JP6066372B2 - 上水道管の振動検知装置及び上水道管の振動検知方法 - Google Patents

上水道管の振動検知装置及び上水道管の振動検知方法 Download PDF

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Description

本発明は、上水道管の振動検知装置及び上水道管の振動検知方法に関する。
上水道設備における配水管・給水管からの漏水防止対策は、周辺地域の水の安全供給及び貴重な水資源を無駄なく効率的に使用するために重要である。また、上水道の配水管からの漏水事故は、周辺道路の陥没、断水の発生により社会生活に大きな被害を与えることとなる。このため、漏水の発生を検知するための幾つかのデータ収集方法が開発され、実用化されている。
そのひとつとして、路面音聴調査方法があり、この方法は、漏水検知器にて夜間に水道管の埋設されている路面上を技術員の聴覚によってデータ収集を行う方法である。この方法は、漏水音を聞き分ける技術員の技量が、漏水検知の有無判定に大きく関係する。
また、電気式として、時間積分式漏水発見方法があるが、この方法は、漏水の疑いのある比較的狭い範囲を集中的に探査する方法であり、広範囲の長期的な漏水データの収集は困難である。また、この方法は、給水量の多い時間を避けた深夜の人手による作業方法であり、無人での自動漏水データの収集には適していない。
その他の例として、特許文献1に記載の相関式漏水検知方法があるが、この方法は、漏水検知する場所により、相関式でのセンサー間の距離を計測するための電波が届きにくい場合は、漏水検知が容易でなく、漏水検知装置も大型化している。
また、従来の漏水検知システムは、作業員の経験による漏水データの収集によるため、データ量が膨大で、作業時間も長くなり、バッテリー等の外部電源を長時間分確保する必要がある。
特開平11−117356号公報
本発明の目的は、上水道管路網の漏水検知を無人で高精度に長期間行うことが可能な上水道管の振動検知装置及び振動検知方法を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明の第1の上水道管の振動検知装置は、
振動センサーと、端末装置とを含み、
前記振動センサーは、前記端末装置に接続され、
前記振動センサーは、上水道管に設置されて振動データ及び暗振動データを収集し、
前記端末装置は、
前記振動センサーの暗振動レベルが相対的に低い時間範囲を、前記振動センサーの振動データ、又は前記振動センサーの振動データ及び暗振動データの双方のデータ収集時間範囲として決定する振動データ収集時間範囲決定手段と、
前記振動データ収集時間範囲内において、前記振動センサーの暗振動レベルが最も低い時間については、下記条件1にて、前記振動センサーの暗振動レベルが最も低い時間以外の時間については、下記条件2a又は下記条件2bにて、前記振動センサーの振動データと暗振動データとを収集し、前記振動センサーの振動データ、又は前記振動センサーの振動データ及び暗振動データを蓄積する振動データ蓄積手段と
を含むことを特徴とする。

(条件1)
前記振動センサーの振動データの周波数帯域を広くする条件、且つ、
前記振動センサーの振動データのサンプリング周波数を高くする条件。

(条件2a)
前記振動センサーの振動データの周波数帯域を狭くする条件、且つ、
前記振動センサーの振動データのサンプリング周波数を低くする条件。
(条件2b)
前記条件1にて収集した前記振動センサーの振動データの一部を削除することで、
前記振動センサーの振動データの周波数帯域を狭くする条件、且つ、
前記振動センサーの振動データのサンプリング周波数を低くする条件。
本発明の第2の上水道管の振動検知装置は、
第1の振動センサーと、第2の振動センサーと、端末装置とを含み、
前記第1の振動センサー及び前記第2の振動センサーは、前記端末装置に接続され、
前記第1の振動センサーは、上水道管に設置されて振動データを収集し、
前記第2の振動センサーは、前記上水道管から一定距離離れた場所に設置されて暗振動データを収集し、
前記端末装置は、
前記第2の振動センサーの暗振動レベルが相対的に低い時間範囲を、前記第1の振動センサーの振動データ、又は前記第1の振動センサーの振動データ及び前記第2の振動センサーの暗振動データの双方のデータ収集時間範囲として決定する振動データ収集時間範囲決定手段と、
前記振動データ収集時間範囲内において、前記第2の振動センサーの暗振動レベルが最も低い時間については、下記条件1にて、前記第2の振動センサーの暗振動レベルが最も低い時間以外の時間については、下記条件2a又は下記条件2bにて、前記第1の振動センサーの振動データと、前記第2の振動センサーの暗振動データとを同期して収集し、前記第1の振動センサーの振動データ、又は前記第1の振動センサーの振動データ及び前記第2の振動センサーの暗振動データを蓄積する振動データ蓄積手段とを含むことを特徴とする。

(条件1)
前記第1の振動センサーの振動データの周波数帯域を広くする条件、且つ、
前記第1の振動センサーの振動データのサンプリング周波数を高くする条件。

(条件2a)
前記第1の振動センサーの振動データの周波数帯域を狭くする条件、且つ、
前記第1の振動センサーの振動データのサンプリング周波数を低くする条件。
(条件2b)
前記条件1にて収集した前記第1の振動センサーの振動データの一部を削除することで、
前記第1の振動センサーの振動データの周波数帯域を狭くする条件、且つ、
前記第1の振動センサーの振動データのサンプリング周波数を低くする条件。
また、本発明の第1の上水道管の振動検知方法は、
前記本発明の第1の振動検知装置を使用し、
振動データ収集時間範囲決定工程と、振動データ蓄積工程とを含み、
前記振動データ収集時間範囲決定工程は、前記振動センサーの暗振動レベルが相対的に低い時間範囲を、前記振動センサーの振動データ、又は前記振動センサーの振動データ及び暗振動データの双方のデータ収集時間範囲として決定する工程であり、
前記振動データ蓄積工程は、前記振動データ収集時間範囲内において、前記振動センサーの暗振動レベルが最も低い時間については、下記条件1にて、前記振動センサーの暗振動レベルが最も低い時間以外の時間については、下記条件2a又は下記条件2bにて、前記振動センサーの振動データと暗振動データとを収集し、前記振動センサーの振動データ、又は前記振動センサーの振動データ及び暗振動データを蓄積する工程である
ことを特徴とする。

(条件1)
前記振動センサーの振動データの周波数帯域を広くする条件、且つ、
前記振動センサーの振動データのサンプリング周波数を高くする条件。

(条件2a)
前記振動センサーの振動データの周波数帯域を狭くする条件、且つ、
前記振動センサーの振動データのサンプリング周波数を低くする条件。
(条件2b)
前記条件1にて収集した前記振動センサーの振動データの一部を削除することで、
前記振動センサーの振動データの周波数帯域を狭くする条件、且つ、
前記振動センサーの振動データのサンプリング周波数を低くする条件。
本発明の第2の上水道管の振動検知方法は、
前記本発明の第2の振動検知装置を使用し、
振動データ収集時間範囲決定工程と、振動データ蓄積工程とを含み、
前記振動データ収集時間範囲決定工程は、前記第2の振動センサーの暗振動レベルが相対的に低い時間範囲を、前記第1の振動センサーの振動データ、又は前記第1の振動センサーの振動データ及び前記第2の振動センサーの暗振動データの双方のデータ収集時間範囲として決定する工程であり、
前記振動データ蓄積工程は、前記振動データ収集時間範囲内において、前記第2の振動センサーの暗振動レベルが最も低い時間については、下記条件1にて、前記第2の振動センサーの暗振動レベルが最も低い時間以外の時間については、下記条件2a又は下記条件2bにて、前記第1の振動センサーの振動データと、前記第2の振動センサーの暗振動データとを同期して収集し、前記第1の振動センサーの振動データ、又は前記第1の振動センサーの振動データ及び前記第2の振動センサーの暗振動データを蓄積する工程である
ことを特徴とする。

