照明器具を壁面方向に傾け、壁面に照射した際に、照明器具から出射された光を効率よく、広範囲に壁面に照射することが困難であるという課題があった。この課題を解決するために、例えば、特許文献1のように入射面を傾斜させる方法が提案されている。
また、光学素子の反射面で反射された光が出射面を通過する領域を拡散面とする。例えば、出射面にシボ加工などを施す。これによって、出射される光の局所的な照明むらまたは照度むらを軽減することが容易となる。そして、被照射物(例えば、壁面など)に対して光利用効率が高く、均一性を増した照明を実現することができる。
ここで、「照明むら」とは、被照射物(例えば、壁面など)に照射された照明を視感確認した際に確認されるむらを示す。照度むらは、被照射物上の照度分布のむらを示す。
1つの照明装置を用いた際に、例えば、特許文献1の反射面25で反射された光は、壁面の中央部から床面方向に照射される。そのため、壁面の上部から床面までの照明の均一性を向上させることを試みると、反射面25で反射された光と、入射面26から入射した光とが壁面上で重畳される。この2つの光が壁面上で重畳される際に、反射面25から出射された光の影響によって、壁面上に視感的に認識される照明むらが発生する。また、反射面25の設計によっては照度むらが発生し、壁面全体を広範囲で高品質な均一照明を実現することが難しかった。
また、特許文献1では、LED13(光源)の光軸Fに対して非対称に光を照射している。このような場合には、照射光の光線によって光路長が異なる。そして、同じ発散角で光を照射すると照明装置から照明位置までの距離によって照射幅がことなることになる。
実施の形態1.
図1は、本発明に係る実施の形態1の照明装置1の主要構成を概略的に示す構成図である。図1(a)は、照明装置1を+X軸方向から見た構成図である。図1(b)は、照明装置1を+Z軸方向から見た構成図である。図1(c)は、照明装置1を−Y軸方向から見た構成図である。図1(d)は、照明装置1を+X軸方向から見た部分拡大図である。
図1に示すように、照明装置1は光源2と光学素子3とを備えている。光源2は、光を発する。光学素子3は、光源2から出射された光の配光を制御する。
以下の説明を容易にするために、図面にはXYZ座標を示す。
Y軸方向は、照明装置1の上下方向である。+Y軸方向は、照明装置1の上方向である。−Y軸方向は、照明装置1が天井に設置された場合には、照明装置1の下方向である。つまり、−Y軸方向は、照明装置1が照明光を出射する方向である。−Y軸方向は、照明装置1の光学素子の出射面の方向である。また、+Y軸方向は、照明装置1の光学素子の入射面の方向である。つまり、+Y軸方向は、照明装置1の光源2が配置されている方向である。
例えば、照明装置1が被照射物20を照明する場合に、Z軸方向は、被照射物20に向かって前後方向である。+Z軸方向は、照明装置1が光を照射する被照射物20側から見て奥側(後ろ)方向である。つまり、+Z軸方向は、被照射物20から照明装置1に向かう方向である。−Z軸方向は、照明装置1が光を照射する被照射物20側から見て手前側(前)方向である。つまり、−Z軸方向は、照明装置1から被照射物20に向かう方向である。
X軸方向は、被照射物20に向かって、照明装置1の左右方向である。+X軸方向は、照明装置1が光を照射する被照射物20側から見て右方向である。−X軸方向は、照明装置1が光を照射する被照射物20側から見て左方向である。つまり、+X軸方向は、被照射物20から照明装置1を見て右方向である。−X軸方向は、被照射物20から照明装置1を見て左方向である。
なお、以下の実施の形態では、一例として、被照射物を壁面20として説明する。
<光源2>
光源2は、例えば、発光ダイオードである。光源2は、例えば、単色光の光源でもよい。単色は、例えば、赤色、緑色又は青色などである。また、光源2は、例えば、青色の発光ダイオードに黄色の蛍光体を用いて白色を生成する光源でもよい。また、本実施の形態1では、一例として、φ14mmの発光ダイオードを用いている。しかし、φ3mmの発光ダイオード、または、φ14mm以上の発光ダイオードでも構わない。なお、「φ」は直径を示す。
光軸Cは、光源2の発光面の中心を通り、発光面に垂直な直線である。上述のように、壁面20は、照明装置1に対して、−Z軸方向側に位置している。そのため、照明装置1は、光を光源2の光軸Cに対して被照射物(壁面20)の方向に片寄って照射する。光学素子3は、入射された光を光源2の光軸Cに対して非対称に前記光を照射する。後述するように、光学素子3は、光軸Cと出射面7との交点を通り光軸Cに垂直な中心線CL1の方向に非対称に光を照射する。つまり、照射光が非対称に進行する方向に被照射物(壁面20)が位置している。つまり、照明装置1は、被照射物(壁面20)の方向に非対称な照射光を照射する。
図1では、光源2の光軸Cは、Y軸に平行である。しかし、壁面20がY軸と平行な場合には、光源2の光軸Cは、壁面20側に傾いていることが好ましい。つまり、光軸Cは、−Z軸方向側に傾いていることが好ましい。つまり、光源2の光軸Cは、壁面20がXY平面に平行な場合には、壁面20側に傾いていることが好ましい。
これによって、壁面20の上部から床面に向かって均一な光を照射することが容易となる。図1では、図示していないが、例えば、図2において光軸Cの傾斜角(角度a1)は20度[°]である。照明装置1は、例えば、20度(a1=20°)で傾いていることが好ましい。
このため、光源2の光軸Cを基準にした座標を上述のXYZ座標とする。一方、傾いた照明装置1に対して被照射物(壁面20)を基準とした座標をX1Y1Z1座標とする。X1Y1Z1座標は、X軸を中心としてXYZ座標を+X軸方向から見て反時計回りに角度a1だけ回転させた座標である。
<光学素子3>
次に、光学素子3の説明をする。光学素子3は、第2の入射面4b、第1の反射面6および第2の出射面7bを備えている。光学素子3は、第1の入射面4a、出射面7、第2の反射面8または第1の出射面7aを備えることができる。出射面7は、第1の出射面7aと第2の出射面7bとを含んでいる。
以下に説明する光学素子3の反射面は、全反射面として説明されている。しかし、例えば、反射面に反射膜を形成しても構わない。
なお、以下の各実施の形態および各変形例において、例えば、「第1の入射面4a」のように序数を付して説明している。この序数は、説明を容易にするために、便宜上付したものである。
≪第1の入射面4a≫
第1の入射面4aは、光軸Cに対して、−Z軸側に位置している。つまり、第1の入射面4aは、光軸Cに対して、壁面20側に位置している。
例えば、第1の入射面4aは、平面である。ただし、第1の入射面4aは、平面に限られない。
また、第1の入射面4aは、ZX平面に対して光軸C側(+Z軸側)の辺が−Y軸方向に傾いている。つまり、第1の入射面4aは、光軸Cに垂直な平面(ZX平面)に対して傾斜している。第1の入射面4aの−Z軸側の端部は、第1の入射面4aの+Z軸側の端部よりも+Y軸側に位置している。光軸Cに垂直な平面(ZX平面)に対する傾斜角は、角度a2である。第1の入射面4aは、X軸を中心に光軸Cに垂直な平面(ZX平面)を+X軸方向から見て時計回りに回転させた面である。回転角は、角度a2である。例えば、第1の入射面4aの光軸Cから遠い端部は、光軸Cに近い端部よりも光軸Cの方向(Y軸方向)において光源2側に位置している。光軸Cから遠い端部は、−Z軸方向側の端部である。光軸Cに近い端部は、+Z軸方向側の端部である。
光源2から第1の入射面4aに入射した光L1は、−Z軸方向に屈折されて第2の反射面8に到達する。または、光源2から第1の入射面4aに入射した光L2は、第1の出射面7aに直接到達する。
第1の出射面7aに直接到達した光L2は、−Z軸方向に屈折される。そして、第1の出射面7aから出射された光L2は、壁面20の+Y軸方向側の領域に照射される。
≪第2の反射面8≫
第2の反射面8は、第1の入射面4aの−Z軸側に配置されている。図1では、例えば、第2の反射面8は、第1の入射面4aに接続されている。つまり、第2の反射面8の+Z軸側の端部は、第1の入射面4aの−Z軸側の端部と接続されている。
第2の反射面8は、ZX平面に対して第2の反射面8の+Z軸側の辺が+Y軸方向に傾いている。つまり、第2の反射面8の−Z軸側の端部は、第2の反射面8の+Z軸側の端部よりも−Y軸側に位置している。第2の反射面8を平面に近似した場合の第2の反射面8の傾斜角は、光軸Cに対して角度a4である。つまり、第2の反射面8は、光軸Cの方向において、光路を広げるように傾斜している。例えば、第2の反射面8の光軸Cに近い端部は、光軸Cから遠い端部よりも光軸Cの方向(Y軸方向)において光源2側に位置している。光軸Cから遠い端部は、−Z軸方向側の端部である。光軸Cに近い端部は、+Z軸方向側の端部である。
第2の反射面8で反射された光L3は、壁面20の+Y軸方向側の領域に照射される。
第2の反射面8は、例えば、曲面である。第2の反射面8は、X軸を曲率中心とした曲面である。つまり、第2の反射面8は、Y軸方向に曲率を有している。そして、第2の反射面8は、例えば、X軸方向に曲率を有していない。第2の反射面8は、例えば、シリンドリカル面である。
第2の反射面8は、光線が入射する側から見て凹面でも凸面でもよい。ただし、第2の反射面8が凹面の場合には、壁面20の−Y軸方向側まで光線が到達する。また、第2の反射面8が凹面の場合には、壁面20上で光が集光する。そして、照明むらが発生する可能性がある。
このため、壁面20上の均一性及び照明むらを考慮すると、凸面として、壁面20の+Y軸方向側に拡散させた光を到達させることが好ましい。なお、第2の反射面8は、平面でも構わない。また、図1では、第2の反射面8は、凸面で示している。
以下の各実施の形態および各変形例において、反射面を凸面または凹面として説明する。この場合には、その反射面に到達する光にとっての凸面または凹面として説明する。例えば、図5に示すように、第2の反射面8は、形状的には凹面形状をしている。しかし、光線は、光学素子3の内部から第2の反射面8に到達する。このため、図5に示す第2の反射面8を凸面として説明する。
第1の入射面4aから第2の反射面8に到達した光L1は、第2の反射面8で反射される。そして、第2の反射面8で反射された光L3は、第1の出射面7aから出射される。
これによって、YZ平面上において、第2の反射面8で反射された光L3は、第1の出射面7aに向けて進行する際に第2の反射面8が凸面となっていることによって、Y軸方向に広がった光となる。光が広がることによって、壁面20上に到達する際の局所的な照度むらを抑制することが容易となる。
従って、第2の反射面8は、YZ平面上において、凹面形状または直線形状よりも、光軸C側に凸面形状となるように形成される方が好ましい。
第2の反射面8で反射された光線L3は、第1の出射面7aに到達する。第2の反射面8での光線L1の反射は、例えば、全反射である。また、上述のように、光源2から第1の入射面4aに入射した光L2は、第1の出射面7aに直接到達する。
≪第2の入射面4b≫
光学素子3の第2の入射面4bは、第1の入射面4aの+Z軸側に位置している。また、第2の入射面4bは、光軸Cの+Z軸側に位置している。つまり、第2の入射面4bは、光軸Cに対して、壁面20の反対側に位置している。
図1では、第2の入射面4bは、第1の入射面4aに接続されている。つまり、第2の入射面4bの−Z軸側の端部は、第1の入射面4aの+Z軸側の端部と接続されている。図1(a)では、YZ平面上において、第1の入射面4aと第2の入射面4bとの接続部は、光軸C上に位置している。
第2の入射面4bは、例えば、平面である。
第2の入射面4bは、ZX平面に対して+Z軸側の辺が−Y軸方向に傾いている。つまり、第2の入射面4bは、光軸Cに垂直な平面(ZX平面)に対して傾斜している。第2の入射面4bの−Z軸側の端部は、第2の入射面4bの+Z軸側の端部よりも+Y軸側に位置している。また、光軸Cに垂直な平面(ZX平面)に対して、第2の入射面4bの傾斜角(角度a3)は、第1の入射面4aの傾斜角(角度a2)よりも大きい。第2の入射面4bは、X軸を中心に光軸Cに垂直な平面(ZX平面)を+X軸方向から見て時計回りに回転させた面である。回転角は、角度a3である。
