JP6711808B2 - 発光素子および該発光素子に用いる組成物 - Google Patents

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本発明は、発光素子および該発光素子に用いる組成物に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「発光素子」ともいう。)は、ディスプレイおよび照明の用途に好適に使用することが可能であり、研究開発が盛んに行われている。この発光素子は、発光層、電荷輸送層等の有機層等を有する。
特許文献1には、イリジウム錯体(Ir−A1)および複素環式化合物(H−B1)を含有する発光層と、架橋材料の架橋体を含有する正孔輸送層とを有する発光素子が記載されている。イリジウム錯体(Ir−A1)の分子量と、複素環式化合物(H−B1)の分子量との和は1139である。また、複素環式化合物(H−B1)の分子量に対する、イリジウム錯体(Ir−A1)の分子量の比率は1.35である。
特許文献2には、イリジウム錯体(Ir−A2)および芳香族アミン化合物(H−B2)を含有する発光層と、架橋材料の架橋体を含有する正孔輸送層とを有する発光素子が記載されている。イリジウム錯体(Ir−A2)の分子量と、芳香族アミン化合物(H−B2)の分子量との和は2689である。また、芳香族アミン化合物(H−B2)の分子量に対する、イリジウム錯体(Ir−A2)の分子量の比率は1.66である。
特開2009−263665号公報 国際公開第2013/064814号
しかしながら、上記の特許文献1および2に記載された発光素子は、外部量子効率が必ずしも十分ではなかった。
そこで、本発明は、外部量子効率に優れる発光素子を提供することを目的とする。本発明はまた、外部量子効率に優れる発光素子の製造に有用な組成物を提供することを目的とする。
本発明は、以下の[1]〜[11]を提供する。
[1]陽極と、陰極と、陽極および陰極の間に設けられた発光層と、陽極および発光層の間に設けられた正孔輸送層とを有する発光素子であって、
発光層が、イリジウム錯体(A)と、典型元素から構成される複素環式化合物(B)とを含有する層であり、
正孔輸送層が、架橋材料の架橋体を含有する層であり、
イリジウム錯体(A)の分子量(MA)と、複素環式化合物(B)の分子量(MB)とが、式(M1−1)および式(M2−1)を満たす、発光素子。

2700≦MA+MB≦10000 (M1−1)
0.35≦MA/MB≦3.00 (M2−1)
[2]前記分子量(MA)と、前記分子量(MB)とが、式(M1−2)および式(M2−2)を満たす、[1]に記載の発光素子。

3400≦MA+MB≦7000 (M1−2)
0.35≦MA/MB≦2.00 (M2−2)
[3]前記分子量(MA)と、前記分子量(MB)とが、式(M1−3)および式(M2−3)を満たす、[2]に記載の発光素子。

4000≦MA+MB≦6000 (M1−3)
0.65≦MA/MB≦1.30 (M2−3)
[4]前記発光層と、前記正孔輸送層とが、隣接している、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の発光素子。
[5]前記イリジウム錯体(A)が、式(A)で表されるイリジウム錯体である、[1]〜[4]のいずれかに記載の発光素子。
[式中、
1は1以上の整数を表し、n2は0以上の整数を表し、n1+n2は3である。
1およびE2は、それぞれ独立に、炭素原子または窒素原子を表す。但し、E1およびE2の少なくとも一方は炭素原子である。
環R1は、芳香族複素環を表し、この環は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環R1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
環R2は、芳香族炭化水素環または芳香族複素環を表し、これらの環は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環R2が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
環R1が有していてもよい置換基と環R2が有していてもよい置換基とは、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
1−G1−A2は、アニオン性の2座配位子を表す。A1およびA2は、それぞれ独立に、炭素原子、酸素原子または窒素原子を表し、これらの原子は環を構成する原子であってもよい。G1は、単結合、または、A1およびA2とともに2座配位子を構成する原子団を表す。A1−G1−A2が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
[6]前記式(A)で表されるイリジウム錯体が、式(A−A)で表されるイリジウム錯体または式(A−B)で表されるイリジウム錯体である、[5]に記載の発光素子。
[式中、
1、n2、E1およびA1−G1−A2は、前記と同じ意味を表す。
11A、E12A、E13A、E21A、E22A、E23AおよびE24Aは、それぞれ独立に、窒素原子または炭素原子を表す。E11A、E12A、E13A、E21A、E22A、E23AおよびE24Aが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。E11Aが窒素原子の場合、R11Aは存在しても存在しなくてもよい。E12Aが窒素原子の場合、R12Aは存在しても存在しなくてもよい。E13Aが窒素原子の場合、R13Aは存在しても存在しなくてもよい。E21Aが窒素原子の場合、R21Aは存在しない。E22Aが窒素原子の場合、R22Aは存在しない。E23Aが窒素原子の場合、R23Aは存在しない。E24Aが窒素原子の場合、R24Aは存在しない。
11A、R12A、R13A、R21A、R22A、R23AおよびR24Aは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基またはハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R11A、R12A、R13A、R21A、R22A、R23AおよびR24Aが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。R11AとR12A、R12AとR13A、R11AとR21A、R21AとR22A、R22AとR23A、および、R23AとR24Aは、それぞれ結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
環R1Aは、窒素原子、E1、E11A、E12AおよびE13Aとで構成されるトリアゾール環またはジアゾール環を表す。
環R2Aは、2つの炭素原子、E21A、E22A、E23AおよびE24Aとで構成されるベンゼン環、ピリジン環またはピリミジン環を表す。]
[式中、
1、n2およびA1−G1−A2は、前記と同じ意味を表す。
11B、E12B、E13B、E14B、E21B、E22B、E23BおよびE24Bは、それぞれ独立に、窒素原子または炭素原子を表す。E11B、E12B、E13B、E14B、E21B、E22B、E23BおよびE24Bが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。E11Bが窒素原子の場合、R11Bは存在しない。E12Bが窒素原子の場合、R12Bは存在しない。E13Bが窒素原子の場合、R13Bは存在しない。E14Bが窒素原子の場合、R14Bは存在しない。E21Bが窒素原子の場合、R21Bは存在しない。E22Bが窒素原子の場合、R22Bは存在しない。E23Bが窒素原子の場合、R23Bは存在しない。E24Bが窒素原子の場合、R24Bは存在しない。
11B、R12B、R13B、R14B、R21B、R22B、R23BおよびR24Bは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基またはハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R11B、R12B、R13B、R14B、R21B、R22B、R23BおよびR24Bが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。R11BとR12B、R12BとR13B、R13BとR14B、R11BとR21B、R21BとR22B、R22BとR23B、および、R23BとR24Bは、それぞれ結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
