JP6694262B2 - 発光素子 - Google Patents

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Description

本発明は、発光素子に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)等の発光素子は、高い外部量子効率、低電圧駆動等の特性のため、ディスプレイ及び照明の用途に好適に使用することが可能であり、近年、注目されている。この発光素子は、発光層、電荷輸送層等の有機層を備える。
特許文献1には、発光層を有する有機電界発光素子であって、該発光層が、発光材料と溶剤とを含む組成物を用いて湿式成膜法にて形成された隣接する2層を含み、該隣接する2層が、各々異なる発光材料を含有し、かつ特定のパラメータを満たすことを特徴とする、有機電界発光素子が記載されている。
特許文献2には、蛍光発光性化合物を含む第1の有機層と、燐光発光性化合物を含む第2の有機層とを有する発光素子が記載されている。
特許文献3及び4には、6員環と5員環とから形成される配位子を有する青色燐光発光性化合物を用いて形成される発光層と、芳香族アミン構成単位及び架橋性構成単位を含む高分子化合物を用いて形成される正孔輸送層とを有する発光素子が記載されている。
特開2011−253722号公報 国際公開第2013/064814号 国際公開第2014/191086号 特開2013−216789号公報
発光素子としては、優れた電力効率を有するものが求められている。そこで、本発明は、電力効率に優れる発光素子を提供することを目的とする。
本発明の一側面は、以下の発光素子に関する。
陽極と、
陰極と、
前記陽極及び前記陰極の間に設けられた第1の有機層と、
前記陽極及び前記第1の有機層の間に設けられた第2の有機層とを有する発光素子であって、
前記第1の有機層が、燐光発光性化合物を含み、
前記第2の有機層が、1種又は2種以上の高分子化合物が配合された高分子組成物から形成される高分子硬化物を含み、
前記高分子化合物の少なくとも1種が、架橋基を有し、
前記高分子化合物の少なくとも1種が、燐光発光性構成単位を含み、
前記高分子化合物を構成する各単量体単位について、全単量体単位の総モルに対するその単量体単位のモル比Cとその単量体単位の分子量Mとを乗じた値x、及び、前記モル比Cとその単量体単位が有する前記架橋基の数nとを乗じた値yを求めたとき、前記xの総和X及び前記yの総和Yから計算される(Y×1000)/Xの値が、0.6以上である、発光素子。
本発明によれば、電力効率に優れる発光素子を提供することができる。
本発明の好適な実施形態について以下に説明する。
<共通する用語の説明>
本明細書で共通して用いられる用語は、特記しない限り、以下の意味である。
Meはメチル基、Etはエチル基、Buはブチル基、i−Prはイソプロピル基、t−Buはtert−ブチル基を表す。
水素原子は、重水素原子であっても、軽水素原子であってもよい。
金属錯体を表す式中(例えば、燐光発光性化合物を表す式(1−A)及び式(1−B)中)、中心金属との結合を表す実線は、共有結合又は配位結合を意味する。
「高分子化合物」とは、分子量分布を有し、ポリスチレン換算の数平均分子量が1×10〜1×10である重合体を意味する。
「低分子化合物」とは、分子量分布を有さず、分子量が1×10以下の化合物を意味する。
「構成単位」とは、高分子化合物中に1個以上存在する単位を意味する。
「アルキル基」は、直鎖及び分岐のいずれでもよい。直鎖のアルキル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常1〜50であり、好ましくは3〜30であり、より好ましくは4〜20である。分岐のアルキル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜50であり、好ましくは3〜30であり、より好ましくは4〜20である。
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、2−エチルブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、3−プロピルヘプチル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、2−エチルオクチル基、2−ヘキシルデシル基、ドデシル基、等が挙げられる。また、アルキル基は置換基を有していてもよく、例えば、アルキル基における水素原子の一部又は全部が、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子等で置換された基であってよい。置換基を有するアルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、3−フェニルプロピル基、3−(4−メチルフェニル)プロピル基、3−(3,5−ジ−ヘキシルフェニル)プロピル基、6−エチルオキシヘキシル基が挙げられる。
「シクロアルキル基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜50であり、好ましくは3〜30であり、より好ましくは4〜20である。
シクロアルキル基としては、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基等が挙げられる。シクロアルキル基は置換基を有していてもよく、例えば、シクロアルキル基における水素原子の一部又は全部が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子等で置換された基であってよい。置換基を有するシクロアルキル基としては、例えば、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基等が挙げられる。
「アリール基」は、芳香族炭化水素から芳香環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子1個を除いた残りの原子団を意味する。アリール基における芳香環を構成する炭素原子の数は、通常6〜60であり、好ましくは6〜20であり、より好ましくは6〜10である。
アリール基としては、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、4−ピレニル基、2−フルオレニル基、3−フルオレニル基、4−フルオレニル基、2−フェニルフェニル基、3−フェニルフェニル基、4−フェニルフェニル基、等が挙げられる。アリール基は置換基を有していてもよく、例えば、アリール基における水素原子の一部又は全部が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子等で置換された基であってよい。
「アルコキシ基」は、直鎖及び分岐のいずれでもよい。直鎖のアルコキシ基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常1〜40であり、好ましくは4〜10である。分岐のアルコキシ基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜40であり、好ましくは4〜10である。
アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基、等が挙げられる。アルコキシ基は置換基を有していてもよく、例えば、アルコキシ基における水素原子の一部又は全部が、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子等で置換された基であってよい。
「シクロアルコキシ基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜40であり、好ましくは4〜10である。
シクロアルコキシ基としては、例えば、シクロヘキシルオキシ基、シクロペンチルオキシ基等が挙げられる。シクロアルコキシ基は、置換基を有していてもよく、例えば、シクロアルコキシ基における水素原子の一部又は全部が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子等で置換された基であってよい。
「アリールオキシ基」は、酸素原子にアリール基が1つ結合した原子団を意味する。アリールオキシ基における芳香環を構成する炭素原子の数は、通常6〜60であり、好ましくは6〜20である。
アリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、1−アントラセニルオキシ基、9−アントラセニルオキシ基、1−ピレニルオキシ基、等が挙げられる。アリールオキシ基は、置換基を有していてもよく、例えば、アリールオキシ基における水素原子の一部又は全部が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、フッ素原子等で置換された基であってよい。
「p価の複素環基」(pは、1以上の整数を表す。)とは、複素環式化合物から、複素環又は複素環と縮環した環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合している水素原子のうちp個の水素原子を除いた残りの原子団を意味する。p価の複素環基の中でも、芳香族複素環式化合物から、複素環又は複素環と縮環した環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合している水素原子のうちp個の水素原子を除いた残りの原子団である「p価の芳香族複素環基」が好ましい。
「芳香族複素環式化合物」は、オキサジアゾール、チアジアゾール、チアゾール、オキサゾール、チオフェン、ピロール、ホスホール、フラン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、トリアジン、ピリダジン、キノリン、イソキノリン、カルバゾール、ジベンゾホスホール等の複素環自体が芳香族性を示す化合物、及び、フェノキサジン、フェノチアジン、ジベンゾボロール、ジベンゾシロール、ベンゾピラン等の複素環自体は芳香族性を示さなくとも、複素環に芳香環が縮環されている化合物を意味する。
1価の複素環基における複素環及び複素環と縮環した環を構成する炭素原子の数は、通常、2〜60であり、好ましくは4〜20である。
1価の複素環基としては、例えば、チエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基、ピペリジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ピリミジニル基、トリアジニル基等が挙げられる。1価の複素環基は置換基を有していてもよく、例えば、1価の複素環基における水素原子の一部又は全部が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基等で置換された基であってよい。
「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示す。
「アミノ基」は、置換基を有していてもよく、置換アミノ基が好ましい。アミノ基が有する置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基が好ましい。
置換アミノ基としては、例えば、ジアルキルアミノ基、ジシクロアルキルアミノ基及びジアリールアミノ基が挙げられる。また、置換アミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ビス(4−メチルフェニル)アミノ基、ビス(4−tert−ブチルフェニル)アミノ基、ビス(3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)アミノ基が挙げられる。
「アルケニル基」は、直鎖及び分岐のいずれでもよい。直鎖のアルケニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常2〜30であり、好ましくは3〜20である。分岐のアルケニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜30であり、好ましくは4〜20である。
「シクロアルケニル基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜30であり、好ましくは4〜20である。
アルケニル基及びシクロアルケニル基としては、例えば、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、7−オクテニル基、等が挙げられる。
アルケニル基は置換基を有していてもよく、例えば、アルケニル基における水素原子の一部又は全部が、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子等で置換された基であってよい。また、シクロアルケニル基は置換基を有していてもよく、例えば、シクロアルケニル基における水素原子の一部又は全部が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子等で置換された基であってよい。
「アルキニル基」は、直鎖及び分岐のいずれでもよい。アルキニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子を含めないで、通常2〜20であり、好ましくは3〜20である。分岐のアルキニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子を含めないで、通常4〜30であり、好ましくは4〜20である。
「シクロアルキニル基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子を含めないで、通常4〜30であり、好ましくは4〜20である。
アルキニル基及びシクロアルキニル基としては、例えば、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、3−ペンチニル基、4−ペンチニル基、1−ヘキシニル基、5−ヘキシニル基、等が挙げられる。アルキニル基は置換基を有していてもよく、例えば、アルキニル基における水素原子の一部又は全部が、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子等で置換された基であってよい。また、シクロアルキニル基は置換基を有していてもよく、例えば、シクロアルキニル基における水素原子の一部又は全部が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子等で置換された基であってよい。
「アリーレン基」は、芳香族炭化水素から芳香環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子2個を除いた残りの原子団を意味する。アリーレン基における芳香環を構成する炭素原子の数は、通常、6〜60であり、好ましくは6〜30であり、より好ましくは6〜18である。
アリーレン基としては、例えば、フェニレン基、ナフタレンジイル基、アントラセンジイル基、フェナントレンジイル基、ジヒドロフェナントレンジイル基、ナフタセンジイル基、フルオレンジイル基、ピレンジイル基、ペリレンジイル基、クリセンジイル基、等が挙げられる。アリーレン基は置換基を有していてもよく、例えば、アリーレン基における水素原子の一部又は全部が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子等で置換された基であってよい。
アリーレン基は、好ましくは、式(A−1)、(A−2)、(A−3)、(A−4)、(A−5)、(A−6)、(A−7)、(A−8)、(A−9)、(A−10)(A−11)、(A−12)、(A−13)、(A−14)、(A−15)、(A−16)、(A−17)、(A−18)、(A−19)又は(A−20)で表される基(以下、場合により「式(A−1)〜(A−20)で表される基」という。)である。アリーレン基は、これらの基が複数結合した基を含む。
式中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表す。複数存在するR及びRは、各々、同一でも異なっていてもよく、R同士は互いに結合して、それぞれが結合する原子と共に環を形成していてもよい。
2価の複素環基における複素環及び複素環と縮環した環を構成する炭素原子の数は、通常、2〜60であり、好ましくは、3〜20であり、より好ましくは、4〜15である。
2価の複素環基としては、例えば、ピリジン、ジアザベンゼン、トリアジン、アザナフタレン、ジアザナフタレン、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、ジベンゾシロール、フェノキサジン、フェノチアジン、アクリジン、ジヒドロアクリジン、フラン、チオフェン、アゾール、ジアゾール、トリアゾール等の複素環式化合物から、複素環又は複素環と縮環した環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合している水素原子のうち2個の水素原子を除いた2価の基が挙げられる。
2価の複素環基は、好ましくは、式(AA−1)、(AA−2)、(AA−3)、(AA−4)、(AA−5)、(AA−6)、(AA−7)、(AA−8)、(AA−9)、(AA−10)、(AA−11)、(AA−12)、(AA−13)、(AA−14)、(AA−15)、(AA−16)、(AA−17)、(AA−18)、(AA−19)、(AA−20)、(AA−21)、(AA−22)、(AA−23)、(AA−24)、(AA−25)、(AA−26)、(AA−27)、(AA−28)、(AA−29)、(AA−30)、(AA−31)、(AA−32)、(AA−33)又は(AA−34)で表される基(以下、場合により「式(AA−1)〜(AA−34)で表される基」という。)である。2価の複素環基は、これらの基が複数結合した基を含む。
式中、R及びRは、前記と同じ意味を表す。
「架橋基」とは、加熱処理、紫外線照射処理、ラジカル反応等に供することにより、新たな結合を生成することが可能な基であり、好ましくは、架橋基A群の式(XL−1)、(XL−2)、(XL−3)、(XL−4)、(XL−5)、(XL−6)、(XL−7)、(XL−8)、(XL−9)、(XL−10)、(XL−11)、(XL−12)、(XL−13)、(XL−14)、(XL−15)、(XL−16)又は(XL−17)で表される架橋基(以下、場合により「式(XL−1)〜(LX−17)で表される基」という。)である。
式中、RXLは、メチレン基、酸素原子又は硫黄原子を表し、nXLは、0〜5の整数を表す。RXLが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、nXLが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。*は結合位置を表す。これらの架橋性基は置換基を有していてもよい。
「置換基」は、例えば、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、置換アミノ基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基又はシクロアルキニル基であってよい。また、置換基は架橋基であってもよい。
<発光素子>
次に、本発明の一実施形態に係る発光素子について説明する。
本実施形態に係る発光素子は、陽極と、陰極と、陽極及び陰極の間に設けられた第1の有機層と、陽極及び第1の有機層の間に設けられた第2の有機層とを有する。第1の有機層は、燐光発光性化合物を用いて形成される層であり、第2の有機層は、1種又は2種以上の高分子化合物が配合された高分子組成物を用いて形成される層である。高分子化合物の少なくとも1種は、架橋基を有する(具体的には、高分子化合物の少なくとも1種は、架橋基を有する架橋性構成単位を含む)。また、高分子化合物の少なくとも1種は、燐光発光性構成単位を含む。また、高分子化合物を構成する各単量体単位について、全単量体単位の総モルに対するその単量体単位のモル比Cとその単量体単位の分子量Mとを乗じた値x、及び、モル比Cとその単量体単位が有する架橋基の数nとを乗じた値yを求めたとき、xの総和X及びyの総和Yから計算される(Y×1000)/Xの値は、0.6以上である。
第1の有機層と燐光発光性化合物との関係についていう「用いて形成される」とは、燐光発光性化合物を用いて第1の有機層が形成されていることを意味する。燐光発光性化合物がそのまま第1の有機層に含まれていてもよいし、燐光発光性化合物が分子内、分子間、又は、それらの両方で架橋した状態で第1の有機層に含有されていてもよい。すなわち、第1の有機層は、燐光発光性化合物及び/又は該燐光発光性化合物の架橋体を含むものであってよい。
第2の有機層と高分子組成物との関係についていう「用いて形成される」とは、高分子組成物を用いて第2の有機層が形成されていることを意味する。高分子組成物がそのまま第2の有機層に含まれていてもよいし、高分子組成物に含有される架橋性高分子化合物(架橋基を有する高分子化合物)が分子内、分子間、又は、それらの両方で架橋した状態で第2の有機層に含有されていてもよい。すなわち、第2の有機層は、高分子化合物及び/又は高分子化合物の架橋体を含むものであってよく、高分子組成物及び/又は高分子組成物を硬化してなる高分子硬化物を含むものであってもよい。
第1の有機層及び第2の有機層の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、並びに、スピンコート法、インクジェット印刷法に代表される塗布法が挙げられる。
第1の有機層を塗布法により形成する場合、後述する第1の有機層用のインクを用いることが好ましい。第1の有機層を形成後、加熱又は光照射することで、燐光発光性化合物を架橋させてもよい。燐光発光性化合物が架橋された状態で、第1の有機層に含有されている場合、第1の有機層は溶媒に対して実質的に不溶化されている。そのため、該第1の有機層は、発光素子の積層化に好適に使用することができる。
第2の有機層を塗布法により形成する場合、後述する第2の有機層用のインクを用いることが好ましい。第2の有機層を形成後、加熱又は光照射することで、高分子組成物に含有される架橋性高分子化合物を架橋させて、高分子組成物を硬化させることができる。
高分子組成物が硬化された状態で、第2の有機層に含有されている場合、第2の有機層は溶媒に対して実質的に不溶化されている。そのため、該第2の有機層は、発光素子の積層化に好適に使用することができる。
本実施形態に係る発光素子は、高分子組成物に含有される架橋性高分子化合物が架橋された状態で第2の有機層に含有されていることが好ましい。すなわち、第2の有機層が、高分子組成物から形成された高分子硬化物を含むことが好ましい。
架橋させるための加熱の温度は、通常、25〜300℃であり、好ましくは50〜250℃であり、より好ましくは150〜200℃である。
架橋させるための光照射に用いられる光の種類は、例えば、紫外光、近紫外光、可視光である。
<第1の有機層>
第1の有機層は、1種以上の燐光発光性化合物を用いて形成される層である。
[燐光発光性化合物]
燐光発光性化合物は、燐光発光性を有する化合物である。燐光発光性化合物としては、室温で高い発光量子収率を有するものを好適に用いることができる。
燐光発光性化合物としては、例えば、式(1)で表される燐光発光性化合物が挙げられる。
式中、
Mは、ルテニウム原子、ロジウム原子、パラジウム原子、イリジウム原子又は白金原子を表す。
は1〜3の整数を表し、nは0〜2の整数を表し、n+nは2又は3である。Mがルテニウム原子、ロジウム原子又はイリジウム原子の場合、n+nは3であり、Mがパラジウム原子又は白金原子の場合、n+nは2である。
及びEは、それぞれ独立に、炭素原子又は窒素原子を表す。但し、E及びEの少なくとも一方は炭素原子である。E及びEが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
環Rは、5員環又は6員環の芳香族複素環を表し、これらの環は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子と共に環を形成していてもよい。環Rが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。但し、環Rが6員環の芳香族複素環である場合、Eは炭素原子である。
環Rは、5員環若しくは6員環の芳香族炭素環、又は、5員環若しくは6員環の芳香族複素環を表し、これらの環は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子と共に環を形成していてもよい。環Rが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。但し、環Rが6員環の芳香族複素環である場合、Eは炭素原子である。
環Rが有していてもよい置換基と、環Rが有していてもよい置換基とは、互いに結合して、それぞれが結合する原子と共に環を形成していてもよい。
−G−Aは、アニオン性の2座配位子を表す。A及びAは、それぞれ独立に、炭素原子、酸素原子又は窒素原子を表し、これらの原子は環を構成する原子であってもよい。Gは、単結合、又は、A及びAと共に2座配位子を構成する原子団を表す。A−G−Aが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
式(1)で表される燐光発光性化合物は、中心金属であるMと、添え字nでその数を規定されている配位子と、添え字nでその数を規定されている配位子とから構成されている。
Mがルテニウム原子、ロジウム原子又はイリジウム原子の場合、nは2又は3であることが好ましく、3であることがより好ましい。
Mがパラジウム原子又は白金原子の場合、nは1又は2であることが好ましく、2であることがより好ましい。
及びEは、炭素原子であることが好ましい。
環Rは、1つ以上3つ以下の窒素原子を構成原子として有する5員環の芳香族複素環又は1つ以上4つ以下の窒素原子を構成原子として有する6員環の芳香族複素環であることが好ましく、2つ以上3つ以下の窒素原子を構成原子として有する5員環の芳香族複素環又は1つ以上3つ以下の窒素原子を構成原子として有する6員環の芳香族複素環であることがより好ましく、イミダゾール環、トリアゾール環、ピリジン環又はピリミジン環であることがさらに好ましく、これらの環は置換基を有していてもよい。
環Rは、6員環の芳香族炭素環、又は、5員環若しくは6員環の芳香族複素環であることが好ましく、ベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環、フェナントレン環、ピリジン環、ジアザベンゼン環、ピロール環、フラン環又はチオフェン環であることがより好ましく、ベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環、ピリジン環又はジアザベンゼン環であることがさらに好ましく、ベンゼン環、ピリジン環又はピリミジン環であることが特に好ましく、これらの環は置換基を有していてもよい。
環R及び環Rが有していてもよい置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、ハロゲン原子又はデンドロンが好ましく、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、ハロゲン原子又はデンドロンがより好ましく、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ハロゲン原子又はデンドロンがさらに好ましく、これらの基はさらに置換基を有していてもよい。
−G−Aで表されるアニオン性の2座配位子としては、例えば、下記で表される配位子が挙げられる。但し、A−G−Aで表されるアニオン性の2座配位子は、添え字nでその数を定義されている配位子とは異なる。
式中、*は、Mと結合する部位を示す。
式(1)で表される燐光発光性化合物としては、式(1−A)で表される燐光発光性化合物又は式(1−B)で表される燐光発光性化合物を好適に用いることができる。
式中、
M、n、n、E及びA−G−Aは、それぞれ式(1)におけるM、n、n、E及びA−G−Aと同じ意味を表す。
11A、E12A、E13A、E21A、E22A、E23A及びE24Aは、それぞれ独立に、窒素原子又は炭素原子を表す。E11A、E12A、E13A、E21A、E22A、E23A及びE24Aが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。E11A、E12A及びE13Aが窒素原子の場合、R11A、R12A及びR13Aは、存在しても存在しなくてもよい。E21A、E22A、E23A及びE24Aが窒素原子の場合、R21A、R22A、R23A及びR24Aは、存在しない。
11A、R12A、R13A、R21A、R22A、R23A及びR24Aは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基又はハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R11A、R12A、R13A、R21A、R22A、R23A及びR24Aが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。R11AとR12A、R12AとR13A、R11AとR21A、R21AとR22A、R22AとR23A、及び、R23AとR24Aは、それぞれ結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
環L1Aは、窒素原子、E、E11A、E12A及びE13Aとで構成されるトリアゾール環又はイミダゾール環を表す。
環L2Aは、2つの炭素原子、E21A、E22A、E23A及びE24Aとで構成されるベンゼン環、ピリジン環又はピリミジン環を表す。
式中、
M、n、n及びA−G−Aは、それぞれ式(1)におけるM、n、n及びA−G−Aと同じ意味を表す。
11B、E12B、E13B、E14B、E21B、E22B、E23B及びE24Bは、それぞれ独立に、窒素原子又は炭素原子を表す。E11B、E12B、E13B、E14B、E21B、E22B、E23B及びE24Bが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。E11B、E12B、E13B、E14B、E21B、E22B、E23B及びE24Bが窒素原子の場合、R11B、R12B、R13B、R14B、R21B、R22B、R23B及びR24Bは、存在しない。
11B、R12B、R13B、R14B、R21B、R22B、R23B及びR24Bは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、ハロゲン原子又は置換アミノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R11B、R12B、R13B、R14B、R21B、R22B、R23B及びR24Bが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。R11BとR12B、R12BとR13B、R13BとR14B、R11BとR21B、R21BとR22B、R22BとR23B、及び、R23BとR24Bは、それぞれ結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
環L1Bは、窒素原子、炭素原子、E11B、E12B、E13B及びE14Bとで構成されるピリジン環又はピリミジン環を表す。
環L2Bは、2つの炭素原子、E21B、E22B、E23B及びE24Bとで構成されるベンゼン環、ピリジン環又はピリミジン環を表す。
以下、式(1−A)で表される燐光発光性化合物及び式(1−B)で表される燐光発光性化合物について詳述する。
[式(1−A)で表される燐光発光性化合物]
式(1−A)で表される燐光発光性化合物は、中心金属であるMと、添え字nでその数を規定されている配位子と、添え字nでその数を規定されている配位子とから構成されている。
式(1−A)で表される燐光発光性化合物におけるM、n、n、E及びA−G−Aの例示及び好ましい態様としては、式(1)で表される燐光発光性化合物におけるM、n、n、E及びA−G−Aの例示及び好ましい態様と同じものが挙げられる。
