JP2021103699A - 磁性コア、コイル部品、回路基板、及び電源装置 - Google Patents

磁性コア、コイル部品、回路基板、及び電源装置 Download PDF

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Abstract

【課題】製造性に優れる磁性コア、コイル部品、回路基板、及び電源装置を提供する。【解決手段】同一形状の二つの分割片を組合わせて閉磁路を形成する磁性コアであって、各分割片は、台座部と、前記台座部の一端側に突設され、コイルの巻回部が配置される一つの側脚部と、前記側脚部に並行するように前記台座部の中間部に突設され、前記側脚部よりも短い一つの中央脚片と、前記台座部の他端側に設けられ、他方の前記分割片の側脚部が連結される領域と、この連結領域から前記台座部の周縁に向かって延び、前記他方の分割片の側脚部の径方向外方に突出する第一フランジ領域とを備える磁性コア。【選択図】図1

Description

本発明は、磁性コア、コイル部品、回路基板、及び電源装置に関する。
DC−DCコンバータの一つに、特許文献1の図5,図7に示すマルチフェーズ方式トランスリンク型昇圧チョッパ回路を備えるものがある。特許文献1は、上記回路に備えられる結合トランスとして、二つのコイルと、一対のE形状コアを組合わせてなる磁性コアとを備えるものを開示する。各E形状コアは、同一形状であり、直方体状の台座と、台座の一面の一端側及び他端側にそれぞれ立設される直方体状の側脚片と、台座の一面においてその長手方向の中央位置に立設されると共に両側脚片間に介在される直方体状の中央脚片とを備える。中央脚片の端面を対向配置させると共に側脚片の端面同士を連結するように、両E形状コアを組合わせる。側脚片同士が連結されてなる一端側の側脚と他端側の側脚とのそれぞれにコイルが配置される。
特開2013−198211号公報
上述のマルチフェーズ方式の結合トランス等に利用されるコイル部品に対して、所定の特性を満たしつつ、製造性を向上することが望まれている。
上述のE形状コアを組合わせる際、側脚片の端面同士をずれることなく連結する必要がある。側脚片の端面がずれることで磁路長さや磁路断面積が設定値からずれて、所定の磁気特性を満たさないコイル部品が得られるからである。側脚片の端面がずれないように両E形状コアを組合わせるために、組合わせ時間が長くなり易い。従って、所定の磁気特性を満たすコイル部品をより製造し易い磁性コアの開発が望まれる。また、磁性コア自体も製造性に優れることが望まれる。
そこで、製造性に優れる磁性コアを提供することを目的の一つとする。また、製造性に優れるコイル部品、回路基板、及び電源装置を提供することを別の目的の一つとする。
本開示の磁性コアは、
同一形状の二つの分割片を組合わせて閉磁路を形成する磁性コアであって、
各分割片は、
台座部と、
前記台座部の一端側に突設され、コイルの巻回部が配置される一つの側脚部と、
前記側脚部に並行するように前記台座部の中間部に突設され、前記側脚部よりも短い一つの中央脚片と、
前記台座部の他端側に設けられ、他方の前記分割片の側脚部が連結される領域と、この連結領域から前記台座部の周縁に向かって延び、前記他方の分割片の側脚部の径方向外方に突出する第一フランジ領域とを備える。
本開示のコイル部品は、
上記の本開示の磁性コアと、
前記各分割片の側脚部の外周に配置される巻回部と、前記巻回部から延びる一対の引出部とを有するコイルとを備える。
上記の磁性コア、及び上記のコイル部品は、製造性に優れる。
実施形態1の磁性コアに備えられる二つの分割片を分解して示す概略斜視図である。 実施形態1の磁性コアに備えられる二つの分割片のうち、一方の分割片を示す概略平面図である。 実施形態1の磁性コアを示す概略正面図である。 実施形態1の磁性コアを備える実施形態1のコイル部品が回路基板に配置された状態を部分的に示す概略上面図である。 試験例1において、二つの分割片の配置状態を説明する説明図である。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
(1)本発明の一態様に係る磁性コアは、
同一形状の二つの分割片を組合わせて閉磁路を形成する磁性コアであって、
各分割片は、
台座部と、
前記台座部の一端側に突設され、コイルの巻回部が配置される一つの側脚部と、
前記側脚部に並行するように前記台座部の中間部に突設され、前記側脚部よりも短い一つの中央脚片と、
前記台座部の他端側に設けられ、他方の前記分割片の側脚部が連結される領域と、この連結領域から前記台座部の周縁に向かって延び、前記他方の分割片の側脚部の径方向外方に突出する第一フランジ領域とを備える。
上記の磁性コアは、以下に説明するように、所定の特性を満たすコイル部品の製造性の向上に寄与する。また、上記の磁性コア自体も製造性に優れる。各分割片が同一形状であり、一つの成形型で製造できるからである。