例えば、第2の入射面4bの光軸Cに近い端部は、光軸Cから遠い端部よりも光軸Cの方向(Y軸方向)において光源2側に位置している。光軸Cに近い端部は、−Z軸方向側の端部である。光軸Cから遠い端部は、+Z軸方向側の端部である。
例えば、第1の入射面4aと第2の入射面4bとの境界線は、直線形状をしている。例えば、第1の入射面4aと第2の入射面4bとの境界線は、X軸に平行である。
第2の入射面4bから入射した光L4は、第1の出射面7aに到達する。また、第2の入射面4bから入射した光L5は、第2の出射面7bに到達する。つまり、第2の入射面4bから入射した光の一部(光L4)は、第1の出射面7aに到達する。また、第2の入射面4bから入射した光の一部(光L5)は、第2の出射面7bに到達する。
第2の入射面4bから入射した光L4は、第1の出射面7aで−Y軸方向に屈折されて出射される。または、第2の入射面4bから入射した光L5は、第2の出射面7bから−Y軸方向に出射される。第2の出射面7bから出射される際に、光は屈折散乱される。屈折散乱は、光が屈折されて散乱されることである。
光学素子3の第1の入射面4a及び第2の入射面4bは、平面として示しているが曲面でも構わない。また、第1の入射面4aと第2の入射面4bとが連続した平面または曲面となっていてもよい。つまり、第1の入射面4aと第2の入射面4bとが同一面であってもよい。
また、より効率よく壁面20に光を到達させるためには、第1の入射面4aのZX平面に対する傾き角(角度a2)が第2の入射面4bのZX平面に対する傾き角(角度a3)よりも小さいことが好ましい。つまり、第1の入射面4aは、例えば、ZX平面に対して平行でもよい。
第1の出射面7aから出射された光L4は、壁面20の+Y軸方向側の領域に照射される。また、第2の出射面7bから出射された光L5は、壁面20の−Y軸方向側の領域に照射される。入射面4bの−Z軸方向側の端部から入射する光(例えば光L4)は、壁面20の+Y軸方向側の領域に到達する。入射面4bの+Z軸方向側の端部から入射する光(例えば光L5)は、壁面20の−Y軸方向側の領域に到達する。
≪第3の入射面5≫
光学素子3の第3の入射面5は、第2の入射面4bの+Z軸側に位置している。第3の入射面5は、第2の入射面4bと第1の反射面6との間に配置されている。
図1(a)では、第3の入射面5は、第2の入射面4bに接続されている。第2の入射面4bの+Z軸側の端部は、第3の入射面5の−Y軸側の端部と接続している。光軸Cの方向における第3の入射面5の光源2から遠い端部は、第2の入射面4bの光軸Cから遠い端部の位置に配置されている。
図1(a)では、第3の入射面5は、平面である。しかし、第3の入射面5は、平面に限られない。
第3の入射面5は、XY平面に対して+Y軸側の辺が+Z軸側に傾いている。つまり、第3の入射面5の+Y軸側の端部は、−Y軸側の端部よりも+Z軸側に位置している。第3の入射面5は、X軸を中心にXY平面に平行な面を+X軸方向から見て時計回りに回転させた面である。回転角は、角度a5である。
光源2から出射された光L7は、第3の入射面5に直接到達する。
また、第3の入射面5には、光源2から出射された光の内、第2の入射面4bでフレネル反射された光L6も到達する。光源2から出射されて第2の入射面4bで反射された光L6は、第3の入射面5に到達する。第2の入射面4bでの反射は、例えば、フレネル反射である。
第3の入射面5から入射した光L6,L7は、第1の反射面6に到達する。第1の反射面6で反射された光L6は、照明光として壁面20に照射される。第1の反射面6で反射された光L7も、照明光として壁面20に照射される。照明光は、被照射物を照明する光である。照明光は、被照射物に照射される光である。
≪第1の反射面6≫
光学素子3の第1の反射面6は、第3の入射面5の+Z軸方向側に配置されている。図1では、例えば、第1の反射面6の−Z軸方向側の端部は、第3の入射面5の+Y軸方向側の端部に接続されている。光軸Cの方向における第3の入射面5の光源2に近い端部は、第1の反射面6の光軸Cに近い端部の位置に配置されている。
光学素子3の第1の反射面6は、XY平面に対して−Y軸方向の辺が+Z軸方向に傾いた面である。つまり、第1の反射面6の+Y軸方向側の端部は、第1の反射面6の−Y軸方向側の端部よりも光軸C側に位置している。または、第1の反射面6の−Z軸方向側の端部は、第1の反射面6の+Z軸方向側の端部よりも+Y軸方向側に位置している。つまり、第1の反射面6は、光軸Cの方向において、光路を広げるように傾斜している。第1の反射面6は、X軸を中心にXY平面に平行な面を+X軸方向から見て反時計回りに回転させた面である。回転角は、角度a6である。
第1の反射面6は、光軸Cに垂直な平面(ZX平面)に対して傾斜している。第1の反射面6の光軸Cに近い端部は、光軸Cから遠い端部よりも光軸Cの方向において光源2側に位置している。
第1の反射面6は、平面でも構わない。しかし、第1の反射面6は、曲面の方がより効率よく壁面20に光を照射することが可能となる。ただし、照度むらを軽減するためには、第1の反射面6を平面とすることが好ましい。
例えば、第1の反射面6は、Y軸方向に曲率を有している。そして、第1の反射面6は、X軸方向に曲率を有していない。つまり、第1の反射面6は、シリンドリカル面である。また、第1の反射面6は、X軸方向に曲率を有することができる。つまり、第1の反射面6は、球面またはトロイダル面である。
図1では、第1の反射面6は、光線が入射する方向から見て凹面である。第1の反射面6の曲面形状は、光軸C側に凹形状である。
第1の反射面6は、例えば、全反射面である。しかし、第1の反射面6上に反射膜を形成しても構わない。
第1の反射面6で反射された光は、第2の出射面7bに到達する。第1の反射面6で反射されたほとんどの光は、第2の出射面7bから−Y軸方向に屈折散乱して出射される。
≪側面9≫
側面9は、光学素子3の+X軸方向側と−X軸方向側とに形成されている。そして、例えば、側面9の+Y軸方向側の端部は、第1の入射面4a、第2の入射面4bおよび第3の入射面5のX軸方向側の端部と接続されている。また、例えば、側面9の−Z軸方向側の端部は、第2の反射面8のX軸方向側の端部と接続されている。また、例えば、側面9の+Z軸方向側の端部は、第1の反射面6のX軸方向側の端部と接続されている。
光学素子3の側面9は、例えば、光軸Cを中心とした筒形の側面の形状である。側面9は、例えば、光軸Cを中心とした円筒形の側面の形状である。なお、側面9の+Y軸方向の端部と光軸Cとの間隔は、側面9の−Y軸方向の端部と光軸Cとの間隔より狭い。つまり、側面9の+Y軸方向側の端部は、側面9の−Y軸方向側の端部よりも光軸C側に位置している。側面9は、例えば、光軸Cを中心とした円錐台形状の側面の形状である。
側面9は、+Y軸から−Y軸に向かって光軸C側に曲面形状を有する。つまり、側面9は、Y軸方向において曲面形状を有する。そして、側面9の曲面形状は、光軸Cの方向に凸面形状である。つまり、側面9の曲面形状は、光線が入射する方向から見て凸面である。
また、側面9は、例えば、Z軸方向に曲率を有している。しかし、側面9は、例えば、Y軸方向に曲率を有していなくても良い。つまり、側面9は、シリンドリカル面である。また、側面9は、Z軸方向及びY軸方向に曲率を有していてもよい。つまり、側面9はトロイダル面である。
光源2から出射された光は、第1の入射面4a、第2の入射面4bまたは第3の入射面5から光学素子3の内部に入射する。そして、光学素子3に入射した光の一部は、側面9に向けて進行する。そして、光学素子3に入射した光の一部は、側面9に到達する。
側面9に到達した光は、側面9で反射される。側面9での反射は、例えば、全反射である。側面9で反射された光は、側面9の曲面によって、−Y軸方向に広がった光となる。なお、側面9で反射された光は、広がっているので、壁面20の+Y軸方向側の領域にも到達する。
側面9を光軸Cに垂直な平面(ZX平面)で切断した形状は、円弧形状である。このため、ZX平面上で見ると、側面9で反射された光は、一度集光するが、その後広がって進行する。ここで、側面9はY軸方向に曲率を有している。このため、側面9で反射されて−Y軸方向に進行した光の一部は、一度集光して、その後広がって進行する。
実施の形態1では、後述するように、側面9で反射される光を複数の平面を含む面などで散乱させている。しかし、側面9は、筒形の側面形状に限られない。そのため、光学素子3は、側面9に到達した光を壁面20の方向に反射する反射面を備えることができる。
側面9で反射された光は、第1の出射面7aに到達する。第1の出射面7aに到達した光は、第1の出射面7aにおいて−Y軸方向に屈折される。そして、第1の出射面7aに到達した光は、第1の出射面7aから出射される。第1の出射面7aに到達した光は、第1の出射面7aから−Y軸方向に向けて出射される。
また、側面9で反射された光は、第2の出射面7bに到達する。第2の出射面7bに到達した光は、第2の出射面7bにおいて−Y軸方向に屈折される。第2の出射面7bに到達した光は、第2の出射面7bから−Y軸方向に向けて出射される。第2の出射面7bに到達した光は、第2の出射面7bにおいて散乱される。
ここで、側面9は、壁面20に到達する光が局所的な照度むらを発生させない形状であればよい。例えば、側面9を拡散面としてもよい。また、側面9を複数の平面を含む面形状としてもよい。また、側面9を光軸Cと逆側に凸形状の曲面形状としても構わない。しかし、側面9を光軸Cと逆側に凸形状とした場合には、局所的な照度むらが発生する可能性がある。このため、第1の出射面7aも拡散面とすることが好ましい。
ここで、「複数の平面を含む面形状」とは、例えば、図22に示すようなストライプ形状(短冊形状)である。つまり、側面9は、例えば、Y軸方向に長い短冊形状の面をZ軸方向に並べた形状である。また、側面9は、ボーダー形状の面形状であってもよい。「ボーダー形状」とは、Z軸方向に長い短冊状の面をY軸方向に並べた形状である。また、側面9は、複数の四角形を構成要素とした面形状などであってもよい。つまり、側面9は、光を散乱させる効果があれば多くの形状を取りえる。また、複数の平面は、複数の曲面とすることができる。
≪出射面7≫
出射面7は、光学素子3の−Y軸方向側の面である。出射面7は、例えば、2つの領域を含んでいる。実施の形態1では、出射面7は、第1の出射面7aと第2の出射面7bとを含んでいる。図1(c)で示されるように、第1の出射面7aと第2の出射面7bとの境界は、例えば、X軸に平行な直線形状である。
第1の出射面7aは、例えば、光学研磨面である。第1の出射面7aに到達した光は、第1の出射面7aで−Y軸方向に屈折される。第1の出射面7aで屈折された光は、第1の出射面7aから−Y軸方向に向けて出射される。
第2の出射面7bは、例えば、拡散面である。第2の出射面7bの拡散面は、例えば、ガウス角2°の散乱特性を有する。
ここで、ガウス分布の半値全幅をFWHM(Full Width at Half Maximum)で表すと、式(1)となる。ガウス分布の幅は、通常、式(1)に示されるσを用いて表わされる。σは幅のパラメータとも呼ばれる。ここでは、σをガウス角と呼ぶ。
FWHM=2×(2×In2)0.5×σ 式(1)
これによって、壁面20上の照度むら及び照明むらを抑制することが容易となる。
なお、第1の出射面7aを拡散面としていてもよい。これによって、光の利用効率は低下する。しかし、照度分布及び照明むらはさらに軽減される。そして、照明の均一性は向上する。そのため、光の利用効率を考慮すると、第2の出射面7bのみを拡散面とすることが好ましい。
また、拡散面を微細なプリズム構造とする等の工夫をしてもよい。