環L1Aがイミダゾール環である場合、E11Aが窒素原子であるイミダゾール環、又は、E12Aが窒素原子であるイミダゾール環が好ましく、E11Aが窒素原子であるイミダゾール環がより好ましい。
環L1Aがトリアゾール環である場合、E11A及びE12Aが窒素原子であるトリアゾール環、又は、E11A及びE13Aが窒素原子であるトリアゾール環が好ましく、E11A及びE12Aが窒素原子であるトリアゾール環がより好ましい。
11Aが窒素原子であり、かつ、R11Aが存在する場合、R11Aはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、置換アミノ基で表される基であることが好ましく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であることがより好ましく、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基であることが更に好ましい。
11Aが炭素原子である場合、R11Aはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であることが好ましく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であることがより好ましく、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基であることが更に好ましい。
12Aが窒素原子であり、かつ、R12Aが存在する場合、R12Aはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であることが好ましく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であることがより好ましく、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基であることが更に好ましい。
12Aが炭素原子である場合、R12Aはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であることが好ましく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であることがより好ましく、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基であることが更に好ましい。
13Aが窒素原子であり、かつ、R13Aが存在する場合、R13Aはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であることが好ましく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であることがより好ましく、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基であることが更に好ましい。
13Aが炭素原子である場合、R13Aはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であることが好ましく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であることがより好ましく、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基であることが更に好ましい。
環L2Aがピリジン環である場合、E21Aが窒素原子であるピリジン環、E22Aが窒素原子であるピリジン環、又は、E23Aが窒素原子であるピリジン環が好ましく、E22Aが窒素原子であるピリジン環がより好ましい。
環L2Aがピリミジン環である場合、E21A及びE23Aが窒素原子であるピリミジン環、又は、E22A及びE24Aが窒素原子であるピリミジン環が好ましく、E22A及びE24Aが窒素原子であるピリミジン環がより好ましい。
環L2Aは、ベンゼン環であることが好ましい。
21A、R22A、R23A及びR24Aは、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であることが好ましく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であることがより好ましく、水素原子、アルキル基又はアリール基であることが更に好ましい。
11A、R12A、R13A、R21A、R22A、R23A及びR24Aがアリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基である場合、発光素子の電力効率がより優れるので、デンドロンであることが好ましい。
「デンドロン」とは、原子又は環を分岐点とする規則的な樹枝状分岐構造(即ち、デンドリマー構造)を有する基を意味する。デンドロンを有する化合物(以下、「デンドリマー」と言う。)としては、例えば、国際公開第02/067343号、特開2003−231692号公報、国際公開第2003/079736号、国際公開第2006/097717号等の文献に記載の構造が挙げられる。
デンドロンとしては、式(D−A)又は(D−B)で表される基が好ましい。
式中、
DA1、mDA2及びmDA3は、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。
DAは、窒素原子、芳香族炭化水素基又は複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArDA1、ArDA2及びArDA3は、それぞれ独立に、アリーレン基又は2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ArDA1、ArDA2及びArDA3が複数ある場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
DAは、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数あるTDAは、同一でも異なっていてもよい。
なお、*は結合位置を表す。
式中、
DA1、mDA2、mDA3、mDA4、mDA5、mDA6及びmDA7は、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。
DAは、窒素原子、芳香族炭化水素基又は複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数あるGDAは、同一でも異なっていてもよい。
ArDA1、ArDA2、ArDA3、ArDA4、ArDA5、ArDA6及びArDA7は、それぞれ独立に、アリーレン基又は2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ArDA1、ArDA2、ArDA3、ArDA4、ArDA5、ArDA6及びArDA7が複数ある場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
DAは、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数あるTDAは、同一でも異なっていてもよい。
なお、*は結合位置を表す。
GDAは、好ましくは式(GDA−11)、(GDA−12)、(GDA−13)、(GDA−14)又は(GDA−15)で表される基(以下、場合により「式(GDA−11)〜(GDA−15)で表される基」という。)であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
式中、
*は、式(D−A)におけるArDA1、式(D−B)におけるArDA1、式(D−B)におけるArDA2、又は、式(D−B)におけるArDA3との結合を表す。
**は、式(D−A)におけるArDA2、式(D−B)におけるArDA2、式(D−B)におけるArDA4、又は、式(D−B)におけるArDA6との結合を表す。
***は、式(D−A)におけるArDA3、式(D−B)におけるArDA3、式(D−B)におけるArDA5、又は、式(D−B)におけるArDA7との結合を表す。
DAは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は更に置換基を有していてもよい。RDAが複数ある場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
DAは、好ましくは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基又はシクロアルコキシ基であり、より好ましくは水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArDA1、ArDA2、ArDA3、ArDA4、ArDA5、ArDA6及びArDA7は、好ましくは式(ArDA−1)、(ArDA−2)又は(ArDA−3)で表される基(以下、場合により「式(ArDA−1)〜(ArDA−3)で表される基」という。)である。
式中、
DAは前記と同じ意味を表す。
DBは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RDBが複数ある場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
DBは、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基であり、より好ましくはアリール基又は1価の複素環基であり、更に好ましくはアリール基である。
DAは、好ましくは式(TDA−1)、(TDA−2)又は(TDA−3)で表される基(以下、場合により「式(TDA−1)〜(TDA−3)で表される基」という。
)である。
式中、RDA及びRDBは前記と同じ意味を表す。
式(D−A)で表される基は、好ましくは式(D−A1)、(D−A2)又は(D−A3)で表される基(以下、場合により「式(D−A1)〜(D−A3)で表される基」という。)である。
式中、
p1、Rp2及びRp3は、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基又はハロゲン原子を表す。Rp1及びRp2が複数ある場合、それらはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
p1は、0〜5の整数を表し、np2は0〜3の整数を表し、np3は0又は1を表す。複数あるnp1は、同一でも異なっていてもよい。
式(D−B)で表される基は、好ましくは式(D−B1)、(D−B2)又は(D−B3)で表される基(以下、場合により「式(D−B1)〜(D−B3)で表される基」という。)である。
式中、
p1、Rp2及びRp3は、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基又はハロゲン原子を表す。Rp1及びRp2が複数ある場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
np1は0〜5の整数を表し、np2は0〜3の整数を表し、np3は0又は1を表す。np1及びnp2が複数ある場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
np1は、好ましくは0又は1であり、より好ましくは1である。np2は、好ましくは0又は1であり、より好ましくは0である。np3は好ましくは0である。
p1、Rp2及びRp3は、好ましくはアルキル基又はシクロアルキル基である。
式(1−A)で表される燐光発光性化合物において、A−G−Aで表されるアニオン性の2座配位子は、下記で表される配位子であってもよい。
式中、
*は、Mと結合する部位を表す。
L1は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRL1は、同一でも異なっていてもよい。
式(1−A)で表される燐光発光性化合物は、式(1−A1)で表される燐光発光性化合物、式(1−A2)で表される燐光発光性化合物、式(1−A3)で表される燐光発光性化合物又は式(1−A4)で表される燐光発光性化合物であることが好ましい。
式中、M、n、n、R11A、R12A、R13A、R21A、R22A、R23A、R24A及びA−G−Aは、式(1−A)におけるM、n、n、R11A、R12A、R13A、R21A、R22A、R23A、R24A及びA−G−Aと同じ意味を表す。
式(1−A)で表される燐光発光性化合物としては、例えば、下記式で表される燐光発光性化合物が挙げられる。
[式(1−B)で表される燐光発光性化合物]
式(1−B)で表される燐光発光性化合物は、中心金属であるMと、添え字nでその数を規定されている配位子と、添え字nでその数を規定されている配位子とから構成されている。
式(1−B)で表される燐光発光性化合物におけるM、n、n及びA−G−Aの例示及び好ましい態様としては、式(1−A)で表される燐光発光性化合物におけるM、n、n及びA−G−Aの例示及び好ましい態様と同じのものが挙げられる。
11B、R12B、R13B、R14B、R21B、R22B、R23B及びR24Bからなる群から選ばれる少なくとも1つは、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基で表される基であることが好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
環L1Bがピリミジン環である場合、E11Bが窒素原子であるピリミジン環、又は、E13Bが窒素原子であるピリミジン環が好ましく、E11Bが窒素原子であるピリミジン環がより好ましい。
11B、R12B、R13B及びR14Bは、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であることが好ましく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であることがより好ましく、水素原子、アルキル基又はアリール基であることが更に好ましい。
11B、R12B、R13B及びR14Bがアリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基である場合、R11B又はR13Bがアリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であることがより好ましく、R11Bがアリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であることがより好ましい。これらの基は、発光素子の電力効率がより優れるので、デンドロンであることが好ましい。デンドロンの例示及び好ましい態様としては、式(1−A)で表される燐光発光性化合物におけるデンドロンの例示及び好ましい態様と同じものが挙げられる。
環L2Bがピリジン環である場合、E21Bが窒素原子であるピリジン環、E22Bが窒素原子であるピリジン環、又は、E23Bが窒素原子であるピリジン環が好ましく、E22Bが窒素原子であるであるピリジン環がより好ましい。
環L2Bがピリミジン環である場合、E21B及びE23Bが窒素原子であるピリミジン環、又は、E22B及びE24Bが窒素原子であるピリミジン環が好ましく、E22B及びE24Bが窒素原子であるピリミジン環がより好ましい。
環L2Bは、ベンゼン環であることが好ましい。
21B、R22B、R23B及びR24Bは、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であることが好ましく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であることがより好ましく、水素原子、アルキル基又はアリール基であることが更に好ましい。
21B、R22B、R23B、及びR24Bがアリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基である場合、発光素子の電力効率がより優れるので、デンドロンであることが好ましい。デンドロンの例示及び好ましい態様としては、式(1−A)で表される燐光発光性化合物におけるデンドロンの例示及び好ましい態様と同じものが挙げられる。
式(1−B)で表される燐光発光性化合物において、A−G−Aで表されるアニオン性の2座配位子は、下記で表される配位子であってもよい。
式中、
*は、Mと結合する部位を表す。
L1は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRL1は、同一でも異なっていてもよい。
L2は、アルキル基、シクロアルキル基又はハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(1−B)で表される燐光発光性化合物は、式(1−B1)で表される燐光発光性化合物、式(1−B2)で表される燐光発光性化合物又は式(1−B3)で表される燐光発光性化合物であることが好ましい。
式中、
M、n、n、R11B、R12B、R13B、R14B、R21B、R22B、R23B、R24B及びA−G−Aは、それぞれ式(1−B)におけるM、n、n、R11B、R12B、R13B、R14B、R21B、R22B、R23B、R24B及びA−G−Aと同じ意味を表す。
及びnは、それぞれ独立に、1〜2の整数を表し、n+nは2又は3である。Mがルテニウム原子、ロジウム原子又はイリジウム原子の場合、n+nは3であり、Mがパラジウム原子又は白金原子の場合、n+nは2である。
15B、R16B、R17B及びR18Bは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、ハロゲン原子又は置換アミノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R15B、R16B、R17B及びR18Bが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。R13BとR15B、R15BとR16B、R16BとR17B、R17BとR18B、R18BとR21Bは、それぞれ結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
式(1−B)で表される燐光発光性化合物としては、例えば、下記で表される燐光発光性化合物が挙げられる。
第1の有機層の形成に用いられる燐光発光性化合物は、例えば、特表2004−530254号公報、特開2008−179617号公報、特開2011−105701号公報、特表2007−504272号公報、特開2013−147449号公報、特開2013−147450号公報に記載されている方法に従って合成することができる。
[ホスト材料]
本実施形態に係る発光素子の電力効率が優れるため、本実施形態に係る発光素子の第1の有機層は、少なくとも1種の燐光発光性化合物と、正孔注入性、正孔輸送性、電子注入性及び電子輸送性からなる群から選ばれる少なくとも1つの機能を有するホスト材料とを含有する組成物を用いて形成される層であることが好ましい。該組成物において、ホスト材料は、1種単独で含有されていても、2種以上含有されていてもよい。
すなわち、第1の有機層は、正孔注入性、正孔輸送性、電子注入性及び電子輸送性からなる群から選ばれる少なくとも1つの機能を有するホスト材料をさらに含有する層であってよい。また、第1の有機層は、少なくとも1種の燐光発光性化合物と、正孔注入性、正孔輸送性、電子注入性及び電子輸送性からなる群から選ばれる少なくとも1つの機能を有するホスト材料とを含有する組成物から構成される層であってよい。
燐光発光性化合物とホスト材料とを含有する組成物において、燐光発光性化合物の総含有量は、燐光発光性化合物とホスト材料との合計を100質量部とした場合、通常、0.1〜50質量部であり、好ましくは1〜45質量部であり、より好ましくは5〜40質量部である。
ホスト材料の有する最低励起三重項状態(T)は、本実施形態に係る発光素子の電力効率が優れるので、第1の有機層の形成に用いられる燐光発光性化合物の有するTと同等のエネルギー準位、又は、より高いエネルギー準位であることが好ましい。
ホスト材料としては、本実施形態に係る発光素子を溶液塗布プロセスで作製できるので、第1の有機層の形成に用いられる燐光発光性化合物を溶解することが可能な溶媒に対して溶解性を示すものであることが好ましい。
ホスト材料は、低分子化合物と高分子化合物とに分類される。
[低分子ホスト]
ホスト材料として好ましい低分子化合物(以下、「低分子ホスト」という。)に関して以下に説明する。低分子ホストは、上記ホスト材料のうち、分子量分布を有さず、分子量が1×10以下の化合物である。
低分子ホストは、好ましくは、式(H−1)で表される化合物である。
式中、
ArH1及びArH2は、それぞれ独立に、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
H1及びnH2は、それぞれ独立に、0又は1を表す。nH1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。nH2が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
H3は、0以上の整数を表す。
H1は、アリーレン基、2価の複素環基、又は、−[C(RH11]nH11−で表される基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。LH1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
H11は、1〜10の整数を表す。RH11は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRH11は、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。
H2は、−N(−LH21−RH21)−で表される基を表す。LH2が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
H21は、単結合、アリーレン基又は2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RH21は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArH1及びArH2は、フェニル基、フルオレニル基、スピロビフルオレニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、チエニル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフリル基、ジベンゾフリル基、ピロリル基、インドリル基、アザインドリル基、カルバゾリル基、アザカルバゾリル基、ジアザカルバゾリル基、フェノキサジニル基又はフェノチアジニル基であることが好ましく、フェニル基、スピロビフルオレニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、ジベンゾチエニル基、ジベンゾフリル基、カルバゾリル基又はアザカルバゾリル基であることがより好ましく、フェニル基、ピリジル基、カルバゾリル基又はアザカルバゾリル基であることが更に好ましく、上記式(TDA−1)又は(TDA−3)で表される基であることが特に好ましく、上記式(TDA−3)で表される基であることがとりわけ好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArH1及びArH2が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基が好ましく、アルキル基、シクロアルコキシ基、アルコキシ基又はシクロアルコキシ基がより好ましく、アルキル基又はシクロアルコキシ基が更に好ましく、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
H1は、好ましくは1である。nH2は、好ましくは0である。
H3は、通常、0〜10の整数であり、好ましくは0〜5の整数であり、更に好ましくは1〜3の整数であり、特に好ましくは1である。
H11は、好ましくは1〜5の整数であり、より好ましく1〜3の整数であり、更に好ましく1である。
H11は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基であることが好ましく、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基であることがより好ましく、水素原子又はアルキル基であることが更に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
H1は、アリーレン基又は2価の複素環基であることが好ましい。
H1は、式(A−1)〜(A−3)、(A−8)〜(A−10)、(AA−1)〜(AA−6)、(AA−10)〜(AA−21)又は(AA−24)〜(AA−34)で表される基であることが好ましく、式(A−1)、(A−2)、(A−8)、(A−9)、(AA−1)〜(AA−4)、(AA−10)〜(AA−15)又は(AA−29)〜(AA−34)で表される基であることがより好ましく、式(A−1)、(A−2)、(A−8)、(A−9)、(AA−2)、(AA−4)、(AA−10)〜(AA−15)で表される基であることが更に好ましく、式(A−1)、(A−2)、(A−8)、(AA−2)、(AA−4)、(AA−10)、(AA−12)又は(AA−14)で表される基であることが特に好ましく、式(A−1)、(A−2)、(AA−2)、(AA−4)又は(AA−14)で表される基であることがとりわけ好ましい。
H1が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基が好ましく、アルキル基、アルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基がより好ましく、アルキル基、アリール基又は1価の複素環基が更に好ましく、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
H21は、単結合又はアリーレン基であることが好ましく、単結合であることがより好ましく、このアリーレン基は置換基を有していてもよい。
H21で表されるアリーレン基又は2価の複素環基の定義及び例は、LH1で表されるアリーレン基又は2価の複素環基の定義及び例と同様である。
H21は、アリール基又は1価の複素環基であることが好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
H21で表されるアリール基及び1価の複素環基の定義及び例は、ArH1及びArH2で表されるアリール基及び1価の複素環基の定義及び例と同様である。
H21が有していてもよい置換基の定義及び例は、ArH1及びArH2が有していてもよい置換基の定義及び例と同様である。
式(H−1)で表される化合物は、式(H−2)で表される化合物であることが好ましい。
式中、ArH1、ArH2、nH3及びLH1は、前記と同じ意味を表す。
式(H−1)で表される化合物としては、例えば、下記式(H−101)、(H−102)、(H−103)、(H−104)、(H−105)、(H−106)、(H−107)、(H−108)、(H−109)、(H−110)、(H−111)、(H−112)、(H−113)、(H−114)、(H−115)、(H−116)、(H−117)又は(H−118)で表される化合物(以下、場合により「式(H−101)〜(118)で表される化合物」という。)が例示される。
[高分子ホスト]
ホスト材料として好ましい高分子化合物(以下、「高分子ホスト」という。)に関して以下に説明する。高分子ホストは、上記ホスト材料のうち、分子量分布を有し、ポリスチレン換算の数平均分子量が1×10〜1×10の重合体である。
高分子ホストとしては、例えば、後述の正孔輸送材料である高分子化合物、後述の電子輸送材料である高分子化合物が挙げられる。
高分子ホストは、好ましくは、式(Y)で表される構成単位を含む高分子化合物である。
式中、ArY1は、アリーレン基、2価の複素環基、又は、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArY1で表されるアリーレン基は、より好ましくは、式(A−1)、(A−2)、(A−6)〜(A−10)、(A−19)又は(A−20)で表される基であり、更に好ましくは、式(A−1)、(A−2)、(A−7)、(A−9)又は(A−19)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArY1で表される2価の複素環基は、より好ましくは、式(AA−1)〜(AA−4)、(AA−10)〜(AA−15)、(AA−18)〜(AA−21)、(AA−33)又は(AA−34)で表される基であり、更に好ましくは、式(AA−4)、(AA−10)、(AA−12)、(AA−14)又は(AA−33)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArY1で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基における、アリーレン基及び2価の複素環基のより好ましい範囲、更に好ましい範囲は、それぞれ、前述のArY1で表されるアリーレン基及び2価の複素環基のより好ましい範囲、更に好ましい範囲と同様である。
「少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基」としては、例えば、下記式で表される基が挙げられ、これらは置換基を有していてもよい。
式中、RXXは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
XXは、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArY1で表される基が有してもよい置換基は、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
式(Y)で表される構成単位としては、例えば、式(Y−1)、(Y−2)、(Y−3)、(Y−4)、(Y−5)、(Y−6)、(Y−7)、(Y−8)、(Y−9)又は(Y−10)で表される構成単位(以下、「式(Y−1)〜(Y−10)で表される構成単位」ともいう。)が挙げられ、本実施形態に係る発光素子の輝度寿命の観点からは、好ましくは式(Y−1)〜(Y−3)で表される構成単位であり、本実施形態に係る発光素子の電子輸送性の観点からは、好ましくは式(Y−4)〜(Y−7)で表される構成単位であり、本実施形態に係る発光素子の正孔輸送性の観点からは、好ましくは式(Y−8)〜(Y−10)で表される構成単位である。
式中、RY1は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRY1は、同一でも異なっていてもよく、隣接するRY1同士は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子と共に環を形成していてもよい。
Y1は、好ましくは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(Y−1)で表される構成単位は、好ましくは、式(Y−1’)で表される構成単位である。
式中、RY11は、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
複数存在するRY11は、同一でも異なっていてもよい。
Y11は、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、より好ましくは、アルキル基又はシクロアルキル基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
式中、RY1は前記と同じ意味を表す。XY1は、−C(RY2−、−C(RY2)=C(RY2)−又は−C(RY2−C(RY2−で表される基を表す。RY2は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRY2は、同一でも異なっていてもよく、RY2同士は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子と共に環を形成していてもよい。
