JP6695499B1 - 同期回転機の制御装置及び機械学習装置 - Google Patents

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Abstract

同期回転機の制御装置(1)は、同期回転機(20)を駆動するための駆動電圧についての第1の指令値を生成する制御手段(2)と、駆動電圧の周波数よりも高い周波数を持つ高周波電圧についての第2の指令値を記憶手段(4)から取得する調整手段(5)と、第1の指令値に第2の指令値を重畳し、得られた第3の指令値を出力する加算手段(6)と、第3の指令値から作成した交流電圧を同期回転機(20)に印加する電圧印加手段(7)とを有する。制御手段(2)は、高周波電圧によって同期回転機(20)に流れる高周波電流に基づいて同期回転機(20)の回転位置を推定し、記憶手段(4)は、複数のパラメータの値にそれぞれ対応する第2の指令値を記憶し、調整手段(5)は、ユーザによって入力されたパラメータの値に対応する第2の指令値を記憶手段(4)から取得する。

Description

本発明は、同期回転機の動作を制御する同期回転機の制御装置と、同期回転機が動作する際に用いられる電圧についての指令値を出力させるためのパラメータの値を決定する機械学習装置とに関する。
従来、同期回転機を制御する場合、速度センサ及び位置センサを用いて、回転速度及び回転子の磁極位置を検出し、検出した値をもとに同期回転機を制御する。しかしながら、上記のセンサは耐故障性及びメンテナンスの面で不利であるため、センサを用いることなく同期回転機の回転速度及び回転子の磁極位置を検出する方法が提案されている。従来、交流電圧を同期回転機に印加して、交流電圧の直交方向に振幅を有する電流が発生することを利用して、交流電流の振幅が零となる回転子の磁極位置を推定する回転子の磁極位置検出方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平7−245981号公報
従来の同期回転機を制御する方法では、磁極位置を推定するために同期回転機に印加される高周波電圧の振幅及び周波数を適切に設定することは容易でない。つまり、従来の同期回転機の駆動音は、比較的大きく、ユーザが不快に感じることがある。また、従来の同期回転機を制御する方法では、同期回転機の回転位置のあらかじめ設定された位置に対する誤差が比較的大きくなるという問題も生じる。ユーザが同期回転機に印加される高周波電圧の振幅及び周波数を決定することができる同期回転機の制御装置が提供されることが要求されている。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、同期回転機に印加される高周波電圧の振幅の値及び周波数の値をユーザに決定させる同期回転機の制御装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、同期回転機が駆動する際に用いられる駆動電圧の周波数よりも高い周波数を持ち、同期回転機の位置を推定するための高周波電圧についての指令値を出力させるためのパラメータの値を決定する機械学習装置であって、同期回転機の駆動音と駆動電圧によって定まる同期回転機の回転位置のあらかじめ設定された位置に対する誤差とのうちの少なくとも一方を状態変数として観測する状態観測部と、状態観測部によって観測された状態変数をもとにパラメータの値を決定する学習部とを有する。学習部は、状態変数に基づいて報酬を計算する報酬計算部と、計算された報酬に基づいて、パラメータの値を決定するための関数更新部とを有する。報酬計算部は、駆動音が駆動音目標値より小さい場合、報酬を増加させる。
本発明にかかる同期回転機の制御装置は、同期回転機に印加される高周波電圧の振幅の値及び周波数の値をユーザに容易に決定させることができるという効果を奏する。
実施の形態1にかかる同期回転機の制御装置の構成を示す図 実施の形態1にかかる同期回転機の制御装置が有する入力手段の例を示す図 実施の形態1にかかる同期回転機の制御装置が有する記憶手段が記憶する情報の例を示す図 実施の形態1にかかる同期回転機の回転子の構造を示す図 実施の形態1にかかる同期回転機のインダクタンスを説明するための図 実施の形態1にかかる同期回転機の回転子の位置と位相とを示す図 ユーザが実施の形態1にかかる制御装置に入力する値を決定する操作の手順の例を示すフローチャート 実施の形態1にかかる同期回転機の制御装置が有する制御手段、調整手段及び加算手段の少なくとも一部の機能がプロセッサによって実現される場合のプロセッサを示す図 実施の形態1にかかる同期回転機の制御装置が有する制御手段、調整手段及び加算手段を構成する少なくとも一部の構成要素が処理回路によって実現される場合の処理回路を示す図 実施の形態2にかかる機械学習装置の構成を示す図 実施の形態2にかかる機械学習装置の動作の手順の例を示すフローチャート
以下に、本発明の実施の形態にかかる同期回転機の制御装置及び機械学習装置を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかる同期回転機の制御装置1の構成を示す図である。以下では、「同期回転機の制御装置1」を「制御装置1」と記載する場合がある。図1には、制御装置1に制御される同期回転機20も示されている。同期回転機20は、永久磁石が用いられた同期回転機である。同期回転機20は、同期リラクタンスモータであってもよい。
