JP2016095974A - 基材フィルム、バリア積層体及び有機エレクトロルミネッセンス表示装置 - Google Patents

基材フィルム、バリア積層体及び有機エレクトロルミネッセンス表示装置 Download PDF

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弘昌 橋本
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Abstract

【課題】レターデーションが小さく、且つ、水分の透過を妨げる能力に優れたバリア積層体を実現しうる、有機EL表示装置のバリア層形成用の基材フィルムを提供する。【解決手段】有機エレクトロルミネッセンス表示装置のバリア層形成用の基材フィルムであって、前記基材フィルムが、脂環式オレフィン樹脂からなる層を備え、前記基材フィルムの面内レターデーションが、10nm以下であり、前記基材フィルムの厚み方向のレターデーションの絶対値が、10nm以下である、基材フィルム。【選択図】なし

Description

本発明は、基材フィルム、並びに、前記基材フィルムを備えたバリア積層体及び有機エレクトロルミネッセンス表示装置に関する。
現在、表示装置としては液晶表示装置が主流であるが、近年では、液晶表示装置に次いで有機エレクトロルミネッセンス表示装置に注目が集まっている。以下、有機エレクトロルミネッセンスのことを「有機EL」と略称することがある。有機EL表示装置は、一般にバックライトが不要である自発光型のフラットパネルディスプレイであり、自発光型ディスプレイに特有の視野角の広いディスプレイが実現できるという利点を有している。
ところで、有機EL表示装置を構成する有機EL素子は、発光層に用いられる有機発光材料の寿命が短かい。すなわち、発光領域を構成する有機層などへの水分や酸素の進入による素子劣化が発生しやすく、これに伴い、ダークスポットの発生及び成長;並びに発光効率の低下を招くことがある。そのため、通常は、有機EL表示装置の表示面には、水分の透過を妨げるバリア積層体が設けられる。
バリア積層体は、一般に、基材と、この基材上に設けられたバリア層とを含む複層構造を有している。従来、バリア積層体の基材としてはガラス基材を用いることが多かったが、近年では、基材として樹脂製の基材フィルムを用いることが提案されている(特許文献1〜3参照)。
特開2011−201043号公報 特開2009−190186号公報 特開2011−231269号公報
基材として樹脂製の基材フィルムを用いることにより、バリア積層体の軽量化、薄膜化及び大型化を進めることができる。ところが、樹脂製の基材フィルムは、レターデーションを有することがある。レターデーションを有する基材フィルムを備えたバリアフィルムは、有機EL表示装置の表示性能を低下させる可能性があった。例えば、レターデーションを有する基材フィルムを備えたバリア積層体を有機EL表示装置に設けると、当該有機EL表示装置の表示面に光抜けが生じたり、表示面を傾斜方向から見たときに表示面が着色したり、表示面に表示される画像のコントラストが低下したりすることがあった。ここで「光抜け」とは、有機EL表示装置内部からの反射光が視認側へ抜けてきて、表示面を黒く表示すべき黒表示の際に表示面の一部が意図せず明るく表示される現象をいう。また、ある面の傾斜方向とは、当該面に平行でも垂直でもない方向を意味し、具体的には前記面の極角が0°より大きく90°より小さい範囲の方向を指す。
本発明は前記の課題に鑑みて創案されたもので、レターデーションが小さく、且つ、水分の透過を妨げる能力に優れたバリア積層体を実現しうる、有機EL表示装置のバリア層形成用の基材フィルム;前記の基材フィルムを備えたバリア積層体;並びに、前記のバリア積層体を備える有機EL表示装置;を提供することを目的とする。
本発明者は前記の課題を解決するべく鋭意検討した結果、有機エレクトロルミネッセンス表示装置のバリア層形成用の基材フィルムであって、脂環式オレフィン樹脂からなる層を備え、且つ、所定範囲の面内レターデーション及び厚み方向のレターデーションの絶対値を有する基材フィルムが、当該基材フィルムのレターデーションを小さくでき、且つ、水分の透過を妨げる能力に優れたバリア積層体を実現しうることを見い出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記の通りである。
〔1〕 有機エレクトロルミネッセンス表示装置のバリア層形成用の基材フィルムであって、
前記基材フィルムが、脂環式オレフィン樹脂からなる層を備え、
前記基材フィルムの面内レターデーションが、10nm以下であり、
前記基材フィルムの厚み方向のレターデーションの絶対値が、10nm以下である、基材フィルム。
〔2〕 前記脂環式オレフィン樹脂のガラス転移温度が、120℃〜180℃であり、
前記脂環式オレフィン樹脂からなる層の厚みが、20μm〜150μmである、〔1〕記載の基材フィルム。
〔3〕 〔1〕又は〔2〕記載の基材フィルムと、
前記基材フィルムの少なくとも一方の面に設けられたバリア層と、を備える、バリア積層体。
〔4〕 前記バリア積層体の水蒸気透過率が、0.01g/(m・日)以下である、〔3〕記載のバリア積層体。
〔5〕 前記バリア層が、有機バリア層及び無機バリア層を交互に備える、〔3〕又は〔4〕記載のバリア積層体。
〔6〕 〔3〕〜〔5〕のいずれか一項に記載のバリア積層体及び円偏光板を備える、有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
本発明によれば、レターデーションが小さく、且つ、水分の透過を妨げる能力に優れたバリア積層体を実現しうる、有機EL表示装置のバリア層形成用の基材フィルム;前記の基材フィルムを備えたバリア積層体;並びに、前記のバリア積層体を備える有機EL表示装置;を提供することができる。
以下、本発明について実施形態及び例示物を示して詳細に説明する。ただし、本発明は以下に示す実施形態及び例示物に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。
以下の説明において、「長尺」のフィルムとは、幅に対して、少なくとも5倍以上の長さを有するフィルムをいい、好ましくは10倍若しくはそれ以上の長さを有し、具体的にはロール状に巻き取られて保管又は運搬される程度の長さを有するフィルムをいう。
以下の説明において、フィルムの面内レターデーションReは、別に断らない限り、Re=(nx−ny)×dで表される値である。また、フィルムの厚み方向のレターデーションRthは、別に断らない限り、Rth={(nx+ny)/2−nz}×dで表される値である。ここで、nxは、フィルムの厚み方向に垂直な方向(面内方向)であって最大の屈折率を与える方向の屈折率を表す。nyは、前記面内方向であってnxの方向に直交する方向の屈折率を表す。nzは厚み方向の屈折率を表す。dは、フィルムの厚みを表す。測定波長は、別に断らない限り、590nmである。
以下の説明において、「(メタ)アクリル」は、「アクリル」及び「メタクリル」の両方を包含する。