上記の磁性コアに備えられる両分割片を組合わせる前では、各分割片の台座部に備えられる側脚部が連結される領域(連結領域)と第一フランジ領域の少なくとも一部との合計領域を、側脚部を配置可能な領域(以下、領域αと呼ぶことがある)として利用できる。この領域αは、側脚部の端面の面積に等しい面積を有する連結領域に加えて第一フランジ領域を含むことで、側脚部の端面の面積よりも大きな面積を有するため、領域α内に側脚部を容易に配置できる。また、領域α内に側脚部が連結されれば、所定の特性を満たすコイル部品が得られるため、この領域α内での側脚部の位置ずれを許容できる。従って、上記の磁性コアによれば、所定の特性を満たすコイル部品を製造できる上に、上述のE形状コアに比較して分割片の組合わせ時間を短縮し易い。この点から、コイル部品の製造性の向上に寄与するといえる。
(2)上記の磁性コアの一例として、
前記第一フランジ領域における最小突出量が前記側脚部の最大径の2%以上であり、最大突出量が前記側脚部の最大径の40%以下である形態が挙げられる。
上記形態は、最小突出量及び最大突出量が上述の特定の範囲を満たすため、台座部における側脚部を配置可能な領域αを適切に確保しつつ、第一フランジ領域の具備による分割片の大型化、大重量化を低減し易い。従って、上記形態は、コイル部品の製造性の向上に寄与すると共に、コイル部品の小型化、軽量化にも寄与する。
(3)上記の磁性コアの一例として、
前記両分割片を組合わせた状態において、両中央脚片の隙間は、一方の前記分割片の側脚部と前記他方の分割片の台座部との隙間よりも大きい形態が挙げられる。
上記形態における隙間は磁気ギャップに利用できる。上記形態は、磁気ギャップを有するため、大電流用途のコイル部品に利用されても磁気飽和し難い。また、側脚部と台座部との間の磁気ギャップが両中央脚片の磁気ギャップに比べて相対的に小さいため、上述の側脚部の位置ずれに起因する漏れインダクタンス等の特性の変化を小さくし易い。従って、上記形態は、所定の特性を満たすコイル部品をより製造し易い。
(4)上記(3)の磁性コアの一例として、
前記両中央脚片の隙間は、前記側脚部と前記台座部との隙間の1.5倍以上50倍以下である形態が挙げられる。
上記形態は、大きな磁気ギャップを有するため、大電流用途のコイル部品に利用されても磁気飽和し難い。また、上記形態は、側脚部と台座部との間の磁気ギャップが大き過ぎないため、上述の側脚部の位置ずれに起因する特性の変化をより小さくし易い。従って、上記形態は、所定の特性を満たすコイル部品を更に製造し易い。
(5)上記の磁性コアの一例として、
前記台座部の一端側に、この台座部に突設される前記側脚部の外周から径方向外方に突出する第二フランジ領域を備える形態が挙げられる。
上記形態は、台座部の一端側と他端側との双方にフランジ領域を備えるため、台座部が第一フランジ領域を備えるものの第二フランジ領域を備えていない場合に比較して、磁性コアにおける一方の側脚部側の特性と、他方の側脚部側の特性とを均一的にし易い。このような上記形態は、マルチフェーズ方式トランスリンク型昇圧チョッパ回路等の結合トランスに好適に利用できる。各相の特性を均一的にし易いからである。
(6)上記(5)の磁性コアの一例として、
前記両分割片を組合わせた状態において、前記両中央脚片の突出方向に沿った軸を中心として対称形状である形態が挙げられる。
上記形態は、上述の磁性コアにおける各側脚部側の特性をより均一的にし易く、上述のマルチフェーズ方式の結合トランスに好適に利用できる。
(7)本発明の一態様に係るコイル部品は、
上記(1)から(6)のいずれか一つに記載の磁性コアと、
前記各分割片の側脚部の外周に配置される巻回部と、前記巻回部から延びる一対の引出部とを有するコイルとを備える。
上記のコイル部品は、上記の磁性コアを備えるため、所定の特性を満たしつつ、分割片を組合わせ易く、製造性にも優れる。
(8)本発明の一態様に係る回路基板は、
上記(7)に記載のコイル部品と、
各コイルの引出部がそれぞれ接続される配線パターンとを備える。
上記の回路基板は、上記の磁性コアを備えるコイル部品を構成要素とするため、所定の特性を満たしつつ、製造性にも優れる。
(9)本発明の一態様に係る電源装置は、
上記(8)に記載の回路基板を備える。
上記の電源装置は、上記の磁性コアを備えるコイル部品を構成要素とするため、所定の特性を満たしつつ、製造性にも優れる。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、図面を適宜参照して、実施形態に係る磁性コア、コイル部品、回路基板、電源装置の具体例を説明する。図中、同一名称物は、同一物を意味する。
[実施形態1]
図1〜図4を参照して、実施形態1の磁性コア3、コイル部品1,回路基板6,電源装置7を説明する。
図4では、分かり易いようにコイル部品1を基板本体60に対して大きく強調して示す。
(磁性コア)
〈概要〉
実施形態1の磁性コア3は、コイル部品1(図3,図4)等に利用されるものであり、同一形状の二つの分割片4,5を備え、両分割片4,5を組合わせて閉磁路を形成する。図1に示すように一方の分割片4は、台座部40と、台座部40の一端側に突設される一つの側脚部41と、台座部40の中間部に突設される一つの中央脚片42とを備える。中央脚片42は、側脚部41に並行するように設けられると共に、側脚部41よりも短い(図3も参照)。他方の分割片5は、台座部50と、台座部50の一端側に突設される一つの側脚部51と、台座部50の中間部に突設される一つの中央脚片52とを備える。中央脚片52は、側脚部51に並行するように設けられると共に、側脚部51よりも短い(図3も参照)。磁性コア3がコイル部品1に利用される場合、各側脚部41,51には、コイル10,20の巻回部11,21がそれぞれ配置される(図3,図4)。