制御装置1は、同期回転機20を駆動するための駆動電圧についての第1の指令値を生成する制御手段2を有する。第1の指令値は、同期回転機20を駆動するための交流電圧の振幅の値と交流電圧の周波数の値とを示す。制御手段2は、同期回転機20の回転位置を制御するためのフィードバック制御を行って第1の指令値を生成する。制御手段2が第1の指令値を生成する方法は公知であるので、当該方法の詳細な説明は省略する。
制御装置1は、上記の駆動電圧の周波数よりも高い周波数を持つ高周波電圧についての第2の指令値を決定するためのパラメータの値をユーザが制御装置1に入力する際にユーザによって用いられる入力手段3を更に有する。第2の指令値は、交流電圧の振幅の値と交流電圧の周波数の値とを示す。ユーザが入力するパラメータの値は、第2の指令値である高周波電圧の振幅や周波数そのものとは異なる。第2の指令値は、後述する同期回転機20の回転子の位置を推定するために用いられ、第1の指令値に重畳される。第2の指令値が示す交流電圧の周波数の値は、第1の指令値が示す交流電圧の周波数の値より十分大きい。すなわち、第2の指令値が示す交流電圧の周波数の値は、同期回転機20が回転する際の周波数より十分高い周波数であるため、同期回転機20の回転動作には寄与しない。
図2は、実施の形態1にかかる同期回転機の制御装置1が有する入力手段3の例を示す図である。入力手段3は、値の入力を行わせる状態をユーザに設定させるMODEボタン31と、ユーザが値を選択するために用いるダイヤル32とを有する。入力手段3は、ユーザによって選択された値を表示する表示部33と、選択された値をユーザが制御装置1に入力する際にユーザに用いられるSETボタン34とを更に有する。
ユーザは、第2の指令値を決定するためのパラメータの値を制御装置1に入力する場合、MODEボタン31を押下して、入力手段3を、値の入力をユーザに行わせる状態に設定する。ユーザは、ダイヤル32を回して、制御装置1に入力したい値を選択する。表示部33は、ユーザによって選択された値を表示する。ユーザは、ユーザが選択した値が表示部33によって表示されたことを確認し、SETボタン34を押下する。これにより、第2の指令値を決定するためのパラメータの値は、制御装置1に入力される。
図1に戻る。制御装置1は、複数の入力値の各々に対応する第2の指令値を記憶する記憶手段4を更に有する。記憶手段4は、複数のパラメータの値にそれぞれ対応する第2の指令値を記憶する。例えば、記憶手段4は、高周波電圧の振幅と周波数とのうちの少なくともひとつが異なる複数の第2の指令値を複数のパラメータの値にそれぞれ対応させて記憶する。例えば、記憶手段4は、パラメータの値を大きくすると、高周波電圧の振幅が大きくなるように第2の指令値を記憶している。例えば、記憶手段4は、パラメータの値を大きくすると、高周波電圧の周波数が高くなるように第2の指令値を記憶している。
複数の入力値の各々は、ユーザによって制御装置1に入力される可能性がある値である。記憶手段4の例は、半導体メモリである。図3は、実施の形態1にかかる同期回転機の制御装置1が有する記憶手段4が記憶する情報の例を示す図である。記憶手段4は、複数の入力値の各々について、交流電圧の振幅の値と交流電圧の周波数の値との組み合わせである第2の指令値を記憶している。つまり、複数の入力値の各々は、複数の第2の指令値のいずれかに対応付けられている。
図1に戻る。制御装置1は、上記の駆動電圧の周波数よりも高い周波数を持つ高周波電圧についての第2の指令値を記憶手段4から取得する調整手段5を更に有する。調整手段5は、ユーザによって入力されたパラメータの値に対応する第2の指令値を記憶手段4から取得する。具体的には、調整手段5は、ユーザが入力手段3を用いて入力した値に対応する第2の指令値を記憶手段4から取得し、取得した第2の指令値を出力する。図1では、「ユーザが入力手段3を用いて入力した値」は「入力された値」と記載されている。
例えば、図3に示されている通り、入力値「3」には、25Vと500Hzとの組み合わせの第2の指令値が対応付けられている。つまり、入直値「3」は、周波数が500Hzであり、振幅が25Vである高周波電圧の指令値に対応する。そのため、ユーザが入力手段3を用いて「3」という値を制御装置1に入力した場合、調整手段5は、25Vと500Hzとの組み合わせの第2の指令値を記憶手段4から取得し、取得した第2の指令値を出力する。
制御装置1は、制御手段2によって生成された、同期回転機20を駆動するための第1の指令値に、調整手段5から出力された、同期回転機20の位置を推定するための第2の指令値を重畳し、重畳することによって得られた第3の指令値を出力する加算手段6を更に有する。制御装置1は、加算手段6によって得られた第3の指令値から作成した交流電圧を同期回転機20に印加する電圧印加手段7を更に有する。電圧印加手段7は、三相電流を同期回転機20に供給する。電圧印加手段7の例は、電圧変換器である。電圧変換器の例は、インバータである。
制御装置1は、同期回転機20に印加される交流電圧によって同期回転機20に流れる交流電流の値を検出する電流検出手段8を更に有する。電流検出手段8は、同期回転機20に供給される電流の値を検出する検出部81と、検出部81によって検出された値をd軸及びq軸の電流に変換する座標変換器82とを有する。尚、座標変換器82は、検出部81によって検出された電流値と、制御手段2によって推定された回転位置とに基づいて、d軸及びq軸の各々の電流検出値を制御手段2に送信する。三相電流が同期回転機20に供給されるので、検出部81は、同期回転機20に供給される三相電流の各々の値を検出する。