(条件1)
前記第1の振動センサーの振動データの周波数帯域を広くする条件、且つ、
前記第1の振動センサーの振動データのサンプリング周波数を高くする条件。

(条件2a)
前記第1の振動センサーの振動データの周波数帯域を狭くする条件、且つ、
前記第1の振動センサーの振動データのサンプリング周波数を低くする条件。
(条件2b)
前記条件1にて収集した前記第1の振動センサーの振動データの一部を削除することで、前記第1の振動センサーの振動データの周波数帯域を狭くする条件、且つ、
前記第1の振動センサーの振動データのサンプリング周波数を低くする条件。
本発明によれば、上水道管路網の漏水検知を無人で高精度に長期間行うことが可能な上水道管の振動検知装置及び振動検知方法を提供できる。
図1は、実施形態1の上水道管の振動検知装置を示すブロック図である。 図2は、実施形態1の上水道管の振動検知装置を示す模式図である。 図3は、本発明における暗振動レベルを測定する時間範囲の決定方法を説明する図である。 図4は、実施形態1における暗振動レベルの相対的に低い収集時間の判定方法を説明する図である。 図5は、実施形態1の上水道管の振動検知方法の振動データ収集時間範囲決定工程におけるデータ収集時間範囲の決定処理の動作フローを示すフローチャートである。 図6は、本発明におけるデータ収集時間範囲の決定方法を説明する図である。 図7は、実施形態1における振動データの選別方法を説明する図である。 図8は、実施形態1の上水道管の振動検知方法の振動データ蓄積工程における振動データの蓄積処理の動作フローを示すフローチャートである。 図9は、実施形態2の上水道管の振動検知装置を示すブロック図である。 図10は、実施形態2の上水道管の振動検知装置を示す模式図である。 図11は、実施形態2における暗振動レベルの相対的に低い収集時間の判定方法を説明する図である。 図12は、実施形態2の上水道管の振動検知方法の振動データ収集時間範囲決定工程におけるデータ収集時間範囲の決定処理の動作フローを示すフローチャートである。 図13は、実施形態2における振動データの選別方法を説明する図である。 図14は、実施形態2の上水道管の振動検知方法の振動データ蓄積工程における振動データの蓄積処理の動作フローを示すフローチャートである。 図15は、実施形態3の上水道管の振動検知装置を示すブロック図である。 図16は、実施形態3の上水道管の振動検知装置を示す模式図である。 図17は、実施形態3の上水道管の振動検知方法の振動データ収集時間範囲決定工程におけるデータ収集時間範囲の決定処理の動作フローを示すフローチャートである。 図18は、実施形態3の上水道管の振動検知方法の振動データ蓄積工程における振動データの蓄積処理の動作フローを示すフローチャートである。 図19は、実施形態4の上水道管の振動検知装置を示すブロック図である。 図20は、実施形態5の上水道管の振動検知装置を示すブロック図である。 図21は、実施形態6の上水道管の振動検知装置を示すブロック図である。 図22は、実施形態7の上水道管の振動検知装置を示す模式図である。 図23は、実施形態7の上水道管の振動検知装置の一部を示すブロック図である。
本発明において、「暗振動」とは、周辺の自動車、電車、電動機等、及び生活環境の使用水による外乱振動を含む概念である。
本発明において、前記振動センサー又は前記第1の振動センサーの周波数帯域を広くする条件とは、例えば、前記周波数帯域を0〜3kHzとする条件であり、好ましくは、前記周波数帯域を0〜4.8kHzとする条件である。
本発明において、前記振動センサー又は前記第1の振動センサーの周波数帯域を狭くする条件とは、高帯域部分のみを削除する場合においては、例えば、前記周波数帯域を0〜1.8kHzとする条件であり、好ましくは、前記周波数帯域を0〜1.2kHzとする条件であり、低帯域部分及び高帯域部分の双方を削除する場合においては、例えば、前記周波数帯域を20Hz〜1.8kHzとする条件であり、好ましくは、前記周波数帯域を30Hz〜1.2kHzとする条件である。
本発明において、前記振動センサー又は前記第1の振動センサーのサンプリング周波数を高くする条件とは、例えば、前記サンプリング周波数を7.7kHz以上とする条件であり、好ましくは、前記サンプリング周波数を12.3kHz以上とする条件である。
本発明において、前記振動センサー又は前記第1の振動センサーのサンプリング周波数を低くする条件とは、例えば、前記サンプリング周波数を4.6kHz以下とする条件であり、好ましくは、前記サンプリング周波数を3.1kHz以下とする条件である。
本発明の第2の上水道管の振動検知装置において、複数の前記第1の振動センサー群及び複数の前記第2の振動センサー群の双方の群から、前記第2の振動センサーで測定した暗振動レベルと、前記第1の振動センサーが測定した振動レベルとの大小関係を基に、データ収集に用いる前記第1の振動センサーと前記第2の振動センサーとの組合せを決定する組合せ決定手段を含むことが好ましい。また、本発明の第2の上水道管の振動検知方法において、前記本発明の第2の上水道管の振動検知装置を使用し、複数の前記第1の振動センサー及び前記第2の振動センサーの中から、前記第2の振動センサーが測定した暗振動レベルと、前記第1の振動センサーが測定した振動レベルとの大小関係を基に、データ収集に用いる前記第1の振動センサーと前記第2の振動センサーとの組合せを決定する組合せ決定工程と含むことが好ましい。
本発明の上水道管の振動検知装置において、さらに、データ収集装置を含み、前記データ収集装置は、前記端末装置と通信回線網を介して接続可能であり、前記端末装置は、前記端末装置において収集した前記振動センサー又は前記第1の振動センサーの振動データ、及び前記振動センサー又は前記第2の振動センサーの暗振動データを前記データ収集装置に転送する第1のデータ転送手段と、前記データ収集装置からの制御指令を受信する受信手段とを含み、前記データ収集装置は、前記端末装置を制御する制御手段を含むことが好ましい。また、本発明の上水道管の振動検知方法において、前記本発明の上水道管の振動検知装置を使用し、前記端末装置において収集した前記振動センサー又は前記第1の振動センサーの振動データ、及び前記振動センサー又は前記第2の振動センサーの暗振動データを前記データ収集装置に転送する第1のデータ転送工程と、前記データ収集装置が前記端末装置を制御する制御工程とを含むことが好ましい。
本発明の上水道管の振動検知装置において、さらに、広範囲データ収集装置を含み、前記広範囲データ収集装置は、前記データ収集装置と通信回線網を介して接続可能であり、前記データ収集装置は、前記データ収集装置から、前記端末装置において収集した前記振動センサー又は前記第1の振動センサーの振動データ、及び前記振動センサー又は前記第2の振動センサーの暗振動データを前記広範囲データ収集装置に転送する第2のデータ転送手段を含み、前記広範囲データ収集装置は、前記転送されたデータをデータベース化するデータベース化手段を含むことが好ましい。また、本発明の上水道管の振動検知方法において、前記本発明の上水道管の振動検知装置を使用し、前記データ収集装置から、前記端末装置において収集した前記振動センサー又は前記第1の振動センサーの振動データ、及び前記振動センサー又は前記第2の振動センサーの暗振動データを前記広範囲データ収集装置に転送する第2のデータ転送工程と、前記広範囲データ収集装置において前記転送されたデータをデータベース化するデータベース化工程とを含むことが好ましい。
本発明の上水道管の振動検知装置において、前記端末装置が、前記端末装置内の電源電圧低下を検出し、前記電源電圧低下の検出により、データ収集時間範囲及びデータ収集回数を調整する電源電圧検出手段を含むことが好ましい。また、本発明の上水道管の振動検知方法において、前記本発明の上水道管の振動検知装置を使用し、前記端末装置内の電源電圧の低下を検出し、前記電源電圧の低下の検出により、データ収集時間範囲及びデータ収集回数を調整する電源電圧検出工程を含むことが好ましい。
本発明の上水道管の振動検知装置及び振動検知方法において、検知する振動が、漏水振動であることが好ましい。漏水振動は、一般的に、繰り返される振動であり、止ることがなく、経時的に少しずつ大きくなる性質を持つ。
以下、本発明の上水道管の振動検知装置及び振動検知方法について、例をあげて詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の実施形態に限定されない。なお、以下の図1から図23において、同一部分には、同一符号を付している。
[実施形態1]
本実施形態は、前記本発明の第1の上水道管の振動検知装置及び第1の上水道管の振動検知方法の一例である。図1は、本実施形態の上水道管の振動検知装置を示すブロック図である。図2は、本実施形態の上水道管の振動検知装置を示す模式図である。図1に示すように、本実施形態の上水道管の振動検知装置100は、振動センサー20と、端末装置10とを主要な構成要素として含む。振動センサー20は、端末装置10に接続されている。図2に示すように、本実施形態の上水道管の振動検知装置において、振動センサー20及び端末装置10は、マンホールA内に配置されている。振動センサー20は、上水道管Bに設置されて振動データ及び暗振動データを収集する。振動センサー20は、上水道管Bの振動データ及び暗振動データを収集できさえすればその設置箇所は特に制限されず、例えば、上水道管の外壁に設置されてもよいし、隣接する上水道管の各種バルブ及びジョイント部分等に設置されてもよい。端末装置10は、振動データ収集時間範囲決定手段11及び振動データ蓄積手段85を含む。振動データ収集時間範囲決定手段11は、振動センサー20の暗振動レベルが相対的に低い時間範囲を、振動センサー20の振動データ、又は振動センサー20の振動データ及び暗振動データの双方のデータ収集時間範囲として決定する。振動データ蓄積手段85は、前記振動データ収集時間範囲内において、振動センサー20の暗振動レベルが最も低い時間については、前記条件1にて、振動センサー20の暗振動レベルが最も低い時間以外の時間については、前記条件2a又は前記条件2bにて、振動センサー20の振動データと暗振動データとを収集し、振動センサー20の振動データ、又は振動センサー20の振動データ及び暗振動データを蓄積する。本発明において、マンホールは、上水道管の周辺に設置された制御弁、仕切弁及び消火栓等の各種バルブが配置された鉄蓋内に限らず、排水管路又は上・下水道、機械設備等の地下埋設物の保守点検口等に設置された地中空間の総称とする。
次に、図1及び図2に示す本実施形態の上水道管の振動検知装置を用いた振動検知方法について説明する。
(振動データ収集時間範囲決定工程)
まず、振動センサー20の暗振動レベルが相対的に低い時間範囲を、振動センサー20の振動データ、又は振動センサー20の振動データ及び暗振動データの双方のデータ収集時間範囲として決定する。図3〜5を参照して、本工程の動作フローについて説明する。
図3は、本発明における暗振動レベルを測定する時間範囲の決定方法を説明する図である。図3に示すTMは、予め設定された暗振動データの収集時間範囲であり、TMをM分割してTM〜TMとし、TM〜TMのいずれか1つの小時間範囲TMを擬似ランダム発生にて0.00〜1.00のN個の数値を発生させてN分割した時間範囲TMi1〜TMiNを決定し、TMi1〜TMiNのいずれか1つの時間範囲TMiiにおいて暗振動レベルを測定する時間範囲をΔtとする。時間範囲TMiiとΔtのとり方により前後の測定範囲が重なる場合も重複を許してN個の暗振動データを決定する。小時間範囲TMをランダムにN分割するのは、暗振動レベルの測定に周期性を持たせないようにするためである。
図4は、本実施形態における暗振動レベルの相対的に低い収集時間の判定方法を説明する図である。図3に示す小時間範囲TMについて測定したN個の暗振動データのそれぞれについて、平均振動レベル値(ΣΔt〜ΣΔt)、最大振動レベル値(PΔt〜PΔt)、及び平均振動レベル値と最大振動レベル値との差分値を計算し、各平均振動レベル値及び各差分値が予め設定された平均振動レベル値の閾値ΣΔt及び差分値の閾値S0以下である場合は、その小時間範囲TMiiを一つの候補とし、最後の小時間範囲TMiNまで同様に計算して、さらにこれらの候補の中から平均振動レベル値と差分値の小さいものから少なくとも1つ以上で多くともR(R≦N)個以下の範囲で小時間範囲TMを選択し、それをデータ収集時間範囲TPと決定することにより相対的に周囲の暗振動レベルが低い時間範囲を選択したことになる。前記Rは、2又は3であることが好ましい。
