JP6698090B2 - 露出した咬合面を提供する歯科装具 - Google Patents

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Description

本開示は歯科矯正に関し、より具体的には歯科矯正診断及び治療を支援するためのコンピュータベースの方法に関する。
歯科矯正の分野は、患者の歯を整復し機能及び審美的外観を向上することに関係する。例えば、歯科矯正治療は、患者の前歯、犬歯、及び小臼歯に固着される、ブラケットとして知られる非常に小さい溝付き装具の使用を伴う場合が多い。各ブラケットの溝に受容されるアーチワイヤが、望ましい向きに歯群の動きを案内するための軌道として機能する。アーチワイヤの端部は、通常、患者の大臼歯に固着される、バッカルチューブとして知られる装具に受け入れられる。アーチワイヤ及び装具は一般に「ブレース」と呼ばれる。歯科矯正治療は、また、透明プラスチックの歯位置決めトレイ又は他の機能的な装具の使用によって実施してもよい。
従来、歯科矯正行為は、特定の患者に合った適正な装置の選択、口腔内への装置の配置、及び治療全体を通じた装置の調節などの手で行われる工程に頼っていた。より最近では、技術の進歩に伴い、これらの工程の一部はコンピュータの使用によって支援されるようになりつつある。例えば、コンピュータを使用して個々の患者の歯群の配置を表すデータの取得を案内することができる。次いで、このようなデータを使用して患者の歯列を可視化し、治療の任意の段階において、診断するとともに、歯科矯正治療の策定を支援することができる。更に、これらのデータは、患者に合わせてカスタマイズされたブラケットなどの装具の製造に使用することができる。
本開示は、歯科アライメント矯正及び/又はメンテナンス用の取り外し可能な歯科装具、並びに取り外し可能な歯科装具を設計、製造、及び使用するためのデバイス、システム、及び技術に関する。いくつかの例では、取り外し可能な歯科装具は、患者によって装着されたときに、患者の歯の実質的に露出した咬合面を提供する。実質的に露出した咬合面を提供する取り外し可能な歯科装具は、患者の歯を実質的に塞ぐ取り外し可能な歯科装具と比較して、患者の快適性の向上、歯科装具の視認性の低下、歯間における空気及び唾液の流れの増加による歯石(tarter)の成長の低下、並びに歯科装具を取り外す必要なく患者がある程度飲食することができることなどのいくつかの利点を提供してもよい。
一例では、本開示は、コンピュータシステムによって、患者の3次元(3D)歯構造のデジタル表現を受け取ることであって、歯構造は、患者の1つ又は複数の歯の初期位置を提供する、ことと、コンピュータシステムによって、患者の取り外し可能な歯科装具の寸法及び形状を決定することであって、取り外し可能な歯科装具の寸法及び形状は、取り外し可能な歯科装具が患者によって装着されたときに患者の1つ又は複数の歯をそれらの初期位置から調整後の位置へと整復するように構成されている、ことと、コンピュータシステムによって、取り外し可能な歯科装具の表現をコンピュータ支援製造システムに送信することと、を含む方法に関する。取り外し可能な歯科装具は、患者の2つ又はそれより多くの歯を取り囲むように構成された装具本体を備える。装具本体は、取り囲まれた歯の顔面側と位置合わせするように構成されている顔側部と、取り囲まれた歯の舌側と位置合わせするように構成されている舌側部と、を含む。装具本体は、取り外し可能な歯科装具が患者によって装着されたときに、患者の取り囲まれた歯の咬合面を露出させるように構成されている。
加えて、本開示は、更に、実行されたときにこのような方法を実行するようにプロセッサを設定するコンピュータシステム実行可能命令を格納したコンピュータ可読ストレージ媒体に関する。
更なる例では、本開示は、コンピュータ実行可能命令を格納するコンピュータ可読ストレージ媒体に関する。このコンピュータ実行可能命令は、実行されたときに患者の3次元(3D)歯構造のデジタル表現を受け取るようにプロセッサを設定し、歯構造は、患者の1つ又は複数の歯の初期位置を提供し、患者の取り外し可能な歯科装具の寸法及び形状を決定し、取り外し可能な歯科装具の寸法及び形状は、取り外し可能な歯科装具が患者によって装着されたときに患者の1つ又は複数の歯をそれらの初期位置から調整後の位置へと整復するように構成されており、取り外し可能な歯科装具の表現をコンピュータ支援製造システムに送信する。取り外し可能な歯科装具は、患者の2つ又はそれより多くの歯を取り囲むように構成された装具本体を備える。装具本体は、取り囲まれた歯の顔面側と位置合わせするように構成されている顔側部と、取り囲まれた歯の舌側と位置合わせするように構成されている舌側部と、を含む。装具本体は、取り外し可能な歯科装具が患者によって装着されたときに、患者の取り囲まれた歯の咬合面を露出させるように構成されている。
別の例では、本開示は、患者の3次元(3D)歯構造(歯構造は、患者の1つ又は複数の歯の初期位置を提供する)のデジタル表現を保存する1つ又は複数のデータベースを備えているコンピュータシステムと、1つ又は複数のプロセッサとに関する。1つ又は複数のプロセッサは、3D歯構造のデジタル表現にアクセスし、患者の取り外し可能な歯科装具の寸法及び形状を決定し、取り外し可能な歯科装具の寸法及び形状は、取り外し可能な歯科装具が患者によって装着されたときに、患者の1つ又は複数の歯をそれらの初期位置から調整後の将来の位置に整復するように構成されており、取り外し可能な歯科装具の表現をコンピュータ支援製造システムに送信するように構成されている。取り外し可能な歯科装具は、患者の2つ又はそれより多くの歯を取り囲むように構成された装具本体を備える。装具本体は、取り囲まれた歯の顔面側と位置合わせするように構成されている顔側部と、取り囲まれた歯の舌側と位置合わせするように構成されている舌側部と、を含む。装具本体は、取り外し可能な歯科装具が患者によって装着されたときに、患者の取り囲まれた歯の咬合面を露出させるように構成されている。
更なる例では、本開示は、患者の1つ又は複数の歯を整復するように構成された取り外し可能な歯科装具に関する。取り外し可能な歯科装具は、患者の2つ又はそれより多くの歯を取り囲むように構成されているアクティブバンドを形成している装具本体を含む備えている(includes comprising)。装具本体は、取り囲まれた歯の顔面側と位置合わせするように構成されている顔側部と、取り囲まれた歯の舌側と位置合わせするように構成されている舌側部と、を含む。装具本体の顔側部と装具本体の舌側部とは受け部を形成している。それぞれの受け部は、取り囲まれた歯のうちの少なくとも1つを受け入れるように構成されている。受け部は、少なくとも装具本体の前方部分に沿って顔側部を舌側部から分離している。アクティブバンドは、取り囲まれた歯が装具本体のアクティブバンド内に配置された状態で、取り外し可能な歯科装具が患者によって装着されたときに、患者の取り囲まれた歯の咬合面を露出させるように構成されている。
別の例では、本開示は、患者の1つ又は複数の歯を整復するように構成された、順序付けられた取り外し可能な歯科装具のセットを含むシステムに関する。取り外し可能な歯科装具のセット内のそれぞれの取り外し可能な歯科装具は、患者の2つ又はそれより多くの歯を取り囲むように構成されたアクティブバンドを形成している装具本体を含む。装具本体は、取り囲まれた歯の顔面側と位置合わせするように構成されている顔側部と、取り囲まれた歯の舌側と位置合わせするように構成されている舌側部と、を含む。装具本体の顔側部と装具本体の舌側部とは受け部を形成している。それぞれの受け部は、取り囲まれた歯のうちの少なくとも1つを受け入れるように構成されている。アクティブバンドは、少なくとも装具本体の前方部分に沿って顔側部を舌側部から分離している。アクティブバンドは、取り囲まれた歯が装具本体のアクティブバンド内に配置された状態で、取り外し可能な歯科装具が患者によって装着されたときに、患者の取り囲まれた歯の咬合面を露出させるように構成されている。
本開示の1つ又は複数の実施例の詳細を添付図面及び以下の説明に示す。本開示の他の特徴、目的及び利点は、明細書及び図面、並びに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
診療所と製造施設が歯科装具製造プロセス全体を通じて情報を伝達する、例示的なコンピュータ環境を示すブロック図である。
本開示の一例による、診療所で実施されるプロセスを示すフローチャートである。
ネットワークを介して製造施設に接続されたクライアントコンピューティングデバイスの一例を示すブロック図である。
患者によって装着されたときに露出した咬合面を提供する、例示的な取り外し可能な歯科装具の図である。 患者によって装着されたときに露出した咬合面を提供する、例示的な取り外し可能な歯科装具の図である。
患者の歯の3Dデジタルモデルと組み合わせた、露出した咬合面を提供する取り外し可能な歯科装具の3Dデジタルモデルの図である。 患者の歯の3Dデジタルモデルと組み合わせた、露出した咬合面を提供する取り外し可能な歯科装具の3Dデジタルモデルの図である。
II級不正咬合の矯正を容易にする上部及び下部取り外し可能な歯科装具の3Dデジタルモデルの図である。
患者の歯の3Dデジタルモデルと組み合わせた、ポンティックを含む取り外し可能な歯科装具の3Dデジタルモデルの前方部分の図である。
患者の歯の3Dデジタルモデルと組み合わせた、舌側フィンガを含み、かつ露出した咬合面を提供する取り外し可能な歯科装具の3Dデジタルモデルの前方部分の図である。
製造施設で行われる、取り外し可能な歯科装具のセットの組み立てのプロセスを示すフロー図である。
順序付けられた取り外し可能な歯科装具のセットを用いた治療の連続的な繰り返しを示すフロー図である。
患者によって装着されたときに露出した咬合面を提供する例示的な取り外し可能な歯科装具の図であり、例示的な取り外し可能な歯科装具は、歯を取り囲むことによる固定において、口の各4分の1区内の2つの隣接する臼歯に依存する。 患者によって装着されたときに露出した咬合面を提供する例示的な取り外し可能な歯科装具の図であり、例示的な取り外し可能な歯科装具は、歯を取り囲むことによる固定において、口の各4分の1区内の2つの隣接する臼歯に依存する。
患者によって装着されたときに露出した咬合面を提供する例示的な取り外し可能な歯科装具の図であり、例示的な取り外し可能な歯科装具は、歯の舌側面及び咬合面の一部分のブレースによる固定において、口の各4分の1区内の3つの臼歯に依存する。
患者によって装着されたときに露出した咬合面を提供する例示的な取り外し可能な歯科装具の図であり、例示的な取り外し可能な歯科装具は、歯を部分的に取り囲むことによる固定において、犬歯に依存する。 患者によって装着されたときに露出した咬合面を提供する例示的な取り外し可能な歯科装具の図であり、例示的な取り外し可能な歯科装具は、歯を部分的に取り囲むことによる固定において、犬歯に依存する。
患者によって装着されたときに露出した咬合面を提供する例示的な取り外し可能な歯科装具の図であり、例示的な取り外し可能な歯科装具は、歯の舌側面及び咬合面の一部分のブレースとして金属ワイヤを使用することによる固定において、口の各4分の1区内の3つの臼歯に依存する。 患者によって装着されたときに露出した咬合面を提供する例示的な取り外し可能な歯科装具の図であり、例示的な取り外し可能な歯科装具は、歯の舌側面及び咬合面の一部分のブレースとして金属ワイヤを使用することによる固定において、口の各4分の1区内の3つの臼歯に依存する。
患者によって装着されたときに露出した咬合面を提供する例示的な取り外し可能な歯科装具の図であり、例示的な取り外し可能な歯科装具は、金属ワイヤによって形成されたアクティブバンドを含み、歯の舌側面及び咬合面の一部分のブレースとして金属ワイヤを使用することによる固定において、口の各4分の1区内の3つの臼歯に依存する。 患者によって装着されたときに露出した咬合面を提供する例示的な取り外し可能な歯科装具の図であり、例示的な取り外し可能な歯科装具は、金属ワイヤによって形成されたアクティブバンドを含み、歯の舌側面及び咬合面の一部分のブレースとして金属ワイヤを使用することによる固定において、口の各4分の1区内の3つの臼歯に依存する。
図1は、診療所44と製造施設48が、患者42用の取り外し可能な歯科装具52のセットの製造プロセス全体を通じて情報を伝達する、例示的なコンピュータ環境40を示すブロック図である。まず、診療所44の歯科矯正医が任意の適切な画像化技術を使用して患者42の歯科構造の1つ又は複数の画像を生成し、デジタル歯科構造データ46(例えば、患者42の歯構造のデジタル表現)を生成する。例えば、医師は、デジタル走査され得るX線画像を生成してもよい。あるいは、医師は、患者の歯構造のデジタル画像を、例えば、従来のコンピュータ断層撮影(computed tomography、CT)、レーザ走査、口腔内走査、歯科印象のCTスキャン、印象から注入された歯科用模型の走査、超音波計測、磁気共鳴イメージング(magnetic resonance imaging、MRI)、又は3Dデータ取得の任意の他の適切な方法を使用して取り込んでもよい。他の実施形態では、デジタル画像は、Brontes Technologies,Inc.(Lexington、MA)によって開発され、参照により本明細書中に組み込まれる国際公開第2007/084727号(Boerjesら)に記載されているアクティブ波面サンプリング(active wavefront sampling)を用いる口腔内スキャナなどの手持式口腔内スキャナを使用して提供してもよい。また、他の口腔内スキャナ又は口腔内接触プローブを使用することもできる。別の選択肢として、患者の歯の陰印象を走査することによってデジタル構造データ48を提供してもよい。更に別の選択肢として、患者の歯の陽の物理的モデルを画像化することにより、又は患者の歯のモデルに対し接触プローブを使用することにより、デジタル構造データ48を提供してもよい。走査に使用されるモデルは、例えば、アルギネート又はポリビニルシロキサン(PVS)などの好適な歯科印象材から、患者の歯列の印象をキャスティングし、キャスティング材料(例えば、歯科矯正石膏又はエポキシ樹脂)を歯科印象材に注ぎ、キャスティング材料を硬化させることによって作製され得る。上記のものを含む任意の好適な走査技法を用いてモデルを走査してもよい。他の可能な走査方法は、参照により本明細書中に組み込まれる米国特許出願公開第2007/0031791号(Cinaderら)に記載されている。