なお、検出部81は、三相電流の各々の値を直接検出してもよいし、三相電流のうちの二相の電流の値を直接検出すると共に各時刻における三相電流の値の和がゼロであるという性質を用いて三相電流の各々の値を検出してもよい。電圧印加手段7がインバータである場合、検出部81は、インバータの母線電流値、インバータの構成要素であるスイッチング素子に流れる電流の値、及びスイッチング素子の状態をもとに、三相電流の各々の値を算出してもよい。
制御手段2は、座標変換器82からのd軸及びq軸の2軸に変換された検出電流値に基づいて同期回転機20の制御軸の位置、すなわち同期回転機20の回転位置を推定する。つまり、制御手段2は、高周波電圧によって同期回転機20に流れる高周波電流に基づいて同期回転機20の回転位置を推定する。更に言うと、制御手段2は、電流検出手段8によって検出された交流電流のうち、高周波電流に基づいて同期回転機20の回転位置を推定する。同期回転機20の回転位置の推定法は後述する。制御手段2は、同期回転機20の制御軸の位置を示す情報を、座標変換器82及び電圧印加手段7に出力する。さらに、制御手段2は、電流検出手段8から出力された値を用いて推定した回転位置に基づいてフィードバック制御を行って第1の指令値を生成する。
図4は、実施の形態1にかかる同期回転機の回転子の構造を示す図である。図4は、同期回転機の構造を簡単に説明するために、ひとつのN極とひとつのS極との組である二極の回転機の構造を示している。図4において、中心からN極に向かう軸はdm軸であると定義されており、dm軸に直交する軸はqm軸と定義されている。dm軸を基準にして、回転子の一周分のインダクタンスの変化を考える。磁石磁束によって磁気飽和していてインダクタンスが小さくなる磁石部分と、磁化されていない鉄心部分とでは、インダクタンスの値が異なる。
つまり、図5に示すように、回転子の一周分において、インダクタンスの凹凸が生じる。図5は、実施の形態1にかかる同期回転機のインダクタンスを説明するための図である。当該凹凸の最大値と最小値との比は、突極比と呼ばれる。同期回転機に印加される交流電圧を用いた磁極位置推定方法では、図5に示されるような同期回転機の回転子の電気的な突極性が用いられる。加えて、磁極位置推定方法では、同期回転機20の駆動周波数より高い値の周波数の電圧を同期回転機20に与えたときに生じる電流が回転子のインダクタンスによって異なることが利用される。
図6は、実施の形態1にかかる同期回転機の回転子の位置と位相とを示す図である。回転子の磁束ベクトル方向がdm軸であり、dm軸と直交する方向がqm軸であり、交流電圧が印加される方向θがd軸であり、d軸と直交する方向がq軸であると仮定する。d軸とdm軸との偏差がΔθであると仮定する。なお、d軸は定常的にはdm軸と一致するように動作するが、図6は、瞬時的にΔθの偏差が生じた場合の図である。
交流電圧ベクトルvdhがd軸に印加され、交流電圧ベクトルvqhがq軸に印加された場合、下記の式(1)が成立する。なお、式(1)中のpは微分演算子を表す。
Figure 0006695499
ここで、回転速度ω≒0であると仮定すると、式(1)より、下記の式(2)が得られる。
Figure 0006695499
式(2)の右辺の第2項は交流電流の微分を示し、交流電流の微分は交流電圧の周波数ωh倍されるため、右辺の第2項の値は右辺の第1項の値に比べて非常に大きく、そのため右辺の第1項は無視することができる。その結果、下記の式(3)を得ることができる。
Figure 0006695499
ここで、交流電圧ベクトルが下記の式(4)であると仮定すると、交流電流ベクトルidh及び交流電流ベクトルiqhについて、式(3)に式(4)を代入し、両辺を積分することで、下記の式(5)が得られる。
Figure 0006695499
Figure 0006695499
磁極位置を推定するため、偏差Δθを0とするようなθを演算する。ここで、式(5)の交流電流の振幅成分を利用すれば、Δθを電流振幅の関数で表すことができる。ここでは、交流電流の直交成分iqhの振幅|iqh|を用いる。その結果、式(5)から下記の式(6)が得られる。
Figure 0006695499
式(6)をΔθの式に変換すると、下記の式(7)が得られる。
Figure 0006695499
式(7)より、Δθをゼロに近づけることは、|iqh|をゼロに近づけることに等しい。よって、推定位置θは、下記の式(8)で表すことができる。
Figure 0006695499
なお、交流電圧の周波数ωhと交流電圧の振幅Vhは、調整手段5から出力される第2の指令値に含まれる。L、lは、式(1)からLd、Lqを用いて求めることができ、Ld、Lqは事前に測定することで把握することができる。したがって、偏差Δθは、|iqh|をもとに算出することができる。
ここで、式(6)及び最終的な推定位置θは、交流電流の振幅|iqh|によって決まり、|iqh|は交流電圧の振幅Vhと交流電圧の周波数ωhとによって変化する。すなわち推定位置θは、第2の指令値によって変化するが、第2の指令値に関わる交流電流は、駆動とは関係のない電流であって、振動の原因となる。つまり、第2の指令値の電圧値が大きいほど回転位置の推定精度は高くなるが、振動あるいは騒音が大きくなる。さらに、第2の指令値の周波数が大きいほど回転位置の推定精度は高くなるが、振動あるいは騒音が大きくなる。そのため、交流電流を大きくしすぎることは振動あるいは騒音の観点からは望ましくない。