各分割片4,5の台座部40,50における他端側の領域は平坦である。そのため、各分割片4,5は、側脚部41,51の軸方向に直交する方向からみた平面形状がF字状である(図3も参照)。F字状の両分割片4,5は、台座部40,50の一端側に位置する側脚部41,51がそれぞれ台座部50,40の他端側に連結され、中央脚片42,52の端面42e,52eが対向するように組合わせられる。組合わせ状態では、中央脚片42,52間に所定の大きさの隙間が形成される(図3)。
実施形態1の磁性コア3では、両分割片4,5の組合わせ前において、台座部40,50の他端側に側脚部51,41を配置可能な領域を有し、この領域の面積が側脚部51,41の端面51e,41eの面積よりも大きい。そのため、組合わせ状態の磁性コア3は、一方の分割片4において台座部40の他端側に、他方の分割片5の側脚部51が連結される連結領域43と、他方の分割片5の側脚部51の径方向外方に突出する第一フランジ領域44とを備える。かつ、この磁性コア3は、他方の分割片5において台座部50の他端側に、一方の分割片4の側脚部41が連結される連結領域53と、一方の分割片4の側脚部41の径方向外方に突出する第一フランジ領域54とを備える(図3も参照)。側脚部41,51の径方向とは、側脚部41,51の端面41e,51eを内包する最小の外接円をとり、この外接円の直径方向とする。本例の端面41e,51eは円形であるため、側脚部41,51の径方向とは、端面41e,51eの直径方向に相当する。本例では更に、台座部40,50は、一端側に、側脚部41,51の外周から周縁48,58に向かって突出する第二フランジ領域45,55を備える(図2も参照)。
以下、分割片4,5は同一形状であるため、主として、一方の分割片4を例に挙げて詳細に説明する。また、本例では、台座部40の平面形状が変形菱形状であり(後述)、側脚部41が円柱状であり、中央脚片42の平面形状が変形T字状である(後述)ものを説明する。ここでの平面形状とは、側脚部41の軸方向にみた形状をいう。
《台座部》
本例の台座部40は、図2に示すように、横長の菱形を変形したような平面形状を有する。詳しくは、横長の菱形における長辺方向(図2では左右方向)の両側の角部を丸め、短辺方向(図2では上下方向)の両側の角部を切り落としたような形状である。この台座部40の一面において、上記長辺方向の一端側に側脚部41を有し、上記長辺方向の中間部に中央脚片42を有し、上記長辺方向の他端側に連結領域43及び第一フランジ領域44を有する。図2では連結領域43及び第一フランジ領域44を仮想的に示す。
第一フランジ領域44は、連結領域43から台座部40の周縁48に向かって延びる領域である。連結領域43に配置される他方の側脚部51の外周面から周縁48に向かって突出する領域ともいえる(図3も参照)。代表的には、第一フランジ領域44は、連結領域43の外側に位置すると共に台座部40の短辺方向に平行な直線であって、他方の側脚部51の外周面(図2では連結領域43の周縁に相当)に接する接線をとり、中央脚片42に近い側の接線と、台座部40の周縁48とで囲まれる領域が挙げられる。図2では、分かり易いように第一フランジ領域44に二点鎖線のクロスハッチングを付して示す。また、図2では、第一フランジ領域44は、円形の連結領域43において上記接線との接点箇所近傍を除く概ね全周を囲むように存在する場合を例示するが、側脚部51の周方向の一部にのみ存在する場合がある。例えば、台座部40の平面形状が長方形であり、側脚部51が直方体状であれば、第一フランジ領域44は側脚部51における長方形の端面51eを描く四辺のうち、三辺又は二辺を囲むように存在することが挙げられる。
連結領域43の面積は他方の側脚部51の端面51eの面積に等しい。両分割片4,5の組合わせ前では、連結領域43に加えて第一フランジ領域44の少なくとも一部を含む領域を、側脚部51を配置可能な領域αとする。側脚部51を配置可能な領域αの面積が側脚部51の端面51eの面積よりも大きいため、領域α内に側脚部51を容易に配置できる。また、領域α内に側脚部51の端面51eの全面が収まっていれば、所定の特性を満たすコイル部品1が得られるため、領域α内での側脚部51の位置ずれを許容できる。例えば、側脚部51の端面51eの全面が台座部40の他端側の領域に覆われて台座部40から露出されない状態を前提として、以下の二つの配置状態を比較する。側脚部51の外周面の一部が台座部40の周縁48の一部に重複する配置状態は、側脚部51の外周面が周縁48に接しない配置状態(図3)を基準として、側脚部51の位置がずれているといえる。しかし、いずれの状態も同程度の特性を満たすコイル部品1が得られる(後述の試験例1も参照)。このような磁性コア3は、上述のE形状コアに比較して、両分割片4,5の組合わせ状態における側脚部41,51の位置ずれの許容範囲が大きく、組合わせ易いといえる。
