JP6694320B2 - 地下タンクの漏洩検査装置及び検査方法 - Google Patents

地下タンクの漏洩検査装置及び検査方法 Download PDF

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本発明は、地下に埋設されている危険物を貯蔵するタンク等の液相部の漏洩検査装置及び検査方法に関する。
ガソリンや軽油、灯油等の危険物を貯蔵する地下タンクは、法令により原則一年に一回の漏洩の有無を点検することが定められている。漏洩の有無を検査されるタンクは、危険物を貯蔵しているため、タンク内を空にせず点検することが一般的で、タンク内の液面より上の部分の気相部と、前記地下タンク内の液面より下の液体の部分の液相部をそれぞれ検査する必要がある。
これらの検査については消防関連法規に定めがあり、気相部の検査に関しては、具体的な方法及び判定基準が示されているが、液相部の検査については具体的な方法が定められていないので、例えば、液相部の検査方法として、タンクを密閉して、液面よりも上の部分の気相部を減圧し、減圧によってタンク外からタンク内の液相部に吸い込まれた気泡が発する振動音を、液相部内に挿入したマイクロフォン等により検出する検査方法がある。
しかしながら、例えば、道路沿いに設置されているガソリンスタンドの地下タンクの場合、計測中に、道路をランダムに通過する車両による振動音が雑音として計測されるなど、検査を行う場所により、漏洩による振動音以外のその場所固有の暗騒音が計測中に混じり、漏洩音を判別することができない。
そのため、例えば、特許文献1や特許文献2の検査方法においては、予め採取した漏洩音の周波数を基準として、計測して得た振動音の周波数分析を行い、基準となる漏洩音に相当する周波数成分のみ抽出して、漏洩の有無を判断するようにしていた。
特許第4271006号公報 特許第4206498号公報
しかしながら、前記従来の検査方法では、漏洩口の形状や漏洩口の大きさ、漏洩口の位置などによりそれぞれ異なる周波数の漏洩音を基準音として全て採取することは困難なため、一定の条件に適合した漏洩のみしか検知できず、それ以外は検知できない。
また、雑音に基準漏洩音と重なる周波数成分も含まれている場合、このような基準漏洩音に近い周波数の雑音を除去できず、誤判定の要因になるという問題点がある。
本発明は、上記の問題点を解決しようとするものである。
前記の目的を達成すべく、本発明の地下タンクの漏洩検査装置は、地下タンク内を、漏洩検査を行うのに必要な所望の減圧値まで減圧しない状態で、前記地下タンク内の液相部の振動音を、所望の時間計測し、また、漏洩検査を行うのに必要な所望の減圧値まで減圧した状態で、前記地下タンク内の液相部の振動音を、所望の時間、計測する振動音検知装置と、前記各計測した振動音をそれぞれ、暗騒音データと漏洩検査時音データとして、記憶する記憶部と、前記記憶した暗騒音データと漏洩検査時音データとを比較して、該比較した結果が所望の条件を満たすか否かで漏洩の有無を判断する判定部とを有する演算記憶処理装置とよりなり、前記記憶部に記憶された暗騒音データを、所望の時間毎に区切り、この各区切り内の暗騒音データのうち、振動音の大きさが最大となる暗騒音データをそれぞれ抽出し、かかる抽出した暗騒音データを、区間最大暗騒音データとして、前記記憶部に記憶させると共に、前記記憶部に記憶された漏洩検査時音データを、前記所望の時間毎に区切り、この各区切り内の漏洩検査時音データのうち、振動音の大きさが最大となる漏洩検査時音データをそれぞれ抽出し、かかる抽出した漏洩検査時音データを、区間最大漏洩検査時音データとして、前記記憶部に記憶させる基礎データ抽出部を、前記演算記憶処理装置に設け、更に、前記基礎データ抽出部により前記記憶部に記憶された区間最大暗騒音データを、振動音の大きさを基準として昇降順に並べた時に、大きい値の範囲のものと小さい値の範囲のものを除外した中間範囲に位置する区間最大暗騒音データを抽出し、かかる抽出した区間最大