JP6658341B2 - 電池システム - Google Patents

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Description

この発明は、電池システムに関し、特に、ニッケル水素電池を備える電池システムに関する。
特開2007−333447号公報(特許文献1)は、二次電池(たとえば、ニッケル水素電池)を備える電池システムを開示する。この電池システムにおいては、メモリ効果の影響を考慮して二次電池の開放電圧(OCV:Open Circuit Voltage)が補正され、補正後の開放電圧を用いることによって、二次電池の充電状態(State Of Charge)を示すSOC値(二次電池の満充電容量に対する残存容量を0〜100%で表わした値である。)が推定される。この電池システムによれば、開放電圧に与えるメモリ効果の影響が考慮されるため、SOC値の推定精度を向上することができる(特許文献1参照)。
特開2007−333447号公報
ニッケル水素電池では、SOC値の推定方法として、電池の電流積算値を用いる方式(以下、「電流積算方式」とも称する。)も採用される。電流積算方式は、電池の入出力電流の積算値を電池の満充電容量で除することによって積算開始時からのSOC値の変化量を求め、その求められた変化量をSOC値の初期値(積算開始時の値)に加算することによってSOC値を推定するものである。このように、電流積算方式においては、SOC値の推定のために電池の満充電容量が用いられる。
一方、ニッケル水素電池の正極内にNiHが生成されると、電池の満充電容量が低下する可能性がある。電池の満充電容量の低下が考慮されないと、電流積算方式によるSOC値の推定精度が低下する。
この発明は、このような問題を解決するためになされたものであって、その目的は、ニッケル水素電池の正極内にNiHが生成されることによるSOC値の推定誤差を抑制可能な電池システムを提供することである。
この発明のある局面に従う電池システムは、ニッケル水素電池と、制御装置とを備える。制御装置は、メモリを含み、ニッケル水素電池の電流積算値を用いてSOC値を推定する。メモリは、ニッケル水素電池の電圧及び温度と、ニッケル水素電池の正極内に生成されるNiHに起因するニッケル水素電池の満充電容量の低下量との関係を示すデータを記憶する。制御装置は、ニッケル水素電池の電圧及び温度並びに上記データから導かれる満充電容量の低下量を用いることにより、ニッケル水素電池の満充電容量を修正する。そして、制御装置は、修正された満充電容量とニッケル水素電池の電流積算値とを用いてニッケル水素電池のSOC値を推定する。
この電池システムにおいては、ニッケル水素電池の電圧及び温度と、正極内に生成されるNiHに起因するニッケル水素電池の満充電容量の低下量との関係が着目されている。そして、正極内に生成されるNiHに起因するニッケル水素電池の満充電容量の低下が考慮された上で、SOC値が推定される。したがって、この電池システムによれば、ニッケル水素電池の正極内にNiHが生成されることによるSOC値の推定誤差を抑制することができる。
この発明によれば、ニッケル水素電池の正極内にNiHが生成されることによるSOC値の推定誤差を抑制可能な電池システムを提供することができる。
電池システムが搭載される車両の構成を概略的に示す図である。 正極内におけるNiHの存在比率と満充電容量との関係に関する実験結果の一例を示す図である。 第1の実験における処理手順を示すフローチャートである。 意図的にニッケル水素電池にNiHを多く生成させた正極のX線回折法による分析結果(回折パターン)の一例を示す図である。 第1の実験によって求められた、試料内のNiHの割合とX線回折法におけるピーク面積比との関係の一例を示す図である。 第2の実験における処理手順を示すフローチャートである。 第2の実験によって得られた結果がまとめられたマップの一例を示す図である。 ニッケル水素電池の満充電容量を修正する処理の手順を示すフローチャートである。 SOC値を推定する処理の手順を示すフローチャートである。
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
(電池システムの構成)
図1は、本実施の形態に従う電池システム2が搭載される車両1の構成を概略的に示す図である。以下では、車両1がハイブリッド車両である場合について説明するが、本実施の形態による電池システム2は、ハイブリッド車両に搭載されるものに限定されず、ニッケル水素電池を搭載した車両全般、さらには車両以外の用途にも適用可能である。
