とされている。
スライダ71の非印刷領域A側の端部両側にはそれぞれガイドピン71bが形成されている。この一対のガイドピン71bはフレームFに形成された一対の案内溝77に係入されることにより支持されている。案内溝77は、一端部に形成された低所部77aと、他端部に水平に形成された高所部77bと、両者を接続する傾斜部77cとにより構成されており(図4参照)、これらが互いに連通されている。
スライダ71には、上方に延びる係合部72が設けられており、その下方にはフレームFとの間にバネ部材73(図4参照)が張設されている。このため、スライダ71は係合部72がキャリッジ3の係合部3aに係合して図3の右方に移動することにより図4に示すように、バネ部材73の弾性力に抗して水平軸76を中心として右上方に移動する。又、スライダ71の係合部72とキャリッジ3の係合部3aとの係合が解かれると、図3に示すように、バネ部材73の復元力により水平軸76を中心として左下方へ移動する。このような昇降装置70の構成によりキャップ35が上下動可能、すなわち、昇降自在となっている。
すなわち、キャッピング装置10は、キャリッジ3が非印刷領域A(すなわち、ホームポジション)まで移動すると、昇降装置70がキャップ35を上昇させ、記録ヘッド30に嵌合してノズル(図示しない)の開口を封止するように構成されている。又、記録ヘッド30内のインクを吸引するクリーニングが行われる際には、記録ヘッド30のノズル形成面30aをキャップ35が封止し、キャップ35に接続された吸引ポンプ11によりキャップ35内に負圧が印加され、記録ヘッド30内のインクが吸引される。吸引されたインクは、フレームFの下方等に設置された廃液タンク12に収容されるようになっている。
キャップ35の上端面にはエラストマー等の弾性、或いは、可撓性部材からなる四角枠形状の密接部材35aが設けられている。なお、図示はしないが、キャップ35内の底面には、シート状のインク吸収材が設けられている。このインク吸収材は記録ヘッド30のノズル(図示しない)から吐出されるインクを受け止めて、インクを一時保持する。そして、キャップ35によりノズル形成面30aが封止されたときに、キャップ35内の湿度を高く保ち、ノズル(図示しない)内のインクの乾燥を防止する。
このように、キャップ35は、インクジェット式記録装置の休止期間中において記録ヘッドのノズル開口の乾燥を防止する蓋体として機能する。
又、このキャップ35の底面は、チューブ13(図2参照)を介して吸引ポンプ11に接続されている。
又、このキャップ35の底面は、チューブ13(図2参照)を介して吸引ポンプ11に接続されている。
そして、キャップ35が昇降装置70により上昇し、密接部材35aが記録ヘッド30に密接すると、記録ヘッド30のノズル形成面30aとキャップ35で囲まれた空間は、ほぼ密閉状態となる。この状態で吸引ポンプ11を駆動させると、この空間内の、空気やインク等が吸引されて負圧となり、この負圧がノズル(図示しない)に加わる。このため、ノズル(図示しない)内のインクは、キャップ35から排出され、廃液タンク12に収納される。このように、これらのキャップ35及び吸引ポンプ11は、吸引ポンプ11により生じる負圧を記録ヘッド30に作用させ、記録ヘッド30側からインクを排出できるように構成されている。
更に、キャップ35の印刷領域C側には、ゴムなどの弾性素材によるワイピング手段としてのワイピング部材14が配置されており、必要に応じて記録ヘッド30のノズル形成面30aを払拭(ワイピングともいう)して清掃できるように構成されている。
図2は説明の便宜上、インクジェット式記録装置本体1の1色のインクの流路の構成を模式的に示したものであり、インクカートリッジ15、インクパック16、サブタンク5(5a〜5dを代表して表す)、補給用チューブ4(4a〜4dを代表して表す)、及び供給用チューブ29を示している。
同図に示すように、インクカートリッジ15内のインクパック16は可撓性部材から形成されている。インクパック16とインクカートリッジ15との間の空間には、圧力室Rが形成されており、インクカートリッジ15には、圧力室Rに空気を流入させるための導入孔17が形成されている。
この導入孔17には、加圧用チューブ18を介して、圧力検出器19と、圧力調整弁20と、加圧ポンプ21とが接続されている。加圧用チューブ18、圧力検出器19、圧力調整弁20及び加圧ポンプ21は、加圧ユニットを構成する。又、加圧用チューブ18、圧力検出器19、圧力調整弁20及び加圧ポンプ21は、図示しない加圧ユニット制御手段により制御される。圧力検出器19及び圧力調整弁20は、インクジェット式記録装置本体1にそれぞれ1個備えられる。
