JP5209725B2 - 歯科矯正技工器具を製造するための歯科模型のデジタル形成方法 - Google Patents

歯科矯正技工器具を製造するための歯科模型のデジタル形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、デジタル歯科矯正学の領域に関し、より詳細には、デジタルデータを使用して器具を製造する方法に関する。
(関連技術の説明)
歯科矯正学は、歯列不正の管理、指導及び適正な位置への矯正に関連する歯科学の領域及び専門分野である。歯科矯正治療は、患者の咬み合わせ(咬合とも呼ぶ)の欠陥を矯正するとともに、より良好な衛生状態を促進し、全般的な歯の美観及び健康を改善する上で有用である。
かかる治療の過程において、特定の治療目的を達成するために、歯科矯正の専門家が患者に合わせてカスタマイズされた歯科技工器具の装用を患者に指導する場合がある。例えば、かかる器具は、患者の下顎骨の位置を修正するため、又は口蓋弓を拡張するために必要とされる場合がある。治療の最後に歯を固定するため、ホーレー(Hawley)式リテーナのような他の歯科技工器具が極めて一般的に用いられる。これらの歯科技工器具は、通常、熟練した技術者によって行われる、大きな労働力を要するプロセスによって作製される。初期の器具は、石膏又は矯正模型用石膏から作製された物理的な歯科模型上で、施術者によって手作業で作製されていた。こうした物理的歯科模型は、通常、アルギン酸塩又はポリビニルシロキサン(PVS)のような適当な印象材で形成された患者の歯列の印象から成型されていた。歯科成型用の型の製造技術は周知のものである。
今日、商業的な歯科技工所などの歯科技工器具の供給者は、患者の歯系組織の歯科石膏模型にプラスチック及び/又はカスタムベンドワイアを適用し、形状適合させることによってこれらの器具を引き続き製造している。歯科技工器具が必要とされる場合、歯科矯正(又は歯科)の専門家の診療場所において採得された標準的な歯科印象を用いて石膏模型を作製した後、この模型を歯科技工器具の作製を依頼する注文書とともに歯科技工所に送付する。かかる作業の流れは効果的である一方で、物理的歯科模型を歯科技工所に輸送するために遅れや輸送費が生じる。更に、アルギン酸塩の印象を形成し、石膏模型を注入するプロセスは、歯科矯正を行うスタッフにとって時間を浪費するばかりでなく、患者にとってしばしば不快なものである。
印象を作製した後、石膏模型を成型し、歯科矯正所又は歯科技工所に石膏模型を送付して、歯科技工器具を製造するというプロセスは、依然として人の手に大きく頼ったプロセスである。現行方法の効率及び信頼性を向上する方法は、歯科矯正の専門家及び器具の製造者の双方に歓迎されるであろう。
本発明は、口腔内スキャナから得られるようなデジタルデータを使用して、様々な歯科技工器具を製造する方法を歯科矯正の専門家のために提供するものである。本発明は、デジタルデータを使用して直接的又は間接的に物理的なネガ模型又は陰型を形成する方法を提供することによってこれを実現するものである。この陰型を使用して歯科矯正技工器具を製造するための物理的歯科模型を作成する。
本発明は、一実施形態において、患者の歯系組織の少なくとも一部を表わすデジタルデータを取得する工程と、前記デジタルデータを使用して陰型を形成する工程と、前記陰型から物理的歯科模型を作製する工程と、前記物理的歯科模型を前記陰型から離型させるために、前記陰型の少なくとも2個の部分を互いから引き離す工程と、前記物理的歯科模型から前記歯科技工器具を製造する工程と、を含む歯科矯正技工器具を製造する方法に関する。
本発明は、別の実施形態において、患者の歯系組織の少なくとも一部を表わすデジタルデータを取得する工程と、前記デジタルデータを用いて陰型を形成する工程と、前記陰型から物理的歯科模型を作製する工程と、前記陰型を撓ませて前記物理的歯科模型から外す工程と、前記物理的歯科模型から前記歯科技工器具を製造する工程と、を含む歯科矯正技工器具を製造する方法に関する。
本発明の選択的な態様は、(a)デジタルデータを使用して更に陽型を形成し、陰型を形成する工程が陽型を使用して行われ、(b)型部分を互いから破断することができるように破断可能な低強度の線を有する陰型を使用し、(c)物理的歯科模型から陰型を撓ませて分離できるように陰型を加熱することを含む。別の選択的な態様は、複数の型部分のアセンブリとして形成された陰型を含み、物理的歯科模型から各型部分を干渉しないように後で離型させる。