環R1Bは、窒素原子、炭素原子、E11B、E12B、E13BおよびE14Bとで構成されるピリジン環またはピリミジン環を表す。
環R2Bは、2つの炭素原子、E21B、E22B、E23BおよびE24Bとで構成されるベンゼン環、ピリジン環またはピリミジン環を表す。]
[7]前記複素環式化合物(B)が、式(B)で表される複素環式化合物である、[1]〜[6]のいずれかに記載の発光素子。
[式中、
B1は、1以上の整数を表す。
ArB1は、複素環基を表し、この基は置換基を有していてもよい。
ArB2は、式(D-A)、(D-B)または(D-C)で表される基を表す。ArB2が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
[式中、
DA1、mDA2およびmDA3は、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。
DAは、窒素原子、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArDA1、ArDA2およびArDA3は、それぞれ独立に、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ArDA1、ArDA2およびArDA3が複数ある場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
DAは、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数あるTDAは、同一でも異なっていてもよい。]
[式中、
DA1、mDA2、mDA3、mDA4、mDA5、mDA6およびmDA7は、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。
DAは、窒素原子、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数あるGDAは、同一でも異なっていてもよい。
ArDA1、ArDA2、ArDA3、ArDA4、ArDA5、ArDA6およびArDA7は、それぞれ独立に、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ArDA1、ArDA2、ArDA3、ArDA4、ArDA5、ArDA6およびArDA7が複数ある場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
DAは、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数あるTDAは、同一でも異なっていてもよい。]
[式中、
DA1は、0以上の整数を表す。
ArDA1は、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ArDA1が複数ある場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
DAは、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
[8]前記架橋材料が、
架橋基A群から選ばれる少なくとも1種の架橋基を有する低分子化合物、または、架橋基A群から選ばれる少なくとも1種の架橋基を有する架橋構成単位を含む高分子化合物である、[1]〜[7]のいずれかに記載の発光素子。
(架橋基A群)
[式中、RXLは、メチレン基、酸素原子または硫黄原子を表し、nXLは、0〜5の整数を表す。RXLが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、nXLが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。*1は結合位置を表す。これらの架橋基は置換基を有していてもよい。]
[9]前記架橋材料が、架橋基A群から選ばれる少なくとも1種の架橋基を有する架橋構成単位を含む高分子化合物である、[8]に記載の発光素子。
[10]前記架橋構成単位が、式(2)で表される構成単位または式(2’)で表される構成単位である、[9]に記載の発光素子。
[式中、
nAは0〜5の整数を表し、nは1または2を表す。
Ar3は、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
Aは、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基、−NR’−で表される基、酸素原子または硫黄原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R’は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。LAが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
Xは、架橋基A群から選ばれる架橋基を表す。Xが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
[式中、
mAは0〜5の整数を表し、mは1〜4の整数を表し、cは0または1の整数を表す。mAが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
Ar5は、芳香族炭化水素基、複素環基、または、少なくとも1種の芳香族炭化水素環と少なくとも1種の複素環とが直接結合した基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
Ar4およびAr6は、それぞれ独立に、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
Ar4、Ar5およびAr6はそれぞれ、当該基が結合している窒素原子に結合している当該基以外の基と、直接または酸素原子もしくは硫黄原子を介して結合して、環を形成していてもよい。
Aは、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基、−NR’−で表される基、酸素原子または硫黄原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R’は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。KAが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
X’は、架橋基A群から選ばれる架橋基、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。但し、少なくとも1つのX’は、架橋基A群から選ばれる架橋基である。]
[11]イリジウム錯体(A)と、典型元素から構成される複素環式化合物(B)とを含有する組成物であって、
イリジウム錯体(A)が、上記式(A)で表されるイリジウム錯体であり、
イリジウム錯体(A)の分子量(MA)と、複素環式化合物(B)の分子量(MB)とが、式(M1−3)および式(M2−3)を満たす、組成物。

4000≦MA+MB≦6000 (M1−3)
0.65≦MA/MB≦1.30 (M2−3)
本発明によれば、外部量子効率に優れる発光素子を提供することができる。また、本発明によれば、外部量子効率に優れる発光素子の製造に有用な組成物を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
<共通する用語の説明>
本明細書で共通して用いられる用語は、特記しない限り、以下の意味である。
Meはメチル基、Etはエチル基、Buはブチル基、i-Prはイソプロピル基、t-Buはtert-ブチル基を表す。
水素原子は、重水素原子であっても、軽水素原子であってもよい。
金属錯体を表す式中、中心金属との結合を表す実線は、共有結合または配位結合を意味する。
「高分子化合物」とは、分子量分布を有し、ポリスチレン換算の数平均分子量が1×103〜1×108である重合体を意味する。
高分子化合物は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよいし、その他の態様であってもよい。
