JP2013103373A - 封止フィルム - Google Patents

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寿幸 大谷
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Abstract

【課題】有機ELなどのデバイスに用いられる封止フィルムにおいて、透明性および水蒸気バリア性に優れ、かつEVA封などの封止剤との密着性に優れた封止フィルムを提供する。
【解決手段】光学等方性を有する環状ポリオレフィン11からなるフィルム基材の少なくとも片面上に直接、または他の層を介して、無機物からなるガスバリア層12を積層し、さらに保護層13を設けた封止フィルムであって、前記保護層が重量平均分子量22,000〜40,000のポリエステル樹脂と、ポリイソシアネートとを含む塗工液を塗工した保護層であることを特徴とする封止フィルム。
【選択図】図2

Description

本発明は光学等方性を有する環状ポリオレフィンフィルムからなる基材の少なくとも片面上に直接、または他の層を介して、無機物からなるガスバリア層を積層し、さらに保護層を設けた封止フィルムに関するものである。特に電子ペーパー、有機ELなどの封止フィルムとして用いた場合、透明性、水蒸気バリア性に優れ、かつ封止剤との密着性に優れるため、デバイスの長期使用信頼性に優れる。
本発明は、透明性、水蒸気バリア性およびEVAなどの封止剤との密着性に優れ、高度な水蒸気バリア性の求められる電子ペーパー、有機ELなどの電子材料用の封止フィルムに関する。
光等方性を有する環状ポリオレフィンフィルムは、透明で、光学等方性に優れるため、ディスプレイなどの表示体用途を中心に広く使用されている。
一方、電子ペーパーや有機ELなどの表示ディスプレイが近年、急速に普及してきた結果、軽量化、割れない、フレキシブルという観点からガラス基材に代わって、光等方性を有する透明プラスチックフィルムで代替したいという要望が強くなってきた。
しかしながらガラス基材を透明プラスチックフィルムに置き換えた場合、水分が透明プラスチックフィルムを透過するため、デバイスが劣化してしまう。このため、ガスバリア層を有する透明プラスチックフィルムが必要となるが、従来の食品包装用途に用いられるガスバリア性フィルムでは、水分の遮断性が不十分であり、デバイスの劣化を抑制することは困難であった。
このような電子ペーパーや有機ELなどの表示ディスプレイに使用することを目的として、環状ポリオレフィンフィルムの少なくとも片面にポリマーからなる硬化樹脂層と窒化酸化珪素からなるガスバリア層を設けた水蒸気透過度が0.02g/m/dayのガスバリア性フィルムが提案されている(特許文献1等参照。)。
しかしながら特許文献1に記載されているようなガスバリアフィルムは、ガスバリア性の向上を検討しているが、EVAなどの封止剤との密着性については全く考慮されていない。また、窒化酸化珪素をガスバリア層として用いたガスバリアフィルムは、ガスバリア層の屈折率が高く、保護層との屈折率差が大きくなり、透過率が低くなるという問題があった。
また、ポリシクロオレフィンフィルム上に大気圧プラズマCVD法により平坦化層、ガ
スバリア層、保護層を積層し、10−6g/m/dayレベルの水蒸気バリア性を有するガスバリアフィルムが提案されている(特許文献2等参照。)。
しかしながら、特許文献2の実施例1に記載されているガスバリアフィルムは、ガスバリア性は良好であるが、TEOSを原料として大気圧CVD法で作製した無機ポリマーからなる保護層は、EVAなどの封止剤との密着性は十分ではなかった。
また、ガスバリアフィルムの保護層としてポリビニルアルコールと無機層状化合物のコンポジット膜を積層したガスバリア性積層フィルム(特許文献3)が提案されているが、ディスプレイなどの表示体に用いた場合、白っぽいフィルムとなってしまい、透明性に劣る。また、保護層としてゾルーゲル層を設けた構成を有するガスバリア性積層フィルム(特許文献4)が提案されているが、表面の硬さは優れるものの、フレキシブル性や封止剤との密着性が劣るという問題があった。
また、特許文献5に記載されているような有機層/無機層の交互積層によるガスバリア層の向上が行われているが、ガスバリア性は向上するものの、有機層/無機層界面での密着性が不十分であり、満足のいくものではなかった。
特開2009−190186号公報 特開2007−83644号公報 特開2003−231789号公報 特開2003−326634号公報 特許4254350号公報
すなわち、本発明の目的は、上記の従来の問題点に鑑み、透明性および水蒸気バリア性に優れ、かつEVAなどの封止剤との密着性に優れた封止フィルムを提供することにある。
本発明は、上記のような状況に鑑みなされたものであって、上記の課題を解決することができた封止フィルムとは、以下の構成よりなる。
1.光学等方性を有する環状ポリオレフィンからなるフィルム基材の少なくとも片面上に直接、または他の層を介して、無機物からなるガスバリア層を積層し、さらに保護層を設けた封止フィルムであって、前記保護層が重量平均分子量22,000〜40,000のポリエステル樹脂と、ポリイソシアネートとを含む塗工液を塗工した保護層であることを特徴とする封止フィルム。
2.前記無機物からなるガスバリア層が酸化アルミニウムを含有するセラミック薄膜からなり、40℃、90%RHにおける水蒸気バリア性が0.005g/m/day以下であることを特徴とする1.または2.記載の封止フィルム。
3.JIS K7126−1で規定されている差圧法により求められる環状ポリオレフィンフィルムのアルゴンガス(Ar)の溶解度(SAr )と請求項1記載の封止フィルムのアルゴンガス(Ar)の溶解度(SAr )との比(SAr /SAr )が0.02以下であることを特徴とする1.または2.記載の封止フィルム。
4.JIS K7126−1で規定されている差圧法により求められる環状ポリオレフィンフィルムのヘリウムス(He)の溶解度(SHe )と請求項1記載の封止フィルムのヘリウムガス(He)の溶解度(SHe )との比(SHe /SHe )が0.1以下であることを特徴とする1.〜3.記載の封止フィルム。