交流電流による振動は、交流電流によって発生するトルクが原因である。そのため、騒音のレベルは、同期回転機の慣性モーメントと、同期回転機に接続されている機械の慣性モーメントとに影響される。よって、これらの因子によって電流のレベルを変更することで、第2の指令値である高周波交流電圧の振幅及び周波数の各々の適切な値が決定される。
交流電圧の振幅及び周波数の各々の適切な値を決定させるために、ユーザは、入力手段3を用いて、同期回転機20の回転位置を推定するための高周波電圧についての第2の指令値を決定するパラメータの値を制御装置1に入力する。第2の指令値は、電圧の振幅の値と電圧の周波数の値との組み合わせである。図3に示すように、実施の形態1では、1から10までのいずれかひとつの値がユーザによって制御装置1に入力される。尚、本実施の形態では入力値として1から10までを例示したが、入力値の種類は数字に限らないし、入力値の個数は10個に限らないことは言うまでもない。
図7は、ユーザが実施の形態1にかかる制御装置1に入力する値を決定する操作の手順の例を示すフローチャートである。本実施の形態では、例えばユーザは、決定された第2の指令値を用いて同期回転機を実際に駆動する実駆動モードと異なる、第2の指令値を最適化するためのパラメータ調整モードにおいて、図7に示す動作を実施する。ユーザは、同期回転機20の駆動音が許容できるレベルであるか否かを判断する(S1)。ユーザは、同期回転機20の駆動音が許容できるレベルでないと判断した場合(S1でNo)、従前に制御装置1に入力した値より小さい値を、入力手段3を用いて制御装置1に入力する(S2)。つまり、ユーザは、ステップS2において入力値を下げる。ユーザは、ステップS2の動作を行った後にステップS1の動作を行う。
ユーザは、同期回転機20の駆動音が許容できるレベルであると判断した場合(S1でYes)、同期回転機20の回転位置のあらかじめ決められた位置に対する誤差が所望の位置誤差を満足しているか否かを判断する(S3)。ユーザは、同期回転機20の回転位置のあらかじめ決められた位置に対する誤差が所望の位置誤差を満足していないと判断した場合(S3でNo)、従前に制御装置1に入力した値より大きい値を、入力手段3を用いて制御装置1に入力する(S4)。つまり、ユーザは、ステップS4において入力値を上げる。ユーザは、ステップS4の動作を行った後にステップS3の動作を行う。
ここで、回転位置のあらかじめ決められた位置とは、第1の指令値によって定められる同期回転機20の回転位置を示す。あるいは、回転位置のあらかじめ決められた位置は、パラメータ調整モードにおいて取り付けられる位置検出器から得られる同期回転機20の位置であっても良い。パラメータ調整モードによって最適な第2の指令値が得られることによって、実駆動モードでは位置検出器の無いセンサレスの状態で同期回転機を駆動することが可能となる。調整手段5は、実駆動モードにおいて、パラメータ調整モードによって決定されたパラメータの値に対応する第2の指令値を用いる。
ユーザは、同期回転機20の回転位置のあらかじめ決められた位置に対する誤差が所望の位置誤差を満足していると判断した場合(S3でYes)、制御装置1に値を入力する操作を終了する。
上述の通り、実施の形態1にかかる同期回転機の制御装置1は、同期回転機20を駆動するための駆動電圧の周波数より高い周波数を持つ高周波電圧についての第2の指令値を決定するためのパラメータの値をユーザが制御装置1に入力する際にユーザによって用いられる入力手段3を有する。制御装置1は、ユーザが入力手段3を用いて入力した値に対応する第2の指令値を記憶手段4から取得する調整手段5を更に有する。制御装置1は、調整手段5によって取得された第2の指令値を含む第3の指令値をもとに、同期回転機20に電圧を印加する電圧印加手段7を更に有する。第2の指令値は、第1の指令値に重畳される値であって、高周波交流電圧の振幅の値と周波数の値とを示す値である。ユーザは、予め定められた第2の指令値に対応する入力値のみを変更し、所望の位置精度と振動や騒音が得られる入力値を選択すればよい。実施の形態1にかかる同期回転機の制御装置1は、同期回転機20の位置を推定するための高周波交流電圧の振幅及び周波数の各々の値をユーザに容易に決定させることができる。
なお、調整手段5は、入力値が変更されると、第2の指令値である高周波電圧の振幅と周波数とのうちの少なくとも一つが変更されるようにしてもよい。すなわち、記憶手段4が高周波電圧の振幅と周波数とのうち少なくとも一つが異なる複数の第2の指令値を、入力値であるパラメータの値と対応させて記憶してあってもよい。
入力手段3は、図2を用いて説明したものに限定されない。入力手段3は、複数のボタンで構成されたものであってもよいし、キーボードを含むものであってもよい。入力手段3は、同期回転機20の回転位置を推定するための高周波電圧についての第2の指令値を決定するためのパラメータの値をユーザが入力する際にユーザによって用いられるものであればよい。
調整手段5は、下記の式(9)を用いて第2の指令値に含まれる交流電圧の振幅の値を算出してもよい。式(9)において、「kvh」はあらかじめ決められた定数であり、「hf_adj」は、ユーザが入力手段3を用いて入力した値である。
Figure 0006695499
調整手段5は、下記の式(10)を用いて第2の指令値に含まれる交流電圧の周波数の値を算出してもよい。式(10)において、「kωh」はあらかじめ決められた定数であり、「hf_adj」は、ユーザが入力手段3を用いて入力した値である。
Figure 0006695499
