JP2002309095A - 射出成形品の成形材料及び射出成形品 - Google Patents

射出成形品の成形材料及び射出成形品

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JP2002309095A
JP2002309095A JP2001117441A JP2001117441A JP2002309095A JP 2002309095 A JP2002309095 A JP 2002309095A JP 2001117441 A JP2001117441 A JP 2001117441A JP 2001117441 A JP2001117441 A JP 2001117441A JP 2002309095 A JP2002309095 A JP 2002309095A
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weight
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water
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Yukitaka Egami
幸隆 江上
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Nishiki KK
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Nishiki KK
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  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】植物性繊維を成分とする射出成形品の材料に係
り、成形工程時に発生する水蒸気の量を少なくして脱気
に要する時間を減らし、成形に要する時間(成形サイク
ル)を短縮できる射出成形品の成形材料及び射出成形品
を提供する。 【解決手段】 射出成形品の成形材料は、植物性繊維、
バインダー、水、及び金属石鹸を含み、更に材料に含ま
れる水分の量を少なくするため、水に代わって材料に流
動性を与える流動性付与材を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は射出成形品の成形材
料及び射出成形品に関する。更に詳しくは、植物性繊維
を成分とし、成形工程時に発生する水蒸気の量を少なく
して脱気に要する時間を減らし、成形に要する時間(成
形サイクル)を短縮できる射出成形品の成形材料及び射
出成形品に関する。
【0002】
【従来技術】植物性繊維を成分とする射出成形品の材料
として、例えば粉砕した古紙に澱粉と水を加えて混練し
たものが提案されている。このような成形材料を用いて
製品を成形する場合には、例えば特開平9−76213
号公報や特開平9−109113号公報に開示されてい
るように、 金型のキャビティ内に材料を供給、充填
しやすくするために成形材料を混練する工程と、 キ
ャビティ内に充填した成形材料に含まれる水を脱気手段
により気化除去し、材料を乾燥固化させる工程とが必要
である。
【0003】しかしながら、従来の成形材料により上記
した射出成形品を成形する場合には次のような課題があ
った。即ち、成形材料を混練する工程で材料が器壁やダ
イスなどに粘着しやすく、作業性が悪かった。また、成
形金型のキャビティ内に充填した成形材料を乾燥、固化
させる工程で、材料の表面が乾燥して形成された表皮層
が型壁面に密着し、成形材料に含まれる水の気化が妨げ
られるという問題があった。更に、表皮層が型壁面に密
着していると、固化した成形体を離型する際に、型壁面
との摩擦抵抗によって成形体にひび割れが発生しやすく
なるという問題もあった。
【0004】そこで、上記したような問題を解決するた
め、特開平11−226920号公報に開示されるよう
な成形材料が提案されている。この成形材料は、粉砕し
た古紙と澱粉と水とからなる主材に、ステアリン酸亜鉛
やステアリン酸バリウムのような金属石鹸(非アルカリ
金属の長鎖脂肪酸塩)を添加することにより構成されて
いる。この成形材料によれば、金属石鹸の作用により上