暗騒音データを、判定用暗騒音データとして、前記記憶部に記憶させると共に、前記基礎データ抽出部により前記記憶部に記憶された区間最大漏洩検査時音データを、振動音の大きさを基準として昇降順に並べた時に、大きい値の範囲のものと小さい値の範囲のものを除外した中間範囲に位置する区間最大漏洩検査時音データを抽出し、かかる抽出した区間最大漏洩検査時音データを、判定用漏洩検査時音データとして、前記記憶部に記憶させる判定用データ抽出部を、前記演算記憶処理装置に設け、前記判定部は、前記判定用データ抽出部より前記記憶部に記憶された判定用暗騒音データと判定用漏洩検査時音データとを比較することを特徴とする。
また、本発明の地下タンクの漏洩検査方法は、地下タンク内を、漏洩検査を行うのに必要な所望の減圧値まで減圧しない状態で、前記地下タンク内の液相部の振動音を、所望の時間、振動音検知装置により計測し、該計測した振動音を暗騒音データとして、演算記憶処理装置に設けた記憶部に記憶すると共に、前記地下タンク内を、漏洩検査を行うのに必要な所望の減圧値まで減圧した状態で、前記地下タンク内の液相部の振動音を、所望の時間、振動音検知装置により計測し、該計測した振動音を漏洩検査時音データとして前記記憶部に記憶する第一工程と、前記演算記憶処理装置に設けた基礎データ抽出部により、前記第一工程で前記記憶部に記憶された暗騒音データを、所望の時間毎に区切り、この各区切り内の暗騒音データのうち、振動音の大きさが最大となる暗騒音データをそれぞれ抽出し、かかる抽出した暗騒音データを、区間最大暗騒音データとして、前記記憶部に記憶すると共に、前記第一工程で前記記憶部に記憶された漏洩検査時音データを、前記所望の時間毎に区切り、この各区切り内の漏洩検査時音データのうち、振動音の大きさが最大となる漏洩検査時音データをそれぞれ抽出し、かかる抽出した漏洩検査時音データを、区間最大漏洩検査時音データとして、前記記憶部に記憶する第二の工程と、前記演算記憶処理装置に設けた判定用データ抽出部により、前記第二工程で前記記憶部に記憶された区間最大暗騒音データを、振動音の大きさを基準として昇降順に並べた時に、大きい値の範囲のものと小さい値の範囲のものを除外した中間範囲に位置する区間最大暗騒音データを抽出し、かかる抽出した区間最大暗騒音データを、判定用暗騒音データとして、前記記憶部に記憶すると共に、前記第二工程で前記記憶部に記憶された区間最大漏洩検査時音データを、振動音の大きさを基準として昇降順に並べた時に、大きい値の範囲のものと小さい値の範囲のものを除外した中間範囲に位置する区間最大漏洩検査時音データを抽出し、かかる抽出した区間最大漏洩検査時音データを、判定用漏洩検査時音データとして、前記記憶部に記憶する第三工程と、前記演算記憶処理装置に設けた判定部により、前記第三工程で前記記憶部に記憶した判定用暗騒音データと前記判定用漏洩検査時音データとを比較して、該比較した結果が所望の条件を満たすか否かで漏洩の有無を判断する第四工程と、よりなることを特徴とする。
また、前記四工程の前記記憶部に記憶された前記判定用暗騒音データと前記判定用漏洩検査時音データとを比較して、該比較した結果が所望の条件を満たすか否かとは、前記判定用暗騒音データの平均値と、前記判定用漏洩検査時音データの平均値との比率が、所望の範囲内であるか否かであることを特徴とする。
また、前記判定用暗騒音データの平均値と前記判定用漏洩検査時音データの平均値との比率は、対数比であることを特徴とする。
本発明によれば、漏洩口の形状や大きさ、漏洩口の位置などによりそれぞれ周波数が異なる多数の基準音を採取するという複雑な過程が不要であり、更に暗騒音に含まれる漏洩音と重なる周波数成分の影響も受けないため、漏洩音に近い周波数の雑音による誤判定を回避することができる漏洩検査装置を提供することができる。