5.前記ガスバリア層が高磁場マグネットを用いた低電圧スパッタリング法により形成されたことを特徴とする1.〜4.記載の封止フィルム。
6.前記ガスバリア層が反応性スパッタリング法によるインピーダンス制御法により形成されたことを特徴とする1.〜5.記載の封止フィルム。
7.前記封止フィルムの全光線透過率が90%以上であることを特徴とする1.〜6.記載の封止フィルム。
8.前記環状ポリオレフィンフィルム、ガスバリア層、保護層の各屈折率が以下の条件を満足することを特徴とする1.〜7.記載の封止フィルム。
|n−n|≦0.1および|n−n|≦0.1
:ガスバリア層の屈折率
:環状ポリオレフィンフィルムの屈折率
:保護層の屈折率
9.1.〜8.記載の封止フィルムのガスバリア層を設けた面とは反対の面にハードコート層を設けたことを特徴とする1.〜8.記載の封止フィルム。
本発明は光学等方性を有する環状ポリオレフィンフィルムからなる基材の少なくとも片面上に直接、または他の層を介して、無機物からなるガスバリア層を積層し、さらに保護層を設けた封止フィルムに関するものである。特に電子ペーパー、有機ELなどの封止フィルムとして用いた場合、透明性および水蒸気バリア性に優れ、かつEVAなどの封止剤との密着性に優れるため、デバイスの長期使用信頼性に優れる。
本発明の封止フィルムは、光学等方性を有する環状ポリオレフィンフィルムからなる基材の少なくとも片面上に直接、または他の層を介して、無機物からなるガスバリア層を積層し、さらに保護層を設けた封止フィルムである。
以下、各層別に詳細に説明する。
(光等方性を有する環状ポリオレフィンフィルムからなる基材)
本発明で用いる環状ポリオレフィンフィルムからなる基材は、有機高分子をフィルム状に溶融押出し又は溶液押出しをしてフィルム状に成形し、必要に応じ、長手方向及び/又は幅方向に延伸、熱固定、熱弛緩処理を施したフィルムである。このような市販のフィルムとしては、日本ゼオン社製のZEONORフィルムやJSR社製のARTONフィルムなどが挙げられる。
前記環状ポリオレフィンフィルムからなる基材のレターデーションの値は、100nm以下が好ましく、さらに好ましくは20nm以下、特に好ましくは10nm以下である。レタデーションの値が100nmを超えると有機ELなどの表示ディスプレイのように偏光板と積層して用いられる場合、黒色表示がぼやけるという問題が生じる。
前記環状ポリオレフィンフィルムからなる基材は、通常、押出法、流延法により製膜することにより得られるが、生産性の観点から押出法の方が好ましい。
本発明で用いる環状ポリオレフィンフィルムからなる基材の厚みは、10〜300μmであることが好ましく、より好ましくは20〜260μmである。プラスチックフィルムの厚みが10μm未満では機械的強度が不足し、有機ELなどのデバイス作製工程でのハンドリングが難しくなるため好ましくない。一方、厚みが300μmを越えると、有機ELなどのデバイスの厚みが厚くなりすぎるため、適さない。
本発明で用いる環状ポリオレフィンフィルムからなる基材は、本発明の目的を損なわない範囲で、前記フィルムをコロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、紫外線照射処理、電子線照射処理、オゾン処理などの表面活性化処理を施してもよい。
また、本発明で用いる環状ポリオレフィンフィルムからなる基材には、ガスバリア層との密着性向上、耐薬品性の付与、オリゴマーなどの低分子量物の析出防止を目的として、硬化型樹脂を主たる構成成分とする硬化物層を1層以上設けてもよい。
前記の硬化型樹脂は、加熱、紫外線照射、電子線照射などのエネルギー印加により硬化する樹脂であれば特に限定されなく、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。生産性の観点からは、紫外線硬化型樹脂を主成分とする硬化型樹脂が好ましい。
このような紫外線硬化型樹脂としては、例えば、多価アルコールのアクリル酸又はメタクリル酸エステルのような多官能性のアクリレート樹脂、ジイソシアネート、多価アルコール及びアクリル酸又はメタクリル酸のヒドロキシアルキルエステルなどから合成されるような多官能性のウレタンアクリレート樹脂などを挙げることができる。必要に応じて、これらの多官能性の樹脂に単官能性の単量体、例えば、ビニルピロリドン、メチルメタクリレート、スチレンなどを加えて共重合させることができる。
また、ガスバリア層と硬化物層との付着力を向上するために、硬化物層を更に表面処理することが有効である。具体的な方法としては、グロー放電又はコロナ放電を照射する放電処理法を用いて、カルボニル基、カルボキシル基、水酸基を増加させる方法、酸又はアルカリで処理する化学薬品処理法を用いて、アミノ基、水酸基、カルボニル基などの極性基を増加させる方法、などが挙げられる。
紫外線硬化型樹脂は、通常、光重合開始剤を添加して使用される。光重合開始剤としては、紫外線を吸収してラジカルを発生する公知の化合物を特に限定なく使用することができ、このような光重合開始剤としては、例えば、各種ベンゾイン類、フェニルケトン類、ベンゾフェノン類などを挙げることができる。光重合開始剤の添加量は、紫外線硬化型樹脂100質量部に対して、1〜5質量部とすることが好ましい。
塗布液中の樹脂成分の濃度は、コーティング法に応じた粘度などを考慮して適切に選択することができる。例えば、塗布液中に紫外線硬化型樹脂、光重合開始剤の合計量が占める割合は、通常は20〜80質量%である。また、この塗布液には、必要に応じて、その他の公知の添加剤、例えば、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤などのレベリング剤などを添加してもよい。
本発明において、調製された塗布液は環状ポリオレフィンフィルムからなる基材上にコーティングされる。コーティング法には特に限定されなく、バーコート法、グラビアコート法、リバースコート法などの従来から知られている方法を使用することができる。