記したような従来の成形材料が有する課題は一応解決で
きる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たような従来の成形材料では、古紙や澱粉等の固形分に
対する水分の量が約50〜200重量%と多いため、成
形工程時に発生する多量の水蒸気を脱気するために時間
がかかり、結果的に成形サイクルが長くなって、生産性
が悪いといった問題が生じていた。
【0006】このため、成形材料に含まれる水分の量を
減らす必要があるが、単に水分の量を少なくしただけで
は、成形材料が固まらず成形品を構成できない。また成
形材料の流動性が悪くなって製品の成形ができないとい
った問題点があった。
【0007】そこで本発明者等は、成形材料に含まれる
水分を減らすため、水に代わる好適な材料を新たに用い
ることにより、成形工程時に発生する水蒸気の量を少な
くして脱気に要する時間を減らし、成形に要する時間
(成形サイクル)を短縮できるのでないかという発想の
もとに鋭意研究開発した結果、水に代わる好適な材料と
してグリセリン等の流動性付与材を使用することが極め
て有効な手段であることを見いだした。本発明はこの知
見に基づいて完成したものである。
【0008】(本発明の目的)本発明の目的は、植物性
繊維を成分とし、成形工程時に発生する水蒸気の量を少
なくして脱気に要する時間を減らし、成形に要する時間
(成形サイクル)を短縮できる射出成形品の成形材料及
び射出成形品を提供することにある。本発明の他の目的
は、成形後、生分解される射出成形品の成形材料及び射
出成形品を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1の発明にあっては、
植物性繊維、バインダー、水、及び金属石鹸を含み、成
形品を射出成形によって製造するための材料であって、
材料に含まれる水分の量を少なくするため、水に代わっ
て材料に流動性を与える流動性付与材を含むことを特徴
とする、射出成形品の成形材料である。
【0010】第2の発明にあっては、バインダー及び流
動性付与材は、生分解性であることを特徴とする、第1
の発明に係る射出成形品の成形材料である。
【0011】第3の発明にあっては、植物性繊維、バイ
ンダー、水、金属石鹸及び流動性付与材を含む配合物中
の水分の量を30重量%以下にしたことを特徴とする、
第1または第2の発明に係る射出成形品の成形材料であ
る。
【0012】第4の発明にあっては、成形品を射出成形
によって製造するための材料であって、植物性繊維50
〜90重量部と、バインダー及び流動性付与材50〜1
0重量部と、上記植物性繊維、バインダー、流動性付与
材の合計100重量部に対して水50〜100重量部
と、金属石鹸と、を含んでおり、上記植物性繊維、バイ
ンダー、流動性付与材、水、及び金属石鹸を含む配合物
中の水分の量を30重量%以下にしたことを特徴とす
る、射出成形品の成形材料である。
【0013】第5の発明にあっては、バインダーを35
重量%以上、流動性付与材を5重量%以上(バインダー
と流動性付与材の合計100重量部)含むことを特徴と
する、第4の発明に係る射出成形品の成形材料である。
【0014】第6の発明にあっては、植物性繊維、バイ
ンダー、水及び流動性付与材の合計100重量部に対し
て、金属石鹸を2重量部以下含むことを特徴とする、第
4または第5の発明に係る射出成形品の成形材料であ
る。
【0015】第7の発明にあっては、バインダーと流動
性付与材の合計100重量部のうち、10〜50重量部
を生分解性プラスチックに置き換えたことを特徴とす
る、第4,5または第6の発明に係る射出成形品の成形
材料である。
【0016】第8の発明にあっては、第1,2,3,
4,5,6または第7の発明に係る射出成形品の成形材
料によって得られたことを特徴とする、射出成形品であ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】本明細書中にいう射出成形品とし
ては、射出成形によって製造できるものであれば特に限
定するものではなく、例えば食品や果物用の各種容器、
育苗用容器、茶碗・皿・鉢・箸・ナイフ・フォークの食
器、ところてん突き等の食品用器具、製品包装用の緩衝
体等を挙げることができる。
【0018】本発明に係る射出成形品の成形材料は、植