加圧ポンプ21により生成された加圧空気は、圧力調整弁20に供給され、圧力検出器19を介して、インクカートリッジ15の圧力室Rに導入される。圧力検出器19は、各インクカートリッジ15内に加わる空気圧が所定範囲に維持されるように、加圧ポンプ21によって生成された空気圧を検知し、加圧ポンプ21の駆動を制御する機能を有している。又、圧力調整弁20は、加圧ポンプ21によって加圧された空気圧が過度の状態に達したときに、圧力を開放して各インクカートリッジ15内に加わる空気圧を所定範囲に維持させる機能を有している。
前記加圧空気によりインクパック16が加圧されることによりインクパック16から供給されたインクは、サブタンク5により一時貯留される。このサブタンク5の重力方向の最上部には、空気孔22が形成されており、サブタンク5内の圧力が大気圧となるように保持している。又、サブタンク5の内部には、フロート部材23が取り付けられており、その一端部に永久磁石24が固定されている。そして、永久磁石24に対向するサブタンク5の一側面の外側には、基板25が設けられており、基板25上にはホール素子に代表される磁電変換素子26a,26bが設けられている。これらの磁電変換素子26a,26bは、永久磁石24が発する磁力の線量を検出可能に配置されており、検出した磁力線量に比例した電気的信号を出力する。
サブタンク5内のインク量が少なくなると、フロート部材23の位置が重力方向の下方へ移動する。この移動に伴い、磁電変換素子26a,26bが永久磁石24から受ける磁力線量が変化する。従って、磁電変換素子26a,26bの出力する電気的信号の変化はサブタンク5内のインク量の減少として感知することが可能となる。このように、インク量減少の信号が出力されると、補給用バルブ27を開状態とし、インクがサブタンク5に補給される。そして、サブタンク5内のインク量が所定の容量に達した場合には、磁電変換素子26a,26bの電気的信号により補給用バルブ27が閉状態とされ、それ以上インクをサブタンク5に補給しない。
サブタンク5内に一時貯留されたインクは、供給用バルブ28及び供給用チューブ29を介して、キャリッジ3下面に搭載された記録ヘッド30に供給される。記録ヘッド30に供給されたインクは、記録ヘッド30に形成されたノズル形成面30aより吐出される。供給用バルブ28は、電磁バルブから構成されており、制御装置100により開閉制御される。具体的には、サブタンク5から記録ヘッド30にインクを供給する場合は前記制御装置100により供給用バルブ28は開弁されるとともに、記録ヘッド30にインクを供給しない場合には閉弁される。又、本吸引の場合には、記録ヘッド30内のインク流路に負圧を発生させる場合には、供給用バルブ28は一旦閉弁されて記録ヘッド30内のインク流路が大きな負圧になった後、開弁されて、インクを記録ヘッド30のノズルを介して急激に吐出させる。そして、記録ヘッド30のノズルが大気圧近くの適度な負圧になる時点で、供給用バルブ28が前記制御装置100により開弁されるようにされている。 そして、このサブタンク5により圧力調整手段が構成されており、記録ヘッド30のインク流路内の圧力変動を吸収するようにされている。
図5は、前記した構成のインクジェット式記録装置に搭載された制御装置100の構成を示している。
図5に示すようにインクジェット式記録装置を電気的に接続するホストコンピュータ40にはプリンタドライバ41が搭載されている。このプリンタドライバ41のユーティリティ上で、ホストコンピュータ40は入力装置42によって周知の用紙サイズ、モノクロ/カラー印刷の選択、印刷品質モードの選択、記録モードの選択、フォント等のデータ及び印刷指令等が入力できるようにされている。又、ホストコンピュータ40には、ディスプレイ43が接続されており、前記入力装置42による入力状況が確認できるとともに、記録装置の状態、例えば各インクカートリッジのインク残量等の情報も可視的に表示できるように構成されている。
