JP2008531234A - 様々な歯科用アライナー - Google Patents

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Abstract

被験体の歯において矯正移動を生じさせる歯科用器具であって、被験体の歯、歯肉または他の口腔領域に装着可能な歯科用アライナーを含む。本明細書では、器具の能力および快適性を向上させる特徴を含み、器具の損傷または摩耗を防ぐ特徴を備える歯科用器具について記載する。本明細書では、流体透過性アライナー、襞状アライナー、モジュール式アライナー、厚さ可変式アライナー、硬度可変式アライナー、スナップ式アライナー、織り目加工付きアライナー、多層式アライナー、側方矯正用アライナーについて記載する。また、該アライナーの作製および使用方法についても記載する。

Description

(技術分野)
本願は、一般に、歯の治療の分野に関し、そしてより特定すると、歯科矯正学の分野に関する。
(関連発明の引用)
本発明は、Wenらによる米国特許出願番号11/074,301、発明の名称「Denatl Aligner for Providing Accurate Dental Treatment」;Wenらによる米国特許出願番号11/074,297、発明の名称「Producing Wrinkled Dental Aligner for Dental Treatment」;Huafeng Wenによる米国特許出願番号11/074,300、発明の名称「Fluid Permeable Dental Aligner」;Wenらによる米国特許出願番号11/107,584、発明の名称「Dental Aligner Devices Having Snap−On Connectors」;Huafeng Wenによる米国特許出願番号11/074,298、発明の名称「Disposable Dental Aligner」;ならびにHuafeng Wenによる米国仮特許出願番号60/676,100、発明の名称「Nonuniform Dental Aligner and Methods」に対する優先権を主張する。これらの出願の各々は、その全体が本明細書中に参考として援用される。
同一人に譲渡された、以下の米国特許出願もまた、参照される:Huafeng Wenによる米国仮特許出願番号60/676,546、発明の名称「Digitization of Dental Arch Model Components」;Wenらによる米国仮特許出願番号60/673,970、発明の名称「System for Digitizing and Registering a Subject’s Upper and Lower Dental Arches」;およびHuafeng Wenによる米国特許出願番号11/205,496、発明の名称「System for Organizing Dental Aligners」。これらの出願の各々は、その全体が本明細書中に参考として援用される。
Liuらによって2005年3月7日に出願された、米国特許出願番号11/074,301、発明の名称「Dental aligner for providing accurate dental treatment」;Liuらによって2005年3月7日に出願された、米国特許出願番号11/074,297、発明の名称「Producing wrinkled dental aligner for dental treatment」;Huafeng Wenによって2005年3月7日に出願された、米国特許出願番号11/074,300、発明の名称「Fluid permeable dental aligner」;Huafeng Wenによって2005年3月7日に出願された、米国特許出願番号11/074,298、発明の名称「Disposable dental aligner」;およびHuafeng Wenによって2005年2月3日に出願された、米国特許出願番号11/050,051、発明の名称「Storage system for dental devices」もまた参照のこと。これらの出願の各々は、その全体が本明細書中に参考として援用される。
Huafeng Wenによって2004年11月2日に出願された、米国特許出願番号10/979,823、発明の名称「Method and apparatus for manufacturing and constructing a physical dental arch model」;Huafeng Wenによって2004年11月2日に出願された、米国特許出願番号10/979,497、発明の名称「Method and apparatus for manufacturing and constructing a dental aligner」;Huafeng Wenによって2004年11月2日に出願された、米国特許出願番号10/979,504、発明の名称「Producing an adjustable physical dental arch model」;およびHuafeng Wenによって2004年11月2日に出願された、米国特許出願番号10/979,824、発明の名称「Producing a base for physical dental arch model」もまた参照のこと。これらの出願の各々は、その全体が本明細書中に参考として援用される。
Huafeng Wenによって2004年12月14日に出願された、米国特許出願番号11/013,152、発明の名称「A base for physical dental arch model」;Huafeng Wenによって2004年12月14日に出願された、米国特許出願番号11/012,924、発明の名称「Accurately producing a base for physical dental arch model」;Huafeng Wenによって2004年12月14日に出願された、米国特許出願番号11/013,145、発明の名称「Fabricating a base compatible with physical dental tooth models」;Huafeng Wenによって2004年12月14日に出願された、米国特許出願番号11/013,156、発明の名称「Producing non−interfering tooth models on a base」;Huafeng Wenによって2004年12月14日に出願された、米国特許出願番号11/013,160、発明の名称「System and methods for casting physical tooth model」;Huafeng Wenによって2004年12月14日に出願された、米国特許出願番号11/013,159、発明の名称「Producing a base for accurately receiving dental tooth models」;Huafeng Wenによって2004年12月14日に出願された、米国特許出願番号11/013,157、発明の名称「Producing accurate base for dental arch model」もまた参照のこと。これらの出願の各々は、その全体が本明細書中に参考として援用される。
(発明の背景)
歯列矯正は、被験体の歯を操作し、より良好な機能性および外観を提供する施術である。一般に、ブラケットは、被験体の歯に結合され、アーチワイヤと一緒に連結される。ブラケットとワイヤの組み合わせによって、歯を移動させる力を生じさせる。一旦、歯が所望の位置に移動し、一定の期間ある場所に固定されると、体は、所望の位置に歯を維持するよう骨組織を適応させる。さらに所望の位置への歯の保持を補助するため、被験体は、リテーナーを装着してもよい。
歯の移動を達成するため、歯列矯正医は、専門知識を活用して、被験体の物理的歯列構造の三次元心像および被験体のための所望の物理的歯列構造の三次元心像を初めに決定するが、X線写真および/または模型を援用してもよい。これらの心像に基づいて、歯列矯正医は、さらに専門知識を駆使して、所望の物理的歯列構造に歯を再配置するための力が歯に付与されるように、ブラケットおよび/またはバンドを歯に取り付け、手動でワイヤを屈曲(成形)させる。所望の位置への歯の移動に応じて、歯列矯正医は、処置の進度、処置の次段階(例えば、ワイヤの新しい屈曲、ブラケットの再配置または交換、必要に応じてヘッドギア等)および前段階の成功度に関して継続的判断を行う。
一般に、歯列矯正医は、専門的見解に基づいて、ワイヤの手動調整および/またはブラケットの交換または再配置を行う。残念ながら、口腔環境において、人間の視覚および口腔の物理的構造の制限上、人間が歯列構造の視覚的三次元イメージを正確に展開することは困難である。また、三次元的ワイヤ屈曲を正確に見積もり(数度以内の正確度で)、ワイヤにそのような屈曲を手動で適用することも(不可能ではないにしても)困難である。さらに、理想的なブラケット位置を決定し、心像に基づいて所望の歯列構造を達成することは困難(不可能)である。また、理想的な位置であると予測される場所にブラケットを手動で取り付けることは非常に困難である。従って、歯列矯正処置は、複数のワイヤ変更を必要とする反復作業であり、その成功度とスピードは、歯列矯正医の操作技能および診断的専門知識に依存することとなる。複数のワイヤ変更の結果、コストおよび被験体の不快感は増す。また、被験体の処置時間に伴って、治療の質も、歯列矯正医によって大幅に変化する場合がある。
歯列矯正の施術は、歯列矯正医の専門的見解および判断に非常に依存する技術である。歯列矯正を技術的から科学的施術へ移行する目的として、多くの新しい手法が開発されている。例えば、Andreikoらの特許文献1では、歯列矯正用ブリッジを成形する方法が提供されている。該方法には、患者の口腔内の歯型の採取および該歯を所望の位置に移動させる処方が含まれる。患者の口腔内の歯の外形を、その模型から測定する。そして、患者の歯の外形および所望の位置を計測することによって、備えられるべき形状(例えば、溝またはスロット)を決定する。次に、特別形状を含むカスタマイズブラケットを、アーチワイヤ受容用に作製し、歯列矯正用ブレスシステムを成形する。該形状は、水平面上の進行性湾曲および垂直面上の実質上の線形構成において、ブラケット上のアーチワイヤの配列に対し備えられることを目的とする。ブラケットの形状は、ブラケット形状の該計測に従って、(例えば、個々の位置および角度において、特定の深さでブラケットの溝を切り込むことによって)変造される。該システムにおいては、二次元的形状(垂直面上の線形形状および水平面上の湾曲)を有するワイヤがブラケットに取り付けられると、ブラケットはカスタマイズされ、三次元的歯の移動が可能となる。
また、ブラケットおよびブラケットの配置に関する他の新しい手法も説明されている。例えば、該特許の新しい手法として、ワーチワイヤをブラケットに結紮する方法を記載した「Orthodontic Bracket and Ligature」(特許文献2)、「Method for Determining Orthodontic Bracket Placement」(特許文献3)、「Method of Forming Orthodontic Brace」(特許文献4)、「Orthodontic Appliance and Group Standardize Brackets therefore and methods of making, assembling and using appliance to straighten teeth」(特許文献5)が開示されている。
非特許文献1では、石膏型をレーザー走査し、模型のデジタル画像を生成する方法が記載されている。0rmco Corporation社出願の歯列矯正器具を設計するための歯のデジタル画像の操作方法について記載されている、米国特許第5,605,459号、特許文献5、第5,474,448号、第5,454,717号、第5,447,432号、特許文献6、特許文献4、第5,368,478号および第5,139,419号も参照されたし。
特許文献3では、歯をデジタル的に画像化し、歯列矯正処置のための最適なブラケット位置を決定する方法が記載されている。三次元模型を作製するための成型された歯のレーザー走査について、特許文献7では記載されている。特許文献8では、歯の模型のレーザー走査および歯の模型の研磨方法について記載されている。歯の輪郭のデジタルコンピュータ操作について、特許文献9および特許文献10では記載されている。歯列弓の電子化されたデジタル画像について、特許文献11および特許文献12では記載されている。
他の関連特許として、米国特許第5,549,476号、第5,382,164号、第5,273,429号、第4,936,862号、第3,860,803号、第3,660,900号、第5,645,421号、第5,055,039号、第4,798,534号、第4,856,991号、第5,035,613号、第5,059,118号、第5,186,623号および第4,755,139号を含む。
処置効率および結果の最高品質は、処置工程の現実的なシミュレーションに依存させてもよい。上下歯列弓の石膏型を作製し、その型を一本ずつの歯の模型に切断し、その歯の模型を蝋状の土台の所望の位置に嵌め込み、「セットアップ模型」を作製してもよい。本手法によって、何ら推測をせずに、完璧な咬合の模型を作製することが可能となる。次段階では、歯の模型毎にブラケットを結合する。これによって、歯列矯正医は、ブラケットのスロットを貫通するワイヤ形状が、確実に本結果を得ていることが分かる。その後、ブラケット位置を不正咬合原型に転写させてもよい。ブラケットを実際の患者の歯上の正確な位置に確実に結合させるために、歯毎の小型のテンプレートをブラケットおよび該当箇所の歯に適合するよう加工することで、患者の歯上にブラケットを確実に配置させることが可能となる。結合工程における効率性を向上させるため、別の選択肢として、不正咬合模型にブラケットを一つずつ取り付け、すべてのブラケットおよび個々の歯の該当部分に配置する歯列弓毎の単独の転写トレイを一つ加工してもよい。転写トレイを使用することで、非常に迅速に、しかも間接的結合による正確な結合が保証される。
Andreikoらによる特許文献6では、コンピュータ支持器具による歯列矯正アプローチについて記載されている。本方法では、初めに歯の特定の形状情報を採取する。その形状情報から、一平面上の目標歯列弓形を計測する。数学的に算出した目標歯列弓に従って、カスタマイズされたブラケットのスロット形状、ブラケットのベース、歯列矯正用アーチワイヤの形状を計測する。Andreikoらの方法は、歯列矯正器具の設計における人的要素を、目標歯列弓および器具の設計を決定論的かつ数学的計算に代替えすることで、より見積もり可能、標準および確実な歯列矯正を提供することを目的としている。従って、特許文献6では、歯列矯正医が、患者の診断、器具の設計および処置計画やモニタリングに全面的に関与する相互作用的コンピュータベースのシステムから逸脱した方法を教示している。
近年の歯列矯正技術では、新しい歯列矯正処置法として、透明な可撤性歯列矯正装置が提案され始めている。本システムでは、歯列矯正医が患者の生歯の印象模型を採取し、それを遠隔の器具製造センターへ発送し、そこでCTスキャナーで走査される。器具製造センターで、目標状態の生歯のコンピュータ模型が生成され、歯列矯正医は、インターネット経由でそれを確認することができる。歯列矯正医は、移動を所望する個々の歯の位置を指定する。その後、別の仮想模型がインターネット経由で提供され、歯列矯正医は、その修正模型を再検討し、さらに変更が必要な場合は指示を出す。その作業を数回繰り返した後、目標状態の合意に至る。一連の可撤性歯列矯正装置またはシェルが製造され、歯列矯正医に配送される。理論的には、シェルによって、患者の歯が所望または目標位置に移動する。
Align Technologies社による特許文献13では、最初の歯列から最終的な歯列に歯を再配置するための改良された方法およびシステムが記載されている。再配置は、凹部において歯を受け止め、少なくとも3つの逐次的工程の連続において、通常は少なくとも4つの逐次的工程を含み、しばしば少なくとも10の工程を含み、ときに少なくとも25の工程を含み、希に40以上の工程を含んで、それぞれの歯を漸増的に再配置するように構成された凹部を有する一連の器具を含むシステムによって達成される。最も頻繁には、本方法およびシステムは、10から25の逐次的工程において歯を再配置するが、患者の歯の多くに関わる複雑な場合には、40以上の工程を取り得る。多くのそのような器具の逐次的使用は、各器具が個々の歯を、典型的には2mm未満、好適には1mm未満、より好適には0.5mm未満の、小さな漸増において動かす構成であることを可能にする。これらの限定は、単一の器具を用いた際の、歯の任意点の最大限線形移動を基準としている。当然のことながら、逐次的器具により提供される動きは通常、任意の特定の歯に対して同一ではない。従って、歯の一点は一つの器具の使用の結果として、特定の距離に動かされ得、その後、次の器具により、異なる距離および/または異なる方向に動かされ得る。
個々の器具は、典型的には後述の成型により、歯を受け止める凹部を成形されて有する重合体シェルを、好適には含む。各個々の器具は、歯受容凹部が、中間配列、またはその器具に対しての目標配列に対応する形状を有するように構成される。即ち、器具が患者によって初めて装着される場合、器具の歪みのない凹部の形状に対して、歯の数本の配列がずれることになる。しかしながら、器具は充分に弾力的であるので、不適合な歯を収容し、または順応させ、そのような不適合な歯に対し充分に弾力的な力を付与し、その処置工程に望ましい中間配列または目標配列にそれらの歯を再配置する。
Align Technologies社によるアライナーは、特許文献14および特許文献15において開示のステレオリソグラフィーを利用して加工される。しかしながら、ステレオリソグラフィーには、いくつかの欠点がある。ステレオリソグラフィーで使用される材料は、人体に有毒および有害作用を及ぼす場合がある。ステレオリソグラフィーは、アライナー層を層毎に作製するため、患者が装着する際、細菌やバクテリアが潜む空間ができてしまう可能性がある。さらに、Align Technologies社によって使用されるステレオリソグラフィーは、処置の各段階において異なるアライナー模型を必要とし、多くの無駄を生み出し、環境に悪影響を及ぼす。従って、歯科用アライナーを作製する実用的および効果的かつ効率的方法が、長年にわたる切実な要求となっている。
可撤性歯列矯正装置を使用した歯列矯正処置におけるもう一つの課題は、時間の経過、使用および/または環境によって、歯科用アライナーに頻繁に変形または形状に緩みが生じてしまうことである。例えば、歯科用アライナー(例えば、「シェル」)は、患者が装着している間の咀嚼、咬合および熱い飲料によって変形される場合がある。歯を効果的に移動させるためのアライナーの能力は、アライナーと歯との接触に依存しているため、変形によって、可撤性歯列矯正装置の適切な機能に影響が及ぼされる可能性がある。
さらに、歯科用アライナーは、患者の反復的使用によって、弛緩および開放する場合があり、アライナーによって患者の歯に付与される矯正力が損なわれる恐れがある。その結果、歯の不充分または不正確な移動や、歯列矯正処置としては高額な矯正手段となる。
現在の可撤性歯列矯正装置の別の困難点として、可撤性歯列矯正装置が患者の歯に嵌合する許容範囲が小さいということがあげられる。可撤性歯列矯正装置は、患者の歯の外形に非常に近似させて作製しなければならない。多くの場合において、可撤性歯列矯正装置と患者の歯との不整合によって、可撤性歯列矯正装置を装着した際に不快感が生じることになる。
既存のアライナーでは、これらの問題点が適切に解決されない。例えば、Martzによる特許文献16では、被験体の上下顎に着脱可能な別々の器具が開示されており、軽微な不正咬合を矯正する。Martzは、(a)歯の表面に嵌合またはしっかりと把持する極めて剛性な部分、(b)ベースおよび形状を提供する剛性部、(c)所望の位置に歯を偏向させる(a)および(b)間に介入する柔軟性および弾力性のある中間部について記載している。剛性部の剛性度は、個々の事例の条件によって変動させてもよい。場合によっては、剛性部は多少の柔軟性を備え、それによって中間部の機能も兼ねることになる。
Phanらによる特許文献17では、歯列矯正処置中の被験体の歯の位置決め器具を可撤性の状態で装着するシステムおよび方法が記載されている。可撤性の歯の位置決め器具は、歯の再配置用の従来のブレスに比べ、その快適性、外観および使いやすさから、しばしば好適である。本器具は、歯の特定の表面に力を付与し、指向的移動を生じさせる。しかしながら、移動の種類および付与される力量は、歯の表面特徴および歯との結合位置に通常依存する。器具または器具と歯との接続によっては、歯を再配置するための所望の力を歯に与え得るに充分な固着がもたらされない場合がある。従って、該システムは、適切な物理的特徴を提供するために歯に配置される、一つ以上の装着装置の使用が必要な場合がある。歯列矯正装置上の凹みまたは窪みとの相互作用によって、被験体の歯に装着される器具は、特に大きな歯の移動が必要な場合、充分安定していない場合が多い。さらに、被験体による使用期間の経過とともに、アライナーも弛緩および開放する。窪みによって被験体の歯に装着される歯列矯正装置は、装着装置から滑り落ちる場合があり、歯列矯正における不正確な歯の移動および高額な矯正手段となり得る。しかしながら、本装着装置の特定の設計および位置によっては、より効果的な再配置力、固着能力および器具の固定が提供され得る。
最も市販されている可撤性歯列矯正装置(Align Technologies社製装置等)の別の問題として、歯列矯正装置は酸素を透過させないことである。典型的な処置は、約18〜24ヶ月必要として、その間、器具を装着している患者の歯頸線は、一般的に空気を透過させずに、一日の大部分覆われたままである。酸素は歯頸線の細胞に到達できず、歯列矯正器具内部に溜まった空気は容易に解放されることができない。酸素が欠乏した環境下では、フゾバクテリウム属およびアクチノミセス属等の嫌気性細菌が頻繁に繁殖し、副生成物として揮発性硫化物(VSC)が生成され、臭い息(口臭)の原因や患者の口内の衛生上の問題となる場合がある。
上述の問題に加え、アライナーの多くが、口蓋の側方への拡張が必要とされる矯正に影響を及ぼす能力にも限界がある。現在最も利用されているアライナーは、口蓋の動きに対して最小限の衝撃を付与し、歯のみを移動させる。さらに、口蓋を拡張させる伝統的な装置は、製造が困難であり、また上歯列弓全体を矯正することは不可能である。例えば、McSurdyによる米国特許出願第10/636,313号(参照として全開示を本明細書に援用する)では、口蓋拡張装置について記載されている。従って、口蓋を含む上歯列弓全体の再形成が可能な、経済的で容易に加工されるアライナーを提供することが望まれる。
米国特許第5,518,397号明細書 米国特許第5,618,716号明細書 米国特許第5,011,405号明細書 米国特許第5,395,238号明細書 米国特許第5,533,895号明細書 米国特許第5,431,562号明細書 米国特許第5,338,198号明細書 米国特許第5,452,219号明細書 米国特許第5,607,305号明細書 米国特許第5,587,912号明細書 米国特許第5,342,202号明細書 米国特許第5,340,309号明細書 米国特許第6,699,037号明細書 米国特許第6,471,511号明細書 米国特許第6,682,346号明細書 米国特許第4,793,803号明細書 米国特許第6,309,215号明細書 黒田ら,Am.J.Orthodontics(1996)110:365−369
本明細書に記載の装置、システムおよび方法は、上述の問題の少なくともいくつかを解決する、一つ以上の機能を有する可撤性歯科用アライナーについて説明する。特に、本明細書では、被験体の歯に固定可能なコネクタに貫通し固定される貫通孔を有する歯科用アライナー、制御可能な状態で変形可能な領域または織り目加工された表面(襞状アライナー等)を含む歯科用アライナー、不均等および/または多層式歯科用アライナー、液体および/または気体透過性歯科用アライナー等の歯科用アライナーの変形形態を記載する。以下により詳細に記載されるように、本機能のいずれかまたはすべてを組み合わせて、歯科用アライナーを成形してもよい。
(発明の概要)
本明細書では、被験体の歯の位置を矯正または修正するシステム、方法および装置について記載する。また、該器具の製造方法についても記載する。特に、歯科用器具について記載する。歯科用器具の変形形態のいずれかについて、およびその設計、加工、使用方法について説明する。歯科用器具とは、歯科用アライナーを含むいずれの適切な歯科用装置であってもよい。また、歯科用アライナーとは、一般に、適切な歯科用器具のいずれかを指す。