以下の説明において、ある面の正面方向とは、別に断らない限り、当該面の法線方向を意味し、具体的には前記面の極角0°且つ方位角0°の方向を指す。
以下の説明において、要素の方向が「平行」、「垂直」及び「直交」とは、別に断らない限り、本発明の効果を損ねない範囲内、例えば±5°の範囲内での誤差を含んでいてもよい。
以下の説明において、「偏光板」及び「1/4波長板」とは、別に断らない限り、剛直な部材だけでなく、例えば樹脂製のフィルムのように可撓性を有する部材も含む。
以下の説明において、複数のフィルムを備える部材における各フィルムの光学軸(吸収軸、遅相軸等)がなす角度は、別に断らない限り、前記のフィルムを厚み方向から見たときの角度を表す。
以下の説明において、フィルムの遅相軸とは、別に断らない限り、当該フィルムの面内における遅相軸を表す。
[1.基材フィルム]
〔1.1.基材フィルムの構造〕
本発明の基材フィルムは、有機EL表示装置のバリア層形成用の基材フィルムであって、脂環式オレフィン樹脂からなる層を備える。以下、脂環式オレフィン樹脂からなる層を、適宜「脂環式オレフィン樹脂層」と呼ぶことがある。このような脂環式オレフィン樹脂は、耐熱性及び耐湿性に優れるので、バリア層形成時における環境(例えば、高温環境、高湿環境)において劣化し難く、更に、ガスバリア性能に優れる。
脂環式オレフィン樹脂は、脂環式オレフィン重合体を含む樹脂である。また、脂環式オレフィン重合体は、その重合体の構造単位が脂環式構造を有する重合体である。このような脂環式オレフィン樹脂は、通常、親水性が低く、水分を遮断する能力に優れる。そのため、脂環式オレフィン樹脂層をバリア層形成用の基材フィルムとして用いることにより、水分の透過を妨げる能力に優れたバリア積層体を実現できる。
脂環式オレフィン重合体は、通常は非結晶性の重合体であり、例えば、主鎖に脂環式構造を有する重合体、側鎖に脂環式構造を有する重合体、主鎖及び側鎖に脂環式構造を有する重合体、並びに、これらの2以上の任意の比率の混合物としうる。中でも、機械的強度及び耐熱性の観点から、主鎖に脂環式構造を有する重合体が好ましい。
脂環式構造の例としては、飽和脂環式炭化水素(シクロアルカン)構造、及び不飽和脂環式炭化水素(シクロアルケン、シクロアルキン)構造が挙げられる。中でも、機械強度及び耐熱性の観点から、シクロアルカン構造及びシクロアルケン構造が好ましく、中でもシクロアルカン構造が特に好ましい。
脂環式構造を構成する炭素原子数は、一つの脂環式構造あたり、好ましくは4個以上、より好ましくは5個以上であり、好ましくは30個以下、より好ましくは20個以下、特に好ましくは15個以下である。脂環式構造を構成する炭素原子数がこの範囲であると、基材フィルムの機械強度、耐熱性及び成形性が高度にバランスされる。
脂環式オレフィン重合体において、脂環式構造を有する構造単位の割合は、好ましくは55重量%以上、さらに好ましくは70重量%以上、特に好ましくは90重量%以上である。脂環式オレフィン重合体における脂環式構造を有する構造単位の割合がこの範囲にあると、基材フィルムの透明性及び耐熱性が良好となる。
脂環式オレフィン重合体の中でも好ましいものとしては、ノルボルネン重合体、単環の環状オレフィン重合体、環状共役ジエン重合体、ビニル脂環式炭化水素重合体、及び、これらの水素化物等が挙げられる。これらの中でも、ノルボルネン重合体は、透明性及び成形性が良好なため、特に好適である。
ノルボルネン重合体の例としては、ノルボルネン構造を有する単量体の開環重合体及びその水素化物;ノルボルネン構造を有する単量体の付加重合体及びその水素化物が挙げられる。また、ノルボルネン構造を有する単量体の開環重合体の例としては、ノルボルネン構造を有する1種類の単量体の開環単独重合体、ノルボルネン構造を有する2種類以上の単量体の開環共重合体、並びに、ノルボルネン構造を有する単量体及びこれと共重合しうる他の単量体との開環共重合体が挙げられる。さらに、ノルボルネン構造を有する単量体の付加重合体の例としては、ノルボルネン構造を有する1種類の単量体の付加単独重合体、ノルボルネン構造を有する2種類以上の単量体の付加共重合体、並びに、ノルボルネン構造を有する単量体及びこれと共重合しうる他の単量体との付加共重合体が挙げられる。これらの重合体としては、例えば、特開2002−321302号公報等に開示されている重合体が挙げられる。これらの中で、ノルボルネン構造を有する単量体の開環重合体の水素化物は、透明性、成形性、耐熱性、低吸湿性、寸法安定性、軽量性などの観点から、特に好適である。
ノルボルネン構造を有する単量体の例としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(慣用名:ノルボルネン)、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)、7,8−ベンゾトリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン(慣用名:メタノテトラヒドロフルオレン)、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン(慣用名:テトラシクロドデセン)、およびこれらの化合物の誘導体(例えば、環に置換基を有するもの)を挙げることができる。ここで、置換基の例としては、アルキル基、アルキレン基、及び極性基を挙げることができる。また、これらの置換基は、同一または相異なって、複数個が環に結合していてもよい。ノルボルネン構造を有する単量体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
極性基の例としては、ヘテロ原子、及びヘテロ原子を有する原子団が挙げられる。ヘテロ原子の例としては、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケイ素原子、及びハロゲン原子が挙げられる。極性基の具体例としては、カルボキシル基、カルボニルオキシカルボニル基、エポキシ基、ヒドロキシル基、オキシ基、エステル基、シラノール基、シリル基、アミノ基、アミド基、イミド基、ニトリル基、及びスルホン酸基が挙げられる。
ノルボルネン構造を有する単量体と開環共重合可能な単量体の例としては、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどのモノ環状オレフィン類およびその誘導体;シクロヘキサジエン、シクロヘプタジエンなどの環状共役ジエンおよびその誘導体が挙げられる。ノルボルネン構造を有する単量体と開環共重合可能な単量体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
ノルボルネン構造を有する単量体の開環重合体は、例えば、単量体を開環重合触媒の存在下に重合又は共重合することにより製造しうる。