図5は、本工程におけるデータ収集時間範囲の決定処理の動作フローを示すフローチャートである。まず、ステップ11(S11)において、振動センサー20について図3に示す予め設定された暗振動データの収集時間範囲(TM)をM分割して一つの小時間範囲TMを決定する。
次に、ステップ12(S12)において、一つの小時間範囲TMについて図3に示すランダムにN分割した一つの時間範囲TMiiと測定時間範囲Δtを決定して暗振動データを測定する。
次に、ステップ13(S13)において、平均振動レベル値ΣΔtと最大振動レベル値PΔtとの差分値(PΔt−ΣΔt)を計算し、この差分値(PΔt−ΣΔt)を、最初の差分値(PΔt−ΣΔt)のときは前回差分値と今回差分値へ、2番目以降の差分値のときは今回差分値へ保存する。
次に、ステップ14(S14)において、平均振動レベル値ΣΔtが平均振動レベル値の閾値ΣΔt以下であるか、及び差分値(PΔt−ΣΔt)が差分値の閾値S0以下であるかを判断する。平均振動レベル値ΣΔt≦平均振動レベル値の閾値ΣΔt、且つ差分値(PΔt−ΣΔt)≦差分値の閾値S0であれば(YES)、ステップ15(S15)に進み、平均振動レベル値ΣΔt≦平均振動レベル値の閾値ΣΔt、且つ差分値(PΔt−ΣΔt)≦差分値の閾値S0でなければ(NO)、ステップ17(S17)に進む。
次に、ステップ15(S15)において、前回差分値が今回差分値以上であるかを判断する。前回差分値≧今回差分値であれば(YES)、ステップ16(S16)に進み、前回差分値≧今回差分値でなければ(NO)、ステップ17(S17)に進む。
次に、ステップ16(S16)において、今回差分値を前回差分値へ置き換えて保存する。
次に、ステップ17(S17)において、最後の時間範囲TMiNであるかを判断する。最後の時間範囲TMiNでなければ(NO)、ステップ13(S13)に戻り、最後の時間範囲TMiNであれば(YES)、ステップ18(S18)において、前回差分値を小時間範囲TM周辺の暗振動レベルの代表差分値として保存して、ステップ19(S19)に進む。
次に、ステップ19(S19)において、選択されたTMが最後の小時間範囲TMであるかを判断する。最後の小時間範囲TMであれば(YES)、ステップ20(S20)に進む。最後の小時間範囲TMでなければ(NO)、ステップ12(S12)に戻る。
次に、ステップ20(S20)において、各小時間範囲TMi1〜TMiNの代表差分値の中から小さい順に複数個(R1)を選択し、これをデータ収集時間範囲TPとする。
(振動データ蓄積工程)
次に、データ収集時間範囲TP内において、振動センサー20の暗振動レベルが最も低い時間については、前記条件1にて、振動センサー20の暗振動レベルが最も低い時間以外の時間については、前記条件2a又は前記条件2bにて、振動センサー20の振動データと暗振動データとを収集し、振動センサー20の振動データ、又は振動センサー20の振動データ及び暗振動データを蓄積する。図6〜8を参照して、本工程の動作フローについて説明する。
図6は、本発明におけるデータ収集時間範囲の決定方法を説明する図である。図6に示すTPは、図5のステップ20(S20)で決定したデータ収集時間範囲であり、P〜Pは、TPの中で決定された小時間範囲であり、さらにひとつの小時間範囲Pを擬似ランダム発生で0.00〜1.00のQ個の数値を発生させてPをQ分割した時間範囲Pi1〜PiQを決定し、そのひとつの時間範囲Piiにおいて振動レベルを測定する時間を時間範囲ΔTとする。小時間範囲PをランダムにQ分割するのは、振動レベルの測定に周期性を持たせないようにするためである。
図7は、本発明における振動データの選別方法を説明する図である。図6に示すひとつの小時間範囲Pについて、Q分割されたひとつの時間範囲Piiの範囲で振動センサー20により測定した振動データを一時保存し、測定した暗振動データの平均振動レベル値と最大振動レベル値との差分値を計算し、その平均振動レベル値及び各差分値が予め設定された平均振動レベル値の閾値ΣΔTg0及び差分値の閾値S1以下である場合は、一時保存した振動データ20の振動データをその時間範囲Piiの一つの候補とし、さらに最後の時間範囲PiQまで同様に計算してこれらの候補の中から振動センサー20の暗振動データの平均振動レベル値と最大振動レベル値との差分値が小さい方を優先して複数個(R2)選別して、振動センサー20の振動データを決定することにより小時間範囲Pの中で相対的に周辺の暗振動レベルが低い静寂な時間範囲での振動データを収集することができる。
図8は、本工程における振動データの蓄積処理の動作フローを示すフローチャートである。まず、ステップ31(S31)において、図5のステップ20(S20)で決定されたデータ収集時間範囲TPの中で一つの小時間範囲Pを選択する。
次に、ステップ32(S32)において、選択された小時間範囲Pについて、図6に示すランダムにQ分割した時間範囲Piiと測定時間範囲ΔTを決定する。
次に、ステップ33(S33)において、振動センサー20により測定された暗振動データの平均振動レベル値ΣΔTgiと最大振動レベル値Pgiとの差分値(Pgi−ΣΔTgi)を計算し、この差分値(Pgi−ΣΔTgi)を、最初の差分値(Pg―ΣΔTg)のときは前回差分値と今回差分値へ、2番目以降の差分値のときは今回差分値へ保存する。また、決定した時間範囲Piiと測定時間範囲ΔTgiを基に振動センサー20により同時に測定された振動データを保存する。
次に、ステップ34(S34)において、振動センサー20の平均振動レベル値ΣΔTgiが平均振動レベル値の閾値ΣΔTg0以下であるか、及び差分値(Pgi−ΣΔTgi)が差分値の閾値S1以下であるかを判断する。平均振動レベル値ΣΔTgi≦平均振動レベル値の閾値ΣΔTg0、且つ差分値(Pgi−ΣΔTgi)≦差分値の閾値S1であれば(YES)、ステップ35(S35)に進み、平均振動レベル値ΣΔTgi≦平均振動レベル値の閾値ΣΔTg0、且つ差分値(Pgi−ΣΔTgi)≦差分値の閾値S1でなければ(NO)、ステップ37(S37)に進む。
次に、ステップ35(S35)において、振動センサー20の前回差分値が今回差分値以上であるかを判断する。前回差分値≧今回差分値であれば(YES)、ステップ36(S36)に進み、前回差分値≧今回差分値でなければ(NO)、ステップ37(S37)に進む。
次に、ステップ36(S36)において、今回差分値を前回差分値に置き換えて保存し、振動センサー20の振動データを漏水検知対象として保存する。
次に、ステップ37(S37)において、最後の時間範囲PiQであるかを判断する。最後の時間範囲PiQでなければ(NO)、ステップ33(S33)に戻り、最後の時間範囲PiQであれば(YES)、ステップ38(S38)において、前回差分値とステップ36(S36)で保存された振動センサー20の振動データを小時間範囲Pの代表値として保存して、ステップ39(S39)に進む。
次に、ステップ39(S39)において、選択されたPが最後の小時間範囲Pであるかを判断する。最後の小時間範囲Pであれば(YES)、ステップ40(S40)に進む。最後の小時間範囲Pでなければ(NO)、ステップ32(S32)に戻る。
次に、ステップ40(S40)において、各小時間範囲Pi1〜PiQの差分値の中で小さい方を優先して複数個(R2)選択し、振動センサー20の振動データを決定する。
次に、ステップ41(S41)において、決定した振動センサー20の暗振動レベルが最も低い時間については、前記条件1にて、振動センサー20の暗振動レベルが最も低い時間以外の時間については、前記条件2a又は前記条件2bにて、振動センサー20の振動データ、又は振動センサー20の振動データ及び暗振動データを振動データ蓄積手段85で蓄積する。前記条件2bにおいて、振動センサー20の振動データの周波数帯域を狭くする方法は、特に制限されず、例えば、デジタルフィルターでの有限インパルス応答フィルター又は無限インパルス応答フィルター等により高周波帯域を削除する方法等が挙げられる。また、前記条件2bにおいて、振動センサー20の振動データのサンプリング周波数を低くする方法としては、特に制限されず、例えば、サンプリング周波数変換の補完(アップサンプリング)及び間引き(ダウンサンプリング)にて行う方法等が挙げられる。
本実施形態の上水道管の振動検知装置及び振動検知方法によれば、マンホールA内の上水道管Bに振動センサー20を設置し、振動センサー20は、振動データ及び暗振動データを収集し、これらのデータを長期間にわたり平均振動レベル値、最大振動レベル値、平均振動レベル値と最大振動レベル値との差分値等を比較選別して効率よく収集できる効果がある。
また、本実施形態の上水道管の振動検知装置及び振動検知方法によれば、振動センサー20のデータ収集時間範囲を、振動センサー20の暗振動レベルが相対的に低い静寂な時間範囲を検出し、周辺の暗振動レベルが低い時間範囲とすることで、最適な連続又は不連続のデータ収集時間範囲を無人で自動的に決定し、何度も再設定できる効果がある。
さらに、本実施形態の上水道管の振動検知装置及び振動検知方法によれば、データ収集時間範囲で収集する振動センサー20の振動データについて、暗振動レベルが最も低い静寂な時間においては、周波数帯域を広くする条件、且つ、サンプリング周波数を高くする条件にて蓄積することにより、漏水振動固有の特性を多く含んだ振動データを幅広く収集する一方、暗振動レベルが最も低い時間以外の時間においては、周波数帯域を狭くする条件、且つ、サンプリング周波数を低くする条件にて蓄積することにより、蓄積データを可能な限り少なくすることが可能となる効果がある。
本実施形態の上水道管の振動検知装置及び振動検知方法は、例えば、マンホールAが狭く、後述の実施形態2〜7のように第2の振動センサーを設置するスペースを確保できない場合に特に有効である。
[実施形態2]
本実施形態は、前記本発明の第2の上水道管の振動検知装置及び第2の上水道管の振動検知方法の一例である。図9は、本実施形態の上水道管の振動検知装置を示すブロック図である。図10は、本実施形態の上水道管の振動検知装置を示す模式図である。図9に示すように、本実施形態の上水道管の振動検知装置200は、第1の振動センサー20と、第2の振動センサー30と、端末装置10とを主要な構成要素として含む。第1の振動センサー20及び第2の振動センサー30は、端末装置10に接続されている。図10に示すように、本実施形態の上水道管の振動検知装置において、第1の振動センサー20、第2の振動センサー30及び端末装置10は、マンホールA内に配置されている。第1の振動センサー20は、上水道管Bに設置されて振動データを収集する。第1の振動センサー20は、上水道管Bの振動データを収集できさえすればその設置箇所は特に制限されず、例えば、上水道管の外壁に設置されてもよいし、隣接する上水道管の各種バルブ及びジョイント部分等に設置されてもよい。第2の振動センサー30は、上水道管Bから一定距離離れた場所に設置されて暗振動データを収集する。端末装置10は、振動データ収集時間範囲決定手段11及び振動データ蓄積手段85を含む。振動データ収集時間範囲決定手段11は、第2の振動センサー30の暗振動レベルが相対的に低い時間範囲を、第1の振動センサー20の振動データ、又は第1の振動センサー20の振動データ及び第2の振動センサー30の暗振動データの双方のデータ収集時間範囲として決定する。振動データ蓄積手段85は、前記振動データ収集時間範囲内において、第2の振動センサー30の暗振動レベルが最も低い時間については、前記条件1にて、第2の振動センサー30の暗振動レベルが最も低い時間以外の時間については、前記条件2a又は前記条件2bにて、第1の振動センサー20の振動データと、第2の振動センサー30の暗振動データとを同期して収集し、第1の振動センサー20の振動データ、又は第1の振動センサー20の振動データ及び第2の振動センサー30の暗振動データを蓄積する。
次に、図9及び図10に示す本実施形態の上水道管の振動検知装置を用いた振動検知方法について説明する。
(振動データ収集時間範囲決定工程)