図1を参照して、車両1は、電池システム2と、パワーコントロールユニット(PCU:Power Control Unit)30と、モータジェネレータ(MG:Motor Generator)41,42と、エンジン50と、動力分割機構60と、駆動軸70と、駆動輪80とを備える。電池システム2は、組電池10と、監視ユニット20と、電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)100とを備える。
エンジン50は、空気と燃料との混合気を燃焼させたときに生じる燃焼エネルギによって、クランクシャフトを回転させる駆動力を発生する。MG41,42は、発電機としても電動機としても機能する。
MG41は、主として、動力分割機構60を通じて伝達されるエンジン50の出力の一部を用いて発電する発電機として動作する。MG41が発電した電力は、PCU30を通じてMG42又は組電池10に供給される。
MG42は、組電池10からの電力及びMG41の発電電力の少なくとも一方によって駆動される。MG42の駆動力は、駆動軸70に伝達される。また、車両1の制動時には、MG42は、駆動輪80の回転力により駆動されることによって発電機として動作する。MG41,42の発電電力は、PCU30を通じて組電池10に充電される。
組電池10は、MG41,42を駆動するための電力を蓄える。組電池10は、直列に接続された複数のニッケル水素単電池(単セル)を含む。監視ユニット20は、電圧センサ21と、電流センサ22と、温度センサ23とを含む。電圧センサ21は、各ニッケル水素単電池の端子間電圧(以下「セル電圧」とも称する。)を検出する。電流センサ22は、組電池10の充放電電流(以下「電池電流」とも称する。)を検出する。温度センサ23は、各ニッケル水素単電池の温度(以下「セル温度」とも称する。)を検出する。各センサは、検出結果を示す信号をECU100に出力する。なお、電流センサ22の出力は、組電池10の充電時には負値を示し、組電池10の放電時には正値を示す。
PCU30は、ECU100からのスイッチング指令に従って、組電池10とMG41,42との間で双方向の電力変換を実行するように構成される。PCU30は、MG41,42の状態をそれぞれ別々に制御可能に構成されており、たとえば、MG41を回生(発電)状態にしつつ、MG42を力行状態にすることができる。
ECU100は、CPU(Central Processing Unit)と、入出力インターフェイスと(いずれも図示せず)、メモリ105とを含んで構成される。ECU100は、各センサからの信号及びメモリ105に記憶された情報に基づいてエンジン50及びPCU30を制御することによって、組電池10の充放電を制御する。
ECU100は、組電池10の充放電制御を的確に行なうために、組電池10のSOC値を上述の電流積算方式によって推定する。すなわち、ECU100は、組電池10の電流積算値及び満充電容量を用いることによってSOC値を推定する。このように、電流積算方式においては、SOC値の推定のために満充電容量が用いられる。
(SOC値推定誤差の抑制)
組電池10の正極内にNiHが生成されると、組電池10の満充電容量が低下する。
図2は、正極内におけるNiHの存在比率と満充電容量との関係に関する実験結果の一例を示す図である。図2を参照して、横軸は正極内におけるNiHの存在比率を示し、縦軸は満充電容量を示す。この実験結果から、NiHの存在比率が高まると満充電容量が低下することが分かる。
上述のように、本実施の形態に従う電池システム2においては、SOC値の推定のために満充電容量が用いられる。したがって、NiHの生成に起因して満充電容量が低下しているにも拘わらずそれが考慮されないと、SOC値の推定精度が低下する。その結果、SOC値を用いた各種制御に弊害が生じ得る。
今回、本発明者らは、組電池10の充電条件(たとえば、電圧や温度)によって、正極におけるNiHの生成量が変化し、満充電容量の低下量及びSOC値の推定に影響が生じることを見出した。
そこで、本実施の形態に従う電池システム2においては、以下の構成が採用される。メモリ105は、組電池10の電圧及び温度と、正極内に生成されるNiHに起因する満充電容量の低下量との関係を示すマップ(データ)を記憶する。ECU100は、組電池10の電圧及び温度並びに上記マップから導かれる満充電容量の低下量を用いることにより満充電容量を修正する。そして、ECU100は、修正された満充電容量と組電池10の電流積算値とを用いてSOC値を推定する。
このように、この電池システム2においては、NiHに起因する満充電容量の低下が考慮された上で、SOC値が推定される。したがって、この電池システム2によれば、組電池10の正極内にNiHが生成されることによるSOC値の推定誤差を抑制することができる。