第一フランジ領域44が大きいほど、両分割片4,5の組合わせ前、台座部40における側脚部51を配置可能な領域αを大きく確保し易い。いわば上述の位置ずれの許容範囲が大きく、分割片4,5を組合わせ易い。このような磁性コア3は、所定の特性を満たすコイル部品1を製造し易く、製造性の向上に寄与する。一方、第一フランジ領域44が大き過ぎると、磁性コア3の大型化、大重量化を招く。ひいてはコイル部品1の大型化、大重量化を招く。例えば、第一フランジ領域44における最小突出量Wが側脚部51の最大径Rの2%以上であり、最大突出量W44が側脚部51の最大径Rの40%以下であることが挙げられる。
側脚部51の最大径Rとは、側脚部51の端面51eを内包する最小の外接円の直径とする。本例の最大径Rは、端面51eの直径に相当する。最小突出量Wは、連結領域43の周縁(側脚部51の端面51eの周縁に実質的に等しい)から台座部40の周縁48までの距離のうち、最小値とする。最大突出量W44は、台座部40の長辺方向に平行な直線であって、他方の側脚部51の外周面に接する接線をとり、この接線から周縁48までの距離のうち最大値とする。図2では、台座部40の長辺軸上に最小突出量Wをとり、上述の短辺方向の接線上に最大突出量W44をとる場合を例示するが、最小突出量W及び最大突出量W44をとる位置は、側脚部51の配置状態によって変わる。なお、分割片4,5は同一形状、同一の大きさであるため、上記の「側脚部の最大径R」は、側脚部41,51のいずれの最大径Rでもよい。
最小突出量Wが側脚部51の最大径Rの2%以上であれば、上述のように位置ずれの許容範囲を大きく確保し易く、コイル部品1の製造性の向上に寄与する。コイル部品1の製造性の向上の観点から、最小突出量Wが側脚部51の最大径Rの5%以上であることが挙げられる。最大突出量W44が側脚部51の最大径Rの40%以下であれば、磁性コア3やコイル部品1の大型化、大重量化を招き難い。小型化、軽量化の観点から、最大突出量W44が側脚部51の最大径Rの30%以下であることが挙げられる。
更に、本例の台座部40は、長辺方向の一端側に、台座部40に突設される側脚部41の外周から径方向外方に突出する第二フランジ領域45を備える。台座部40の一端側に側脚部41及び第二フランジ領域45を備え、他端側に連結領域43及び第一フランジ領域44を備えることで、他端側に第二フランジ領域45を備えていない場合に比較して、磁性コア3における一方の側脚部41側の特性と他方の側脚部51側の特性とを均一的にし易い。第一フランジ領域44と第二フランジ領域45とが実質的に同様な形状、大きさであれば、上述の特性の均一化をより図り易い。このような磁性コア3は、マルチフェーズ方式の結合トランスに利用すれば、各相の特性を均一的にし易い。そのため、上記結合トランスに好適に利用できる。第二フランジ領域45の形状、大きさ、側脚部41に対する存在範囲等は、上述の第一フランジ領域44の項を参照できる。なお、図2では、分かり易いように第二フランジ領域45に二点鎖線の格子ハッチングを付して示す。
台座部40の形状は、所定の特性を満たす範囲で適宜変更できる。例えば、台座部40の平面形状を長方形等とすることが挙げられる。本例のように円柱状の側脚部41,51を備える場合に台座部40の平面形状が変形菱形状であれば、第一フランジ領域44、更には第二フランジ領域45を適切に確保しつつ、台座部40に磁束を適切に通過させられるため、台座部40の平面形状が長方形である場合に比較して分割片4を小型、軽量にできる。このような磁性コア3は、コイル部品1の小型化、軽量化に寄与する。なお、台座部の平面形状が長方形である場合、台座部の角部が円柱状の側脚部41,51の外周から突出する。この角部は磁束があまり通らないため、この台座部は磁路として機能し難い部分が大きいといえる。
台座部40の大きさは、所定の特性を満たす範囲で適宜選択できる。上記大きさは、平面面積、厚さ、長辺長さ、短辺長さ等が挙げられる。上記平面面積は、側脚部41の端面41e、中央脚片42の端面42e、連結領域43、第一フランジ領域44、適宜第二フランジ領域45の面積に応じて選択することが挙げられる。厚さ、長辺長さ、短辺長さ等は、所定の磁路断面積を有する範囲で選択することが挙げられる。
《側脚部》
本例の側脚部41は、その全長に亘って一様な直径(ここでは最大径R)を有する円柱体であり、円筒状の内周面及び外周面を有するコイル10の巻回部11と相似な外周面を有する(図4)。側脚部41の外周形状が巻回部11の内周形状に相似形状であれば、側脚部41の外周面と巻回部11の内周面とを近接配置し易く、コイル部品1を小型にし易い。また、側脚部41と巻回部11とを同軸状に配置し易い。
側脚部41の形状、大きさ等は、所定の特性を満たす範囲で、コイル10の形状、大きさ等に応じて適宜変更できる。上記大きさは、最大径R、台座部40からの突出高さ、端面41eの面積(ここでは磁路断面積に相当)等が挙げられる。例えば、側脚部41を直方体状等としたり、巻回部11の内周形状に非相似な柱状体としたりすること等が挙げられる。
《中央脚片》