本発明の例示的実施形態において使用される工程の概略を示すフローチャート。 本発明の一実施形態に基づく陰型を示す図であり、歯系組織に一致する型の内面。 型の外面に向かって示された、図2の陰型を示す図。 使用者によって物理的歯科模型から破断されつつある本発明の別の実施形態に基づく歯の陰型を示す図。 物理的歯科模型からの離型を促進する形成部を有する歯の陰型の斜視図。 本発明の別の実施形態に基づいて分解された歯の陰型の斜視図。 図6に示した歯の陰型を組み立てられた状態で示す斜視図。 本発明の別の実施形態に基づく歯の陰型の斜視図。 使用者によってポジ歯科模型から撓ませることで外されつつある図3及び図4の陰型を示す図。 完成した物理的歯科模型上に形成されつつある歯科矯正技工器具の一例を示す図。
用語の定義
本明細書で使用する用語を以下に定義する。
「近心側(mesial)」とは、患者の湾曲した歯列弓の中心に向かう方向を意味する。
「遠心側(distal)」とは、患者の湾曲した歯列弓の中心から遠ざかる方向を意味する。「咬合側(occlusal)」は、患者の歯の外端部に向かう方向を意味する。
「歯肉側(gingival)」は、患者の歯茎又は歯肉に向かう方向を意味する。
「顔側(facial)」とは、患者の唇又は頬に向かう方向を意味する。
「舌側(lingual)」とは、患者の舌に向かう方向を意味する。
本明細書で使用する「歯科矯正技工器具」には、歯科矯正リテーナ、咬合スプリント、口蓋エクスパンダ、マウスガード、機能性器具及びヘルプスト(Herbst)式器具などの患者に合わせてカスタマイズされる器具、並びに睡眠時無呼吸症を緩和する器具などが含まれる。これらの器具を使用することにより、歯の固定、咬合保護、顎関節障害(TMD)の症状の緩和、下顎の位置調整、口蓋の拡張、及びその他の歯科/骨格治療作用を与えるとともに、歯科矯正治療における特定の工程を与えることが可能である。歯科矯正技工器具は、患者の歯の形状を実際又は所望の位置で表わした物理的模型を使用して製造される点においてブラケットなどの大量生産の歯科矯正器具とは異なる。
患者の歯系組織を表わすデータを収集することに始まり、カスタマイズされた歯科技工器具を製造することで終わる、工程ごとのプロセスを以下に示し、デジタルデータの取得、陰型の形成、物理的歯科模型の作製、物理的歯科模型の離型、及び歯科技工器具の製造の5つの大まかな見出しの下で系統的にまとめる。異なる実施形態に基づく各工程の更なる詳細を、図1に示されるフローチャートに更に説明してある。各工程を、以下の各項目の観点から詳細に説明する。
デジタルデータの取得
図1でブロック100として示す第1の工程では、患者の歯系組織の3次元(3D)画像を表わすデジタルデータを取得する。デジタルデータは、患者の歯系組織の全体、上顎若しくは下顎歯列弓のみ、又は一方若しくは両方の歯列弓の一部のみを表したものでもよい。患者の歯系組織の一部のみを表したデジタルデータは、例えば、所望の歯科技工器具がすべての歯ではなく、一部の歯に嵌められるような場合に望ましい。幾つかの実施形態では、デジタルデータは、ブロンテステクノロジー社(Brontes Technologies, Inc.)(マサチューセッツ州、レキシントン所在)により開発された能動型波面サンプリング(active wavefront sampling)を利用した口腔内スキャナなどの手持ち式口腔内スキャナを使用して取得することができる。また、他の口内スキャナ又は口内接触プローブを使用することもできる。別の選択肢として、患者の歯の印象を走査することによってデジタルデータファイルを取得することもできる。更に別の選択肢として、患者の歯の物理的模型を走査するか、あるいは接触プローブを患者の歯のモデルに使用することによってデジタルデータを取得することもできる。走査に使用する模型は、成型材料(歯科矯正用石膏又はエポキシ樹脂など)を患者の歯の印象に注入し、成型材料を硬化させることによって作製できる。X線、レーザー、コンピュータ断層撮影(CT)及び磁気共鳴イメージングのような任意の適当な走査法を使用して模型を走査することができる。
陰型の形成
図1でブロック102として示す次の工程では、必要に応じてデジタルデータを処理した後、ラピッドプロトタイピングやミリング法と併せて使用することによって陰型を形成する。「ラピッドプロトタイピング」法の例としてはこれらに限定されるものではないが、3次元(3D)印刷法、選択領域レーザ積層法又は粉末焼結造形(SLS)法、電気泳動積層法、ロボキャスティング法、溶融積層造形(fused deposition modeling, FMD)法、紙積層(laminated object manufacturing, LOM)法、ステレオリソグラフィ(SLA)法、及びフォトステレオリソグラフィ法などが挙げられる。発行済みの米国特許第5,340,656号、同第5,490,882号、同第5,204,055号、同第5,518,680号、同第5,490,962号、同第5,387,380号、同第5,700,289号、同第5,518,680号、同第4,672,032号に好適なラピッドプロトタイピング技術の例が述べられている。特に好適なラピッドプロトタイピング装置としては、3Dシステムズ社(3D Systems)(サウスカロライナ州ロックヒル所在)より販売されるVIPER(商標名)SLAシステムや、オブジェット・ジオメトリー社(Objet Geometries Ltd.)(イスラエル、リホボット(Rehovot)所在)より販売されるエデン(EDEN、商標名)500Vプリンターがある。別の選択肢として、CAD−CAMソフトウェアを使用してミリング機械やこれに類する装置を操作して陰型を製造することもできる。