本発明の地下タンクの漏洩検査装置の概略図である。 本発明の地下タンクの漏洩検査装置の信号変換器の説明図である。 本発明の地下タンクの漏洩検査装置の演算記憶処理装置の説明図である。 本発明の地下タンクの漏洩検査装置のサンプリング処理部でサンプリングされたA/D変換値データのグラフである。 本発明の地下タンクの漏洩検査装置の基礎データ抽出部で抽出された暗騒音データのグラフである。 本発明の地下タンクの漏洩検査装置の基礎データ抽出部で抽出された暗騒音データと漏洩検査時の計測音データのグラフである。 本発明の地下タンクの漏洩検査装置の基礎データとして抽出部で抽出された暗騒音データと漏洩検査時音データを昇降順に並べ替えたグラフである。 本発明の地下タンクの漏洩検査装置の判定部で判定する判定表である。
本発明を実施するための形態の実施例を以下に示す。
本発明の地下タンクの漏洩検査装置及び漏洩検査方法の実施例1を図1〜図8によって説明する。
本発明の地下タンクの液相部の漏洩検査装置は、図1に示すように、地下に埋設された地下タンク1の液相部L(液相部に接する地下タンク部分も含まれる)内の振動音を検出する振動音検知装置2と、該振動音検知装置2により検出した信号を、パソコンなどの演算記憶処理装置で処理できる信号に変換する信号変換装置3と、該信号変換装置3により変換された信号を演算・記憶するパソコンなどの演算記憶処理装置4とよりなる。
なお、Gは、前記地下タンク1の気相部を示す。また、5は、前記地下タンク1の天井部1aに形成された、計量口等の開口部を示し、また、10は、地下タンクの液相部に形成された漏洩口を示し、また、11は、該漏洩口から漏洩した気泡を示す。
前記振動音検知装置2は、聴音パイプ6と、該聴音パイプ6からの振動または加速度を検出する、圧電素子などの振動検知センサー7とよりなる。
そして、前記聴音パイプ6は、前記地下タンク1外から該地下タンク1内に、前記開口部5を通して垂設され、また、該聴音パイプ6の下端が、前記地下タンク1の液相部Lに浸漬すると共に、該地下タンク1の底面1bに密着して設けられ、該聴音パイプ6は、前記地下タンク内の液相部(液相部に接する地下タンク部分も含む)の振動音を検出するように構成される。
また、前記開口部5は気密に塞がれ、前記地下タンク1内は気密になるように密閉される。
また、前記振動検知センサー7は、前記聴音パイプ6の上端に固定されている。
また、前記信号変換装置3は、図2に示すように、前記振動音検知装置2の振動検知センサー7が検出した電圧を増幅する増幅部3aと、該増幅部3aで増幅された電圧変化等のアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換部3bと、該変換されたデジタル信号(A/D変換値)を前記演算記憶処理装置4に通信する通信回路部3cとよりなる。
また、前記演算記憶処理装置4は、記憶部8と演算部9とよりなり、該記憶部8は、前記通信回路部3cからのA/D変換値等を記憶し、また、前記演算部9は、各種の処理を行い、例えば、サンプリング処理部9aと、基礎データ抽出部9bと、判定用データ抽出部9cと、判定部9dとよりなる。
なお、4aは、前記演算記憶処理装置4のモニタである。
前記サンプリング処理部9aは、前記記憶部8に記憶されたA/D変換値データを、所望のサンプリングレート(サンプリング周波数)でサンプリングし、該サンプリングしたA/D変換値データを前記記憶部8に記憶させる処理を行う。
また、前記基礎データ抽出部9bは、前記サンプリングしたA/D変換値を、一定の単位時間毎に区切り(例えば、1秒毎に区切り)、この各区切り内(各単位時間内)のA/D変換値のうち、最大のA/D変換値をそれぞれ抽出し、かかる各値を、区間最大A/D変換値データとして前記記憶部8に記憶させる処理を行う。
また、前記判定用データ抽出部9cは、前記区間最大A/D変換値データを、昇順(又は、降順)に並び替え、そして、これら並び替えらえたデータから、例えば、車両通過などによる突発的な振動を含む可能性のある、区間最大A/D変換値が大きい値の範囲のものを除外すると共に、暗騒音または漏洩検査時音と逆位相の振動が作用して減衰した振動データと考えられる、区間最大A/D変換値が小さい範囲のものを除外し、前記データの中間範囲のA/D変換値データのみを抽出し、この抽出したデータを、前記記憶部8に記憶させる処理を行う。