上述のマップは、複数の実験を通じて予め作成される。以下に、マップの作成方法についてまず説明し、その後、SOC値の推定のための具体的な処理手順について説明する。
(マップ作成)
マップ作成のための実験は、たとえば次の順に行なわれる。まず、正極内のNiHの混入量と、X線回折法を用いて正極を分析した場合のピーク面積比との関係を調べるための実験(以下「第1の実験」とも称する。)が行なわれる。その後、耐久試験(後述)を経たニッケル水素単電池及び第1の実験の結果を用いて、耐久条件(電圧及び温度)と、正極内におけるNiHの生成量との関係を調べるための実験(以下「第2の実験」とも称する。)が行なわれる。第2の実験においては、最終的に、耐久条件(電圧及び温度)と、NiHに起因するニッケル水素単電池の満充電容量の単位時間当たりの低下量との関係を示すマップが作成される。以下、第1及び第2の実験について順に説明する。
図3は、第1の実験における処理手順を示すフローチャートである。図3を参照して、このフローチャートに示される処理は、実験者により行なわれる。
実験者は、新品の電極(正極)粉末に所定量(たとえば、所定量Q1)のNiH粉末を均一に混ぜ込んだ試料を作製する(ステップS100)。その後、実験者は、X線回折法により試料の分析を行なう(ステップS110)。具体的には、実験者は、予め定めた回折角度のX線のピーク面積を測定する。X線の回折角度をどのように定めるかについて次に説明する。
図4には、意図的に組電池10にNiHを多く生成させた後、X線回折法によって正極を分析した結果(回折パターン)を一例として示す。図4を参照して、横軸は回折角度(2θ)を示し、縦軸は回折強度を示す。極端にNiHを生成させた正極の完全放電時には、NiH、β−Ni(OH)、及び金属Ni(集電体)が含まれ得る。なお、完全放電されていない場合は、β−NiOOHも含まれ得る。
「◇」の位置に対応する回折角度における回折ピークは、NiHによる回折の影響を含む。「○」の位置に対応する回折角度における回折ピークは、β−Ni(OH)による回折の影響を含む。「×」の位置に対応する回折角度における回折ピークは、金属Niによる回折の影響を含む。
たとえば、回折角度D1,D2,D3、及びD4における回折ピークは、主にNiH(「◇」)による回折の影響を受け、その他の化合物による回折の影響をほとんど受けない。したがって、実験者は、D1,D2,D3、及びD4のいずれかの回折角度のX線を用いることにより、NiHに起因する回折ピークの面積を測定することができる。本実施の形態においては、たとえば、回折角度D1のX線ピークがX線回折法による分析に用いられる。また、たとえば、回折角度D1,D2,D3、及びD4の合算面積をX線回折法による分析に用いてもよい。
再び図3を参照して、ステップS110においてX線回折法による試料の分析が行なわれると、実験者は、分析結果である回折角度D1におけるピーク面積を記録する(ステップS120)。以上のように、ステップS100〜S120の処理を通じて、所定量(たとえば、所定量Q1)のNiHが試料内に混入している場合の、回折角度D1におけるピーク面積が求められる。
次に、NiHと同様、Ni(OH)に帰属される回折ピーク(たとえば、図4に示したD’1,D’2)に着目して、NiHが所定量(Q1)混入されたときのD’1面積を算出する。
第1の実験においては、試料内に混入するNiHの量を変更して(たとえば、所定量Q2,Q3等)、ステップS100〜S120の処理が複数回行なわれる。その結果、試料内のNiHの割合(NiH量/(Ni(OH)量+NiH量))と、回折角度D1におけるピーク面積比(D1/(D1+D’1))との関係を求めることができる。
図5は、第1の実験を通じて求められた、試料内のNiHの割合と、X線回折法におけるピーク面積比との関係の一例を示す図である。図5を参照して、横軸は試料内のNiHの割合(NiH量/(Ni(OH)量+NiH量))を示し、縦軸はX線回折法におけるピーク面積比(D1/(D1+D’1))を示す。
試料内に所定量Q1,Q2,Q3のNiHを混入させた場合には、回折角度D1におけるピーク面積比がそれぞれS1,S2,S3となった。以上の実験結果から、試料内のNiHの割合と回折角度D1におけるピーク面積比との関係として、たとえば、図5に示される関係を求めることができる。試料内のNiHの割合と回折角度D1におけるピーク面積比との関係を求めることにより、第1の実験は終了する。なお、ここではピーク面積に基づいて図5の関係を規定したが、たとえば、ピーク強度に基づいて図5の関係を規定してもよい。
図6は、第2の実験における処理手順を示すフローチャートである。図6を参照して、このフローチャートに示される処理は、実験者により行なわれる。
