JP6697874B2 - 成形材料及び成形品 - Google Patents

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Description

本発明は、水中で迅速に分散する射出成形品若しくは圧縮成形品を製造可能な成形材料及びそれを用いた成形品に関するものである。
従来、水溶性結合剤と水を加えて混練した繊維状の主原料を加熱した金型内に充填し、添加した水を気化除去して乾燥固化した射出成形品及び圧縮成形品や、これらの製造に用いる成形材料が知られている。
例えば、特許文献1には、紙繊維に澱粉、水及び非アルカリ金属の長鎖脂肪酸塩を添加して混練した成形材料が開示されている。また、特許文献2や特許文献3には、植物性繊維、バインダー、水、及び金属石鹸を含み、材料に含まれる水分の量を少なくするため、水に代わって材料に流動性を与えるグリセリンのような流動性付与材を含む成形材料とそれを用いた射出成形品が開示されている。更に、特許文献4には、古紙等の生分解性を有する植物系繊維と澱粉のような生分解性を有する水溶性結合剤に水を加えて混練した素材を加熱した金型に供給し、素材中の水を気化除去して乾燥固化した生分解性を有する育苗容器が開示されている。加えて、特許文献5には、紙繊維と澱粉系結合剤と水の混合物からなる成形材料を成形し、水分を気化除去して乾燥固化した食物を収納するトレイが開示されている。
ところで、上記特許文献1〜5において成形材料を用いて成形した射出成形品若しくは圧縮成形品は、結合剤やバインダーに水溶性高分子が使用されているため、長期間水中に浸漬した場合には膨潤して変形するが、水中に投じた後、短時間で膨潤、分散、崩壊することはなく、水中で迅速に分散する射出成型品または圧縮成形品は得られていない。
例えば、特許文献4の実施例1〜4には紙素材に澱粉と水を加えた成形材料を成形、乾燥して得た圧縮成形品の水中浸漬試験結果が開示されているが、24時間浸漬後でも崩壊することがなく、硬度の差はあるが形態を保持していることが示されている。また、特許文献5には紙繊維に澱粉系結合剤と水を加えた成形材料を成形、乾燥して得た射出成形品の内部に、食物から浸出する水分を吸収できることが記載されており、上記成形品は水で膨潤、変形、分散することなく水分吸収容器として形態を保つことが示唆されている。
特許第2951933号公報 特開2002−309095号公報 特開2005−15814号公報 特開平10−309135号公報 特開2008−94463号公報
繊維状の主原料に水溶性結合剤と水を加えて混練した成形材料を加熱した金型内で成形して乾燥固化した前記成形品は燃えるごみとして廃棄でき、原料に生分解性物質を用いたものは土壌中で生分解する環境負荷低減素材としての利用が期待されている。
しかしながら、従来の成形品は、水中で短時間に膨潤、分散、崩壊しないため、トイレ用品のように使用後に水中で分散、崩壊させて処理する使い捨て用品として使用することができないという問題がある。
本発明は、上述の問題点を解決するもので、水中で迅速に分散する射出成形品若しくは圧縮成形品を製造するための成形材料及びそれを用いた成形品を提供することを目的としている。
本発明の要旨を説明する。
天然繊維、水溶性結合材、水及び非アルカリ金属の長鎖脂肪酸塩からなり、射出成形品若しくは圧縮成形品の成形に用いる成形材料であって、
前記水溶性結合材はエーテル化度が0.5〜1.0のカルボキシメチルセルロース塩であり、また前記天然繊維と前記水溶性結合材との割合が天然繊維:水溶性結合材=75〜30質量%:25〜70質量%であり、
水分散性が、縦10mm、横10mm、厚さ1mmの成形平板を水300ml中に投じて650rpmで攪拌した場合、10分以内に分散が始まり且つ15分以内に50mm以下の面積を有する断片に分離する水分散性となるように構成されていることを特徴とする成形材料に係るものである。