Y2は、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基であり、より好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Y1において、−C(RY2−で表される基中の2個のRY2の組み合わせは、好ましくは両方がアルキル基若しくはシクロアルキル基、両方がアリール基、両方が1価の複素環基、又は、一方がアルキル基若しくはシクロアルキル基で他方がアリール基若しくは1価の複素環基であり、より好ましくは一方がアルキル基若しくはシクロアルキル基で他方がアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。2個存在するRY2は互いに結合して、それぞれが結合する原子と共に環を形成していてもよく、RY2が環を形成する場合、−C(RY2−で表される基としては、好ましくは式(Y−A1)、(Y−A2)、(Y−A3)、(Y−A4)又は(Y−A5)で表される基であり、より好ましくは式(Y−A4)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Y1において、−C(RY2)=C(RY2)−で表される基中の2個のRY2の組み合わせは、好ましくは両方がアルキル基若しくはシクロアルキル基、又は、一方がアルキル基若しくはシクロアルキル基で他方がアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Y1において、−C(RY2−C(RY2−で表される基中の4個のRY2は、好ましくは置換基を有していてもよいアルキル基又はシクロアルキル基である。複数あるRY2は互いに結合して、それぞれが結合する原子と共に環を形成していてもよく、RY2が環を形成する場合、−C(RY2−C(RY2−で表される基は、好ましくは式(Y−B1)、(Y−B2)、(Y−B3)、(Y−B4)又は(Y−B5)で表される基であり、より好ましくは式(Y−B3)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
式中、RY2は前記と同じ意味を表す。
式(Y−2)で表される構成単位は、式(Y−2’)で表される構成単位であることが好ましい。
式中、RY11及びXY1は前記と同じ意味を表す。
式中、RY1及びXY1は前記と同じ意味を表す。
式(Y−3)で表される構成単位は、式(Y−3’)で表される構成単位であることが好ましい。
式中、RY11及びXY1は前記と同じ意味を表す。
式中、RY1は前記と同じ意味を表す。RY3は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
Y3は、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基であり、より好ましくはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(Y−4)で表される構成単位は、式(Y−4’)で表される構成単位であることが好ましく、式(Y−6)で表される構成単位は、式(Y−6’)で表される構成単位であることが好ましい。
式中、RY11及びRY3は前記と同じ意味を表す。
式中、RY1は前記を同じ意味を表す。RY4は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
Y4は、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基であり、より好ましくはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(Y)で表される構成単位としては、例えば、式(Y−101)、(Y−102)、(Y−103)、(Y−104)、(Y−105)、(Y−106)、(Y−107)、(Y−108)、(Y−109)、(Y−110)、(Y−111)、(Y−112)、(Y−113)、(Y−114)、(Y−115)、(Y−116)、(Y−117)、(Y−118)、(Y−119)、(Y−120)又は(Y−121)で表されるアリーレン基(以下、場合により「式(Y−101)〜(Y−121)で表されるアリーレン基」という。)からなる構成単位、式(Y−201)、(Y−202)、(Y−203)、(Y−204)、(Y−205)又は(Y−206)で表される2価の複素環基(以下、場合により「式(Y−201)〜(Y−206)で表される2価の複素環基」という。
)からなる構成単位、式(Y−301)、(Y−302)、(Y−303)又は(Y−304)(以下、場合により「式(Y−301)〜(Y−304)」という。)で表される、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基からなる構成単位が挙げられる。
式(Y)で表される構成単位であって、ArY1がアリーレン基である構成単位は、所定量含まれることで発光素子の輝度寿命がより優れる傾向がある。このため、上記高分子化合物は、高分子化合物を形成するモノマーの総量に対して、上記構成単位を成すモノマーを0.5モル%以上80モル%以下(好ましくは30モル%以上60モル%以下)の割合で重合させたものであることが好ましい。
式(Y)で表される構成単位であって、ArY1が2価の複素環基、又は、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基である構成単位は、所定量含まれることで発光素子の電荷輸送性がより優れる傾向がある。このため、上記高分子化合物は、高分子化合物を形成するモノマーの総量に対して、上記構成単位を成すポリマーを0.5モル%以上30モル%以下(好ましくは3モル%以上20モル%以下)の割合で重合させたものであることが好ましい。
式(Y)で表される構成単位は、高分子ホスト中に、1種のみ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。
高分子ホストは、正孔輸送性が優れるので、更に、下記式(X)で表される構成単位を含むことが好ましい。
式中、
X1及びaX2は、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。
ArX1及びArX3は、それぞれ独立に、アリーレン基又は2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX2及びArX4は、それぞれ独立に、アリーレン基、2価の複素環基、又は、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ArX2及びArX4が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
X1、RX2及びRX3は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RX2及びRX3が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
X1は、本実施形態に係る発光素子の輝度寿命がより優れるので、好ましくは2以下であり、より好ましくは1である。
X2は、本実施形態に係る発光素子の輝度寿命がより優れるので、好ましくは2以下であり、より好ましくは0である。
X1、RX2及びRX3は、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基であり、より好ましくはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX1及びArX3で表されるアリーレン基は、より好ましくは式(A−1)又は(A−9)で表される基であり、更に好ましくは式(A−1)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX1及びArX3で表される2価の複素環基は、より好ましくは式(AA−1)、(AA−2)又は(AA−7)〜(AA−26)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX1及びArX3は、好ましくは置換基を有していてもよいアリーレン基である。
ArX2及びArX4で表されるアリーレン基としては、より好ましくは式(A−1)、(A−6)、(A−7)、(A−9)〜(A−11)又は(A−19)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX2及びArX4で表される2価の複素環基のより好ましい範囲は、ArX1及びArX3で表される2価の複素環基のより好ましい範囲と同じである。
ArX2及びArX4で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基における、アリーレン基及び2価の複素環基のより好ましい範囲、更に好ましい範囲は、それぞれ、ArX1及びArX3で表されるアリーレン基及び2価の複素環基のより好ましい範囲、更に好ましい範囲と同様である。
ArX2及びArX4で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基としては、式(Y)のArY1で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基と同様のものが挙げられる。
ArX2及びArX4は、好ましくは置換基を有していてもよいアリーレン基である。
ArX1〜ArX4及びRX1〜RX3で表される基が有してもよい置換基としては、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
式(X)で表される構成単位は、好ましくは式(X−1)、(X−2)、(X−3)、(X−4)、(X−5)、(X−6)又は(X−7)で表される構成単位(以下、場合により「式(X−1)〜(X−7)で表される構成単位」という。)であり、より好ましくは式(X−1)〜(X−6)で表される構成単位であり、更に好ましくは式(X−3)〜(X−6)で表される構成単位である。
式中、RX4及びRX5は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、1価の複素環基又はシアノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRX4は、同一でも異なっていてもよい。複数存在するRX5は、同一でも異なっていてもよく、隣接するRX5同士は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子と共に環を形成していてもよい。
式(X)で表される構成単位は、正孔輸送性が優れるので、所定量高分子ホストに含まれることが好ましい。すなわち、高分子ホストは、高分子ホストを形成するモノマーの総量に対して、式(X)で表される構成単位を形成するモノマーを0.1モル%以上50モル%以下(より好ましくは1モル%以上40モル%以下、更に好ましくは5モル%以上30モル%以下)の割合で重合させたものであることが好ましい。
式(X)で表される構成単位としては、例えば、式(X1−1)、(X1−2)、(X1−3)、(X1−4)、(X1−5)、(X1−6)、(X1−7)、(X1−8)、(X1−9)、(X1−10)又は(X1−11)で表される構成単位(以下、場合により「式(X1−1)〜(X1−11)で表される構成単位」という。)が挙げられ、好ましくは式(X1−3)〜(X1−10)で表される構成単位である。
高分子ホストにおいて、式(X)で表される構成単位は、1種のみ含まれていても、2種以上含まれていてもよい。
高分子ホストとしては、例えば、表1の高分子化合物(P−1)、(P−2)、(P−3)、(P−4)、(P−5)及び(P−6)が挙げられる。
表1中、p、q、r、s及びtは、各構成単位のモル比率を示す。p+q+r+s+t=100であり、かつ、100≧p+q+r+s≧70である。「その他」とは、式(Y)で表される構成単位、式(X)で表される構成単位以外の構成単位を意味する。
高分子ホストは、ブロック共重合体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよいし、その他の態様であってもよいが、複数種の原料モノマーを共重合してなる共重合体であることが好ましい。
[高分子ホストの製造方法]
高分子ホストは、ケミカルレビュー(Chem.Rev.),第109巻,897−1091頁(2009年)等に記載の公知の重合方法を用いて製造することができ、Suzuki反応、Yamamoto反応、Buchwald反応、Stille反応、Negishi反応及びKumada反応等の遷移金属触媒を用いるカップリング反応により重合させる方法が例示できる。
上記重合方法において、単量体を仕込む方法としては、単量体全量を反応系に一括して仕込む方法、単量体の一部を仕込んで反応させた後、残りの単量体を一括、連続又は分割して仕込む方法、単量体を連続又は分割して仕込む方法等が挙げられる。
遷移金属触媒としては、パラジウム触媒、ニッケル触媒等が挙げられる。
重合反応の後処理は、公知の方法、例えば、分液により水溶性不純物を除去する方法、メタノール等の低級アルコールに重合反応後の反応液を加えて、析出させた沈殿を濾過した後、乾燥させる方法等を単独又は組み合わせて行う。高分子ホストの純度が低い場合、例えば、再結晶、再沈殿、ソックスレー抽出器による連続抽出、カラムクロマトグラフィー等の通常の方法にて精製することができる。
[第1の有機層の組成物]
第1の有機層は、少なくとも1種の燐光発光性化合物と、前述のホスト材料、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料、発光材料、酸化防止剤及び溶媒からなる群から選ばれる少なくとも1種の材料とを含有する組成物(以下、「第1の有機層の組成物」ともいう。)を用いて形成される層であってもよい。また、第1の有機層は、第1の有機層の組成物を含む層であってもよい。
[正孔輸送材料]
正孔輸送材料は、低分子化合物と高分子化合物とに分類され、好ましくは高分子化合物である。正孔輸送材料は、架橋基を有していてもよい。
高分子化合物としては、例えば、ポリビニルカルバゾール及びその誘導体;側鎖又は主鎖に芳香族アミン構造を有するポリアリーレン及びその誘導体が挙げられる。高分子化合物は、電子受容性部位が結合された化合物でもよい。電子受容性部位としては、例えば、フラーレン、テトラフルオロテトラシアノキノジメタン、テトラシアノエチレン、トリニトロフルオレノン等が挙げられ、好ましくはフラーレンである。
第1の有機層の組成物において、正孔輸送材料の配合量は、第1の有機層の形成に用いられる燐光発光性化合物を100質量部とした場合、通常、1〜400質量部であり、好ましくは5〜150質量部である。
正孔輸送材料は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
[電子輸送材料]
電子輸送材料は、低分子化合物と高分子化合物とに分類される。電子輸送材料は、架橋基を有していてもよい。
低分子化合物としては、例えば、8−ヒドロキシキノリンを配位子とする金属錯体、オキサジアゾール、アントラキノジメタン、ベンゾキノン、ナフトキノン、アントラキノン、テトラシアノアントラキノジメタン、フルオレノン、ジフェニルジシアノエチレン及びジフェノキノン、並びに、これらの誘導体が挙げられる。
高分子化合物としては、例えば、ポリフェニレン、ポリフルオレン、及び、これらの誘導体が挙げられる。高分子化合物は、金属でドープされていてもよい。
第1の有機層の組成物において、電子輸送材料の配合量は、第1の有機層の形成に用いられる燐光発光性化合物を100質量部とした場合、通常、1〜400質量部であり、好ましくは5〜150質量部である。
電子輸送材料は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
[正孔注入材料及び電子注入材料]
正孔注入材料及び電子注入材料は、各々、低分子化合物と高分子化合物とに分類される。正孔注入材料及び電子注入材料は、架橋基を有していてもよい。
低分子化合物としては、例えば、銅フタロシアニン等の金属フタロシアニン;カーボン;モリブデン、タングステン等の金属酸化物;フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化セシウム、フッ化カリウム等の金属フッ化物が挙げられる。
高分子化合物としては、例えば、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリフェニレンビニレン、ポリチエニレンビニレン、ポリキノリン及びポリキノキサリン、並びに、これらの誘導体;芳香族アミン構造を主鎖又は側鎖に含む重合体等の導電性高分子が挙げられる。
第1の有機層の組成物において、正孔注入材料及び電子注入材料の配合量は、各々、第1の有機層の形成に用いられる燐光発光性化合物を100質量部とした場合、通常、1〜400質量部であり、好ましくは5〜150質量部である。
電子注入材料及び正孔注入材料は、各々、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
[イオンドープ]
正孔注入材料又は電子注入材料が導電性高分子を含む場合、導電性高分子の電気伝導度は、好ましくは、1×10−5S/cm〜1×10S/cmである。導電性高分子の電気伝導度をかかる範囲とするために、導電性高分子に適量のイオンをドープすることができる。
ドープするイオンの種類は、正孔注入材料であればアニオン、電子注入材料であればカチオンである。アニオンとしては、例えば、ポリスチレンスルホン酸イオン、アルキルベンゼンスルホン酸イオン、樟脳スルホン酸イオンが挙げられる。カチオンとしては、例えば、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオンが挙げられる。
ドープするイオンは、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
[発光材料]
発光材料(第1の有機層の形成に用いられる燐光発光性化合物とは異なる。)は、低分子化合物と高分子化合物とに分類される。発光材料は、架橋基を有していてもよい。
低分子化合物としては、例えば、ナフタレン及びその誘導体、アントラセン及びその誘導体、並びに、ペリレン及びその誘導体が挙げられる。
高分子化合物としては、例えば、フェニレン基、ナフタレンジイル基、アントラセンジイル基、フルオレンジイル基、フェナントレンジイル基、ジヒドロフェナントレンジイル基、式(X)で表される基、カルバゾールジイル基、フェノキサジンジイル基、フェノチアジンジイル基、ピレンジイル基等を含む高分子化合物が挙げられる。
第1の有機層の組成物において、発光材料の配合量は、第1の有機層の形成に用いられる燐光発光性化合物を100質量部とした場合、通常、1〜400質量部であり、好ましくは5〜150質量部である。
発光材料は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
[酸化防止剤]
酸化防止剤は、燐光発光性化合物と同じ溶媒に可溶であり、発光及び電荷輸送を阻害しない化合物であればよく、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤が挙げられる。
第1の有機層の組成物において、酸化防止剤の配合量は、第1の有機層の形成に用いられる燐光発光性化合物を100質量部とした場合、通常、0.001〜10質量部である。
酸化防止剤は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
[第1の有機層用のインク]
溶媒を含有する第1の有機層の組成物(以下、「第1の有機層用のインク」ともいう。)は、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、キャピラリ−コート法、ノズルコート法等の塗布法に好適に使用することができる。
第1の有機層用のインクの粘度は、塗布法の種類によって調整すればよいが、インクジェット印刷法等の溶液が吐出装置を経由する印刷法に適用する場合には、吐出時の目づまりと飛行曲がりが起こりづらいので、好ましくは25℃において1〜20mPa・sである。
第1の有機層用のインクに含有される溶媒は、好ましくは、インク中の固形分を溶解又は均一に分散できる溶媒である。溶媒としては、例えば、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒;THF(テトラヒドロフラン)、ジオキサン、アニソール、4−メチルアニソール等のエーテル系溶媒;トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、n−ヘキシルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−へプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、n−ドデカン、ビシクロヘキシル等の脂肪族炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート、安息香酸メチル、酢酸フェニル等のエステル系溶媒;エチレングリコール、グリセリン、1,2−ヘキサンジオール等の多価アルコール系溶媒;イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール等のアルコール系溶媒;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒;N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒が挙げられる。溶媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
第1の有機層用のインクにおいて、溶媒の配合量は、第1の有機層の形成に用いられる燐光発光性化合物を100質量部とした場合、通常、1000〜100000質量部であり、好ましくは2000〜20000質量部である。
<第2の有機層>
第2の有機層は、1種又は2種以上の高分子化合物が配合された高分子組成物を用いて形成される層である。上記高分子化合物の少なくとも1種は、架橋基を有する高分子化合物(具体的には、上記高分子化合物の少なくとも1種は、架橋基を有する構成単位を含む高分子化合物)(以下、「架橋性高分子化合物」ともいう。)である。また、上記高分子化合物の少なくとも1種は、燐光発光性構成単位を含む高分子化合物(以下、「燐光発光性高分子化合物」ともいう。)である。第2の有機層は、好ましくは、上記高分子組成物から形成される高分子硬化物を含む。
本実施形態においては、一種の高分子化合物が、燐光発光性構成単位及び架橋基の両方を有していてもよい(具体的には、一種の高分子化合物が、燐光発光性構成単位、及び、架橋基を有する構成単位の両方を含んでいてもよい)。すなわち、上記高分子化合物は、燐光発光性構成単位及び架橋基を有する高分子化合物(具体的には、燐光発光性構成単位、及び、架橋基を有する構成単位を含む高分子化合物)(以下、「架橋性燐光発光性高分子化合物」ともいう。)を含むものであってよい。
また、本実施形態においては、異なる高分子化合物が、それぞれ燐光発光性構成単位及び架橋基を有していてもよい(具体的には、異なる高分子化合物が、それぞれ燐光発光性構成単位、及び、架橋基を有する構成単位を含んでいてもよい)。すなわち、上記高分子化合物は、燐光発光性高分子化合物、及び、架橋性高分子化合物の2種を少なくとも含むものであってもよい。
好適な一態様において、高分子化合物(架橋性高分子化合物を含む1種又は2種以上の高分子化合物)は、高分子化合物を構成する各単量体単位について、全単量体単位の総モルに対するその単量体単位のモル比Cとその単量体単位の分子量Mとを乗じた値x、及び、モル比Cとその単量体単位が有する架橋基の数nとを乗じた値yを求めたとき、xの総和X及びyの総和Yから計算される(Y×1000)/Xの値が、0.6以上となる。
第2の有機層が、一種の高分子化合物(架橋性燐光発光性高分子化合物)を用いて形成される層である場合、一種の高分子化合物を構成する各単量体単位について、一種の高分子化合物を構成する全単量体単位の総モルに対するその単量体単位のモル比Cとその単量体単位の分子量Mとを乗じた値x、及び、モル比Cとその単量体単位が有する架橋基の数nとを乗じた値yを求めたとき、xの総和X及びyの総和Yから計算される(Y×1000)/Xの値が、0.6以上となる。
第2の有機層が、二種以上の高分子化合物(架橋性高分子化合物、及び、燐光発光性高分子化合物を含む二種以上の高分子化合物)が配合された高分子組成物を用いて形成される層である場合、各高分子化合物について求めた(Y×1000)/Xの値の加重平均(二種以上の高分子化合物の配合量比からの平均値)が、0.6以上となる。
第2の有機層が、架橋基を有する架橋性高分子化合物と、架橋基を有さない高分子化合物(具体的には、燐光発光性高分子化合物)とが配合された高分子組成物を用いて形成される層である場合、架橋基を有さない高分子化合物としては、例えば、式(Y)で表される構成単位及び式(X)で表される構成単位からなる群から選ばれる少なくとも一種の構成単位を含む高分子化合物が挙げられる。
[架橋性高分子化合物]
架橋性高分子化合物は、本実施形態に係る発光素子の電力効率が優れるので、架橋基A群から選ばれる少なくとも1種の架橋基を有する高分子化合物であることが好ましい。
架橋基A群から選ばれる架橋基としては、本実施形態に係る発光素子の電力効率がより優れるので、好ましくは、式(XL−1)、(XL−3)、(XL−9)、(XL−16)又は(XL−17)で表される架橋基であり、より好ましくは、式(XL−1)、(XL−16)又は(XL−17)で表される架橋基であり、更に好ましくは、式(XL−1)又は(XL−17)で表される架橋基である。
架橋性高分子化合物は、架橋基を有する構成単位(以下、「架橋構成単位」ともいう。
)を有する。架橋構成単位は、後述する式(2)又は(3)で表される構成単位であることが好ましいが、下記式で表される構成単位であってもよい。
架橋性高分子化合物は、架橋基A群から選ばれる少なくとも一種の架橋基を有する架橋構成単位を有することが好ましく、該架橋構成単位は、式(2)で表される構成単位又は式(3)で表される構成単位であることが好ましい。
式中、
nAは0〜5の整数を表し、nは1又は2を表す。
Arは、芳香族炭化水素基又は複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
は、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基、−NR’−で表される基、酸素原子又は硫黄原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R’は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Lが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
Xは、架橋基A群から選ばれる架橋基を表す。Xが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
nAは、本実施形態に係る発光素子の電力効率が優れるため、好ましくは0又は1であり、より好ましくは0である。
nは、本実施形態に係る発光素子の電力効率が優れるので、好ましくは2である。
Arは、本実施形態に係る発光素子の電力効率が優れるので、好ましくは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基である。
Arで表される芳香族炭化水素基において、芳香環を構成する炭素原子の数は、通常6〜60であり、好ましくは6〜30であり、より好ましくは6〜18である。
Arで表される芳香族炭化水素基のn個の置換基を除いたアリーレン基部分は、好ましくは式(A−1)〜(A−20)で表される基であり、より好ましくは式(A−1)、(A−2)、(A−6)〜(A−10)、(A−19)又は(A−20)で表される基であり、さらに好ましくは、式(A−1)、(A−2)、(A−7)、(A−9)又は(A−19)で表される基である。これらの基は置換基を有していてもよい。
Arで表される複素環基において、複素環及び複素環と縮環した環を構成する炭素原子の数は、通常2〜60であり、好ましくは3〜20であり、より好ましくは4〜15である。
Arで表される複素環基のn個の置換基を除いた2価の複素環基部分は、好ましくは式(AA−1)〜(AA−34)で表される基である。
Arで表される芳香族炭化水素基及び複素環基は置換基を有していてもよい。芳香族炭化水素基及び複素環基が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、1価の複素環基及びシアノ基が挙げられる。
で表されるアルキレン基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常1〜10であり、好ましくは1〜5であり、より好ましくは1〜3である。Lで表されるシクロアルキレン基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜10である。
で表されるアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基が挙げられる。Lで表されるアルキレン基は、置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、ハロゲン原子及びシアノ基が挙げられる。
で表されるシクロアルキレン基としては、例えば、シクロヘキシレン基、シクロペンチレンが挙げられる。Lで表されるシクロアルキレン基は、置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、ハロゲン原子及びシアノ基が挙げられる。
で表されるアリール基は、置換基を有していてもよい。アリール基としては、o−フェニレン、m−フェニレン、p−フェニレンが挙げられる。アリール基が有してもよい置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、ハロゲン原子、シアノ基及び架橋基A群から選ばれる架橋基が挙げられる。
は、架橋基含有高分子化合物の合成が容易になるため、好ましくは、フェニレン基又はメチレン基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Xで表される架橋基の好ましい範囲、より好ましい範囲及び更に好ましい範囲は、前述の架橋基A群から選ばれる架橋基の好ましい範囲、より好ましい範囲及び更に好ましい範囲と同じである。
式(2)で表される構成単位は、架橋基含有高分子化合物中に、1種のみ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。
式中、
mAは0〜5の整数を表し、mは1〜4の整数を表し、cは0又は1を表す。mAが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
Arは、芳香族炭化水素基、複素環基、又は、少なくとも1種の芳香族炭化水素環と少なくとも1種の複素環とが直接結合した基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
Ar及びArは、それぞれ独立に、アリーレン基又は2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
Ar、Ar及びArはそれぞれ、当該基が結合している窒素原子に結合している当該基以外の基と、直接又は酸素原子若しくは硫黄原子を介して結合して、環を形成していてもよい。
は、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基、−NR’’−で表される基、酸素原子又は硫黄原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R’’は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Kが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