実験者は、耐久条件(電圧及び温度)を設定した上で、新品の組電池10内の単セルについて耐久試験を行なう(ステップS200)。たとえば、この耐久試験において、単セルは、恒温槽内に設けられた充電システムに設置される。恒温槽内の温度は、実験者により設定された温度に維持される。そして、一定電圧による単セルの充電が行なわれる。この一定電圧のうち、金属抵抗により上昇する電圧は、単セルの正極内におけるNiHの生成に寄与しないと考えられる。
耐久試験は、たとえば、単セルのSOC値が所定範囲内(たとえば、50%〜80%)に収まるように、所定時間の充電と所定時間の放電とを繰り返すことにより行なわれる。所定範囲は、たとえば、電池システム2においてSOC値が制御される制御範囲である。なお、耐久試験は、たとえば、全体として数日〜数ヵ月かけて行なわれる。
耐久試験において、SOC値が所定範囲内に収まるように充放電が繰り返される理由について次に説明する。たとえば、SOC値が所定範囲の上限を超えると、過充電によって、正極内において一部のβ−NiOOHがγ−NiOOHに変化する可能性がある。正極内にγ−NiOOHが生成されると、単セルの満充電容量が増加する。この場合には、耐久試験後の単セルを分析しても、正極内のNiHに起因する満充電容量の低下量を正しく見積もることが困難となる。したがって、本実施の形態の耐久試験においては、NiHに起因する満充電容量の単位時間当たりの低下量を正確に調べるために、SOC値が所定範囲内に収まるように充放電が繰り返される。
実験者は、耐久試験後の単セルの満充電容量を測定する(ステップS210)。たとえば、実験者は、単セルを満充電状態とし、その後、セルの電圧が放電終止電圧となるまでセルを放電させ、放電時の電流値を積算することにより満充電容量を測定する。また、後述のように、耐久試験後の単セルから電極(正極)を解体して取り出し、正極単体の電極容量を測定してもよい。
その後、実験者は、新品のセルの満充電容量(たとえば、公称容量)から、ステップS210において測定された満充電容量を減算することにより、満充電容量の低下量を算出する(ステップS220)。
満充電容量の低下量を確認後、実験者は、セルを解体して正極を取り出し、X線回折法による分析を行なう(ステップS230)。その後、実験者は、電極内のNiHの割合とX線回折法におけるピーク面積比との関係(第1の実験において導出(図5))と、分析結果であるピーク面積比とを用いることによって、NiHの生成比を算出する(ステップS240)。たとえば、ピーク面積比がS10である場合には、NiHの生成比はQ10と推定される(図5)。
実験者は、満充電容量の低下量がNiHの生成に起因することの整合を確認した後、単位時間当たりの満充電容量の低下量を算出する(ステップS250)。具体的には、実験者は、ステップS220において算出された満充電容量の低下量を耐久試験における総充電時間で除算する。これにより、NiHに起因するニッケル水素単電池の満充電容量の単位充電時間当たりの低下量を算出することができる。なお、耐久試験の時間ではなく、耐久試験における総充電時間で除算が行なわれる理由は、NiHは組電池10にある程度の電圧が印加されなければ生成されず、放電時には生成されにくいものと考えられるからである。本実施の形態において、単位時間は、たとえば1秒である。
その後、実験者は、ステップS250において算出された単位時間当たりの満充電容量の低下量を、設定された耐久条件(電圧及び温度)における結果として記録する(ステップS260)。以上のように、ステップS200〜S260の処理を通じて、設定された耐久条件における、NiHに起因するニッケル水素単電池の満充電容量の単位時間当たりの低下量が求められる。
第2の実験においては、耐久条件を変更して、ステップS200〜S260の処理が複数回行なわれる。その結果、組電池10の電圧及び温度と、NiHに起因するニッケル水素単電池の満充電容量の単位時間当たりの低下量との関係を求めることができる。これにより、第2の実験は終了する。
図7は、第2の実験を通じて得られた結果がまとめられたマップの一例を示す図である。図7を参照して、横軸は耐久条件の温度を示し、縦軸は耐久条件の電圧を示す。
マップ200においては、セル温度(T0,T1,T2・・・)とセル電圧(V0,V1,V2・・・)との組み合わせごとに、NiHに起因するニッケル水素単電池の満充電容量の単位時間当たりの低下量(W00,W01,W10・・・)が対応付けられている。なお、電圧(V0,V1,V2・・・)は、セル電圧から金属抵抗に由来する電圧上昇分が除かれた値である。満充電容量の単位時間当たりの低下量(W00,W01,W10・・・)は、第2の実験を通じて得られた結果である。本実施の形態に従う電池システム2においては、第1及び第2の実験を通じてマップ200が予め作成され、作成されたマップ200はメモリ105に記憶される。
