液体噴射装置の一例であるインクジェットプリンター(以下、プリンターと呼ぶ)を含む液体噴射システムを例に、実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、各図面において、それぞれの構成を認識可能な程度の大きさにするために、構成や部材の縮尺が異なっていることがある。
(第1実施形態)
本実施形態における液体噴射システム1は、図1に示すように、液体噴射装置の一例であるプリンター3と、液体供給装置の一例であるインク供給装置4と、スキャナーユニット5と、を有している。プリンター3は、筐体6を有している。筐体6が、プリンター3の外殻を構成している。また、液体噴射システム1では、インク供給装置4は、筐体6の内部に収容されている。インク供給装置4は、液体収容容器の一例であるタンク7を有している。タンク7には、複数(2又は2を超える数)の液体収容部8が設けられている。
本実施形態では、4つの液体収容部8が設けられている。以下において、4つの液体収容部8を個別に識別する場合に、4つの液体収容部8は、それぞれ、液体収容部8A、液体収容部8B、液体収容部8C、及び液体収容部8Dと表記される。
筐体6とスキャナーユニット5とが、液体噴射システム1の外殻を構成している。なお、液体噴射システム1としては、スキャナーユニット5を省略した構成も採用され得る。タンク7は、液体収容容器の一例である。液体噴射システム1は、液体の一例であるインクによって、記録用紙などの記録媒体Pに印刷を行うことができる。
ここで、図1には、相互に直交する座標軸であるXYZ軸が付されている。これ以降に示す図についても必要に応じてXYZ軸が付されている。この場合、各図におけるXYZ軸は、図1におけるXYZ軸に対応する。本実施形態では、X軸とY軸とによって規定される水平な平面(XY平面)に液体噴射システム1を配置した状態が、液体噴射システム1の使用状態である。XY平面に液体噴射システム1を配置したときの液体噴射システム1の姿勢を、液体噴射システム1の使用姿勢と呼ぶ。
以下において、液体噴射システム1の構成部品やユニットを示す図や説明にX軸、Y軸、及びZ軸が表記されている場合には、その構成部品やユニットを液体噴射システム1に組み込んだ(搭載した)状態でのX軸、Y軸、及びZ軸を意味する。また、液体噴射システム1の使用姿勢における各構成部品やユニットの姿勢を、それらの構成部品やユニットの使用姿勢と呼ぶ。そして、以下において、液体噴射システム1や、その構成部品、ユニット等の説明では、特にことわりがないときには、それぞれの使用姿勢での説明とする。
Z軸は、水平な平面に直交する軸である。液体噴射システム1の使用状態において、Z軸方向が鉛直上方向となる。そして、液体噴射システム1の使用状態では、図1において、−Z軸方向が鉛直下方向である。なお、XYZ軸のそれぞれにおいて、矢印の向きが+(正)の方向を示し、矢印の向きとは反対の向きが−(負)の方向を示している。
なお、上述した4つの液体収容部8は、Y軸に沿って並んでいる。このため、Y軸方向は、4つの液体収容部8が配列する方向であるとも定義され得る。そして、液体収容部8A、液体収容部8B、液体収容部8C、及び液体収容部8Dは、−Y軸方向からこの順で並んでいる。つまり、4つの液体収容部8のうち液体収容部8Aが最も−Y軸方向に位置している。液体収容部8Bは、液体収容部8AよりもY軸方向に位置している。液体収容部8Cは、液体収容部8BよりもY軸方向に位置している。液体収容部8Dは、液体収容部8CよりもY軸方向に位置している。
液体噴射システム1において、プリンター3とスキャナーユニット5とは、互いに重ねられている。プリンター3を使用する状態において、スキャナーユニット5は、プリンター3の鉛直上方に位置している。スキャナーユニット5は、フラットベッドタイプであり、イメージセンサーなどの撮像素子(図示せず)を有している。スキャナーユニット5は、用紙などの媒体に記録された画像などを、撮像素子を介して画像データとして読み取ることができる。このため、スキャナーユニット5は、画像などの読み取り装置として機能する。スキャナーユニット5は、プリンター3に対して回動可能に構成されている。スキャナーユニット5は、プリンター3の蓋としての機能も有している。作業者は、スキャナーユニット5をZ軸方向に持ち上げることによって、図2に示すように、スキャナーユニット5をプリンター3に対して回動させることができる。これにより、プリンター3の蓋として機能するスキャナーユニット5をプリンター3に対して開くことができる。
図1に示すように、プリンター3には、排紙部11が設けられている。プリンター3では、排紙部11から記録媒体Pが排出される。プリンター3において、排紙部11が設けられている面がプリンター3の正面13とされている。また、液体噴射システム1は、正面13に交差する上面15と、正面13及び上面15に交差する側部19とを有している。プリンター3において、インク供給装置4は、側部19側に設けられている。筐体6には、窓部21が設けられている。窓部21は、筐体6において、正面13に設けられている。
窓部21は、光透過性を有している。そして、窓部21に重なる位置に、タンク7が設けられている。このため、液体噴射システム1を使用する作業者は、窓部21を介してタンク7を視認することができる。本実施形態では、窓部21は、筐体6に形成された開口として設けられている。そして、開口として設けられた窓部21は、光透過性を有する部材22で塞がれている。このため、作業者は、開口である窓部21を介してタンク7を視認することができる。なお、窓部21を塞ぐ部材22を省略した構成も採用され得る。窓部21を塞ぐ部材22が省略されていても、作業者は、開口である窓部21を介してタンク7を視認することができる。
本実施形態では、タンク7の窓部21に対面する部位の少なくとも一部が光透過性を有している。タンク7の光透過性を有する部位から、タンク7の各液体収容部8内のインクが視認され得る。従って、作業者は、窓部21を介して4つの液体収容部8を視認することによって、各液体収容部8におけるインクの量を視認することができる。つまり、タンク7では、窓部21に対面する部位の少なくとも一部を、インクの量を視認可能な視認部として活用することができる。
筐体6は、カバー23を有している。カバー23は、筐体6に対して図中のR1方向に回動可能に構成されている。プリンター3において、カバー23は、正面13に設けられている。プリンター3をX軸方向に見たとき、プリンター3の正面13において、カバー23は、タンク7に重なる位置に設けられている。カバー23を筐体6に対して図中のR1方向に回動させると、カバー23が筐体6に対して開く。カバー23を筐体6に対して開くことによって、作業者は、筐体6の外側からタンク7の液体注入部(後述する)にアクセスすることができる。
また、筐体6は、図2に示すように、第1筐体24と、第2筐体25と、を含む。第1筐体24と第2筐体25とは、Z軸に沿って重ねられている。第1筐体24は、第2筐体25よりも−Z軸方向に位置している。第1筐体24と第2筐体25との間にはタンク7や機構ユニット(後述する)等が収容されている。つまり、タンク7や機構ユニットは、筐体6に覆われている。このため、タンク7や機構ユニットを筐体6で保護することができる。
液体噴射システム1からスキャナーユニット5と、第2筐体25とを取り外すと、図3に示すように、タンク7や機構ユニット26等が露呈する。また、筐体6内には、タンク7や機構ユニット26の他に、バッファーユニット27、廃液吸収ユニット28、電気配線基板29等も配置されている。バッファーユニット27は、タンク7に接続され、後述する大気導入部の一部を構成する。廃液吸収ユニット28は、機構ユニット26の記録部31から排出されたインクを吸収可能な吸収材を備えている。電気配線基板29には、液体噴射システム1の駆動を制御する制御回路や、電気部品、電子部品などが実装されている。電気配線基板29において、制御回路や、電気部品、電子部品などは、相互に電気的に配線されている。電気配線基板29は、液体噴射システム1の駆動を制御する制御部の機能を有している。
機構ユニット26は、記録部31を有している。また、機構ユニット26は、記録媒体Pを−X軸方向に搬送する搬送装置(図示せず)や、記録部31をX軸に沿って往復移動させる移動装置(図示せず)なども有している。記録部31は、移動装置によって、第1待機位置32Aと第2待機位置32Bとの間を、Y軸に沿って往復移動することができる。本実施形態では、第1待機位置32Aと第2待機位置32Bとの間が、記録部31の可動領域である。プリンター3において、記録部31は、筐体6に覆われている。これにより、記録部31を筐体6で保護することができる。
タンク7内のインクは、インク供給チューブ33を介して記録部31に供給される。記録部31には、液体噴射ヘッドの一例である記録ヘッド(図示せず)が設けられている。記録ヘッドには、記録媒体P側に向けられたノズル開口(図示せず)が形成されている。タンク7からインク供給チューブ33を介して記録部31に供給されたインクは、記録ヘッドに供給される。そして、記録部31に供給されたインクが、記録ヘッドのノズル開口から記録媒体Pに向けてインク滴として吐出される。なお、上記の例では、プリンター3とインク供給装置4とを個別の構成として説明したが、インク供給装置4をプリンター3の構成に含めることもできる。
第1待機位置32Aにおいて、記録部31の記録ヘッドに対面する箇所に、記録ヘッドの特性を維持するためのメンテナンス装置(図示せず)が設けられている。メンテナンス装置には、記録ヘッドからインクを吸引可能な吸引装置が含まれている。記録ヘッドから吸引装置で吸引されたインクは、廃液吸収ユニット28の吸収材に吸収保持される。廃液吸収ユニット28は、記録ヘッドから排出されたインクを廃液として保持する機能を有している。
上記の構成を有する液体噴射システム1では、記録媒体Pを−X軸方向に搬送させ、且つ記録部31をY軸に沿って往復移動させながら、記録部31の記録ヘッドに所定の位置でインク滴を吐出させることによって、記録媒体Pに記録が行われる。なお、本実施形態では、インク供給装置4のタンク7が複数(4つ)の液体収容部8を有している。しかしながら、液体収容部8の数量は4つに限定されず、3つや、3つを下回る数量、4つを超える数量も採用され得る。
ここで、X軸に沿う方向は、X軸と完全に平行な方向に限定されず、X軸に直交する方向を除いて、誤差や公差等により傾いた方向も含む。同様に、Y軸に沿う方向は、Y軸と完全に平行な方向に限定されず、Y軸に直交する方向を除いて、誤差や公差等により傾いた方向も含む。Z軸に沿う方向は、Z軸と完全に平行な方向に限定されず、Z軸に直交する方向を除いて、誤差や公差等により傾いた方向も含む。つまり、任意の軸や面に沿う方向は、これらの任意の軸や面に完全に平行な方向に限定されず、これらの任意の軸や面に直交する方向を除いて、誤差や公差等により傾いた方向も含む。
インクは、水性インクと油性インクのいずれか一方に限定されるものではない。また、水性インクとしては、水性溶媒に染料などの溶質が溶解した構成を有するもの、水性分散媒に顔料などの分散質が分散した構成を有するもののいずれでもよい。また、油性インクとしては、油性溶媒に染料などの溶質が溶解した構成を有するもの、油性分散媒に顔料などの分散質が分散した構成を有するもののいずれでもよい。
さらに、インクとして、昇華転写インクを用いることができる。昇華転写インクは、例えば昇華性染料のような昇華性の色材を含むインクである。印刷方法の一例として、昇華転写インクを液体噴射装置により転写媒体に噴射し、その転写媒体を被印刷物に接触させ加熱して色材を昇華させて被印刷物に転写させる方法が挙げられる。被印刷物はTシャツやスマートフォン等である。このように、昇華性の色材を含むインクであれば、多様な被印刷物(印刷媒体)に印刷を行うことができる。
タンク7には、図3に示すように、液体収容部8ごとに液体注入部34が設けられている。タンク7では、液体注入部34を介してタンク7の外部からタンク7の内部にインクを注入することができる。前述したように、図1に示す液体噴射システム1において、カバー23を筐体6に対して開くことによって、作業者は、筐体6の外側からタンク7の液体注入部34にアクセスすることができる。また、タンク7では、−X軸方向に向いている面が視認面35に設定されている。視認面35は、窓部21に対面している。作業者は、窓部21を介してタンク7の視認面35を視認することによって、各液体収容部8におけるインクの量を視認することができる。
本実施形態では、液体噴射システム1を印刷に使用する状態において、液体注入部34にキャップ(図示せず)が装着される。キャップは、タンク7に対して着脱可能に構成されている。作業者は、タンク7にインクを注入するとき、キャップを外して液体注入部34を開放してから、液体注入部34にインクを注入することができる。
なお、タンク7としては、図1に示すように、インクの収容量を視認可能な視認面35に、上限マーク36や、下限マーク37などが付加された構成も採用され得る。本実施形態では、上限マーク36や、下限マーク37が液体収容部8ごとに設けられている。作業者は、上限マーク36及び下限マーク37を目印にしてタンク7におけるインクの量を把握することができる。なお、上限マーク36は、液体注入部34からインクを注入したときに液体注入部34から溢れないようなインク量の目安を示すものである。また、下限マーク37は、インクの注入を促すときのインク量の目安を示すものである。上限マーク36及び下限マーク37の双方を設ける構成に限定されず、上限マーク36及び下限マーク37の一方だけをタンク7に設ける構成も採用され得る。
液体噴射システム1をZ軸方向から−Z軸方向に平面視したとき、機構ユニット26は、は、図4に示すように、タンク7、バッファーユニット27、廃液吸収ユニット28、及び電気配線基板29よりもX軸方向に配置されている。つまり、これらの構成のうち機構ユニット26が最もX軸方向に位置している。タンク7は、機構ユニット26よりも−X軸方向に配置されている。バッファーユニット27は、機構ユニット26よりも−X軸方向に配置され、且つタンク7よりもX軸方向に配置されている。
廃液吸収ユニット28は、機構ユニット26よりも−X軸方向に配置され、且つバッファーユニット27よりもX軸方向に配置されている。タンク7と、バッファーユニット27と、廃液吸収ユニット28とは、−X軸方向からこの順でX軸に沿って並んでいる。電気配線基板29は、機構ユニット26よりも−X軸方向に配置され、且つタンク7、バッファーユニット27、及び廃液吸収ユニット28よりも−Y軸方向に配置されている。電気配線基板29は、基板トレイ38に配置されている。基板トレイ38の−Z軸方向の領域が排紙部11(図3)の領域に設定されている。
ここで、図4に示すように、タンク7における液体注入部34のX軸方向における位置が、タンク7に対して片寄っている。つまり、タンク7では、液体注入部34がタンク7において片寄った位置に配置されている。そして、タンク7では、液体注入部34が位置する側が前面側であると定義される。この定義に基づき、タンク7では、図3に示すように、最も−X軸方向に位置する面が前面41とみなされる。そして、タンク7では、前面41側に視認面35が位置している。このため、タンク7では、視認面35が前面41に相当している。
本実施形態では、タンク7の前面41が−X軸方向を向いている。本実施形態における液体噴射システム1では、前面41側からタンク7の反対側に向かう方向がX軸方向と定義される。そして、タンク7の使用姿勢において鉛直上方向がZ軸方向と定義される。また、X軸方向及びZ軸方向の双方に直交する方向がY軸方向と定義される。X軸方向はX方向に対応し、Y軸方向はY方向に対応し、Z軸方向はZ方向に対応している。なお、本実施形態において、バッファーユニット27は、タンク7の前面41側とは反対側に配置されているとみなされ得る。また、本実施形態において、Y軸方向と−Y軸方向とが互いに入れ替わった構成も採用され得る。
タンク7やバッファーユニット27の種々の実施例について説明する。なお、以下においては、タンク7やバッファーユニット27を実施例ごとに識別するため、タンク7やバッファーユニット27の符号に、実施例ごとに異なるアルファベット文字や記号などを付記する。
(実施例1)
実施例1のタンク7Aは、図5に示すように、前面41と、斜面42と、上面43と、側面44と、側面45と、上面46と、を有している。前面41、斜面42、上面43、側面44、側面45、及び上面46は、それぞれ、タンク7Aにおいて、外方に向いている面である。前述したように、前面41は、視認面35に設定されている。また、タンク7Aは、図6に示すように、後面47と、側面48と、下面49と、を有している。後面47、側面48、及び下面49は、それぞれ、タンク7Aにおいて、外方に向いている面である。
図5に示すように、斜面42は、前面41のZ軸方向に位置している。前面41は、YZ平面に沿って延伸している。斜面42は、YZ平面及びXY平面の双方に交差している。斜面42は、X軸方向に向かうにつれてZ軸方向に上昇する向きに傾斜している。斜面42は、−Z軸方向の端部において、前面41に交差している。4つの液体注入部34は、斜面42に設けられている。
上面43は、斜面42のX軸方向に位置している。上面43は、XY平面に沿って延伸している。上面43は、Z軸方向に向いている。上面43は、−X軸方向の端部において、斜面42に交差している。斜面42は、Z軸方向の端部において上面43に交差している。このため、斜面42は、前面41と上面43との間に介在している。
側面44は、前面41、斜面42、上面43、側面45、及び上面46のY軸方向に位置している。側面44は、XZ平面に沿って延伸している。側面44は、Y軸方向に向いている。側面44は、前面41、斜面42、上面43、側面45、及び上面46に交差している。側面45は、上面43のX軸方向に位置している。側面45は、YZ平面に沿って延伸している。側面45は、−X軸方向に向いている。側面45は、−Z軸方向の端部において、上面43に交差している。
上面46は、側面45のZ軸方向に位置している。上面46は、XY平面に沿って延伸している。上面46は、Z軸方向に向いている。上面46は、−X軸方向の端部において、側面45に交差している。上記の構成により、側面45は、上面43と上面46との間に介在している。また、上面43は、斜面42と側面45との間に介在している。
図6に示すように、側面48は、−Y軸方向に向いている。側面48は、XZ平面に沿って延伸している。側面48は、側面44(図5)の反対側に位置している。側面48は、側面44(図5)の反対側において、前面41、斜面42、上面43、側面45、及び上面46に交差している。
図6に示すように、後面47は、X軸方向に向いている。後面47は、YZ平面に沿って延伸している。後面47は、前面41(図5)の反対側に位置している。このため、前面41と後面47とは、互いに反対面の関係を有している。後面47は、前面41(図5)の反対側において、側面44と上面46と側面48(図6)とに交差している。
下面49は、図6に示すように、−Z軸方向に向いている。下面49は、XY平面に沿って延伸している。下面49は、後面47、側面48、前面41(図5)、及び側面44の−Z軸方向に位置している。下面49は、後面47、側面48、前面41(図5)、及び側面44の−Z軸方向において、後面47、側面48、前面41(図5)、及び側面44に交差している。
また、タンク7Aは、図5に示すように、上面46のZ軸方向に、前面51と、側面52と、上面53と、を有している。前面51は、側面45よりもX軸方向に位置しており、YZ平面に沿って延伸している。前面51は、−X軸方向に向いている。前面51は、上面46に交差している。側面52は、側面44よりも−Y軸方向に位置しており、XZ平面に沿って延伸している。側面52は、Y軸方向に向いている。側面52は、上面46と前面51とに交差している。
上面53は、上面46よりもZ軸方向に位置しており、XY平面に沿って延伸している。上面53は、Z軸方向に向いている。上面53は、前面51と側面52とに交差している。また、上面53は、後面47(図6)と側面48とにも交差している。なお、前面41、斜面42、上面43、側面44、側面45、上面46、後面47、側面48、下面49、前面51、側面52、及び上面53において、互いに交差する2つの面の間に、他の平面や曲面などが介在していてもよい。
なお、XZ平面に沿って延伸する面は、XZ平面に完全に平行に延伸する面に限定されず、XZ平面に直交する面を除いて、誤差や公差等により傾いた面も含む。同様に、YZ平面に沿って延伸する面は、YZ平面に完全に平行に延伸する面に限定されず、YZ平面に直交する面を除いて、誤差や公差等により傾いた面も含む。XY平面に沿って延伸する面は、XY平面に完全に平行に延伸する面に限定されず、XY平面に直交する面を除いて、誤差や公差等により傾いた面も含む。また、前面41、斜面42、上面43、側面44、側面45、上面46、後面47、側面48、下面49、前面51、側面52、及び上面53は、それぞれ、平坦な面に限定されず、凹凸や段差等を含んでいてもよい。
また、2つの面が交差するとは、2つの面が互いに平行でない位置関係であることを示す。2つの面が互いに直接に接触している場合のほか、直接に接触しておらず互いに離れている位置関係でも、一方の面の延長と他方の面の延長とが交差する関係である場合も交差するという。交差する2つの面がなす角は、直角、鈍角、鋭角のいずれでもよい。
図5に示すように、タンク7Aの前面51には、4つの連通部54が設けられている。4つの連通部54は、前面51から−X軸方向に突出している。以下において、4つの連通部54を個別に識別する場合に、4つの連通部54は、それぞれ、連通部54A、連通部54B、連通部54C、及び連通部54Dと表記される。4つの連通部54は、Y軸に沿って並んでいる。4つの連通部54のうち連通部54Aが最も−Y軸方向に位置している。連通部54Bは、連通部54AよりもY軸方向に位置している。連通部54Cは、連通部54BよりもY軸方向に位置している。連通部54Dは、連通部54CよりもY軸方向に位置している。
