JP6699413B2 - 電池システム - Google Patents

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Description

この発明は、電池システムに関し、特に、第1及び第2の蓄電装置を備える電池システムに関する。
特開2014−017074号公報(特許文献1)は、第1及び第2の蓄電手段を備える電池システムを開示する。第1の蓄電手段はリチウムイオン電池であり、第2の蓄電手段は電気二重層キャパシタである。この電池システムにおいては、第1の蓄電手段と第2の蓄電手段との間で電力の授受を行なうことができる(特許文献1参照)。
特開2014−017074号公報
蓄電手段としてニッケル水素電池が用いられる場合、高温環境下で高電圧が印加されると、正極内にNiHが生成される可能性が高くなる。正極内にNiHが生成されると、ニッケル水素電池の性能(たとえば、満充電容量)が低下する。正極内におけるNiHの生成を抑制するために、たとえば、ニッケル水素電池の入力制限を行なうことが考えられる。
しかしながら、たとえば、電動機の回生制動により発電された電力によってニッケル水素電池の充電が行なわれる場合に、ニッケル水素電池の入力制限が行なわれると、発電された電力の一部が無駄になる可能性がある。
この発明は、このような問題を解決するためになされたものであって、その目的は、ニッケル水素電池を備える電池システムにおいて、電力の無駄を抑制しつつ、ニッケル水素電池の正極内におけるNiHの生成を抑制することである。
この発明のある局面に従う電池システムは、蓄電部と、制御装置とを備える。蓄電部は第1及び第2の蓄電装置を含む。制御装置は、蓄電部の入出力を制御する。第1の蓄電装置は、ニッケル水素電池で構成される。第2の蓄電装置は、ニッケル水素電池以外の蓄電装置である。制御装置は、第1の蓄電装置の電圧及び温度を用いることによって、第1の蓄電装置の正極内にNiHが生じるか否かを判定する。制御装置は、正極内にNiHが生じると判定されると、第1の蓄電装置の入力を抑制するとともに、蓄電部に対する入力要求に従って第2の蓄電装置の入出力を制御する。
この電池システムにおいては、ニッケル水素電池によって構成される第1の蓄電装置の正極内においてNiHが生じると判定されると、第1の蓄電装置の入力が抑制される。第1の蓄電装置の入力が抑制されることによって、第1の蓄電装置に印加される電圧が低下するため、第1の蓄電装置の正極内におけるNiHの生成が抑制される。また、ニッケル水素電池以外の蓄電装置である第2の蓄電装置に電力が入力されることによって、蓄電部に対する入力要求に応えることができるため、電力の無駄が抑制される。
この発明によれば、ニッケル水素電池を備える電池システムにおいて、電力の無駄を抑制しつつ、ニッケル水素電池の正極内におけるNiHの生成を抑制することができる。
電池システムが搭載される車両の構成を概略的に示す図である。 正極内におけるNiHの存在比率と満充電容量との関係に関する実験結果の一例を示す図である。 第1の実験における処理手順を示すフローチャートである。 意図的にニッケル水素単電池にNiHを多く生成させた正極のX線回折法による分析結果(回折パターン)の一例を示す図である。 第1の実験によって求められた、電極内のNiHの割合とX線回折法におけるピーク面積比との関係の一例を示す図である。 第2の実験における処理手順を示すフローチャートである。 第2の実験によって得られた結果がまとめられたマップの一例を示す図である。 電池システムにおける充電制御の処理手順を示すフローチャートである。 第2の蓄電装置の充電状態の制御について説明するための図である。 変形例に従う電池システムにおける充電制御の処理手順を示すフローチャートである。
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
(電池システムの構成)
図1は、本実施の形態に従う電池システム2が搭載される車両1の構成を概略的に示す図である。以下では、車両1がハイブリッド車両である場合について説明するが、本実施の形態による電池システム2は、ハイブリッド車両に搭載されるものに限定されず、ニッケル水素電池を搭載した車両全般、さらには車両以外の用途にも適用可能である。
