JP6694380B2 - ガスバリア性積層体、電子デバイス用部材、および電子デバイス - Google Patents

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Description

本発明は、ガスバリア性及び無色透明性に優れるガスバリア性積層体、このガスバリア性積層体からなる電子デバイス用部材、並びに、この電子デバイス用部材を備える電子デバイスに関する。
近年、液晶ディスプレイやエレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ等のディスプレイには、薄型化、軽量化、フレキシブル化等を実現するために、ガラス板に代えて、透明プラスチックフィルム上に、無機化合物層(ガスバリア層)が積層されてなる、いわゆるガスバリアフィルムが用いられている。
たとえば、特許文献1には、プラスチックフィルムからなる基材の片面、又は両面に、ドライコーティング法によって、SiOのxの値が1.8以上の高酸化度酸化珪素層と、該高酸化度酸化珪素層上に、SiOのxの値が1.0〜1.6の低酸化度酸化珪素層を設け、更に、該低酸化度酸化珪素層面に、酸素、窒素、アルゴン、又はヘリウムの一種、又は2種以上からなるガスによるプラズマ処理を施した後、該低酸化度酸化珪素層のプラズマ処理面に、ポリマー層が積層されてなる透明ガスバリア積層フィルムが記載されている。
また、特許文献2には、透明樹脂基板の片面又は両面に、酸窒化ケイ素層及び窒化ケイ素層が、この順に積層されてなる透明ガスバリア基板が記載されている。
特開2004−351832号公報 特開2007−062305号公報
上述のように、これまでにも、ガスバリア層として無機化合物層を有するガスバリアフィルムが数多く提案されている。
しかしながら、このようなガスバリア層は、通常、高い屈折率を有するため、隣接する他の層との屈折率差が大きくなり、これらの層の界面で短波長の光が反射し、ガスバリアフィルムが黄みを帯びるという問題があった。
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、ガスバリア性及び無色透明性に優れるガスバリア性積層体、このガスバリア性積層体からなる電子デバイス用部材、並びに、この電子デバイス用部材を備える電子デバイスを提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく、基材及びガスバリア層に光学調整層を積層したガスバリア性積層体を着想し、このガスバリア性積層体について鋭意検討した。その結果、ガスバリア層と光学調整層とが隣接して形成され、前記ガスバリア層と光学調整層とが特定の屈折率を有する層であり、かつ、CIE L表色系におけるb値が特定の範囲にあるガスバリア性積層体は、無色透明性とガスバリア性がともに優れるものであることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして本発明によれば、下記(1)〜(8)のガスバリア性積層体、(9)の電子デバイス用部材、および、(10)の電子デバイスが提供される。
(1)基材、ガスバリア層及び光学調整層がこの順に積層されてなり、前記ガスバリア層と光学調整層が隣接するガスバリア性積層体であって、前記ガスバリア層の屈折率が、1.55〜1.81で、前記光学調整層の屈折率が、1.20〜1.60であり、JIS Z 8729−1994に規定されるCIE L表色系におけるb値が、−1.00〜1.00の範囲にあることを特徴とするガスバリア性積層体。
(2)前記ガスバリア層が、無機酸化物、無機酸化窒化物、無機酸化炭化物、及び無機酸化窒化炭化物からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有するものである、(1)に記載のガスバリア性積層体。
(3)前記ガスバリア層が、ポリシラザン化合物を含有する層を改質処理して得られる層である、(1)に記載のガスバリア性積層体。
(4)前記ガスバリア層の厚みが、10nmから10μmである、(1)に記載のガスバリア性積層体。
(5)前記光学調整層が、硬化性組成物の硬化物からなるものである、(1)に記載のガスバリア性積層体。
(6)前記硬化性組成物が、硬化性成分及び充填剤を含有するものである、(5)に記載のガスバリア性積層体。
(7)前記光学調整層の厚みが、5〜2500nmである、(1)に記載のガスバリア性積層体。
(8)前記光学調整層の光学膜厚(T)が、下記式(1)又は(2)
Figure 0006694380
(xは、1〜6の整数を表す。)
を満たすものである、(1)に記載のガスバリア性積層体。
(9)前記(1)に記載のガスバリア性積層体からなる電子デバイス用部材。
(10)前記(9)に記載の電子デバイス用部材を備える電子デバイス。
本発明によれば、ガスバリア性及び無色透明性に優れるガスバリア性積層体、このガスバリア性積層体からなる電子デバイス用部材、及び、この電子デバイス用部材を備える電子デバイスが提供される。
光学膜厚とbの関係を表す図である。 好ましい光学膜厚の範囲を表す図である。
以下、本発明を、1)ガスバリア性積層体、並びに、2)電子デバイス用部材及び電子デバイス、に項分けして詳細に説明する。
1)ガスバリア性積層体
本発明のガスバリア性積層体は、基材、ガスバリア層及び光学調整層がこの順に積層されてなり、前記ガスバリア層と光学調整層が隣接するガスバリア性積層体であって、前記ガスバリア層の屈折率が、1.55〜1.81で、前記光学調整層の屈折率が、1.20〜1.60であり、JIS Z 8729−1994に規定されるCIE L表色系におけるb値が、−1.00〜1.00の範囲にあることを特徴とする。
(1)基材
本発明のガスバリア性積層体を構成する基材は、ガスバリア層や光学調整層を担持でき、透明なものであれば特に限定されない。
透明な基材とは、本発明のガスバリア性積層体を光学フィルムとして使用できる程度に、光を通過させる基材をいう。基材の380〜780nmにおける光線透過率は、80%以上が好ましく、85%以上がより好ましい。
基材の厚みは、特に限定されず、ガスバリア性積層体の目的に合わせて決定すればよい。基材の厚みは、通常、0.5〜500μm、好ましくは1〜100μmである。
基材としては、通常、樹脂フィルムが用いられる。
樹脂フィルムの樹脂成分としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレンスルフィド、アクリル系樹脂、シクロオレフィン系ポリマー、芳香族系重合体等が挙げられる。
これらの中でも、透明性に優れ、汎用性があることから、ポリエステル、ポリアミド、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレンスルフィド又はシクロオレフィン系ポリマーがより好ましく、ポリエステル又はシクロオレフィン系ポリマーがさらに好ましい。
ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート等が挙げられる。
ポリアミドとしては、全芳香族ポリアミド、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン共重合体等が挙げられる。
シクロオレフィン系ポリマーとしては、ノルボルネン系重合体、単環の環状オレフィン系重合体、環状共役ジエン系重合体、ビニル脂環式炭化水素重合体、及びこれらの水素化物が挙げられる。その具体例としては、アペル(三井化学社製のエチレン−シクロオレフィン共重合体)、アートン(JSR社製のノルボルネン系重合体)、ゼオノア(日本ゼオン社製のノルボルネン系重合体)等が挙げられる。
本発明の効果を妨げない範囲において、樹脂フィルムは各種添加剤を含有していてもよい。添加剤としては、紫外線吸収剤、帯電防止剤、安定剤、酸化防止剤、可塑剤、滑剤、着色顔料等が挙げられる。これらの添加剤の含有量は、目的に合わせて適宜決定すればよい。
樹脂フィルムは、樹脂成分及び所望により各種添加剤を含む樹脂組成物を調製し、これをフィルム状に成形することにより得ることができる。成形方法は特に限定されず、キャスト法や溶融押出法等の公知の方法を利用することができる。
(2)ガスバリア層
本発明のガスバリア性積層体を構成するガスバリア層は、酸素や水蒸気等のガスの透過を抑制する特性(ガスバリア性)を有する層である。
ガスバリア層としては、無機酸化物、無機酸化窒化物、無機酸化炭化物、無機酸化窒化炭化物等の無機化合物や、金属を含有する層が挙げられる。なかでも、ガスバリア層としては、無機酸化物、無機酸化窒化物、無機酸化炭化物、及び無機酸化窒化炭化物からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有するものが好ましい。
このようなガスバリア層としては、無機蒸着膜や、高分子化合物を含む層(以下、「高分子層」ということがある。)に改質処理を施して得られたもの〔この場合、ガスバリア層とは、イオン注入処理等により改質された領域のみを意味するのではなく、「改質された領域を含む高分子層」を意味する。〕等が挙げられる。
無機蒸着膜としては、無機化合物や金属の蒸着膜が挙げられる。
無機化合物の蒸着膜の原料としては、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ等の無機酸化物;窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化チタン等の無機窒化物;無機炭化物;無機硫化物;酸化窒化ケイ素等の無機酸化窒化物;無機酸化炭化物;無機窒化炭化物;無機酸化窒化炭化物等が挙げられる。
金属の蒸着膜の原料としては、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、及びスズ等が挙げられる。
これらは、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中では、ガスバリア性の観点から、無機酸化物、無機窒化物又は金属を原料とする無機蒸着膜が好ましく、さらに、透明性の観点から、無機酸化物又は無機窒化物を原料とする無機蒸着膜が好ましい。
無機蒸着膜を形成する方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等のPVD(物理的蒸着)法や、熱CVD(化学的蒸着)法、プラズマCVD法、光CVD法等のCVD法が挙げられる。
無機蒸着膜の厚さは、使用する無機化合物によっても異なるが、ガスバリア性と取り扱い性の観点から、好ましくは10〜2000nm、より好ましくは20〜1000nm、より好ましくは30〜500nm、さらに好ましくは40〜200nmの範囲である。
高分子層に改質処理を施して得られるガスバリア層において、用いる高分子化合物としては、ケイ素含有高分子化合物、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、アクリル系樹脂、シクロオレフィン系ポリマー、芳香族系重合体等が挙げられる。
これらの高分子化合物は1種単独で、あるいは2種以上を組合せて用いることができる。
これらの中でも、より優れたガスバリア性を有するガスバリア層を形成し得ることから、高分子化合物としては、ケイ素含有高分子化合物が好ましい。ケイ素含有高分子化合物としては、ポリシラザン系化合物、ポリカルボシラン系化合物、ポリシラン系化合物、及びポリオルガノシロキサン系化合物等が挙げられる。なかでも、薄くても優れたガスバリア性を有するガスバリア層を形成できることから、ポリシラザン系化合物が好ましい。ポリシラザン系化合物を含む層に改質処理を施すことで、酸素、窒素、ケイ素を主構成原子として有する層(酸窒化珪素層)を形成することができる。
ポリシラザン系化合物は、分子内に−Si−N−結合(シラザン結合)を含む繰り返し単位を有する高分子化合物である。具体的には、式(1)
Figure 0006694380
で表される繰り返し単位を有する化合物が好ましい。また、用いるポリシラザン系化合物の数平均分子量は、特に限定されないが、100〜50,000であるのが好ましい。
前記式(1)中、nは任意の自然数を表す。
Rx、Ry、Rzは、それぞれ独立して、水素原子、無置換若しくは置換基を有するアルキル基、無置換若しくは置換基を有するシクロアルキル基、無置換若しくは置換基を有するアルケニル基、無置換若しくは置換基を有するアリール基又はアルキルシリル基等の非加水分解性基を表す。
前記無置換若しくは置換基を有するアルキル基のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−へキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等の炭素数1〜10のアルキル基が挙げられる。
無置換若しくは置換基を有するシクロアルキル基のシクロアルキル基としては、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロへプチル基等の炭素数3〜10のシクロアルキル基が挙げられる。
無置換若しくは置換基を有するアルケニル基のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基等の炭素数2〜10のアルケニル基が挙げられる。
前記アルキル基、シクロアルキル基及びアルケニル基の置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;ヒドロキシル基;チオール基;エポキシ基;グリシドキシ基;(メタ)アクリロイルオキシ基;フェニル基、4−メチルフェニル基、4−クロロフェニル基等の無置換若しくは置換基を有するアリール基;等が挙げられる。