図5に示すようにインクジェット式記録装置を電気的に接続するホストコンピュータ40にはプリンタドライバ41が搭載されている。このプリンタドライバ41のユーティリティ上で、ホストコンピュータ40は入力装置42によって周知の用紙サイズ、モノクロ/カラー印刷の選択、印刷品質モードの選択、記録モードの選択、フォント等のデータ及び印刷指令等が入力できるようにされている。又、ホストコンピュータ40には、ディスプレイ43が接続されており、前記入力装置42による入力状況が確認できるとともに、記録装置の状態、例えば各インクカートリッジのインク残量等の情報も可視的に表示できるように構成されている。
制御手段44は、CPU(中央処理装置)からなり、印刷制御手段としてホストコンピュータ40から転送される印刷データを受けてドットパターンデータ(ビットマップデータ)を生成し、このデータに基づいてヘッド駆動手段45により駆動信号を発生させて、記録ヘッド30からインク滴を吐出させる。前記ヘッド駆動手段45は、印刷データに基づく駆動信号の他に、制御手段44からのフラッシング指令信号を受けて、フラッシング操作のための駆動信号を記録ヘッド30に出力し、印刷とは関係のないインク滴の空吐出を行なうことができるように構成されている。
又、制御手段44は、キャリッジ駆動手段46を駆動制御して、キャリッジモータ6を回転駆動させ、タイミングベルト7を介してキャリッジ3を記録用紙の幅方向である主走査方向に往復移動する。又、クリーニング制御手段として制御手段44は、例えばクリーニング指令検知手段48からの制御信号を受けて、ポンプ駆動手段49を制御し、吸引ポンプ11を駆動させる機能を備えている。
さらに、記録装置の図示しない操作パネル等に配置されたクリーニング指令スイッチ50は、ユーザが例えば印刷不良状態を認識した場合に、これを操作することにより前記クリーニング指令検知手段48を介して制御手段44の制御によりマニュアル操作によるクリーニング動作が実行されるように構成されている。又、制御装置100は、供給用バルブ28等の開閉制御を行うようにされている。
又、制御手段44は本吸引制御手段、空吸引制御手段、フラッシング制御手段、及びワイピング制御手段に相当する。
さて、上記のように構成されたインクジェット式記録装置の作用を図8を参照して説明する。図8はクリーニング操作が開始されたときのフローチャートである。このクリーニング操作は、例えば、ホストコンピュータ40からの印刷指令を制御手段44が受けたときに制御手段44が、図示しないROMに格納されたクリーニング操作プログラムに従って開始される。このとき、キャリッジ3は図4に示すホームポジションに位置しており、記録ヘッド30のノズル形成面30aは、キャップ35により封止されている。
さて、上記のように構成されたインクジェット式記録装置の作用を図8を参照して説明する。図8はクリーニング操作が開始されたときのフローチャートである。このクリーニング操作は、例えば、ホストコンピュータ40からの印刷指令を制御手段44が受けたときに制御手段44が、図示しないROMに格納されたクリーニング操作プログラムに従って開始される。このとき、キャリッジ3は図4に示すホームポジションに位置しており、記録ヘッド30のノズル形成面30aは、キャップ35により封止されている。
制御手段44はS10ではキャップ35により前記ノズル形成面30aが封された状態で、供給用バルブ28を閉弁させるとともにポンプ駆動手段49を制御して吸引ポンプ11による負圧を蓄積し、この後、供給用バルブ28を開弁させて、前記負圧の作用により記録ヘッド30からキャップ35内にインクを吸引排出させる本吸引を行う。この本吸引では吸引ポンプ11が所定時間駆動されることにより記録ヘッドから比較的多量のインクが吸引排出される。
この後、S20において、制御手段44はキャリッジ駆動手段46を駆動することにより記録ヘッド30をワイピング部材14側に移動させることによりキャップ35を開かせて、大気開放させる。続く、S30では記録ヘッド30はワイピング部材14上を通過して該ワイピング部材14による払拭(ワイピング)を受け、ノズル形成面30aによる付着したインクは、このワイピング動作によって取り除かれる。
そして、S40では制御手段44はキャリッジ駆動手段46を駆動させて記録ヘッド30を図3に示すように、ノズル形成面30aがキャップ35に対して相対するとともに離間している位置まで移動させる。そして、該制御手段44はキャップ35にて記録ヘッド30が封止されていない状態で、ヘッド駆動手段45を駆動させて、クリーニング操作プログラムにより予め設定されたフラッシング継続時間分のフラッシング操作を行う。このフラッシングによりS10の本吸引や或いはS30のワイピングによって、記録ヘッド30のノズル開口からノズル内に他の色が混入して拡散された部分のインクがキャップ35内に吐出される。