中央脚片42は、図3に示すように、台座部40からの突出長さが側脚部41よりも短いため、両分割片4,5を組合わせても、中央脚片42,52の端面42e,52eが直接接触しない。両端面42e,52e間には、側脚部41,51の突出長さと中央脚片42,52の突出長さと差に応じて隙間が形成される。この隙間を磁気ギャップgとする。磁気ギャップgを有する磁性コア3は、コイル10に大電流が流される場合でも磁気飽和し難いため、大電流用途のコイル部品1に好適に利用できる。
本例の中央脚片42は、図2に示すように、平面形状が長方形における対向位置の二つの角部を切り落とし、残りの二つの角部に繋がる部分がそれぞれ湾曲するように切り落とされたような形状の柱状体である。中央脚片42の湾曲面42cと円柱状の側脚部41の外周面との間に湾曲した空間を形成する。本例では、この空間の形状及び大きさがコイル10の円筒状の巻回部11に対応しており、この空間に巻回部11の一部を配置し易い。また、中央脚片42がこのような変形T字状の柱状体であることで、直方体である場合に比較して、円筒状の巻回部11を中央脚片42に近接させ易い(図4も参照)。側脚部51に配置される円筒状の巻回部21についても中央脚片42に近接させ易い。そのため、両分割片4,5における長辺方向に沿った大きさを短くでき、両分割片4,5を小型、軽量にできる。このような磁性コア3は、コイル部品1の小型化、軽量化に寄与する。また、本例の中央脚片42はその幅方向(図2では左右方向)の中心線を中心として対称形状であると共に、この幅方向の中心線が台座部40の中間部、特に台座部40の長辺方向の中央位置に重複するように設けられている。そのため、中央脚片42は台座部40の短辺軸を中心として対称形状でもある。
中央脚片42の形状、大きさ、形成位置等は、所定の特性を満たす範囲でコイル10の形状、大きさ等に応じて適宜変更できる。例えば、中央脚片42を直方体等とすることが挙げられる。
中央脚片42の大きさについて説明する。
中央脚片42において、台座部40の一面からの突出高さは、両分割片4,5を組合わせた状態において磁気ギャップgの大きさが所定値となるように、側脚部41における台座部40の一面からの突出高さ等に応じて選択することが挙げられる。
中央脚片42において、端面42eの面積(ここでは磁路断面積に相当)は、所定の磁気特性を満たす範囲で適宜選択できる。例えば、端面42eの面積は、側脚部41の端面41eの面積(同)の1倍以上2倍以下であることが挙げられる。更に、端面42eの面積は、端面41eの面積の1.9倍以下、1.8倍以下であることが挙げられる。
本例の中央脚片42では、台座部40の短辺方向の一端側(図2では下側)に位置する周縁の幅W42が他端側(図2では上側)に位置する周縁の幅Wよりも広い。幅W42,Wは、磁路断面積が上述の特定の範囲を満たすように適宜選択することが挙げられる。例えば、狭い方の幅Wは、広い方の幅W42の20%以上80%以下、更に30%以上70%以下であることが挙げられる。磁性コア3をコイル部品1に用いる場合、狭い方の幅W側をコイル10,20の引出部12,13、22,23の引出側とすると、各引出部12,13、22,23を直線状に引き出し易い上に、並列に配置させ易い(図4)。
《組合わせ状態》
図3に示すように、両分割片4,5を組合わせた状態において、一方の分割片4の側脚部41と他方の分割片5の台座部50との間、及び他方の分割片5の側脚部51と一方の分割片4の台座部40との間に隙間を有することができる。この隙間は、磁気ギャップg,gに利用できる。磁気ギャップg,gは後述するようにエアギャップではなく中実体とすることが挙げられる。磁気ギャップg,g,gを有する磁性コア3は、コイル10,20に大電流が流される場合でも磁気飽和し難く、大電流用途のコイル部品1に好適に利用できる。両中央脚片42,52の隙間(磁気ギャップg)は、上述の側脚部41,51と台座部50,40との隙間(磁気ギャップg,g)よりも大きいことが挙げられる(g1,g<g)。即ち、磁気ギャップg,gは磁気ギャップgよりも小さいことが挙げられる。また、磁気ギャップg,gは等しいことが挙げられる(g=g)。なお、磁気ギャップg,gを実質的にゼロとすることもできる。
例えば、両中央脚片42,52の隙間(磁気ギャップg)は側脚部41,51と台座部50,40との隙間(磁気ギャップg,g)の1.5倍以上50倍以下であることが挙げられる(1.5×g≦g≦50×g,1.5×g≦g≦50×g)。磁気ギャップgが磁気ギャップg,gの1.5倍以上であれば、コイル10,20に大電流が流される場合でも磁性コア3が磁気飽和し難く、磁性コア3を大電流用途のコイル部品1に好適に利用できる。磁気ギャップgが磁気ギャップg,gの50倍以下であれば、磁気ギャップgでの漏れ磁束を低減し易い上に、磁気ギャップによる磁性コア3の大型化を低減でき、小型な磁性コア3とし易い。磁性コア3の用途等にもよるが、磁気ギャップgが更に磁気ギャップg,gの2倍以上25倍以下であることが挙げられる。