まず、第2の振動センサー30の暗振動レベルが相対的に低い時間範囲を、第1の振動センサー20の振動データ、又は第1の振動センサー20の振動データ及び第2の振動センサー30の暗振動データの双方のデータ収集時間範囲として決定する。本実施形態における暗振動レベルを測定する時間範囲の決定方法は、暗振動データの収集を、振動センサー20に代えて第2の振動センサー30で実施する点を除き、図3に示した実施形態1における暗振動レベルを測定する時間範囲の決定方法と同様である。また、本実施形態における暗振動レベルの相対的に低い時間範囲の判定方法も、図11に示すように、暗振動データの収集を、振動センサー20に代えて第2の振動センサー30で実施する点を除き、図4に示した実施形態1における暗振動レベルの相対的に低い時間範囲の判定方法と同様である。
図12は、本工程におけるデータ収集時間範囲の決定処理の動作フローを示すフローチャートである。まず、ステップ11(S11)において、第2の振動センサー30について図3に示す予め設定された暗振動データの収集時間範囲(TM)をM分割して一つの小時間範囲TMを決定する。
次に、ステップ12(S12)において、一つの小時間範囲TMについて図3に示すランダムにN分割した一つの時間範囲TMiiと測定時間範囲Δtを決定して暗振動データを測定する。
次に、ステップ13(S13)において、平均振動レベル値ΣΔtと最大振動レベル値PΔtとの差分値(PΔt−ΣΔt)を計算し、この差分値(PΔt−ΣΔt)を、最初の差分値(PΔt−ΣΔt)のときは前回差分値と今回差分値へ、2番目以降の差分値のときは今回差分値へ保存する。
次に、ステップ14(S14)において、平均振動レベル値ΣΔtが平均振動レベル値の閾値ΣΔt以下であるか、及び差分値(PΔt−ΣΔt)が差分値の閾値S0以下であるかを判断する。平均振動レベル値ΣΔt≦平均振動レベル値の閾値ΣΔt、且つ差分値(PΔt−ΣΔt)≦差分値の閾値S0であれば(YES)、ステップ15(S15)に進み、平均振動レベル値ΣΔt≦平均振動レベル値の閾値ΣΔt、且つ差分値(PΔt−ΣΔt)≦差分値の閾値S0でなければ(NO)、ステップ17(S17)に進む。
次に、ステップ15(S15)において、前回差分値が今回差分値以上であるかを判断する。前回差分値≧今回差分値であれば(YES)、ステップ16(S16)に進み、前回差分値≧今回差分値でなければ(NO)、ステップ17(S17)に進む。
次に、ステップ16(S16)において、今回差分値を前回差分値へ置き換えて保存する。
次に、ステップ17(S17)において、最後の時間範囲TMiNであるかを判断する。最後の時間範囲TMiNでなければ(NO)、ステップ13(S13)に戻り、最後の時間範囲TMiNであれば(YES)、ステップ18(S18)において、前回差分値を小時間範囲TM周辺の暗振動レベルの代表差分値として保存して、ステップ19(S19)に進む。
次に、ステップ19(S19)において、選択されたTMが最後の小時間範囲TMであるかを判断する。最後の小時間範囲TMであれば(YES)、ステップ20(S20)に進む。最後の小時間範囲TMでなければ(NO)、ステップ12(S12)に戻る。
次に、ステップ20(S20)において、各小時間範囲TMi1〜TMiNの代表差分値の中から小さい順に複数個(R1)を選択し、これをデータ収集時間範囲TPとする。本工程において決定されるデータ収集時間範囲TPは、第1の振動センサー20のみのデータを収集する時間範囲であってもよいし、第1の振動センサー20及び第2の振動センサー30の双方のデータを収集する時間範囲であってもよい。
(振動データ蓄積工程)
次に、データ収集時間範囲TP内において、第2の振動センサー30の暗振動レベルが最も低い時間については、前記条件1にて、第2の振動センサー30の暗振動レベルが最も低い時間以外の時間については、前記条件2a又は前記条件2bにて、第1の振動センサー20の振動データと、第2の振動センサー30の暗振動データとを同期して収集し、第1の振動センサー20の振動データ、又は前記第1の振動センサー20の振動データ及び前記第2の振動センサー30の暗振動データを蓄積する。本実施形態におけるデータ収集時間範囲の決定方法は、暗振動データの収集を、振動センサー20に代えて第2の振動センサー30で実施する点を除き、図6に示した実施形態1におけるデータ収集時間範囲の決定方法及び振動データの選別方法と同様である。図13は、本実施形態における振動データの選別方法を説明する図である。図6に示すひとつの小時間範囲Pについて、Q分割されたひとつの時間範囲Piiの範囲で第1の振動センサー20により測定した振動データを一時保存し、それに同期して第2の振動センサー30により測定した暗振動データの平均振動レベル値と最大振動レベル値との差分値を計算し、その平均振動レベル値及び各差分値が予め設定された平均振動レベル値の閾値ΣΔTg0及び差分値の閾値S1以下である場合は、一時保存した第1の振動データ20の振動データをその時間範囲Piiの一つの候補とし、さらに最後の時間範囲PiQまで同様に計算してこれらの候補の中から第2の振動センサー30の暗振動データの平均振動レベル値と最大振動レベル値との差分値が小さい方を優先して複数個(R2)選別して、それに該当する第1の振動センサー20の振動データを決定することにより小時間範囲Pの中で相対的に周辺の暗振動レベルが低い静寂な時間範囲での振動データを収集することができる。
図14は、本工程における振動データの蓄積処理の動作フローを示すフローチャートである。まず、ステップ31(S31)において、図12のステップ20(S20)で決定されたデータ収集時間範囲TPの中で一つの小時間範囲Pを選択する。
次に、ステップ32(S32)において、選択された小時間範囲Pについて、図6に示すランダムにQ分割した時間範囲Piiと測定時間範囲ΔTを決定する。
次に、ステップ33(S33)において、第2の振動センサー30により測定された暗振動データの平均振動レベル値ΣΔTgiと最大振動レベル値Pgiとの差分値(Pgi−ΣΔTgi)を計算し、この差分値(Pgi−ΣΔTgi)を、最初の差分値(Pg―ΣΔTg)のときは前回差分値と今回差分値へ、2番目以降の差分値のときは今回差分値へ保存する。また、決定した時間範囲Piiと測定時間範囲ΔTgiを基に第1の振動センサー20により同時に測定された振動データを保存する。
次に、ステップ34(S34)において、第2の振動センサー30の平均振動レベル値ΣΔTgiが平均振動レベル値の閾値ΣΔTg0以下であるか、及び差分値(Pgi−ΣΔTgi)が差分値の閾値S1以下であるかを判断する。平均振動レベル値ΣΔTgi≦平均振動レベル値の閾値ΣΔTg0、且つ差分値(Pgi−ΣΔTgi)≦差分値の閾値S1であれば(YES)、ステップ35(S35)に進み、平均振動レベル値ΣΔTgi≦平均振動レベル値の閾値ΣΔTg0、且つ差分値(Pgi−ΣΔTgi)≦差分値の閾値S1でなければ(NO)、ステップ37(S37)に進む。
次に、ステップ35(S35)において、第2の振動センサー30の前回差分値が今回差分値以上であるかを判断する。前回差分値≧今回差分値であれば(YES)、ステップ36(S36)に進み、前回差分値≧今回差分値でなければ(NO)、ステップ37(S37)に進む。
次に、ステップ36(S36)において、今回差分値を前回差分値に置き換えて保存し、第1の振動センサー20の振動データを漏水検知対象として保存する。
次に、ステップ37(S37)において、最後の時間範囲PiQであるかを判断する。最後の時間範囲PiQでなければ(NO)、ステップ33(S33)に戻り、最後の時間範囲PiQであれば(YES)、ステップ38(S38)において、前回差分値とステップ36(S36)で保存された第1の振動センサー20の振動データを小時間範囲Pの代表値として保存して、ステップ39(S39)に進む。
次に、ステップ39(S39)において、選択されたPが最後の小時間範囲Pであるかを判断する。最後の小時間範囲Pであれば(YES)、ステップ40(S40)に進む。最後の小時間範囲Pでなければ(NO)、ステップ32(S32)に戻る。
次に、ステップ40(S40)において、各小時間範囲Pi1〜PiQの差分値の中で小さい方を優先して複数個(R2)選択し、それと同期した第1の振動センサー20の振動データを決定する。
次に、ステップ41(S41)において、決定した第1の振動センサー20の振動データに同期した第2の振動センサー30の暗振動レベルが最も低い時間については、前記条件1にて、前記第2の振動センサー30の振動レベルが最も低い時間以外の時間については、前記条件2a又は前記条件2bにて、第1の振動センサー20の振動データ、又は第1の振動センサー20の振動データ及び第2の振動センサー30の暗振動データを振動データ蓄積手段85で蓄積する。前記条件2bにおいて、第1の振動センサー20の振動データの周波数帯域を狭くする方法及び第1の振動センサー20の振動データのサンプリング周波数を低くする方法は、実施形態1における前記条件2bにおいて、振動センサー20の振動データの周波数帯域を狭くする方法及び振動センサー20の振動データのサンプリング周波数を低くする方法と同様である。
本実施形態の上水道管の振動検知装置及び振動検知方法によれば、マンホールA内の上水道管B及びその近傍に第1の振動センサー20及び第2の振動センサー30を設置し、第1の振動センサー20は、振動データを収集し、第2の振動センサー30は、周辺の暗振動データを収集し、これらのデータを長期間にわたり平均振動レベル値、最大振動レベル値、平均振動レベル値と最大振動レベル値との差分値等を比較選別して効率よく収集できる効果がある。
また、本実施形態の上水道管の振動検知装置及び振動検知方法によれば、第1の振動センサー20のデータ収集時間範囲を、第2の振動センサー30の暗振動レベルが相対的に低い静寂な時間範囲を検出し、周辺の暗振動レベルが低い時間範囲とすることで、最適な連続又は不連続のデータ収集時間範囲を無人で自動的に決定し、何度も再設定できる効果がある。
さらに、本実施形態の上水道管の振動検知装置及び振動検知方法によれば、データ収集時間範囲で収集する第1の振動センサー20の振動データについて、それと同期して測定した第2の振動センサー30の暗振動レベルが最も低い静寂な時間においては、周波数帯域を広くする条件、且つ、サンプリング周波数を高くする条件にて蓄積することにより、漏水振動固有の特性を多く含んだ振動データを幅広く収集する一方、暗振動レベルが最も低い時間以外の時間においては、周波数帯域を狭くする条件、且つ、サンプリング周波数
を低くする条件にて蓄積することにより、蓄積データを可能な限り少なくすることが可能となる効果がある。
本実施形態において、第1の振動センサー20に暗振動データを収集する機能を持たせてもよい。第1の振動センサー20が暗振動データを収集する機能を有していれば、第2の振動センサー30が故障し、暗振動データを収集することが不可能となった場合においても、実施形態1と同様にして、本発明の効果を達成し得る。
[実施形態3]
図15は、本実施形態の上水道管の振動検知装置を示すブロック図である。図16は、本実施形態の上水道管の振動検知装置を示す模式図である。図15及び図16に示すように、本実施形態の上水道管の振動検知装置300は、第1の振動センサー20及び第2の振動センサー30を複数(図15及び図16では、それぞれ、3個)備え、端末装置10が、さらに、組合せ決定手段13を含む点を除き、図9及び図10に示す実施形態2の上水道管の振動検知装置と同様である。3個の第1の振動センサー20及び第2の振動センサー30の設置位置の決定方法としては、例えば、第1の振動センサー20及び第2の振動センサー30を多数設置し、その第2の振動センサー30から少し離れた周辺から機械式インパルスハンマー等により一時的に暗振動を印加し、第1の振動センサー20及び第2の振動センサー30により振動レベル及び暗振動レベルを測定し、多数の第2のセンサー30の中で相対的に暗振動レベルが大きい順に、すなわち、周辺の暗振動の影響を受けやすい順に三箇所を選択し、かつ多数の第1の振動センサー20の中で相対的に振動レベルが小さい順に、すなわち、周辺の暗振動の影響を受けにくい三箇所を選択する。図15及び図16では、第1の振動センサー20及び第2の振動センサー30を、それぞれ、3個としたが、本発明はこれに限定されず、必要に応じて、第1の振動センサー20及び第2の振動センサー30を増減させてもよい。前記設置位置の決定方法において、振動レベルが同程度の第1の振動センサー20及び暗振動レベルが同程度の第2の振動センサー30は、撤去してもよいし、残してもよい。