歯の露出面を走査してデジタル画像を提供することに加え、歯列の隠れた特徴部、例えば、患者の歯根、及び患者の顎骨を画像化することが可能である。いくつかの実施形態では、デジタル歯構造データは、これら特徴部のいくつかの3D画像を用意し、続いて、それらをともに「縫い合わせる」ことによって形成される。これらの異なる画像は、同じ画像化技術を使用して提供される必要はない。例えば、CTスキャンで提供される歯根のデジタル画像が、口内可視光線スキャナで提供される歯冠のデジタル画像と一体化されてもよい。2D歯科画像の3D歯科画像とのスケーリング及びレジストレーションについては、参照により本明細書中に組み込まれる米国特許第6,845,175号(Kopelmanら)及び同じく参照により本明細書中に組み込まれる米国特許出願公開第2004/0029068号(Baduraら)に記載されている。参照により本明細書中に組み込まれる発行済みの米国特許第7,027,642号(Imgrundら)及び同じく参照により本明細書中に組み込まれる米国特許第7,234,937号(Sachdevaら)は、種々の3D源から提供されたデジタル画像を一体化する技術の使用について記載している。したがって、用語「画像化」は、これが本明細書において使用される際、視覚的に明らかな構造の、通常の写真画像化に限定されず、視界から隠れた歯牙構造の画像化をも含む。歯科構造としては、歯列弓の1つ又は複数の歯の歯冠及び/若しくは歯根、歯肉、歯周靭帯、歯槽骨、皮質骨、インプラント、人工歯冠、ブリッジ、ベニア、義歯、歯科矯正装具、又は治療前、治療中若しくは治療後に歯列の一部とみなされ得る任意の構造物の任意の一部分が挙げられ得るが、これらに限定されない。
デジタル歯構造データ46を生成するために、コンピュータは、画像化システムからの未加工データを、使用可能なデジタルモデルに変換しなければならない。例えば、コンピュータが受け取る歯の形状を示す未加工データにおいて、未加工データは、多くの場合、3D空間内の点群にすぎない。通常、この点群を表面に構成し、1つ又は複数の歯、歯肉組織及び他の周囲口腔構造を含む患者の歯列の3Dオブジェクトモデルを作成する。このデータが歯科矯正診断及び治療において有用となるために、コンピュータは歯列表面を「セグメント化」し、個々の歯を表す1つ又は複数の個別の移動可能な3D歯オブジェクトモデルを生成してもよい。コンピュータはこれら歯モデルを歯肉から別個のオブジェクトへと更に分離してもよい。
セグメント化によって、使用者は、歯群の配列を一群の個々のオブジェクトとして特性評価し、操作することが可能となる。有利には、コンピュータはこれらモデルから、歯列弓周長、噛み合わせなどの診断情報、及び更にはAmerican Board of Orthodontics(ABO)の客観的評価を得てもよい。更なる利点として、デジタル歯科矯正セットアップは製造プロセスに柔軟性を与えてもよい。物理的プロセスをデジタルプロセスで置き換えることによって、データ取得工程とデータ操作工程とを、歯型又は印象をある場所から別の場所へ輸送する必要なく、別々の場所で実行することが可能である。物理的物体をあちこちに輸送する必要を低減又はなくすことにより、顧客及びカスタマイズされた装置の製造者の両者にとって大幅なコストの節減につながりうる。
デジタル歯科構造データ46の生成後、診療所44はデジタル歯科構造データ46をデータベースの患者記録内に保存してもよい。診療所44は、例えば、複数の患者記録を有するローカルデータベースを更新してもよい。あるいは、診療所44はネットワーク50を通じて中央データベース(任意選択的に製造施設48内の)を遠隔的に更新してもよい。デジタル歯構造データ46を保存後、診療所44はデジタル歯科構造データ46を製造施設48に電子的に伝達する。あるいは、製造施設48はデジタル歯科構造データ46を中央データベースから取り出してもよい。
診療所44は、また、医師の診断と患者42の治療計画とに関する全般的な情報を伝える処方データ47を製造施設48に転送してもよい。いくつかの例では、処方データ47はより具体的であってもよい。例えば、デジタル歯科構造データ46は患者42の歯科構造のデジタル表現であってもよく、診療所44の医師は、このデジタル表現を精査し、デジタル歯科構造データ46を製造施設48に転送するのに先だって、取り外し可能な歯科装具52のセットによる治療後の患者42の個々の歯の所望の移動量、間隔又は最終位置を示してもよい。製造施設48はオフサイトに位置していても、診療所44に位置していてもよい。
例えば、臨床的環境において、治療計画及びデジタル設計を、ローカルにインストールされたソフトウェアを使用することで臨床医又は助手が完全に実施できるように、それぞれの診療所44は製造施設48のための独自の設備を含んでもよい。製造は3Dプリンタの使用によって(又は付加製造の他の方法によって)診療所内でも行ってよい。3Dプリンタは、歯科装具の複雑な特徴又は患者42の歯科構造の物理的表現の製造を付加印刷によって可能にする。3Dプリンタは、患者42の本来の歯科構造及び患者42の所望の歯科構造の繰り返しデジタル設計を使用し、患者42の所望の歯科構造を作成するようにカスタマイズされた複数のデジタル装具及び/又はデジタル装具パターンを作成してもよい。製造には、未硬化樹脂を除去し、支持構造を除去する、又は種々の部品を組み立てる後処理を含んでもよく、後処理は、また、臨床的環境において必要な場合があるとともに、また、行われ得る。
製造施設48では、患者42の歯を整復するために、患者42のデジタル歯科構造データ46を用いて取り外し可能な歯科装具52のセットを組み立てる。その後しばらく経って、製造施設48は取り外し可能な歯科装具52のセットを診療所44に、又はあるいは、患者42に直接送る。例えば、取り外し可能な歯科装具52のセットは、順序付けられた取り外し可能な歯科装具のセットであってもよい。患者42は、その後、患者42の歯を整復するために、取り外し可能な歯科装具52のセット内の取り外し可能な歯科装具を所定のスケジュールに従って長い時間にわたり順次装着する。例えば、患者42は、取り外し可能な歯科装具52のセット内のそれぞれの取り外し可能な歯科装具を約3週間〜約10週間又は約4週間〜約8週間など、約2週間〜約12週間の期間にわたって装着してもよい。任意選択的に、患者42は取り外し可能な歯科装具52による治療の経過の定期的な観察のために診療所44に戻ってもよい。
このような定期的な観察の際、臨床医は、取り外し可能な歯科装具52のセット内の取り外し可能な歯科装具を長い時間にわたり順次装着する患者42の所定のスケジュールを調整してもよい。観察には、一般に、患者42の歯の目視検査を含むとともに、デジタル歯構造データを生成するための画像化も含んでよい。いくつかの比較的一般的でない状況において、臨床医は、例えば、新たな取り外し可能な歯科装具のセットを作成するために、新たに生成したデジタル歯科構造データを製造施設48に送信することによって、取り外し可能な歯科装具52のセットによる患者42の治療の中断を決定してもよい。同じ又は異なる例では、臨床医は、取り外し可能な歯科装具52による治療の所定のスケジュールの完了後に、新たに生成したデジタル歯科構造データを製造施設48に送信してもよい。加えて、取り外し可能な歯科装具52による治療の所定のスケジュールの完了後に、臨床医は新たな取り外し可能な歯科装具のセットを製造施設48に要求し、患者42の治療を継続してもよい。
図2は、本開示の一例による、診療所44で実施されるプロセス60を示すフローチャートである。まず、医師が診療所44において、患者42から患者の個人情報及び他の情報を収集し、患者記録を作成する(62)。記載されているように、患者記録は診療所44内に配置されていてもよく、任意選択的に、製造施設48内のデータベースとデータを共有するように構成されていてもよい。あるいは、患者記録は、診療所44にネットワーク50を通じてリモートアクセス可能な製造施設48のデータベース内に、又は製造施設48と診療所44との両方によりリモートアクセス可能なデータベース内に配置されていてもよい。
次に、任意の適切な技術を用いて患者42の歯科構造のデジタルデータ46を生成し(64)、これにより、仮想歯科構造を作成してもよい。デジタルデータ46は歯科構造の2次元(2D)画像及び/又は3次元(3D)表示からなってもよい。
一例では、歯科構造の3D表示は、Imaging Sciences International,LLC(1910 N Penn Road、Hatfield、PA)から入手可能なi−CAT 3D歯科画像化デバイスなどのコーンビームコンピュータ断層撮影(cone beam computerized tomography、CBCT)スキャナを用いて生成される。診療所44は、CBCTスキャナにより生成した3Dデータ46(放射線画像の形態の)を、診療所44内、又はその代わりに、製造施設48内に配置されたデータベース内に保存する。コンピューティングシステムはCBCTスキャナからのデジタルデータ46(このデータは複数のスライスの形態であってもよい)を処理し、3Dモデリング環境内で操作され得る歯構造のデジタル表現を計算する。
2D放射線画像が使用される(65)場合、医師は3Dデジタルデータを更に生成(66)してもよい。3Dデータ46は、例えば、患者42の歯構造の物理的印象又は模型を形成し、その後、それをデジタル走査することによって生成してもよい。例えば、患者42の歯列弓の物理的印象又は模型は、Laser Design,Inc.(Minneapolis、MN)から入手可能なOM−3Rスキャナなどの可視光スキャナを用いて走査してもよい。その代わりとして、医師は、咬合科の3Dデータ46を、患者42の歯列弓の口腔内走査又は既存の3D歯データを使用することで生成してもよい。一例では、「REGISTERING PHYSICAL AND VIRTUAL TOOTH STRUCTURES WITH PEDESTALS」という名称で、2013年7月23日に発行済みの米国特許第8,491,306号に記載されている、模型又は印象からデジタル走査を形成する方法を使用してもよい。米国特許第8,491,306号はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。同じ又は異なる例において、「ORTHODONTIC DIGITAL SETUPS」という名称で、2014年11月25日に公開された米国特許第8,897,902号に記載されているような仮想歯面及び仮想歯座標系を画定するための技術を使用してもよい。米国特許第8,897,902号はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。いずれの場合においても、デジタルデータは3Dモデリング環境内にデジタルで位置合わせされ、歯根及び咬合面を含み得る歯構造の複合的なデジタル表現を形成する。
一例では、歯列弓の咬合面の2D放射線画像及び3Dデジタルデータは、放射線画像及び3Dデジタルスキャンの両方を生成する前に、まず、レジストレーションマーカ(例えば、位置合わせマーカ又は既知の幾何学的形状寸法を有するペデスタル)を患者42の歯構造に取り付けることによって位置合わせされる。その後、2D放射線画像及び3Dデジタルデータ内のレジストレーションマーカのデジタル表現は、米国特許第8,491,306号に記載されている位置合わせ技術を用いて、3Dモデリング環境内で位置合わせしてもよい。
別の例では、歯構造の3Dデジタルデータは歯構造の2つの3Dデジタル表現を組み合わせることによって生成される。例えば、第1の3Dデジタル表現は、CBCTスキャナ(例えば、i−CAT 3D歯科画像化デバイス)から取得した歯根の比較的低解像度の画像であってもよく、第2の3Dデジタル表現は、患者の歯列弓の模型の印象又は可視光(例えば、レーザ)走査の産業用CTスキャンから取得した歯冠の比較的高解像の画像であってもよい。3Dデジタル表現は、3D表示をコンピュータ環境内で操作することを可能にするソフトウェアプログラム(例えば、3D Systems,Inc.(333 Three D Sustems Circle、Rock Hill、SC)から入手可能なGeomagic Studioソフトウェアを用いて位置合わせしてもよく、又はその代わりに、米国特許第8,491,306号に記載されている位置合わせ技術を使用してもよい。
次に、3Dモデリングソフトウェアを実行するコンピュータシステムが、患者の歯列弓の咬合面及び歯根構造を含む歯構造の合成されたデジタル表現をレンダリングする。モデリングソフトウェアは、医師が3D空間内の歯のデジタル表現を患者の歯列弓のデジタル表現に対し操作することを可能にするユーザインターフェースを提供する。コンピュータシステムとの対話によって、医師は、例えば、所望の最終位置又は患者42の歯の表示を選択することにより治療情報を生成する(67)。
医師が3D環境内において診断及び治療計画に関する全般的な情報の伝達を完了したときに、コンピュータシステムは患者記録に関連付けられたデータベースを更新し、医師が指定した診断及び治療計画に関する全般的な情報を伝える処方データ47を記録する(68)。その後、処方データ47は、製造施設48が取り外し可能な歯科装具52などの1つ又は複数の取り外し可能な歯科装具を組み立てるために、製造施設48に中継される(70)。
歯科矯正診療所に位置する歯科矯正医に関して記載したが、図2に関して記載した工程の1つ又は複数は、製造施設48にいるユーザなどの遠隔ユーザによって実施されてもよい。例えば、歯科矯正医は放射線画像データと患者の印象又は模型とを製造施設48に送信するのみであってもよく、製造施設48で、ユーザがコンピュータシステムと対話し、3Dモデリング環境内において治療計画を策定する。任意選択的に、3Dモデリング環境内における治療計画のデジタル表現は、その後、診療所44の歯科矯正医に送信されてもよく、歯科矯正医は治療計画を精査し、自身の承認を返送するか所望の変更を示すかのいずれかであってもよい。
図3は、ネットワーク50を介して製造施設48に接続されたクライアントコンピューティングデバイス80の一例を示すブロック図である。図示される例では、クライアントコンピューティングデバイス80は、モデリングソフトウェア82の動作環境を提供する。モデリングソフトウェア82は、患者42の歯群の3D表示をモデリングし、かつ描画するためのモデリング環境を提供する。図示される例では、モデリングソフトウェア82は、ユーザインターフェース84と、アライメントモジュール86と、レンダリングエンジン88と、を含む。