また、前記判定部9dは、記憶された判定用データのA/D変換値を比較し、この比較した結果が所望の条件を満たすか否かで、漏洩の有無の判断する処理を行う。
次に、本発明の地下タンクの漏洩検査装置を用いた漏洩検査方法と、その効果を説明する。
(漏洩検査装置の設置)
図1に示すように、前記地下タンク1に漏洩検査装置を設置する。
即ち、まず、前記聴音パイプ6を前記地下タンク1の開口部5を貫通して垂設し、該聴音パイプ6の下端を前記地下タンク1の液相部Lに浸漬させると共に、該地下タンク1の底面1bに密着させて、前記地下タンク1に取り付ける。
また、前記開口部5を気密に塞ぎ、前記地下タンク1内を気密になるように密閉する。
また、前記聴音パイプ6の上部に前記振動検知センサー7を取り付け、該振動検知センサー7と前記信号変換装置3とを接続し、また、該信号変換装置3と前記演算記憶処理装置4とを接続する。
これにより、前記地下タンク1に漏洩検査装置が設置され、次に、暗騒音の計測と、漏洩検査時音の計測を行う。
(暗騒音の計測)
まず、暗騒音を計測する。
なお、暗騒音とは、地下タンク内を減圧しない場合の漏洩音を含まない振動音であり、該振動音は、地下タンク1内外で定常的に生じている設置環境による振動を主体とし、かつ車両の通行などの突発的な騒音が時々加算された音である。
具体的な暗騒音の計測は、前記地下タンク1を減圧しない状態で、所望の計測時間の間、例えば180秒間、前記聴音パイプ6からの振動を前記振動検知センサー7により検出する。
なお、前記減圧しない状態とは、前記地下タンク内の圧力を、前記地下タンクの液相部に漏洩口があるとした場合でも、タンク外の空気をタンク内に吸いこまない範囲の圧力の状態(漏洩音が発生するのに必要な所望の減圧値まで減圧しない状態)のことをいう。
そして、該振動検知センサー7により出力された電圧変動等のアナログ信号を、前記信号変換装置3により増幅してからデジタル信号に変換して前記演算記憶処理装置4に読み込み、そして、該演算記憶処理装置4の演算部9のサンプリング処理部9aで、所望のサンプリングレート(サンプリング周波数)でサンプリングし、該サンプリングしたA/D変換値データを暗騒音データとして、前記記憶部8に記憶させる。
前記サンプリング処理部9aのサンプリングレートは、振動音を波形データとして再生可能な程度に、振動音の周波数帯域より十分高い周波数とする。
なお、図4は、前記各サンプリングしたA/D変換値データをつなげて波形にして表した模式図であり、横軸が時間、縦軸が電圧をA/D変換した値であり、オシロスコープなどでみることができる。
(漏洩検査時音の計測)
次に、漏洩検査時音を計測する。なお、該漏洩検査時音の計測を、暗騒音の計測の前に行ってもよい。
具体的な漏洩検査時音の計測は、まず、前記地下タンク1の気相部Gを、該地下タンク1の底に漏洩口があったと仮定した場合でも地下タンク外部の空気を吸い込むことが可能な、漏洩検査を行うのに必要な所望の減圧値となるまで減圧し、例えば、前記気相部Gの圧力を、タンク内液位とタンク外水位によるタンク底の圧力より−3kPa低い値となるように減圧する。
そして、前記地下タンク1を減圧した状態で、前記暗騒音の計測と同様に、該暗騒音の計測時と同じ計測時間(180秒)の間、前記聴音パイプ6からの振動を前記振動検知センサー7により検出し、該振動検知センサー7により出力された電圧変動等のアナログ信号を、前記信号変換装置3等により増幅してからデジタル信号に変換して前記演算記憶処理装置4に読み込み、そして、該演算記憶処理装置4のサンプリング処理部9aで、所望のサンプリングレート(サンプリング周波数)でサンプリングし、該サンプリングしたA/D変換値データを漏洩検査時音データとして、前記記憶部8に記憶させる。