また、請求項記載の成形材料において、前記天然繊維と前記水溶性結合材との割合が天然繊維:水溶性結合材=75〜30質量%:25〜70質量%である混合物100部に、水50〜100部及び非アルカリ金属の長鎖脂肪酸塩0.3〜2.0部が配合されていることを特徴とする成形材料に係るものである。
また、請求項記載の成形材料において、前記カルボキシメチルセルロース塩は、エーテル化度0.5〜1.0のアルカリ金属塩であることを特徴とする成形材料に係るものである。
また、請求項記載の成形材料において、前記カルボキシメチルセルロース塩の25〜50質量%が、冷水可溶性ポリビニルアルコールで置き換えられていることを特徴とする成形材料に係るものである。
また、請求項1〜いずれか1項に記載の成形材料により射出成形若しくは圧縮成形して得られたことを特徴とする成形品に係るものである。
本発明は上述のように構成したから、水中で迅速に分散する射出成形品若しくは圧縮成形品を製造するための成形材料及びそれを用いた成形品となる。
実験結果を示す表である。 実験結果を示す表である。 実験結果を示す表である。
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
本発明の天然繊維等から成る成形材料を用いて成形した射出成形品若しくは圧縮成形品は、水中で迅速に分散する。
従って、本発明により形成された成形品は、使い捨て用品、例えば、使用後に水で減容可能な包装用緩衝体や乾燥食品用容器、使用後に専用の水分散処理設備で分散流去処理できるトイレ洗浄用具、検尿用容器、使い捨ておまる等のトイレ用品、流し灯篭や流し雛等の祭礼用品などに利用することが可能となる。
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
本実施例は、天然繊維、水溶性結合材、水及び非アルカリ金属の長鎖脂肪酸塩からなり、射出成形品若しくは圧縮成形品の成形に用いる成形材料である。
具体的には、本実施例の水分散性を有する射出成形品若しくは圧縮成形品を製造する成形材料は、射出または圧縮成形法で縦10mm、横10mm、厚さ1mmの平板に成形した場合、水300ml中に投じて650rpmで攪拌することにより10分以内に分散が始まり、15分以内に約50mm以下の面積を有する断片に千切れて分離する迅速水分散性を有する。
成形品に要求される水分散性の程度は使用目的により異なるため、成形材料の組成や成形品の形状を調節することで、用途に適した水分散性を有する成形品を製造することができる。
水分散性を有する射出成形品若しくは圧縮成形品を製造する成形材料は、天然繊維、水溶性結合材、水、及び非アルカリ金属の長鎖脂肪酸塩を含むものである。
天然繊維としては、製紙用パルプ、溶解パルプ、マーセル化パルプ、フラッフパルプなどの木材パルプ、木綿、リンター、亜麻、マニラ麻、サイザル麻、バガス、ケナフ、藁等より得られる非木材パルプ、古紙より得られる古紙パルプ、籾殻、木粉等の植物粉砕物が挙げられる。また、天然繊維のセルロースを精製したリヨセル繊維、天然セルロースを再生したレーヨン繊維も天然繊維の範疇に入れて使用することができる。
水溶性結合材としては、天然繊維と水と共に混練する際に水に可溶であり、かつ混練物を金型内で成形・乾燥・固化して成形品とした後でも容易に水に溶けるものが好ましく、カルボキシメチルセルロース塩、カルボキシエチルセルロース塩等のカルボキシアルキルセルロース塩類、冷水可溶性ポリビニルアルコール、カルボキシメチル化澱粉、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリル酸塩、ブテンジオール・ビニルアルコール共重合体等が使用できる。
これらの水溶性結合材は、天然繊維や水と共に混練して成形材料とするが、金型内に充填する際の流動性等や成形物の水分散性及び生分解性が適切となるように選定し、単独若しくは2種類以上を配合して使用する。