X’は、架橋基、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。X’が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。但し、少なくとも1つのX’は、架橋基である。
mAは、本実施形態に係る発光素子の電力効率が優れるので、好ましくは0又は1であり、より好ましくは0である。
mは、本実施形態に係る発光素子の電力効率が優れるので、好ましくは2である。
cは、架橋基含有高分子化合物の合成が容易となり、かつ、本実施形態に係る発光素子の電力効率が優れるため、好ましくは0である。
Arは、本実施形態に係る発光素子の電力効率が優れるので、好ましくは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基である。
Arで表される芳香族炭化水素基のm個の置換基を除いたアリーレン基部分の定義や例は、前述の式(X)におけるArX2で表されるアリーレン基の定義や例と同じである。
Arで表される複素環基のm個の置換基を除いた2価の複素環基部分の定義や例は、前述の式(X)におけるArX2で表される2価の複素環基部分の定義や例と同じである。
Arで表される少なくとも1種の芳香族炭化水素環と少なくとも1種の複素環が直接結合した基のm個の置換基を除いた2価の基の定義や例は、前述の式(X)におけるArX2で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基の定義や例と同じである。
Ar及びArは、本実施形態に係る発光素子の輝度寿命がより優れるので、好ましくは置換基を有していてもよいアリーレン基である。
Ar及びArで表されるアリーレン基の定義や例は、前述の式(X)におけるArX1及びArX3で表されるアリーレン基の定義や例と同じである。
Ar及びArで表される2価の複素環基の定義や例は、前述の式(X)におけるArX1及びArX3で表される2価の複素環基の定義や例と同じである。
Ar、Ar及びArで表される基は置換基を有していてもよく、置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、1価の複素環基及びシアノ基が挙げられる。
で表されるアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基の定義や例は、それぞれ、Lで表されるアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基の定義や例と同じである。
は、架橋基含有高分子化合物の合成が容易になるため、好ましくは、フェニレン基又はメチレン基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
X’で表される架橋基の好ましい範囲、より好ましい範囲及び更に好ましい範囲は、前述の架橋基A群から選ばれる架橋基の好ましい範囲、より好ましい範囲及び更に好ましい範囲と同じである。
式(3)で表される構成単位は、架橋性高分子化合物中に、1種のみ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。
式(2)で表される構成単位としては、例えば、式(2−1)、(2−2)、(2−3)、(2−4)、(2−5)、(2−6)、(2−7)、(2−8)、(2−9)、(2−10)、(2−11)、(2−12)、(2−13)、(2−14)、(2−15)、(2−16)、(2−17)、(2−18)、(2−19)、(2−20)、(2−21)、(2−22)、(2−23)、(2−24)、(2−25)、(2−26)、(2−27)、(2−28)、(2−29)、(2−30)又は(2−31)で表される構成単位(以下、場合により「式(2−1)〜(2−31)で表される構成単位」という。)が挙げられる。式(3)で表される構成単位としては、例えば、式(3−1)、(3−2)、(3−3)、(3−4)、(3−5)、(3−6)、(3−7)、(3−8)又は(3−9)で表される構成単位(以下、場合により「式(3−1)〜(3−9)で表される構成単位」という。)が挙げられる。
これらの中でも、架橋性高分子化合物の架橋性が優れるため、好ましくは、式(2−1)〜(2−31)で表される構成単位であり、より好ましくは、式(2−1)〜(2−15)、(2−19)、(2−20)、(2−23)、(2−25)、(2−27)、(2−30)又は(2−31)で表される構成単位であり、更に好ましくは、式(2−1)〜(2−13)、(2−20)、(2−27)、(2−30)又は(2−31)で表される構成単位であり、特に好ましくは、式(2−1)〜(2−9)、(2−20)、(2−27)、(2−30)又は(2−31)で表される構成単位である。
架橋性高分子化合物は、正孔輸送性が優れるので、式(X)で表される構成単位をさらに含むことが好ましい。
架橋性高分子化合物が含んでいてもよい式(X)で表される構成単位の定義及び例は、前述の高分子ホストが含んでいてもよい式(X)で表される構成単位の定義及び例と同じである。
式(X)で表される構成単位は、正孔輸送性が優れるので、所定量、架橋性高分子化合物に含まれることが好ましい。すなわち、架橋性高分子化合物は、架橋性高分子化合物を形成するモノマーの総量に対して、式(X)で表される構成単位を形成するモノマーを0.1モル%以上70モル%以下(より好ましくは1モル%以上60モル%以下、更に好ましくは5モル%以上50モル%以下、特に好ましくは5モル%以上50モル%未満)の割合で重合させたものであることが好ましい。
式(X)で表される構成単位は、架橋性高分子化合物中に、1種のみ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。
架橋性高分子化合物は、式(Y)で表される構成単位をさらに含んでいてもよい。
架橋性高分子化合物が含んでいてもよい式(Y)で表される構成単位の定義及び例は、前述の高分子ホストが含んでいてもよい式(Y)で表される構成単位の定義及び例と同じである。
式(Y)で表される構成単位は、架橋性高分子化合物を形成するモノマーの総量に対して、式(Y)で表される構成単位を形成するモノマーを0モル%以上50モル%以下(より好ましくは0モル%以上40モル%以下、更に好ましくは0モル%以上30モル%以下)の割合で重合させたものであることが好ましい。
式(Y)で表される構成単位は、架橋性高分子化合物中に、1種のみ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。
架橋性高分子化合物は、式(Y12)で表される構成単位を更に含んでいてもよい。
式中、
ArY12は、アリーレン基又は2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するArY12は、同一でも異なっていてもよい。
qは、1〜5の整数を表す。
Y12は、アルキレン基、シクロアルキレン基、酸素原子又は硫黄原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。XY12が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
式(Y12)中のArY12の定義及び例、好ましい範囲はArY1と同じである。
式(Y12)中のqは、1〜5の整数を表し、好ましくは1〜3の整数であり、より好ましくは1〜2の整数であり、さらに好ましくは1である。
式(Y12)中のXY12は、アルキレン基、シクロアルキレン基、酸素原子又は硫黄原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。XY12として好ましくは、アルキレン基、シクロアルキレン基である。XY12が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
アルキレン基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常1〜10であり、好ましくは1〜5であり、より好ましくは1〜3である。シクロアルキレン基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜10である。
アルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基が挙げられる。アルキレン基は、置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、ハロゲン原子及びシアノ基が挙げられる。
シクロアルキレン基としては、例えば、シクロヘキシレン基、シクロペンチレンが挙げられる。シクロアルキレン基は、置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、ハロゲン原子及びシアノ基が挙げられる。
式(Y12)で表される構成単位の例として下記が挙げられる。
式(Y12)で表される構成単位は、架橋性高分子化合物を形成するモノマーの総量に対して、式(Y12)で表される構成単位を形成するモノマーを0モル%以上50モル%以下(より好ましくは0モル%以上40モル%以下、更に好ましくは0モル%以上30モル%以下)の割合で重合させたものであることが好ましい。
式(Y12)で表される構成単位は、架橋性高分子化合物中に、1種のみ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。
架橋性高分子化合物は、更に、式(X)で表される構成単位、並びに、式(Y)で表される構成単位及び式(Y12)で表される構成単位からなる群から選ばれる少なくとも一種の構成単位を含むものであってもよい。
架橋性高分子化合物は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよいし、その他の態様であってもよいが、複数種の原料モノマーを共重合してなる共重合体であることが好ましい。
[燐光発光性高分子化合物]
燐光発光性高分子化合物は、燐光発光性構成単位を含む高分子化合物である。燐光発光性構成単位とは、燐光発光性化合物から、該化合物を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合する水素原子を取り除いてなる基を含む構成単位をいう。燐光発光性化合物としては、例えば、上述した第1の有機層の形成に用いられる燐光発光性化合物が挙げられる。
燐光発光性高分子化合物は、式(1G)、(2G)、(3G)又は(4G)で表される構成単位から選ばれる少なくとも1種の燐光発光性構成単位を含むことが好ましい。
式中、
1Gは、燐光発光性化合物から、該化合物を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合する1個の水素原子を取り除いてなる基を表す。
は、酸素原子、硫黄原子、−N(R)−で表される基、−C(R−で表される基、−C(R)=C(R)−で表される基、−C≡C−で表される基、アリーレン基又は2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Rは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Rは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRは、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子と共に環を形成していてもよい。Lが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
a1は0以上の整数を表す。
は、アリール基又は1価の複素環基であることが好ましく、アリール基であることがより好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基であることが好ましく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であることがより好ましく、水素原子又はアルキル基がさらに好ましく、水素原子であることが特に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
は、−C(R−で表される基、アリーレン基又は2価の複素環基であることが好ましく、−C(R−で表される基又はアリーレン基であることがより好ましく、アリーレン基であることがさらに好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
中でも、式(A−1)又は(A−2)で表される基が好ましい。
、R及びLが有していてもよい好適な置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、ハロゲン原子等が挙げられ、これらの基はさらに置換基を有していてもよい。
a1は、通常0〜10の整数であり、好ましくは0〜5の整数であり、より好ましくは0〜2の整数であり、更に好ましくは0又は1であり、特に好ましくは0である。
燐光発光性高分子化合物が式(1G)で表される構成単位を含む場合、式(1G)で表される構成単位は末端の構成単位である。
「末端の構成単位」とは、高分子化合物の末端の構成単位を意味し、該末端の構成単位は、高分子化合物の製造において、末端封止剤から誘導される構成単位であることが好ましい。
1Gは、式(GM−1)で表される基であることが好ましい。
式中、
Mは、ルテニウム原子、ロジウム原子、パラジウム原子、イリジウム原子又は白金原子を表す。
11は1〜2の整数を表す。n12は0〜1の整数を表す。但し、n11+n12は1又は2である。Mがルテニウム原子、ロジウム原子又はイリジウム原子の場合、n11+n12は2であり、Mがパラジウム原子又は白金原子の場合、n11+n12は1である。
は、炭素原子又は窒素原子を表す。複数存在するEは同一でも異なっていてもよい。
環R1G及び環R1G1は、6員環の芳香族複素環を表し、該環は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子と共に環を形成していてもよい。環R1Gが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
環R2G及び環R2G1は、5員環若しくは6員環の芳香族炭素環、又は、5員環若しくは6員環の芳香族複素環を表し、これらの環は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子と共に環を形成していてもよい。環R2Gが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。但し、環R2Gが6員環の芳香族複素環である場合、Eは炭素原子である。
但し、環R1G1及び環R2G1の一方は、1つの結合手を有する。
−G−Aは、アニオン性の2座配位子を表す。A及びAは、それぞれ独立に、炭素原子、酸素原子又は窒素原子を表し、これらの原子は環を構成する原子であってもよい。Gは、単結合、又は、A及びAと共に2座配位子を構成する原子団を表す。A−G−Aが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
Mがルテニウム原子、ロジウム原子又はイリジウム原子の場合、n12は0又は1であり、0であることがより好ましい。
Mがパラジウム原子又は白金原子の場合の場合、n12は0である。
環R1Gは、1つ以上4つ以下の窒素原子を構成原子として有する6員環の芳香族複素環であることが好ましく、1つ以上2つ以下の窒素原子を構成原子として有する6員環の芳香族複素環であることがより好ましく、ピリジン環、ジアザベンゼン環、キノリン環又はイソキノリン環であることがさらに好ましく、ピリジン環、キノリン環又はイソキノリン環であることが特に好ましく、これらの環は置換基を有していてもよい。
環R2Gは、6員環の芳香族炭素環、又は、5員環若しくは6員環の芳香族複素環であることが好ましく、ベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環、フェナントレン環、ピリジン環、ジアザベンゼン環、ピロール環、フラン環又はチオフェン環であることがより好ましく、ベンゼン環、ナフタレン環又はフルオレン環であることがさらに好ましく、ベンゼン環であることが特に好ましく、これらの環は置換基を有していてもよい。
環R1G及び環R2Gが有していてもよい置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、又はデンドロンが好ましく、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基又はデンドロンがより好ましく、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はデンドロンがさらに好ましく、アルキル基、アリール基又はデンドロンが特に好ましく、これらの基はさらに置換基を有していてもよい。環R1G及び環R2Gにおいて置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合してそれぞれが結合する原子と共に環を形成してもよい。
環R1G及び環R2Gからなる群から選ばれる少なくとも1つの環がデンドロンを有する燐光発光性化合物であることがより好ましい。
環R1G及び環R2Gのうち、少なくとも1つの環が有するデンドロンの個数は、好ましくは1〜3、より好ましくは1又は2、さらに好ましくは1である。
環R1G及び環R2Gのうち、少なくとも1つの環が有するデンドロンが、式(D−A)又は(D−B)で表される基であり、且つ、mDA1が1以上の整数である場合、環R1G及び/又は環R2Gに結合するArDA1は、式(ArDA−1)で表される基であることが好ましい。
環R1G及び環R2Gのうち、少なくとも1つの環が有するデンドロンが、式(D−A)又は(D−B)で表される基であり、且つ、mDA1が0である場合、環R1G及び/又は環R2Gに結合するGDAは、式(GDA−11)、(GDA−12)、(GDA−14)又は(GDA−15)で表される基であることが好ましく、式(GDA−11)又は(GDA−15)で表される基であることがより好ましい。
環R1G及び環R2Gのうち、少なくとも1つの環が有するデンドロンとしては、式(D−A1)、(D−A3)、(D−B1)又は(D−B3)で表される基であることが好ましく、式(D−A1)又は(D−A3)で表される基であることがより好ましい。
式(GM−1)において、添え字n11でその数を定義されている配位子(環R1G−環R2Gで表される配位子)の少なくとも1つは、式(GM−L1)、(GM−L2)、(GM−L3)又は(GM−L4)で表される配位子であることが好ましく、式(GM−L1)又は(GM−L2)で表される配位子であることがより好ましい。
式中、
G1〜RG8は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基又はデンドロンを表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RG1とRG2、RG2とRG3、RG3とRG4、RG4とRG5、RG5とRG6、RG6とRG7、及び、RG7とRG8は、それぞれ結合して、それぞれが結合する原子と共に環を形成していてもよい。
G1、RG4、RG5及びRG8は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基又はシクロアルコキシ基であることが好ましく、水素原子、アルキル基又はアリール基であることがより好ましく、水素原子又はアルキル基であることがさらに好ましく、水素原子であることが特に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
G2、RG3、RG6及びRG7は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基又はデンドロンであることが好ましく、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基又はデンドロンであることがより好ましく、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基又はデンドロンであることがさらに好ましく、水素原子又はデンドロンであることが特に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
G1〜RG8の少なくとも1つがアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基又はデンドロンであることが好ましく、RG2、RG3、RG6及びRG7の少なくとも1つがアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基又はデンドロンであることがより好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(GM−L1)で表される配位子がデンドロンを有する場合、RG2、RG3、RG6及びRG7の少なくとも1つがデンドロンであることが好ましく、RG2及びRG6の少なくとも1つがデンドロンであることがより好ましい。
式(GM−L1)で表される配位子がアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基又はアリールオキシ基を有する場合、RG2、RG3、RG6及びRG7の少なくとも1つがアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基又はアリールオキシ基であることが好ましく、RG2及びRG6の少なくとも1つがアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基又はアリールオキシ基であることがより好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(GM−1)において、式(GM−L1)で表される配位子が複数存在する場合、複数存在するRG1〜RG8は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
式中、
G9〜RG18は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基又はデンドロンを表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RG9とRG10、RG10とRG11、RG11とRG12、RG12とRG13、RG13とRG14、RG14とRG15、RG15とRG16、RG16とRG17、及び、RG17とRG18は、それぞれ結合して、それぞれが結合する原子と共に環を形成していてもよい。
G9、RG11〜RG15及びRG18は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基又はシクロアルコキシ基であることが好ましく、水素原子、アルキル基又はアリール基であることがより好ましく、水素原子又はアルキル基であることがさらに好ましく、水素原子であることが特に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
G10、RG16及びRG17は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基又はデンドロンであることが好ましく、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基又はデンドロンであることがより好ましく、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基又はデンドロンであることがさらに好ましく、水素原子又はデンドロンであることが特に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
G9〜RG18の少なくとも1つがアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基又はデンドロンであることが好ましく、RG10、RG16及びRG17の少なくとも1つがアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基又はデンドロンであることがより好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(GM−L2)で表される配位子がデンドロンを有する場合、RG10、RG16及びRG17の少なくとも1つがデンドロンであることが好ましく、RG16及びRG17の少なくとも1つがデンドロンであることがより好ましく、RG16がデンドロンであることがさらに好ましい。
式(GM−L2)で表される配位子がアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基又はアリールオキシ基を有する場合、RG10、RG16及びRG17の少なくとも1つがアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基又はアリールオキシ基であることが好ましく、RG16及びRG17の少なくとも1つがアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基又はアリールオキシ基であることがより好ましい。
式(GM−1)において、式(GM−L2)で表される配位子が複数存在する場合、複数存在するRG9〜RG18は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
式中、
G19〜RG28は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基又はデンドロンを表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RG19とRG20、RG20とRG21、RG21とRG22、RG22とRG23、RG23とRG24、RG24とRG25、RG25とRG26、RG26とRG27、及び、RG27とRG28は、それぞれ結合して、それぞれが結合する原子と共に環を形成していてもよい。
G19〜RG25及びRG28は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基又はシクロアルコキシ基であることが好ましく、水素原子、アルキル基又はアリール基であることがより好ましく、水素原子又はアルキル基であることがさらに好ましく、水素原子であることが特に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
G26及びRG27は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基又はデンドロンであることが好ましく、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基又はデンドロンであることがより好ましく、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基又はデンドロンであることがさらに好ましく、水素原子又はデンドロンであることが特に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
G19〜RG28の少なくとも1つがアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基又はデンドロンであることが好ましく、RG26及びRG27の少なくとも1つがアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基又はデンドロンであることがより好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(GM−L3)で表される配位子がデンドロンを有する場合、RG26及びRG27の少なくとも1つがデンドロンであることが好ましく、RG26がデンドロンであることがより好ましい。
式(GM−L3)で表される配位子がアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基又はアリールオキシ基を有する場合、RG26及びRG27の少なくとも1つがアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基又はアリールオキシ基であることが好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(GM−1)において、式(GM−L3)で表される配位子が複数存在する場合、複数存在するRG19〜RG28は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
式中、
G29〜RG38は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基又はデンドロンを表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RG29とRG30、RG30とRG31、RG31とRG32、RG32とRG33、RG33とRG34、RG34とRG35、RG35とRG36、RG36とRG37、及び、RG37とRG38は、それぞれ結合して、それぞれが結合する原子と共に環を形成していてもよい。
G29〜RG32、RG34、RG35及びRG38は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基又はシクロアルコキシ基であることが好ましく、水素原子、アルキル基又はアリール基であることがより好ましく、水素原子又はアルキル基であることがさらに好ましく、水素原子であることが特に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
G33、RG36及びRG37は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基又はデンドロンであることが好ましく、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基又はデンドロンであることがより好ましく、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基又はデンドロンであることがさらに好ましく、水素原子又はデンドロンであることが特に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
G29〜RG38の少なくとも1つがアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基又はデンドロンであることが好ましく、RG33、RG36及びRG37の少なくとも1つがアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基又はデンドロンであることがより好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(GM−L4)で表される配位子がデンドロンを有する場合、RG36及びRG37の少なくとも1つがデンドロンであることが好ましく、RG36がデンドロンであることが更に好ましい。
式(GM−L4)で表される配位子がアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基又はアリールオキシ基を有する場合、RG33、RG36及びRG37の少なくとも1つがアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基又はアリールオキシ基であることが好ましく、RG36及びRG37の少なくとも1つがアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基又はアリールオキシ基であることがより好ましく、RG36がアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基又はアリールオキシ基であることがさらに好ましい。