場合に応じて、明らかなエラーを表わすデータポイント又は不必要なデータポイントを除去することによって、歯系組織の未加工のデジタルデータファイルを、最初に「クレンジング」してもよい。例えば、隣り合うデータポイント同士に通常予想される幾何学的関係から著しく外れたデータポイントを含む、歯表面を表すデータファイルを、データ処理ソフトウェアで修正することによって、誤ったデータポイントを除去することができる。更に、欠けている歯のデータポイントをデータ処理ソフトウェアで追加又は推定することによって、データ点によって規定される現実感のある滑らかに湾曲した歯の形状を形成することもできる。幾つかの実施形態では、ジオマジック社(Geomagic, Inc.)(ノースカロライナ州トライアングルパーク所在)などの業者から提供されるソフトウェアによって、デジタルデータをデジタルポイント群から3D表面に変換することができる。この変換が完了した時点で、歯系組織を規定するデジタルデータ群を用いて、対応する3次元陰型をラピッドプロトタイピング又はミリングによって形成することができる。図2及び図3は、それぞれ内側咬合面及び外側面に向かって示された例示的な陰型2を示す2つの図である。陰型2の壁は、適当な構造的強度を与える一方で、型2を使用して作製される成型体を後で容易に取り出すことができるような、適当な可撓性を保つ充分な厚さで画定されている。型2の壁は、場合に応じて、型2が不用意に歪むことを防止するためのリブ又は他の補強構造を有する場合がある。陰型2に適した壁厚の範囲は、型の材料の剛性に応じて、例えば0.25mm〜10mmとなる。陰型2が非常に柔らかい場合には、より大きな壁厚を要する場合もある。
例示的な実施形態では、ラピッドプロトタイピング又はミリング法を用いて陰型2を直接印刷する。陰型2は、印刷後に滑らかな表面仕上げを有し、元の歯系組織の輪郭を正確に複製していることが好ましい。陰型2は、可撓性マトリクス材料で形成されることが好ましい。幾つかの実施形態では、マトリクス材料は2〜90の範囲のショアA硬度を有し、破断伸長率が30%〜1000%である。
陰型2を形成する別の方法を図1のブロック104及び106に示す。ブロック104及び106で与えられるアプローチでは、デジタルデータを用いて歯系組織の物理的なポジ模型又は陽型がそれぞれ形成され、その後、この陽型を用いて陰型2が形成される。先に述べたように、陽型は、ラピッドプロトタイピング法又はコンピュータ数値制御(CNC)ミリングなどの他の方法を用いて作製することができる。続く陰型2の形成は、トレー状の型容器に流動性のマトリクス材料を満たし、陽型を逆さまにして型容器に入れ、マトリクス材料を固化させて陰型を形成する型成形プロセスによって達成することができる。場合に応じて、型容器は、歯科印象で使用されるようなU字形の溝を備える、全体的に弓状の形状を有する。中間の陽型を用いて陰型を形成することの主たる利点は、幅広い低弾性率の材料を自由に使用して陰型を形成することができる点である。低弾性率材料の例としては、ヘンリー・シェイン社(Henry-Schein Inc.)(ニューヨーク州メルビル所在)によって提供されるZ−DUPE(商標名)複製シリコーンが挙げられる。更なる利点として、幅広いラピッドプロトタイピング材料及びプロセスを用いて陽型を作製できる点がある。この作業の流れは、ラピッドプロトタイピング法で使用可能な各種の樹脂に限定されない。例えば、陰型2を、3D印刷装置において現在使用されているものよりも可撓性が高く、かつ/又は型成型により適した低弾性率の樹脂から成型することができるため有利である。比較的軟らかいマトリクス材料を使用して陰型が成型されるため、陰型2の壁は、物理的な歯科模型(図8で後に示す)が成型される際に、模型のマトリクス材料の重みによって型が不要に変形することを防止するような充分な厚さに成形又は形成されなければならない。
陽型から陰型2を形成する他の方法も考えられる。例えば、陽型を覆うように真空形成されたポリマーのシートから陰型2を形成することができる。好適な材料としては、バイエル社(Bayer)から販売されるマクロロン(Makrolon、商標名)材料や、厚さ1.52mm(0.06インチ)のGE社より販売されるレクサン(Lexan、商標名)ポリカーボネートなどのポリカーボネートシートが含まれる。ポリエチレンテレルタレートグリコール(「PETG」)などの他の材料を使用することも可能である。この方法が用いられる場合、陽型へのシートの一致性を高めるために真空形成プロセスにおいて必要に応じて熱を加える。