図8は、実施の形態1にかかる同期回転機の制御装置1が有する制御手段2、調整手段5及び加算手段6の少なくとも一部の機能がプロセッサ41によって実現される場合のプロセッサ41を示す図である。つまり、制御装置1が有する制御手段2、調整手段5及び加算手段6の少なくとも一部の機能は、メモリ42に格納されるプログラムを実行するプロセッサ41によって実現されてもよい。
プロセッサ41は、CPU(Central Processing Unit)、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、又はDSP(Digital Signal Processor)である。図8には、メモリ42も示されている。
制御手段2、調整手段5及び加算手段6の少なくとも一部の機能がプロセッサ41によって実現される場合、当該一部の機能は、プロセッサ41と、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェア及びファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェア又はファームウェアは、プログラムとして記述され、メモリ42に格納される。
プロセッサ41は、メモリ42に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、制御手段2、調整手段5及び加算手段6の少なくとも一部の機能を実現する。制御手段2、調整手段5及び加算手段6の少なくとも一部の機能がプロセッサ41によって実現される場合、制御装置1は、制御手段2、調整手段5及び加算手段6の少なくとも一部によって実行されるステップが結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ42を有する。
メモリ42に格納されるプログラムは、制御手段2、調整手段5及び加算手段6の少なくとも一部が実行する手順又は方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。
メモリ42は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の不揮発性もしくは揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク又はDVD(Digital Versatile Disk)等である。
図9は、実施の形態1にかかる同期回転機の制御装置1が有する制御手段2、調整手段5及び加算手段6を構成する少なくとも一部の構成要素が処理回路43によって実現される場合の処理回路43を示す図である。つまり、制御手段2、調整手段5及び加算手段6の機能の少なくとも一部は、処理回路43によって実現されてもよい。
処理回路43は、専用のハードウェアである。処理回路43は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化されたプロセッサ、並列プログラム化されたプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はこれらを組み合わせたものである。制御手段2、調整手段5及び加算手段6の一部は、残部とは別個の専用のハードウェアであってもよい。
制御手段2、調整手段5及び加算手段6の複数の機能について、当該複数の機能の一部がソフトウェア又はファームウェアで実現され、当該複数の機能の残部が専用のハードウェアで実現されてもよい。このように、制御手段2、調整手段5及び加算手段6の複数の機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせによって実現することができる。
本実施の形態によれば、ユーザが使用する同期回転機や機械装置の慣性モーメントに依存する騒音特性や位置推定誤差を調整するために、同期回転機を駆動する第1の指令値に重畳される高周波電圧指令である第2の指令値を、予め定められた第2の指令値のパターンに対応するパラメータ入力値を選択することによって、ユーザが容易に調整することができる。すなわち、本実施の形態によれば、高周波電圧の調整に関するノウハウ技術の有無に関わらず、ユーザが容易に第2の指令値を決定できる、という効果を奏する。
なお、本実施の形態では記憶手段4に記憶された、ユーザの入力値であるパラメータの値に対応する交流電圧の振幅および周波数は、パラメータの値が大きくなるほど振幅が増大し、周波数が大きくなるように図3で示すようなテーブルが設定されている。すなわち、パラメータの値が大きくなるほど同期回転機の騒音が大きくなる一方で、位置推定誤差が小さくなるようにテーブルが作成されている。したがって、ユーザはパラメータの値を順に大きくしていくことによって、所望の騒音特性が得られる条件を容易に探し出すことができる。なお、パラメータの値を順に小さくしていっても良いことは言うまでもない。
本実施の形態では、パラメータ調整モードにおいてユーザが入力したパラメータの値に基づいて第2の指令値が決定され、決定された第2の指令値を実駆動モードで用いることができる。
また、本実施の形態でユーザが入力したパラメータの値に基づいて決定された第2の指令値に、さらに従来実施していたようなパラメータの微調整を行い、第2の指令値を同期回転機や機械装置に合わせてより最適化しても良いことは言うまでもない。この場合も、ユーザは最適な第2の指令値を選択するための第1段階として本実施の形態を用いて選択したパラメータの値に対応する第2の指令値から、第2段階として微調整のみ行えばよいため、ユーザは容易に第2の指令値を決定することができる。
実施の形態2.
