JP6697682B2 - 磁性コア、コイル部品、回路基板、及び電源装置 - Google Patents

磁性コア、コイル部品、回路基板、及び電源装置 Download PDF

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Description

本発明は、磁性コア、コイル部品、回路基板、及び電源装置に関する。
二つのコイルと、両コイルが配置される磁性コアとを備えるコイル部品の一つとして、トランスがある。特許文献1の図5は、DC−DCコンバータの一つとして、マルチフェーズ方式トランスリンク型昇圧チョッパ回路を備えるものを開示する。また、特許文献1は、この回路に備える結合トランスの磁性コアとして、一対のE型コアを組み合わせてなるものを開示する。この磁性コアは、並列される一対の側脚と、両側脚間に介在される中央脚と、これらの軸に直交する方向から、これらを挟む一対の連結部とを備える。各側脚に各コイルの巻回部が配置された状態では、両巻回部間に中央脚が介在する。
特開2013−198211号公報
上述の二つのコイルと、両コイルが配置される磁性コアとを備え、結合トランスなどに利用されるコイル部品に対して、配置される二つのコイルの結合係数を向上できる磁性コアが望まれている。
上述の一対の側脚間に中央脚が介在され、一方の側脚、中央脚、他方の側脚という並列状態でこれらを一対の連結部が挟む磁性コア(以下、従来コアと呼ぶことがある)では、両コイル間に中央脚が介在するため、両コイルを近接できない。両コイルは、中央脚における両コイルの並列方向の大きさ以上離れて配置されるため、結合係数が低い。
また、上述の従来コアでは、以下に説明するように磁気飽和し易い。以下、図12を参照して、上記従来コアの各側脚に配置されるコイルを励磁したときの磁束の状態を説明する。図12は、一方の側脚に配置された第1コイル101に流れる直流電流がつくる磁束の流れと、他方の側脚に配置された第2コイル102に流れる直流電流がつくる磁束の流れとを模式的に示す磁気回路図である。第2コイル102は、第1コイル101に流れる直流電流がつくる磁束を打ち消すように(いわば磁気抵抗R101,R102が向き合うように)、他方の磁脚に配置される。各コイル101,102に流れる直流電流がつくる磁束は、破線矢印で示すように一方の側脚から一方の連結部、中央脚、他方の連結部という磁路を通る。一方、両コイル101,102に加わる変化する電圧に起因する鎖交磁束は、太線矢印で示すように一方の側脚から一方の連結部、他方の側脚、他方の連結部という磁路を通る。このように従来コアでは、両コイル101,102に流れる直流電流に起因する磁束の磁路と変動電圧に起因する鎖交磁束の磁路とが共有する箇所が多く、磁気飽和が生じ易いため、磁気飽和が生じ難い磁性コアが望まれている。なお、磁気抵抗R101,R102は、連結部の磁気抵抗、磁気抵抗R103は中央脚の磁気抵抗を示す。
そこで、配置される二つのコイルの結合係数を向上できる磁性コアを提供することを目的の一つとする。また、結合係数が大きいコイル部品、回路基板、及び電源装置を提供することを別の目的の一つとする。
本開示に係る磁性コアは、
コイルの巻回部が配置される一対の脚部と、
並列される両脚部をその軸に直交する方向から挟む一対の連結部と、
前記一対の連結部間における前記両脚部で挟まれる包囲領域以外に介在される連結脚部とを備える。
上記の磁性コアは、配置される二つのコイルの結合係数を向上できる。
実施形態1の磁性コアを備えるコイル部品の概略斜視図である。 実施形態1の磁性コアを備えるコイル部品を分解して示す概略分解斜視図である。 実施形態1の磁性コアを構成する分割片を、脚部の軸方向からみた概略上面図である。 実施形態1の磁性コアを構成する分割片に第1コイル及び第2コイルが配置された状態を、脚部の軸方向からみた概略上面図である。 実施形態1の磁性コアを備えるコイル部品について、脚部に配置される第1コイル及び第2コイルを励磁したときの磁束の状態を説明する磁気回路図である。 実施形態1のコイル部品が回路基板に配置された状態を部分的に示す概略上面図である。 実施形態2のコイル部品が回路基板に配置された状態を部分的に示す概略上面図である。 実施形態3のコイル部品が回路基板に配置された状態を部分的に示す概略上面図である。 実施形態4のコイル部品が回路基板に配置された状態を部分的に示す概略側面図である。 実施形態5のコイル部品が回路基板に配置された状態を部分的に示す概略側面図である。 実施形態5のコイル部品が回路基板に配置された状態を部分的に示す概略上面図である。 一対の側脚と中央脚と一対の連結部とを備える従来コアについて、各側脚に配置されるコイルを励磁したときの磁束の状態を説明する磁気回路図である。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
(1)本発明の一態様に係る磁性コアは、
コイルの巻回部が配置される一対の脚部と、
並列される両脚部をその軸に直交する方向から挟む一対の連結部と、
前記一対の連結部間における前記両脚部で挟まれる包囲領域以外に介在される連結脚部とを備える。
ここでの並列とは、各対象物(例えば脚部)の軸が平行するように対象物が配置されることをいう。上記平行とは、幾何学的な平行を満たす場合の他、平行と見做される程度(例えば、ある対象物の軸に対して別の対象物の軸の傾きが3°以内程度)に対象物が配置される場合を含む。
ここでの直交とは、各対象物(例えば脚部と連結部)の軸の交差状態が幾何学的な直交を満たす場合の他、直交と見做される程度(例えば、ある対象物の軸に対して別の対象物の軸の傾きが90°±3°以内程度)に交差する場合を含む。
上記の磁性コアは、一対の脚部と一対の連結部とで囲まれる包囲領域に上述の中央脚といった磁性部を含まず、連結部間における包囲領域以外の領域に連結脚部を備える。そのため、上記の磁性コアは、包囲領域をコイルの配置領域に利用でき、各脚部に配置されるコイルの巻回部を上述の従来コアに比較して近接できる。従って、上記の磁性コアは、結合トランスなどのコイル部品の構成要素に利用する場合に、各脚部に配置される二つのコイルの結合係数を向上できる。
また、上記の磁性コアは、連結脚部を備えるため、各脚部に配置されるコイルを励磁したときに、後述するように各コイルに流れる直流電流に起因する磁束の磁路と両コイルに印加される変動電圧に起因する鎖交磁束の磁路とを分離できる。そのため、上記の磁性コアは、磁気飽和も生じ難い。
更に、上記の磁性コアは、包囲領域に中央脚などの磁性部が存在しないため、両脚部自体を近接させ易く、磁性コアにおける両脚部の並列方向の大きさ(以下、幅と呼ぶことがある)を上述の従来コアと比較して小さくし易い。この点で、上記の磁性コアは、結合トランスなどのコイル部品の小型化に寄与する。更に、上記の磁性コアは、一対の連結部に挟まれる空間において脚部間(包囲領域)、及び各脚部と連結脚部間をコイルの配置領域に利用して、各コイルの巻回部から延びる引出部を連結脚部と干渉しない範囲で任意の方向に引き出し易い。このように引出部の引出方向の自由度が高い点からも、上記の磁性コアは、結合トランスなどのコイル部品の構成要素に好適に利用できる。
(2)上記の磁性コアの一例として、
前記連結脚部は、前記両脚部の並列方向に延びる基部と、前記基部から前記一対の脚部間に向かって、前記包囲領域に至らないように突出する突部とを備える形態が挙げられる。
上記形態は、連結脚部の磁路断面積を一定とする場合、突部を有することで、連結脚部における両脚部の並列方向に直交方向の大きさ(以下、奥行と呼ぶことがある)を小さくし易い。従って、上記の磁性コアは、配置される二つのコイルの結合係数を向上できる上に、結合トランスなどのコイル部品の更なる小型化に寄与する。また、突部は、両脚部の対向面に挟まれる空間(包囲領域)に向かって突出するものの、包囲領域に至らず包囲領域外に位置するため、コイルと突部とが干渉し難く、上記形態はコイルにおける引出部の引出方向の自由度が高い。