続く、S50ではS40のフラッシング操作が終了して一定時間経過した後に制御手段44は、キャリッジ駆動手段46を駆動制御して、キャリッジ3を移動させ、すなわち、記録ヘッド30を印刷領域Cを挟んでキャッピング手段とは反対側の非印刷領域Bに移動させた後、ポンプ駆動手段49を駆動してキャップ35で空吸引を行う。前記一定時間は、フラッシング操作によりノズル内の負圧が安定(すなわち、インク気泡の自然消滅又はインク気泡を縮小させるために要する時間)するのに要する時間であり、ノズルの大きさやフラッシングの経過時間等に応じて設定されている。
この後、制御手段44は、キャリッジ駆動手段46を駆動してキャリッジ3を移動させて、記録ヘッド30をキャップ35に対してキャッピングさせる。この後、制御手段44はホストコンピュータ40から入力した印刷データに基づいて印刷処理を行う。
上記実施形態のインクジェット式記録装置によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1) 本実施形態のフラッシング制御方法では記録ヘッド30からのインク吸引動作と、記録ヘッド30から吐出されてキャッピング装置10のキャップ35内にあるインクを排出する空吸引動作を含むクリーニング操作時に、インク吸引動作と空吸引動作の間に記録ヘッド30のノズル内のインクを排出するフラッシングを行うようにした。
(1) 本実施形態のフラッシング制御方法では記録ヘッド30からのインク吸引動作と、記録ヘッド30から吐出されてキャッピング装置10のキャップ35内にあるインクを排出する空吸引動作を含むクリーニング操作時に、インク吸引動作と空吸引動作の間に記録ヘッド30のノズル内のインクを排出するフラッシングを行うようにした。
このインク吸引動作、すなわち、本吸引がされた後の記録ヘッドのインク流路内の負圧(すなわち、圧力変動)はサブタンク5により吸収されて、本吸引がされた後の記録ヘッド30の本吸引によるインク流路の負圧が速やかに解消される。
このように、本吸引が終了した時点から記録ヘッド30の流路内のインクが安定するまでの時間(すなわち、インク気泡の自然消滅又はインク気泡を縮小させるために要する時間)が短くなり、混色防止のためのフラッシングを早期に行うことができる。この結果、クリーニング操作の総時間を短くできる。
図6は、圧力調整手段を搭載した記録ヘッド30をキャップ35で封止した状態で、本吸引を行ったときのキャップ35内の負圧の変化の一例である。図7は、圧力調整手段を搭載しない記録ヘッド30をキャップ35で封止した状態で本吸引を行ったときのキャップ35内の負圧の変化の一例である。図6と図7と比較すると分かるように、図6に示す圧力調整手段を備えている場合、負圧がピークになってから、0付近に至るまでの経過時間t1は、図7において、負圧がピークになってから0付近に至るまでの経過時間t2よりも短時間であることが分かる。なお、この試験例では負圧を発生させるための試験に使用された記録ヘッド、吸引ポンプ、及びサブタンクから記録ヘッドのインク流路は同一となるように同じ大きさの物を使用するとともに負圧のピーク値が同じ値となるようにして測定した。図6から分かるように、サブタンク5を備えることによって、本吸引されたときの負圧の変動が早く吸収されていることを示している。
このように、本実施形態では本吸引後の記録ヘッド30のインク流路の負圧の解消が早いため、フラッシングを空吸引よりも前に行うことができる。又、フラッシングを空吸引の前に行うため、空吸引の後にフラッシングを行う場合に比較してノズル内に混入したインク内での他の色の拡散は少なくなる。この結果、制御手段44が実行するクリーニング操作プログラムを製作する場合、排出すべき混色したインクの排出量(すなわち、フラッシング継続時間)を少なく設定できるため、混色防止フラッシングのインク消費量を少なくできる。
さらに、この制御方法を行うインクジェット式記録装置によれば、インクジェット式記録装置に衝撃を加えても、キャッピング装置10のキャップ35は空吸引がされてインクが排出されているため、キャッピング装置10のキャップ35から外部へのインク漏れが生じにくい効果がある。