無置換又は置換基を有するアリール基のアリール基としては、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等の炭素数6〜10のアリール基が挙げられる。
前記アリール基の置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;ニトロ基;シアノ基;ヒドロキシル基;チオール基;エポキシ基;グリシドキシ基;(メタ)アクリロイルオキシ基;フェニル基、4−メチルフェニル基、4−クロロフェニル基等の無置換若しくは置換基を有するアリール基;等が挙げられる。
アルキルシリル基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリt-ブチルシリル基、メチルジエチルシリル基、ジメチルシリル基、ジエチルシリル基、メチルシリル基、エチルシリル基等が挙げられる。
これらの中でも、Rx、Ry、Rzとしては、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又はフェニル基が好ましく、水素原子が特に好ましい。
前記式(1)で表される繰り返し単位を有するポリシラザン系化合物としては、Rx、Ry、Rzが全て水素原子である無機ポリシラザン、Rx、Ry、Rzの少なくとも1つが水素原子ではない有機ポリシラザンのいずれであってもよい。
また、本発明においては、ポリシラザン系化合物として、ポリシラザン変性物を用いることもできる。ポリシラザン変性物としては、例えば、特開昭62−195024号公報、特開平2−84437号公報、特開昭63−81122号公報、特開平1−138108号公報等、特開平2−175726号公報、特開平5−238827号公報、特開平5−238827号公報、特開平6−122852号公報、特開平6−306329号公報、特開平6−299118号公報、特開平9−31333号公報、特開平5−345826号公報、特開平4−63833号公報等に記載されているものが挙げられる。
これらの中でも、ポリシラザン系化合物としては、入手容易性、及び優れたガスバリア性を有するイオン注入層を形成できる観点から、Rx、Ry、Rzが全て水素原子であるペルヒドロポリシラザンが好ましい。
また、ポリシラザン系化合物としては、ガラスコーティング材等として市販されている市販品をそのまま使用することもできる。
ポリシラザン系化合物は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
高分子層は、上述した高分子化合物の他に、本発明の目的を阻害しない範囲で他の成分を含有してもよい。他の成分としては、硬化剤、老化防止剤、光安定剤、難燃剤等が挙げられる。
高分子層中の高分子化合物の含有量は、より優れたガスバリア性を有するガスバリア層が得られることから、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましい。
高分子層の厚みは、特に制限されないが、通常20nmから10μm、好ましくは30〜500nm、より好ましくは40〜400nmである。
本発明においては、高分子化合物を含む層がナノオーダーであっても、充分なガスバリア性を有するガスバリアフィルムを得ることができる。
高分子層を形成する方法は特に限定されない。例えば、高分子化合物の少なくとも一種、所望により他の成分、及び溶剤等を含有する高分子層形成用溶液を調製し、次いで、この高分子層形成用溶液を、公知の方法により塗工し、得られた塗膜を乾燥することにより、高分子層を形成することができる。
高分子層形成用溶液に用いる溶媒としては、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタンなどの脂肪族炭化水素系溶媒;シクロペンタン、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素系溶媒;等が挙げられる。
これらの溶媒は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
高分子層形成用溶液の塗工方法としては、バーコート法、スピンコート法、ディッピング法、ロールコート、グラビアコート、ナイフコート、エアナイフコート、ロールナイフコート、ダイコート、スクリーン印刷法、スプレーコート、グラビアオフセット法等が挙げられる。
形成された塗膜を乾燥する方法としては、熱風乾燥、熱ロール乾燥、赤外線照射等、従来公知の乾燥方法が採用できる。加熱温度は、通常60〜130℃の範囲である。加熱時間は、通常数秒から数十分である。
高分子層の改質処理としては、イオン注入処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、熱処理等が挙げられる。
イオン注入処理は、後述するように、高分子層にイオンを注入して、高分子層を改質する方法である。
プラズマ処理は、高分子層をプラズマ中に晒して、高分子層を改質する方法である。例えば、特開2012−106421号公報に記載の方法に従って、プラズマ処理を行うことができる。
紫外線照射処理は、高分子層に紫外線を照射して高分子層を改質する方法である。例えば、特開2013−226757号公報に記載の方法に従って、紫外線改質処理を行うことができる。
これらの中でも、高分子層の表面を荒らすことなく、その内部まで効率よく改質し、よりガスバリア性に優れるガスバリア層を形成できることから、イオン注入処理が好ましい。
高分子層に注入するイオンとしては、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン等の希ガスのイオン;フルオロカーボン、水素、窒素、酸素、二酸化炭素、塩素、フッ素、硫黄等のイオン;メタン、エタン等のアルカン系ガス類のイオン;エチレン、プロピレン等のアルケン系ガス類のイオン;ペンタジエン、ブタジエン等のアルカジエン系ガス類のイオン;アセチレン等のアルキン系ガス類のイオン;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素系ガス類のイオン;シクロプロパン等のシクロアルカン系ガス類のイオン;シクロペンテン等のシクロアルケン系ガス類のイオン;金属のイオン;有機ケイ素化合物のイオン;等が挙げられる。
これらのイオンは、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、より簡便にイオンを注入することができ、より優れたガスバリア性を有するガスバリア層が得られることから、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン等の希ガスのイオンが好ましい。