その他、本例の磁性コア3は、両分割片4,5を組合わせた状態において、台座部40,50の短辺方向から磁性コア3をみた場合に両中央脚片42,52の突出方向に沿った軸Cを中心として対称形状である(図3)。このような磁性コア3は、一方の側脚部41側の特性と他方の側脚部51側の特性とを均一的にし易いため、マルチフェーズ方式の結合トランスに利用すれば、各相の特性を均一的にし易い。従って、この磁性コア3は、上記結合トランスに好適に利用できる。
《構成材料及び製造方法》
各分割片4,5は、軟磁性材料を主体とする成形体であり、成形型を用いた種々の方法によって製造することが挙げられる。軟磁性材料は、鉄や鉄合金(例、Fe−Si合金、Fe−Ni合金等)といった金属、フェライト等の非金属等が挙げられる。成形体は、フェライトコア等の焼結体、軟磁性材料の粉末や更に絶縁被覆を備える被覆粉末等が圧縮成形されてなる圧粉成形体、軟磁性材料の粉末と樹脂とを含む流動性の混合体が固化されてなる複合材料の成形体等が挙げられる。分割片4,5は、同一形状であるため、いずれの成形方法を利用する場合も同一形状の成形型を利用できる。
磁気ギャップgは、エアギャップの他、板材等の中実体が挙げられる。中実体の構成材料は、アルミナ等の非磁性材料、分割片4,5よりも比透磁率が低い磁性材料を含むもの等が挙げられる。接着剤層としたり、板材と接着剤層との双方を含む形態としたりすることもできる。磁気ギャップg,gは、板材や接着剤層等の中実体が挙げられる。接着剤層とすれば、例えば1mm未満といった薄い磁気ギャップg,gを形成し易い上に、両分割片4,5を固定できる。
(コイル部品)
実施形態1のコイル部品1は、図4に示すように実施形態1の磁性コア3と、各分割片4,5の側脚部41,51の外周に配置される巻回部11,21と、巻回部11,21から延びる一対の引出部12,13、22,23とを有するコイル10,20とを備える。
本例のコイル10,20は、異なる巻線で形成された独立したものである。巻回部11,21は巻線を螺旋状に巻回して構成され、巻き数に関与する部分である。本例の巻回部11,21はいずれも円筒状である。引出部12,13、22,23は巻き数に関与しない部分であり、巻回部11,21から離れるように延ばされて、各端部が回路基板6の配線パターン61〜64等に接続される。コイル10,20は、配線パターン61〜64を介して、電力供給を行う電源等の外部装置(図示せず)が接続される。図4では、引出部12,13、22,23がいずれも実質的に平行に引き出されると共に、その先端部が同じ側(図4では右側)に配置された状態を例示する。また、図4では、引出部12,13、22,23の引出長さ、屈曲状態等を異ならせることで配線パターン61〜64との接続位置をずらした場合を例示する。図4は例示であり、引出部12,13、22,23の引出長さ、引出方向、配線パターン61〜64の接続位置等は適宜変更できる。
上記巻線は、代表的には導体線の外周に絶縁被覆を備える被覆線が挙げられる。導体線の構成材料は、銅やアルミニウム、その合金等が挙げられる。絶縁被覆の構成材料は、ポリアミドイミド等の樹脂等が挙げられる。また、上記巻線は、コイルに利用される公知の線材、例えば平角線、被覆平角線、丸線、被覆丸線、リッツ線等を利用できる。本例の巻線は被覆平角線であり、巻回部11,21はエッジワイズコイルである。導体線が平角線であれば、導体断面積をリッツ線よりも大きくし易く、コイル部品1を大電流用途に好適に利用できる。また、導体線が平角線であればリッツ線よりも保形性に優れる。巻回部11,21の形状は適宜変更できる。本例のように円筒状であれば、巻径が比較的小さいエッジワイズコイルであっても製造し易い。
その他、本例では、各コイル10,20の巻線の仕様(構成材料、幅及び厚さ、断面積等)、巻回部11,21の仕様(巻径、巻き数、自然長、形状等)が実質的に等しいが、適宜変更できる。
実施形態1のコイル部品1は、例えば、回路基板6の構成部品の一つに利用される。回路基板6は、例えば、電源装置7の構成部品の一つに利用される。図4では、回路基板6の一部が電源装置7のケースに収納された状態を部分的に示す。回路基板6は、例えば、DC−DCコンバータであって、マルチフェーズ方式トランスリンク型昇圧チョッパ回路等に利用される。このような回路基板6を備える電源装置7は、例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車、燃料電池自動車といった車両に搭載されるコンバータ等に利用される。
マルチフェーズ方式のトランス結合等に利用されるコイル部品1では、コイル10及びコイル20は、通電時に自身がつくる磁束を互いに打ち消し合うように磁性コア3に組み付けられる。図4では、各コイル10,20に流れる電流方向を黒矢印で示す。各コイル10,20には、黒矢印で示すように反時計回りの方向、即ち下から上向きになるように各コイル10,20に電力が供給される。各コイル10,20の電流方向は同じである。図4では、引出部12,22が電流の流入側であり、引出部13,23が電流の流出側である場合を例示する。
(回路基板)
実施形態1の回路基板6は、実施形態1のコイル部品1と、各コイル10,20の引出部12,13、22,23がそれぞれ接続される配線パターン61〜64とを備える。回路基板6は、複数の配線パターン61〜64等が形成された基板本体60を備え、一面をコイル部品1の載置面とする。