図1を参照して、車両1は、電池システム2と、コンバータ25,27と、インバータ30と、モータジェネレータ(MG:Motor Generator)41,42と、エンジン50と、動力分割機構60と、駆動軸70と、駆動輪80とを備える。電池システム2は、第1の蓄電装置10と、第2の蓄電装置15と、監視ユニット20,35と、電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)100とを備える。
エンジン50は、空気と燃料との混合気を燃焼させたときに生じる燃焼エネルギによって、クランクシャフトを回転させる駆動力を発生する。MG41,42は、発電機としても電動機としても機能する。
MG41は、たとえば三相交流回転電機であり、主として、動力分割機構60を通じて伝達されるエンジン50の出力の一部を用いて発電する発電機として動作する。MG41が発電した電力は、第1の蓄電装置10及び第2の蓄電装置15の充電、又は、MG42の駆動に用いられる。MG41が発電した電力は、インバータ30及びコンバータ25を通じて第1の蓄電装置10に供給され、インバータ30及びコンバータ27を通じて第2の蓄電装置15に供給される。
MG42は、たとえば三相交流回転電機であり、第1の蓄電装置10からの電力、第2の蓄電装置15からの電力及びMG41の発電電力の少なくとも一方によって駆動される。MG42の駆動力は、駆動軸70に伝達される。また、車両1の制動時には、MG42は、駆動輪80の回転力により駆動されることによって発電機として動作する。MG42の発電電力は、第1の蓄電装置10及び第2の蓄電装置15の充電に用いられる。
第1の蓄電装置10は、MG41,42を駆動するための電力を蓄える。第1の蓄電装置10は、直列に接続された複数のニッケル水素単電池(単セル)を含む組電池で構成される。監視ユニット20は、電圧センサ21と、電流センサ22と、温度センサ23とを含む。電圧センサ21は、各セルの端子間電圧(以下「セル電圧VC」とも称する。)を検知する。電流センサ22は、第1の蓄電装置10の充放電電流(以下「電流IC」とも称する。)を検知する。温度センサ23は、各セルの温度(以下「セル温度TC」とも称する。)を検知する。各センサは、検知結果を示す信号をECU100に出力する。
第2の蓄電装置15は、ニッケル水素単電池以外の蓄電要素を含む蓄電装置で構成される。第2の蓄電装置15は、たとえば、電気二重層キャパシタ、リチウムイオン電池、又は燃料電池を含んで構成される。後述のように、第1の蓄電装置10の入力電力が抑制される場合があり、その場合に第2の蓄電装置15に大電流が流れ込む可能性がある。電気二重層キャパシタは大電流の充放電に適したデバイスであるため、第2の蓄電装置15としてはより好ましい。
第2の蓄電装置15も、第1の蓄電装置10と同様、MG41,42を駆動するための電力を蓄える。監視ユニット35は、電圧センサ31と、電流センサ32と、温度センサ33とを含む。電圧センサ31,電流センサ32及び温度センサ33は、第2の蓄電装置15の電圧VB、電流IB及び温度TBをそれぞれ検知する。各センサは、検知結果を示す信号をECU100に出力する。
コンバータ25は、第1の蓄電装置10とインバータ30との間に設けられる。コンバータ25は、ECU100からの制御信号(PWC1)によって制御され、第1の蓄電装置10とインバータ30との間で電圧変換を行なう。
コンバータ27は、第2の蓄電装置15とインバータ30との間に設けられる。コンバータ27は、ECU100からの制御信号(PWC2)によって制御され、第2の蓄電装置15とインバータ30との間で電圧変換を行なう。コンバータ25とコンバータ27とは、インバータ30に対して並列に接続される。
インバータ30は、コンバータ25,27とMG41,42との間に設けられる。インバータ30は、ECU100からの制御信号に従って、コンバータ25,27とMG41,42との間で直流電力と交流電力との変換を実行するように構成される。インバータ30は、MG41,42の状態をそれぞれ別々に制御可能に構成されており、たとえば、MG41を回生(発電)状態にしつつ、MG42を力行状態にすることができる。
ECU100は、CPU(Central Processing Unit)と、入出力インターフェイスと(いずれも図示せず)、メモリ105とを含んで構成される。ECU100は、各センサからの信号及びメモリ105に記憶された情報に基づき、エンジン50、コンバータ25,27、及びインバータ30を制御することによって、第1の蓄電装置10及び第2の蓄電装置15の充放電を制御する。