イオンの注入量は、積層体の使用目的(必要なガスバリア性、透明性等)等に合わせて適宜決定することができる。
イオンを注入する方法としては、電界により加速されたイオン(イオンビーム)を照射する方法、プラズマ中のイオンを注入する方法等が挙げられる。なかでも、本発明においては、簡便に目的のバリア層が得られることから、後者のプラズマイオンを注入する方法が好ましい。
プラズマイオン注入は、例えば、希ガス等のプラズマ生成ガスを含む雰囲気下でプラズマを発生させ、高分子層に負の高電圧パルスを印加することにより、該プラズマ中のイオン(陽イオン)を、高分子層の表面部に注入して行うことができる。
イオン注入により、イオンが注入される領域の厚みは、イオンの種類や印加電圧、処理時間等の注入条件により制御することができ、高分子層の厚みや積層体の使用目的等に応じて決定すればよいが、通常、10〜400nmである。
ガスバリア層の厚みは、通常10nmから10μm、好ましくは10〜2000nm、より好ましくは20〜1000nmである。
ガスバリア層の屈折率は、1.55〜1.81であり、好ましくは1.60〜1.67である。ガスバリア層の屈折率が1.55未満の場合、ガスバリア性積層体が黄みを帯びるという問題が発生し難いため、本発明を利用する必要性に乏しい。ガスバリア層の屈折率が1.81を超えると、bが1.00以下のガスバリア性積層体が得られにくくなる。
また、ガスバリア層の屈折率は、上記範囲であればよいが、後述する光学調整層の屈折率より大きいことが好ましい。ガスバリア層の屈折率と光学調整層の屈折率がこのような関係であれば、bが1.00以下のガスバリア性積層体が得られやすい。
本発明において、屈折率とは、23℃で測定した、波長が590nmの光の屈折率をいう。
(3)光学調整層
本発明のガスバリア性積層体を構成する光学調整層は、ガスバリア性積層体の色相を調節する層である。
ガスバリア層は、通常、高い屈折率を有するため、隣接する他の層との屈折率差が大きくなり、これらの層の界面で短波長の光が反射し易くなる。このため、従来のガスバリア性積層体は、黄みを帯びる傾向があった。
本発明のガスバリア性積層体は、ガスバリア層に隣接する光学調整層を有するため、黄みが抑えられ、無色透明性に優れる。
光学調整層としては、後述の特性を有する限り、その構成成分や形成方法は特に制限されず、公知のものが使用できる。光学調整層の材料としては、硬化性組成物の硬化物、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール系樹脂、ニトロセルロース系樹脂フッ素系樹脂等の樹脂類;無機酸化物、無機酸化窒化物、無機酸化炭化物、及び無機酸化窒化炭化物等の無機物;等が挙げられる。
なかでも、硬化性組成物の硬化物、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール系樹脂、ニトロセルロース系樹脂フッ素系樹脂等の樹脂類が好ましく、硬化性組成物の硬化物からなる層がさらに好ましい。光学調整層が硬化性組成物の硬化物からなる層であれば、ガスバリア性積層体の色相を調節する機能に加え、さらに、ガスバリア性積層体に耐擦傷性を付与することができる。
前記硬化性組成物は、硬化性成分を含有する化合物であって、活性エネルギー線の照射や加熱により硬化し得る組成物である。
活性エネルギー線の照射により硬化し得る組成物において、硬化性成分としては、重合性プレポリマーや重合性モノマーが挙げられる。
重合性プレポリマーとしては、両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーと、(メタ)アクリル酸との反応により得られるポリエステルアクリレート系プレポリマー、低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂と、(メタ)アクリル酸との反応により得られるエポキシアクリレート系プレポリマー、ポリウレタンオリゴマーと、(メタ)アクリル酸との反応により得られるウレタンアクリレート系プレポリマー、ポリエーテルポリオールと、(メタ)アクリル酸との反応により得られるポリオールアクリレート系プレポリマー等が挙げられる。
重合性モノマーとしては、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート等の2官能(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート等の3官能(メタ)アクリレート;プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の4官能以上の(メタ)アクリレート;エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールジビニルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジビニルエーテル、トリメチロールプロパンジビニルエーテル、エチレンオキサイド変性ヒドロキノンジビニルエーテル、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンポリビニルエーテル等のビニル化合物;等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
これらの重合性化合物は一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
ここで、(メタ)アクリロイル基なる表記は、アクリロイル基及びメタクリロイル基の両方を含む意味である。
また、前記硬化性組成物中に、それ自身は反応硬化性を有しないような高分子樹脂成分、例えばアクリル樹脂を含ませてもよい。高分子樹脂成分の添加により該組成物の粘度を調整することができる。
活性エネルギー線としては、紫外線、電子線、α線、β線、γ線等が挙げられる。これらの中でも、比較的簡便な装置を用いて発生させることができることから、活性エネルギー線としては、紫外線が好ましい。
活性エネルギー線として紫外線を用いる場合、硬化型樹脂組成物は、光重合開始剤を含有することが好ましい。
光重合開始剤は、紫外線の照射により重合反応を開始させるものであれば、特に限定されない。光重合開始剤としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン系重合開始剤;アセトフェノン、4’−ジメチルアミノアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン等のアセトフェノン系重合開始剤;ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン等のベンゾフェノン系重合開始剤;2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン等のアントラキノン系重合開始剤;2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系重合開始剤;等が挙げられる。