次に、図15及び図16に示す本実施形態の上水道管の振動検知装置を用いた振動検知方法について説明する。
(振動データ収集時間範囲決定工程)
図17は、本工程におけるデータ収集時間範囲の決定処理の動作フローを示すフローチャートである。まず、複数の第2の振動センサー30のうちの一つについて、図12に示す実施形態2の振動データ収集時間範囲決定工程のステップ11(S11)〜ステップ20(S20)と同様にして、データ収集時間範囲TPを決定する。
次に、ステップ21(S21)において、最後の第2の振動センサー30であるか(全ての第2の振動センサー30についてデータ収集時間範囲TPが決定されたか)を判断する。最後の第2の振動センサー30であれば(YES)、本工程を終了する。最後の第2の振動センサー30でなければ(NO)、ステップ11(S11)に戻る。
(振動データ蓄積工程)
図18は、本工程における振動データの蓄積処理の動作フローを示すフローチャートである。まず、複数の第1の振動センサー20及び第2の振動センサー30の組合せのうちの一つについて、図14に示す実施形態2の振動データ蓄積工程のステップ31(S31)〜ステップ41(S41)と同様にして、第1の振動センサー20の振動データ、又は前記第1の振動センサー20の振動データ及び前記第2の振動センサー30の暗振動データを振動データ蓄積手段85で蓄積する。
次に、ステップ42(S42)において、最後の組合せであるか(全ての第1の振動センサー20と第2の振動センサー30との組合せについて振動データを収集したか)を判断する。最後の組合せであれば(YES)、本工程を終了する。最後の組合せでなければ(NO)、ステップ31(S31)に戻る。
(組合せ決定工程)
次に、複数の第1の振動センサー20及び第2の振動センサー30の中から、第2の振動センサー30が測定した暗振動レベルと、第1の振動センサー20が測定した振動レベルとの大小関係を基に、データ収集に用いる第1の振動センサー20と第2の振動センサー30との組合せを決定する。前記組合せの決定において、優先的に選択される良い組合せとしては、例えば、第1の振動センサー20の振動レベルが小さく、第2の振動センサー30の暗振動レベルが大きい組合せ、及び第1の振動センサー20の振動レベルが小さく、第2の振動センサー30の暗振動レベルも小さい組合せがあげられる。なお、第1の振動センサー20及び第2の振動センサー30の設置状況によっては、第1の振動センサー20の振動レベルが大きく、第2の振動センサー30の振動レベルが小さい組合せを、優先的に選択される良い組合せに加えてもよい。一方、優先的に除外される悪い組合せとしては、例えば、第1の振動センサー20の振動レベルが大きく、第2の振動センサー30の振動レベルも大きい組合せがあげられる。
本実施形態の上水道管の振動検知装置及び振動検知方法によれば、複数の第2の振動センサー30の中で測定した周辺の暗振動レベルが相対的に大きい第2の振動センサー30と、それと同期して測定した複数の第1の振動センサー20の中で振動レベルの相対的な大小関係を基に、それぞれ複数の第1の振動センサー20及び複数の第2の振動センサー30の中からいくつかの組合せを選択することで、その漏水検知エリアの状況に適した収集箇所を特定できる効果がある。
本実施形態において、3つの第1の振動センサー20に暗振動データを収集する機能を持たせてもよい。3つの第1の振動センサー20が暗振動データを収集する機能を有していれば、第2の振動センサー30が6つあるのと同じ状態となり、前記組合せ決定工程における組合せの選択幅を増やすことができる。
[実施形態4]
図19は、本実施形態の上水道管の振動検知装置を示すブロック図である。図19に示すように、本実施形態の上水道管の振動検知装置400は、さらに、データ収集装置50を含み、端末装置10が、さらに、第1のデータ転送手段14及び受信手段15を含む点を除き、図9及び図10に示す実施形態2の上水道管の振動検知装置と同様である。データ収集装置50は、端末装置10と通信回線網40を介して接続可能である。通信回線網40は、有線でも無線でもよい。第1のデータ転送手段14は、端末装置10において収集した第1の振動センサー20の振動データ及び第2の振動センサー30の暗振動データをデータ収集装置50に転送する。受信手段15は、データ収集装置50からの制御指令を受信する。データ収集装置50は、端末装置10を制御する制御手段51を含む。図19に示す上水道管の振動検知装置400は、第1の振動センサー20及び第2の振動センサー30を有するが、本実施形態はこれに限定されず、図1及び図2に示す実施形態1の上水道管の振動検知装置100と同様に、第2の振動センサー30を有さず、第1の振動センサー20により振動データ及び暗振動データの双方を収集してもよい。また、図19では、第1の振動センサー20及び第2の振動センサー30を、それぞれ、1個としたが、本実施形態はこれに限定されず、図15及び図16に示す実施形態3の上水道管の振動検知装置300と同様に、第1の振動センサー20及び第2の振動センサー30を複数としてもよい。この場合には、端末装置10は、さらに、組合せ決定手段13を含む。
次に、図19に示す本実施形態の上水道管の振動検知装置400を用いた振動検知方法について説明する。
(振動データ収集時間範囲決定工程)
まず、図5又は図12に示す実施形態1又は2の振動データ収集時間範囲決定工程(第1の振動センサー20及び第2の振動センサー30が複数の場合には、図17に示す実施形態3の振動データ収集時間範囲決定工程)の動作フローと同様にして、データ収集時間範囲TPを決定する。
(振動データ蓄積工程)
次に、図8又は図14に示す実施形態1又は2の振動データ蓄積工程(第1の振動センサー20及び第2の振動センサー30が複数の場合には、図18に示す実施形態3の振動データ蓄積工程)の動作フローと同様にして、第1の振動センサー20の振動データ、又は前記第1の振動センサー20の振動データ及び前記第2の振動センサー30の暗振動データを蓄積する。第1の振動センサー20及び第2の振動センサー30が複数の場合には、本工程の後、実施形態3の組合せ決定工程と同様にして、データ収集に用いる第1の振動センサー20と第2の振動センサー30との組合せを決定する。
(第1のデータ転送工程及び制御工程)
次に、端末装置10は、その受信手段15がデータ収集装置50の制御手段51からの制御指令を受信すると、第1のデータ転送手段14により、端末装置10において収集した第1の振動センサー20の振動データ及び第2の振動センサー30の暗振動データを、通信回線網40を介してデータ収集装置50に転送する。
本実施形態の上水道管の振動検知装置及び振動検知方法によれば、振動データは膨大な量でありそのままデータ収集装置50に転送すると通信時間及び通信コストがかかるが、漏水振動が連続(繰り返される)振動であることを利用した実施形態1〜3の技術的効果により振動データの収集時間を最小限に抑えて自動的に長期間連続して測定することが可能となり、漏水振動固有の特性をより多く含んだ振動データを通信回線網40を介してデータ収集装置50に転送することが可能となる。
[実施形態5]
図20は、本実施形態の上水道管の振動検知装置を示すブロック図である。図20に示すように、本実施形態の上水道管の振動検知装置500は、さらに、広範囲データ収集装置60を含み、データ収集装置50が、さらに、第2のデータ転送手段52を含む点を除き、図19に示す実施形態4の上水道管の振動検知装置と同様である。広範囲データ収集装置60は、データ収集装置50と通信回線網40を介して接続可能である。第2のデータ転送手段52は、データ収集装置50から、端末装置10において収集した第1の振動センサー20の振動データ及び第2の振動センサー30の暗振動データを広範囲データ収集装置60に転送する。広範囲データ収集装置60は、前記転送されたデータをデータベース化するデータベース化手段61を含む。
次に、図20に示す本実施形態の上水道管の振動検知装置500を用いた振動検知方法について説明する。
(振動データ収集時間範囲決定工程)
まず、図5又は図12に示す実施形態1又は2の振動データ収集時間範囲決定工程(第1の振動センサー20及び第2の振動センサー30が複数の場合には、図17に示す実施形態3の振動データ収集時間範囲決定工程)の動作フローと同様にして、データ収集時間範囲TPを決定する。
(振動データ蓄積工程)
次に、図8又は図14に示す実施形態1又は2の振動データ蓄積工程(第1の振動センサー20及び第2の振動センサー30が複数の場合には、図18に示す実施形態3の振動データ蓄積工程)の動作フローと同様にして、第1の振動センサー20の振動データ、又は前記第1の振動センサー20の振動データ及び前記第2の振動センサー30の暗振動データを蓄積する。第1の振動センサー20及び第2の振動センサー30が複数の場合には、本工程の後、実施形態3の組合せ決定工程と同様にして、データ収集に用いる第1の振動センサー20と第2の振動センサー30との組合せを決定する。
(第1のデータ転送工程及び制御工程)
次に、実施形態4の第1のデータ転送工程及び制御工程と同様にして、端末装置10からデータ収集装置50へのデータの転送及びデータ収集装置50による端末装置10の制御を行う。
(第2のデータ転送工程)
次に、第2のデータ転送手段52により、データ収集装置50から、端末装置10において収集した第1の振動センサー20の振動データ及び第2の振動センサー30の暗振動データを、一括して通信回線網40を介して広範囲データ収集装置60に転送する。
(データベース化工程)
次に、データベース化手段61により、振動データ及び暗振動データをデータベース化する。
本実施形態の上水道管の振動検知装置及び振動検知方法によれば、広範囲かつ長期的な振動データ及び暗振動データをデータベース化して分析と学習を繰り返すことにより、漏水検知の精度を向上することが可能となる。
[実施形態6]
図21は、本実施形態の上水道管の振動検知装置を示すブロック図である。図21に示すように、本実施形態の上水道管の振動検知装置600は、端末装置10が、さらに、電源電圧検出手段16を含む点を除き、図9及び図10に示す実施形態2の上水道管の振動検知装置と同様である。電源電圧検出手段16は、端末装置10内の電源電圧の低下を検出し、前記電源電圧低下の検出により、データ収集時間範囲及びデータ収集回数を調整する。図21に示す上水道管の振動検出装置600は、第1の振動センサー20及び第2の振動センサー30を有するが、本実施形態はこれに限定されず、図1及び図2に示す実施形態1の上水道管の振動検知装置100と同様に、第2の振動センサー30を有さず、第1の振動センサー20により振動データ及び暗振動データの双方を収集してもよい。また、図21では、第1の振動センサー20及び第2の振動センサー30を、それぞれ、1個としたが、本実施形態はこれに限定されず、図15及び図16に示す実施形態3の上水道管の振動検知装置300と同様に、第1の振動センサー20及び第2の振動センサー30を複数としてもよい。この場合には、端末装置10は、さらに、組合せ決定手段13を含む。また、本実施形態の上水道管の振動検知装置600は、図20に示す実施形態5の上水道管の振動検知装置500と同様に、さらに、データ収集装置50及び広範囲データ収集装置60を含んでもよいし、あるいは図19に示す実施形態4の上水道管の振動検知装置400のようにデータ収集装置50のみを含んでもよい。これらの場合には、端末装置10は、さらに、第1のデータ転送手段14及び受信手段15を含む。
次に、図21に示す本実施形態の上水道管の振動検知装置600を用いた振動検知方法について説明する。
(振動データ収集時間範囲決定工程)
まず、図5又は図12に示す実施形態1又は2の振動データ収集時間範囲決定工程(第1の振動センサー20及び第2の振動センサー30が複数の場合には、図17に示す実施形態3の振動データ収集時間範囲決定工程)の動作フローと同様にして、データ収集時間範囲TPを決定する。
(振動データ蓄積工程)