式(GM−1)において、式(GM−L4)で表される配位子が複数存在する場合、複数存在するRG29〜RG38は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
環R1G1が結合手を有さない場合、環R1G1の定義は、前述の環R1Gの定義と同様である。
環R1G1が結合手を有する場合、環R1G1の結合手を除いた環部分の定義は、前述の環R1Gの定義と同様である。
環R2G1が結合手を有さない場合、環R2G1の定義は、前述の環R2Gの定義と同様である。
環R2G1が結合手を有する場合、環R2G1の結合手を除いた環部分の定義は、前述の環R2Gの定義と同様である。
式(GM−1)において、環R1G1−環R2G1で表される配位子は、式(GM−L1)〜式(GM−L4)で表される配位子であることが好ましく、式(GM−L1)又は(GM−L2)で表される配位子であることがより好ましい。
環R1G1−環R2G1で表される配位子が式(GM−L1)である場合、RG1〜RG8のうち、1つが結合手を表し、RG2、RG3、RG6又はRG7が結合手であることが好ましく、RG2、RG6又はRG7が結合手であることがより好ましく、RG2又はRG6が結合手であることがさらに好ましく、RG6が結合手であることが特に好ましい。
環R1G1−環R2G1で表される配位子が式(GM−L2)である場合、RG9〜RG18のうち、1つが結合手を表し、RG10、RG16又はRG17が結合手であることが好ましく、RG16が結合手であることがより好ましい。
環R1G1−環R2G1で表される配位子が式(GM−L3)である場合、RG19〜RB28のうち、1つが結合手を表し、RG26又はRG27が結合手であることが好ましく、RG26が結合手であることがより好ましい。
環R1G1−環R2G1で表される配位子が式(GM−L4)である場合、RG29〜RB38のうち、1つが結合手を表し、RG36又はRG37が結合手であることが好ましく、RG36が結合手であることがより好ましい。
−G−Aで表されるアニオン性の2座配位子としては、式(1−A)で表される燐光発光性化合物における例示及び好ましい態様と同様のものが挙げられる。
式中、
1Gは、式(1G)におけるM1Gと同じ意味を表す。
及びLは、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、−N(R)−で表される基、−C(R−で表される基、−C(R)=C(R)−で表される基、−C≡C−で表される基、アリーレン基又は2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R及びRは、前記と同じ意味を表す。L及びLが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
b1及びnc1は、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。複数存在するnb1は、同一でも異なっていてもよい。
Ar1Mは、3価の芳香族炭化水素基又は3価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
は、−C(R−で表される基、アリーレン基又は2価の複素環基であることが好ましく、アリーレン基又は2価の複素環基であることがより好ましく、アリーレン基であることがさらに好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。中でも、式(A−1)又は(A−2)で表される基が好ましい。
は、−C(R−で表される基、アリーレン基又は2価の複素環基であることが好ましく、−C(R−で表される基又はアリーレン基であることがより好ましく、アリーレン基であることがさらに好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
中でも、式(A−1)又は(A−2)で表される基が好ましい。
b1及びnc1は、通常0〜10の整数であり、好ましくは0〜5の整数であり、より好ましくは0〜2の整数であり、更に好ましくは0又は1であり、特に好ましくは0である。
Ar1Mは、ベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環、フェナントレン環、ジヒドロフェナントレン環、ピリジン環、ジアザベンゼン環、トリアジン環、カルバゾール環、フェノキサジン環又はフェノチアジン環から、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合する水素原子3個を除いた基であることが好ましく、ベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環、フェナントレン環又はジヒドロフェナントレン環から、環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子3個を除いた基であることがより好ましく、ベンゼン環又はフルオレン環から、環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子3個を除いた基であることがさらに好ましく、ベンゼン環から、環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子3個を除いた基であることが特に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
、L及びAr1Mが有していてもよい置換基は、前述の環R1G及び環R2Gが有していてもよい置換基と同様である。
式中、
及びnb1は、それぞれ式(2G)におけるL及びnb1と同じ意味を表す。
2Gは、燐光発光性化合物から、該化合物を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合する2個の水素原子を取り除いてなる基を表す。
2Gは、式(GM−2)又は(GM−3)で表される基であることが好ましく、式(GM−2)で表される基であることがより好ましい。
式中、
M、E、環R1G、環R2G、A−G−A、環R1G1、環R2G1、n11、及びn12は、それぞれ式(GM−1)におけるM、E、環R1G、環R2G、A−G−A、環R1G1、環R2G1、n11及びn12と同じ意味を表す。
13及びn14は、それぞれ独立に、0〜1の整数を表す。但し、n13+n14は0又は1である。Mがルテニウム原子、ロジウム原子又はイリジウム原子の場合、n13+n14は1であり、Mがパラジウム原子又は白金原子の場合、n13+n14は0である。
環R1G2は、6員環の芳香族複素環を表し、これらの環は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子と共に環を形成していてもよい。
環R2G2は、5員環若しくは6員環の芳香族炭素環、又は、5員環若しくは6員環の芳香族複素環を表し、これらの環は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子と共に環を形成していてもよい。
但し、環R1G2及び環R2G2の一方は2つの結合手を有するか、又は、環R1G2及び環R2G2は、それぞれ、結合手を1つずつ有する。
Mがルテニウム原子、ロジウム原子又はイリジウム原子の場合、n14は0であることが好ましい。
環R1G2が結合手を有さない場合、環R1G2の定義は、前述の環R1Gの定義と同様である。
環R1G2が結合手を有する場合、環R1G2の結合手を除いた環部分の定義は、前述の環R1Gの定義と同様である。
環R2G2が結合手を有さない場合、環R2G2の定義は、前述の環R2Gの定義と同様である。
環R2G2が結合手を有する場合、環R2G2の結合手を除いた環部分の定義は、前述の環R2Gの定義と同様である。
環R1G2及び環R2G2が有していてもよい置換基は、前述の環R1G及び環R2Gが有していてもよい置換基と同様である。
環R1G2及び環R2G2は、それぞれ、結合手を1つずつ有することが好ましい。
環R1G2−環R2G2で表される配位子は、式(GM−L1)〜(GM−L4)で表される配位子であることが好ましく、式(GM−L1)又は(GM−L2)で表される配位子であることがより好ましい。
環R1G2−環R2G2で表される配位子が式(GM−L1)である場合、RG1〜RG8のうち、2つが結合手を表し、RG2、RG3、RG6及びRG7のうち、2つが結合手であることが好ましく、RG2及びRG6、RG2及びRG7、RG3及びRG6、又は、RG3及びRG7が結合手であることがより好ましい。
環R1G2−環R2G2で表される配位子が式(GM−L2)である場合、RG9〜RG18のうち、2つが結合手を表し、RG10、RG16及びRG17のうち、2つが結合手であることが好ましく、RG10及びRG16、又は、RG10及びRG17が結合手であることがより好ましい。
環R1G2−環R2G2で表される配位子が式(GM−L3)である場合、RG19〜RG28のうち、2つが結合手を表し、RG20〜RG23、RG26及びRG27のうち、2つが結合手であることが好ましく、RG26、並びに、RG20、RG21、RG22及びRG23からなる群から選ばれる1つが結合手であること、又は、RG27、並びに、RG20、RG21、RG22及びRG23からなる群から選ばれる1つが結合手であることがより好ましい。
環R1G2−環R2G2で表される配位子が式(GM−L4)である場合、RG29〜RG38のうち、2つが結合手を表し、RG36、RG37及びRG33のうち、2つが結合手であることが好ましく、RG36及びRG33、又は、RG37及びRG33が結合手であることがより好ましい。
式(3G)において、L、及びnb1の好ましい範囲については、式(2G)におけるL、及びnb1と同じである。また、A−G−Aで表されるアニオン性の2座配位子としては、式(1−A)で表される燐光発光性化合物における例示及び好ましい態様と同様のものが挙げられる。
式中、
及びnb1は、それぞれ式(2G)におけるL及びnb1と同じ意味を表す。
3Gは、燐光発光性化合物から、該化合物を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合する3個の水素原子を取り除いてなる基を表す。
3Gは、式(GM−4)で表される基であることが好ましい。
式中、
M、E、環R1G1、環R2G1、環R1G2及び環R2G2は、それぞれ式(GM−2)におけるM、E、環R1G1、環R2G1、環R1G2及び環R2G2と同じ意味を表す。
15は0又は1を表す。n16は1又は3を表す。但し、Mがルテニウム原子、ロジウム原子又はイリジウム原子の場合、n15は0であり、且つ、n16は3である。
Mがパラジウム原子又は白金原子の場合、n15は1であり、且つ、n16は1である。
式(4G)において、L、及びnb1の好ましい範囲については、式(2G)におけるL、及びnb1と同じである。
式(1G)で表される構成単位としては、例えば、式(1G−1)、(1G−2)、(1G−3)、(1G−4)、(1G−5)、(1G−6)、(1G−7)、(1G−8)、(1G−9)、(1G−10)、(1G−11)又は(1G−12)で表される構成単位(以下、場合により「式(1G−1)〜(1G−12)で表される構成単位」という。
)が挙げられる。
式中、Deは、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、式(D−A)で表される基又は式(D−B)で表される基を表す。
式(2G)で表される構成単位としては、例えば、式(2G−1)、(2G−2)、(2G−3)、(2G−4)、(2G−5)、(2G−6)、(2G−7)、(2G−8)、(2G−9)、(2G−10)、(2G−11)又は(2G−12)で表される構成単位(以下、場合により「式(2G−1)〜(2G−12)で表される構成単位」という。)が挙げられる。
式中、Deは、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、式(D−A)で表される基又は式(D−B)で表される基を表す。
式(3G)で表される構成単位としては、例えば、式(3G−1)、(3G−2)、(3G−3)、(3G−4)、(3G−5)、(3G−6)、(3G−7)、(3G−8)、(3G−9)、(3G−10)、(3G−11)、(3G−12)、(3G−13)、(3G−14)、(3G−15)、(3G−16)、(3G−17)、(3G−18)、(3G−19)又は(3G−20)で表される構成単位(以下、場合により「式(3G−1)〜(3G−20)で表される構成単位」という。)が挙げられる。
式中、Deは、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、式(D−A)で表される基又は式(D−B)で表される基を表す。
式(4G)で表される構成単位としては、式(4G−1)、(4G−2)、(4G−3)、(4G−4)、(4G−5)、(4G−6)又は(4G−7)で表される構成単位(以下、場合により「式(4G−1)〜(4G−7)で表される構成単位」という。)が挙げられる。
式中、Deは、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、式(D−A)で表される基又は式(D−B)で表される基を表す。
燐光発光性高分子化合物において、燐光発光性構成単位は、オルト位に置換基を有しないベンゼン環と結合していることが好ましい。このような燐光発光性高分子化合物によれば、電力効率に一層優れる発光素子が得られる。
燐光発光性高分子化合物は、電力効率に一層優れる発光素子が得られるので、燐光発光性高分子化合物を形成するモノマーの総量に対して、燐光発光性構成単位を形成するモノマー又は末端封止剤を0.01モル%以上30モル%以下(より好ましくは0.05モル%以上20モル%以下、更に好ましくは0.1モル%以上10モル%以下)の割合で反応させたものであることが好ましい。
燐光発光性高分子化合物(架橋性燐光発光性高分子化合物であってもよい)としては、発光素子の電力効率が一層優れるので、可視域(400〜700nm)で燐光発光する高分子化合物が好ましい。燐光発光性高分子化合物の発光ピーク波長は、490〜700nmであることがより好ましく、550〜700nmであることが更に好ましく、570〜700nmであることが特に好ましい。
燐光発光性高分子化合物(架橋性燐光発光性高分子化合物であってもよい)は、発光素子中で、所望の発光色を呈することが好ましい。燐光発光性高分子化合物の発光ピーク波長は、例えば、陰極と陽極との間に該燐光発光性高分子化合物を成膜した評価用発光素子について、電圧印加時の発光ピーク波長を測定することにより確認することができる。評価用素子に使用する陰極及び陽極の材料、該燐光発光性高分子化合物の膜厚、印加する電圧に関しては、製品として意図する発光素子に応じて適宜決定すればよい。なお、評価用素子において、該燐光発光性高分子化合物は、架橋されていても架橋されていなくてもよいが、製品として意図する発光素子を製造するに際し適用される架橋反応条件にて架橋されていることが好ましい。
燐光発光性高分子化合物は、第1の有機層の形成に用いられる燐光発光性化合物のうち最も長波長側に発光ピークを有する燐光発光性化合物に対して、1〜200nm長波長側に発光ピーク波長を有することが好ましく、10〜180nm長波長側に発光ピーク波長を有することがより好ましく、50〜160nm長波長側に発光ピーク波長を有することが更に好ましい。
燐光発光性高分子化合物は、燐光発光性構成単位を1種のみ含むものであってよく、2種以上含むものであってもよい。
燐光発光性高分子化合物は、式(X)で表される構成単位を更に含んでいてもよい。また、燐光発光性高分子化合物は、式(Y)で表される構成単位及び/又は式(Y12)で表される構成単位を更に含んでいてもよい。
燐光発光性高分子化合物における式(X)で表される構成単位及び式(Y12)で表される構成単位の例示、好ましい態様及び含有量は、上述の架橋性高分子化合物における各構成単位と同じである。
燐光発光性高分子化合物は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよいし、その他の態様であってもよいが、複数種の原料モノマーを共重合してなる共重合体であることが好ましい。
一態様において、燐光発光性高分子化合物は、少なくとも燐光発光性構成単位を有する第1のブロックと、燐光発光性構成単位を有しない第2のブロックと、を含有していてよい。例えば、第1のブロックは、燐光発光性構成単位と他の構成単位の1種以上とが共重合したブロックであってよい。また、第2のブロックは、燐光発光性構成単位以外の他の構成単位が重合したブロックであってよく、他の構成単位の2種以上が共重合したブロックであってよい。この態様では、第1のブロックと第2のブロックとに構成単位の位置を分けることで、隣接させることが好ましくない構成単位を同じ高分子化合物中に含有させることができる。
第2のブロックは、例えば、オルト位に置換基を有するベンゼン環から他の構成単位への結合手が伸びている構成単位を有していてよい。燐光発光性高分子化合物がこのような構成単位を有するブロック共重合体であるとき、このような構成単位は、燐光発光性構成単位とは異なるブロックに含まれることが好ましい。
[架橋性燐光発光性高分子化合物]
上記架橋性高分子化合物は、上記燐光発光性構成単位を更に含むものであってよく、上記燐光発光性高分子化合物は、上記架橋基を有する架橋構成単位を更に含むものであってよい。すなわち、上記高分子化合物は、燐光発光性構成単位及び架橋基を有する高分子化合物であってもよい。
架橋性燐光発光性高分子化合物における燐光発光性構成単位の例示、好ましい態様及び含有量としては、上記燐光発光性高分子化合物における燐光発光性構成単位と同じものが挙げられる。また、架橋性燐光発光性高分子化合物における架橋基及び架橋構成単位の例示、好ましい態様及び含有量としては、上記架橋性高分子化合物における架橋基及び架橋構成単位と同じものが挙げられる。また、架橋性燐光発光性高分子化合物の好適な諸特性としては、上記架橋性高分子化合物及び上記燐光発光性高分子化合物の好適な諸特性と同じものが挙げられる。
架橋性燐光発光性高分子化合物としては、例えば、表2の高分子化合物(P−11)、(P−12)、(P−13)、(P−14)、(P−15)、(P−16)、(P−17)、(P−18)、(P−19)、(P−20)、(P−21)、(P−22)及び(P−23)が挙げられる。
表2中、p’、q’、r’、s’、t’、u’及びv’は、各構成単位のモル比率を表す。p’+q’+r’+s’+t’+u’+v’=100であり、かつ、70≦p’+q’+r’+s’+t’≦100、かつ0≦q’+s’≦50である。「その他」とは、式(2)で表される構成単位、式(3)で表される構成単位、式(1G)〜(4G)で表される構成単位、式(X−1)〜(X−7)で表される構成単位又は式(Y12)で表される構成単位以外の構成単位を意味する。
架橋性燐光発光性高分子化合物は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよいし、その他の態様であってもよいが、複数種の原料モノマーを共重合してなる共重合体であることが好ましい。
一態様において、架橋性燐光発光性高分子化合物は、少なくとも燐光発光性構成単位を有する第1のブロックと、燐光発光性構成単位を有しない第2のブロックと、を含有していてよい。例えば、第1のブロックは、燐光発光性構成単位と他の構成単位の1種以上とが共重合したブロックであってよい。また、第2のブロックは、燐光発光性構成単位以外の他の構成単位が重合したブロックであってよく、他の構成単位の2種以上が共重合したブロックであってよい。この態様では、第1のブロックと第2のブロックとに構成単位の位置を分けることで、隣接させることが好ましくない構成単位を同じ高分子化合物中に含有させることができる。本態様において、架橋性基を有する架橋構成単位は、第1のブロックに含まれていてよく、第2のブロックに含まれていてよく、第1のブロック及び第2のブロックの両方に含まれていてよい。
第2のブロックは、例えば、オルト位に置換基を有するベンゼン環から他の構成単位への結合手が伸びている構成単位を有していてよい。架橋性燐光発光性高分子化合物がこのような構成単位を有するブロック共重合体であるとき、このような構成単位は、燐光発光性構成単位とは異なるブロックに含まれることが好ましい。
[高分子化合物の製造方法]
第2の有機層の形成に用いられる高分子化合物は、前述の高分子ホストの製造方法と同様の方法で製造することができる。
[架橋基の平均数]
第2の有機層は、架橋基を有する架橋性高分子化合物を含む1種又は2種以上の高分子化合物が配合された高分子組成物を用いて形成される。本実施形態では、第2の有機層の形成に用いられる高分子化合物における架橋基の平均数を示す指標を、以下の方法で求めることができる。
まず、高分子化合物を構成する各単量体単位について、全単量体単位の総モルに対するその単量体単位のモル比Cとその単量体単位の分子量Mとを乗じた値x、及び、モル比Cとその単量体単位が有する架橋基の数nとを乗じた値yを求める。次いで、各単量体単位について求めたxの総和をX、各単量体単位について求めたyの総和をYとする。
このとき、(Y×1000)/Xの値は、高分子化合物の分子量1000あたりの架橋基の平均数とほぼ等しい値となり、高分子化合物における架橋基の平均数を示す指標として有効に用いることができる。以下、場合により(Y×1000)/Xの値を「分子量1000あたりの架橋基の平均数」という。
具体的な架橋基の平均数の算出方法を、下記実施例1で用いた高分子化合物P1で詳細に説明する。
高分子化合物P1は、単量体である化合物MM1、化合物MM2、化合物MM3及び化合物MM4から形成される単量体単位を有する。全単量体の総モルに対する比率は、化合物MM1が0.40、化合物MM2が0.10、化合物MM3が0.47、化合物MM4が0.03である。また、化合物MM1から形成される単量体単位の分子量は776.45、化合物MM2から形成される単量体単位の分子量は240.20、化合物MM3から形成される単量体単位の分子量は750.51、化合物MM4から形成される単量体単位の分子量は1682.77である。また、化合物MM1が有する架橋基の数は2、化合物MM2が有する架橋基の数は2、化合物MM3が有する架橋基の数は0、化合物MM4が有する架橋基の数は0である。
よって、Xは、以下のとおり求められる。
(0.40×776.45)+(0.10×240.20)+(0.47×750.51)+(0.03×1682.77)=737.82
また、Yは、以下のとおり求められる。
(0.40×2)+(0.10×2)+(0.47×0)+(0.03×0)=1.00
よって、分子量1000あたりの架橋基の平均数は、以下のとおり求められる。
(1.00×1000)/737.82=1.36
高分子組成物が、高分子化合物として2種以上の高分子化合物を含む場合、(Y×1000)/Xの値は、各高分子化合物を構成する単量体単位に基づいて求められる。また、各高分子化合物について(Y×1000)/Xの値を求め、各高分子化合物の配合量比から、高分子化合物全体の(Y×1000)/Xの値を求めることができる。
具体的な算出方法を、下記実施例2の高分子化合物P1及び高分子化合物P2を90:10の比で配合した場合について説明する。
高分子化合物P1における分子量1000あたりの架橋基の平均数は、1.36である。
高分子化合物P2は、単量体である化合物MM1、化合物MM2、化合物MM5、化合物MM3及び化合物MM4から形成される単量体単位を有する。全単量体の総モルに対する比率は、化合物MM1が0.05、化合物MM2が0.05、化合物MM5が0.40、化合物MM3が0.47、化合物MM4が0.03である。また、化合物MM1から形成される単量体単位の分子量は776.45、化合物MM2から形成される単量体単位の分子量は240.20、化合物MM5から形成される単量体単位の分子量は244.23、化合物MM3から形成される単量体単位の分子量は750.51、化合物MM4から形成される単量体単位の分子量は1682.77である。また、化合物MM1が有する架橋基の数は2、化合物MM2が有する架橋基の数は2、化合物MM5が有する架橋基の数は0、化合物MM3が有する架橋基の数は0、化合物MM4が有する架橋基の数は0である。
よって、Xは、以下のとおり求められる。
(0.05×776.45)+(0.05×240.20)+(0.40×244.23)+(0.47×750.51)+(0.03×1682.77)=551.75
また、Yは、以下のとおり求められる。
(0.05×2)+(0.05×2)+(0.40×0)+(0.47×0)+(0.03×0)=0.20
よって、分子量1000あたりの架橋基の平均数は、以下のとおり求められる。
(0.20×1000)/551.75=0.36
高分子化合物P1及び高分子化合物P2を90:10の比で配合した場合の高分子化合物全体の(Y×1000)/Xの値は、以下のとおり求められる。
(1.36×0.9)+(0.36×0.1)=1.26
本実施形態において、分子量1000あたりの架橋基の平均数は、好ましくは0.7以上であり、より好ましくは0.8以上であり、さらに好ましくは1.0以上であり、1.1以上であることが一層好ましく、1.2以上であることが特に好ましい。架橋基の平均数が増えることによって、架橋性高分子化合物により緻密な膜が形成され、第2の有機層の電荷輸送性及び/又は第2の有機層から第1の有機層への電荷注入が改善されると考えられる。
また、本実施形態において、分子量1000あたりの架橋基の平均数は、例えば10以下であってよく、3以下であってもよい。架橋基の平均数をこの範囲とすることで、本実施形態に係る発光素子の輝度寿命が優れるという効果が奏される。
[第2の有機層の組成物]
第2の有機層は、上記高分子化合物と、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料、発光材料、酸化防止剤及び溶媒からなる群から選ばれる少なくとも1種の材料とを含有する組成物(以下、「第2の有機層の組成物」ともいう。)を用いて形成される層であってもよい。
例えば、第2の有機層は、第2の有機層の組成物を硬化させた硬化物を含む層であってよい。第2の有機層の組成物は、例えば、高分子化合物中の架橋基を架橋することによって硬化することができる。
第2の有機層の組成物に含有される正孔輸送材料、電子輸送材料、正孔注入材料、電子注入材料及び発光材料の例及び好ましい範囲は、第1の有機層の組成物に含有される正孔輸送材料、電子輸送材料、正孔注入材料、電子注入材料及び発光材料の例及び好ましい範囲と同じである。
第2の有機層の組成物において、正孔輸送材料、電子輸送材料、正孔注入材料、電子注入材料及び発光材料の配合量は、各々、上記高分子化合物を100質量部とした場合、通常1〜400質量部であり、好ましくは5〜150質量部である。
第2の有機層の組成物に含有される酸化防止剤の例及び好ましい範囲は、第1の有機層の組成物に含有される酸化防止剤の例及び好ましい範囲と同じである。
第2の有機層の組成物において、酸化防止剤の配合量は、架橋性高分子化合物を100質量部とした場合、通常0.001〜10質量部である。
[第2の有機層用のインク]
溶媒を含有する第2の有機層の組成物(以下、「第2の有機層用のインク」ともいう。
)は、第1の有機層用のインクと同様に、スピンコート法、インクジェット印刷法等の塗布法に好適に使用することができる。
第2の有機層用のインクの粘度の好ましい範囲は、第1の有機層用のインクの粘度の好ましい範囲と同じである。
第2の有機層用のインクに含有される溶媒は、好ましくは、インク中の固形分を溶解又は均一に分散できる溶媒である。溶媒の例及び好ましい範囲は、第1の有機層用のインクに含有される溶媒の例及び好ましい範囲と同じである。
第2の有機層用のインクにおいて、溶媒の配合量は、上記高分子化合物を100質量部とした場合、通常、1000〜100000質量部であり、好ましくは2000〜20000質量部である。
<発光素子の層構成>
本実施形態に係る発光素子は、陽極と、陰極と、陽極及び陰極の間に設けられた第1の有機層と、陽極及び第1の有機層の間に設けられた第2の有機層とを有する。本実施形態に係る発光素子は、陽極、陰極、第1の有機層及び第2の有機層以外の層を有していてもよい。
本実施形態に係る発光素子において、第1の有機層は、通常、発光層である。
本実施形態に係る発光素子において、第1の有機層と第2の有機層とは、本実施形態に係る発光素子の電力効率が一層優れるので、隣接していることが好ましい。
本実施形態に係る発光素子は、本実施形態に係る発光素子の電力効率がより優れるので、陽極と第2の有機層との間に、正孔輸送層及び正孔注入層からなる群から選ばれる少なくとも1つの層をさらに有することが好ましい。また、本実施形態に係る発光素子は、本実施形態に係る発光素子の電力効率が優れるので、陰極と第1の有機層との間に、電子輸送層及び電子注入層からなる群から選ばれる少なくとも1つの層をさらに有することが好ましい。
本実施形態に係る発光素子の具体的な層構成としては、例えば、下記の(D1)、(D2)、(D3)、(D4)、(D5)、(D6)、(D7)、(D8)、(D9)、(D10)、(D11)、(D12)、(D13)、(D14)、(D15)又は(D16)で表される層構成(以下、場合により「(D1)〜(D16)で表される層構成」という。)が挙げられる。本実施形態に係る発光素子は、通常、基板を有するが、基板上に陽極から積層されていてもよく、基板上に陰極から積層されていてもよい。
(D1)陽極/第2の有機層/第1の有機層/陰極
(D2)陽極/第2の有機層/第1の有機層/電子輸送層/陰極
(D3)陽極/第2の有機層/第1の有機層/電子注入層/陰極
(D4)陽極/第2の有機層/第1の有機層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(D5)陽極/正孔注入層/第2の有機層/第1の有機層/陰極
(D6)陽極/正孔注入層/第2の有機層/第1の有機層/電子輸送層/陰極
(D7)陽極/正孔注入層/第2の有機層/第1の有機層/電子注入層/陰極
(D8)陽極/正孔注入層/第2の有機層/第1の有機層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(D9)陽極/正孔輸送層/第2の有機層/第1の有機層/陰極
(D10)陽極/正孔輸送層/第2の有機層/第1の有機層/電子輸送層/陰極
(D11)陽極/正孔輸送層/第2の有機層/第1の有機層/電子注入層/陰極
(D12)陽極/正孔輸送層/第2の有機層/第1の有機層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(D13)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/第2の有機層/第1の有機層/陰極
(D14)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/第2の有機層/第1の有機層/電子輸送層/陰極
(D15)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/第2の有機層/第1の有機層/電子注入層/陰極
(D16)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/第2の有機層/第1の有機層/電子輸送層/電子注入層/陰極
上記の(D1)〜(D16)中、「/」は、その前後の層が隣接して積層していることを意味する。具体的には、「第2の有機層/第1の有機層」とは、第2の有機層と第1の有機層とが隣接して積層していることを意味する。
本実施形態に係る発光素子において、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層及び電子注入層は、それぞれ、必要に応じて、2層以上設けられていてもよい。
陽極、陰極、第1の有機層、第2の有機層、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層及び電子輸送層の厚さは、通常、1nm〜1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、更に好ましくは5nm〜150nmである。
本実施形態に係る発光素子において、積層する層の順番、数、及び厚さは、発光素子の電力効率及び素子寿命を勘案して調整すればよい。
[正孔輸送層]