4つの連通部54は、それぞれ、タンク7Aの内部に通じている。4つの連通部54は、それぞれ、タンク7Aの液体収容部8に通じている。タンク7Aでは、液体収容部8ごとに連通部54が設けられている。連通部54Aが液体収容部8Aに対応し、連通部54Bが液体収容部8Bに対応し、連通部54Cが液体収容部8Cに対応し、連通部54Dが液体収容部8Dに対応している。つまり、連通部54Aが液体収容部8Aに連通し、連通部54Bが液体収容部8Bに連通し、連通部54Cが液体収容部8Cに連通し、連通部54Dが液体収容部8Dに連通している。4つの連通部54は、それぞれ、液体収容部8への大気の導入部となる。本実施形態では、4つの連通部54は、それぞれ、バッファーユニット27に接続される接続部としての機能も有している。
また、図6に示すように、タンク7Aの下面49には、4つの液体供給部55が設けられている。4つの液体供給部55は、下面49から−Z軸方向に突出している。以下において、4つの液体供給部55を個別に識別する場合に、4つの液体供給部55は、それぞれ、液体供給部55A、液体供給部55B、液体供給部55C、及び液体供給部55Dと表記される。4つの液体供給部55は、Y軸に沿って並んでいる。4つの液体供給部55のうち液体供給部55Aが最も−Y軸方向に位置している。液体供給部55Bは、液体供給部55AよりもY軸方向に位置している。液体供給部55Cは、液体供給部55BよりもY軸方向に位置している。液体供給部55Dは、液体供給部55CよりもY軸方向に位置している。
4つの液体供給部55は、それぞれ、タンク7Aの内部に通じている。4つの液体供給部55は、それぞれ、タンク7Aの液体収容部8に通じている。タンク7Aでは、液体収容部8ごとに液体供給部55が設けられている。液体供給部55Aが液体収容部8Aに対応し、液体供給部55Bが液体収容部8Bに対応し、液体供給部55Cが液体収容部8Cに対応し、液体供給部55Dが液体収容部8Dに対応している。つまり、液体供給部55Aが液体収容部8Aに連通し、液体供給部55Bが液体収容部8Bに連通し、液体供給部55Cが液体収容部8Cに連通し、液体供給部55Dが液体収容部8Dに連通している。タンク7Aの液体収容部8に収容されたインクは、液体供給部55を介してインク供給チューブ33(図3)に供給される。
タンク7Aは、図7に示すように、タンク本体の一例であるケース61Aと、シート部材62と、4つの防水通気フィルム63と、シート部材64Aと、を有している。ケース61Aは、例えば、ナイロンやポリプロピレン等の合成樹脂により構成されている。また、シート部材62及びシート部材64Aは、それぞれ、合成樹脂(例えば、ナイロンや、ポリプロピレン等)によりフィルム状に形成され、可撓性を有する。本実施形態では、シート部材62のうちX軸方向に向いている面が、タンク7Aの後面47(図6)に相当している。また、シート部材64AのうちZ軸方向に向いている面が、タンク7Aの上面53(図5)に相当している。
タンク7Aにおいて、シート部材62は、ケース61AのX軸方向に位置している。シート部材64Aは、ケース61AのZ軸方向に位置している。4つの防水通気フィルム63は、シート部材64Aとケース61Aとの間に介在している。4つの防水通気フィルム63は、液体に対する防水性が高く、すなわち液体の浸透性が低く、通気性が高い材料で構成されており、フィルム状に形成されている。以下において、4つの防水通気フィルム63を個別に識別する場合に、4つの防水通気フィルム63は、それぞれ、防水通気フィルム63A、防水通気フィルム63B、防水通気フィルム63C、及び防水通気フィルム63Dと表記される。
4つの防水通気フィルム63は、Y軸に沿って並んでいる。4つの防水通気フィルム63のうち防水通気フィルム63Aが最も−Y軸方向に位置している。防水通気フィルム63Bは、防水通気フィルム63AよりもY軸方向に位置している。防水通気フィルム63Cは、防水通気フィルム63BよりもY軸方向に位置している。防水通気フィルム63Dは、防水通気フィルム63CよりもY軸方向に位置している。
タンク7Aでは、液体収容部8ごとに防水通気フィルム63が設けられている。防水通気フィルム63Aが液体収容部8Aに対応し、防水通気フィルム63Bが液体収容部8Bに対応し、防水通気フィルム63Cが液体収容部8Cに対応し、防水通気フィルム63Dが液体収容部8Dに対応している。
ケース61Aには、図8に示すように、4つの凹部65が形成されている。4つの凹部65は、それぞれ、−X軸方向に凹となる向きに形成されている。また、4つの凹部65は、それぞれ、X軸方向に向かって開口している。以下において、4つの凹部65を個別に識別する場合に、4つの凹部65は、それぞれ、凹部65A、凹部65B、凹部65C、及び凹部65Dと表記される。4つの凹部65は、Y軸に沿って並んでいる。4つの凹部65のうち凹部65Aが最も−Y軸方向に位置している。凹部65Bは、凹部65AよりもY軸方向に位置している。凹部65Cは、凹部65BよりもY軸方向に位置している。凹部65Dは、凹部65CよりもY軸方向に位置している。
また、ケース61Aには、接合部66が設けられている。図8では、構成をわかりやすく示すため、接合部66にハッチングが施されている。シート部材62(図7)は、接合部66に接合されている。本実施形態では、溶着によってケース61Aとシート部材62とが接合されている。ケース61Aにシート部材62が接合されると、4つの凹部65がシート部材62によって塞がれる。4つの凹部65とシート部材62とによって囲まれる空間が、液体収容部8を構成する。4つの凹部65のうち凹部65Aが液体収容部8Aを構成し、凹部65Bが液体収容部8Bを構成し、凹部65Cが液体収容部8Cを構成し、凹部65Dが液体収容部8Dを構成する。それぞれの液体収容部8にインクが収容される。
液体収容部8Aと液体収容部8Bとは、隔壁67Aによって互いに仕切られている。液体収容部8Bと液体収容部8Cとは、隔壁67Bによって互いに仕切られている。液体収容部8Cと液体収容部8Dとは、隔壁67Cによって互いに仕切られている。このため、4つの液体収容部8は、相互に仕切られている。これにより、4つの液体収容部8に、相互に異なる種類のインクを収容しても、液体収容部8間でインクが混入することが避けられる。なお、4つの凹部65のうち凹部65Dの容積は、他の凹部65の容積よりも大きい。このため、4つの液体収容部8のうち液体収容部8Dに収容可能なインクの量は、他の液体収容部8に収容可能なインクの量よりも多い。この構成は、例えば、使用頻度の高い種類のインクを液体収容部8Dに収容するのに好適である。使用頻度の高い種類のインクを他の種類のインクよりも多く収容することができるためである。
図8に示すように、ケース61Aは、壁71と、壁72と、壁73と、壁74と、壁75と、壁76と、壁77と、壁78と、壁79と、壁80と、壁81と、を有している。壁71は、YZ平面に沿って延伸している。なお、ケース61Aの壁71のうち−X軸方向の面、すなわち壁71の凹部65側とは反対側の面が、図7に示すタンク7Aの前面41に相当する。
図8に示すように、壁72は、壁71に交差している。壁72は、YZ平面及びXY平面の双方に対して傾斜している。壁72は、壁71からX軸方向且つZ軸方向に突出している。壁72は、壁71からX軸方向に向かうにつれてZ軸方向に上昇する向きに傾斜している。壁72は、−Z軸方向の端部において、壁71に交差している。なお、4つの液体注入部34は、壁72に設けられている。また、ケース61Aの壁72のうち凹部65側とは反対側の面が、図7に示すタンク7Aの斜面42に相当する。
図8に示すように、壁73は、XY平面に沿って延伸している。壁73は、壁72に交差している。壁73は、壁72のX軸方向に位置している。壁73は、XY平面に沿って延伸している。壁73は、−X軸方向の端部において、壁72に交差している。壁72は、Z軸方向の端部において壁73に交差している。このため、壁72は、壁71と壁73との間に介在している。ケース61Aの壁73のうち凹部65側とは反対側の面が、図7に示すタンク7Aの上面43に相当する。
図8に示すように、壁74は、壁71、壁72、壁73、壁75、壁76、及び壁78のY軸方向に位置している。壁74は、XZ平面に沿って延伸している。壁74は、壁71、壁72、壁73、壁75、壁76、及び壁78に交差している。壁71、壁72、壁73、壁75、壁76、及び壁78は、壁74から−Y軸方向に突出している。壁74のうち凹部65側とは反対側の面が、図7に示すタンク7Aの側面44に相当する。
図8に示すように、壁75は、壁73のX軸方向に位置している。壁75は、YZ平面に沿って延伸している。壁75は、−Z軸方向の端部において、壁73に交差している。壁75は、壁73からZ軸方向に突出している。壁75のうち凹部65側とは反対側の面が、図7に示すタンク7Aの側面45に相当する。
図8に示すように、壁76は、壁75のZ軸方向に位置している。壁76は、XY平面に沿って延伸している。壁76は、−X軸方向の端部において、壁75に交差している。壁76は、壁75からX軸方向に突出している。上記の構成により、壁75は、壁73と壁76との間に介在している。また、壁73は、壁72と壁75との間に介在している。壁76のうち凹部65側とは反対側の面が、図7に示すタンク7Aの上面46に相当する。
図8に示すように、壁77は、壁71、壁72、壁73、壁75、壁76、及び壁78の−Y軸方向に位置している。壁77は、壁71、壁72、壁73、壁75、壁76、及び壁78を挟んで壁74に対向している。壁77は、XZ平面に沿って延伸している。壁77は、壁71、壁72、壁73、壁75、壁76、及び壁78に交差している。壁71、壁72、壁73、壁75、壁76、及び壁78は、壁77からY軸方向に突出している。壁77のうち凹部65側とは反対側の面が、図6に示すタンク7Aの側面48に相当する。
図8に示すように、
壁78は、壁71、壁74、及び壁77の−Z軸方向に位置している。壁78は、XY平面に沿って延伸している。壁78は、壁71、壁74、及び壁77に交差している。ケース61Aを−X軸方向に平面視したときに、壁78は、壁71、壁72、壁73、及び壁75を挟んで壁76に対向している。壁71、壁74、及び壁77は、壁78からZ軸方向に突出している。壁78のうち凹部65側とは反対側の面が、図6に示すタンク7Aの下面49に相当する。
図8に示すように、壁79は、YZ平面に沿って延伸している。壁79は、壁76に交差している。壁79は、壁76からZ軸方向に突出している。壁79は、壁75よりもZ軸方向に位置している。壁79は、−Z軸方向の端部において、壁76に交差している。また、壁79は、−Y軸方向の端部において、壁77に交差している。壁79のうち凹部65側とは反対側の面が、図7に示すタンク7Aの前面51に相当する。
図8に示すように、壁80は、XZ平面に沿って延伸している。壁80は、壁76と壁79とに交差している。壁80は、壁76からZ軸方向に突出している。壁80は、壁74よりも−Y軸方向に位置し、且つ壁77よりもY軸方向に位置している。壁80は、壁74よりもZ軸方向に突出している。壁80は、壁79を挟んで壁77に対向している。壁80のうち凹部65側とは反対側の面が、図7に示すタンク7Aの側面52に相当する。
図8に示すように、壁81は、XY平面に沿って延伸している。壁81は、壁79と壁80と壁77とに交差している。壁81は、壁79からX軸方向に突出している。壁81は、壁76よりもZ軸方向に位置している。ケース61Aを−X軸方向に平面視したときに、壁81は、壁71、壁72、壁73、壁75、壁76、及び壁79を挟んで壁78に対向している。壁81の凹部65側とは反対側に、図7に示すタンク7Aのシート部材64Aが配置されている。
上記の構成により、ケース61Aを−X軸方向に平面視したときに、壁74、壁76、壁80、壁81、隔壁67C、及び壁78が、壁71、壁72、壁73、壁75、及び壁79を囲んでいる。これにより、壁71、壁72、壁73、壁75、及び壁79を底とする凹部65Dが構成されている。
また、隔壁67C、壁76、壁81、隔壁67B、及び壁78が、壁71、壁72、壁73、壁75、及び壁79を囲んでいる。これにより、壁71、壁72、壁73、壁75、及び壁79を底とする凹部65Cが構成されている。
また、隔壁67B、壁76、壁81、隔壁67A、及び壁78が、壁71、壁72、壁73、壁75、及び壁79を囲んでいる。これにより、壁71、壁72、壁73、壁75、及び壁79を底とする凹部65Bが構成されている。
また、隔壁67A、壁76、壁81、壁77、及び壁78が、壁71、壁72、壁73、壁75、及び壁79を囲んでいる。これにより、壁71、壁72、壁73、壁75、及び壁79を底とする凹部65Aが構成されている。なお、壁71〜壁81は、それぞれ平坦な壁に限られず、凹凸や段差等を含むものであってもよい。
また、ケース61Aにおいて、壁72と壁78との間には、バッフル壁83が設けられている。バッフル壁83は、凹部65ごとに設けられている。以下において、バッフル壁83を個別に識別する場合に、4つのバッフル壁83は、それぞれ、バッフル壁83A、バッフル壁83B、バッフル壁83C、及びバッフル壁83Dと表記される。バッフル壁83は、XY平面に沿って延伸している。4つのバッフル壁83は、それぞれ、壁71からX軸方向に突出している。4つのバッフル壁83には、それぞれ、X軸方向の端部に切欠き部84が形成されている。バッフル壁83における切欠き部84は、それぞれ、バッフル壁83のX軸方向における端部から−X軸方向に凹となる向き、すなわちバッフル壁83のX軸方向における端部から壁71側に向かって凹となる向きに形成されている。
バッフル壁83Aは、壁71と壁77と隔壁67Aとに交差している。バッフル壁83Bは、壁71と隔壁67Bと隔壁67Aとに交差している。バッフル壁83Cは、壁71と隔壁67Cと隔壁67Bとに交差している。バッフル壁83Dは、壁71と隔壁67Cと壁74とに交差している。バッフル壁83は、液体注入部34から凹部65内に注入されたインクの落下による衝撃を緩和する機能を有している。バッフル壁83によって、液体注入部34から凹部65内にインクが注入されたときにインクが泡立つことを抑えやすい。
ケース61Aにおいて、壁81の凹部65側とは反対側、すなわち壁81のZ軸方向には、図9に示すように、4つの凹部85が形成されている。4つの凹部85は、それぞれ、−Z軸方向に凹となる向きに形成されている。また、4つの凹部85は、それぞれ、Z軸方向に向かって開口している。以下において、4つの凹部85を個別に識別する場合に、4つの凹部85は、それぞれ、凹部85A、凹部85B、凹部85C、及び凹部85Dと表記される。
4つの凹部85は、Y軸に沿って並んでいる。4つの凹部85のうち凹部85Aが最も−Y軸方向に位置している。凹部85Bは、凹部85AよりもY軸方向に位置している。凹部85Cは、凹部85BよりもY軸方向に位置している。凹部85Dは、凹部85CよりもY軸方向に位置している。4つの凹部85は、それぞれ、4つの凹部65のそれぞれに対応している。凹部85Aが凹部65Aに対応して設けられている。また、凹部85Bが凹部65Bに対応して設けられ、凹部85Cが凹部65Cに対応して設けられ、凹部85Dが凹部65Dに対応して設けられている。
図9中のA部の拡大図である図10に示すように、壁81には、隔壁86と、隔壁87Aと、隔壁87Bと、隔壁87Cとが、設けられている。隔壁86と、隔壁87Aと、隔壁87Bと、隔壁87Cとは、壁81のZ軸方向に設けられている。隔壁86と、隔壁87Aと、隔壁87Bと、隔壁87Cとは、壁81からZ軸方向に突出している。隔壁86は、Y軸に沿って延在している。隔壁87Aと、隔壁87Bと、隔壁87Cとは、X軸に沿って延在している。隔壁87Aと、隔壁87Bと、隔壁87Cとは、それぞれ、X軸方向の端部において隔壁86に交差している。また、隔壁87Aと、隔壁87Bと、隔壁87Cとは、−X軸方向の端部において壁79に交差している。また、壁77及び壁80も、X軸方向の端部において隔壁86に交差している。
上記の構成により、ケース61Aを−Z軸方向に平面視したときに、壁77、壁79、隔壁86、及び隔壁87Aが、壁81を囲んでいる。これにより、壁81を底とする凹部85Aが構成されている。また、壁79、隔壁86、隔壁87A、及び隔壁87Bが、壁81を囲んでいる。これにより、壁81を底とする凹部85Bが構成されている。また、壁79、隔壁86、隔壁87B、及び隔壁87Cが、壁81を囲んでいる。これにより、壁81を底とする凹部85Cが構成されている。また、壁79、隔壁86、隔壁87C、及び壁80が、壁81を囲んでいる。これにより、壁81を底とする凹部85Dが構成されている。
凹部85Aと凹部85Bとは、隔壁87Aによって互いに仕切られている。凹部85Bと凹部85Cとは、隔壁87Bによって互いに仕切られている。凹部85Cと凹部85Dとは、隔壁87Cによって互いに仕切られている。壁77、壁79、壁80、隔壁86、隔壁87A、隔壁87B、及び隔壁87CのZ軸方向の端部は、接合部88として設定されている。
シート部材64A(図7)は、接合部88に接合されている。本実施形態では、溶着によってケース61Aとシート部材64Aとが接合されている。ケース61Aにシート部材64Aが接合されると、4つの凹部85(図10)がシート部材64Aによって塞がれる。4つの凹部85とシート部材64Aとによって囲まれる空間が、大気導入路91を構成する。本実施形態では、4つの凹部85があるので、4つの大気導入路91が構成される。以下において、4つの大気導入路91を個別に識別する場合に、4つの大気導入路91は、それぞれ、大気導入路91A、大気導入路91B、大気導入路91C、及び大気導入路91Dと表記される。大気導入路91Aは、凹部85Aに対応している。また、大気導入路91Bが凹部85Bに対応し、大気導入路91Cが凹部85Cに対応し、大気導入路91Dが凹部85Dに対応している。
ここで、図10に示すように、壁81には、貫通孔92が形成されている。貫通孔92は、凹部85ごとに、凹部85内に形成されている。以下において、4つの貫通孔92を個別に識別する場合に、4つの貫通孔92は、それぞれ、貫通孔92A、貫通孔92B、貫通孔92C、及び貫通孔92Dと表記される。貫通孔92Aが凹部85Aに対応し、貫通孔92Bが凹部85Bに対応し、貫通孔92Cが凹部85Cに対応し、貫通孔92Dが凹部85Dに対応している。貫通孔92は、壁81をZ軸に沿って貫通している。このため、凹部65と凹部85とが、貫通孔92を介して通じている。
壁81のZ軸方向において、貫通孔92の周囲に接合部93が設けられている。ケース61Aを−Z軸方向に平面視したときに、接合部93は、貫通孔92を囲んでいる。接合部93には、防水通気フィルム63(図7)が接合されている。本実施形態では、溶着によって接合部93と防水通気フィルム63とが接合されている。防水通気フィルム63は、貫通孔92を覆う大きさ及び形状を有している。このため、接合部93に防水通気フィルム63が接合されると、貫通孔92(図10)が防水通気フィルム63によってZ軸方向から塞がれる。これにより、液体収容部8内のインクが貫通孔92を介して大気導入路91に流出することを抑えることができる。
ここで、図10に示すように、連通部54は、壁79をX軸に沿って貫通しており、凹部85内に通じている。このため、タンク7Aにおいて、液体収容部8は、大気導入路91と連通部54とを介してタンク7Aの外に通じる。これにより、タンク7Aでは、連通部54及び大気導入路91を介して液体収容部8内にタンク7A外の大気を導入可能に構成されている。なお、大気導入路91において、貫通孔92と連通部54との間には、貫通孔92と連通部54との間の経路を蛇行させる壁が設けられている。これにより、貫通孔92から連通部54に向かうとき、貫通孔92から蛇行した経路を経て連通部54に至る。蛇行した経路により、液体収容部8内のインクの液体成分が蒸発することを妨げやすい。
(実施例2)
実施例2のバッファーユニット27Aは、図11に示すように、ケース101Aと、シート部材102と、を有している。ケース101Aは、例えば、ナイロンやポリプロピレン等の合成樹脂により構成されている。また、シート部材102は、合成樹脂(例えば、ナイロンや、ポリプロピレン等)によりフィルム状に形成され、可撓性を有する。バッファーユニット27Aにおいて、シート部材102は、ケース101AのX軸方向に位置している。
ケース101Aには、図12に示すように、凹部103が形成されている。凹部103は、−X軸方向に凹となる向きに形成されている。また、凹部103は、X軸方向に向かって開口している。また、ケース101Aには、接合部104が設けられている。図12では、構成をわかりやすく示すため、接合部104にハッチングが施されている。シート部材102(図11)は、接合部104に接合されている。本実施形態では、溶着によってケース101Aとシート部材102とが接合されている。
ケース101Aにシート部材102が接合されると、凹部103がシート部材102によって塞がれる。凹部103とシート部材102とによって囲まれる空間は、バッファー室105を構成する。バッファー室105は、タンク7A内のインクが大気導入路91(図10)を介してタンク7Aの外に漏れ出たときに、タンク7Aの外に漏れ出たインクを貯留する機能を有している。
図12に示すように、ケース101Aは、壁111と、壁112と、壁113と、壁114と、壁115と、を有している。壁111は、YZ平面に沿って延伸している。壁112及び壁113は、それぞれ、XY平面に沿って延伸している。壁111を−X軸方向に平面視したとき、壁112と壁113とは、Z軸に沿って壁111を挟んで互いに対向している。壁112は、壁113よりもZ軸方向に位置している。
壁114及び壁115は、それぞれ、XZ平面に沿って延伸している。壁111を−X軸方向に平面視したとき、壁114と壁115とは、Y軸に沿って壁111を挟んで互いに対向している。壁114は、壁115よりも−Y軸方向に位置している。壁112〜壁115は、壁111のX軸方向に位置しており、壁111からX軸方向に突出している。壁112及び壁113は、それぞれ、壁114及び壁115に交差している。壁112及び壁113は、それぞれ、−Y軸方向の端部において壁114に交差している。また、壁112及び壁113は、それぞれ、Y軸方向の端部において壁115に交差している。つまり、壁111を−X軸方向に平面視したとき、壁112〜壁115は、壁111を囲んでいる。上記の構成により、壁111を底とする凹部103が構成されている。