また、硬化物層の厚みは0.1〜15μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは0.5〜10μm、特に好ましくは1〜8μmである。硬化物層の厚みが0.1μm未満の場合には、十分に架橋した構造が形成されにくくなるため、耐薬品性が低下しやすくなり、オリゴマーなどの低分子量による密着性の低下もおこりやすくなる。一方、硬化物層の厚みが15μmを超える場合には、生産性が低下する傾向がある。
硬化物層の表面は、硬化物層上に形成するガスバリア層にピンホールなどの欠陥を生じさせないために表面粗さ算術平均値(Ra)がRa<2nm、最大高さ(Ry)がRy≦0.05μm以下であることが好ましい。表面粗さ算術平均値(Ra)が2nm以上の場合は、ガスバリア層にピンホールなどの欠陥が生じやすくなり、水蒸気バリア性を向上させることが困難となる。また、表面粗さ算術平均値(Ra)が2nmよりも小さい場合でも、表面粗さにおける最大高さ(Ry)が0.05μm以上の凸状形状が存在すると、凸形状の周りにガスバリア層の非連続部分ができやすくなるため、水蒸気バリア性を向上することが困難となる。
(ガスバリア層)
本発明で用いるガスバリア層としては、AlN、ZrO2−SiO、AlまたはSiO−Al等が挙げられる。これらの中でも耐室熱試験後の密着性の観点からAlまたはSiO−Al等のAlを含有する複合金属酸化物が好ましい。これらのガスバリア層の屈折率は1.45〜1.65であり、好ましくは1.50〜1.62である。屈折率が1.45未満の場合、ポーラスな膜となりやすいため、ガスバリア性を向上させることが困難である。一方、屈折率が1.65を越える場合、環状ポリオレフィンフィルム、保護層との屈折率差が大きくなるため、封止フィルムの透過率が低下し好ましくない。
ガスバリア層の膜厚は、10〜200nmの範囲が好ましく、好ましくは20〜180nm、さらに好ましくは30〜150nmである。ガスバリア層の膜厚が10nm未満の場合、連続した薄膜になりにくく、良好なガスバリア性が得られにくくなる。一方、ガスバリア層の膜厚が200nmよりも厚い場合、ガスバリア層の応力が大きくなり、薄い透明プラスチック基材上に設けた場合、クラックが発生しやすくなり、水蒸気バリア性が低下してしまう。
ガスバリア層を積層する前に、ガスバリア層にピンホールなどの欠陥を生じさせないために、ガスバリア層を成膜する前の環状ポリオレフィンフィルムの表面の付着物を除去することが好ましい。具体的な方法としては、ガスバリア層を成膜する装置内に投入する前に微粘着ロールなどで表面の付着物を除去することが挙げられる。これにより、ガスバリア層に生じるピンホールなどの欠陥が抑制されるため、水蒸気バリア性を向上させることができる。
また、ガスバリア層を積層する前に、ガスバリア層と環状ポリオレフィンフィルムの付着力を向上させることを目的として、環状ポリオレフィンフィルム表面をリアクティブプラズマエッチング(RIE)処理などの表面処理を施すことが好ましい。これにより、環状ポリオレフィンフィルムの脆弱層の除去やプラズマ処理による表面改質が行われ、その結果、薄膜形成時の高エネルギー粒子の打ち込みによる剥離が抑制され、水蒸気バリア性が向上できる。これらの手法はSEMや光学顕微鏡で観察できるサイズのガスバリア中の欠陥を抑制するのに有効である。このような手法と特定の保護層を積層することにより、JIS K7126−1で規定されている差圧法により求められる環状ポリオレフィンフィルムのアルゴンガス(Ar)の溶解度(SAr )とガスバリア膜と保護層を積層した封止フィルムのアルゴンガス(Ar)の溶解度(SAr )との比(SAr /SAr )が0.02以下とすることができる。
本発明におけるガスバリア層の成膜方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーティング法、スプレー法などが知られており、必要とする膜厚に応じて、前記の方法を適宜用いることができるが、膜厚のバラツキを低減するという観点からスパッタリング法が好ましい。一般的にスパッタリングで形成する場合は反応性DC又はACスパッタリング法が用いられるが、成膜速度を向上するためにDC又はAC電源の電圧値を一定に保つように反応性ガス流量を制御するインピーダンス制御又は特定元素のプラズマ中での発光強度を一定に保つように反応性ガス流量を制御するプラズマエミッション法が好ましい。インピーダンス制御法は、設備的に大掛かりにならず、プロセス安定性に優れるため、特に好ましい。
インピーダンス制御において、Arなどの不活性ガスのみを流した場合の金属モードの放電電圧を100%とし、O、Nなどの反応性ガスを流し、酸化物または窒化物モードの放電電圧を0%とした時、20〜80%の値に制御することが好ましく、特に好ましくは30〜70%である。20%よりも低い場合、成膜速度の向上の効果が小さく、生産性が劣る。一方、80%を越える場合、フィルム幅方向での膜厚の分布が生じやすくなり、好ましくない。
この時、オゾン添加、プラズマ照射、イオンアシスト等の手段を併用したりしてもよい。また、本発明の目的を損なわない範囲で、基板に直流、交流、高周波などのバイアスを印加してもよい。
ガスバリア層に形成される欠陥を抑制するためには、高磁場マグネットを用いた低電圧スパッタ法、対向スパッタ法、プラズマインピーダンスを下げるためにRF電力にDC電力を重畳させるスパッタ法が挙げられる。これらの方法を用いることにより、反跳Ar、酸素負イオンによる高エネルギー粒子に由来する欠陥が抑制される。その結果、高エネルギー粒子が堆積中のガスバリア層に打ち込むことを抑制し、成膜初期段階で堆積した膜が剥離しにくくなり、通常よりも薄い膜厚で水蒸気バリア性を向上させることができる。
これらの方法の中でも高磁場マグネットを用いた低電圧スパッタ法が工業的な観点から有効である。磁場の強さは350ガウス以上1000ガウス以下が好ましい。350ガウス未満であると電圧値を下げる効果が小さく、酸素負イオンによる高エネルギー粒子に由来する欠陥を抑制することが困難となる。一方、1000ガウスを越えると成膜速度が低下しやすくなり、好ましくない。