本明細書に記載される機能のいずれも(スナップ式歯科用アライナー、織り目加工付き、液体および/または気体透過性、襞状、モジュール式、厚さ可変式、硬度可変式あるいは他の特性等)、個々にまたは合理的な組み合わせにおいて、歯科用アライナーの一部として組み込んでもよい。説明の便宜上の目的のみのため、一つまたは数機能だけに焦点を当て、個々の歯科用アライナーを記載または説明する。このことよって、アライナー、システムおよびアライナーの作製または使用法が、本明細書に提示または記載される実施例に制限されることを限定あるいは含意することを意図しない。
歯科用アライナーは、被験体の歯に歯科用アライナーを固定する支持特徴を組み込み、その形態を維持し、摩耗や弛緩を防ぎ、アライナーの快適性および効果を向上させてもよい。例えば、歯科用アライナーは、「スナップ式」歯科用アライナーであってもよい(被験体の歯上のコネクタに固定される)。歯科用アライナーは、流体透過性であってもよい。歯科用アライナーは、不均等および/または多層式歯科用アライナーであってもよい。歯科用アライナーは、織り目加工付き、または見積もり可能な範囲で拡張あるいは収縮するよう成形してもよい。例えば、歯科用アライナーは、襞状アライナーであってもよい。
スナップ式歯科用アライナーは、以下の一つ以上を含んでもよい。
スナップ式歯科用アライナーは、被験体の歯に矯正移動を生じさせ、被験体の歯に装着されるよう構成された歯科用アライナー(またはシェル)と、該装置を貫通する一つ以上の貫通孔を含めてもよい。アライナー装置は、外面および内面を有するシェル部を含み、少なくとも内面部分が被験体の歯に接触するよう構成される。従って、貫通孔は、歯科用装置のシェル部の外面から内面に延出する。貫通孔は、コネクタと嵌合するよう構成される。
被験体の歯に矯正移動を生じさせるシステムは、一つ以上の貫通孔を有し、被験体の歯に装着されるよう構成された歯科用アライナー装置と、被験体の歯に固定されるよう構成された一つ以上のコネクタを含んでもよい。コネクタは、被験体の歯に歯科用アライナーが装着される際に、貫通孔と係合するよう構成される。
歯科処置のためのスナップ式歯科用アライナーの作製システムは、歯科用アライナー上に形成される貫通孔(被験体の歯上のコネクタと対応する)の位置を示すガイドと、そのガイドによって提供される情報に基づいて歯科用アライナーに対して穴開工具の位置決めをするポジショナー(保定装置)を含めてもよい。また、ある変形形態においては、本システムに穴開工具も含み、スナップ式歯科用アライナーを作製するために、歯科用アライナー上のガイドによって示される位置に、貫通孔を生成する。
歯科処置において被験体の歯を移動させる方法は、被験体の歯に装着させる歯科用アライナーを加工するステップと、歯科用アライナー上に一つ以上の貫通孔を生成するステップと、貫通孔と係合する被験体の歯上に一つ以上のコネクタを固定するステップと、被験体の歯上の歯科用アライナーを固定させるために、被験体の歯上の一つ以上のコネクタと歯科用アライナーの貫通孔を係合させるステップとを具備していてもよい。
本明細書に記載される実施態様は、歯科用アライナーを作製するための実践的方法およびシステム(スナップ式歯科用アライナー等)と、被験体の歯上の関連する受容コネクタを提供する。本アライナーは、被験体の歯上に装着可能であり、被験体が装着している間ずっと、設計通りの正確な合わせ位置に、確実に歯科用アライナーが配置されるようにする。また、本アライナーは、従来技術の歯科用アライナーにおいて一般的であるが、反復使用によって生じるアライナーの弛緩問題を克服し得る。従って、スナップ式歯科用アライナーは、アライナーによって被験体の歯が確実に所望の移動を達成するための矯正力を生じさせ、アライナーによる歯列矯正処置の正確性および効果を向上させることが可能である。
本明細書に記載の歯科用アライナーの開示されている構造の一つとして、歯科用アライナー上の貫通孔および貫通孔を受容するために被験体の歯上に固定されるコネクタを含む。該開示構造によって、被験体が装着している間、歯科用アライナーが意図された位置に効果的に係止される。従って、位置合わせおよび保定能力は、大幅に向上され得る。
また、スナップ式歯科用アライナーは、より長い期間矯正力を維持するため、アライナーの使用寿命を延長することが可能となる。その結果、歯科医院への来診回数も低減し得る。歯列矯正処置用のアライナーの材料および製造コストも削減され得る。また、アライナーの変形による矯正のやり直しの必要性も、大幅に減少され、さらに歯列矯正処置のコストを削減することが可能となる。
スナップ式歯科用アライナーは、被験体の歯に係合し、歯の移動を生じさせる持続的力を提供しながら、より薄い歯科用アライナーを実現可能とする。より薄く、より目立たない可撤式歯科用アライナーは、被験体の口内での煩わしさを軽減し、多くの場合、装着時の快適さを増す。スナップ式歯科用アライナーは、歯科処置におけるクラスII咬合矯正にも適用され得る。
また、スナップ式アライナーの特性は、設計工程においてシミュレーションを行い、最適化することも可能なことである。スナップ式アライナーの性能は、スナップ式コネクタの数量、位置、密度およびスナップ式構造の貫通孔のサイズや位置等のパラメータを変化させることによって最適化することが可能となる。スナップ式歯科用アライナーは、真空成形、カッターによる切断、レーザー光線または加熱装置によるエッチングおよびCNC(コンピュータ数値制御)ベースの製造法等のコスト効率の良い工程で製造可能である。
歯科用器具は、器具の種々の部分で異なる特性を有するようにしてもよい。器具の種々の領域で異なる特性は、以下の一つ以上を含めてもよい。色、質感、屈曲強度、引張係数、屈曲弾性率、硬度、熱伝導率、熱容量、圧縮弾性率および強靭性。従って、器具の領域は、上記特性のうち一つ以上において互いに異なる場合がある。異なる特性領域を有する器具の実施例(器具の設計、製造および使用方法を含む)を、本明細書に記載する。
器具の特性における違い(歯科用アライナー等)は、二つ以上の重合体を器具に組み込むことで導入してもよい。重合体は、同一種類(熱可塑性物質または熱硬化性等)であっても、あるいは異なる種類であってもよい。重合体は、異なる化学組成(ポリウレタンおよびシリコン重合体等)、あるいは異なる条件下で形成され、機能的性質の重合体を提供する同一の化学組成(アクリル重合体等)であってもよい。重合体は、領域中のモノマーの割合が異なる場合と、同一である場合の単独重合体または共重合体であってもよい。また、重合体は、一つ以上の重合体混合物または合金であってもよい。
例えば鋳型に異なる重合体シートを利用して、一つ以上の領域または器具全体の重合体層が隣接する一層または複数層で異なる器具が提供されるよう器具を作製しもよく、あるいは重合体を製造中に異なる加工条件で処理し、領域の境界を越えて連続的重合体構造を提供するが、器具の領域毎に特性が異なるよう器具を作製してもよい。
例えば、多層式歯科用アライナーの作製方法は、第1アライナー作製材料の第1層を一つ以上の物理的歯の模型上に配置するステップと、該第1アライナー作製材料の第1層を該一つ以上の物理的歯の模型の表面に合致させるステップと、第2アライナー作製材料の第2層を該第1アライナー作製材料の第1層に配置するステップと、該第2アライナー作製材料の第2層を一つ以上の物理的歯の模型上の第1アライナー作製材料の第1層の表面に合致させるステップとを含み、多層式歯科用アライナーを作製しもよい。
ある変形形態においては、多層式歯科用アライナーの作製方法は、第1アライナー作製材料の第1層を加熱するステップと、真空吸引によって該第1アライナー作製材料の第1層を一つ以上の物理的歯の模型に対し保持するステップと、該第1アライナー作製材料の第1層を物理的歯の模型の歯肉線に沿って切断するステップと、第2アライナー作製材料の第2層を加熱するステップと、真空吸引によって該第2アライナー作製材料の第2層を物理的歯の模型上の該第1アライナー作製材料の第1層に対して保持するステップと、該第2アライナー作製材料の第2層を物理的歯の模型の歯肉線に沿って切断するステップとを含み、多層式歯科用アライナーを作製してもよい。
ある変形形態においては、多層式歯科用アライナーは、第1アライナー作製材料の第1層および第2アライナー作製材料の第2層を含み、第1層および第2層のうち少なくとも一層が、アライナー作製材料の一層を加熱し、該アライナー作製材料の層を一つ以上の物理的歯の模型に対して保持することで成形させてもよい。
不均等歯科用アライナーを作製する別の方法は、アライナー作製材料シートを不均等に加熱するステップと、該アライナー作製材料シートを一つ以上の物理的歯の模型に対して保持するステップとを含み、不均等歯科用アライナーを作製する。
さらに、不均等歯科用アライナーの作製方法は、第1の時間の間、第1の温度でアライナー作製材料シートの第1区画を加熱するステップと、第2の時間の間、第2の温度で該アライナー作製材料シートの第2区画を加熱するステップと、真空吸引によって該アライナー作製材料シートを一つ以上の物理的歯の模型に対して保持するステップと、アライナー作製材料シートを物理的歯の模型の歯肉線に沿って切断するステップとを含み、不均等歯科用アライナーを作製してもよい。
また、歯科用器具は、流体透過性であってもよい。例えば、歯科用アライナーは、所望の方法で歯を移動させるために必要充分な強度および構造を提供しながら、流体透過性であってもよい。「流体透過性」とは、液体(水、唾液等)および/または気体(酸素等)の両方に対して透過性を有することを示す場合がある。歯科用器具は、流体透過性材料を含むことで流体透過性であってもよく、あるいはいずれの適切なサイズまたは形状の気孔、通路、穴を付与することで透過化され、流体透過性であってもよい。
例えば、患者の歯に規定の移動を生じさせるためのシェル型歯科用アライナーは、流体透過性材料を含むシェル部、シェル部の外面および内面を含み、患者の歯に接触する内面は、流体透過性材料によって、流体が患者の歯と外面近傍間を連絡し得る。
従って、患者の歯の処置方法は、患者の歯の最初の配列を決定するステップと、患者の歯の最終配列を決定するステップと、患者の歯の少なくとも1本に対し最初の配列から最終配列への移動経路を設計するステップと、移動経路を複数の逐次的処置工程(それぞれ患者の歯に対し目標配列を有する)に分割するステップと、流体透過性材料を含む歯科用アライナーを作製するステップとを含み、処置工程に応じて患者の歯を目標配列に移動させてもよい。患者の歯の処置システムは、患者の歯の目標配列を決定するよう設定されたコンピュータと、流体透過性材料、外面、患者の歯の1本と接触する内面とを含むシェル部を有する歯科用アライナーを作製するよう構成された器具を含めてもよい。流体透過性材料は、患者の歯の1本と外面近傍間の流体の連絡を可能にし、歯科用アライナーは、患者の歯が目標配列に移動するよう構成される。
流体透過性歯列矯正装置は、歯列弓上の患者の歯および歯頸線に酸素を容易に透過させる。歯列矯正装置下の酸素濃度を増やすことで、アライナー装置下のバクテリアの成長(従来のアライナーシステムの問題である)に関連する問題を克服することができる。また、多孔性流路によっても、唾液が歯科用アライナーを透過することが可能となる。唾液は、口臭およびバクテリアの成長を制御する重要な役割を果たす。唾液には、タンパク質、炭水化物、および細菌代謝や口腔表面への細菌の付着を妨げる免疫グロブリンが含まれる。また、唾液は、口腔化学環境における口臭を制御する溶媒でもある。従って、特に非透過性または透過性の低い器具と比較して、流体透過性歯科用アライナーを装着する患者の口内に関連する口腔衛生および口臭は、改善される。さらに、酸素および唾液を透過させる能力は、患者の口腔衛生を改善するだけではなく、患者がアライナーを清掃する頻度を減少させ、便宜性を向上させることが可能となる。また、取り外し頻度が減ることで(装着が延長されるため)、歯列矯正装置の使用寿命および効果を高めることが可能となる。
また、本明細書に記載の器具は、使い捨てであってもよい。従って、使い捨てアライナーを使用した患者の歯の処置方法は、一つ以上の器具(2、3、4等)の使用を含めてもよいが、他の点では処置の各工程において等しい。例えば、使い捨てアライナーを使用した患者の歯の処置方法の一つは、患者の歯の最初の配列を決定するステップと、患者の歯の最終配列を決定するステップと、患者の歯の少なくとも1本に対し最初の配列から最終配列へ移動する経路を設計するステップと、移動経路を複数の逐次的処置工程に分割するステップと、各工程が患者の歯の目標配列を有しており、目標配列に従って、処置工程の少なくとも一つに対して実質的に等しい形状の二つ以上の歯科用アライナーを作製するステップとを含む。実質的に等しい形状を有するアライナーとは、一般に、いずれかのアライナーが、等しい(例えば、最初の)歯列弓上に配置される場合、同一移動を歯に生じさせるアライナーである。
また、患者の歯の処置方法は、患者の歯の目標配列を決定するステップと、実質的に等しい形状を有する二つの歯科用アライナーを作製するステップと、二つの歯科用アライナーを使用するステップとを含み、患者の歯を目標配列に移動させるようにしてもよい。
使い捨てアライナーは、処置過程の各工程、あるいは処置の数工程でのみ(延長期間に装着するための同一形状のアライナーを必要とする工程等)使用してもよい。ある変形形態においては、使い捨てアライナーは、規定の増分時間(毎日、毎週、毎月等)用に、提供されるようにしてもよい。従って、患者の歯の処置システムは、患者の歯の目標配列を決定するよう設定されたコンピュータと、実質的に等しい形状を有する二つの歯科用アライナーを作製し、患者の歯を目標配列へと移動させるよう構成された器具とを含めてもよい。
使い捨てアライナーによって、患者にとって便利な歯列矯正装置が提供され得る。歯科用アライナー。本明細書で使用される「使い捨て」アライナーとは、各処置工程において患者に提供され、同一の形状を有する「新しい」アライナーを一つ以上の処置工程の期間に使用することができる余分の歯科用アライナーを指す場合がある。従って、歯科用アライナーを紛失または損傷した場合、患者は別のアライナーを要求し、アライナーが作製および送付されるのを待つ必要がない。これによって、患者にとって処置およびアライナーの保存がより容易となり、特別な配慮(損傷、紛失、摩耗の防止)は不要となる。従って、開示されている使い捨て歯科用アライナーは、患者の利便性をより高める。また、紛失または損傷された歯科用アライナーの再注文や再加工のためのコストも削減可能である。
また、使い捨てアライナーは、より正確かつ効果的な歯科処置を患者に提供することができる。従来の歯科用アライナーは、多くの場合、使用時間の経過に伴って弛緩され、患者の歯に付与される所望の力を発揮する強度も衰え、歯科処置に対して無効力および不正確な移動を生じさせる。各処置工程において複数の歯科用アライナーが提供される場合、歯科用アライナーが弛緩状態となる前に廃棄することができる。従って、歯科処置の正確性および効果は改善される。その結果、全体的に、処置時間およびコストが削減される。
さらに、使い捨てアライナーは、患者が装着する歯科用アライナーを、短い期間で新しい歯科用アライナーと頻繁に交換することで、患者の口腔衛生を改善することもできる。
また、本明細書に記載の歯科用器具は、器具の変形を防ぐように構成または加工してもよい。例えば、歯科用アライナーは、規定の領域内で多少器具が屈曲または拡張するように構成してもよい。例えば、器具に、少なくとも器具の長さの範囲に及ぶ「襞」を含めてもよい。襞状アライナーは、通常の平滑なものに対して、典型的には、襞が寄り、隆線を付け、あるいは折り目が付けられた一つ以上の面(または領域)を有する。例えば、アライナー表面上の襞は、皺が寄り、折り畳まれた、あるいは湾曲して現れる場合がある。襞によって、他の非襞状アライナーに比べ、大幅に器具を屈曲または拡張でき、器具を損傷してしまう材料応力を防ぐ。
患者の歯用の襞状歯科用アライナーの製造方法は、歯科用アライナー上に襞状面を少なくとも一面指定するデジタル歯科用アライナー模型を作成するステップと、該デジタル歯科用アライナー模型に従って、襞状面を有する歯科用アライナーを作製するステップとを含めてもよい。
ある変形形態においては、患者の歯列弓用の襞状歯科用アライナーの製造方法は、患者の歯列弓に基づいて歯列弓のデジタル模型を作成するステップと、該歯列弓のデジタル模型に基づいて、デジタル歯科用アライナー模型が作成され、該デジタル歯科用アライナー模型によって、表面上に一つ以上の襞が指定されるステップと、該デジタル歯科用アライナー模型に従って、襞状歯科用アライナーを作製するステップとを含む。患者用の襞状歯科用アライナーの製造システムは、襞状歯科用アライナー上に襞状面を少なくとも一面指定するデジタル歯科用アライナー模型を保存するよう設定されたコンピュータと、該デジタル歯科用アライナー模型に従って、襞状歯科用アライナーを作製するよう構成された器具とを含む。
襞状器具は、非襞状器具に優る利点を提供することが可能である。例えば、襞状アライナーは、従来技術システムでは一般的であるが、歯科用アライナーの反復使用による弛緩を防ぐ。従って、襞状歯科用アライナーによって、アライナーが患者の歯に所望の移動を生じさせる正確な力を確実に付与し、アライナーによる歯列矯正処置の正確性および効果を向上させることが可能となる。また、従来の歯科用アライナーに関連する問題である弛緩および力の損失を低減または除外することで、アライナーの寿命を延長させることができる。その結果、歯科医院への来診回数が減る。歯列矯正処置用アライナーの材料および製造コストも、削減される。また、アライナーの変形による矯正のやり直しも、大幅に減少し、さらに歯列矯正処置コストも削減される。
襞状アライナーの特性は、設計過程においてシミュレーションおよび最適化することが可能なことである。襞状アライナーの性能は、襞の深さ、位置、方向、密度等の襞のパラメータをシミュレーションおよび変更することで、最適化し得る。襞状歯科用アライナーは、真空成形、カッターによる切断、レーザー光線または加熱装置によるエッチング、あるいはCNC(コンピュータ数値制御)に基づいた製造法等、コスト効率の良い方法で製造できる。
また、本明細書に記載のアライナーは、上口蓋の拡張を含む側方矯正が可能である。本アライナーは、上歯列弓用であり、「側方矯正用アライナー」と称される場合がある。側方矯正用アライナーは、典型的には、歯を覆い、少なくとも上口蓋の一部に接触するシェル領域を含む。アライナーの設計は、上口蓋の目標位置の模型を作製し、1工程以上の増分(本明細書では、歯の移動に関する)を生じさせることによって、上口蓋の移動を促進する。これによって、歯および上口蓋上の側方矯正が可能となる。
典型的には、側方に歯を矯正し、および/または上口蓋を再構築するよう構成されたアライナーは、口蓋にまたがる領域を含む。アライナーによって歯および口蓋に側方への力を提供するために、口蓋にまたがる領域に、口蓋および/または歯を維持し、および/または力を付与するための支持部を含めてもよい。支持部は、構造強度(金属、セラミック等)を有するいかなる材料、特に、上歯列弓を再構築するための力を付与することが可能となる材料を含めてもよい。例えば、支持部は、バネまたは他の拡張可能部材であってもよい。支持部は、アライナーの口蓋領域内に含めてもよい(例えば、挟装してもよい)。これによって、アライナーをより快適なものとし、舌または口蓋領域への損傷を防ぐことができる。
側方矯正用アライナーは、口蓋を拡張または収縮するように構成してもよい。さらに、側方矯正用アライナーは、本明細書に記載のいずれの方法によって成形してもよい。例えば、側方矯正用アライナーは、上歯列弓模型(例えば、一層以上の材料の真空成形によって)、またはデジタル模型(CNC、リソグラフィ等によって)から成形してもよい。
従って、被験体の上歯列弓(口蓋領域を含む)を再構築するための側方矯正用歯科用アライナーは、外面、内面、および被験体の上口蓋に接触し、被験体の上歯列弓を再構築するための力を提供するよう構成された口蓋にまたがる領域を有するシェルを含めてもよい。シェル領域は、典型的には、被験体の上歯列弓の歯に接触するよう構成された歯接触領域を含む。本明細書に記載のように、シェル領域は、典型的には、被験体の歯の両側(前後)に接触する。側方矯正用アライナーのシェル領域は、典型的には、被験体のすべての歯(切歯、犬歯、小臼歯、臼歯等を含む)に接触する。口蓋にまたがる領域は、一般に、被験体がアライナーを装着した際に、被験体の口蓋の少なくとも一部に配置される。例えば、口蓋にまたがる領域は、被験体の硬口蓋の大部分に対応するようにしてもよい。口蓋にまたがる領域は、被験体の硬口蓋前部(切歯近傍)および被験体の硬口蓋領域(臼歯近傍等)後部に対応するようにしてもよい。
ある変形形態においては、口蓋にまたがる領域は、口蓋にまたがる領域に構造的支持を提供するように構成された支持部をさらに含む。支持部は、口蓋にまたがる領域全体または口蓋にまたがる領域の一部に及んでもよい。口蓋にまたがる領域は、(レーザー穿孔術等によって)通路を追加することによって透過可能となる材料を含め、上記流体透過性材料で作製してもよい。
また、本明細書に記載の患者の口蓋を再形成する方法は、患者の歯および上口蓋領域の最初の配列を決定するステップ(例えば、模型の作製または直接の測定によって)と、患者の歯および上口蓋領域の最終配列を決定するステップと、上口蓋領域の少なくとも一部の最初の配列から最終配列への移動経路を設計するステップと、該移動経路を複数の逐次的処置工程へ分割するステップと、上口蓋領域を目標配列に再構築するための口蓋にまたがる領域を含む複数の歯科用アライナーを作製するステップとを含む。
本歯科用アライナーの一つ以上の実施態様の詳細は、添付図面および以下の説明に記載される。本発明の他の機能、目的および利点は、説明、図および請求項から明らかとなる。
本明細書に組み込まれ、その一部を形成する添付図は、本発明の実施態様を図示し、説明と共に、本発明の原理を説明する役目を果たす。
(発明の説明)
歯科用器具について、本明細書に記載する。一般に、歯科用器具(歯科用アライナー等)は、被験体の歯、歯肉または口腔内の他の領域に装着され得る装置である。歯科用器具は、典型的には、不正咬合の処置に使用される。歯科用器具は、器具の性能を向上させる特徴を含んでもよい。本明細書に記載の歯科用器具は、器具の損傷または摩耗を防ぐ特徴(流体透過性、襞状構造、モジュール構造、厚さや硬度変動式等)を含んでもよい。また、歯科用器具は、器具の適合性を向上させる特徴(スナップ式特性、貫通孔、織り目加工面等)を含んでもよい。
以下の説明は、いずれの当業者も本発明を作製および使用することが可能なように提示される。特定の材料、技術および用途の説明は、実施例としてみ提供される。本明細書に記載の実施例における種々の改良品は、当業者には容易に理解され、本明細書に記載の一般原理は、本発明の精神と範囲から逸脱することなく、他の実施例および用途に適用することが可能である。従って、本発明は、記載および図示される実施例に限定することを意図するものではなく、付随する請求項に一致する範囲を許容するものである。
本明細書で使用される「歯科用アライナー」とは、歯の矯正移動を提供し、不正咬合を矯正する歯科用装置または器具を示す。通常、歯列矯正処置は、複数の処置工程を含む。一つ以上の歯科用アライナーを、各処置工程において被験体の歯に装着することができる。初めに、歯列矯正医は、被験体の歯の最初の配列を測定し、処置終了時の被験体の歯の目標最終配列を決定する。その後、一つ以上の歯科用アライナーを作製し、歯科用アライナーを装着された被験体の歯または歯茎(歯肉)に対して歯科用アライナーを「押動」(または、引動)させることによって、その歯を徐々に再配置させることが可能となる。
本明細書で使用される「被験体」とは、歯列矯正患者を含め、スナップ式アライナーの使用によって利益を得るいかなる被験体をも示す。
個々の歯科用アライナー器具は、一般に、被験体の歯の一部(または全部)を覆うが、歯茎(または、口蓋を含む他の口腔内の領域)まで拡張させてもよい。ある変形形態においては、歯科用アライナーは、アライナー上に形成される歯受容凹部を有する重合体シェルを含んでもよい。該歯科用アライナーは、成型により成形してもよい。各個々の器具は、歯受容凹部が、中間配列、またはその器具に対しての目標配列に対応する形状を有するように構成してもよい。即ち、器具が被験体によって初めて装着される場合、器具の歪みのない凹部の形状に対して、歯の数本の配列がずれることになる。しかしながら、器具は充分に弾力的であるので、不適合な歯を収容し、または順応させ、そのような不適合な歯に対し充分に弾力的な力を付与し、その処置工程に望ましい中間配列または目標配列にそれらの歯を再配置する。歯科用アライナーの実施例および追加の説明は、以下に記載の図、および本明細書に援用される参照にも含められる。
歯を覆う歯科用アライナー部分は、歯科用アライナーのシェル領域と称される場合がある。シェル領域は、典型的には、内面(歯に接触する面等)および外面(内面の反対面)を有する。また、歯科用アライナーは、先端領域(アライナーが装着される歯冠近傍等)、およびアライナーを歯に装着した場合に歯茎(または、歯肉)近傍に配置される下部を有すると考慮してもよい。側部領域は、先端領域および下部領域(舌に対面する内側領域および唇に対面する外側領域等)の間において確認できる。