ケース101Aには、壁112と壁113との間に区画壁116が設けられている。区画壁116は、XY平面に沿って延伸している。区画壁116は、壁112及び壁113に対向している。区画壁116は、壁113よりもZ軸方向に位置し、壁112よりも−Z軸方向に位置している。区画壁116は、壁111のX軸方向に設けられており、壁111からX軸方向に突出している。区画壁116の−Y軸方向の端部は、壁114に交差している。また、区画壁116のY軸方向の端部は、壁115に交差している。
区画壁116のうち、壁115に交差する部分には、切欠き部117が形成されている。切欠き部117は、区画壁116のX軸方向の端部に形成されており、X軸方向から−X軸方向に向かって凹となる向きに形成されている。本実施例では、切欠き部117の構成として、区画壁116をX軸に沿って部分的に切り欠いた構成が採用されている。しかしながら、切欠き部117の構成としては、区画壁116をX軸に沿って壁111に達する領域にわたって切り欠いた構成も採用され得る。
図12に示すように、ケース101Aには、張り出し部118が設けられている。張り出し部118は、壁113から−Z軸方向に張り出した張り出し部118Aと、壁115からY軸方向に張り出した張り出し部118Bと、を含む。張り出し部118Aは、壁113の−Z軸方向に設けられており、壁113から−Z軸方向に突出している。張り出し部118Bは、壁115のY軸方向に設けられており、壁115からY軸方向に突出している。
張り出し部118には、溝119が形成されている。溝119は、−X軸方向に凹となる向きに形成されている。溝119は、壁113に形成されている切欠き部121を介して凹部103に通じている。切欠き部121は、壁113のX軸方向の端部に形成されており、−X軸方向に凹となる向きに形成されている。切欠き部121は、壁113のうち−Y軸方向の端部、すなわち壁114との交差部に形成されている。
張り出し部118Aにおいて、溝119は、切欠き部121を起点として、Y軸方向に延在し、壁115に交差する箇所で−Y軸方向に折り返し、壁114に交差する箇所でさらにY軸方向に折り返してから張り出し部118Bに達している。このように、溝119は、張り出し部118Aにおいて蛇行している。張り出し部118Bに達した溝119は、張り出し部118Bに達した箇所でZ軸方向に屈曲する。張り出し部118Bにおいて、溝119は、Z軸方向に延在し、壁112に交差する箇所に達している。なお、壁111を−X軸方向に平面視したとき、張り出し部118の周囲にも接合部104が設けられている。
シート部材102は、図13に示すように、壁111を−X軸方向に平面視したとき、凹部103、及び張り出し部118を覆う大きさと形状とを有している。シート部材102は、接合部104に溶着されている。これにより、凹部103、及び溝119が、シート部材102によって封止される。このため、シート部材102は、ケース101Aに対する蓋であるともみなされ得る。凹部103、及び溝119が、シート部材102によって封止されると、バッファー室105と、連通路122とが形成される。凹部103とシート部材102とによって囲まれる空間がバッファー室105を構成し、溝119とシート部材102とによって囲まれる空間が連通路122を構成している。なお、図13では、シート部材102側からバッファーユニット27Aを見た状態が示されており、構成をわかりやすく示すため、シート部材102越しにケース101Aが図示されている。
また、バッファーユニット27Aには、大気開放部123と、接続連通部124とが設けられている。本実施例では、4つの接続連通部124が設けられている。大気開放部123は、ケース101Aの壁112に設けられている。大気開放部123は、壁112のZ軸方向に設けられており、壁112からZ軸方向に突出している。4つの接続連通部124は、ケース101Aの張り出し部118Bに設けられている。4つの接続連通部124は、張り出し部118BのY軸方向に設けられており、張り出し部118BからY軸方向に突出している。
大気開放部123は、バッファー室105内に通じている。大気開放部123を介してバッファー室105内に大気を導入可能になっている。4つの接続連通部124は、連通路122内に通じている。4つの接続連通部124のそれぞれを介して連通路122内に大気を導入可能になっている。上記により、バッファーユニット27Aは、大気開放部123を介してバッファー室105内に導入された大気を、連通路122を介して4つの接続連通部124のそれぞれからバッファーユニット27Aの外に導出可能に構成されている。
大気開放部123は、大気開放部123と接続連通部124とを示す断面図である図14に示すように、大気開放口125と、導入口126と、を有している。大気開放口125は、ケース101Aの外側に向いて開口する開口部である。導入口126は、凹部103の内側に向いて開口する開口部である。また、導入口126は、バッファー室105の内壁と大気開放部123とが交差する交差部に形成された開口であるともみなされ得る。換言すれば、導入口126は、大気開放部123がバッファー室105に接続する箇所である。
ケース101Aの外側の大気は、大気開放部123の入り口となる大気開放口125から大気開放部123内に入る。大気開放部123内に入った大気は、大気開放部123によって凹部103(バッファー室105)側に向かって導かれ、大気開放部123の出口となる導入口126から凹部103内に向かって出る。なお、図14では、構成をわかりやすく示すため、大気開放部123を通るYZ平面と、4つの接続連通部124を通るYZ平面とでケース101Aを切断したときの断面が示されている。
本実施例では、大気開放部123が壁112からケース101Aの外側に向かって突出する形態が採用されている。しかしながら、大気開放部123の形態は、これに限定されない。大気開放部123としては、壁112から突出しない、すなわち壁112よりも−Z軸方向に収められた形態も採用され得る。この場合、大気開放部123が壁112の厚み内に抑えられる形態や、壁112から凹部103内に突出する形態などが挙げられる。例えば、壁112に、ケース101Aの外側から凹部103内に貫通する孔を設けることによって、大気開放部123を壁112の厚みと同等にすることができる。大気開放部123が壁112の厚みと同等である形態では、壁112の凹部103側とは反対側の面に大気開放口125が開口し、壁112の凹部103側の面に導入口126が開口する。
また、大気開放部123としては、大気開放部123にチューブや管などを接続することによって、大気開放部123にチューブや管などを付加した構成も採用され得る。さらに、他の部品やユニットを付加して、他の部品やユニットを介して大気開放部123を大気開放する構成も採用され得る。
接続連通部124は、図14に示すように、連通口127と、開放口128と、を有している。連通口127は、連通路122(溝119)の内側に向いて開口する開口部である。また、連通口127は、連通路122(溝119)の内壁と接続連通部124とが交差する交差部に形成された開口であるともみなされ得る。換言すれば、連通口127は、接続連通部124が連通路122に接続する箇所である。開放口128は、ケース101Aの外側に向いて開口する開口部である。なお、接続連通部124において、張り出し部118Bから突出している部分は、接続部129と呼ばれる。接続部129は、接続連通部124を囲む側壁でもある。接続連通部124は、接続部129をY軸に沿って貫通し、連通路122(溝119)に通じている。
上記の構成を有するバッファーユニット27Aは、図15に示すように、4つのチューブ131を介してタンク7Aに接続されている。タンク7Aにバッファーユニット27Aを接続した構成は、液体供給ユニット132Aと呼ばれる。なお、バッファーユニット27Aは、タンク7Aから分離可能に構成されている。本実施例では、液体供給ユニット132Aにおいて、タンク7Aとバッファーユニット27Aとがチューブ131を介して互いに接続されている。液体供給ユニット132Aにおいて、チューブ131の一端は、タンク7Aの連通部54(図7)に接続されている。また、液体供給ユニット132Aにおいて、チューブ131の他端は、接続部129(図14)に接続されている。
本実施例では、前面51(図7)から−X軸方向に突出する連通部54に、チューブ131の一端が挿入されている。また、チューブ131の他端は、張り出し部118Bから突出する接続部129に挿入されている。これにより、本実施例では、チューブ131の一端がタンク7Aの連通部54(図7)に接続され、チューブ131の他端が接続部129(図14)に接続されている。
本実施例では、1つの連通部54(図7)が1つのチューブ131を介して1つの接続部129(図14)に接続されている。なお、1つのチューブ131を介して接続される連通部54と接続部129との組み合わせは、限定されない。4つの連通部54のいずれが、4つの接続部129のいずれに接続されるかは限定されず、任意で構わない。このため、連通部54と接続部129との接続の組み合わせを注意することなく液体供給ユニット132Aを組み立てることができるので、液体供給ユニット132Aの組み立てを容易に行うことができる。
液体供給ユニット132Aでは、図15に示すように、バッファーユニット27Aと、チューブ131と、タンク7Aに設けられた大気導入路91(図10)とを含む大気導入部135Aが構成される。本実施例では、大気導入部135Aは、バッファーユニット27Aと、チューブ131と、タンク7Aに設けられた大気導入路91(図10)とを含む。このため、バッファーユニット27Aは、大気導入部135Aの少なくとも一部を構成している。
なお、液体供給ユニット132Aにおいて、タンク7Aの大気導入路91を省略した構成も採用することができる。この構成では、バッファーユニット27Aがチューブ131を介してタンク7Aの液体収容部8に接続される。さらに、液体供給ユニット132Aにおいて、タンク7Aの大気導入路91とチューブ131とを省略した構成も採用することができる。この構成では、バッファーユニット27Aがタンク7Aの液体収容部8に直接に接続される。この構成では、バッファーユニット27Aが大気導入部135Aを構成する。
大気開放口125から液体供給部55に至る流路(経路ともいう)について、模式図を参照しながら説明する。ここでは、理解を容易にするために、大気開放口125から液体供給部55に至る流路を模式的に説明する。なお、大気開放口125から液体供給部55に向かう向きを、流体が流れる向きとする。そして、この向きが「上流」、「下流」の基準とされる。大気開放口125から液体供給部55に至る流路140Aは、図16に示すように、大気導入部135Aと、液体収容部8と、液体供給部55と、を含む。
大気導入部135Aは、大気開放部123と、バッファー室105と、連通路122と、接続連通部124と、チューブ131と、連通部54と、大気導入路91と、貫通孔92と、を含む。ここで、バッファーユニット27Aの大気開放部123、バッファー室105、連通路122、接続連通部124は、導入路141Aを構成している。つまり、本実施例では、バッファーユニット27Aが導入路141Aを有している。また、大気室の一例であるバッファー室105は、導入路141Aの少なくとも一部を構成している。このため、バッファーユニット27Aは、導入路141Aの少なくとも一部を構成するバッファー室105を有している。
バッファー室105は、大気開放部123の下流側に設けられている。バッファー室105は、バッファーユニット27Aのケース101Aの凹部103(図12)とシート部材102とによって囲まれる領域である。連通路122は、図16に示すように、バッファー室105の下流側に設けられている。連通路122は、バッファーユニット27Aのケース101Aの溝119(図12)とシート部材102とによって囲まれる領域である。接続連通部124は、連通路122の下流側に設けられている。
チューブ131は、接続連通部124の下流側に設けられている。チューブ131の下流側には、タンク7Aが設けられている。タンク7Aの連通部54は、チューブ131の下流側に設けられている。大気導入路91は、連通部54の下流側に設けられている。大気導入路91は、タンク7Aのケース61Aの凹部85(図10)とシート部材64A(図7)とによって囲まれる領域である。
液体収容部8は、大気導入路91の下流側に設けられている。液体収容部8と大気導入路91とは、貫通孔92を介して通じている。貫通孔92の大気導入路91側には、防水通気フィルム63が設けられている。防水通気フィルム63は、大気導入路91側から貫通孔92を覆っている。液体収容部8の下流側に液体供給部55が設けられている。本実施例では、大気開放口125から液体供給部55までの流路140Aが、上記の構成を有している。
液体収容部8内のインクが液体供給部55を介して記録部31(図3)に供給されると、液体収容部8内のインクの量が減少する。液体収容部8内のインクの量が減少すると、液体収容部8内の圧力が大気圧よりも低くなりやすい。本実施例では、液体収容部8に、大気開放口125から貫通孔92までの大気導入部135Aが連通している。このため、液体収容部8内のインクの量が減少して液体収容部8内の圧力が大気圧よりも低くなると、大気導入部135Aを介して液体収容部8内に大気が導入され得る。この結果、液体収容部8内の圧力が大気圧に維持されやすい。
このとき、液体収容部8内に導入される大気は、大気開放口125から大気開放部123を介してバッファー室105内に流入する。バッファー室105内に流入した大気は、切欠き部121から連通路122内に流入し、連通口127から接続連通部124を通って開放口128からバッファーユニット27Aの外に流出する。開放口128からバッファーユニット27Aの外に流出した大気は、チューブ131を介して連通部54からタンク7Aの大気導入路91内に流入する。タンク7Aの大気導入路91内に流入した大気は、防水通気フィルム63を通って貫通孔92から液体収容部8内に流入する。
本実施例では、タンク7Aの液体収容部8内に大気を導入可能な大気導入部135Aの少なくとも一部を構成するバッファーユニット27Aが設けられている。通気ユニットの一例であるバッファーユニット27Aは、大気の経路の少なくとも一部を構成する導入路141Aと、導入路141Aの少なくとも一部を構成するバッファー室105と、を有している。この構成により、液体収容部8内のインクが大気導入部135Aに進入しても、バッファーユニット27Aのバッファー室105でインクの進行を留めやすい。これにより、液体収容部8内のインクが大気導入部135Aを介してタンク7Aの外に漏出することを防ぎやすい。
また、本実施例では、バッファーユニット27Aは、タンク7Aから分離可能に構成されている。つまり、タンク7Aとバッファーユニット27Aとが互いに別体に構成されている。この構成により、タンク7Aに大気導入部135Aを付加したり、大気導入部135Aを拡張したりすることができる。これにより、タンク7Aからインクが漏出することを一層防ぎやすい。これにより、液体噴射システム1の種々の型式(モデル、機種等ともいう)において、液体供給ユニット132A(図15)の構成を変えることができる。この結果、液体噴射システム1の設計の自由度を向上させやすい。
また、本実施例では、バッファーユニット27Aがタンク7Aから分離可能に構成されているので、タンク7Aに対するバッファーユニット27Aの位置を変更しやすい。これにより、液体噴射システム1の種々の型式において、タンク7Aに対するバッファーユニット27Aの位置を変えることができる。この結果、液体噴射システム1の設計の自由度を向上させやすい。
また、本実施例では、バッファー室105内に区画壁116(図13)が設けられている。区画壁116は、連通路122と大気開放部123との間に設けられており、連通路122と大気開放部123との間を仕切っている。これにより、例えば、液体収容部8内のインクが接続連通部124を介して連通路122内に流入したときに、連通路122内のインクが大気開放部123に到達することを低く抑えることができる。これにより、タンク7Aからインクが漏出することを一層防ぎやすい。
また、本実施例では、タンク7Aが複数の液体収容部8を有し、バッファーユニット27Aが複数の接続連通部124を有している。バッファーユニット27Aに対して複数の接続連通部124が一体に設けられている。そして、1つの接続連通部124が1つの液体収容部8に対応している。この構成により、複数の液体収容部8の大気導入路91をまとめて1つのバッファーユニット27Aに接続することができる。
また、本実施例では、バッファーユニット27Aにおいて、複数の接続連通部124が共通の導入路141Aに通じている。これにより、複数の液体収容部8の大気導入路91を1つのバッファーユニット27Aにおける共通の導入路141Aに連通させることができる。この構成によれば、導入路141Aを1つにすることができるので、液体収容部8ごとに導入路141Aを設ける場合に比較して、省スペース化が図られる。
また、本実施例では、タンク7Aとバッファーユニット27Aとがチューブ131を介して接続されている。この構成によれば、チューブ131の長さや配置の設定に応じて、タンク7Aに対するバッファーユニット27Aの位置の設定を変更しやすい。この結果、液体噴射システム1の設計の自由度を向上させやすい。
(実施例3)
実施例3のバッファーユニット27Bは、図17に示すように、ケース101Bと、シート部材102と、防水通気フィルム147と、シート部材148と、を有している。実施例3のバッファーユニット27Bは、実施例2のバッファーユニット27Aにおけるケース101Aがケース101Bに置換され、防水通気フィルム147と、シート部材148とが付加された構成を有している。この点を除いて実施例3のバッファーユニット27Bは、実施例2のバッファーユニット27Aと同様の構成を有している。このため、実施例3において、実施例2と同様の構成については、実施例2と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
ケース101Bには、凹部149と、連通孔151とが形成されている。また、ケース101Bでは、大気開放部123は、図18に示すように、壁112を貫通して凹部149内に通じている。これらの点を除いてケース101Bは、実施例2におけるケース101Aと同様の構成を有している。
ケース101Bにおいて、凹部149は、壁111に形成されている。凹部149は、壁111からX軸方向に凹となる向きに形成されている。連通孔151は、凹部149内に形成されており、凹部149の底部152をX軸に沿って貫通している。連通孔151は、図19に示すように、ケース101Bの凹部103内に貫通している。なお、凹部103内において、凹部149に重なる領域は、壁111からX軸方向に突出している。これにより、図18に示すように、壁111のX軸方向に凹部149を形成することが可能となっている。
防水通気部材の一例である防水通気フィルム147は、防水通気フィルム63と同様の機能を有しており、防水通気フィルム63と同様の材料で構成され得る。防水通気フィルム147は、図17に示すように、凹部149内に収容可能な大きさ及び形状を有している。また、防水通気フィルム147は、連通孔151を覆うことが可能な大きさ及び形状を有している。防水通気フィルム147は、凹部149内において、連通孔151を−X軸方向から覆っている。これにより、連通孔151が、−X軸方向から防水通気フィルム147によって塞がれている。
シート部材148は、シート部材102と同様の材料で構成されている。シート部材148は、壁111の−X軸方向に位置しており、凹部149を覆う大きさ及び形状を有している。シート部材148は、壁111に接合されており、凹部149を−X軸方向から覆っている。これにより、凹部149が、−X軸方向からシート部材148によって塞がれている。凹部149がシート部材148によって塞がれると、凹部149とシート部材148とによって囲まれた領域がバッファー室153として構成される。
実施例3のバッファーユニット27Bも、実施例2のバッファーユニット27Aと同様に接続連通部124がチューブ131を介してタンク7Aの連通部54に接続される。これにより、図20に示すように、タンク7Aとバッファーユニット27Bとをチューブ131で接続した液体供給ユニット132Bが構成される。
液体供給ユニット132Bにおける流路140Bは、図21に示すように、大気開放部123とバッファー室105との間にバッファー室153が介在している。この点を除いて、実施例3における流路140Bは、実施例2における流路140Aと同様の構成を有している。このため、以下において、実施例2における流路140Aと同様の構成については、実施例2と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
なお、液体供給ユニット132Bでは、図21に示すように、バッファーユニット27Bと、チューブ131と、タンク7Aに設けられた大気導入路91(図10)とを含む大気導入部135Bが構成される。本実施例では、大気導入部135Bは、バッファーユニット27Bと、チューブ131と、タンク7Aに設けられた大気導入路91(図10)とを含む。このため、バッファーユニット27Bは、大気導入部135Bの少なくとも一部を構成している。そして、バッファーユニット27Bにおいて、大気開放部123、バッファー室153、バッファー室105、連通路122、及び接続連通部124が、導入路141Bを構成する。
バッファー室153は、大気開放部123の下流側に設けられている。バッファー室105は、バッファー室153の下流側に設けられている。バッファー室153とバッファー室105とは、連通孔151を介して通じている。連通孔151は、上流側から防水通気フィルム147によって塞がれている。これにより、バッファー室105よりも上流側において、導入路141Bが防水通気フィルム147によって塞がれている。
大気開放口125から大気開放部123に流入した大気は、導入口126からバッファー室153内に流入する。バッファー室153内に流入した大気は、防水通気フィルム147を通って連通孔151からバッファー室105内に流入する。これ以降については、実施例2と同様であるため詳細な説明を省略する。
実施例3においても、実施例2と同様の効果が得られる。さらに、実施例3では、大気開放部123とバッファー室105との間にバッファー室153が介在している。このため、例えば、液体収容部8内のインクがバッファー室105に流入したときに、バッファー室105の上流側に設けられたバッファー室153でインクを留めやすい。このため、液体収容部8内のインクが大気導入部135Bを介してタンク7Aの外に漏出することを一層防ぎやすい。