(第1の蓄電装置におけるNiHの生成抑制と電力回生の効率維持との両立)
第1の蓄電装置10を構成するニッケル水素単電池については、高温環境下で高電圧が印加されると、正極内にNiHが生成する。正極内にNiHが生成すると、ニッケル水素単電池の性能(たとえば、満充電容量)が低下する。
図2は、正極内におけるNiHの存在比率と満充電容量との関係に関する実験結果の一例を示す図である。図2を参照して、横軸は正極内におけるNiHの存在比率を示し、縦軸は満充電容量を示す。この実験結果から、NiHの存在比率が高まると満充電容量が低下することが分かる。
第1の蓄電装置10の正極内におけるNiHの生成を抑制するために、たとえば、第1の蓄電装置10の入力制限を行なうことが考えられる。しかしながら、たとえば、MG42の回生制動により発電された電力によって第1の蓄電装置10の充電が行なわれる場合に、第1の蓄電装置10の入力制限が行なわれると、MG42により発電された電力の一部が無駄になる可能性がある。
本実施の形態に従う電池システム2は、第1の蓄電装置10に加えて第2の蓄電装置15を備える。第2の蓄電装置15は、ニッケル水素単電池以外の蓄電要素により構成されるものである。そして、ECU100は、各セルの電圧及び温度を用いることによって、第1の蓄電装置10の正極内にNiHが生成するか否かを判定する。ECU100は、NiHが生成すると判定されると、第1の蓄電装置10の入力電力を抑制するとともに、入力要求に従って第2の蓄電装置15の入力電力を制御する。
第1の蓄電装置10の入力電力が抑制されることによって、第1の蓄電装置10の各セルに印加される電圧が低下するため、第1の蓄電装置10の正極内におけるNiHの生成が抑制される。また、第1の蓄電装置10の入力電力が抑制された場合に、入力要求に従って第2の蓄電装置15の入力電力が制御されることによって、MG42により発電された電力の無駄が抑制される。その結果、電池システム2によれば、電力の無駄を抑制しつつ、正極内におけるNiHの生成を抑制することができる。
なお、ECU100に含まれるメモリ105は、第1の蓄電装置10の単セルについて、電圧及び温度と、正極におけるNiHの単位時間当たりの生成量との関係を示すマップ(後述)を記憶する。ECU100は、セルの電圧及び温度並びにメモリ105に記憶されたマップを用いることによって、第1の蓄電装置10の正極内においてNiHが生成するか否かを判定することができる。以下、第1の蓄電装置10の単セルについて、電圧及び温度と、正極におけるNiHの単位時間当たりの生成量との関係を示すマップの作成方法について説明する。
(マップ作成)
上述のマップは、複数の実験を通じて予め作成される。マップ作成のための実験は、たとえば次の順に行なわれる。まず、正極内のNiHの混入量と、X線回折法を用いて正極を分析した場合のピーク面積比との関係を調べるための実験(以下「第1の実験」とも称する。)が行なわれる。その後、耐久試験(後述)を経た単セル及び第1の実験の結果を用いて、耐久条件(電圧及び温度)と、正極内におけるNiHの生成量との関係を調べるための実験(以下「第2の実験」とも称する。)が行なわれる。以下、第1及び第2の実験について順に説明する。
図3は、第1の実験における処理手順を示すフローチャートである。図3を参照して、このフローチャートに示される処理は、実験者により行なわれる。
実験者は、新品の電極(正極)粉末に所定量(たとえば、所定量Q1)のNiH粉末を均一に混ぜ込んだ試料を作製する(ステップS100)。その後、実験者は、X線回折法により試料の分析を行なう(ステップS110)。具体的には、実験者は、予め定めた回折角度のX線のピーク面積を測定する。X線の回折角度をどのように定めるかについて次に説明する。
図4は、意図的にニッケル水素単電池にNiHを多く生成させた正極のX線回折法による分析結果(回折パターン)の一例を示した図である。図4を参照して、横軸は回折角度(2θ)を示し、縦軸は回折強度を示す。極端にNiHを生成させた正極の完全放電時には、NiH、β−Ni(OH)、及び金属Ni(集電体)が含まれ得る。なお、完全放電されていない場合は、β−NiOOHも含まれ得る。