図10は、実施の形態2にかかる機械学習装置10の構成を示す図である。図10には、実施の形態1において説明した制御手段2、加算手段6、電圧印加手段7、電流検出手段8及び同期回転機20も示されている。実施の形態1では、調整手段5が第2の指令値を出力する。それに対し、実施の形態2では、機械学習装置10が第2の指令値を出力する。その点が、実施の形態2と実施の形態1との相違点である。実施の形態2では、当該相違点を主に説明する。
機械学習装置10は、同期回転機20が駆動する際に用いられる駆動電圧の周波数よりも高い周波数を持ち、同期回転機20の位置を推定するための高周波電圧についての第2の指令値を出力させるためのパラメータの値を決定する装置である。機械学習装置10は、同期回転機20の駆動音と上記の駆動電圧によって定まる同期回転機20の回転位置のあらかじめ設定された位置に対する誤差とのうちの少なくとも一方を状態変数として観測する状態観測部11を有する。
同期回転機20の駆動音は、当該駆動音を検出する装置によって検出されて数値化される。当該装置の例は、マイクロフォンである。同期回転機20の駆動音は、振動センサが同期回転機20に取り付けられている場合、当該振動センサによって検出された振動数をもとに数値化されてもよい。同期回転機20の駆動音は、同期回転機20のトルクが同期回転機20の駆動音と関連すると見做して、電流検出手段8によって検出された値をもとに数値化されてもよい。特定の周波数についての騒音を最小化することが求められている場合、状態観測部11は、当該特定の周波数についての同期回転機20の駆動音のみを数値化してもよい。
同期回転機20の回転位置のあらかじめ設定された位置とは、第1の指令値から定まる同期回転機20の回転位置であっても良いし、検出器によって検出された同期回転機20の回転位置であっても良い。推定された回転位置は、制御手段2によって推定された回転位置である。
機械学習装置10は、状態観測部11によって観測された状態変数をもとに、同期回転機20の回転位置を推定するための高周波電圧についての第2の指令値を出力させるためのパラメータの値を決定する学習部12を更に有する。学習部12は、学習アルゴリズムをもとに当該パラメータの値を決定する。学習部12が用いる学習アルゴリズムは、どのようなものであってもよい。
以下に一例として、学習部12が強化学習を行う場合について説明する。強化学習は、ある環境内におけるエージェントが、現在の状態を観測し、取るべき行動を決定する、というものである。エージェントは、行動を選択することで環境から報酬を得て、一連の行動を通じて報酬を最も多く得られる方策を学習する。
強化学習の代表例は、Q学習又はTD学習である。Q学習では、行動価値関数Q(s,a)の一般的な更新式は下記の式(11)である。
Figure 0006695499
式(11)において、sは時刻tにおける環境を表し、aは時刻tにおける行動を表す。行動aにより、環境はst+1に変わる。rt+1は、環境の変化によって獲得される報酬を表し、γは割引率を表し、αは学習係数を表す。Q学習が適用される場合、第2の指令値に含まれる交流電圧の振幅と交流電圧の周波数とのうちの少なくとも一方を調整することが行動aである。
式(11)で表される更新式は、時刻t+1における最良の行動aの行動評価が時刻tにおいて実行された行動aの行動価値Qより大きければ、行動価値Qを大きくする。当該更新式は、時刻t+1における最良の行動aの行動評価が時刻tにおいて実行された行動aの行動価値Q以下であれば、行動価値Qを小さくする。換言すれば、時刻tにおける行動aの行動価値Qが時刻t+1における最良の行動価値に近づくように、行動価値関数Q(s,a)は更新される。それにより、ある環境における最良の行動価値が、それ以前の環境における行動価値に順次伝播していくようになる。
学習部12は、状態観測部11によって観測された状態変数に基づいて報酬を計算する報酬計算部13と、計算された報酬に基づいて、パラメータの値を決定するための関数更新部14とを有する。
同期回転機20の駆動音が状態変数である場合、報酬計算部13は、駆動音の検出器によって観測された駆動音があらかじめ設定された駆動音目標値より小さい場合、報酬rを増加させる。例えば、報酬計算部13は、観測された駆動音が駆動音目標値より小さい場合、報酬rに「1」の報酬を加算する。他方、観測された駆動音があらかじめ設定された駆動音目標値より大きい場合、報酬計算部13は、報酬rに「−1」の報酬を加算する。
同期回転機20の回転位置のあらかじめ設定された位置に対する誤差が状態変数である場合、報酬計算部13は、当該誤差があらかじめ設定された誤差目標値より小さい場合、報酬rを増加させる。例えば、報酬計算部13は、当該誤差が目標値誤差より小さい場合、報酬rに「1」の報酬を与える。他方、当該誤差があらかじめ設定された誤差目標値より大きい場合、報酬計算部13は、報酬rに例えば「−1」の報酬を与える。