また、ガスバリア層を形成するスパッタ粒子の透明プラスチックフィルム表面での拡散エネルギーを高くするために透明プラスチックフィルムの温度を高くすることや透明プラスチックフィルムからの水分の除去も有効である。これによりガスバリア層の緻密さが向上し、水蒸気バリア性を向上することができる。
具体的には環状ポリオレフィンフィルムの温度を80℃以上(Tg−20)℃以下にしてガスバリア層を形成することが好ましい(Tgは環状ポリオレフィンフィルムのガラス転移温度)。環状ポリオレフィンフィルムの温度が80℃未満の場合、スパッタ粒子の環状ポリオレフィンフィルム上での拡散エネルギーを充分に得ることが困難である。一方、環状ポリオレフィンフィルムの温度が(Tg−20)℃を超える場合、環状ポリオレフィンフィルムの平面性を維持するのが難しくなる。
環状ポリオレフィンフィルムからの水分を除去するためにガスバリア層を成膜する前に、真空中での巻返しやIRヒーターなどによる加熱手段が有効である。
この際、ガスバリア層を成膜する際の水分圧としては、2×10−3Pa以下が好ましく、さらに好ましくは5×10−4Pa以下である。水分圧が2×10−3Paを超える場合、ガスバリア層中に水素が取り込まれ、ネットワーク(例えば、M−O−)の成長が停止する。このため、ガスバリア層の連続性が乏しくなり、ガスバリア性が低下してしまう。
これらの手法はAFMやTEMでも観察できない1nm以下のサイズのガスバリア中の欠陥を抑制するのに有効である。このような手法と特定の保護層積層することにより、JIS K7126−1で規定されている差圧法により求められる環状ポリオレフィンフィルムのヘリウムガス(He)の溶解度(SHe )とガスバリア膜と保護層を積層した封止フィルムのヘリウムガス(He)の溶解度(SHe )との比(SHe /SHe )が0.1以下とすることができる。
さらに、優れたガスバリア性をもったガスバリア層を安定的に得るために、成膜装置内に光学特性(透過率、カラー)測定装置を設けることが好ましい。光学特性の測定によりガスバリア層の膜厚,酸化度が確認できる。また、膜厚測定のために蛍光X線を用いてインラインで測定することも有効である。
(保護層)
本発明における保護層としては、重量平均分子量22,000〜40,000のポリエステル樹脂と、ポリイソシアネートとを含む塗工液を塗工した保護層が挙げられる。特定の重量平均分子量を有するポリエステル樹脂とポリイソシアネートとを含む塗工液をガスバリア層上に塗工することにより、ガスバリア層中に存在する微小な欠損部分に本塗工液が均一に浸透し、熱により硬化し、ガスバリア層の欠損部分を修復できる。また、ガスバリア層を保護層が覆うことで、加工工程におけるこすれやずり、また工程で使用される溶剤からガスバリア層を保護し、バリア性を維持することができる。
保護層の構成成分である、重量平均分子量22,000〜40,000のポリエステル樹脂は、ポリイソシアネートによる架橋構造を取ることで耐水性に優れ、高温高湿下においても樹脂自体の劣化が起こりにくい。このため、ガスバリア性に優れるとともに、EVAなどの封止剤との密着性に優れる。
本発明で使用するポリエステル樹脂は、多価カルボン酸成分としてテレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、オルソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、ジメチルフタル酸などを使用し、多価アルコール成分として、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジプロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオールおよびビスフェノールAなどを使用し、COOH基とOH基とを当量比にてOH基過剰の状態で両者を反応させることによって得られる。
また、本発明で使用するポリエステル樹脂は、その重量平均分子量が22,000〜40,000であることが必要であり、好ましくは23,000〜39,000、より好ましくは24,000〜38,000である。該分子量は、使用する多価カルボン酸成分および多価アルコール成分の当量と使用量とによって上記範囲とすることができる。分子量が22,000よりも低いと、無機薄膜上に形成される保護層が硬く脆くなり、保護層としての充分な性能が得られない。一方、分子量が40,000を超えると、ポリイソシアネートで架橋しても、架橋が不十分となり、加工工程で使用される有機溶剤に対する耐久性が充分に得られないので好ましくない。
また、本発明で使用するポリエステル樹脂は、その水酸基価が60mgKOH/g以下であることが好ましく、より好ましくは50以下、さらに好ましくは40以下である。該水酸基価は使用する多価カルボン酸成分の当量および多価アルコール成分の当量とを決めることによって上記範囲とすることができる。水酸基価が60を超えると、過剰な架橋構造によって、形成される保護層被膜が硬くなり、伸びのない膜となるので好ましくない。
本発明の塗工液は、上記ポリエステル樹脂を有機溶剤に溶解し、使用時にポリイソシア
ネートを添加する。ポリエステル樹脂の濃度は通常約20〜50質量%である。使用する
有機溶剤としては、上記ポリエステル樹脂を溶解することが可能であれば特に限定される
ことはなく、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトンなどのケトン類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類の
うち単独または任意に配合したものが使用される。好ましくは塗膜加工および臭気の面か
らトルエンとメチルエチルケトンを混合したものが好ましい。
上記で使用するポリイソシアネートは、従来公知の架橋剤として知られているポリイソ
シアネートの何れでもよく、特に限定されないが、1分子中に活性イソシアネート基が3
個以上存在し、イソシアネート基の量が12質量%以上(固形分換算)であるポリイソシ
アネートが好適であり、例えば、コロネートLの商品名で、日本ポリウレタン(株)から
入手して使用できる。