(3)上記の磁性コアの一例として、
前記包囲領域における前記両脚部の並列方向の大きさの最小値は、一方の前記脚部をその軸方向にみたときの外形を内包する包絡円の直径の1.5倍以下である形態が挙げられる。
上記形態は、包囲領域の幅が短く、この点で小型である。従って、上記の磁性コアは、配置される二つのコイルの結合係数を向上できる上に、結合トランスなどのコイル部品の更なる小型化に寄与する。
(4)上記の磁性コアの一例として、
前記脚部は円柱状であり、
前記連結部は、前記脚部の外周面の一部に連続する湾曲面を有する形態が挙げられる。
上記形態は、連結部における脚部よりも突出した部分が少なく、この点で小型である。従って、上記の磁性コアは、配置される二つのコイルの結合係数を向上できる上に、結合トランスなどのコイル部品の更なる小型化に寄与する。
(5)上記の磁性コアの一例として、
前記磁性コアは、一対の分割片の組物であり、
各分割片は、一方の前記連結部と、前記一対の脚部の一部を構成する一対の脚片と、前記連結脚部の一部を構成する連結脚片とを備える形態が挙げられる。
上記形態は、コイルを別途用意しておき、このコイルと分割片とを組み付けることで、結合トランスなどのコイル部品を容易に構築できる。従って、上記形態は、上記コイル部品の構成要素に利用する場合にコイル部品の組立作業性の向上に寄与すると共に、配置される二つのコイルの結合係数を向上できる。
(6)本発明の一態様に係るコイル部品は、
上記(1)から(5)のいずれか一つに記載の磁性コアと、
各脚部に配置される第1コイル及び第2コイルとを備える。
上記のコイル部品は、包囲領域に中央脚などの磁性部を有さない上記の磁性コアを構成要素とするため、両コイルを近接できる。従って、上記のコイル部品は、結合係数が大きい。また、上記のコイル部品は、上述のように上記の磁性コアが小型であるため、小型である。更に、上記のコイル部品は、上述のように上記の磁性コアがコイルにおける引出部の引出方向の自由度が高いため、各コイルの巻回部から延びる引出部を所望の方向に引き出し易い。
上記(6)のコイル部品の具体例として、一方の脚部に配置される第1コイルと、第1コイルがつくる磁束を打ち消すように他方の脚部に配置される第2コイルとを備える形態が挙げられる。このコイル部品は、例えば、マルチフェーズ方式トランスリンク型昇圧チョッパ回路に備える結合トランスなどに利用できる。
(7)上記のコイル部品の一例として、
前記第1コイルの軸と前記第2コイルの軸とを含む平面を基準面とするとき、
前記第1コイルの巻回部から延びる二つの引出部と、前記第2コイルの巻回部から延びる二つの引出部とを前記基準面の同じ側に備える形態が挙げられる。
上記の巻回部とは、各コイルを形成する巻線のうち、巻き数に関与する部分である。
上記の引出部とは、各コイルを形成する巻線のうち、巻き数に実質的に関与しない部分である。引出部は、巻回部から延びて、少なくとも先端部を外部との接続箇所とし、外部から巻回部への電流の流入、及び巻回部から外部への電流の流出に利用される。
上記の引出部を基準面の同じ側に備えるとは、引出部のうち、少なくとも先端部が基準面の同じ側に位置することをいう。引出部の代表的な形状として、巻回部の軸方向に平面視したとき、巻回部から接線方向に延びる巻線の全域が一直線状に延びた形態が挙げられる。
上記形態は、結合係数が大きい上に、以下の点からコイルを製造し易く、この点から製造性にも優れる。合計四つの引出部がいずれも基準面の同じ側に配置されるように形成された第1コイル及び第2コイルを備えるため、例えば、両コイルの各引出部は、その全長に亘って直線状といった単純な形状にすることができる。また、両コイルを概ね同様な形状にできる。これらのことから、両コイルを、柔らかいリッツ線に比較して加工性に劣る平角線コイルとする場合でも容易に製造できる。また、上記形態を載置する回路基板として、引出部が接続される配線パターンが基板本体の同一面上に形成された平面配線型のものとすることができる。平面配線型の回路基板は、配線パターンを多層に積層する立体配線型と比較して製造性に優れる。そのため、上記形態は、その設置対象とする回路基板として、製造性に優れるものを利用できる。
(8)本発明の一態様に係る回路基板は、
上記(6)又は(7)に記載のコイル部品と、
前記第1コイルの引出部及び前記第2コイルの引出部がそれぞれ接続される配線パターンとを備える。
上記の回路基板は、包囲領域に中央脚などの磁性部を有さない上記の磁性コアを構成要素とする上記のコイル部品を備えるため、結合係数が大きい上に、小型である。また、上記の回路基板は、上述の平面配線型のものとすれば、製造性にも優れる。
(9)本発明の一態様に係る電源装置は、
上記(8)に記載の回路基板を備える。
上記の電源装置は、包囲領域に中央脚などの磁性部を有さない上記の磁性コアを構成要素とする上記のコイル部品及び上記の回路基板を備えるため、結合係数が大きい上に、小型である。また、上記の電源装置は、上記の回路基板を上述の平面配線型のものとすれば、製造性にも優れる。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、図面を適宜参照して、実施形態に係る磁性コア、コイル部品、回路基板、電源装置の具体例を説明する。図中、同一名称物は、同一物を意味する。
[実施形態1]
図1〜図6を参照して、実施形態1の磁性コア3,コイル部品1A,回路基板5A,電源装置6Aを説明する。図3では包囲領域30が分かり易いようにクロスハッチングを付して示す。図6では、分かり易いようにコイル部品1Aを基板本体50に対して大きく強調して示す(この点は後述する図7,図8,図11も同様である)。
(磁性コア)
・概要
実施形態1の磁性コア3は、軟磁性材料を含み、閉磁路を形成する磁性部材であり、代表的には二つのコイルを備えるコイル部品1Aなどのコイル部品の構成要素に利用される。具体的には磁性コア3は、第1コイル1の巻回部10及び第2コイル2の巻回部20がそれぞれ配置される一対の脚部31,32と、並列される両脚部31,32をその軸A1,A2に直交する方向から挟む一対の連結部34,34と、一対の連結部34,34間に介在される連結脚部33とを備える。連結脚部33は、一対の連結部34,34間における両脚部31,32で挟まれる包囲領域30(図3)以外に介在される。磁性コア3は、一対の脚部31,32の対向面と一対の連結部34,34の対向面とで囲まれる包囲領域30に中央脚などの磁性部を有しておらず、包囲領域30を両コイル1,2の配置領域とし、両コイル1,2を近接させられる(図4)。以下、詳細に説明する。
この例の磁性コア3は、柱状の脚部31,32と、一対の板状の連結部34,34と、両脚部31,32の並列方向に延びる板状の連結脚部33とを備える。両脚部31,32は、脚部31の軸A1と脚部32の軸A2とが平行するように並列される(横並びされる)と共に、離間して配置される。連結脚部33は、連結部34において、両脚部31,32及び両脚部31,32に挟まれる包囲領域30と干渉しない位置に配置される。
・分割片
この例の磁性コア3は、一対の分割片3a,3bの組物である。各分割片3a,3bは、図2に示すように、一方の連結部34と、一対の脚部31,32の一部を構成する一対の脚片310,320と、連結脚部33の一部を構成する連結脚片330とを備える。この例の各分割片3a,3bは同一形状であり(半割れ片であり)、その開口部が向かい合うように組み付けられて磁性コア3を構成する。また、この例の各分割片3a,3bは、両脚部31,32の並列方向に直交し、両脚部31,32間を二等分する平面を中心とする線対称な形状である(図3)。