さらに、本明細書に記載の歯科用アライナーは、以下に記載の特徴(例えば、スナップ式歯科用アライナー、織り目加工付き、流体および/または気体透過性、襞状、モジュール式、厚さや硬度変動式または他の特性)のうちいずれかまたはすべてを含み、個々に、あるいはいずれかの合理的な組み合わせとして歯科用アライナーの一部として組み込んでもよい。説明上の利便性のみを目的として、本明細書に記載の歯科用アライナーの特徴または態様を個々に強調するために、後述の部分において、個々の歯科用アライナーを記載または図示する。このことによって、アライナー、システム、および本アライナーの作製または使用方法が、図示または説明される実施例に制限されることを限定あるいは含意するものではない。
歯科用アライナーは、コネクタ、貫通孔および織り目加工された接触面を含め、被験体の歯への歯科用アライナーの固定を支持する特徴を組み込んでもよい。
(歯科用アライナーの製造)
歯科用アライナーは、被験体の歯列弓のデジタルまたは実際の(例えば、物理的)模型から加工してもよい。被験体の現在の歯列弓は、目標歯列弓(または、一連の目標歯列弓)を示すように修正され、現在の位置から目標位置へ歯を漸増的に移動するようにする。典型的には、歯科用アライナーは、現在の歯列弓から漸増的に異なる歯列弓模型に適合するアライナーを成形することで作製される。従って、歯科用アライナーは、歯の不正咬合の矯正を支持する力を提供する。歯列弓模型(デジタルまたは実際の模型のいずれか)からのアライナー成形において、歯の模型を平滑化することは有益となり得、アライナーが正確に歯列弓に合致されるが、アライナーの快適性および効果の妨げとなる鋭端部または空間に対応する面は含まれない。
図22は、本明細書に記載の歯科用アライナーを作製する工程の一変形形態を示す。初めに、三次元(3D)歯列弓のデジタル模型を、工程4110において患者の歯列弓から採取する。歯列弓のデジタル模型は、患者の歯列弓から作製された鋳造物を三次元走査することによって調達可能である。デジタル模型は、上下歯列弓全体または大部分の面を定義する三次元上のメッシュ点を含む。歯列弓のデジタル模型を採取するための詳細は、Huafeng Wenによる上記参照の米国特許出願「Producing a base for a physical dental arch model」(2004年12月14日出願)に記載されており、その内容は、参照として本明細書に援用する。
次に、工程4120において、コンピュータソフトウェアを使用して、コンピュータ処理によって前記歯列弓のデジタル模型を平滑化する。また、ユーザーによって、平滑度に対し一つ以上の基準を設定することができる。鋭端部、間隙および凹み等の望ましくない特徴を、歯列弓のデジタル模型から除去する。物理的模型のみ使用する場合、該鋭端部を手動で平滑し、間隙を充填してもよい(蝋等を使用して)。
必要とされる平滑度は、特定の歯科用途に依存させてもよい。例えば、プラスチック製アライナーは、歯間の間隙に達することができず、従って該間隙は、アライナーを成形する際に充填してもよい。さらに、歯列矯正処置手順における所望の歯の移動の妨げとなる可能性があるため、アライナーが間隙中に微細な特徴を有することも望ましくない。
また、平滑度の基準は、以下に記載のアライナー構成部品の製造に使用される工具の種類によって決定することができる。例えば、コンピュータ数値制御(CNC)に基づいた製造法は、自動化およびコンピュータ制御による機械加工を示す。CNC機器は、典型的には、自動で、正確かつ一貫した動作制御を提供する。あらゆる形態のCNC設備は、軸と呼ばれる2方向以上の動作を有する。該軸は、正確かつ自動で、その移動距離に沿って配置される。最も一般的な軸の種類は二種類あり、直線軸(直線路に沿って駆動)および旋回軸(円経路に沿って駆動)である。従来の機械工具で要求されるような手動でクランクおよびハンドルを回転させて動作を生じさせる代わりに、CNC機器によって、CNC制御の下でサーボモータによって動作を作動させ、そのプログラムの一部によって誘導させることが可能となる。概して言えば、動作の種類(急速、直線および旋回)、移動軸、動作量および動作率(送り速度)が、ほぼすべてのCNC機械工具に対して、プログラム可能である。本発明においては、CNCに基づいた研磨に加え、CNCに基づいた製造法も、ステレオリソグラフィー、レーザー機械加工、成型、他の種類のCNCに基づいた機械加工等の他のコンピュータ数値制御製造過程との互換性を有する。
しかしながら、物理的歯列弓模型の製造に対しては、CNCに基づいた研磨におけるドリル用ビットは、通常大きすぎて、歯列弓模型の間隙および空孔に達することができない。CNCに基づく研磨は、通常、一つの軸を中心とするため、歯の間の間隙内の複雑な形状を機械加工することが困難である。また、CNCに基づいた研磨は、異なる研磨工程間における正確性および再現性に限界がある。
いくつかの技術を、歯列弓のデジタル模型における間隙を除去し、平滑化された歯列弓のデジタル模型を作製するために使用してもよい。本技術には、以下を含む。
(1.)基本的な三次元オブジェクトを使用したブール代数による和集合。グラフィック構造化立体幾何の基本立体または独自に開発した所定の形状を、歯列弓のデジタル模型の間隙に挿入し、原型の三次元デジタルメッシュと組み合わせることができる。
(2.)押出。間隙近傍面を押し出し、原型の三次元デジタルメッシュの間隙を充填する。
(3.)頂点を移動させることによる形状修正。尖鋭な間隙を、問題領域において、所望の境界を指定し、メッシュを所望の境界に修正することによって、閉口可能である。
(4.)表面および移動の再分割。技術3と同様に、歯列弓表面を、平滑性および連続性を向上させるために、表面改質領域に再分割する。
(5.)間隙にオブジェクトを充填するために使用される副部品の凸包形成。初めに、間隙領域を探し、尖鋭な間隙の先端を示す点を特定する。凸包を、それらの点に基づいて計算する。凸包を、原型メッシュと接続し、ブール代数による和集合を使用して、間隙を充填する。
(6.)模型を作るためのパラメトリック曲面を使用して、間隙に適合するオブジェクトを使用して充填する。
図23は、間隙充填前の表面4210と間隙充填後の表面4220を比較して、間隙充填の平滑効果を示す。
歯列弓のデジタル模型の平滑性を確認および検証するために、入力された平滑化後の歯列弓のデジタル模型を使用して、シミュレーションを実施することが可能である。シミュレーションは、CNCに基づいた研磨等の製造過程または歯科用途によって要求される平滑性基準に応じて、シミュレーション用ソフトウェアを使用して実行可能である。平滑性基準が完全に満たされない場合、繰り返し研磨および平滑化を行うことが必要となる場合がある。
一旦、歯列弓模型が平滑化されると、アライナー模型を、平滑化後の歯列弓模型(歯列弓のデジタル模型等)に基づいて開発してもよい。例えば、平滑化後の歯列弓のデジタル模型を使用して、図22の工程4130で示されるように、デジタルアライナー模型を作成してもよい。デジタルアライナー模型は、典型的には、内面および外面を備える。アライナーの内面(複数を含む)が患者の歯(および、時として歯肉)の外面と接触するため、デジタルアライナー模型の内面は、歯列弓のデジタル模型の外面の外形にほぼ従い、歯科用アライナーが、歯列弓上に適合する(例えば、スナップが留まる)。さらに、デジタルアライナーの内外面を、処置計画に従って、歯の移動を達成するための所望の力を付与するように、種々の形状および厚さに設計してもよい。
図22に概説される方法においては、次に、デジタルアライナーは、より細分化された構成部品へと分割され、容易に製造(例えば、CNC技術によって)および再組み立てされ、最終アライナーを形成することが可能である。工程4140において、デジタルアライナー模型は、CNC製造に好適なデジタルアライナー構成部品へ分画される。デジタルアライナー模型の典型的アライナーは、それぞれ上下歯列弓、または複数の歯を含む歯列弓の一部に対応する上下アライナーを備える。アライナー4300を、図24に示す。アライナー構成部品4310および4320は、歯列弓模型の一部または領域(一本の歯の一部、個々の一本の歯全体、もしくは時として、数本の歯を含む歯列弓の分画等)に対応可能である。
アライナー構成部品のサイズ、位置および数量の基準は、歯列矯正要求および製造要件の両方に基づく。歯列矯正基準は、どのようにアライナー構成部品の最初の位置を、そしてどの構成部品を、グループとしてまとめて移動可能なのか、どのアライナー構成部品を独立して移動させなければならないのか、どの歯が移動不可能なのか、を追跡記録することが必要となる。
製造要件は、デジタルアライナー構成部品の製造可能性に主に関するもので、通常は、歯列矯正基準に優先する。例えば、一本の歯を複数の構成部品に分割することで、その模型を製造可能にすることができる。分画されたデジタル構成部品は、シミュレーション用ソフトウェアで評価し、CNCに基づいた研磨等の特定の製造過程によって、その製造可能性を検証することができ、それによって分画のサイズ、位置および数量の改良が提案される場合がある。また、シミュレーションは、組み立て後の物理的強度を評価および見積もりを含むことができ、以下に記載のように、組み立てられたアライナー構成部品が、圧力成形過程において物理的力に充分耐えられる強度があるかを判断する。
一変形形態においては、デジタルアライナー模型を、分割中に平滑化することが可能である。分画された異なるデジタル構成部品は、様々な種類または程度の平滑化を受けることで、その平滑が分画および製造要件に調整される。
図22に記載の方法によって、アライナー模型を、細かい製造可能なアライナー構成部品に分画し、自動で、正確な数値に基づく製造技術によって製造可能となる。デジタル構成部品の製造可能性は、シミュレーション、検証を行い、必要に応じて、製造前に改良を行ってもよい。その結果、作製不可能であった複雑なアライナー形状が、実用的に製造可能となる。無駄およびサイクル時間が、設計から、試験、生産準備、生産までの過程において削減される。
分画されたアライナーの設計およびその画分を製造後、各画分を組み立て、完全なアライナーを形成してもよい。例えば、工程4150では、アライナー構成部品に一つ以上の特徴を加え、アライナー構成部品の組み立てを支持し、アライナーを形成する。本特徴は、ピン、位置合わせスロット、刻み目、突起、空孔、連結機構、ソケット、治具、および着脱可能な特徴を含めてもよい。製造された隣接アライナー構成部品は、接着させるために、合致するオス型(キノコ型プッシュピン等)およびメス型特徴(空孔、刻み目等)を含めてもよい。オス型およびメス型特徴は、例えば、それぞれオス型およびメス型特徴の作製が可能な鋳型に、メス型およびオス型合致特徴を含む鋳型を鋳造することによって加工できる。隣接するアライナー構成部品は、単純にオス型特徴をメス型特徴に押し込むことによって(例えば、プッシュピンを受容空孔に圧入することによって)、互いに接着可能である。ある変形形態においては、各画分を、追加の工程(接着剤、焼結等)によって一緒に固定してもよい。
歯列弓をデジタル構成部品に分画する場合、隣接歯間領域に対して、特別な配慮が必要とされる場合がある。例えば、隣接歯間領域は、複雑性および細部を含む場合があり、CNCに基づいた製造法技術(切断または研磨等)によって細部が失われる可能性がある。図25aおよび25bに示すように、隣接歯間領域4440は、線4430に沿って、歯の模型4410および歯の模型4420間から除去してもよい。これは、歯列弓のデジタル模型上のデータ処理によって達成可能である。細い間隙4450は、歯の模型4410および歯の模型4420間に形成してもよい。その後、図25cで示されるウェッジ4460を、他の製造可能デジタル構成部品と同様に、CNCに基づいた製造技術を使用して作製可能である。ウェッジ4470は、間隙4450に挿入し、デジタル歯列弓模型を完成させることが可能である。ウェッジの作製および挿入は、歯列矯正処置中の歯の模型4410、4420の移動を考慮することができる。図25dで示すように、ウェッジ4480は、僅かに剪断させて作製してもよい。従って、歯の模型4410、4420間に挿入されたウェッジ4490は、歯の模型4410、4420間の相対移動を含むことができる。一般に、相対移動は、異なる程度の自由な動作における並進運動および方向調整を含むことが可能である。従って、結果的歯列弓模型を使用して、歯科用アライナーを作製することができる。
図26a、26b、26cおよび26dは、アライナー構成部品4510、4520、4530、4540が互いに接着し、物理的アライナー全体または一部を形成することが可能なアライナー構成部品4510、4520、4530、4540の特徴4515、4525、4535、4545の実施例を示す。図26aは、アライナー構成部品4510に対し、立方体のベースを有する特徴4515を示す。図26bは、アライナー構成部品4520に対し星形ベースを有する特徴4525を示す。アライナー構成部品4520が、別のアライナー構成部品と組み合わせられた場合、星形ベースは、独自の方向を定義する。図26cおよび26dは、アライナー構成部品4530および4540にそれぞれ2本および3本のピンを備える特徴4535および4545を示す。2本のピンによって、アライナー構成部品4530が、別のアライナー構成部品と組み合わせられた場合、独自に定義された方向を確保する。同様に、特徴4545の3本のピンによって、アライナー構成部品4540が、別のアライナー構成部品と組み合わせられた場合、独自の形状を確保する。
アライナー構成部品4310、4320は、CNCに基づいた製造法技術を使用した工程4160において製造される。分画されたデジタルアライナー構成部品は、CNCオブジェクトとして、CNC機器に入力されるために提供される。アライナー構成部品4310、4320は、個々に製造される。開示される方法およびシステムでは、製造可能性は、アライナー構成部品の設計の一部として、考慮および検証されるため、CNCに基づいた製造法の正確性および収率は高い。アライナー構成部品の一般的材料には、重合体、ウレタン、エポキシ、プラスチック、石膏、石、粘土、アクリル、金属、木材、紙、セラミックおよび磁器が含まれる。研磨過程において、構成部品を適所に保持する機構が必要となる場合がある。
以下により詳細に記載されるように、デジタル歯科用アライナー模型は、アライナー構成部品上に作製され、最終的に物理的歯科用アライナーの表面上に形成される襞特徴を含めることが可能である。襞特徴は、反復使用後も、アライナーの弛緩を低減するように、予め設計し、シミュレーションを行うことができる。襞状アライナーまたはアライナー構成部品は、デジタル歯科用アライナー模型に従って、加工可能である。
物理的アライナー模型4600は、アライナー構成部品を組み立てる工程4170で組み立てられる。図27は、アライナー構成部品4610、4520、4530が、どのように組み立てられ、物理的アライナー模型4600全体または一部を形成するのかの一実施例を示す。異なるアライナー構成部品4610、4620、4630は、ピン、位置合わせスロット、刻み目等の接合特徴650によって、互いに着脱可能である。
物理的アライナーは、歯冠、ブリッジ、リテーナー、マウスガードおよび歯のホワイトニング等の異なる歯科用途において使用可能である。例えば、アライナー加工では、歯科処置の各段階を、独自の物理的アライナー模型に対応させてもよい。アライナーは、処置の間の歯の移動進度に応じて、歯列弓のデジタル模型に基づいて加工できる。処置の各段階において、次段階の所望の歯の位置を計算する。物理的アライナー模型は、工程4180において、歯の位置を修正する上記の過程を使用して加工される。
本明細書に記載のアライナーを形成する方法およびシステムは、他のシステムと比較して、アライナー設計において形状および厚さが変更可能な場合がある。さらに、開示される方法およびシステムは、幅広いアライナー材料の選択範囲を提供する。アライナー形状の分析は、歯列矯正処置の各段階において所望の移動が達成される最適なアライナー形状が、確実に作製されるように実施することができる。また、最適化された形状を有するアライナーは、従来技術では達成することができない特定の移動を達成することができる。従って、アライナーを、より薄く、より審美的に作製することができ、装着時の快適性が向上される。製造過程を、より簡単に、そしてより統一させることが可能となる。
また、アライナー構成部品は、独自の識別記号で標識し、規定の順番での組み立ておよび取り外しが可能である。また、組み立ておよび取り外しも、規定の順番に従って、容易に自動化することができる(コンピュータ制御によるロボットアーム等によって)。
また、アライナー構成部品は、圧力成形によって組み立ててもよい。アライナー構成部品は空洞であって、デジタルアライナー構成部品と合致し、アライナー構成部品と適切な結合を可能とする外面を有してもよい。また、アライナー構成部品は、連結(LEG0TMブロック等と同様に)するように予め加工してもよい。アライナー構成部品の表面に、互いに接合するよう標準的位置合わせおよび接着特徴を含めてもよい。また、連結アライナー構成部品は、コンピュータ制御によるロボットアームによって、自動的に組み立てることも可能である。アライナー構成部品は、組み立て後、分割して、修理することが可能である。アライナー構成部品間の接着特徴によって、構成部品を順番に取り外すことができる。損傷した構成部品は、取り外して、修理または交換し、その後再組み立てすることが可能である。
(スナップ式歯科用アライナー)
一般に、スナップ式歯科用アライナーは、歯科用アライナーの壁を貫通する一つ以上の貫通孔(または、通路)を備え、歯科用アライナーをユーザーの歯に固定することができる。便宜上、本明細書に記載のスナップ式歯科用アライナーは、アライナー(または、歯科用アライナー)と称される場合がある。
一般に、本明細書に記載のスナップ式歯科用アライナーも、コネクタに貫通し、アライナーを被験体の歯に固定し、アライナーの形状を維持し、または被験体の歯に力を付与するための、一つ以上の貫通孔を備える。種々の貫通孔およびコネクタを使用してもよい。接着部位としての特徴に加え、アライナー中を気体および液体が連絡可能な通路を提供し、貫通孔によって、歯茎が「呼吸」することが可能となる。
(貫通孔)
一つ以上のコネクタに嵌合する一つ以上の貫通孔を有するいかなる適切な歯科用アライナーも、スナップ式歯科用アライナーとして使用してもよい。さらに、貫通孔は、アライナーを被験体の歯に固定し、またはアライナーの形状維持を支持し、あるいは被験体の歯を再配列する力を付与するのに充分である、いかなる適切な貫通孔であってもよい。貫通孔は、歯科用アライナーの厚さ(例えば、歯科用アライナーの内面から外面)に延長する通路を形成してもよい。貫通孔は、コネクタによって、係合されてもよい。また、貫通孔は、「窓口」または通路と称される場合がある。従って、貫通孔は、アライナーを通して窓口または通路を形成し、歯および歯肉へのアクセスを提供し得る。
貫通孔は、何個でも個々のアライナーに形成してもよい。一つ以上の貫通孔を、使用してもよい。ある変形形態においては、貫通孔を一つだけ使用する。ある変形形態においては、貫通孔を一つ、アライナーで覆われた歯毎に使用する。貫通孔の数は、個々の被験体の基準(例えば、歯を動かすために付与される力、被験体の歯の形状、および/または被験体の歯の配列)に基づいて、選択または選定してもよい。歯列矯正医または他の医療専門家は、個々のアライナーに形成する空孔の数を選定してもよい。また、空孔の数は、アライナーの形成に使用される材料に依存してもよい。使用または年数によって材料が変形する可能性が高い程、貫通孔を多く形成してもよい。ある変形形態においては、一つ以上の貫通孔を、アライナーで覆われる個々の歯に形成してもよい。例えば、対称的に配置された貫通孔の一対を、アライナー上に形成してもよい。
貫通孔の数は、コネクタの数と対応させてもよい。一般に、被験体の歯に装着される各コネクタに対し、被験体特定のアライナー上に対応する貫通孔がある。しかしながら、アライナーは、コネクタよりも多い貫通孔を有してもよい。従って、コネクタが係合しなくなったり、除去されたり、または一度も使用されない場合、余分な貫通孔が存在し得る。
一般に、貫通孔は、アライナーのいずれの位置に配置してもよい。例えば、貫通孔は、アライナーの下部領域(歯の片側または両側)、側部、または先端領域に配置してもよい。その位置は、アライナーが被験体の歯に所望の力が付与されるように、選択しもよい。従って、貫通孔は、歯およびアライナー間の力によって、アライナーが滑ったり、外れたりする可能性が高い場合、より密接して配置させてもよい。同様に、アライナーを歯に固定する場合の補助となるため、貫通孔をアライナーの端近くに有することは、有益となる場合がある。
貫通孔は、歯に装着されたコネクタを効果的に係合するいかなる形状であってもよい。従って、貫通孔は、アライナーと嵌合するコネクタの形状およびサイズを補完する直径を有してもよい。ある変形形態においては、貫通孔は、使いやすいように、コネクタと異なる大きさである。例えば、貫通孔の全部または一部は、直径を、コネクタの直径よりも大きくし、コネクタが容易に貫通孔と係合できるようにしてもよい。貫通孔は、一定の直径または可変直径を有してもよい。一変形形態においては、貫通孔は、広い開口部を有するが、アライナー内面から外面への通過に伴って直径が小さくなるよう先細にしてもよい。一変形形態においては、貫通孔は、通路中間部内または通路外部でより大きい直径を有する。また、貫通孔は、コネクタよりも小さい直径を有するようにしてもよい。ある変形形態においては、コネクタがより小さい直径を有する貫通孔と係合する場合、貫通孔が拡張し、コネクタが係合されるようにしてもよい。
貫通孔は、いかなる適切な外形を有してもよい。例えば、横断面図(装置の内外面間で切断)は、円形、多角形(三角形、四角形、非対称等)でもよい。一変形形態においては、貫通孔は、アライナーを貫く細長い切り口であり、コネクタが挿入されるまで閉鎖したままである。また、貫通孔の縦断面図も、いかなる適切な形状であってもよい。例えば、縦断面図は、コネクタの縦形状と一致させてもよい。従って、コネクタが凸凹領域を有する場合、縦断面図は、凸部が適合する凹部を含めてもよい。
また、貫通孔は、コネクタを固定するように形成してもよい。従って、貫通孔は、コネクタの外形よりも僅かに小さくしてもよい(または、小さい領域を有してもよい)。ある変形形態においては、貫通孔は、ギザギザまたは鋭端な縦断面図を有する。例えば、貫通孔は、アコーディオン型の外形を有してもよい。該鋭端部は、コネクタの端と嵌合してもよい。貫通孔は、方向(例えば、内面から外面)を示し、コネクタが容易に貫通孔に係合するが、容易に離脱しない端等の指向性面を有してもよい。一変形形態においては、貫通孔は、直径がコネクタ領域よりも狭い縁を含む。従って、コネクタが、貫通孔内の縁を越えて「スナップ」を留めなければならない場合、所定の位置に係止可能である。
追加の係止または固定装置を、貫通孔内に収容してもよい。例えば、貫通孔は、コネクタを貫通孔内に保持するために、ピン、ワッシャ、ガスケット、あるいは他の係止または固定装置を収容してもよい。
また、貫通孔を補強してもよい。従って、貫通孔は、追加構造を含み、貫通孔、アライナーまたはコネクタへの損傷を防止してもよい。例えば、貫通孔は、アライナー外面に存在する縁または端を含めてもよい。
記載のように、貫通孔は、いかなる適切なサイズであってもよい。例えば、貫通孔は、直径0.005mm〜1mm、0.01mm〜0.5mm、0.1mm〜1mm、または0.001mm〜0.1mmであってもよい。
図1は、使用可能な貫通孔の追加の外形を示す。図1Aは、貫通孔の長さを通して均一である直径の円形外形を有する貫通孔の断面図を示す。図1A〜1Fのすべてにおいて、内面101は外形上部に示され、外面103は外形下部に示される。一般に、歯に装着されるコネクタは、内面(歯に一番近い場所)から貫通孔に侵入する。図1Bは、内面101では開口部は大きいが、徐々に狭い開口部へと先細になる貫通孔を示す。図1Cは、内面101では開口部は狭いが、外面103上で徐々に開口部が拡張する貫通孔を示す。また、図1Dでは、貫通孔は、非線形的に、内面101上で大きい開口部から小さい開口部へと狭くなる。一方、貫通孔は、非線形的に、狭い開口部から大きい開口部へと拡張してもよい(図示せず)。貫通孔のいずれの実施態様においても、外面または内面からの変化は、尖鋭ではなく、漸次的であってよい。例えば、端を丸く、あるいは平滑にすることによって、刺激を防ぎ、コネクタを係合させてもよい。