ユーザインターフェース84は、患者42の歯の3D表示を視覚的に表示するグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を提供する。加えて、ユーザインターフェース84は、モデル化された歯列弓内の患者42の歯を操作するために、診療所44(図1)の医師89から、例えば、キーボード及びポインティングデバイスによる入力を受け取るためのインターフェースを提供する。
モデリングソフトウェア82はネットワークインターフェース81を通じて製造施設48にアクセス可能であってもよい。モデリングソフトウェア82はデータベース90と対話して、治療データ92、患者42の歯構造に関する3Dデータ94、及び患者データ96などの様々なデータにアクセスする。データベース90は、データ格納ファイル、ルックアップテーブル、又は1つ又は複数のデータベースサーバで実行されるデータベース管理システム(DBMS)を含む、様々な形態で提示されてもよい。データベース管理システムは、リレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)、階層型データベース管理システム(HDBMS)、多次元データベース管理システム(MDBMS)、オブジェクト指向データベース管理システム(ODBMS若しくはOODBMS)、又はオブジェクトリレーショナルデータベース管理システム(ORDBMS)であってもよい。データは、例えば、マイクロソフト社(Microsoft Corporation)製のSQLサーバなど、単一のリレーショナルデータベース内に格納されてもよい。データベース90は、クライアントコンピュータデバイス80のローカルとして示されているが、クライアントコンピューティングデバイスからリモートに位置し、公共ネットワーク又は私設ネットワーク、例えばネットワーク50を介してクライアントコンピューティングデバイスに結合してもよい。
治療データ92は、医師89によって選択されて、3Dモデリング環境内に配置される、患者42の歯の診断及び又は整復情報を表す。
患者データ96は、医師89に関連する1人以上の患者の一群、例えば、患者42を表す。例えば、患者データ96は、各患者に関する氏名、出生日、及び歯科疾病歴のような一般的な情報を特定する。
レンダリングエンジン88は、3Dデータ94にアクセスしてレンダリングし、ユーザインターフェース84により医師89に提示される3D図を生成する。より具体的には、3Dデータ94は、3D環境内で各歯(任意選択的に歯根を含む)及び顎骨を表す3Dオブジェクトを定義する情報を含む。レンダリングエンジン88は各オブジェクトを加工し、3D環境内で医師89の視点に基づき、3D三角メッシュをレンダリングする。ユーザインターフェース84は、レンダリングされた3D三角メッシュを医師89に対して表示し、医師89が3D環境内で視点を変更し、オブジェクトを調節することを可能にする。
2012年6月5日に発行済みの「PLANAR GUIDES TO VISUALLY AID ORTHODONTIC APPLIANCE PLACEMENT WITHIN A THREE−DIMENSIONAL(3D)ENVIRONMENT」という名称の米国特許第8,194,067号、及び2010年6月8日に発行済みの「USER INTERFACE HAVING CROSS SECTION CONTROL TOOL FOR DIGITAL ORTHODONTICS」という名称の米国特許第7,731,495号は、本明細書中に記載される技術とともに使用され得るユーザインターフェースを有するコンピュータシステム及び3Dモデリングソフトウェアの他の例について記載している。このそれぞれはその全体が参照により組み込まれる。
クライアントコンピューティングデバイス80は、モデリングソフトウェア82を保存し、かつ実行するために、プロセッサ83とメモリ85とを含む。メモリ85は、任意の揮発性又は不揮発性ストレージ要素を意味してもよい。例としては、シンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、電気的消去可能読み出し専用メモリ(EEPROM)及びフラッシュメモリなどのランダムアクセスメモリ(RAM)を含む。例としては、また、ハードディスク、磁気テープ、磁気又は光データストレージ媒体、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)、Blu−rayディスク、及びホログラフィックデータストレージ媒体などの不揮発性ストレージを含んでもよい。
プロセッサ83は、汎用マイクロプロセッサ、特別設計のプロセッサ、特定用途用集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、ディスクリート論理回路のコレクション、又は本明細書中に記載される技術を実行することができる任意の種類の処理デバイスなどの1つ又は複数のプロセッサを意味する。一例では、メモリ214は、プロセッサ212によって実行されて、本明細書中に記載される技術を実行するプログラム命令(例えば、ソフトウェア命令)を格納してもよい。他の例では、技術はプロセッサ83の特別にプログラムされた回路によって実行してもよい。これら又は他の手法では、プロセッサ83は、本明細書中に記載される技術を実行するように構成されていてもよい。
クライアントコンピューティングデバイス80は、患者の3D歯構造のデジタル表現と、任意選択的に、治療データ92及び/又は患者データ96とを製造施設48のコンピュータ70にネットワーク50を通じて送信するように構成されている。コンピュータ70は、ユーザインターフェース72を含む。ユーザインターフェース72は、歯のデジタルモデルの3D表示を視覚的に表示するGUIを提供する。加えて、ユーザインターフェース72は、患者の3D歯構造のデジタル表現内の患者の歯を操作するための、例えば、キーボード及びポインティングデバイスによる入カをユーザから受け取るためのインターフェースを提供する。
コンピュータ70は、更に、患者の取り外し可能な歯科装具のセットの寸法及び形状を決定するように構成されていてもよく、取り外し可能な歯科装具の寸法及び形状は、取り外し可能な歯科装具が患者によって装着されたときに、患者の1つ又は複数の歯をそれらの初期位置から調整後の位置へと整復するように構成されている。コンピュータ70は、取り外し可能な歯科装具のセットを作製するために、患者の取り外し可能な歯科装具のセットの寸法及び形状を自動製造システム74に提供してもよい。
クライアントコンピューティングデバイス80及びコンピュータ70は例示的なコンピュータシステムの単なる概念的な表現である。いくつかの例では、クライアントコンピューティングデバイス80及び/又はコンピュータ70に関して記載した機能を1つのコンピューティングデバイスに組み合わせてもよく、コンピュータシステム内の複数のコンピューティングデバイス間で分散させてもよい。例えば、本明細書中に記載される歯科装具のデジタル設計にクラウドコンピューティングを用いてもよい。一例では、歯構造のデジタル表現が診療所の1つのコンピュータで受信される一方で、歯科装具の形状及び寸法はコンピュータ70などの異なるコンピュータを用いて決定される。加えて、コンピュータ70などのその異なるコンピュータは形状及び寸法の決定のために同一データをすべて受信する必要がない場合がある。形状及び寸法は、少なくとも一部、当該症例の完全な3D表示を受け取ることなく歴史的症例又は例示的症例の仮想モデルの分析を通じて得た知識に基づき決定してもよい。このような例では、クライアントコンピューティングデバイス80とコンピュータ70との間で送信される、又はそうでなければ特別仕様の歯科装具を設計するために利用されるデータは、患者の完全なデジタル歯科モデルを示す全データセットよりも大幅に小さくてもよい。
図4A及び図4Bは、患者の1つ又は複数の歯を整復するように構成された例示的な取り外し可能な歯科装具100を示す。同様に、図5A及び図5Bは、患者の歯科構造の3Dデジタルモデル130と組み合わせた取り外し可能な歯科装具100の3Dデジタルモデルを示す。
取り外し可能な歯科装具100は、患者によって装着されたときに、患者の歯の咬合面を実質的に露出させるように構成されている。露出した咬合面を提供することによって、取り外し可能な歯科装具100は、患者の歯を実質的に取り囲む取り外し可能な歯科装具と比較した場合に、患者の快適性の向上、歯科装具の視認性の低下、歯間における空気及び唾液の流れの増加による歯石(tarter)の成長の低下、並びに歯科装具を取り外すことなく患者がある程度飲食することができることなどの、いくつかの利点を提供してもよい。
取り外し可能な歯科装具100は装具本体102を含む。装具本体102はアクティブバンド112を含む。アクティブバンド112は、患者の2つ又はそれより多くの歯(図示されている例では、前歯)を取り囲むように構成されている。アクティブバンド112は、顔側部106と舌側部104とを含む。顔側部106は、アクティブバンド112内の取り囲まれた歯の顔面側と位置合わせするように構成されている一方で、舌側部104は、取り囲まれた歯の舌側と位置合わせするように構成されている。
顔側部106と舌側部104とは協働して受け部108を形成する。それぞれの受け部108は、顔側部106の一セクションと、舌側部104の対応するセクションを示し、これらのセクションは、歯科装具100が患者によって装着されたときに取り囲まれた歯のうちの1つを受け入れるように構成されている。個々の受け部108は、装具本体102の顔側部106内の顔面側隆線109と舌側部104とともに舌側隆線107とによって分離されていてもよい。舌側隆線107及び顔面側隆線109は取り囲まれた歯の隣接する歯の間の境界面に相当してもよいが、任意の2つの隣接する歯の隣接歯間の領域内に延びる必要はない。
受け部108は、装具本体102によって形成されたアクティブバンド112を少なくとも部分的に画定する。アクティブバンド112は、取り外し可能な歯科装具100が患者によって装着されたときに患者の取り囲まれた歯の咬合面を露出させるように開端部を有して構成されている。例えば、患者によって装着された際、取り囲まれた歯は装具本体102の個々の受け部108内に配置される。図示される例では、個々の受け部108は、舌側隆線及び顔面側隆線の少なくとも1つによって分離されている及び/又は個々に画定されている。他の例では、受け部は複数の隣接する歯を受け入れてもよい。
患者の歯の位置決めを容易にするために、個々の受け部108の少なくとも1つは患者の対応する歯に対し位置合わせされていなくてもよい。このようにして、装具本体102は、取り外し可能な歯科装具100が患者によって装着されたときに患者の対応する歯に回転力及び/又は並進力を印加するように構成されている。同じ又は異なる例では、装具本体102は、個々の受け部108内の歯の1つ又は複数に並進力を印加するように構成されている。アクティブバンド112は、また、囲まれた歯の口唇側面と舌側面との両方に向きが反対の力を印加するように構成されていてもよく、この圧縮性の「圧迫」によって、歯科装具100の動作を、開面受け部を含む他の装具と区別することができる。
取り外し可能な歯科装具100はアンカー120を更に含む。アンカー120は装具本体102のそれぞれの側から延出する。アンカー120のそれぞれは、患者の歯を受け入れるように構成されたバンド122と、バンド122を装具本体/アクティブバンド112に結合している支柱121と、を含む。図示されている例では、アンカーバンド122は患者の1つ又は複数の臼歯を取り囲んでいる。いくつかの例では、臼歯は患者の小臼歯であっても大臼歯であってもよい。取り外し可能な歯科装具100が、取り囲まれた歯が装具本体102の個々の受け部108内に配置された状態で患者により装着されたときに、臼歯はアンカー120のバンド122内に配置される。アンカー120は、取り外し可能な歯科装具100が患者によって装着されたときに、患者の受け入れられた臼歯の咬合面を露出させたままにするように構成されている。他の例では、アンカーがアクティブバンドの近心に又は遠位に配置された状態で、アクティブバンドは1つ又は複数の臼歯を取り囲むように構成されていてもよい。アンカーは、したがって、臼歯、前歯又は両方の組み合わせを取り囲んでもよい。
取り外し可能な歯科装具100は、装具本体102の舌側部104が、取り囲まれた歯の1つ又は複数に略前方向に力を印加するように構成されていてもよいという点でばねアライナとして機能してもよい。一方、アンカー120は、取り外し可能な歯科装具100が患者によって装着されたときに、受け入れられた臼歯に略後方向に力を印加することによって装具本体102の舌側部104による略前方向への力の印加を支持するように構成されている。別の実装形態(図示せず)では、1つ又は複数の対象歯が前方向の力又は後方向の力の1つのみを受けるように、装具本体に舌側部又は顔側部のいずれかがなくてもよい。
いくつかの例では、取り外し可能な歯科装具100は、患者の口内の歯科矯正固定デバイスに接続するように構成されたキャッチを含んでもよい。このようなキャッチは、アンカー120の1つ又は両方に配置されていてもよい。
同じ又は異なる例では、装具本体102とアンカー120とを含む取り外し可能な歯科装具100は、1種又は2種以上のポリマーを含む。例えば、装具本体102とアンカー120とを含む取り外し可能な歯科装具100は、1つの連続的な3Dプリント部品からなってもよい。いくつかの特定の例では、装具本体102とアンカー120とを含む取り外し可能な歯科装具100の部品の厚さは、厚さ約0.5〜約1.0ミリメートル又は厚さ約0.75ミリメートルなど、厚さ約0.25ミリメートル〜約2.0ミリメートルであってもよい。いくつかの例では、取り外し可能な歯科装具100の特徴部の厚さは、より条件に合った力を得るために変更してもよい。同じ又は異なる例では、取り外し可能な歯科装具100は、アクティブバンド112の辺縁部のシャンファー又はフィレットと、他の空間と、を含んでもよい。このようなシャンファー又はフィレットは患者の快適性を向上させてもよく、かつ取り外し可能な歯科装具100の視認性を低下させてもよい。