物性繊維、バインダー、水、及び金属石鹸を含み、更に
水分の量を少なくするため、水に代わって材料に流動性
を与える流動性付与材を含んでいる。
【0019】上記植物繊維としては、紙繊維、籾殻、わ
ら、藺草、茶殻、コーヒー粕、ビール粕、焼酎粕、おか
ら、酒粕等が挙げられるが、特にこれらに限定されな
い。
【0020】上記植物繊維は、必要に応じてミキサー等
によって小片化(微細化)される。
【0021】上記紙繊維としては、例えば使用済みの新
聞紙、雑誌、段ボールなどの紙類、板紙、裁断屑紙、製
紙工程で発生する破紙、損紙、断り落とし紙、使用済み
廃紙等のような紙の状態で使用することができるが、パ
ルプの状態でも使用することもできる。
【0022】上記紙繊維は、一般に微細化されているの
で、成形材料として配合した場合でも分散しやすくな
り、成形体の表面を平滑性に優れたものとすることがで
きる。
【0023】上記バインダー(結合材ともいう)として
は、例えば澱粉、セルロース、デキストリン、サッカロ
ース、ブドウ糖等の糖類や、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ABS(アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレ
ン共重合体)、ポリエチレンテレフタラート、ナイロ
ン、ポリアセタール、ポリスチレン、メタクリル樹脂,
ポリカーボネート,ポリアミド,フッ素樹脂等の熱可塑
性樹脂が挙げられるが、特にこれらに限定されない。上
記したバインダーの中でも、糖類は生分解性であるた
め、生分解性の成形品の材料として好適に使用すること
ができる。上記ブドウ糖の用語は、含水結晶ブドウ糖、
無水結晶ブドウ糖、精製ブドウ糖を含む意味で使用して
いる。
【0024】上記バインダーのうち、セルロース、デキ
ストリン、サッカロース、ブドウ糖等は、比較的低分子
であるため、後述する流動性付与材(滑剤)としての作
用も有している。
【0025】上記澱粉は、植物性繊維と類似性を有する
分子構造になっているので、植物性繊維を強固に接着結
合させ、植物性繊維が強固に一体結合された成形体を形
成することができる。
【0026】上記澱粉は、水を除去した後では固化し、
高温状態の金型から成形体を容易に離型させることがで
きる。
【0027】上記流動性付与材は、水に代わって材料に
流動性を与え、滑剤としての効果を有する。上記流動性
付与材としては、グリセリン、トリメチロールエタン、
トリメチロールプロパン、エチレングリコール等の脂肪
族多価アルコール類、エチルセルロース等のセルロース
誘導体、菜種油、ゴマ油、オリーブ、ヤシ油等の植物性
油が挙げられるが、特にこれらに限定されない。
【0028】成形材料として流動性付与材を用いること
により、成形材料を混練する工程時に器壁やダイスなど
に材料が粘着することを防止することができるので、成
形材料に含まれる水分の量を減らすことができる。ま
た、流動性付与材を用いることにより、高温の金型内で
成形材料を易流動性として、キャビティ内への充填を容
易にすることができるので、滑剤として作用する水の含
量(成形材料の水分含量)を減らすことができる。以上
のとおり、流動性付与材を用いて成形材料に含まれる水
分の量を少なくすることにより、成形工程時に発生する
水蒸気の量を少なくして脱気に要する時間を減らし、成
形に要する時間(成形サイクル)を短縮できる。
【0029】上記金属石鹸は、脂肪酸鎖部分に基づく非
極性部分と非アルカリ金属部分に基づく極性部分とを有
しているので界面活性機能を備えている。また、金属石
鹸は、水に不溶性で撥水性を有し、その上、溶融および
粉体いずれの状態にあっても滑性を有している。以上の
ような構造により、上記金属石鹸は内部滑剤と外部滑剤
として作用する。即ち、成形材料を可塑化混練する工程
においては、内部滑剤として作用し、成形材料が器壁や
ダイスなどに粘着することを阻止して、作業性を向上さ
せることができる。
【0030】また、キャビティ内においては外部滑剤と
して作用し、乾燥により成形材料の表面に表皮層が形成
されても、上記金属石鹸の金属塩が存在することにより
キャビティ壁面と粘着しにくくなるので、成形材料に添
加されている水が、加温されている金型により水蒸気と