各分割片3a,3bにおいて二つの脚片310,320及び連結脚片330は、連結部34の内面から同じ方向に突出する。この例では、両脚片310,320の突出高さが等しく、連結脚片330の突出高さよりも若干高い。そのため、両分割片3a,3bを組み付け、両分割片3a,3bの脚片310,320の端面同士を接触させると、両分割片3a,3bの連結脚片330,330間に隙間が設けられる。この隙間を磁気ギャップ33g(図1,後述の図11)とする。磁性コア3は、連結脚部33における軸A1,A2方向の中央部に磁気ギャップ33gを備える(同)。この例のように磁性コア3を複数の分割片3a,3bの組物とすれば、別途作製した第1コイル1,第2コイル2と分割片3a,3bとを組み付けることで、コイル部品1Aを容易に製造でき、コイル部品1Aの製造性に優れる。なお、分割片3a,3bを組み付けた状態で各脚部31,32に巻線を直接巻き付けて各巻回部10,20を形成することもできる。この場合、巻線には、リッツ線や丸線などの柔らかいものを利用するとよい。
・脚部
この例の脚部31(脚片310),脚部32(脚片320)はいずれも円柱状であり、その外径が等しい(図3)。各脚部31,32の外周面が滑らかな湾曲面で構成されることで、上述のように第1コイル1,第2コイル2を組み付ける際などで各コイル1,2を傷つけ難い。
・連結部
この例の連結部34は、長方形の板状であり、図3に示すように、その一つの角部に一方の脚部31(脚片310)が配置され、隣り合う別の角部に他方の脚部32(脚片320)が配置され、両脚部31,32間に所定の間隔が設けられている。連結部34において両脚部31,32が配置される周縁に対向する周縁側であって、包囲領域30に重複しない位置に連結脚部33(連結脚片330)が配置される。両脚部31,32と連結脚部33間に所定の間隔が設けられている。これらの間隔の大きさは、第1コイル1の巻回部10の一部や引出部12の一部、第2コイル2の巻回部20の一部や引出部21の一部を配置可能な大きさである(引出部12,21の詳細は後述する)。例えば、包囲領域30における両脚部31,32の並列方向の大きさ(幅)の最小値W30を、各コイル1,2を構成する巻線の合計幅以上とすることで、隣り合う引出部12,21などを容易に配置できる。包囲領域30の幅の最小値W30が、一方の脚部(例えば脚部31)をその軸方向にみたときの外形を内包する包絡円の直径(ここでは円柱状の脚部31の外径)の1.5倍以下であると、上述のように引出部を容易に配置できる上に、包囲領域30の幅が短く、磁性コア3を小型にできる。ひいてはコイル部品1Aも小型にできる。包囲領域30の幅の最小値W30が上記包絡円の直径の1.4倍以下、更に1.3倍以下、更にはこの例のように1.2倍以下であると、磁性コア3やコイル部品1Aを更に小型にできる。両脚部31,32間の間隔、両脚部31,32と連結脚部33間の間隔を調整することで、脚部31,32と、連結脚部33と、一対の連結部34,34とで囲まれる空間(包囲領域30を含む)を両コイル1,2の配置領域として良好に利用できる。上記空間は、両コイル1,2が配置されておらず磁性コア3のみの状態では中空である。
その他、この例の連結部34は、上記の二つの角部が各脚部31,32の外周面に沿って丸められており、各脚部31,32の外周面の一部に連続する湾曲面を有する。ここで、連結部34を長方形の板状とし、角部を丸めず、脚部31,32の輪郭から突出する部分を有する形態とすることができる。しかし、この突出する部分は、連結部34における脚部31,32との接続箇所に比較して、通過する磁束量が少ない。そこで、この例のように連結部34の外周面の一部を脚部31,32の外周面の一部に連続させて、上述の角部を丸めた形状とすると、磁性コア3に磁束を十分に流すことができながら、磁性コア3を小型にできる。ひいてはコイル部品1Aも小型にできる。
・連結脚部
この例の連結脚部33(連結脚片330)は、両脚部31,32(脚片310,320)の並列方向に延びる基部331と、基部331から両脚部31,32間に向かって突出する突部332とを備える。但し、突部332は、両脚部31,32間に介在されず、包囲領域30外に位置する。即ち、突部332は、一対の脚部31,32間に向かって、包囲領域30に至らない範囲で突出する。ここでは、基部331は、図2,図3に示すように長方形の板状の連結部34の一周縁に沿ってその全域に設けられている。そのため、連結脚部33における両脚部31,32の並列方向に直交方向の大きさ(奥行D331)を短くし易く、磁性コア3を小型にできる。ひいてはコイル部品1Aも小型にできる。突部332を備えることで、基部331の奥行D331を更に短くし易い。突部332の突出長さD332が大きいほど、奥行D331を短くし易い。突部332は、連結部34,34に挟まれる領域において、脚部31,32の存在領域及び包囲領域30を除く任意の領域に備える。この例のように、連結脚部33を、基部331における両脚部31,32の並列方向の中央領域であって、脚部31,32に対向していない領域から突部332が突出した山型の形状とすると、基部331からの突出長さD332を大きくし易い。突部332が包囲領域30以外の領域に位置すると共に、両脚部31,32と干渉しないからである。図2,図3では、突部332の先端が平面で形成されており、包囲領域30に近接配置される先端から円弧面を経て基部331に繋がる場合を例示する。上記の円弧面は円柱状の脚部31,32の外周面に相似状に設けられて、各脚部31,32の外周面に対向配置されている。このような連結脚部33と各脚部31,32間には、図4に示す円筒状の第1コイル1,第2コイル2を磁性コア3に配置する場合に、各コイル1,2の形状に対応した相似状の空間を形成でき、磁性コア3と各コイル1,2間に生じるデッドスペースを低減できる。
基部331の奥行D331、突部332の突出長さD332は、連結脚部33が所定の磁路断面積を有する範囲で適宜選択するとよい。
・変形例
上述した磁性コア3の形状は例示であり、適宜変更できる。
例えば、連結脚部33は、突部332を有さず、長方形の板状の基部331のみとすることができる。この場合、連結脚部33の奥行が突部332を有する場合に比較して大きくなり易いものの、上記奥行が一様であり、磁性コア3を単純な形状にできる。
又は、例えば、連結脚部33は、連結部34の周縁の全域ではなく、周縁の一部のみ有することができる。例えば、連結部34において包囲領域30から離れた周縁側であって、この周縁における両脚部31,32の並列方向の中央部にのみ連結脚部33を有することが挙げられる。端的にいうと、脚部31,32と連結脚部33とが三角形を作るように位置する。この場合、連結脚部33が所定の磁路断面積を確保するために磁性コア3の奥行が大きくなり易いものの、一対の連結部34,34に挟まれる空間において脚部31,32間(包囲領域30)、及び各脚部31,32と連結脚部33間の空間を大きくし易く、第1コイル1,第2コイル2における引出部の引出方向の自由度を高められる。
その他、脚部31,32を直方体状、その他の多角柱状、楕円柱状などとしたり、連結部を角丸めのない長方形の板状としたりするなどが挙げられる。
また、分割片3a,3bの分割形状も適宜変更できる。
例えば、一方の分割片が両脚部31,32と一方の連結部34とを備え、他方の分割片が連結脚部33と他方の連結部34とを備える形態(両脚部を分割せず、一方の連結部にのみ一体化された形態)、一方の分割片が一方の脚部31と一方の連結脚片330と一方の連結部34とを備え、他方の分割片が他方の脚部32と他方の連結脚片330と他方の連結部34とを備える形態(両脚部を分割せず、各連結部34,34に一体化された形態)、脚部31,32、連結脚部33、連結部34,34がいずれも独立した分割片である形態などが挙げられる。