他の例では、取り外し可能な歯科装具100は金属部品を含んでもよい。金属部品は、高分子部品に剛性を付与し、取り外し可能な歯科装具によって、取り囲まれた歯の1つ又は複数に印加される力を強めるように構成されている。例えば、金属部品は、装具本体102の舌側部104を通りアンカー120間に延びるワイヤを備えてもよい。いくつかの例では、高圧の咬合接触の応力に打ち勝つために高い耐久性が必要な場合に、患者によって装着されたときに露出した咬合面を提供する取り外し可能な歯科装具は、金属咬合ジャンパーなどの1つ又は複数の他の金属部品を含んでもよい。金属咬合ジャンパーの必要性は、くいしばり又は咀嚼などの患者の不適切な行為に起因する場合がある。同じ又は異なる例では、患者によって装着されたときに露出した咬合面を提供する取り外し可能な歯科装具は、患者内に植え込まれた固定デバイスに接続するためのキャッチを含んでもよい。このようにして、露出した咬合面を提供するこのような取り外し可能な歯科装具は、金属とプラスチックとのハイブリッド構造を提供してもよい。
プラスチック部品は視認性を低下させるために略透明であってもよいが、金属部品は、患者によって装着されているときの取り外し可能な歯科装具の視認性を低下させるためにめっき又は他の着色剤を含んでもよい。例えば、植え込まれたときに患者の歯の近傍に配置される金属部品は白色着色剤を含んでもよい一方で、別の場所に配置される金属部品は、患者の口内の組織の色に略調和するように着色してもよい。
取り外し可能な歯科装具100はデジタル設計してもよい。いくつかの例では、順序付けられた取り外し可能な歯科装具のセットは、一連のデジタルセットアップに基づき順次装着されるように設計されている。このような例では、セット内のそれぞれの取り外し可能な歯科装具は、約3週間〜約10週間又は約4週間〜約8週間など、約2週間〜約12週間装着されてもよい。セット内の取り外し可能な歯科装具を所定の期間にわたり装着した後、セット内の取り外し可能な歯科装具は廃棄されてもよいとともに、セット内の次の取り外し可能な歯科装具と交換されてもよい。取り外し可能な歯科装具100の設計により、セット内の取り外し可能な歯科装具を交換する間の期間の長期化を促してもよい。例えば、アクティブバンド112は患者の2つ又はそれより多くの歯を取り囲むことから、舌側部104及び顔側部106は、最初に患者によって装着されたときに、別個のキャビティ内に各歯が隔離される類似の歯科装具設計に比べてより大きく曲がる可能性がある。このため、取り外し可能な歯科装具100は、別個のキャビティ内に各歯が隔離される類似の歯科装具設計に比べてより大きな歯の移動量を提供するように設計してもよく、これにより、セット内の次の歯科装具に交換されるまでより長期間にわたって患者によって装着されるように設計され得る。
取り外し可能な歯科装具100は装具本体102内に個々の受け部108を含むが、他の例では、装具本体102は、装具本体102によって取り囲まれる患者の各歯のための別個のキャビティを画定する隆線を含まなくてもよい。加えて、取り外し可能な歯科装具100は1つのアクティブバンド112を含むが、他の例は、1つより多いアクティブバンドを含んでもよく、それぞれのアクティブバンドは1つ又は複数の歯を取り囲む。図示しないものの、取り外し可能な歯科装具100及びこのような他の例は、任意選択的に、1つ又は複数の付加的な支柱を含んでもよく、1つ又は複数の付加的な支柱は、1つ又は複数のアクティブバンドを互いに、歯に、又は歯に結合された若しくはそれ以外の手法で歯に直接取り付けられた別個の装具に、接続する、取り付ける、又は固定する。
この例及び他の例では、アクティブバンドの形状及び寸法は、それぞれの取り囲まれた歯面の一部分が、例えば、顔側部106内の顔面側隆線109と、装具本体102の舌側部104とともに舌側隆線107と、を含む、取り外し可能な歯科装具100の内部表面によって再現されるように画定される。このような再現により、取り外し可能な歯科装具100に対して歯が正しく配置されていないときの、装具による圧出(expression)の有効期の最中である応力印加状態における、取り外し可能な歯科装具100の弾性変形を容易にする一方で、装具による圧出の終了時に発生する緩和状態において適合する装具を提供してもよい。
歯の口唇側面及び舌側面のある程度多くの部分を再現するものの咬合面のそれほど多くは再現しないことで、取り外し可能な歯科装具100に対して歯があまり正しく配置されていないために、より大きな結合が形成されることによって歯の回転に悪影響が及ぶ可能性がある。取り外し可能な歯科装具100の内部表面に歯の特徴を厳密に再現することによって、取り外し可能な歯科装具100は、仕上げの場合において、取り外し可能な歯科装具100がわずかでも変形される場合、結合が存在することで特に効果的となり得る。これに対し、ばねアライナ又はインマンアライナなどの多くの既存の取り外し可能な装具では、これら表面に細部を再現することを避け、歯が動く際の歯との干渉を回避する。そのため、歯は、1つの装具を用いてより大きな距離又は角度にわたって移動することができる。これら装具の細部を排除することは、歯が移動するときに歯が滑ることのできる平滑面を付与する役割を果たすが、その欠点は、所期の回転を生じさせる、接点によって形成される結合の大きさが大幅に小さくなり、力が小さくなるとともに、装具による圧出が小さくなることである。
類推すると、顎の内部表面が対応するナットにぴったりと合致する(すなわち真直かつ平行)ように設計されている場合には、開放式レンチがより効果的である。しかし、顎の間の距離が中間点において最小であり、いずれかの端部の開口部に向かって増加するように顎の内部表面に丸みが付けられている場合、レンチにトルクを与えている間に顎とナットとの間の接点によって形成される結合は、顎が平行であり、その頂点においてナットに接触する場合に比べて小さな半径を有する(顎とナットとの間にいくらかの公差を想定)。同様に、取り外し可能な歯科装具100のアクティブバンド112の幅(すなわち咬合歯肉厚さ)の増加は結合の半径の増加につながり、装具変形時に印加される力が増加する。ある場合では、動機は審美性又は患者の快適性の理由からバンドの幅(例えば、細ワイヤまでの全体にわたる)を最小にするためであってもよいが、他の場合では、取り外し可能な歯科装具100の内部表面積を増加させ、歯の特徴を厳密に再現することによって、認識される審美性をより高い機能と引き替えにしたときに有利な場合がある。
取り外し可能な歯科装具100は、自動製造システム74(図3)などの自動製造システムを用いて、コンピュータ70(図3)などのコンピュータシステムによって作製された取り外し可能な歯科装具100のデジタルモデルに基づき製造してもよい。異なる例では、取り外し可能な歯科装具100は3D印刷を使用して形成してもよく、又は熱成形し、5軸フライス加工若しくはレーザ切削加工によってトリミングするなど、トリミングしてもよい。3D印刷では、取り外し可能な歯科装具100は3D印刷システムにより直接3D印刷されてもよいが、他の例では、取り外し可能な歯科装具100は、3D印刷を用いて形成された歯の型で熱成形されてもよい。いくつかの例では、取り外し可能な歯科装具100を、3D印刷を用いて形成された歯の型で熱成形後、咬合表面領域から材料を除去する必要を制限するために、3D印刷された歯は、上昇咬合面を有してもよく、又はその他の部分が患者の歯とは異なる。
同じ又は異なる例では、取り外し可能な歯科装具100の自動又は半自動製造には、射出成形、ロストワックス鋳造、5軸フライス加工、レーザ切削加工及び他の製造技術を含んでもよい。取り外し可能な歯科装具が金属咬合ジャンパーなどの1つ又は複数の金属部品を含む例では、自動製造には、ワイヤ等の金属製部品のロボットによる曲げ加工などの、金属製部品のロボット操作を含んでもよい。金属とプラスチックとのハイブリッド構造を提供する取り外し可能な歯科装具もまた、オーバーモールド及び/又はスナップフィット技術を用いて製造されてもよい。このような金属部品は、また、デジタル設計され、3D印刷されたワックスモデルの金属インベストメント鋳造、レーザ積層造形法(Selective Laser Melting、SLM)若しくは選択的レーザ焼結法(Selective Laser Sintering、SLS)を含む「ダイレクトメタル」3D印刷、又は金属ブロックの3、4若しくは5軸フライス加工により、金属ワイヤから作製され、ロボットによってカスタム曲げ加工されてもよい。その代わりに、取り外し可能な歯科装具のポリマー部品と組み合わせて使用するためのより強度の高い部品は、透明又は歯の色のセラミック材料から作製され得る。いくつかの例では、金属は、審美性を向上させるために、銀、白金、パラジウム又はロジウムなどの「白色」宝飾金属でめっきされていてもよい。一般に、付加する部品が多くなることで接合部が導入され、自動又は半自動製造プロセスに続いていくらかの組み立てが必要となる場合がある。
このようにして、露出した咬合面を提供する取り外し可能な歯科装具に関する、本明細書中に開示される技術は、多くの異なる構成を容易にする。この技術は、治療された歯と固定歯の両方の選択、並びにカスタマイズされた大きさ、形状並びに力部材(force member)、アンカー及び他の特徴の配置の選択を容易にする。加えて、材料の組み合わせ及び接合部の種類もまた、患者の所望の治療結果を提供するように選択され得る。
図6は、II級不正咬合の矯正を容易にする上部取り外し可能な歯科装具101及び下部取り外し可能な歯科装具100の3Dデジタルモデル140を示す。図6は、患者の下歯列の3Dデジタルモデル130と、患者の上歯列の3Dデジタルモデル131と、を更に示す。下部取り外し可能な歯科装具100は、図4A〜図5Bに示されている取り外し可能な歯科装具100に類似しているが、弾性紐142に接続するための、ノブ、フック、ループ、キャッチ又は他の特徴が付加されている。加えて、上部取り外し可能な歯科装具101は、3Dデジタルモデル131に示されている患者の上歯列に装着されるように構成されていること以外は、取り外し可能な歯科装具100に類似している。上部取り外し可能な歯科装具101は、また、弾性紐142に接続するためのフック又は他の特徴を含む。他の例では、装具は、FORSUS II級矯正具又はHerbst矯正具を用いて、スライド式「緩衝器」により上弓と下弓とを接続してもよい。FORSUSコネクタの場合、下顎が閉じているときにはコイル式ばねが圧縮されている。下顎が開くと、ばねが解放し、その範囲の終端に達するときに自由にスライドする。FORSUS又はHerbst II級矯正具は歯科装具を押すだけであり、引きはせず、上部取り外し可能な歯科装具101と下部取り外し可能な歯科装具100とを患者の歯から引き離しがちとなる可能性がある弾性紐142よりも、取り外し可能な装具内に含めるのにより好適であり得る。
取り外し可能な歯科装具100と同様に、取り外し可能な歯科装具101は、患者によって装着されたときに患者の歯の咬合面を露出させるように構成されている。取り外し可能な歯科装具100と同様に、取り外し可能な歯科装具101は、取り囲まれた歯の1つ又は複数に略前方向に力を印加するように構成されていてもよいという点でばねアライナとして機能してもよい。取り外し可能な歯科装具101は、また、取り外し可能な歯科装具101が患者によって装着されたときに略前方向への力の印加を支持するためのアンカーを含むが、他の例では、アンカーは、また、略遠位方向への力の印加を支持してもよい。取り外し可能な歯科装具101によって印加される力は、1つ又は複数の歯が受ける力が略前方向とは異なり得るように歯を互いに押し合う傾向があるため、略前方向は患者の歯の間で異なっていてもよい。一般に、取り外し可能な歯科装具101によって形成されたループは正しく配置されていない歯によって広げられ、取り外し可能な歯科装具101はより小さな周長を有するその平衡状態へと解放しようとする際に、歯を強制的に様々に並進及び回転させる。上部取り外し可能な歯科装具101は、図4A〜図5B及び取り外し可能な歯科装具100に関して記載した技術を使用して製造してもよい。
上部取り外し可能な歯科装具101と下部取り外し可能な歯科装具100との組み合わせにより、II級不正咬合の矯正を容易にするように、上部取り外し可能な歯科装具101は下部取り外し可能な歯科装具100と相互作用するように構成されている。特に、上部取り外し可能な歯科装具101は、弾性紐142に接続するためのフック又は他の特徴を含む。下部取り外し可能な歯科装具100もまた、弾性紐142に接続するためのフック又は他の特徴を含む。弾性紐142は、患者によって装着されたときに、上部取り外し可能な歯科装具101及び下部取り外し可能な歯科装具100と組み合わせることでII級不正咬合の矯正を提供する。弾性紐142が上部取り外し可能な歯科装具101及び下部取り外し可能な歯科装具100を歯から引き離すことを防止するために、上部取り外し可能な歯科装具101及び下部取り外し可能な歯科装具100の1つ又は両方は、歯に結合されたアタッチメントに係合してもよい。例示的な結合されたアタッチメントは、「LINGUAL ORTHODONTIC APPLIANCE WITH REMOVABLE SECTION」という名称の、2014年9月9日に発行済みの米国特許第8,827,697号(Cinaderら)に示され得る。米国特許第8,827,697号はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
図7は、患者の歯の3Dデジタルモデル133と組み合わせた、アクティブバンド103を有し、ポンティック152を含む、取り外し可能な歯科装具150の3Dデジタルモデルの前方部分を示す。取り外し可能な歯科装具150は図4A〜図5Bに示される取り外し可能な歯科装具100と同じ又は類似しているが、ポンティック152が付加されている。
取り外し可能な歯科装具100と同様に、取り外し可能な歯科装具150は、患者によって装着されたときに患者の歯の咬合面を露出させるように構成されている。取り外し可能な歯科装具100と同様に、取り外し可能な歯科装具150は、ばねアライナとして機能してもよく、それは取り囲まれた歯の1つ又は複数に略前方向に力を印加するように構成されていてもよい。取り外し可能な歯科装具100によって印加される力は、1つ又は複数の歯が受ける力が略前方向と異なり得るように歯を互いに押し合う傾向があるため、略前方向は、患者の歯の間で異なっていてもよい。一般に、取り外し可能な歯科装具100によって形成されたループは正しく配置されていない歯によって広げられ、取り外し可能な歯科装具100はより小さな周長を有するその平衡状態へと解放しようとする際に歯を強制的に様々に並進及び回転させる。取り外し可能な歯科装具150は、また、取り外し可能な歯科装具150が患者によって装着されたときに略前方向への力の印加を支持するためのアンカーを含む。取り外し可能な歯科装具150は、図4A〜図5B及び取り外し可能な歯科装具100に関して記載した技術を使用して製造してもよい。