前記水溶性結合材のうち、カルボキシメチルセルロース塩は成形物の水分散性、天然繊維との結合力、金型充填時の流動性が優れており、特定のエーテル化度や塩の種類を選定することにより最良の水分散性成形物を得ることができる。
カルボキシメチルセルロース塩のエーテル化度は0.5〜1.0、好ましくは0.60〜1.00、更に好ましくは0.65〜0.75である。エーテル化度が0.5に満たないものは、成形材料を金型に充填する際の流動性が低く、成形物が脆弱となるため好ましくなく、エーテル化度が1.0を超えるものは保水性が高く金型内に充填された成形材料の乾燥固化に時間がかかるため、成形物の生産性が低下する。
カルボキシメチルセルロース塩はアルカリ金属塩およびカルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩等が水溶性であることが知られているが、成形物の水分散性が良好となる点でナトリウム塩等のアルカリ金属塩が好ましく、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩は成形物の水分散性が劣る。従って、本実施例では、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩を採用している。
本実施例は、水溶性結合材にカルボキシメチルセルロース塩を用い、天然繊維と水溶性結合材の割合が天然繊維:水溶性結合材=75〜30質量%:25〜70質量%である混合物100質量部に、水50〜100質量部を加えた混合物に、非アルカリ金属の長鎖脂肪酸塩を0.3〜2.0質量部添加して混練物としたものが好ましい。
成形材料における天然繊維とカルボキシメチルセルロース塩との配合部数の割合は金型充填時の成形性、成形品の水分散性や物性に影響を与え、適切な天然繊維:カルボキシメチルセルロース塩の割合は75質量%:25質量%〜30質量%:70質量%であり、好ましくは天然繊維:カルボキシメチルセルロース塩の割合が70質量%:30質量%〜40質量%:60質量%である。天然繊維が75質量%を越えカルボキシメチルセルロース塩が25質量%に満たないと成形材料を金型に充填する際の流動性や成形物の形態保持性、表面性、強度等が不足して好ましくない。一方、天然繊維が30質量%に達せずカルボキシメチルセルロース塩が70質量%を超えると成形品の表面平滑性や強度が低下するとともに、天然繊維より高価なカルボキシメチルセルロース塩の配合量が増し、コストが増大して好ましくない。
水溶性結合材として用いるカルボキシメチルセルロース塩のうち、25〜50質量%を冷水可溶性ポリビニルアルコールに置き換えることができる。カルボキシメチルセルロース塩の一部を冷水可溶性ポリビニルアルコールに置き換えることにより、成形品の水分散性と強度が向上する。冷水可溶性ポリビニルアルコールの置き換え量が25質量%未満または50質量%を超える場合は成形品の水分散性が低下して好ましくない。
本実施例は、天然繊維と水溶性結合材であるカルボキシメチルセルロース塩の混合物100質量部に水50〜100質量部を加える。水の添加量が50質量部未満では、混練時の負荷が増大して均一に混練できなくなり、また、混練した成形材料をペレット状もしくはタブレット状にして、その形状を維持することが困難となる。一方、水の添加量が100質量部を超えると、著しく低粘度で泥状の混練物となって成形、乾燥が困難となり好ましくない。
本実施例の非アルカリ金属の長鎖脂肪酸塩は、脂肪酸鎖部分に基づく非極性部分と非アルカリ金属部分に基づく極性部分とからなり、水に不溶で撥水性と界面活性機能を有し、溶融及び粉体いずれの状態にあっても滑性を有している。
