JP6976898B2 - モニタリングシステム - Google Patents

モニタリングシステム Download PDF

Info

Publication number
JP6976898B2
JP6976898B2 JP2018073703A JP2018073703A JP6976898B2 JP 6976898 B2 JP6976898 B2 JP 6976898B2 JP 2018073703 A JP2018073703 A JP 2018073703A JP 2018073703 A JP2018073703 A JP 2018073703A JP 6976898 B2 JP6976898 B2 JP 6976898B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
data
base station
vibration information
sensor
calculation unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018073703A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019184353A (ja
Inventor
和夫 小埜
雄大 鎌田
亮介 藤原
隆 遠藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2018073703A priority Critical patent/JP6976898B2/ja
Priority to US16/251,580 priority patent/US11209335B2/en
Publication of JP2019184353A publication Critical patent/JP2019184353A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6976898B2 publication Critical patent/JP6976898B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E03WATER SUPPLY; SEWERAGE
    • E03BINSTALLATIONS OR METHODS FOR OBTAINING, COLLECTING, OR DISTRIBUTING WATER
    • E03B7/00Water main or service pipe systems
    • E03B7/003Arrangement for testing of watertightness of water supply conduits
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01MTESTING STATIC OR DYNAMIC BALANCE OF MACHINES OR STRUCTURES; TESTING OF STRUCTURES OR APPARATUS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • G01M3/00Investigating fluid-tightness of structures
    • G01M3/02Investigating fluid-tightness of structures by using fluid or vacuum
    • G01M3/04Investigating fluid-tightness of structures by using fluid or vacuum by detecting the presence of fluid at the leakage point
    • G01M3/24Investigating fluid-tightness of structures by using fluid or vacuum by detecting the presence of fluid at the leakage point using infrasonic, sonic, or ultrasonic vibrations
    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E03WATER SUPPLY; SEWERAGE
    • E03BINSTALLATIONS OR METHODS FOR OBTAINING, COLLECTING, OR DISTRIBUTING WATER
    • E03B7/00Water main or service pipe systems
    • E03B7/07Arrangement of devices, e.g. filters, flow controls, measuring devices, siphons, valves, in the pipe systems
    • E03B7/071Arrangement of safety devices in domestic pipe systems, e.g. devices for automatic shut-off
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
    • G06F17/00Digital computing or data processing equipment or methods, specially adapted for specific functions
    • G06F17/10Complex mathematical operations
    • G06F17/14Fourier, Walsh or analogous domain transformations, e.g. Laplace, Hilbert, Karhunen-Loeve, transforms
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
    • G06F17/00Digital computing or data processing equipment or methods, specially adapted for specific functions
    • G06F17/10Complex mathematical operations
    • G06F17/15Correlation function computation including computation of convolution operations
    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E03WATER SUPPLY; SEWERAGE
    • E03FSEWERS; CESSPOOLS
    • E03F3/00Sewer pipe-line systems
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A20/00Water conservation; Efficient water supply; Efficient water use
    • Y02A20/15Leakage reduction or detection in water storage or distribution