ノルボルネン構造を有する単量体と付加共重合可能な単量体の例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテンなどの炭素原子数2〜20のα−オレフィンおよびこれらの誘導体;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセンなどのシクロオレフィンおよびこれらの誘導体;並びに1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエンなどの非共役ジエンが挙げられる。これらの中でも、α−オレフィンが好ましく、エチレンがより好ましい。また、ノルボルネン構造を有する単量体と付加共重合可能な単量体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
ノルボルネン構造を有する単量体の付加重合体は、例えば、単量体を付加重合触媒の存在下に重合又は共重合することにより製造しうる。
上述した開環重合体及び付加重合体の水素添加物は、例えば、これらの開環重合体及び付加重合体の溶液において、ニッケル、パラジウム等の遷移金属を含む水素添加触媒の存在下で、炭素−炭素不飽和結合を、好ましくは90%以上水素添加することによって製造しうる。
ノルボルネン重合体の中でも、構造単位として、X:ビシクロ[3.3.0]オクタン−2,4−ジイル−エチレン構造と、Y:トリシクロ[4.3.0.12,5]デカン−7,9−ジイル−エチレン構造とを有し、これらの構造単位の量が、ノルボルネン重合体の構造単位全体に対して90重量%以上であり、かつ、Xの割合とYの割合との比が、X:Yの重量比で100:0〜40:60であるものが好ましい。このような重合体を用いることにより、基材フィルムを、長期的に寸法変化がなく、光学特性の安定性に優れるものにできる。
脂環式オレフィン重合体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
脂環式オレフィン重合体の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは10,000以上、より好ましくは15,000以上、特に好ましくは20,000以上であり、好ましくは100,000以下、より好ましくは80,000以下、特に好ましくは50,000以下である。脂環式オレフィン重合体の重量平均分子量がこのような範囲にあるときに、基材フィルムの機械的強度および成型加工性が高度にバランスされ好適である。ここで、前記の重量平均分子量は、溶媒としてシクロヘキサンを用いて(但し、試料がシクロヘキサンに溶解しない場合にはトルエンを用いてもよい)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーで測定したポリイソプレンまたはポリスチレン換算の重量平均分子量である。
脂環式オレフィン重合体の分子量分布(重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))は、好ましくは1以上、より好ましくは1.2以上であり、好ましくは10以下、より好ましくは4以下、特に好ましくは3.5以下である。
脂環式オレフィン重合体における脂環式オレフィン重合体の割合は、好ましくは50重量%〜100重量%、より好ましくは70重量%〜100重量%、特に好ましくは90重量%〜100重量%である。脂環式オレフィン重合体の割合を前記範囲にすることにより、基材フィルムが十分な耐熱性及び透明性を得られる。
脂環式オレフィン重合体を含む樹脂の好適な具体例としては、日本ゼオン社製「ゼオノア1420、ゼオノア1420R」を挙げうる。
脂環式オレフィン樹脂は、脂環式オレフィン重合体に加えて、配合剤を含みうる。配合剤の例を挙げると、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、分散剤、塩素捕捉剤、難燃剤、結晶化核剤、強化剤、ブロッキング防止剤、防曇剤、離型剤、顔料、有機又は無機の充填剤、中和剤、滑剤、分解剤、金属不活性化剤、汚染防止剤、抗菌剤、任意の重合体、熱可塑性エラストマー等が挙げられる。これらの成分は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
脂環式オレフィン樹脂のガラス転移温度Tgは、好ましくは120℃以上、より好ましくは125℃以上、特に好ましくは130℃以上であり、好ましくは180℃以下、より好ましくは175℃以下、特に好ましくは165℃以下である。脂環式オレフィン樹脂のガラス転移温度を前記範囲の下限値以上にすることにより、高温環境下における基材フィルムの耐久性を高めることができる。また、上限値以下にすることにより、基材フィルムの製造を容易に行える。
脂環式オレフィン樹脂層の厚みは、好ましくは20μm以上、より好ましくは30μm以上、特に好ましくは40μm以上であり、好ましくは150μm以下、より好ましくは130μm以下、特に好ましくは100μm以下である。脂環式オレフィン樹脂層の厚みを前記範囲の下限値以上にすることにより、基材フィルムが水分を遮断する能力を十分に高めることができ、また、上限値以下にすることにより、基材フィルムの厚みを薄くできる。
また、基材フィルムは、脂環式オレフィン樹脂層に組み合わせて、任意の層を備えうる。任意の層としては、例えば、基材フィルムの表面の平滑さを向上させるための平坦化層、基材フィルムと他の部材との接着性を向上させるための易接着層などが挙げられる。また、任意の層は、1層のみを単独で設けてもよく、2層以上を任意に組み合わせて設けてもよい。
本発明の基材フィルムは、長尺のフィルムであってもよく、枚葉のフィルムであってもよい。通常、製造効率を高める観点から、基材フィルムは長尺のフィルムとして製造される。また、枚葉の基材フィルムを製造する場合には、長尺の基材フィルムを所望の形状に切り出すことにより、枚葉の基材フィルムを製造しうる。
〔1.2.基材フィルムの物性〕
基材フィルムの面内レターデーションReは、通常10nm以下、好ましくは5nm以下、より好ましくは3nm以下である。このように基材フィルムの面内レターデーションReを小さくすることにより、この基材フィルムによる有機EL表示装置の表示性能の低下を抑制できる。基材フィルムの面内レターデーションReの下限に制限は無く、理想的には0nmである。
基材フィルムの厚み方向のレターデーションの絶対値|Rth|は、通常10nm以下、好ましくは5nm以下、より好ましくは3nm以下である。このように基材フィルムの厚み方向のレターデーションの絶対値|Rth|を小さくすることにより、この基材フィルムによる有機EL表示装置の表示性能の低下を抑制できる。基材フィルムの厚み方向のレターデーションの絶対値|Rth|の下限に制限は無く、理想的には0nmである。
基材フィルムの全光線透過率は、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上である。光線透過率は、JIS K0115に準拠して、分光光度計(日本分光社製、紫外可視近赤外分光光度計「V−570」)を用いて測定しうる。
基材フィルムのヘイズは、好ましくは5%以下、より好ましくは3%以下、特に好ましくは1%以下であり、理想的には0%である。ここで、ヘイズは、JIS K7361−1997に準拠して、日本電色工業社製「濁度計 NDH−300A」を用いて、5箇所測定し、それから求めた平均値を採用しうる。