以下、NiHに起因する低下量を考慮した満充電容量の修正処理手順、及び、修正された満充電容量を用いたSOC値の推定処理手順について順に説明する。
(満充電容量の修正処理)
図8は、組電池10の満充電容量の修正処理手順を示すフローチャートである。図8を参照して、このフローチャートに示される処理は、上記単位時間を1サイクルとしてECU100により繰り返し実行される。本実施の形態において、ECU100は、各ニッケル水素単電池について満充電容量の修正処理を1サイクルで行なうが、ここでは説明を容易にするために1つのニッケル水素単電池に着目して満充電容量の修正処理手順を説明する。なお、1サイクル前に算出された各ニッケル水素単電池の満充電容量は、メモリ105に記憶されている。
ECU100は、電圧センサ21、温度センサ23、及び電流センサ22から、演算対象のセルの電圧及び温度、並びに電池電流を示す信号をそれぞれ取得する(ステップS300)。ECU100は、取得されたセル電圧から金属抵抗による電圧上昇分を減算した電圧を算出する。なお、電圧上昇分の電圧は、予め認識されている金属抵抗と電池電流とに基づいて算出される。その後、ECU100は、メモリ105に記憶されたマップ200を参照して、上記で算出された電圧及びセル温度に対応する、NiHに起因するニッケル水素単電池の満充電容量の単位時間当たりの低下量を示す情報を取得する(ステップS310)。
ECU100は、演算対象のセルについて、メモリ105に記憶された1サイクル前の満充電容量から、ステップS310において算出された満充電容量の低下量を減算することにより、現在の満充電容量を算出する(ステップS320)。なお、ECU100は、算出された現在の満充電容量をメモリ105に記憶させる。これにより、メモリ105に記憶される現在の満充電容量が最新の状態に更新される。
(SOC値の推定処理)
図9は、電池システム2におけるSOC値の推定処理手順を示すフローチャートである。図9を参照して、このフローチャートに示される処理は、所定のサイクルでECU100により繰り返し実行される。本実施の形態において、ECU100は、各ニッケル水素単電池についてSOC値の推定処理を1サイクル内で行なうが、ここでは説明を容易にするために1つのニッケル水素単電池に着目してSOC値の推定処理手順を説明する。なお、1サイクル前に推定された各ニッケル水素単電池のSOC値は、メモリ105に記憶されている。
ECU100は、電流センサ22から電池電流を示す信号を取得することによって、1サイクル前からの電流積算値を算出する(ステップS400)。ECU100は、メモリ105に記憶されている修正後の満充電容量(図8のステップS320において算出)を取得する(ステップS410)。その後、ECU100は、SOC値の変動量ΔSOCを算出する(ステップS420)。具体的には、ECU100は、ステップS400において算出された電流積算値を修正後の満充電容量で除算することにより、ΔSOCを算出する。
ECU100は、ΔSOCを用いて演算対象のセルのSOC値を推定する(ステップS430)。具体的には、ECU100は、演算対象のセルについて、メモリ105に記憶されている1サイクル前のSOC値にΔSOCを加算することによりSOC値を推定する。
以上のように、本実施の形態に従う電池システム2において、ECU100は、ニッケル水素単電池の電圧及び温度並びにマップ200から導かれる満充電容量の低下量を用いることにより、ニッケル水素単電池の満充電容量を修正する。そして、ECU100は、修正された満充電容量と電流積算値とを用いてニッケル水素単電池のSOC値を推定する。したがって、この電池システム2によれば、SOC値を推定するにあたりNiHに起因する満充電容量の低下量が考慮されるため、正極内にNiHが生成されることによるSOC値の推定誤差を抑制することができる。
[他の実施の形態]
以上のように、この発明の実施の形態を説明した。しかしながら、この発明は必ずしもこの実施の形態に限定されない。ここでは、他の実施の形態の一例について説明する。
上記の実施の形態においては、ニッケル水素単電池の電圧及び温度と、NiHに起因するニッケル水素単電池の満充電容量の単位時間当たりの低下量との関係がマップ200としてメモリ105に記憶された。しかしながら、上記関係は必ずしもマップ200としてメモリ105に記憶される必要はない。たとえば、第1及び第2の実験を通じて得られた結果を関係式として表し、その関係式(データ)をメモリ105に記憶するようにしてもよい。この場合には、この関係式を用いることにより、ニッケル水素単電池の満充電容量の単位時間当たりの低下量が求められる。