前記ポリイソシアネートの使用量は前記ポリエステル樹脂に対して1〜20質量%の割合で添加することが好ましい。より好ましくは3〜15質量%である。添加量が20質量%を超えると、イソシアネート基が過剰となり、形成される被覆層が硬くなり、保護層の柔軟性が損なわれる。一方、イソシアネートが1質量%未満であると、イソシアネート基が不足し、架橋構造を有する保護層が得られず、溶剤に対する耐溶剤性が不十分となる。
上記本発明の塗工液には適当な添加剤を添加することもできる。例えば、ガスバリア層に酸化珪素を含有する場合、塗工液の塗工面は酸化珪素膜であることから、前記塗工液にシランカップリング剤を添加することで、保護層の酸化珪素薄膜層に対する接着性や耐水性を改良することができる。さらに保護層のブロッキング防止あるいはスリッピング性向上のために、二酸化珪素、脂肪酸アミド、ポリエチレンワックスなどを前記塗工液に添加することができる。
ガスバリア層上に設けられる保護層は、屈折率が1.45以上1.65以下の範囲にあることが、透明性を向上させ、有機ELなどのデバイスに用いた際の視認性を向上させる点から好ましい。ポリエステルとイソシアネートを用いた場合、市販で入手できるものでは1.45が下限である。一方、屈折率が1.65を越えると、光線透過率が低下しやすくなる。例えば、ガスバリア層の屈折率が1.50〜1.60であるために、保護層の屈折率が1.65を超えると、ガスバリア層と保護層との屈折率差が大きくなるために、界面での反射が大きくなり、全光線透過率を90%以上とすることが困難となる。
(ハードコート層)
また、タッチパネルとした際の最外層(ペン入力面)の耐擦傷性を、さらに改善させるために、透明プラスチックフィルムの透明導電性薄膜層を形成させた表面の反対面(タッチパネルとした際の最外層のペン入力面)に、ハードコート層を設けることが好ましい。前記ハードコート層の硬度は、鉛筆硬度で2H以上であることが好ましい。2H未満の硬度では、透明導電性積層フィルムのハードコート層としては耐擦傷性の点で不十分である。
前記のハードコート層の厚みは0.5〜10μmであることが好ましい。厚みが0.5μm未満では、耐擦傷性が不十分となりやすく、10μmよりも厚い場合には生産性の観点から好ましくない。
前記のハードコート層に用いられる硬化型樹脂組成物は、アクリレート系の官能基を有する樹脂が好ましく、例えば、比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコール等の多官能性化合物の(メタ)アクリート等のオリゴマー又はプレポリマーなどが挙げられる。
また、反応性希釈剤としては、エチル(メタ)アクリート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等の単官能モノマー並びに多官能モノマー、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等を比較的多量に含有するものが使用できる。
本発明では、オリゴマーとしてウレタンアクリレート、モノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等を混合することが好ましい。
また、前記ハードコート層に用いられる硬化型樹脂組成物としては、ポリエステルアクリレートとポリウレタンアクリレートとの混合物が特に好適である。ポリエステルアクリレートは塗膜が非常に硬くてハードコート層として適している。しかしながら、ポリエステルアクリレート単独の塗膜では耐衝撃性が低く脆くなりやすいという問題がある。そこで、塗膜に耐衝撃性及び柔軟性を与えるために、ポリウレタンアクリレートを併用することが好ましい。すなわち、ポリエステルアクリレートにポリウレタンアクリレートを併用することで、塗膜はハードコート層としての硬度を維持しながら、耐衝撃性及び柔軟性という機能を具備することができる。
両者の配合割合は、ポリエステルアクリレート樹脂100質量部に対し、ポリウレタンアクリレート樹脂を30質量部以下とするのが好ましい。ポリウレタンアクリレート樹脂の配合割合が30質量部を超えると、塗膜が柔らかくなりすぎて耐衝撃性が不十分となる傾向がある。
前記の硬化型樹脂組成物の硬化方法は、通常の硬化方法、すなわち、加熱、電子線又は紫外線の照射によって硬化する方法を用いることができる。例えば、電子線硬化の場合は、コックロフトワルトン型、ハンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器から放出される50〜1000keV、好ましくは100〜300keVのエネルギーを有する電子線等が使用される。また、紫外線硬化の場合には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハイライドランプ等の光線から発する紫外線等が利用できる。
さらに、電離放射線硬化の場合には、前記の硬化型樹脂組成物中に光重合開始剤や光増感剤を含有させることが好ましい。光重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テトラメチルチウラムモノサルファイド、チオキサントン類などが挙げられる。また、光増感剤としては、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等が好ましい。
さらに、傷つき防止の目的で保護フィルムを貼り合せることも有効である。この際、保護フィルムとしては、厚みが5 0 〜 5 0 0 μm であり、かつ1 3 0 ℃ 1 時間熱処理後の収縮率がフィルム面内のいずれの方向において0 . 2 % 未満であるフィルムを有するのが好適である。
(封止フィルム)
本願発明の封止フィルムの透過率は85%以上が好ましく、さらに88%以上が好ましく、特に90%以上であることが好ましい。透過率が85%未満であると電子ペーパーなどの封止フィルムとして用いた場合、デバイスの透明性が低くなり、視認性が劣る。有機ELの封止フィルムは、透過率90%以上が望まれる。このためにはガスバリア層(n)と保護層(n)の屈折率差|n−n|およびガスバリア層(n)と環状ポリオレフィンフィルム(n)の屈折率差|n−n|を低減することが有効である。|n−n|または|n−n|が0.1を超えると透過率を90%以上とすることが困難となる。