患者の歯の3Dデジタルモデル133で示されるように、ポンティック152は、患者の喪失歯による空間を埋めるように構成されている。いくつかの例では、ポンティック152は、患者の歯との調和のために着色されていてもよい。ポンティック152の幾何学的形状寸法は、ポンティック152に隣接する歯の整復を補助するように選択してもよい。例えば、それぞれがポンティックを含む順序付けられた取り外し可能な歯科装具のセットにおいて、ポンティックは、所望のインプラント、ブリッジ又は他の化粧歯用の十分な空間を設けるために、順序付けられた取り外し可能な歯科装具のセットの配列の全体を通じて次第に大きくなってもよい。
図8は、患者の歯の3Dデジタルモデル130と組み合わせた、アクティブバンド105を有し、舌側フィンガ162を含み、露出した咬合面を提供する取り外し可能な歯科装具160の3Dデジタルモデルの前方部分を示す。取り外し可能な歯科装具160は図4A〜図5Bに示される取り外し可能な歯科装具100と同じ又は類似しており、舌側フィンガ162が付加されている。
取り外し可能な歯科装具100と同様に、取り外し可能な歯科装具160は、患者によって装着されたときに患者の歯の咬合面を露出させるように構成されている。取り外し可能な歯科装具100と同様に、取り外し可能な歯科装具160は、取り囲まれた歯の1つ又は複数に略前方向に力を印加するように構成されていてもよいという点でばねアライナとして機能してもよい。取り外し可能な歯科装具160は、また、取り外し可能な歯科装具160が患者によって装着されたときに略前方向への力の印加を支持するためのアンカーを含む。
舌側フィンガ162は、取り囲まれた歯それぞれの略前方向に別の力を印加してもよい。取り囲まれた歯それぞれに印加される方向及び大きさは舌側フィンガ162のうち隣接するものの設計に従ってカスタマイズしてもよい。異なる例では、舌側フィンガ162は、厚さ約0.5〜約1.0ミリメートル又は厚さ約0.75ミリメートルなど、厚さ約0.25ミリメートル〜約2.0ミリメートルであってもよい。取り外し可能な歯科装具160は、図4A〜図5B及び取り外し可能な歯科装具100に関して記載した技術を使用して製造してもよい。
取り外し可能な歯科装具160が患者によって装着されたときに、舌側フィンガ162は、歯科装具の舌側部に配置されている場合、歯を唇側線(歯科装具の前方部分)に対し前方に押すことによって略前方向に力を印加する。しかしながら、取り外し可能な歯科装具160の唇側線もまた、歯を舌方向に押し返す。歯が両側及び両方向から同時に押されるという二重の作用により、対向する接点に結合が形成される。これら結合がモーメントの中心に対して形成される位置が、回転軸と、実現されるてこの作用の大きさとを決定する。接触が一方の側からのみ行われ、結合が形成されない場合、歯は並進する。しかしながら、接点は歯冠上であり、モーメントの中心は歯根の中ほどのどこかであることから、純粋な並進は実現されず、その代わりに、長辺(接点から歯根のモーメントの中心までの距離)の周りの回転として顕在化する。これは単に回転に近似する。純粋な並進は、歯を局所的にしっかりと包囲し、歯科装具の他のより遠い部分を変形させ、これにより並進力を生じることによって実現してもよい。したがって、特定の歯を群としてではなく個々に包囲し、これら歯と他の固定歯との間に、弾性的に変形される力部材として支柱を用いると有利であり得る。このようにして、取り外し可能な歯科装具160を用い、前歯すべてを群として、アンカーとしての役割を果たす(が、また、臼歯自身が反対方向に動いてもよい)臼歯に対し前方に押すことによって、前方セグメントと後方セグメントとの間に空間を設けてもよい。
図9は、取り外し可能な歯科装具52(図1)の組み立てのために製造施設48において行われるプロセス100を示すフロー図である。いくつかの例では、取り外し可能な歯科装具52は、取り外し可能な歯科装具100、取り外し可能な歯科装具101、取り外し可能な歯科装具150及び/又は取り外し可能な歯科装具160の1つ又は複数を含んでもよい。製造施設48のコンピュータ70はデジタル歯構造データ46(患者が患者の1つ又は複数の歯の初期位置を提供する)と処方データ47とを診療所44から受け取る(202)。あるいは、コンピュータ70は、コンピュータ70内にある又はそうでなければコンピュータ70によってアクセス可能なデータベースから情報を取り出す。診療所44がすでに行っていない場合には、コンピュータ70に関わる訓練されたユーザがコンピュータ70上で実行されているコンピュータ化モデリング環境と対話し、患者の歯構造のデジタル表現に対し治療計画を策定し、処方データ47を生成してもよい。他の例では、コンピュータ70は患者の歯構造及び既定の設計制約のみに基づき治療計画を自動的に策定してもよい。
コンピュータ70が患者の歯構造を受け取ったときに、コンピュータ70は患者の取り外し可能な歯科装具の寸法及び形状を決定する(204)。取り外し可能な歯科装具の寸法及び形状は、取り外し可能な歯科装具が患者によって装着されたときに患者の1つ又は複数の歯をそれらの初期位置から調整後の位置へと整復するように構成されている。同じ又は更なる例では、コンピュータ70は患者の取り外し可能な歯科装具のセットの寸法及び形状を決定し、患者の取り外し可能な歯科装具のセットは連続で装着されるように構成されている。
いくつかの例では、取り外し可能な歯科装具の寸法及び形状を決定することは、コンピュータ70によって、取り外し可能な歯科装具の寸法及び形状を既定の設計制約一式に従い選択することを含む。予め設計された設計制約一式には、取り囲まれた歯の1つ又は複数に印加される最大局所力、取り囲まれた歯の1つ又は複数に印加される最大回転力、取り囲まれた歯の1つ又は複数に印加される最大並進力、取り囲まれた歯の1つ又は複数に印加される最大合力、及び取り囲まれた歯がそれらの初期位置にあるときに、取り外し可能な歯科装具が患者によって装着されたときに印加される最大歪みを含むが、これらに限定されない1つ又は複数の因子を含んでもよい。
取り外し可能な歯科装具の寸法及び形状の決定時、コンピュータ70は、有限要素法(finite element analysis、FEA)を用いて、患者の歯及び取り外し可能な歯科装具にかかる力を分析してもよい。例えば、コンピュータ70は、順序付けられた取り外し可能な歯科装具のセットを含む治療を示す、モデル化された歯がそれらの初期位置からそれらの最終位置へと移動する際の患者の歯のソリッドモデルにFEAを適用してもよい。コンピュータ70はFEAを用いて、所望の力を歯に印加する取り外し可能な歯科装具の近似を選択してもよい。加えて、コンピュータ70は仮想咬合器を使用してもよく、治療中のモデル化された歯の動き全体を通した歯間の接点を決定してもよい。コンピュータ70は、順序付けられた取り外し可能な歯科装具のセット内の取り外し可能な歯科装具の設計時、FEA力分析において、デバイスからの力と併せて、咬頭嵌合力などの咬合接触力を更に含んでもよい。
同じ又は異なる例では、取り外し可能な歯科装具の寸法及び形状を決定することは、取り外し可能な歯科装具が患者によって装着されたときに患者の1つ又は複数の歯をそれらの初期位置から調整後の位置へと整復するのに適した剛性を付与するために、コンピュータ70によって、歯科装具本体の顔側部及び舌側部の厚さを選択することを含む。異なる例では、このような選択された厚さは、厚さ約0.5〜約1.0ミリメートルなど、厚さ約0.25ミリメートル〜約2.0ミリメートルの範囲であってもよい。いくつかの例では、コンピュータ70は、既定の設計制約に従い、又は厚さを必ずしも増加させることなく所望の剛性特性を付与するために、取り外し可能な歯科装具の少なくとも一部分(例えば、顔面側本体部分及び舌側本体部分)の材料を更に選択してもよい。
患者の取り外し可能な歯科装具の寸法及び形状は、コンピュータ70のユーザインターフェースの72を通じてユーザに提示されてもよい(206)。取り外し可能な歯科装具の寸法及び形状がコンピュータ70のユーザインターフェースの72を通じてユーザに提示される例では、ユーザは、設計データが自動製造システムに送られる前に、設計制約を調整する又は取り外し可能な歯科装具の寸法及び形状を直接調整する機会を有してもよい。
あるいは又は付加的に、患者の取り外し可能な歯科装具の寸法及び形状は、コンピュータ70によって直接、自動製造システム74によって製造される取り外し可能な歯科装具としてユーザに提示されてもよい(206)。このような例では、コンピュータ70は取り外し可能な歯科装具のデジタルモデルを自動製造システム74に送り、自動製造システム74は取り外し可能な歯科装具をコンピュータ70からのデジタルモデルに従い製造する。
しかしながら、患者の取り外し可能な歯科装具の寸法及び形状がコンピュータ70のユーザインターフェースの72を通じてユーザに提供され得る例においても、ユーザの承認後、コンピュータ70は取り外し可能な歯科装具のデジタルモデルを自動製造システム74に送り(208)、自動製造システム74は取り外し可能な歯科装具をコンピュータ70からのデジタルモデルに従い製造する(210)。
いくつかの例では、自動製造システム74は3Dプリンタを含んでもよい。歯科装具本体のアクティブバンドの形状を形成することには、歯科装具本体のアクティブバンドを形成する歯科装具本体の表面を3Dプリンタによって印刷することを含んでもよい。取り外し可能な歯科装具100に関するこのようなアクティブバンドについては上述した。他の例では、歯科装具本体のアクティブバンドの形状を形成することには、患者の歯の表現を3Dプリンタによって印刷することと、患者の歯の表現上に歯科装具本体を熱成形することと、を含んでもよい。例えば、患者の歯の表現は、熱成形後の装具本体において顔側部を舌側部から分離する空間の形成を容易にするための上昇咬合面を含んでもよい。
図9の技術は、順序付けられた患者の取り外し可能な歯科装具のセットのそれぞれの設計及び製造に適用してもよい。例えば、順序付けられた取り外し可能な歯科装具のセット内のそれぞれの取り外し可能な歯科装具は、患者の歯を段階的に整復するように構成されていてもよい。このようにして、順序付けられた取り外し可能な歯科装具のセットは、取り外し可能な歯科装具のセット内の取り外し可能な歯科装具のいずれか1つよりも大きな程度まで患者の歯を整復するように構成されていてもよい。このような順序付けられた患者の取り外し可能な歯科装具のセットは、順序付けられた患者の取り外し可能な歯科装具のセットの取り外し可能な歯科装具が患者によって順次装着されるにつれて、患者の1つ又は複数の歯をそれらの初期位置から最終調整後の位置に段階的に整復するように特別に構成されていてもよい。
いくつかの例では、図9に関し記載されている技術は、クライアントコンピューティングデバイス80(図3)及び又はコンピュータ70(図3)のコンピュータ可読ストレージ媒体などのコンピュータ可読ストレージ媒体内で具現化されてもよい。コンピュータ可読ストレージ媒体は、実行されたときに図9に関し記載されている技術を実行するようにプロセッサを設定するコンピュータ実行可能命令を格納する。
取り外し可能な歯科装具52の設計後、製造施設48は取り外し可能な歯科装具52をデジタル歯構造データ46及び処方データ47に従い作製する(206)。取り外し可能な歯科装具52の組み立てには、3D印刷、熱成形、射出成形、ロストワックス鋳造、5軸フライス加工、レーザ切削加工、スナップ嵌合及びオーバーモールドなどのハイブリッド式プラスチック及び金属製造技術、並びに他の製造技術を含んでもよい。
図10は、順序付けられた取り外し可能な歯科装具のセットを用いた治療の連続的な繰り返しを示すフロー図である。順序付けられた取り外し可能な歯科装具のセットは、患者の1つ又は複数の歯を整復するように構成されている。種々の例では、順序付けられた取り外し可能な歯科装具のセットは、取り外し可能な歯科装具100、取り外し可能な歯科装具101、取り外し可能な歯科装具150、取り外し可能な歯科装具160及び/又は以下で更に記載される他の取り外し可能な歯科装具のいずれかの1つ又は複数を含んでもよい。したがって、治療は、複数の取り外し可能な本明細書中に記載される歯科装具を特徴としてもよく、1つの特定の歯科装具実施形態の繰り返しに限定される必要はない場合がある。1つの例示的な実装形態では、治療はまず1つ又は複数の取り外し可能な歯科装具800の繰り返しから開始してもよく(以下、図15A及び図15Bを参照)、患者の歯が特定の所望の量移動したときに、取り外し可能な歯科装具100の繰り返しによって治療を継続してもよい。
治療は治療の第1の繰り返しから開始する(302)。治療の第1の繰り返しの開始時、患者の歯は隔離(detention)状態Xによって示されるような歯の初期位置にある(310)。順序付けられた取り外し可能な歯科装具のセットの設計を容易にするために患者の歯の走査が行われる(304)。患者の歯の走査から、コンピュータは、順序付けられたセット内の取り外し可能な歯科装具の2つの異なる形状及び寸法、すなわち、設計306a及び設計306bを決定する。患者の歯のデジタルモデルを作成するための例示的な技術は、「METHODS OF PREPARING A VIRTUAL DENTITION MODEL AND FABRICATING A DENTAL RETAINER THEREFROM」という名称の、2014年5月27日に発行済みの米国特許第8,738,165号(Cinaderら)に記載されている。米国特許第8,738,165号はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。コンピュータは、順序付けられたセット内の取り外し可能な歯科装具の2つの異なる形状及び寸法を、まず患者の歯のデジタルモデルを調整し、治療後の患者の歯の所望の位置のモデルを作成することによって決定してもよい。その後、コンピュータは、順序付けられたセット内の取り外し可能な歯科装具の形状及び寸法を、患者の歯を初期位置からそれらの所望の位置に移動させるために必要な時間及び力に基づき作成してもよい。例えば、コンピュータモデルは、順序付けられたセット内の取り外し可能な歯科装具のばね状要素の厚さ及び他の寸法を調整し、患者の歯を初期位置からそれらの所望の位置に移動させるために必要な力を生成してもよい。順序付けられたセット内の取り外し可能な歯科装具によって印加されるモデル化された力は、更に、治療中の患者の歯の漸進的位置移動に基づいてもよい。このようにして、コンピュータは、順序付けられたセット内の取り外し可能な歯科装具のそれぞれの形状及び寸法を、順序付けられたセット内の取り外し可能な歯科装具が患者によって装着される治療時に、歯に、そこの(there)予想位置において印加される、予想される力に従い設計してもよい。