Description

本発明は、埋設管インフラ等のモニタリング技術に関する。例えば埋設水道管から漏水が発生した場合に生じる配管の異常振動をセンサで検知して、漏水を検知する技術に関する。
近年、社会インフラ(上水道管、下水道管、ガス管、送電線、道路、トンネル、橋梁、港湾、その他公共の建造物)の老朽化を把握し、メンテナンスすることが重要になってきている。インフラの損傷状況を現地で診断する方法がこれまで開発され、実用化されてきている。
上下水道やガス、電気といった埋設管インフラの補修は、その損壊が顕在化してから修理することが通例である。特に上水道管から水が漏洩した場合、地上に漏洩した水が出てくる等の異常を把握して初めて修理を行うことも珍しくない。また、地下における漏水の水圧により漏水点付近に地下空洞が形成され、この空洞が成長することで地面が陥没するといった事故も知られている。このような事故になる前に漏水が小規模である時点で検知して、速やかに補修するための技術に関する要求は高い。
また、埋設管インフラは上水道、ガス、電気が近接して配置されていることもある。この場合、上水道管が漏洩したときに、噴出した水の水圧により周囲の土砂が巻き上げられ、付近のガス管や電気ケーブルを損傷させるような二次被害も知られている。このような漏水を起点とした多重事故を防止するためにも、埋設上水道管からの漏水は早期に検知することが望ましい。
漏水検知方法としてセンサ端末を埋設水道管上に配置し、水道管の振動を解析して漏水を検知する手法が提案されてきている。また、近年は様々なものがインターネットに接続されるIoT技術の進展が著しい。例えば大量のセンサ端末からの信号を無線で収集して解析するシステムが提案されてきており、この通信網を用いて埋設管インフラに常時設置したセンサ端末により埋設管の情報をモニタリングすることで異常を早期に発見するシステムの開発が盛んである。一例として、複数のセンサからの信号の相互相関関数を解析することにより、漏水位置を特定する技術がある。例えば、特許文献1に記載の技術がある。
特表2003−502678号公報
モニタリングシステム(例えば漏水検知システム)として、センサ端末を埋設管に常設し、IoT用の無線回線によりデータを収集するシステムが、システムの維持運用コスト、通信コストの観点から望ましい。一方で、無線通信のコストを出来るだけ低減するためには、ひとつの基地局がより多くのセンサ端末を管理するのが好ましい。ここで通信に使われるベースバンドは決まっているため、多くのセンサ端末を管理する場合、個々のセンサ端末に割り当てられるデータ通信量は小さく制限されてしまう。すなわち、センサ端末で取得した音もしくは振動波形をそのまま収集して信号処理に活用することは、無線通信の通信量の制限により困難である。特許文献1ではフィルタリングに関する記述はあるが、多くのセンサ端末を管理するためには、さらなるデータ量の削減が求められる。
また、データ量を削減するとともに、必要な信号雑音比(SNR)を確保する必要がある。特に、SNRの向上はセンサ端末の検知距離を伸長させることにつながり、これにより端末設置密度を下げることができ、より少ない端末で広範囲の埋設管をモニタリングできるようになる。そのため、システム全体のコストダウンにつながる。
そこで、センサ端末からの通信コストを低減しつつ、SNRを確保または向上し、測定対象物の状態を検出するモニタリングシステムを提供する。
本発明の好ましい一側面は、測定対象物に対して設置された複数のセンサ端末と、センサ端末と無線通信する基地局と、基地局と通信可能な計算機とを備えるモニタリングシステムである。センサ端末は、測定対象物の振動情報を取得するセンサ素子と、センサ素子の振動情報を含むデータを演算する演算部と、無線通信部を備えており、演算部は、センサ素子のデータのデータ量を削減処理し、無線通信部は、演算部により処理されたデータを基地局に送信し、基地局は、送信されたデータを受信すると計算機に送信し、計算機は、信号処理部を備えており、信号処理部は、削減処理されたデータを補完して振動情報を取得し、一定の期間にわたって振動情報を平均化する。
本発明の他の好ましい一側面は、測定対象物に対して設置された複数のセンサ端末と、センサ端末と無線通信する基地局と、基地局と通信可能な計算機とを用いるモニタリング方法である。センサ端末は、測定対象物の振動情報を取得するセンサ素子と、センサ素子の振動情報を含むデータを演算する演算部と、無線通信部を備えており、演算部は、センサ素子のデータのデータ量を削減処理して量子化し、無線通信部は、演算部により処理されたデータを基地局に送信し、基地局は、送信されたデータを受信すると計算機に送信し、計算機は、信号処理部を備えており、信号処理部は、削減処理されたデータを補完して振動情報を取得し、一定の期間にわたって振動情報を平均化する。
本発明によれば、モニタリングシステムにおいて、センサ端末からの通信コストを低減しつつ、SNRを確保または向上し、測定対象物の状態を検出できる。上記した以外の課題、構成および効果は、以下の発明を実施するための形態の説明により明らかにされる。
埋設管にセンサ端末を設置して無線通信により情報を収集し、データ解析するモニタリングシステムの構成例を示す図。 広範囲に設置したセンサ端末の情報を基地局で収集するイメージ図。 漏水振動強度の伝播特性を示すグラフ図。 信号を平均化処理することによりSNRが改善されることを示すグラフ図。 実施の形態1に係わる、埋設インフラモニタリングシステム全体の機能ブロック図。 実施の形態1に係わる、センサ端末内で行われる信号処理のブロック図。 センサ端末間の時刻同期誤差の概要を示す図。 量子化による影響を示すグラフ図。 実施の形態1に係わるセンサ端末と基地局との間の通信パケットの構成例を示すイメージ図。 実施の形態1に係わるクラウド側の信号前処理の流れ図。 実施の形態1に係わる自己相関解析の流れ図。 実施の形態1に係わる相互相関解析の流れ図。 (a)は、実施の形態1に係わる、自己相関解析から漏水を判定する流れ図、(b)は実施の形態1に係わる、相互相関解析から漏水を判定する流れ図である。 (a)および(b)は、実施の形態1に係わる、スパイク雑音除去を行った場合と行わない場合との全周波数積分強度の比較グラフ図である。 (a)および(b)は、実施の形態1に係わる、スパイク雑音除去を行った場合と行わない場合とのトレンド計算結果の比較グラフ図である。 実施の形態2に係わる自己相関解析の流れ図。 実施の形態2に係わるセンサ端末と基地局との間の通信パケットの構成例を示すイメージ図。 実施の形態2に係わるクラウド側の信号前処理の流れ図。 実施の形態3に係わる自己相関解析の流れ図。 実施の形態3に係わる相互相関解析の流れ図。 モニタリングシステムにおける動作例を示すシーケンス図。 センサ端末管理情報の構成を示す図。 システム管理情報の構成を示す図。 ペアリストの構成を示す図。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部分には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は、原則として省略する。
同一あるいは同様な機能を有する要素が複数ある場合には、同一の符号に異なる添字を付して説明する場合がある。ただし、複数の要素を区別する必要がない場合には、添字を省略して説明する場合がある。
本明細書等における「第1」、「第2」、「第3」などの表記は、構成要素を識別するために付するものであり、必ずしも、数、順序、もしくはその内容を限定するものではない。また、構成要素の識別のための番号は文脈毎に用いられ、一つの文脈で用いた番号が、他の文脈で必ずしも同一の構成を示すとは限らない。また、ある番号で識別された構成要素が、他の番号で識別された構成要素の機能を兼ねることを妨げるものではない。
図面等において示す各構成の位置、大きさ、形状、範囲などは、発明の理解を容易にするため、実際の位置、大きさ、形状、範囲などを表していない場合がある。このため、本発明は、必ずしも、図面等に開示された位置、大きさ、形状、範囲などに限定されない。
各情報について、テーブルなどの表現で説明する場合があるが、各情報のデータ構造は限定されず、他のデータ構造であってもよい。各情報はデータ構造に依存しないため、例えば、「kkkリスト」を「kkk情報」と呼ぶことができる。
本明細書において単数形で表される構成要素は、特段文脈で明らかに示されない限り、複数形を含むものとする。
以下では、埋設管インフラモニタリングシステムとして上水道管の漏洩検知を例として説明する。同様のシステムはセンサ端末内に配置するセンサ素子の特性を変更することで、ガス管の漏洩検知にも適用可能である。代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
一実施の形態に係わる埋設管インフラモニタリングシステムは、埋設管に接触して設置された複数のセンサ端末とセンサ端末と無線通信する複数の基地局と計算機とを備え、センサ端末は埋設管の振動を計測するセンサ素子とセンサ素子のデータを演算する演算部と無線通信部を備えており、センサ端末は間欠動作して埋設管の振動を計測し、計算機は計測された振動計測結果に対して特異的に強度が大きな結果を除いて決められた期間にわたって平均化することで埋設管の異常を判定する。より具体的には、埋設管インフラモニタリングシステムはセンサ端末からの複数個の出力のパワースペクトルの全周波数にわたる積分強度を算出し、時系列トレンドから判断して不連続な強度を持つパワースペクトルを除去した後、決められた個数の過去のスペクトルデータと平均化する。このように、信号強度が時系列で不連続な点を削除した後に複数の断片的な計測データを平均化処理することで、確度の高い埋設管インフラモニタリングシステムを提供することができる。例えば、漏水位置の特定をはじめ、漏水有無の判定においても、複数のセンサ情報を複数日にまたがる長期間にわたって比較することで、判定確度を向上することができる。
図1は、埋設管にセンサ端末を設置して無線通信により情報を収集し、計算機によりデータ解析するモニタリングシステムの構成例を示す図である。図1は、埋設管である埋設水道管113とセンサ端末107と基地局103と計算機100との接続関係の一例を示している。埋設水道管113は一般的に水の流れを制御するための複数の弁108を備え、道路面112から作業員が弁108を操作するためのユーティリティースペース105が設けられている。センサ端末107は、例えばこのユーティリティースペース105を利用して設置することができる。本実施例では、埋設水道管113は上水管または下水管を想定しているが、測定対象はこれらに限る必要はない。
第一のセンサ端末107aは、第一の弁108aに接して設置される。また、第一のセンサ端末107aは、アンテナ106aと接続される。第一のセンサ端末107aは、点線104に模式的に描いているように、基地局103と相互に無線通信を行う。同様に、第二のセンサ端末107bは第二の弁108bに接して設置される。また、第二のセンサ端末107bは、アンテナ106bと接続され、基地局103と相互に無線通信を行う。上記2つのセンサ端末107により、埋設水道管113からの漏水114に伴う異常振動を検出する。漏水114に伴う異常振動は、漏水点116から距離118を伝播して第一のセンサ端末107aに到達し、また漏水点116から距離119を伝播して第二のセンサ端末107bに到達する。なお、本実施例では、IoT通信網を用いて無線通信を行う例について以下説明し、無線通信をIoT通信と呼ぶことがある。
第一のセンサ端末107aの設置位置115と第二のセンサ端末107bの設置位置117は、これらセンサ端末を設置したときに計算機100のデータストレージ502にシステム管理情報2300の設置位置2303に記録しておくことで、計算機100が継続してこれらの情報を活用することができる。前記情報は地図情報と組み合わせてセンサ端末107の位置を表示する際に活用される。計算機100は、例えばサーバ装置であったり、クラウド上に構成されたクラウド計算機であってもよい。計算機100は、一台の装置に限らず、複数の装置で構成されても良く、計算機システムまたは情報処理システムと呼ばれても良い。
基地局103は、例えば電柱102といった高いところに設置されることが多い。これは低い位置だと交通や建造物の影響を受けて遠方からの電波を受信しづらくなるためである。基地局103と計算機100とは、例えば高速の有線通信101で接続される。都市部では光ファイバ等の通信インフラが整備されているため、これらを活用してモニタリングシステムを構築することがコスト低減のためにも好ましい。なお、本実施例では、有線通信の例で以下説明するが、基地局103と計算機100との間の通信は、有線通信でああっても無線通信であっても、有線通信と無線通信を組み合わせたものであっても良い。
計算機100は、複数のセンサ端末107(第一のセンサ端末107aおよび第二のセンサ端末107bを含む)からの情報(例えば埋設水道管113からの振動情報)を、基地局103経由で収集し、データ解析により漏水検知や漏水位置の特定等を行う。また、計算機100は、各センサ端末107への命令(センサ端末107での計測やデータ処理に関する設定等)を、基地局103経由で送信できる。
無線通信によりデータを送受信するモニタリングシステムでは、センサ端末107に搭載される電池の容量が限られることから、センサ端末107を間欠動作、もしくはイベントドリブン動作させることで、電池の寿命を長くすることができる。そのため、センサ端末107からの情報(例えば埋設水道管113からの振動情報)は常時、連続して取得せず、短時間の断片的なものであっても良い。