関数更新部14は、報酬計算部13によって計算された報酬にしたがって、第2の指令値に含まれる交流電圧の振幅と交流電圧の周波数を調整するための関数を更新する。例えばQ学習では、式(11)で表される行動価値関数Q(s,a)が、第2の指令値に含まれる交流電圧の振幅と交流電圧の周波数を調整するための関数である。
機械学習装置10は、学習部12によって決定された値に対応する第2の指令値を出力する制御パラメータ調整部15を更に有する。制御パラメータ調整部15が有する機能は、実施の形態1の調整手段5が有する機能と同じである。図10には、実施の形態1において説明した記憶手段4は示されていない。制御パラメータ調整部15が記憶手段4に記憶されている情報を必要とする場合、制御パラメータ調整部15は、調整手段5と同様に、記憶手段4に記憶されている情報を利用して第2の指令値を出力する。
図11は、実施の形態2にかかる機械学習装置10の動作の手順の例を示すフローチャートである。まず、同期回転機20を任意の位置まで回転させて停止させることを想定する。その後、状態観測部11は、状態変数を観測する(S11)。報酬計算部13は、同期回転機20の駆動音があらかじめ設定された許容レベルであるか否かを判断する(S12)。
報酬計算部13は、同期回転機20の駆動音があらかじめ設定された許容レベルであると判断した場合(S12でYes)、同期回転機20の駆動音に対する報酬を上げる(S13)。報酬計算部13は、同期回転機20の駆動音があらかじめ設定された許容レベルにないと判断した場合(S12でNo)、同期回転機20の駆動音に対する報酬を下げる(S14)。
報酬計算部13は、同期回転機20の回転位置のあらかじめ設定された位置に対する誤差が所望の位置誤差を満足しているか否かを判断する(S15)。報酬計算部13は、同期回転機20の回転位置のあらかじめ設定された位置に対する誤差が所望の位置誤差を満足していると判断した場合(S15でYes)、報酬を上げる(S16)。報酬計算部13は、同期回転機20の回転位置のあらかじめ設定された位置に対する誤差が所望の位置誤差を満足していないと判断した場合(S15でNo)、報酬を下げる(S17)。
なお、ステップS12からステップS14までの動作と、ステップS15からステップS17までの動作とのうちの少なくとも一方が、報酬計算部13により実行されればよい。また、駆動音や位置誤差の診断の他に、報酬を与えるためのステップが追加されても良い。
次に、関数更新部14は、報酬計算部13によって計算された報酬をもとに、式(11)の関数を更新する(S18)。制御パラメータ調整部15は、交流電圧の振幅と交流電圧の周波数との組み合わせの第2の指令値を更新する(S19)。例えば、Q学習の場合、ステップS18で更新された上記式(11)で表される行動価値関数Q(s,a)が、第2の指令値を決定するための関数として用いられる。例えば、関数更新部14は、学習過程において、現状の状態sにおける行動価値関数Q(s,a)で求められる行動価値Qが最大となるような行動aすなわち第2の指令値を求める。尚、行動aを選択する方法としてはε−グリーディ法などの公知の技術を用いればよい。更新された第2の指令値を用いて同期回転機20の駆動を制御し、以降、ステップS11からステップS19までの処理が繰り返される。一方、行動価値関数Q(s,a)が収束した場合、関数更新部14は、収束した行動価値関数Q(s,a)で求められる行動価値Qが最大となるような第2の指令値を選択し、同期回転機20の制御パラメータの調整を終了する。尚、パラメータの調整の終了時点としては、行動価値Qが予め定められた範囲内としても良い。
また、ステップS18の処理において、行動価値関数Q(s,a)が収束した場合には、当該行動価値関数Q(s,a)を学習済みモデルとしてもよい。収束した行動価値関数Q(s,a)は、学習済みモデルとして他の装置等で利用可能である。
上述の通り、実施の形態2にかかる機械学習装置10は、同期回転機20の駆動音と同期回転機20の回転位置のあらかじめ設定された位置に対する誤差とのうちの少なくとも一方を状態変数として観測する。機械学習装置10は、状態変数をもとに、同期回転機20の回転位置を推定するための第2の指令値を出力させるためのパラメータの値を決定する。したがって、機械学習装置10は、第2の指令値を出力させるためのパラメータの値をユーザに入力させることなく、最適な第2の指令値を学習し、出力することができる。
なお、状態観測部11は、同期回転機20に接続されている機械の慣性モーメントも状態変数として観測してもよい。いずれにしても、学習部12は、状態観測部11によって観測された状態変数をもとに、同期回転機20が動作する際に用いられる電圧についての第2の指令値を出力させるためのパラメータの値を決定する。
また、本実施の形態では行動aとして高周波交流電圧の振幅と周波数との組合せである第2の指令値を用いたが、行動aとして第2の指令値の高周波交流電圧の振幅と周波数とのいずれか一方を用いても良いし、これら以外のパラメータを含んでも良い。