図には示していないが、陰型2は場合に応じて、物理的歯科模型の取り出しを助ける特徴を有してもよい。例えば、陰型2が、型の所定部分に沿って延びて強度の低い1乃至複数本の線を形成する少なくとも1つの切り欠き、ミシン目、又は溝を有することにより、陰型2の破断の開始を助け、物理的歯科模型からの離型を促進することができる。場合に応じて、型2の外表面に切り欠き又は溝を設けることにより、型2を物理的歯科模型から2個以上の部分として(例えばバナナのように)容易に剥離することができる。場合に応じて、図5に示されるように、型2は、型本体8から外側に延びる4個の取っ手部6を有する。取っ手部6は、使用者が把持して型本体8の縁部に力を加える手掛かりを与えることで物理的歯科模型からの型4の取り外しを助ける。図5の取っ手部6の数及び形態は、例示的なものに過ぎないことは明白であり、機械的補助を与える他の多くの取っ手部が更に考えられる。
図1のブロック108及び110で与えられる第3の実施形態ではそれぞれ、デジタルデータから2個以上の型部分を形成し、次いでこれらの型部分を組み立てて陰型を形成する。このアプローチを図6及び図7に示す。図6及び図7は、例示的な陰型18を分解された及び組み立てられた形態でそれぞれ示したものである。図に示されるように、型18は5個の型部分20、22、24、26、28を有する。型部分20、22、24、26、28は、組み立てられると陰型18を形成するように構成されている。型部分20、22、24、26、28は、ラピッドプロトタイピング又はミリング法によって個別に形成することが好ましい。別の実施形態では、陰型18を一体の要素として形成し、部分20、22、24、26、28に切断し、物理的歯科模型を成型するのに先立って再組み立てして陰型18を形成する。しかしながら、この方法を用いる場合には、切断過程における型材料の喪失が型の形状に直接影響を与えることから、切断過程において失われる型材料の量を最小にすることが好ましい。型部分20、22、24、26、28の適切な整合を助けるため、型部分20は連結ピン32を用いて型部分22、24、26、28と整合される。場合に応じて、タブ、レール、又は陰型の少なくとも一部を通じて延びる他の任意の機械的整合ガイドを用いて、型部分20、22、24、26、28が互いに対して不要にずれ動くことを防止することも可能である。部分20、22、24、26、28は更に、後で型から取り出す際の障害となるアンダーカットがないように個別に構成される。したがって、物理的歯科模型が陰型18内で成型及び硬化された後、各型部分を干渉しないように模型から個別に分離することができる。連結ピン32は、各型部分を整合するだけでなく、各部分を互いに緊密に固定することで物理的歯科模型の成型時に型18からの漏れを防止する適切なシールを形成する。図示される実施形態では、連結ピン32はネジ式の連結具であるが、他の締結手段も考えられる。
図7aは、本発明の第4の実施形態に基づく例示的な陰型50を示したものである。陰型50はほぼ「U」字形状をなし、型本体51及び型本体51に連結された支持構造52を有している。支持構造52は、型50の剛性を高めることによって、型50を使用して物理的歯科模型を成型する(次の項で説明する)際に型本体51が不要に撓んだり歪んだりすることを防止する。場合に応じて、この例で示されるように、支持構造52は型本体51の歯肉側縁部に沿って延びるリム53を有する。シーム56がリム53と型本体51とを分離する。リム53は、剛性を高めるために型本体51の壁厚よりも大きな顔−舌方向の厚さを場合に応じて有する。支持構造52は、より高い剛性効果を得るために、型本体51よりも高い剛性、ショア硬度、又は弾性率を有する材料で形成することもできる。
図7aの支持構造52は、歯列弓の咬合面に平行に延びるとともに型本体51に沿って2箇所以上の間隔をおいた位置に連結されることによって型50を機械的に補強する長尺状架橋部材54を更に有する。図示される例では、架橋部材54はほぼ「T」字状をなし、型50の舌側に面した後部同士、及び型50の舌側に面した前部を互いに連結している。図7aには組み合わせとして示されているが、架橋部材54及び厚さの大きいリム53は、型50の剛性を高めるために独立して用いることもできる。型本体51及び支持構造52は、上述したラピッドプロトタイピング法を用いて一体又は別体として製造することができる。