次に、図8又は図14に示す実施形態1又は2の振動データ蓄積工程(第1の振動センサー20及び第2の振動センサー30が複数の場合には、図18に示す実施形態3の振動データ蓄積工程)の動作フローと同様にして、第1の振動センサー20の振動データ、又は第1の振動センサー20の振動データ及び第2の振動センサー30の暗振動データを蓄積する。第1の振動センサー20及び第2の振動センサー30が複数の場合には、本工程の後、実施形態3の組合せ決定工程と同様にして、データ収集に用いる第1の振動センサー20と第2の振動センサー30との組合せを決定する。また、本実施形態の上水道管の振動検知装置600が、さらに、データ収集装置50を含む場合には、本工程の後、実施形態4の第1のデータ転送工程及び制御工程と同様にして、端末装置10からデータ収集装置50へのデータの転送及びデータ収集装置50による端末装置10の制御を行い、さらに、広範囲データ収集装置60を含む場合には、実施形態5の第2のデータ転送工程及びデータベース化工程と同様にして、データ収集装置50から広範囲データ収集装置60へのデータの転送並びに振動データ及び暗振動データのデータベース化を行う。
(電源電圧調整工程)
次に、電源電圧検出手段16により、端末装置10内の電源電圧の低下を検出し、前記電源電圧低下の検出により、データ収集時間範囲及びデータ収集回数を調整する。
本実施形態の上水道管の振動検知装置及び振動検知方法によれば、端末装置10内の電源電圧の低下の検出により、自動的に振動データの収集時間を周辺の暗振動レベルの低い時間範囲を優先しながら短縮し、振動データの収集回数も減少させ、さらに、振動データの収集を一時中断して待機状態とし、電源電圧が低下しても最低限の長期間の自動測定を実現可能である。
[実施形態7]
本実施形態は、実施形態2〜6の特徴的構成要件を全て備えた上水道管の振動検知装置及び振動検知方法に関する。図22は、本実施形態の上水道管の振動検知装置を示すブロック図である。図22に示すように、本実施形態の上水道管の振動検知装置700では、第1の振動センサー20、第2の振動センサー30及び端末装置10が、各地域に常時設置され、移動体(図22に示す自動車等)71に搭載、作業者72が所持、又は、地中空間を含めたマンホールAの近傍に設置されたデータ収集装置50からの要求により、通信回線網40を介して振動データ及び暗振動データが収集され、さらに、データ収集装置50から振動データ及び暗振動データが一括して通信回線網40を介して広範囲データ収集装置60に転送される。
図23は、本実施形態の上水道管の振動検知装置の一部を示す模式図である。図23においては、端末装置10の振動データ収集時間範囲決定手段11及び組合せ決定手段13、並びに、データ収集装置50及び広範囲データ収集装置60の図示を省略している。図23に示すように、本実施形態の上水道管の振動検知装置では、端末装置10において、振動データを振動データ入力手段12により順次入力し、信号増幅手段82により増幅してA/D変換手段83によりアナログ値からデジタル値に変換し、振動データ処理手段84へ送り、その時の第2の振動センサー30の暗振動レベルが最も低い場合については、周波数帯域が広くなる条件、且つ、サンプリング周波数を高くする条件にて、第2の振動センサー30の暗振動レベルが最も低い場合以外の場合については、周波数帯域が狭くなる(通常の周波数帯域となる)条件、且つ、サンプリング周波数を低くする条件(通常のサンプリング周波数となる)条件にて、第1の振動センサー20の振動データを、後述する制御パラメータ手段86の設定値に従い、振動データ蓄積手段85にて順次蓄積し、蓄積量が限界を超える場合は最も古い振動データを消去し、最新の振動データを残す構成となっている。本実施形態において、振動データ処理手段84は、周波数帯域を狭くする機能及びサンプリング周波数を狭くする機能を備える。制御パラメータ手段86の設定値とは、端末装置10の初期値、及びデータ収集装置50からの指示により制御パラメータ手段86へ書き換えられた設定値である。表1に、制御パラメータ手段86の設定値を例示する。制御パラメータ手段86の設定値は、通信回線網40を介して外部から指定、又は作業員により書き換えることが可能であり、振動データの収集時間、周期等、及び周波数帯域、サンプリング周波数等を電圧降下レベルの検出時点、振動データの収集・蓄積条件に合わせて短縮、削減、縮小させることにより、端末装置10の収集動作をコントロールできる。
Figure 0006066372
さらに、振動データは、データ収集装置50からの制御指令が、通信回線網40を介して第1のデータ転送手段14及び受信手段15の機能を兼ね備えた送受信手段94に伝送され、制御指令が制御パラメータの再設定の場合は、伝送された制御パラメータを制御パラメータ入力判定手段89及び振動データ処理手段84を経由して制御パラメータ手段86へ制御パラメータの変更と時計(年月日、曜日、時、分、秒、ミリ秒等)手段87の更新を行う。また、同様に、送受信手段94に伝送された制御指令が振動データ送出要求の場合は、振動データ送出手段88を経由して振動データ処理手段84により時計(年月日、曜日、時、分、秒、ミリ秒等)手段87の更新を行い、また、振動データ蓄積手段85により最新の振動データから順次読み取り、振動データ送出手段88で伝送フォーマットに変換して送受信手段94へ送り、通信回線網40を介してデータ収集装置50に転送し、正常に転送された場合は、振動データ蓄積手段85で転送済みデータとし、転送が完了しない場合は、振動データ蓄積手段85に蓄積されていれば、再度転送可能な構成とされている。表2に、振動データの転送フォーマットの一例を示す。この転送フォーマットは、データ収集装置50及び上水道管の振動検知装置において広い地域での長期的な漏水検知の分析に必要な、端末装置10の稼働状況である、振動センサーの固有番号、蓄積時の周波数帯域、サンプリング周波数、振動データの開始時刻と終了時刻、また、収集時点の制御パラメータ手段86の値を有する。
Figure 0006066372
さらに、端末装置10の振動データ処理手段84は、電源電圧検出手段16によりデータ収集時間範囲TP以外は電源供給を制限されて待機状態となり、電源電圧検出手段16により待機状態が解除されると振動データ収集動作を開始し、また、外部電源供給手段93から電力を供給されると電源供給手段92を経由して上水道管の振動検知装置の電源手段91に電力を供給し、電源電圧検出手段16が電源復旧を検出した場合は、振動データ処理手段84により振動データの収集を自動的に開始し、また、電源電圧検出手段16が電源低下レベル1を検出した場合は、振動データ処理手段84により振動データ収集の時間範囲を短縮し、また、収集回数も削減し、電源電圧検出手段16が電源低下レベル2を検出した場合は、長期の電源中断に備えて時計(年月日、曜日、時、分、秒、ミリ秒等)手段87及び電源電圧検出手段16にのみ電力を供給して時刻更新を継続し、このときの時刻更新誤差は、数秒/日程度と推定されるが、データ収集時間範囲TPの許容誤差は比較的大きく長期の電源中断でも時刻誤差は問題なく、なお、複数の振動センサーからの振動データ収集時の同期合わせは、時計(年月日、曜日、時、分、秒、ミリ秒等)手段87により行う構成となっている。また、振動データ蓄積手段85及び制御パラメータ手段86のメモリーは、電源の供給が停止しても記録内容は保持されるメモリーとされている。
次に、図22及び図23に示す本実施形態の上水道管の振動検知装置を用いた振動検知方法について説明する。
まず、端末装置10を操作する作業員の電源投入により開始する。次に、時計手段87の年月日、曜日、時、分、秒、ミリ秒等を標準時計に同期させ、また、制御パラメータ手段86を初期値(手動での設定も可能)に設定する。
次に、収集時間範囲TPが決定済みであるかを判断する。収集時間範囲TPが決定済みであれば、現在時刻が振動データの収集時間の範囲であるかを判断する。収集時間範囲TPが決定しておらず、電源投入直後の収集時間範囲の再設定指示であれば、図17に示す収集時間範囲TPの決定処理を行った後、現在時刻が振動データの収集時間の範囲であるかを判断する。
次に、現在時刻が振動データの収集時間の範囲であれば、振動データ収集・蓄積処理を行う。現在時刻が振動データの収集時間の範囲でなければ、待機状態へ移行する。
また、端末装置10の電源復旧を検出したときは、前述の収集時間範囲TPが決定済みであるかの判断を行う。端末装置10の電源低下レベル1を検出したときは、制御パラメータ手段86の設定値である収集時間範囲を短縮し、及び収集回数を削減した後、前述の収集時間範囲TPが決定済みであるかの判断を行う。
そして、端末装置10の電源低下レベル2を検出したときは、制御パラメータを更新した後、収集動作をすべて中断して待機状態へ移行し、電源が復旧するまで待機する。
さらに、データ収集装置50からの制御指令テキスト(制御指令区分、現在時刻及び制御パラメータを有する)を通信回線網40を介して送受信手段94が受信したときは、まず、時計手段87の現在時刻を更新し、制御指令区分が制御パラメータの更新要求の時は制御パラメータ入力判定手段89及び振動データ処理手段84を経由して制御パラメータ手段86の制御パラメータを更新し、制御指令区分が収集時間範囲TPの再設定指示の時は前述の収集時間範囲TPが決定済みであるかの判断に直ちに移行し、制御指令区分が蓄積データの転送要求の時は振動データ送出手段88及び振動データ処理手段84を経由して振動データ蓄積手段85より最新の振動データから順番にデータ収集装置50へ振動データを転送し、また、途中で転送が中断した時は振動データ蓄積手段85に残っている限りは再度転送可能とし、すべての振動データを転送して前述の収集時間範囲TPが決定済みであるかの判断に直ちに移行する。
第1の振動センサー20及び第2の振動センサー30が複数である本発明の上水道管の振動検知装置及び振動検知方法において、第1の振動センサー20及び第2の振動センサー30の設置箇所の決定方法は、前述の機械式インパルスハンマーを用いた方法に限られず、実際に検知できた振動データを基に振動発生器に振動条件を組み込んで、新たに第1の振動センサー20及び第2の振動センサー30を設置する際に、他の第1の振動センサー20及び第2の振動センサー30の設置位置から振動発生器により擬似漏水振動を発生させ、その擬似漏水振動を最も効果的に検出する設置位置を選択することにより、将来その周辺で発生する漏水振動を効率よく検出可能である。
本発明の上水道管の振動検知装置及び振動検知方法において、端末装置10からの転送方式に適した振動データの圧縮方法の採用により、蓄積データを大幅に増加させることが可能である。
本発明の上水道管の振動検知装置及び振動検知方法では、端末装置10において、セキュリティー機能として、振動データを暗号化して蓄積する、及び通信パスワード機能を持たせ、また、アクセス履歴を保存してアクセス記録を残すことにより、不正アクセスを防止することが可能である。
本発明の上水道管の振動検知装置及び振動検知方法において、蓄積メモリー及び外部電源の増設された環境、又はデータ収集装置50に常時振動データを転送できる設置環境では、最大時間範囲で振動データを収集し、最大回数での振動データ収集が可能であり、集中的な漏水検知を実施することが可能である。
本発明の上水道管の振動検知装置及び振動検知方法において、端末装置10に上位の上水道管の振動検知装置の周波数分析機能を追加することで、振動データから周辺の暗振動データを排除して蓄積することにより、大幅に振動データの蓄積量を高めることが可能である。
上記の実施例の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載しうるが、以下には限定されない。
(付記1)
振動センサーと、端末装置とを含み、
前記振動センサーは、前記端末装置に接続され、
前記振動センサーは、上水道管に設置されて振動データ及び暗振動データを収集し、
前記端末装置は、
前記振動センサーの暗振動レベルが相対的に低い時間範囲を、前記振動センサーの振動データ、又は前記振動センサーの振動データ及び暗振動データの双方のデータ収集時間範囲として決定する振動データ収集時間範囲決定手段と、
前記振動データ収集時間範囲内において、前記振動センサーの暗振動レベルが最も低い時間については、下記条件1にて、前記振動センサーの暗振動レベルが最も低い時間以外の時間については、下記条件2a又は下記条件2bにて、前記振動センサーの振動データと暗振動データとを収集し、前記振動センサーの振動データ、又は前記振動センサーの振動データ及び暗振動データを蓄積する振動データ蓄積手段と
を含むことを特徴とする、上水道管の振動検知装置。