図1Eは、コネクタの一つ以上の面と係合し、一旦貫通孔と係合すると、コネクタが離脱するのを防ぐ複数の隆線107を有する、貫通孔を係止する一変形形態を示す。図1Eでは、隆線107は、内面101から外面103へ方向付けられている。4本の隆線が図1Eでは示されているが、いかなる形状またはサイズの隆線が何本(1本を含む)であってもよい。さらに、対称的隆線(または、非対称的隆線)ではなく、「スパイク」またはピンを使用してもよい。図1Fは、上記のように、端または縁110によって補強された貫通孔を示す。
また、貫通孔は、追加の材料を備えてもよい。例えば、貫通孔は、コネクタとの相互作用(接触等)を向上させるため、あるいは処置的有用性を提供するために、被覆または内側を覆ってもよい。一変形形態においては、貫通孔は、別の材料(例えば、重合体、金属、セラミックまたはそれらの組み合わせのいくつか等の硬材質)で補強される。一変形形態においては、貫通孔は、コネクタの固定を支持する材料で、被覆または充填される。例えば、貫通孔は、接着剤で被覆してもよい。一変形形態においては、貫通孔は、コネクタが貫通孔と係合するまで貫通孔の形状を維持する材料で、充填される。例えば、貫通孔は、コネクタが貫通孔と係合する場合に、コネクタによって貫通孔から押し出される「栓」を有してもよい。ある変形形態においては、貫通孔は、潤滑剤で被覆される。
図1は、内面および外面に垂直な外形を有する貫通孔を示すが、貫通孔は、内面および/または外面に対していかなる適切な角度を示してもよい。例えば、貫通孔は、アライナーの外側からの出口が、アライナーの内側の貫通孔への入口と相殺されるよう角度を調整してもよい。また、角度が調整された貫通孔は、貫通孔内のコネクタの固定を支持し、さらにアライナーによって歯に力が加えられるのを促進するようにしてもよい。一変形形態においては、貫通孔は、約30°〜60°に角度を調整してもよい。一変形形態においては、貫通孔は、約45°に角度を調整する。
また、貫通孔は、コネクタに力を付与し、それによって歯または複数の歯に力が付与されるよう構成してもよい。例えば、貫通孔の壁は、コネクタに対して、コネクタが装着される歯を順番に押動したり、引動したりする、非対称的力を提供してもよい。
同一のアライナー上の異なる貫通孔は、異なる形状、サイズおよび/または方向であってもよい。また、貫通孔の異なる形状およびサイズは、コネクタによって歯に付与される力同様に、コネクタによるアライナーの歯への接着強度に影響する場合がある。例えば、アライナーの端に配置された貫通孔は、アライナーを歯に固定するよう構成し、一方、アライナーの他の位置に配置された貫通孔は、アライナーが歯列または1本の歯に力を付与するように構成してもよい。
(コネクタ)
スナップ式アライナーを被験体の歯に接続するために、いかなる適切なコネクタを使用してもよい。コネクタは、一般に、被験体の歯に装着され、貫通孔をアライナー上に係合させることによって、アライナーを被験体の歯に固定する。典型的なコネクタは、予め成形(例えば、被験体の歯に固定する前に成形する)、または被験体に接続される時に成形してもよい。以下に記載のすべての実施例は、被験体の歯に装着されるコネクタに関するが、コネクタは、被験体の歯肉を含め、被験体の口腔内のいかなる適切な領域に装着してもよい。
コネクタは、アライナー上の貫通孔に係合するための、いかなる適切な形状であってもよい。例えば、コネクタは、支柱、ボタン、隆起、節、こぶ、突起等であってもよい。コネクタは、上記のように、貫通孔に補完または一致する形状またはサイズにしてもよい。コネクタは、畝状、チューブ状、球根状または不規則な形状であってもよい。ある変形形態においては、コネクタは、非対称的に成形される。ある変形形態においては、コネクタは指向性を備え、特定の方向に貫通孔と係合し、貫通孔内のコネクタの望ましくない移動(例えば、弛緩または変更)を防ぐ。コネクタは、いかなる適切な外形を備えてもよい。例えば、横断面図は丸く、多角形(例えば、三角形、四角形、非対称)等であってもよい。
図2は、異なるコネクタの外形を示す。図2Aでは、コネクタの外形は、杭または箱形状である。図2A〜2Eでは、被験体の歯201に装着された状態のコネクタを示す。図2Bは、平滑な「隆起」またはこぶであるコネクタの外形を示す。コネクタは、一般に、歯表面から突出し、さらに、アライナーの貫通孔と係合した場合に、アライナーの外面を越えて(または、アライナーの外面と同一面まで)拡張するのに充分なように、突出させてもよい。一変形形態においては、コネクタは、アライナー外面を越えて拡張し、コネクタの縁がアライナーの外縁上で静止する。一変形形態においては、コネクタは、貫通孔を越えて拡張しない。
図2Cは、球根状の端(例えば、下部が成形された端)を有するコネクタを示す。コネクタは、コネクタ上部より僅かに狭いベース上の歯から突出する。貫通孔に対して記載されるように、コネクタも、いかなる適切な方法で角度を調整してもよい。例えば、コネクタは、30°、40°、45°、50°、60°または30°乃至60°の角度で、歯の表面から突出しもよい。図2Dは、歯の表面201から約45°に角度が調節されたコネクタを示す。
また、コネクタは、フックまたは他の固定材を備えてもよい。例えば、コネクタの側面図または端は、図2Eで示すように、アライナーの貫通孔内に固定するためのフック(または、隆線)を含めてもよい。多くの事例において、コネクタを装着する被験体に刺激または害のないコネクタを有することは有益である場合がある。従って、コネクタの先端は、丸くてもよい(または、丸くしてもよい)。ある変形形態においては、コネクタの端は丸い。
また、コネクタは、固定材または装置に接続するための追加の部位を備え、他の方法で歯を移動または歯に力を付与させしてもよい。例えば、弾力性のあるゴムバンドまたは他の伸張装置を、コネクタおよび/または別のコネクタあるいはアライナーへ装着してもよい。弾力性のあるバンド等の伸張装置は、例えば、小臼歯の摘出およびクラスII咬合矯正用に、コネクタを装着することも可能である。従って、伸張装置は、歯を移動させる追加の力を提供する。また、一変形形態においては、アライナーを所定の位置に固定するために、アライナーの貫通孔を貫通させた後、固定材をコネクタに適用してもよい。例えば、ガスケット(例えば、ゴムバンド)を、固定材(または、固定材の一部)として使用してもよい。ゴムバンドは、二つの異なる歯上の二つのコネクタ間を結合し、伸張装置(歯を移動させる力を付与する)および固定材の両方として作用してもよい。いかなる適切な固定材または伸張装置も使用してもよい。ある変形形態においては、歯科用アライナーは、アライナーの一部であるが、直接歯に装着されないボタンを含んでもよい。本ボタンは、同一のアライナー上または上下アライナー間の伸張装置(ゴムバンド等)を接着するために使用してもよい。
コネクタは、貫通孔と係合するいかなる適切なサイズまたは直径であってもよい。例えば、コネクタは、直径0.005mm〜1mm、0.01mm〜0.5mm、0.1mm〜1mm、0.001mm〜0.1mmを有してもよい。さらに、いかなる適切な数のコネクタを使用して、アライナーを接続し、被験体の歯に固定(または、固着)してもよい。例えば、被験体は、歯に固定される1本、2本またはそれ以上のコネクタを有し、アライナーの貫通孔に係合させてもよい。
コネクタは、歯上のいかなる適切な位置または複数の位置に配置し、アライナーと係合させてもよい。ある変形形態においては、被験体の歯上のコネクタの位置は、歯列矯正医または医師によって決定されてもよい。例えば、歯列矯正医は、コネクタを最善の方法でアライナーを固定し、および/または最善の方法で歯に力を付与する配置方法を決定してもよい。コネクタは、貫通孔がアライナー上に形成される前または後に、被験体の歯に固定してもよい。
いかなる適切な材料を使用して、コネクタを形成してもよい。例えば、コネクタは、樹脂、エポキシ、セメント、重合体、金属、セラミックまたはいかなるそれらの組み合わせを含んでもよい。コネクタは、生体適合性材料または生体不活性材料で形成してもよい。また、コネクタは、被験体の歯のエナメル質と類似の色および/または質感を有する材料を含めてもよい。一変形形態においては、コネクタは、コネクタ本体を形成する同一の材料を使用して、被験体の歯に固定される。例えば、コネクタは、UV架橋性材料を備え、コネクタを被験体の歯に装着する同一の工程の一部として、コネクタの形状に成形され、コネクタを形成するためのUV光を使用して硬化(重合化)させてもよい。また、コネクタは、分離工程の一部として、装着してもよい。機械的または化学的接着を使用してもよい。例えば、コネクタは、ネジ、セメント等で接着してもよい。コネクタの形状は、コネクタの歯への固定を支持するよう適応させてもよい。例えば、コネクタは、歯の表面に接着させるために、粗い面を有してもよい。
上記のように、コネクタは、予め形成または装着時に形成してもよい。一変形形態においては、テンプレートを使用して、被験体の歯上にコネクタを配置し、形成する。テンプレートは、アライナーと類似させてもよい(および、本明細書に援用される参照に記載のように、同様の過程によって作製してもよい)。一変形形態においては、テンプレートは、貫通孔を有するスナップ式アライナーである。テンプレートは、患者の歯と適合し、コネクタが配置される間隙または開口部(負の空間)を含めてもよい。また、負の空間は、コネクタ状に形成してもよい。架橋性材料(重合体等)は、これら負の空間に押し込んでもよい。架橋性材料を含むテンプレートは、負の空間の材料を矯正し(架橋され)、コネクタを形成し、同時に、歯の表面に接合するよう処理してもよい。例えば、架橋性材料は、UV架橋性重合体を含んでもよい。
(スナップ式アライナーの作製または製造)
本明細書に記載のスナップ式アライナーは、被験体の歯上のコネクタに対応する歯科用アライナーに空孔を形成することによって、加工してもよい。スナップ式アライナーを加工するいかなる適切な方法(空孔形成を含む)を使用してもよい。
一般に、ガイドが、空孔をアライナー上のどこに配置すべきかを示すために使用される。ガイドは、貫通孔および/またはコネクタの配置場所を示すために、歯列矯正医または医師が作製してもよい。ガイドは、手動のガイド(例えば、図)またはコンピュータ制御によるガイド(例えば、位置を記録するコンピュータまたはコンピュータ制御装置)であってもよい。ガイドは、相対座標システムに基づいて位置を示してもよい。例えば、ガイドは、アライナーの位置に対応する基準マークに基づいて位置を示してもよい。従って、ガイドは、コンピュータにアライナー上の貫通孔の所望の位置を保存させてもよい。ある変形形態においては、コンピュータを使用して、ガイド孔を作製する過程も同様に制御してもよい(例えば、穴開機、および/またはポジショナーを制御することによって)。ある変形形態においては、コンピュータを使用して、貫通孔またはコネクタの所望の数および/または位置を計算してもよい。また、貫通孔および/またはコネクタを配置する場合に、コンピュータを使用して、歯列矯正医および/または医師を支持してもよい。例えば、コンピュータによって、歯上の貫通孔/コネクタの異なる位置の結果を作図、座標で示す、または計算してもよい。
図3は、スナップ式歯科用アライナーを加工する例示方法を示す。アライナー作製材料のシート310を、シートホルダーに接着させ、その後発熱体近傍へ持ち上げる。シートは、単一の材料の均等分布、または異なる材料の複数層で作製可能である。アライナー作製材料を規定時間加熱後、シートホルダーを、ベースプレート上の被験体の歯列弓模型に押圧する。真空ポンプによってベースプレート下部の空気が除去され、軟化されたアライナー作製材料を弛緩させ、適合した状態で、被験体の歯列弓模型の表面を取り囲ませる。アライナー作製の本過程は、真空成形と称される。
一実施態様では、被験体の歯列弓模型は、真空成形中に、アライナー作製材料のシート310に複写される位置合わせマークを含む。複写された位置合わせマーク320は、アライナー350上に形成される。歯列弓のデジタル模型は、被験体の歯の模型の形状情報および位置合わせマークの情報を記録する。さらに、歯列弓のデジタル模型は、貫通孔を受容するために、被験体の歯に形成されたコネクタの位置を指定する。デジタル歯科用アライナー模型は、特定の処置工程で被験体の歯を移動させるための歯列弓のデジタル模型に基づいて作成される。デジタル歯科用アライナー模型は、歯科用アライナー350の貫通孔330の位置およびサイズを、被験体の歯520上のコネクタ(例えば、突起530、540)を有する合わせ位置に指定する。
図4は、スナップ式歯科用アライナーを加工するためのシステム400のブロック図を示す。アライナー410を、段階415に適用する。コンピュータ420は、デジタルアライナー模型と、アライナー410上に形成される貫通孔330に関する情報を保存する。掘削装置430を、二次元または三次元位置調整システム440に搭載する。位置調整システム440は、初めに、コンピュータ420の制御の下、シート310上の複写された位置合わせマーク320を示す。位置調整システム440は、複写された位置合わせマーク320を参照して、座標を定義する。その後、位置調整システム440は、デジタルアライナー模型に従って、掘削装置430を貫通孔330の所望の位置へ移動させる。貫通孔330は、機械式ドリル用ビットまたは高性能レーザー光線を含め、いかなる適切な方法によっても掘削可能である。その後、アライナー作製材料のシート310を、歯肉線340に沿って切除し、被験体の歯に適合可能なスナップ式アライナー350を取得する。
別の実施態様では、アライナー410を、掘削装置430ではなく、ポジショナー上に搭載する。ポジショナーは、アライナーおよび掘削装置430間で、類似の相対移動を生じさせることが可能である。初めに、複写された位置合わせマークを使用して、座標を展開する。その後、アライナー410を、所望の位置に貫通孔を掘削するための位置に移動させる。
一つの態様では、上記のシステム400は、コンピュータ数値制御(CNC)に基づいた製造法システムであってもよい。別の実施態様では、アライナー構成部品は、デジタル歯科用アライナー模型に従って、CNCに基づいた製造法によって加工される。また、貫通孔も、デジタル歯科用アライナー模型に従って形成される。その後、歯科用アライナー構成部品は、組み立てられ、スナップ式歯科用アライナーを形成する。
上記のように、アライナーは、装置(成型、CNC方法等による加工を含む)に含まれる貫通孔によって、加工してもよい。さらに、被験体の処置は、処置過程中に再評価または修正させる場合があるため、コネクタ(および/または貫通孔)の位置も、処置過程中に修正してもよい。
(スナップ式歯科用アライナーの使用)
図5は、本発明によるスナップ式歯科用アライナーを使用する過程の実施例を示す。歯科用アライナーは、工程510において、各処置工程用に設計される。歯科用アライナー装置は、工程520において加工される。加工技術には、真空成形、研磨、ステレオリソグラフィー、レーザー機械加工、成型等を含めることができる。その後、本発明に従って、工程530において、貫通孔を歯科用アライナー上に歯科用アライナー上に作製する。例えば、貫通孔は、機械式ドリル用ビットまたはレーザー光線によって、掘削できる。次に、工程540において、コネクタを被験体の歯上に作製し、歯科用アライナー上の貫通孔に嵌め込む(例えば、係合させる)。例えば、コネクタは予め作製された構成部品を含み、接着剤および/またはUV補助重合によって被験体の歯に接着されることが可能である。その後、貫通孔を有する歯科用アライナーは、工程550に記載のように、被験体の歯に適合させて配置される。所定の位置にある被験体の歯上のコネクタは、歯科用アライナー上の貫通孔を有する合わせ位置にある。その後、工程560において、歯科用アライナーを、被験体の歯に圧入し、コネクタを貫通孔に嵌め込む。
開示されるスナップ式歯科用アライナーは、上記のアライナー弛緩の問題を克服するよう支持するものであってもよい。図6は、被験体の歯620に新しく装着される歯科用アライナー610の側面図を示す。アライナーは、典型的には、シェル型状であり、シェル部、先端部および下部を含む。シェル部の内面は、被験体の歯と接触するようになっている。歯科用アライナー610は、歯肉が歯と歯根を分離する歯の付け根と適切に適合する。新しく装着されるアライナー610は、歯列矯正処置における歯の移動に対し、適切および効果的な力を提供することができる。
図7は、数日または数週間等、一定の使用期間、被験体の歯720に装着された後のアライナー710の側面図を示す。歯科用アライナー710の下方部分715は、弛緩および開放しており、歯科用アライナー710が、歯の付け根に適切な圧力を付与するのを妨害する。従って、歯科用アライナー710は、効果的および正確な歯の移動を生じさせることはできなくなる。歯科用アライナーの異なる部分も、同様に、異なる程度に弛緩する可能性がある。
図8は、被験体の歯810に新しく装着される従来の歯科用アライナー800の上面図を示す。一定の時間装着後、同一の歯科用アライナー820は、弛緩し、開放する。処置に必要な歯の移動を生じさせるための、効果的な力を歯810に付与することはできなくなる。
図9は、スナップ式歯科用アライナー910の断面図を示す。スナップ式歯科用アライナー910は、シェル部911、先端部912および下部913を含む。また、スナップ式歯科用アライナー910は、貫通孔935および945を含む。コネクタ930および940を、貫通孔935および945を有する合わせ位置における、被験体の歯920上に形成される。コネクタ930および940は、例えば、接着剤および/またはUV支援重合によって被験体の歯920に接着された、予め作製された構成部品によって形成することができる。コネクタ930および940は、支柱として示される。
一つ以上のコネクタ930および940を、被験体の歯に固定することができる。コネクタ930および940は、一つ以上のいずれのシェル部911、先端部912および下部913に固定することができる。例えば、コネクタ930および940と貫通孔935および945は、下部913近傍に形成し、歯肉線近傍の歯科用アライナー910の弛緩または開放を防ぐことができる。
コネクタ930および940は、歯科用アライナー910を歯920に対して圧入する場合、貫通孔935および945に嵌め込まれる。歯科用アライナー910は、スナップ式機構によって、歯920の方へ引っ張られ、被験体の歯920と接触する。
(不均等歯科用アライナー)
また、歯科用アライナーは、複数層(二層以上等)を有して、作製してもよい。複数層によって、アライナーの摩耗を防ぎ、より快適に(および正確に)、ユーザーに装着されることができる。各層は、異なる特性(硬度、弾力性、硬度、表面摩擦、疎水性等)を有する材料(または、材料の領域)を含んでもよい。該異なる層を有するアライナーの実施例を以下に記載する。
図10は、患者に正確な歯列矯正処置を提供する過程、および不均等または多層式歯科用器具の形成方法の一実施例を示す。本過程では、患者の歯の最初の配列を、工程1010において測定する。患者の歯の最初の配列は、処置開始前の患者の歯の位置および方向を含むことができる。測定は、患者の上および/または下歯列弓の歯科印象を作製するステップを含めることができる。その後、歯科印象の表面位置を測定し、患者の歯の位置および方向を決定する。歯科印象の測定実施の詳細は、上記で参照した米国特許出願第11/013,159号(2004年12月14日出願のHuafeng Wenによる「Producing a base for accurately receiving dental tooth models」)および米国特許出願第11/013,157号(2004年12月14日出願のHuafeng Wenによる「Producing accurate base for dental arch model」)において開示される。本明細書の実施例に記載の方法を含め、いかなる適切な方法を使用して、不均等または多層式アライナーを加工してもよい。
歯列矯正医は、工程120において、患者の歯の最終配列を決定する。工程1030において、コンピュータソフトウェアの援用あり、または援用なしで、歯列矯正医は、処置計画を設計し、患者の歯の移動経路を指定する。歯の移動は、互いの歯の衝突を回避しなければならない。移動経路は、工程1040において、複数の逐次的処置工程に分割される。例えば、10〜40工程であってもよい。
多層式または不均等歯科用アライナーは、物理的歯の模型の支持を受けて加工することができる。物理的歯の模型は、工程1050において作製し、一つに組み立てられるように、または歯科用ベースに組み立てられるように、位置合わせ特徴を含めてもよい。工程1060において、物理的歯列弓模型は、物理的歯の模型を受け止める受容特徴を有する歯科用ベース上に形成することができる。患者の歯の物理的歯の模型は、一つ以上の処置工程用に加工および使用可能である。歯科用ベースは、歯の模型を受け止める複数の受容特徴を含むことができる。歯の模型は、受容特徴と互換性のある位置合わせ特徴を含むことができる。歯科用ベースは、それぞれ異なる形状を含に、それぞれ一つ以上の処置工程に対応させることができる。歯科用アライナーは、異なる処置工程において物理的歯列弓模型を使用して、便利かつ安価に加工することができる。処置工程間で物理的歯の模型および歯科用ベースを共有して使用することで、処置時間およびコストが大幅に削減される。開示される処置システムおよび方法の種々の工程は、上記で参照された、同一出願人による米国特許出願において開示される。
物理的歯の模型は、第1処置工程前に加工可能であり、あるいは、いずれかの歯の模型が摩耗または損傷した場合にも、いかなる次工程においても再度作製可能である。また、複数の歯の模型を一度に加工し、設定時間および手数料を削減可能である。一実施例では、物理的歯の模型を、鋳造室において、陰画印象を使用して成形可能である。鋳造室は、可鍛鋳物材料で充填可能である。鋳造室は、密封可能である。鋳造材料は、熱、圧力、および/またはUV照射の支持を受けて、固化される。その後、患者の歯列弓の物理的歯列弓模型は、固化された鋳造材料を除去することによって、取得できる。その後、物理的歯列弓模型は、複数の歯の模型に分離可能である。物理的歯列弓模型上の表面点が、正確に陰画歯列弓印象の当初の座標に正確に平行移動可能なように、一つ以上の参照マークを、物理的歯列弓模型に同時に成形できる。物理的歯列弓模型の成型の詳細は、上記で参照された同一出願人による米国特許出願第1l/013,160号(2004年12月14日出願のHuafeng Wenによる「System and methods for casting physical tooth model」)および米国特許出願第10/979,823号(2004年11月2日出願のHuafeng Wenによる「Method and apparatus for manufacturing and constructing a physical dental arch model」)において開示される。
図11で示される物理的歯の模型1200は、歯の模型本体1220および一つ以上の位置合わせ特徴1210を含むことができる。位置合わせ特徴は、ピン、突起、鋲、ソケット、スロット、空孔、および図12に示される歯科用ベース1300上に受容特徴を取り付け可能な他の特徴を含めることができる。位置合わせ特徴は、可鍛鋳物材料に型取ることによって、成型過程において同時に作製可能である。例えば、固化前に、ピンを可鍛鋳物材料に挿入することができる。一方、位置合わせ特徴1210は、物理的歯列弓模型作製後、および物理的歯列弓模型を物理的歯の模型1200に分離前に、物理的歯の模型1200に形成可能である。例えば、位置合わせ特徴1210は、物理的歯列弓模型上の掘削システムによって掘削可能であるソケットを含めることができる。位置合わせ特徴および三次元参照位置を有する物理的歯列弓模型取得の詳細は、上記で参照された米国特許出願「Producing a base for accurately receiving dental tooth models」(Huafeng Wen、2004年12月14日出願)において開示される。
図12は、複数の歯の模型の鋲を受容するための複数のソケット1310、1320を備える歯科用ベース1300の上面図である。ソケット1310、1320の位置は、患者の歯列弓の歯の位置または歯列矯正処置過程中の歯の位置のいずれかによって、決定される。ベース1300は、図12に示される板の形状であって、複数の対のソケット1310、1320を備える。ソケット1310、1320の各対は、物理的歯の模型と結合する二つのピンを受容すうよう構成される。各対のソケットは、歯列弓模型内部のソケット1310および歯列弓模型外部のソケット1320を含む。
歯科用ベース1300上のソケット1310、1320は、歯の模型1200上の位置合わせ特徴1210を補完および互換する。ソケットは、コンピュータ制御の下、装置によって掘削できる。ソケットの位置は、歯科印象の参照マークに平行移動できる。一般に、受容特徴および位置合わせ特徴は、一つ以上のピン、突起、鋲、ソケット、スロットおよび空孔を含むことができる。工程1060において、物理的歯の模型1200は、歯科用ベース1300に接着され、歯列弓模型を形成する。歯列弓模型は、患者の上下歯列弓全体または患者の上下歯列弓の部分の模型でもよい。