又は、磁性コア3は分割片ではなく一体成形体とすることができる。例えば、直方体状のブロック材などを適宜切削すれば、一対の連結部34,34間に脚部31,32と連結脚部33とが挟まれた状態である磁性コア3を製造できる。この形態では、各脚部31,32に巻線を直接巻き付けて巻回部10,20を形成するとよい。この例のように磁性コア3を分割片3a,3bの組物とすると、上述のように別途作製しておいた第1コイル1,第2コイル2と分割片3a,3bとを容易に組み付けられ、コイル部品1Aの製造性に優れる。
・構成材料
磁性コア3(ここでは分割片3a,3b)の構成材料は、例えば、フェライトコアなどの焼結体、軟磁性材料の粉末を用いた圧粉成形体、軟磁性材料の粉末と樹脂とを含む複合材料、電磁鋼板などの軟磁性材料の板材を積層した積層体などが挙げられる。上記構成材料には、公知の材料を利用できる。磁気ギャップ33gを備える場合、本例のようにエアギャップとする他、非磁性材料から構成されるギャップ板を備えることができる。
・磁束の状態
図5を参照して、磁性コア3に第1コイル1及び第2コイル2を配置して励磁したときの磁束の状態を説明する。図5は、磁性コア3の一方の脚部31に配置される第1コイル1に流れる直流電流がつくる磁束の流れと、他方の脚部32に配置される第2コイル2に流れる直流電流がつくる磁束の流れとを模式的に示す磁気回路図である。第2コイル2は、第1コイル1に流れる直流電流がつくる磁束を打ち消すように他方の脚部32に配置される。磁気抵抗R1,R2は、連結脚部33の磁気抵抗、磁気抵抗R3,R4は連結部34,34の磁気抵抗を示す。各コイル1,2に流れる直流電流がつくる磁束は、左右の破線矢印で示すように31,32と連結脚部33の一部(磁気抵抗R1,R2)とを含む磁路を通る。一方、両コイル1,2に加わる変化する電圧に起因する鎖交磁束は、太線矢印で示すように、一方の脚部31から一方の連結部34の一部、他方の脚部32、他方の連結部34の一部という磁路を通る。このように磁性コア3を用いると、直流電流に起因する磁束の磁路と変動電圧に起因する鎖交磁束の磁路とを分離できる。
・磁性コアの効果
実施形態1の磁性コア3は、一対の脚部31,32と一対の連結部34,34とで囲まれる包囲領域30に上述の中央脚などの磁性部を含まないため、各脚部31,32に配置される第1コイル1,第2コイル2を近接できる。従って、実施形態1の磁性コア3は、結合トランスなどのコイル部品1Aの構成要素に利用する場合に、配置される両コイル1,2の結合係数を向上できる。また、磁性コア3は、連結部34,34間に上記中央脚を含まず、包囲領域30以外に連結脚部33を備えるため、直流電流に起因する磁束の磁路と変動電圧に起因する鎖交磁束の磁路とを分離でき、磁気飽和もし難い。
その他、実施形態1の磁性コア3は、以下の効果を奏する。
(1)両脚部31,32を近接させ易く、包囲領域30の幅を小さくできる結果、磁性コア3の幅を小さくでき、この点で小型である。
(2)包囲領域30を、第1コイル1,第2コイル2の引出部(ここでは隣り合う引出部12,21)の双方を磁性コア3外に引き出す領域に利用でき、引出部の引出方向の自由度が高い。
(3)この例の磁性コア3は、連結脚部33が突部332を備えるため、連結脚部33の奥行D331を小さくし易く、この点で小型である。この例では、特に連結部34における両脚部31,32の並列方向の中央部に突部332が位置するため、突出長さD332を大きくし易く、結果として奥行D331をより小さくし易いことからも、磁性コア3を小型にできる。突部332は包囲領域30以外に位置するため、突部332を有していても、上述の引出方向の自由度が高い状態を維持できる。
(4)この例の磁性コア3は、包囲領域30の幅の最小値W30が脚部31(又は脚部32)の外径の1.5倍以下であり、包囲領域30の幅が小さく、この点で小型である。
(5)この例の磁性コア3は、連結部34が円柱状の脚部31,32の外周面に沿って角丸め形状であり、この点で小型である。
(6)この例の磁性コア3は、分割片3a,3bの組物であり、各コイル1,2と組み付け易く、コイル部品1Aの組立作業性の向上に寄与する。この例では、特に分割片3a,3bを同一形状とするため取扱い易く、組み付けを容易に行える上に組立工程数も少なくてよく、コイル部品1Aの製造性により優れる。
(コイル部品)
次に、実施形態1の磁性コア3を備える実施形態1のコイル部品1Aを説明する。
・概要
実施形態1のコイル部品1Aは、磁性コア3と、第1コイル1及び第2コイル2とを備え、二つの独立したコイル1,2が一つの磁性コア3に配置される。第1コイル1は、巻線を巻回してなる巻回部10と、巻回部10から延びる電流流入側の引出部11及び電流流出側の引出部12とを備える。第2コイル2は、第1コイル1を形成する巻線とは別の巻線を巻回してなる巻回部20と、巻回部20から延びる電流流入側の引出部21及び電流流出側の引出部22とを備える。第2コイル2は、第1コイル1がつくる磁束を打ち消すように磁性コア3に配置される。この例のコイル部品1Aは、第1コイル1の二つの引出部11,12、第2コイル2の二つの引出部21,22を特定の配置状態とする。詳しくは、第1コイル1の軸L1(図2、ここでは磁性コア3の脚部31の軸A1に同軸)と第2コイルの軸L2(図2、ここでは磁性コア3の脚部32の軸A2に同軸)とを含む平面を基準面L(図4)とするとき、第1コイル1の巻回部10から延びる二つの引出部11,12と、第2コイル2の巻回部20から延びる二つの引出部21,22とを基準面Lの同じ側(図4では下側)に備える。換言すれば、コイル部品1Aは、両コイル1,2における電流流入側の引出部11,21の組、及び電流流出側の引出部12,22の組の双方を基準面Lの同じ側に備える。
以下、コイル1,2を中心に説明する。
この例の第1コイル1は、図2に示すように巻線を螺旋状に巻回してなる円筒状の巻回部10と、巻回部10に連続する巻線が巻回部10から離れるように延ばされてなる二つの引出部11,12とを備える。図1,図2,図4では引出部11,12における巻回部10との境界近傍のみを示すが、実際には、図6に示すようにコイル部品1Aの設置対象である回路基板5Aの基板本体50に設けられた配線パターン511などに接続し易いように延ばされる。引出部11,12の先端部は、電力供給を行う電源などの外部装置(図示せず)が接続される接続箇所である。引出部11,12の中間領域は、上記先端部が上述の配線パターン511などに接続し易いように適宜な形状、例えば、階段状などに成形される。この例の第2コイル2の基本的構成は第1コイル1と同様であり、円筒状の巻回部20と、巻線が巻回部20から離れるように延ばされてなる二つの引出部21,22とを備える。引出部21,22は、引出部11,12と同様に延ばされている(図6)。
・巻線
第1コイル1を構成する巻線及び第2コイル2を構成する巻線はいずれも、導体線の外周に絶縁被覆を備える被覆線を好適に利用できる。導体線の構成材料は、銅やアルミニウム、その合金が挙げられる。絶縁被覆の構成材料は、エナメルと呼ばれるポリアミドイミドなどの樹脂が挙げられる。巻線は、コイルに利用される公知の線材、例えば平角線、被覆平角線、丸線、被覆丸線、リッツ線などを利用できる。この例の巻線は被覆平角線であり、巻回部10,20はエッジワイズコイルである。導体線が平角線であれば、導体断面積をリッツ線よりも大きくし易く、コイル部品1Aを大電流用途に好適に利用できる。巻回部10,20の形状は適宜変更できるが、本例のように円筒状であれば、巻径が比較的小さいエッジワイズコイルであっても製造し易い。また、導体線が平角線であればリッツ線よりも保形性に優れる。例えば、引出部11,12,21,22の中間領域を上述のように階段状などの所定の形状に成形した場合、この所定の形状を維持し易い。