基材フィルムの少なくとも片面の算術表面粗さRaは、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下、特に好ましくは1μm以下である。基材フィルムの少なくとも片面の算術平均粗さRaを前記のように小さくすることにより、その面に形成されるバリア層での欠陥(ピンホール及び突起等)の発生を抑制できる。よって、バリア積層体の全体においてガスバリア性能を更に高めることができる。そのため、例えばこの基材フィルムを備えるガスバリア積層体を有機EL表示装置に設けた場合に、その有機EL表示装置においてダークスポットの発生を抑制でき、良好な画像表示を得ることができる。また、前記の算術平均粗さRaの下限に特に制限は無いが、通常は0.1μm以上である。基材フィルムの面の算術平均粗さRaは、非接触表面形状測定機(例えばZYGO社製NewViewシリーズ)を用いて測定しうる。
基材フィルムの熱膨張係数は、好ましくは70ppm/K以下、より好ましくは50ppm/K以下、特に好ましくは40ppm/K以下である。基材フィルムの熱膨張係数を前記のように小さくすることにより、バリア層形成時の熱による基材フィルムの寸法変化を抑制できるので、バリア積層体の所望の寸法からのズレを抑制できる。そのため、バリア積層体の水分の透過を妨げる能力を更に高めることができる。さらに、基材フィルムの熱膨張係数を前記のように小さくすることにより、温度変化による基材フィルムからのバリア層の剥離を抑制できる。そのため、バリア積層体の経時的なガスバリア性能の低下を抑制できる。また、前記の熱膨張係数の下限に特に制限は無いが、通常は10ppm/K以上である。基材フィルムの熱膨張係数は、下記の方法により測定しうる。
測定対象となる基材フィルムを20mm×5mmの試料片に切り出す。この試料片を、荷重5.0g、窒素100cc/分、昇温速度0.5℃/分の条件で、30℃から130℃にわたり昇温する。このときの試料片の長さの伸びを測定することにより、熱膨張係数を求める。
基材フィルムの湿度膨張係数は、好ましくは30ppm/%RH以下、より好ましくは10ppm/%RH以下、特に好ましくは1.0ppm/%RH以下である。基材フィルムの湿度膨張係数を前記のように小さくすることにより、湿度変化による基材フィルムからのバリア層の剥離を抑制できる。そのため、バリア積層体の経時的なガスバリア性能の低下を抑制できる。また、前記の湿度膨張係数の下限に特に制限は無いが、通常は0.1ppm/%RH以上である。基材フィルムの湿度膨張係数は、下記の方法により測定しうる。
測定対象となる基材フィルムを20mm×5mmの試料片に切り出す。この試料片の雰囲気の湿度を、荷重5.0g、窒素100cc/分、温度25℃、速度5.0%RH/分の条件で、30%RHから80%RHにわたり上昇させる。このときの試料片の長さの伸びを測定することにより、湿度膨張係数を求める。
基材フィルムの水蒸気透過率は、好ましくは1g/(m・日)以下、より好ましくは0.5g/(m・日)以下、特に好ましくは0.2g/(m・日)以下である。水蒸気透過率の下限は、0g/(m・日)であることが特に好ましいが、それ以上の値であっても、上記上限以下の範囲内であれば、好ましく機能しうる。このように、本発明の基材フィルムの水蒸気透過率は、ポリカーボネート樹脂製の従来の基材フィルムの水蒸気透過率(通常は、60g/(m・日)程度)に比べて、大幅に低い。そのため、本発明の基材フィルムを用いることにより、バリア積層体の水分の透過を妨げる能力を改善することができる。
ここで、あるフィルムの水蒸気透過率は、水蒸気透過度測定装置(MOCON社製「PERMATRAN−W」)を用い、JIS K 7129 B−1992に準じて、温度40℃、湿度90%RHの条件にて測定しうる。
〔1.3.基材フィルムの製造方法〕
基材フィルムは、脂環式オレフィン樹脂をフィルムの形状に成形する工程を含む製造方法により、製造しうる。成形方法としては、例えば、溶融成形法及び溶液流延法が挙げられる。溶融成形法の例としては、溶融押し出しにより成形する溶融押出法、並びに、プレス成形法、インフレーション成形法、射出成形法、ブロー成形法、及び延伸成形法が挙げられる。これらの方法の中でも、機械強度及び表面精度に優れたフィルムを得る観点から、溶融押出法、インフレーション成形法及びプレス成形法が好ましい。その中でも特に、残留溶媒の量を減らせること、並びに、効率よく簡単な製造が可能なことから、溶融押出法が特に好ましい。好適な製造方法としては、例えば、特開平3−223328号公報、特開2000−280315号公報等に開示されている製造方法が挙げられる。
溶融押出法では、通常、脂環式オレフィン樹脂を溶融させ、その溶融樹脂をダイスから押し出すことにより、フィルム状に成形する。この際、ダイスを備える押出機における脂環式オレフィン樹脂の溶融温度は、好ましくはTg+80℃以上、より好ましくはTg+100℃以上であり、好ましくはTg+180℃以下、より好ましくはTg+150℃以下である。ここでTgは、脂環式オレフィン樹脂のガラス転移温度を表す。押出機での脂環式オレフィン樹脂の溶融温度を前記範囲の下限値以上とすることにより脂環式オレフィン樹脂の流動性を十分に高めることができ、上限値以下とすることにより脂環式オレフィン樹脂の劣化を防止することができる。
通常、ダイスから押し出されたフィルム状の溶融樹脂は、冷却ロールに密着させるようにする。溶融樹脂を冷却ロールに密着させる方法は、特に制限されず、例えば、エアナイフ方式、バキュームボックス方式、静電密着方式などが挙げられる。
冷却ロールの数は特に制限されないが、通常は2本以上である。また、冷却ロールの配置方法としては、例えば、直線型、Z型、L型などが挙げられるが特に制限されない。またダイスから押出された溶融樹脂の冷却ロールへの通し方も特に制限されない。
通常、冷却ロールの温度により、押出されたフィルム状の樹脂の冷却ロールへの密着具合が変化する傾向がある。冷却ロールの温度を上げると密着は良好になるが、温度を上げすぎるとフィルム状の樹脂が冷却ロールから剥がれ難くなる傾向がある。そのため、冷却ロール温度は、好ましくはTg+30℃以下、さらに好ましくはTg−5℃以下であり、好ましくはTg−45℃以上である。
また、基材フィルムの面内レターデーション及び厚み方向のレターデーションの絶対値を小さくする観点では、前記の冷却ロールの周速を調整することが好ましい。さらに、基材フィルムの面内レターデーション及び厚み方向のレターデーションの絶対値を小さくする観点では、基材フィルムは延伸処理を施さない未延伸フィルムとして製造することが好ましい。
さらに、基材フィルムが脂環式オレフィン樹脂層に組み合わせて任意の層を備える場合には、前記の方法によって脂環式オレフィン樹脂層を製造した後で、任意の層を形成する工程を行ってもよい。
[2.バリア積層体]
本発明のバリア積層体は、上述した本発明の基材フィルムと、この基材フィルムの少なくとも一方の面に設けられたバリア層とを備える。この際、バリア層は、基材フィルムの片面だけに設けられていてもよく、両面に設けられていてもよい。