高分子化合物の末端基は、重合活性基がそのまま残っていると、高分子化合物を発光素子の作製に用いた場合に発光特性または輝度寿命が低下する可能性があるので、好ましくは安定な基である。この末端基としては、好ましくは主鎖と共役結合している基であり、例えば、炭素−炭素結合を介してアリール基または1価の複素環基と結合している基が挙げられる。
「低分子化合物」とは、分子量分布を有さず、分子量が1×104以下の化合物を意味する。
「構成単位」とは、高分子化合物中に1個以上存在する単位を意味する。
「アルキル基」は、直鎖および分岐のいずれでもよい。直鎖のアルキル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常1〜50であり、好ましくは3〜30であり、より好ましくは4〜20である。分岐のアルキル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜50であり、好ましくは3〜30であり、より好ましくは4〜20である。
アルキル基は、置換基を有していてもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、2−ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、2-エチルブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、3-プロピルヘプチル基、デシル基、3,7-ジメチルオクチル基、2-エチルオクチル基、2-ヘキシルデシル基、ドデシル基、および、これらの基における水素原子が、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子等で置換された基が挙げられ、例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、3-フェニルプロピル基、3-(4-メチルフェニル)プロピル基、3-(3,5-ジ-ヘキシルフェニル)プロピル基、6-エチルオキシヘキシル基が挙げられる。
「シクロアルキル基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜50であり、好ましくは3〜30であり、より好ましくは4〜20である。
シクロアルキル基は、置換基を有していてもよく、例えば、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基が挙げられる。
「アリール基」は、芳香族炭化水素から環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子1個を除いた残りの原子団を意味する。アリール基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6〜60であり、好ましくは6〜20であり、より好ましくは6〜10である。
アリール基は、置換基を有していてもよく、例えば、フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、1-アントラセニル基、2-アントラセニル基、9-アントラセニル基、1-ピレニル基、2-ピレニル基、4-ピレニル基、2-フルオレニル基、3-フルオレニル基、4-フルオレニル基、2-フェニルフェニル基、3-フェニルフェニル基、4-フェニルフェニル基、および、これらの基における水素原子が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子等で置換された基が挙げられる。
「アルコキシ基」は、直鎖および分岐のいずれでもよい。直鎖のアルコキシ基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常1〜40であり、好ましくは4〜10である。分岐のアルコキシ基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜40であり、好ましくは4〜10である。
アルコキシ基は、置換基を有していてもよく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、tert-ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2-エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7-ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基、および、これらの基における水素原子が、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子等で置換された基が挙げられる。
「シクロアルコキシ基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜40であり、好ましくは4〜10である。
シクロアルコキシ基は、置換基を有していてもよく、例えば、シクロヘキシルオキシ基が挙げられる。
「アリールオキシ基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6〜60であり、好ましくは6〜48である。
アリールオキシ基は、置換基を有していてもよく、例えば、フェノキシ基、1-ナフチルオキシ基、2-ナフチルオキシ基、1-アントラセニルオキシ基、9-アントラセニルオキシ基、1-ピレニルオキシ基、および、これらの基における水素原子が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、フッ素原子等で置換された基が挙げられる。
「p価の複素環基」(pは、1以上の整数を表す。)とは、複素環式化合物から、環を構成する炭素原子またはヘテロ原子に直接結合している水素原子のうちp個の水素原子を除いた残りの原子団を意味する。p価の複素環基の中でも、芳香族複素環式化合物から、環を構成する炭素原子またはヘテロ原子に直接結合している水素原子のうちp個の水素原子を除いた残りの原子団である「p価の芳香族複素環基」が好ましい。
「芳香族複素環式化合物」は、オキサジアゾール、チアジアゾール、チアゾール、オキサゾール、チオフェン、ピロール、ホスホール、フラン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、トリアジン、ピリダジン、キノリン、イソキノリン、カルバゾール、ジベンゾホスホール等の複素環自体が芳香族性を示す化合物、および、フェノキサジン、フェノチアジン、ジベンゾボロール、ジベンゾシロール、ベンゾピラン等の複素環自体は芳香族性を示さなくとも、複素環に芳香環が縮環されている化合物を意味する。
1価の複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常2〜60であり、好ましくは4〜20である。
1価の複素環基は、置換基を有していてもよく、例えば、チエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジニル基、ピペリジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、および、これらの基における水素原子が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基等で置換された基が挙げられる。
「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を示す。
「アミノ基」は、置換基を有していてもよく、置換アミノ基が好ましい。アミノ基が有する置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基が好ましい。
置換アミノ基としては、例えば、ジアルキルアミノ基、ジシクロアルキルアミノ基およびジアリールアミノ基が挙げられる。
アミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ビス(4-メチルフェニル)アミノ基、ビス(4-tert-ブチルフェニル)アミノ基、ビス(3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)アミノ基が挙げられる。