また、上記の実施の形態においては、SOC値が電流積算方式のみを用いて推定された。しかしながら、SOC値は必ずしも電流積算方式のみから推定される必要はない。たとえば、ニッケル水素単電池の電圧からSOC値を推定する方式と、電流積算方式とを組み合わせることによりSOC値を推定するようにしてもよい。
また、上記の実施の形態においては、マップ200は、NiHに起因する満充電容量の単位時間当たりの低下量を保持することとした。しかしながら、マップ200が保持する対象はこれに限定されない。たとえば、マップ200は、耐久条件毎のNiHの単位時間当たりの生成量を保持することとしてもよい。
この場合には、メモリ105は、さらに、NiHの単位時間当たりの生成量を満充電容量の単位時間当たりの低下量に変換するための変換テーブルを記憶する必要がある。そして、ECU100は、マップ200を用いてNiHの単位時間当たりの生成量を推定した後に、変換テーブルを用いて満充電容量の単位時間当たりの低下量を求める必要がある。ただし、必ずしも、マップ200を用いて推定されたNiHの単位時間当たりの生成量を、都度変換テーブルを用いて満充電容量の単位時間当たりの低下量に変換する必要はない。たとえば、NiHの単位時間当たりの生成量を積算しておき、SOC値を推定するタイミングで、積算されたNiHの生成量を満充電容量の低下量に変換するようにしてもよい。
また、上記の実施の形態においては、ニッケル水素単電池の満充電容量の単位時間の低下量が取得される毎に、満充電容量が修正されることとした(図8)。しかしながら、満充電容量の修正タイミングはこれに限定されない。たとえば、SOC値の推定タイミングが到来するまでは満充電容量の単位時間当たりの低下量の積算のみが行なわれ、SOC値を推定するタイミングで、新品時の満充電容量から上記積算された低下量が減算されるような構成としてもよい。
また、上記の実施の形態においては、ニッケル水素単電池の正極内のNiHの生成量がX線回折法を用いて分析された。しかしながら、NiHの生成量の分析方法はこれに限定されない。たとえば、熱分析(DTA−TG(Differential Thermal Analysis-Thermo Gravimetric))測定を用いてもよいし、XAFS(X-ray Absorption Fine Structure)測定を用いてもよい(Niの平均価数変化に着目する。)。
また、上記の実施の形態においては、ニッケル水素単電池毎に電圧(セル電圧)及び温度(セル温度)が監視された。しかしながら、電圧及び温度の監視単位は、これに限定されない。たとえば、複数のニッケル水素単電池を1つの監視単位としてもよい。この場合には、たとえば、マップ200が監視単位(複数セル)における満充電容量の単位時間当たりの低下量を保持することとしてもよいし、さらには監視単位(複数セル)毎にSOC値が推定されることとしてもよい。
また、上記の実施の形態においては、ニッケル水素単電池(単セル)を用いることによって、第2の実験における耐久試験が行なわれた。しかしながら、耐久試験を行なう単位は、単セルに限定されない。たとえば、組電池10(電池パック)に対して耐久試験を行なうこととしてもよいし、複数のニッケル水素単電池を1つの単位として耐久試験を行なうこととしてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 車両、2 電池システム、10 組電池、20 監視ユニット、21 電圧センサ、22 電流センサ、23 温度センサ、30 PCU、41,42 MG、50 エンジン、60 動力分割機構、70 駆動軸、80 駆動輪、100 ECU、105 メモリ、200 マップ。

Claims (1)

  1. ニッケル水素電池と、
    メモリを含み、前記ニッケル水素電池の電流積算値を用いてSOC値を推定する制御装置とを備え、
    前記メモリは、前記ニッケル水素電池の電圧及び温度と、前記ニッケル水素電池の正極内に生成されるNiHに起因する前記ニッケル水素電池の満充電容量の低下量との関係を示すデータを記憶し、
    前記制御装置は、
    前記ニッケル水素電池の電圧及び温度並びに前記データから導かれる前記低下量を用いることにより前記満充電容量を修正し、
    修正された前記満充電容量と前記電流積算値とを用いて前記SOC値を推定する、電池システム。
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