バリア層は、有機材料を含む有機バリア層であってもよく、無機材料を含む無機バリア層であってもよく、これらを組み合わせたバリア層であってもよい。また、バリア層は、1層のみを備える単層構造の層であってもよく、2層以上を備える複層構造の層であってもよい。中でも、前記のバリア層は、有機バリア層及び無機バリア層を厚み方向において交互に備える複層構造の層であることが好ましい。
有機バリア層に含まれうる有機材料としては、例えば、ポリビニルアルコール、エチレンービニルアルコール共重合体、塩化ビニリデン等の、ガスバリア性重合体を含む樹脂が挙げられる。また、これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
このような有機バリア層は、例えば、ガスバリア性重合体及び溶媒を含む樹脂溶液を塗布し、乾燥させる方法により、形成しうる。また、有機バリア層は、例えば、ガスバリア性重合体の単量体を含む膜を基材フィルム上に形成し、この膜において単量体を重合させる方法により、形成しうる。
無機バリア層に含まれうる無機材料としては、例えば、無機酸化物が挙げられる。この無機酸化物としては、例えば、金属酸化物、非金属酸化物、亜金属酸化物等が挙げられる。その具体例を挙げると、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化カルシウム、酸化カドミウム、酸化銀、酸化金、酸化クロム、酸化珪素、酸化コバルト、酸化ジルコニウム、酸化錫、酸化チタン、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、酸化白金、酸化パラジウム、酸化ビスマス、酸化マグネシウム、酸化マンガン、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化バリウム等が挙げられ、中でも酸化珪素が特に好ましい。また、これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。さらに、無機材料としては、前記の無機酸化物に組み合わせて、例えば、金属、非金属、亜金属単体及びそれらの水酸化物;並びに、可撓性を向上させるためにの炭素又はフッ素;などの配合剤を用いてもよい。
無機バリア層は、例えば、無機酸化物を基材フィルム上に蒸着する方法により、形成しうる。蒸着方法としては、例えば、真空蒸着法、真空スパッタ法、イオンプレーティング法、CVD法等の方法を用いうる。
バリア層全体の厚みは、好ましくは1nm以上、より好ましくは5nm以上、特に好ましくは10nm以上であり、好ましくは30μm以下、より好ましくは10μm以下、特に好ましくは5μm以下である。バリア層の厚みを前記範囲の下限値以上にすることにより、バリア積層体のガスバリア性能を高めることができ、また、上限値以下にすることにより、バリア積層体の厚みを薄くできる。また、有機バリア層および無機バリア層の厚みは特に限定されないが、各バリア層の厚みは、5nm〜1000nmが好ましく、より好ましくは10nm〜1000nmであり、特に好ましくは10nm〜200nmである。各バリア層の厚みを前記範囲の下限値以上にすることにより、膜が島状に分布することを抑制して、水蒸気バリア性を向上させることができる。また、上限値以下にすることにより、曲げ応力によるクラックを抑制して、これによっても水蒸気バリア性を向上させることができる。特に、有機バリア層の厚みを前記範囲の下限値以上にすることにより、厚みの均一性を容易に高めることができるので、無機バリア層の構造欠陥を効率よく有機バリア層で埋めることができ、バリア性の向上を得やすい。また、有機バリア層の厚みを前記範囲の上限値以下にすることにより、曲げ等の外力により有機バリア層にクラックが発生することを抑制できるので、バリア性の低下を抑制できる。
本発明のバリア積層体は、基材フィルム及びバリア層に加えて、任意の層を備えうる。例えば、バリア積層体は、基材フィルムとバリア層との間に下塗層を備え、この下塗層を介して基材フィルム上にバリア層を備えていてもよい。また、バリア積層体は、バリア層とは反対側の基材フィルムの面に、ブロッキング防止層、帯電防止層、ハードコート層、導電性付与層、汚染防止層、凹凸構造層などの層を備えていてもよい。
上述したように、本発明のバリア積層体は、ガスバリア性能に優れる基材フィルムとバリア層とを組み合わせたことにより、特に高いガスバリア性能を発揮できる。そのため、本発明のバリア積層体は、その水蒸気透過率を特に低くできる。具体的には、本発明のバリア積層体の水蒸気透過率は、好ましくは0.01g/(m・日)以下、より好ましくは0.005g/(m・日)以下、特に好ましくは0.001g/(m・日)以下である。
また、通常、本発明のバリア積層体は、酸素透過率についても低くできる。具体的には、本発明のバリア積層体の酸素透過率は、好ましくは3cc/(m・日・atm)以下、より好ましくは1cc/(m・日・atm)以下、特に好ましくは0.5cc/(m・日・atm)以下である。
ここで、あるフィルムの酸素透過率は、酸素透過率測定装置(MOCON社製「OX−TRAN」)を用いて、JIS K7126−2「プラスチックフィルム及びシートの気体透過度試験方法」に準じて、温度30℃、相対湿度86%RHの条件にて測定しうる。
本発明のバリア積層体は、通常、透明性に優れる。例えば、バリア積層体の全光線透過率は、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上である。また、例えば、バリア積層体のヘイズは、好ましくは5%以下、より好ましくは3%以下、特に好ましくは1%以下である。
本発明のバリア積層体は、上述したようにガスバリア性能に優れることに加えて、通常、下記のような利点を発揮できる。すなわち、バリア積層体を基材としてその上に蒸着又はスパッタリングによって任意の層を形成する場合、基材フィルムからのアウトガスの放出を、バリア層によって抑制できる。そのため、アウトガスによる影響を排除できるので、任意の層の形成条件の自由度を高めることができ、これにより、任意の層の品質を高めたり任意の層の形成を容易にしたりできる。
バリア積層体の用途は、特に限定されないが、液晶表示装置並びに有機EL表示装置の構成要素として用いうる。具体的には、装置を構成する他の構成要素を、水分及び酸素から保護するために封止するための層として用いうる。特に、このバリア積層体は、レターデーションが小さいために当該バリア積層体それ自体による表示性能の低下を招き難いことから、表示装置の表示面を通じた水分及び酸素の浸入を防止するための部材として用いることが好ましい。
[3.有機EL表示装置]
本発明の有機EL表示装置は、上述した本発明のバリア積層体を備え、通常は更に円偏光板を備える。このような有機EL表示装置の好ましい例を示すと、有機EL素子、バリア積層体及び円偏光板をこの順に備える有機EL表示装置が挙げられる。このような有機EL発光装置において、バリア積層体及び円偏光板は、通常、有機EL表示装置の表示面の全体にわたって設けられる。さらに、バリア積層体は、有機EL発光素子に近い方から基材フィルム及びバリア層をこの順に備えるように設けられる。