正孔輸送層は、通常、正孔輸送材料を用いて形成される層である。正孔輸送層の形成に用いる正孔輸送材料としては、例えば、前述の第1の有機層の組成物が含有していてもよい正孔輸送材料が挙げられる。正孔輸送材料は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
[電子輸送層]
電子輸送層は、通常、電子輸送材料を用いて形成される層である。電子輸送層の形成に用いる電子輸送材料としては、例えば、前述の第1の有機層の組成物が含有していてもよい電子輸送材料、式(ET−1)で表される構成単位及び式(ET−2)で表される構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の構成単位を含む高分子化合物が挙げられ、式(ET−1)で表される構成単位及び式(ET−2)で表される構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の構成単位を含む高分子化合物が好ましい。電子輸送材料は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
式中、
nE1は、1以上の整数を表す。
ArE1は、芳香族炭化水素基又は複素環基を表し、これらの基はRE1以外の置換基を有していてもよい。
E1は、式(ES−1)で表される基を表す。RE1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
−(RE3cE1−(QE1nE4−YE1(ME2aE1(ZE1bE1 (ES−1)
[式中、
cE1は0又は1を表し、nE4は0以上の整数を表し、aE1は1以上の整数を表し、bE1は0以上の整数を表す。
E3は、アリーレン基又は2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
E1は、アルキレン基、アリーレン基、酸素原子又は硫黄原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。QE1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
E1は、−CO 、−SO 、−SO 又は−PO 2−を表す。
E2は、金属カチオン又はアンモニウムカチオンを表し、このアンモニウムカチオンは置換基を有していてもよい。ME2が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
E1は、F、Cl、Br、I、OH、RE4SO 、RE4COO、ClO、ClO 、ClO 、ClO 、SCN、CN、NO 、SO 2−、HSO 、PO 3−、HPO 2−、HPO 、BF 又はPF を表す。RE4は、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ZE1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
aE1及びbE1は、式(ES−1)で表される基の電荷が0となるように選択される。]
nE1は、好ましくは、1〜4の整数であり、より好ましくは1又は2である。
ArE1で表される芳香族炭化水素基又は複素環基としては、1,4−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,2−フェニレン基、2,6−ナフタレンジイル基、1,4−ナフタレンジイル基、2、7−フルオレンジイル基、3,6−フルオレンジイル基、2,7−フェナントレンジイル基又は2,7−カルバゾールジイル基から、環を構成する原子に直接結合する水素原子nE1個を除いた残りの原子団が好ましく、RE1以外の置換基を有していてもよい。
ArE1が有していてもよいRE1以外の置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、置換アミノ基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、シクロアルキニル基、カルボキシル基、式(ES−3)で表される基が挙げられる。
−O(Cn’2n’O)nxm’2m’+1 (ES−3)
[式中、n’、m’及びnxは、1以上の整数を表す。]
cE1は、0又は1であることが好ましく、nE4は、0〜6の整数であることが好ましい。
E3としては、アリーレン基が好ましい。
E3が有していてもよい置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基及び式(ES−3)で表される基が挙げられる。RE3は、本実施形態に係る発光素子の電力効率がより優れるため、式(ES−3)で表される基を置換基として有していることが好ましい。
E1としては、アルキレン基、アリーレン基又は酸素原子が好ましい。
E1としては、−CO 又は−SO が好ましい。
E2としては、Li、Na、K、Cs、N(CH 、NH(CH 、NH(CH 又はN(C が好ましい。
E1としては、F、Cl、Br、I、OH、RE4SO 又はRE4COOが好ましい。
式(ES−1)で表される基としては、例えば、下記式で表される基が挙げられる。
式中、Mは、Li、Na、K、Cs、N(CH 、NH(CH 、NH(CH 又はN(C を表す。
式中、
nE2は1以上の整数を表す。
ArE2は、芳香族炭化水素基又は複素環基を表し、これらの基はRE2以外の置換基を有していてもよい。
E2は、式(ES−2)で表される基を表す。RE2が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
−(RE6cE2−(QE2nE6−YE2(ME3bE2(ZE2aE2 (ES−2)
[式中、
cE2は0又は1を表し、nE6は0以上の整数を表し、bE2は1以上の整数を表し、aE2は0以上の整数を表す。
E6は、アリーレン基又は2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
E2は、アルキレン基、アリーレン基、酸素原子又は硫黄原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。QE2が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
E2は、カルボカチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニルカチオン又はスルホニルカチオンを表す。
E3は、F、Cl、Br、I、OH、RE7SO 、RE7COO、ClO、ClO 、ClO 、ClO 、SCN、CN、NO 、SO 2−、HSO 、PO 3−、HPO 2−、HPO 、テトラフェニルボレート、BF 又はPF を表す。RE7は、アルキル基、パーフルオロアルキル基、又はアリール基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ME3が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
E2は、金属イオン又はアンモニウムイオンを表し、このアンモニウムイオンは置換基を有していてもよい。ZE2が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
aE2及びbE2は、式(ES−2)で表される基の電荷が0となるように選択される。]
nE2は、好ましくは、1〜4の整数であり、より好ましくは1又は2である。
ArE2で表される芳香族炭化水素基又は複素環基としては、1,4−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,2−フェニレン基、2,6−ナフタレンジイル基、1,4−ナフタレンジイル基、2、7−フルオレンジイル基、3,6−フルオレンジイル基、2,7−フェナントレンジイル基又は2,7−カルバゾールジイル基から、環を構成する原子に直接結合する水素原子nE2個を除いた残りの原子団が好ましく、RE2以外の置換基を有していてもよい。
ArE2が有していてもよいRE2以外の置換基としては、ArE1が有していてもよいRE1以外の置換基と同様である。
cE2は、0又は1であることが好ましく、nE6は、0〜6の整数であることが好ましい。
E6としては、アリーレン基が好ましい。
E6が有していてもよい置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基及び式(ES−3)で表される基が挙げられる。RE6は、本実施形態に係る発光素子の電力効率がより優れるため、式(ES−3)で表される基を置換基として有していることが好ましい。
E2としては、アルキレン基、アリーレン基又は酸素原子が好ましい。
E2としては、カルボカチオン又はアンモニウムカチオンが好ましい。
E3としては、F、Cl、Br、I、テトラフェニルボレート、CFSO 又はCHCOOが好ましい。
E2としては、Li、Na、K、Cs、N(CH 、NH(CH 、NH(CH 又はN(C が好ましい。
式(ES−2)で表される基としては、例えば、下記式で表される基が挙げられる。
式中、Xは、F、Cl、Br、I、テトラフェニルボレート、CFSO 、又はCHCOOを表す。
式(ET−1)又は(ET−2)で表される構造単位としては、例えば、下記式(ET−31)、(ET−32)、(ET−33)又は(ET−34)で表される構造単位が挙げられる。
後述する正孔注入層の形成に用いる材料、正孔輸送層の形成に用いる材料、第2の有機層の形成に用いる材料、第1の有機層の形成に用いる材料、電子輸送層の形成に用いる材料、後述する電子注入層の形成に用いる材料は、発光素子の作製において、各々、正孔注入層、正孔輸送層、第2の有機層、第1の有機層、電子輸送層及び電子注入層に隣接する層の形成時に使用される溶媒に溶解する場合、該溶媒に該材料が溶解することが回避されることが好ましい。材料の溶解を回避する方法としては、i)架橋基を有する材料を用いる方法、又は、ii)隣接する層の溶解性に差を設ける方法が好ましい。上記i)の方法では、架橋基を有する材料を用いて層を形成した後、該架橋基を架橋させることにより、該層を不溶化させることができる。
例えば、第1の有機層の上に、溶解性の差を利用して電子輸送層を積層する場合、第1の有機層に対して溶解性の低い溶液を用いることで電子輸送層を積層することができる。
第1の有機層の上に、溶解性の差を利用して電子輸送層を積層する場合に用いる溶媒としては、水、アルコール類、エーテル類、エステル類、ニトリル化合物類、ニトロ化合物類、フッ素化アルコール、チオール類、スルフィド類、スルホキシド類、チオケトン類、アミド類、カルボン酸類等が好ましい。該溶媒の具体例としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノール、tert−ブチルアルコール、アセトニトリル、1,2−エタンジオール、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、酢酸、ニトロメタン、炭酸プロピレン、ピリジン、二硫化炭素、及び、これらの溶媒の混合溶媒が挙げられる。混合溶媒を用いる場合、水、アルコール類、エーテル類、エステル類、ニトリル化合物類、ニトロ化合物類、フッ素化アルコール、チオール類、スルフィド類、スルホキシド類、チオケトン類、アミド類、カルボン酸類等から選ばれる1種類以上の溶媒と、塩素系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、脂肪族炭化水素系及びケトン系から選ばれる1種類以上の溶媒との混合溶媒であってもよい。
[正孔注入層及び電子注入層]
正孔注入層は、通常、正孔注入材料を用いて形成される層である。正孔注入層の形成に用いる正孔注入材料としては、例えば、前述の第1の有機層の組成物が含有していてもよい正孔注入材料が挙げられる。正孔注入材料は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
電子注入層は、通常、電子注入材料を用いて形成される層である。電子注入層の形成に用いる電子注入材料としては、例えば、前述の第1の有機層の組成物が含有していてもよい電子注入材料が挙げられる。電子注入材料は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
[基板/電極]
発光素子における基板は、電極を形成することができ、かつ、有機層を形成する際に化学的に変化しない基板であればよく、例えば、ガラス、プラスチック、シリコン等の材料からなる基板である。不透明な基板を使用する場合には、基板から最も遠くにある電極が透明又は半透明であることが好ましい。
陽極の材料としては、例えば、導電性の金属酸化物、半透明の金属が挙げられ、好ましくは、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ;インジウム・スズ・オキサイド(ITO)、インジウム・亜鉛・オキサイド等の導電性化合物;銀とパラジウムと銅との複合体(APC);NESA、金、白金、銀、銅である。
陰極の材料としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、亜鉛、インジウム等の金属;それらのうち2種以上の合金;それらのうち1種以上と、銀、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫のうち1種以上との合金;並びに、グラファイト及びグラファイト層間化合物が挙げられる。合金としては、例えば、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金が挙げられる。
陽極及び陰極は、各々、2層以上の積層構造としてもよい。
本実施形態に係る発光素子において、陽極及び陰極の少なくとも一方は、通常、透明又は半透明であるが、陽極が透明又は半透明であることが好ましい。
陽極及び陰極の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法及びラミネート法が挙げられる。
[発光素子の製造方法]
本実施形態に係る発光素子において、第1の有機層、第2の有機層、正孔輸送層、電子輸送層、正孔注入層、電子注入層等の各層の形成方法としては、低分子化合物を用いる場合、例えば、粉末からの真空蒸着法、溶液又は溶融状態からの成膜による方法が挙げられ、高分子化合物を用いる場合、例えば、溶液又は溶融状態からの成膜による方法が挙げられる。
第1の有機層は第1の有機層用のインクを用いて、第2の有機層は第2の有機層用のインクを用いて、正孔輸送層、電子輸送層、正孔注入層及び電子注入層は、上述した正孔輸送材料、電子輸送材料、正孔注入材料及び電子注入材料をそれぞれ含有するインクを用いて、スピンコート法、インクジェット印刷法に代表される塗布法により形成することができる。
〔発光素子の用途〕
発光素子を用いて面状の発光を得るためには、面状の陽極と陰極が重なり合うように配置すればよい。パターン状の発光を得るためには、面状の発光素子の表面にパターン状の窓を設けたマスクを設置する方法、非発光部にしたい層を極端に厚く形成し実質的に非発光とする方法、陽極若しくは陰極、又は両方の電極をパターン状に形成する方法がある。これらのいずれかの方法でパターンを形成し、いくつかの電極を独立にON/OFFできるように配置することにより、数字、文字等を表示できるセグメントタイプの表示装置が得られる。ドットマトリックス表示装置とするためには、陽極と陰極を共にストライプ状に形成して直交するように配置すればよい。複数の種類の発光色の異なる高分子化合物を塗り分ける方法、カラーフィルター又は蛍光変換フィルターを用いる方法により、部分カラー表示、マルチカラー表示が可能となる。ドットマトリックス表示装置は、パッシブ駆動も可能であるし、TFT等と組み合わせてアクティブ駆動も可能である。これらの表示装置は、コンピュータ、テレビ、携帯端末等のディスプレイに用いることができる。
面状の発光素子は、液晶表示装置のバックライト用の面状光源、又は、面状の照明用光源として好適に用いることができる。フレキシブルな基板を用いれば、曲面状の光源及び表示装置としても使用できる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、本発明の一側面は、上述した架橋基及び燐光発光性構成単位を有する高分子化合物に関する。また、本発明の他の側面は、上述した発光素子を有する面状光源であってよく、上述した発光素子を有する表示装置であってもよい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
実施例において、高分子化合物のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)及びポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、サイズエクスクルージョンクロマトグラフィー(SEC)(島津製作所製、商品名:LC−10Avp)により求めた。なお、SECの測定条件は、次のとおりである。
[測定条件]
測定する高分子化合物を0.05質量%の濃度でTHF(テトラヒドロフラン)に溶解させ、SECに10μL注入した。SECの移動相としてTHFを用い、2.0mL/分の流量で流した。カラムとして、PLgel MIXED−B(ポリマーラボラトリーズ製)を用いた。検出器にはUV−VIS検出器(島津製作所製、商品名:SPD−10Avp)を用いた。
液体クロマトグラフ質量分析(LC−MS)は、下記の方法で行った。
測定試料を2mg/mLの濃度になるようにクロロホルム又はTHFに溶解させ、LC−MS(アジレントテクノロジー製、商品名:1100LCMSD)に1μL注入した。LC−MSの移動相には、アセトニトリル及びTHFの比率を変化させながら用い、0.2mL/分の流量で流した。カラムは、L−column 2 ODS(3μm)(化学物質評価研究機構製、内径:2.1mm、長さ:100mm、粒径3μm)を用いた。
H−NMR及び13C−NMRの測定は、下記の方法で行った。
5〜10mgの測定試料を0.5mLの重クロロホルム(CDCl)、重テトラヒドロフラン(THF−d)、重ジメチルスルホキシド(DMSO−d)又は重塩化メチレン(CDCl)に溶解させ、NMR装置(バリアン(Varian,Inc.)製、商品名:INOVA 300又は商品名:MERCURY 400VX)を用いて測定した。
化合物の純度の指標として、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)面積百分率の値を用いた。この値は、特に記載がない限り、HPLC(島津製作所製、商品名:LC−20A)での254nmにおける値とする。この際、測定する化合物は、0.01〜0.2重量%の濃度になるようにTHF又はクロロホルムに溶解させ、HPLCに、濃度に応じて1〜10μL注入した。HPLCの移動相には、アセトニトリル及びTHFを用い、1mL/分の流速で、アセトニトリル/THF=100/0〜0/100(容積比)のグラジエント分析で流した。カラムは、Kaseisorb LC ODS 2000(東京化成工業製)又は同等の性能を有するODSカラムを用いた。検出器には、フォトダイオードアレイ検出器(島津製作所製、商品名:SPD−M20A)を用いた。
(1)燐光発光性化合物
<1−1>燐光発光性化合物1
燐光発光性化合物1は、国際公開第2006/121811号に記載の方法に準じて合成した。
<1−2>燐光発光性化合物2
燐光発光性化合物2として、下記化合物をLuminescence Technology Corp社より購入した。
<1−3>燐光発光性化合物3
燐光発光性化合物3は、特開2006−188673号公報に記載の方法に従って合成した。
<1−4>燐光発光性化合物4
燐光発光性化合物4は、特開2013−147551号公報に記載の方法に従って合成した。
<1−5>燐光発光性化合物5
燐光発光性化合物5は、特開2013−147551号公報に記載の方法に従って合成した。
<燐光発光性化合物1〜5の発光スペクトルの最大ピーク波長の評価>
燐光発光性化合物1〜5の発光スペクトルの最大ピーク波長は、分光光度計(日本分光株式会社製、FP6500)により室温にて測定した。燐光発光性化合物1〜5をそれぞれ、キシレンに約0.8×10−4重量%の濃度で溶解させたキシレン溶液を試料として用いた。励起光としては、波長325nmのUV光を用いた。評価結果を表3に示す。
(2)高分子化合物
<2−1>化合物Ma3の合成
撹拌器を備えたフラスコ内の気体を窒素ガスで置換した後、化合物Ma2(64.6g)及びテトラヒドロフラン(615ml)を加え、−70℃に冷却した。そこへ、n−ブチルリチウムヘキサン溶液(1.6M、218ml)を1時間かけて滴下した後、−70℃で2時間撹拌した。そこへ、化合物Ma1(42.1g)を数回に分けて加えた後、−70℃で2時間撹拌した。そこへ、メタノール(40ml)を1時間かけて滴下した後、室温まで昇温した。その後、減圧濃縮して溶媒を留去し、トルエン及び水を加えた。
その後、水層を分離し、得られた有機層をさらに水で洗浄した。得られた有機層を減圧濃縮して、得られた残渣をシリカゲルカラム(展開溶媒 ヘキサンと酢酸エチルの混合溶媒)を用いて精製することで、無色油状物として化合物Ma3を71g得た。得られた化合物Ma3のHPLC面積百分率値(UV254nm)は97.5%であった。この操作を繰り返し行うことで、化合物Ma3の必要量を得た。
得られた化合物Ma3のH−NMR測定結果を以下に示す。
H−NMR(CDCl,300MHz) δ(ppm):2.43(1H,s),3.07−3.13(4H,m),6.95(1H,d),7.07(1H,S),7.18−7.28(3H,m),7.28−7.40(4H,m),7.66(2H,s).
<2−2>化合物Ma4の合成
撹拌器を備えたフラスコ内の気体を窒素ガスで置換した後、化合物Ma3(72.3g)、トルエン(723ml)及びトリエチルシラン(118.0g)を加え、70℃に昇温した。そこへ、メタンスルホン酸(97.7g)を1.5時間かけて滴下した後、70℃で0.5時間撹拌した。その後、室温まで冷却し、トルエン(1L)及び水(1L)を加えた後、水層を分離した。得られた有機層を、水、5重量%炭酸水素ナトリウム水、水の順番で洗浄した。得られた有機層を減圧濃縮して、得られた粗生成物をトルエン及びエタノールの混合溶液で再結晶することで、白色固体として化合物Ma4を51.8g得た。得られた化合物Ma4のHPLC面積百分率値(UV254nm)は99.5%以上であった。この操作を繰り返し行うことで、化合物Ma4の必要量を得た。
得られた化合物Ma4のH−NMR測定結果を以下に示す。
H−NMR(CDCl,300MHz) δ(ppm):3.03−3.14(4H,m),4.99(1H,s),6.68(1H,s),6.92−7.01(2H,m),7.20−7.28(2H,m),7.29−7.38(4H,m),7.78(2H,d).
<2−3>化合物Mb3の合成
撹拌器を備えたフラスコ内の気体を窒素ガスで置換した後、化合物Mb1(185.0g)、化合物Mb2(121.1g)、CuI(3.2g)、ジクロロメタン(185ml)及びトリエチルアミン(2.59L)を加え、還流温度に昇温した。その後、還流温度で0.5時間撹拌し、室温まで冷却した。そこへ、ジクロロメタン(1.85L)を加えた後、セライトを敷き詰めたろ過器でろ過した。得られたろ液に10重量%炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた後、水層を分離した。得られた有機層を水で2回洗浄し、飽和NaCl水で洗浄した後、硫酸マグネシウムを加えた。得られた混合物をろ過し、得られたろ液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラム(展開溶媒 クロロホルムと酢酸エチルの混合溶媒)を用いて精製することで、粗生成物を得た。得られた粗生成物をエタノール(1.4L)に溶解させた後、活性炭(5g)を加え、ろ過した。得られたろ液を減圧濃縮して、得られた残渣をヘキサンで再結晶することで、白色固体として化合物Mb3を99.0g得た。得られた化合物Mb3のHPLC面積百分率値(UV254nm)は99.5%以上であった。この操作を繰り返し行うことで、化合物Mb3の必要量を得た。
得られた化合物Mb3のH−NMR測定結果を以下に示す。
H−NMR(DMSO−d,300MHz) δ(ppm):1.52−1.55(8H,m),2.42(4H,t),3.38−3.44(4H,m),4.39−4.43(2H,m),7.31(4H,s).
<2−4>化合物Mb4の合成
撹拌器を備えたフラスコ内の気体を窒素ガスで置換した後、化合物Mb3(110.0g)、エタノール(1.65L)及びパラジウム/炭素(Pd重量10%)(11.0g)を加え、30℃まで昇温した。その後、フラスコ内の気体を水素ガスで置換した。その後、フラスコ内に水素ガスを供給しながら、30℃で3時間撹拌した。その後、フラスコ内の気体を窒素ガスで置換した。得られた混合物をろ過し、得られたろ液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラム(展開溶媒 クロロホルムと酢酸エチルの混合溶媒)を用いて精製することで、粗生成物を得た。得られた粗生成物をヘキサンで再結晶することで、白色固体として化合物Mb4を93.4g得た。得られた化合物Mb4のHPLC面積百分率値(UV254nm)は98.3%であった。
得られた化合物Mb4のH−NMR及び13C−NMR測定結果を以下に示す。
H−NMR(CDCl,300MHz) δ(ppm):1.30−1.40(8H,m),1.55−1.65(8H,m),2.58(4H,t),3.64(4H,t),7.09(4H,s).
13C−NMR(CDCl,75MHz) δ(ppm):25.53,28.99,31.39,32.62,35.37,62.90,128.18,139.85.
<2−5>化合物Mb5の合成
撹拌器を備えたフラスコ内の気体を窒素ガスで置換した後、化合物Mb4(61.0g)、ピリジン(0.9g)及びトルエン(732ml)を加え、60℃に昇温した。そこへ、塩化チオニル(91.4g)を1.5時間かけて滴下した後、60℃で5時間撹拌した。得られた混合物を室温まで冷却した後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラム(展開溶媒 ヘキサンと酢酸エチルの混合溶媒)を用いて精製することで、無色油状物として化合物Mb5を64.3g得た。得られた化合物Mb5のHPLC面積百分率値(UV254nm)は97.2%であった。
得られた化合物Mb5のH−NMR測定結果を以下に示す。
H−NMR(CDCl,300MHz) δ(ppm):1.35−1.40(4H,m),1.41−1.50(4H,m),1.60−1.68(4H,m),1.75−1.82(4H,m),2.60(4H,t),3.55(4H,t),7.11(4H,s).
<2−6>化合物Mb6の合成
撹拌器を備えたフラスコ内の気体を窒素ガスで置換した後、化合物Mb5(42.0g)、鉄粉(1.7g)、ヨウ素(0.3g)及びジクロロメタン(800ml)を加えた。その後、フラスコ全体を遮光し、0〜5℃に冷却した。そこへ、臭素(44.7g)及びジクロロメタン(200ml)の混合液を1時間かけて滴下した後、0〜5℃にて一晩撹拌した。得られた混合液を、0〜5℃に冷却した水(1.2L)に加えた後、有機層を分離した。得られた有機層を10重量%チオ硫酸ナトリウム水溶液で洗浄し、さらに、飽和塩化ナトリウム水、水の順番で洗浄した。得られた有機層に硫酸ナトリウムを加えた後、ろ過し、得られたろ液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラム(展開溶媒 ヘキサン)を用いて精製することで、粗生成物を得た。得られた粗生成物をヘキサンで再結晶することで、白色固体として化合物Mb6を47.0g得た。得られた化合物Mb6のHPLC面積百分率値(UV254nm)は98.3%であった。
得られた化合物Mb6のH−NMR測定結果を以下に示す。
H−NMR(CDCl,300MHz) δ(ppm):1.38−1.45(4H,m),1.47−1.55(4H,m),1.57−1.67(4H,m),1.77−1.84(4H,m),2.66(4H,t),3.55(4H,t),7.36(2H,s).
<2−7>化合物Mb7の合成
撹拌器を備えたフラスコ内の気体を窒素ガスで置換した後、ヨウ化ナトリウム(152.1g)及びアセトン(600ml)を加え、室温で0.5時間撹拌した。そこへ、Mb6(40.0g)を加えた後、還流温度まで昇温し、還流温度で24時間撹拌した。その後、室温まで冷却し、得られた混合液を水(1.2L)に加えた。析出した固体をろ別した後、水で洗浄することで粗生成物を得た。得られた粗生成物をトルエン及びメタノールの混合液で再結晶することで、白色固体として化合物Mb7を46.0g得た。得られた化合物Mb7のHPLC面積百分率値(UV254nm)は99.4%であった。この操作を繰り返し行うことで、化合物Mb7の必要量を得た。
得られた化合物Mb7のH−NMR測定結果を以下に示す。
H−NMR(CDCl,300MHz) δ(ppm):1.35−1.50(8H,m),1.57−1.65(4H,m),1.80−1.89(4H,m),2.65(4H,t),3.20(4H,t),7.36(2H,s).
<2−8>化合物Mb8の合成
撹拌器を備えたフラスコ内の気体を窒素ガスで置換した後、水素化ナトリウム(60重量%、流動パラフィンに分散)(9.4g)、テトラヒドロフラン(110ml)及び化合物Mb7(63.2g)を加えた。そこへ、化合物Ma4(55.0g)を数回に分けて加えた後、12時間撹拌した。そこへ、トルエン(440ml)及び水(220ml)を加えた後、水層を分離した。得られた有機層を水で洗浄した後、硫酸マグネシウムを加えた。得られた混合液をろ過して、得られたろ液を減圧濃縮することで粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラム(展開溶媒 ヘキサンとトルエンの混合溶媒)を用いて精製した。その後、ヘプタンで再結晶することで、白色固体として化合物Mb8を84.1g得た。得られた化合物Mb8のHPLC面積百分率値(UV254nm)は99.5%以上であった。
得られた化合物Mb8のH−NMR測定結果を以下に示す。
H−NMR(CDCl,300MHz) δ(ppm):0.70−0.76(4H,m),1.10−1.21(8H,m),1.32−1.44(4H,m),2.39−2.58(8H,m),3.00−3.12(8H,m),6.82−6.94(4H,m),7.00−7.05(2H,m),7.17−7.28(10H,m),7.30−7.38(4H,m),7.71−7.77(4H,m).
<2−9>化合物MM1の合成
撹拌器を備えたフラスコ内の気体を窒素ガスで置換した後、化合物Mb8(84.0g)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド ジクロロメタン付加物(PdCl(dppf)・CHCl、2.2g)、ビスピナコラートジボロン(68.3g)、酢酸カリウム(52.8g)及びシクロペンチルメチルエーテル(840ml)を加え、還流温度まで昇温した後、還流温度で5時間撹拌した。その後、室温まで冷却し、トルエン(500ml)及び水(300ml)を加えた後、水層を分離した。得られた有機層を水で洗浄した後、活性炭(18.5g)を加えた。得られた混合液をろ過し、得られたろ液を減圧濃縮することで粗生成物を得た。
得られた粗生成物をシリカゲルカラム(展開溶媒 ヘキサンとトルエンの混合溶媒)を用いて精製した。その後、トルエン及びアセトニトリルの混合液で再結晶する操作を繰り返すことで、白色固体として化合物MM1を45.8g得た。得られた化合物MM1のHPLC面積百分率値(UV254nm)は99.4%であった。
得られた化合物MM1のH−NMR測定結果を以下に示す。
H−NMR(CDCl,300MHz) δ(ppm):0.70−0.76(4H,m),1.24−1.40(36H,m),2.39−2.48(4H,m),2.66−2.75(4H,m),3.00−3.10(8H,m),6.76−6.90(4H,m),7.00−7.05(2H,m),7.19−7.30(8H,m),7.30−7.36(4H,m),7.43(2H,s),7.72(4H,d).