図2は、モニタリングシステムにおいて、ひとつの基地局103がカバーする範囲を模式的に示すものである。複数のセンサ端末107が地図200上にプロットされており、基地局103がカバーするのは円203で囲まれた範囲である。一般的には電波の伝播距離は等方的であるから、カバーされる範囲は円形で示される。典型的な半径204は、基地局103やセンサ端末107の仕様および周囲状況により異なるが、例えば数キロメートル程度あることがコストの観点から好ましい。ひとつの基地局103でより多くのセンサ端末を管理するのが好ましい。また、広範囲のモニタリングを行う場合、コストの観点からひとつのセンサ端末107が漏水を検知できる距離を伸長することが好ましい。
図3は、漏水点116からセンサ端末107までの距離と漏水による異常振動信号(漏水振動)の強度の関係の概念を示したグラフ図である。この図を用いて、センサ端末107が漏水を検知できる距離を伸長するために重要となることについて述べる。
横軸の0点は漏水点116であることを意味し、漏水点116から離れるにつれ、信号強度は指数関数的に減少する。横軸の距離は減衰の様子が直線グラフとなるように設定している。漏水信号の低周波領域の減衰直線302と高周波領域の減衰直線301はその傾きが異なることが実験により分かり、低周波領域側のほうが減衰係数は小さいことから遠方まで信号が伝播することが分かる。背景雑音300は、センサ素子自身の雑音とセンサ素子の設置場所における環境雑音によって決定される。一般的にはセンサ素子自身の雑音よりも環境雑音のほうが大きく、環境雑音強度はセンサ端末の設置位置や計測したときの時刻などに依存して大きく変化する。
漏水信号を検知するには、上記背景雑音300よりも漏水信号強度が上回っていることが必要である。センサ端末107が漏水を検知できる距離を伸長するには低周波領域側の信号まで含めて信号処理すること、背景雑音300を低減することが必要となる。本実施例はこの指針に基づいた信号処理方法を提供するものである。
図4は、漏水信号を複数回平均化したときの信号雑音比(SNR)の向上を実際の実験により確認したものである。平均化するデータの個数が多いほど、信号雑音比が向上していることが分かる。すなわち、センサ端末107で取得した断片的な振動情報を、長期間平均化処理することでSNRを向上することができる。なお、連続したデータではなく、離散的に処理したデータを平均化して得られたものであることから、少ないデータでも高SNRの信号を得られることを証明しているものといえる。
図3で示した背景雑音300は定常的なノイズである一方、漏水信号はこれと無相関の信号であるため、積算期間を延ばすとSNRは向上していく。これは、図3で示した背景雑音300のレベルを下げることと等価であり、センサ端末107が漏水を検知できる距離を伸ばせることを意味する。この結果、一つのセンサ端末107でカバーできる範囲を拡大可能になるため、単位面積あたりのセンサ端末107の個数を減少させ、低コストのモニタリングシステムを提供することができる。
図5は、モニタリングシステムの機能ブロックを示す図である。センサ端末107は、通信用アンテナ511、通信制御部(COMM)512、演算部519、センサ素子(SEN)515、電源(POWER)516、演算メモリ(MEM1)517、データメモリ(MEM2)518を備える。演算メモリ517とデータメモリ518は、演算部519に含まれる場合もある。
演算部519は、センサ制御部(SENCTRL)514と信号処理部(CAL0)513を備える。通信制御部512と信号処理部513とセンサ制御部514は、それぞれ演算メモリ517とデータメモリ518にデータ配線によって接続される。電源516は電池であり、センサ端末107が数年間にわたって電池交換無しで動作するような容量を有することが望ましい。演算部519では、センサ素子515で計測した生データをフィルタ処理するなどしてデータ量を圧縮するため、元のデータに復元することが出来なくなる。よって、後ほど、デバッグのために生データを確認する意味でも、データメモリ518には、センサ素子515が計測した生データを不揮発で記録しておく機能を持たせても良い。データメモリ518には、センサ端末管理情報2200が格納されている。
センサ素子515は、例えば加速度センサであるが、他の種類のセンサであっても良い。通信制御部512と演算部519は、例えば1チップマイコンで構成することができる。通信制御部512や演算部519で実行される処理は、データメモリ518に格納されたプログラムがマイコンによって実行されることで、定められた処理を演算メモリ517など他のハードウェアと協働して実現される。マイコンなどの計算機などが実行するプログラム、その機能、あるいはその機能を実現する手段を、「機能」、「手段」、「部」、「ユニット」、「モジュール」等と呼ぶ場合がある。なお本実施例中、ソフトウェアで構成した機能と同等の機能は、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などのハードウェアでも実現できる。演算メモリ517は例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)のような揮発メモリ、データメモリ518は例えばフラッシュメモリのような不揮発メモリで構成することができる。
基地局103は、無線通信によりセンサ端末107と情報をやり取りする。基地局103は、センサ端末制御部(NODECTRL)508を備える。基地局103のセンサ端末制御部508は、ゲートウェイであっても良い。センサ端末制御部508は、図2の円203で示すように基地局103から所定範囲内にある複数のセンサ端末107と通信し、また計算機100と通信することにより、計算機100とセンサ端末107間を相互に接続し、通信パケットを中継する。本実施例において、センサ端末107と計算機100との間でパケットを送受信する場合、上述のような基地局103経由で通信を行うとする。なお、各センサ端末107と計算機100が直接通信する実施形態や、センサ端末107と基地局103と計算機100との間に1以上の中継器がある実施形態であっても良い。例えば、センサ端末107と基地局103で通信する際、他のセンサ端末107を中継器として経由して通信することで、ひとつの基地局103がカバーする範囲を拡張しても良い。
計算機100は、システム制御部(SYSCTRL)506、信号処理部(CAL1)505、連携アプリケーション(APP)504、表示部(DISP)503、データストレージ(STG)502を備える。システム制御部506は、センサ端末107を含め、システム全体を制御する。信号処理部505は、センサ端末107から得られる信号を処理する。連携アプリケーション504は、信号処理部505で処理した信号を元にして、例えば漏水箇所を特定する。表示部503は、連携アプリケーション504の処理結果を表示する。
データストレージ502は、センサ端末107から得られる信号(計測データ)、信号処理部505で処理した信号、連携アプリケーション504の処理結果などを格納する。データストレージ502は、センサ端末107の設定情報2302や設置位置2303を含むセンサ端末管理情報2300や、ペアリスト2400、地図情報を格納する。表示部503、連携アプリケーション504、信号処理部505、システム制御部506は、それぞれデータストレージ502とデータ線で接続され、それぞれの機能ブロックの入出力先がデータストレージ502となるように構成されても良い。このような構成にすることで、各機能ブロックが計算機100上で独立して動作することができ、更に機能の拡張性も高くすることができる。
計算機100は、具体的には出力装置、入力装置、処理装置、および記憶装置を備えるサーバで構成することができる。表示部503はディスプレイなどの出力装置、データストレージ502は記憶装置であるが、サーバを構成するものとして、他の入出力装置や各種メモリを備えても良い。システム制御部506、信号処理部505、連携アプリケーション504は、記憶装置に格納されたプログラムが処理装置によって実行されることで、定められた処理が他のハードウェアと協働して実現される。また、計算機100は、単体のコンピュータで構成してもよいし、あるいは、入力装置、出力装置、処理装置、記憶装置の任意の部分が、ネットワークで接続された他のコンピュータで構成されてもよい。
図22は、センサ端末管理情報2200の構成を示す図である。センサ端末管理情報2200は、各センサ端末107のデータメモリ518に記憶される管理情報であり、それぞれのセンサ端末107自身に関する管理情報である。センサ端末管理情報2200は、当該センサ端末107自身を一意に識別する識別情報である端末ID2201と、当該センサ端末107に関する設定情報2202を含む管理情報である。センサ端末管理情報2200は、センサ端末107によってその内容は異なっていて良い。
端末ID2201は、例えばセンサ端末107と計算機100との間で通信する際に用いる。センサ端末107は、上り通信の際、図9(a)のパケットの端末ID900の部分に自身の端末ID2201を入れて、計測データ902を送信する。当該パケットの送信元であるセンサ端末107であり、かつ計測データ902を計測したセンサ端末107を、計算機100は端末ID900により特定可能である。
計算機100は、下り通信の際、図9(b)のパケットの端末ID903の部分に、送信先のセンサ端末107を識別する端末ID2201を入れて送信する。当該パケットを受信したセンサ端末107は、当該パケットの端末ID903と、自身が有するセンサ端末管理情報2200の端末ID2201とを照合し、一致したときのみ当該パケットが自身のセンサ端末107に対するパケットと判断しても良い。
設定情報2202は、センサ端末107におけるデータ処理の設定やセンサ素子515での計測に関する設定等の設定情報である。設定情報2202は、例えば、センサ起動周期、取得するデータ点数、サンプリング周波数(またはサンプリング周期)、センサ素子515の測定時間や測定間隔、フーリエ変換するデータ点数、バンド選択情報、周波数空間の間引き情報、量子化ビット数等である。設定情報2202は、上記した情報の一部または全部でも良く、またセンサ端末107の設定に関する他の情報が含まれていても良い。センサ端末107は、当該設定情報2202に基づいて、図6に示すデータ処理やセンサ素子515での計測を行う。設定情報2202の内容は、図21のS2101〜S2103、図6のS600で示す通り、更新可能な情報である。また、各センサ端末で、設定情報2202の内容は同じであっても良いが、異なっていても良い。
図23は、システム管理情報2300の構成を示す図である。計算機100は、各センサ端末107のセンサ端末管理情報2200に相当する情報を、システム管理情報2300としてデータストレージ502に記録する。システム管理情報2300は、センサ端末ごとに、当該センサ端末107を一意に識別する識別情報である端末ID2301と、当該センサ端末107に関する設定情報2302と、当該センサ端末107の設置位置2303と、平均化時間(期間)あるいは平均化データ数等を含む管理情報である。
端末ID2301は、当該センサ端末107が有するセンサ端末管理情報2200の端末ID2201と同じ情報であって良い。同様に、設定情報2302は、S2102、S2103、S600の実行後は、当該センサ端末107が有するセンサ端末管理情報2200の設定情報2202と同じ情報であって良い。
設置位置2303は、GPSによる当該センサ端末107を設置位置のデータ等であり、例えばセンサ端末107を設置したときに設置者または管理者等により入力されても良い。センサ端末107自身がGPS機能を有する場合には、センサ端末107から位置データを計算機100に送信し、計算機100が設置位置2302に位置データを記録しても良い。
平均化時間2304は、計算機100の信号処理(図11や図12)等に用いるデータであり、詳細は後述する。平均化時間2304は、平均化期間と呼ばれても良いし、平均化データ数であっても良い。平均化時間2304は、センサ端末107毎に異なっていても良いし、モニタリングシステムで共通の値であっても良い。
図24は、ペアリスト2400の構成を示す図である。計算機100は、ペアリスト2400をデータストレージ502に記録する。ペアリスト2400は、隣接するセンサ端末を端末ペアとして、それらのセンサ端末の端末IDを対応づけて記録している。例えば、図24に示す一例においては、行2401に一つの端末ペアとして、端末ID0001と端末ID0002が対応づけて記録されている。これは、端末ID0001のセンサ端末と端末ID0002のセンサ端末とが隣接していることを示す。また、他の行(例えば2402)には、他の端末ペアの情報が記録されている。ペアリスト2400は、図12の信号処理等において隣接するセンサ端末(端末ペア)の計測データを相関解析する際に用いられる情報であり、詳細は後述する。
図21は、モニタリングシステムにおける動作の一例を示すシーケンス図である。この動作は、モニタリングシステム稼働時に、所定のタイミングで実行される動作である。ここで、所定のタイミングとは、例えば一日一回など定期的なタイミングであっても良いし、モニタリングシステムの管理者による指示を契機とするなど不定期のタイミングであっても良い。各フローを実行するタイミングの其々が、所定のタイミングであっても良い。