(条件1)
前記振動センサーの振動データの周波数帯域を広くする条件、且つ、
前記振動センサーの振動データのサンプリング周波数を高くする条件。

(条件2a)
前記振動センサーの振動データの周波数帯域を狭くする条件、且つ、
前記振動センサーの振動データのサンプリング周波数を低くする条件。
(条件2b)
前記条件1にて収集した前記振動センサーの振動データの一部を削除することで、
前記振動センサーの振動データの周波数帯域を狭くする条件、且つ、
前記振動センサーの振動データのサンプリング周波数を低くする条件。
(付記2)
第1の振動センサーと、第2の振動センサーと、端末装置とを含み、
前記第1の振動センサー及び前記第2の振動センサーは、前記端末装置に接続され、
前記第1の振動センサーは、上水道管に設置されて振動データを収集し、
前記第2の振動センサーは、前記上水道管から一定距離離れた場所に設置された暗振動データを収集し、
前記端末装置は、
前記第2の振動センサーの暗振動レベルが相対的に低い時間範囲を、前記第1の振動センサーの振動データ、又は前記第1の振動センサーの振動データ及び前記第2の振動センサーの暗振動データの双方のデータ収集時間範囲として決定する振動データ収集時間範囲決定手段と、
前記振動データ収集時間範囲内において、前記第2の振動センサーの暗振動レベルが最も低い時間については、下記条件1にて、前記第2の振動センサーの暗振動レベルが最も低い時間以外の時間については、下記条件2a又は下記条件2bにて、前記第1の振動センサーの振動データと、前記第2の振動センサーの暗振動データとを同期して収集し、前記第1の振動センサーの振動データ、又は前記第1の振動センサーの振動データ及び前記第2の振動センサーの暗振動データを蓄積する振動データ蓄積手段と
を含むことを特徴とする、上水道管の振動検知装置。

(条件1)
前記第1の振動センサーの振動データの周波数帯域を広くする条件、且つ、
前記第1の振動センサーの振動データのサンプリング周波数を高くする条件。

(条件2a)
前記第1の振動センサーの振動データの周波数帯域を狭くする条件、且つ、
前記第1の振動センサーの振動データのサンプリング周波数を低くする条件。
(条件2b)
前記条件1にて収集した前記第1の振動センサーの振動データの一部を削除することで、
前記第1の振動センサーの振動データの周波数帯域を狭くする条件、且つ、
前記第1の振動センサーの振動データのサンプリング周波数を低くする条件。
(付記3)
複数の前記第1の振動センサー群及び複数の前記第2の振動センサー群の双方の群から、
前記第2の振動センサーが測定した暗振動レベルと、前記第1の振動センサーが測定した振動レベルとの大小関係を基に、データ収集に用いる前記第1の振動センサーと前記第2の振動センサーとの組合せを決定する組合せ決定手段を含むことを特徴とする、付記2記載の上水道管の振動検知装置。
(付記4)
さらに、データ収集装置を含み、
前記データ収集装置は、前記端末装置と通信回線網を介して接続可能であり、
前記端末装置は、
前記端末装置において収集した前記振動センサー又は前記第1の振動センサーの振動データ、及び前記振動センサー又は前記第2の振動センサーの暗振動データを前記データ収集装置に転送する第1のデータ転送手段と、
前記データ収集装置からの制御指令を受信する受信手段とを含み、
前記データ収集装置は、前記端末装置を制御する制御手段を含むことを特徴とする、付記1から3のいずれかに記載の上水道管の振動検知装置。
(付記5)
さらに、広範囲データ収集装置を含み、
前記広範囲データ収集装置は、前記データ収集装置と通信回線網を介して接続可能であり、
前記データ収集装置は、
前記データ収集装置から、前記端末装置において収集した前記振動センサー又は前記第1の振動センサーの振動データ、及び前記振動センサー又は前記第2の振動センサーの暗振動データを前記広範囲データ収集装置に転送する第2のデータ転送手段を含み、
前記広範囲データ収集装置は、前記転送されたデータをデータベース化するデータベース化手段を含むことを特徴とする、付記4記載の上水道管の振動検知装置。
(付記6)
前記端末装置が、
前記端末装置内の電源電圧の低下を検出し、前記電源電圧低下の検出により、データ収集時間範囲及びデータ収集回数を調整する電源電圧検出手段を含むことを特徴とする、付記1から5のいずれかに記載の上水道管の振動検知装置。
(付記7)
検知する振動が、漏水振動であることを特徴とする、付記1から6のいずれかに記載の上水道管の振動検知装置。
(付記8)
付記1記載の振動検知装置を使用し、
振動データ収集時間範囲決定工程と、振動データ蓄積工程とを含み、
前記振動データ収集時間範囲決定工程は、前記振動センサーの暗振動レベルが相対的に低い時間範囲を、前記振動センサーの振動データ、又は前記振動センサーの振動データ及び暗振動データの双方のデータ収集時間範囲として決定する工程であり、
前記振動データ蓄積工程は、前記振動データ収集時間範囲内において、前記振動センサーの暗振動レベルが最も低い時間については、下記条件1にて、前記振動センサーの暗振動レベルが最も低い時間以外の時間については、下記条件2a又は下記条件2bにて、前記振動センサーの振動データと暗振動データとを収集し、前記振動センサーの振動データ、又は前記振動データの振動データ及び暗振動データを蓄積する工程である
ことを特徴とする、上水道管の振動検知方法。