図2は、実施の形態1に係る照明装置1が設置された状態の一例を示す説明図である。図2は、照明装置1が壁面20を照明する場合である。例えば、壁面20は光源2の光軸Cに対して片寄った位置に配置されている。図2では、壁面20は光源2の光軸Cに対して−Z軸方向側に片寄って配置されている。このような照明装置1は、ウォールウォッシャダウンライトとも呼ばれる。このような照明装置1は、光を光源2の光軸Cに対して被照射物(20)の方向に片寄って照射している。
照明装置11は、光源2および光学素子3等を備えている。しかし、図2(a)および図2(b)において、照明装置11の詳細な構造は省略する。
壁面20に対して、照明装置11は角度a1で傾いて設置されている。つまり、照明装置11の光軸Cは、壁面20に平行な状態から、角度a1だけ壁面20側に傾いている。
図2に示す照明装置11は、例えば、図1に示す照明装置1である。また、図2に示す照明装置11は、例えば、後述する照明装置12、照明装置14、照明装置15、照明装置16、照明装置17または照明装置18である。
図2(b)に照明装置11と壁面20との位置関係を示す。
ここで、例えば、壁面の幅Hは、長さ4800mmである。壁面の高さVは、長さ2700mmである。照明装置11と壁面20との間隔Dは、900mmである。
図3は、実施の形態1に係る照明装置1の効果を説明するためのシミュレーション図である。
照明装置1の配置は、図2に示した配置とする。図3(a)は、照明装置1から出射された光の壁面20上の照度分布を示す。図3(b)は、第2の出射面7bを光学研磨面とした場合の壁面20上の照度分布を示す。つまり、図3(b)では、第2の出射面7bは拡散面ではない。
つまり、図3(a)および図3(b)は、第1の出射面7aおよび第2の出射面7bから出射された光による照度分布である。図3(a)の第2の出射面7bは拡散面である。図3(b)の第2の出射面7bは光学研磨面である。
図3において、横軸はX軸方向の位置を示している。また、縦軸はY軸方向の位置を示している。X軸方向は、壁面20の幅方向である。Y軸方向は、壁面20の高さ方向である。
また、図3では、等高線で照度を10分割して表示している。照度は、等高線の中心に行くに従って高くなっている。つまり、等高線の中心の方が周辺よりも明るい。
図3(a)及び図3(b)では、領域30a及び領域30bを比較すると、若干照度むらが確認されるが、領域30aの方が照度分布の均一性が高いことが確認できる。なお、今回のシミュレーションでは、第2の出射面7bの拡散面はガウス角2°相当としている。
ここで、光学研磨面は光学面とも呼ばれる。光学研磨面は、光の設計において制御可能な面である。光学研磨面は、拡散面または黒塗りを施した面ではないことを示す。なお、無反射コートを施していない場合には、光学研磨面において、フレネル反射が起こる。一般的に、照明装置に使用されるレンズは、PMMA等の樹脂で形成されている。そして、無反射コートは施されていない。
図4は、実施の形態1に係る照明装置1の効果を説明するためのシミュレーション図である。
図4(a)は、第1の出射面7aから出射された光の壁面20上の照度分布を示す。図4(b)は、拡散面とした第2の出射面7bから出射された光の壁面20上の照度分布を示す。図4(c)は、光学研磨面とした第2の出射面7bから出射された光の壁面20上の照度分布を示す。つまり、図4(c)では、第2の出射面7bは、拡散面ではない場合である。
つまり、図4(a)は、第1の出射面7aから出射された光による照度分布である。図4(b)は、第2の出射面7b(拡散面)から出射された光による照度分布である。図4(c)は、第2の出射面7b(光学研磨面)から出射された光による照度分布である。
図4において、横軸はX軸方向を示し、縦軸はY軸方向の位置を示している。X軸方向は、壁面20の幅方向である。Y軸方向は、壁面20の高さ方向である。
また、図4では、等高線で照度を10分割して表示している。照度は、等高線の中心に行くに従って高くなっている。
図4(a)より、第1の入射面4a及び第2の入射面4bに入射した光は、主に第1の出射面7aに到達する。そして、第1の出射面7aに到達した光は、−Y軸方向に屈折されて出射されている。しかし、第1の出射面7aから出射された光は、壁面20の上部側に照射されている。壁面20の上部側は、壁面20の+Y軸方向側である。第1の出射面7aから出射された光は、概ね均一な照度分布である。
図4(b)より、第2の出射面7bから出射された光は、壁面20の下部側に照射されている。壁面20の下部側は、壁面20の床面側(−Y1軸方向側)である。第2の出射面7bから出射された光は、領域40b以外では概ね均一な照度分布である。
ここで、壁面20上の領域40bに到達した光は、第2の入射面4bでフレネル反射されて、第3の入射面5から入射して、第1の反射面6で反射され、第2の出射面7bから出射された光が含まれている。領域40bに到達する光は、第2の出射面7bから出射される際に、拡散される。
第2の出射面7bを拡散面としているため、等高線の密度は低くなっている。つまり、等高線の間隔が広い。第2の出射面7bから出射された光と第1の出射面7aから出射された光とが壁面20上で重畳された際に、照度分布の均一性は確保される。
図4(c)より、第2の出射面7bを光学研磨面とした場合には、位置40cの箇所の等高線が密になっていることが確認できる。つまり、等高線の間隔が狭い。これによって、急激に照度が低下する箇所が発生してしまう。このため、第2の出射面7bから出射された光と第1の出射面7aから出射された光とが壁面20上で重畳された際に、照度むらが発生しやすくなる。そして、照明むらとして視認される。
つまり、視感上、視認される照明むらを観察した際に、位置40cの箇所は、照明むらとして認識されやすい箇所となる。従って、第2の出射面7bを拡散面とすることによる照度むら及び照明むらの低減効果が顕著に確認される。ここで示す照度むらは、狭い領域で発生する局所的な照度むらを示している。なお、ここで示している視感上の照明むらは、照度分布としては現れ難く、照度分布としての差異は小さく示される。
なお、第2の出射面7bの拡散面のガウス角を大きくすれば、更に照度むら低減効果が得られる。つまり、第2の出射面7bでの光の散乱の度合いを大きくすれば、更に照度むら低減効果が得られる。光の利用効率を考慮して、本実施の形態1では、ガウス角を2°相当の設定とした。
また、第2の出射面7bは、第2の入射面4bでフレネル反射され、第1の反射面6で反射された光が通過する領域とすることが好ましい。第2の出射面7bを、第3の入射面5の−Y軸方向側の端部のZ軸方向の位置よりも−Z軸方向側の領域とすることが好ましい。
なお、第2の出射面7bの一部を、第3の入射面5の−Y軸方向側の端部のZ軸方向の位置よりも+Z軸側とした場合でも照明むらの軽減効果及び照度むらの軽減効果は得られる。これは、図5に示すように、第2の入射面4bでフレネル反射されて、第1の反射面6で反射された光線の中には、第3の入射面5の−Y軸方向側の端部よりも+Z軸側の出射面7に到達する光線も存在するためである。
図5は、実施の形態1の光線追跡結果のシミュレーション図である。
第2の入射面4bでフレネル反射された光400は、第3の入射面5に入射し、第1の反射面6で反射されて、第2の出射面7bから出射される。ここで、便宜上、第2の出射面7bは光学研磨面としてシミュレーションしている。また、第3の入射面5から入射した光401は、第1の反射面6で全反射され、第2の出射面7bから出射される。なお、第1の反射面6での反射は、一例として、全反射として説明する。
図5で示された光400は、図1(d)で示された光L6に相当する。また、光401は、図1(d)で示された光L7に相当する。
図5より、第2の入射面4bでフレネル反射された光400は、光源2から第3の入射面5に直接入射した光401よりも、第2の出射面7b上の−Z軸方向側の領域から出射される。つまり、第2の出射面7b上において、光400の出射位置は、光401の出射位置よりも−Z軸方向側に位置する。光400は、第2の入射面4bでフレネル反射された光である。光401は、光源2から第3の入射面5に直接入射した光である。
このことからも、光401よりも壁面20の+Y軸方向の位置に、第2の入射面4bでフレネル反射された光400が到達することが確認される。図4の領域40bの照度分布及び位置40cでの照度分布は、第2の入射面4bでフレネル反射された光400が壁面20に到達して形成される。
そして、第2の出射面7bを拡散面とした図4(b)の方が、第2の出射面7bを光学研磨面とした図4(c)よりも照度むらが抑えられている。
<変形例1>
変形例1および変形例2で、第1の反射面6の光軸Cに対する傾斜角a6を変更している。変形例1の光学素子31では、傾斜角a6は、光学素子3よりも大きい。変形例2の光学素子32では、傾斜角a6は、光学素子3よりも小さい。このように、第1の反射面6の傾斜角a6が変化しても、第2の出射面7b,71bを拡散面とする効果は得られることを以下で説明する。
図6は、本実施の形態1の変形例1の照明装置12の主要構成を概略的に示す構成図である。第1の反射面61以外は本実施の形態1の照明装置1と同様の構成のため、説明を省略する。
第1の反射面61の−Y軸方向側の端部は実施の形態1の第1の反射面6と比較して+Z軸方向に移動している。これによって、実施の形態1と比較して第2の出射面7bから出射される光を壁面20の−Y軸方向に移動させることが可能となる。つまり、図1(a)に示した長さB1よりも図6(a)に示した長さB2の方が長い。長さB1,B2は、光軸Cから第1の反射面6,61の−Y軸方向側の端部までのZ軸方向の長さである。
図7は、本実施の形態1の変形例1の効果を説明するためのシミュレーション図である。照明装置12の配置は、図2に示した配置とする。
図7(a)は、照明装置12から出射された光の壁面20上の照度分布を示す。図7(b)は、第2の出射面7bを光学研磨面とした場合の壁面20上の照度分布を示す。つまり、図7(b)では、第2の出射面7bは拡散面ではない。
つまり、図7(a)および図7(b)は、第1の出射面7aおよび第2の出射面7bから出射された光による照度分布である。図7(a)の第2の出射面7bは拡散面である。図7(b)の第2の出射面7bは光学研磨面である。
図7において、横軸はX軸方向の位置を示している。また、縦軸はY軸方向の位置を示している。X軸方向は、壁面20の幅方向である。Y軸方向は、壁面20の高さ方向である。
また、図7では、等高線で照度を10分割して表示している。照度は、等高線の中心に行くに従って明るくなっている。
図7(a)より、概ね照度分布が均一であることが確認できる。つまり、図3(a)に示した領域30aの照度むらが低減している。図7(b)より、領域60bに示す箇所において、照度むらが確認される。これによって、第2の出射面7bから出射される光の壁面20上の到達位置を、実施の形態1よりも−Y軸方向へ移動させた場合にも、照度むらの改善効果が大きくなることが確認される。
図8は、本実施の形態1の変形例1の効果を説明するためのシミュレーション図である。
図8(a)は、第2の出射面7bから出射された光の壁面20上の照度分布を示す。図8(b)は、第2の出射面7bを光学研磨面とした場合の第2の出射面7bから出射された光の壁面20上の照度分布を示す。つまり、図8(b)では、第2の出射面7bは拡散面ではない。
つまり、図8(a)および図8(b)は、第2の出射面7bから出射された光による照度分布である。図8(a)の第2の出射面7bは拡散面である。図8(b)の第2の出射面7bは光学研磨面である。
図8において、横軸はX軸方向の位置を示している。また、縦軸はY軸方向の位置を示している。X軸方向は、壁面20の幅方向である。Y軸方向は、壁面20の高さ方向である。
また、図8では、等高線で照度を10分割して表示している。照度は、等高線の中心に行くに従って明るくなっている。
図8(a)より、Y方向の位置で900mmより少し−Y軸方向に最大照度の位置があることが確認される。図8(a)と図8(b)とを比較すると、位置70aより位置70bの方が等高線の密度が高い。そのため、位置70aより位置70bの方が、照度むらの影響及び照明むらの影響を受けていると考えられる。なお、900mmの高さは、壁面20の高さVの1/3である。