上述したように、撓ませたり、変形させたり、軟化させたり、破断させたり、あるいは分解することが可能な陰型(型2、4、18、50)を使用することによって、成型された歯科模型の取り出しを容易にすることが有利である。これは、人の歯の歯冠は、歯を顔方向又は舌方向から見た(すなわち、頬/唇から舌に向かって、あるいはその逆方向に見た)場合に全体的に楔形を有する傾向があるため、特に注目に値する。別の言い方をすれば、患者の歯列の多くの歯において、歯冠の咬合側の部分が歯冠の歯肉側の部分よりも大きくなっている。歯はこのような楔形の特徴を有しているため、剛性の歯科模型を剛性の陰型から模型を痛めずに取り出すことを困難又は不可能にするアンダーカット及び干渉が存在する。撓ませたり、変形させたり、軟化させたり、破断させたり、あるいは分解することが可能な陰型2、4、18、50を使用することによって、成型された歯科模型を損傷することなく型2、4、18、50から取り出すことができる。したがって、撓ませたり、変形させたり、軟化させたり、破断させたり、あるいは分解することが可能な陰型2、4、18、50の使用によって、歯科矯正技工器具の作製に通常使用される剛性のセラミックベースの歯科模型をデジタル的に形成する際にともなう内在的な難点が克服される。
物理的歯科模型の作製
上述した方法の1つを用いて陰型2、4、18、50を形成した後、図1のブロック112によって与えられるようにして、物理的歯科模型を作製する。この工程では、陰型2、4、18、50内で適当な模型マトリクス材料を成型する。模型マトリクス材料は、硬化時に大きく収縮又は膨張せず、硬化後には歯科矯正技工器具をその上で作製できるような耐熱性を有することが好ましい。場合に応じ、硬化後の模型マトリクス材料は、ハンダ付け、ろう着、及び溶接操作において生じうる1970℃を上回る局所温度に耐えうるものである。幾つかの実施形態では、模型マトリクス材料は焼石膏などの歯科矯正用石膏である。しかしながら、埋没材などの他の模型マトリクス材料を使用することもできる。一般的な埋没材としては、クリストバライトの形のシリカ、石英、白榴石、ジルコニア、ハフニア、ジルコン、アルミナ、マグネシア、ジルコン、アルミノケイ酸塩、コーディエライト、雲母、窒化ケイ素、炭化ケイ素、シリカ/アルミナ窒化物、ムライト、ガーネット、又はこれらの混合物などの耐火充填材を結合材と組み合わせたものが挙げられる。結合材としては、無機及び有機結合材、又はこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されるものではない。有機結合材としては、これらに限定されるものではないが、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリビニルブチラール及びポリスチレン、又はこれらの混合物が挙げられる。無機結合材としては、これらに限定されるものではないが、酸化マグネシウム、リン酸アンモニウム、コロイド状シリカ、硫酸カルシウム、リン酸マグネシウム、ケイ酸アルカリ、シリカヒドロゾル、コロイド状粘土、又はこれらの混合物が挙げられる。
必要に応じ、硬化後の物理的歯科模型の離型を促進するために、模型基質材料の成型に先立って陰型2、4、18、50の内面に分離媒質を塗布することができる。しかしながら、かかる層は本質的に元の歯系組織の大きさと比較して成型物の大きさを小さくするものであるため、この層はできるだけ薄くするか、この層の厚さが陰型2、4、18、50の作製時に補正されることが好ましい。
物理的歯科模型の離型
模型マトリクス材料が硬化した後、型2、4、18、50から物理的歯科模型を離型させるために、型2、4、18、50の少なくとも2個の部分を互いから引き離す。これは、図1のブロック114に示されるように陰型2、4、50を破断又は変形させることによって行うことができる。しかしながら、陰型が図6及び図7に示されるような型部分のアセンブリとして作製される場合には、図1のブロック116に示されるように陰型18を分解することによって物理的歯科模型を離型させることができる。
このプロセスの例示的な図を図8に示す。図8では、使用者の手12で、陰型2の壁を物理的歯科模型10から遠ざかる方向に変形かつ引き伸ばす補助をすることによって、物理的歯科模型10を離型している。軽く引っ張る力を同時に作用させることによって物理的歯科模型10を陰型2から完全に外すことができる。型2、4、18、50が適当に柔らかい可撓性材料で形成されていれば、例示される型2、4、18、50はいずれもこのようにして成型模型から離型させることができる点は注目に値する。物理的歯科模型10は、陰型2に引っ掛かる、又は干渉するようなアンダーカット領域を有していたとしても陰型2から取り出される際に通常は損傷しないようにしなければならない。