多層式歯科用アライナーは、アライナーを真空成形または熱成形することによって、加工可能である。多層式歯科用アライナーは、二つ以上の工程において形成される二つ以上の層を含めることができる。異なる層は、異なる特性の異なる歯科用アライナー材料で作製することができる。例えば、外層は、内層よりも高い硬度を有し、使用中の咀嚼、咬合等に対する耐久性を提供することができる。また、外層は、患者が熱い流体や食べ物を飲食する場合に、変形または弛緩しないように、高温に対して感度の低い材料を含めることができる。外層は、より審美的に魅力的になるように、実質的に患者の歯と同一の色および同様の質感を有することができる。
外層は、内層より柔らかくてもよい。より軟質の外層によって、患者の歯の上下歯列弓間の適合を支持できる。例えば、外層は、生体適合性材料(例えば、種々のPTFESおよび広範なPTFE等のポリフルオロカーボン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリオキシメチレン、ポリカーボネート、ナイロン等のポリアミドを含むポリエステル、ポリフェニレンオキサイドおよびポリウレタン等の重合体、またはシリコン、天然ゴム、ブタジエン−スチレンゴム、カルボン酸ブタジエン−スチレン、ブタジエン−アクリロニトリルゴム、カルボン酸ブタジエン−アクリロニトリルゴム、クロロブタジエンゴム、ポリブタジエンゴム、シリコンゴムおよびアクリレートゴム、恐らく加硫処理されたおよび他のエラストマー材料を含むエラストマー重合体)を含んでもよい。他の軟質材として、発砲重合体(発砲ポリウレタン、発砲ポリスチレン、発砲ポリプロピレン等)を含んでもよい。
内層は、外層と異なる色を有してもよい。内層は、外層よりも柔らかくし、多層式歯科用アライナーを装着する患者にとって、より快適となるようにすることができる。また、より軟質の内層によって、患者の歯との接触部分を広くし、患者の歯により容易に適合できるようにしてもよい。内層は、外層と異なる表面特性を有してもよい。例えば、内層は、織り目加工されてもよく、あるいは、より容易に口腔内の構造(歯等)に接着する材料を含んでもよい。また、より軟質の内層の適合によって、アライナー製造の正確性上の許容範囲を緩和してもよい。
使用に伴う歯科用アライナーの変形は、理論上では、より硬質の歯科用アライナー材料の単一層を使用することによって克服可能である。しかしながら、より硬質のアライナーは、通常、患者が装着する際に快適性が減少する。また、より硬質のアライナーは、患者の歯に接触する部位が狭い。開示されるシステムにおける異なる特性の異なる歯科用アライナー層の組み合わせによって、患者に不快感を生じさせずに、アライナーの変形問題は克服することができる。
重合体(ポリフルオロカーボン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリオキシメチレン、ポリカーボネート、ポリエステルおよびポリウレタン等)、金属、セラミック、および上記いずれかの複合材料を含め、いかなる適切な生体適合性(非毒性等)材料を、アライナーを構成する硬質材として使用してもよい。当然のことながら、アライナーの異なる層の「硬度」および「軟度」は相対語であり、表面の硬度、構造的硬度、弾力性および/または材料の剛性の比較測定を反映してもよい。さらに、同一の材料の相対的に硬質および相対的に軟質の種類を、本明細書に記載のアライナーにおける異なる層(または、同一の層の異なる領域)として使用してもよい。
不均等歯科用アライナーは、重合体材料の一つ以上の層を含み、重合体層の領域が、隣接領域(二つの個別の膜を互いに結合させて形成される不連続の領域または接合部分と比較して)と構造上連続するが、それぞれ特性が異なるようにしてもよい。異なる部位または領域は、上記に列挙される異なる物理的特性を有する。例えば、外部を、内部よりもより硬質にすることで、使用中の咀嚼、咬合等に対する耐久性を提供することができる。また、外部は、患者が熱い流体および食べ物を飲食した際に、変形または弛緩しないように、高温に対して感度の低い材料を備えることができる。一方、外部を、内部よりもより軟質にすることによって、患者の歯の上下歯列弓間の適合をより高めることができる。外部は、患者の歯と実質的に同一の色および同様の質感を有することができ、審美的に魅力的にすることができる。
内部は、外部よりも軟質にすることによって、不均等歯科用アライナーを患者が装着した際に、より快適にすることができる。より軟質な内部によって、歯科用アライナーに柔軟性を提供し、患者の歯により良好な状態で接触され、患者の歯により容易に適合させることができる。さらに、内部をより軟質にすることによって得られる柔軟性によって、より容易に適合することができ、アライナー製造の正確性上の許容度が緩和される。
第1不均等歯科用アライナーは、図10に示すように、工程1070で形成される。工程1080において、患者は、処置工程の目標配列に歯を移動するために、第1不均等歯科用アライナーを装着する。第2不均等歯科用アライナーは、同様の過程において、工程1090で形成される。工程1095において、患者は、次の処置工程の目標配列に歯を移動するために、第2不均等歯科用アライナーを装着する。患者は、各処置工程において、一つまたは複数の不均等歯科用アライナーを装着可能である。各アライナーは、数時間から数週間の一定の時間装着されることができる。処置過程は、患者の歯を最終配列に移動させるための処置工程を繰り返すことで、完了する。不均等歯科用アライナーによって生じる歯の移動は、処置計画によって設計されたものではない場合がある。一つ以上の不均等アライナーによって生じる歯の移動は、測定可能である。測定は、処置計画を調整するためのフィードバックとしての役割を果たすことができる。
多層式歯科用アライナーの第1歯科用アライナー層は、図13で示されるように形成される。第1アライナー作製材料のシート1410は、シートホルダーに接着させ、その後および発熱体近傍に持ち上げられる。シート1410を規定の時間加熱後、シートホルダーを、歯科用ベース1300上の患者の物理的歯の模型に圧入または保持する。この場合は、上下歯列弓模型を両方提示し、上下アライナーを同時に形成することができる。真空ポンプが、歯科用ベース1300の吸引孔を通して、歯科用ベース1300の下部の空気を除去する。空気吸引によって、軟化された第1アライナー作製材料が、物理的歯の模型に合致される。従って、シート1410は、物理的歯の模型の歯肉線1420周辺を、歯列弓模型表面に適合するように覆う。その後、シート1410は、冷却および硬化され、シート1410を通過する空孔が形成される。
多層式歯科用アライナーの第2歯科用アライナー層は、図14で図示される工程1075で形成しもよい。第2アライナー作製材料のシート1510は、シートホルダーに接着させ、その後発熱体近傍に持ち上げられる。シート1510を充分に加熱後、シートホルダーを、歯科用ベース1300上の患者の物理的歯の模型にシート1410を保持する。真空ポンプが、シート1410に形成された空孔を通して、歯科用ベース1300の下部の空気を除去し、軟化された第2アライナー作製材料をシート1410の表面に合致させる。
シート1510を冷却および硬化後、シート1410およびシート1510を歯肉線1420に沿って切除し、多層式歯科用アライナー層l530を形成することができる。図15は、第1アライナー層1620および第2アライナー層1630を備える多層式歯科用アライナー1610の上面図である。個々の歯列弓型アライナーは、互いに分離してもよい。ある変形形態においては、第2層は、第1層と異なる方法で形成される。例えば、第2層は、予め形成された第1層上に押し出し、浸漬、塗膜、沈殿等によって、形成してもよい。ある変形形態においては、第1および第2層は、歯の模型上に形成される前に結合させ、その後、記載されているように、(一緒に)歯の模型上に形成してもよい。
異なる層(例えば、第1および第2層)を、直接互いに接着してもよい。または接着剤を使用して、異なる層を結合してもよい。
別の配列では、各歯科用アライナー層を別に切り離すことができる。シート1410は、第1アライナー層1430を取得するためにシート1410を物理的歯の模型に合致させた後、歯肉線1420に沿って、切除可能である。その後、シート1510を加熱し、物理的歯の模型上の第1アライナー層1430に対して保持する。冷却後、シート1510を歯肉線1420に沿って切除し、第1アライナー層1620および第2アライナー層1630を備える多層式歯科用アライナー1610を形成する。
別の配列では、二つ以上の重合体シートを互いに重ねて、多層式歯科用アライナーを提供するための歯列弓模型上で加熱し真空成形し、単一シートを形成してもよい。
図16は、患者の歯1710に装着される多層式歯科用アライナー1700の断面図である。多層式歯科用アライナー1700は、歯1710接触する内部アライナー層1720および外部アライナー層1730を備える。外部アライナー層1730は、強度および耐久性を提供し、アライナー、特に歯肉線に沿って、変形および弛緩することを防ぐ支持となることができる。内層は、より軟質な材料で作製し、患者の歯1710とより良好な状態で接触するようにすることができる。従って、多層式歯科用アライナー1700の多層構造は、アライナーの性能を向上させ、使用寿命を延長させることができる。また、製造の頑健性およびアライナーコストも、削減される。
また、多層式歯科用アライナー1700の異なる歯科用アライナー層は、同一の材料を含むことができる。即ち、同一のアライナー作製材料の厚い層によって、歯科用アライナーを形成するよりも、真空成形を使用して、アライナーを、複数のより薄いアライナー作製材料の層によって形成する。より薄い層は、単一の厚い層よりも、物理的歯の模型により容易に合致することができる。
さらに、より薄い層を使用して器具を形成する、多様な重合体を利用してもよい。より厚い膜が使用される、異種特性の重合体を、相互に剥離させてもよい。より薄い膜によって、重合体シート間のより緊密な接触が可能となり、その結果、互いの膜の結合を支持する。
また、歯科用アライナーは、異なる特性の区画または部分を有するように、形成してもよい。図16の不均等歯科用アライナー1710は、異なる特性の区画を有する重合体シートから形成される。例えば、異なる区画は、真空成形過程において、異なる温度データを使用して形成可能である。不均等歯科用アライナー1710のいくつかの区画は、区画1720等よりも高い温度および/または長い時間で加熱することができる。重合体シートの温度分布は、所望の特性分布を生じさせるために、コンピュータ上のソフトウェアを使用して設計可能である。一方または追加として、異なる区画は、真空吸引によって生成された異なる圧力データを通して形成可能である。歯科用ベースの空孔のサイズおよび密度は、アライナー作製材料の重合体シートが、真空成形中に異なる程度の保持力を対象とすることができる圧力分布を達成するよう下降することができる。
図17は、患者の歯1810に装着される不均等歯科用アライナー1800の断面図である。不均等歯科用アライナー1800は、内部1820および外部1830を備えることができる。内部1820および外部1830は、一つ以上の物理的特性の異なる値を有することで特徴付けられる。例えば、異なる圧縮、結合またはねじれ弾性定数を有することができる。また、異なる温度特性を有してもよい。
一配列においては、外部1830は、咀嚼および咬合に耐え得る強度および耐久性を提供可能である。内部は、より軟質な材料で作製することによって、患者の歯1810とより良好な状態で接触させ、アライナー、特に歯肉線に沿って変形および弛緩することを防止することができる。従って、不均等歯科用アライナー1800は、アライナーの性能を向上させ、使用寿命を延長さえることができる。また、製造の頑健性およびアライナーコストも、削減される。
歯科用アライナーの材料の特定の実施例は、アクリル、メタクリル、アクリレート、メタクリル、炭酸塩、ウレタン、尿素、エポキシの重合体、および他の重合体材料を含む。内部および外部アライナー層または異なる区画の材料の選定は、異なる材料または同一の材料群であるが異なる複合材料(例えば、異なる重合度)を含むことができる。アライナー材料は、以下の一般特性を含めてもよい。真空成形または成型の容易さ、膜またはフィラメントへの押出能力、破壊を防止する充分な硬度、柔軟性、中温に耐えられる程の相対的に高い溶解温度、変形に耐える強度、柔順、および口腔使用に安全な食品用。好適には、材料は、透明または患者の歯の色に近い方が望ましい。アライナー作製に利用可能な他の一般的材料には、上記の他に、重合体、石膏、石、粘土、金属、木材、紙、セラミックおよび磁器を含む。
また、アライナー作製材料は、バクテリアの成長および患者の口臭を減少させるために、空気および液体を通過させる多孔性材料を含めることができる。また、通路または流路は、アライナーに含めてもよい(例えば、形成、または後に切除あるいは掘削)。以下にさらに記載のように、多層式歯科用アライナーの表面または構造も襞状にし、さらに耐久性を向上させ、使用に伴う変形および弛緩を減少することができる。種々の配列における異なる特性の歯科用アライナーの加工の詳細は、上記に参照した米国特許出願第10/979,497号(2004年11月2日出願のHuafeng Wenによる「Method and apparatus for manufacturing and constructing a dental aligner」)、米国特許出願第11/074,301号(2005年3月7日出願のLiuらによる「Dental aligner for providing accurate dental treatment」)、米国特許出願第11/074,297号(2005年3月7日出願のLiuらによる「Producing wrinkled dental aligner for dental treatment」)、米国特許出願第11/074,300号(2005年3月7日出願のHuafeng Wenによる「Fluid permeable dental aligner」)および米国特許出願第11/074,298号(2005年3月7日出願のHuafeng Wenによる「Disposable dental aligner」)において開示される。
図10の工程1080において、患者は、一つまたは複数の多層式歯科用アライナーを処置工程で装着できる。各アライナーは、数時間から数週間の一定の時間装着することができる。処置工程が完了後、工程1095において患者が装着する、一つ以上の多層式または不均等歯科用アライナーを、次の処置工程用に工程1090で作製することができる。多層式歯科用アライナーによって生じる歯の移動は、処置計画によって設計されたものではない場合がある。一つ以上の多層式または不均等アライナーによって生じる歯の移動は、測定可能である。測定は、処置計画を調整するフィードバックとしての役割を果たすことができる。
器具の領域で異なる特性には、色、質感、屈曲強度、引張係数、屈曲係数、硬度、熱伝導性、熱容量、圧縮係数および強靭性を含む。領域は、上記の一つ以上の特性で、互いに異なる。
例えば、歯茎と接触または近傍の器具の第1部は、歯と接触する器具の第2部よりも、屈曲強度が低い。屈曲強度が低いことによって、第1部が歯茎により合致し、より快適な器具を提供する。同様に、歯茎と接触または近傍の器具の一部の屈曲係数を、歯と接触する器具の別の部分の屈曲係数よりも低くしてもよい。
器具外部の熱伝導性は、内部の熱伝導性よりも低くてもよい。外部の重合体材料の熱伝導性が低いことによって、歯の移動によって既に感作された歯および神経を悪化させる可能性のある温度を歯から断熱する。同様に、器具外面の材料は、内面の重合体よりも熱容量を高くし、不快な温度まで上昇させることなく、外面が熱を吸収するようにしてもよい。
圧縮係数は、器具の領域によって異なるようにしてもよい。例えば、歯の研削力または歯を食いしばった場合に付与される力を対象とした器具の領域は、例えば歯の側壁に沿った部分よりも圧縮係数を低くして、重合体が多少快適性を支持するようにしてもよい。
器具の色および質感は、快適性および/または外見を向上するように設定してもよい。色は、器具の異なる区画によって異なってもよい。歯肉組織に接触する器具の部分は桃色にし、一方、歯と接触する器具の部分は、白色にしてもよい。同様に、質感も、器具の種々の領域において、歯肉組織および歯とより合致するよう異なってもよい。
開示されるシステム、装置および方法は、一つ以上の以下の利点を含めてもよい。開示されるシステムおよび方法は、患者の歯を移動させるために、耐久性のある歯科用アライナーを提供してもよい。歯科用アライナーは、硬質外層および一つ以上の相対的に軟質内層の複数層から形成することができる。より硬質な外層(または、内層)によって、歯科用アライナーを使用中、歯科用アライナーが機械および熱衝撃に確実に耐えられるようにしてもよい。本歯科用アライナーは、現在の歯列矯正装置における変形および弛緩問題を回避し、所望の処置工程中に歯の移動に矯正力を維持することができる。
開示されるシステムの他の利点は、歯科用アライナーが、装着する患者にとって、より快適であることである。歯科用アライナーは、患者の歯と接触する内層が相対的に軟質である内層を含めることができる。より軟質である内層によって、アライナーから患者の歯へ力を伝達するための接触する部位が大きくなる。また、患者の歯へのアライナーの適合が、歯科用アライナーの外層の正確な形状に対して感度が低いため、より軟質である内層によって、アライナー製造におけるより広い許容度が提供される。従って、製造およびやり直しコストが削減される。
開示されるシステムおよび方法は、患者の歯を移動させるための耐久性のある歯科用アライナーを提供してもよい。歯科用アライナーは、不均等に分布するアライナー作製材料の層または領域を含むことができる。アライナー作製材料は、患者の上下歯列弓の歯間の接触する部位をより硬質にし、不均等歯科用アライナーの使用中(咀嚼、咬合等)、不均等歯科用アライナーが、機械および熱衝撃に耐えられるようにすることができる。
アライナー層の特定の区画のアライナー作製材料を、一部軟質にし、柔軟性を提供し、患者の歯により接触させるようにしてもよい。より軟質および弾力性のある材料によって、不均等歯科用アライナーがより強固に患者の歯の歯肉線周辺を巻き込むことができる。現在の歯列矯正装置の変形および弛緩問題を防止できる。従って、不均等歯科用アライナーは、所望の処置工程中の歯の移動に対する矯正力を維持できる。アライナー作製材料のより軟質な部位によって、不均等アライナーによって患者の歯に力を伝達するための接触する部位がより大きくなる。
また、不均等歯科用アライナーは、不均等歯科用アライナーに組み込まれた柔軟性があるため、アライナー製造により広い許容範囲を提供してもよい。患者の歯への不均等歯科用アライナーの適合は、歯科用アライナーの正確な形状に対して感度を低くしてもよい。従って、製造およびやり直しコストが削減される。また、不均等歯科用アライナーは、患者の歯に容易に適合するため、患者にとって装着がより快適となることができる。
本明細書の器具および方法は、以下に完全に記載されるかのように全開示を参照として援用される米国特許出願第6,183,248号および第6,524,101号において開示されるものではない。
また、異なる層を有するアライナーに加え、本明細書に記載のアライナーは、異なる材料特性の領域を有する単一層を含んでもよい。例えば、アライナーを形成する材料(重合等)は、異なる方法で処理してもよい(熱、光、化学処理等によって)。例えば、アライナーの内部領域は、さらにアライナー材料を重合させるために熱処理をし、より硬質な内面としてもよい。別の変形形態では、外面と比較して粗い表面を有するように、アライナーの内面が処理される。
(流体透過性アライナー)
上記に簡単に記載のように、器具は、流体透過性であってもよい。例えば、可撤性歯科用アライナーを、流体透過性材料を使用して加工し、流体を歯科用アライナーの外面および内面間を連絡させてもよく、または可撤性歯科用アライナーを、流体透過性になるよう処理してもよい。従って、流体透過性器具は、孔または微小流路を備え、空気および液体を患者の歯に透過させるようにし、患者の口腔内でVSC(揮発性硫黄化合物)を発生するバクテリアの成長を抑制し、患者の口腔衛生を改善させてもよい。また、歯科用アライナーに取り込まれた空気は、継続的に循環することができ、嫌気性細菌の異常成長および関連する口臭を抑制する助けとなる。透過性材料から患者の歯頸線へ通過する含酸素唾液によって、細菌性VSCの量を削減させ、口臭の危険性を減少させることができる。
流体透過性器具は、いかなる流体(例えば、液体および気体、特に水または唾液)を透過させてもよい。孔は、器具の流路、通路または開口部に対応させてもよい。さらに以下に記載のように、いかなる適切なサイズ(または、サイズ幅)の孔を使用してもよい。ある変形形態においては、器具の一領域のみ、流体透過性である。
図18は、流体透過性材料製の歯科用アライナーを作製するための過程を示す。図18は、流体透過性歯科用アライナーを形成する一方法を記載しているが、いかなる適切な方法を使用してもよい。歯列矯正処置では、工程2810において、患者の最初の歯列弓を初めに決定する。患者の歯列弓は、上顎および下顎の一つ以上の歯を含むことができる。配列には、患者の歯の位置および方向が含まれる。最初の配列は、患者の歯列弓の陰画印象を初めに作製し、その後、三次元位置測定装置によって陰画印象の表面を走査することによって取得可能である。歯科医は、工程2820において、患者の歯の最初の配列を分析し、患者の歯の最終配列を決定する。最終配列は、矯正処置過程後の患者の歯の位置および方向を含む。
その後、歯科医は、工程2830に関与する各歯用の移動経路を設計する。典型的歯列矯正処置は、通常、工程2840において、複数の逐次的処置工程に分割される。特異的に設計された一つ以上の使い捨て歯科用アライナーを使用して、予め設計された目標配列へ患者の歯を移動する。本工程の処置は、患者の快適性の許容範囲および歯科用アライナーの性能内で、位置または方向の漸次的変更を生じさせることを対象とする。
可撤性歯科用アライナーは、典型的にはシェル型であり、患者の歯列弓に装着され、患者の歯に矯正移動を生じさせることができる。上記のように、歯科用アライナーは、典型的には、シェル部、シェル部の外面およびシェル部の内面を含む。内面は、患者の歯と接触する。シェル型歯科用アライナーは、患者の歯の歯肉近傍に配置される下部および下部反対側の先端部を、さらに含むことができる。
流体透過性歯科用アライナーは、空気または液体を、患者の歯および外面近傍間を連絡させる。歯科用アライナーは、特定の工程2850において、同一の漸次的歯の移動を達成するように加工される。歯科用アライナーは、鋳造室において、流体透過性材料を使用して型取ることができる。鋳型は、特定の処置工程用の目標配列に構成された患者の歯の模型を含む、物理的歯列弓模型によって作製された陰画印象であってもよい。また、歯科用アライナーは、デジタルアライナー模型に従って、CNCに基づいた機械によって加工することもできる。
物理的歯列弓模型および関連ベースの作製の詳細は、上記で参照された同一出願人による米国特許出願第10/979,823号(2004年11月2日出願のHuafeng Wenによる「Method and apparatus for manufacturing and constructing a physical dental arch model」)、米国特許出願第10/979,497号、(2004年11月2日出願のHuafeng Wenによる「Method and apparatus for manufacturing and constructing a dental aligner」)、米国特許出願第10/979,504(2004年11月2日出願のHuafeng Wenによる「Producing an adjustable physical dental arch model」)および米国特許出願第10/979,824号(2004年11月2日出願のHuafeng Wenによる「Producing a base for physical dental arch model」)において開示される。関連する本適用の開示は、参照することによって本明細書に組み込まれる。
透過性材料を有する歯科用アライナーの効果は、コンピュータ模型によって、シミュレーション可能である。歯列矯正処置における進行性の歯の配列は、歯列弓のデジタル模型によって示すことができる。使い捨てアライナーは、デジタルアライナー模型によってシミュレーション可能である。コンピュータによるシミュレーションは、各処置に必要とされる工程数、歯科用アライナーの材料特性を決定する助けとなる。特に、透過性材料の特性は、シミュレーションを行い、歯科用アライナーの流体透過機能を見積もりおよび最適化できる。歯科用アライナーの流体透過性は、孔の直径および密度を変更することで最適化することができる。好適な材料特性および構造が予測される。材料および加工過程は、歯科用アライナーの所望の特性および構造を達成するために、実験および選定することができる。