フローS2101で、計算機100のシステム制御部506は、センサ端末107の一部または全部について、設定の更新を決定する。例えば、計算機100の入力装置を介して、モニタリングシステムの管理者から、センサ端末107の一部または全部についての設定の更新指示を受け付けた場合に、当該センサ端末107の設定の更新を決定しても良い。また、例えば、モニタリングシステムでセンサ端末107における過去の計測データ等を基にして、新たな設定を自動で導出し、センサ端末107の設定の更新を決定しても良い。このように、センサ端末107の設定の更新は、自動で決定されても、手動で決定されても良い。更新するセンサ端末107の設定内容は、センサ端末管理情報2200の設定情報2202にある情報の一部または全部である。
なお、センサ端末107について設定の更新がない場合は、S2101、S2102、S2103は実施しなくても良い。この場合、当該センサ端末107は、前回の設定情報2202のままで、S2104の処理が実施される。S2102、S2103を実施しないことで、センサ端末107の電源516の電池の消費を抑えるとともに、ネットワーク負荷を低減できる。
フローS2102で、計算機100のシステム制御部506は、基地局103経由で、更新対象のセンサ端末107を一意に識別する識別情報である端末ID903と、更新する設定情報904とを、更新対象のセンサ端末107に送信する。この下り通信のパケットの構成の例は、図9(b)を用いて後述する。
フローS2103で、更新対象のセンサ端末107の通信制御部512は、S2102で送信されたパケットを受信した後、計算機100にACK(肯定応答)を基地局103経由で送信する。計算機100は、このACKを受信することにより、当該センサ端末107との通信が正常に行われと認識し、また当該センサ端末107で設定の更新が行われると認識できる。
センサ端末107の演算部519は、図6のS600で後述するように、S2102で受信した設定情報904を基に、センサ端末管理情報2200の設定情報2202を更新し、センサ端末107の設定を更新する。なお、S2102で送信される設定情報904は、設定情報2202の全部の情報を含んでいても良いし、設定情報2202のうち更新される情報のみを含んでいても良い。設定情報904は、例えば、センサ起動周期、取得するデータ点数、サンプリング周波数(またはサンプリング周期)、センサ素子515の測定時間や測定間隔、フーリエ変換するデータ点数、バンド選択情報、周波数空間の間引き情報、量子化ビット数等である。設定情報904は、上記した情報の一部または全部でも良く、またセンサ端末107の設定に関する他の情報が含まれていても良い。
フローS2104で、センサ端末107は、センサ端末管理情報2200の設定情報2202を基に、計測を行う。この計測の詳細は、図6のS601〜S612で後述する。
フローS2105で、センサ端末107の通信制御部512は、当該センサ端末107を一意に識別する識別情報である端末ID900と量子化情報901と計測データ902とを、計算機100に基地局103経由で送信する。この上り通信のパケットの構成の例は、図9(a)を用いて後述する。
フローS2106で、計算機100のシステム制御部506は、S2105で送信されたパケットを受信した後、センサ端末107にACK(肯定応答)を基地局103経由で送信する。
フローS2107で、計算機100の信号処理部505は、データ下処理を実行する。このデータ下処理の詳細は、図10を用いて後述する。
フローS2108で、計算機100の信号処理部505は、平均化処理およびスパイク雑音除去を含む信号処理を実行する。この信号処理の詳細は、図11または図12を用いて後述する。
フローS2109で、計算機100の連携アプリケーション504は、漏水判定処理を実行する。この漏水判定処理の詳細は、図13を用いて後述する。
なお、図21は、モニタリングシステムにおける動作の一例であって、様々な変形例が考えられる。各フローを実行するタイミングや実行回数は、適宜変更しても良く、そのような変形例も本発明の実施形態の範囲内である。例えば、センサ端末107でS2104の計測を複数回行った後に、S2105でセンサ端末107から計算機100に複数回分の計測データを送信しても良い。
図6は、図5のセンサ端末107の演算部519における制御および演算のフローチャートである。
まずフローS600で、演算部519は、上述のようにS2102で受信した設定情報904を基にセンサ端末管理情報2200の設定情報2202を更新して、データ処理の設定や計測に関する設定等、センサ端末107の設定を更新する。
センサ端末管理情報2200の設定情報2202は、計算機100のシステム制御部506により設定が可能であり、図21のS2102に示すように、無線通信のダウンリンクを用いて、基地局103を経由してそれぞれのセンサ端末107に送信される。送信された情報は、センサ端末107のセンサ制御部514によりデータメモリ518に格納する。また同じ情報は、システム管理情報2300として、計算機100のデータストレージ502にも保存され、計算機100における信号処理に活用される。
上記ダウンリンクのタイミングは任意であるが、例えば、センサ端末107の初期設定時や、センサ端末107から基地局103にセンサデータ(計測データ902)を送信したタイミング(図21のS2105)で行われる。例えば、図21において、S2105またはS2106の後に、S2102およびS2103が行われ、次回以降の計測(S2104)のタイミングで、当該更新されたデータ処理設定に基づいた計測を行っても良い。データ処理設定S600は常に行なう必要はなく、設定する必要があるタイミングで行なえばよい。
次に、センサ制御部514は、S600で更新されたセンサ起動周期に基づいて、S601でセンサ素子515を起動する。電源516の電池の消耗を防ぐために、本実施例ではセンサ素子515はノーマリーオフとしている。無線通信によりデータを送信するモニタリングシステムではセンサ端末107に搭載される電池の容量が限られることから、センサ端末107を間欠動作、もしくはイベントドリブン動作させることが望ましい。これにより、埋設水道管113からの振動情報は常時、連続して取得せず、短時間の断片的なものであってもよい。
センサ素子515が起動すると、次にS602でセンサ素子515の初期化および、診断を実施する。例えば、センサ素子515に内蔵されている診断プログラムの結果を受信して判定する方法がある。もしくは、起動直後のセンサ出力から判定する場合も考えられる。容量検出型MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)加速度センサでは、検出容量の破損により出力が異常値を示す故障モード等が考えられ、これらを検出してセンサ素子515が正常かどうかを判定するステップである。
次にS603で、センサ素子515は計測を行なう。センサ制御部514は、センサ端末管理情報2200の設定情報2202を参照して、取得するデータ点数、サンプリング周波数、測定時間、測定間隔等のセンサ素子515での計測に関する設定情報を取得し、この設定情報に基づいてセンサ素子515に計測を実行させる。特に、サンプリング周波数は、フーリエ変換後の信号処理を決定する上で重要なパラメータである。センサ素子515が加速度センサの場合、埋設水道管113に印加されている加速度情報が計測される。
センサ素子515が計測した結果である計測データが、フローS604でセンサ制御部514により受信され、S605でデータメモリ518に格納される。信号処理部513はデータメモリ518の計測データを取り出し、演算メモリ517を用いて、計測データをS606〜S610でデータ処理する。
S606で信号処理部513は、センサ端末管理情報2200を参照して取得した、フーリエ変換するデータ点数に基づいて、計測データの当該データ点数分をフーリエ変換する。フーリエ変換にはFFT(Fast Fourier Transform)を活用すると、信号処理部513の処理負荷が低減されて良い。FFTを用いるために、フーリエ変換するデータ点数は2の冪になるように設定される。同時に1回のFFTで処理する点数はサンプリング周波数を考慮して、一回に処理すべき時間に基づいて決められる。例えば、サンプリング周波数2kHz、FFTデータ点数2048点とすると、おおよそ1秒間の計測データを1回のFFTでフーリエ変換できることになる。フーリエ変換するデータ点数が増大すると、演算負荷が増大し、必要な演算メモリ容量も増大することから、部品コストの増大、消費電力の増大につながる。よって、モニタリング対象の系に応じて最適に設定する必要がある。
次にS607で信号処理部513は、センサ端末管理情報2200を参照して取得したバンド選択情報に基づいて、バンド選択を行う。FFT結果から必要な周波数帯を残して残りは削除する。例えば2kHzでサンプリングをして300−900Hzのバンドを選択した場合、FFT処理結果から0−299Hzと901−1000Hzを削除する操作を行う。これは漏水検知に不要な帯域、もしくは、環境雑音が漏水信号に比べて非常に大きい帯域、といった条件により設定される。フローS600において、バンド選択情報はダウンリンクにより設定できることから、計算機100における分析結果をフィードバックしてバンド選択される帯域を自在に変更できる。また、データ点数を削減することで、漏水信号情報を保持したまま送信データ量を削減する効果も期待できる。
次にS608で信号処理部513は、センサ端末管理情報2200を参照して取得した、周波数空間の間引き情報に基づいて、周波数空間の間引きを行う。例えば、S607で2kHzでサンプリングして300−900Hzのバンドを選択した場合、選択したバンドのデータを30Hzおきに取り出し、残りのデータを削除することで、データ量を1/30に削減できる。漏水信号スペクトルには細かい構造が存在しないことが我々の実験で確認されており、30Hz程度の間隔で疎に間引きしても漏水情報の質に大きな劣化は起きない。この周波数空間の間引きの条件設定も、フローS600のデータ処理設定によって行なうことができる。
例えば、送信の容量が決まっている場合を想定する。説明の単純化のため、1回の送信で1000点のデータを送信可能とする。漏水の有無を判定するためには、1秒間1000点の生データを10点に間引くことができ、100秒間分のデータを送信することができる。100秒分のデータを平均化することによって、高いSNRで漏水の有無を判定することができる。一方、漏水があることが判明し、その後漏水の位置を判定するためには、周波数空間の情報密度が高いデータを用いることが望ましい。よって、1秒間1000点のデータを1秒間分送信する。このように、フローS600のデータ処理設定では、用途に応じて条件を設定することができる。
フローS608まででデータ量が小さくなったスペクトルを、S609で信号処理部513が逆フーリエ変換する。演算部519や演算メモリ517の負荷を減らすためにIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)を用いるのが好ましい。逆フーリエ変換S609を行なうことにより、さらにデータ量の圧縮が期待できる。
逆フーリエ変換によりデータ量が削減された時系列相当のデータに対し、S610では信号処理部513は、センサ端末管理情報2200を参照して取得した量子化ビット数に基づいて、量子化を行う。例えば4ビット量子化ならば、4ビット全部を有効に用いてデータを表現するため、データの規格化を行う演算を行い、その際の規格化係数は後に計算機100に量子化情報901として送信される。規格化や量子化の条件も、フローS600のデータ処理設定によって行なうことができる。
フローS610までに演算された計測データと規格化係数は、S611で通信制御部512内の送信バッファに格納され、IoT通信のタイミングで基地局103に送信される(図21のS2105)。
フローS606からS611までの処理は各フーリエ変換するデータ点数に対して行われ、規定回数=全データ点数/フーリエ変換点数、で定義される規定回数に達するまで繰り返される。この判断をフローS612で行う。例えば、2kHzで約10秒間、20480点のデータを計測した場合、FFT点数を2048点とすれば規定回数は10回であり、10回ループを繰り返すことになる。規定回数やフーリエ変換点数の設定や変更も、フローS600のデータ処理設定によって行なうことができる。
例えば、漏水の有無を判定するためには、規定回数を多く、すなわちフーリエ変換点数を小さくすることが望ましい。個々の情報量は少ないが、長い期間のデータを送信することができる。これを平均化することによって、高いSNRで漏水の有無を判定することができる。一方、漏水があることが判明し、その後漏水の位置を判定するためには、規定回数を少なくすることが望ましい。規定回数を少なくしてフーリエ変換点数を大きくすることにより、単位時間当たりの情報量が増加し、相関解析の計算の精度が向上して漏水位置の特定の精度が向上することになる。このように、用途に応じて条件を設定することができる。
図6のフローが終了すると、通信制御部512内の送信バッファには一回のIoT通信で基地局103に送信する全データが格納されることになる。例えば各センサ端末107に許された通信回数は1日1回であるとすれば、図6のフローは1日に1回実施される。つまり端末の動作および計測は1日1回となる。当然、システムの規模や通信網全体の設計次第では動作周期を柔軟に設計できる。
以上の処理によって、センサ端末107は、センサ素子515で取得したデータのうち、後の処理に必要な情報を選択的に計算機100に送信することができるので、データ送信量を圧縮することができる。これにより、基地局103の個数を少なくしても輻輳を防ぐことが可能となり、システムのコストを節約することが可能である。