陰型2、4、18、50が堅すぎて、室温で変形させることにより物理的歯科模型10から容易に取り出すことができない場合には、取り外しに先立って更なる軟化又は分解工程を行うことができる。陰型2、4、18、50は、陰型2、4、18、50の温度が軟化点又は分解点よりも高い温度に昇温されるように、伝導、対流、又は放射によって型2、4、18、50に熱を加えることによって軟化又は分解することができる。幾つかの実施形態では、軟化点はガラス転移温度である。例えば、陰型2、4、18、50のガラス転移温度が40℃である場合、型2、4、18、50を発熱体と接触させるか、対流式オーブン中で型2、4、18、50を焼成するか、あるいは型2、4、18、50を赤外線で照射することによって型2、4、18、50の温度を例えば60℃に昇温させることによって陰型2、4、18、50を軟化させることができる。ガラス転移温度が室温よりも高い型2、4、18、50を使用すると、模型10の成型時には陰型2、4、18、50は堅くなり、その後、ガラス転移温度よりも高い温度に加熱して「オンデマンド」で軟化させることができるために有利な場合がある。場合に応じ、適当な可塑剤又は溶媒などの化学的手段を用いるか、水酸化ナトリウムなどの強塩基を使用して型2、4、18、50を化学的にエッチングすることによって型2、4、18、50を軟化又は分解することもできる。また、型2、4、18、50を光分解によって分解することもできる。例えば、紫外線放射を用いてポリマー鎖を切断して陰型2、4、18、50を分解することができる。物理的歯科模型10に悪影響が及ぼされないかぎり、他の機械的、熱的、又は化学的方法を用いて、陰型2、4、18、50を軟化させることもできる。陰型2、4、18、50が上記の方法のいずれかによって充分に軟化又は分解された後、陰型2、4、18、50を引き伸ばすか変形させることによって、少なくとも2個の部分を互いから引き離し、物理的歯科模型10の離型を促進することができる。
場合に応じ、図4に示されるように、陰型14を部分的に破断して型14を物理的歯科模型16からより簡単に分離することができる。これは、前述したように型14が破断プロセスを助ける切り欠き、ミシン目、又は溝を有している場合に特に適している。物理的歯科模型16からの型14の取り外しを更に容易にするために、陰型14を2個以上の別個の異なる部分に完全に破断することもできる。ここでもやはり、これらの方法は互いを排除するものではない点は理解されるべきである。例えば、上記の実施形態で述べた陰型2、4、18、50は、模型10からの型2、4、18、50の離型が促進されるように部分的又は完全に破断させてもよい。
図7aの実施形態では、場合に応じて、型50から物理的歯科模型を離型するのに先立って、支持構造52を切離するか、溶解するか、剥離するか、あるいは分離することができる。支持構造52を除去することで型50はより撓みやすくなり、よって物理的歯科模型の離型を促進することができる。更なる選択肢として、型50に切り欠き、ミシン目、切れ目を設けるか、あるいは強度を低くすることによって強度の低い1本以上の線を形成し、これに沿って支持構造52と型本体51とを互いから分離することもできる。また、支持構造52及び型本体51を化学的に異なる材料で形成し、材料間に低強度の境界面が内在的に形成されるようにしてもよい。これにより低強度の境界面は、支持構造52と型本体51との間のシーム56に沿って強度の低い線を形成する。
歯科技工器具の製造
石膏模型が作製された後、図1のブロック120に示されるように石膏模型を使用して歯科矯正技工器具を製造することができる。現在、歯科矯正の専門家に対するサービスとして歯科技工器具を製造するために石膏模型を日常的に使用する周知の器具の供給業者(歯科技工所など)が数多く存在する。このことは、上記に例示した実施形態の模型10、16のような物理的歯科模型から歯科技工器具を製造するためのインフラが既に存在していることから、本発明の利点の1つとなる。
図9は、例示的な歯科技工器具(この場合、リテーナ)を示したものである。この図では、物理的歯科模型10、16上に器具30が形成される。器具30は、模型の歯に接触するワイヤー部分32、及び模型の口蓋に接触するプラスチック本体34を有する。幾つかの実施形態では、ワイヤー部分32はステンレス鋼などの金属で形成され、模型10、16の歯の部分と緊密に一致する。ワイヤー部分32は、ポリメチルメタクリレートなどの低温硬化性アクリルポリマーから形成することができるプラスチック本体34中に部分的に埋め込まれている。また、本体34は、シリコーンなどの軟質ポリマー又はポリカーボネートなどの熱成形ポリマーで形成してもよい。