「アルケニル基」は、直鎖および分岐のいずれでもよい。直鎖のアルケニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常2〜30であり、好ましくは3〜20である。分岐のアルケニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜30であり、好ましくは4〜20である。
「シクロアルケニル基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜30であり、好ましくは4〜20である。
アルケニル基およびシクロアルケニル基は、置換基を有していてもよく、例えば、ビニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、3-ペンテニル基、4-ペンテニル基、1-ヘキセニル基、5-ヘキセニル基、7-オクテニル基、および、これらの基が置換基を有する基が挙げられる。
「アルキニル基」は、直鎖および分岐のいずれでもよい。アルキニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子を含めないで、通常2〜20であり、好ましくは3〜20である。分岐のアルキニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子を含めないで、通常4〜30であり、好ましくは4〜20である。
「シクロアルキニル基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子を含めないで、通常4〜30であり、好ましくは4〜20である。
アルキニル基およびシクロアルキニル基は、置換基を有していてもよく、例えば、エチニル基、1-プロピニル基、2-プロピニル基、2-ブチニル基、3-ブチニル基、3-ペンチニル基、4-ペンチニル基、1-ヘキシニル基、5-ヘキシニル基、および、これらの基が置換基を有する基が挙げられる。
「アリーレン基」は、芳香族炭化水素から環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子2個を除いた残りの原子団を意味する。アリーレン基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6〜60であり、好ましくは6〜30であり、より好ましくは6〜18である。
アリーレン基は、置換基を有していてもよく、例えば、フェニレン基、ナフタレンジイル基、アントラセンジイル基、フェナントレンジイル基、ジヒドロフェナントレンジイル基、ナフタセンジイル基、フルオレンジイル基、ピレンジイル基、ペリレンジイル基、クリセンジイル基、および、これらの基が置換基を有する基が挙げられ、好ましくは、式(A-1)〜式(A-20)で表される基である。アリーレン基は、これらの基が複数結合した基を含む。
[式中、RおよびRaは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表す。複数存在するRおよびRaは、各々、同一でも異なっていてもよく、Ra同士は互いに結合して、それぞれが結合する原子と共に環を形成していてもよい。]
2価の複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常2〜60であり、好ましくは、3〜20であり、より好ましくは、4〜15である。
2価の複素環基は、置換基を有していてもよく、例えば、ピリジン、ジアザベンゼン、トリアジン、アザナフタレン、ジアザナフタレン、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、ジベンゾシロール、フェノキサジン、フェノチアジン、アクリジン、ジヒドロアクリジン、フラン、チオフェン、アゾール、ジアゾール、トリアゾールから、環を構成する炭素原子またはヘテロ原子に直接結合している水素原子のうち2個の水素原子を除いた2価の基が挙げられ、好ましくは、式(AA-1)〜式(AA-34)で表される基である。2価の複素環基は、これらの基が複数結合した基を含む。
[式中、RおよびRaは、前記と同じ意味を表す。]
「架橋基」とは、加熱、紫外線照射、近紫外線照射、可視光照射、赤外線照射、ラジカル反応等に供することにより、新たな結合を生成することが可能な基であり、好ましくは、架橋基A群の式(XL-1)〜(XL-17)で表される架橋基である。
「置換基」とは、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、置換アミノ基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基またはシクロアルキニル基を表す。置換基は架橋基であってもよい。
<発光素子>
次に、本発明の発光素子について説明する。
本発明の発光素子は、陽極と、陰極と、陽極および陰極の間に設けられた発光層と、陽極および陰極の間に設けられた正孔輸送層とを有する発光素子であって、発光層が、イリジウム錯体(A)と、典型元素から構成される複素環式化合物(B)を含有する層であり、正孔輸送層が、架橋材料の架橋体を含有する層であり、イリジウム錯体(A)の分子量(MA)と、複素環式化合物(B)の分子量(MB)とが、前記式(1−1)および前記式(2−1)を満たす、発光素子である。
発光層および正孔輸送層の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、並びに、スピンコート法およびインクジェット印刷法に代表される塗布法が挙げられ、塗布法が好ましい。
発光層を塗布法により形成する場合、後述する発光層のインクを用いることが好ましい。
正孔輸送層を塗布法により形成する場合、後述する正孔輸送層のインクを用いることが好ましい。正孔輸送層を形成後、加熱または光照射することで、正孔輸送層に含有される架橋材料を架橋させることができる。架橋材料が架橋した状態(架橋材料の架橋体)で、正孔輸送層に含有されている場合、正孔輸送層は溶媒に対して実質的に不溶化されている。そのため、該正孔輸送層は、発光素子の積層化に好適に使用することができる。
架橋させるための加熱の温度は、通常、25〜300℃であり、好ましくは50〜250℃であり、より好ましくは150〜200℃である。
架橋させるための光照射に用いられる光の種類は、例えば、紫外光、近紫外光、可視光である。
発光層の形態(イリジウム錯体および低分子化合物が含有されているか)および正孔輸送層の形態(架橋材料の架橋体が含有されているか)の分析方法としては、例えば、抽出等に代表される化学的分離分析法、赤外分光法(IR)、核磁気共鳴分光法(NMR)、質量分析法(MS)等に代表される機器分析法、並びに、化学的分離分析法および機器分析法を組み合わせた分析法が挙げられる。
発光層または正孔輸送層に対して、トルエン、キシレン、クロロホルム、テトラヒドロフラン等に代表される有機溶媒を用いた固液抽出を行うことで、有機溶媒に対して実質的に不溶な成分(不溶成分)と、有機溶媒に対して溶解する成分(溶解成分)とに分離することが可能である。得られた不溶成分は、赤外分光法(IR)または核磁気共鳴分光法(NMR)により分析することが可能であり、得られた溶解成分は、核磁気共鳴分光法(NMR)または質量分析法(MS)により分析することが可能である。
<発光層>
発光層は、イリジウム錯体(A)と、複素環式化合物(B)とを含有する層である。
[イリジウム錯体(A)]
まず、イリジウム錯体(A)について説明する。
イリジウム錯体(A)は、通常、室温(25℃)で燐光発光性を示すイリジウム錯体であり、好ましくは、室温(25℃)で三重項励起状態からの発光を示すイリジウム錯体である。このイリジウム錯体は、イリジウム原子(中心金属)と、配位子とを有する。
配位子としては、例えば、イリジウム原子との間に、配位結合および共有結合からなる群から選ばれる少なくとも1種の結合を形成する、中性もしくはアニオン性の単座配位子、または、中性もしくはアニオン性の多座配位子が挙げられる。イリジウム原子と配位子との間の結合としては、例えば、金属−窒素結合、金属−炭素結合、金属−酸素結合、金属−リン結合、金属−硫黄結合および金属−ハロゲン結合が挙げられる。多座配位子としては、通常、2座以上6座以下の配位子を意味する。
イリジウム錯体(A)は、Aldrich、Luminescence Technology Corp.、American Dye Source等から入手可能である。