(2) ところで、前記作用では説明しなかったが、インクジェット式記録装置では印刷時間が長くなると、上記フラッシングとは別のメンテナンス機能を備えている。このメンテナンス機能は、印刷動作中にインク滴の吐出の機会が少ないノズル開口において、インク増粘による目詰まり防止する目的で行われ、一定周期毎に(例えば10秒毎)に実行され、これを定期フラッシングと呼んでいる。
又、連続して印刷動作を実行している場合においても、インク滴の吐出の機会が少ない記録ヘッドにおけるインク流路中のインクが増粘するため、前記した定期フラッシングとは別に、より多量のインク滴をまとめて吐出させるフラッシング動作も実行されるようにされている。このようなフラッシング動作を、通称定期まとめ打ちフラッシング(以下、単に定期まとめ打ちとも言う)と呼んでいる。
定期フラッシングや、定期まとめ打ちの各フラッシング動作は、通常は前記したキャップ35を利用して、このキャップ35内にインク滴を吐出させるようになされる。そして、キャップ35内に吐出されるインク量を監視するために、上述した各フラッシングにより吐出されるインク滴の数(ショット数)を計数するキャップ内インク量カウンタが具備されている。このカウンタのカウンタ値が所定の値に達した時に、吸引ポンプ11を駆動させて、キャップ35からインクを排出させる前述した空吸引動作と同様に空吸引動作を実行するようになされる。
このような状況のもとで、クリーニング操作後に印字を開始した場合、クリーニング操作の最後に空吸引がされてキャップ35内に残っているインク量が少ない。このため、印刷中に行っている前記メンテナンスのフラッシングによりキャップ35内に一定量のインクが溜まるまでの時間が長くなり、定期空吸引が印字中で入るタイミングを遅くすることができる。なお、定期空吸引とは、キャップ内に打ち込まれるインク量をカウントし、該インク量が一定量に達したときに行われる空吸引のことである。
この結果、吸引ポンプ11の使用回数を減らすことができ、吸引ポンプ11の耐久性が良くすることができる。さらに、本実施形態では印刷中に前記定期空吸引のタイミングを遅くできるため、印刷のスループットを向上することができる。すなわち、空吸引動作が途中で入ると、空吸引中は印刷がストップするが、前述したように定期空吸引のタイミングが遅くできるため、その分印刷がストップすることがなく、前記スループットが向上する。
なお、従来(特許文献1,特許文献2)は、クリーニング操作において空吸引後にフラッシングするので、キャップ中にインクが残った状態で印刷が行われるため、印刷中に前記メンテナンスのフラッシングが行われると、空吸引までの時間が短くなってしまい、吸引ポンプを回す回数が増え、ポンプの耐久性が悪くなる。さらに、空吸引が印刷中に入りやすいので、印刷のスループットが低下する。
(3) 本実施形態のフラッシング制御方法では本吸引と、フラッシング間に前記記録ヘッドのノズル形成面30aのワイピングを行うようにした。この結果、本実施形態ではワイピングがされると、記録ヘッド30のノズル内に混色インクが拡散するが、フラッシングにより混色インクが吐出されて、混色防止ができる。
(4) 本実施形態のインクジェット式記録装置はノズルから複数色のインクを吐出する記録ヘッド30と、該記録ヘッドに搭載されるとともに前記インクの圧力変動を吸収するサブタンク5(圧力調整手段)と、記録ヘッド30のノズル形成面30aを封止するキャップ35を備えたキャッピング装置10(キャッピング手段)を備えるようにした。又、キャッピング装置10は、キャップ35と接続されるとともにキャップ35内に負圧を作用させる吸引ポンプ11(吸引手段)を備えるようにした。
インクジェット式記録装置は、本吸引制御手段としての制御手段44を備え、該制御手段44が、キャッピング装置10により記録ヘッド30のノズル形成面30aが封止された状態で、吸引ポンプ11を作動させて、記録ヘッド30のインクを強制的に排出させることにより本吸引を行うようにした。又、インクジェット式記録装置は、フラッシング制御方法としての制御手段44を備え、該制御手段44が、前記本吸引制御手段によって記録ヘッド30からインクを強制的に排出した後、前記ノズルからキャップ35へ向けインクを空吐出させるようにした。又、インクジェット式記録装置は、空吸引制御手段としての該制御手段44を備え、該制御手段44が、前記フラッシング制御手段によるフラッシングの後、吸引ポンプ11を作動させてキャップ35内のインクを排出させるようにした。この結果、本実施形態のインクジェット式記録装置は、前記(1)〜(3)の作用効果を実現できる。