図7を用いて、複数のセンサ端末107の時刻同期誤差を説明する。センサ端末107は、それぞれに内部クロックを持ち、これに基づいて動作している。これらの部品の精度によっては1日に数秒以上の時刻誤差が、複数のセンサ端末107の間に発生する可能性がある。例えば、隣接するセンサ端末107(以下、センサ端末Aとセンサ端末Bとして説明)の相関解析を実施して漏水位置を解析するためには、漏水点からセンサ端末Aとセンサ端末B其々への信号到達時間遅延を正確に見積もることが必要であり、時刻同期誤差はこの見積もりに大きな影響を及ぼす。よって時刻誤差に基づいてFFT処理点数が決定される。
図7における704および705はセンサ端末Aを基準とした24時間を示しており、センサ端末Aは自分の時計に基づいて1日目の計測700、1日目の通信701、2日目の計測702、2日目の通信703を実施する。同様にセンサ端末Bは自分の時計に基づいて1日目の計測709、1日目の通信710、2日目の計測711、2日目の通信712を実施する。センサ端末AとBのそれぞれが、通信のタイミングでシステムと時刻同期706、707、713、714を行うが、センサ端末AとBで通信を行う時刻が異なるため、ある程度の同期誤差708が発生する。
同期誤差708が発生した状態でセンサ端末AとBが同じ漏水点からの漏水信号を計測した場合、測定時間によっては、センサ端末AのFFT結果とセンサ端末BのFFT結果には同時刻に発生した漏水による漏水信号を全く含まない場合が起こりうる。例えば測定時間が10秒であり時刻同期誤差がこれ以上あった場合、センサ端末AとBの間における相関解析は実施できないことになる。よって、測定時間は、時刻同期誤差の2倍以上であることが好ましい。こうすることで、最低でも半分以上のデータでは同時刻における計測データとみなすことが出来るようになる。同期誤差の修正は計算機100により行うこととすればよい。同期誤差を考慮に入れた測定時間の指定の一例では、システムが仕様とする同期誤差の2倍以上を測定時間とし、フローS2102において、ダウンリンクで各センサ端末107に指示すればよい。データ量の削減を考慮すると、同期誤差の2倍〜3倍程度が好ましい。
図8には、量子化して情報量を削減した場合の検知距離に対する影響を示した。横軸は漏水点を0としてセンサ端末107までの距離を示し、縦軸は信号雑音比SNRである。比較的多いビット数でデータを量子化した場合の多ビットデータ800と、比較的少ないビット数でデータを量子化した場合の少ビットデータ801それぞれのSNRを比較して示している。横軸の距離はSNRの減衰が直線グラフになるようにあわせている。
ビット数を少なくしてデータを量子化する場合、SNRが高い領域ではSNRの低下割合が大きく、低い領域では影響が小さい。漏水点とセンサ端末107の距離が近い場合、信号強度が強いために多ビットデータ800と比較して、少ビットに量子化した少ビットデータ801ではSNRがより低下する。一方で漏水点とセンサ端末の距離が離れるにつれ信号強度も小さくなることから、少ビットに量子化したことによるSNRの劣化具合は小さくなる。
モニタリングシステム(漏水検知システム)を検知距離目標802に合わせて設計した場合、システムに必要な要求仕様SNR803は検知距離目標802以下において少ビットに量子化しても満たすことが可能である。量子化ビット数は、システムが目標とする検知距離と判定に必要なSNRから設定する。
図9(a)はセンサ端末107から基地局103を経由して計算機100に送信される上り通信のパケット構成例であり、(b)は計算機100から基地局103を経由してセンサ端末107に送信される下り通信のパケット構成例である。
図9(a)に示すように、上り通信では最初に端末ID900を配置し、次に量子化時の量子化情報901、次に計測データ902を配置する。量子化情報901は、図6の処理S610での量子化に用いられたパラメータであり、例えば規格化係数である。計測データ902は、図6の処理S611で送信バッファに格納されたデータである。量子化情報901と計測データ902は逆になっても問題は無い。量子化情報を送信することで計算機100が複数のセンサ端末107における信号強度を比較できるようになる。また端末ID情報部に、センサ端末107における計測時の設定情報904を付与して送付することも可能である。このようにすることでダウンリンクの不具合により、センサ端末107の設定の更新ができなかった場合、計算機100で上記不具合を検知できるという利点がある。
図9(b)に示すように、下り通信では最初に端末ID903、次に設定情報904を配置する。設定情報904は、図21の処理S2102で計算機100からセンサ端末107に送信されるものである。設定情報904の最初に更新の有無を規定するフラグを配置すると、通信障害により設定情報904が正確に伝わらない場合でも、フラグだけが伝わり、かつ、変更無しであれば、センサ端末107に障害が生じない利点がある。
図10には、計算機100におけるデータ下処理のフローを示す。この処理は、計算機100の信号処理部505によって実行される。本実施例では信号処理部505による処理は、サーバの処理装置が、記憶装置に格納されたプログラムを実行することにより実現することにした。
最初にS1001で、信号処理部505は、それぞれのセンサ端末107に対応するシステム管理情報2300の設定情報2302や平均化時間2304を、データストレージ502から読み込む。設定情報2302は、図9(b)で設定情報904として、各センサ端末107に通知した情報と同じ内容を含むものであり、例えば、当該センサ端末107において、取得するデータ点数、フーリエ変換するデータ点数、バンド選択情報、周波数空間の間引き情報、量子化ビット数、センサ起動周期、サンプリング周波数、測定時間、測定間隔等である。設定情報2302は、端末ID2301と対応付けてデータストレージ502に配置することで、データ処理時に読込むことが容易になる。
フローS1002で、信号処理部505は、センサ端末107におけるフーリエ変換処理一回分のデータを読込む。
フローS1003では、信号処理部505は、S2105で受信したパケットに含まれる量子化情報901の規格化係数を基に、S610で行った規格化の前のデータを復元する。これにより、複数のセンサ端末107における信号強度を比較できるようになる。本データは逆フーリエ変換された時系列相当のデータになっているので、信号処理部505は、フーリエ変換して周波数空間のデータに変換する。このときのフーリエ変換にはFFTを用いるのが好ましい。
フローS1004では、信号処理部505は、バンド選択情報に基づいて、センサ端末107におけるバンド選択(S607)で削除したデータ点を数値ゼロとして挿入する。
次にフローS1005において、信号処理部505は、周波数空間の間引き情報に基づいて、センサ端末107における周波数空間の間引き(S608)により削除された点を前後の周波数における値から類推した値で補完する。例として2kHzでサンプリングされ30Hzおきに間引かれているデータを補完する場合、300Hzから330Hzまでのデータは301〜315Hzは300Hzの値で補完し、316〜329Hzは330Hzのデータで補完するといった方法が適用できる。または300Hzから330Hzの間を直線補完する方法も考えられる。フロー1005終了時点で、データ点数はセンサ端末107における元々のFFT点数と同じになる。
信号処理部505は、当該センサ端末107における計測データの全データ点を処理するまでフローS1002からS1005までを繰り返し(S1006)、全データ点を処理し終えた後に、S1007で複素スペクトルデータとしてデータストレージ502に格納する。例えば、一つ目の軸を周波数、もうひとつの軸をS1006の繰り返し回数とした2次元マトリクスとして格納すると、後の信号処理に適したデータ構造となる。
以上のデータ下処理によって、計算機100はセンサ端末107から送信されたデータを補完して、センサ端末107で取得した計測データのうち、その後の処理に必要な部分の情報を復元し、格納することが可能となる。
図11には、図10で示したデータ下処理を行った複素スペクトルデータに対して、平均化処理およびスパイク雑音除去を施す信号処理フローを示す。この処理は、計算機100の信号処理部505によって実行される。
まずフローS1102で、信号処理部505は、データ下処理したデータにおける1回のFFT処理に相当するスペクトルデータを、データストレージ502から読込む。このスペクトルデータに対し、S1103で、信号処理部505は、パワースペクトルの計算を実施する。更にフローS1104において、信号処理部505は、パワースペクトルの全周波数における積分強度(あるいは積算強度)を算出する。この結果は後のS1109におけるスパイク雑音除去を行うための判定値となる。パワースペクトルの計算や積分強度計算は公知であるため説明は省略する。
全ての複素スペクトルに対してフローS1102からS1104を実施するまで、信号処理部505は、S1105においてループを実行する。これにより計算されたパワースペクトル群と、これと同じ数の積分強度値は以後「単体計算結果」と呼ぶ。信号処理部505は、データストレージ502に単体計算結果を格納する。
次に、スパイク雑音除去S1109を実行する。スパイク雑音除去の詳細は、以下S1106〜S1108で説明する。
フローS1106で、信号処理部505は、システム管理情報2300の平均化時間2304に基づいて、あらかじめシステムパラメータとして決定しておいた分の過去の単体計算結果を、データストレージ502から読込む。図4に示すSNR改善結果に基づくと60回の平均化まではSNRの向上が期待できる。例としてセンサ端末107の動作を1日に1回とすると、計算機100におけるデータ処理も同じ頻度になるため、過去60日分のデータを呼び出してその日のデータと平均化することで、その日のデータだけを用いた場合に比較して、図4の結果によれば、およそ10dBのSNR向上が期待される。よってフローS1106では、例えば過去60日分のデータを読込む。
フローS1107では、信号処理部505は、その日の取得データの積分強度と過去60日のそれぞれの積分強度結果を比較し、大きくトレンドから逸脱した強度であった場合は、瞬時雑音と判定する。トレンドの計算には、線形回帰トレンド等の公知の手法を採用してよい。
また、フローS1108では、信号処理部505は、閾値により雑音の可能性がある計測トレースを判定する。例えば、トレンドから学習して設定した閾値よりも強度が大きかった場合、信号処理部505は瞬時雑音と判定し、該当するデータ列を削除する。例として1秒分のデータを10個、10秒分を1日のデータ量として処理する場合、ある1秒の積分強度が大きかった場合、信号処理部505は、その1秒間のデータを平均化から除外して、残り9秒分のデータをフローS1110で単体計算結果としてデータストレージ502に格納する。単体計算結果のデータは、翌日以降の計算時に過去計算結果として呼び出される。漏水位置の特定をはじめ、漏水有無の判定においても、複数のセンサ情報を複数日にまたがる長期間にわたって比較することで判定確度を向上することができる。
なお、雑音が想定されない環境であれば、スパイク雑音除去S1109を省略することができる。また、フローS1107、フローS1108は片方だけを適用しても良い。また、時間微分を計算してスパイク雑音を検出してフィルタリングするなど、他の公知のスパイク雑音除去技術を追加あるいは置換してもよい。
フローS1110で、信号処理部505は、S1109のスパイク雑音除去後のデータを、単体計算結果としてデータストレージ502に格納する。
次にS1106で例えば過去60日分のデータを読込んだ場合、S1111で、信号処理部505は、その日のデータと過去60日のデータのパワースペクトル平均を計算し、その日の過去まで含めた平均化パワースペクトルとして1本のパワースペクトルを得る。平均化時間(期間)あるいは平均化データ数は、使用者が任意に設定することができる。
次にS1112で、信号処理部505は、S1111により得られたパワースペクトルを逆フーリエ変換し、自己相関関数を算出し、更にS1113でその最大値を取得する。信号処理部505は、この自己相関関数の最大値を、その日の単体平均データとしてデータストレージ502に格納する。これにより、単一のセンサ端末107のデータを活用して、スパイク雑音やノイズの影響を低減した漏水判定用データが得られる。
図12では、隣接する2つのセンサ端末107の計測データを用いて相関解析を行う場合の信号処理フローについて述べる。この処理は、計算機100の信号処理部505が実行する。図11に示す単一のセンサ端末107の計測データを用いた場合と比較して、上位システムから相関解析を行うセンサ端末107のペアリスト2400が供給される点が異なる。
フローS1201で、信号処理部505は、データストレージ502からペアリスト2400を読み込む。フローS1202で、信号処理部505は、システム管理情報2300を参照して、ペアリスト2400に基づいて、端末ペアである、隣接する2つのセンサ端末107の設定情報2302や平均化時間2304を、データストレージ502から読込む。
図11ではパワースペクトルを計算したが、図12の相関解析では、信号処理部505が、フローS1203において2つのセンサ端末107間のクロススペクトルを計算し、フローS1210においてセンサ端末107の端末ペアに対して計算結果を格納する点が異なる。全周波数積分強度計算S1204、規定回数判定S1205、フローS1206〜S1208を含むスパイク雑音除去S1209については、図11のフローS1104〜S1109と同様であるが、処理対象は端末ペアのデータになる。