また、上記以外の入手方法として、例えば、「Journal of American Chemical Society,Vol.107,1431−1432(1985)」、「Journal of American Chemical Society,Vol.106,6647−6653(1984)」、特表2004−530254号公報、特開2008−179617号公報、特開2011−105701号公報、特表2007−504272号公報、国際公開第2006/121811号、特開2013−147450号公報に記載されている方法に従って合成することができる。
イリジウム錯体(A)は、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるため、式(A)で表されるイリジウム錯体であることが好ましい。
<式(A)で表されるイリジウム錯体>
式(A)で表されるイリジウム錯体は、中心金属であるイリジウム原子と、添え字n1でその数を規定されている配位子と、添え字n2でその数を規定されている配位子とから構成されるイリジウム錯体である。
1は2または3であることが好ましく、3であることがより好ましい。
1およびE2は、炭素原子であることが好ましい。
環R1は、5員の芳香族複素環または6員の芳香族複素環であることが好ましく、2つ以上4つ以下の窒素原子を構成原子として有する5員の芳香族複素環または1つ以上4つ以下の窒素原子を構成原子として有する6員の芳香族複素環であることが好ましく、ジアゾール環、トリアゾール環、ピリジン環、ジアザベンゼン環、キノリン環またはイソキノリン環であることがより好ましく、これらの環は置換基を有していてもよい。
環R2は、5員もしくは6員の芳香族炭化水素環、または、5員もしくは6員の芳香族複素環であることが好ましく、6員の芳香族炭化水素環または6員の芳香族複素環であることがより好ましく、6員の芳香族炭化水素環であることが更に好ましく、これらの環は置換基を有していてもよい。但し、環R2が6員の芳香族複素環である場合、E2は炭素原子である。
環R2としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環、フェナントレン環、ピリジン環、ジアザベンゼン環およびトリアジン環が挙げられ、ベンゼン環、ピリジン環またはピリミジン環が好ましく、ベンゼン環がより好ましく、これらの環は置換基を有していてもよい。
環R1および環R2が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アリール基、1価の複素環基または置換アミノ基が好ましく、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリール基、1価の複素環基または置換アミノ基がより好ましい。
環R1および環R2が有していてもよい置換基におけるアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェントレニル基、ジヒドロフェントレニル基、フルオレニル基またはピレニル基が好ましく、フェニル基、ナフチル基またはフルオレニル基がより好ましく、フェニル基が更に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
環R1および環R2が有していてもよい置換基における1価の複素環基としては、ピリジル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、カルバゾリル基、アザカルバゾリル基、ジアザカルバゾリル基、フェノキサジニル基またはフェノチアジニル基が好ましく、ピリジル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、カルバゾリル基、アザカルバゾリル基またはジアザカルバゾリル基がより好ましく、ピリジル基、ピリミジニル基またはトリアジニル基が更に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
環R1および環R2が有していてもよい置換基における置換アミノ基において、アミノ基が有する置換基としては、アリール基または1価の複素環基が好ましく、これらの基は更に置換基を有していてもよい。アミノ基が有する置換基におけるアリール基の例および好ましい範囲は、環R1および環R2が有していてもよい置換基におけるアリール基の例および好ましい範囲と同じである。アミノ基が有する置換基における1価の複素環基の例および好ましい範囲は、環R1および環R2が有していてもよい置換基における1価の複素環基の例および好ましい範囲と同じである。
環R1および環R2が有していてもよい置換基が更に有していてもよい置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基または置換アミノ基が好ましく、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基または置換アミノ基がより好ましく、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基が更に好ましく、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基が特に好ましく、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
環R1および環R2が有していてもよい置換基におけるアリール基、1価の複素環基または置換アミノ基は、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、好ましくは、式(D-A)、(D-B)または(D-C)で表される基である。
式(D-A)、(D-B)および(D-C)で表される基において、mDA1、mDA2、mDA3、mDA4、mDA5、mDA6およびmDA7は、通常10以下の整数であり、好ましくは5以下の整数であり、より好ましくは2以下の整数であり、更に好ましくは0または1である。mDA2、mDA3、mDA4、mDA5、mDA6およびmDA7は、同一の整数であることが好ましい。
式(D-A)、(D-B)および(D-C)で表される基において、GDAは、好ましくは式(GDA-11)〜(GDA-15)で表される基であり、より好ましくは式(GDA-11)、(GDA-14)または(GDA-15)で表される基である。
[式中、
*は、式(D-A)におけるArDA1、式(D-B)におけるArDA1、式(D-B)におけるArDA2、または、式(D-B)におけるArDA3との結合を表す。
**は、式(D-A)におけるArDA2、式(D-B)におけるArDA2、式(D-B)におけるArDA4、または、式(D-B)におけるArDA6との結合を表す。
***は、式(D-A)におけるArDA3、式(D-B)におけるArDA3、式(D-B)におけるArDA5、または、式(D-B)におけるArDA7との結合を表す。
DAは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は更に置換基を有していてもよい。RDAが複数ある場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
DAは、好ましくは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基またはシクロアルコキシ基であり、より好ましくは水素原子、アルキル基またはシクロアルキル基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(D-A)、(D-B)および(D-C)で表される基において、ArDA1、ArDA2、ArDA3、ArDA4、ArDA5、ArDA6およびArDA7は、好ましくは、フェニレン基、フルオレンジイル基またはカルバゾールジイル基であり、より好ましくは式(A−1)〜(A−3)、(A−8)、(A−9)、(AA−10)、(AA−11)、(AA−33)または(AA−34)で表される基であり、更に好ましくは式(ArDA-1)〜(ArDA-5)で表される基であり、特に好ましくは式(ArDA-1)〜式(ArDA-3)で表される基であり、とりわけ好ましくは式(ArDA-1)で表される基である。
[式中、
DAは、前記と同じ意味を表す。
DBは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RDBが複数ある場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