(5) 本実施形態のインクジェット式記録装置は、記録ヘッド30のノズル面のワイピングを行うワイピング部材14(ワイピング手段)を備えるようにした。併せてインクジェット式記録装置は、ワイピング制御手段としての該制御手段44を備え、該制御手段44の制御により本吸引とフラッシングの間に、ワイピング部材14により記録ヘッド30のワイピングを行うようにした。
この結果、本実施形態のインクジェット式記録装置ではノズル形成面30aのワイピングがされると、記録ヘッド30のノズル内に混色インクが拡散するが、フラッシングにより混色インクが記録ヘッド30のノズルから吐出されて、混色防止ができる。
(6) 本実施形態のインクジェット式記録装置は、フラッシング終了後、一定時間待機してから、前記空吸引制御手段は空吸引を行うようにした。この結果、本実施形態のインクジェット式記録装置によれば、フラッシング操作によりノズル内の負圧が安定した後、空吸引を行うことができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、下記のように変更してもよい。
○ 前記等実施形態ではオフキャリッジタイプのインクジェット式記録装置に具体化したが、インクカートリッジに圧力調整機構が搭載されたオンキャリッジタイプのインクジェット式記録装置に具体化してもよい。
○ 前記等実施形態ではオフキャリッジタイプのインクジェット式記録装置に具体化したが、インクカートリッジに圧力調整機構が搭載されたオンキャリッジタイプのインクジェット式記録装置に具体化してもよい。
○ 前記実施形態では圧力調整手段をサブタンク5にて構成したが、自己封止弁や、圧力ダンパに変更してもよい。前記自己封止弁は、公知の構成であるため、詳細な説明は省略するが、この自己封止弁にした場合は、記録ヘッド30からインクが吐出されて該記録ヘッド30内のインク流路に負圧が発生すると、開弁状態となって同記録ヘッド30内にインクを導入する。又、反対に、記録ヘッド30内にインクがあって、前記負圧が発生していないときには、閉弁状態となって同記録ヘッド30内に導入されるインクの量を制限して、インクの過剰導入による各ノズルのインクの漏洩を抑制する。
○ 前記実施形態では図3に示すように、ノズル形成面30aをキャップ35に対して相対するとともに離間した位置において、フラッシング制御手段によりフラッシングするようにした。これに代えて、図4に示すように、ノズル形成面30aをキャップ35により封止した状態で、フラッシング制御手段によりフラッシングするようにしもてよい。この場合、キャップ35により封止された状態でフラッシングされるため、キャップ35内の空間で、フラッシングによりミストが発生しても、これが漏洩することはなく、インク吸収材の表面に降下して捕獲される。この結果、記録ヘッド30に対するキャップ35の封止が解除された際に、外部に浮遊するインクミストの量を遙かに低減させることができる。
○ 前記実施形態ではインクの色は4色としたが、インクの色数は限定されるものではなく、2色以上を印刷できるインクジェット式記録装置であれば、本発明を適用できる。
○ 前記実施形態では空吸引する際に、キャリッジ3を移動させることによりキャップ35を大気開放としたが、この構成に限定されるものではない。例えば、キャップ35に電磁弁からなる大気開放弁を設けたり、或いは他の駆動源(例えばモータ)により開閉操作可能な大気開放弁を設けて、空吸引の場合にはキャップ35内の空間が、開弁状態の大気開放弁を介して大気開放とするようにしてもよい。この場合、本吸引は、記録ヘッド30がキャップ35により封止されている場合に、前記大気開放弁を閉弁させて、本吸引を行うようにする。
○ 前記実施形態では空吸引する際に、キャリッジ3を移動させることによりキャップ35を大気開放としたが、この構成に限定されるものではない。例えば、キャップ35に電磁弁からなる大気開放弁を設けたり、或いは他の駆動源(例えばモータ)により開閉操作可能な大気開放弁を設けて、空吸引の場合にはキャップ35内の空間が、開弁状態の大気開放弁を介して大気開放とするようにしてもよい。この場合、本吸引は、記録ヘッド30がキャップ35により封止されている場合に、前記大気開放弁を閉弁させて、本吸引を行うようにする。
○ 前記実施形態では本吸引する場合、供給用バルブ28を一旦閉弁した後、開弁したが、必ずしも閉弁する必要はなく、開弁した状態で吸引ポンプ11を吸引作動して本吸引を行ってもよい。