いくつかの例では、取り外し可能な歯科装具のセット内の3つなどの、1つより多い異なる取り外し可能な歯科装具は、2つの異なる形状及び寸法のそれぞれを用いて、取り外し可能な歯科装具のセット内に6つの取り外し可能な歯科装具を作成することで製造することができる。順序付けられた歯科装具のセット内の第1の歯科装具から第3の歯科装具は、同じ形状及び寸法のものであるが、異なる剛性特性を持つ材料を含む。第2の歯科装具及び第3の歯科装具は第1の歯科装具よりも高い剛性特性を有し、第3の歯科装具は、また、第2の歯科装具よりも高い剛性特性を有する。同様に、順序付けられた歯科装具のセット内の第4の歯科装具から第6の歯科装具は同じ形状及び寸法のものであるが、異なる剛性特性を持つ材料を含む。第5の歯科装具及び第6の歯科装具は第4の歯科装具よりも高い剛性特性を有し、第6の歯科装具は、また、第5の歯科装具よりも高い剛性特性を有する。いくつかの例では、第1の歯科装具は第4の歯科装具と同じ剛性特性を有してもよい。同様に、いくつかの例では、第2の歯科装具は、第5の歯科装具と同じ剛性特性を有してもよい。更に、いくつかの例では、第3の歯科装具は第6の歯科装具と同じ剛性特性を有してもよい。
1つの例示的な治療法では、順序付けられた取り外し可能な歯科装具のセット内の第1の取り外し可能な歯科装具は、比較的軟質の高分子材料などの比較的軟質の材料から作製されている。順序付けられた取り外し可能な歯科装具のセット内の第1の取り外し可能な歯科装具は設計306aに従い、比較的軟質の高分子材料などの比較的軟質の材料から作製されている。順序付けられた取り外し可能な歯科装具のセット内の第2の取り外し可能な歯科装具は、設計306aに従い、順序付けられた取り外し可能な歯科装具のセット内の第1の取り外し可能な歯科装具よりも比較的より硬質の高分子材料などの中程度の剛性を持つ材料から作製されている。順序付けられた取り外し可能な歯科装具のセット内の第3の取り外し可能な歯科装具は設計306aに従い、順序付けられた取り外し可能な歯科装具のセット内の第2の取り外し可能な歯科装具よりも比較的より硬質の高分子材料などの高い剛性を持つ材料から作製されている。順序付けられた取り外し可能な歯科装具のセット内の第4の取り外し可能な歯科装具は設計306bに従い、比較的軟質の材料から作製されている。順序付けられた取り外し可能な歯科装具のセット内の第5の取り外し可能な歯科装具は設計306bに従い、中程度の剛性を持つ材料から作製されている。順序付けられた取り外し可能な歯科装具のセット内の第6の取り外し可能な歯科装具は設計306bに従い、高い剛性を持つ材料から作製されている。
順序付けられた取り外し可能な歯科装具のセット内の第1から第6の取り外し可能な歯科装具は患者により長期間にわたって順に装着される。例えば、順序付けられた取り外し可能な歯科装具のセット内の取り外し可能な歯科装具のそれぞれは、約3週間〜約10週間又は約4週間〜約8週間など、約2週間〜約12週間装着されてもよい。第1から第6の取り外し可能な歯科装具を使用した治療計画後、患者の歯は、隔離(detention)状態X+1(311)によって示されるような、治療の第1の繰り返しにおける歯の最終位置にある。
この時点で、患者は臨床医の元に戻ってもよく、臨床医は治療の第1の繰り返しの結果を評価してもよい(320)。治療の第1の繰り返しにより患者の歯が満足な状態で最終配置された場合、治療を終了してもよい(330)。しかしながら、治療の第1の繰り返しにより患者の歯の所望の移動が完了しなかった場合、1回以上の追加の治療の繰り返しを実施してもよい。治療の次の繰り返しを開始するために、臨床医は患者の歯の走査をもう一度行うことであってもよいが行われ、順序付けられた取り外し可能な歯科装具のセットの設計を容易にする(304)。いくつかの例では、治療の第1の繰り返しの結果の評価には、患者の歯の走査をもう一度行うことを含んでもよく、この場合、治療の次の繰り返しを開始することには、患者の順序付けられた取り外し可能な歯科装具の別のセットが患者の歯の新たな位置に基づき製造され得るように、患者の歯のデジタルモデルを製造施設に送ることを単に含んでもよい。更に別の例では、新たに取得した走査を用いて、取り外し可能な歯科装具の1つ又は複数の繰り返しを、臨床医の施設において作成してもよい。
図10の技術は1つの特定の例を示すものであり、図10の技術に本開示の趣旨の範囲内において種々の改良を施してもよい。例えば、順序付けられた取り外し可能な歯科装具のセットは、6つよりも多い又は少ない取り外し可能な歯科装具を含んでもよい。別の例として、順序付けられた取り外し可能な歯科装具のセット内のそれぞれの取り外し可能な歯科装具は、固有の形状及び寸法を有してもよい。別の例として、コンピュータは、順序付けられたセット内の取り外し可能な歯科装具の1つの形状及び寸法を、患者の歯の初期走査Xから決定する。
図11A及び図11Bは、患者によって装着されたときに露出した咬合面を提供する例示的な取り外し可能な歯科装具を示す。この例示的な取り外し可能な歯科装具は、患者のそれぞれの側の2つの臼歯を受け入れるように構成されたアンカーを含む。図11Aは、患者の歯の3Dデジタルモデル130と組み合わせた、取り外し可能な歯科装具400の3Dデジタルモデルを更に示す。取り外し可能な歯科装具400は、アンカー420の構成を除いて、取り外し可能な歯科装具100(図4A〜図5B)と実質的に類似し得る。簡略化のため、取り外し可能な歯科装具100に関して前に述べた詳細と同じである又は類似する取り外し可能な歯科装具400の詳細については限定的に記載する又は取り外し可能な歯科装具400に関しては詳細を記載しない。
取り外し可能な歯科装具400は、患者によって装着されたときに患者の歯の咬合面を露出させるように構成されている。取り外し可能な歯科装具400は装具本体402を含む。装具本体402はアクティブバンド412を形成する。アクティブバンド412は、患者の2つ又はそれより多くの歯を取り囲むように構成されている。装具本体402は、顔側部406と舌側部404とを含む。顔側部406は、取り囲まれた歯の顔面側と位置合わせするように構成されている一方で、舌側部404は、取り囲まれた歯の舌側と位置合わせするように構成されている。
顔側部406と舌側部404とは受け部408を形成する。各受け部408は顔側部406の一セクションと、舌側部404の対応するセクションとを示し、これらのセクションは、歯科装具400が患者によって装着されたときに取り囲まれた歯のうちの1つを受け入れるように構成されている。受け部408は、装具本体402の顔側部406内の顔面側隆線409と舌側部404とともに舌側隆線407とによって分離されていてもよい。舌側隆線407及び顔面側隆線409は取り囲まれた歯の隣接する歯の間の境界面に相当してもよい。
アクティブバンド412は、取り外し可能な歯科装具400が患者によって装着されたときに患者の取り囲まれた歯の咬合面を露出させるように構成されている。例えば、患者によって装着された際、取り囲まれた歯は装具本体402の受け部408内に配置される。
患者の歯の位置決めを容易にするために、受け部408の少なくとも1つは、患者の対応する歯に対して位置合わせされていなくてもよい。このようにして、装具本体402は、取り外し可能な歯科装具400が患者によって装着されたときに、患者の対応する歯に回転力及び/又は並進力を印加するように構成されていてもよい。いくつかの特定の例では、装具本体402は、圧縮力又はライナー力(liner force)のみを付与するように構成されていてもよい。同じ又は異なる例では、装具本体402は、受け部408内の歯の1つ又は複数に並進力を印加するように構成されていてもよい。
取り外し可能な歯科装具400はアンカー420を更に含む。アンカー420は装具本体402のそれぞれの側から延出する。アンカー420のそれぞれは、患者の臼歯を受け入れるように構成された2つの受け部422を含む。受け部422は、歯間ブレース421によってアクティブバンド412から分離されている。いくつかの例では、臼歯には患者の小臼歯及び/又は大臼歯を含んでもよい。取り囲まれた歯が装具本体402の受け部408内に配置された状態で、取り外し可能な歯科装具400が患者によって装着されたときに、臼歯はアンカー420の受け部422内に配置される。取り外し可能な歯科装具400が患者の歯列弓上に着座したときに、アンカー420は、患者の受け入れられた臼歯の咬合面を露出させたままにするように構成されている。
取り外し可能な歯科装具400は、装具本体402の舌側部404が、取り囲まれた歯の1つ又は複数に略前方向に力を印加するように構成されていてもよいという点でばねアライナとして機能してもよい。一方、アンカー420は、取り外し可能な歯科装具400が患者によって装着されたときに、受け入れられた臼歯に略後方向に力を印加することによって装具本体402の舌側部404による略前方向への力の印加を支持するように構成されている。
図12は、患者によって装着されたときに露出した咬合面を提供する例示的な取り外し可能な歯科装具500を示す。例示的な取り外し可能な歯科装具500は、患者の臼歯の舌側と嵌合するように構成されたアンカーを含む。図12は、患者の歯の3Dデジタルモデル130と組み合わせた、取り外し可能な歯科装具500の3Dデジタルモデルを更に示す。取り外し可能な歯科装具500は、アンカー520の構成を除いて、取り外し可能な歯科装具100(図4A〜図5B)と実質的に類似し得る。簡略化のため、取り外し可能な歯科装具100に関して前に述べた詳細と同じである又は類似する取り外し可能な歯科装具500の詳細については、限定的に記載する、又は取り外し可能な歯科装具500に関しては詳細を記載しない。
取り外し可能な歯科装具500は、患者によって装着されたときに患者の歯の咬合面を露出させるように構成されている。取り外し可能な歯科装具500は装具本体502を含む。装具本体502はアクティブバンド512を形成する。アクティブバンド512は、患者の2つ又はそれより多くの歯を取り囲むように構成されている。装具本体502は、顔側部506と舌側部504とを含む。顔側部506は、取り囲まれた歯の顔面側と位置合わせするように構成されている一方で、舌側部504は、取り囲まれた歯の舌側と位置合わせするように構成されている。取り外し可能な歯科装具100に関して記載したように、顔側部506と舌側部504とは受け部を形成し、受け部は、歯科装具500が患者によって装着されたときに、取り囲まれた歯のうちの1つを受け入れるように構成されている。
装具本体502はアクティブバンド512を形成し、アクティブバンド512は、装具本体502の前方部分に沿って顔側部506と舌側部504とを含む。アクティブバンド512は、取り外し可能な歯科装具500が患者によって装着されたときに、患者の取り囲まれた歯の咬合面を露出させるように構成されている。例えば、患者によって装着されたとき、取り囲まれた歯は装具本体502の受け部内に配置される。
患者の歯の位置決めを容易にするために、受け部の少なくとも1つは、患者の対応する歯に対して位置合わせされていなくてもよい。このようにして、装具本体502は、取り外し可能な歯科装具500が患者によって装着されときに、患者の対応する歯に回転力及び/又は並進力を印加するように構成されていてもよい。いくつかの特定の例では、装具本体502は、圧縮力又は直線力のみを付与するように構成されていてもよい。同じ又は異なる例では、装具本体502は、受け部内の歯の1つ又は複数に並進力を印加するように構成されていてもよい。
取り外し可能な歯科装具500はアンカー520を更に含む。アンカー520は装具本体502のそれぞれの側から延出する。アンカー520のそれぞれは、患者の臼歯に係合するように構成されたフック522を含む。いくつかの例では、臼歯には、患者の小臼歯又は大臼歯を含んでもよい。取り囲まれた歯が装具本体502の受け部内に配置された状態で、取り外し可能な歯科装具500が患者によって装着されたときに、臼歯はアンカー520のフック522によって係合される。取り外し可能な歯科装具500が患者の歯列弓上に着座したときに、アンカー520は、患者の受け入れられた臼歯の咬合面を露出させたままにするように構成されている。
取り外し可能な歯科装具500は、装具本体502の舌側部504が、取り囲まれた歯の1つ又は複数に略前方向に力を印加するように構成されていてもよいという点でばねアライナとして機能してもよい。一方、アンカー520は、取り外し可能な歯科装具500が患者によって装着されたときに、受け入れられた臼歯に略後方向に力を印加することによって装具本体502の舌側部504による略前方向への力の印加を支持するように構成されている。
図13A及び図13Bは、患者によって装着されたときに露出した咬合面を提供する例示的な取り外し可能な歯科装具を示す。例示的な取り外し可能な歯科装具は、患者の犬歯を受け入れるように構成されたアンカーを含む。図13A及び図13Bは、患者の歯の3Dデジタルモデル130と組み合わせた、取り外し可能な歯科装具500の3Dデジタルモデルを更に示す。取り外し可能な歯科装具600は、アンカー620の構成を除いて、取り外し可能な歯科装具100(図4A〜図5B)と実質的に類似し得る。簡略化のため、取り外し可能な歯科装具100に関して前に述べた詳細と同じである又は類似する取り外し可能な歯科装具600の詳細については、限定的に記載する、又は取り外し可能な歯科装具600に関しては詳細を記載しない。
取り外し可能な歯科装具600は、患者によって装着されたときに患者の歯の咬合面を露出させるように構成されている。取り外し可能な歯科装具600は、装具本体602を含む。装具本体602はアクティブバンド612を形成し、アクティブバンド612は、患者の2つ又はそれより多くの歯を取り囲むように構成されている。装具本体602は、顔側部606と舌側部604とを含む。顔側部606は、取り囲まれた歯の顔面側と位置合わせするように構成されている一方で、舌側部604は、取り囲まれた歯の舌側と位置合わせするように構成されている。取り外し可能な歯科装具100に関して記載したように、顔側部606と舌側部604とは受け部を形成し、受け部は、歯科装具600が患者によって装着されたときに、取り囲まれた歯のうちの1つを受け入れるように構成されている。