器具30を形成するには、先ずワイヤー部分32を模型10、16に一致した形状に成形する。ワイヤー部分32の成形は、通常は技術者が手で行うプロセスであるが、米国特許第6,612,143号(ブッチャー(Butscher)ら)、同第6,928,733号(ルバート(Rubbert)ら)、及び同第7,076,980号(ブッチャー(Butscher)ら)に開示されるようなロボットワイヤー折り曲げ技術を用いて自動化することも可能である。更に、模型10、16上に未硬化のアクリル樹脂の層を形成することによって、患者の軟部組織に一致するプラスチックパッドを取り付け、これによりプラスチック本体34を形成することもできる。次いで本体34を硬化させる前に、ワイヤー部分32を本体34に埋め込むことができる。また、熱成形ポリマーを模型10、16と接触させ、熱及び圧力を加えてワイヤー32を埋め込んで本体34を形成してもよい。次いで本体34の余分なプラスチックを必要に応じて切り取ることによって、器具30が得られる。場合に応じ、器具30は、バネ、カスタマイズされた骨組み、旋回軸、梁状要素、及び他の機械的要素を含む他の要素を有する。上記のプロセスにおいて、対向する下顎の歯科模型(図示せず)と模型10、16との咬合を考慮することで器具30を適切に構成することもできる。
ハイラックス(Hyrax)式器具、ツインブロック(Twin Block)、クロザット(Crozat)式器具などの他の歯科技工器具では、開放又は閉鎖型ループワイヤーの形態を使用しており、場合に応じて物理的歯科模型10、16上で互いに溶接又はろう着される器具部分を有する。当業者に周知の他の歯科矯正技工器具及び器具の製造方法も可能であり、その例は、ウィリソン(Willison)著「歯科矯正器具の実践的ガイド:理論から製造までの総合的資料」(Practical Guide to Orthodontic Appliances: a comprehensive resource from theory to fabrication)、ニューヨーク州トナワンダ(Tonawanda)、グレートレイクス・オーソドンティックス社(Great Lakes Orthodontics)(2004年)刊の第2〜3章、第2〜6章、及び第2〜7章、並びに、発行済み米国特許第2,531,222号(ケスリング(Kesling))、同第3,271,858号(シモンズ(Simmons))、同第3,994,068号(ゴシュガリアン(Goshgarian))、同第4,798,534号(ブレッズ(Breads))及び同第4,976,614号(テッパー(Tepper))に述べられている。
他の実施形態
上記に述べたプロセスは、歯科矯正の専門家のオフィス内でその全体を行うことができる。しかしながら必ずしもそうである必要はない。特定の実施形態では、歯科矯正の専門家又は他のサービス提供者のオフィスにおいて、スキャナを使用してデジタルデータを生成し、インターネット又は他の何らかの電子的手段によって遠隔の場所に送信してプロセスを行うことができる。幾つかの実施形態では、デジタルデータは歯科技工器具の製造者に送信される。
更に、陰型2、4、14、18の形成、物理的歯科模型10、16の作製、及び歯科技工器具30の製造を、歯科技工器具の製造者などの遠隔の場所で完了した後、完成した歯科技工器具を歯科矯正の専門家に送り返すことができる。必要に応じて物理的歯科模型10、16を歯科矯正の専門家に送り返すこともできる。
デジタルデータの管理はハードウェア若しくはソフトウェア、又は両者の組み合わせによって行うことができる。例えば、グラフィックインターフェースを有するソフトウェアを使用することによって、歯科矯正の専門家が歯科技工器具30を構成して発注し、請求及び発送に関する情報を承認し、患者の歯列を表わすデジタルデータを歯科技工器具の製造者に対してアップロードすることが可能となる。デジタル式の形状サンプリング及びプロセシングソフトウェアを使用することにより、製造業者の技術者がデジタルデータを操作して陽型、陰型2、4、14、18、又は陰型の部分20、22、24、26、28を構成することを可能としてもよい。例えば、ソフトウェアによって、歯科矯正の専門家は被覆物、ワイヤー及びループ径の寸法、形状、歯牙表面、並びに/又は器具の材料若しくは剛性を指定することができる。上記の方法は、それぞれがプロセッサ、プロセッサによって読み取り可能な記憶媒体(揮発性及び不揮発性メモリ、及び/又は記憶素子)、並びに適当な入力及び出力器具を備えたプログラミング可能なコンピュータ上で実行されるコンピュータプログラムで実行することが可能である。幾つかの実施形態では、プログラミング可能なコンピュータを、歯科矯正の専門家の場所と、歯科技工器具の供給者の場所の両方に配置する。
他の実施形態も考えられる。例えば、上記に述べたデジタル式の形状サンプリング及びプロセシングソフトウェアを使用して、陽型、陰型2、4、14、18、及び物理的歯科模型10、16を形成する材料の収縮率及び膨張率といった材料物性を分析し、補償することができる。ソフトウェア及びデジタルデータの処理は、歯科技工器具の製造業者によって使用される特定の製造方法に合わせてカスタマイズすることもできる。
物理的歯科模型の作製を以下の実施例で更に実証する。
(実施例1)