このため、非アルカリ金属の長鎖脂肪酸塩は、成形材料を混練する際に内部滑剤として作用し、成形材料が器壁等に粘着することを阻止して作業性を向上させることができる。また、金型内においては外部滑剤として作用し、乾燥により成形材料の表面に表皮層が形成される際に金型壁面への粘着を阻害し、成形材料から水が気化除去される流路を形成し易くし、かつ成形品と金型壁面との摩擦抵抗を低下させ、ひび割れを発生させることなく成形品を離型させる効果を有する。
非アルカリ金属の長鎖脂肪酸塩としては、例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸マグネシウム、ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸アルミニウム、ラウリン酸ストロンチウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸ストロンチウム等を挙げることができるが、特にこれらに限定されない。これらは、単独で使用しても複数混合して使用してもよい。
非アルカリ金属の長鎖脂肪酸塩は天然繊維及び水溶性結合材の合計100質量部に対して、0.3〜2.0質量部添加したものが好ましい。非アルカリ金属の長鎖脂肪酸塩の添加量が0.3質量部未満では滑剤効果が低下し、成形材料の混練工程では粘着阻止機能が低下することにより、成形装置の壁面等に粘着しやすくなり、また成形工程においては水蒸気を脱気する時間が長くなる。更に成形品を離型するときには、抜き勾配が小さい場合、スムーズに離型し難くなり、成形体にひび割れが発生する恐れがあるので、好ましくない。
一方、非アルカリ金属の長鎖脂肪酸塩の添加量が2.0質量部を超えると、成形材料の混練工程では滑剤効果が強すぎて混練機壁面との摩擦抵抗が減少するので、短時間で均質に混練することが困難となる。更に、成形時、金型内部において成形材料の合流が起こると、接合部の強度が低下して好ましくない。
かくして得られる成形材料には、黴の発生を防止する抗菌剤や柔軟性を付与するグリセリン等の多価アルコール類を必要に応じて添加することができる。
成形材料の含水率は30質量%〜65質量%、好ましくは35質量%〜50質量%、更に好ましくは40質量%〜45質量%である。含水率が30質量%未満では、成形材料の流動性が著しく低下し、成形が困難となるため、好ましくない。また、含水率が65質量%を超えると、水蒸気の脱気放出に長時間を要し、成形に要する時間を短縮できないため生産効率が低下して好ましくない。
本実施例は上述のように構成したから、十分な機械的強度と良好な外観を有し、水中で迅速に分散する成形品およびその成形材料を得ることができる。
以下に本実施例の効果を裏付ける実験例について説明する。また、実験例において用いた評価方法を次に示す。これは各実験例において共通して用いた。
・試験片の作製
射出成形機(日精樹脂工業製NEX5000)に成形材料を入れ、JIS K7113に規定される厚さ1mmのJIS1号形試験片を作製した。
・水分散時間
上記JIS1号形試験片より、10mm角の試験片を切り出した。300mlビーカーに脱イオン水300mlを入れてスターラーで650rpmに攪拌しながら上記試験片1枚を投入し、投入後10分および15分経過した時点で試験片の分散状態を観察した。水中で試験片の周囲の一部が分散して面積が約20%減少したものをA、試験片が約1mm以上約50mm以下の面積を有する2つ以上の断片に千切れて分離したものをB、試験片が1mm角程度の小粒に分散したものをC、少量の未分散物はあるが試験片の大部分は繊維状に分散したものをD、試験片が完全に単繊維まで分散したものをE、試験片の形状が変化しないものをZと分類し、10分経過後の分類がA、B、C、D、Eのものを迅速な水分散性を有すると評価して○で表記し、Zのものを水分散性なしと評価して×で表記した。
・射出成形性
前記試験片を作製して、試験片形状の欠損、金型からの剥離性等を目視観察し、金型内への成形材料の流動充填性等の成形性を調査した。試験片形状に欠損が無く、金型からの剥離が良好なものを射出成形性良好と評価して○で表記し、金型内に成形材料が充填されない部分があり試験片に欠損があるものや金型から剥離できない部分があるものを射出成型性不良と評価して×で表記した。