なった場合、その水蒸気は成形材料の表皮層とキャビテ
ィ壁面との界面を通過し、次いで脱気手段あるいは金型
のパーティング面から容易に放出脱気させることができ
る。更に、上記金属石鹸は成形体の表面に存在して型壁
面との摩擦抵抗を低下させているので、ひび割れを発生
させることなく、成形体を離型させることができる。
【0031】上記金属石鹸としては、例えばステアリン
酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン
酸亜鉛、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸マグネシウ
ム、ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸アルミニウム、ラウリ
ン酸ストロンチウム、ステアリン酸アルミニウム、ステ
アリン酸ストロンチウム等を挙げることができるが、特
にこれらに限定されない。これらの金属石鹸は、単独で
使用しても複数混合して使用してもよい。
【0032】上記金属石鹸は、植物性繊維及びバインダ
ーと均質に混合され易く、溶融および粉体いずれの状態
でも優れた滑性を示し、界面滑性効果による潤滑性作用
および離型作用で加工性を向上させることができるので
効果的である。
【0033】成形体の強度、成形体の形状保持性、成形
材料の流動性、成形材料の混練性、水蒸気の放出脱気性
などの観点から、成形材料の配合を植物性繊維50〜9
0重量部と、バインダー及び流動性付与材50〜10重
量部と、上記植物性繊維、バインダー、流動性付与材の
合計100重量部に対して水50〜100重量部と、金
属石鹸と、を含み、上記植物性繊維、バインダー、水、
金属石鹸及び流動性付与材を含む配合物中の水分の量を
30重量%以下にした。また、バインダーと流動性付与
材の配合比を、バインダーを35重量%以上、流動性付
与材を5重量%以上(バインダーと流動性付与材の合計
100重量部)とした。
【0034】植物性繊維が90重量部を越え、バインダ
ー及び流動性付与材が10重量部未満になると、成形体
の表面状態、および強度の低下が有り好ましくない。ま
た、植物性繊維が50重量部未満で、バインダー及び流
動性付与材が50重量部を越えると、成形品の強度が低
下し、材料がコスト高となるため好ましくない。
【0035】植物性繊維、バインダー、流動性付与材の
合計100重量部に対して、水が50重量部未満では、
混練した成形材料をペレット状もしくはタブレット状に
して、その形状を維持する事が困難となる。また、水が
100重量部を越えると、材料の乾燥に長時間を要し好
ましくない。
【0036】射出成形品の成形材料の水分含量は、20
〜30重量%が好ましく、25〜29重量%がより好ま
しい。水分含量が20重量%未満では、材料の流動性が
著しく低下し、成形が困難となるため、好ましくない。
また水分含量が30重量%を越えると、水蒸気の脱気放
出に長時間を要し、成形に要する時間(成形サイクル)
短縮の阻害要因となるため好ましくない。
【0037】バインダーが35重量部未満である場合に
は、成形材料が固まらず成形品を構成できないため、好
ましくない。流動性付与材が5重量部未満である場合に
は、金型内での流動性が低下し、射出成形が困難となる
ため、好ましくない。
【0038】植物性繊維、バインダー、水及び流動性付
与材の合計100重量部に対して、金属石鹸を2重量部
以下を含んでいる。更に好ましくは、金属石鹸は0.3
〜2重量部である。金属石鹸が0.3重量部未満では、
金属石鹸の滑剤効果が低下し、成形材料の混練工程では
粘着阻止機能が低下することにより、成形装置の壁面等
に粘着しやすくなり、また成形工程においては水蒸気を
脱気する時間が長くなる。更に成形品を離型するときに
は、抜き勾配が小さい場合、スムーズに離型しがたくな
り、成形体にひび割れが発生する恐れがあるので、好ま
しくない。一方、金属石鹸が2重量部を越える場合に
は、金属石鹸の滑剤効果が強すぎて、成形材料の混練工
程では、装置壁との摩擦抵抗が減少するので、短時間で
均質に混練する事が困難となる。更に、成形時、キャビ
ティ内部において成形材料の合流が起こると、接合部の
強度が低下して好ましくない。
【0039】バインダーと流動性付与材の合計100重