この例では、第1コイル1及び第2コイル2を形成する巻線の仕様(構成材料、幅及び厚さ、断面積など)、巻回部10,20の仕様(巻径、巻き数、自然長、形状など)が実質的に等しい。
・引出部
第1コイル1の引出部11,12及び第2コイル2の引出部21,22は、その少なくとも先端部が上述の基準面Lの同じ側(図6では右側)に配置されるように形成されている。この例の引出部11,12,21,22はいずれも、図6に示すように各コイル1,2の軸方向に平面視すると、巻回部10,20の接線方向に延びる全域(付け根から先端部までの全域)に亘って直線状であり、この全域が基準面Lの同じ側に配置されるように形成されている。
この例では、図4に示すように、第1コイル1の引出部11の軸線L1iと、引出部12の軸線L1oとをとると、両軸線L1i,L1oは並列に配置される。このような引出部11,12は並列に配置されているといえ、ここでは、実質的に平行に配置される。この例の引出部11,12は、軸線L1i,L1oの並列配置を維持しつつ、中間領域が上下方向に屈曲され、その先端部の一面(図6では下面)が、磁性コア3の設置面となる下側の連結部34の下面と実質的に面一になるように、フラットワイズ曲げされている。また、この例の両引出部11,12は、図6に示すように、その先端部の端縁が一直線上に配置されるように(揃うように)、両引出部11,12の長さが調整されている。引出部11,12の先端部の端縁が揃っておらず、例えば、一方の引出部11が他方の引出部12よりも突出する長さとすることができる(後述の図7参照)。この例のように先端部の端縁を揃えると、先端部の端縁が揃っていない場合に比較して、例えば、コイルを取り扱い易くしたり、基板本体50に対するコイル部品1Aの配置領域(実装面積)を小さくし易かったりする(この点は後述の第2コイル2も同様である)。
第2コイル2の引出部21,22の基本的構成は、第1コイル1の引出部11,12と同様であり、図6に示すように第2コイル2の引出部21,22の長さが、第1コイル1の引出部11,12よりも長い点が異なる。概略を述べると、図4に示すように第2コイル2の引出部21,22の軸線L2i,L2oが並列に配置される。ここでは引出部21,22は実質的に平行に配置される。引出部21,22の先端部の端縁が一直線上に配置されると共に、第1コイル1の引出部11,12よりも長くなるように引出部21,22の長さが調整されている。引出部21,22の先端部の一面(図6では下面)は、磁性コア3の設置面(下側の連結部34の下面)と実質的に面一になるように折り曲げられている。この例では、引出部21,22の折り曲げ位置は、第1コイル1の引出部11,12の折り曲げ位置に対してずれており、引出部11,22の折り曲げ位置よりも磁性コア3から離れた位置(図6ではより右側の位置)である。
上述のように第1コイル1の引出部11,12が並列に配置され、第2コイル2の引出部21,22が並列に配置され、更に引出部11,12と引出部21,22とが並列に配置される。ここでは、実質的に平行に配置される。
巻線の仕様、巻回部の仕様、引出部の配置状態は一例であり、適宜変更できる。引出部の配置状態の別例を実施形態2〜5などに示す。
・磁性コアに対するコイルの配置状態
コイル部品1Aに備える第1コイル1及び第2コイル2は、通電時に自身がつくる磁束を互いに打ち消し合うように(図5も参照)、磁性コア3に組み付けられると共に電力が供給される。具体的には両コイル1,2の電流方向が同じになるように、例えば図6に黒矢印で示すように反時計回りの方向、及び下から上向きになるように、両コイル1,2と磁性コア3とが組み付けられる。図6では、上から順に、第1コイル1の電流流入側の引出部11、電流流出側の引出部12、第2コイル2の電流流入側の引出部21、電流流出側の引出部22と並び、かつ上述のように第1コイル1の引出部11,12の先端部よりも、第2コイル2の引出部21,22の先端部が突出するように組み付けられた場合を例示する。
更に、この例では、図4に示すように第1コイル1の巻回部10の軸及び第2コイル2の巻回部20の軸を通る基準面Lに対して、第1コイル1の引出部11の軸線L1i及び引出部12の軸線L1o、第2コイル2の引出部21の軸線L2i及び引出部22の軸線L2oが実質的に直交するように各コイル1,2が磁性コア3に配置される。基準面Lと軸線L1i,L1o,L2i,L2oとがなす角度θ1i,θ1o,θ2i,θ2oはいずれも実質的に90°である。
(用途)
実施形態1のコイル部品1Aは、例えば、回路基板5Aの構成部品の一つに利用される。回路基板5Aは、例えば、電源装置6Aの構成部品の一つに利用される。図6では、回路基板5Aの一部が電源装置6Aのケースに収納された状態を部分的に示す。回路基板5Aは、例えば、DC−DCコンバータであって、マルチフェーズ方式トランスリンク型昇圧チョッパ回路などに利用される。このような回路基板5Aを備える電源装置6Aは、例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車、燃料電池自動車といった車両に搭載されるコンバータなどに利用される。
(回路基板)
実施形態1の回路基板5Aは、実施形態1のコイル部品1Aと、第1コイル1の引出部11,12、及び第2コイル2の引出部21,22がそれぞれ接続される配線パターン511,512,521,522とを備える。回路基板5Aは、複数の配線パターン511,512,521,522などが形成された基板本体50を備え、一面をコイル部品1Aの載置面とする。図6では、コイル1,2の軸L1,L2(図2)が基板本体50の載置面に実質的に直交するように、コイル部品1Aが基板本体50に載置される例、即ち基準面Lと基板本体50とが実質的に直交に配置される例を示す。
配線パターン511,512,521,522は、第1コイル1及び第2コイル2の引出部11,12,21,22を接続可能であり、各コイル1,2に所定の電力供給を行えれば、適宜な形状とすることができる。この例では、図6に示すように各配線パターン511,512,521,522は直線状に形成されて並列に配置され、ここでは実質的に平行である。また、この例では、第1コイル1の引出部11,12が接続される配線パターン511,512が同一の軸線L51上に配置され、第2コイル2の引出部21,22が接続される配線パターン521,522が別の同一の軸線L52上に配置されるように各配線パターン511,512,521,522が設けられている。両軸線L51,L52は並列に配置され、ここでは実質的に平行である。また、両軸線L51,L52は基板本体50の側縁(ここでは左側縁)に実質的に平行である。複数の配線パターン511,512,521,522が並列配置される場合、配線パターンを形成し易く、回路基板5Aの製造性に優れる。
この例の各配線パターン511,512,521,522の軸線(ここでは軸線L51,L52)と上述の基準面Lとは並列に配置され、ここでは、実質的に平行である。そのため、基準面Lと軸線L51,L52とがなす角度が実質的に0°(90°以下)である。この場合、図6に示すようにコイル部品1Aの磁性コア3と配線パターン511,512,521,522とを近付けて配置し易く、引出部11,12,21,22を短くし易い。そのため、基板本体50におけるコイル部品1Aの配置領域を小さくし易い。図6に示す例では、コイル部品1Aの配置領域を長方形状の領域とすることができ、その一辺の長さは、磁性コア3の連結部34の周縁から軸線L52近傍までの距離、他辺の長さは巻回部10,20間の最大距離とすることができる。