孔の密度および直径は、歯科用アライナー全体で、均等または不均等分布であってもよい。例えば、孔の密度は、歯頸線に沿ったシェル型歯科用アライナーの部分を高密度にし、余分な空気および液体を患者の歯の歯頸線に通過させ、バクテリアの成長を防ぐことができる。また、歯科用アライナーの硬度は、特定の歯科用アライナーの所望の使用期間に従って、変更可能である。さらに、流体透過特性は、患者の生活習慣、歯科用アライナーの使用傾向および歯列矯正装置の装着環境に依存することができる。最適化された本特性は、工程2860において、矯正歯列矯正処置のための流体透過性材料を有した歯科用アライナーを使用する際の、患者の快適性および便宜性を改善させることができる。
歯科用アライナーは、襞状面を含め、歯科用アライナーの強度および持続可能性を向上させることができる。襞状歯科用アライナーおよびその加工の詳細は、以下により詳細に記載される。
また、流体透過性材料を備える歯科用アライナーは、使い捨てにすることができる。実質的に等しい形状を有する複数の使い捨て歯科用アライナーを、処置の単一工程のために作製することができる。複数の使い捨て歯科用アライナーの使用によって、弛緩および変形する前に、使い捨て歯科用アライナーを交換することができる。これによって、経時的に、患者の歯に均等に力を付与することができ、処置の正確性を向上させる。その有効性によって、使い捨て歯科用アライナーは、全体の処置時間を短くすることができる。また、使い捨て歯科用アライナーは、各使い捨て歯科用アライナーによって誘発されるより小さい段階的移動によって、患者が装着する際により快適となる。また、使い捨て歯科用アライナーの製造の詳細は、以下に詳細に記載される。
種々の流体透過性材料は、開示される方法およびシステムと互換性を有する。流体透過性材料は、共重合スチレンおよびジビニルベンゼン(DVB)によって調製される重合体材料を含むことができる。極小の孔または「微小孔」は、DVBが種々の点でスチレンの線状鎖を結合する結果、該過程において形成可能である。「架橋結合の程度」は、存在するDVBの割合によって決定される。同様に、「架橋結合の程度」によって、孔サイズが決定される。10%の架橋性重合体は、10%のDVBを含み、追加のDVBによって、連鎖点間の平均距離をより小さくする追加の連鎖点が生成されるため、2%の架橋性重合体よりも幾分小さい孔を有する。しかしながら、架橋結合によって孔サイズの増大が減少されると、重合体の物理的安定性が低下する。従って、流体透過性および強度は、歯科用アライナーの設計において共に最適化される必要がある。孔サイズは、典型的には、直径30Å未満で、極めて均等に分布される。
別の種類の多孔性重合体が、1950代後半に、Dow Chemical Company社およびRohm and Haas社の科学者らによって、独自に開発された。本材料は、「マクロ多孔性重合体」と呼ばれるようになり、孔は、独立して架橋結合の形状を成す。重合は、「ポロゲン」の存在下で生じる。ポロゲンは、モノマーには溶解するが、形成された重合体には溶解しない物質である。従って、重合の進行に伴い、ポロゲンが存在する空間に孔が形成される。孔径は、典型的には、50Å以上であるが、いくつかの重合体は、2000Å〜4000Åの孔径を有する。しかしながら、ほとんどの重合体は、100Å〜300Åの範囲の孔を含む。孔のサイズ分布は、幾分広い傾向にあり、特に、重合体中では、大きい平均孔サイズを有する。本材料は、重合体内で終端する不規則な形状の孔によって特徴付けられる。マクロ多孔性重合体は、通常、高度の架橋結合(典型的には30%以上)によって調製され、結果的に生じる材料により大きな物理的安定性を与え、溶媒中で膨張しない重合体を生じさせる。重合体を合成する本手段の発見によって、先の微小孔材料に比べ、遥かに大きな孔サイズおよび高い気孔率の材料がもたらされる。しかしながら、全体としての気孔率が、50%を越えることは稀である。多孔性重合体の本種類の詳細は、米国特許第3,322,695号(Alfreyらによる「Preparation of Porous Structures」)および米国特許第4,224,415号(Meitznerらによる「Polymerization Processes and Products Therefrom」)において開示される。本米国特許の開示は、参照として本明細書に援用される。
他の多孔性材料には、米国特許第4,522,953号(Barbyらによる「Low Density Porous Cross−1inked Polymeric Materials and their Preparation and Use as Carriers for Included Liquids」)および米国特許第5,583,162号(Liらによる「Polymeric Microbeads and Method of Preparation」)において開示され、「高内相乳剤」(「HIPE」)として知られる多孔性重合体構造を含む。本米国特許の開示は、参照として本明細書に援用される。
流体透過性歯科用アライナーの作製の別の手段として、低密度化合物の(通常、プラスチック形状)の小顆粒を有するベースシート材料の混合がある。低密度化合物は、ベース材料よりも昇華点が低い。原料混合物シートを、鋳型上の加熱した容器に配置する。空気を排除する。器具を鋳型から分離し、高温および/または圧力に曝し、粒状低密度材料の昇華を生じさせる。材料の分子は、ガス状(プラスチックの場合は、ホルムアルデヒド)に変換され、気体および/または液体分子を通過させるのに充分な孔の大きさを残す。
また、孔を、歯科用アライナー上に作製可能である。例えば、レーザー(特に、電力安定レーザー等)を使用してもよい。孔または空孔の直径は、例えば、1秒あたり500,000の穿孔速度で、40〜400μmの範囲に制御可能である。密度および孔サイズは、歯科用アライナー模型に従って、コンピュータによって直接制御可能である。
(使い捨てアライナー)
また、本明細書に記載の器具も、使い捨てにしてもよい。一般に、使い捨てアライナーは、「余分な」アライナーを含み、同一の処置工程で使用するための同一の基本形状(例えば、同一の処置効果)を有する複数のアライナーが提供される。使い捨てアライナーは、アライナーの摩耗または使用期間によって生じる弛緩または形状の損失の前記問題を克服する支持となる場合がある。例えば、アライナーは、患者の反復的使用によって、弛緩および「開放」するか、または患者がアライナーを咬合してしまうことによって、アライナーが外方へ屈曲する可能性がある。さらに、患者が飲食中または睡眠前にアライナーを取り外す度に、アライナー下部が開放および弛緩してしまう傾向がある。使用時間の経過に伴うアライナー下部の材料の弛緩によって、歯の付け根に非効果的な力を加わる可能性がある。アライナーの弛緩は、数日使用しただけでも生じてしまう。アライナーによって患者の歯に付与される矯正力の損失は、不充分または不正確な歯の移動の結果となり、同一のアライナーを再発注することが要求され、歯列矯正処置の遅れを生じさせ、患者にとって費用負担が大きくなる。
上記の問題を説明するため、図19aは、患者の歯3110に装着される新しいアライナー3100の側面図を示す。アライナーは、典型的にはシェル型であり、シェル部、先端部および下部を含む。シェル部の内面は、患者の歯と接触するようになっている。アライナーは、歯と歯根を隔てる歯肉のある歯の付け根に適切に適合する。新しく装着されるアライナー3100は、歯列矯正処置における歯の移動に対して、適切および効果的力を提供する。図19bは、数日または数週間と一定の使用期間患者の歯3160に装着された後のアライナー3150の側面図を示す。歯科用アライナー3150の下方部分3155は、弛緩および開放し、歯科用アライナー3150が、適切な圧力を歯の付け根に付与する妨害となっている。従って、歯科用アライナー3150は、効果的および正確な歯の移動を生じさせることができない。図20は、患者の歯3210に新しく装着される従来の歯科用アライナー220の上面図を示す。一定の時間装着後、歯科用アライナー3230は、弛緩および開放する。歯3210に対し、効果的力を付与することができなくなる。
図21は、使い捨て歯科用アライナーの作製の過程を示す。歯列矯正処置では、工程3310において、患者の歯列弓の最初の配列を、初めに決定する。患者の歯列弓は、上下顎の一本以上の歯を含むことができる。配列には、患者の歯の位置および方向を含む。最初の配列は、患者の歯列弓の陰画印象を初めに作製し、その後、三次元位置測定装置によって陰画印象の表面を走査することによって取得可能である。歯科医は、工程3320において、患者の歯の最初の配列を分析し、患者の歯の最終配列を決定する。最終配列は、矯正処置過程後の患者の歯の位置および方向を含む。
その後、歯科医は、工程3330に関与する各歯用の移動経路を設計する。典型的歯列矯正処置は、通常、工程3340において、複数の逐次的処置工程に分割される。特異的に設計された一つ以上の使い捨て歯科用アライナーを使用して、予め設計された目標配列へ患者の歯を移動する。本工程の処置は、患者の快適性の許容範囲および歯科用アライナーの性能内で、位置または方向の漸次的変更を生じさせることを対象とする。
一旦、移動経路が決定され、各工程に分割されると、歯科医、歯列矯正医または他の施術者は、処置工程各工程の期間を決定することができる。一般に、処置経路に与えられる期間は、施術者の専門知識によって推定される。ある変形形態においては、各処置経路の期間は、患者の歯列弓の情報に基づいて、計算可能である(例えば、手動でまたはコンピュータプログラムを使用して)。例えば、処置工程に要する期間の推定は、他の患者(過去のデータ)の同様の歯列弓における同様の処置工程に要した期間との比較に基づいて、あるいは患者の年齢および歯の健康状態、移動される歯の種類、移動量および種類(例えば、旋回対線状平行移動)、アライナーの種類および形状に基づいて行われる。
複数の使い捨て歯科用アライナーを、処置の各工程用に設計してもよい。複数の使い捨て歯科用アライナーは、特定の工程において同一の漸次的歯の移動を達成するよう設計された実質的に等しい形状を有する。患者は、使い捨て歯科用アライナーのセットを、一度に受け取り、歯科医院を訪問することなく、使い捨て歯科用アライナーを次のアライナーと交換する。
使い捨て歯科用アライナーは、従来の歯科用アライナーよりも短い期間患者が装着するよう設計される。患者は、使い捨て歯科用アライナー毎週、3日毎、毎日、あるいは数時間または数分でも交換可能である。例えば、患者は、使い捨てアライナーを、夕食を摂るためだけに装着することができる。
最適な装着間隔は、アライナー毎に決定してもよい。最適な装着間隔は、アライナーの構造(例えば、材料、サイズ等)、または予測使用に基づいてもよい。使い捨て歯科用アライナーの変更頻度(例えば、最適な装着間隔)は、患者のデータまたは生活習慣に依存してもよい。各処置工程における使い捨て歯科用アライナーの数は、工程3350において決定され、特定の患者の食事の回数、睡眠習慣および口腔衛生等の要因に依存可能である。例えば、ヘビースモーカーの場合、口腔衛生に非常に厳しい人に比べ、より頻繁に使い捨てアライナーを交換することを勧める。また、各処置工程における使い捨て歯科用アライナーの数は、処置工程で設計された漸次的移動の相対振幅に依存することができる。例えば、最適な装着間隔は、12時間、1日、2日、3日、4日、1週間、2週間または1ヶ月であってもよい。
使い捨て歯科用アライナーの効果は、コンピュータ模型によってシミュレーション可能である。歯列矯正処置における進行性の歯の配列は、歯列弓のデジタル模型によって示すことができる。デジタルアライナー模型によってシミュレーション可能である。患者の歯上の複数の使い捨て歯科用アライナーの効果は、各処置工程においてシミュレーション可能である。コンピュータによるシミュレーションは、各処置に必要とされる工程数、歯科用アライナーの材料特性、および各工程用の実質的に等しい形状の歯科用アライナーの数を決定する助けとなる。
複数の使い捨て歯科用アライナーの使用によって、弛緩および変形する前に、使い捨て歯科用アライナーを交換することができる。これによって、経時的に、患者の歯に均等に力を付与することができ、処置の正確性を向上させる。その有効性によって、使い捨て歯科用アライナーは、全体の処置時間を短くすることができる。また、使い捨て歯科用アライナーは、各使い捨て歯科用アライナーによって誘発されるより小さい段階的移動によって、患者が装着する際により快適となる。
使い捨てアライナーは、工程3360において、各処置工程用に作製される。いかなる適切な加工方法を使用してもよい。使い捨てアライナーは(使い捨てであるため)、耐久性の低い材料を使用しているため、より容易に加工され、またはより安価に加工されるということは注目に値する。例えば、伝統的アライナーに使用される他の材料よりも薄い材料または強度が低い材料等。さらに、使い捨て歯科用アライナー、同一のアライナーの加工には、同一の鋳型等を使用して、並列または連続で加工が可能である。
例えば、二つ以上の使い捨て歯科用アライナーは、鋳造室で同一の鋳型を使用して成型可能である。鋳型は、特定の処置工程用の目標配列に構成された患者の歯の模型を含む、物理的歯列弓模型によって作製された陰画印象であってもよい。また、使い捨て歯科用アライナーは、デジタルアライナー模型を入力情報として受け取る、CNCに基づいた機械によって加工することもできる。物理的歯列弓模型および関連ベースの作製の詳細は、上記および上記に参照された特許および先に参照として組み込まれた用途において開示される。
特定の処置工程に必要となるすべてのアライナーを一度に作製することは望ましい。各処置工程で作製される使い捨て歯科用アライナーの数は、処置工程に要する時間および推定される最適な装着間隔から決定してもよい。例えば、処置工程が完了するまでに3週間および最適な装着間隔(例えば、推奨される装着間隔)が2日の場合、最適な装着間隔を使用して処置工程が完了するまでに、少なくとも11のアライナーが必要となる。
従って、上記過程によって作製された使い捨て歯科用アライナーは、実質的に同一の形状を有する。しかしながら、上記のように、異なる成型の機会に、異なる材料を使用して、異なる硬度の使い捨てアライナーを成形することができる。陽画印象面は、襞状面の成型用の特徴を含み、さらに以下に記載するように、襞状使い捨てアライナーを作製可能である。
使い捨てアライナー作製用の鋳型は、歯列矯正医院に保管することができる。追加の使い捨てアライナーは、複製品が必要な場合はいつでも容易に作製可能である。また、鋳型は、使い捨て歯科用アライナーが、歯列矯正医の介入無しに、便宜的に作製可能な、医院または患者の自宅に送付することも可能である。
上記のように、使い捨てアライナーは、以下の一般特性を有する材料で作製可能である。成型の容易さ、膜またはフィラメントへの押出能力、破壊を防止する充分な硬度、柔軟性、中温に耐えられる程の相対的に高い溶解温度、変形に耐える強度、柔順、および口腔使用に安全な食品用。好適には、材料は、透明であることが望ましい。使い捨て歯科用アライナー用の材料の実施例には、アクリルおよびポリカーボネートを含む。
従来のアライナーは、通常約2週間装着されるため、材料の特性は、破壊されることなく、2週間耐えうるように最適化される。使い捨てアライナーの材料の特性は、廃棄までに1日または2日のみ耐えうる硬度を有するように最適化してもよい。
別の変形形態では、処置工程用の使い捨て歯科用アライナーは、僅かに異なる材料を含めることができる。処置工程の初期段階で装着される使い捨てアライナーは、相対的に軟質の材料で作製し、患者がより快適性に装着できるようにすることができる(例えば、特定の処置工程において歯の移動を開始する際に、あまり圧力を感じないように)。例えば、患者は、第1使い捨て歯科用アライナーを2日間装着し、硬度が増した別の使い捨て歯科用アライナーに交換してもよい。その後のアライナーは、所望の完全な移動が達成されるまで、最初の移動が達成されるのを補強および強化する支援となることができる。
(襞状アライナー)
また、歯科用器具は、アライナーに付与される圧力を解放するために収縮し、アライナーの変形を防ぐ構造または領域を含むように設計および加工してもよい。例えば、アライナーの少なくとも一部が、襞が寄り、隆線を付け、あるいは折り目が付けられた一つ以上の面(または、領域)を有する「襞状」アライナーであってもよい。例えば、アライナー表面上の襞は、皺が寄り、折り畳まれた、あるいは湾曲しているように見える場合がある。襞によって、他の非襞状アライナーに比べ大幅に器具を屈曲または拡張させ、器具を損傷してしまう材料応力を防ぐことができる。
襞状アライナーは、アライナーのその形状での使用を妨害する場合がある。アライナーは、典型的には、プラスチックの材料で作製され、上記のように、患者が繰り返し使用することによって、弛緩および開放する可能性がある。使用に伴うアライナーの材料の弛緩は、歯への効果的な力の付与を妨害する可能性がある。アライナーの弛緩は、使用数日の短い期間でも生じる可能性がある。アライナーによって患者の歯に付与される矯正力の損失は、不充分または不正確な歯の移動の結果となり、同一のアライナーを再発注することが要求され、歯列矯正処置の遅れを生じさせ、患者にとって費用負担が大きくなる。
襞状アライナーは、アライナーの弛緩によって生じる力の損失を克服することができる。襞状アライナーは、異なる設計を含むことができる。図28に示されるように、襞状アライナー4900は、患者の歯と接触する内面を有するシェル部4910、外面4920、先端部4930、シェル部4910の基線4950に沿った下部4940を含むことができる。シェル部4910は、異なる部位によって可変する厚さを有することができる。また、シェル部4910は、同一のまたは異なる材料の複数層を含むことができる。
歯科用アライナー4900は、歯茎4960上の患者の歯に装着される。襞4970は、襞状アライナー4900の外面4920(即ち、頬側)および内面(即ち、舌側)の一面または両面状に作製可能である。襞4970は、隣接する襞に対する規定の間隔で、襞状アライナー4900の先端部4930から下部4940に配列可能である。襞4970によって、患者の咬合中に圧力を受けた場合、あるいはアライナーの着脱時に、襞状アライナー4900が弛緩される。襞状形状は、圧力が除去された場合に、自動的に回復することができる。従って、襞状アライナー4900は、従来技術のアライナーにおける弛緩の問題はない。即ち、襞状アライナー4900は、強固な構造設計を含み、圧力を許容し、圧力下でも特徴的形状を維持することが可能である。
襞は、シェル型歯科用アライナーの異なる方向および位置に形成可能である。また、襞は、襞状アライナー4900基線4950と平行して(即ち、先端部4930から下部4940の方向)作製することができ、襞状アライナーのベース近傍での開放を防ぐ支援となる。また、襞は、水平(アライナーの基線4950に平行)および垂直(先端部から下部)の両方向に作製可能である。別の配列では、波形構造または「襞」は、襞状アライナー4900の基線4950に沿って作製可能である。基線4950に沿った波形構造によって、歯に弾力性のある縮小圧力を生じさせ、上記弛緩問題を克服し、襞状アライナー4900の寿命を延長することができる。種々の襞の配列は、最適な性能のために、単独でまたは組み合わせて適用することができる。
襞状アライナーは、種々の製造方法によって加工可能である。アライナー製造の一配列では、患者の歯列弓模型を、真空成形機のベースプレート上に配置する。デジタル歯科用アライナー模型は、外面および患者の歯と接触する内面を含むシェル部、患者の歯の歯肉近傍に配置される下部、および下部と反対側先端部を指定する。また、デジタル歯科用アライナー模型は、シェル部の外面、シェル部の内面および下部の少なくとも一つに形成される一つ以上の襞を定義する。器具は、デジタル歯科用アライナー模型に従って、襞状面を有する物理的歯科用アライナーを作製する。
図29に示されるように、アライナー作製材料のシート4010をシートホルダーに接着させ、発熱体近傍へ持ち上げる。シートは、単一の材料の均等分布、または異なる材料の複数層で作製可能である。アライナー作製材料を規定時間加熱後、シートホルダーを、ベースプレート上の患者の歯列弓模型に押圧する。真空ポンプによってベースプレート下部の空気が除去され、軟化されたアライナー作製材料を弛緩させ、適合した状態で、患者の歯列弓模型の表面を取り囲む。その後、アライナー作製材料のシートを、歯肉線4040に沿って切除し、患者の歯に完全に適合するアライナー4050を作製する。アライナー作製の本過程は、真空成形と称される。
襞作製の一方法においては、ある材料を、ベースプレートに固定される患者の歯列弓模型の他の歯の表面上に押し出す。押し出された材料によって形成される突起が分布され、アライナー上に形成される襞と互換性を有する(襞の位置、密度、幅および深さ等)。その後、押し出された材料は、歯列弓模型の表面上で硬化される。アライナー作製材料の軟質のシートを歯列弓模型上に圧入すると、押し出された材料によって形成された突起が、アライナー作製材料のシート上に襞4030を作製する。シートを切断後、襞状アライナー4050が得られる。
上記襞状アライナー製造方法の一変形形態では、高強度材料を、襞が形成される歯列弓模型の位置に配置する。アライナー作製材料のシートを加熱し、歯列弓模型上に圧入後、高強度材料が吸収され、アライナー材料に埋め込まれる。高強度材料の分布によって、アライナー表面上に不均等な弾性分布が生成され、襞4030が作製される。
別の変形形態では、高強度材料は、シートホルダーに配置される前に、アライナー作製材料のシート上に縦模様状に配置される。その後の加熱によって、高強度材料がシートに浸透し、埋め込まれ、襞状アライナー4050上に襞4030を形成する。
初めに、襞のない物理的歯科用アライナーを、上記真空成形過程によって作製してもよい。その後、物理的歯科用アライナーを、加熱によって軟化することができる。スタイラス等の加熱装置を、物理的歯科用アライナーに対し圧入する。加熱装置を表面上に移動させ、所望の位置で、材料に襞のエッチング処理を行う。一方、襞は、位置制御カッターまたはレーザー光線によって、アライナーの表面を剪断することができる。
別の変形形態では、アライナー構成部品は、デジタル歯科用アライナー模型に従って、上記CNCに基づいた製造法によって加工される。デジタル歯科用アライナー模型は、歯科用アライナーの表面上の襞の特徴を含む。アライナー構成部品は、襞の特徴を有するデジタル歯科用アライナー模型に従って、加工される。その後、歯科用アライナー構成部品は、組み立てられ、物理的歯科用アライナーを形成する。
襞状アライナーは、デジタルアライナー模型に従って、プラスチック製ブロックから研磨してもよい。研磨された部分は、1本の歯または歯列群の一部であってもよい。その後、部分的に研磨されたプラスチック製ブロックの内部の空洞部分は、加熱しながら、軟質の保持材料で充填する。保持材料は、高温状態では軟質で、室温では硬化される。保持材料は、室温で冷却後、把持できるようになる。特に、研磨されたプラスチック製ブロックは、CNCに基づいた製造法によって研磨される間、外部から保持することができる。襞状面を有するアライナーは、機械加工後、作製することができる。その後、保持材料は、加熱によって除去してもよい。保持材料は、蝋、シリコン、エポキシ、または他の種類の可撤性接着材料でもよい。
別の変形形態では、特別な留め金を使用して、残りのアライナーを、CNC機器を使用して研磨している間に、部分的に研磨されたアライナー部分を所定の位置に保持することができる。アライナー構成部品を組み立て、一つ以上の襞状面を有するアライナーを形成してもよい。アライナー構成部品は、物理的特徴を含み、アライナー構成部品を少なくとも一つの襞状面を有する物理的歯科用アライナーに組み立てる。CNCに基づいた製造法は、一つ以上の研磨、ステレオリソグラフィー、レーザー機械加工、成型および鋳造を含むことができる。
図30は、襞状歯科用アライナーを設計および加工する過程を示す。歯科用アライナー模型を、初めに、CADソフトウェア(工程4111)を使用して取得する。一般に、襞特徴は、アライナー特性と共に最適化されることができる。例えば、襞の設計は、アライナー材料(例えば、より剛質な材料にはより大きな襞が要求される)、形状パラメータ(アライナーの屈曲、厚さ)およびアライナーによって生じさせられる所望の歯の移動程度を考慮してもよい。本パラメータは、工程4112において設定される。その後、工程4103において、一連の規定の襞の特徴をデジタルアライナー模型の表面に付与することができる。特徴には、襞の位置、方向、密度、幅および深さ、並びに襞の生成に使用される埋め込み材料を含めることができる。