「◇」の位置に対応する回折角度における回折ピークは、NiHによる回折の影響を含む。「○」の位置に対応する回折角度における回折ピークは、β−Ni(OH)による回折の影響を含む。「×」の位置に対応する回折角度における回折ピークは、金属Niによる回折の影響を含む。
たとえば、回折角度D1,D2,D3、及びD4における回折ピークは、主にNiH(「◇」)による回折の影響を受け、その他の化合物による回折の影響をほとんど受けない。したがって、実験者は、D1,D2,D3、及びD4のいずれかの回折角度のX線を用いることにより、NiHに起因する回折ピークの面積を測定することができる。本実施の形態においては、たとえば、回折角度D1のX線ピークがX線回折法による分析に用いられる。また、たとえば、回折角度D1,D2,D3、及びD4の合算面積をX線回折法による分析に用いてもよい。
再び図3を参照して、ステップS110においてX線回折法による試料の分析が行なわれると、実験者は、分析結果である回折角度D1におけるピーク面積を記録する(ステップS120)。以上のように、ステップS100〜S120の処理を通じて、所定量(たとえば、所定量Q1)のNiHが電極に混入している場合の、回折角度D1におけるピーク面積が求められる。
次に、NiHと同様、Ni(OH)に帰属される回折ピーク(たとえば、図4に示したD’1,D’2)に着目して、NiHが所定量(Q1)混入されたときのD’1面積を算出する。
第1の実験においては、試料内に混入するNiHの量を変更して(たとえば、所定量Q2,Q3等)、ステップS100〜S120の処理が複数回行なわれる。その結果、試料内のNiHの割合(NiH量/(Ni(OH)量+NiH量))と、回折角度D1におけるピーク面積比(D1/(D1+D’1))との関係を求めることができる。
図5は、第1の実験によって求められた、試料内のNiHの割合と、X線回折法におけるピーク面積比との関係の一例を示す図である。図5を参照して、横軸は試料内のNiHの割合(NiH量/(Ni(OH)量+NiH量))を示し、縦軸はX線回折法におけるピーク面積比(D1/(D1+D’1))を示す。
試料内に所定量Q1,Q2,Q3のNiHを混入させた場合には、回折角度D1におけるピーク面積比がそれぞれS1,S2,S3となった。以上の実験結果から、試料内のNiHの割合と回折角度D1におけるピーク面積比との関係として、たとえば、図5に示される関係を求めることができる。試料内のNiHの割合と回折角度D1におけるピーク面積比との関係を求めることにより、第1の実験は終了する。なお、ここではピーク面積比に基づいて図5の関係を規定したが、たとえば、ピーク強度に基づいて図5の関係を規定してもよい。
図6は、第2の実験における処理手順を示すフローチャートである。図6を参照して、このフローチャートに示される処理は、実験者により行なわれる。
実験者は、耐久条件(電圧及び温度)を設定した上で、新品の単セルについて耐久試験を行なう(ステップS200)。たとえば、この耐久試験において、単セルは、恒温槽内に設けられた充電システムに設置される。恒温槽内の温度は、実験者により設定された温度に維持される。そして、一定電圧による単セルの充電が行なわれる。この一定電圧のうち、金属抵抗により上昇する電圧は、正極内におけるNiHの生成に寄与しないと考えられる。
耐久試験は、たとえば、単セルのSOC値が所定範囲内(たとえば、50%〜80%)に収まるように、所定時間の充電と所定時間の放電とを繰り返すことにより行なわれる。所定範囲は、たとえば、電池システム2においてSOC値が制御される制御範囲である。なお、耐久試験は、たとえば、全体として数日〜数ヵ月かけて行なわれる。
ステップS200において耐久試験が終了すると、実験者は、セルを解体して正極を取り出し、X線回折法による分析を行なう(ステップS210)。その後、実験者は、電極内のNiHの割合とX線回折法におけるピーク面積比との関係(第1の実験において導出(図5))と、分析結果であるピーク面積比とを用いることによって、NiHの単位時間当たりの生成量を推定する(ステップS220)。
たとえば、ピーク面積比がS10である場合には、NiHの生成比はQ10と推定される(図5)。推定されたNiHの生成比(Q10)から算出することができるNiHの生成量を耐久試験における総充電時間で除算することにより、セルにおけるNiHの単位充電時間当たりの生成量を算出することができる。なお、耐久試験の時間ではなく、耐久試験における総充電時間で除算が行なわれる理由は、NiHは、セルにある程度の電圧が印加されなければ生成されず、放電時には生成されにくいものと考えられるからである。本実施の形態において、単位時間は、たとえば1秒である。