<2−10>高分子化合物P1の合成
以下の工程1〜4により、高分子化合物P1を合成した。
(工程1)反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、化合物MM1(0.81933g)、国際公開第2013/146806号に記載の化合物MM2(0.09907g)、国際公開第2005/049546号に記載の化合物MM3(0.86215g)、国際公開第2009/157424号に記載の化合物MM4(0.11290g)、ジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(1.76mg)及びトルエン(34mL)を加え、105℃に加熱した。
(工程2)反応液に、20重量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(6.7mL)を滴下し、6時間還流させた。
(工程3)反応後、そこに、フェニルボロン酸(48.8mg)及びジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(0.88mg)を加え、14.5時間還流させた。
(工程4)その後、そこに、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。冷却後、得られた反応液を、水で2回、3重量%酢酸水溶液で2回、水で2回洗浄し、得られた溶液をメタノールに滴下したところ、沈澱が生じた。得られた沈殿物をトルエンに溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムの順番で通すことにより精製した。得られた溶液をメタノールに滴下し、撹拌した後、得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、高分子化合物P1を1.22g得た。
高分子化合物P1のポリスチレン換算の数平均分子量は3.0×10であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は2.7×10であった。
高分子化合物P1は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物MM1から形成される構成単位と、化合物MM2から形成される構成単位と、化合物MM3から形成される構成単位と、化合物MM4から形成される構成単位とを、40:10:47:3のモル比で含む共重合体である。高分子化合物P1について、上述の方法で計算した分子量1000あたりの架橋基の平均数は1.36であった。
<2−11>高分子化合物P2の合成
以下の方法により、高分子化合物P2を合成した。
上記高分子化合物P1の合成における(工程1)を、下記(工程1−2)に変更したこと以外は、上記高分子化合物P1の合成と同様の方法により、高分子化合物P2を0.98g得た。
(工程1−2)反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、化合物MM1(0.10369g)、化合物MM2(0.04951g)、特開2010−189630号公報に記載の化合物MM5(0.39465g)、化合物MM3(0.86213g)、化合物MM4(0.11563g)、ジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(1.76mg)及びトルエン(30mL)を加え、105℃に加熱した。
高分子化合物P2のポリスチレン換算の数平均分子量は4.8×10であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は2.0×10であった。
高分子化合物P2は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物MM1から形成される構成単位と、化合物MM2から形成される構成単位と、化合物MM5から形成される構成単位と、化合物MM3から形成される構成単位と、化合物MM4から形成される構成単位とを、5:5:40:47:3のモル比で含む共重合体である。高分子化合物P2について、上述の方法で計算した分子量1000あたりの架橋基の平均数は0.36であった。
<2−12>化合物Mc1の合成
撹拌器を備えたフラスコ内の気体を窒素ガスで置換した後、水素化ナトリウム(60重量%、流動パラフィンに分散)(10.9g)、テトラヒドロフラン(268ml)及び1−ブロモ−6−クロロへキサン(198.3g)を加えた。その後、フラスコ全体を遮光し、0〜5℃に冷却した。そこへ、化合物Ma4(67.0g)及びテトラヒドロフラン(330ml)の混合液を2.5時間かけて加えた後、50℃まで昇温し、50℃で6時間撹拌した。そこへ、ヘプタン(536ml)及び水(268ml)を加え、水層を分離した。得られた有機層を水で洗浄した後、硫酸マグネシウムを加えた。得られた混合液をろ過して、得られたろ液を減圧濃縮することで粗生成物を得た。得られた粗生成物をイソプロパノールで再結晶した後、得られた結晶をトルエン及びヘプタンの混合液に溶解させ、活性炭(9.6g)を加えた。得られた混合液をろ過し、得られたろ液を減圧濃縮した。得られた残渣をトルエン及びヘプタンの混合液で再結晶することで、白色固体として化合物Mc1を81.0g得た。得られた化合物Mc1のHPLC面積百分率値(UV254nm)は99.5%であった。この操作を繰り返し行うことで、化合物Mc1の必要量を得た。
得られた化合物Mc1のH−NMR測定結果を以下に示す。
H−NMR(CDCl,300MHz) δ(ppm):0.71−0.83(2H,m),1.27(4H,t),1.58−1.68(2H,m),2.49−2.54(2H,m),3.08−3.19(4H,m),3.49(2H,t),6.89(1H,s),6.94(1H,d),7.07(1H,d),7.25−7.44(6H,m),7.83(2H,d).
<2−13>化合物Mc2の合成
撹拌器を備えたフラスコ内の気体を窒素ガスで置換した後、化合物Mc1(124.4g)、ヨウ化ナトリウム(385.5g)及びアセトン(786ml)を加えた後、還流温度まで昇温し、還流温度で34時間撹拌した。その後、室温まで冷却し、得られた混合液にヘプタン、トルエン及び水を加えた後、水層を分離した。得られた有機層を水で洗浄した後、硫酸マグネシウムを加えた。得られた混合液をろ過し、得られたろ液を減圧濃縮することで粗生成物を得た。得られた粗生成物を、ヘプタン及びイソプロパノールの混合液で再結晶することで、白色固体として化合物Mc2を143g得た。得られた化合物Mc2のHPLC面積百分率値(UV254nm)は99.4%であった。
得られた化合物Mc2のH−NMR測定結果を以下に示す。
H−NMR(CDCl,300MHz) δ(ppm):0.71−0.83(2H,m),1.20−1.36(4H,m),1.60−1.70(2H,m),2.48−2.54(2H,m),3.13−3.18(6H,m),6.89(1H,s),6.94(1H,d),7.07(1H,d),7.25−7.44(6H,m),7.83(2H,d).
<2−14>化合物Mc4の合成
撹拌器を備えたフラスコ内の気体を窒素ガスで置換した後、水素化ナトリウム(60重量%、流動パラフィンに分散)(1.0g)、テトラヒドロフラン(42.5ml)、N, N−ジメチルホルムアミド(42.5ml)及びMc2(10.8g)を加えた。
その後、フラスコ全体を遮光し、0〜5℃に冷却した。そこへ、特表2014−506609号公報記載の合成法に従い合成した化合物Mc3(10.6g)及びテトラヒドロフラン(42.5ml)の混合液を1時間かけて加えた後、0〜5℃で4時間撹拌した。
得られた反応混合物を室温まで昇温した後、トルエン(106ml)及び水(106ml)を加え、水層を分離した。得られた有機層を水で洗浄した後、硫酸ナトリウムを加えた。得られた混合液を、シリカゲルを敷き詰めたろ過器でろ過し、得られたろ液を減圧濃縮することで粗生成物を得た。得られた粗生成物を、酢酸エチル及びアセトニトリルの混合液で再結晶する操作を繰り返すことで、白色固体として化合物Mc4を14.3g得た。得られた化合物Mc4のHPLC面積百分率値(UV254nm)は99.5%以上であった。
得られた化合物Mc4のLC−MS測定結果を以下に示す。
LC−MS(positive)m/z:955([M+K]
得られた化合物Mc4のH−NMR測定結果を以下に示す。
H−NMR(CDCl,300MHz) δ(ppm):0.56−0.65(4H,m),0.90−1.32(22H,m),1.54−1.58(4H,m),2.34−2.42(4H,m),2.52(4H,t),3.12(4H,d),6.74(2H,s),6.85(1H,s),6.92(2H,d),7.00−7.05(1H,m),7.19(2H,d),7.26−7.41(6H,m),7.53(2H,d),7.65(2H,d),7.80(2H,d).
<2−15>化合物MM6の合成
撹拌器を備えたフラスコ内の気体を窒素ガスで置換した後、化合物Mc4(14.3g)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド ジクロロメタン付加物(PdCl2(dppf)・CHCl、0.51g)、ビスピナコラートジボロン(9.5g)、酢酸カリウム(9.3g)及び1,2−ジメトキシエタン(143ml)を加え、還流温度まで昇温した後、還流温度で12時間撹拌した。得られた反応混合物を室温まで冷却した後、トルエン(143ml)を加え、セライトを敷き詰めたろ過器でろ過した。得られたろ液を減圧濃縮することで粗生成物を得た。得られた粗生成物を、トルエン(173ml)及びヘプタン(173ml)の混合液に溶解させた後、活性炭(4.6g)を加え、シリカゲル及びセライトを敷き詰めたろ過器でろ過した。得られたろ液を減圧濃縮して、得られた残渣を、酢酸エチル及びアセトニトリルの混合液で再結晶する操作を繰り返すことで、白色固体として化合物MM6を11.2g得た。得られた化合物MM6のHPLC面積百分率値(UV254nm)は99.5%であった。
得られた化合物MM6のLC−MS測定結果を以下に示す。
LC−MS(positive)m/z:1031([M+NH
得られた化合物MM6のH−NMR測定結果を以下に示す。
H−NMR(CDCl,300MHz) δ(ppm):0.50−0.68(4H,m),0.90−1.00(10H,m),1.31−1.58(40H,m),2.34−2.53(8H,m),3.12(4H,s),6.76(2H,s),6.83(1H,s),6.90(2H,d),6.98−7.04(1H,m),7.17(2H,d),7.27(2H,t),7.37(2H,t),7.55(2H,s),7.77−7.83(6H,m).
<2−16>高分子化合物P3の合成
以下の方法により、高分子化合物P3を合成した。
上記高分子化合物P1の合成における(工程1)を、下記(工程1−3)に変更したこと以外は、上記高分子化合物P1の合成と同様の方法により、高分子化合物P3を1.19g得た。
(工程1−3)反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、化合物MM6(0.80419g)、国際公開第2013/191088号に記載の化合物MM7(0.11088g)、化合物MM3(0.86213g)、化合物MM4(0.11288g)、ジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(0.88mg)及びトルエン(34mL)を加え、105℃に加熱した。
高分子化合物P3のポリスチレン換算の数平均分子量は3.0×10であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は2.0×10であった。
高分子化合物P3は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物MM6から形成される構成単位と、化合物MM7から形成される構成単位と、化合物MM3から形成される構成単位と、化合物MM4から形成される構成単位とを、40:10:47:3のモル比で含む共重合体である。高分子化合物P3について、上述の方法で計算した分子量1000あたりの架橋基の平均数は0.82であった。
<2−17>高分子化合物P4の合成
以下の方法により、高分子化合物P4を合成した。
上記高分子化合物P1の合成における(工程1)を下記(工程1−4)に変更し、(工程2)を下記(工程2−4)に変更し、(工程3)を下記(工程3−4)に変更したこと以外は、上記高分子化合物P1の合成と同様の方法により、高分子化合物P4を2.01g得た。
(工程1−4)反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、特開2011−174062号公報に記載の化合物MM12(0.27281g)、化合物MM3(0.37418g)、化合物MM4(0.16929g)、ジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(0.44mg)及びトルエン(31mL)を加え、105℃に加熱した。
(工程2−4)反応液に、20重量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(10.0mL)を滴下し、3.5時間還流させた後、化合物MM1(0.92538g)、化合物MM7(0.16637g)、化合物MM3(0.91904g)、ジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(0.88mg)及びトルエン(13mL)を加え、さらに、6時間還流させた。
(工程3−4)反応後、そこに、フェニルボロン酸(73.2mg)及びジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(1.32mg)を加え、14.5時間還流させた。
高分子化合物P4のポリスチレン換算の数平均分子量は3.3×10であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は1.7×10であった。
高分子化合物P4は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物MM12から形成される構成単位と、化合物MM1から形成される構成単位と、化合物MM7から形成される構成単位と、化合物MM3から形成される構成単位と、化合物MM4から形成される構成単位とを、10:30:10:47:3のモル比で含む共重合体である。高分子化合物P4について、上述の方法で計算した分子量1000あたりの架橋基の平均数は1.09であった。
<2−18>高分子化合物P5の合成
以下の方法により、高分子化合物P5を合成した。
上記高分子化合物P1の合成における(工程1)を下記(工程1−5)に変更し、(工程2)を下記(工程2−5)に変更し、(工程3)を下記(工程3−5)に変更したこと以外は、上記高分子化合物P1の合成と同様の方法により、高分子化合物P5を1.26g得た。
(工程1−5)反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、化合物MM1(1.23596g)、化合物MM2(0.14849g)、特開2007−511636号公報に記載の化合物MM13(0.60981g)、化合物MM4(0.16851g)、ジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(2.64mg)及びトルエン(31mL)を加え、105℃に加熱した。
(工程2−5)反応液に、16重量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(20.7mL)を滴下し、6時間還流させた。
(工程3−5)反応後、そこに、フェニルボロン酸(73.2mg)及びジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(1.32mg)を加え、14.5時間還流させた。
高分子化合物P5のポリスチレン換算の数平均分子量は3.7×10であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は1.7×10であった。
高分子化合物P5は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物MM1から形成される構成単位と、化合物MM2から形成される構成単位と、化合物MM13から形成される構成単位と、化合物MM4から形成される構成単位とを、40:10:47:3のモル比で含む共重合体である。高分子化合物P5について、上述の方法で計算した分子量1000あたりの架橋基の平均数は2.87であった。
<高分子化合物P1〜P5の燐光発光スペクトルの評価>
<評価例E1> 発光素子E1の作製と評価
ガラス基板にスパッタ法により45nmの厚みでITO膜を付けることにより陽極を形成した。該陽極上に、ポリチオフェン・スルホン酸系の正孔注入剤であるAQ−1200(Plectronics社製)をスピンコート法により35nmの厚さで成膜し、大気雰囲気中において、ホットプレート上で170℃、15分間加熱することにより正孔注入層を形成した。
キシレンに、高分子化合物P1を1.8重量%の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を用いて、正孔注入層の上にスピンコート法により70nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気中において、ホットプレート上で180℃、60分間加熱することにより発光層を形成した。
発光層の上に、陰極としてフッ化ナトリウムを約7nm、次いでアルミニウムを約120nm蒸着して、発光素子E1を作製した。なお、真空度が、1×10−4Pa以下に到達した後に金属の蒸着を開始した。
発光素子E1に12Vの電圧を印加したところ、化合物MM4から得られる構成単位に由来するEL発光(発光ピーク波長600nm)が得られた。
<評価例E2> 発光素子E2の作製と評価
高分子化合物P1に代えて高分子化合物P2を用いた以外は評価例E1と同様にして、発光素子E2を作製した。
発光素子E2に12Vの電圧を印加したところ、化合物MM4から得られる構成単位に由来するEL発光(発光ピーク波長600nm)が得られた。
<評価例E3> 発光素子E3の作製と評価
高分子化合物P1に代えて高分子化合物P3を用いた以外は評価例E1と同様にして、発光素子E3を作製した。
発光素子E3に12Vの電圧を印加したところ、化合物MM4から得られる構成単位に由来するEL発光(発光ピーク波長605nm)が得られた。
<評価例E4> 発光素子E4の作製と評価
高分子化合物P1に代えて高分子化合物P4を用いた以外は評価例E1と同様にして、発光素子E4を作製した。
発光素子E4に12Vの電圧を印加したところ、化合物MM4から得られる構成単位に由来するEL発光(発光ピーク波長605nm)が得られた。
<評価例E5> 発光素子E5の作製と評価
高分子化合物P1に代えて高分子化合物P5を用いた以外は評価例E1と同様にして、発光素子E5を作製した。
発光素子E5に12Vの電圧を印加したところ、化合物MM4から得られる構成単位に由来するEL発光(発光ピーク波長605nm)が得られた。
(3)その他の高分子化合物
<3−1>高分子化合物E1の合成
以下の方法により、高分子化合物E1を合成した。
(工程1)反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、化合物MM5(2.2g)、国際公開第2013/191088号に記載の化合物MM8(1.3g)、ジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(2.3mg)、及びトルエン(55mL)を加え、105℃に加熱した。
(工程2)その後、そこに、20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(9.1g)を滴下し、4時間還流させた。
(工程3)その後、そこに、2−イソプロピルフェニルボロン酸(0.47g)及びジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(2.2mg)を加え、16時間還流させた。
(工程4)その後、そこに、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、85℃で5時間撹拌した。得られた反応液を冷却後、塩酸、アンモニア水、イオン交換水で洗浄し、得られた有機層をメタノールに滴下したところ、沈澱が生じた。沈殿物をろ取し、乾燥させることにより得た固体をトルエンに溶解させ、予めトルエンを通液したアルミナカラム及びシリカゲルカラムに順番に通すことにより精製した。得られた精製液をメタノールに滴下し、撹拌したところ、沈殿が生じた。沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、高分子化合物E1(2.3g)を得た。
高分子化合物E1のポリスチレン換算の数平均分子量は7.4×10であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は2.3×10であった。
高分子化合物E1は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物MM5から形成される構成単位と、化合物MM8から形成される構成単位とを、50:50のモル比で含む共重合体である。
<3−2>高分子化合物E2の合成
以下の方法により、高分子化合物E2を合成した。
(工程1)反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、特開2012−33845号公報に記載の方法に従って合成した化合物MM9(9.23g)、化合物MM5(4.58g)、ジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(8.6mg)及びトルエン(175mL)を加え、105℃に加熱した。
(工程2)その後、そこに、12重量%炭酸ナトリウム水溶液(40.3mL)を滴下し、29時間還流させた。
(工程3)その後、そこに、フェニルボロン酸(0.47g)及びジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(8.7mg)を加え、14時間還流させた。
(工程4)その後、そこに、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。得られた反応液を冷却後、メタノールに滴下したところ、沈澱が生じた。沈殿物をろ取し、メタノール、水で洗浄後、乾燥させることにより得た固体をクロロホルムに溶解させ、予めクロロホルムを通液したアルミナカラム及びシリカゲルカラムに順番に通すことにより精製した。得られた精製液をメタノールに滴下し、撹拌したところ、沈殿が生じた。沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、高分子化合物E2を7.15g得た。
高分子化合物E2のポリスチレン換算の数平均分子量は3.2×10であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は6.0×10であった。
高分子化合物E2は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物MM9から形成される構成単位と、化合物MM5から形成される構成単位とを、50:50のモル比で含む共重合体である。
<3−3>高分子化合物E3の合成
(工程1)高分子化合物E2(3.1g)を反応容器に加えた後、反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした。その後、そこへ、テトラヒドロフラン(130mL)及びメタノール(66mL)、水酸化セシウム一水和物(2.1g)及び水(12.5mL)を加え、60℃で3時間撹拌した。
(工程2)その後、そこに、メタノール(220mL)を加え、2時間撹拌した。得られた反応混合物を濃縮した後、イソプロピルアルコールに滴下し、攪拌したところ、沈殿が生じた。沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、高分子化合物E3(3.5g)を得た。
高分子化合物E3は、理論上では、下記で表される構成単位からなる共重合体である。
<3−4>高分子化合物E4の合成
以下の方法により、高分子化合物E4を合成した。
高分子化合物E4は、化合物MM5、国際公開第2012/86671号に記載の化合物MM10、特開2010−189630号公報に記載の化合物MM11を用いて、特開2012−36388号公報記載の方法に従って合成した。
高分子化合物E4のポリスチレン換算の数平均分子量は8.2×10であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は2.1×10であった。
高分子化合物E4は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物MM5から形成される構成単位と、化合物MM10から形成される構成単位と、化合物MM11から形成される構成単位とを、50:40:10のモル比で含む共重合体である。
[実施例1]発光素子1の作製と評価
(陽極及び正孔注入層の形成)
ガラス基板にスパッタ法により45nmの厚みでITO膜を付けることにより陽極を形成した。該陽極上に、ポリチオフェン・スルホン酸系の正孔注入剤であるAQ−1200(Plextronics社製)をスピンコート法により35nmの厚さで成膜し、大気雰囲気下において、ホットプレート上で170℃、15分間加熱することにより正孔注入層を形成した。
(正孔輸送層の形成)
キシレンに、高分子化合物P1を0.7重量%の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を用いて、正孔注入層の上にスピンコート法により20nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、ホットプレート上で180℃、10分間加熱させることにより正孔輸送層を形成した。
(発光層の形成)
トルエンに、2,8−di(9H−carbazol−9−yl)dibenzo[b,d]thiophene(DCzDBT)(Luminescence Technology Corp社製)及び燐光発光性化合物1(DCzDBT/燐光発光性化合物1=75重量%/25重量%)を2.0重量%の濃度で溶解させた。得られたトルエン溶液を用いて、正孔輸送層の上にスピンコート法により75nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、130℃、10分間加熱させることにより発光層を形成した。
(電子輸送層の形成)
2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−ペンタノールに、高分子化合物E3を0.25重量%の濃度で溶解させた。得られた2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−ペンタノール溶液を用いて、発光層の上にスピンコート法により10nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、130℃、10分加熱させることにより電子輸送層を形成した。
(陰極の形成)
電子輸送層の形成した基板を蒸着機内において、1.0×10−4Pa以下にまで減圧した後、陰極として、発光層の上にフッ化ナトリウムを約4nm、次いで、フッ化ナトリウム層の上にアルミニウムを約80nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止することにより、発光素子1を作製した。
(発光素子の評価)
発光素子1に電圧を印加することによりEL発光が観測された。駆動電圧が6.2[V]の時に250cd/mを示し、電力効率は13.4lm/W、色度座標(x,y)は(0.51,0.40)であった。
[実施例2]発光素子2の作製と評価
(発光素子の作製)
高分子化合物P1に代えて、高分子化合物P1:高分子化合物P2=90:10の組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして発光素子2を作製した。
(発光素子の評価)
発光素子2に電圧を印加することによりEL発光が観測された。駆動電圧が6.6[V]の時に250cd/mを示し、電力効率は12.0lm/W、色度座標(x,y)は(0.52,0.40)であった。
[実施例3]発光素子3の作製と評価
(発光素子の作製)
高分子化合物P1に代えて、高分子化合物P1:高分子化合物P2=80:20の組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして発光素子3を作製した。
(発光素子の評価)
発光素子3に電圧を印加することによりEL発光が観測された。駆動電圧が6.8[V]の時に250cd/mを示し、電力効率は10.9lm/W、色度座標(x,y)は(0.53,0.40)であった。
[実施例4]発光素子4の作製と評価
(発光素子の作製)
高分子化合物P1に代えて、高分子化合物P1:高分子化合物P2=70:30の組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして発光素子4を作製した。
(発光素子の評価)
発光素子4に電圧を印加することによりEL発光が観測された。駆動電圧が6.8[V]の時に250cd/mを示し、電力効率は10.6lm/W、色度座標(x,y)は(0.54,0.40)であった。
[実施例5]発光素子5の作製と評価
(発光素子の作製)
高分子化合物P1に代えて、高分子化合物P1:高分子化合物P2=60:40の組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして発光素子5を作製した。
(発光素子の評価)
発光素子5に電圧を印加することによりEL発光が観測された。駆動電圧が6.5[V]の時に250cd/mを示し、電力効率は10.5lm/W、色度座標(x,y)は(0.54,0.40)であった。
[実施例6]発光素子6の作製と評価
(発光素子の作製)
高分子化合物P1に代えて、高分子化合物P1:高分子化合物P2=50:50の組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして発光素子6を作製した。
(発光素子の評価)
発光素子6に電圧を印加することによりEL発光が観測された。駆動電圧が6.6[V]の時に250cd/mを示し、電力効率は10.3lm/W、色度座標(x,y)は(0.54,0.40)であった。
[実施例7]発光素子7の作製と評価
(発光素子の作製)
高分子化合物P1に代えて、高分子化合物P1:高分子化合物P2=40:60の組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして発光素子7を作製した。
(発光素子の評価)
発光素子7に電圧を印加することによりEL発光が観測された。駆動電圧が7.2[V]の時に250cd/mを示し、電力効率は10.3lm/W、色度座標(x,y)は(0.52,0.41)であった。
[実施例8]発光素子8の作製と評価
(発光素子の作製)
高分子化合物P1に代えて、高分子化合物P1:高分子化合物P2=30:70の組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして発光素子8を作製した。
(発光素子の評価)
発光素子8に電圧を印加することによりEL発光が観測された。駆動電圧が7.1[V]の時に250cd/mを示し、電力効率は10.5lm/W、色度座標(x,y)は(0.53,0.40)であった。
[比較例1]発光素子C1の作製と評価
(発光素子の作製)
高分子化合物P1に代えて、高分子化合物P1:高分子化合物P2=10:90の組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして発光素子C1を作製した。
(発光素子の評価)
発光素子C1に電圧を印加することによりEL発光が観測された。駆動電圧が7.1[V]の時に250cd/mを示し、電力効率は9.5lm/W、色度座標(x,y)は(0.53,0.40)であった。
[比較例2]発光素子C2の作製と評価
(発光素子の作製)
高分子化合物P1に代えて、高分子化合物P2を用いたこと以外は、実施例1と同様にして発光素子C2を作製した。
(発光素子の評価)
発光素子C2に電圧を印加することによりEL発光が観測された。駆動電圧が6.4[V]の時に250cd/mを示し、電力効率は9.4lm/W、色度座標(x,y)は(0.55,0.40)であった。
実施例1〜7及び比較例1〜2の結果を表4に示す。
[実施例9]発光素子9の作製と評価
(陽極及び正孔注入層の形成)
ガラス基板にスパッタ法により45nmの厚みでITO膜を付けることにより陽極を形成した。該陽極上に、ポリチオフェン・スルホン酸系の正孔注入剤であるAQ−1200(Plextronics社製)をスピンコート法により35nmの厚さで成膜し、大気雰囲気下において、ホットプレート上で170℃、15分間加熱することにより正孔注入層を形成した。
(正孔輸送層の形成)
キシレンに、高分子化合物P1を0.7重量%の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を用いて、正孔注入層の上にスピンコート法により20nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、ホットプレート上で180℃、10分間加熱させることにより正孔輸送層を形成した。