○ 前記実施形態では制御装置100を構成する制御手段44は、1つのCPUで構成したが、本吸引制御手段、空吸引制御手段、フラッシング制御手段、及びワイピング制御手段のそれぞれをCPUで構成したり、或いは各制御手段の2つ、又は3つを兼用するCPUにより構成してもよい。
○ キャッピング装置10の昇降装置70は、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、例えば、ソレノイドを制御することにより昇降可能にするようにしてもよい。
5…サブタンク(圧力調整手段)、10…キャッピング装置(キャッピング手段)、11…吸引ポンプ(吸引手段)、14…ワイピング部材(ワイピング手段)、30…記録ヘッド、30a…ノズル形成面、35…キャップ、44…制御手段(本吸引制御手段、空吸引制御手段、フラッシング制御手段、ワイピング制御手段)。
Claims (5)
- 複数色のインク滴を吐出する記録ヘッドにインクの圧力変動を吸収する圧力調整手段を搭載したインクジェット式記録装置によるフラッシング制御方法において、
前記記録ヘッドからのインク吸引動作と、該記録ヘッドから吐出されてキャッピング手段内にあるインクを排出する空吸引動作を含むクリーニング操作時に、前記インク吸引動作と空吸引動作の間に前記記録ヘッドのノズル内のインクを排出するフラッシングを行うことを特徴とするインクジェット式記録装置によるフラッシング制御方法。 - 前記インク吸引動作と、フラッシング間に前記記録ヘッドのノズル面の払拭を行うワイピングを行うことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット式記録装置によるフラッシング制御方法。
- ノズルから複数色のインクを吐出する記録ヘッドと、
前記記録ヘッドに搭載されるとともに前記インクの圧力変動を吸収する圧力調整手段と、
前記記録ヘッドのノズル形成面を封止するキャップを備えたキャッピング手段と、
前記キャップと接続されるとともに該キャップ内に負圧を作用させる吸引手段と、
前記キャッピング手段により前記記録ヘッドのノズル形成面が封止された状態で、前記吸引手段を作動させて、前記記録ヘッドのインクを強制的に排出させることにより本吸引を行う本吸引制御手段と、
前記本吸引制御手段によって前記記録ヘッドからインクを強制的に排出した後、前記ノズルから前記キャップへ向けインクを空吐出させるフラッシング制御手段と、
前記フラッシング制御手段によるフラッシングの後、前記吸引手段を作動させて前記キャップ内のインクを排出させる空吸引制御手段と
を備えることを特徴とするインクジェット式記録装置。 - 前記記録ヘッドのノズル面のワイピングを行うワイピング手段と、
前記本吸引制御手段による本吸引と前記フラッシング制御手段によるフラッシングの間に、前記ワイピング手段により前記記録ヘッドのワイピングを行うワイピング制御手段を備えたことを特徴とする請求項3に記載のインクジェット式記録装置。 - 前記フラッシングの後、一定時間待機してから、前記空吸引制御手段は空吸引を行うことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のインクジェット式記録装置。
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JP2006106656A JP2007276303A (ja) | 2006-04-07 | 2006-04-07 | インクジェット式記録装置によるフラッシング制御方法及びインクジェット式記録装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018075815A (ja) * | 2016-11-11 | 2018-05-17 | キヤノン株式会社 | インクジェット記録装置 |
US11104140B2 (en) | 2019-01-30 | 2021-08-31 | Ricoh Company, Ltd. | Liquid discharge apparatus and head maintenance method |
-
2006
- 2006-04-07 JP JP2006106656A patent/JP2007276303A/ja active Pending
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