基板本体50の構成材料は、各種の絶縁材料が挙げられる。配線パターン511,512,521,522は、例えばプリント回路や、銅板といった金属板などで形成できる。公知のPCB(printed circuit board)やバスバー基板などにおける配線パターンの形成方法を利用できる。回路基板5Aにおけるその他の構成については公知の構成を利用でき、詳細な説明を省略する。引出部11,12,21,22と配線パターン511,512,521,522との接続には、ねじ結合(後述の図10参照)や半田付け(後述の図9参照)など、公知の方法が利用できる。
(電源装置)
実施形態1の電源装置6Aは、実施形態1の回路基板5Aを備える。電源装置6Aにおけるその他の構成については公知の構成を利用でき、詳細な説明を省略する。
・コイル部品、回路基板、電源装置の効果
実施形態1のコイル部品1Aは、実施形態1の磁性コア3を備えるため、結合係数を向上できる上に、小型である。この例のコイル部品1Aは、以下の理由(1),(2)により製造性にも優れる。
(1)巻線に被覆平角線を用いているものの、コイル1,2を以下の理由(1−1)から(1−4)により容易に製造できる。
(1−1)第1コイル1の引出部11,12及び第2コイル2の引出部21,22のいずれもが基準面Lの同じ側に配置される。
(1−2)両コイル1,2は、引出部11,12,21,22における引出長さ及び屈曲位置を除いて実質的に同様な形状である。
(1−3)各引出部11,12,21,22は直線的に延ばされて並列に配置される。
(1−4)巻回部10,20が円筒状であるといった単純な形状である。
(2)磁性コア3を分割片3a,3bの組物とし、磁性コア3と、別途作製したコイル1,2とを組み付け易い。
実施形態1の回路基板5A、及び実施形態1の電源装置6Aは、実施形態1のコイル部品1Aを備えるため、結合係数を向上できる上に、小型である。この例の回路基板5Aは、以下の理由(3),(4)により製造性にも優れ、以下の理由(5),(6)により基板本体50におけるコイル部品1Aの配置領域を小さくし易く、小型である。この回路基板5Aを備える電源装置6Aも製造性にも優れる上に、小型である。
(3)上述の引出部11,12,21,22を特定の配置状態とするコイル部品1Aを備えるため、平面配線型のものとすることができる。配線パターン511,512,521,522を基板本体50の同一面上に形成でき、配線パターンを形成し易い。
(4)配線パターン511,512,521,522が直線的で、並列に配置されるように形成でき、容易に形成できる。
(5)第1コイル1が接続される配線パターン511,512が同一の軸線L51上に配置され、第2コイル2が接続される配線パターン521,522が同一の軸線L52上に配置される。
(6)基準面Lと軸線L51,L52とが実質的に平行に配置される。
以下、図7〜図11を参照して、実施形態2〜5のコイル部品1B〜1E、回路基板5B〜5E、電源装置6Bなどを説明する。以下の説明では、実施形態1との相違点を詳細に説明し、その他の構成及び効果、用途などについては、詳細な説明を省略する。
[実施形態2]
以下、図7を参照して、実施形態2のコイル部品1B、回路基板5B、電源装置6Bを説明する。
実施形態2のコイル部品1Bの基本的構成は実施形態1のコイル部品1Aと同様であり、磁性コア3と、第1コイル1及び第2コイル2とを備え、第1コイル1の引出部11,12及び第2コイル2の引出部21,22がいずれも基準面Lの同じ側(図7では右下側)に備える。実施形態2のコイル部品1Bにおける実施形態1のコイル部品1Aとの相違点として、引出部11,12,21,22の長さが異なる点が挙げられる。実施形態2の回路基板5Bは、この実施形態2のコイル部品1Bを備え、実施形態2の電源装置6Bは、この実施形態2の回路基板5Bを備える。
実施形態2の回路基板5Bは、基板本体50に第1コイル1及び第2コイル2の引出部11,12,21,22が接続される各配線パターン511,512,521,522が直線状に形成され、並列に配置される。この例では、各配線パターン511,512,521,522の軸線L51,L52が基板本体50の側縁(ここでは左側縁)に実質的に平行である。また、第1コイル1が接続される配線パターン511,512が同一の軸線L51上に配置され、第2コイル2が接続される配線パターン521,522が同一の軸線L52上に配置されるように各配線パターン511,512,521,522が設けられている。実施形態1の回路基板5Aとの相違点として、コイル部品1Bにおける基準面Lと、各配線パターン511,512,521,522の軸線L51,L52とが交差するように配置される点が挙げられる。
この例では、コイル部品1Bの基準面Lと軸線L51とがなす角度θ51が0°超90°未満である。また、コイル部品1Bの基準面Lと軸線L52とがなす角度θ52が0°超90°未満である。角度θ51,θ52が小さいほど、基板本体50に対する引出部11,12,21,22を含めたコイル部品1Bの配置領域を小さくし易い。また、第1コイル1の引出部11,12の長さと、第2コイル2の引出部21,22の長さとの差に起因するコイル1,2間の電気抵抗差を低減できる。そのため、この角度は、60°以下、更に45°以下、30°以下といった鋭角とすることが挙げられる。この角度は、第1コイル1の引出部11,12及び第2コイル2の引出部21,22の双方が基準面Lの同じ側に配置される限りにおいて、0°〜90°の範囲で適宜選択できる。上述の実施形態1のように上記角度が実質的に0°であったり、後述する実施形態3のように上記角度が実質的に90°である場合でも配線パターンの形成位置を工夫したりすれば、基板本体50に対するコイル部品の配置領域をより小さくできる。
[実施形態3]
以下、図8を参照して、実施形態3のコイル部品1C、回路基板5C、電源装置6Cを説明する。
実施形態3のコイル部品1Cの基本的構成は実施形態1のコイル部品1Aと同様であり、磁性コア3と、第1コイル1及び第2コイル2とを備え、第1コイル1の引出部11,12及び第2コイル2の引出部21,22がいずれも基準面Lの同じ側(図8では右側)に備える。実施形態3のコイル部品1Cにおける実施形態1のコイル部品1Aとの相違点として、引出部11,12,21,22の端縁が全て揃っている点が挙げられる。実施形態3の回路基板5Cは、この実施形態3のコイル部品1Cを備え、実施形態3の電源装置6Cは、この実施形態3の回路基板5Cを備える。
回路基板5Cに備える基板本体50の一面において、各引出部11,12,21,22の配置位置にそれぞれ配線パターン511,512,521,522が形成されている。この例では配線パターン511,512,521,522は直線状に形成され、軸線L511,L512,L521,L522が離間して配置されると共に基板本体50の周縁(ここでは上縁)に実質的に平行である。特に、この例では配線パターン511,512,521,522は、その軸線L511,L512,L521,L522が基準面Lに直交に配置されるように設けられている。ここでは、電流流出側の引出部12,22が接続される配線パターン512,522の一部がコイル部品1Cに重複して設けられ、コイル部品1Cの下方に位置する場合を示す。