また、カラーb値は−1.0〜4.0が好ましい。−1.0未満であるとデバイスの青味が強くなり、また4.0を超えると黄色味が強くなり、視認性が劣る。
本願発明のガスバリア性積層フィルムの水蒸気透過率は0.1g/m/day以下が好ましく、さらに0.01g/m/day以下が好ましく、特に0.005g/m/day以下が好ましい。有機ELの封止フィルムは、0.005g/m/day以下が望まれ、これを超えると有機ELなどのデバイスを長期使用中にデバイス中に徐々に水分が入り込み、デバイスの劣化が起こりやすく好ましくない。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。なお、ガスバリア性積層フィルムの性能は、下記の方法により測定した。
(1)全光線透過率
JIS−K7136に準拠し、日本電色工業(株)製、NDH−1001DPを用いて、全光線透過率を測定した。
(2)カラーb値
JIS−K7105に準拠し、色差計(日本電色工業製、ZE−2000)を用いて、標準の光C/2でカラーb値を測定した。
(3)ガスバリア層の膜厚および屈折率
ガスバリア層、透明導電性薄膜層を積層したフィルム試料片を1mm×10mmの大きさに切り出し、電子顕微鏡用エポキシ樹脂に包埋した。これをウルトラミクロトームの試料ホルダに固定し、包埋した試料片の短辺に平行な断面薄切片を作製した。次いで、この切片の薄膜の著しい損傷がない部位において、透過型電子顕微鏡(JEOL社製、JEM−2010)を用い、加速電圧200kV、明視野で観察倍率1万倍にて写真撮影を行って得られた写真から膜厚を求めた。さらに、シリコンウェハー上にガスバリア層を同成膜条件にて作製した試料について分光エリプソメーター(大塚電子株式会社製、FE−5000)を用いて550nmの屈折率を評価した。また、ガスバリア層を設けたフィルムの分光透過率測定データに対して光学シミュレーションソフトを用いてフィッティングを行い、屈折率を算出した。この際、ガスバリア層の膜厚は前記膜厚評価方法により評価した値を用いた。さらにこのように算出したガスバリア層の屈折率がシリコンウェハー上のガスバリア層の屈折率と大差ないことを確認した。
(4)水蒸気透過率
JIS K7129 B法に準じて、水蒸気透過度測定装置(AQUATRAN MOCOM社製)を用い、温度40℃、湿度90%RHの雰囲気下で水蒸気透過度を測定した。ガスバリア性積層フィルムへの調湿は、ガスバリア層を設けた側から透明プラスチック側に水蒸気が透過する方向とした。
(5)保護層、環状ポリオレフィンフィルムの屈折率
JIS K 7142−1996 5.1(A法)により、ナトリウムD線を光源としてアッベ屈折計により屈折率を測定した。
(6)高温・高湿下での環境試験
ガスバリア性積層フィルムを、(株)ナガノ科学機械製作所製のLH43−12Pを用いて60℃、95%RHの雰囲気下で500時間暴露した。この処理後に水蒸気透過率を測定した。
(7)封止剤との密着性
得られた封止フィルムを100mm幅×100mm長、EVAシートを70mm幅×90mm長に切り出したもの用意し、フィルム(保護層面)/下記記載のEVA/(保護層面)フィルムの構成で重ね、真空ラミネーターで下記記載の接着条件で加熱圧着し、サンプルを作製した。作製したサンプルを20mm幅×100mm長に切り出した後、SUS板に貼りつけ、下記記載の条件で引張り試験機でフィルム層とEVA層の剥離強度を測定した。剥離強度は極大点を越えた後に安定して剥離している部分の平均値として求めた。下記の基準でランク分けした。
○:50N/20mm以上、または、フィルムの材破
×:50N/20mm未満
(サンプル作製条件)
装置:真空ラミネーター エヌ・ピー・シー社製 LM−30×30型
加圧:1気圧
EVA:サンビック製 Urtla Pearl PV(0.45μm)
ラミネート工程:125℃(真空5分、真空加圧15分)
(測定条件)
装置:テンシロン 東洋BALDWIN社製 RTM−100
剥離速度:200mm/分
剥離角度:180度
(8)ヘリウム、アルゴンガスの溶解度
以下に本発明で用いたヘリウムおよびアルゴンガスの溶解度係数(S)の測定方法について説明するが、ここに記載の方法に限定されない。
測定は、差圧法による。試料フィルムの片面を低圧に保ち、他方の面に一定のガス圧を加え、その差圧により、試料フィルムを透過してくるガスによる低圧側の圧力上昇を検出し、透過度を知る方法である。圧力検出は、高精度バラトロン圧力変換器6を用いた。
図1に装置の略図を示す。透過セルはサンプルフィルムによって上部セル1(セル高圧側)と下部セル2(セル低圧側)に仕切られ、それぞれ真空ポンプ5によって排気される。低圧セル2にはバラトロン圧力変換器6が接続されている。
測定手順は、まずサンプルフィルムを所定の大きさφ30の大きさにカットし、セルにそのサンプルをセットする。その後一旦セルをポンプ5で空気を排気する。
続いて、測定するヘリウムまたはアルゴンをガスボンベ3からガス留めタンク4に導入する。上部セル1(セル高圧側)を1013hPaにして測定を行った。また、下部セル2(セル低圧側)は1Pa以下まで真空引きした後、測定を行った。測定温度は25℃に設定した。
測定を開始するために上部セル1(セル高圧側)にヘリウムまたはアルゴンを導入する。ヘリウムまたはアルゴンを導入した時点から経過時間で下部セル2(セル低圧側)の圧力変化を測定し、圧力上昇率が一定になるまで測定を行う。定常状態に達した時点で測定を停止する。定常状態に達するまでにかかった時間は、遅れ時間(θ)と定義でき、遅れ時間(θ)から拡散係数(D)を算出できる。遅れ時間θは以下の式(1)で表すことができ、拡散係数(D)を算出した。また、式(2)により気体透過度(GTR)、式(3)により気体透過係数(P)を算出した。さらに、溶解度係数(S)は式(4)により算出した。
θ=L2/6D 式(1)
D:拡散係数(m/sec)
L:サンプルフィルムの厚み(m)
θ:時間(sec)

GTR=[V/(R×T×P×A)]×(dp/dt) 式(2)