(条件1)
前記振動センサーの振動データの周波数帯域を広くする条件、且つ、
前記振動センサーの振動データのサンプリング周波数を高くする条件。

(条件2a)
前記振動センサーの振動データの周波数帯域を狭くする条件、且つ、
前記振動センサーの振動データのサンプリング周波数を低くする条件。
(条件2b)
前記条件1にて収集した前記振動センサーの振動データの一部を削除することで、
前記振動センサーの振動データの周波数帯域を狭くする条件、且つ、
前記振動センサーの振動データのサンプリング周波数を低くする条件。
(付記9)
付記2記載の振動検知装置を使用し、
振動データ収集時間範囲決定工程と、振動データ蓄積工程とを含み、
前記振動データ収集時間範囲決定工程は、前記第2の振動センサーの暗振動レベルが相対的に低い時間範囲を、前記第1の振動センサーの振動データ、又は前記第1の振動センサーの振動データ及び前記第2の振動センサーの暗振動データの双方のデータ収集時間範囲として決定する工程であり、
前記振動データ蓄積工程は、前記振動データ収集時間範囲内において、前記第2の振動センサーの暗振動レベルが最も低い時間については、下記条件1にて、前記第2の振動センサーの暗振動レベルが最も低い時間以外の時間については、下記条件2a又は下記条件2bにて、前記第1の振動センサーの振動データと、前記第2の振動センサーの暗振動データとを同期して収集し、前記第1の振動センサーの振動データ、又は前記第1の振動センサーの振動データ及び前記第2の振動センサーの暗振動データを蓄積する工程であることを特徴とする、上水道管の振動検知方法。

(条件1)
前記第1の振動センサーの振動データの周波数帯域を広くする条件、且つ、
前記第1の振動センサーの振動データのサンプリング周波数を高くする条件。

(条件2a)
前記第1の振動センサーの振動データの周波数帯域を狭くする条件、且つ、
前記第1の振動センサーの振動データのサンプリング周波数を低くする条件。
(条件2b)
前記条件1にて収集した前記第1の振動センサーの振動データの一部を削除することで、
前記第1の振動センサーの振動データの周波数帯域を狭くする条件、且つ、
前記第1の振動センサーの振動データのサンプリング周波数を低くする条件。
(付記10)
付記3記載の振動検知装置を使用し、
複数の前記第1の振動センサー及び前記第2の振動センサーの中から、
前記第2の振動センサーが測定した暗振動レベルと、前記第1の振動センサーが測定した振動レベルとの大小関係を基に、データ収集に用いる前記第1の振動センサーと前記第2の振動センサーとの組合せを決定する組合せ決定工程を含むことを特徴とする、付記9記載の振動検知方法。
(付記11)
付記4記載の振動検知装置を使用し、
前記端末装置において収集した前記振動センサー又は前記第1の振動センサーの振動データ、及び前記振動センサー又は前記第2の振動センサーの暗振動データを前記データ収集装置に転送する第1のデータ転送工程と、前記データ収集装置が前記端末装置を制御する制御工程とを含むことを特徴とする、付記8から10のいずれかに記載の上水道管の振動検知方法。
(付記12)
付記5記載の振動検知装置を使用し、
前記データ収集装置から、前記端末装置において収集した前記振動センサー又は前記第1の振動センサーの振動データ、及び前記振動センサー又は前記第2の振動センサーの暗振動データを前記広範囲データ収集装置に転送する第2のデータ転送工程と、
前記広範囲データ収集装置において前記転送されたデータをデータベース化するデータベース化工程とを含むことを特徴とする、付記11記載の上水道管の振動検知方法。
(付記13)
付記6記載の振動検知装置を使用し、
前記端末装置内の電源電圧の低下を検出し、前記電源電圧低下の検出により、データ収集時間範囲及びデータ収集回数を調整する電源電圧検出工程を含むことを特徴とする、付記8から12のいずれかに記載の上水道管の振動検知方法。
(付記14)
検知する振動が、漏水振動であることを特徴とする、付記8から13のいずれかに記載の上水道管の振動検知方法。
10 端末装置
11 振動データ収集時間範囲決定手段
12 振動データ入力手段
13 組合せ決定手段
14 第1のデータ転送手段
15 受信手段
16 電源電圧検出手段
20 第1の振動センサー
30 第2の振動センサー
40 通信回線網
50 データ収集装置
51 制御手段
52 第2のデータ転送手段
60 広範囲データ収集装置
61 データベース化手段
71 移動体
72 作業者
82 信号増幅手段
83 A/D変換手段
84 振動データ処理手段
85 振動データ蓄積手段
86 制御パラメータ手段
87 時計手段
88 振動データ送出手段
89 制御パラメータ入力判定手段
91 電源手段
92 電源供給手段
93 外部電源供給手段
94 送受信手段
100、200、300、400、500、600 上水道管の振動検知装置

Claims (8)

  1. 振動センサーと、端末装置とを含み、
    前記振動センサーは、前記端末装置に接続され、
    前記振動センサーは、上水道管に設置されて振動データ及び暗振動データを収集し、
    前記端末装置は、
    前記暗振動データの暗振動レベルが相対的に低い時間範囲を、前記振動センサーの振動データのデータ収集時間範囲として決定する振動データ収集時間範囲決定手段と、
    前記振動データ収集時間範囲内において、前記暗振動レベルが低い時間は、前記暗振動レベルが高い時間に比して高いサンプリング周波数にて、前記暗振動レベルが高い時間は、前記暗振動レベルが低い時間に比して低いサンプリング周波数にて、前記振動センサーの振動データを収集し、蓄積する振動データ蓄積手段と
    を含むことを特徴とする、上水道管の振動検知装置。
  2. 振動センサーと、端末装置とを含み、
    前記振動センサーは、前記端末装置に接続され、
    前記振動センサーは、上水道管に設置されて振動データ及び暗振動データを収集し、
    前記端末装置は、
    前記暗振動データの暗振動レベルが相対的に低い時間範囲を、前記振動センサーの振動データのデータ収集時間範囲として決定する振動データ収集時間範囲決定手段と、
    前記振動データ収集時間範囲内において、前記暗振動レベルが所定値未満の時間は、前記暗振動レベルが所定値以上の時間に比して高いサンプリング周波数にて、前記暗振動レベルが所定値以上の時間は、前記暗振動レベルが所定値未満の時間に比して低いサンプリング周波数にて、前記振動センサーの振動データを収集し、蓄積する振動データ蓄積手段とを含むことを特徴とする、上水道管の振動検知装置。
  3. 振動センサーで取得された暗振動データの暗振動レベルが相対的に低い時間範囲を、前記振動センサーの振動データのデータ収集時間範囲として決定する振動データ収集時間範囲決定手段と、
    前記振動センサーの振動データを蓄積する振動データ蓄積手段と
    を含み、
    前記振動データ蓄積手段は、前記振動データ収集時間範囲内において、前記振動センサーの暗振動レベルが低い時間は、前記暗振動レベルが高い時間に比して高いサンプリング周波数にて、前記振動センサーの振動データを収集、蓄積し、前記振動センサーの暗振動レベルが高い時間は、前記暗振動レベルが低い時間に比して低いサンプリング周波数にて、前記振動センサーの振動データを収集し、蓄積することを特徴とする、端末装置。
  4. 振動センサーで取得された暗振動データの暗振動レベルが相対的に低い時間範囲を、前記振動センサーの振動データのデータ収集時間範囲として決定する振動データ収集時間範囲決定手段と、
    前記振動センサーの振動データを蓄積する振動データ蓄積手段と
    を含み、
    前記振動データ蓄積手段は、前記振動データ収集時間範囲内において、前記振動センサーの暗振動レベルが所定値未満の時間は、前記暗振動レベルが所定値以上の時間に比して高いサンプリング周波数にて、前記振動センサーの振動データを収集、蓄積し、前記振動センサーの暗振動レベルが所定値以上の時間は、前記暗振動レベルが所定値未満の時間に比して低いサンプリング周波数にて、前記振動センサーの振動データを収集し、蓄積することを特徴とする、端末装置。
  5. 請求項記載の端末装置を使用し、
    振動データ収集時間範囲決定工程と、振動データ蓄積工程とを含み、
    前記振動データ収集時間範囲決定工程は、前記振動センサーの暗振動レベルが相対的に低い時間範囲を、前記振動センサーの振動データのデータ収集時間範囲として決定する工程であり、
    前記振動データ蓄積工程は、前記振動データ収集時間範囲内において、前記振動センサーの暗振動レベルが低い時間は、前記暗振動レベルが高い時間に比して高いサンプリング周波数にて、前記振動センサーの暗振動レベルが高い時間は、前記暗振動レベルが低い時間に比して低いサンプリング周波数にて、前記振動センサーの振動データを収集し、蓄積する工程である
    ことを特徴とする、上水道管の振動検知方法。
  6. 請求項記載の端末装置を使用し、
    振動データ収集時間範囲決定工程と、振動データ蓄積工程とを含み、
    前記振動データ収集時間範囲決定工程は、前記振動センサーの暗振動レベルが相対的に低い時間範囲を、前記振動センサーの振動データのデータ収集時間範囲として決定する工程であり、
    前記振動データ蓄積工程は、前記振動データ収集時間範囲内において、前記振動センサーの暗振動レベルが所定値未満の時間は、前記暗振動レベルが所定値以上の時間に比して高いサンプリング周波数にて、前記振動センサーの暗振動レベルが所定値以上の時間は、前記暗振動レベルが所定値未満の時間に比して低いサンプリング周波数にて、前記振動センサーの振動データを収集し、蓄積する工程である
    ことを特徴とする、上水道管の振動検知方法。
  7. 第2の振動センサーで取得された暗振動データの暗振動レベルが相対的に低い時間範囲を、第1の振動センサーの振動データのデータ収集時間範囲として決定する振動データ収集時間範囲決定手段と、
    前記第1の振動センサーの振動データを蓄積する振動データ蓄積手段と
    を含み、
    前記振動データ蓄積手段は、前記振動データ収集時間範囲内において、前記第2の振動センサーの暗振動レベルが低い時間は、前記暗振動レベルが高い時間に比して高いサンプリング周波数にて、前記第1の振動センサーの振動データを収集、蓄積し、前記第2の振動センサーの暗振動レベルが高い時間は、前記暗振動レベルが低い時間に比して低いサンプリング周波数にて、前記第1の振動センサーの振動データを収集し、蓄積することを特徴とする、端末装置。
  8. 第2の振動センサーで取得された暗振動データの暗振動レベルが相対的に低い時間範囲を、第1の振動センサーの振動データのデータ収集時間範囲として決定する振動データ収集時間範囲決定手段と、
    前記第1の振動センサーの振動データを蓄積する振動データ蓄積手段と
    を含み、
    前記振動データ蓄積手段は、前記振動データ収集時間範囲内において、前記第2の振動センサーの暗振動レベルが所定値未満の時間は、前記暗振動レベルが所定値以上の時間に比して高いサンプリング周波数にて、前記第1の振動センサーの振動データを収集、蓄積し、前記第2の振動センサーの暗振動レベルが所定値以上の時間は、前記暗振動レベルが所定値未満の時間に比して低いサンプリング周波数にて、前記第1の振動センサーの振動データを収集し、蓄積することを特徴とする、端末装置。
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