・成形品の表面性
前記試験片の表面を目視観察して表面性を調査した。成形品の表面が平滑なものを表面性良好と評価して○で表記した。成形品表面の凹凸が大きく、平滑性が悪いものを表面性不良と評価して×で表記した。
・成形品の強度
前記試験片の引張強さをJIS K7113に準拠して測定し、比較例1に示す水分散性を有さない成形品の引張強さの50%以下のものを強度不足と評価して×で表記した。
[実験例1]
針葉樹晒しクラフトパルプ60質量%と水溶性結合材としてエーテル化度0.7のカルボキシメチルセルロースナトリウム塩40質量%を配合し、その100質量部に水70質量部とステアリン酸亜鉛1.6質量部を添加して混練してなる含水率40質量%の成形材料を調製した。この成形材料から試験片を作製し、水分散性、射出成形性、成形品の表面性と強度を評価して図1に記載した。
なお、図1〜3中、CMCはカルボキシメチルセルロースナトリウム塩、PVAは冷水可溶性ポリビニルアルコール、澱粉はとうもろこし澱粉を示す。
[実験例2]
水溶性結合材をエーテル化度0.9のカルボキシメチルセルロースナトリウム塩に変えた以外は、実験例1と同様にして試験片の作製、評価を行い、図1に記載した。
[実験例3]
水溶性結合材をエーテル化度0.6のカルボキシメチルセルロースナトリウム塩とした以外は、実験例1と同様にして試験片の作製、評価を行い、図1に記載した。
[実験例4]
針葉樹晒しクラフトパルプ70質量%と水溶性結合材としてエーテル化度0.7のカルボキシメチルセルロースナトリウム塩を30質量%配合したこと以外は、実験例1と同様にして試験片の作製、評価を行い、図1に記載した。
[実験例5]
針葉樹晒しクラフトパルプ50質量%と水溶性結合材としてエーテル化度0.7のカルボキシメチルセルロースナトリウム塩を50質量%配合したこと以外は、実験例1と同様にして試験片の作製、評価を行い、図1に記載した。
[実験例6]
針葉樹晒しクラフトパルプ40質量%と水溶性結合材としてエーテル化度0.7のカルボキシメチルセルロースナトリウム塩を60質量%配合したこと以外は、実験例1と同様にして試験片の作製、評価を行い、図2に記載した。
[実験例7]
針葉樹晒しクラフトパルプ30質量%と水溶性結合材としてエーテル化度0.7のカルボキシメチルセルロースナトリウム塩を70質量%配合したこと以外は、実験例1と同様にして試験片の作製、評価を行い、図2に記載した。
[実験例8]
水溶性結合材としてエーテル化度0.7のカルボキシメチルセルロースナトリウム塩30質量%とケン化度71%の冷水可溶性ポリビニルアルコール10質量%の混合物を用いたこと以外は、実験例1と同様にして試験片の作製、評価を行い、図2に記載した。
[実験例9]
水溶性結合材としてエーテル化度0.7のカルボキシメチルセルロースナトリウム塩20質量%とケン化度71%の冷水可溶性ポリビニルアルコール20質量%の混合物を用いたこと以外は、実験例1と同様にして試験片の作製、評価を行い、図2に記載した。
以上、図1、図2の実験例1〜9に記載の成形材料から作製された成形品は、何れも水中で攪拌すると10分以内に分散が始まり、15分以内に約50mm以下の面積を有する断片に千切れ、迅速に水分散することが明白である。また、成形材料を金型内に充填する際の流動性や金型からの成形品の剥離性は良好で、成形品に欠損は見られず、成形品の表面性や強度は良好である。
[比較例1]
水溶性結合材としてとうもろこし澱粉30質量%とポリビニルアルコール10質量%の混合物を用い、水添加量を54質量部として成形材料の含水率を45質量%とした以外は、実験例1と同様にして試験片の作製、評価を行い、図3に記載した。水溶性結合材にカルボキシメチルセルロース塩を含まない比較例1による成形材料から作製された成形品は、水中で60分間攪拌しても形状に変化が見られず、迅速な水分散性を有するものではなかった。