GTR:気体透過度(mol/(m・s・Pa))
V:下部セル2(セル低圧側)の容積(L)
A:サンプルフィルムの透過面積(m
T:試験温度(K)
P:供給気体の差圧(Pa)
dp/dt:単位時間(s)における低圧側の圧力変化(Pa)
R:気体定数

P=GTR×L 式(3)

S=P/D 式(4)
〔実施例1〕
光等方性を有する環状ポリオレフィンフィルムとして、厚み100μm、屈折率1.53、レターデーションが3nm、Raが0.5nmのZEONORフィルム(ZF−14、日本ゼオン社製)を用いた。
ZEONORフィルムを真空チャンバーにセットする前に、環状ポリオレフィンフィルムの表面を微粘着ロールに接触させ、フィルム表面の付着物を積極的に除去した。
続いてZEONORフィルムの片面に、ガスバリア層を成膜するために、フィルムの真空暴露を行った。真空チャンバーで巻き返し処理を行い、このときの圧力は2×10−3Paであり、暴露時間は20分とした。また、センターロールの温度は40℃とした。
その後、ZEONORフィルムの片面に、酸化アルミニウムからなるガスバリア層を成膜した。このときスパッタリング前の真空チャンバーの水圧力が1×10−4Paであることを確認後、実施した。スパッタリングの条件は、ターゲットにAl(テクノファイン社製)を用い、3W/cmのDC電力を印加した。また、Arガスを流し、0.4Paの雰囲気下とし、DCマグネトロンスパッタリング法を用いて成膜した。この際、磁場強度は600ガウスであった。また、センターロール温度は0℃として、Gencoa社製のSpeedfloを用いてスパッタリング時の放電電圧が一定になるように酸素流量を制御しながら行った。この際、Arガスのみを流した場合の放電電圧を100%、ArガスとOガスを50sccm流した場合の放電電圧を0%とした時、50%の値の放電電圧になるように設定した。以上のようにして、膜厚32nm、屈折率1.61のガスバリア層を堆積させた。
次に、ガスバリア膜上に次に示す塗工液を用いてグラビアロールコート法によってガスバリア層上に塗布し、120℃で乾燥させ、保護層を得た。乾燥後の塗布量は0.3g/m(dry)であった。
(塗工液)
重量平均分子量35,000のポリエステル樹脂(テレフタル酸、イソフタル酸、エチレングリコールおよびプロピレングリコールを主成分としてなるポリエステル)25部を、酢酸プロピル35部および酢酸エチル40部に溶解し(ポリエステル溶液)、該溶液および、酢酸エチル、酢酸プロピル、イソシアネート基を有するポリイソシアネート(コロネートL、日本ポリウレタン(株)製)を、下記の重量比で混合し、作製した。
酢酸エチル 42.50質量%
酢酸プロピル 44.20質量%
ポリエステル溶液 12.00質量%
ポリイソシアネート 1.30質量%
〔実施例2〕
実施例1において保護層を形成する塗工液に用いるポリエステル樹脂の重量平均分子量を25,000のポリエステル樹脂に変更する以外は実施例1と同様の手順でサンプルを作製し、評価した。
〔実施例3〕
実施例1において保護層を形成する塗工液に用いるポリエステル樹脂の重量平均分子量を39,000のポリエステル樹脂に変更する以外は実施例1と同様の手順でサンプルを作製し、評価した。
〔実施例4〕
ガスバリア層を積層する前に、透明プラスチックフィルムの表面をリニアイオンソース(Advanced Energy社製)を用いてイオンビームモードでNプラズマ処理し、ガスバリア層の膜厚を150nmとする以外は実施例1と同様にして封止フィルムを作製した。
〔実施例5〕
実施例1で作製したガスバリア性積層フィルムのガスバリア層を形成した面とは反対の面に、紫外線硬化樹脂(JSR株式会社の「デソライトZ7524」)からなる厚み5μmのハードコート層を設けてハードコート層付封止フィルムを作製した。
〔実施例6〕
ガスバリア層をAl−SiOに変更する以外は、実施例1記載と同様にしてガスバリア性積層フィルムを作製した。Al−SiOの成膜は、スパッタリング前の真空チャンバーの水圧力が1×10−4Paであることを確認後、実施した。スパッタリングの条件は、ターゲットにAl−Si(組成比Al:Si=5:5、高純度化学製)を用い、3W/cmのDC電力を印加した。また、Arガスを流し、0.4Paの雰囲気下とし、DCマグネトロンスパッタリング法を用いて成膜した。この際、磁場強度は600ガウスであった。また、センターロール温度は0℃として、Gencoa社製のSpeedfloを用いてスパッタリング時の放電電圧が一定になるように酸素流量を制御しながら行った。この際、Arガスのみを流した場合の放電電圧を100%、ArガスとO2ガスを50sccm流した場合の放電電圧を0%とした時、50%の値の放電電圧になるように設定した。以上のようにして、膜厚40nm、屈折率1.52のガスバリア層を成膜した。
〔実施例7〕
実施例1においてガスバリア層を積層する際のセンターロールの温度を100℃とする以外は実施例7と同様にして封止フィルムを作製した。
〔実施例8〕
実施例1においてガスバリア層を成膜する際の磁場強度を1000ガウスとする以外は実施例1と同様にしてガスバリア性積層フィルムを作製した。
〔実施例9〕
実施例1においてガスバリア層の膜厚を8nmに変更する以外は、実施例1と同様の手順でサンプル作製し、評価した。
〔実施例10〕
実施例1においてガスバリア層の膜厚を230nmに変更する以外は、実施例1と同様の手順でサンプル作製し、評価した。
〔実施例11〕
ガスバリア層を窒化アルミニウムに変更した。窒化アルミニウムの成膜は、スパッタリング前の真空チャンバーの水圧力が1×10−3Paであることを確認後、実施した。スパッタリングの条件は、ターゲットにAl(テクノファイン社製)を用い、2W/cmのDC電力を印加した。また、Arガスを流し、0.4Paの雰囲気下とし、DCマグネトロンスパッタリング法を用いて成膜した。この際、磁場強度は250ガウスであった。また、センターロール温度は0℃として、Gencoa社製のSpeedfloを用いてスパッタリング時の放電電圧が一定になるように酸素流量を制御しながら行った。この際、Arガスのみを流した場合の放電電圧を100%、ArガスとNガスを50sccm流した場合の放電電圧を0%とした時、50%の値の放電電圧になるように設定した。以上のようにして、膜厚29nm、屈折率2.12のガスバリア層を成膜した。続いて実施例1と同様な方法で保護層を形成した。