光重合開始剤は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。光重合開始剤の含有量は、特に限定されないが、通常、前記硬化性成分に対して、0.2〜30質量%、好ましくは0.5〜20質量%である。
加熱により硬化し得る組成物としては、硬化性成分として、上記重合性プレポリマーや重合性モノマーを含有し、さらに、熱重合開始剤を含有する組成物、硬化性成分として加水分解縮合性化合物を含有する組成物等が挙げられる。
熱重合開始剤は、加熱によりラジカルを発生させ、重合反応を開始させるものであれば、特に限定されない。熱重合開始剤としては、過酸化水素;ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸カリウム等のペルオキソ二硫酸塩;2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリン酸)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系化合物;過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酢酸、過コハク酸、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイドなどの有機過酸化物;等が挙げられる。
熱重合開始剤は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。熱重合開始剤の含有量は、特に限定されないが、通常、前記硬化性成分に対して、0.2〜30質量%、好ましくは0.5〜20質量%である。
加水分解縮合性化合物としては、加水分解性有機基を有するシラン化合物や、そのオリゴマーが挙げられる。
加水分解性基を有するシラン化合物としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトライソブトキシシラン、テトラ−s−ブトキシシラン、テトラ−t−ブトキシシラン等のテトラアルコキシシラン;トリメトキシシランヒドリド、トリエトキシシランヒドリド、トリプロポキシシランヒドリド等のトリアルコキシシランヒドリド;等が挙げられる。
これらのシラン化合物は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらのシラン化合物とともに、アルキルトリアルコキシシランを併用してもよい。
硬化性組成物は、硬化性成分に加えて、充填剤を含有するものが好ましい。充填剤を含有することで、光学調整層の屈折率を効率よく制御することができる。
充填剤としては、シリカ粒子、金属酸化物粒子、ポリマー粒子、アルキルシリケート粒子等が挙げられる。
シリカ粒子としては、コロイダルシリカ、中空シリカ、反応性シリカフィラー等が挙げられる。
金属酸化物粒子としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化インジウム、酸化ハフニウム、酸化錫、酸化ニオブ等の粒子が挙げられる。
ポリマー粒子としては、ポリ(ペンタブロモフェニルメタクリレート)、ポリ(ペンタブロモフェニルアクリレート)、ポリ(2,4,6−トリブロモフェニルメタクリレート)、ポリ(1−ナフチルメタクリレート)、ポリ(2,6−ジクロロスチレン)、ポリ(2−クロロスチレン)等のハロゲン原子や芳香族基を含有するポリマーからなる粒子が挙げられる。
アルキルシリケート粒子としては、式:R−O〔−{Si(OR}−O−〕−R(式中、R及びRは炭素数1〜10のアルキル基を表し、nは1以上の整数を表す。)で示されるアルキルシリケートの粒子が挙げられる。
これらの中でも、硬化性成分との相溶性に優れ、かつ、光学調整層の屈折率を効率よく制御し得ることから、シリカ粒子又はアルキルシリケート粒子が好ましい。
充填剤は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
充填剤が粒子状物である場合、その平均粒子径は2〜1500nmであることが好ましい。
硬化性組成物が充填剤を含有する場合、その含有量は、硬化性組成物の固形分全量に対して、好ましくは5〜60質量%、より好ましくは10〜50質量%である。
硬化性組成物は、本発明の効果を妨げない範囲で、その他の成分を含有してもよい。
その他の成分としては、レベリング剤、帯電防止剤、安定剤、酸化防止剤、可塑剤、滑剤等が挙げられる。これらの含有量は、目的に合わせて適宜決定すればよい。
光学調整層を形成する方法は特に限定されない。例えば、硬化性組成物、及び必要に応じて溶媒を含有する塗工液を調製し、次いで、ガスバリア層上に、この塗工液を公知の方法により塗工し、得られた塗膜を硬化させることにより、光学調整層を形成することができる。また、必要に応じて、塗膜を硬化させる前に、乾燥処理を施してもよい。
塗工液の調製に用いる溶媒としては、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタンなどの脂肪族炭化水素系溶媒;シクロペンタン、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素系溶媒;等が挙げられる。
これらの溶媒は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
塗工方法としては、バーコート法、スピンコート法、ディッピング法、ロールコート、グラビアコート、ナイフコート、エアナイフコート、ロールナイフコート、ダイコート、スクリーン印刷法、スプレーコート、グラビアオフセット法等が挙げられる。
塗膜を乾燥させる場合、その乾燥方法としては、熱風乾燥、熱ロール乾燥、赤外線照射等、従来公知の乾燥方法を採用できる。乾燥温度は、通常60〜130℃の範囲である。乾燥時間は、通常数秒から数十分である。
塗膜の硬化は、用いた硬化性組成物に合わせて、活性エネルギー線を照射したり、加熱したりすることによって行うことができる。
例えば、紫外線を照射する場合、紫外線源としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、ブラックライトランプ、メタルハライドランプ等の光源を用いることができる。紫外線の光量には特に制限はないが、通常100mJ/cm〜1,000mJ/cmである。照射時間は、通常数秒〜数時間であり、照射温度は、通常室温〜100℃である。
光学調整層の厚みは、通常5〜2500nm、好ましくは10〜2000nmである。