図7(b)から確認されるように、Y軸方向の900mmと1350mmの中間付近の照度むらが大きい。位置70b2での等高線の密度が特に照度むらに影響していることが確認される。図8(b)より、位置70b2は、Y軸方向の900mmと1350mmの中間付近である。そして、図7(b)より、領域60bは、Y軸方向の900mmと1350mmの中間付近である。領域60bは、照度むらが確認される箇所である。
そのため、図8(b)に示す第2の出射面7bから出射された光による照度むらが、図7(b)に示す照度むらの原因と考えられる。図8(b)に示す第2の出射面7bは光学研磨面である。
従って、壁面20の−Y軸方向側の照度を高くした場合でも、同様に、第2の出射面7bを拡散面とする効果が確認できる。また、壁面20上の照度分布を均一化させるためには、図2の構成であれば、900mm付近を明るくすることが好ましい。
光源2から出射された光束が、第1の反射面61で反射された後に、壁面20の900mm付近に到達する割合を高くする。そして、壁面20の900mm付近の明るさを明るくする。そのためには、第1の反射面61の曲面形状と、第1の反射面61の−Y軸方向側の端部のZ軸方向側の位置とを最適化する。
また、照度むらを軽減するためには、第1の反射面6を平面とすることが好ましい。ただし、光の利用効率を考慮すると、第1の反射面6は曲面を含んでいる方が好ましい。
例えば、第1の反射面6の曲面形状によって、光源2の発光面上の一点から出射された拡散光の光線が、出射面7から出射される際に、平行光となることが好ましい。発光面上の一点は、例えば、発光面の中心または発光面の端部などである。なお、出射面7は、光学研磨面である。それによって、出射面7から出射された光の広がりを小さくすることができる。そして、効率よく壁面に光を到達させることが可能となる。
<変形例2>
図9は、本実施の形態1の変形例2の照明装置13の主要構成を概略的に示す構成図である。第1の反射面62及び第2の出射面71b以外は、実施の形態1の照明装置1と同様の構成のため、説明を省略する。
第1の反射面62の−Y軸方向側の端部は実施の形態1と比較して−Z軸方向に移動している。つまり、図9に示す長さB3は、図1に示す長さB1よりも短い。これによって、実施の形態1と比較して第2の出射面7bから出射された光を壁面20の+Y軸方向に移動させることが可能となる。
また、第2の出射面71bはガウス角4°相当の拡散面である。ガウス角が2°では照度むらが残存するため、ガウス角を4°に設定をしている。このように、第1の反射面62の設計によって、拡散面の粗さの度合いを変化させる必要性が生じる。
図10は、実施の形態1の変形例2の効果を説明するためのシミュレーション図である。照明装置13の配置は図2に示した配置とする。
図10(a)は、照明装置13から出射された光の壁面20上の照度分布を示す。図10(b)は、第2の出射面71bを光学研磨面とした場合の壁面20上の照度分布を示す。つまり、図10(b)では、第2の出射面71bは拡散面ではない。図10(c)は、第2の出射面71bを光学研磨面とし、第3の入射面5を拡散面とした場合の壁面20上の照度分布を示す。なお、第3の入射面5はガウス角4°相当の拡散面である。
つまり、図10(a)、図10(b)、図10(c)および図10(d)は、第1の出射面7aおよび第2の出射面71bから出射された光による照度分布である。図10(a)の第2の出射面7bは拡散面である。図10(b)の第2の出射面7bは光学研磨面である。図10(c)の第2の出射面7bは光学研磨面で、第3の入射面5は拡散面である。図10(d)では、第1の反射面62は3つの平面で形成された面形状である。つまり、第1の反射面62は複数の平面を含む面形状をしている。そして、第2の出射面7bおよび第3の入射面5は光学研磨面である。
図10において、横軸はX軸方向の位置を示している。また、縦軸はY軸方向の位置を示している。X軸方向は、壁面20の幅方向である。Y軸方向は、壁面20の高さ方向である。
また、図10では、等高線で照度を10分割して表示している。照度は、等高線の中心に行くに従って明るくなっている。
図10(a)より、概ね照度分布が均一であることが確認できる。図10(b)より、領域90bに示す箇所において、大きな照度むらが確認される。これによって、第2の出射面71bの照度むらへの影響が大きいことが確認される。つまり、第2の出射面71bを拡散面(図10(a))から光学研磨面(図10(b))とすることで、領域90bに照度むらが発生している。
第2の出射面71bから出射される光の壁面20上の到達位置を実施の形態1より少し+Y軸方向へ移動させた際には、ガウス角を2度から4度にすることで、照度むらの改善効果が確認される。
従って、第2の出射面71bから出射される光は、壁面20の900mm付近(壁面20高さVの1/3の高さである。)の照度を高くすることが好ましい。これは、壁面20の+Y軸方向側を照射するにつれて、照明装置13と壁面20との間隔が狭くなることに起因する。
つまり、各々の光の壁面20上での照度が高くなると、第2の出射面7bから出射された光と第1の出射面7aから出射された光とが重畳される際に、各々の光の影響度が高くなるためであると考えられる。また、壁面20へ照射される光が集光している場合も、壁面20上の照度が高くなる。そして、各々の光の影響度は高くなる。
変形例2は、壁面20に到達する光が実施の形態1よりも+Y軸方向に到達している。このため、第2の出射面7bの影響が大きくなったと考えられる。なお、照度は距離の二乗に反比例する。このため、照射距離が長いほど、照度は低下する。また、照射距離が短いほど、照度は高くなる。
図10(c)より、概ね、照度分布が均一であることが確認できる。これより、第3の入射面5を拡散面とすることによって、第2の出射面71bを拡散面とした場合と同様の効果が得られることが確認できる。つまり、照明装置13は、照明装置1よりも壁面20から遠い面(第3の入射面5)を拡散面としている。従って、第3の入射面5を拡散面とすることによって、壁面20上の照度むらを軽減する効果が得られる。
照明装置13は、照明装置1よりも光軸Cに対する第1の反射面62の傾斜角度(角度a6)を小さくしている。そのため、照明装置13は、照明装置1よりも壁面20上の近い領域を照明している。
なお、第3の入射面5はガウス角4°相当の拡散面とした場合を示した。
ここで、照明装置13の光の利用効率は、概ね、照明装置1と同様の光の利用効率である。第2の入射面4bで反射された光線(光L6)は、第3の入射面5に入射する。従って、第3の入射面5を拡散面とすれば、壁面20上に発生する照度むらは軽減されると考えられる。このため、第2の出射面7bの代わりに、第3の入射面5を拡散面とする。これによって、第2の出射面7bを拡散面とした場合と同様の効果が得られる。その際に、第2の出射面7bを拡散面とした場合と、第3の入射面5を拡散面とした場合とを比較すると、光の利用効率に差異は少ない。
なお、厳密に言うと、第3の入射面5から壁面20までの光路は、第2の出射面7bから壁面20までの光路より長い。このため、第3の入射面5を拡散面とした方が光の利用効率は低下する。図9に示した照明装置13の場合には、照明装置1よりも壁面に到達する光の利用効率が約2%低下している。しかし、この約2%の低下は、差異は少ないと考えられる。
図11は、実施の形態1の変形例2の効果を説明するためのシミュレーション図である。
図11(a)は、第2の出射面71bから出射された光の壁面20上の照度分布を示す。図11(b)は、第2の出射面71bを光学研磨面とした場合の第2の出射面71bから出射された光の壁面20上の照度分布を示す。つまり、図11(b)では、第2の出射面71bは拡散面ではない。
つまり、図11(a)、図11(b)および図11(c)は、第2の出射面71bから出射された光による照度分布である。図11(a)の第2の出射面7bは拡散面である。図11(b)の第2の出射面7bは光学研磨面である。図11(c)では、第1の反射面62は3つの平面で形成された面形状である。そして、第2の出射面7bおよび第3の入射面5は光学研磨面である。
図11において、横軸はX軸方向の位置を示している。また、縦軸はY軸方向の位置を示している。X軸方向は、壁面20の幅方向である。Y軸方向は、壁面20の高さ方向である。
また、図11では、等高線で照度を10分割して表示している。照度は、等高線の中心に行くに従って明るくなっている。
線100a、線100bおよび線100cは、照度分布のY軸方向の最大照度位置を示している。
図11(a)と図11(b)とを比較する。線100a及び線100bより、図11(a)および図11(b)共に、Y方向の位置で900mmと1350mmの間の位置が最大照度となっている。
図10(b)の領域90bの照度むらの位置を鑑みると、強度の強い照度の位置は900mmと1350mmとの間に位置している。そして、照度の強度が照度むらへ影響を与えていると考えられる。つまり、高照度の領域では低照度の領域よりも照度むらは発生しやすい。
従って、壁面20上の照度分布を効率よく均一化させるためには、図2の構成であれば、900mm付近を明るくすることが好ましい。つまり、壁面20のY軸方向の下面から1/3の位置の照度を高くすることによって、壁面20に高効率で均一に照明することが可能となる。
また、壁面20上へ光を集光しすぎないことが好ましい。つまり、第1の反射面62は平面に近い曲面が好ましいと考えられる。なお、第1の反射面62は平面でも構わない。しかし、高効率化を考慮すると、第1の反射面62を曲面とすることが好ましい。なお、実施の形態1は、比較的平面に近い曲面となっている。
例えば、図10(d)では、第1の反射面62を3つの平面で形成した面形状としている。第1の反射面62のY軸方向の長さを3分割して、3つの平面で凹面形状を形成している。
第1の反射面62を複数の平面を含む面形状とすることによって、壁面20上へ到達する光の集光の程度が軽減される。そして、第2の出射面71bまたは第3の入射面5を拡散面とした場合と同様の効果が得られる。
さらに、第1の反射面62を複数の平面を含む面形状で形成するため、第1の反射面62は曲面形状と類似の形状となる。そして、複数の平面を含む面形状の第1の反射面62の光の利用効率は、第2の出射面71bまたは第3の入射面5を拡散面とした場合の光の利用効率と同程度となる。
図10(d)に示す照度分布シミュレーション結果は、第1の反射面62を複数の平面を含む面形状としている。この複数の平面を含む面形状は、短冊形状の平面をY軸方向に3つ並べて形成されている。この短冊形状は、X軸方向に長い矩形形状をしている。そして、第3の入射面5、第1の出射面7a及び第2の出射面71bを光学研磨面としている。
図10(d)では、図10(a)及び図10(c)と同様に照度むらが軽減されていることが確認できる。また、図11(c)では、図11(a)に比べて、少しフレネル反射の影響が残っている。フレネル反射の影響は、Y軸方向の1350mmと1800mmとの間に現れている。
なお、第1の反射面62を3つの平面で形成した場合を示した。しかし、第1の反射面62を3つ以外の複数の平面で形成しても構わない。ただし、変形例2のように壁面20上の照度分布の強度が強い場合には、複数の平面を含む面形状を形成する平面の数が少ないことが好ましい。なお、第2の入射面4bで反射されて第1の反射面62に到達する光が異なる面に到達するように、第1の反射面62は少なくとも2つ以上の面で形成された面形状であることが好ましい。
これによって、出射面7の全面を光学研磨面とすることが可能となる。そして、光学素子31の加工の工程を削減できる。そして、低コスト化が図れる。
上述のように、光源の発光面上の一点から出射された拡散光の光線が、出射面7から出射される際に、平行光となることが好ましい。なお、平行光よりも1度から2度程度の拡散光の方が好ましい場合もある。