アライナーの特性およびアライナー上の襞特徴は、次に、工程4114において、最適な歯列矯正性能のために、シミュレーションが行われ、デジタルアライナー模型に予め保存される。患者の襞状アライナー使用中の種々の条件に対しての襞状アライナーの反応が、有限要素解析(FEA)を使用して、シミュレーションされる。条件には、患者によるアライナー咬合、装着および除去中に付与される圧力を含むことができる。また、条件には、患者が熱い飲物またはアイスクリームを食べた際の温度変化を含むことができる。仮想試作ソフトウェア(CADソフトウェア・コンポーネント)を使用して、種々のシミュレーションされる機械的付加の下、襞状アライナーの特性および性能を分析することができる。襞の特徴およびアライナー特性は、工程4115において、最適化された性能のために反復して変更させることができる。最終的に、工程4116において、最適化された襞の形状が、コンピュータに保存され、襞状アライナーの加工制御に使用される。
(側方矯正用アライナー)
また、歯科用器具は、上歯列弓の口蓋を変化させるために、設計および加工してもよい。本アライナーは、側方矯正用アライナーと称される場合がある。側方矯正用アライナーは、典型的には、口蓋および/または歯に力を付与し、歯列弓の再構築を補助する。例えば、側方矯正用アライナーは、被験体の口蓋を拡張(または、接触)させるようにしてもよい。本明細書では、口蓋にまたがる領域を有するシェルを含む器具について記載される(例えば、側方矯正用アライナー)。前述のように、シェルは、典型的には、外面および内面を含み、少なくとも内面の一部が、被験体の歯と接触するように構成される。側方矯正用アライナーは、典型的には、少なくとも被験体の口蓋(例えば、口蓋にまたがる領域)の一部を拡張させる一つ以上の領域を含む。本口蓋にまたがる領域は、硬口蓋領域等の口蓋の前方部分と接触してもよい。
図31aおよび31bは、側方矯正用アライナーの断面図を示す。図31aでは、アライナー3107が、上歯列弓に装着される。図31Aでは、歯3105および前方口蓋領域3101の両方を含む被験体の実際の歯列弓または歯列弓模型でもよい。本側方矯正用アライナー3107は、歯と接触するシェル3107の領域と接続する口蓋にまたがる領域3109を含む。図31bは、図31aの上歯列弓のない側方矯正用アライナー(断面図)を示す。
側方矯正用歯科用アライナーが装着される場合、図31aに示すように、口蓋にまたがる領域3107によって、上歯列弓の口蓋領域を再構築するための力が付与される。また、ある変形形態においては、口蓋にまたがる領域は、他のシェル領域に追加の支持を提供し、歯3015の再構築を向上させてもよい。ある変形形態においては、口蓋にまたがる領域は、口蓋にまたがる領域の一つ以上の接触する部位(または、表面全体)の口蓋に対して押動してもよい。従って、口蓋にまたがる領域は、実質的に口蓋と一致、または口蓋と係合させてもよい。口蓋にまたがる領域は、溝(例えば、縦口蓋溝および口蓋管)と係合させてもよい。
他の種類の歯科用アライナーとして前述のように、側方矯正用歯科用アライナーは、最終配列に向けて進められる各一連のアライナーを被験体が装着する(適切な処置時間の間)、一連の工程において口蓋を再構築するよう設計してもよい。施術者(例えば、歯列矯正医)患者の歯の最終配列列弓(歯および口蓋を含む)を決定する。施術者が、コンピュータの使用に関わらず、患者の歯および歯列弓のための移動経路を指定する処置計画を設計し、移動経路を複数の逐次的処置工程に分割する(例えば、3〜40の処置工程)。各工程は、装着される一つ以上の歯科用アライナーと対応させてもよい。
処置工程ならびに最終配列を設計する際、施術者は、どのように歯列弓自体が移動し得るかという認識(または、模型)によってガイドを付けてもよい。例えば、当技術分野に精通する者に既知であるように、口蓋の異なる領域は、他の領域よりも処置によってより容易に変形されてもよい。一般に、硬口蓋のより側方の領域は、硬口蓋の上部(例えば、中央)領域よりも容易に移動されてもよい。従って、側方矯正用歯科用アライナーは、より中央の領域よりも、歯に近い領域から口蓋を拡張するように構成してもよい。処置工程は、口蓋を再構築に関する実験による情報を使用して計画してもよい。例えば、いかなる特定の被験体の口蓋がいかに再構築され得るかについての推測は、被験体に関する情報(例えば、年齢、性別、口蓋のサイズ等)と、他の同様の被験体に施された測定または処置との比較に基づいてもよい。また、処置は、公開されたデータに基づく口蓋の拡大(または伸縮)に関する模型に基づいてよい。例えば、Carmen M、Marcell P、Giuseppe C、Roberto Aによる「Periodontal evaluation in patients undergoing maxillary expansion」(J Craniofac Surg. 2000年9月、11(5):491−4)、Ramieri GA、Spad MC、Aust M、Bianchi SD、Berrone S. による「Transverse maxillary distraction with a bone−anchored appliance: dento−periodontal effects and clinical and radiological results」(Int J Oral Maxillofac Surg. 2005年6月、34(4):357−63。Epub 2005年1月24日)、Davidovitch M、Efstathiou S、Same O、Vardimon ADによる「Skeletal and dental response to rapid maxillary expansion with 2− versus 4−band appliances」(Am J Orthod Dentofacial Orthop. 2005年4月、127(4):483−92)、およびFerrario VF、Garattini G、Colombo A、Filippi V、Pozzoli S、Sforz C.による「Quantitative effects of a nickel−titanium palatal expander on skeletal and dental structures in the primary and mixed dentition: a preliminary study」(Eur J Orthcd. 2003年8月、25(4):401−10)参照のこと。これらの論文はその全開示が本明細書に援用される。
側方矯正用アライナーの処置計画および設計は、手動または自動で為されてもよい。例えば、ソフトウェアは、処置計画(およびアライナー設計)を提案するために使用してもよく、あるいは、処置に使用されるアライナーを設計するために使用してもよい。上記のように、ソフトウェアは、デジタルで歯列弓(上口蓋を含む)を模型化するためだけでなく、歯および上口蓋の位置を操作するために使用してもよい。ソフトウェアは、同様のアライナーまたは器具を使用した実験によるデータに一貫して、または一般的な上口蓋の模型に基づいて、再構築に関して制限を含んでもよい。ある変形形態においては、ソフトウェアは、X線または他の走査データなどの個々の患者から採取したデータ、あるいは硬口蓋領域(および/または被験体の頭部および口の他の領域)から形成される鋳型または鋳造物に基づいて上口蓋を再構築するための模型を求めてもよい。
図32aおよび32bは、本明細書に記載の側方矯正用アライナーの一変形形態の図を示す。図32aにおいて、側方矯正用アライナー3207は、被験体の上歯列弓に配置されて示される。シェル歯科用アライナー部分は、被験体の歯に接触するが、口蓋にまたがる領域3205は、被験体の硬口蓋3203の一部分に接触する。上記のように、口蓋にまたがる領域は、シェルの歯に接触する領域に連結する単一部分、または口蓋の領域を露出する複数部分(例えば、一つ以上の空孔または間隙を配置)であってもよい。口蓋にまたがる領域は、歯列弓の周囲のいかなる二つ以上の点から口蓋にかかる細長い一片または複数の細長い一片であってもよいが、口蓋にまたがる領域は、アライナーの歯/歯茎に接触する領域に接着する。
操作の際、側方矯正用アライナーは、両方の歯に力を付与することによって口蓋を再構築するように使用してもよい。口蓋にまたがる領域によって加えられた力を歯列弓全体に分散することが効果的であってもよい(例えば、口蓋にまたがる領域に、上の歯の大部分またはすべてを覆うシェルを含めることによって)。シェルによって歯に付与される力が口蓋の再構築をもたらしてもよいため、口蓋にまたがる領域に付与される力により歯ならびに口蓋が移動してもよい。さらに、口蓋は、側方矯正用アライナーにより、前方/後方(例えば、口の前から後ろに)および左/右方向含むいかなる適切な方向に再構築されてもよい。また、側方矯正用アライナーは、歯の遠心移動によって歯列弓を再構築してもよい。
側方矯正用歯科用アライナーは、被験体の口蓋を再構築するのに不必要または望ましくない場合でも使用してもよい。側方矯正用アライナーは、歯に接触する(例えば、移動する)アライナーシェルの領域に支持を付加してもよい。一連の処置のうちの一つ以上の工程に、側方矯正用アライナーを含めてもよい(処置における他の工程には、口蓋にまたがる領域を備えていないアライナーを含めてもよい)。一般に、本明細書に記載の異なる種類のアライナー(または、例えば、襞状アライナー、口蓋にまたがる領域を有するアライナー等の異なる特徴を有するアライナー)は、処置の異なる工程において使用してもよい。ある変形形態においては、口蓋にまたがる領域を備えないアライナーと同一の工程において、側方矯正用歯科用アライナーを使用することが望ましい場合がある。例えば、被験体は、口蓋にまたがる領域の無い歯科用アライナーを日中に装着し、側方用配列歯科用アライナーを就寝中に装着してもよい。両方のアライナーのシェル領域は、口蓋にまたがる領域の有無を除けば等しくてもよい。
アライナーの口蓋にまたがる領域は、歯ならびに口蓋に対して力を提供してもよい。従って、口蓋にまたがる領域は、口蓋および/または歯の移動を生じさせる充分な力を提供可能な材料を含んでもよい。例えば、口蓋にまたがる領域は、支持部またはブレスを備えてもよい。典型的には、支持部により構造的支持がアライナーに提供され、口蓋および/または歯に対する力を維持することが可能になる。
支持部は、充分な強度、硬度(または、弾性)、および耐久性のあるいかなる材料を含んでもよい。例えば、支持部は、金属(ニッケルチタン合金などの合金を含む)、セラミック、重合体(例えば、ポリプロピレン、ポリカーボネート等)またはそれらの組み合わせを含んでもよい。また、支持部の形状により支持されるようにしてもよい。例えば、支持部は、バネ(例えば、コイル状のバネ、板バネ等)であってもよく、または追加的支持を提供するように層状であってもよい。ある変形形態においては、口蓋にまたがる領域が形成される材料に、所望の歯列弓(例えば、歯および/または口蓋)を再構築するのに充分な強度が無いことから、口蓋にまたがる領域は追加的支持体を含まない。
シェルの口蓋にまたがる領域全体は支持部を備えてもよく、またはその支持部は、口蓋にまたがる領域の一部のみに含まれてもよい。ある変形形態においては、口蓋にまたがる領域は支持部のみを備える。その支持部は、口蓋にまたがる領域の上下部分に接着されてもよい、あるいは口蓋にまたがる領域内に埋め込まれてもよい。一つ以上の支持部が使用されてもよい。
図33aおよび33bは、支持部3307がアライナーの内部3303および外部3305のシェル層の間に挟装される、アライナー3107の口蓋にまたがる領域の一実施例を示す。上記のように、側方矯正用アライナーは、本明細書に記載のいずれの方法を使用して加工されてもよい。例えば、アライナーは、層(支持部を含む)が上歯列弓の模型上で真空成形される多層式アライナーとして加工されてもよい。側方矯正用アライナーは、流体透過性機能、スナップ式特徴、襞等を含む前述のいかなる機能を備えてもよい。
口蓋にまたがる領域(支持部を含む)は、不快感を軽減するよう構成してもよい。例えば、口蓋にまたがる領域は、口蓋にまたがる領域、具体的には、舌に接触してもよいアライナーの一部分を平滑にするために、塗膜を含んでもよい。塗膜により、アライナーの表面を平滑にすることが可能で、付加的有益な効果を得ることができる。塗膜には、湿潤塗膜(例えば、シリコン等)、衛生的塗膜(抗菌塗膜等)、摩擦減少塗膜(例えば、蝋、潤滑塗膜)、悪臭吸収塗膜(例えば、活性炭等を含む)等が含まれてもよい。
記載のように、口蓋にまたがる領域(支持部を含む)は、いかなる適切な材料から形成されてもよい。例えば、口蓋貫通領域は、本明細書に記載のいかなる層状材料から形成されてもよい。ある変形形態においては、口蓋貫通領域は、液(例えば、水または気体)透過性材料を含み、一つ以上の通路を含んでもよい。口蓋にまたがる領域を有するアライナーは、口蓋にまたがる領域の少なくとも一部が透過性材料を含む場合、ユーザーにとってさらに快適となり得る。
上記の詳細な説明は、例示的な実施態様を例示するために提供されるものであって、限定することを意図していない。例えば、実施態様のいかなる機能も、他の実施態様の機能の一部またはすべてと組み合わせてもよい。本発明の範囲内において数多くの改良および変更が可能であることが当技術分野に精通する者には明白であろう。本説明中に特定の実施例が論じられ、これらの実施例の説明には、関連技術においていかに不利点に対処するかという説明が含まれる。しかしながら、これらの論議は、不利点を実際に対処および解決する方法および/またはシステムに対し、種々の実施例を制限するものではない。従って、本発明は、付随する請求項によって定義されるが、本明細書の説明によって限定されるものではない。
図1A〜1Fは、本明細書に記載の種々の貫通孔の断面図を示す。 図2A〜2Eは、本明細書に記載の種々のコネクタの断面図を示す。 図3は、スナップ式歯科用アライナーを加工するための配列を示す。 図4は、スナップ式歯科用アライナーを加工するための系統図を示す。 図5は、本発明による歯科処置のための一連の結合歯科用アライナーを加工するためのフローチャートを示す。 図6は、被験体の歯に新しく装着される従来の歯科用アライナーの側面図を示す。 図7は、一定の使用期間被験体の歯に装着された後の、従来の歯科用アライナーの側面図を示す。 図8は、新しく装着された場合と、一定の期間装着した後の従来の歯科用アライナーの上面図を示す。 図9は、スナップ式歯科用アライナーの断面図を示す。 図10は、可撤性多層式歯科用アライナーを使用して歯列矯正処置を提供するためのフローチャートを示す。 図11は、位置合わせ特徴を有する歯の模型を示す。 図12は、物理的歯の模型に取り付けられたピンを受容するための複数のソケットを含む歯科用ベースの上面図を示す。 図13は、多層式歯科用アライナーの第1層の加工を示す。 図14は、多層式歯科用アライナーの第2層の加工を示す。 図15は、多層式歯科用アライナーの上面図を示す。 図16は、別のアライナーの図を示す。 図17は、患者の歯に装着される多層式または不均等歯科用アライナーの断面図を示す。 図18は、流体透過性材料を含む歯科用アライナーを使用した歯列矯正過程を示す。 図19aは、患者の歯に装着される新しい従来の歯科用アライナーの側面図を示す。 図19bは、一定の使用期間装着後の従来の歯科用アライナーの側面図を示す。 図20は、一定の期間装着した後の従来の歯科用アライナーの上面図を示す。 図21は、使い捨て歯科用アライナーを作製する工程を示す。 図22は、本発明による物理的アライナーを作製するためのフローチャートである。 図23は、本発明によるCNCに基づいた物理的アライナーの製造の準備としての、デジタルアライナー模型の平滑工程を示す。 図24は、本発明によるCNCに基づいた製造法に好適とするため、デジタルアライナー模型を分割された構成部品へ分画する図を示す。 図25a〜25dは、隣接歯間領域周辺の空間を除去し、ウェッジと置換することによって、隣接歯間領域を分断する図を示す。 図25a〜25dは、隣接歯間領域周辺の空間を除去し、ウェッジと置換することによって、隣接歯間領域を分断する図を示す。 図25a〜25dは、隣接歯間領域周辺の空間を除去し、ウェッジと置換することによって、隣接歯間領域を分断する図を示す。 図25a〜25dは、隣接歯間領域周辺の空間を除去し、ウェッジと置換することによって、隣接歯間領域を分断する図を示す。 図26a〜26dは、組み立てによってアライナーを形成する特徴を有するアライナー構成部品を示す。 図27は、それぞれ組み立て支持特徴を有する複数のアライナー構成部品から組み立てられたアライナーを示す。 図28は、アライナー上の襞の配列を示す。 図29は、アライナー材料のシートから襞状アライナーを加工する図を示す。 図30は、襞状歯科用アライナーの設計および加工過程を示す。 図31aは、歯列弓上の側方矯正用アライナーの一変形形態の断面図を示す。同一の歯科用アライナーを、歯列弓のない状態で図31bに示す。 図32aは、本明細書に記載の歯列弓上の側方矯正用アライナーの一変形形態の斜視図を示す。図32bは、側方矯正用アライナーの別の斜視図を示す。 図33aは、側方矯正用アライナーの一変形形態の断面図を示す。図33bは、図33aに示す側方用歯科用アライナーの領域の拡大図を示す。

Claims (133)

  1. 被験体の歯に矯正移動を生じさせるための装置であって、該装置は、
    被験体の歯に装着するよう構成される歯科用アライナーを備え、該歯科用アライナーは、
    外面および内面を有するシェル部であって、該内面の少なくとも一部が被験体の歯に接触するよう構成されるシェル部と、
    該歯科用装置のシェル部の外面から内面に貫通する一つ以上の貫通孔と、
    を備える、被験体の歯に矯正移動を生じさせるための装置。
  2. 前記貫通孔がコネクタに嵌合するよう構成される、請求項1に記載の装置。
  3. 被験体の歯に矯正移動を生じさせるシステムであって、
    一つ以上の貫通孔を有する歯科用アライナー装置であって、被験体の歯に装着するよう構成される、歯科用アライナー装置と、
    一つ以上のコネクタであって、該歯科用アライナーを被験体の歯に装着した時に、該貫通孔に係合するよう構成されるコネクタと、
    を備える、システム。
  4. 前記一つ以上のコネクタが、支柱、節および隆起のうちの一つ以上を含む請求項3に記載のシステム。
  5. 前記コネクタが前記歯科用アライナーの貫通孔と係合した時に、該歯科用アライナーが被験体の歯と接触する、請求項3に記載のシステム。
  6. 前記歯科用アライナーが、真空成形、研磨、ステレオリソグラフィー、レーザー機械加工、成型およびCNCに基づいた製造法のうちの一つ以上によって加工される、請求項3に記載のシステム。
  7. 請求項3に記載のシステムであって、前記歯科用アライナーは、
    外面および被験体の歯と接触する内面を有するシェル部と、
    被験体の歯の歯肉線近傍に配置される下部と、
    下部と反対側の先端部と、
    を備える、システム。
  8. 前記歯科用アライナー装置の貫通孔が、前記下部または前記先端部を貫通する、請求項7に記載のシステム。
  9. 前記コネクタが、被験体の歯に固定されるよう構成される、請求項3に記載のシステム。
  10. 歯科処置のためのスナップ式歯科用アライナーを作製するシステムであって、
    歯科用アライナーに形成されるべき貫通孔の位置を示すガイドと、
    該ガイドの表示に基づいて、該歯科用アライナーに対し穴開工具の位置を合わせるポジショナーと、
    該スナップ式歯科用アライナーを作製するために、該ガイドによって示される位置で、該歯科用アライナーに貫通孔を形成する穴開工具と、
    を備える、システム。
  11. 前記ガイドが、歯科用アライナー上に形成されるべき貫通孔の位置を保存するコンピュータを備える、請求項10に記載のシステム。
  12. 前記コンピュータが、被験体の歯に固定されるべき一つ以上のコネクタの位置を、該一つ以上のコネクタが被験体の歯に前記歯科用アライナーが装着された場合に、前記貫通孔と係合するように保存するようさらに設定されている、請求項11に記載のシステム。
  13. 穴開工具が、歯科用アライナーに貫通孔を掘削するよう構成される、請求項10に記載のシステム。
  14. 前記穴開工具が、機械式ドリル用ビットまたはレーザーを備える、請求項10に記載のシステム。
  15. 歯科処置において、被験体の歯を移動させる方法であって、
    被験体の歯に装着されるべき歯科用アライナーを加工するステップと、
    該歯科用アライナーに一つ以上の貫通孔を作製するステップと、
    該貫通孔と係合させるために、一つ以上のコネクタを被験体の歯上に固定するステップと、
    被験体の歯に該歯科用アライナーを固定するために、該歯科用アライナーの貫通孔と被験体の歯上の該一つ以上のコネクタを係合させるステップと、
    を含む、方法。
  16. 前記歯科用アライナーが被験体の歯に装着された場合に、被験体の歯上の前記一つ以上のコネクタを、該貫通孔によって位置を合わせた位置に固定させるステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
  17. 前記コネクタが、予め成形されたコネクタを備える、請求項16に記載の方法。
  18. 前記コネクタが、接着剤またはUV架橋性重合体を備える、請求項16に記載の方法。
  19. 前記一つ以上のコネクタが、突起、節および隆起のうちの一つ以上を含む、請求項16に記載の方法。
  20. 被験体の歯に固定された前記コネクタを前記歯科用アライナーの貫通孔に係合させるために、該歯科用アライナーを被験体の歯に固定するステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
  21. 真空成形、研磨、ステレオリソグラフィー、レーザー機械加工および成型の一つ以上によって、前記歯科用アライナー装置を加工するステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
  22. 前記歯科用アライナーに、前記一つ以上の貫通孔を掘削するステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
  23. 患者の歯に規定の移動を生じさせるためのシェル型歯科用アライナーであって、
    流体透過性材料を含むシェル部と、
    シェル部の外面と、
    シェル部の内面であって、該内面は患者の歯と接触し、該流体透過性材料によって、流体が患者の歯と該外面近傍との間で連絡可能となるシェル部内面と、
    を備える、シェル型歯科用アライナー。
  24. 前記流体透過性材料によって、気体および液体が、患者の歯と前記外面近傍との間を連絡可能となる、請求項23に記載のシェル型歯科用アライナー。
  25. 前記流体透過性材料によって、酸素が、前記外面近傍から患者の歯に透過可能となる、請求項23に記載のシェル型歯科用アライナー。
  26. 前記流体透過性材料によって、唾液が、前記外面と前記内面との間を透過可能となる、請求項23に記載のシェル型歯科用アライナー。
  27. 請求項23に記載のシェル型歯科用アライナーであって、
    患者の歯の歯肉近傍に配置される下部と、
    該下部の反対側となる先端部と、
    をさらに備える、シェル型歯科用アライナー。
  28. 前記流体透過性材料が、多孔性重合体材料を含む、請求項23に記載のシェル型歯科用アライナー。
  29. 前記流体透過性材料が、レーザー光線によって掘削された孔を備える、請求項23に記載のシェル型歯科用アライナー。
  30. 前記流体透過性材料が、50Å〜400μmの範囲の直径を有する微小流路または孔を備える、請求項23に記載のシェル型歯科用アライナー。
  31. 患者の歯の処置するための方法であって、
    患者の歯の最初の配列を決定するステップと、
    患者の歯の最終配列を決定するステップと、
    患者の歯のうちの少なくとも1本を、該最初の配列から該最終配列に移動させる経路を設計するステップと、
    該移動経路を複数の逐次的処置工程に分割するステップであって、該逐次的処置工程が、それぞれ患者の歯の目標配列を有している、ステップと、
    1つの処置工程に従って患者の歯を該目標配列に移動させるために、流体透過性材料を含む歯科用アライナーを作製するステップと、
    を含む、方法。
  32. 前記流体透過性材料が、多孔性重合体材料を含む、請求項30に記載の方法。
  33. 流体透過性歯科用アライナーを形成するために、レーザー光線によって、歯科用アライナー材料に空孔を掘削するステップをさらに含む、請求項30に記載の方法。
  34. 前記目標配列が、患者の歯のうちの一本以上の目標位置および目標方向を含む、請求項31に記載の方法。
  35. 鋳造室を使用して、前記流体透過性材料を有する歯科用アライナーを成型するステップをさらに含む、請求項31に記載の方法。