有機EL素子は、通常、2層以上の電極層と、これらの電極層の間に設けられて電極から電圧を印加されることにより光を生じ得る発光層とを備える。前記の電極層のうち、発光層のバリア積層体側に設けられる電極層としては、通常、透明電極層を設ける。また、発光層のバリア積層体とは反対側に設けられる電極層としては、通常、反射電極層を設ける。これにより、バリア積層体側に出光しうる有機EL素子が得られる。また、発光層のバリア積層体とは反対側に設けられる電極層として透明電極層を設け、更に、その電極層のバリア積層体とは反対側に反射部材を設けることによっても、バリア積層体側に出光しうる有機EL素子が得られる。
発光層としては、特に限定されず、任意のものを選択して用いうる。発光層中の発光材料は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。また、発光層は、1層のみを備える単層構造の層であってもよく、2層以上の層を備える複層構造の層であってもよい。発光層が2層以上の層を備える場合、白色又はそれに近い色の光を発光するものとしうる。
さらに、有機EL素子は、電極間に、発光層に加えて、任意の層を備えうる。任意の層としては、例えば、ホール注入層、ホール輸送層、電子輸送層、電子注入層及びガスバリア層等が挙げられる。また、有機EL素子は、電極層に通電するための配線、発光層の封止のための周辺構造等の任意の構成要素を備えていてもよい。
電極層及びその間に設ける層を構成する材料としては、特に限定されないが、具体例として下記のものを挙げることができる。
透明電極の材料としては、ITO等を挙げることができる。
正孔注入層の材料としては、スターバースト系芳香族ジアミン化合物等を挙げることができる。
正孔輸送層の材料としては、トリフェニルジアミン誘導体等を挙げることができる。
黄色発光層のホスト材料としては、トリフェニルジアミン誘導体等を挙げることができ、黄色発光層のドーパント材料としては、テトラセン誘導体等を挙げることができる。
緑色発光層の材料としては、ピラゾリン誘導体などがあげられる。
青色発光層のホスト材料としては、アントラセン誘導体等を挙げることができ、青色発光層のドーパント材料としては、ペリレン誘導体等を挙げることができる。
赤色発光層の材料としては、ユーロピウム錯体などを挙げることができる。
電子輸送層の材料としては、アルミニウムキノリン錯体(Alq)等を挙げることができる。
陰極材料としては、フッ化リチウム及びアルミニウムをそれぞれ用い、これらを順次真空成膜により積層させたものを挙げることができる。
また、発光層は、複数の層を組み合わせることにより、積層型又はタンデム型と呼ばれる、補色関係にある発光色を発生する発光層としてもよい。補色関係の組み合わせは、例えば、黄/青、又は、緑/青/赤等が挙げられる。
前記のような有機EL素子は、電極層、発光層等の層を、スパッタリング等の方法で基材上に順次形成することにより、製造しうる。また、必要に応じて、これらの層を覆う封止部材を設け、基板と封止部材で発光層等の層を封止してもよい。通常、ここでいう基板側から出光する素子はボトムエミッション型と呼ばれ、基材とは反対側から出光する素子はトップエミッション型と呼ばれる。
円偏光板は、通常、偏光板と、1/4波長板とを備える。この円偏光板は、バリア積層体に近い方から1/4波長板及び偏光板をこの順に備えるように設けられる。
偏光板は、その吸収軸と平行な振動方向を有する直線偏光を吸収し、これ以外の偏光を透過させうる機能を有する。ここで、直線偏光の振動方向とは、直線偏光の電場の振動方向を意味する。このような偏光板は、通常、偏光子を備え、必要に応じてその偏光子を保護するための保護フィルム層を備える。
偏光子としては、例えば、ポリビニルアルコール、部分ホルマール化ポリビニルアルコール等の適切なビニルアルコール系重合体のフィルムに、ヨウ素及び二色性染料等の二色性物質による染色処理、延伸処理、架橋処理等の適切な処理を適切な順序及び方式で施したものを用いうる。この偏光子は、吸収軸と平行な振動方向を有する直線偏光を吸収しうるものであり、特に、偏光度に優れるものが好ましい。偏光子の厚みは、5μm〜80μmが一般的であるが、これに限定されない。
偏光子を保護するための保護フィルム層としては、任意の透明フィルムを用いうる。中でも、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性等に優れる樹脂のフィルムが好ましい。そのような樹脂としては、トリアセチルセルロース等のアセテート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、脂環式オレフィン樹脂、(メタ)アクリル樹脂等が挙げられる。中でも、複屈折が小さい点でアセテート樹脂、環状オレフィン樹脂、(メタ)アクリル樹脂が好ましく、透明性、低吸湿性、寸法安定性、軽量性などの観点から、脂環式オレフィン樹脂が特に好ましい。
1/4波長板は、1/4波長の面内レターデーションを有するフィルムである。具体的には、測定波長590nmにおける1/4波長板の面内レターデーションは、測定波長である590nmの1/4の値から、好ましくは±65nm、より好ましくは±30nm、特に好ましくは±10nmの範囲にあるか、または、測定波長である590nmの3/4の値から、好ましくは±65nm、より好ましくは±30nm、特に好ましくは±10nmの範囲にある。
1/4波長板は、偏光板の透過軸と1/4波長板の遅相軸とが略45°の角度をなすように設けられる。具体的には、偏光板の透過軸と1/4波長板の遅相軸とは、好ましくは45°±5°、より好ましくは45°±3°の角度をなす。
1/4波長板は、例えば、樹脂により形成された延伸フィルムを用いうる。通常、樹脂は、ポリマーを含む。1/4波長板の材料となる樹脂が含むポリマーの例を挙げると、鎖状オレフィン重合体、脂環式オレフィン重合体、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、酢酸セルロース系ポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリレートなどが挙げられる。これらの中でも、鎖状オレフィン重合体、脂環式オレフィン重合体が好ましく、透明性、低吸湿性、寸法安定性、軽量性などの観点から、脂環式オレフィン重合体が特に好ましい。また、これらの重合体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。さらに、樹脂には、本発明の効果を著しく損なわない限り、任意の配合剤を含ませてもよい。また、1/4波長板としては、単層構造のフィルムを用いてもよく、複層構造のフィルムを用いてもよい。好適な1/4波長板の例を挙げると、市販の長尺の斜め延伸フィルム、横延伸フィルムなどが挙げられる。またその具体例としては、日本ゼオン社製、製品名「斜め延伸位相差フィルム」、「横一軸延伸ゼオノアフィルム」を挙げることができる。
このような有機EL表示装置では、電極から電荷を印加されることによって発光層が発行する。この光は、透明電極層を透過するか、又は、反射電極層で反射されてから発光層及び透明電極層を透過して、表示面側に向かう。そして、この光が、バリア積層体及び円偏光板を透過して装置外部に出光する。有機EL表示装置では、この出光した光によって、画像が表示される。