配線パターン61〜64は、コイル10,20の引出部12,13,22,23を接続可能であり、各コイル10,20に所定の電力供給を行えれば、適宜な形状とすることができる。図4では、各配線パターン61〜64が直線状に形成されて、実質的に平行に配置される場合を例示する。複数の配線パターン61〜64が並列配置される場合、配線パターンを形成し易く、回路基板6の製造性に優れる。図4は例示であり、配線パターン61〜64の形状、配置状態等は適宜変更できる。
基板本体60の構成材料は、各種の絶縁材料が挙げられる。配線パターン61〜64は、例えばプリント回路や、銅板といった金属板等で形成することが挙げられる。公知のPCB(printed circuit board)やバスバー基板等における配線パターンの形成方法を利用できる。回路基板6におけるその他の構成については公知の構成を利用でき、詳細な説明を省略する。引出部12,13,22,23と配線パターン61〜64との接続には、ねじ結合や半田付け等、公知の方法が利用できる。
(電源装置)
実施形態1の電源装置7は、実施形態1の回路基板6を備える。電源装置7におけるその他の構成については公知の構成を利用でき、詳細な説明を省略する。
(主な効果)
実施形態1の磁性コア3は、組合わせ前の各分割片4,5の台座部40,50において、他方の側脚部51,41を連結可能な領域αが側脚部51,41よりも大きく、上記領域α内に側脚部51,41を容易に配置できる。かつ、上記領域α内に側脚部51,41が連結されれば、所定の特性を満たすコイル部品1が得られるため、この領域α内での側脚部51,41の位置ずれを許容できる。このような磁性コア3をコイル部品1に用いれば、所定の特性を満たすコイル部品1を製造できつつ、両分割片4,5の組合わせ時間を短縮できる。また、各分割片4,5が同一形状であり、一つの成形型で製造できることから、磁性コア3自体も製造性に優れる。従って、実施形態1の磁性コア3は、所定の特性を満たすコイル部品1の製造性の向上に寄与する。
実施形態1のコイル部品1は、実施形態1の磁性コア3を備えるため、所定の特性を満たしつつ、分割片4,5を組合わせ易く、製造性に優れる。実施形態1の回路基板6、及び実施形態1の電源装置7は、実施形態1の磁性コア3を構成要素とする実施形態1のコイル部品1を備えるため、所定の特性を満たしつつ、製造性にも優れる。
[試験例1]
一対のF字状の分割片を組合わせた磁性コアを備えるコイル部品と、一対のE字状の分割片を組合わせた磁性コアを備えるコイル部品とを用意し、分割片をずらして配置したときの漏れインダクタンスの変化を調べた。
用意したコイル部品は、磁性コアに備えられる分割片の形状を異ならせた点を除いて実質的に等しくした。以下に、各試料の磁性コアを説明する。
(試料No.1)
試料No.1に備えられる磁性コアは、実施形態1で説明した一対のF字状の分割片を備える。概略を述べると、各分割片は、台座部の平面形状が変形菱形状、側脚部が円柱状、中央脚片の平面形状が変形T字状であり、第一フランジ領域及び第二フランジ領域を備え、同一形状、同一の大きさである。
中央脚片間の磁気ギャップgを2.0mm(=20×g,g)、側脚部と台座部との間の磁気ギャップg1,を0.1mmとした(g=g<g)。また、中央脚片の平面面積(磁路断面積)は、側脚部の端面の平面面積(磁路断面積)の1倍以上1.8倍以下とした。
後述する位置ずれ量YがY=0mmのときについて、第一フランジ領域における最小突出量は、側脚部の最大径Rの5%以上10%以下であり、最大突出量は側脚部の最大径Rの30%以下である。第二フランジ領域の突出量は第一フランジ領域と同じである。また、両分割片を組合わせた状態を台座部の短辺方向からみると、両中央脚片の突出方向に沿った軸を中心として対称形状である。
(試料No.100)
試料No.100に備えられる磁性コアは、端的に言うと、試料No.1のF字状の分割片をE字状に変形したものである。詳しくは、側脚部を二等分した側脚片を各台座部の両端側にそれぞれ備えると共に、第一フランジ領域及び第二フランジ領域を備えていないものとした。つまり、各E字状の分割片は、その台座部の長辺方向の両端部において、各側脚片の外周縁の一部が、台座部の円弧状の外周縁と重なっている。各E字状の分割片は同一形状、同一の大きさである。
中央脚片間の磁気ギャップを2.0mm、側脚片間の磁気ギャップを0.1mmとした。また、中央脚片の平面面積(磁路断面積)は、側脚片の端面の平面面積(磁路断面積)の1倍以上1.8倍以下とした。
図5に示すように、試料No.1において、一方の分割片4に対して、他方の分割片5をずらす。詳しくは、分割片4を側脚部41の軸方向にみた状態において、台座部40の長辺方向(図5では左右方向)の軸をx軸とし、短辺方向(図5では上下方向)の軸をy軸とする。このとき、分割片4の側脚部41の中心はx軸上にある。この分割片4に対して、他方の分割片5の側脚部51の中心がx軸上にあり、中央脚片42,52の端面全体が完全に重なりあった状態をY=0mmの状態とする。Y=0mmの状態から、他方の分割片5をy軸方向にずらす。このときの位置ずれ量をY(mm)とする。試料No.1では、Y=1.0mmのとき、両側脚部41,51が台座部50,40に重複して配置されており、端面全体が台座部50,40から露出されない。