なお、該漏洩検査時音の振動は、前記地下タンク1に漏れがあるときは、前記暗騒音時の振動に、漏洩による気泡音が定常的に加算された振動となり、また、前記地下タンク1に漏れがない場合には、前記暗騒音時の振動と同一態様のものとなる。
次に、前記暗騒音データと、前記漏洩検査時音データとを比較して、漏洩の有無を判断する。
ただし、前記各データには、突発的な雑音等が含まれているため、前記データの比較の前に、前記各データから、それぞれその雑音等を除外した、判定用のデータを抽出するための処理をおこなう。
(判定用データ抽出処理工程)
なお、前記サンプリングしたA/D変換値データの全てのデータをもとに、判定用データを抽出するのは、処理時間がかかるので、まず、前記サンプリングしたA/D変換値データから、必要となる基礎データを抽出し、かかる抽出した基礎データをもとに、判定用データを抽出するようにする。
かかる基礎データ抽出作業は、具体的には、前記演算記憶処理装置4の基礎データ抽出部9bにより、前記記憶した所望の計測時間(180秒)測定した暗騒音データ、即ち、図4に示すように、サンプリングしたA/D変換値を、一定の単位時間毎に区切り(例えば、1秒毎に区切り)、この各区切り内(各単位時間内)のA/D変換値のうち、最大のA/D変換値をそれぞれ抽出し(例えば、図4中○で囲んだA/D変換値)、かかる各値を、暗騒音の基礎データ(暗騒音の区間最大A/D変換値データ)として前記記憶部8に記憶させる。
なお、図5は、暗騒音データの前記計測時間180秒を1秒毎に区切り、各区間の最大値を抽出し、かかる抽出した180個の暗騒音の区間最大A/D変換値データを点線でグラフ表示したものである。
また、前記記憶された所望の計測時間(180秒)測定した漏洩検査時音データ、即ち、前記サンプリングしたA/D変換値も、前記演算記憶処理装置4の基礎データ抽出部9bにより、前記暗騒音データと同様に、前記と同じ単位時間(例えば、1秒)毎に区切り、この各区切り内(各単位時間内)における前記A/D変換値のうち、最大のA/D変換値を抽出し、かかる各値を、漏洩検査時音の区間最大A/D変換値データとして前記記憶部8に記憶させる。
なお、図6は、前記暗騒音の区間最大A/D変換値データをグラフ表示(点線)したものと、前記漏洩検査時音の区間最大A/D変換値データをグラフ表示(実線)したものとを重ねて表示したものである。
そして、前記抽出された各区間の最大値は、各区間の振動の状態を最も顕著に捉えた特徴的な計測値となる。
次に、判定用データ抽出作業を行う。
突発的な振動は、雑音として除外する必要がある。従って、まず、前記演算記憶処理装置4の判定用データ抽出部9cにより、前記暗騒音の区間最大A/D変換値データと、前記漏洩検査時音の区間最大A/D変換値データとを、それぞれ昇順(又は、降順)に並び替え、そして、これら並び替えらえたデータから、例えば、車両通過などによる突発的な振動を含む可能性のある、区間最大A/D変換値が大きい値のものを除外すると共に、暗騒音または漏洩検査時音と逆位相の振動が作用して減衰した振動データと考えられる、区間最大A/D変換値が小さいものを除外し、前記データの中間範囲のA/D変換値データのみを抽出し、この抽出したデータを、それぞれ暗騒音における漏洩判定用データと、漏洩検査時音における漏洩判定用データとして、前記記憶部8に記憶するようにする。
なお、図7は、雑音として不要な異常に大きい振動、異常に小さい振動を取り除くために、前記暗騒音時の区間最大A/D変換値データと、前記漏洩検査時音の区間最大A/D変換値データとをそれぞれ、降順に並び替えたグラフであり、前記並び替えられた暗騒音の区間最大A/D変換値データと、前記並び替えられた漏洩検査時音の区間最大A/D変換値データとから、それぞれ雑音である異常に大きい領域のデータ及び異常に小さい領域のデータを除いた部分、即ち、中間範囲のA/D変換値データを、それぞれ漏洩判定用データとして用いるようにする。
なお、判定用データとして用いる中間範囲のデータとしては、例えば、昇降順に並び替えた180個のA/D変換値データのうち、中間の90番目のデータを中心として、前後10番個のデータ、即ち、80番目のデータから100番目の21個のデータを判定用データとして用いるようにする。