光学調整層の屈折率は、1.20〜1.60であり、好ましくは1.35〜1.55である。
光学調整層の光学膜厚は、通常、5〜2000nm、好ましくは10〜1500nmである。光学膜厚は、光学調整層の屈折率をn、厚みをdとしたときに、n×d(=nd)で表される値である。
光学調整層の光学膜厚を上記範囲内で適宜調節することで、無色透明性に優れるガスバリア性積層体を得ることができる。通常、bは、光学調整層の光学膜厚の変化に対して、周期的に変化することが知られている。本発明者らは、光学調整層の光学膜厚Tが特定の関係式を満たす場合に、b値が、−1.00〜1.00のガスバリア性積層体を効率よく得ることができることを見出した。
基材とガスバリア層の種類及びそれらの膜厚が一定の場合における、光学調整層の光学膜厚とガスバリア性積層体のbとの関係を図1に示す。
図1(a)の横軸は光学調整層の光学膜厚を採ってあり、縦軸はガスバリア性積層体のbを採ってある。光学調整層の光学膜厚が760nm未満では、ガスバリア性積層体のbは、光学調整層の光学膜厚の増加に伴って減少と増加を繰り返す周期的な変化を示している。一方、光学調整層の光学膜厚が760nm以上では、ガスバリア性積層体のbは、−1〜1の間に収まっており、ガスバリア性積層体のbは、ほとんど光学調整層の光学膜厚に依存しないことがわかる。
図1(b)に、図1(a)中の光学膜厚が0〜約900nmの範囲の拡大図を示す。図1(b)から、周期的な変化を示している範囲(光学調整層の光学膜厚が760nm未満)では、ガスバリア性積層体のbが−1〜1になる光学膜厚の範囲は以下のとおりである。
範囲1:30〜100nm、範囲2:120〜170nm、範囲3:280〜310nm、範囲4:380〜410nm、範囲5:520〜550nm、範囲6:620〜660nm
次いで、範囲1〜6の最大値と最小値をそれぞれプロットし、最大値と最小値の近似直線をそれぞれ表したグラフを図2に示す。横軸は範囲の番号を採ってあり、縦軸は光学調整層の光学膜厚を採ってある。
図2から、それぞれの範囲における最大値の近似直線は、y=115.43x−37.3であり、最小値の近似直線は、y=121.43x−100となることがわかる。(xは1〜6の整数、yは光学調整層の光学膜厚)。
以上のことから、範囲1〜6のそれぞれの範囲において、光学膜厚Tが、上記最大値の近似曲線と上記最小値の近似曲線の間の範囲であれば、b値が−1.00〜1.00のガスバリア性積層体を効率よく得ることができる。
すなわち、光学調整層を、その光学膜厚T(nm)が、下記式(1)又は(2)
Figure 0006694380
(xは、1〜6の整数を表す。)
を満たすように設けることにより、b値が、−1.00〜1.00のガスバリア性積層体を効率よく得ることができる。
(4)ガスバリア性積層体
本発明のガスバリア性積層体は、基材、ガスバリア層及び光学調整層がこの順に積層されてなり、前記ガスバリア層と光学調整層が隣接するガスバリア性積層体であって、前記ガスバリア層の屈折率が、1.55〜1.81で、前記光学調整層の屈折率が、1.20〜1.60であり、JIS Z 8729−1994に規定されるCIE L表色系におけるb値が、−1.00〜1.00の範囲にあることを特徴とする。
上記屈折率を有するガスバリア層と光学調整層を適切に組み合わせて用いることで、光学調整層の表面で反射した反射光と、光学調整層とガスバリア層の界面で反射した反射光との干渉現象を利用し、ガスバリア性積層体の黄みを効率よく抑えることができる。
本発明のガスバリア性積層体は、ガスバリア層や光学調整層は、それぞれ1層有するものであってもよいし、それぞれ2層以上有するものであってもよい。
本発明のガスバリア性積層体は、基材、ガスバリア層、光学調整層以外の層を有するものであってもよい。
基材、ガスバリア層、光学調整層以外の層としては、基材との層間密着性を向上させるためのプライマー層、導電体層、衝撃吸収層、粘着剤層、ハードコート層、工程シート等が挙げられる。なお、工程シートは、積層体を保存、運搬等する際に、積層体を保護する役割を有し、積層体が使用される際には剥離されるものである。
本発明のガスバリア性積層体の層構成の例としては、次のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(i)光学調整層/ガスバリア層/基材
(ii)光学調整層/ガスバリア層/基材/ハードコート層
(iii)光学調整層/ガスバリア層/光学調整層/ガスバリア層/基材
(iv)光学調整層/ガスバリア層/プライマー層/基材
(v)光学調整層/ガスバリア層/プライマー層/基材/ハードコート層
本発明のガスバリア性積層体は、例えば、以下の方法により製造することができる。
基材上に、先に説明した方法を用いてガスバリア層を形成する。次いで、得られたガスバリア層上に、先に説明した方法を用いて光学調整層を形成することにより、光学調整層/ガスバリア層/基材の層構成を有するガスバリア性積層体を得ることができる。
同様にして、適宜必要な工程を設けることで、前記(ii)〜(v)の層構成を有するガスバリア性積層体等を得ることができる。
本発明のガスバリア性積層体の厚みは、特に限定されないが、好ましくは、1〜1000μm、より好ましくは、10〜500μm、さらに好ましくは、50〜100μmである。
本発明のガスバリア性積層体の、温度40℃、相対湿度90%における、水蒸気透過率は、好ましくは0.1g/(m・day)以下、より好ましくは0.05g/(m・day)以下、さらに好ましくは、0.03g/(m・day)以下である。下限値は特になく、小さいほど好ましいが、通常は、0.001g/(m・day)以上である。
水蒸気透過率は、実施例に記載の方法により測定することができる。
本発明のガスバリア性積層体の、JIS Z 8729−1994に規定されるCIE L表色系におけるb値は、好ましくは、−1.00〜1.00、より好ましくは、−0.80〜0.80である。
値は、色を数値化したときの、黄みと青みの程度を表すものである。b値が正の値であれば、黄みを帯びていることを、負の値であれば、青みを帯びていることを表す。
値が上記範囲にあることで、そのガスバリア性積層体は、より黄と青の中間の色相を呈することになる。
値は、形成するガスバリア層の屈折率に応じて、適切な光学膜厚の光学調整層を設けることにより、制御することができる。
また、本発明のガスバリア性積層体の、JIS Z 8729−1994に規定されるCIE L表色系におけるa値は、好ましくは、−1.00〜1.00、より好ましくは、−0.80〜0.80である。
値は、色を数値化したときの、赤みと緑みの程度を表すものであり、a値が正の値であれば、赤みを帯びていることを、負の値であれば、緑みを帯びていることを表す。