本実施の形態1では、第2の出射面7bを拡散面とした。しかし、照度むら及び照明むらに影響を与えている光は、第3の入射面5を通過する光である。このことから、第3の入射面5を拡散面として、第2の出射面7bを光学研磨面としても同様の効果が得られる。
また、照度むら及び照明むらに影響を与えている光は、第1の反射面6で反射される光である。従って、第1の反射面6を複数の平面を含む面形状とすることで、第2の出射面7bを光学研磨面としても同様の効果が得られる。第1の反射面6は、例えば、X軸方向に長い短冊状の平面をY軸方向に複数並べて形成される。
以上より、例えば、第3の入射面5をシボ加工などで拡散面とする。そして、第2の出射面7bを光学研磨面とする。これによって、第2の入射面4bから入射して、第2の出射面7bから出射される光の散乱を抑制することが可能となる。このため、光の利用効率の低下を抑制できる。また、壁面20に照射される光の照度むら及び照明むらを軽減する効果が得られる。
更には、第2の入射面4bを拡散面とし、照度むら及び照明むらをさらに軽減してもよい。つまり、その構成の場合には、第2の入射面4bでフレネル反射される光を軽減するために、第2の入射面4bを拡散面としてもよい。第2の入射面4bを拡散面とすることによって、第2の入射面4bでフレネル反射される光を減らすことができる。
なお、第1の出射面7aを拡散面とすると、照度むら及び照明むらを低減する効果が得られる。しかし、光の利用効率を考慮すると、第1の出射面7aを光学研磨面とする方が好ましい。
以上より、壁面20に照射される光の利用効率を向上させるためには、照度むら及び照明むらを考慮すると、第2の出射面7bまたは第3の入射面5を拡散面とすることが好ましい。または、第1の反射面6を複数の平面を含む面形状とすることが好ましい。この第1の反射面6の面形状は、例えば、X軸方向に長い短冊状の面をY軸方向に複数並べて形成される。特に、第2の入射面4bでフレネル反射されて、第1の反射面6で反射され、第2の出射面7bから出射される光の影響による照明むらにとっては効果的である。
また、第3の入射面5から入射し、第1の反射面6で反射され、第2の出射面7bから出射される光の影響による照度むらにとっても効果的である。なぜなら、シミュレーションの結果から、第2の入射面4bでフレネル反射されて壁面20に到達する光は、壁面20上で等高線の密度の高い照度分布となる。このため、等高線の密度を下げるために、フレネル反射された後の光を散乱させ又は分散させる。これによって、照明むらの影響となる高密度の等高線の発生を抑制する効果がある。
なお、実施の形態1では、図2における照明装置11の傾きを20度(a1=20°)として示している。しかし、照明装置11の傾きは15度(a1=15°)でも構わない。また、照明装置11の傾きを10度(a1=10°)とすることもできる。照明装置11の傾き角度a1を小さくすると、天井に照射される光量を減らすことが容易となる。そして、天井に照射される光が減少するため、天井に照射される光を観察した際の眩しさ感を低減することができる。ただし、傾き角度a1を小さくしすぎると、効率よく壁面20の広範囲に光を照射させることの難易度は上がる。なお、難易度は上がるが、傾き角度a1をゼロとすることは可能である。
本実施の形態1では、出射面7が円形状の光学素子3を示している。しかし、出射面7は矩形状でも構わない。また、出射面7は多角形状でも構わない。つまり、側面9の形状を変更して、側面9に到達した光を壁面20に向けることは可能である。また、特許文献1のように、照明装置1には複数の光源2が並べられ、光学素子3はその並び方向に延びる形状であっても良い。
なお、第1の入射面4a、第2の入射面4b、第3の入射面5、第1の反射面6及び第2の反射面8は、YZ平面の断面形状をX軸方向に延伸した形状として説明している。各面4a,4b,5,6,8は、YZ平面の断面形状をX軸方向に移動させて形成される。つまり、各面4a,4b,5,6,8は、X軸方向には曲率を有さない。
しかし、各面4a,4b,5,6,8は、これに限らない。後述するが、第1の入射面4a及び第2の入射面4bがX軸方向に凹部を形成していても構わない。
また、光学素子3のY軸方向の厚みが大きい場合には、第1の出射面7a及び第2の出射面7bを出射する光は減少する。このため、第1の入射面4a及び第2の入射面4bに凸部を形成することによって、光の利用効率を向上させることが好ましい。ここで、「凸部」とは、中心線CL1上において、Y軸方向に突出した凸部を形成することを示す。つまり、凸部は、Z軸方向から見て、中心線CL1上の部分が突出している形状である。
図23は、照明装置1の光線追跡の結果を示す図である。図24は、照明装置12の光線追跡の結果を示す図である。図25は、照明装置13の光線追跡の結果を示す図である。なお、図23、24、25において、便宜上、第2の出射面7bは光学研磨面としている。
まず、図23について説明する。
光線230aは、2種類の光線を含んでいる。1つ目の光線は、第1の入射面4aから入射して、直接第1の出射面7aから出射される。2つ目の光線は、第1の入射面4aから入射して、第2の反射面8で反射され、第1の出射面7aから出射される。光線230aは、−Z軸方向に広がった光線となって出射される。
光線230bは、第2の入射面4bから入射して、第1の出射面7aまたは第2の出射面7bから出射される。光線230bは、光線230aよりも+Z軸方向側に出射される。
光線230cは、第3の入射面5に入射し、第1の反射面6で反射されて、第2の出射面7bから出射される。第1の反射面6の+Z軸方向側の端部で反射された光線は、Y軸と平行に出射されている。光線230cは、光線230bよりも+Z軸方向側に出射される。光線230cは、光線230bと重なって照射される。
次に、図24について説明する。
光線240aは、光線230aと同様である。また、光線240bは、光線230bと同様である。そのため、これらの説明を省略する。
光線240cは、第3の入射面5に入射し、第1の反射面61で反射されて、第2の出射面7bから出射される。第1の反射面61の+Z軸方向側の端部で反射された光線は、+Z軸方向に進行している。つまり、光線240cは、光線230cよりも+Z軸方向側に出射されている。
次に、図25について説明する。
光線250aは、光線230aと同様である。また、光線250bは、光線230bと同様である。そのため、これらの説明を省略する。
光線250cは、第3の入射面5に入射し、第1の反射面62で反射されて、第2の出射面7bから出射される。第1の反射面62の+Z軸方向側の端部で反射された光線は、−Z軸方向に進行している。つまり、光線250cは、光線230cよりも−Z軸方向側に出射されている。
実施の形態2.
図12は、実施の形態2に係る照明装置14の主要構成を概略的に示す構成図である。
図12に示されるように、照明装置14は光源2と光学素子33とを備えている。光源2は、光を発する。光源2は、実施の形態1の光源2と同様である。光学素子33は、光源2から出射された光の配光を制御する。光学素子33の第1の入射面4a、第2の入射面4b、第3の入射面5、第1の反射面6、第2の反射面8、及び側面9は、実施の形態1で示した構成および各変形例の構成と同様の構成を取りえるため、それらの説明を省略する。
実施の形態1と同じ構成要素の構成、機能又は動作等は、実施の形態2で説明を省いた場合でも、実施の形態1の記載を代用する。また、実施の形態2の中で説明した実施の形態1と同様の構成要素に関する記載は、実施の形態1の説明として用いる。ここで、「動作」とは、光の挙動を含む。
光源2は、例えば、発光ダイオードである。光源2は、赤色、緑色又は青色のみの光を出射する単色の発光ダイオードでもよい。また、光源2は、青色の発光ダイオードに黄色の蛍光体を用いて白色の光を生成する光源でもよい。また、本実施の形態2では、一例として、φ14mmの発光ダイオードを用いている。しかし、発光ダイオードはφ3mmのサイズでも、あるいは、φ14mm以上のサイズでも構わない。
光学素子33の説明をする。実施の形態1に対して、光学素子33は、出射面72aの構成が異なる。また、光学素子33は、側面70cが形成される点で異なる。
また、実施の形態1と同様に、壁面20は、照明装置14に対して、−Z軸方向側に位置している。そのため、照明装置14は、光を光源2の光軸Cに対して被照射物(壁面20)の方向に片寄って照射する。光学素子33は、入射された光を光源2の光軸Cに対して非対称に前記光を照射する。光学素子33は、光軸Cと出射面72との交点を通り光軸Cに垂直な中心線CL1の方向に非対称に光を照射する。つまり、照射光の非対称な方向に被照射物(壁面20)が位置している。つまり、照明装置14は、被照射物(壁面20)の方向に非対称な照射光を照射する。
第1の入射面4aまたは第2の入射面4bに入射した光は屈折される。そして、第1の入射面4aまたは第2の入射面4bから入射した光は、第1の出射面72aへ向かう。
第1の出射面72aは、例えば、自由曲面形状である。この自由曲面形状では、中心線CL1を中心とした凹形状であり、±X軸方向に曲率が小さくなる。中心線CL1は、光軸Cを通り、Z軸に平行な直線である。つまり、中心線CL1は、光軸Cと出射面72との交点を通り、壁面20(被照射物)の方向に伸びる出射面72上の直線である。
なお、実施の形態2、3では、出射面72,73上の凹形状は1つで説明している。凹形状は、出射される照明光を中心線CL1と垂直な方向に広げるために設けられている。このため、凹形状は、複数形成されても良い。また、凹形状は、光軸Cから離れた位置に形成されてもよい。つまり、中心線CL1は光軸Cと交差していなくてもよい。例えば、凹形状は、中心線CL1に平行な直線を中心線CLとして形成される。
図12(b)の点線部で示されるように、中心線CL1上に位置する第1の出射面72aの形状は凹面形状である。そして、第1の出射面72aの形状は、±X軸方向にいくにしたがい、曲率が小さくなっている。
これによって、第1の出射面72aから出射された光は、壁面20上で±X軸方向に広がって照射される。つまり、第1の出射面72aから出射される際に、光の発散角は大きくなる。ここでは、X軸方向の光の発散角は大きくなる。つまり、壁面20の幅方向の光の発散角は大きくなる。そして、壁面20上の広範囲に光を照射することが可能となる。
また、第2の出射面7bは、例えば、ZX平面に平行な平面で形成される。
また、実施の形態1と異なる点は、側面70cが形成された点である。側面70cは、第1の出射面72a及び第2の出射面7bの外周に形成されている。
光学素子33は、例えば、光学素子1の出射面7に厚みを加えた形状をしている。その厚みは、側面70cの高さ(Y軸方向の寸法)と同等である。
本実施の形態2では、便宜上、側面70cは吸収面または拡散面である。しかし、側面70cを光学研磨面(光学面)としても構わない。なお、光源2の発散角の特性によるが、壁面20上の照度むらに影響を与える可能性があるため、側面70cは、例えば、黒塗り処理を施されていることが好ましい。また、側面70cは、拡散面であることが好ましい。
図13は、本実施の形態2の効果を説明するためのシミュレーション図である。
図13は、第1の出射面72aおよび第2の出射面7bから出射された光による照度分布である。第1の出射面72aは、凹面形状である。第2の出射面7bは、平面形状の拡散面である。
図13は、照明装置14から出射された光の壁面20上の照度分布を示す。なお、光源2の発散角などの条件によって、側面70cからの出射光による照度むらが発生する場合がある。このため、本シミュレーションでは、側面70cを吸収面としている。なお、光の利用効率を考慮する場合には、側面70cを拡散面とすることが好ましい。
照明装置14の配置は、図2に示した配置とする。図13において、横軸はX軸方向の位置を示している。また、縦軸はY軸方向の位置を示している。X軸方向は、壁面20の幅方向である。Y軸方向は、壁面20の高さ方向である。
また、図13では、等高線で照度を10分割して表示している。照度は、等高線の中心に行くに従って明るくなっている。