実施形態3のコイル部品1Cは、第1コイル1の引出部11,12の長さと、第2コイル2の引出部21,22の長さとの差が実質的に無いため、引出部の長さの差に起因するコイル1,2間の電気抵抗差を実質的に無くすことができる。また、実施形態3のコイル部品1Cは、引出部11,12,21,22における図8に示す平面視したときの長さが等しく、端縁が揃っていることから、基板本体50における図8の配置領域を実施形態1よりも小さくし易い。そのため、実施形態3の回路基板5C、及びこの回路基板5Cを備える実施形態3の電源装置6Cは、より小型である。その他、両コイル1,2の形状が等しく、両コイル1,2の製造性により優れることから、実施形態3のコイル部品1C、回路基板5C、電源装置6Cは、製造性により優れる。
なお、基板本体50に載置する種々の電子部品の配線の都合上などで、一つのコイルの各引出部における平面視したときの長さを実施形態3のように等しくできず、端縁が揃わない場合が考えられる。このような場合には、第1コイル1における引出部11,12の長さや、第2コイルにおける引出部21,22の長さを異ならせることができる。
[実施形態4]
以下、図9を参照して、実施形態4のコイル部品1D、回路基板5Dを説明する。図9及び後述する図10では、第2コイル2の巻回部20及び引出部21,22、基板本体50の配線パターン521,522が紙面奥に配置されて見えない。
実施形態4のコイル部品1Dの基本的構成は実施形態1のコイル部品1Aと同様であり、磁性コア3と、第1コイル1及び第2コイル2とを備え、第1コイル1の引出部11,12及び第2コイル2の引出部21,22がいずれも基準面Lの同じ側(図9では下側)に備える。実施形態4のコイル部品1Dにおける実施形態1のコイル部品1Aとの相違点として、引出部11,12,21,22が各巻回部10,20から直線的に延ばされて屈曲されていない点、実質的に同じ長さである点が挙げられる。実施形態4の回路基板5Dは、この実施形態4のコイル部品1Dを備えており、実施形態1の回路基板5Aとの相違点として、切片状の引出部11,12,21,22が基板本体50に突き刺すように配置される点が挙げられる。即ち、回路基板5Dでは、基準面Lと配線パターン511,512などが形成された基板本体50とが平行に配置される。
この例の第1コイル1の引出部11,12及び第2コイル2の引出部21,22はいずれも並列に配置され、ここでは実質的に平行である。引出部11,12,21,22は、基板本体50に載置された場合にその先端部が基板本体50の一面(図9では下面)に設けられた配線パターン511,512,521,522に達する程度の長さに調整されている。引出部11,12,21,22は、巻回部10,20から延びる巻線を所定の長さに切断することで製造でき、より簡単に形成できる。各引出部11,12,21,22は、その軸線L1i,L1o,L2i,L2o(図示せず)と基準面Lとが実質的に直交するように配置される。
回路基板5Dに備える基板本体50は、各引出部11,12,21,22の配置位置に基板本体50の表裏に貫通する貫通孔が設けられている。基板本体50の一面には配線パターン511,512,521,522が形成されており、上記貫通孔は、配線パターン511,512,521,522も貫通する。コイル部品1Dは、各引出部11,12,21,22を基板本体50の各貫通孔に挿通し、貫通孔から突出する各引出部11,12,21,22の先端部と配線パターン511,512,521,522とを半田などで接合することで、電気的に接続されると共に、基板本体50に固定される。その結果、第1コイル1及び第2コイル2の軸(ここでは基準面Lに実質的に平行)が基板本体50の載置面(上面)に実質的に平行するように、コイル部品1Dが基板本体50に載置される。
実施形態4のコイル部品1Dは、実施形態1のコイル部品1Aと比較して、引出部11,12,21,22の形状がより単純であり、上述のように簡単に形成できる。従って、実施形態4のコイル部品1Dは、製造性により優れる。実施形態4の回路基板5Dは、基板本体50の所定の位置に貫通孔を設ければよく、容易に製造できる。従って、実施形態4の回路基板5Dも製造性に優れる。特に、回路基板5Dは、基板本体50におけるコイル部品1Dの配置領域と配線パターン511,512,521,522の形成箇所とが重複する。ここでは、配線パターン511,512,521,522の少なくとも一部がコイル部品1Dの下に位置して、コイル部品1Dに覆われる。そのため、実施形態4の回路基板5Dは、コイル部品1Dの配置領域をより小さくし易く小型であり、より小型な電源装置などを構築できる。
[実施形態5]
以下、図10,図11を参照して、実施形態5のコイル部品1E,回路基板5E,電源装置6Eを説明する。図10では配線パターンを省略する。
実施形態5のコイル部品1Eの基本的構成は実施形態1のコイル部品1Aと同様であり、磁性コア3と、第1コイル1及び第2コイル2とを備え、第1コイル1の引出部11,12及び第2コイル2の引出部21,22(図11)がいずれも基準面Lの同じ側(図10では下側)に備えられる。実施形態5のコイル部品1Eにおける実施形態1のコイル部品1Aとの相違点として、第1コイル1及び第2コイル2の軸(ここでは基準面Lに実質的に平行、図10)が基板本体50の載置面に実質的に平行に載置されるように、各引出部11,12,21,22が成形されている点が挙げられる。この点は、実施形態4との共通点といえる。実施形態5のコイル部品1Eにおける実施形態4のコイル部品1Dとの相違点は、引出部11,12,21,22の形状が挙げられる。具体的には、引出部11,12,21,22の中間領域が両コイル1,2の軸(基準面L)に実質的に平行するように屈曲され、その先端部が基板本体50の一面に配置されるように両コイル1,2が成形されている。実施形態5の回路基板5Eは、この実施形態5のコイル部品1Eを備え、実施形態5の電源装置6E(図11)は、この実施形態5の回路基板5Eを備える。
第1コイル1の引出部11,12は互いに離れる方向に屈曲されている(ここではフラットワイズ曲げされている)。図10に示すように一方の引出部11が磁性コア3の一方の分割片3b側に引き出され、他方の引出部12が他方の分割片3a側に引き出されている。第2コイル2の引出部21,22も第1コイル1と同様であり、引出部21が一方の分割片3b側に、引出部22が他方の分割片3a側に引き出されている(図11)。第1コイル1の引出部11は磁性コア3における一方の脚部31の外側に位置し、第1コイル1の引出部12及び第2コイル2の引出部21は磁性コア3における両脚部31,32の並列方向(ここでは両コイル1,2の並列方向に等しい)の中央部(包囲領域30)に位置し、第2コイル2の引出部22は磁性コア3における他方の脚部32の外側に位置する。引出部11,12,21,22はいずれも並列に配置され、ここでは実質的に平行である。また、引出部11,12,21,22の先端部は、各コイル1,2の軸に実質的に平行に配置される。
回路基板5Eに備える基板本体50の一面において、図11に示すように各引出部11,12,21,22の配置位置にそれぞれ配線パターン511,512,521,522が形成されている。この例では配線パターン511,512,521,522は直線状に形成され、軸線L511,L512,L521,L522が離間して配置されると共に、基準面Lに並列に配置される。また、ここでは、軸線L511,L512,L521,L522はいずれも基板本体50の側縁(ここでは左側縁)に実質的に平行である。回路基板5Eでは、実施形態4の回路基板5Dと同様に、コイル部品1Eの基準面Lと配線パターン511,512,521,522が形成された基板本体50とが平行に配置される(図10)。