DBは、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基であり、より好ましくはアリール基または1価の複素環基であり、更に好ましくはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(D-A)、(D-B)および(D-C)で表される基において、TDAは、好ましくは式(TDA-1)〜(TDA-3)で表される基であり、より好ましくは式(TDA-1)または(TDA-3)で表される基である。
[式中、RDAおよびRDBは、前記と同じ意味を表す。]
式(D-A)で表される基は、好ましくは式(D-A1)〜(D-A7)で表される基であり、より好ましくは式(D-A1)または(D-A3)〜(D-A7)で表される基である。
[式中、
p1、Rp2、Rp3およびRp4は、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基またはハロゲン原子を表す。Rp1、Rp2およびRp4が複数ある場合、それらはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
np1は、0〜5の整数を表し、np2は0〜3の整数を表し、np3は0または1を表し、np4は0〜4の整数を表す。複数あるnp1は同一でも異なっていてもよい。np2が複数ある場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
式(D-B)で表される基は、好ましくは式(D-B1)〜(D-B4)で表される基であり、より好ましくは式(D-B1)、(D-B2)または(D-B4)で表される基であり、更に好ましくは式(D-B1)または(D-B2)で表される基である。
[式中、
p1、Rp2、Rp3およびRp4は、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基またはハロゲン原子を表す。Rp1、Rp2およびRp4が複数ある場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
np1は0〜5の整数を表し、np2は0〜3の整数を表し、np3は0または1を表す。複数あるnp1およびnp2は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。]
式(D-C)で表される基は、好ましくは式(D-C1)〜(D-C4)で表される基であり、より好ましくは式(D-C1)〜(D-C3)で表される基であり、更に好ましくは式(D-C1)または(D-C2)で表される基である。
[式中、
p4、Rp5およびRp6は、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基またはハロゲン原子を表す。Rp4、Rp5およびRp6が複数ある場合、それらはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
np4は、0〜4の整数を表し、np5は0〜5の整数を表し、np6は0〜5の整数を表す。]
np1は、好ましくは0または1であり、より好ましくは1である。np2は、好ましくは0または1であり、より好ましくは0である。np3は好ましくは0である。np4は、好ましくは0〜2の整数である。np5は、好ましくは1〜3の整数である。np6は、好ましくは0〜2の整数である。
p1、Rp2、Rp3、Rp4、Rp5およびRp6は、好ましくはアルキル基またはシクロアルキル基であり、より好ましくはメチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基、メトキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、tert−オクチル基またはシクロへキシルオキシ基であり、更に好ましくはメチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基またはtert−オクチル基である。
式(D-A)で表される基としては、例えば、式(D−A−1)〜(D−A−12)で表される基が挙げられる。
[式中、RDは、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、tert−オクチル基、シクロヘキシル基、メトキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基またはシクロへキシルオキシ基を表す。RDが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
式(D-B)で表される基としては、例えば、式(D−B−1)〜(D−B−4)で表される基が挙げられる。
[式中、RDは前記と同じ意味を表す。]
式(D-C)で表される基としては、例えば、式(D−C−1)〜(D−C−13)で表される基が挙げられる。
[式中、RDは前記と同じ意味を表す。]
Dはメチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基またはtert−オクチル基であることが好ましい。
本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、環R1および環R2からなる群から選ばれる少なくとも1つの環は、置換基を有することが好ましい。
環R1および環R2からなる群から選ばれる少なくとも1つの環が有する置換基としては、更に好ましくは、アルキル基または式(D−A)〜(D−C)で表される基であり、特に好ましくは、式(D−A)〜(D−C)で表される基である。式(D−A)〜(D−C)で表される基としては、好ましくは、式(D-A1)、(D-A3)〜(D-A5)、(D-B1)、(D-B2)、(D-B4)または(D-C1)〜(D-C3)で表される基であり、より好ましくは式(D-A1)、(D-A3)〜(D-A5)、(D-B1)、(D-C1)または(D-C2)で表される基である。
[アニオン性の2座配位子]
1−G1−A2で表されるアニオン性の2座配位子としては、例えば、下記で表される配位子が挙げられる。
[式中、*は、イリジウム原子と結合する部位を示す。]
式(A)で表されるイリジウム錯体は、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、式(A−A)で表されるイリジウム錯体または式(A−B)で表されるイリジウム錯体であることが好ましい。
[式(A−A)で表されるイリジウム錯体]
環R1Aがジアゾール環である場合、E11Aが窒素原子であるイミダゾール環、または、E12Aが窒素原子であるイミダゾール環が好ましく、E11Aが窒素原子であるイミダゾール環がより好ましい。
環R1Aがトリアゾール環である場合、E11AおよびE12Aが窒素原子であるトリアゾール環、または、E11AおよびE13Aが窒素原子であるトリアゾール環が好ましく、E11AおよびE12Aが窒素原子であるトリアゾール環がより好ましい。
11A、R12A、R13A、R21A、R22A、R23AおよびR24Aにおけるアリール基、1価の複素環基および置換アミノ基の例および好ましい範囲は、それぞれ、環R1および環R2が有していてもよい置換基におけるアリール基、1価の複素環基および置換アミノ基の例および好ましい範囲と同じである。
11A、R12A、R13A、R21A、R22A、R23AおよびR24Aが有していてもよい置換基の例および好ましい範囲は、環R1および環R2が有していてもよい置換基が更に有していてもよい置換基の例および好ましい範囲と同じである。
11Aが窒素原子であり、かつ、R11Aが存在する場合、R11Aはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基であることが好ましく、アルキル基、シクロアルキル基または式(D−A)〜(D−C)で表される基であることがより好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。R11Aが式(D−A)または(D−B)で表される基であり、且つ、mDA1が0の場合、E11Aに結合するGDAは、芳香族炭化水素基または複素環基であることが好ましい。
11Aが炭素原子である場合、R11Aは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基または置換アミノ基であることが好ましく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であることがより好ましく、水素原子、アルキル基またはシクロアルキル基であることが更に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