量部のうち、10〜50重量部を生分解性プラスチック
に置き換えることもできる。生分解性プラスチックとし
ては、例えばポリヒドロキシブチレート/バリレート、
ポリビニルアルコール、ポリ乳酸、ポリアルキレンサク
シネート、ポリカプロラクトン、ポリエステルカーボネ
ート、ポリアミノ酸、ポリエステルアミド、セルロース
アセテート等を挙げることができるが、特にこれらに限
定されない。バインダーと流動性付与材の一部を生分解
性プラスチックに置き換えことにより、生分解性プラス
チックと複合させた成形材料によって得られる成形体
は、優れた靭性を示し、ひび割れが生じにくく効果的で
ある。
【0040】バインダー及び流動性付与材が共に生分解
性であるものは、得られた成形品も生分解性を有し、環
境中で分解する。生分解性プラスチックを含むものも同
様である。
【0041】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれらに限定されるものではない。なお、本実施
例について、図1、図2に示すような食品容器を成形す
る成形材料を例に挙げて説明する。
【0042】食品容器1aを成形する材料として、次の
ものを用いた。即ち、植物性繊維として、古新聞紙を用
いた。生分解性のバインダーとして、澱粉(とうもろこ
し粉、商品名「コーンスターチyellow」、日本澱粉工業
(株)製)を用いた。金属石鹸として、ステアリン酸亜
鉛( 堺化学工業(株)製、「SZ−P」)を用いた。
生分解性の流動性付与材として、グリセリンを用いた。
生分解性プラスチックとして、ポリビニルアルコール
(日本合成化学工業(株)製、「NM−14」)を用い
た。
【0043】上記した古新聞紙、澱粉、ステアリン酸亜
鉛、グリセリン、ポリビニルアルコールの配合割合を次
のようにした。澱粉60重量部に対して、グリセリンを
20重量部、ポリビニルアルコールを20重量部とし
た。澱粉、グリセリン、ポリビニルアルコールの合計1
00重量部に対して、古新聞紙を150重量部とした。
そして、澱粉、グリセリン、ポリビニルアルコール、古
新聞紙の合計100重量部に対して、水を70重量部と
した。更に、澱粉、グリセリン、ポリビニルアルコール
及び古新聞紙に水を加えた材料100重量部に対し、ス
テアリン酸亜鉛を0.5重量部とした。
【0044】次に、上記した成形材料の調整方法につい
て説明する。古新聞紙、澱粉、グリセリン、ポリビニル
アルコール、金属石鹸及び水の各材料を、その合計量が
1.5kgになるように秤量した。なお、古新聞紙は、
約3〜5cm程度の大きさに裁断したものを使用した。
【0045】まず(株)カワタ製のスーパーミキサを用い
て、古新聞紙と水を混練した。混練条件は、槽内温度9
0℃、混練速度1500rpmで2〜3分である。ただ
し、古新聞紙の混練状態によっては、更に混練を行な
う。
【0046】次に、水と混練した古新聞紙に澱粉、グリ
セリン、ポリビニルアルコール、及び金属石鹸を加え、
更に槽内温度90℃、混練速度1500rpmの条件
下、3分間混練を行った。混練後直ちにペレット状もし
くはタブレット状の成形体に形成し、その後自然乾燥
で、材料中の水分量を20〜30重量%になるように調
整して、最終的な成形材料とした。なお、乾燥方法は、
自然乾燥でも乾燥炉等による機械乾燥でもよい。
【0047】更に、上記のようにして得られた成形材料
を用い、図1に示すような食品容器1aを成形した。成
形装置として、日精樹脂工業(株)製の射出成形機で、シ
リンダ温度は90℃〜130℃、金型温度は150℃〜
180℃に設定した。射出成形機で成形材料を成形する
ことで、最終製品である食品容器1aを得た。
【0048】以上のように、成形材料に流動性付与材で
あるグリセリンを加えて成形材料の水分含量を少なくす
ることにより、成形工程時に発生する水蒸気の量を少な
くして脱気に要する時間を減らし、成形に要する時間
(成形サイクル)を1/3〜1/6(自社比)に短縮す
ることができた。なお、金型を変えることで、図2の食
品容器1bに示すような様々な形状の成形品を得ること
もできる。
【0049】なお、本明細書で使用している用語と表現
はあくまで説明上のものであって、限定的なものではな
く、上記用語、表現と等価の用語、表現を除外するもの
ではない。
【0050】
【発明の効果】本発明は上記構成を備え、次の効果を有