  36. 前記流体透過性材料を含み、実質的に等しい形状を有する二つの歯科用アライナーを作製するステップをさらに含む、請求項31に記載の方法。
  37. 前記流体透過性材料が、基材中の圧力および/または高温によって低密度の粒状化合物を昇華させることで形成される孔を備える、請求項31に記載の方法。
  38. 患者の歯を処置するためのシステムであって、
    患者の歯の目標配列を決定するよう設定されたコンピュータと、
    歯科用アライナーを作製するよう構成された器具であって、該歯科用アライナーは、流体透過性材料、外面、および患者の歯のうちの1本と接触する内面を含む、シェル部を備え、該流体透過性材料によって、流体が、患者の歯のうちの1本と外面近傍との間で連絡することが可能となり、該歯科用アライナーが、患者の歯を該目標配列に移動するよう構成される、器具、
    を備える、システム。
  39. 前記流体透過性材料が、多孔性重合体材料を含む、請求項37に記載のシステム。
  40. 流体透過性歯科用アライナーを形成するために、前記器具が、レーザー光線によって、歯科用アライナー材料に空孔を掘削するよう構成される、請求項37に記載のシステム。
  41. 前記器具が、鋳造室において使用される、前記流体透過性材料を有する前記歯科用アライナーを成型するよう構成される、請求項37に記載のシステム。
  42. 前記器具が、50Å〜400μmの範囲の直径を有する微小流路または孔を備える流体透過性歯科用アライナーを作製するよう構成される、請求項37に記載のシステム。
  43. 多層式歯科用アライナーの作製方法であって、
    第1アライナー作製材料の第1層を、一つ以上の物理的歯の模型上に配置するステップと、
    該第1アライナー作製材料の第1層を、該一つ以上の物理的歯の模型の表面に合致させるステップと、
    第2アライナー作製材料の第2層を、該第1アライナー作製材料の第1層上に配置するステップと、
    該第2アライナー作製材料の第2層を、該一つ以上の物理的歯の模型上の該第1アライナー作製材料の第1層の表面に合致させて、該多層式歯科用アライナーを作製するステップと、
    を含む、方法。
  44. 請求項42に記載の方法であって、
    前記第1アライナー作製材料の第1層を加熱するステップと、
    前記第1アライナー作製材料の第1層を、前記一つ以上の物理的歯の模型に対して保持するステップと、
    前記第2アライナー作製材料の第2層を加熱するステップと、
    前記第2アライナー作製材料の第2層を、前記一つ以上の物理的歯の模型上の前記第1アライナー作製材料の第1層に対して保持して、前記多層式歯科用アライナーを作製するステップと、
    をさらに含む、方法。
  45. 請求項43に記載の方法であって、
    前記一つ以上の物理的歯の模型に対して、前記第1アライナー作製材料の第1層または前記第2アライナー作製材料の第2層を真空吸引によって保持するステップ、
    をさらに含む、方法。
  46. 請求項42に記載の方法であって、
    前記第1アライナー作製材料の第1層および/または前記第2アライナー作製材料の第2層を、前記物理的歯の模型の歯肉線に沿って切断して、前記多層式歯科用アライナーを作製するステップ、
    をさらに含む、方法。
  47. 請求項42に記載の方法であって、
    前記第2アライナー作製材料の第2層を、前記第1アライナー作製材料の第1層上に配置する前に、該第1アライナー作製材料の第1層を、前記物理的歯の模型の歯肉線に沿って切断するステップと、
    前記第2アライナー作製材料の第2層を、前記物理的歯の模型の歯肉線に沿って切断して、前記多層式歯科用アライナーを作製するステップと、
    をさらに含む、方法。
  48. 前記第1アライナー作製材料の第1層が、前記第2アライナー作製材料の第2層より高い硬度を有する、請求項42に記載の方法。
  49. 前記第1アライナー作製材料または第2アライナー作製材料が、アクリル、ポリカーボネート、ウレタンおよびエポキシのうちの一つ以上を含む、請求項42に記載の方法。
  50. 前記第1アライナー作製材料が、前記第2アライナー作製材料と同一である、請求項42に記載の方法。
  51. 前記第2アライナー作製材料の第2層が、患者の歯と実質的に同一の色を有する、請求項42に記載の方法。
  52. 物理的歯列弓模型を成形するために、前記一つ以上の歯の模型が組み立てられる、請求項42に記載の方法。
  53. 前記物理的歯列弓模型を成形するために、前記一つ以上の歯の模型が歯科用ベースに接着される、請求項51に記載の方法。
  54. 多層式歯科用アライナーの作製方法であって、
    第1アライナー作製材料の第1層を加熱するステップと、
    該第1アライナー作製材料の第1層を、真空吸引によって、一つ以上の物理的歯の模型に対して保持するステップと、
    該第1アライナー作製材料の第1層を、物理的歯の模型の歯肉線に沿って切断するステップと、
    第2アライナー作製材料の第2層を加熱するステップと、
    該第2アライナー作製材料の第2層を、真空吸引によって、該物理的歯の模型上の第1アライナー作製材料の第1層に対して保持するステップと、
    該第2アライナー作製材料の第2層を、該物理的歯の模型の歯肉線に沿って切断して、該多層式歯科用アライナーを作製するステップと、
    を含む、方法。
  55. 前記第1アライナー作製材料が、前記第2アライナー作製材料より高い硬度を有する、請求項53に記載の方法。
  56. 前記第1アライナー作製材料または第2アライナー作製材料が、アクリル、ポリカーボネート、ウレタンおよびエポキシのうちの一つ以上を含む、請求項53に記載の方法。
  57. 前記第1アライナー作製材料が、前記第2アライナー作製材料と同一である、請求項53に記載の方法。
  58. 多層式歯科用アライナーであって、
    第1アライナー作製材料の第1層と、
    第2アライナー作製材料の第2層と、
    を含み、
    該第1層および第2層の少なくとも一層が、アライナー作製材料の層を加熱し、そして該アライナー作製材料の層を、一つ以上の物理的歯の模型に対して保持することで成形される、多層式歯科用アライナー。
  59. 前記第1層が、前記第1アライナー作製材料の第1層を加熱し、真空吸引によって、前記一つ以上の物理的歯の模型に対して保持することで成形される、請求項57に記載の多層式歯科用アライナー。
  60. 前記第2層が、前記第1アライナー作製材料の第2層を加熱し、真空吸引によって、前記物理的歯の模型上の前記第1アライナー作製材料の第1層に対して保持することで成形される、請求項57に記載の多層式歯科用アライナー。
  61. 前記第1層が、前記第2層より高い硬度を有する、請求項57に記載の多層式歯科用アライナー。
  62. 前記第1アライナー作製材料が、前記第2アライナー作製材料と同一である、請求項57に記載の多層式歯科用アライナー。
  63. 不均等歯科用アライナーを作製するための方法であって、
    アライナー作製材料シートを、不均等に加熱するステップと、
    該アライナー作製材料シートを、一つ以上の物理的歯の模型に対して保持して、該不均等歯科用アライナーを作製するステップと、
    を含む、方法。
  64. 請求項62に記載の方法であって、
    前記アライナー作製材料シートの第1区画を、該アライナー作製材料シートの第2区画より高温で加熱するステップ、
    をさらに含む、方法。
  65. 前記アライナー作製材料シートの第1区画を、前記アライナー作製材料シートの第2区画より長時間加熱するステップをさらに含む、請求項62に記載の方法。
  66. 前記アライナー作製材料の一つ以上の弾性特性が、前記加熱するステップの温度または持続時間に応じて変動する、請求項62に記載の方法。
  67. 請求項62に記載の方法であって、
    前記アライナー作製材料シートを、真空吸引によって、前記一つ以上の物理的歯の模型に対して保持するステップ、
    をさらに含む、方法。
  68. 請求項66に記載の方法であって、
    前記アライナー作製材料シートを、真空吸引の不均等分布によって、前記一つ以上の物理的歯の模型に保持するステップ、
    をさらに含む、方法。
  69. 請求項62に記載の方法であって、
    前記アライナー作製材料シートを、前記物理的歯の模型の歯肉線に沿って切断して、前記不均等歯科用アライナーを作製するステップ、
    をさらに含む、方法。
  70. 前記アライナー作製材料シートの第1区画が、該アライナー作製材料シートの第2区画より高い硬度を有する、請求項62に記載の方法。
  71. 前記アライナー作製材料が、アクリル、ポリカーボネート、ウレタンおよびエポキシのうちの一つ以上を含む、請求項62に記載の方法。
  72. 物理的歯列弓模型を成形するために、前記一つ以上の歯の模型が組み立てられる、請求項62に記載の方法。
  73. 前記物理的歯列弓模型を成形するために、前記一つ以上の歯の模型が歯科用ベースに接着される、請求項71に記載の方法。
  74. 不均等歯科用アライナーを作製するための方法であって、
    アライナー作製材料シートの第1区画を、第1の温度および第1の時間で加熱するステップと、
    該アライナー作製材料シートの第2区画を、第2の温度および第2の時間で加熱するステップと、
    前記不均等歯科用アライナーを作製するために、該アライナー作製材料シートを、真空吸引によって、前記一つ以上の物理的歯の模型に対して保持するステップと、
    該アライナー作製材料シートを、物理的歯の模型の歯肉線に沿って切断して、該不均等歯科用アライナーを作製するステップと、
    を含む、方法。
  75. 前記アライナー作製材料の一つ以上の弾性特性が、前記加熱するステップの温度または持続時間に応じて変動する、請求項73に記載の方法。
  76. 前記アライナー作製材料シートの第1区画が、前記アライナー作製材料シートの第2区画と異なる、一つ以上の異なる弾性定数を有する、請求項73に記載の方法。
  77. 請求項73に記載の方法であって、
    前記アライナー作製材料シートを、真空吸引の不均等分布によって、前記一つ以上の物理的歯の模型に対して保持するステップ、
    をさらに含む、方法。
  78. 前記アライナー作製材料が、アクリル、ポリカーボネート、ウレタンおよびエポキシのうちの一つ以上を含む、請求項73に記載の方法。
  79. 不均等歯科用アライナーであって、
    患者の歯に適合するよう成形されたアライナー作製材料の層であって、該アライナー作製材料の層は、第1弾性定数によって特徴付けられる第1区画と、第2弾性定数によって特徴付けられる第2区画とを備える、アライナー作製材料の層、
    を備える、不均等歯科用アライナー。
  80. 前記アライナー作製材料の層が、アライナー作製材料シートを不均等に加熱し、該アライナー作製材料シートを、真空吸引によって、前記一つ以上の物理的歯の模型に保持することによって、患者の歯に適合するよう成形される、請求項78に記載の不均等歯科用アライナー。
  81. 前記第1区画のアライナー作製材料が、前記第2区画のアライナー作製材料より高い硬度を有する、請求項78に記載の不均等歯科用アライナー。
  82. 前記アライナー作製材料が、アクリル、ポリカーボネート、ウレタンおよびエポキシのうちの一つ以上を含む、請求項78に記載の不均等歯科用アライナー。
  83. 患者の歯に規定の移動を生じさせるための歯科用アライナーであって、
    外面および患者の歯に接触する内面を含むシェル型部と、
    患者の歯の歯肉近傍に配置される下部と、
    該下部と反対側となる先端部と、
    該外面、該内面および該下部のうちの少なくとも1つを覆って形成される一つ以上の襞と、
    を備える、歯科用アライナー。
  84. 前記襞が、前記シェル部の外面または内面上に形成され、実質的に前記先端部から下部に配列される、請求項82に記載の歯科用アライナー。
  85. 前記襞が、実質的に前記先端部から下部への方向にわたって配列される、請求項82に記載の歯科用アライナー。
  86. 前記襞が、下部上に波形構造を含む、請求項82に記載の歯科用アライナー。
  87. 前記襞が、前記シェル部の材料と異なる材料で形成される、請求項82に記載の歯科用アライナー。
  88. 前記シェル部が、プラスチック、重合体、ウレタン、エポキシ、石膏、石、粘土、アクリル、金属、木材、紙、セラミックおよび磁器からなる群から選択される材料を含む、請求項82に記載の歯科用アライナー。
  89. 前記シェル部が、異なる部位によって変動する厚さを有する、請求項82に記載の歯科用アライナー。
  90. 前記シェル部が、それぞれ同一または異なる材料を含む複数層を備える、請求項82に記載の歯科用アライナー。
  91. 患者の歯列弓用に襞状歯科用アライナーを製造するための方法であって、
    患者の歯列弓用に物理的歯科用アライナーを作製するステップであって、該物理的歯科用アライナーは、実質的に平滑な面を含む、ステップと、
    該物理的歯科用アライナー上の実質的に平滑な面のうちの一を覆って、少なくとも襞を一つ作製して、該歯科用アライナー上に襞状面を形成するステップと、
    を含む、方法。
  92. 請求項90に記載の方法であって、
    前記物理的歯科用アライナーと該物理的歯科用アライナー上の前記襞状面とを同時に作製するステップ、
    をさらに含む、方法。
  93. 請求項90に記載の方法であって、
    真空成形、切断、研磨、加熱装置によるエッチング、レーザーおよびCNCに基づいた製造法のうちの一つ以上によって、前記物理的歯科用アライナー上に前記襞状面を作製するステップ、
    をさらに含む、方法。
  94. 患者の歯に規定の移動を生じさせるためのシェル型歯科用アライナーを製造するシステムであって、
    デジタル歯科用アライナー模型を保存するよう設定されたコンピュータであって、該デジタル歯科用アライナー模型は、外面および患者の歯と接触する内面を含むシェル部、患者の歯の歯肉近傍に配置される下部、該下部と反対側となる先端部、ならびに該シェル部の外面、シェル部の内面および下部のうちの少なくとも一つを覆って形成される一つ以上の襞を指定する、コンピュータと、
    該デジタル歯科用アライナー模型に従って、襞状面を有する物理的歯科用アライナーを作製するよう構成された器具と、
    を備える、システム。
  95. 前記コンピュータが、前記一つ以上の襞の特性を最適化するために、前記デジタル歯科用アライナー模型を使用して、襞状面を有する前記物理的歯科用アライナーのシミュレーションを行うよう設定される、請求項93に記載のシステム。
  96. 前記襞の特性が、襞の位置および方向、隣接する襞の間隔、および襞の深さのうちの一つ以上を含む、請求項94に記載のシステム。
  97. 前記器具が、真空成形、切断、研磨、加熱装置によるエッチング、レーザー光線による切断、およびCNCに基づいた製造法のうちの一つ以上によって、前記物理的歯科用アライナー上に前記襞状面を作製するよう構成される、請求項93に記載のシステム。
  98. 前記襞が、前記シェル部の外面または内面上に形成され、実質的に先端部から下部に配列される、請求項93に記載のシステム。
  99. 前記襞が、実質的に先端部から下部の方向にわたって配列される、請求項93に記載のシステム。
  100. 前記襞が、下部上に波形構造を含む、請求項93に記載のシステム。
  101. 前記シェル部が、異なる部位によって変動する厚さを備える、請求項93に記載のシステム。
  102. 前記シェル部が、複数の層を含む、請求項93に記載のシステム。
  103. 患者の歯用の襞状歯科用アライナーを製造するための方法であって、
    歯科用アライナー上の少なくとも一つの襞状面を指定するデジタル歯科用アライナー模型を作成するステップと、
    該デジタル歯科用アライナー模型に従って、該襞状面を有する歯科用アライナーを作製するステップと、
    を含む、方法。
  104. 請求項102に記載の方法であって、
    真空成形によって、患者の歯列弓模型上に、前記襞状面を有する物理的歯科用アライナーを作製するステップであって、該歯列弓模型の少なくとも一面が、該歯科用アライナー上に襞状面を作製する特徴を含む、ステップ、
    をさらに含む、方法。
  105. 請求項102に記載の方法であって、
    前記物理的歯科用アライナーの表面下に高張力材料を埋め込むことによって、前記物理的歯科用アライナー上に前記襞状面を作製するステップ、
    をさらに含む、方法。
  106. 請求項102に記載の方法であって、
    前記物理的歯科用アライナーの表面を切断することによって、前記物理的歯科用アライナー上に前記襞状面を作製するステップ、
    をさらに含む、方法。
  107. 請求項102に記載の方法であって、
    加熱装置またはレーザー光線によって、前記物理的歯科用アライナーの表面をエッチングして、該物理的歯科用アライナー上に前記襞状面を作製するステップ、
    をさらに含む、方法。
  108. 請求項102に記載の方法であって、
    前記デジタル歯科用アライナー模型に従って、CNCに基づいた製造法を使用してアライナー構成部品を加工するステップと、
    該アライナー構成部品を組み立てることによって、前記襞状面を有する物理的歯科用アライナーを作製するステップと、
    をさらに含む、方法。
  109. 前記CNCに基づいた製造法が、研磨、ステレオリソグラフィー、レーザー機械加工、成型および鋳造のうちの一つ以上を含む、請求項107に記載の方法。
  110. 請求項107に記載の方法であって、
    前記アライナー構成部品が、少なくとも一つの襞状面を有する前記物理的歯科用アライナーに組み立てられるようにする物理的特徴を、前記アライナー構成部品上に作製するステップ、
    をさらに含む、方法。
  111. 請求項102に記載の方法であって、
    前記デジタル歯科用アライナー模型を使用して、前記襞状面を有する歯科用アライナーのシミュレーションを行うステップと、
    該襞状面上の襞の特性を最適化するステップと、
    をさらに含む、方法。
  112. 前記襞の特性が、襞の位置、襞の方向、隣接する襞の間隔、および襞の深さのうちの一つ以上を含む、請求項110に記載の方法。
  113. 請求項102に記載の方法であって、
    歯列弓のデジタル模型に基づいて、前記デジタル歯科用アライナー模型を作成するステップ、
    をさらに含む、方法。
  114. 患者の歯列弓用に襞状歯科用アライナーを製造するための方法であって、
    患者の歯列弓に基づいて、歯列弓のデジタル模型を作成するステップと、
    該歯列弓のデジタル模型に基づいて、デジタル歯科用アライナー模型を作成するステップであって、該デジタル歯科用アライナー模型は、表面上に一つ以上の襞を指定する、ステップと、
    該デジタル歯科用アライナー模型に従って、襞状歯科用アライナーを作製するステップと、
    を含む、方法。
  115. 請求項113に記載の方法であって、
    前記デジタル歯科用アライナー模型を、複数の製造可能なデジタルアライナー構成部品に分割するステップと、
    該デジタルアライナー構成部品に従って、コンピュータ数値制御(CNC)に基づいた製造法を使用して、物理的アライナー構成部品を作製するステップと、
    該物理的アライナー構成部品を組み立てて、前記襞状歯科用アライナーを形成するステップと、
    をさらに含む、方法。
  116. 前記CNCに基づいた製造法が、研磨、ステレオリソグラフィー、レーザー機械加工、成型および鋳造のうちの一つ以上を含む、請求項114に記載の方法。
  117. 請求項114に記載の方法であって、
    前記アライナー構成部品が、少なくとも一つの襞状面を有する前記物理的歯科用アライナーに組み立てられるようにする物理的特徴を、該アライナー構成部品上に作製するステップ、
    をさらに含む、方法。
  118. 患者用に襞状歯科用アライナーを製造するためのシステムであって、
    襞状歯科用アライナー上の少なくとも一つの襞状面を指定するデジタル歯科用アライナー模型を保存するよう設定されたコンピュータと、
    該デジタル歯科用アライナー模型に従って、該襞状歯科用アライナーを作製するよう構成された器具と、
    を備える、システム。
  119. 前記コンピュータが、前記デジタル歯科用アライナー模型を使用して、前記襞状歯科用アライナーのシミュレーションを行い、前記襞状面の特性を最適化するよう構成される、請求項117に記載のシステム。
  120. 前記襞状面の特性が、襞の位置、襞の方向、隣接する襞の間隔および襞の深さのうちの一つ以上を含む、請求項118に記載のシステム。
  121. 前記器具が、真空成形、切断、加熱装置によるエッチング、レーザー光線による切断およびCNCに基づいた製造法のうちの一つ以上によって、前記襞状歯科用アライナーを作製するよう構成される、請求項117に記載のシステム。
  122. 患者の歯の処置方法であって、
    患者の歯の最初の配列を決定するステップと、
    患者の歯の最終配列を決定するステップと、
    患者の歯のうちの少なくとも1本を、該最初の配列から最終配列に移動する経路を設計するステップと、
    該移動経路を、それぞれ患者の歯のうちの少なくとも1本に対して目標配列を有する複数の逐次的処置工程に分割するステップと、
    患者の歯のうちの1本を該目標配列に移動させるために、実質的に等しい形状の二つ以上の歯科用アライナーを作製するステップと、
    を含む、方法。
  123. 請求項121に記載の方法であって、
    処置工程に要する時間を見積もるステップと、
    前記歯科用アライナーの最適な装着間隔を見積もるステップと、
    をさらに含む、方法。
  124. 実質的に等しい形状の二つ以上の歯科用アライナーを作製する前記工程が、前記処置工程に要する見積もり時間および最適な装着間隔の見積もりに基づいて、前記処置工程に必要な数の歯科用アライナーを作製するステップを含む、請求項122に記載の方法。
  125. 請求項121に記載の方法であって、
    デジタルアライナー模型を使用して、前記処置工程における目標配列に必要な実質的に等しい形状の歯科用アライナーのシミュレーションを行うステップと、
    前記デジタルアライナー模型に従って、実質的に等しい形状の二つ以上の前記歯科用アライナーを作製するステップと、
    をさらに含む、方法。
  126. 患者の歯を処置するための方法であって、
    患者の歯の目標配列を決定するステップと、
    実質的に等しい形状を有する少なくとも二つの歯科用アライナーを作製するステップと、
    該二つの歯科用アライナーを使用して、患者の歯を該目標配列に移動させるステップと、
    を含む、方法。
  127. 前記二つの歯科用アライナーが、異なる材料の組成を含む、請求項125に記載の方法。
  128. 各歯科用アライナーが、3日より長く使用されることはない、請求項125に記載の方法。
  129. 口蓋を含め、患者の上歯列弓を再構築するための側方矯正用歯科用アライナーであって、該アライナーは、
    外面および内面を有するシェルであって、該シェルは、
    患者の上歯列弓の歯と接触するよう構成された歯との接触領域と、
    口蓋にまたがる領域であって、該口蓋にまたがる領域は、患者の上口蓋と接触し、患者の上歯列弓を再構築するための力を提供するよう構成される、口蓋にまたがる領域と、
    を備える、シェル、
    を備える、側方矯正用歯科用アライナー。
  130. 前記口蓋にまたがる領域が、前記口蓋にまたがる領域に構造的支持を提供するよう構成された支持部をさらに備える、請求項128に記載の側方矯正用歯科用アライナー。
  131. 前記口蓋にまたがる領域が、流体透過性材料を含む、請求項128に記載の側方矯正用歯科用アライナー。
  132. 前記口蓋にまたがる領域が、硬口蓋の大部分にまたがる、請求項128に記載の側方矯正用歯科用アライナー。
  133. 患者の口蓋を再形成するための方法であって、
    患者の歯および上口蓋領域の最初の配列を決定するステップと、
    患者の歯および上口蓋領域の最終配列を決定するステップと、
    該上口蓋領域の少なくとも一部を、該最初の配列から該最終配列に移動させる経路を設計するステップと、
    該移動経路を、複数の逐次的処置工程に分割するステップと、
    該上口蓋領域を目標配列に再構築するための、口蓋にまたがる領域を含む複数の歯科用アライナーを作製するステップと、
    を含む、方法。
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