その後、実験者は、ステップS220において推定されたNiHの単位時間当たりの生成量を、設定された耐久条件(電圧及び温度)における結果として記録する(ステップS230)。以上のように、ステップS200〜S230の処理を通じて、設定された耐久条件における、単セルでのNiHの単位時間当たりの生成量が求められる。
第2の実験においては、耐久条件を変更して、ステップS200〜S230の処理が複数回行なわれる。その結果、セルの電圧及び温度と、単セルにおけるNiHの単位時間当たりの生成量との関係を求めることができる。これにより、第2の実験は終了する。
図7は、第2の実験を通じて得られた結果がまとめられたマップの一例を示す図である。図7を参照して、横軸は耐久条件の温度を示し、縦軸は耐久条件の電圧を示す。
マップ200においては、セル温度(T0,T1,T2・・・)と電圧(V0,V1,V2・・・)との組み合わせごとに、セルにおけるNiHの単位時間当たりの生成量(W00,W01,W10・・・)が対応付けられている。なお、電圧(V0,V1,V2・・・)は、セル電圧から金属抵抗に由来する電圧上昇分が除かれた値である。NiHの単位時間当たりの生成量(W00,W01,W10・・・)は、第2の実験を通じて得られた結果である。本実施の形態に従う電池システム2においては、第1及び第2の実験を通じてマップ200が予め作成され、作成されたマップ200はメモリ105に記憶される。
(充電制御の処理手順)
上述のように、ECU100は、第1及び第2の実験を通じて作成されたマップを用いることによって、第1の蓄電装置10の正極内においてNiHが生成するか否かを判定する。正極内においてNiHが生成すると第1の蓄電装置10の性能が低下する。したがって、NiHが生成すると判定されると、正極内におけるNiHの生成を抑制するために、第1の蓄電装置10の入力電力が抑制される。以下、本実施の形態における充電制御の具体的処理手順について説明する。
図8は、電池システム2における充電制御の処理手順を示すフローチャートである。図8を参照して、このフローチャートに示される処理は、MG41,42の少なくとも一方によって発電が行なわれる場合に、上述の単位時間を1サイクルとして、ECU100により繰り返し実行される。
ECU100は、電圧センサ21、温度センサ23、及び電流センサ22から各セルの電圧VC及び温度TC、並びに電流ICを示す信号をそれぞれ取得するとともに、セル電圧から金属抵抗による電圧上昇分を減算した電圧をセル毎に算出する(ステップS300)。なお、電圧上昇分の電圧は、予め認識されている金属抵抗と電流ICとに基づいて算出される。
ECU100は、第1の蓄電装置10においてNiHが生成するか否かを判定する(ステップS310)。たとえば、ECU100は、メモリ105に記憶されたマップ200を参照して、ステップS300において算出された各セルの電圧及び各セルの温度TCに対応する、各セルにおけるNiHの単位時間当たりの生成量を取得する。そして、取得された生成量が所定量(たとえば、0(ゼロ))より大きい値を示すセルが1つでも存在する場合に、ECU100は、第1の蓄電装置10においてNiHが生成すると判定する。すなわち、第1の蓄電装置10においては、NiHの生成が完全に抑制される。
第1の蓄電装置10においてNiHが生じると判定されると(ステップS310においてYES)、ECU100は、第1の蓄電装置10への電力の入力を禁止するとともに、MG41,42により発電された電力の蓄電要求に応えるために、第2の蓄電装置15で電力回生する(ステップS320)。一方、第1の蓄電装置10においてNiHが生じないと判定されると(ステップS310においてNO)、ECU100は、MG41,42により発電された回生電力が第1の蓄電装置10及び第2の蓄電装置15に入力されるようにコンバータ25,27及びインバータ30を制御する(ステップS330)。