試料No.100についても分割片を試料No.1と同様にずらす。試料No.100では、Y=0mm超のとき、側脚片の端面の一部が台座部に覆われずに露出される。
各試料のコイル部品は、二相のトランス結合に用いられるものとし、各コイルに直流電流の平均値を70Aとして通電したときの漏れインダクタンス(μH)を測定し、結果を表1に示す。ここでは、各試料において、各側脚部に配置される二つのコイルを直列に結線した状態で通電し、市販のLCRメーターで漏れインダクタンス(μH)を測定した。
Figure 2021103699
表1に示すように、E字状の分割片を組合わせた磁性コアを備える試料No.100のコイル部品では、位置ずれ量Yが変動することで、漏れインダクタンスLが大きく変動することが分かる。つまり、試料No.100のコイル部品では、位置ずれ量YがY=0を外れると、漏れインダクタンスLが設計値(ここでは0.91μH)からずれることを意味する。このことから、試料No.100の磁性コアでは、E字状の分割片を組合わせる際、側脚片同士の位置ずれの許容範囲が小さく、側脚片同士を高精度に組合わせる必要があることが分かる。
一方、F字状の分割片を組合わせた磁性コアを備える試料No.1のコイル部品では、位置ずれ量Yが変動しても、漏れインダクタンスLの変動が小さい。ここでは漏れインダクタンスLが実質的に変動しないことが分かる。このことから、試料No.1の磁性コアでは、F字状の分割片を組合わせる際、側脚部と台座部との位置ずれの許容範囲が大きく、分割片を組合わせ易いといえる。この試験から、実施形態1の磁性コアは、所定の特性を満たすコイル部品を製造し易いことが示された。
本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
例えば、実施形態1の磁性コア3において、台座部40,50、側脚部41,51、中央脚片42,52の形状等を上述のように直方体状等に変更できる。
また、実施形態1のコイル部品1において、磁性コア3とコイル10,20との間に絶縁材料から構成される介在部材を備えたり、磁性コア3や各コイル10,20を覆う絶縁被覆材を備えたりすることが挙げられる。介在部材や絶縁被覆材を備えることで、磁性コア3と両コイル10,20との間の絶縁性や、コイル部品1と配線パターン61〜64間の絶縁性等を高められる。
1 コイル部品
10,20 コイル
11,21 巻回部
12,13,22,23 引出部
3 磁性コア
4,5 分割片
40,50 台座部
41,51 側脚部
41e,51e,42e,52e 端面
42c 湾曲面
42,52 中央脚片
43,53 連結領域
44,54 第一フランジ領域
45,55 第二フランジ領域
48,58 周縁
,g,g ギャップ
6 回路基板
60 基板本体
61,62,63,64 配線パターン
7 電源装置

Claims (9)

  1. 同一形状の二つの分割片を組合わせて閉磁路を形成する磁性コアであって、
    各分割片は、
    台座部と、
    前記台座部の一端側に突設され、コイルの巻回部が配置される一つの側脚部と、
    前記側脚部に並行するように前記台座部の中間部に突設され、前記側脚部よりも短い一つの中央脚片と、
    前記台座部の他端側に設けられ、他方の前記分割片の側脚部が連結される領域と、この連結領域から前記台座部の周縁に向かって延び、前記他方の分割片の側脚部の径方向外方に突出する第一フランジ領域とを備える磁性コア。
  2. 前記第一フランジ領域における最小突出量が前記側脚部の最大径の2%以上であり、最大突出量が前記側脚部の最大径の40%以下である請求項1に記載の磁性コア。
  3. 前記両分割片を組合わせた状態において、両中央脚片の隙間は、一方の前記分割片の側脚部と前記他方の分割片の台座部との隙間よりも大きい請求項1又は請求項2に記載の磁性コア。
  4. 前記両中央脚片の隙間は、前記側脚部と前記台座部との隙間の1.5倍以上50倍以下である請求項3に記載の磁性コア。
  5. 前記台座部の一端側に、この台座部に突設される前記側脚部の外周から径方向外方に突出する第二フランジ領域を備える請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の磁性コア。
  6. 前記両分割片を組合わせた状態において、前記両中央脚片の突出方向に沿った軸を中心として対称形状である請求項5に記載の磁性コア。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の磁性コアと、
    前記各分割片の側脚部の外周に配置される巻回部と、前記巻回部から延びる一対の引出部とを有するコイルとを備えるコイル部品。
  8. 請求項7に記載のコイル部品と、
    各コイルの引出部がそれぞれ接続される配線パターンとを備える回路基板。
  9. 請求項8に記載の回路基板を備える電源装置。
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