フローS1210で、信号処理部505は、S1209のスパイク雑音除去後のデータを、ペア計算結果としてデータストレージ502に格納する。
フローS1211では、信号処理部505は、平均化時間(期間)あるいは平均化データ数に基づいて、その日のデータと過去のデータのクロススペクトル平均を計算し、その日の過去まで含めた平均化クロススペクトルとして1本のクロススペクトルを得る。
S1212では、信号処理部505は、S1211により得られたクロススペクトルを逆フーリエ変換し、相互相関関数を算出し、更にS1213でその最大値を取得する。信号処理部505は、この相互相関関数の最大値を、その日のペア平均データとしてデータストレージ502に格納する。これにより、隣接する2つのセンサ端末107のデータを活用して、スパイク雑音やノイズの影響を低減した漏水判定用データが得られる。
複数の端末ペアについて網羅的に相関解析を実施するため、フローS1202からS1214までを、ペアリスト2400の全ての端末ペアについて終了するまで、繰り返し実施する。ペアリスト2400は、センサ端末の移動などがあった場合にはその都度更新され、データストレージ502に格納されている。したがって、常に最新の状態のものがS1201で読込まれる。
更にペアリスト2400は、モニタリングシステムが設定するセンサ端末107の最大検知距離を越えて離れているペアや隣接していないペアは除去して構成されるのが好ましい。一方で、埋設水道管113に分岐があった場合でも、分岐に沿った距離が想定する最大検知距離以内であればペアとして検出されるようにする。このようにすることで、無駄な相関解析を省きつつ、分岐がある状態でも正確に漏水の有無や漏水位置を推定することができるようになる。
図13は、漏水判定を行う際の処理フローを示す図である。この処理は、計算機100の連携アプリケーション504が実行する。以下の処理は一例であり、図11で説明した単体平均データ、あるいは図12で説明したペア平均データを用いて、他の相関を用いた手法で判定を行なってもよい。これらの平均データを用いた判定を行なうことにより、精度の高い判定が可能となる。
図13(a)は単一センサ端末の自己相関解析による単体平均データを用いた場合の漏水判定に関するものである。まずS1301で、計算機100は、単体平均データをデータストレージ502から読込む。
次にS1302で、計算機100は、過去の単体平均データの結果を用いて公知のトレンド計算を実施する。例えば直線回帰式は、過去の平均データについて漏水がない場合の直線のトレンドを算出してトレンドパタンを学習することができる。
S1303で、計算機100は、上記トレンドパタンの学習結果や、あらかじめ設定した閾値を用いて、トレンドから外れた現象を検出し、該当するセンサ端末107の設置位置2303における漏水判定を行う。
S1304で計算機100は、センサ端末107の設置位置2303と地図情報と漏水判定結果を基に、該当センサ端末107における漏水判定結果を地図等と重ねて、表示部503に表示する。
図13(b)は相互相関解析によるペア平均データを用いた場合の漏水判定に関するものである。S1311で、計算機100は、ペア平均データを読込む。
S1312で、計算機100は、過去のペア平均データの結果を用いてトレンド計算を実施する。
S1313で、計算機100は、端末ペア間の水道管の漏水判定を実施する。
端末間の埋設水道管113は地図上では線として表現されるため、S1314では、計算機100は、センサ端末107の端末ペアの設置位置2303と地図情報と漏水判定結果を基に、例えば地図上で埋設水道管113を模した線に漏水判定結果を重ねて、表示部503に表示する。
図14(a)および(b)は、フローS1104の結果である全周波数積分強度を示す図である。図14(a)はフローS1109のスパイク雑音処理前のグラフであり、図14(b)はスパイク雑音除去後のグラフである。図14(b)の計測点数が、図14(a)と比較して少ないのは、全周波数積分強度がスパイク状に大きい計測点を除去したためである。このようにスパイク雑音を除去することでデータ点数は減少するものの、矢印1400で示す漏水発生前後の全周波数積分強度の変化がわかりやすくなる利点がある。
図15(a)および(b)は、トレンド計算結果を示す図である。図15を用いて、過去データと平均化したときのデータに対して、スパイク雑音が与える影響について説明する。図15の横軸は時間、縦軸は単体もしくはペアの平均データを示す。閾値1および閾値2はトレンド計算の結果学習した閾値の例であり、閾値1以下であれば正常(漏水なし)、閾値2以上であれば異常(漏水あり)を示す。閾値1と閾値2の間は判定保留となる。2つの閾値を用いることにより、一時的に平均データ値が上昇したことによる誤判定を防止することができる。
図15(a)において、データ1502はスパイク雑音を含む点である。1503は平均化時間の長さを表しており、一回スパイク状の信号が入力されると、そのデータが平均化時間の範囲外に出るまでのあいだ、全ての信号レベルが上昇してしまう。このスパイク雑音による信号レベルの上昇により、閾値1505や1504で判定する際に誤判定を引き起こす。
これに対して図15(b)では、1502にあったスパイク雑音を除去したことで信号の過去トレンドがスムーズになり、閾値による判定が容易になる。閾値1と閾値2を用いた判定では、データが閾値1を超えた時点で正常から判定保留のステイタスとなり、次に閾値2を越えた時点で判定保留のステイタスは異常に切り替わる(判定確定)。1503は平均化時間の長さを表しているから、この数日にわたる時間幅を持って、閾値2以上の漏水状態を示す信号強度へ変化していくことになる。つまり、平均化時間1503が長くなるとSNRは改善するが、一方で漏水を検知(判定確定)するまでに要する時間が長くなる。平均化時間(平均化期間)の長さあるいは平均化データ数は、信号強度と、漏水検知にいたる時間遅延がどこまで許容されるかということを考慮してシステムに応じて設計されることが好ましい。
実施の形態2(実施例2)について、実施の形態1(実施例1)で説明したモニタリングシステムの動作や構成について相違点のみを以下説明し、実施の形態1と同様の動作や構成については説明を省略する。
図16を用いて、実施の形態2におけるセンサ端末107内の信号処理フローについて説明する。図5のセンサ端末107の演算部519における制御および演算のフローチャートである。図6に示すフローと比較して逆フーリエ変換S609を行わない点が異なる。つまり、複素周波数スペクトルのまま低ビット量子化し送信するフローである。
周波数スペクトルは、例えば2048点の時系列データをFFT処理した場合、2048点の複素データになる。しかし、その半分は残りの半分の複素共役であるから、半分だけを送信し、クラウド計算機(計算機100)で補完すればよい。こうすることで、少なくともS2105のデータ送信における送信データ量を半減することができる。
また、S2105のデータ送信に際しては実部と虚部の両方を送信する必要がある点は注意を要する。自己相関解析だけを行う場合にはパワースペクトル化して送信することも可能である。この場合、実部だけを送信することになり、データ量を複素で送信する場合に比較して半減することができる。一方で、隣接センサ端末間の相関解析を実施する場合にはクラウド計算機(計算機100)における複素スペクトル計算が必要になるため、複素周波数スペクトルのまま送付したほうが効率が良い。
図17に、実施の形態2におけるセンサ端末107から基地局103への上り通信のパケットの構成の一例を示す。上り通信のパケットは、端末ID900と計測データ1702(または1705)と量子化情報1703(または1706)とを含む。図16で述べたとおり、複素スペクトルを送信するため、データ部1702,1705が実部Rxと虚部Ixから成る。また量子化情報1703,1706も実部のRQと虚部のRQの2通りを送信する必要がある。
図17(a)は、計測データ1702について、データ点の順番に並べ、実部、虚部、実部、虚部・・・と順番に送信する場合の例である。図17(b)は計測データ1705について、実部のみ、虚部のみをデータ点の順番で送信するときの例である。通信障害によりデータが化けてしまうリスクを考慮すると、図17(a)のやり方は影響を受けるデータ点の数が図17(b)の半分に抑えられる可能性があり、より好ましい。一方で図17(b)の方法は受信側の計算機100で受信しやすくなる可能性がある。パケットパタンの選択はシステム設計に応じて柔軟に変更してよい。
図18は実施の形態2において、計算機100におけるデータ下処理のフローを示すものである。この処理は、計算機100の信号処理部505によって実行される。図10に示す実施の形態1のデータ下処理に比較して、フーリエ変換処理S1003が取り除かれている。これはセンサ端末107から送信される計測データが複素スペクトルデータであるため、フーリエ変換が不要となるためである。これにより計算機100における負荷が低減でき、計算の高速化、計算機100の消費電力低減に寄与する。
実施の形態3(実施例3)について、実施の形態1(実施例1)で説明したモニタリングシステムの動作や構成について相違点のみを以下説明し、実施の形態1と同様の動作や構成については説明を省略する。
図19は実施の形態3において、計算機100における自己相関解析の信号処理フローの他の例を示したものである。この処理は、計算機100の信号処理部505によって実行される。図11の処理と比較すると、S1102〜S1111のスペクトル平均までは同一であるが、それ以降のS1911、S1912が異なる。すなわち、図11に示す実施の形態1と比較して、フローS1911では、パワースペクトルの強度をある特定のバンドに着目して抽出および積分し、フローS1912では、その値を単体データとして格納する点が異なる。自己相関関数化を必要としないので逆フーリエ変換を必要とせず、クラウド計算機(計算機100)の負荷を低減することが出来る。また、特定のバンドに着目した処理を行うことで、SNRを向上できる可能性がある。着目バンドの設定には埋設上水道管網の構造解析結果や管網シミュレータによる水圧分布の計算結果などを活用することができる。
図20は実施の形態3において、クラウド計算機(計算機100)における相互相関解析の信号処理フローの他の例を示したものである。この処理は、計算機100の信号処理部505によって実行される。S1201〜S1211のスペクトル平均までは図12に示す実施の形態1と同じであるが、それ以降のS2012、S2013が異なる。フローS2012では、クロススペクトルの強度をある特定のバンドに着目して抽出および積分し、フローS2013では、その値をペアデータとして格納する点が異なる。逆フーリエ変換を省略して相互相関関数を計算せず、相互相関スペクトルの解析を行うことでクラウド計算機(計算機100)の負荷を低減できる。特定のバンドに着目した処理を行うことで、SNRを向上できる可能性がある。着目バンドの設定には埋設上水道管網の構造解析結果や管網シミュレータによる水圧分布の計算結果などを活用することができる点は自己相関解析の場合と同じである。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。ある実施例について、他の実施例の構成要素と組合せて実施しても良い。
本願実施例において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以下のとおりである。すなわち、埋設管インフラのモニタリングにより異常を早期に検知して修復するシステムにおいて、センサ端末で取得した埋設配管の断片的で不完全な振動情報を決められた日数にわたる長期間平均化処理することで漏水の判定確度を向上することができる。また、センサ端末のハードウェアを構成する部品コストを上昇させることなく単一のセンサ端末がモニタリングする区域を拡張できることから、設置するセンサ端末の個数を削減でき、システム全体を低コスト化することができる。更にデータ通信量が限られたIoT通信網を用いてデータの送信ができ、システムの通信コストを削減できる。
また、以下の構成についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
モニタリングシステムは、測定対象物に対して設置された複数のセンサ端末と、前記センサ端末と通信可能な計算機とを備える。前記センサ端末は、前記測定対象物の振動情報を取得するセンサ素子と、前記センサ素子の前記振動情報を含むデータのデータ量を削減する処理を含む演算を行う演算部と、前記演算部により処理されたデータを前記計算機に送信する通信部を備える。前記計算機は、前記削減処理されたデータを補完して振動情報を取得し、一定の期間にわたって前記振動情報を平均化し、平均化された振動情報に基づいて測定対象物の状態を検出する。
モニタリングシステムは、測定対象物に対して設置された複数のセンサ端末と、前記センサ端末と通信可能な計算機とを備える。前記計算機は、各センサ端末に周波数空間の間引き情報を含む設定情報を送信する。前記センサ端末は、前記測定対象物の振動情報を取得するセンサ素子と、前記設定情報に基づき、前記センサ素子の前記振動情報を含むデータについて周波数区間の間引きを行いデータ量を削減する処理を含む演算を行う演算部と、前記演算部により処理されたデータを前記計算機に送信する通信部を備える。前記計算機は、前記削減処理されたデータを補完して第2の振動情報を取得し、前記第2の振動情報に基づいて測定対象物の状態を検出する。