周囲の軟部組織とともに患者の下顎歯列弓を表す未加工のデジタルデータをブロンテステクノロジー社(Brontes Technologies, Inc.)(マサチューセッツ州、レキシントン所在)によって提供される口腔内スキャンによって得た。次いでレインドロップ・ジオメトリック(Raindrop Geomagic)ソフトウェアを使用してこのデジタルデータ群をクレンジングし、表面を滑らかに仕上げて、歯系組織の明確な3D表面画像を生成した。次いでこの表面をオフセットして内側の形状が元の歯系組織に正確に一致するネガシェルを形成した。次いでデジタルデータによって表わされたネガシェルを、3Dシステムズ(3D Systems)社より販売されるバイパー(VIPER、商標名)SLAシステムを使用し、やはり3Dシステムズ(3D Systems)社より販売されるアキュラ(ACCURA、商標名)Si−40フォトポリマーSLA材料を使用して印刷した。次いで印刷されたネガシェルを型として使用し、ウィップミックス社(Whip-Mix Corporation)(ケンタッキー州ルイビル所在)により提供されるホワイト歯科矯正石膏を使用してポジ歯科模型を成型した。成型後、石膏模型を室温で1時間硬化させた。石膏模型が完全に硬化した後、陰型と石膏歯科模型を150℃で15分間、オーブンに入れた。次いで型をオーブンから取り出し、部分毎に剥離した。石膏模型上の形成部はすべて正確でありかつ損傷が認められなかった。
(実施例2)
次に実施例1で得られた元のデジタルデータ群を使用し、今回は低弾性率の樹脂を使用して第2のネガシェルを印刷した。低弾性率のシェルを形成するために、デジタルデータ群を再びクレンジング及びオフセットして仮想デジタルシェル構造を生成した。次いで、オブジェット・ジオメトリー社(Objet Geometries)より販売されるエデン(EDEN、商標名)500V 3Dプリンターを、やはりオブジェット・ジオメトリー社(Objet Geometries)により提供されるフルキュア(Fullcure)930シリーズ「タンゴ・ブラック(TangoBlack)」樹脂とともに使用して仮想シェルに基づいた物理的シェルを印刷した。更なる強度を与えるため、このプロトタイプのシェル厚さは約3mmと規定した。ここでもやはり、印刷されたシェルを陰型として使用し、実施例1で述べた歯科矯正石膏を使用してポジ歯科模型を成型した。模型が硬化した後、陰型を室温で撓めることで成型石膏模型から取り外したところ、成型された模型に明らかな損傷は見られなかった。この実施例は、ラピッドプロトタイピングプロセスによって、複雑なアンダーカットを有する歯系組織から室温で取り外せるような充分な可撓性を有する陰型を直接製造することが可能であることを実証するものである。
(実施例3)
実施例1と同様に、歯系組織を表わすデジタルデータ群をクレンジングして表面を滑らかに仕上げた。ただし、この表面を用いて陰型物を規定する代わりに、データ群を用いて仮想陽型物すなわち歯系組織の複製物を規定した。次いでこのデータ群を用いて、上記に述べたバイパー(VIPER、商標名)SLAシステム及びアキュラ(ACCURA、商標名)Si−40フォトポリマーSLA材料を使用して陽型を印刷した。陽型が正確であることを確認した後、ヘンリー・シェイン社(Henry-Schein Inc.)(ニューヨーク州メルビル所在)によって提供されるZ−DUPE(商標名)複製シリコーンを円筒状の成型容器とともに使用し、陽型をZ−DUPE材料に完全に埋没させ、シリコーンを2時間硬化させることによって陽型を覆う陰型を成型した。シリコーンの陰型が硬化した後、陰型を陽型から外し、次いでこれを用いて実施例1及び2で行ったように歯科矯正石膏から物理的歯科模型を成型した。Z−DUPEマトリクス材料は高い弾性を有し、1時間後には石膏歯科模型から容易に分離されることが判明した。最終的な石膏模型は実質的に欠陥がなく、充分な表面仕上げを示した。
上記の発明は、明瞭さ及び理解を目的として図及び実施例によってある程度詳細に述べたものである。しかしながら、様々な代替例、改変例、及び均等物の使用が可能であり、上記の説明は発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。また、本発明の範囲は、特許請求の範囲及びその均等物によって定義されるものである。

Claims (1)

  1. 歯科矯正技工器具を製造する方法であって、
    患者の歯系組織の少なくとも一部を表わすデジタルデータを取得する工程と、
    前記デジタルデータを使用して陰型を形成する工程と、
    前記陰型から物理的歯科模型を作製する工程と、
    前記物理的歯科模型を前記陰型から離型させるために、前記陰型の少なくとも2個の部分を互いから引き離す工程と、
    前記物理的歯科模型から前記歯科技工器具を製造する工程と、を含む方法。
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