図13より、照明装置14の照度分布は、均一となっていることが確認できる。また、実施の形態1の図3(a)と比較すると、第1の出射面72aの効果によって、±X軸方向に照度分布が拡大していることが確認できる。本実施の形態2の構成によって、高い光の利用効率で、広い範囲に均一な照度分布を実現できることが確認できた。
<変形例3>
図14は、本実施の形態2の変形例3に係る照明装置15の主要構成を概略的に示す構成図である。図14に示す照明装置15は、本実施の形態2の照明装置14と第2の出射面7bの構成において異なる。
照明装置15において、第1の出射面72aと同様に、第2の出射面73bは、自由曲面形状である。この自由曲面形状では、中心線CL1を中心として±X軸方向に曲率が小さくなる。つまり、光学素子33の第2の出射面7bは、平面形状であった。一方、光学素子34の第2の出射面73bは、自由曲面形状である。この点において、照明装置15は、照明装置14と相違する。
なお、第2の出射面73bは、例えば、変形例3ではガウス角2°相当の拡散面である。
また、側面71cは、第1の出射面72a及び第2の出射面73bの外周に形成されている。変形例3では、側面71cは吸収面または拡散面とする。しかし、側面71cを光学研磨面としても構わない。
図15は、変形例3の効果を説明するためのシミュレーション図である。照明装置15の配置構成は図2に示した配置とする。
図15(a)は、照明装置15から出射された光の壁面20上の照度分布を示す。図15(b)は、照明装置15の第2の出射面73bから出射された光の壁面20上の照度分布を示す。図15(c)は、照明装置15の第1の出射面72aから出射された光の壁面20上の照度分布を示す。
つまり、図15(a)は、第1の出射面72aおよび第2の出射面73bから出射された光による照度分布である。図15(b)は、第2の出射面73bから出射された光による照度分布である。図15(c)は、第1の出射面72aから出射された光による照度分布である。つまり、図15(b)の照度分布と図15(c)の照度分布とを重畳すると図15(a)の照度分布になる。
なお、光源2の発散角などの条件によって、側面71cからの出射光による照度むらが発生する場合がある。このため、本シミュレーションでは、側面71cを吸収面としてシミュレーションを行っている。なお、光の利用効率を考慮する場合には、側面71cを拡散面とすることが好ましい。
図15において、横軸はX軸方向の位置を示している。また、縦軸はY軸方向の位置を示している。X軸方向は、壁面20の幅方向である。Y軸方向は、壁面20の高さ方向である。
また、図15では、等高線で照度を10分割して表示している。照度は、等高線の中心に行くに従って明るくなっている。
図15(a)より、領域140aにおいて照度むらが発生していることが確認される。壁面20の−Y軸方向側を照射する光が影響を与えていると考えられる。このため、第2の出射面73bから出射された光の照度分布(図15(b))を確認する。
図15(b)は、第2の出射面73bから出射された光の照度分布を示している。そして、領域140bにおいて、照度の高い箇所が分離していることが確認できる。従って、図13と図15(a)とから、第2の出射面73bを平面とすることによって、照度むらが改善されるという効果が確認できる。つまり、照明装置14の方が照明装置15よりも照度むらが低減されている。
よって、X軸方向に光の分布を広げる場合には、第2の出射面73bを平面とすることが好ましい。これは、図12に示す照明装置14の光学素子33の構成である。
また、第1の出射面72aの中心線CL1上のX軸方向の凹部の曲率に対して第2の出射面73bの曲率が小さければ、照度の高い箇所の分離を抑制できる。つまり、照度むらを軽減するという効果が得られる。従って、第2の出射面73bは、平面が好ましい。
しかし、第2の出射面73bは、平面である必要はない。第2の出射面73bは、自由曲面形状でもよい。この自由曲面形状は、中心線CL1を中心として±X軸方向に曲率が小さくなる。ただし、第1の出射面72aと比較して、第2の出射面73bの中心線CL1上の凹部の曲率は小さい。
また、第2の出射面73bは、+Z軸方向にいくに従って、X軸方向の曲率が小さくなってもよい。例えば、第2の出射面73bの−Z軸方向側の端部は、第1の出射面72aの+Z軸方向側の端部と接続している。つまり、第2の出射面73bの−Z軸方向側の端部は、曲面である。そして、+Z軸方向に行くに従って、第2の出射面73b上の凹部の曲率は小さくなる。そして、第2の出射面73bの+Z軸方向側の端部は、平面となる。
または、第1の出射面72aの−Z軸方向側の端部から第2の出射面73bの+Z軸方向側の端部まで、中心線CL1上に位置するX軸方向の曲率が連続して小さくなる形状でも構わない。これによって、壁面20の下側に照射される光の広がりを抑えられる。そして、照射距離の影響による照度の高い箇所の分離(領域140b)を軽減することが可能となる。
図15(c)より、第1の出射面72aから出射された壁面20上の照度分布は、概ね均一であることが分かる。この結果からも、第2の出射面73bの形状が照度むらの原因となっていることが確認される。そして、図12に示す第2の出射面7bは、平面であることが好ましいことが確認できる。
本実施の形態2は、実施の形態1の照度分布をX軸方向に大きくしたことを特徴としている。そして、実施の形態2において、第2の出射面72bの形状が異なる例を示している。しかし、第1の出射面及び第2の出射面ともにX軸方向に照度分布を広げる形状としてもよい。ただし、第2の出射面の方が第1の出射面よりも中心線CL1上のX軸方向の曲率が小さいことが好ましい。つまり、第2の出射面は、平面に近い形状であることが好ましい。
なお、実施の形態2では、被照射物は壁面20である。そして、照明装置15は、天井に配置されている。また、壁面20は、照明装置15の−Z軸方向側に配置されている。そのため、第2の出射面73bから出射される光の壁面20までの光路長は、第1の出射面72aから出射される光の壁面20までの光路長よりも長い。
しかし、例えば、被照射物が床面である場合には、第2の出射面73bから出射される光の壁面20までの光路長は、第1の出射面72aから出射される光の壁面20までの光路長よりも短くなる。このため、第1の出射面72aが平面で第2の出射面73bが凹面形状であることが望ましい。つまり、被照射物までの光路長の差によって、出射面7上の中心線CL1を中心とした凹形状のX軸方向の曲率を変更する。
本実施の形態2は、第2の出射面7bを平面とすることによって、照度の高い箇所の分離(照度むら)を抑制した。しかし、照明装置15において、第3の入射面5に凸部を形成することによって、第2の出射面73bの凹形状による光の拡がりを軽減することが可能となる。
このため、第1の出射面72aと第2の出射面73bとを同一の面とすることが可能となる。例えば、第1の出射面72aと第2の出射面73bとを同一の凹面形状とすることができる。つまり、第3の入射面5に凸部を形成することによって、第2の出射面73bから出射される光の発散角を第1の出射面72aから出射される光の発散角よりも小さくできる。そして、壁面20に照射される光の広がりを軽減することが可能となる。つまり、壁面20に照射される光の広がりを狭くする。そして、壁面20上での照度分布の分離を抑制する。つまり、照度の高い箇所の分離(照度むら)を抑制するという効果が得られる。
また、本実施の形態2では、第1の入射面4a及び第2の入射面4bを平面として説明した。しかし、光学素子33,34のY軸方向の厚みが大きい場合には、第1の出射面72a及び第2の出射面7b,73bを出射する光が減少する。このため、第1の入射面4a及び第2の入射面4bに凸部を形成することによって、光の利用効率を向上させることが好ましい。
ここで、第3の入射面5、第1の入射面4aおよび第2の入射面4bで説明した「凸部」とは、中心線CL1に対応する線(中心線)上において、光の入射側に突出している凸部を形成することを示す。この中心線CL1に対応する線(中心線)は、第3の入射面5、第1の入射面4aまたは第2の入射面4bの面上の線である。例えば、第1の入射面4aおよび第2の入射面4bでは、凸部は+Y軸方向に突出している。また、第3の入射面5では、凸部は−Z軸方向に突出している。
中心線CL1に対応する線(中心線)は、光軸Cと出射面72,73との交点を通り壁面20(被照射物)の方向に伸びる線(中心線CL1)と対応する線(中心線)である。
実施の形態2、3では、理解を容易にするために、中心線CL1を出射面72,73上の直線としている。しかし、後述の図26で説明するように、出射面72,73が中心線CL1の方向に曲率を有している場合には、中心線CL1は直線ではなくなる。
ここで、「中心線CL1に対応する線」とは、例えば、中心線CL1に到達した光線の各面上における交点を、各面上で結んだ直線である。そして、その光線は、光源2の発光面の中心から出射されている。また、その光線の光源2の発光面から中心線CL1までの光路長は、中心線CL1に到達した光線の中で最も短い。
例えば、各実施の形態では、光学素子は、光軸Cを含みYZ平面に平行な面に対して対称である。このため、例えば、図23、24、25に示した光線と各面との交点を各面上で結んだ線は、「中心線CL1に対応する線」となる。例えば、各面が平面である場合には、対応する線は直線となる。また、各面が曲面である場合には、対応する線は曲線となる。なお、「光軸Cを含みYZ平面に平行な面」は、光軸Cと後述の基準直線とを含む平面である。
例えば、中心線(基準直線とよぶ)を光軸Cと出射面7との交点Pを通り光軸Cに垂直な直線とする。そして、照明光は、中心線(基準直線)の方向に非対称に照射されている。この場合には、出射面72,73上の中心線CL1も、中心線(基準直線)に対応する線(中心線)と考えられる。なお、基準直線に対応する直線の中には、基準直線と一致する直線も含まれることがある。また、基準直線と平行な直線の中には、基準直線と一致する直線も含まれることがある。
出射面72,73上の中心線CL1を中心とした凹形状は、ZX平面上で基準直線に垂直な方向(X軸方向)に発散角を変更する。ZX平面は、光軸Cに垂直な平面である。ZX平面上で基準直線に垂直な方向は、発散角が変更される方向である。つまり、ZX平面上の基準直線に垂直な方向は、出射面72,73上で中心線CL1に垂直な方向と一致する。
出射面72,73上の凹形状に対応する他の面上の凹形状も同様である。例えば、他の面上の凹形状が発散角を変更した光は、出射面72,73上で出射面72,73上の凹形状と同じ方向に発散角が変更されている。つまり、ZX平面上の基準直線に垂直な方向は、他の面上の中心線CL2に垂直な方向と光学的に一致している。ここで、「垂直な方向」は、発散角が変更され方向である。なお、発散角を変更する凸形状の場合も同様である。
ただし、凸部の曲率の大きさによっては、X軸方向の照度分布を広げる効果が小さくなるため、適宜設定する必要がある。
図26は、光学素子33aを−Y軸方向から見た斜視図である。光学素子33aの第1の出射面72aは、Z軸方向にも曲率を有している。領域720aは、−X軸方向から見てZX平面を反時計回りに回転させた方向に傾いている。領域720bは、−X軸方向から見てZX平面を時計回りに回転させた方向に傾いている。
このように凹形状を備える面が凹面形状の曲率と異なる方向に曲がった面である場合には、中心線CL1は、その曲がった面に沿った線となる。つまり、中心線CL1は、光軸Cと出射面7との交点Pを通り、壁面20(被照射物)の方向に伸びる出射面7上の線である。このため、中心線CL1は、直線以外に屈曲した線または曲線などを取り得る。実施の形態2では、凹形状は、中心線CL1を中心に、第1の出射面72aまたは第2の出射面73bに形成されている。
本実施の形態2は、実施の形態1の第1の出射面及び第2の出射面の構成以外は、実施の形態1と同様の構成である。本実施の形態2で述べていない内容に関しても実施の形態1で述べられた内容が適用される。
実施の形態3.