〔実施例12〕
ガスバリア層をジルコニア−シリコン複合酸化物(ZrO−SiO)からなる薄膜に変更した。ジルコニア−シリコン複合酸化物(ZrO−SiO)の成膜は、スパッタリング前の真空チャンバーの水圧力が1×10−3Paであることを確認後、実施した。ターゲットとしてZrSi(三井金属製)に用いて、Arガスを流し、0.4Paの雰囲気下とし、2W/cmのDC電力を印加し、DCマグネトロンスパッタリング法を用いて成膜した。また、センターロール温度は0℃として、Gencoa社製のSpeedfloを用いてスパッタリング時の放電電圧が一定になるように酸素流量を制御しながら行った。この際、磁場強度は250ガウスであった。この際、Arガスのみを流した場合の放電電圧を100%、ArガスとNガスを50sccm流した場合の放電電圧を0%とした時、50%の値の放電電圧になるように設定した。以上のようにして、厚さ30nm、屈折率1.80のガスバリア層を堆積させた。続いて実施例1と同様な方法で保護層を形成した。
〔比較例1〕
光等方性を有する環状ポリオレフィンフィルムとして、厚み100μm、屈折率1.53、レターデーションが3nm、Raが2nmのZEONORフィルム(ZF−16、日本ゼオン社製)を用いた。
ZEONORフィルムの片面に、酸化アルミニウムからなるガスバリア層を成膜した。このときスパッタリング前の真空チャンバーの水圧力が3×10−3Paであることを確認後、実施した。スパッタリングの条件は、ターゲットにAl(テクノファイン社製)を用い、3W/cmのDC電力を印加した。また、Arガスを流し、0.4Paの雰囲気下とし、DCマグネトロンスパッタリング法を用いて成膜した。この際、磁場強度は250ガウスであった。また、センターロール温度は0℃として、Gencoa社製のSpeedfloを用いてスパッタリング時の放電電圧が一定になるように酸素流量を制御しながら行った。この際、Arガスのみを流した場合の放電電圧を100%、ArガスとOガスを50sccm流した場合の放電電圧を0%とした時、50%の値の放電電圧になるように設定した。以上のようにして、膜厚40nm、屈折率1.59のガスバリア層を堆積させた。なお、ガスバリア膜上に保護層は形成しなかった。
〔比較例2〕
実施例1において保護層を形成する塗工液にポリイソシアネートを含有しない以外は、実施例1と同様の手順でサンプルを作製し、評価した。
〔比較例3〕
実施例1において保護層を形成する塗工液に用いるポリエステル樹脂の重量平均分子量を1,000のポリエステル樹脂に変更する以外は実施例1と同様の手順でサンプルを作製し、評価した。
上記結果を表1に示す。
表1の結果より、本願発明の範囲を満足する実施例1〜12記載の封止フィルムは、透明性および水蒸気バリア性に優れ、かつEVA封止剤との密着性に優れていた。
一方、本願発明の範囲を満足しない比較例1〜3に記載のガスバリア性積層フィルムは透明性、または水蒸気バリア性、またはEVA封止剤との密着性が不十分であった。
本発明の封止フィルムは、透明性および水蒸気バリア性に優れ、かつEVAなどの封止剤との密着性に優れるため、有機ELなどの封止用フィルムとして特に好適である。
気体透過係数測定装置の略図である。 本発明の封止フィルムの説明図である。
1:上部セル
2:下部セル
3:ガスボンベ
4:ガス溜めタンク
5:真空ポンプ
6:高精度バラトロン圧力変換器
11:環状ポリオレフィンフィルム
12:ガスバリア層
13:保護層
20:封止フィルム

Claims (9)

  1. 光学等方性を有する環状ポリオレフィンからなるフィルム基材の少なくとも片面上に直接、または他の層を介して、無機物からなるガスバリア層を積層し、さらに保護層を設けた封止フィルムであって、前記保護層が重量平均分子量22,000〜40,000のポリエステル樹脂と、ポリイソシアネートとを含む塗工液を塗工した保護層であることを特徴とする封止フィルム。
  2. 前記無機物からなるガスバリア層が酸化アルミニウムを含有するセラミック薄膜からなり、40℃、90%RHにおける水蒸気バリア性が0.005g/m/day以下であることを特徴とする請求項1記載の封止フィルム。
  3. JIS K7126−1で規定されている差圧法により求められる環状ポリオレフィンフィルムのアルゴンガス(Ar)の溶解度(SAr )と請求項1記載の封止フィルムのアルゴンガス(Ar)の溶解度(SAr )との比(SAr /SAr )が0.02以下であることを特徴とする請求項1〜2記載の封止フィルム。
  4. JIS K7126−1で規定されている差圧法により求められる環状ポリオレフィンフィルムのヘリウムス(He)の溶解度(SHe )と請求項1記載の封止フィルムのヘリウムガス(He)の溶解度(SHe )との比(SHe /SHe )が0.1以下であることを特徴とする請求項1〜3記載の封止フィルム。
  5. 前記ガスバリア層が高磁場マグネットを用いた低電圧スパッタリング法により形成されたことを特徴とする請求項1〜4記載の封止フィルム。
  6. 前記ガスバリア層が反応性スパッタリング法によるインピーダンス制御法により形成されたことを特徴とする請求項1〜5記載の封止フィルム。
  7. 前記封止フィルムの全光線透過率が90%以上である請求項1〜6記載の封止フィルム。
  8. 前記環状ポリオレフィンフィルム、ガスバリア層、保護層の各屈折率が以下の条件を満足することを特徴とする請求項1〜7記載の封止フィルム。
    |n−n|≦0.1および|n−n|≦0.1
    :ガスバリア層の屈折率
    :環状ポリオレフィンフィルムの屈折率
    :保護層の屈折率
  9. 請求項1〜8記載の封止フィルムのガスバリア層を設けた面とは反対の面にハードコート層を設けたことを特徴とする請求項1〜8記載の封止フィルム。
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