値が上記範囲にあることで、そのガスバリア性積層体は、より赤と緑の中間の色相を呈することになる。このようなガスバリア性積層体は、発光素子を有する電子デバイス用部材として好適に用いられる。
値は、用いる樹脂やその他の成分を適宜選択することで、制御することができる。
JIS Z 8729−1994に規定されるCIE L表色系におけるb値やa値は、実施例に記載の方法により測定することができる。
これらの特性を有するため、本発明のガスバリア性積層体は、電子デバイス用部材として好適に用いられる。
2)電子デバイス用部材及び電子デバイス
本発明の電子デバイス用部材は、本発明のガスバリア性積層体からなることを特徴とする。従って、本発明の電子デバイス用部材は、優れたガスバリア性を有しているので、水蒸気等のガスによる素子の劣化を防ぐことができる。また、無色透明性に優れるので、液晶ディスプレイ、ELディスプレイ等のディスプレイ部材;等として好適である。
本発明の電子デバイスは、本発明の電子デバイス用部材を備える。具体例としては、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、無機ELディスプレイ、電子ペーパー、太陽電池等が挙げられる。
本発明の電子デバイスは、本発明のガスバリア性積層体からなる電子デバイス用部材を備えているので、優れたガスバリア性を有する。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。但し、本発明は、以下の実施例になんら限定されるものではない。
各例中の部及び%は、特に断りのない限り、質量基準である。
(化合物)
各例で用いた化合物や材料を以下に示す。
・基材(1):ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績社製、商品名:コスモシャインA4100、厚さ50μm)
・ポリシラザン化合物系コーティング剤(1):(クラリアントジャパン社製、商品名:アクアミカNL110−20、固形分20%)
・硬化性成分(1):ウレタンアクリレートオリゴマー(荒川工業株式会社製、商品名:ビームセット 575VCB)
・硬化性成分(2):UV硬化型ハードコート剤(大日精化工業社製、商品名:セイカビーム EXF−01L (NS))
・レベリング剤(1):アクリル系共重合体(ビックケミージャパン社製、商品名:BYK 355)
・充填剤(1):中空状シリカ微粒子(日揮触媒化成社製、商品名:スルーリア4320)
・充填剤(2):酸化ジルコニウム(日産化学工業社製、商品名:ナノユース OZ−S30K)
・光重合開始剤(1):(BASF社製、商品名:イルガキュア907)
・光学調整層形成材料(2):UV硬化型ハードコート剤(重合性成分、充填剤としてシリカ微粒子、及び光重合開始剤を含む硬化性組成物、JSR社製、商品名:オプスターZ7530、硬化物の屈折率:1.49)
・光学調整層形成材料(3):シロキサン系熱硬化型樹脂(コルコート社製、商品名:コルコートP、硬化物の屈折率:1.43)
(ガスバリア層及び光学調整層の厚みの測定)
実施例及び比較例で得られたガスバリア性積層体の、ガスバリア層及び光学調整層の厚みは、触針式段差計(AMBIOS TECNOLOGY社製、XP−1)を用いて測定した。
(ガスバリア層及び光学調整層の屈折率の測定)
実施例及び比較例で得られたガスバリア性積層体の、ガスバリア層及び光学調整層の屈折率は、エリプソメーター(ジェー・エー・ウーラム・ジャパン社製、商品名:分光エリプソメトリー2000U)を用いて測定した。
〔製造例1〕
硬化性成分(1)10部、レベリング剤(1)0.01部、充填剤(1)49部、光重合開始剤(1)0.1部、メチルイソブチルケトン1250部、シクロヘキサノン1250部を均一に混合し、光学調整層形成材料(1)を得た。光学調整層形成材料(1)の硬化物の屈折率は1.37であった。
〔製造例2〕
硬化性成分(2)10部、レベリング剤(1)0.01部、充填剤(2)133部、光重合開始剤(1)0.3部、メチルイソブチルケトン1440部、シクロヘキサン1440部を均一に混合し、光学調整層形成材料(4)を得た。光学調整層形成材料(4)の硬化物の屈折率は1.61であった。
〔実施例1〕
基材(1)上に、ポリシラザン化合物系コーティング剤(1)をスピンコート法により塗布し、得られた塗膜を120℃で2分間加熱して、厚さ150nmの、ペルヒドロポリシラザンを含むポリシラザン層を形成した。次に、プラズマイオン注入装置を用いてポリシラザン層の表面に、下記の条件にて、アルゴン(Ar)をプラズマイオン注入して、ガスバリア層(屈折率:1.62、厚さ150nm)を形成した。
ガスバリア層上に、製造例1で得た光学調整層形成材料(1)を、バーコート法により塗布し、得られた塗膜を70℃で1分間乾燥した後、UV光照射ラインを用いてUV光照射を行い(高圧水銀灯;ライン速度、20m/分;積算光量、100mJ/cm;ピーク強度、1.466W;パス回数、2回)、光学調整層(膜厚:20nm、光学膜厚:28nm)を形成し、ガスバリア性積層体1を得た。
ガスバリア層を形成するために用いたプラズマイオン注入装置及びイオン注入条件は以下の通りである。
(プラズマイオン注入装置)
RF電源:日本電子社製、型番号「RF」56000
高電圧パルス電源:栗田製作所社製、「PV−3−HSHV−0835」
(プラズマイオン注入条件)
チャンバー内圧:0.2Pa
プラズマ生成ガス:アルゴン
ガス流量:100sccm
RF出力:1000W
RF周波数:1000Hz
RFパルス幅:50μsec
RF delay:25μsec
DC電圧:−6kV
DC周波数:1000Hz
DCパルス幅:5μsec
DC delay:50μsec
Duty比:0.5%
処理時間:200sec
〔実施例2〕
実施例1において、光学調整層形成材料(1)に代えて光学調整層形成材料(2)を使用して、光学調整層(膜厚:50nm、光学膜厚:75nm)を形成したことを除き、実施例1と同様の方法により、ガスバリア性積層体2を得た。
〔実施例3〕
実施例1において、光学調整層の膜厚を90nm(光学膜厚:124nm)に変更したことを除き、実施例1と同様の方法により、ガスバリア性積層体3を得た。
〔実施例4〕
実施例1において、光学調整層の膜厚を120nm(光学膜厚:165nm)に変更したことを除き、実施例1と同様の方法により、ガスバリア性積層体4を得た。
〔実施例5〕
実施例1において、光学調整層形成材料(1)に代えて光学調整層形成材料(3)を塗工し、得られた塗膜を100℃で1分加熱して硬化させることで、光学調整層(膜厚:200nm、光学膜厚:286nm)を形成したことを除き、実施例1と同様の方法により、ガスバリア性積層体5を得た。
〔実施例6〕
実施例1において、光学調整層の膜厚を220nm(光学膜厚:302nm)に変更したことを除き、実施例1と同様の方法により、ガスバリア性積層体6を得た。