(発光層の形成)
キシレンに、高分子化合物E1及び燐光発光性化合物2(高分子化合物E1/燐光発光性化合物2=75重量%/25重量%)を1.5重量%の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を用いて、正孔輸送層の上にスピンコート法により75nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、130℃、10分間加熱させることにより発光層を形成した。
(電子輸送層の形成)
2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−ペンタノールに、高分子化合物E3を0.25重量%の濃度で溶解させた。得られた2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−ペンタノール溶液を用いて、発光層の上にスピンコート法により10nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、130℃、10分加熱させることにより電子輸送層を形成した。
(陰極の形成)
電子輸送層の形成した基板を蒸着機内において、1.0×10−4Pa以下にまで減圧した後、陰極として、発光層の上にフッ化ナトリウムを約4nm、次いで、フッ化ナトリウム層の上にアルミニウムを約80nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止することにより、発光素子9を作製した。
(発光素子の評価)
発光素子9に電圧を印加することによりEL発光が観測された。駆動電圧が7.40[V]の時に250cd/mを示し、電力効率は13.2lm/W、色度座標(x,y)は(0.35,0.39)であった。
[比較例3]発光素子C3の作製と評価
(発光素子の作製)
高分子化合物P1に代えて、高分子化合物P2を用いたこと以外は、実施例9と同様にして発光素子C3を作製した。
(発光素子の評価)
発光素子C3に電圧を印加することによりEL発光が観測された。駆動電圧が8.33[V]の時に250cd/mを示し、電力効率は9.4lm/W、色度座標(x,y)は(0.38,0.38)であった。
実施例9及び比較例3の結果を表5に示す。
[実施例10]発光素子10の作製と評価
(陽極及び正孔注入層の形成)
ガラス基板にスパッタ法により45nmの厚みでITO膜を付けることにより陽極を形成した。該陽極上に、ポリチオフェン・スルホン酸系の正孔注入剤であるAQ−1200(Plextronics社製)をスピンコート法により35nmの厚さで成膜し、大気雰囲気下において、ホットプレート上で170℃、15分間加熱することにより正孔注入層を形成した。
(正孔輸送層の形成)
キシレンに、高分子化合物P1を0.7重量%の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を用いて、正孔注入層の上にスピンコート法により20nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、ホットプレート上で180℃、60分間加熱させることにより正孔輸送層を形成した。
(発光層の形成)
トルエンに、2,8−di(9H−carbazol−9−yl)dibenzo[b,d]thiophene(DCzDBT)(Luminescence Technology Corp社製)、燐光発光性化合物2及び燐光発光性化合物3(DCzDBT/燐光発光性化合物2/燐光発光性化合物3=74重量%/25重量%/1重量%)を2.0重量%の濃度で溶解させた。得られたトルエン溶液を用いて、正孔輸送層の上にスピンコート法により75nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、130℃、10分間加熱させることにより発光層を形成した。
(電子輸送層の形成)
2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−ペンタノールに、高分子化合物E3を0.25重量%の濃度で溶解させた。得られた2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−ペンタノール溶液を用いて、発光層の上にスピンコート法により10nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、130℃、10分加熱させることにより電子輸送層を形成した。
(陰極の形成)
電子輸送層の形成した基板を蒸着機内において、1.0×10−4Pa以下にまで減圧した後、陰極として、発光層の上にフッ化ナトリウムを約4nm、次いで、フッ化ナトリウム層の上にアルミニウムを約80nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止することにより、発光素子10を作製した。
(発光素子の評価)
発光素子10に電圧を印加することによりEL発光が観測された。駆動電圧が6.1[V]の時に1000cd/mを示し、電力効率は19.1lm/W、色度座標(x,y)は(0.43,0.47)であった。
[実施例11]発光素子11の作製と評価
(発光素子の作製)
高分子化合物P1に代えて、高分子化合物P3を用いたこと以外は、実施例10と同様にして発光素子11を作製した。
(発光素子の評価)
発光素子11に電圧を印加することによりEL発光が観測された。駆動電圧が5.2[V]の時に1000cd/mを示し、電力効率は21.6lm/W、色度座標(x,y)は(0.44,0.45)であった。
[実施例12]発光素子12の作製と評価
(発光素子の作製)
高分子化合物P1に代えて、高分子化合物P4を用いたこと以外は、実施例10と同様にして発光素子12を作製した。
(発光素子の評価)
発光素子12に電圧を印加することによりEL発光が観測された。駆動電圧が5.4[V]の時に1000cd/mを示し、電力効率は18.5lm/W、色度座標(x,y)は(0.48,0.44)であった。
[比較例4]発光素子C4の作製と評価
(発光素子の作製)
高分子化合物P1に代えて、高分子化合物P2を用いたこと以外は、実施例10と同様にして発光素子C4を作製した。
(発光素子の評価)
発光素子C4に電圧を印加することによりEL発光が観測された。駆動電圧が6.9[V]の時に1000cd/mを示し、電力効率は15.3lm/W、色度座標(x,y)は(0.48,0.44)であった。
実施例10〜12及び比較例4の結果を表6に示す。
実験例13]発光素子13の作製と評価
(陽極及び正孔注入層の形成)
ガラス基板にスパッタ法により45nmの厚みでITO膜を付けることにより陽極を形成した。該陽極上に、ポリチオフェン・スルホン酸系の正孔注入剤であるAQ−1200(Plextronics社製)をスピンコート法により65nmの厚さで成膜し、大気雰囲気下において、ホットプレート上で170℃、15分間加熱することにより正孔注入層を形成した。
(正孔輸送層の形成)
キシレンに、高分子化合物P1を0.7重量%の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を用いて、正孔注入層の上にスピンコート法により20nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、ホットプレート上で180℃、60分間加熱させることにより正孔輸送層を形成した。
(発光層の形成)
キシレンに、高分子化合物E4及び燐光発光性化合物3(高分子化合物E4/燐光発光性化合物3=60重量%/40重量%)を1.8重量%の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を用いて、正孔輸送層の上にスピンコート法により80nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、150℃、10分間加熱させることにより発光層を形成した。
(陰極の形成)
発光層の形成した基板を蒸着機内において、1.0×10−4Pa以下にまで減圧した後、陰極として、発光層の上にフッ化ナトリウムを約4nm、次いで、フッ化ナトリウム層の上にアルミニウムを約80nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止することにより、発光素子13を作製した。
(発光素子の評価)
発光素子13に電圧を印加することによりEL発光が観測された。駆動電圧が5.25[V]の時に1000cd/mを示し、電力効率は36.4lm/W、色度座標(x,y)は(0.40,0.56)であった。
[比較例5]発光素子C5の作製と評価
(発光素子の作製)
高分子化合物P1に代えて、高分子化合物P2を用いたこと以外は、実験例13と同様にして発光素子C5を作製した。
(発光素子の評価)
発光素子C5に電圧を印加することによりEL発光が観測された。駆動電圧が5.13[V]の時に1000cd/mを示し、電力効率は33.4lm/W、色度座標(x,y)は(0.42,0.55)であった。
実験例13及び比較例5の結果を表7に示す。

[実施例14]発光素子14の作製と評価
(陽極及び正孔注入層の形成)
ガラス基板にスパッタ法により45nmの厚みでITO膜を付けることにより陽極を形成した。該陽極上に、ポリチオフェン・スルホン酸系の正孔注入剤であるAQ−1200(Plextronics社製)をスピンコート法により35nmの厚さで成膜し、大気雰囲気下において、ホットプレート上で170℃、15分間加熱することにより正孔注入層を形成した。
(正孔輸送層の形成)
キシレンに、高分子化合物P1を0.7重量%の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を用いて、正孔注入層の上にスピンコート法により20nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、ホットプレート上で180℃、60分間加熱させることにより正孔輸送層を形成した。
(発光層の形成)
トルエンに、2,8−ジ(9H−カルバゾール−9−イル)ジベンゾ[b,d]チオフェン(DCzDBT)(Luminescence Technology Corp社製)、燐光発光性化合物4及び燐光発光性化合物3(DCzDBT/燐光発光性化合物4/燐光発光性化合物3=74重量%/25重量%/1重量%)を2.0重量%の濃度で溶解させた。得られたトルエン溶液を用いて、正孔輸送層の上にスピンコート法により75nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、130℃、10分間加熱させることにより発光層を形成した。
(電子輸送層の形成)
2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−ペンタノールに、高分子化合物E3を0.25重量%の濃度で溶解させた。得られた2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−ペンタノール溶液を用いて、発光層の上にスピンコート法により10nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、130℃、10分加熱させることにより電子輸送層を形成した。
(陰極の形成)
電子輸送層の形成した基板を蒸着機内において、1.0×10−4Pa以下にまで減圧した後、陰極として、発光層の上にフッ化ナトリウムを約4nm、次いで、フッ化ナトリウム層の上にアルミニウムを約80nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止することにより、発光素子14を作製した。
(発光素子の評価)
発光素子14に電圧を印加することによりEL発光が観測された。駆動電圧が3.9[V]の時に1000cd/mを示し、電力効率は29.0lm/W、色度座標(x,y)は(0.55,0.41)であった。
[比較例6]発光素子C6の作製と評価
(発光素子の作製)
高分子化合物P1に代えて、高分子化合物P2を用いたこと以外は、実施例14と同様にして発光素子C6を作製した。
(発光素子の評価)
発光素子C6に電圧を印加することによりEL発光が観測された。駆動電圧が4.4[V]の時に1000cd/mを示し、電力効率は22.9lm/W、色度座標(x,y)は(0.54,0.42)であった。
実施例14及び比較例6の結果を表8に示す。
[実施例15]発光素子15の作製と評価
(陽極及び正孔注入層の形成)
ガラス基板にスパッタ法により45nmの厚みでITO膜を付けることにより陽極を形成した。該陽極上に、ポリチオフェン・スルホン酸系の正孔注入剤であるAQ−1200(Plextronics社製)をスピンコート法により35nmの厚さで成膜し、大気雰囲気下において、ホットプレート上で170℃、15分間加熱することにより正孔注入層を形成した。
(正孔輸送層の形成)
キシレンに、高分子化合物P1を0.7重量%の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を用いて、正孔注入層の上にスピンコート法により20nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、ホットプレート上で180℃、60分間加熱させることにより正孔輸送層を形成した。
(発光層の形成)
トルエンに、2,8−ジ(9H−カルバゾール−9−イル)ジベンゾ[b,d]チオフェン(DCzDBT)(Luminescence Technology Corp社製)、燐光発光性化合物4(DCzDBT/燐光発光性化合物4=75重量%/25重量%)を2.0重量%の濃度で溶解させた。得られたトルエン溶液を用いて、正孔輸送層の上にスピンコート法により75nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、130℃、10分間加熱させることにより発光層を形成した。
(電子輸送層の形成)
2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−ペンタノールに、高分子化合物E3を0.25重量%の濃度で溶解させた。得られた2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−ペンタノール溶液を用いて、発光層の上にスピンコート法により10nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、130℃、10分加熱させることにより電子輸送層を形成した。
(陰極の形成)
電子輸送層の形成した基板を蒸着機内において、1.0×10−4Pa以下にまで減圧した後、陰極として、発光層の上にフッ化ナトリウムを約4nm、次いで、フッ化ナトリウム層の上にアルミニウムを約80nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止することにより、発光素子15を作製した。
(発光素子の評価)
発光素子15に電圧を印加することによりEL発光が観測された。駆動電圧が3.9[V]の時に1000cd/mを示し、電力効率は26.3lm/W、色度座標(x,y)は(0.56,0.39)であった。
[実施例16]発光素子16の作製と評価
(発光素子の作製)
高分子化合物P1に代えて、高分子化合物P5を用いたこと以外は、実施例15と同様にして発光素子16を作製した。
(発光素子の評価)
発光素子16に電圧を印加することによりEL発光が観測された。駆動電圧が4.4[V]の時に1000cd/mを示し、電力効率は24.0lm/W、色度座標(x,y)は(0.46,0.35)であった。
[比較例7]発光素子C7の作製と評価
(発光素子の作製)
高分子化合物P1に代えて、高分子化合物P2を用いたこと以外は、実施例15と同様にして発光素子C7を作製した。
(発光素子の評価)
発光素子C7に電圧を印加することによりEL発光が観測された。駆動電圧が4.3[V]の時に1000cd/mを示し、電力効率は13.7lm/W、色度座標(x,y)は(0.57,0.39)であった。
実施例15〜16及び比較例7の結果を表9に示す。
[実施例17]発光素子17の作製と評価
(陽極及び正孔注入層の形成)
ガラス基板にスパッタ法により45nmの厚みでITO膜を付けることにより陽極を形成した。該陽極上に、ポリチオフェン・スルホン酸系の正孔注入剤であるAQ−1200(Plextronics社製)をスピンコート法により35nmの厚さで成膜し、大気雰囲気下において、ホットプレート上で170℃、15分間加熱することにより正孔注入層を形成した。
(正孔輸送層の形成)
キシレンに、高分子化合物P1を0.7重量%の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を用いて、正孔注入層の上にスピンコート法により20nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、ホットプレート上で180℃、60分間加熱させることにより正孔輸送層を形成した。
(発光層の形成)
トルエンに、2,8−ジ(9H−カルバゾール−9−イル)ジベンゾ[b,d]チオフェン(DCzDBT)(Luminescence Technology Corp社製)、燐光発光性化合物5(DCzDBT/燐光発光性化合物5=75重量%/25重量%)を2.0重量%の濃度で溶解させた。得られたトルエン溶液を用いて、正孔輸送層の上にスピンコート法により75nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、130℃、10分間加熱させることにより発光層を形成した。
(電子輸送層の形成)
2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−ペンタノールに、高分子化合物E3を0.25重量%の濃度で溶解させた。得られた2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−ペンタノール溶液を用いて、発光層の上にスピンコート法により10nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、130℃、10分加熱させることにより電子輸送層を形成した。
(陰極の形成)
電子輸送層の形成した基板を蒸着機内において、1.0×10−4Pa以下にまで減圧した後、陰極として、発光層の上にフッ化ナトリウムを約4nm、次いで、フッ化ナトリウム層の上にアルミニウムを約80nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止することにより、発光素子17を作製した。
(発光素子の評価)
発光素子17に電圧を印加することによりEL発光が観測された。駆動電圧が3.2[V]の時に1000cd/mを示し、電力効率は38.9lm/W、色度座標(x,y)は(0.55,0.40)であった。
[実施例18]発光素子18の作製と評価
(発光素子の作製)
高分子化合物P1に代えて、高分子化合物P5を用いたこと以外は、実施例17と同様にして発光素子18を作製した。
(発光素子の評価)
発光素子18に電圧を印加することによりEL発光が観測された。駆動電圧が4.1[V]の時に1000cd/mを示し、電力効率は28.3lm/W、色度座標(x,y)は(0.44,0.38)であった。
[比較例8]発光素子C8の作製と評価
(発光素子の作製)
高分子化合物P1に代えて、高分子化合物P2を用いたこと以外は、実施例17と同様にして発光素子C8を作製した。
(発光素子の評価)
発光素子C8に電圧を印加することによりEL発光が観測された。駆動電圧が3.7[V]の時に1000cd/mを示し、電力効率は16.9lm/W、色度座標(x,y)は(0.55,0.40)であった。
実施例17〜18及び比較例8の結果を表10に示す。
本発明によれば、電力効率に優れる発光素子が提供される。本発明に係る発光素子は、面状光源、表示装置等に好適に利用可能であり、産業上の利用可能性に優れる。

Claims (5)

  1. 陽極と、
    陰極と、
    前記陽極及び前記陰極の間に設けられた第1の有機層と、
    前記陽極及び前記第1の有機層の間に設けられた第2の有機層とを有する発光素子であって、
    前記第1の有機層が、式(1−A)で表される燐光発光性化合物を含み、
    前記第2の有機層が、1種又は2種以上の高分子化合物が配合された高分子組成物から形成される高分子硬化物を含み、
    前記高分子化合物の少なくとも1種が、架橋基を有する構成単位として、式(2)で表される構成単位及び式(3)で表される構成単位からなる群より選択される少なくとも一種の構成単位を含み、
    前記高分子化合物の少なくとも1種が、燐光発光性構成単位を含み、
    前記高分子化合物を構成する各単量体単位について、全単量体単位の総モルに対するその単量体単位のモル比Cとその単量体単位の分子量Mとを乗じた値x、及び、前記モル比Cとその単量体単位が有する前記架橋基の数nとを乗じた値yを求めたとき、前記xの総和X及び前記yの総和Yから計算される(Y×1000)/Xの値が、0.6以上である、発光素子(但し、前記燐光発光性化合物が下記式(EM1)で表される金属錯体であり、且つ、前記高分子化合物が下記式(CM1)で表される化合物から誘導される構成単位と下記式(CM8)で表される化合物から誘導される構成単位と下記式(CM10)で表される化合物から誘導される構成単位と下記式(CM11)で表される化合物から誘導される構成単位と下記式(CM12)で表される化合物から誘導される構成単位とが30:35.5:10:10:14.5のモル比で構成されてなる高分子化合物である発光素子を除く)

    [式中、
    Mは、ルテニウム原子、ロジウム原子、パラジウム原子、イリジウム原子又は白金原子を表す。
    は1〜3の整数を表し、nは0〜2の整数を表し、n+nは2又は3である。Mがルテニウム原子、ロジウム原子又はイリジウム原子の場合、n+nは3であり、Mがパラジウム原子又は白金原子の場合、n+nは2である。
    は、炭素原子又は窒素原子を表す。Eが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    11A、E12A、E13A、E21A、E22A、E23A及びE24Aは、それぞれ独立に、窒素原子又は炭素原子を表す。E11A、E12A、E13A、E21A、E22A、E23A及びE24Aが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。E11A、E12A及びE13Aが窒素原子の場合、R11A、R12A及びR13Aは、存在しても存在しなくてもよい。E21A、E22A、E23A及びE24Aが窒素原子の場合、R21A、R22A、R23A及びR24Aは、存在しない。
    11A、R12A、R13A、R21A、R22A、R23A及びR24Aは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基又はハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R11A、R12A、R13A、R21A、R22A、R23A及びR24Aが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。R11AとR12A、R12AとR13A、R11AとR21A、R21AとR22A、R22AとR23A、及び、R23AとR24Aは、それぞれ結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
    環L1Aは、窒素原子、E、E11A、E12A及びE13Aとで構成されるトリアゾール環又はイミダゾール環を表す。
    環L2Aは、2つの炭素原子、E21A、E22A、E23A及びE24Aとで構成されるベンゼン環、ピリジン環又はピリミジン環を表す。
    −G−Aは、アニオン性の2座配位子を表す。A及びAは、それぞれ独立に、炭素原子、酸素原子又は窒素原子を表し、これらの原子は環を構成する原子であってもよい。Gは、単結合、又は、A及びAとともに2座配位子を構成する原子団を表す。A−G−Aが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]

    [式中、
    nAは0〜5の整数を表し、nは1又は2を表す。
    Arは、芳香族炭化水素基又は複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
    は、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基、−NR’−で表される基、酸素原子又は硫黄原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R’は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Lが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    Xは、架橋基を表す。Xが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]

    [式中、
    mAは0〜5の整数を表し、mは1〜4の整数を表し、cは0又は1を表す。mAが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    Arは、芳香族炭化水素基、複素環基、又は、少なくとも1種の芳香族炭化水素環と少なくとも1種の複素環とが直接結合した基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
    Ar及びArは、それぞれ独立に、アリーレン基又は2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
    Ar、Ar及びArはそれぞれ、当該基が結合している窒素原子に結合している当該基以外の基と、直接又は酸素原子若しくは硫黄原子を介して結合して、環を形成していてもよい。
    は、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基、−NR’’−で表される基、酸素原子又は硫黄原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R’’は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Kが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    X’は、架橋基、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。X’が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。但し、少なくとも1つのX’は、架橋基である。]



  2. 前記(Y×1000)/Xの値が、1.2以上である、請求項1に記載の発光素子。
  3. 前記高分子化合物の少なくとも1種が、架橋基A群から選ばれる少なくとも1種の架橋基を有する、請求項1又は2に記載の発光素子。

    [式中、RXLは、メチレン基、酸素原子又は硫黄原子を表し、nXLは、0〜5の整数を表す。RXLが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、nXLが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。*は結合位置を表す。これらの架橋性基は置換基を有していてもよい。]
  4. 前記高分子化合物の少なくとも1種が、式(1G)で表される構成単位、式(2G)で表される構成単位、式(3G)で表される構成単位及び式(4G)で表される構成単位からなる群より選ばれる少なくとも1種の構成単位を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発光素子。

    [式中、
    1Gは、燐光発光性化合物から、該化合物を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合する1個の水素原子を取り除いてなる基を表す。
    は、酸素原子、硫黄原子、−N(R)−で表される基、−C(R−で表される基、−C(R)=C(R)−で表される基、−C≡C−で表される基、アリーレン基又は2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Rは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Rは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRは、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子と共に環を形成していてもよい。Lが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    a1は0以上の整数を表す。]

    [式中、
    1Gは、燐光発光性化合物から、該化合物を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合する1個の水素原子を取り除いてなる基を表す。
    及びLは、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、−N(R)−で表される基、−C(R−で表される基、−C(R)=C(R)−で表される基、−C≡C−で表される基、アリーレン基又は2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Rは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Rは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRは、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子と共に環を形成していてもよい。L及びLが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
    b1及びnc1は、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。複数存在するnb1は、同一でも異なっていてもよい。
    Ar1Mは、3価の芳香族炭化水素基又は3価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]

    [式中、
    2Gは、燐光発光性化合物から、該化合物を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合する2個の水素原子を取り除いてなる基を表す。
    は、酸素原子、硫黄原子、−N(R)−で表される基、−C(R−で表される基、−C(R)=C(R)−で表される基、−C≡C−で表される基、アリーレン基又は2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Rは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Rは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRは、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子と共に環を形成していてもよい。Lが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
    b1は、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。複数存在するnb1は、同一でも異なっていてもよい。]

    [式中、
    3Gは、燐光発光性化合物から、該化合物を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合する3個の水素原子を取り除いてなる基を表す。
    は、酸素原子、硫黄原子、−N(R)−で表される基、−C(R−で表される基、−C(R)=C(R)−で表される基、−C≡C−で表される基、アリーレン基又は2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Rは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Rは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRは、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子と共に環を形成していてもよい。Lが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
    b1は、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。複数存在するnb1は、同一でも異なっていてもよい。]
  5. 前記燐光発光性構成単位を含む高分子化合物において、前記燐光発光性構成単位が、オルト位に置換基を有しないベンゼン環と結合する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の発光素子。
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