このように、本実施の形態に従う電池システム2においては、第1の蓄電装置10でNiHが生じると判定されると、第1の蓄電装置10の入力電力が抑制される。第1の蓄電装置10の入力電力が抑制されることによって、各セルでの電圧上昇が抑えられるため、正極内におけるNiHの生成が抑制される。また、第1の蓄電装置10の入力電力が抑制された場合に、蓄電部(第1の蓄電装置10及び第2の蓄電装置15)に対する入力要求に従って第2の蓄電装置15に電力が入力されることによって、電力の無駄が抑制される。したがって、電池システム2によれば、電力の無駄を抑制しつつ、第1の蓄電装置10の正極内におけるNiHの生成を抑制することができる。
(第2の蓄電装置における充電状態制御)
上述のように、第1の蓄電装置10においてNiHが生じると判定されると、MG41,42により発電された電力は、第2の蓄電装置15の充電のみに用いられる。この場合には、第1の蓄電装置10及び第2の蓄電装置15の両方で電力回生が行なわれる場合よりも、第2の蓄電装置15に対して大電力が供給される。
本実施の形態においては、第2の蓄電装置15の充電状態は、大電力による充電に対応できるように制御される。たとえば、第2の蓄電装置15の充電状態を示すSOC(State Of Charge)値(満充電容量に対する残存容量を0〜100%で表わした値である。)の目標値が、第1の蓄電装置10におけるSOC値の目標値よりも低い所定値(たとえば、50%以下)に設定される。たとえば、やや放電過多となるように第2の蓄電装置15を使用することにより、第2の蓄電装置15のSOC値は所定値に制御される。
図9は、第2の蓄電装置15の充電状態の制御について説明するための図である。図9を参照して、上部の図は第2の蓄電装置15のSOC値の変化を示し、下部の図は第2の蓄電装置15の充放電電流の変化を示す。上部の図の横軸は時間を示し、縦軸は第2の蓄電装置15のSOC値を示す。下部の図の横軸は時間を示し、縦軸は第2の蓄電装置15の充放電電流を示す。たとえばこの例では、SOC値は、所定値S1(たとえば、50%以下)に制御される。
時刻t0において、SOC値は、所定値S1よりも大きいS2である。したがって、ECU100は、第2の蓄電装置15から電流Idが放電されるようにコンバータ27及びインバータ30を制御する。なお、ECU100は、たとえば、電圧VB又は電流IBを用いる既存の方法によって第2の蓄電装置15のSOC値を推定することができる。
時刻t1において、MG41,42の少なくとも一方による発電が生じ、第1の蓄電装置10の正極においてNiHが生じると判定されたものとする。この場合に、第1の蓄電装置10への電力の入力が禁止されるため、MG41,42により発電された電力は、第2の蓄電装置15のみの充電に用いられる。たとえば、第2の蓄電装置15には電流Icが入力される。これに伴ない、第2の蓄電装置15のSOC値は、時刻t1〜t2にかけて急速に上昇する。しかしながら、第2の蓄電装置15のSOC値が予め低い値に制御されているため、大電力による充電が行なわれても第2の蓄電装置15のSOC値はSOC値の上限値(>S2)に達しない。したがって、本実施の形態に従う第2の蓄電装置15は、大電力の充電に対応することができる。なお、時刻t2〜t4においても、時刻t0〜t2と同様の制御が行なわれる。
[変形例]
上記実施の形態においては、第1の蓄電装置10においてNiHが生じると判定される場合に第1の蓄電装置10の入力電力が抑制された。上記実施の形態の変形例においては、第1の蓄電装置10においてNiHが生じると判定される場合に加えて、第1の蓄電装置10の内圧が所定値以上となった場合にも、第1の蓄電装置10の入力電力が抑制される。以下では、上記実施の形態と異なる点を中心に説明する。
再び図1を参照して、本変形例に従う車両1Aは電池システム2Aを含み、電池システム2AはECU100Aを含む。他の構成要素は上記実施の形態と同様である。
図10は、上記実施の形態の変形例に従う電池システム2Aにおける充電制御の処理手順を示すフローチャートである。図10を参照して、このフローチャートに示される処理は、MG41,42の少なくとも一方によって発電が行なわれる場合に、上述の単位時間を1サイクルとして、ECU100Aにより繰り返し実行される。なお、ステップS400〜S420に示される処理は、図8のステップS300〜S320に示される処理と同様である。
第1の蓄電装置10においてNiHが生じないと判定されると(ステップS410においてNO)、ECU100Aは、第1の蓄電装置10の内圧が保護上限値以上か否かを判定する(ステップS430A)。たとえば、ECU100Aは、第1の蓄電装置10のSOC値、電流、及び温度を用いる既存の方法によって第1の蓄電装置10の内圧を推定することができる。