〔実施例7〕
実施例1において、光学調整層の膜厚を280nm(光学膜厚:385nm)に変更したことを除き、実施例1と同様の方法により、ガスバリア性積層体7を得た。
〔実施例8〕
実施例1において、光学調整層の膜厚を295nm(光学膜厚:405nm)に変更したことを除き、実施例1と同様の方法により、ガスバリア性積層体8を得た。
〔実施例9〕
実施例1において、光学調整層の膜厚を380nm(光学膜厚:522n)に変更したことを除き、実施例1と同様の方法により、ガスバリア性積層体9を得た。
〔実施例10〕
実施例1において、光学調整層の膜厚を390nm(光学膜厚:536nm)に変更したことを除き、実施例1と同様の方法により、ガスバリア性積層体10を得た。
〔実施例11〕
実施例1において、光学調整層の膜厚を460nm(光学膜厚:632nm)に変更したことを除き、実施例1と同様の方法により、ガスバリア性積層体11を得た。
〔実施例12〕
実施例1において、光学調整層の膜厚を475nm(光学膜厚:652nm)に変更したことを除き、実施例1と同様の方法により、ガスバリア性積層体12を得た。
〔実施例13〕
実施例1において、光学調整層の膜厚を555nm(光学膜厚:762nm)に変更したことを除き、実施例1と同様の方法により、ガスバリア性積層体13を得た。
〔比較例1〕
実施例1のガスバリア性積層体1の製造中間体〔基材(1)とガスバリア層からなるフィルム〕を比較例1のガスバリア性積層体14とした。
〔比較例2〕
実施例5において、光学調整層の膜厚を70nm(光学膜厚:100nm)に変更したことを除き、実施例5と同様の方法により、ガスバリア性積層体15を得た。
〔比較例3〕
実施例2において、光学調整層の膜厚を150nm(光学膜厚:224nm)に変更したことを除き、実施例2と同様の方法により、ガスバリア性積層体16を得た。
〔比較例4〕
実施例1において、光学調整層の膜厚を270nm(光学膜厚:371nm)に変更したことを除き、実施例1と同様の方法により、ガスバリア性積層体17を得た。
〔比較例5〕
実施例2において、光学調整層の膜厚を300nm(光学膜厚:448nm)に変更したことを除き、実施例2と同様の方法により、ガスバリア性積層体18を得た。
〔比較例6〕
実施例2において、光学調整層の膜厚を400nm(光学膜厚:597nm)に変更したことを除き、実施例2と同様の方法により、ガスバリア性積層体19を得た。
〔比較例7〕
実施例5において、光学調整層の膜厚を505nm(光学膜厚:723nm)に変更したことを除き、実施例5と同様の方法により、ガスバリア性積層体20を得た。
〔比較例8〕
実施例4において、ガスバリア層を形成する際のDC電圧を−9kVに変更し、屈折率が1.82のガスバリア層を形成したことを除き、実施例4と同様の方法により、ガスバリア性積層体21を得た。
〔比較例9〕
実施例5において、光学調整層形成材料(3)に代えて光学調整層形成材料(4)を使用して、光学調整層(膜厚:178nm、光学膜厚:286nm)を形成したことを除き、実施例5と同様の方法により、ガスバリア性積層体22を得た。
〔参考例1〕
比較例1において、ポリシラザン化合物系コーティング剤(1)の塗膜の加熱条件を、120℃で30分間に変更し、屈折率が1.54のガスバリア層を形成したことを除き、比較例1と同様の方法により、ガスバリア性積層体23を得た。
ガスバリア性積層体1〜23について、以下の測定を行った。
(水蒸気透過率測定)
温度40℃、相対湿度90%における、ガスバリア性積層体1〜20の水蒸気透過率を、水蒸気透過率測定装置(mocon社製、PERMATRAN−W3/33)を用いて測定した。
測定結果を第1表に示す。
(色相評価)
ガスバリア性積層体1〜23の、CIE1976L表色系により規定される色彩値bを、JIS Z 8729−1994に準拠し、分光光度計(島津製作所社製、UV−3600)を用いて測定した。
測定結果を第1表に示す。
Figure 0006694380
第1表から、以下のことがわかる。
実施例1〜13のガスバリア性積層体1〜13は、ガスバリア性に優れ、かつ、黄みが抑えられている。
一方、比較例1〜9のガスバリア性積層体14〜22は、色彩値bは、−1未満又は+1を超えており、黄み又は青みを帯びている。
参考例1のガスバリア性積層体23は、ガスバリア層の屈折率が1.54と比較的低いため、光学調整層を設けなくても、黄みが抑えられている。
一方、比較例8のガスバリア性積層体21は、ガスバリア層の屈折率が、1.82とかなり高いため、光学調整層を設けても、bを1.00以下にすることは困難である。
また、比較例9のガスバリア性積層体22は、光学調整層の屈折率が高すぎるため、光学調整層として十分に機能していない。
1:範囲1
2:範囲2
3:範囲3
4:範囲4
5:範囲5
6:範囲6

Claims (9)

  1. 基材、ガスバリア層及び光学調整層がこの順に積層されてなり、前記ガスバリア層と光学調整層が隣接するガスバリア性積層体であって、
    前記ガスバリア層の屈折率が、1.55〜1.81で、
    前記光学調整層の屈折率が、1.20〜1.60であり、
    前記光学調整層の光学膜厚(T)(単位はnm)が、下記式(1)又は(2)
    Figure 0006694380
    (xは、1〜6の整数を表す。)
    を満たすものであり、
    JIS Z 8729−1994に規定されるCIE L表色系におけるb値が、−1.00〜1.00の範囲にあることを特徴とするガスバリア性積層体。
  2. 前記ガスバリア層が、無機酸化物、無機酸化窒化物、無機酸化炭化物、及び無機酸化窒化炭化物からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有するものである、請求項1に記載のガスバリア性積層体。
  3. 前記ガスバリア層が、ポリシラザン化合物を含有する層を改質処理して得られる層である、請求項1に記載のガスバリア性積層体。
  4. 前記ガスバリア層の厚みが、10nmから10μmである、請求項1に記載のガスバリア性積層体。
  5. 前記光学調整層が、硬化性組成物の硬化物からなるものである、請求項1に記載のガスバリア性積層体。
  6. 前記硬化性組成物が、硬化性成分及び充填剤を含有するものである、請求項5に記載のガスバリア性積層体。
  7. 前記光学調整層の厚みが、5〜2500nmである(ただし、前記式(1)又は(2)を満たすものに限る。)、請求項1に記載のガスバリア性積層体。
  8. 請求項1に記載のガスバリア性積層体からなる電子デバイス用部材。
  9. 請求項8に記載の電子デバイス用部材を備える電子デバイス。
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