さらに、実施例3では、バッファー室105とバッファー室153とを連通させる連通孔151が防水通気フィルム147によって塞がれている。このため、例えば、液体収容部8内のインクがバッファー室105に流入したときに、バッファー室105内のインクがバッファー室105に流入することを抑えることができる。これにより、液体収容部8内のインクが大気導入部135Bを介してタンク7Aの外に漏出することを一層防ぎやすい。なお、防水通気フィルム147は、防水通気シートの一例でもある。
(実施例4)
実施例4のバッファーユニット27Cは、図22に示すように、ケース101Cと、シート部材102と、防水通気部材の一例である大気導入弁155と、シート部材148と、を有している。実施例4のバッファーユニット27Cは、実施例2のバッファーユニット27Aにおけるケース101Aがケース101Cに置換され、大気導入弁155と、シート部材148とが付加された構成を有している。この点を除いて実施例4のバッファーユニット27Cは、実施例2のバッファーユニット27Aと同様の構成を有している。このため、実施例4において、実施例2と同様の構成については、実施例2と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
ケース101Cには、図22中のB部の拡大図である図23に示すように、凹部149と、連通孔151とが形成されている。凹部149及び連通孔151は、実施例3と同様の構成であるので、詳細な説明を省略する。
さらにケース101Cでは、凹部149内に、軸部157と、貫通孔158とが設けられている。軸部157は、凹部149内において−X軸方向に突出している。軸部157の底部152からの突出量は、凹部149のX軸方向における深さよりも小さい。このため、軸部157は、凹部149内に納まっている。貫通孔158は、軸部157の周囲に形成されている。貫通孔158は、凹部149の底部152をX軸方向に貫通している。
大気導入弁155は、例えば、ゴムやエラストマーなどの弾性を有する材料で構成されており、板状の外観を有している。大気導入弁155には、貫通孔159が形成されている。凹部149内の軸部157には、大気導入弁155の貫通孔159が挿入される。大気導入弁155は、貫通孔158を覆う大きさ及び形状を有している。このため、大気導入弁155の貫通孔159を軸部157に挿入すると、大気導入弁155によって貫通孔158が塞がれる。
そして、貫通孔158が大気導入弁155によって塞がれた状態で、図22に示すシート部材148が凹部149を塞いでいる。このため、大気導入弁155は、バッファー室153内に収容されている。
底部152のシート部材102(図22)側には、図24に示すように、凹部161が形成されている。凹部161は、−X軸方向に向かって凹となる向きに形成されている。換言すれば、凹部161は、X軸方向に開口している。凹部161は、底部152を挟んで凹部149(図23)に重なる位置に形成されている。貫通孔158は、底部152を貫通して凹部161に通じている。このため、凹部161は、貫通孔158を介して凹部149(図23)に通じている。
凹部161は、壁112と、壁114と、壁162と、壁163とによって囲まれている。壁162は、壁111に設けられており、XY平面に沿って延伸している。壁162は、壁111からX軸方向に突出しており、壁114に交差している。壁163は、底部152に設けられており、XZ平面に沿って延伸している。壁163は、底部152からX軸方向に突出しており、壁112と壁162とに交差している。上記の構成により、底部152と、底部152を囲む壁112と壁114と壁162と壁163とによって凹部161が構成されている。
なお、連通孔151は、壁163よりもY軸方向に位置している。このため、連通孔151は、凹部161の外側に位置している。連通孔151は、凹部161の外側において、凹部103に通じている。これにより、凹部103は、連通孔151を介して凹部149(図23)に通じている。また、本実施例では、大気開放部123は、凹部161に通じている。凹部161を区画する壁162及び壁163の壁111からの突出量は、壁112及び壁114の壁111からの突出量と同等である。このため、ケース101Cにシート部材102が接合されると、凹部161とシート部材102とによって囲まれる領域がバッファー室105から仕切られる。凹部161とシート部材102とによって囲まれる領域は、バッファー室164と呼ばれる。
バッファー室164は、貫通孔158を介してバッファー室153(図22)に通じている。貫通孔158は、大気導入弁155によって塞がれている。このため、バッファー室164とバッファー室153との間は、大気導入弁155によって連通状態が遮断されている。前述したように、大気導入弁155は、バッファー室153内に設けられている。このため、バッファー室164とバッファー室153との間は、大気導入弁155によって、バッファー室153側から閉じられている。
実施例4のバッファーユニット27Cも、実施例2のバッファーユニット27Aと同様に接続連通部124がチューブ131を介してタンク7Aの連通部54に接続される。これにより、図25に示すように、タンク7Aとバッファーユニット27Cとをチューブ131で接続した液体供給ユニット132Cが構成される。
液体供給ユニット132Cにおける流路140Cは、図26に示すように、大気開放部123とバッファー室105との間にバッファー室164とバッファー室153とが介在している。この点を除いて、実施例4における流路140Cは、実施例2における流路140Aと同様の構成を有している。このため、以下において、実施例2における流路140Aと同様の構成については、実施例2と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
なお、液体供給ユニット132Cでは、図26に示すように、バッファーユニット27Cと、チューブ131と、タンク7Aに設けられた大気導入路91(図10)とを含む大気導入部135Cが構成される。本実施例では、大気導入部135Cは、バッファーユニット27Cと、チューブ131と、タンク7Aに設けられた大気導入路91(図10)とを含む。このため、バッファーユニット27Cは、大気導入部135Cの少なくとも一部を構成している。そして、バッファーユニット27Cにおいて、大気開放部123、バッファー室164、バッファー室153、バッファー室105、連通路122、及び接続連通部124が、導入路141Cを構成する。
バッファー室164は、大気開放部123の下流側に設けられている。バッファー室153は、バッファー室164の下流側に設けられている。バッファー室153とバッファー室105とは、貫通孔158を介して通じている。貫通孔158は、上流側から大気導入弁155によって塞がれている。これにより、バッファー室105よりも上流側において、導入路141Cが大気導入弁155によって塞がれている。
記録部31(図3)による印刷にともなって、液体収容部8内の圧力が大気圧よりも低くなる。液体収容部8内の圧力が大気圧よりも低くなると、図26中のC部の拡大図である図27に示すように、大気導入弁155が、バッファー室164とバッファー室153との間の圧力差によって、バッファー室164側からバッファー室153側に向かってたわむ。これにより、貫通孔158が開放され、バッファー室164とバッファー室153との間が連通する。この結果、バッファー室164とバッファー室153との間が開かれる。これにより、バッファー室164からバッファー室153に大気が流入し得る。これ以降については、実施例2と同様であるため詳細な説明を省略する。
上記により、大気が、大気導入部135Cを通って液体収容部8内に送られる。これにより、液体収容部8内の圧力が大気圧に保たれやすい。液体収容部8内の圧力が大気圧に近づくと、大気導入弁155は、弾性によって変形が復帰する。これにより、液体収容部8内の圧力が大気圧に近づくと、バッファー室164とバッファー室153との間が閉じられる。
貫通孔158が大気導入弁155によって塞がれた状態、すなわちバッファー室164とバッファー室153との間が閉じられた状態では、バッファー室153からバッファー室164へ向かうインクの流れが遮断される。つまり、大気導入弁155は、バッファー室105の上流からバッファー室105内への大気の流入を可能とし、且つバッファー室105からバッファー室105の上流へのインクの進行を妨げることができる弁である。
実施例4においても、実施例2と同様の効果が得られる。さらに、実施例4では、大気開放部123とバッファー室105との間にバッファー室164とバッファー室153とが介在している。このため、例えば、液体収容部8内のインクがバッファー室105に流入したときに、バッファー室105の上流側に設けられたバッファー室153でインクを留めやすい。さらに、液体収容部8内のインクがバッファー室153に流入したときに、バッファー室153の上流側に設けられたバッファー室164でインクを留めやすい。このため、液体収容部8内のインクが大気導入部135Cを介してタンク7Aの外に漏出することを一層防ぎやすい。
さらに、実施例4では、バッファー室153とバッファー室164とを連通させる貫通孔158が大気導入弁155によって塞がれている。大気導入弁155によってバッファー室153からバッファー室164へのインクの進行を妨げることができる。このため、例えば、液体収容部8内のインクがバッファー室153に流入したときに、バッファー室153内のインクがバッファー室164に流入することを抑えることができる。これにより、液体収容部8内のインクが大気導入部135Cを介してタンク7Aの外に漏出することを一層防ぎやすい。
(実施例5)
実施例5のタンク7Bについて説明する。実施例5のタンク7Bは、図28に示すように、ケース61Bと、シート部材64Bと、シール部材166と、を有している。実施例5のタンク7Bは、実施例1のタンク7Aのケース61Aがケース61Bに置換され、実施例1のタンク7Aのシート部材64Aがシート部材64Bに置換されている。また、実施例5のタンク7Bには、シール部材166が付加されている。これらの点を除いて実施例5のタンク7Bは、実施例1のタンク7Aと同様の構成を有している。このため、実施例5のタンク7Bの構成のうち、実施例1と同様の構成については、実施例1と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
ケース61Bでは、実施例1におけるケース61Aの連通部54(図7)が省略されている。実施例1におけるケース61Aの壁79(図10)には、壁79を貫通する連通部54が設けられている。これに対し、図28に示すケース61Bの壁79には、壁79を貫通する開口が形成されていない。この点を除いて、ケース61Bは、ケース61Aと同様の構成を有している。このため、ケース61Bにおいて、ケース61Aと同様の構成については、ケース61Aの構成と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
シート部材64Bには、図29に示すように、連通口167が形成されている。この点を除いてシート部材64Bは、シート部材64Aと同様の構成を有している。連通口167は、液体収容部8ごとに形成されている。1つの連通口167が1つの液体収容部8に対応して形成されている。連通口167は、シート部材64BをZ軸に沿って貫通している。これにより、液体収容部8は、連通口167を介してタンク7Bの外側に通じている。
シール部材166は、連通口167ごとに設けられている。シール部材166は、環状の外観を有している。シール部材166は、連通口167を囲んだ状態でシート部材64Bに接合されている。シール部材166は、例えば、ゴムやエラストマーなどの弾性を有する材料で構成されている。なお、シール部材166とシート部材64Bとの接合方法は、接着や溶着等の種々の接合方法が採用され得る。
実施例5では、図30に示すように、タンク7Bとチューブ131とが接続部材168を介して接続されている。接続部材168は、中空管状の外観を有しており、チューブ131が挿入されるチューブ接続部169と、シール部材166に挿入されるシール接続部171と、を有している。上記の構成により、タンク7Bの液体収容部8とチューブ131とが連通可能に構成されている。実施例5においても実施例1と同様の効果が得られる。
ここで、タンク7Aとタンク7Bとの製造過程における検査項目の一例について説明する。タンク7Aやタンク7Bの製造過程では、シート部材62、シート部材64A、及びシート部材64Bの接合状態を検査する工程(以下、接合検査と呼ぶ)が含まれる。この検査は、密閉状態にしたタンク7Aやタンク7Bの内部を大気圧よりも高い気圧に維持し、シート部材62、シート部材64A、及びシート部材64Bの接合部から圧力の漏れが規定値よりも低いことを検査するものである。この接合検査により、接合状態の良否を判定することができる。なお、この接合検査は、液体収容部8ごとに実施される。
タンク7Aの接合検査では、液体注入部34(図5)、連通部54、及び液体供給部55(図6)のうちのいずれか2つを閉塞した状態で、残りの1つから加圧ポンプなどを活用してタンク7Aの内部を加圧する方法が採用され得る。
また、タンク7Bの接合検査においても、液体注入部34(図28)、連通口167、及び液体供給部55(図6)のうちのいずれか2つを閉塞した状態で、残りの1つから加圧ポンプなどを活用してタンク7Bの内部を加圧する方法が採用され得る。
さらに、タンク7Bでは、シート部材64B(図28)に連通口167を形成する前に接合検査を実施する製造方法も採用され得る。この製造方法では、シート部材64Bをケース61Bに接合してからシート部材64Bに連通口167を形成する方法が採用される。この製造方法では、まず、連通口167を形成する前のシート部材64Bをケース61Bに接合する。次に、接合検査を実施する。そして、次に、シート部材64Bに連通口167を形成する。
この製造方法によれば、接合検査において、液体注入部34(図28)、及び液体供給部55(図6)のうちのいずれか1つを閉塞した状態で、残りの1つから加圧ポンプなどを活用してタンク7Bの内部を加圧する方法が採用され得る。そして、接合検査の後に、シート部材64Bに連通口167を形成する。この方法によれば、接合検査においてタンク7Bの内部を加圧する前に閉塞すべき対象を、液体注入部34及び液体供給部55のうちのいずれか1つにすることができる。このため、シート部材64Bに連通口167を形成してから接合検査を実施する方法に比較して、閉塞すべき対象を減らすことができるので、製造にかかる手間を軽減することができる。
なお、シート部材64Bにシール部材166を接合する工程は、シート部材64Bに連通口167を形成する工程の前、及びシート部材64Bに連通口167を形成する工程の後のいずれでもよい。接合検査を実施してからシート部材64Bに連通口167を形成する製造方法では、接合検査の前にシート部材64Bにシール部材166を接合する順序や、接合検査の後にシート部材64Bにシール部材166を接合してから連通口167を形成する順序のいずれも採用され得る。また、接合検査の後にシート部材64Bに連通口167を形成してからシール部材166を接合する順序も採用され得る。
シート部材64Bにシール部材166を接合してから連通口167を形成する順序であれば、シート部材64Bをシール部材166で補強できる点で好ましい。シート部材64Bがシール部材166で補強されれば、連通口167を形成するときに、連通口167の部分からシート部材64Bが破れ拡がることを防止しやすい。
なお、シート部材64Bにシール部材166を接合する工程や、シート部材64Bに連通口167を形成する工程は、シート部材64Bをケース61Bに接合する工程の前であってもよい。
上記の各実施例を含む第1実施形態では、図3に示すように、バッファーユニット27がタンク7の前面41側とは反対側、且つ廃液吸収ユニット28の−X軸方向に配置されている。つまり、第1実施形態では、バッファーユニット27がタンク7と廃液吸収ユニット28との間に配置されている。しかしながら、バッファーユニット27の配置は、これに限定されず、図4に示す廃液吸収ユニット28と筐体6とのY軸に沿った隙間も採用され得る。この配置において、バッファーユニット27がタンク7よりもZ軸方向に突出していても、バッファーユニット27がタンク7よりも−Z軸方向に納まっていてもよい。
また、バッファーユニット27の配置としては、タンク7のY軸方向や−Y軸方向、タンク7のZ軸方向や−Z軸方向等、タンク7周辺の種々の位置も採用され得る。これらの種々の配置において、バッファーユニット27がタンク7よりもZ軸方向に突出していても、バッファーユニット27がタンク7よりも−Z軸方向に納まっていてもよい。
例えば、バッファーユニット27をタンク7のY軸方向に配置する場合、図4に示すタンク7と筐体6とのY軸に沿った隙間に配置する構成が採用され得る。また、例えば、バッファーユニット27をタンク7の−Y軸方向(Y軸方向と逆方向)に配置する場合、図4に示すタンク7と基板トレイ38とのY軸に沿った隙間に配置する構成が採用され得る。この構成は、タンク7と基板トレイ38とのY軸に沿った間に、バッファーユニット27を配置可能な隙間を設けることによって実現可能である。
また、例えば、バッファーユニット27をタンク7の−Y軸方向(Y軸方向と逆方向)に配置する場合、図3に示す基板トレイ38のZ軸方向、すなわち基板トレイ38上に配置する構成も採用され得る。この構成では、基板トレイ38上の電気配線基板29よりY軸方向の領域に、バッファーユニット27を載置することができる。
例えば、バッファーユニット27をタンク7のZ軸方向に配置する場合、図3に示すタンク7の鉛直上方に配置する構成が採用され得る。この構成において、バッファーユニット27とタンク7とを−Z軸方向に平面視したとき、バッファーユニット27がタンク7の領域からはみ出ていても、バッファーユニット27がタンク7の領域内に納まっていてもよい。
また、例えば、バッファーユニット27をタンク7の−Z軸方向に配置する場合、図3に示すタンク7の鉛直下方、且つ筐体6の鉛直上方に配置する構成が採用され得る。この構成では、バッファーユニット27は、Z軸方向において、筐体6とタンク7との間に位置する。この構成において、バッファーユニット27とタンク7とを−Z軸方向に平面視したとき、バッファーユニット27がタンク7の領域からはみ出ていても、バッファーユニット27がタンク7の領域内に納まっていてもよい。
また、上記の各実施例を含む第1実施形態では、タンク7に1つのバッファーユニット27を接続した構成が採用されている。しかしながら、バッファーユニット27の個数は、1つに限定されず、2つ又は2つを超える個数(以下、複数と表現する)も採用され得る。この場合、例えば、複数のバッファーユニット27を連結する構成が採用され得る。この場合、連結するバッファーユニット27の個数としては、任意の個数が採用され得る。
さらに、この場合、連結する複数のバッファーユニット27の種類は、バッファーユニット27A、バッファーユニット27B、及びバッファーユニット27Cの3種類のうちのいずれであるかを問われない。例えば、連結するすべてのバッファーユニット27が同一の種類である構成や、連結する複数のバッファーユニット27に異なる種類のバッファーユニット27が含まれる構成が挙げられる。さらに、異なる種類のバッファーユニット27を連結する場合、連結する順序は問われない。また、複数のバッファーユニット27を連結する構成では、それぞれのバッファーユニット27の配置として、任意の位置が採用され得る。
(第2実施形態)
本実施形態における液体噴射システム201は、図31に示すように、液体噴射装置の一例であるプリンター203と、液体供給装置の一例であるインク供給装置204と、スキャナーユニット205と、を有している。プリンター203は、筐体206を有している。筐体206が、プリンター203の外殻を構成している。インク供給装置204は、液体収容体装着部の一例である筐体207と、複数(2又は2を超える個数)のタンク210と、を有している。
本実施形態では、4つのタンク210が設けられている。以下において、4つのタンク210を個別に識別する場合に、4つのタンク210は、それぞれ、タンク211、タンク212、タンク213、及びタンク214と表記される。
筐体206と筐体207とスキャナーユニット205とが、液体噴射システム201の外殻を構成している。なお、液体噴射システム201としては、スキャナーユニット205を省略した構成も採用され得る。タンク210は、液体収容容器の一例である。液体噴射システム201は、液体の一例であるインクによって、記録用紙などの記録媒体Pに印刷を行うことができる。
ここで、図31には、相互に直交する座標軸であるXYZ軸が付されている。これ以降に示す図についても必要に応じてXYZ軸が付されている。この場合、各図におけるXYZ軸は、図31におけるXYZ軸に対応する。本実施形態では、X軸とY軸とによって規定される水平な平面(XY平面)に液体噴射システム201を配置した状態が、液体噴射システム201の使用状態である。XY平面に液体噴射システム201を配置したときの液体噴射システム201の姿勢を、液体噴射システム201の使用姿勢と呼ぶ。
以下において、液体噴射システム201の構成部品やユニットを示す図や説明にX軸、Y軸、及びZ軸が表記されている場合には、その構成部品やユニットを液体噴射システム201に組み込んだ(搭載した)状態でのX軸、Y軸、及びZ軸を意味する。また、液体噴射システム201の使用姿勢における各構成部品やユニットの姿勢を、それらの構成部品やユニットの使用姿勢と呼ぶ。そして、以下において、液体噴射システム201や、その構成部品、ユニット等の説明では、特にことわりがないときには、それぞれの使用姿勢での説明とする。
Z軸は、水平な平面に直交する軸である。液体噴射システム201の使用状態において、Z軸方向が鉛直上方向となる。そして、液体噴射システム201の使用状態では、図31において、−Z軸方向が鉛直下方向である。なお、XYZ軸のそれぞれにおいて、矢印の向きが+(正)の方向を示し、矢印の向きとは反対の向きが−(負)の方向を示している。