第1の蓄電装置10の内圧が保護上限値以上であると判定されると(ステップS430AにおいてYES)、ECU100Aは、第1の蓄電装置10への電力の入力を禁止するとともに、MG41,42により発電された電力の蓄電要求に応えるために、第2の蓄電装置15で電力回生する(ステップS440A)。一方、第1の蓄電装置10の内圧が保護上限値未満であると判定されると(ステップS430AにおいてNO)、ECU100Aは、MG41,42により発電された回生電力が第1の蓄電装置10及び第2の蓄電装置15に入力されるようにコンバータ25,27及びインバータ30を制御する(ステップS450A)。
このように、本変形例に従う電池システム2Aにおいては、第1の蓄電装置10の内圧が保護上限値以上となった場合にも、第1の蓄電装置10への電力の入力が禁止される。第1の蓄電装置10への電力の入力が禁止されることによって、第1の蓄電装置10内におけるガスの発生が抑制されるため、第1の蓄電装置10の内圧上昇が抑制される。また、第1の蓄電装置10への電力の入力が禁止された場合に第2の蓄電装置15への電力の入力が許可されることによって、電力の無駄が抑制される。
[他の実施の形態]
以上のように、この発明の実施の形態を説明した。しかしながら、この発明は必ずしもこの実施の形態に限定されない。ここでは、他の実施の形態の一例について説明する。
上記実施の形態においては、セル毎に電圧(セル電圧)及び温度(セル温度)が監視された。しかしながら、電圧及び温度の監視単位は、これに限定されない。たとえば、複数のセルを1つの監視単位としてもよい。
また、上記実施の形態においては、図8のステップS310又は図10のステップS410において、NiHの単位時間当たりの生成量が所定量より大きいセルが1つでも存在する場合に、第1の蓄電装置10においてNiHが生じると判定することとした。しかしながら、NiHが生じると判定する条件はこれに限定されない。
たとえば、NiHが生成されるセルが1つではなく所定数以上存在する場合に、第1の蓄電装置10においてNiHが生じると判定してもよい。
また、たとえば、NiHの単位時間当たりの生成量を積算し、積算した値が所定量を上回ったセルが1つあるいは所定数以上存在するときに、第1の蓄電装置10の入力電力を抑制してもよい。
また、上記の実施の形態においては、第1の蓄電装置10においてNiHが生じると判定された場合に、第1の蓄電装置10への電力の入力を禁止することとした。しかしながら、必ずしもこのような構成には限定されない。たとえば、第1の蓄電装置10においてNiHが生じると判定された場合に、第1の蓄電装置10に印加する電圧の上限値を低下させるようにしてもよい。この場合には、たとえば上限電圧として、第1の蓄電装置10の正極において、NiHが生成されない電圧が設定される。第1の蓄電装置10で回生できない入力電力は、第2の蓄電装置15で回生すればよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 車両、2 電池システム、10 第1の蓄電装置、15 第2の蓄電装置、20,35 監視ユニット、21,31 電圧センサ、22,32 電流センサ、23,33 温度センサ、25,27 コンバータ、30 インバータ、41,42 MG、50 エンジン、60 動力分割機構、70 駆動軸、80 駆動輪、100 ECU、105 メモリ、200 マップ。

Claims (1)

  1. 第1及び第2の蓄電装置を含む蓄電部と、
    前記蓄電部の入出力を制御する制御装置とを備え、
    前記第1の蓄電装置は、ニッケル水素電池で構成され、
    前記第2の蓄電装置は、ニッケル水素電池以外の蓄電装置であり、
    前記制御装置は、
    前記第1の蓄電装置の電圧及び温度を用いることによって、前記第1の蓄電装置の正極内にNiHが生じるか否かを判定し、
    前記正極内にNiHが生じると判定されると、前記第1の蓄電装置の入力を抑制するとともに、前記蓄電部に対する入力要求に従って前記第2の蓄電装置の入力を制御する、電池システム。
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