装具本体602はアクティブバンド612を形成し、アクティブバンド612は、装具本体602の前方部分に沿って顔側部606と舌側部604とを含む。アクティブバンド612は、取り外し可能な歯科装具600が患者によって装着されたときに、患者の取り囲まれた歯の咬合面を露出させるように構成されている。例えば、患者によって装着されたとき、取り囲まれた歯は装具本体602の受け部内に配置される。
患者の歯の位置決めを容易にするために、受け部の少なくとも1つは、患者の対応する歯に対して位置合わせされていなくてもよい。このようにして、装具本体602は、取り外し可能な歯科装具600が患者によって装着されたときに、患者の対応する歯に回転力及び/又は並進力を印加するように構成されていてもよい。いくつかの特定の例では、装具本体602は、圧縮力又はライナー力(liner force)のみを付与するように構成されていてもよい。同じ又は異なる例では、装具本体602は、受け部内の歯の1つ又は複数に並進力を印加するように構成されていてもよい。
取り外し可能な歯科装具600はアンカー620を更に含む。アンカー620は装具本体602のそれぞれの側から直接延出する。アンカー620のそれぞれは、患者の犬歯を受け入れるように構成された受け部622を含む。取り囲まれた歯が装具本体602の受け部内に配置された状態で、取り外し可能な歯科装具600が患者によって装着されたときに、犬歯はアンカー620の受け部622内に配置される。取り外し可能な歯科装具600が患者の歯列弓上に着座したときに、アンカー620は、患者の受け入れられた臼歯の咬合面を露出させたままにするように構成されている。
取り外し可能な歯科装具600は、装具本体602の舌側部604が、取り囲まれた歯の1つ又は複数に略前方向に力を印加するように構成されていてもよいという点でばねアライナとして機能してもよい。一方、アンカー620は、取り外し可能な歯科装具600が患者によって装着されときに、受け入れられた犬歯に略後方向に力を印加することによって装具本体602の舌側部604による略前方向への力の印加を支持するように構成されている。前の例と同様に、取り外し歯科装具600は、臼歯又は後歯及び前歯の両方を取り囲むように適合されていてもよい。
図14A及び図14Bは、患者によって装着されたときに露出した咬合面を提供する例示的な取り外し可能な歯科装具を示す。例示的な取り外し可能な歯科装具は、ワイヤアンカーを含む。図14Aは、患者の歯の3Dデジタルモデル130と組み合わせた取り外し可能な歯科装具700の3Dデジタルモデルを更に示す。取り外し可能な歯科装具700は、アンカー720の構成を除いて、取り外し可能な歯科装具100(図4A〜図7B)と実質的に類似し得る。簡略化のため、取り外し可能な歯科装具100に関して前に述べた詳細と同じである又は類似する取り外し可能な歯科装具700の詳細については、限定的に記載する、又は取り外し可能な歯科装具700に関しては詳細を記載しない。
取り外し可能な歯科装具700は、患者によって装着されたときに患者の歯の咬合面を露出させるように構成されている。取り外し可能な歯科装具700は、装具本体702を含む。装具本体702はアクティブバンド712を形成する。アクティブバンド712は、患者の2つ又はそれより多くの歯を取り囲むように構成されている。装具本体702は、顔側部706と舌側部704とを含む。顔側部706は、取り囲まれた歯の顔面側と位置合わせするように構成されている一方で、舌側部704は、取り囲まれた歯の舌側と位置合わせするように構成されている。取り外し可能な歯科装具100に関して記載したように、顔側部706と舌側部704とは受け部を形成し、受け部は、歯科装具700は患者によって装着されたときに、取り囲まれた歯のうちの1つを受け入れるように構成されている。
装具本体702はアクティブバンド712を形成し、アクティブバンド712は、装具本体702の前方部分に沿って顔側部706と舌側部704とを含む。アクティブバンド712は、取り外し可能な歯科装具700が患者によって装着されたときに、患者の取り囲まれた歯の咬合面を露出させるように構成されている。例えば、患者によって装着されたとき、取り囲まれた歯は装具本体702の受け部内に配置される。
患者の歯の位置決めを容易にするために、受け部の少なくとも1つは、患者の対応する歯に対して位置合わせされていなくてもよい。このようにして、装具本体702は、取り外し可能な歯科装具700が患者によって装着されたときに、患者の対応する歯に回転力及び/又は並進力を印加するように構成されていてもよい。いくつかの特定の例では、装具本体702は、圧縮力又はライナー力(liner force)のみを付与するように構成されていてもよい。同じ又は異なる例では、装具本体702は、受け部内の歯の1つ又は複数に並進力を印加するように構成されていてもよい。
取り外し可能な歯科装具700はアンカー720を更に含む。アンカー720は装具本体702のそれぞれの側から延出する。アンカー720のそれぞれは、患者の臼歯の一部分、典型的には、咬頭に係合するように構成されたフック722を含む。いくつかの例では、臼歯には、患者の小臼歯又は大臼歯を含んでもよい。取り囲まれた歯が装具本体702の受け部内に配置された状態で、取り外し可能な歯科装具700が患者によって装着されたときに、臼歯はアンカー720のフック722によって係合される。アンカー720は、取り外し可能な歯科装具700とき、患者の受け入れられた臼歯の咬合面を露出させたままにするように構成されている。異なる例では、フック722は、患者の歯及び口に合うように、コンピュータ化された製造システムを用いて又は臨床医によって手で曲げられてもよい。
前述の取り外し可能な歯科装具とは対照的に、アンカー720は金属ワイヤから形成されていてもよい。特に、アンカー720のそれぞれは、装具本体702に接続する近位部724を含む。異なる例では、装具本体702はアンカー720の近位部726にオーバーモールドされていてもよく、又は近位部726は、例えば接着若しくは他の結合技術によって装具本体702に直接固定されていてもよい。アンカー720を装具本体702に固定するための他の適切な技術も使用してよい。
アンカー720は装具本体702に剛性を付与してもよく、装具本体702は、本明細書中に記載されるように、高分子材料から形成されていてもよい。取り外し可能な歯科装具700の特定の例では、アンカー720の近位部726は装具本体702の舌側部704と顔側部706とを接続しており、装具本体702の舌側部704と顔側部706とはそうでなければ分離されている。他の例では、他の取り外し可能な本明細書中に記載される歯科装具と同様に、装具本体702の舌側部704と顔側部706とは互いに接続していてもよい。
アンカー720は中央部分724を更に含み、中央部分724は、取り外し可能な歯科装具700が患者によって装着されたときに、取り外し可能な歯科装具700を所定の位置により確実に保持するため、及び患者のマウントへの進入を制限するため、の両方のために、直線部分と比較して、患者の歯肉線に追従するように曲げられていてもよい。異なる例では、中央部分724は、患者の歯及び口に合うように、コンピュータ化された製造システムを用いて又は臨床医によって手で曲げられてもよい。いくつかの例では、アンカー720の任意の部分は、CNC線曲げ機械を使用し、患者の歯科構造のデジタルモデル130に基づき形成されてもよい。他の例では、ワイヤ部分は、CNCレーザ切削加工機械を使用して形成されてもよい。
取り外し可能な歯科装具700は、装具本体702の舌側部704が、取り囲まれた歯の1つ又は複数に略前方向に力を印加するように構成されていてもよいという点でばねアライナとして機能してもよい。一方、アンカー720は、取り外し可能な歯科装具700が患者によって装着されたときに、受け入れられた臼歯に略後方向に力を印加することによって装具本体702の舌側部704による略前方向への力の印加を支持するように構成されている。
図15A及び図15Bは、患者によって装着されたときに露出した咬合面を提供する例示的な取り外し可能な歯科装具を示す。例示的な取り外し可能な歯科装具は、ワイヤアクティブバンド812と、ワイヤアンカー820と、を含む。図15Aは、患者の歯の3Dデジタルモデル130と組み合わせた取り外し可能な歯科装具800の3Dデジタルモデルを更に示す。取り外し可能な歯科装具800は、ワイヤアクティブバンド812の構成を除いて、取り外し可能な歯科装具700(図14A及び図14B)と実質的に類似し得る。簡略化のため、取り外し可能な歯科装具100に関して前に述べた詳細と同じである又は類似する取り外し可能な歯科装具800の詳細については、限定的に記載する、又は取り外し可能な歯科装具800に関しては詳細を記載しない。
取り外し可能な歯科装具800は、患者によって装着されたときに患者の歯の咬合面を露出させるように構成されている。取り外し可能な歯科装具800は装具本体802を含む。装具本体802はワイヤアクティブバンド812を形成する。ワイヤアクティブバンド812は患者の2つ又はそれより多くの歯を取り囲むように構成されている。装具本体802は、顔側部806と舌側部804とを含む。顔側部806は、取り囲まれた歯の顔面側と位置合わせするように構成されている一方で、舌側部804は、取り囲まれた歯の舌側と位置合わせするように構成されている。取り外し可能な歯科装具700及び取り外し可能な歯科装具100に関して記載したように、顔側部806と舌側部804とは受け部を形成し、受け部は、歯科装具800が患者によって装着されたときに、取り囲まれた歯のうちの1つを受け入れるように構成されている。
装具本体802はワイヤアクティブバンド812を形成し、ワイヤアクティブバンド812は、装具本体802の前方部分に沿って顔側部806と舌側部804とを含む。ワイヤアクティブバンド812は、取り外し可能な歯科装具800が患者800によって装着されたときに、患者の取り囲まれた歯の咬合面を露出させるように構成されている。例えば、患者によって装着されたとき、取り囲まれた歯は装具本体802の受け部内に配置される。
患者の歯の位置決めを容易にするために、受け部の少なくとも1つは、患者の対応する歯に対して位置合わせされていなくてもよい。このようにして、装具本体802は、取り外し可能な歯科装具800が患者によって装着されたときに患者の対応する歯に回転力及び/又は並進力を印加するように構成されていてもよい。いくつかの特定の例では、装具本体802は、圧縮力又はライナー力(liner force)のみを付与するように構成されていてもよい。同じ又は異なる例では、装具本体802は、受け部内の歯の1つ又は複数に並進力を印加するように構成されていてもよい。
取り外し可能な歯科装具800はアンカー820を更に含む。アンカー820は装具本体802のそれぞれの側から延出する。アンカー820のそれぞれは、患者の臼歯に係合するように構成されたフック822を含む。いくつかの例では、臼歯には、患者の小臼歯又は大臼歯を含んでもよい。取り囲まれた歯が装具本体802の受け部内に配置された状態で、取り外し可能な歯科装具800が患者によって装着されたときに、臼歯はアンカー820のフック822によって係合される。アンカー820は、取り外し可能な歯科装具800のとき、患者の受け入れられた臼歯の咬合面を露出させたままにするように構成されている。異なる例では、フック822は、患者の歯及び口に合うように、コンピュータ化された製造システムを用いて又は臨床医によって手で曲げられてもよい。
前述の取り外し可能な歯科装具とは対照的に、顔側部806と舌側部804とを含むアクティブバンド812と、アンカー820のそれぞれとは、金属ワイヤから形成されていてもよい。特に、アンカー820のそれぞれは、装具本体802に接続する近位部826を含む。いくつかの例では、顔側部806と舌側部804とを含むアクティブバンド812及びアンカー820のそれぞれなどの歯科装具800の任意の部分は、CNC線曲げ機械を使用して、患者の歯科構造のデジタルモデル130に基づき形成されてもよい。
取り外し可能な歯科装具800の特定の例では、アンカー820の近位部826は装具本体802の舌側部804と顔側部806とを接続しており、装具本体802の舌側部804と顔側部806とはそうでなければ分離されている。他の例では、他の取り外し可能な本明細書中に記載される歯科装具と同様に、装具本体802の舌側部804と顔側部806とは互いに接続していてもよい。
アンカー820は中央部分824を更に含み、中央部分824は、取り外し可能な歯科装具800が患者によって装着されたときに、直線部分と比較して、取り外し可能な歯科装具800を所定の位置により確実に保持するため、及び患者のマウントへの進入を制限するため、の両方のために、患者の歯肉線に追従するように曲げられていてもよい。異なる例では、中央部分824は、患者の歯及び口に合うように、コンピュータ化された製造システムを用いて又は臨床医によって手で曲げられてもよい。
取り外し可能な歯科装具800は、装具本体802の舌側部804が、取り囲まれた歯の1つ又は複数に略前方向に力を印加するように構成されていてもよいという点でばねアライナとして機能してもよい。一方、アンカー820は、取り外し可能な歯科装具800が患者によって装着されたときに、受け入れられた臼歯に略後方向に力を印加することによって装具本体802の舌側部804による略前方向への力の印加を支持するように構成されている。
本開示の種々の技術は、サーバ(クラウドを含む)、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ノートブックコンピュータ、タブレットコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、スマートフォン等などの多様なコンピュータデバイスにおいて実施してもよい。機能的な側面を強調するために任意のコンポーネント、モジュール又はユニットを記載しており、異なるハードウェアユニットによる実現は必ずしも必要としない。本明細書中に記載される技術は、また、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はこれらの任意の組み合わせに実装してもよい。モジュール、ユニット又はコンポーネントとして記載した任意の特徴は一体型の論理デバイスにおいてともに、又は個別ではあるものの相互運用可能な論理デバイスとして別個に実装してもよい。場合によっては、種々の特徴は集積回路チップ又はチップセットなどの集積回路デバイスとして実装してもよい。更に、本明細書の全体を通じていくつかの異なるモジュール(その多くは固有の機能を実施する)を記載してきたが、モジュールのすべての機能のすべてを単一モジュールへと組み合わせても、更には、更なる付加的なモジュールへと分割してもよい。本明細書中に記載されるモジュールは単なる例示であり、したがって、理解をより容易にするために記載されている。