なお、上述した4つのタンク210は、Y軸に沿って並んでいる。このため、Y軸方向は、4つのタンク210が配列する方向であるとも定義され得る。そして、タンク211、タンク212、タンク213、及びタンク214は、−Y軸方向にこの順で並んでいる。つまり、4つのタンク210のうちタンク211が最もY軸方向に位置している。タンク212は、タンク212よりも−Y軸方向に位置している。タンク213は、タンク212よりも−Y軸方向に位置している。タンク214は、タンク213よりも−Y軸方向に位置している。
液体噴射システム201において、プリンター203とスキャナーユニット205とは、互いに重ねられている。プリンター203を使用する状態において、スキャナーユニット205は、プリンター203の鉛直上方に位置している。スキャナーユニット205は、フラットベッドタイプであり、イメージセンサーなどの撮像素子(図示せず)を有している。スキャナーユニット205は、用紙などの媒体に記録された画像などを、撮像素子を介して画像データとして読み取ることができる。このため、スキャナーユニット205は、画像などの読み取り装置として機能する。スキャナーユニット205は、プリンター203に対して回動可能に構成されている。スキャナーユニット205は、プリンター203の蓋としての機能も有している。作業者は、スキャナーユニット205をZ軸方向に持ち上げることによって、スキャナーユニット205をプリンター203に対して回動させることができる。これにより、プリンター203の蓋として機能するスキャナーユニット205をプリンター203に対して開くことができる。
プリンター203には、排紙部221が設けられている。プリンター203では、排紙部221から記録媒体Pが排出される。プリンター203において、排紙部221が設けられている面がプリンター203の正面222とされている。また、液体噴射システム201は、正面222に交差する上面223と、正面222及び上面223に交差する側部224とを有している。インク供給装置204は、側部224に設けられている。筐体207には、窓部225が設けられている。窓部225は、筐体207において、正面226と上面227とに交差する側部228に設けられている。
窓部225は、光透過性を有している。そして、窓部225に重なる位置に、上述した4つのタンク210が設けられている。このため、液体噴射システム201を使用する作業者は、窓部225を介して4つのタンク210を視認することができる。本実施形態では、窓部225は、筐体207に形成された開口として設けられている。作業者は、開口である窓部225を介して4つのタンク210を視認することができる。なお、窓部225は、開口に限定されず、例えば、光透過性を有する部材で構成されていてもよい。
本実施形態では、各タンク210の窓部225に対面する部位の少なくとも一部が光透過性を有している。各タンク210の光透過性を有する部位から、タンク210内のインクが視認され得る。従って、作業者は、窓部225を介して4つのタンク210を視認することによって、各タンク210におけるインクの量を視認することができる。つまり、タンク210では、窓部225に対面する部位の少なくとも一部を、インクの量を視認可能な視認部として活用することができる。
プリンター203は、図32に示すように、記録部229を有している。プリンター203において、記録部229は、筐体206に収容されている。記録部229は、搬送装置(図示せず)で−Y軸方向に搬送される記録媒体Pに、液体の一例であるインクで記録を行う。なお、図示しない搬送装置は、記録用紙などの記録媒体Pを−Y軸方向に間欠的に搬送する。記録部229は、移動装置(図示せず)によって、X軸に沿って往復移動可能に構成されている。インク供給装置204は、記録部229にインクを供給する。なお、液体噴射システム201では、インク供給装置204の少なくとも一部は、筐体206の外側に突出している。なお、記録部229は、筐体206に収容されている。これにより、記録部229を筐体206で保護することができる。
ここで、X軸に沿う方向は、X軸と完全に平行な方向に限定されず、X軸に直交する方向を除いて、誤差や公差等により傾いた方向も含む。同様に、Y軸に沿う方向は、Y軸と完全に平行な方向に限定されず、Y軸に直交する方向を除いて、誤差や公差等により傾いた方向も含む。Z軸に沿う方向は、Z軸と完全に平行な方向に限定されず、Z軸に直交する方向を除いて、誤差や公差等により傾いた方向も含む。つまり、任意の軸や面に沿う方向は、これらの任意の軸や面に完全に平行な方向に限定されず、これらの任意の軸や面に直交する方向を除いて、誤差や公差等により傾いた方向も含む。
インク供給装置204は、液体収容体の一例であるタンク210を有している。本実施形態では、インク供給装置204が、複数の(本実施形態では4つの)タンク210を有している。複数のタンク210は、プリンター203の筐体206の外側に突出している。複数のタンク210は、筐体207の内部に収容されている。これにより、タンク210を筐体207で保護することができる。筐体207は、筐体206から突出している。
なお、本実施形態では、インク供給装置204が複数(4つ)のタンク210を有している。しかしながら、タンク210の個数は4つに限定されず、3つや、3つを下回る個数、4つを超える個数も採用され得る。
さらに、本実施形態では、複数のタンク210が互いに別体で構成されている。しかしながら、タンク210の構成は、これに限定されない。タンク210の構成としては、複数のタンク210を一体にして1つのタンク210とする構成も採用され得る。この場合、1つのタンク210に複数の液体収容部が設けられる。複数の液体収容部は、互いに個別に仕切られ、異なる種類の液体を収容可能に構成される。この場合、例えば、複数の液体収容部に、異なる色のインクを個別に収容することができる。
各タンク210には、図32に示すように、インク供給チューブ231が接続される。タンク210内のインクは、インク供給装置204からインク供給チューブ231を介して記録部229に供給される。記録部229には、液体噴射ヘッドの一例である記録ヘッド(図示せず)が設けられている。記録ヘッドには、記録媒体P側に向けられたノズル開口(図示せず)が形成されている。インク供給装置204からインク供給チューブ231を介して記録部229に供給されたインクは、記録ヘッドに供給される。そして、記録部229に供給されたインクが、記録ヘッドのノズル開口から記録媒体Pに向けてインク滴として吐出される。なお、上記の例では、プリンター203とインク供給装置204とを個別の構成として説明したが、インク供給装置204をプリンター203の構成に含めることもできる。
なお、タンク210としては、インクの収容量を視認可能な視認面232に、上限マーク233や、下限マーク234などが付加された構成も採用され得る。視認面232は、視認部の一例である。また、上限マーク233は、上限指標部の一例である。作業者は、上限マーク233及び下限マーク234を目印にしてタンク210におけるインクの量を把握することができる。なお、上限マーク233は、後述する液体注入部235からインクを注入したときに液体注入部235から溢れないようなインク量の目安を示すものである。また、下限マーク234は、インクの注入を促すときのインク量の目安を示すものである。上限マーク233及び下限マーク234の少なくとも一方をタンク210に設ける構成も採用され得る。
また、筐体207と筐体206とは、互いに別体であっても一体であってもよい。筐体207と筐体206が一体である場合、複数のタンク210は、記録部229やインク供給チューブ231とともに筐体206の内部に収容される、ということができる。筐体207と筐体206が一体である場合、筐体206が、液体収容体と液体噴射ヘッドとを収容する外装部に対応する。
上記の構成を有する液体噴射システム201では、記録媒体Pを−Y軸方向に搬送させ、且つ記録部229をX軸に沿って往復移動させながら、記録部229の記録ヘッドに所定の位置でインク滴を吐出させることによって、記録媒体Pに記録が行われる。
インクは、水性インクと油性インクのいずれか一方に限定されるものではない。また、水性インクとしては、水性溶媒に染料などの溶質が溶解した構成を有するもの、水性分散媒に顔料などの分散質が分散した構成を有するもののいずれでもよい。また、油性インクとしては、油性溶媒に染料などの溶質が溶解した構成を有するもの、油性分散媒に顔料などの分散質が分散した構成を有するもののいずれでもよい。
さらに、インクとして、昇華転写インクを用いることができる。昇華転写インクは、例えば昇華性染料のような昇華性の色材を含むインクである。印刷方法の一例として、昇華転写インクを液体噴射装置により転写媒体に噴射し、その転写媒体を被印刷物に接触させ加熱して色材を昇華させて被印刷物に転写させる方法が挙げられる。被印刷物はTシャツやスマートフォン等である。このように、昇華性の色材を含むインクであれば、多様な被印刷物(印刷媒体)に印刷を行うことができる。
インク供給装置204において、筐体207は、図33に示すように、第1筐体241と、第2筐体242と、を含む。タンク210には、液体注入部235が形成されている。タンク210では、液体注入部235を介してタンク210の外部からタンク210の内部にインクを注入することができる。なお、作業者は、筐体207の外側からタンク210の液体注入部235にアクセスすることができる。
ここで、図33に示すように、タンク210における液体注入部235のX軸方向における位置が、タンク210に対して片寄っている。つまり、タンク210では、液体注入部235がタンク210において片寄った位置に配置されている。そして、タンク210では、液体注入部235が位置する側が前面側であると定義される。この定義に基づき、タンク210では、図33に示すように、最も−X軸方向に位置する面が前面236とみなされる。そして、タンク210では、前面236側に視認面232が位置している。このため、タンク210では、視認面232が前面236に相当している。
本実施形態では、タンク210の前面236が−X軸方向を向いている。本実施形態における液体噴射システム201では、前面236側からタンク210の反対側に向かう方向がX軸方向と定義される。そして、タンク210の使用姿勢において鉛直上方向がZ軸方向と定義される。また、X軸方向及びZ軸方向の双方に直交する方向がY軸方向と定義される。X軸方向はX方向に対応し、Y軸方向はY方向に対応し、Z軸方向はZ方向に対応している。
図33に示すように、第1筐体241は、複数のタンク210よりも−Z軸方向に位置している。複数のタンク210は、第1筐体241に支持されている。第2筐体242は、第1筐体241よりもZ軸方向に位置しており、第1筐体241のZ軸方向から複数のタンク210を覆っている。複数のタンク210は、第1筐体241と第2筐体242とによって覆われている。
4つのタンク210のうちタンク211、タンク212、及びタンク213は、相互に同じ形状を有している。タンク214は、他のタンク210とは異なる形状を有している。タンク214の容積は、他のタンク210の容積よりも大きい。この点を除いて、タンク214は、他のタンク210と同様の構成を有している。この構成は、例えば、使用頻度の高い種類のインクをタンク214に収容するのに好適である。使用頻度の高い種類のインクを他の種類のインクよりも多く収容することができるためである。
第2筐体242は、カバー243を有している。カバー243は、第2筐体242のZ軸方向の端部に位置している。カバー243は、図34に示すように、第2筐体242に対して回動可能に構成されている。図34には、カバー243が第2筐体242に対して開かれた状態が図示されている。カバー243が第2筐体242に対して開かれると、複数のタンク210の液体注入部235が露呈する。これにより、作業者は、筐体207の外側からタンク210の液体注入部235にアクセスすることができる。
カバー243には、係止部244が設けられている。係止部244は、図34に示すように、カバー243の第1筐体241側に設けられている。カバー243を閉じた状態で、係止部244は、カバー243から第1筐体241側に向かって突出している。係止部244には、突起部245が形成されている。突起部245は、係止部244のカバー243側とは反対側に形成されている。突起部245は、係止部244からY軸方向に向かって突出している。第2筐体242において、係止部244に対向する部分には、係合孔246が形成されている。第2筐体242において、係合孔246は、カバー243を閉じたときに係止部244に重なる部分に形成されている。
カバー243を閉じた状態において、係止部244は、第2筐体242の係合孔246に挿入される。このとき、係止部244の突起部245が係合孔246に係合する。これにより、カバー243を閉じて係止部244の突起部245が係合孔246に係合するときに、クリック感が得られる。また、例えば、カバー243が強い勢いで閉じたときなどに、突起部245が係合孔246に係合することによってカバー243の勢いを緩和することができる。これにより、カバー243が閉じるときにカバー243が第2筐体242に当接するときの衝撃を軽減することができる。
また、カバー243には、図34に示すように、把手部247が形成されている。把手部247は、カバー243の−X軸方向の端部、且つカバー243の−Z軸方向の端部に設けられている。作業者は、把手部247に手指を添えてカバー243をZ軸方向に回動させることができる。このとき、把手部247が手指に引っ掛かりやすいので、作業者は、把手部247に手指を添えてカバー243を回動させやすい。
なお、液体注入部235は、栓部材248で封止されている。タンク210にインクを注入するとき、栓部材248を液体注入部235から外して液体注入部235を開放してからインクが注入される。
第2筐体242は、さらに、複数の栓部材配置部249と、複数の取付部249Bとを有する。複数の栓部材配置部249、及び、複数の取付部249Bは、第2筐体242のZ軸方向の面上に配置されている。第2筐体242において、複数の栓部材配置部249、及び、複数の取付部249Bは、カバー243に対向する面に設けられている。このため、カバー243を閉じると、複数の栓部材配置部249、及び、複数の取付部249Bは、カバー243によって覆われる。複数の栓部材配置部249は、Y軸に沿って並んで配置されている。複数の取付部249Bは、Y軸に沿って並んで配置されている。
複数の栓部材配置部249は、対応する栓部材248の栓本体248Aを配置可能に構成されている。すなわち、各栓部材配置部249は、液体注入部235から取り外された各栓部材248の栓本体248Aを配置すべき部分である。
栓部材配置部249は、第2筐体242のZ軸方向の面に形成された凹部である。この凹部に栓部材248の栓本体248Aが受け入れられる。栓部材配置部249は、凹部によってインクを保持できる。栓部材配置部249は、突起249Aを有する。突起249Aは、第2筐体242のZ軸方向の面から鉛直上方向に突出する。突起249Aは、栓部材248の栓本体248Aが挿入されることで栓本体248Aが装着(保持)される部分である。なお、栓部材配置部249は、インクを保持できる構成であることが好ましい。例えば、本実施形態のごとく、栓部材配置部249は凹部であっても良いし、第2筐体242のZ軸方向の面に配置された多孔質部材であっても良い。
複数の取付部249Bは、対応する栓部材248の被取付部248Bを取付可能な部分である。複数の取付部249Bはそれぞれ、第2筐体242のZ軸方向の面からZ軸方向に突出する柱状の突起である。栓部材248において、栓本体248Aと被取付部248Bとは、接続部248Cを介して互いにつながっている。このため、栓本体248Aを液体注入部235から外したときに、栓本体248Aを落下させてしまったり、紛失させてしまったりすることを防止しやすい。
タンク210について詳細を説明する。なお、上述したように、4つのタンク210のうちタンク214と他のタンク210とでは、容積が異なることを除いて、互いに同様の構成を有している。このため、以下では、タンク211を例にタンク210の詳細を説明し、タンク214の詳細な説明を省略する。
タンク210は、図35に示すように、前面236と、上面251と、側面252と、上面253と、側面254と、上面255と、を有している。前面236、上面251、側面252、上面253、側面254、及び上面255は、それぞれ、タンク210において、外方に向いている面である。前述したように、前面236は、視認面232に設定されている。また、タンク210は、図36に示すように、後面256と、側面257と、側面258と、下面259と、を有している。後面256、側面257、側面258、及び下面259は、それぞれ、タンク210において、外方に向いている面である。
図35に示すように、側面252は、前面236のZ軸方向に位置している。前面236及び側面252は、YZ平面に沿って延伸している。前面236及び側面252は、−X軸方向に向いている。上面251は、側面252の−Z軸方向に位置している。上面251は、XY平面に沿って延伸している。このため、上面251は、前面236及び側面252に交差している。上面251は、X軸方向の端部において側面252に交差し、−X軸方向の端部において前面236に交差している。液体注入部235は、上面251に設けられている。液体注入部235は、上面251からZ軸方向に突出している。
上面253は、側面252のX軸方向に位置している。上面253は、XY平面に沿って延伸している。上面253は、Z軸方向に向いている。上面253は、−X軸方向の端部において側面252に交差している。側面252は、Z軸方向の端部において上面253に交差している。
側面254は、前面236、上面251、側面252、及び上面253のY軸方向に位置している。側面254は、XZ平面に沿って延伸している。側面254は、Y軸方向に向いている。前面236、上面251、側面252、及び上面253は、Y軸方向の端部において、側面254に交差している。
上面255は、上面253のX軸方向に位置している。上面255は、XY平面に沿って延伸している。上面255は、Z軸方向に向いている。上面255は、Y軸方向の端部において、側面254に交差している。
図36に示すように、後面256は、X軸方向に向いている。後面256は、YZ平面に沿って延伸している。後面256は、前面236(図35)の反対側に位置している。このため、前面236と後面256とは、互いに反対面の関係を有している。後面256は、前面236(図35)の反対側において、上面255と側面254(図35)とに交差している。
図36に示すように、側面257は、X軸方向に向いている。側面257は、YZ平面に沿って延伸している。側面257は、側面252(図35)の反対側、すなわち側面252のX軸方向に位置している。側面257は、Z軸方向の端部において上面253(図35)に交差し、−Z軸方向の端部において上面255に交差している。
側面258は、図36に示すように、−Y軸方向に向いている。側面258は、XZ平面に沿って延伸している。側面258は、側面254(図35)の反対側、すなわち側面254の−Y軸方向に位置している。側面258は、側面254(図35)の反対側において、前面236、上面251、側面252、上面253、上面255、側面257、及び後面256に交差している。
下面259は、図36に示すように、後面256、及び側面258の−Z軸方向に位置している。また、下面259は、前面236(図35)、及び側面254の−Z軸方向に位置している。下面259は、前面236(図35)、側面254、後面256、及び側面258の−Z軸方向において、前面236(図35)、側面254、後面256、及び側面258に交差している。なお、本実施形態では、下面259は、YZ平面及びXY平面の双方に交差している。下面259は、前面236から後面256に向かうにつれて−Z軸方向に下降する向きに傾斜している。
また、タンク210には、図36に示すように、連通部261と、液体供給部262とが設けられている。連通部261は、側面257に設けられている。連通部261は、側面257からX軸方向に突出している。液体供給部262は、後面256からX軸方向に突出した突出部分263に設けられている。液体供給部262は、突出部分263から−Y軸方向に向かって突出している。タンク210に収容されたインクは、液体供給部262を介してインク供給チューブ231(図32)に供給される。
なお、XZ平面に沿って延伸する面は、XZ平面に完全に平行に延伸する面に限定されず、XZ平面に直交する面を除いて、誤差や公差等により傾いた面も含む。同様に、YZ平面に沿って延伸する面は、YZ平面に完全に平行に延伸する面に限定されず、YZ平面に直交する面を除いて、誤差や公差等により傾いた面も含む。XY平面に沿って延伸する面は、XY平面に完全に平行に延伸する面に限定されず、XY平面に直交する面を除いて、誤差や公差等により傾いた面も含む。
また、2つの面が交差するとは、2つの面が互いに平行でない位置関係であることを示す。2つの面が互いに直接に接触している場合のほか、直接に接触しておらず互いに離れている位置関係でも、一方の面の延長と他方の面の延長とが交差する関係である場合も交差するという。交差する2つの面がなす角は、直角、鈍角、鋭角のいずれでもよい。
また、前面236、上面251、側面252、上面253、側面254、上面255、後面256、側面257、側面258、及び下面259は、それぞれ、平坦な面に限定されず、凹凸や段差等を含んでいてもよい。また、前面236、上面251、側面252、上面253、側面254、上面255、後面256、側面257、側面258、及び下面259において、互いに交差する2つの面の間に、他の平面や曲面などが介在していてもよい。
タンク210は、図37に示すように、タンク本体の一例であるケース265と、シート部材266と、を有している。ケース265は、例えば、ナイロンやポリプロピレン等の合成樹脂により構成されている。また、シート部材266は、合成樹脂(例えば、ナイロンや、ポリプロピレン等)によりフィルム状に形成され、可撓性を有する。