さらに、バリア積層体が優れたガスバリア性能を有するので、前記の有機EL表示装置では、水分及び酸素等のガスの装置内への侵入を抑制できる。そのため、有機EL素子を構成する材料(特に、有機材料)の水分及び酸素による劣化を抑制できるので、有機EL表示装置の長寿命化を実現できる。
また特に、上述した有機EL表示装置では、バリア積層体のレターデーションが小さいので、バリア積層体による表示性能を低下が抑制されている。そのため、有機EL表示装置の表示面での光抜けの発生を抑制したり、表示面を傾斜方向から見たときの表示面の着色を抑制したり、表示面に表示される画像のコントラストの低下を抑制したりできる。
さらに、上述した有機EL表示装置では、円偏光板が、有機EL表示装置の反射防止フィルムとして機能しうる。即ち、有機EL表示装置の表示面に、円偏光板を、偏光板側の面が視認側に向くように設けたことにより、装置外部から入射した光が装置内で反射して装置外部へ出射することを抑制することができ、その結果、表示装置の表示面のぎらつきを抑制しうる。具体的には、装置外部から入射した光は、その一部の直線偏光のみが偏光板を通過し、次にそれが1/4波長板を通過することにより円偏光となる。円偏光は、表示装置内の光を反射する構成要素(有機EL素子中の反射電極層等)により反射され、再び1/4波長板を通過することにより、入射した直線偏光の偏光軸と直交する方向に偏光軸を有する直線偏光となり、偏光板を通過しなくなる。これにより、反射防止の機能が達成される。
以下、実施例を示して本発明について具体的に説明する。ただし、本発明は以下に示す実施例に限定されるものでは無く、本発明の特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。
[評価方法]
(レターデーションの測定方法)
基材フィルムの面内レターデーションRe及び厚み方向のレターデーションRthは、複屈折量測定計(Axometrics社製「AxoScan」)を用いて、測定波長590nmで測定した。
(反射輝度の測定方法)
複層サンプルフィルムの偏光板側の面について、分光光度計(日本分光社製「V7200」)及び絶対反射率ユニット(日本分光社製「VAR7020」)を用いて、正面方向の反射率を測定した。測定した反射率から、反射輝度を計算した。
(正面コントラストの評価方法)
複層サンプルフィルムの偏光板側の面を、正面方向から目視観察し、観察された反射色に基づき正面コントラストを評価した。反射色が特に黒い場合は正面コントラストが特に良好であるとして「A」と評価し、反射色が黒い場合は正面コントラストが良好であるとして「B」と評価し、反射色が明るくて青い場合は正面コントラストが不良であるとして「C」と評価した。
(視野角特性の評価方法)
複層サンプルフィルムの偏光板側の面を、正面方向から目視観察した。また、複層サンプルフィルムの偏光板側の面を、極角45°の傾斜方向から目視観察した。これらの観察で見られた反射色、明るさ及び色むらに基づき、下記の基準で視野角特性を評価した。
正面方向から観察した場合と傾斜方向から観察した場合とで反射色及び明るさに違いが無く、且つ、傾斜方向から観察した場合に色むらが見えない場合、視野角特性が特に良好であるとして「A」と評価した。
正面方向から観察した場合と傾斜方向から観察した場合とで反射色及び明るさに違いが無く、且つ、傾斜方向から観察した場合に色むらがほとんど見えない場合、視野角特性が良好であるとして「B」と評価した。
正面方向から観察した場合と傾斜方向から観察した場合とで反射色及び明るさに違いがあり、且つ、傾斜方向から観察した場合に色むらがかすかに見える場合、視野角特性が良好でないが使用可能であるとして「C」と評価した。
正面方向から観察した場合と傾斜方向から観察した場合とで反射色及び明るさに違いがあり、且つ、傾斜方向から観察した場合に色むらがはっきり見える場合、視野角特性が不良であるとして「D」と評価した。
(水蒸気透過率の測定方法)
水蒸気透過度測定装置(MOCON社製「PERMATRAN−W」)を用い、JIS K 7129 B−1992に準じて、温度40℃、湿度90%RHの条件にて、バリア積層体の水蒸気透過率を測定した。この測定装置の検出限界値は、0.01g/(m・日)である。
[製造例1:基材フィルムAの製造]
熱可塑性ノルボルネン樹脂のペレット(日本ゼオン社製「ZEONOR1420R」、ガラス転移温度137℃)を90℃で5時間乾燥させた。乾燥させたペレットを押し出し機に供給し、押し出し機内で溶融させた。その後、溶融した樹脂を、ポリマーパイプ及びポリマーフィルターを通し、Tダイからキャスティングドラム上にフィルム状に押し出し、製膜条件を調整した後で冷却して、厚み50μm、面内レターデーションRe3nm、厚み方向のレターデーションRth7nm、幅1350mmの長尺の基材フィルムAを得た。
[製造例2:基材フィルムBの製造]
製膜条件を変更したこと以外は製造例1と同様にして、厚み50μm、面内レターデーションRe5nm、厚み方向のレターデーションRth8nm、幅1350mmの長尺の基材フィルムBを得た。
[製造例3:基材フィルムCの製造]
熱可塑性ノルボルネン樹脂のペレットを別のノルボルネン樹脂のペレット(日本ゼオン社製、ガラス転移温度126℃)に変更したこと以外は製造例1と同様にして、厚み80μm、面内レターデーションRe8nm、厚み方向のレターデーションRth8nm、幅1350mmの長尺の基材フィルムCを得た。
[製造例4:基材フィルムDの製造]
熱可塑性ノルボルネン樹脂のペレットを別のノルボルネン樹脂のペレット(日本ゼオン社製、ガラス転移温度163℃)に変更したこと以外は製造例1と同様にして、厚み100μm、面内レターデーションRe10nm、厚み方向のレターデーションRth10nm、幅1350mmの長尺の基材フィルムDを得た。
[製造例5:基材フィルムEの製造]
製膜条件を変更したこと以外は製造例1と同様にして、厚み50μm、面内レターデーションRe15nm、厚み方向のレターデーションRth14nm、幅1350mmの長尺の基材フィルムEを得た。
[製造例6:基材フィルムFの製造]
製膜条件を変更したこと以外は製造例4と同様にして、厚み188μm、面内レターデーションRe5nm、厚み方向のレターデーションRth15nm、幅1350mmの長尺の基材フィルムFを得た。
[実施例1]
製造例1で製造した長尺の基材フィルムAを、長方形に切り出した。前記の切り出しは、切り出された基材フィルムAの長手方向と、切り出される前の長尺の基材フィルムAの長手方向とが平行になるように行った。
ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面にアルミニウム層を蒸着して製造された拡散反射板(東レ社製「メタルミーTS50」)を用意した。この拡散反射板のアルミニウム層側の面に、透明粘着シート(日東電工社製「CS9621」)を介して、前記のように切り出した基材フィルムAを貼り合わせた。