Claims (8)

  1. 測定対象物に対して設置された複数のセンサ端末と、前記センサ端末と無線通信する基地局と、前記基地局と通信可能な計算機とを備え、
    前記センサ端末は、前記測定対象物の振動情報を取得するセンサ素子と、前記センサ素子の前記振動情報を含むデータを演算する演算部と、無線通信部を備えており、
    前記演算部は、前記センサ素子のデータのデータ量を削減処理し、
    前記無線通信部は、前記演算部により処理されたデータを前記基地局に送信し、
    前記基地局は、送信された前記データを受信すると前記計算機に送信し、
    前記計算機は、信号処理部を備えており、
    前記信号処理部は、前記削減処理されたデータを補完して振動情報を取得し、一定の期間にわたって前記振動情報を平均化するものであり、
    前記演算部において、フーリエ変換、特定帯域を残したデータ除去、逆フーリエ変換、を順次行ない、
    前記信号処理部において、フーリエ変換、前記データ除去された帯域の補完、を順次行なって振動情報を取得する、モニタリングシステム。
  2. 測定対象物に対して設置された複数のセンサ端末と、前記センサ端末と無線通信する基地局と、前記基地局と通信可能な計算機とを備え、
    前記センサ端末は、前記測定対象物の振動情報を取得するセンサ素子と、前記センサ素子の前記振動情報を含むデータを演算する演算部と、無線通信部を備えており、
    前記演算部は、前記センサ素子のデータのデータ量を削減処理し、
    前記無線通信部は、前記演算部により処理されたデータを前記基地局に送信し、
    前記基地局は、送信された前記データを受信すると前記計算機に送信し、
    前記計算機は、信号処理部を備えており、
    前記信号処理部は、前記削減処理されたデータを補完して振動情報を取得し、一定の期間にわたって前記振動情報を平均化するものであり、
    前記演算部において、フーリエ変換、特定帯域を残したデータ除去、周波数空間間引き、逆フーリエ変換、を順次行ない、
    前記信号処理部において、フーリエ変換、前記データ除去された帯域の補完、周波数空間間引き補完、を順次行なって振動情報を取得する、モニタリングシステム。
  3. 測定対象物に対して設置された複数のセンサ端末と、前記センサ端末と無線通信する基地局と、前記基地局と通信可能な計算機とを備え、
    前記センサ端末は、前記測定対象物の振動情報を取得するセンサ素子と、前記センサ素子の前記振動情報を含むデータを演算する演算部と、無線通信部を備えており、
    前記演算部は、前記センサ素子のデータのデータ量を削減処理し、
    前記無線通信部は、前記演算部により処理されたデータを前記基地局に送信し、
    前記基地局は、送信された前記データを受信すると前記計算機に送信し、
    前記計算機は、信号処理部を備えており、
    前記信号処理部は、前記削減処理されたデータを補完して振動情報を取得し、一定の期間にわたって前記振動情報を平均化するものであり、
    前記演算部において、フーリエ変換、特定帯域を残したデータ除去、周波数空間間引き、を順次行ない、
    前記信号処理部において、前記データ除去された帯域の補完、周波数空間間引き補完、を順次行なって振動情報を取得する、モニタリングシステム。
  4. 測定対象物に対して設置された複数のセンサ端末と、前記センサ端末と無線通信する基地局と、前記基地局と通信可能な計算機とを備え、
    前記センサ端末は、前記測定対象物の振動情報を取得するセンサ素子と、前記センサ素子の前記振動情報を含むデータを演算する演算部と、無線通信部を備えており、
    前記演算部は、前記センサ素子のデータのデータ量を削減処理し、
    前記無線通信部は、前記演算部により処理されたデータを前記基地局に送信し、
    前記基地局は、送信された前記データを受信すると前記計算機に送信し、
    前記計算機は、信号処理部を備えており、
    前記信号処理部は、前記削減処理されたデータを補完して振動情報を取得し、一定の期間にわたって前記振動情報を平均化するものであり、
    前記演算部は、前記センサ素子のデータのデータ量を削減処理し、データを規格化した後に量子化し、
    前記無線通信部は、前記演算部により処理されたデータを、量子化情報とともに前記基地局に送信する、モニタリングシステム。
  5. 測定対象物に対して設置された複数のセンサ端末と、前記センサ端末と無線通信する基地局と、前記基地局と通信可能な計算機とを備え、
    前記センサ端末は、前記測定対象物の振動情報を取得するセンサ素子と、前記センサ素子の前記振動情報を含むデータを演算する演算部と、無線通信部を備えており、
    前記演算部は、前記センサ素子のデータのデータ量を削減処理し、
    前記無線通信部は、前記演算部により処理されたデータを前記基地局に送信し、
    前記基地局は、送信された前記データを受信すると前記計算機に送信し、
    前記計算機は、信号処理部を備えており、
    前記信号処理部は、前記削減処理されたデータを補完して振動情報を取得し、一定の期間にわたって前記振動情報を平均化するものであり、
    前記信号処理部は、
    前記削減処理されたデータを補完して振動情報を取得し、
    前記振動情報を複素スペクトルデータとして記憶し、
    前記複素スペクトルデータからパワースペクトルを算出し、
    一定の期間にわたって前記パワースペクトルを平均化して平均化パワースペクトルを算出し、
    前記平均化パワースペクトルを逆フーリエ変換して自己相関関数を算出し、
    前記自己相関関数の最大値を取得し、該最大値を単体平均データとして記憶する、モニタリングシステム。
  6. 測定対象物に対して設置された複数のセンサ端末と、前記センサ端末と無線通信する基地局と、前記基地局と通信可能な計算機とを備え、
    前記センサ端末は、前記測定対象物の振動情報を取得するセンサ素子と、前記センサ素子の前記振動情報を含むデータを演算する演算部と、無線通信部を備えており、
    前記演算部は、前記センサ素子のデータのデータ量を削減処理し、
    前記無線通信部は、前記演算部により処理されたデータを前記基地局に送信し、
    前記基地局は、送信された前記データを受信すると前記計算機に送信し、
    前記計算機は、信号処理部を備えており、
    前記信号処理部は、前記削減処理されたデータを補完して振動情報を取得し、一定の期間にわたって前記振動情報を平均化するものであり、
    前記信号処理部は、
    2つのセンサ端末を指定するペアリストを読み込み、
    前記削減処理されたデータを補完して振動情報を取得し、
    前記振動情報を複素スペクトルデータとして記憶し、
    前記ペアリストに基づいて前記複素スペクトルデータからクロススペクトルを算出し、
    一定の期間にわたって前記クロススペクトルを平均化して平均化クロススペクトルを算出し、
    前記平均化クロススペクトルを逆フーリエ変換して相互相関関数を算出し、
    前記相互相関関数の最大値を取得し、該最大値をペア平均データとして記憶する、モニタリングシステム。
  7. 測定対象物に対して設置された複数のセンサ端末と、前記センサ端末と無線通信する基地局と、前記基地局と通信可能な計算機とを備え、
    前記センサ端末は、前記測定対象物の振動情報を取得するセンサ素子と、前記センサ素子の前記振動情報を含むデータを演算する演算部と、無線通信部を備えており、
    前記演算部は、前記センサ素子のデータのデータ量を削減処理し、
    前記無線通信部は、前記演算部により処理されたデータを前記基地局に送信し、
    前記基地局は、送信された前記データを受信すると前記計算機に送信し、
    前記計算機は、信号処理部を備えており、
    前記信号処理部は、前記削減処理されたデータを補完して振動情報を取得し、一定の期間にわたって前記振動情報を平均化するものであり、
    前記信号処理部は、
    前記削減処理されたデータを補完して振動情報を取得し、
    前記振動情報を複素スペクトルデータとして記憶し、
    前記複素スペクトルデータからパワースペクトルを算出し、
    一定の期間にわたって前記パワースペクトルを平均化して平均化パワースペクトルを算出し、
    前記平均化パワースペクトルから特定バンドの強度を抽出し、
    前記特定バンドの強度を単体データとして記憶する、モニタリングシステム。
  8. 測定対象物に対して設置された複数のセンサ端末と、前記センサ端末と無線通信する基地局と、前記基地局と通信可能な計算機とを備え、
    前記センサ端末は、前記測定対象物の振動情報を取得するセンサ素子と、前記センサ素子の前記振動情報を含むデータを演算する演算部と、無線通信部を備えており、
    前記演算部は、前記センサ素子のデータのデータ量を削減処理し、
    前記無線通信部は、前記演算部により処理されたデータを前記基地局に送信し、
    前記基地局は、送信された前記データを受信すると前記計算機に送信し、
    前記計算機は、信号処理部を備えており、
    前記信号処理部は、前記削減処理されたデータを補完して振動情報を取得し、一定の期間にわたって前記振動情報を平均化するものであり、
    前記信号処理部は、
    2つのセンサ端末を指定するペアリストを読み込み、
    前記削減処理されたデータを補完して振動情報を取得し、
    前記振動情報を複素スペクトルデータとして記憶し、
    前記ペアリストに基づいて前記複素スペクトルデータからクロススペクトルを算出し、
    一定の期間にわたって前記クロススペクトルを平均化して平均化クロススペクトルを算出し、
    前記平均化クロススペクトルから特定バンドの強度を抽出し、
    前記特定バンドの強度をペアデータとして記憶する、モニタリングシステム。
JP2018073703A 2018-04-06 2018-04-06 モニタリングシステム Active JP6976898B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018073703A JP6976898B2 (ja) 2018-04-06 2018-04-06 モニタリングシステム
US16/251,580 US11209335B2 (en) 2018-04-06 2019-01-18 Monitoring system and its method