[比較例2]
水溶性結合材としてケン化度71%の冷水可溶性ポリビニルアルコール40質量%を用いたこと以外は、実験例1と同様にして試験片の作製、評価を行い、図3に記載した。水溶性結合材にカルボキシメチルセルロース塩を含まない比較例2による成形材料から作製された成形品は、水中で30分間攪拌しても形状に変化が見られず、30分を超えると徐々に分散が始まるため迅速な水分散性を有するものではなかった。
[比較例3]
水溶性結合材をエーテル化度0.25のカルボキシメチルセルロースナトリウム塩に変え、水添加量を82質量部として成形材料の含水率を45質量%とした以外は、実験例1と同様にして試験片の作製、評価を行い、図3に記載した。水溶性結合材にエーテル化度が低いカルボキシメチルセルロース塩を用いた比較例3による成形材料から作製された成形品は、迅速な水分散性を有するものの、成形材料を金型内に充填する際の流動性が不足し、成形品の一部欠損等が発生し、安定して生産することが困難であった。
[比較例4]
針葉樹晒しクラフトパルプ80質量%と水溶性結合材としてエーテル化度0.7のカルボキシメチルセルロースナトリウム塩を20質量%配合したこと以外は、実験例1と同様にして試験片の作製、評価を行い、図3に記載した。水溶性結合材であるカルボキシメチルセルロース塩の配合率を低くした比較例4による成形材料から作製された成形品は、迅速な水分散性を有するものの、成形材料を金型内に充填する際の流動性の不足や成形品の強度不足とそれに起因する剥離不良による一部欠損等が発生し、安定して生産することが困難であった。
[比較例5]
針葉樹晒しクラフトパルプ20質量%と水溶性結合材としてエーテル化度0.7のカルボキシメチルセルロースナトリウム塩を80質量%配合したこと以外は、実験例1と同様にして試験片の作製、評価を行い、図3に記載した。水溶性結合材であるカルボキシメチルセルロース塩の配合率を高くした比較例5による成形材料から作製された成形品は、迅速な水分散性を有するものの、成形品表面の平滑性が低く、大きな窪みや隆起により外観が悪く実使用に支障があった。

Claims (5)

  1. 天然繊維、水溶性結合材、水及び非アルカリ金属の長鎖脂肪酸塩からなり、射出成形品若しくは圧縮成形品の成形に用いる成形材料であって、
    前記水溶性結合材はエーテル化度が0.5〜1.0のカルボキシメチルセルロース塩であり、また前記天然繊維と前記水溶性結合材との割合が天然繊維:水溶性結合材=75〜30質量%:25〜70質量%であり、
    水分散性が、縦10mm、横10mm、厚さ1mmの成形平板を水300ml中に投じて650rpmで攪拌した場合、10分以内に分散が始まり且つ15分以内に50mm以下の面積を有する断片に分離する水分散性となるように構成されていることを特徴とする成形材料。
  2. 請求項記載の成形材料において、前記天然繊維と前記水溶性結合材との割合が天然繊維:水溶性結合材=75〜30質量%:25〜70質量%である混合物100部に、水50〜100部及び非アルカリ金属の長鎖脂肪酸塩0.3〜2.0部が配合されていることを特徴とする成形材料。
  3. 請求項記載の成形材料において、前記カルボキシメチルセルロース塩は、エーテル化度0.5〜1.0のアルカリ金属塩であることを特徴とする成形材料。
  4. 請求項記載の成形材料において、前記カルボキシメチルセルロース塩の25〜50質量%が、冷水可溶性ポリビニルアルコールで置き換えられていることを特徴とする成形材料。
  5. 請求項1〜いずれか1項に記載の成形材料により射出成形若しくは圧縮成形して得られたことを特徴とする成形品。
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