(漏洩判定工程)
次に、前記演算記憶処理装置4の判定部9dにより、前記暗騒音における判定用データのA/D変換値と、漏洩検査時音における判定用データのA/D変換値を比較し、この比較した結果が所望の条件を満たすか否かで、漏洩の有無の判断するようにする。
具体的には、例えば、前記演算記憶処理装置4の判定部9dにより、前記得られた暗騒音における判定用データのA/D変換値の平均値と、漏洩検査時音における判定用データのA/D変換値の平均値をそれぞれ求め、そして、暗騒音の判定用データの平均値に対する、漏洩検査時音の判定用データの平均値の比率を求め、そして、該比率が、例えば、所望の範囲内の場合に、漏洩が無いと判断し、範囲外の場合には、漏洩があると判断するようにする。
前記のように、平均値の比率で求めることにより、地下タンクごとに異なる暗騒音の差による判定の差を除去できるようになる。
なお、表1は、前記並び替えられた暗騒音の区間最大A/D変換値データと、前記並び替えられた漏洩検査時音の区間最大A/D変換値データの80番目から100番目のデータであり、平均値は、前者が459であり、後者は1700となる。
Figure 0006694320
また、前記比率を求める式としては、例えば、平均値の比率を対数比で表した数1がある。
Figure 0006694320
また、前記比率Dが所望の範囲内にあるか否かの判断としては、例えば、図8に記載のような判定表があり、前記得られた比率Dを前記判定表で分類することにより漏洩の有無の判定が可能にある。
本発明においては、雑音を周波数で識別するのではなく、振動の大きさにより行う事を特徴とし、そして、得られたデータを昇降順に並び替え、雑音として記憶されていた異常に大きい振動音及び異常に小さい振動音を除外することにより、突発的な雑音等を除外した暗騒音と漏洩検査時音を比較できるので、周波数に関係なく、地下タンクの液相部の漏洩の有無を正確に捉えることができるようになる。
本発明の地下タンクの漏洩検査装置及び検査方法は、液相部を有する地下タンクに利用できる。
1 地下タンク
1a 天井部
1b 底面
2 振動音検知装置
3 信号変換装置
3a 増幅部
3b A/D変換部
3c 通信回路部
4 演算記憶処理装置
4a モニタ
5 開口部
6 聴音パイプ
7 振動検知センサー
8 記憶部
9 演算部
9a サンプリング処理部
9b 基礎データ値抽出部
9c 判定用データ抽出部
9d 判定部
10 漏洩口
11 気泡


Claims (4)

  1. 地下タンク内を、漏洩検査を行うのに必要な所望の減圧値まで減圧しない状態で、前記地下タンク内の液相部の振動音を、所望の時間計測し、また、漏洩検査を行うのに必要な所望の減圧値まで減圧した状態で、前記地下タンク内の液相部の振動音を、所望の時間、計測する振動音検知装置と、
    前記各計測した振動音をそれぞれ、暗騒音データと漏洩検査時音データとして、記憶する記憶部と、前記記憶した暗騒音データと漏洩検査時音データとを比較して、該比較した結果が所望の条件を満たすか否かで漏洩の有無を判断する判定部とを有する演算記憶処理装置とよりなり、
    前記記憶部に記憶された暗騒音データを、所望の時間毎に区切り、この各区切り内の暗騒音データのうち、振動音の大きさが最大となる暗騒音データをそれぞれ抽出し、かかる抽出した暗騒音データを、区間最大暗騒音データとして、前記記憶部に記憶させると共に、
    前記記憶部に記憶された漏洩検査時音データを、前記所望の時間毎に区切り、この各区切り内の漏洩検査時音データのうち、振動音の大きさが最大となる漏洩検査時音データをそれぞれ抽出し、かかる抽出した漏洩検査時音データを、区間最大漏洩検査時音データとして、前記記憶部に記憶させる基礎データ抽出部を、前記演算記憶処理装置に設け、