する。 (a) 本発明に係る射出成形品の成形材料は、水に代
わって材料に流動性を与える流動性付与材を含んでいる
ので、材料に含まれる水分の量を少なくしても、高温の
金型内で成形材料は易流動性であり、キャビティ内への
充填は容易に行うことができる。このように、流動性付
与材を用いて成形材料に含まれる水分の量を少なくする
ことにより、成形工程時に発生する水蒸気の量を少なく
して脱気に要する時間を減らし、成形に要する時間(成
形サイクル)を短縮できる。
【0051】(b)バインダー及び流動性付与材が共に
生分解性であるものは、得られた成形品も生分解性を有
し、環境中で分解する。
【0052】(c)生分解性プラスチックを含むもの
は、優れた靭性を示し、ひび割れが生じにくい成形品を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係る成形材料を用いて成形した食品
容器を示す斜視図。
【図2】本実施例に係る成形材料を用いて成形した他の
食品容器を示す斜視図。
【符号の説明】
1a、1b 食品容器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 101/00 C08L 101/00 101/16 101/16 // B29K 105:08 B29K 105:08 105:16 105:16 Fターム(参考) 4F206 AB11 AB25 AG07 AH52 AH55 4J002 AB01X AB02Z AB03Y AB04X AB05X AE05Y AH00W AJ00W BB03X BB12X BC03X BD12X BG05X BN15X CB00X CF06X CF18Z CG00X CG00Z CL00X CL00Z CL08Z DE028 EC046 EC056 EG017 EG037 EG047 FD206 FD207 FD208 GT00

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物性繊維、バインダー、水、及び金属
    石鹸を含み、成形品を射出成形によって製造するための
    材料であって、 材料に含まれる水分の量を少なくするため、水に代わっ
    て材料に流動性を与える流動性付与材を含むことを特徴
    とする、 射出成形品の成形材料。
  2. 【請求項2】 バインダー及び流動性付与材は、生分解
    性であることを特徴とする、 請求項1記載の射出成形品の成形材料。
  3. 【請求項3】 植物性繊維、バインダー、水、金属石鹸
    及び流動性付与材を含む配合物中の水分の量を30重量
    %以下にしたことを特徴とする、 請求項1または2記載の射出成形品の成形材料。
  4. 【請求項4】 成形品を射出成形によって製造するため
    の材料であって、 植物性繊維50〜90重量部と、 バインダー及び流動性付与材50〜10重量部と、 上記植物性繊維、バインダー、流動性付与材の合計10
    0重量部に対して水50〜100重量部と、 金属石鹸と、を含んでおり、 上記植物性繊維、バインダー、流動性付与材、水、及び
    金属石鹸を含む配合物中の水分の量を30重量%以下に
    したことを特徴とする、 射出成形品の成形材料。
  5. 【請求項5】 バインダーを35重量%以上、流動性付
    与材を5重量%以上(バインダーと流動性付与材の合計
    100重量部)含むことを特徴とする、 請求項4記載の射出成形品の成形材料。
  6. 【請求項6】 植物性繊維、バインダー、水及び流動性
    付与材の合計100重量部に対して、金属石鹸を2重量
    部以下含むことを特徴とする、 請求項4または5記載の射出成形品の成形材料。
  7. 【請求項7】 バインダーと流動性付与材の合計100
    重量部のうち、10〜50重量部を生分解性プラスチッ
    クに置き換えたことを特徴とする、 請求項4,5または6記載の射出成形品の成形材料。
  8. 【請求項8】 請求項1,2,3,4,5,6または7
    記載の射出成形品の成形材料によって得られたことを特
    徴とする、 射出成形品。
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