図16は、実施の形態3に係る照明装置16の主要構成を概略的に示す構成図である。
図16に示されるように、照明装置16は、光源2と光学素子35とを備えている。光源2は、光を発する。光源2は、実施の形態1の光源2と同様である。光学素子35は、光源2から出射された光の配光を制御する。光学素子35の第3の入射面5、第1の反射面6、第2の反射面8、第1の出射面72a、第2の出射面7b、及び側面9および側面70cは、実施の形態2で示した構成および変形例の構成と同様の構成を取りえるため、それらの説明を省略する。
実施の形態1、2と同じ構成要素の構成、機能又は動作等は、実施の形態3で説明を省いた場合でも、実施の形態1、2の記載を代用する。また、実施の形態3の中で説明した、実施の形態1、2と同様の構成要素に関する記載は、実施の形態1、2の説明として用いる。ここで、「動作」とは、光の挙動を含む。
光学素子35の説明をする。
光学素子35は、実施の形態2に対して、第1の入射面41a及び第2の入射面41bの構成が異なる。
第1の入射面41a及び第2の入射面41bは、自由曲面形状をしている。この自由曲面形状は、中心線CL2を中心として±X軸方向に曲率が小さくなるような曲面である。中心線CL2上に位置する第1の入射面41a及び第2の入射面41bの形状は、凹形状である。
中心線CL2は、上述の中心線CL1に対応する線である。中心線CL1は、光軸Cと出射面72との交点を通り壁面20(被照射物)の方向に伸びる出射面72上の直線である。照明装置16の光学素子35は、光軸Cを含みYZ平面に平行な平面に対して対称な形状をしている。このため、Y軸方向から見ると、中心線CL1は、CL2と重なっている。つまり、中心線CL1とCL2とは、光軸Cを通り、Z軸に平行な直線である。
つまり、例えば、Z軸を中心として、第1の出射面72aの自由曲面形状を180°回転された形状を、第1の入射面41aまたは第2の入射面41bに合わせてX軸を中心に傾けた場合である。このようにして、第1の入射面41a及び第2の入射面41bに凹面が形成されている。
第1の入射面41a及び第2の入射面41bに入射した光は、±X軸方向へ広がるように屈折される。そして、第1の入射面41a及び第2の入射面41bから入射した光は、第1の出射面72aへ向かう。
第1の出射面72aは、自由曲面形状である。この自由曲面形状は、中心線CL1を中心に±X軸方向に曲率が小さくなるように形成されている。
これによって、実施の形態2と比較して、更に、第1の出射面72aから出射された光は、±X軸方向に広がって壁面20上に照射される。つまり、第1の出射面72aから出射された光は、壁面20の幅方向に広がって照射される。そして、壁面20上の広範囲に光を照射することが可能となる。
また、側面70cは、光学素子33の側面70cと同様である。光学素子35において、側面70cは第1の出射面72a及び第2の出射面7bの外周側に形成されている。本実施の形態3では、側面70cは吸収面または拡散面とする。しかし、側面70cを光学研磨面としても構わない。なお、光源2の発散角の特性によるが、側面70cは、壁面20上の照度むらに影響を与える可能性がある。このため、側面70cは黒塗り処理または拡散面とすることが好ましい。
図17は、本実施の形態3の効果を説明するためのシミュレーション図である。
図17(a)は、照明装置16から出射された光の壁面20上の照度分布を示す。図17(b)は、第1の出射面72aから出射された光の壁面20上の照度分布を示す。照明装置16の配置構成は図2に示した配置とする。
つまり、図17(a)は、第1の出射面72aおよび第2の出射面7bから出射された光による照度分布である。図17(b)は、第1の出射面72aから出射された光による照度分布である。
なお、光源2の発散角などの条件によって、側面70cからの出射光による照度むらが発生する場合がある。このため、本シミュレーションでは、側面70cを吸収面としてシミュレーションを行っている。なお、光の利用効率を考慮した場合には、側面70cを拡散面とすることが好ましい。
図17において、横軸はX軸方向の位置を示している。また、縦軸はY軸方向の位置を示している。X軸方向は、壁面20の幅方向である。Y軸方向は、壁面20の高さ方向である。
また、図17では、等高線で照度を10分割して表示している。照度は、等高線の中心に行くに従って明るくなっている。
図17(a)より、均一な照度分布となっていることが確認できる。また、実施の形態2の図13の照度分布と比較すると、Y軸方向の1350mm付近のX軸方向の照度分布の広がりが大きくなっていることが確認できる。つまり、第1の入射面41a及び第2の入射面41bを凹面形状とすることによって、矩形状の照度分布を幅広い楕円状の分布にすることが可能であるという効果が確認できる。
図17(b)では、図15(c)の照度分布と比較して、Y軸方向の1350mm付近のX軸方向の照度分布の広がりが大きくなっていることが確認できる。図13は、図12の照明装置14の第1の出射面72aおよび第2の出射面7bから出射された光の壁面20上の照度分布を示す。図15(c)は、図14の照明装置15の第1の出射面72aから出射された光の壁面20上の照度分布を示す。
これよって、第1の入射面41a及び第2の入射面41bに凹部を形成したことによる効果が確認される。特に、ZX平面に対して角度を有している第2の入射面41bの効果は大きい。傾斜している面(例えば、第2の入射面41b)に凹部を設けることで、例えば、光学素子の中での不要光が減少する。これに関しての詳細は後述する。
光学素子35の第2の入射面41bの傾斜は、上述の各実施の形態および各変形例と同じである。第2の入射面41bは、ZX平面に対して傾斜している。図16では、第2の入射面41bは、ZX平面に対してY軸方向に傾斜している。つまり、第2の入射面41bは、X軸を中心に、ZX平面に平行な平面を+Xから見て時計回りに回転させた面である。
<変形例4>
図18は、本実施の形態3の変形例4に係る照明装置17の主要構成を概略的に示す構成図である。
図18に示す照明装置17は、第1の入射面4a、第2の入射面4bおよび第3の入射面5の構成以外において、照明装置14と同様の構成である。また、照明装置17は、第3の入射面5を備えていない。照明装置17は、照明装置14の第1の入射面4a及び第2の入射面4bを、入射面4cとしている点で異なる。入射面4cは、例えば、ZX平面に平行な平面である。
図19は、本実施の形態3の変形例4の効果を説明するためのシミュレーション図である。
図19は、照明装置17から出射された光の壁面20上の照度分布を示す。つまり、図19は、第1の出射面72aおよび第2の出射面7bから出射された光による照度分布である。照明装置17の配置は、図2に示した配置とする。
なお、光源2の発散角などの条件によって、側面70cからの出射光による照度むらが発生する場合がある。このため、本シミュレーションでは、側面70cを吸収面としてシミュレーションを行っている。なお、光の利用効率を考慮する場合には、側面70cを拡散面とすることが好ましい。
図19において、横軸はX軸方向の位置を示している。また、縦軸はY軸方向の位置を示している。X軸方向は、壁面20の幅方向である。Y軸方向は、壁面20の高さ方向である。
また、図19では、等高線で照度を10分割して表示している。照度は、等高線の中心に行くに従って明るくなっている。
図13と比較すると、図19では、Y軸方向の1800mm付近の照度分布の広がりが大きくなっていることが確認できる。また、図15(c)と比較しても、図19では、Y軸方向の1800mm付近の照度分布の広がりが大きくなっていることが確認できる。図13は、第1の出射面72aおよび第2の出射面7bから出射された光による照度分布である。また、図15(c)は、第1の入射面4aまたは第2の入射面4bから入射して、第1の出射面72aから出射された光の照度分布を示す。
光学素子36は、第1の出射面72aが光学素子33,34と同様の構成である。それにも関わらず、本実施の形態3の変形例4では、X軸方向の照度分布を広げるという効果が確認できる。
これは、入射面4cが平面であっても、第1の出射面72aの形状は、中心線CL1を中心として、±X軸方向に曲率が小さくなる自由曲面形状である。これによって、図19は、X軸方向に照度分布を広げることが可能であることを示している。
図16に示す照明装置16は、第2の入射面41bがZX平面に対して角度(傾き)を有している。そして、照明装置16は、第2の入射面41bに凹部が形成されている。図17は、照明装置16が照度分布を楕円状に大きく広げることができることを示している。
この点からも、第2の入射面41bがZX平面に対してZ軸方向に角度(傾き)を有している場合には、第2の入射面41bに凹部を形成することが好ましい。これによって、壁面20上の照度分布を広範囲に拡大できるという効果が得られることが確認できる。
例えば、光学素子36において、入射面4cから第1の出射面72aまでのY軸方向の距離が長い場合に、入射面4cに凹面形状を形成すると、入射面4cから入射した光は側面9で反射されて不要光となる。または、入射面4cから入射した光が第1の出射面72aに到達しない等の不具合が発生する。
第2の入射面41bがZX平面に対して角度(傾き)を有している場合には、第2の入射面41bから第1の出射面72aまでのY軸方向の距離が短くなる。このため、第2の入射面41bに凹面形状を設けても、第1の出射面72aに効率よく光線が到達し、照度分布を広範囲に拡大するのに効果的である。
入射面4cよりも第2の入射面41bの方が、出射面72までの光路長が短い。このため、凹面の曲率を大きくしても、出射面72に到達する光線が多くなる。つまり、例えば、第1の入射面41aの凹面の曲率を大きくすると、側面9に到達する光線が多くなる。そのため、出射面72に到達する光線が少なくなる。照度分布を効率よく広げるためには、第2の入射面41bのように、傾斜していることが好ましい。
<変形例5>
図20は、本実施の形態3の変形例5に係る照明装置18の主要構成を概略的に示す構成図である。
照明装置18は、第1の反射面63の構成が実施の形態3の照明装置16と異なる。第1の反射面63の−Y軸方向の端部は、照明装置16に比べて、−Y軸方向に延伸されている。つまり、長さB4が光学素子35よりも出射面72側に長い、
照明装置16において、光源2から出射された光の内、第1の反射面6の−Y軸方向側の端部よりも−Y軸方向側を通過していた光は、+Z軸方向に進行していた。照明装置18は、この光を壁面20の方向(−Z軸方向)に反射することが可能となる。
これによって、眩しい光が+Z軸方向へ光軸Cに対して角度を有して出射されることを防ぐことが可能となる。つまり、壁面20から離れる方向に出射される光を抑えることができる。また、壁面20へ照射し、光の利用効率を向上させることも可能となる。
なお、図22は、図20によって示された実施の形態3の変形例5の照明装置18の斜視図の一例である。
第1の入射面41aおよび第2の入射面41bには、照明装置16の光学素子35で説明した凹面形状が形成されている。つまり、第1の入射面41aは、X軸方向において、凹面形状をしている。また、第2の入射面41bには、+X軸方向の端部および−X軸方向の端部からX軸方向の中心方向に向けて凹面形状となるよう凹面が形成されている。つまり、第2の入射面41bは、X軸方向において、凹面形状をしている。
図21は、本実施の形態3の変形例5の効果を示す光線追跡図である。
図21の光線200のように、第1の反射面63の−Y軸方向側の端部で反射された光線200は、光軸Cに対する角度(傾き)が小さくなって出射される。第1の反射面63が延伸されて構成されていなければ、光線200は、光軸Cに対して大きな角度を有して+Z軸方向に出射されていた。つまり、光学素子35の場合には、光線200と同様の光線は、光線200よりも+Z軸方向側に進行する。
これによって、+Z軸方向から壁面20を観察した際に、眩しい光が観察者に到達することを防ぐことが可能となる。また、壁面20に向けて反射させることで、光の利用効率を向上させることも可能である。第1の反射面63での光線200の反射は、例えば、全反射である。
本実施の形態3は、第1の入射面、第2の入射面、第1の出射面及び第2の出射面の構成以外は、実施の形態1と同様の構成である。なお、変形例5の第1の反射面63は、実施の形態1の第1の反射面6と相違する。本実施の形態3で述べていない内容に関しても実施の形態1で述べられた内容が適用される。
本実施の形態3は、実施の形態2の照度分布をX軸方向に大きくしたことを特徴としている。本実施の形態3では、第1の入射面及び第2の入射面の形状が実施の形態2と異なっている。その他の構成は、実施の形態2と同様の構成である。本実施の形態3で述べていない内容に関しても実施の形態2で述べられた内容が適用される。
実施の形態2、3で示された照明装置14,15,16,17,18は、照射光の光線によって光路長が異なる場合でも、照明される領域の幅を調整とすることができる。そして、照明装置14,15,16,17,18は、照明される領域の幅を同様とすることができる。