ケース265には、図37に示すように、凹部267が形成されている。また、ケース265には、接合部268が設けられている。図37では、構成をわかりやすく示すため、接合部268にハッチングが施されている。シート部材266は、接合部268に接合されている。本実施例では、溶着によってケース265とシート部材266とが接合されている。ケース265にシート部材266が接合されると、凹部267がシート部材266によって塞がれる。凹部267とシート部材266とによって囲まれる空間は、液体収容部269と呼ばれる。液体収容部269にインクが収容される。
ケース265は、壁271と、壁272と、壁273と、壁274と、壁275と、壁276と、壁277と、壁278と、壁279と、を有している。壁271は、XZ平面に沿って延伸している。壁272〜壁279の8つの壁は、壁271に交差している。壁272〜壁279の8つの壁は、壁271からY軸方向に突出している。壁271を−Y軸方向に平面視したとき、壁272〜壁279の8つの壁が壁271を囲んでいる。壁271と、壁272〜壁279の8つの壁とによって、壁271を底とする凹部267が構成されている。なお、壁271〜壁279は、それぞれ平坦な壁に限られず、凹凸や段差等を含むものであってもよい。
壁272と壁273とは、X軸に沿って隙間をあけた状態で互いに対峙する位置に設けられており、それぞれYZ平面に沿って延伸している。壁273が、壁272よりも−X軸方向に位置している。壁274は、壁272及び壁273の−Z軸方向に位置しており、壁272及び壁273に交差している。壁271を−Y軸方向に平面視したとき、壁275〜壁279は、壁274よりもZ軸方向に位置している。壁275は、壁275〜壁279のうちで最も−X軸方向に位置しており、壁273に交差している。壁279は、壁275〜壁279のうちで最もX軸方向に位置しており、壁272に交差している。壁276は、壁275のX軸方向に位置しており、YZ平面に沿って延伸している。壁277は、壁276のX軸方向に位置しており、XY平面に沿って延伸している。壁278は、壁277のX軸方向に位置しており、YZ平面に沿って延伸している。壁279は、壁278のX軸方向に位置しており、XY平面に沿って延伸している。
また、ケース265には、図38に示すように、凹部281と、凹部282と、凹部283と、凹部284と、溝部287と、溝部288とが形成されている。凹部281は、凹部267のZ軸方向に位置している。凹部281は、壁275のZ軸方向に位置している。凹部281は、壁273と、壁275と、壁276と、壁291と、壁292とによって区画されている。壁291は、XZ平面に沿って延伸しており、壁271よりもY軸方向に位置している。壁292は、XY平面に沿って延伸しており、壁275よりもZ軸方向に位置している。壁273、壁275、壁276、及び壁292は、壁291からY軸方向に突出している。壁291を−Y軸方向に平面視したとき、壁273、壁275、壁276、及び壁292は、壁291を囲んでいる。これにより、壁291を底とする凹部281が構成されている。
凹部282は、凹部267のZ軸方向に位置している。凹部282は、壁277のZ軸方向に位置している。凹部282は、壁271と、壁277と、壁293と、壁294と、壁295とによって区画されている。なお、凹部267の壁271と、凹部282の壁271とは、互いに同一の壁である。つまり、本実施例では、凹部267と凹部282とが、互いに壁271を共有している。凹部267と凹部282とは、壁277も共有している。壁293は、XY平面に沿って延伸しており、壁277よりもZ軸方向に位置している。壁294は、YZ平面に沿って延伸しており、壁276よりもX軸方向に位置している。壁295は、YZ平面に沿って延伸しており、壁294よりもX軸方向に位置している。壁277、壁293、壁294、及び壁295は、壁271からY軸方向に突出している。壁271を−Y軸方向に平面視したとき、壁277、壁293、壁294、及び壁295は、壁271を囲んでいる。これにより、壁271を底とする凹部282が構成されている。
凹部283は、凹部267のZ軸方向に位置し、且つ凹部282のX軸方向に位置している。凹部283は、壁277のZ軸方向に位置している。凹部283は、壁271と、壁277と、壁278と、壁295と、壁296とによって区画されている。なお、凹部267と、凹部283とは、互いに壁271、壁277及び壁278を共有している。また、凹部282と凹部283とは、壁295を共有している。壁296は、XY平面に沿って延伸しており、壁277よりもZ軸方向に位置している。壁277、壁278、壁295、及び壁296は、壁271からY軸方向に突出している。壁271を−Y軸方向に平面視したとき、壁277、壁278、壁295、及び壁296は、壁271を囲んでいる。これにより、壁271を底とする凹部283が構成されている。
凹部284は、凹部282のZ軸方向に位置している。凹部284は、壁293のZ軸方向に位置している。凹部284は、壁271と、壁293と、壁294と、壁295と、壁297とによって区画されている。なお、凹部282と凹部284とは、互いに、壁271、壁293、壁294、及び壁295を共有している。壁297は、XY平面に沿って延伸しており、壁293よりもZ軸方向に位置している。壁293、壁294、壁295、及び壁297は、壁271からY軸方向に突出している。壁271を−Y軸方向に平面視したとき、壁293、壁294、壁295、及び壁297は、壁271を囲んでいる。これにより、壁271を底とする凹部284が構成されている。
溝部287は、壁271を−Y軸方向に平面視したときに、壁276と壁295との間に形成されている。溝部287は、凹部281と凹部282との間に形成されている。凹部281と凹部282とは、溝部287を介してつながっている。溝部288は、壁293と壁294とが交差する箇所のうち壁293のZ軸方向の位置を起点として、壁271を−Y軸方向に平面視したときに、凹部284の外側を時計回り方向に回ってから、壁272のX軸方向の位置を通って転回、蛇行して凹部283に至る。なお、凹部267と凹部281とは、壁275に形成された切欠き部301を介してつながっている。また、凹部282と凹部283とは、壁295に形成された切欠き部302を介してつながっている。
凹部267、凹部281〜凹部284、溝部287及び溝部288、並びに切欠き部301及び切欠き部302は、Y軸方向から−Y軸方向に向かって凹となる向きに形成されている。凹部267、凹部281〜凹部284、溝部287及び溝部288、並びに切欠き部301及び切欠き部302は、壁271を−Y軸方向に平面視したときに、接合部268によって囲まれている。
なお、シート部材266(図37)は、タンク210を−Y軸方向に平面視したときに、凹部267、凹部281〜凹部284、溝部287及び溝部288、並びに切欠き部301及び切欠き部302を囲む接合部268を覆う大きさ及び形状を有している。このため、ケース265の接合部268にシート部材266を接合すると、凹部267、凹部281〜凹部284、溝部287及び溝部288、並びに切欠き部301及び切欠き部302がシート部材266によって塞がれる。これにより、凹部267、及び凹部281〜凹部284が相互に仕切られた部屋となる。
なお、図38に示すケース265の壁271のうち−Y軸方向の面、すなわち壁271の凹部267側とは反対側の面が、図36に示すタンク210の側面258に相当する。また、図38に示す壁272のうちX軸方向の面、すなわち壁272の凹部267側とは反対側の面が、図36に示すタンク210の後面256に相当する。
また、図38に示す壁273のうち−X軸方向の面、すなわち壁273の凹部267側とは反対側の面が、図35に示す前面236に相当する。また、図38に示す壁274のうち−Z軸方向の面、すなわち壁274の凹部267側とは反対側の面が、図36に示す下面259に相当する。
また、図38に示す壁275のうちZ軸方向の面、すなわち壁275の凹部267側とは反対側の面が、図35に示す上面251に相当する。また、図38に示す壁294のうち−X軸方向の面、すなわち壁294の凹部267側とは反対側の面が、図35に示す側面252に相当する。
また、図38に示す壁295のうちX軸方向の面、すなわち壁295の凹部267側とは反対側の面が、図36に示す側面257に相当する。また、図38に示す壁297のうちZ軸方向の面、すなわち壁297の凹部284側とは反対側の面が、図35に示す上面253に相当する。また、図38に示す壁279のうちZ軸方向の面、すなわち壁279の凹部267側とは反対側の面が、図35に示す上面255に相当する。
ここで、液体注入部235は、ケース265の断面図である図39に示すように、凹部267内に通じている。なお、図39では、液体注入部235を通るXZ平面でケース265を切断したときの断面が示されている。液体注入部235は、液体注入口303と、側壁304と、を有している。液体注入口303は、壁275に設けられた貫通孔の開口であり、凹部267側に向かって開口している。液体注入口303は、液体注入部235と凹部267(液体収容部269)とが交差する交差部でもある。
凹部267は、貫通孔である液体注入口303を介して凹部267の外側に通じている。側壁304は、壁275のZ軸方向に設けられており、液体注入口303の周囲を囲み、インク注入路を形成している。側壁304は、壁275からZ軸方向に突出している。なお、液体注入部235の構成としては、側壁304が凹部267の内側に突出している構成も採用され得る。側壁304が凹部267の内側に突出している構成においても、液体注入部235と凹部267とが交差する交差部を液体注入口303と定義する。
上記の構成を有するケース265にシート部材266が接合されると、図40に示すように、タンク210に、液体収容部269と、大気導入路305とが構成される。なお、図40では、シート部材266側からタンク210を見た状態が示されており、シート部材266越しにケース265が図示されている。
タンク210に構成される大気導入路305は、図38に示す凹部281〜凹部284、溝部287及び溝部288、並びに切欠き部301及び切欠き部302と、シート部材266(図37)とによって囲まれる領域である。ここで、切欠き部301は、図40に示すように、壁275に形成されている。切欠き部301のうち凹部267に向かって開口する開口は、大気導入路305と液体収容部269との接続口306に相当する。
また、大気導入路305には、図39に示す連通部261も含まれる。連通部261は、連通口307と、導入口308と、を含む。連通口307は、連通部261において、タンク210の外方に向かって開口する開口として定義される。導入口308は、凹部284の内側に向いて開口する開口部である。また、導入口308は、凹部284の内壁と連通部261とが交差する交差部に形成された開口であるともみなされ得る。換言すれば、導入口308は、連通部261が凹部284に接続する箇所である。連通部261は、タンク210の外方に向かって開口する連通口307からタンク210の内方に導入される大気の流路を構成している。
連通部261は、壁295からX軸方向に突出している。連通部261は、壁295の厚みと、壁295からX軸方向に突出している部分とを含む。このため、連通部261の経路長は、壁295からX軸方向に突出している部分の長さと、壁295の厚み寸法とを加算した長さに等しい。なお、連通部261のうちX軸方向に突出している部分を省略した構成も採用され得る。連通部261のうちX軸方向に突出している部分が省略されたタンク210では、連通部261の経路長が壁295の厚み寸法に等しい。
上記により、タンク210では、連通口307から接続口306に至る大気導入路305が構成される。これにより、タンク210は、大気導入路305から液体収容部269内に大気を導入可能に構成されている。つまり、大気導入路305は、液体収容部269に通じている。よって、タンク210では、連通口307から液体収容部269を経由して、液体供給部262につながる流路が構成されている。
なお、タンク210において、図40に示す切欠き部301とシート部材266とによって囲まれる領域は、連通路311と呼ばれる。また、凹部281とシート部材266とによって囲まれる領域は、第1バッファー室312と呼ばれる。同様に、溝部287とシート部材266とによって囲まれる領域は、連通路313と呼ばれる。また、凹部282とシート部材266とによって囲まれる領域は、第2バッファー室314と呼ばれる。
また、切欠き部302とシート部材266とによって囲まれる領域は、連通路315と呼ばれる。また、凹部283とシート部材266とによって囲まれる領域は、第3バッファー室316と呼ばれる。また、溝部288とシート部材266とによって囲まれる領域は、連通路317と呼ばれる。また、凹部284とシート部材266とによって囲まれる領域は、第4バッファー室318と呼ばれる。
第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、液体噴射システム201にバッファーユニット27が設けられている。ここで、第2実施形態におけるバッファーユニット27の種々の実施例について説明する。なお、以下において、バッファーユニット27を実施例ごとに識別するため、バッファーユニット27の符号に、実施例ごとに異なるアルファベット文字や記号などを付記する。
(実施例6)
実施例6のバッファーユニット27Dは、図41に示すように、タンク210の連通部261に接続可能に構成されている。なお、タンク210にバッファーユニット27Dを接続した構成は、液体供給ユニット132Dと呼ばれる。液体供給ユニット132Dにおいて、バッファーユニット27Dは、図42に示すように、タンク210から分離可能に構成されている。
バッファーユニット27Dは、図43に示すように、接続部材331と、防水通気フィルム332と、を有している。接続部材331は、例えば、ナイロンやポリプロピレン等の合成樹脂により構成されている。接続部材331には、凹部333が形成されている。凹部333は、底部334と側壁335とによって区画されている。凹部333は、−X軸方向に凹となる向きに形成されている。側壁335は、底部334に設けられており、底部334からX軸方向に突出している。底部334から突出している側壁335は、底部334を囲んでいる。これにより、底部334と、底部334を囲む側壁335とによって凹部333が構成されている。
側壁335のX軸方向における端部には、接合部336が設けられている。防水通気フィルム332は、接合部336に接合されている。防水通気部材の一例である防水通気フィルム332は、液体に対する防水性が高く、すなわち液体の浸透性が低く、通気性が高い材料で構成されており、フィルム状に形成されている。防水通気フィルム332は、凹部333を囲む接合部336を覆う大きさ及び形状を有している。本実施例では、溶着によって接続部材331と防水通気フィルム332とが接合されている。
接続部材331に防水通気フィルム332が接合されると、凹部333が防水通気フィルム332によって塞がれる。このため、接続部材331に防水通気フィルム332が接合されると、凹部333が防水通気フィルム332によってX軸方向から塞がれる。凹部333と防水通気フィルム332とによって囲まれる空間は、バッファー室338を構成する。
接続部材331には、連通孔337が形成されている。連通孔337は、接続部材331の底部334から、接続部材331を−X軸方向に貫通している。このため、バッファーユニット27Dでは、バッファー室338が、連通孔337を介してバッファー室338の外側に通じている。なお、バッファーユニット27Dにおいて、接続部材331の凹部333がX軸方向に向かって開口している開口の縁部が大気開放口339に相当する。大気開放口339は、バッファーユニット27Dからタンク210内に導入される大気の導入口である。
実施例6における液体供給ユニット132Dでは、図42中のC−C線における断面図である図44に示すように、タンク210の連通部261がバッファーユニット27Dの連通孔337に挿入されている。これにより、バッファーユニット27Dがタンク210に接続されている。
大気開放口339から液体供給部262に至る流路(経路ともいう)について、模式図を参照しながら説明する。ここでは、理解を容易にするために、大気開放口339から液体供給部262に至る流路を模式的に説明する。なお、大気開放口339から液体供給部262に向かう向きを、流体が流れる向きとする。そして、この向きが「上流」、「下流」の基準とされる。大気開放口339から液体供給部262に至る流路140Dは、図45に示すように、大気導入部135Dと、液体収容部269と、液体供給部262と、を含む。
大気導入部135Dは、バッファー室338と、連通孔337と、連通部261と、第4バッファー室318と、連通路317と、第3バッファー室316と、連通路315と、第2バッファー室314と、連通路313と、第1バッファー室312と、連通路311と、を含む。ここで、バッファーユニット27Dのバッファー室338、及び連通孔337は、導入路141Dを構成している。つまり、本実施例では、バッファーユニット27Dが導入路141Dを有している。また、大気室の一例であるバッファー室338は、導入路141Dの少なくとも一部を構成している。このため、バッファーユニット27Dは、導入路141Dの少なくとも一部を構成するバッファー室338を有している。
バッファー室338は、大気開放口339の下流側に設けられている。なお、大気開放口339は、防水通気フィルム332によって上流側から塞がれている。このため、バッファー室338は、防水通気フィルム332の下流側に位置している。連通孔337は、バッファー室338の下流側に設けられている。バッファーユニット27Dの下流側には、タンク210が設けられている。タンク210の連通部261は、バッファーユニット27Dの連通孔337の下流側に設けられている。
第4バッファー室318は、連通部261の下流側に設けられている。連通路317は、第4バッファー室318の下流側に設けられている。第3バッファー室316は、連通路317の下流側に設けられている。連通路315は、第3バッファー室316の下流側に設けられている。
第2バッファー室314は、連通路315の下流側に設けられている。連通路313は、第2バッファー室314の下流側に設けられている。第1バッファー室312は、連通路313の下流側に設けられている。連通路311は、第1バッファー室312の下流側に設けられている。液体収容部269は、連通路311の下流側に設けられている。そして、液体収容部269の下流側に液体供給部262が設けられている。本実施例では、大気開放口339から液体供給部262までの流路140Dが、上記の構成を有している。
液体収容部269内のインクが液体供給部262を介して記録部229(図32)に供給されると、液体収容部269内のインクの量が減少する。液体収容部269内のインクの量が減少すると、液体収容部269内の圧力が大気圧よりも低くなりやすい。本実施例では、液体収容部269に、大気開放口339から接続口306(図45)までの大気導入部135Dが連通している。このため、液体収容部269内のインクの量が減少して液体収容部269内の圧力が大気圧よりも低くなると、大気導入部135Dを介して液体収容部269内に大気が導入され得る。この結果、液体収容部269内の圧力が大気圧に維持されやすい。
このとき、液体収容部269内に導入される大気は、防水通気フィルム332を介して大気開放口339からバッファー室338内に流入する。バッファー室338内に流入した大気は、連通孔337からバッファーユニット27Dの外に流出する。バッファーユニット27Dの外に流出した大気は、タンク210の連通部261内に流入する。タンク210の連通部261内に流入した大気は、第4バッファー室318内に流入する。
第4バッファー室318内に流入した大気は、連通路317を介して第3バッファー室316内に流入する。第3バッファー室316内に流入した大気は、連通路315を介して第2バッファー室314内に流入する。第2バッファー室314内に流入した大気は、連通路313を介して第1バッファー室312内に流入する。第1バッファー室312内に流入した大気は、連通路311を介して液体収容部269内に流入する。
本実施例では、タンク210の液体収容部269内に大気を導入可能な大気導入部135Dの少なくとも一部を構成するバッファーユニット27Dが設けられている。通気ユニットの一例であるバッファーユニット27Dは、大気の経路の少なくとも一部を構成する導入路141Dと、導入路141Dの少なくとも一部を構成するバッファー室338と、を有している。そして、バッファー室338の上流側には、防水通気フィルム332が設けられている。この構成により、液体収容部269内のインクが大気導入部135Dに進入しても、バッファーユニット27Dのバッファー室338でインクの進行を留めやすい。これにより、液体収容部269内のインクが大気導入部135Dを介してタンク210の外に漏出することを防ぎやすい。
また、本実施例では、バッファーユニット27Dは、タンク210から分離可能に構成されている。つまり、タンク210とバッファーユニット27Dとが互いに別体に構成されている。この構成により、タンク210に大気導入部135Dを付加したり、大気導入部135Dを拡張したりすることができる。これにより、タンク210からインクが漏出することを一層防ぎやすい。これにより、液体噴射システム201の種々の型式(モデル、機種等ともいう)において、液体供給ユニット132D(図41)の構成を変えることができる。この結果、液体噴射システム201の設計の自由度を向上させやすい。
また、本実施例では、バッファーユニット27Dがタンク210から分離可能に構成されているので、タンク210に対するバッファーユニット27Dの位置を変更しやすい。これにより、液体噴射システム201の種々の型式において、タンク210に対するバッファーユニット27Dの位置を変えることができる。この結果、液体噴射システム201の設計の自由度を向上させやすい。
(実施例7)
実施例7のバッファーユニット27Eは、図46に示すように、ネジ341でタンク210に固定されている。なお、タンク210にバッファーユニット27Eを接続した構成は、液体供給ユニット132Eと呼ばれる。液体供給ユニット132Eにおいて、バッファーユニット27Eは、タンク210から分離可能に構成されている。