12Aが窒素原子であり、かつ、R12Aが存在する場合、R12Aはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基であることが好ましく、アルキル基、シクロアルキル基または式(D−A)〜(D−C)で表される基であることがより好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。R12Aが式(D−A)または(D−B)で表される基であり、且つ、mDA1が0の場合、E12Aに結合するGDAは、芳香族炭化水素基または複素環基であることが好ましい。
12Aが炭素原子である場合、R12Aは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基または置換アミノ基であることが好ましく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であることがより好ましく、水素原子、アルキル基またはシクロアルキル基であることが更に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
13Aが窒素原子であり、かつ、R13Aが存在する場合、R13Aはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基であることが好ましく、アルキル基、シクロアルキル基または式(D−A)〜(D−C)で表される基であることがより好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。R13Aが式(D−A)または(D−B)で表される基であり、且つ、mDA1が0の場合、E13Aに結合するGDAは、芳香族炭化水素基または複素環基であることが好ましい。
13Aが炭素原子である場合、R13Aは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基または置換アミノ基であることが好ましく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であることがより好ましく、水素原子、アルキル基またはシクロアルキル基であることが更に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、環R1Aおよび環R2Aからなる群から選ばれる少なくとも1つの環は、置換基を有することが好ましい。
環R1Aが式(D−A)〜(D−C)で表される基を有する場合、R11AまたはR12Aが式(D−A)〜(D−C)で表される基であることが好ましく、R11Aが式(D−A)〜(D−C)で表される基であることがより好ましい。
環R2Aがピリジン環である場合、E21Aが窒素原子であるピリジン環、E22Aが窒素原子であるピリジン環、または、E23Aが窒素原子であるピリジン環が好ましく、E22Aが窒素原子であるであるピリジン環がより好ましい。
環R2Aがピリミジン環である場合、E21AおよびE23Aが窒素原子であるピリミジン環、または、E22AおよびE24Aが窒素原子であるピリミジン環が好ましく、E22AおよびE24Aが窒素原子であるピリミジン環がより好ましい。
環R2Aは、ベンゼン環であることが好ましい。
21A、R22A、R23AおよびR24Aは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、ハロゲン原子、アリール基、1価の複素環基または置換アミノ基であることが好ましく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基または式(D−A)〜(D−C)で表される基であることがより好ましく、水素原子または式(D−A)〜(D−C)で表される基であることが更に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
環R2Aが式(D−A)〜(D−C)で表される基を有する場合、R22AまたはR23Aが式(D−A)〜(D−C)で表される基であることが好ましく、R22Aが式(D−A)〜(D−C)で表される基であることがより好ましい。
式(A−A)で表されるイリジウム錯体は、本発明の発光素子の外部量子効率が更に優れるので、式(A−A1)で表されるイリジウム錯体、式(A−A2)で表されるイリジウム錯体、式(A−A3)で表されるイリジウム錯体または式(A−A4)で表されるイリジウム錯体であることが好ましく、式(A−A1)で表されるイリジウム錯体または式(A−A3)で表されるイリジウム錯体であることがより好ましい。
[式中、n1、n2、R11A、R12A、R13A、R21A、R22A、R23A、R24AおよびA1−G1−A2は、前記と同じ意味を表す。]
[式(A−B)で表されるイリジウム錯体]
環R1Bがピリミジン環である場合、E11Bが窒素原子であるピリミジン環が好ましい。
11B、R12B、R13B、R14B、R21B、R22B、R23BおよびR24Bにおけるアリール基、1価の複素環基および置換アミノ基の例および好ましい範囲は、それぞれ、環R1および環R2が有していてもよい置換基におけるアリール基、1価の複素環基および置換アミノ基の例および好ましい範囲と同じである。
11B、R12B、R13B、R14B、R21B、R22B、R23BおよびR24Bが有していてもよい置換基の例および好ましい範囲は、環R1および環R2が有していてもよい置換基が更に有していてもよい置換基の例および好ましい範囲と同じである。
11B、R12B、R13BおよびR14Bは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基または置換アミノ基であることが好ましく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基または式(D−A)〜(D−C)で表される基であることがより好ましく、水素原子または式(D−A)〜(D−C)で表される基であることが更に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、環R1Bおよび環R2Bからなる群から選ばれる少なくとも1つの環は、置換基を有することが好ましい。
環R1Bが式(D−A)〜(D−C)で表される基を有する場合、R11B、R12BまたはR13Bが式(D−A)〜(D−C)で表される基であることが好ましく、R12BまたはR13Bが式(D−A)〜(D−C)で表される基であることがより好ましく、R13Bが式(D−A)〜(D−C)で表される基であることが更に好ましい。
環R2Bがピリジン環である場合、E21Bが窒素原子であるピリジン環、E22Bが窒素原子であるピリジン環、または、E23Bが窒素原子であるピリジン環が好ましく、E22Bが窒素原子であるであるピリジン環がより好ましい。
環R2Bがピリミジン環である場合、E21BおよびE23Bが窒素原子であるピリミジン環、または、E22BおよびE24Bが窒素原子であるピリミジン環が好ましく、E22BおよびE24Bが窒素原子であるピリミジン環がより好ましい。
環R2Bは、ベンゼン環であることが好ましい。
21B、R22B、R23BおよびR24Bは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基または置換アミノ基であることが好ましく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基または式(D−A)〜(D−C)で表される基であることがより好ましく、水素原子または式(D−A)〜(D−C)で表される基であることが更に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
環R2Bが式(D−A)〜(D−C)で表される基を有する場合、R22BまたはR23Bが式(D−A)〜(D−C)で表される基であることが好ましく、R22Bが式(D−A)〜(D−C)で表される基であることがより好ましい。
式(A−B)で表されるイリジウム錯体は、式(A−B1)で表されるイリジウム錯体、式(A−B2)で表されるイリジウム錯体、式(A−B3)で表されるイリジウム錯体、式(A−B4)で表されるイリジウム錯体または式(A−B5)で表されるイリジウム錯体であることが好ましく、式(A−B1)で表されるイリジウム錯体、式(A−B2)で表されるイリジウム錯体または式(A−B3)で表されるイリジウム錯体であることがより好ましい。