なお、上述の各実施の形態においては、「平行」または「垂直」などの部品間の位置関係もしくは部品の形状を示す用語を用いている場合がある。これらは、製造上の公差や組立て上のばらつきなどを考慮した範囲を含むことを表している。このため、請求の範囲に部品間の位置関係もしくは部品の形状を示す記載をした場合には、製造上の公差又は組立て上のばらつき等を考慮した範囲を含むことを示している。
また、以上のように本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限るものではない。
以上の各実施の形態を基にして、以下に発明の内容を付記(1)から付記(3)として記載する。付記(1)から付記(3)は、各々独立して符号を付している。そのため、例えば、付記(1)と付記(2)との両方に、「付記1」が存在する。
なお、付記(1)の装置の特徴を付記(2)または付記(3)の装置に付与することができる。また、付記(2)の装置の特徴を付記(3)の装置に付与することができる。また、付記(1)の装置の特徴と付記(2)の装置の特徴と付記(3)の装置の特徴とを合わせることができる。つまり、付記(1)の装置の特徴と付記(2)の装置の特徴と付記(3)の装置の特徴とは、互いに組み合わせることができる。
<付記(1)>
<付記1>
光源と前記光源から出射された光を入射する光学素子とを備え、
前記光学素子は、第1の入射面、第2の入射面、第3の入射面、第1の出射面、第2の出射面及び第1の反射面を有し、
前記第1の入射面の一方の端部と前記第2の入射面の一方の端部とが前記光源側で接続され、
前記第3の入射面の一方の端部と前記第2の入射面の他方の端部とが前記第2の出射面側で接続され、
前記第3の入射面の他方の端部と前記第1の反射面の端部とが前記光源側で接続され、
前記第1の入射面及び前記第2の入射面に入射した光は、前記第1の出射面から出射され、
前記第3の入射面に入射した光は、前記第1の反射面で反射されて前記第2の出射面から出射され、
前記第2の出射面が拡散処理を施した面である
照明装置。
<付記2>
光源と前記光源から出射された光を入射する光学素子とを備え、
前記光学素子は、第1の入射面、第2の入射面、第3の入射面、第1の出射面、第2の出射面及び第1の反射面を有し、
前記第1の入射面の一方の端部と前記第2の入射面の一方の端部とが前記光源側で接続され、
前記第3の入射面の一方の端部と前記第2の入射面の他方の端部とが前記第2の出射面側で接続され、
前記第3の入射面の他方の端部と前記第1の反射面の端部とが前記光源側で接続され、
前記第1の入射面及び前記第2の入射面に入射した光は、前記第1の出射面から出射され、
前記第3の入射面に入射した光は、前記第1の反射面で反射されて前記第2の出射面から出射され、
前記第3の入射面が拡散処理を施した面である
照明装置。
<付記3>
前記第1の出射面及び前記第2の出射面は、中央が凹形状で、中央から離れるに従って曲率が大きくなるように曲面が形成された自由曲面形状であり、
前記第2の出射面の中央の曲率が、前記第1の出射面の中央の曲率よりも小さい
付記1または2に記載の照明装置。
<付記4>
前記第1の出射面は、中央が凹形状で、中央から離れるに従って曲率が大きくなるように曲面が形成された自由曲面形状であり、
前記第2の出射面は、平面である
付記1または2に記載の照明装置。
<付記5>
前記第1の出射面及び前記第2の出射面は、中央が凹形状で、中央から離れるに従って曲率が大きくなるように曲面が形成された自由曲面形状であり、
前記第3の入射面に、凸部が形成される
付記1または2に記載の照明装置。
<付記6>
前記第2の入射面は、前記第1の出射面側に凹部が形成される
付記1から5のいずれか1つに記載の照明装置。
<付記7>
前記光学素子は、前記第1の入射面の他方の端部と前記光源側で接続される第2の反射面を有し、
前記第1の反射面の前記第2の出射面側端部が前記第2の反射面の前記第1の出射面側端部よりも前記光学素子の出射面側に位置する
付記1から5のいずれか1つに記載の照明装置。
<付記8>
前記第1の入射面と第2の入射面とが、同一面で形成される
付記1から7のいずれか1つに記載の照明装置。
<付記(2)>
<付記1>
光を出射する光源と、
前記光を入射して、入射された前記光を前記光源の光軸に対して非対称に照射する光学素子と
を備え、
前記光学素子は、前記光を入射する第1の入射面および前記光を反射する反射面を含み、
前記光源から前記第1の入射面に到達した前記光は、前記第1の入射面を透過する第1の光と前記第1の入射面で反射される第2の光とを含み、
前記第2の光の光路上に、当該第2の光を拡散させる拡散部を備える照明装置。
<付記2>
前記拡散部は、前記第1の入射面および前記反射面の少なくともいずれか1つに備えられている付記1に記載の照明装置。
<付記3>
前記光学素子は、前記反射面で反射された光を出射する出射面を含む付記1または2に記載の照明装置。
<付記4>
前記拡散部は、前記出射面に備えられている付記3に記載の照明装置。
<付記5>
前記光源から前記反射面に直接到達する第3の光は、前記反射面で反射される付記1から4のいずれか1つに記載の照明装置。
<付記6>
前記出射面上において、前記第2の光は、前記第3の光よりも前記光軸に近い領域を透過する付記5に記載の照明装置。
<付記7>
前記反射面は、前記光軸の方向において、前記反射面に到達する前記第3の光に対して凹面形状である付記5または6に記載の照明装置。
<付記8>
前記第1の入射面の前記第2の光が反射される第1の領域は、前記光軸に垂直な平面に対して傾斜しており、
前記第1の領域の前記光軸に近い第1の端部は、前記光軸から遠い第2の端部よりも前記光軸の方向において前記光源側に位置する付記1から7のいずれか1つに記載の照明装置。
<付記9>
前記反射面の前記第2の光が反射される第2の領域は、前記光軸に垂直な平面に対して傾斜しており、
前記第2の領域の前記光軸に近い第3の端部は、前記光軸から遠い第4の端部よりも前記光軸の方向において前記光源側に位置する付記1から8のいずれか1つに記載の照明装置。
<付記10>
前記光学素子は、第2の入射面を備え、
前記第2の入射面は、前記第1の入射面と前記反射面との間に配置されている付記1から4のいずれか1つに記載の照明装置。
<付記11>
前記拡散部は、前記第2の入射面に備えられている付記10に記載の照明装置。
<付記12>
前記第2の光と前記光源から前記反射面に直接到達する第3の光とは、前記第2の入射面を透過して前記反射面に到達する付記10または11に記載の照明装置。
<付記13>
前記出射面上において、前記第2の光は、前記第3の光よりも前記光軸に近い領域を透過する付記12に記載の照明装置。
<付記14>
前記反射面は、前記光軸の方向において、前記反射面に到達する前記第3の光に対して凹面形状である付記12または13に記載の照明装置。
<付記15>
前記第1の入射面の前記第2の光が反射される第1の領域は、前記光軸に垂直な平面に対して傾斜しており、
前記第1の領域の前記光軸に近い第1の端部は、前記光軸から遠い第2の端部よりも前記光軸の方向において前記光源側に位置する付記10から14のいずれか1つに記載の照明装置。
<付記16>
前記反射面の前記第2の光が反射される第2の領域は、前記光軸に垂直な平面に対して傾斜しており、
前記第2の領域の前記光軸に近い第3の端部は、前記光軸から遠い第4の端部よりも前記光軸の方向において前記光源側に位置する付記10から18のいずれか1つに記載の照明装置。
<付記17>
前記第2の入射面は、前記光軸に垂直な平面に対して傾斜しており、前記光軸の方向において、前記光源に近い第5の端部と前記光源から遠い第6の端部とを含む付記10から14のいずれか1つに記載の照明装置。
<付記18>
前記第1の入射面の前記第2の光が反射される第1の領域は、前記光軸に垂直な平面に対して傾斜しており、
前記第1の領域の前記光軸に近い第1の端部は、前記光軸から遠い第2の端部よりも前記光軸の方向において前記光源側に位置する付記17に記載の照明装置。
<付記19>
前記第6の端部は、前記第2の端部の位置に配置される付記18に記載の照明装置。
<付記20>
前記第6の端部は、前記第2の端部に接続される付記19に記載の照明装置。
<付記21>
前記反射面の前記第2の光が反射される第2の領域は、前記光軸に垂直な平面に対して傾斜しており、
前記第2の領域の前記光軸に近い第3の端部は、前記光軸から遠い第4の端部よりも前記光軸の方向において前記光源側に位置する付記17から20のいずれか1つに記載の照明装置。
<付記22>
前記第5の端部は、前記第3の端部の位置に配置される付記21に記載の照明装置。
<付記23>
前記第5の端部は、前記第3の端部に接続される付記22に記載の照明装置。
<付記24>
前記第2の光は、照明光に含まれる付記1から23のいずれか1つに記載の照明装置。
<付記25>
前記反射面は、前記光軸の方向において、前記反射面に到達する前記第2の光に対して凹面形状である付記1から23のいずれか1つに記載の照明装置。
<付記26>
第1の入射面は、前記反射面よりも前記光軸に近い位置に配置されている付記1から25のいずれか1つに記載の照明装置。
<付記27>
前記拡散部の散乱特性は、ガウス角で2度から4度である付記1から26のいずれか1つに記載の照明装置。
<付記28>
前記拡散部は、複数の平面を含む面で形成されている付記1から27のいずれか1つに記載の照明装置。
<付記29>
前記拡散部は、複数の曲面を含む面で形成されている付記1から27のいずれか1つに記載の照明装置。
<付記30>
前記拡散部は、前記反射面に備えられている付記28または29に記載の照明装置。
<付記31>
前記拡散部は、前記第2の入射面の前記第2の光の光路上に備えられている付記1から30のいずれか1つに記載の照明装置。
<付記(3)>
<付記1>
光を出射する光源と、
前記光を入射して、入射された前記光を前記光源の光軸に対して非対称に照射する光学素子と
を備え、
前記光学素子は、入射された光を出射する出射面を備え、
前記出射面は、前記出射面から照射された前記光の光路長の短い光線を出射する第1の領域と、前記光路長の長い光線を出射する第2の領域とを含み、
前記第1の領域における前記光の発散角は、前記第2の領域における前記光の発散角よりも大きい照明装置。
<付記2>
前記光学素子は、前記光軸と前記出射面との交点を通り前記光軸に垂直な基準直線の方向に非対称に前記光を照射する付記1に記載の照明装置。
<付記3>
前記第1の領域は、前記第2の領域に対して、前記基準直線の伸びる方向に配置されている付記2に記載の照明装置。
<付記4>
前記発散角は、前記出射面上において、前記基準直線に対して直角方向の発散角である付記2または3に記載の照明装置。
<付記5>
前記光学素子には、前記基準直線と平行な直線に対応する線であって、前記光の光路上の屈折面および反射面の少なくともいずれか1つの面上の前記線を中心軸として、前記面には前記光の発散角を変更する曲面形状が形成されている付記2から4のいずれか1つに記載の照明装置。
<付記6>
前記光学素子は、前記光の光路上の面上に前記光の発散角を変更する曲面形状を含み、
前記曲面形状は、前記基準直線と平行な直線に対応する前記面上の線を中心線として湾曲している付記2から4のいずれか1つに記載の照明装置。
<付記7>
前記光学素子は、前記曲面形状によって前記発散角を大きくする第1の面を含む付記5または6に記載の照明装置。
<付記8>
前記第1の面は、前記曲面形状が凹面形状の屈折面であり、
前記出射面から照射された前記光の光路長の短い光線が透過する前記面上の領域の前記凹面形状の曲率は、前記光路長の長い光線が透過する前記面上の領域の前記凹面形状の曲率よりも大きい付記7に記載の照明装置。
<付記9>
前記第1の面は、前記出射面である付記7または8のいずれか1つに記載の照明装置。
<付記10>
前記第1の面は、前記曲面形状は凸面形状の反射面であり
前記出射面から照射された前記光の光路長の短い光線が反射される前記面上の領域の前記凸面形状の曲率は、前記光路長の長い光線が反射される前記面上の領域の前記凸面形状の曲率よりも大きい付記7に記載の照明装置。
<付記11>
前記光路の長い光線が透過する前記第1の面上の領域は、平面形状を含む付記7から10のいずれか1つに記載の照明装置。
<付記12>
前記光学素子は、前記曲面形状によって前記発散角を小さくする第2の面を含む付記7から11のいずれか1つに記載の照明装置。
<付記13>
前記第2の面は、前記第1の面よりも前記光の光路上において、前記光源側に位置する付記12に記載の照明装置。
<付記14>
前記光学素子は、前記曲面形状によって前記発散角を小さくする第2の面を含む付記5または6に記載の照明装置。
<付記15>
前記第2の領域は、平面形状を含む付記1から14のいずれか1つに記載の照明装置。
<付記16>
前記光学素子は、前記光を入射する第1の入射面および前記光を反射する反射面を含み、
前記光源から前記第1の入射面に到達した前記光は、前記第1の入射面を透過する第1の光と前記第1の入射面で反射される第2の光とを含み、
前記第2の光の光路上に、当該第2の光を拡散させる拡散部を備える付記1から15のいずれか1つに記載の照明装置。