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018073703A JP6976898B2 (ja) 2018-04-06 2018-04-06 モニタリングシステム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019184353A JP2019184353A (ja) 2019-10-24
JP6976898B2 true JP6976898B2 (ja) 2021-12-08

Family

ID=68098877

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018073703A Active JP6976898B2 (ja) 2018-04-06 2018-04-06 モニタリングシステム

Country Status (2)

Country Link
US (1) US11209335B2 (ja)
JP (1) JP6976898B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20210215567A1 (en) * 2020-01-13 2021-07-15 Ronald Koo Water leak detection system integrated with indoor map
FR3109214B1 (fr) * 2020-04-09 2022-09-02 Sagemcom Energy & Telecom Sas Procédé de détection et de localisation d’une fuite de fluide
JP7163941B2 (ja) * 2020-06-29 2022-11-01 横河電機株式会社 データ管理システム、データ管理方法、および、データ管理プログラム
CN113938368B (zh) * 2021-10-18 2023-12-12 上海大学 基于fpga的lte-v收端同步的方法及系统
CN114915912A (zh) * 2022-04-24 2022-08-16 四川轻化工大学 白酒窖池特定区域的监测方法及系统
KR102568086B1 (ko) * 2022-12-01 2023-08-22 한국건설기술연구원 음향방출신호 및 진동가속도의 측정에 의한 유체수송관의 누수 탐지 장치 및 방법

Family Cites Families (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH087107B2 (ja) * 1991-07-09 1996-01-29 嘉二郎 渡邊 配管の漏洩位置検出方法および検出装置
JP2570603B2 (ja) * 1993-11-24 1997-01-08 日本電気株式会社 音声信号伝送装置およびノイズ抑圧装置
JPH08233785A (ja) * 1995-02-24 1996-09-13 Tokyo Electric Power Co Inc:The 光学式振動検出装置
US5974862A (en) * 1997-05-06 1999-11-02 Flow Metrix, Inc. Method for detecting leaks in pipelines
JPH10333698A (ja) * 1997-05-27 1998-12-18 Matsushita Electric Ind Co Ltd 音声符号化方法、音声復号化方法、音声符号化装置、及び記録媒体
JP3639145B2 (ja) * 1999-02-01 2005-04-20 三菱電機株式会社 異常箇所検出装置
GB9914567D0 (en) 1999-06-22 1999-08-25 Thames Water Utilities Correlation analysis in the phase domain
JP2006153855A (ja) * 2004-10-26 2006-06-15 Nsk Ltd 異常診断装置
US7360413B2 (en) * 2004-12-29 2008-04-22 Water Cents, Llc Wireless water flow monitoring and leak detection system, and method
US8665101B2 (en) * 2009-11-16 2014-03-04 Aquarius Spectrum Ltd. System method and device for leak detection and localization in a pipe network
JP6370724B2 (ja) * 2015-02-02 2018-08-08 株式会社東芝 漏水判定のための漏水判定装置、漏水判定システム、およびプログラム
JP6066372B2 (ja) * 2015-06-15 2017-01-25 日本電気株式会社 上水道管の振動検知装置及び上水道管の振動検知方法
JP6522454B2 (ja) * 2015-07-28 2019-05-29 ローム株式会社 センサ情報無線送信装置
JP6626394B2 (ja) * 2016-04-04 2019-12-25 積水化学工業株式会社 漏水調査方法
JP6694320B2 (ja) * 2016-04-28 2020-05-13 株式会社工技研究所 地下タンクの漏洩検査装置及び検査方法

Also Published As

Publication number Publication date
US11209335B2 (en) 2021-12-28
US20190310158A1 (en) 2019-10-10
JP2019184353A (ja) 2019-10-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6976898B2 (ja) モニタリングシステム
US10539480B2 (en) Frequency sub-band leak detection
JP5846015B2 (ja) 漏洩検知方法、漏水検知方法、漏洩検知装置および漏水検知装置
CN111275931B (zh) 一种危岩体断裂预警方法及系统
US20190128766A1 (en) Correlator for leak detection
US11259155B2 (en) Detection of the occurrence of an event, based on a propagation characteristic of a pressure wave
US10948132B2 (en) Integrity assessment of a pipeline network
WO2005114871A3 (en) System and method for detection of mobile operating through a repeater
JP2015163903A (ja) 上水道管の振動検知装置及び上水道管の振動検知方法
JP6840066B2 (ja) 漏水検知システムおよび漏水検知方法
JP4980645B2 (ja) 直下型地震用地震計、地震計システム、直下型地震用地震警報発令方法、及びプログラム
JP6165046B2 (ja) 音源位置の推定方法、推定装置及び推定プログラム
WO2020217641A1 (ja) モニタリングシステム、漏洩検知方法
WO2019230213A1 (ja) 漏水検知システム
CN102869091B (zh) 一种确定定位参考信号到达时间的方法及装置
WO2019024797A1 (zh) 物理信道资源配置方法、装置及实现信息处理的装置
KR20180117430A (ko) 게이트웨이 장치 및 그 동작방법
JP4639891B2 (ja) 放流警報システムおよび放流警報プログラム
JP2005142750A (ja) 位置特定方法及び位置特定システム
KR100586839B1 (ko) 신호제어시스템에서 무선통신을 이용한 실시간 교통데이터 수집 방법
WO2021180281A1 (en) System and method for acoustic leak detection in a utility distribution system
KR101256703B1 (ko) 무선 센싱 장치 및 그 무선 센싱 장치들을 이용한 침수감지 시스템
JP6297081B2 (ja) 漏洩判定装置、漏洩判定方法及び漏洩判定プログラム
RU97534U1 (ru) Система обнаружения повреждений трубопровода
CN102798885A (zh) 微型高频构造活动信息遥测仪

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201210

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210730

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210803

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210922

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211019

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211110

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6976898

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150