その後、拡散反射板とは反対側の基材フィルムAの面に、透明粘着シート(日東電工社製「CS9621」)を介して、フィルム状の1/4波長板(日本ゼオン社製「斜め延伸位相差フィルム Re:145nm」)を貼り合わせた。貼り合わせの際、1/4波長板の遅相軸は、基材フィルムAの長手方向に対して45°の角度をなすようにした。
さらに、基材フィルムAとは反対側の1/4波長板の面に、透明粘着シート(日東電工社製「CS9621」)を介して、偏光板(住友化学社製)を貼り合わせた。貼り合わせの際、偏光板の透過軸は、基材フィルムAの長手方向に対して90°の角度をなすようにした。これにより、拡散反射板、透明粘着シート、基材フィルムA、透明粘着シート、1/4波長板、粘着透明シート及び偏光板をこの順に備える複層サンプルフィルムを得た。この複層サンプルフィルムでは、偏光板及び1/4波長板の組み合わせは、円偏光板として機能しうる。こうして得た複層サンプルフィルムについて、上述した方法で、反射輝度、正面コントラスト及び視野角特性を評価した。
[実施例2]
基材フィルムAの代わりに製造例2で製造した基材フィルムBを使用したこと以外は実施例1と同様にして、複層サンプルフィルムの製造及び評価を行った。
[実施例3]
基材フィルムAの代わりに製造例3で製造した基材フィルムCを使用したこと以外は実施例1と同様にして、複層サンプルフィルムの製造及び評価を行った。
[実施例4]
基材フィルムAの代わりに製造例4で製造した基材フィルムDを使用したこと以外は実施例1と同様にして、複層サンプルフィルムの製造及び評価を行った。
[比較例1]
基材フィルムAの代わりに製造例5で製造した基材フィルムEを使用したこと以外は実施例1と同様にして、複層サンプルフィルムの製造及び評価を行った。
[比較例2]
基材フィルムAの代わりに製造例6で製造した基材フィルムFを使用したこと以外は実施例1と同様にして、複層サンプルフィルムの製造及び評価を行った。
[実施例1〜4並びに比較例1及び2の結果]
前記の実施例1〜4並びに比較例1及び2の結果を、下記の表1に示す。表1において、略称の意味は、以下の通りである。
Re:基材フィルムの面内レターデーション
Rth:基材フィルムの厚み方向のレターデーション
Tg:基材フィルムを形成する樹脂のガラス転移温度
Figure 2016095974
[検討]
表1から分かるように、実施例1〜4においては、使用した基材フィルムのレターデーションが小さいことにより、反射輝度、正面コントラスト及び視野角特性のいずれにおいても優れた結果が得られている。この結果から、本発明の基材フィルムによれば、当該基材フィルムを備えるバリア積層体を設けた表示装置において表示性能の低下を抑制できることが確認された。
[実施例5]
製造例1で製造した基材フィルムA上に、スパッタ装置を用いて、第一無機バリア層として厚み50nmのアルミニウム層を形成した。第一無機バリア層の形成の際、ターゲットとしてはアルミニウムを使用し、放電ガスとしてはアルゴンを使用し、反応ガスとしては酸素を使用した。
ジシクロペンタジエニルジアクリレート(東亞合成社製「アロニックスM−203」)95部及び紫外線重合開始剤(Lamberti社製「EZACURE−TZT」)5部の混合液を用意した。前記のジシクロペンタジエニルジアクリレートは、特開2003−335880号公報において、バリア性フィルムの有機層の材料として挙げられていた化合物である。この混合液を前記の第一無機バリア層上にワイヤーバーを用いて塗布して、厚み5μmの前記混合液の膜を形成した。この混合液の膜を室温にて2時間乾燥した後、高圧水銀ランプの紫外線を照射して硬化させて(積算照射量約2J/cm)、厚み500nmの第一有機バリア層を形成した。
さらに、第一有機バリア層上に、第一無機バリア層と同様の形成方法により、第二無機バリア層としてアルミニウム層を形成した。これにより、基材フィルムA、第一無機バリア層、第一有機バリア層及び第二無機バリア層を厚み方向でこの順に備えるバリア積層体を得た。
このバリア積層体の水蒸気透過率を、上述した方法で測定した。
[実施例6]
基材フィルムAの代わりに製造例2で製造した基材フィルムBを使用したこと以外は実施例5と同様にして、バリア積層体の製造及び評価を行った。
[実施例7]
基材フィルムAの代わりに製造例4で製造した基材フィルムDを使用したこと以外は実施例5と同様にして、バリア積層体の製造及び評価を行った。
[実施例5〜7の結果]
前記の実施例5〜7の結果を、下記の表2に示す。
Figure 2016095974
[検討]
表2から分かるように、実施例5及び6においては、水蒸気透過率が検出限界以下であったことから、各実施例に係るバリア積層体の水蒸気透過率が0.01g/(m・日)以下であることが分かる。この結果から、本発明に係るバリア積層体が優れたガスバリア性能を有することが確認された。
[実施例8]
有機EL表示装置を備えた市販の携帯電話(LGエレクトロニクス社製スマートフォン「Gflex」)を分解した。この携帯電話に元々から装着されていたバリア積層体の代わりに、実施例5で製造したバリア積層体を実装した。その後、携帯電話を組み立てた。
この携帯電話の有機EL表示装置を黒く表示させ、この時の輝度を測定したところ、5.1cd/mであった。また、この携帯電話の有機EL表示装置を白く表示させ、この時の輝度を測定したところ、300cd/mであった。
また、この携帯電話の表示面を、晴れた日の外光下において正面方向から目視観察したところ、外光の反射は無く、表示面は黒色であった。
さらに、この携帯電話の表示面を、極角45°の傾斜方向において全方位角方向で目視観察したところ、方位角方向によって反射率及び色味に変化は見られなかった。
これらの結果から、本発明のバリア積層体を備える有機EL表示装置においては、バリア積層体による表示性能の低下を抑制できることが確認された。

Claims (6)

  1. 有機エレクトロルミネッセンス表示装置のバリア層形成用の基材フィルムであって、
    前記基材フィルムが、脂環式オレフィン樹脂からなる層を備え、
    前記基材フィルムの面内レターデーションが、10nm以下であり、
    前記基材フィルムの厚み方向のレターデーションの絶対値が、10nm以下である、基材フィルム。
  2. 前記脂環式オレフィン樹脂のガラス転移温度が、120℃〜180℃であり、
    前記脂環式オレフィン樹脂からなる層の厚みが、20μm〜150μmである、請求項1記載の基材フィルム。
  3. 請求項1又は2記載の基材フィルムと、
    前記基材フィルムの少なくとも一方の面に設けられたバリア層と、を備える、バリア積層体。
  4. 前記バリア積層体の水蒸気透過率が、0.01g/(m・日)以下である、請求項3記載のバリア積層体。
  5. 前記バリア層が、有機バリア層及び無機バリア層を交互に備える、請求項3又は4記載のバリア積層体。
  6. 請求項3〜5のいずれか一項に記載のバリア積層体及び円偏光板を備える、有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
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