実施の形態2では、機械学習装置10が強化学習を利用して機械学習する場合について説明した。しかしながら、機械学習装置10は、他の公知の方法、例えば、ニューラルネットワーク、遺伝的プログラミング、機能論理プログラミング、又はサポートベクターマシンにしたがって機械学習を実行してもよい。
実施の形態2にかかる機械学習装置10が有する状態観測部11、学習部12及び制御パラメータ調整部15の少なくとも一部の機能は、実施の形態1のプロセッサ41と同等のプロセッサによって実現されてもよい。状態観測部11、学習部12及び制御パラメータ調整部15の少なくとも一部の機能がプロセッサによって実現される場合、機械学習装置10は、状態観測部11、学習部12及び制御パラメータ調整部15の少なくとも一部によって実行されるステップが結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリを有する。当該メモリは、実施の形態1のメモリ42と同等のメモリである。
実施の形態2にかかる機械学習装置10が有する状態観測部11、学習部12及び制御パラメータ調整部15の機能の少なくとも一部は、実施の形態1の処理回路43と同等の処理回路によって実現されてもよい。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略又は変更することも可能である。
1 同期回転機の制御装置、2 制御手段、3 入力手段、4 記憶手段、5 調整手段、6 加算手段、7 電圧印加手段、8 電流検出手段、10 機械学習装置、11 状態観測部、12 学習部、13 報酬計算部、14 関数更新部、15 制御パラメータ調整部、20 同期回転機、31 MODEボタン、32 ダイヤル、33 表示部、34 SETボタン、41 プロセッサ、42 メモリ、43 処理回路、81 検出部、82 座標変換器。

Claims (4)

  1. 同期回転機が駆動する際に用いられる駆動電圧の周波数よりも高い周波数を持ち、前記同期回転機の位置を推定するための高周波電圧についての指令値を出力させるためのパラメータの値を決定する機械学習装置であって、
    前記同期回転機の駆動音と前記駆動電圧によって定まる前記同期回転機の回転位置のあらかじめ設定された位置に対する誤差とのうちの少なくとも一方を状態変数として観測する状態観測部と、
    前記状態観測部によって観測された前記状態変数をもとに前記パラメータの値を決定する学習部とを備え、
    前記学習部は、
    前記状態変数に基づいて報酬を計算する報酬計算部と、
    計算された前記報酬に基づいて、前記パラメータの値を決定するための関数更新部とを有し、
    前記報酬計算部は、前記駆動音が駆動音目標値より小さい場合、前記報酬を増加させる
    ことを特徴とする機械学習装置。
  2. 同期回転機を駆動するための駆動電圧についての第1の指令値を生成する制御手段と、
    前記駆動電圧の周波数よりも高い周波数を持つ高周波電圧についての第2の指令値を記憶手段から取得する調整手段と、
    前記第1の指令値に前記第2の指令値を重畳し、得られた第3の指令値を出力する加算手段と、
    前記第3の指令値から作成した交流電圧を前記同期回転機に印加する電圧印加手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記高周波電圧によって前記同期回転機に流れる高周波電流に基づいて前記同期回転機の回転位置を推定し、
    前記記憶手段は、複数のパラメータの値にそれぞれ対応する前記第2の指令値を記憶し、
    前記調整手段は、ユーザによって入力されたパラメータの値に対応する前記第2の指令値を前記記憶手段から取得し、
    前記記憶手段は、前記高周波電圧の振幅及び周波数が異なる複数の前記第2の指令値を前記複数のパラメータの値にそれぞれ対応させて記憶し、
    前記記憶手段は、パラメータの値を大きくすると、前記高周波電圧の振幅が大きくなるように前記第2の指令値を記憶している
    ことを特徴とする同期回転機の制御装置。
  3. 前記交流電圧によって前記同期回転機に流れる交流電流を検出する電流検出手段を更に備え、
    前記制御手段は、前記電流検出手段によって検出された交流電流のうち、前記高周波電流に基づいて前記同期回転機の回転位置を推定すること
    を特徴とする請求項2に記載の同期回転機の制御装置。
  4. 前記調整手段は、実駆動モードにおいて、パラメータ調整モードによって決定された前記パラメータの値に対応する前記第2の指令値を用いること
    を特徴とする請求項2又は3に記載の同期回転機の制御装置。
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