なお、実施例7における液体供給ユニット132Eのタンク210では、連通部261が上面253に設けられている。また、実施例7におけるタンク210では、上面253と上面255とに、ネジ止め部342が設けられている。これらの点を除いて、実施例7におけるタンク210は、実施例6におけるタンク210と同様の構成を有している。このため、実施例7におけるタンク210において、実施例6におけるタンク210と同様の構成については、実施例6と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
実施例7におけるタンク210では、連通部261が上面253からZ軸方向に突出している。連通部261は、タンク210の第4バッファー室318(図40)に通じている。上面253及び上面255のそれぞれにおいて、ネジ止め部342は、Z軸方向に突出している。ネジ止め部342には、ネジ341に対応するネジ穴が形成されている。ネジ341は、ネジ止め部342に締め付けられる。
バッファーユニット27Eは、図47に示すように、ケース345と、シート部材346と、防水通気フィルム347と、シート部材348と、シール部材349と、を有している。ケース345は、例えば、ナイロンやポリプロピレン等の合成樹脂により構成されている。また、シート部材346及びシート部材348は、合成樹脂(例えば、ナイロンや、ポリプロピレン等)によりフィルム状に形成され、可撓性を有する。防水通気部材の一例である防水通気フィルム347は、防水通気フィルム332と同様の機能を有しており、防水通気フィルム332と同様の材料で構成され得る。
ケース345には、凹部351と、凹部352とが形成されている。ケース345において、凹部351は、−X軸方向に凹となる向きに形成されている。換言すれば、凹部351は、X軸方向に向かって開口している。また、凹部352は、−Z軸方向に凹となる向きに形成されている。換言すれば、凹部352は、Z軸方向に向かって開口している。ケース345を−X軸方向に平面視したとき、凹部351と凹部352とは、互いに重なる位置に形成されている。凹部351と凹部352とは、壁353によって互いに仕切られている。
バッファーユニット27Eにおいて、シート部材346は、ケース345のX軸方向に位置している。防水通気フィルム347は、凹部351内に収まる大きさ及び形状を有している。そして、防水通気フィルム347は、凹部351内に収容されている。シート部材346は、凹部351の開口の縁、すなわち凹部351のX軸方向の端部に設けられた接合部354に接合されている。ケース345を−X軸方向に平面視したとき、接合部354は、凹部351を囲んでいる。シート部材346は、凹部351及び接合部354を覆う大きさ及び形状を有している。接合部354にシート部材346が接合されると、凹部351がシート部材346によって塞がれる。凹部351とシート部材346とによって囲まれた領域は、バッファー室355と呼ばれる。
シート部材348は、ケース345のZ軸方向に位置している。シート部材348は、凹部352の開口の縁、すなわち凹部352のZ軸方向の端部に設けられた接合部356に接合されている。ケース345を−Z軸方向に平面視したとき、接合部356は、凹部352を囲んでいる。シート部材348は、凹部352及び接合部356を覆う大きさ及び形状を有している。接合部356にシート部材348が接合されると、凹部352がシート部材348によって塞がれる。凹部352とシート部材348とによって囲まれた領域は、バッファー室357と呼ばれる。
凹部351内には、図48に示すように、凹部358を区画する環状の土手部359が設けられている。土手部359は、壁353に形成されており、壁353からX軸方向に突出している。壁353と土手部359とによって凹部358が構成されている。土手部359のX軸方向の端部には、接合部361が設けられている。図47に示す防水通気フィルム347は、凹部358の開口の縁、すなわち接合部361に接合されている。ケース345を−X軸方向に平面視したとき、接合部361は、凹部358を囲んでいる。防水通気フィルム347は、凹部358及び接合部361を覆う大きさ及び形状を有している。
接合部361に防水通気フィルム347が接合されると、凹部358が防水通気フィルム347によって塞がれる。凹部358と防水通気フィルム347とによって囲まれた領域は、バッファー室362と呼ばれる。つまり、バッファーユニット27Eでは、バッファー室355の内部にバッファー室362が設けられている。
凹部358内には、連通孔363が形成されている。壁353を−X軸方向に平面視したとき、連通孔363は、凹部352に重なる位置に配置されている。連通孔363は、壁353を貫通している。これにより、凹部358と凹部352とが連通孔363を介して互いに通じている。また、凹部351を区画する側壁のうちZ軸方向に位置する側壁364には、大気開放部365が設けられている。大気開放部365は、側壁364をZ軸に沿って貫通している。このため、バッファー室355は、大気開放部365を介してバッファー室355の外側に通じている。
また、ケース345の凹部352内には、図49に示すように、接続孔366が形成されている。接続孔366は、凹部352の底部367に形成されている。接続孔366は、底部367をZ軸に沿って貫通している。凹部351及び凹部352の外側には、挿入部368が形成されている。挿入部368には、ネジ341(図46)が挿入される。
凹部352の底部367の−Z軸方向には、図50に示すように、挿入部369が設けられている。挿入部369は、接続孔366に重なる位置に設けられている。挿入部369には、シール部材349が挿入される。本実施例では、シール部材349が挿入部369に圧入されている。シール部材349は、ゴムやエラストマーなどの弾性材料によって構成されており、環状に形成されている。
バッファーユニット27Eとタンク210の連通部261とを示す断面図である図51に示すように、バッファーユニット27Eがタンク210に接続されると、シール部材349には、連通部261が圧入される。シール部材349は、連通部261と接続孔366との間に介在している。シール部材349によって、連通部261と接続孔366との間の気密性が高められる。なお、図51では、バッファーユニット27Eの大気開放部365と連通孔363とシール部材349とタンク210の連通部261とを通るXZ平面でタンク210とバッファーユニット27Eとを切断したときの断面が示されている。
バッファーユニット27Eがタンク210に接続されると、タンク210の第4バッファー室318と、バッファーユニット27Eのバッファー室357とが連通部261を介して連通する。これにより、液体供給ユニット132Eでは、大気開放部365から液体供給部262までの流路140Eが構成される。
なお、バッファーユニット27Eにおいて、大気開放部365は、大気開放口371と、導入口372と、を有している。大気開放口371は、バッファー室355の外側に向いて開口する開口部である。導入口372は、バッファー室355の内側に向いて開口する開口部である。また、導入口372は、バッファー室355の内壁と大気開放部365とが交差する交差部に形成された開口であるともみなされ得る。換言すれば、導入口372は、大気開放部365がバッファー室355に接続する箇所である。
大気開放部365は、側壁364からZ軸方向に突出している。大気開放部365は、側壁364の厚みと、側壁364からZ軸方向に突出している部分とを含む。このため、大気開放部365の経路長は、側壁364からZ軸方向に突出している部分の長さと、側壁364の厚み寸法とを加算した長さに等しい。なお、大気開放部365のうちZ軸方向に突出している部分を省略した構成も採用され得る。大気開放部365のうちZ軸方向に突出している部分が省略されたバッファーユニット27Eでは、大気開放部365の経路長が側壁364の厚み寸法に等しい。
大気開放部365から液体供給部262までの流路140Eについて説明する。本実施例における流路140Eは、図52に示すように、大気導入部135Eを有している。大気導入部135Eは、導入路141Eと、大気導入路305と、を含む。導入路141Eは、バッファーユニット27Eの大気開放部365と、バッファー室355と、バッファー室362と、バッファー室357と、を含む。このため、バッファーユニット27Eは、大気導入部135Eの少なくとも一部を構成している。大気導入路305については、実施例6と同様であるので、実施例6と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
バッファー室355は、大気開放部365の下流側に設けられている。バッファー室362は、バッファー室355の下流側に設けられている。バッファー室355とバッファー室362とは、防水通気フィルム347によって仕切られている。バッファー室355とバッファー室362とは、防水通気フィルム347を介して連通している。
バッファー室357は、バッファー室362の下流側に設けられている。バッファー室357とバッファー室362とは、連通孔363を介して通じている。連通孔363は、上流側から防水通気フィルム347によって塞がれている。これにより、バッファー室357よりも上流側において、導入路141Eが防水通気フィルム347によって塞がれている。そして、バッファー室357の下流側にタンク210の連通部261が配置されている。
大気開放口371から大気開放部365に流入した大気は、導入口372からバッファー室355内に流入する。バッファー室355内に流入した大気は、防水通気フィルム347を通ってバッファー室362内に流入する。バッファー室362内に流入した大気は、連通孔363を通ってバッファー室357内に流入する。そして、バッファー室357内に流入した大気は、連通部261を通ってタンク210の第4バッファー室318内に流入する。これ以降については、実施例6と同様であるため詳細な説明を省略する。
実施例7においても、実施例6と同様の効果が得られる。さらに、実施例7では、大気開放部365とバッファー室357との間にバッファー室362が介在している。このため、例えば、液体収容部269内のインクがバッファー室357に流入したときに、バッファー室357の上流側に設けられたバッファー室362でインクを留めやすい。このため、液体収容部269内のインクが大気導入部135Eを介してタンク210の外に漏出することを一層防ぎやすい。
さらに、実施例7では、大気開放部365とバッファー室362との間にバッファー室355が介在している。このため、例えば、液体収容部269内のインクがバッファー室362に流入したときに、バッファー室362の上流側に設けられたバッファー室355でインクを留めやすい。このため、液体収容部269内のインクが大気導入部135Eを介してタンク210の外に漏出することを一層防ぎやすい。
さらに、実施例7では、バッファー室362とバッファー室355との間が防水通気フィルム347によって仕切られている。このため、例えば、液体収容部269内のインクがバッファー室362に流入したときに、バッファー室362内のインクがバッファー室355に流入することを抑えることができる。これにより、液体収容部269内のインクが大気導入部135Eを介してタンク210の外に漏出することを一層防ぎやすい。なお、防水通気フィルム347は、防水通気シートの一例でもある。
(実施例8)
実施例8のバッファーユニット27Fは、図53に示すように、チューブ381を介してタンク210に接続されている。なお、タンク210にバッファーユニット27Fを接続した構成は、液体供給ユニット132Fと呼ばれる。液体供給ユニット132Fにおいて、バッファーユニット27Fは、タンク210から分離可能に構成されている。
バッファーユニット27Fは、図54に示すように、ケース382と、シート部材383と、防水通気フィルム384と、シート部材385と、を有している。ケース382は、例えば、ナイロンやポリプロピレン等の合成樹脂により構成されている。また、シート部材383及びシート部材385は、合成樹脂(例えば、ナイロンや、ポリプロピレン等)によりフィルム状に形成され、可撓性を有する。防水通気部材の一例である防水通気フィルム384は、防水通気フィルム332と同様の機能を有しており、防水通気フィルム332と同様の材料で構成され得る。
ケース382には、凹部386が形成されている。ケース382において、凹部386は、−Z軸方向に凹となる向きに形成されている。換言すれば、凹部386は、Z軸方向に向かって開口している。また、ケース382には、接続部387と、大気開放部388とが設けられている。接続部387は、ケース382からZ軸方向に突出している。大気開放部388は、ケース382からX軸方向に突出している。
バッファーユニット27Fにおいて、シート部材383は、ケース382のZ軸方向に位置している。防水通気フィルム384は、凹部386内に収まる大きさ及び形状を有している。そして、防水通気フィルム384は、凹部386内に収容されている。シート部材383は、凹部386の開口の縁、すなわち凹部386のZ軸方向の端部に設けられた接合部389に接合されている。ケース382を−Z軸方向に平面視したとき、接合部389は、凹部386を囲んでいる。シート部材383は、凹部386及び接合部389を覆う大きさ及び形状を有している。接合部389にシート部材383が接合されると、凹部386がシート部材383によって塞がれる。凹部386とシート部材383とによって囲まれた領域は、バッファー室391と呼ばれる。
ケース382の凹部386内には、図55に示すように、凹部392が形成されている。凹部386内には、凹部392を区画する環状の土手部393が設けられている。土手部393は、壁394に形成されており、壁394からZ軸方向に突出している。壁394と土手部393とによって凹部392が構成されている。土手部393のZ軸方向の端部には、接合部396が設けられている。図54に示す防水通気フィルム384は、凹部392の開口の縁、すなわち接合部396に接合されている。ケース382を−Z軸方向に平面視したとき、接合部396は、凹部392を囲んでいる。防水通気フィルム384は、凹部392及び接合部396を覆う大きさ及び形状を有している。
接合部396に防水通気フィルム384が接合されると、凹部392が防水通気フィルム384によって塞がれる。凹部392と防水通気フィルム384とによって囲まれた領域は、バッファー室397と呼ばれる。つまり、バッファーユニット27Fでは、バッファー室391の内部にバッファー室397が設けられている。
凹部386の−Z軸方向には、図56に示すように、凹部398と、凹部399とが形成されている。ケース382において、凹部398及び凹部399は、Z軸方向に凹となる向きに形成されている。換言すれば、凹部398及び凹部399は、−Z軸方向に向かって開口している。凹部398と凹部399とは、隔壁401によって仕切られている。また、ケース382を−Z軸方向に平面視したとき、凹部392(図55)は、凹部398に重なる領域内に形成されている。凹部392と凹部398とは、壁394によって互いに仕切られている。
シート部材385(図54)は、ケース382の−Z軸方向に位置している。シート部材385は、図56に示す凹部398及び凹部399の開口の縁、すなわち凹部398及び凹部399の−Z軸方向の端部に設けられた接合部402に接合されている。ケース382をZ軸方向に平面視したとき、接合部402は、凹部398及び凹部399を囲んでいる。また、接合部402は、隔壁401にも設けられている。つまり、隔壁401の−Z軸方向の端部にもシート部材385が接合されている。
シート部材385は、凹部398及び凹部399、並びに接合部402を覆う大きさ及び形状を有している。接合部402にシート部材385が接合されると、凹部398及び凹部399がシート部材385によって塞がれる。凹部398とシート部材385とによって囲まれた領域は、バッファー室403と呼ばれる。凹部399とシート部材385とによって囲まれた領域は、バッファー室404と呼ばれる。
図56に示すように、凹部398内には、接続部387が通じている。ケース382からZ軸方向に突出する接続部387(図55)は、ケース382をZ軸に沿って貫通し、凹部398内に通じている。また、図56に示すように、凹部398内には、連通孔405が形成されている。また、凹部399内には、連通孔406が形成されている。壁394をZ軸方向に平面視したとき、連通孔405は、凹部392(図55)に重なる位置に配置されている。また、壁394をZ軸方向に平面視したとき、連通孔406は、凹部392(図55)の外側に位置し、且つ凹部386に重なる位置に配置されている。
連通孔405は、壁394を貫通している。これにより、凹部392と凹部398とが連通孔405を介して互いに通じている。また、連通孔406も、壁394を貫通している。これにより、凹部386と凹部399とが連通孔406を介して互いに通じている。また、図56に示す大気開放部388は、凹部399に通じている。このため、バッファー室404は、大気開放部388を介してバッファー室404の外側に通じている。
バッファーユニット27Fとタンク210とをつなぐチューブ381は、図57に示すように、バッファーユニット27Fの接続部387とタンク210の連通部261とに接続される。バッファーユニット27Fがチューブ381を介してタンク210に接続されると、液体供給ユニット132Fにおいて、大気開放部388から液体供給部262までの流路140Fが構成される。
大気開放部388から液体供給部262までの流路140Fについて説明する。本実施例における流路140Fは、図58に示すように、大気導入部135Fを有している。大気導入部135Fは、導入路141Fと、チューブ381と、大気導入路305と、を含む。導入路141Fは、バッファーユニット27Fの大気開放部388と、バッファー室404と、バッファー室391と、バッファー室397と、バッファー室403と、を含む。このため、バッファーユニット27Fは、大気導入部135Fの少なくとも一部を構成している。
なお、大気導入路305については、実施例6と同様であるので、実施例6と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。また、バッファーユニット27Fにおいて、大気開放部388は、大気開放口371と、導入口372と、を有している。大気開放口371及び導入口372は、実施例7と同様であるので、詳細な説明を省略する。また、バッファーユニット27Fにおいて、大気開放部388のうちケース382から突出している部分を省略することができることも実施例7と同様であるので、詳細な説明を省略する。
バッファー室404は、大気開放部388の下流側に設けられている。バッファー室391は、バッファー室404の下流側に設けられている。バッファー室391とバッファー室404とは、連通孔406を介して通じている。バッファー室397は、バッファー室391の下流側に設けられている。バッファー室391とバッファー室397とは、防水通気フィルム384によって仕切られている。バッファー室391とバッファー室397とは、防水通気フィルム384を介して連通している。
バッファー室403は、バッファー室397の下流側に設けられている。バッファー室403とバッファー室397とは、連通孔405を介して通じている。連通孔405は、上流側から防水通気フィルム384によって塞がれている。これにより、バッファー室403よりも上流側において、導入路141Fが防水通気フィルム384によって塞がれている。そして、バッファー室403の下流側にタンク210の連通部261が配置されている。
大気開放口371から大気開放部388に流入した大気は、導入口372からバッファー室404内に流入する。バッファー室404内に流入した大気は、連通孔406を通ってバッファー室391内に流入する。バッファー室391内に流入した大気は、防水通気フィルム384を通ってバッファー室397内に流入する。バッファー室397内に流入した大気は、連通孔405を通ってバッファー室403内に流入する。そして、バッファー室403内に流入した大気は、連通部261を通ってタンク210の第4バッファー室318内に流入する。これ以降については、実施例6と同様であるため詳細な説明を省略する。
実施例8においても、実施例6や実施例7と同様の効果が得られる。さらに、実施例8では、大気開放部388とバッファー室403との間にバッファー室397が介在している。このため、例えば、液体収容部269内のインクがバッファー室403に流入したときに、バッファー室403の上流側に設けられたバッファー室397でインクを留めやすい。このため、液体収容部269内のインクが大気導入部135Fを介してタンク210の外に漏出することを一層防ぎやすい。
さらに、実施例8では、大気開放部365とバッファー室391との間にバッファー室404が介在している。このため、例えば、液体収容部269内のインクがバッファー室391に流入したときに、バッファー室391の上流側に設けられたバッファー室404でインクを留めやすい。このため、液体収容部269内のインクが大気導入部135Fを介してタンク210の外に漏出することを一層防ぎやすい。
さらに、実施例8では、バッファー室397とバッファー室391との間が防水通気フィルム384によって仕切られている。このため、例えば、液体収容部269内のインクがバッファー室397に流入したときに、バッファー室397内のインクがバッファー室391に流入することを抑えることができる。これにより、液体収容部269内のインクが大気導入部135Fを介してタンク210の外に漏出することを一層防ぎやすい。なお、防水通気フィルム384は、防水通気シートの一例でもある。
実施例6〜実施例8では、バッファーユニット27がタンク210の前面236側とは反対側に配置されている。しかしながら、バッファーユニット27の配置は、これに限定されない。バッファーユニット27の配置としては、タンク210の周辺の種々の位置が採用され得る。タンク210の周辺の位置としては、例えば、タンク210のY軸方向や−Y軸方向、タンク210のZ軸方向や−Z軸方向等の種々の位置が挙げられる。
さらに、バッファーユニット27がタンク210の前面236側とは反対側に配置される場合、バッファーユニット27の配置としては、タンク210よりもX軸方向の位置も採用され得る。この場合、バッファーユニット27が、図33に示す筐体207内に納まる配置や、筐体207よりも外側に位置する配置なども採用され得る。バッファーユニット27が筐体207よりも外側に位置する構成では、バッファーユニット27をインク供給装置204とプリンター203との間に配置する構成や、バッファーユニット27をプリンター203の筐体206(図32)の内部に配置する構成などが採用され得る。