実施形態5のコイル部品1Eは、実施形態1のコイル部品1Aと比較して、引出部11,12,21,22の形状が単純で製造性に優れる。また、実施形態5のコイル部品1Eは、実施形態4のコイル部品1Dと比較して、引出部11,12,21,22と基板本体50の配線パターン511,512,521,522との接続に、図10に示すねじ結合などが利用できて接続作業性に優れる。従って、実施形態5のコイル部品1Eは、回路基板5Eの製造性の向上に寄与する。実施形態5の回路基板5Eは、上述のようにコイル1,2と配線パターンとの接続を機械的に行えて製造性に優れる。実施形態5の電源装置6Eは、回路基板5Eを備えることで、製造性により優れる。
[変形例1]
その他のコイル部品として、図4に示す第1コイル1及び第2コイル2において、各引出部11,12,21,22の軸線L1i,L1o,L2i,L2oが基準面Lに対して非直交に交差するように配置される形態が挙げられる。具体的には、図4に示すように引出部11,12,21,22はいずれも直線状であり、(軸線L1i,L1o)の組及び(軸線L2i,L2o)の組がそれぞれ並列に配置され、ここでは実質的に平行とする。そして、図4に示す第1コイル1を反時計回りに90°未満の範囲で回転させ、第2コイル2を時計回りに90°未満の範囲で回転させ、各コイル1,2の引出部が互いに離れる方向に延びる形態とすることができる。この場合、各コイル1,2の引出部は下側に向かって開くように延びる。また、この場合、引出部11,12の軸線L1i,L1oと基準面Lとがなす角度θ1i,θ1oはいずれも0°超90°未満であり、引出部21,22の軸線L2i,L2oと基準面Lとなす角度θ2i,θ2oはいずれも0°超90°未満である。この場合に、角度θ1i,θ1o,θ2i,θ2oを実質的に等しくすることもできるし、(θ1i,θ1o)の組と(θ2i,θ2o)の組とで角度を異ならせることもできる。
その他、角度θ1i,θ1o,θ2i,θ2oの少なくとも一つの大きさが異なる形態などとすることができる。電流流入側の引出部11,21の軸線L1i,L2iがつくる角度及び電流流出側の引出部12,22の軸線L1o,L2oがつくる角度が0°超180°未満であり、角度θ1i,θ1o,θ2i,θ2oが0°超90°未満の範囲で、角度θ1i,θ1o,θ2i,θ2oを調整できる。引出部11,12,21,22の長さを調整して、これらの先端部を揃えたり、揃えなかったりすることもできる。実施形態1などで説明したように、少なくとも隣り合う引出部12,21が並列され、軸線L1o,L2iが基準面Lに直交する形態(角度θ1o,θ2iが実質的に90°)であると、両コイル1,2を近接させて結合係数を大きくし易い。
上述のように実施形態1のコイル部品1などに対しては、第1コイル1の引出部11,12及び第2コイル2の引出部21,22の双方が基準面Lの同じ側に配置される限りにおいて、引出部11,12,21,22の長さや、軸線L1i,L1o,L2i,L2oにおける基準面Lに対する角度などを適宜変更できる。
変形例1のコイル部品を備える回路基板では、例えば各引出部11,12,21,22の長さなどを調整して、各配線パターン511,512,521,522の軸線が並列に配置される直線状の配線パターンとすれば、配線パターンを形成し易い。
[変形例2]
その他のコイル部品として、磁性コア3と、第1コイル1及び第2コイル2とを備え、両コイル1,2の電流流入側の引出部11,21を対角位置に備え、かつ電流流出側の引出部12,22を対角位置に備えるものとすることができる。この形態は、図4に示す第1コイル1を反時計回りに90°回転させ、第2コイル2を90°時計回りに回転させ、第1コイル1の引出部11,12が右側に延び、第2コイルの引出部21,22が左側に延びて各コイル1,2の引出部が反対側に向いた形態とすることができる。この形態は、実施形態1と同じ形状のコイルを利用でき、コイルの製造性に優れる。但し、各コイル1,2の電流流入位置及び電流流出位置に対応して、回路基板の配線パターンを立体配線する必要がある。一方、実施形態1などで説明した両コイル1,2の引出部11,12,21,22が基準面Lの同じ側に配置される形態では、両コイル1,2を近接させて結合係数を大きくし易い上に、上述のように平面配線型の回路基板を利用できる。
本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
例えば、第1コイル及び第2コイルとコアとの間に絶縁材料から構成される介在部材を備えたり、各コイルやコアを覆う絶縁被覆材を備えたりすることができる。この場合、両コイルとコア間の絶縁性や、コイル部品と配線パターン間の絶縁性などを高められる。
1A,1B,1C,1D,1E コイル部品
1 第1コイル
10 巻回部
11,12 引出部
L1 軸
2 第2コイル
20 巻回部
21,22 引出部
L2 軸
L1i,L1o,L2i,L2o 軸線
L51,L52,L511,L512,L521,L522 軸線
L 基準面
3 磁性コア
3a,3b 分割片
A1,A2 軸
30 包囲領域
31,32 脚部
33 連結脚部
33g 磁気ギャップ
34 連結部
310,320 脚片
330 連結脚片
331 基部
332 突部
R1,R2,R3,R4 磁気抵抗
5A,5B,5C,5D,5E 回路基板
50 基板本体
511,512,521,522 配線パターン
6A,6B,6C,6E 電源装置
101 第1コイル
102 第2コイル
R101,R102,R103 磁気抵抗

Claims (9)

  1. コイルの巻回部が配置される一対の脚部と、
    並列される両脚部をその軸に直交する方向から挟む一対の連結部と、
    前記一対の連結部間における前記両脚部で挟まれる包囲領域以外に介在される一つの連結脚部とを備え
    前記連結部は、長方形の板状であり、
    前記一対の脚部のうち、一方の前記脚部は、前記連結部の一つの角部に配置され、他方の前記脚部は、前記角部に隣り合う別の角部に配置され、
    前記連結脚部は、前記両脚部の並列方向に延びる基部を備え、
    前記基部は、前記長方形の一辺に沿ってその全域に設けられている、
    磁性コア。
  2. 前記連結脚部は前記基部から前記一対の脚部間に向かって、前記包囲領域に至らないように突出する突部備える請求項1に記載の磁性コア。
  3. 前記包囲領域における前記両脚部の並列方向の大きさの最小値は、一方の前記脚部をその軸方向にみたときの外形を内包する包絡円の直径の1.5倍以下である請求項1又は請求項2に記載の磁性コア。
  4. 前記脚部は円柱状であり、
    前記連結部は、前記脚部の外周面の一部に連続する湾曲面を有する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の磁性コア。
  5. 前記磁性コアは、一対の分割片の組物であり、
    各分割片は、一方の前記連結部と、前記一対の脚部の一部を構成する一対の脚片と、前記連結脚部の一部を構成する連結脚片とを備える請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の磁性コア。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の磁性コアと、
    各脚部に配置される第1コイル及び第2コイルとを備えるコイル部品。
  7. 前記第1コイルの軸と前記第2コイルの軸とを含む平面を基準面とするとき、
    前記第1コイルの巻回部から延びる二つの引出部と、前記第2コイルの巻回部から延びる二つの引出部とを前記基準面の同じ側に備える請求項6に記載のコイル部品。
  8. 前記請求項6又は請求項7に記載のコイル部品と、
    前記第1コイルの引出部及び前記第2コイルの引出部がそれぞれ接続される配線パターンとを備える回路基板。
  9. 請求項8に記載の回路基板を備える電源装置。
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