    更に、前記基礎データ抽出部により前記記憶部に記憶された区間最大暗騒音データを、振動音の大きさを基準として昇降順に並べた時に、大きい値の範囲のものと小さい値の範囲のものを除外した中間範囲に位置する区間最大暗騒音データを抽出し、かかる抽出した区間最大暗騒音データを、判定用暗騒音データとして、前記記憶部に記憶させると共に、
    前記基礎データ抽出部により前記記憶部に記憶された区間最大漏洩検査時音データを、振動音の大きさを基準として昇降順に並べた時に、大きい値の範囲のものと小さい値の範囲のものを除外した中間範囲に位置する区間最大漏洩検査時音データを抽出し、かかる抽出した区間最大漏洩検査時音データを、判定用漏洩検査時音データとして、前記記憶部に記憶させる判定用データ抽出部を、前記演算記憶処理装置に設け
    前記判定部は、前記判定用データ抽出部より前記記憶部に記憶された判定用暗騒音データと判定用漏洩検査時音データとを比較することを特徴とする地下タンクの漏洩検査装置。
  2. 地下タンク内を、漏洩検査を行うのに必要な所望の減圧値まで減圧しない状態で、前記地下タンク内の液相部の振動音を、所望の時間、振動音検知装置により計測し、該計測した振動音を暗騒音データとして、演算記憶処理装置に設けた記憶部に記憶すると共に、前記地下タンク内を、漏洩検査を行うのに必要な所望の減圧値まで減圧した状態で、前記地下タンク内の液相部の振動音を、所望の時間、振動音検知装置により計測し、該計測した振動音を漏洩検査時音データとして前記記憶部に記憶する第一工程と、
    前記演算記憶処理装置に設けた基礎データ抽出部により、前記第一工程で前記記憶部に記憶された暗騒音データを、所望の時間毎に区切り、この各区切り内の暗騒音データのうち、振動音の大きさが最大となる暗騒音データをそれぞれ抽出し、かかる抽出した暗騒音データを、区間最大暗騒音データとして、前記記憶部に記憶すると共に、
    前記第一工程で前記記憶部に記憶された漏洩検査時音データを、前記所望の時間毎に区切り、この各区切り内の漏洩検査時音データのうち、振動音の大きさが最大となる漏洩検査時音データをそれぞれ抽出し、かかる抽出した漏洩検査時音データを、区間最大漏洩検査時音データとして、前記記憶部に記憶する第二の工程と、
    前記演算記憶処理装置に設けた判定用データ抽出部により、前記第二工程で前記記憶部に記憶された区間最大暗騒音データを、振動音の大きさを基準として昇降順に並べた時に、大きい値の範囲のものと小さい値の範囲のものを除外した中間範囲に位置する区間最大暗騒音データを抽出し、かかる抽出した区間最大暗騒音データを、判定用暗騒音データとして、前記記憶部に記憶すると共に、
    前記第二工程で前記記憶部に記憶された区間最大漏洩検査時音データを、振動音の大きさを基準として昇降順に並べた時に、大きい値の範囲のものと小さい値の範囲のものを除外した中間範囲に位置する区間最大漏洩検査時音データを抽出し、かかる抽出した区間最大漏洩検査時音データを、判定用漏洩検査時音データとして、前記記憶部に記憶する第三工程と、
    前記演算記憶処理装置に設けた判定部により、前記第三工程で前記記憶部に記憶した判定用暗騒音データと前記判定用漏洩検査時音データとを比較して、該比較した結果が所望の条件を満たすか否かで漏洩の有無を判断する第四工程と、
    よりなることを特徴とする地下タンクの漏洩検査方法。
  3. 前記第四工程の前記記憶部に記憶された前記判定用暗騒音データと前記判定用漏洩検査時音データとを比較して、
    該比較した結果が所望の条件を満たすか否かとは、
    前記判定用暗騒音データの平均値と、前記判定用漏洩検査時音データの平均値との比率が、所望の範囲内であるか否かであることを特徴とする請求項2に記載の地下タンクの漏洩検査方法。
  4. 前記判定用暗騒音データの平均値と前記判定用漏洩検査時音データの平均値との比率は、対数比であることを特徴とする請求項3に記載の地下タンクの漏洩検査方法。
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