(実施例9)
実施例9のバッファーユニット27Gは、図59に示すように、複数(2又は2を超える数)のチューブ381を介して複数のタンク210に接続されている。本実施形態における液体噴射システム201では、4つのタンク210を有しているので、バッファーユニット27Gが4つのタンク210に4つのチューブ381を介して接続されている。実施例9のバッファーユニット27Gは、複数のバッファーユニット27F(図57)を一体に形成した構成を有している。なお、バッファーユニット27Gは、4つのタンク210のうちのタンク211のY軸方向に配置されている。また、バッファーユニット27Gは、第1筐体241を−Z軸方向に平面視したとき、第1筐体241の領域内に収められている。
バッファーユニット27Gは、図60に示すように、ケース411と、シート部材412と、4つの防水通気フィルム384と、シート部材413と、を有している。ケース411は、実施例8におけるケース382と同様の材料で構成され得る。シート部材412及びシート部材413は、実施例8におけるシート部材383やシート部材385と同様の材料で構成され得る。4つの防水通気フィルム384は、実施例8における防水通気フィルム384と同様の材料で構成され得る。以下において、4つの防水通気フィルム384を個別に識別する場合に、4つの防水通気フィルム384は、それぞれ、防水通気フィルム384A、防水通気フィルム384B、防水通気フィルム384C、及び防水通気フィルム384Dと表記される。
ケース411は、4つのケース382(図55)を並べて一体に形成した構成を有している。このため、以下において、ケース411の構成のうち実施例8におけるケース382と同様の構成については、実施例8と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。ケース411には、図61に示すように、4つの凹部386が形成されている。4つの凹部386は、−Y軸方向に向かって凹となる向きに形成されている。それぞれの凹部386の内部には、凹部392が形成されている。
4つの凹部386は、Z軸に沿って配列している。4つの凹部386を個別に識別する場合、4つの凹部386は、Z軸方向から−Z軸方向に向かって並ぶ順に、凹部386A、凹部386B、凹部386C、及び凹部386Dと表記される。また、4つの凹部392を個別に識別する場合、4つの凹部392は、Z軸方向から−Z軸方向に向かって並ぶ順に、凹部392A、凹部392B、凹部392C、及び凹部392Dと表記される。凹部392Aが凹部386Aに対応して設けられている。同様に、凹部392Bが凹部386Bに対応して設けられ、凹部392Cが凹部386Cに対応して設けられ、凹部392Dが凹部386Dに対応して設けられている。
また、ケース411には、4つの凹部386に対応して、4つの接続部387と、4つの大気開放部388とが設けられている。4つの接続部387を個別に識別する場合に、4つの接続部387は、4つの凹部386に対応して、接続部387A、接続部387B、接続部387C、及び接続部387Dと表記される。同様に、4つの大気開放部388を個別に識別する場合に、4つの大気開放部388は、4つの凹部386に対応して、大気開放部388A、大気開放部388B、大気開放部388C、及び大気開放部388Dと表記される。
ケース411の−Y軸方向には、図62に示すように、4つの凹部398と、4つの凹部399と、4つの連通孔405と、4つの連通孔406とが設けられている。なお、実施例9におけるケース411と、実施例8におけるケース382とでは、接続部387及び大気開放部388の配置が異なっている。この構成により、図59に示すように、バッファーユニット27Gをタンク211のY軸方向に配置したときにチューブ381の配置にかかるスペースを効率化することができる。実施例9におけるケース411は、接続部387及び大気開放部388の配置が異なっていることを除いて、実施例8におけるケース382と同様の構成を有している。また、ケース411において、大気開放部388のうちケース411から突出している部分を省略することができることも実施例8と同様であるので、詳細な説明を省略する。
図62に示す4つの凹部398を個別に識別する場合、4つの凹部386に対応して、4つの凹部398の符号にA〜Dの文字が付記される。また、4つの凹部399、4つの連通孔405、及び4つの連通孔406についても同様に、それぞれを個別に識別する場合、4つの凹部386に対応して、それぞれの符号にA〜Dの文字が付記される。
図60に示すシート部材412は、4つの凹部386(図61)を覆う大きさ及び形状を有している。本実施例では、シート部材412が4つの凹部386をまとめて塞いでいる。また、図60に示すシート部材413は、4つの凹部398(図62)及び4つの凹部399を覆う大きさ及び形状を有している。本実施例では、シート部材413が4つの凹部398及び4つの凹部399をまとめて塞いでいる。
本実施例では、図59に示す4つのタンク210のうちタンク211が1つのチューブ381を介してバッファーユニット27Gの接続部387A(図61)に接続される。また、4つのタンク210のうちタンク212が1つのチューブ381を介してバッファーユニット27Gの接続部387B(図61)に接続される。また、4つのタンク210のうちタンク212が1つのチューブ381を介してバッファーユニット27Gの接続部387C(図61)に接続される。また、4つのタンク210のうちタンク214が1つのチューブ381を介してバッファーユニット27Gの接続部387D(図61)に接続される。
前述したように、タンク214の液体収容部269の容量は、他のタンク210の液体収容部269の容量よりも多い。このため、タンク214につながる凹部398D(図62)の容積が他の凹部398の容積よりも大きい。つまり、液体収容部269の容量に応じて、4つの凹部398のうちの凹部398Dの容積を他の凹部398よりも大きく設定されている。これにより、タンク214の液体収容部269の容量が他のタンク210の液体収容部269の容量よりも多くても、バッファーユニット27Gからインクが漏出する可能性を低減することができる。このことは、凹部386D(図61)、凹部392D(図61)、及び凹部386Dについても同様である。
大気開放部388から液体供給部262までの流路140Gについて説明する。バッファーユニット27Gには、4つのタンク210が並列に接続されている。このため、バッファーユニット27Gに4つのタンク210が接続されると、4つの流路140Gが並列に構成される。並列に構成される4つの流路140Gは、相互に同じ構成を有している。また、本実施例における流路140Gは、実施例8における流路140F(図58)と同様の構成を有している。このため、実施例9における流路140Gについては、図58に実施例9における構成を併記して詳細な説明を省略する。
なお、バッファーユニット27Gの凹部386、凹部392、凹部398、及び凹部399は、それぞれ、バッファーユニット27Fの凹部386、凹部392、凹部398、及び凹部399に対応している。このため、図58に示すバッファーユニット27Gにおいても、凹部386がバッファー室391を構成し、凹部392がバッファー室397を構成し、凹部398がバッファー室403を構成し、凹部399がバッファー室404を構成している。
実施例9においても、実施例8と同様の効果が得られる。さらに、実施例9では、シート部材412が4つの凹部386をまとめて塞いでいる。このため、4つの凹部386を個別に塞ぐ場合に比較してシート部材412の数を軽減することができる。また、実施例9では、シート部材413が4つの凹部398及び4つの凹部399をまとめて塞いでいる。このため、4つの凹部398及び4つの凹部399を個別に塞ぐ場合に比較してシート部材413の数を軽減することができる。
さらに、実施例9では、複数のタンク210を1つのバッファーユニット27Gに接続することができる。これにより、複数のタンク210に個別にバッファーユニット27を接続する構成に比較して、バッファーユニット27の配置場所を集約しやすい。
(実施例10)
実施例10のバッファーユニット27Hは、図63に示すように、ケース415と、シート部材416と、防水通気フィルム417と、シート部材418と、を有している。なお、実施例10において、実施例9と同様の構成については、実施例9の構成と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
ケース415は、実施例9におけるケース411と同様の材料で構成され得る。シート部材416及びシート部材418は、実施例9におけるシート部材412やシート部材413と同様の材料で構成され得る。防水通気フィルム417は、実施例9における防水通気フィルム384と同様の材料で構成され得る。
ケース415には、凹部419と凹部421とが形成されている。ケース415において、凹部419及び凹部421は、−Y軸方向に凹となる向きに形成されている。換言すれば、凹部419及び凹部421は、Y軸方向に向かって開口している。また、ケース415には、4つの接続部387と、1つの大気開放部388とが設けられている。接続部387は、ケース415からX軸方向に突出している。大気開放部388は、ケース415からX軸方向に突出している。凹部419と凹部421とは、隔壁422によって仕切られている。
バッファーユニット27Hにおいて、シート部材416は、ケース415のY軸方向に位置している。防水通気フィルム417は、凹部419内に収まる大きさ及び形状を有している。そして、防水通気フィルム417は、凹部419内に収容されている。シート部材416は、凹部419及び凹部421の開口の縁、すなわち凹部419及び凹部421のY軸方向の端部に設けられた接合部423に接合されている。また、接合部423は、隔壁422にも設けられている。つまり、隔壁422のY軸方向の端部にもシート部材416が接合されている。
ケース415を−Y軸方向に平面視したとき、接合部423は、凹部419及び凹部421を囲んでいる。シート部材416は、凹部419及び凹部421並びに接合部423を覆う大きさ及び形状を有している。接合部423にシート部材416が接合されると、凹部419及び凹部421がシート部材416によって塞がれる。凹部419とシート部材416とによって囲まれた領域は、バッファー室424と呼ばれる。また、凹部421とシート部材416とによって囲まれた領域は、バッファー室425と呼ばれる。なお、4つの接続部387は、凹部419内に通じている。また、大気開放部388は、凹部421内に通じている。
ケース415の凹部419内には、図64に示すように、凹部426が形成されている。凹部419内には、凹部426を区画する環状の土手部427が設けられている。土手部427は、壁428に形成されており、壁428からY軸方向に突出している。壁428と土手部427とによって凹部426が構成されている。土手部427のY軸方向の端部には、接合部429が設けられている。図63に示す防水通気フィルム417は、凹部426の開口の縁、すなわち接合部429に接合されている。ケース415を−Y軸方向に平面視したとき、接合部429は、凹部426を囲んでいる。防水通気フィルム417は、凹部426及び接合部429を覆う大きさ及び形状を有している。
接合部429に防水通気フィルム417が接合されると、凹部426が防水通気フィルム417によって塞がれる。凹部426と防水通気フィルム417とによって囲まれた領域は、バッファー室431と呼ばれる。つまり、バッファーユニット27Hでは、バッファー室424の内部にバッファー室431が設けられている。
凹部426の−X軸方向には、図65に示すように、凹部432が形成されている。ケース415において、凹部432は、Y軸方向に凹となる向きに形成されている。換言すれば、凹部432は、−Y軸方向に向かって開口している。ケース415をY軸方向に平面視したとき、凹部432は、凹部426(図64)の一部と、凹部421の一部とに重なっている。凹部432と凹部426とは、壁428によって互いに仕切られている。
シート部材418(図63)は、ケース415の−Y軸方向に位置している。シート部材418は、図65に示す凹部432の開口の縁、すなわち凹部432の−Y軸方向の端部に設けられた接合部433に接合されている。ケース415をY軸方向に平面視したとき、接合部433は、凹部432を囲んでいる。
シート部材418は、凹部432及び接合部433を覆う大きさ及び形状を有している。接合部433にシート部材418が接合されると、凹部432がシート部材418によって塞がれる。凹部432とシート部材418とによって囲まれた領域は、バッファー室434と呼ばれる。
図65に示すように、凹部432内には、連通孔435と連通孔436とが形成されている。壁428をY軸方向に平面視したとき、連通孔435は、凹部421(図64)に重なる位置に配置されている。また、壁428をY軸方向に平面視したとき、連通孔436は、凹部426(図64)に重なる位置に配置されている。
連通孔435は、図64に示すように、壁428を貫通している。これにより、凹部432と凹部421とが連通孔435を介して互いに通じている。また、連通孔436も、壁428を貫通している。これにより、凹部432と凹部426とが連通孔436を介して互いに通じている。
バッファーユニット27Hとタンク210とは、チューブ(図示せず)を介して接続されている。チューブとしては、実施例9と同様のチューブ381が採用され得る。チューブ381は、図63に示すバッファーユニット27Hの接続部387と、タンク210の連通部261とに接続される。バッファーユニット27Hがチューブ381を介してタンク210に接続されると、大気開放部388から液体供給部262までの流路140Hが構成される。
大気開放部388から液体供給部262までの流路140Hについて説明する。本実施例における流路140Hは、図66に示すように、大気導入部135Hを有している。大気導入部135Hは、導入路141Hと、チューブ381と、大気導入路305と、を含む。導入路141Hは、バッファーユニット27Hの大気開放部388と、バッファー室425と、バッファー室434と、バッファー室431と、バッファー室424と、を含む。このため、バッファーユニット27Hは、大気導入部135Hの少なくとも一部を構成している。
バッファーユニット27Hでは、複数の接続部387がバッファー室424に通じている。つまり、バッファーユニット27Hでは、複数の接続部387が1つの導入路141Hに通じている。別の観点では、バッファーユニット27Hでは、複数の接続部387が共通の導入路141Hに通じているとも表現され得る。なお、図66では、4つのタンク210のうちの1つのタンク210が図示され、残りの3つのタンク210の図示が省略されている。
なお、大気導入路305については、実施例6と同様であるので、実施例6と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。また、バッファーユニット27Hにおいて、大気開放部388は、大気開放口371と、導入口372と、を有している。大気開放口371及び導入口372は、実施例7と同様であるので、詳細な説明を省略する。また、バッファーユニット27Hにおいて、大気開放部388のうちケース415から突出している部分を省略することができることも実施例7と同様であるので、詳細な説明を省略する。
バッファー室425は、大気開放部388の下流側に設けられている。バッファー室434は、バッファー室425の下流側に設けられている。バッファー室434とバッファー室425とは、連通孔435を介して通じている。バッファー室431は、バッファー室434の下流側に設けられている。バッファー室434とバッファー室431とは、連通孔436を介して通じている。バッファー室424は、バッファー室431の下流側に設けられている。バッファー室431とバッファー室424とは、防水通気フィルム417を介して連通している。
バッファー室424とバッファー室431とは、防水通気フィルム417によって仕切られている。これにより、バッファー室424よりも上流側において、導入路141Hが防水通気フィルム417によって塞がれている。チューブ381は、バッファー室424の下流側に設けられている。チューブ381は、バッファーユニット27Hの接続部387に接続されている。バッファーユニット27Hのバッファー室424とチューブ381とは、接続部387を介して通じている。そして、チューブ381の下流側にタンク210の連通部261が配置されている。
大気開放口371から大気開放部388に流入した大気は、導入口372からバッファー室425内に流入する。バッファー室425内に流入した大気は、連通孔435を通ってバッファー室434内に流入する。バッファー室434内に流入した大気は、連通孔436を通ってバッファー室431内に流入する。バッファー室431内に流入した大気は、防水通気フィルム417を通ってバッファー室424内に流入する。バッファー室424内に流入した大気は、4つの接続部387に分流し得る。そして、バッファー室424から接続部387に流入した大気は、チューブ381を通ってタンク210の第4バッファー室318内に流入する。これ以降については、実施例6と同様であるため詳細な説明を省略する。
実施例10においても、実施例6〜実施例9と同様の効果が得られる。さらに、実施例10では、複数の接続部387が共通の導入路141Hに通じている。この構成により、導入路141Hを小型化しやすい。
実施例9や実施例10では、バッファーユニット27がタンク211のY軸方向に配置されている。しかしながら、バッファーユニット27の配置は、これに限定されない。バッファーユニット27の配置としては、タンク210の周辺の種々の位置が採用され得る。タンク210の周辺の位置としては、例えば、タンク214の−Y軸方向や、タンク210のZ軸方向や−Z軸方向、X軸方向等の種々の位置が挙げられる。また、バッファーユニット27の配置として、隣り合う2つのタンク210の間の位置も採用され得る。
実施例8〜実施例10では、バッファーユニット27とタンク210とがチューブ381を介して接続されている。この構成によれば、チューブ381の長さや配置の設定に応じて、タンク210に対するバッファーユニット27の位置の設定を変更しやすい。このため、実施例8〜実施例10における液体供給ユニット132Fや、液体供給ユニット132G、液体供給ユニット132Hを有するインク供給装置204や液体噴射システム201では、タンク210に対するバッファーユニット27の位置の設定を変更しやすくすることができる。
さらに、バッファーユニット27がタンク210の前面236側とは反対側に配置される場合、バッファーユニット27の配置としては、タンク210よりもX軸方向の位置も採用され得る。この場合、バッファーユニット27が、図33に示す筐体207内に納まる配置や、筐体207よりも外側に位置する配置なども採用され得る。バッファーユニット27が筐体207よりも外側に位置する構成では、バッファーユニット27をインク供給装置204とプリンター203との間に配置する構成や、バッファーユニット27をプリンター203の筐体206(図32)の内部に配置する構成などが採用され得る。
また、第2実施形態のインク供給装置204や、液体噴射システム201に対して、第1実施形態における実施例2〜実施例4のバッファーユニット27を適用することができる。これらの構成においても、実施例2〜実施例4と同様の効果が得られる。また、第1実施形態のインク供給装置4や、液体噴射システム1に対して、実施例6〜実施例10のバッファーユニット27を適用することもできる。これらの構成においても、実施例6〜実施例10と同様の効果が得られる。
上記各実施形態において、液体噴射装置は、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したり塗布したりして消費する液体噴射装置であってもよい。なお、液体噴射装置から微小量の液滴となって吐出される液体の状態としては、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体は、液体噴射装置で消費させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状体を含むものとする。また、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなども含むものとする。液体の代表的な例としては、上記各実施形態で説明したようなインクの他、液晶等も挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。更に、インクとして、昇華転写インクを用いることができる。昇華転写インクは、例えば昇華性染料のような昇華性の色材を含むインクである。印刷方法は、そのような昇華転写インクを液体噴射装置により転写媒体に噴射し、その転写媒体を被印刷物に接触させ加熱して色材を昇華させて被印刷物に転写させる。被印刷物はTシャツやスマートフォン等である。このように、昇華性の色材を含むインクであれば、多様な被印刷物(印刷媒体)に印刷を行うことができる。液体噴射装置の具体例としては、例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルターの製造等に用いられる電極材や色材等の材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置がある。また、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサー等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置であってもよい。また、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置であってもよい。
なお、本発明は、上述の実施形態や実施例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。