ソフトウェアに実装される場合、当該技術は、少なくとも一部、プロセッサにおいて実行されたときに、上述の方法の1つ又は複数を実施する命令を含むコンピュータ可読媒体によって実現してもよい。コンピュータ可読媒体は、有形コンピュータ可読ストレージ媒体を含んでもよく、コンピュータプログラム製品の一部を形成してもよく、これには、パッケージング材料を含んでもよい。コンピュータ可読ストレージ媒体は、シンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、電気的消去可能読み出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ、磁気又は光データストレージ媒体等などのランダムアクセスメモリ(RAM)を含んでもよい。コンピュータ可読ストレージ媒体は、また、ハードディスク、磁気テープ、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)、Blu−rayディスク、ホログラフィックデータストレージ媒体などの不揮発性ストレージデバイス又は他の不揮発性ストレージデバイスを含んでもよい。
「プロセッサ」という用語は、本明細書で使用する場合、前述の構造のいずれか又は本明細書中に記載される技術の実施に好適な任意の他の構造を意味し得る。加えて、いくつかの態様では、本明細書中に記載される機能は、本開示の技術を実施するように構成された専用のソフトウェアモジュール又はハードウェアモジュール内に提供されてもよい。ソフトウェアで実施される場合であっても、当該技術では、ソフトウェアを実行するためのプロセッサなどのハードウェア及びソフトウェアを保存するためのメモリを使用してもよい。任意のこのような場合においては、本明細書中に記載されるコンピュータは、本明細書中に記載される特定の機能を実行することができる特定の機械を画定してもよい。また、当該技術は、同じくプロセッサとみなされ得る1つ又は複数の回路又は論理素子において完全に実施され得る。
種々の例を記載してきた。これらの及び他の例は、以下の特許請求の範囲に含まれる。
実施形態
実施形態1. 患者の1つ又は複数の歯を整復するように構成された取り外し可能な歯科装具であって、取り外し可能な歯科装具は、患者の2つ又はそれより多くの歯を取り囲むように構成されているアクティブバンドを形成している装具本体を備えており、アクティブバンドは、取り囲まれた歯の顔面側と位置合わせするように構成されている顔側部と、取り囲まれた歯の舌側と位置合わせするように構成されている舌側部と、を含み、装具本体の顔側部と装具本体の舌側部とは受け部を形成しており、各受け部は、取り囲まれた歯のうちの少なくとも1つを受け入れるように構成されており、受け部は、少なくとも装具本体の前方部分に沿って顔側部を舌側部から分離しており、アクティブバンドは、取り囲まれた歯が装具本体のアクティブバンド内に配置された状態で、取り外し可能な歯科装具が患者によって装着されたときに、患者の取り囲まれた歯の咬合面を露出させるように構成されている、取り外し可能な歯科装具。
実施形態2. 取り外し可能な歯科装具が患者によって装着されたときに、装具本体が患者の対応する歯に回転力又は並進力を印加するように構成されるように、装具本体内の受け部の少なくとも1つは、患者の対応する歯に対して位置合わせされている、実施形態1の取り外し可能な歯科装具。
実施形態3. 装具本体のそれぞれの側から延出するアンカーを更に備えており、アンカーのそれぞれは、取り囲まれた歯の近心又は遠位の歯を受け入れるように構成された少なくとも1つのアンカーバンドを含む、実施形態1又は2の取り外し可能な歯科装具。
実施形態4. アンカーは、取り囲まれた歯がアクティブバンド内に配置され、かつ受け入れられたアンカー歯がアンカーバンド内に配置された状態で、取り外し可能な歯科装具が患者によって装着されたときに、患者の受け入れられたアンカー歯の咬合面を露出させたままにするように構成されている、実施形態3の取り外し可能な歯科装具。
実施形態5. 装具本体とアンカーとを含む取り外し可能な歯科装具は、アクティブバンドとアンカーバンドとを形成している高分子部品を備えており、高分子部品に剛性を付与し、取り囲まれた歯の1つ又は複数に取り外し可能な歯科装具によって印加される力を強めるように構成された金属部品を更に備える、実施形態3の取り外し可能な歯科装具。
実施形態6. 装具本体とアンカーとを含む取り外し可能な歯科装具は、1つの連続的な3次元(3D)印刷部品から実質的になる、実施形態3又は4の取り外し可能な歯科装具。
実施形態7. 患者の口内の歯科矯正固定デバイスに接続するように構成されたキャッチを更に備えている、実施形態1〜6のいずれかの取り外し可能な歯科装具。
実施形態8. 取り外し可能な歯科装具は、1種又は2種以上の高分子材料から実質的になる、実施形態1〜4及び6〜7のいずれかの取り外し可能な歯科装具。
実施形態9. 患者の喪失歯による空間を埋めるように構成されたポンティックを更に備えている、実施形態1〜8のいずれかの取り外し可能な歯科装具。
実施形態10. 受け部は隆線によって分離されている、実施形態1〜9のいずれかの取り外し可能な歯科装具。
実施形態11. アクティブバンドは第1のアクティブバンドであり、取り外し可能な歯科装具は、顔側部と舌側部とによって形成された第2のアクティブバンドを更に備えており、かつ患者の少なくとも1つの歯を取り囲むように構成されており、第1のアクティブバンドは、顔側部を舌側部に接続している歯間ブレースによって第2のアクティブバンドから分離されている、実施形態1〜10のいずれかの取り外し可能な歯科装具。
実施形態12. 取り囲まれた歯は患者の前歯である、実施形態1〜11のいずれかの取り外し可能な歯科装具。
実施形態13. 患者の1つ又は複数の歯を整復するように構成された、順序付けられた取り外し可能な歯科装具のセットを備えているシステムであって、取り外し可能な歯科装具のセット内のそれぞれの取り外し可能な歯科装具は、患者の2つ又はそれより多くの歯を取り囲むように構成されているアクティブバンドを形成している装具本体を備えており、装具本体は、取り囲まれた歯の顔面側と位置合わせするように構成されている顔側部と、取り囲まれた歯の舌側と位置合わせするように構成されている舌側部と、を含み、装具本体の顔側部と装具本体の舌側部とは受け部を形成しており、各受け部は、取り囲まれた歯のうちの少なくとも1つを受け入れるように構成されており、アクティブバンドは、少なくとも装具本体の前方部分に沿って顔側部を舌側部から分離しており、アクティブバンドは、取り囲まれた歯が装具本体のアクティブバンド内に配置された状態で、取り外し可能な歯科装具が患者によって装着されたときに、患者の取り囲まれた歯の咬合面を露出させるように構成されている、システム。
実施形態14. 取り外し可能な歯科装具のセット内の取り外し可能な歯科装具の装具本体内のアクティブバンドは、順序付けられた取り外し可能な歯科装具のセットの全体を通じて、初期位置と最終位置との間の段階的に異なる位置において患者の歯を受け入れるように構成されている、実施形態13のシステム。
実施形態15. 順序付けられた歯科装具のセット内の少なくとも2つの歯科装具は同じ形状及び寸法のものであるが、異なる剛性特性を持つ材料を含み、順序付けられた歯科装具のセット内の同じ形状及び寸法の少なくとも2つの歯科装具のうち後者の歯科装具は、順序付けられた歯科装具のセット内の同じ形状及び寸法の少なくとも2つの歯科装具のうちの前者の歯科装具よりも高い剛性特性を有する、実施形態13又は14のシステム。
実施形態16. 順序付けられた取り外し可能な歯科装具のセット内の取り外し可能な歯科装具は、患者の上歯列に装着されるように構成された順序付けられた取り外し可能な上歯列装具のセットと、患者の下歯列に装着されるように構成された順序付けられた取り外し可能な下歯列装具のセットと、を含む、実施形態13〜15のいずれかのシステム。
実施形態17. 取り外し可能な上歯列装具と取り外し可能な下歯列装具とが、同時に装着されたときに、取り囲まれた上歯列と取り囲まれた下歯列との間における歯と歯との接触を可能にするように、
順序付けられた取り外し可能な上歯列装具のセット内のそれぞれの取り外し可能な上歯列装具は、取り外し可能な上歯列装具が患者によって装着されたときに、患者の取り囲まれた上歯列の咬合面を露出させたままにするように構成されており、順序付けられた取り外し可能な下歯列装具のセット内のそれぞれの取り外し可能な下歯列装具は、取り外し可能な下歯列装具が患者によって装着されたときに、患者の取り囲まれた下歯列の咬合面を露出させたままにするように構成されている、実施形態16のシステム。
実施形態18. 上部取り外し可能な歯科装具と下部取り外し可能な歯科装具との組み合わせによりII級不正咬合の矯正を容易にするように、順序付けられた上部取り外し可能な歯科装具のセットの少なくとも1つは、順序付けられた下部取り外し可能な歯科装具のセットの少なくとも1つと相互作用するように構成されている、実施形態16のシステム。
実施形態19. 取り外し可能な歯科装具のセット内のそれぞれの取り外し可能な歯科装具において、取り外し可能な歯科装具が患者によって装着されたときに、装具本体が、患者の対応する歯に回転力を印加するように構成されるように、装具本体内の受け部の少なくとも1つは、患者の対応する歯に対して位置合わせされている、前述の実施形態のいずれかのシステム。
実施形態20. 取り外し可能な歯科装具のセット内のそれぞれの取り外し可能な歯科装具は、装具本体のそれぞれの側から延出するアンカーを更に備える、前述の実施形態のいずれかのシステム。
実施形態21. アンカーのそれぞれは、取り囲む歯の近心又は遠位の歯を受け入れるように構成された少なくとも1つのアンカーバンドを含む、実施形態20のシステム。
実施形態22. 取り囲まれた歯が装具本体のアクティブバンド内に配置され、かつ受け入れられたアンカー歯がアンカーのアクティブバンド内に配置された状態で、取り外し可能な歯科装具が患者によって装着されたときに、アンカーは、患者の受け入れられたアンカー歯の咬合面を露出させたままにするように構成されている、実施形態21のシステム。
実施形態23. 取り外し可能な歯科装具のセット内の取り外し可能な歯科装具の少なくともいくつかにおいて、アクティブバンドはワイヤを含む、前述の実施形態のいずれかのシステム。
実施形態24. ワイヤはCNC形成されたワイヤである、実施形態22のシステム。
実施形態25. 取り囲まれた歯は患者の前歯である、前述の実施形態のいずれかのシステム。

Claims (3)

  1. 患者の1つ又は複数の歯を整復するように構成された取り外し可能な歯科装具であって、前記取り外し可能な歯科装具は、前記患者の2つ又はそれより多くの歯を取り囲むように構成されているアクティブバンドを形成している装具本体を備えており、前記アクティブバンドは、
    前記取り囲まれた歯の顔面側と位置合わせするように構成されている顔側部と、
    前記取り囲まれた歯の舌側と位置合わせするように構成されている舌側部と、を含み、
    前記装具本体の前記顔側部と前記装具本体の前記舌側部とは受け部を形成しており、各受け部は、前記取り囲まれた歯のうちの少なくとも1つを受け入れるように構成されており、
    前記受け部は、少なくとも前記装具本体の前方部分に沿って前記顔側部を前記舌側部から分離しており、前記アクティブバンドは、前記取り囲まれた歯が前記装具本体の前記アクティブバンド内に配置された状態で、前記取り外し可能な歯科装具が前記患者によって装着されたときに、前記患者の前記取り囲まれた歯の咬合面を露出させるように構成され
    前記装具本体の長手方向端部の各々から延出するアンカーを更に備え、前記アンカーのそれぞれは、前記長手方向端部の外側の歯を受け入れるように構成された少なくとも1つのアンカーバンドを含み、
    前記アンカーバンドと前記アクティブバンドとの間の歯の舌側のみにおいて前記アンカーバンドの各々を前記アクティブバンドに結合する支柱を有する、取り外し可能な歯科装具
  2. 前記アンカーは、前記取り囲まれた歯が前記アクティブバンド内に配置され、かつ受け入れられたアンカー歯が前記アンカーバンド内に配置された状態で、前記取り外し可能な歯科装具が前記患者によって装着されたときに、前記患者の前記受け入れられたアンカー歯の咬合面を露出させたままにするように構成されている、請求項に記載の取り外し可能な歯科装具。
  3. 患者の1つ又は複数の歯を整復するように構成された、順序付けられた取り外し可能な歯科装具のセットを備えているシステムであって、前記取り外し可能な歯科装具のセット内のそれぞれの取り外し可能な歯科装具は、前記患者の2つ又はそれより多くの歯を取り囲むように構成されているアクティブバンドを形成している装具本体を備えており、前記装具本体は、
    前記取り囲まれた歯の顔面側と位置合わせするように構成されている顔側部と、
    前記取り囲まれた歯の舌側と位置合わせするように構成されている舌側部と、を含み、
    前記装具本体の前記顔側部と前記装具本体の前記舌側部とは受け部を形成しており、各受け部は、前記取り囲まれた歯のうちの少なくとも1つを受け入れるように構成されており、
    前記アクティブバンドは、少なくとも前記装具本体の前方部分に沿って前記顔側部を前記舌側部から分離しており、前記アクティブバンドは、前記取り囲まれた歯が前記装具本体の前記アクティブバンド内に配置された状態で、前記取り外し可能な歯科装具が前記患者によって装着されたときに、前記患者の前記取り囲まれた歯の咬合面を露出させるように構成され
    前記取り外し可能な歯科装具のセットのうちのそれぞれの取り外し可能な歯科装具は、前記装具本体の長手方向端部の各々から延出するアンカーであって、前記アンカーのそれぞれは、前記長手方向端部の外側の歯を受け入れるように構成された少なくとも1つのアンカーバンドを含む、アンカーと、前記アンカーバンドと前記アクティブバンドとの間の歯の舌側のみにおいて前記アンカーバンドの各々を前記アクティブバンドに結合する支柱を有する、システム。
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