[式中、
1、n2、A1−G1−A1、R11B、R12B、R13B、R14B、R21B、R22B、R23BおよびR24Bは、前記と同じ意味を表す。
11およびn12は、それぞれ独立に、1以上の整数を表し、n11+n12は3である。
15B、R16B、R17BおよびR18Bは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基またはハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R15B、R16B、R17BおよびR18Bが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。R15BとR16B、R16BとR17B、および、R17BとR18Bは、それぞれ結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。]
15B、R16B、R17BおよびR18Bは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、、アリール基、1価の複素環基または置換アミノ基であることが好ましく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であることがより好ましく、水素原子またはアルキル基であることが更に好ましく、水素原子であることが特に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
イリジウム錯体(A)としては、例えば、式(A−A−1)〜(A−A−20)および(A−B−1)〜(A−B−26)で表されるイリジウム錯体が挙げられる。
[複素環式化合物(B)]
次に、複素環式化合物(B)について説明する。
複素環式化合物(B)は、典型元素から構成される複素環式化合物である。複素環式化合物(B)としては、好ましくは、水素原子と、炭素原子と、第13族元素、第14族元素、第15族元素、第16族元素および第17族元素から選ばれる1種以上の原子とから構成される複素環式化合物であり、より好ましくは、水素原子と、炭素原子と、ホウ素原子、ケイ素原子、窒素原子、リン原子、酸素原子、硫黄原子、セレン原子およびハロゲン原子からなる群からなる群より選ばれる1種以上の原子とから構成される複素環式化合物であり、更に好ましくは、水素原子と、炭素原子と、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群からなる群より選ばれる1種以上の原子とから構成される複素環式化合物であり、特に好ましくは、水素原子と、炭素原子と、窒素原子とから構成される複素環式化合物である。
複素環が有していてもよい置換基は、好ましくは、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アリール基、1価の複素環基または置換アミノ基であり、より好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリール基、1価の複素環基または置換アミノ基であり、更に好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基または置換アミノ基であり、特に好ましくは、式(D−A)〜(D−C)で表される基であり、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
複素環式化合物(B)は、正孔注入性、正孔輸送性、電子注入性および電子輸送性からなる群から選ばれる少なくとも1つの機能を有することが好ましい。
複素環式化合物(B)の有する最低励起三重項状態(T1)は、外部量子効率に優れる発光素子が得られるので、イリジウム錯体(A)の有するT1エネルギーと同等のエネルギー準位、または、より高いエネルギー準位であることが好ましい。
複素環式化合物(B)は、置換基を有していてもよい芳香族複素環を有する低分子化合物(即ち、芳香族複素環式化合物)であることが好ましい。
芳香族複素環を構成する原子の好ましい範囲は、前述の複素環を構成する原子の好ましい範囲と同じである。
芳香族複素環が有していてもよい置換基の好ましい範囲は、前述の複素環が有していてもよい置換基の好ましい範囲と同じである。
複素環式化合物(B)における複素環としては、例えば、ピロール環、フラン環、チオフェン環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、ピリジン環、ジアザベンゼン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、キナゾリン環、キノキサリン環、フェナントロリン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、ジベンゾシロール環、ジベンゾホスホール環、カルバゾール環、アザカルバゾール環、ジアザカルバゾール環、フェノキサジン環およびフェノチアジン環が挙げられ、好ましくは、ピリジン環、ジアザベンゼン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、キナゾリン環、キノキサリン環、フェナントロリン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、カルバゾール環、アザカルバゾール環またはジアザカルバゾール環であり、より好ましくは、ピリジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、キナゾリン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環またはカルバゾール環であり、更に好ましくは、ピリジン環、ピリミジン環、トリアジン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環またはカルバゾール環であり、特に好ましくは、トリアジン環またはカルバゾール環であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
[式(B)で表される複素環式化合物]
複素環式化合物(B)は、式(B)で表される複素環式化合物であることがより好ましい。
B1は、通常、1〜10の整数であり、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、2〜6の整数であることが好ましく、2〜4の整数であることがより好ましく、3または4であることが更に好ましく、3であることが特に好ましい。
ArB1におけるnB1個の置換基を除いた複素環部分の例および好ましい範囲は、前述の複素環式化合物(B)における複素環の例および好ましい範囲と同じである。
ArB1は、芳香族複素環基であることが好ましく、この芳香族複素環基は置換基を有していてもよい。
ArB1で表される複素環基が有していてもよいArB2以外の置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基またはアリールオキシ基が好ましく、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基またはシクロアルコキシ基がより好ましく、アルキル基またはシクロアルキル基が更に好ましく、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
ArB2は、好ましくは式(D−A)、(D−B)、(D−C2)または(D−C3)で表される基であり、より好ましくは、式(D−A)、(D−B)または(D−C2)で表される基であり、更に好ましくは、式(D−A)または(D−B)で表される基であり、特に好ましくは、式(D−A1)、(D−A4)、(D−A6)、(D−A7)、(D−B1)または(D−B2)で表される基であり、とりわけ好ましくは、式(D−A6)、(D−A7)、(D−B1)または(D−B2)で表される基で表される基である。
式(B)で表される複素環式化合物は、式(B−1)〜(B−11)で表される複素環式化合物であることが好ましく、式(B−1)〜(B−4)または式(B−8)〜(B−11)で表される複素環式化合物であることがより好ましく、式(B−4)、(B−10)または(B−11)で表される複素環式化合物であることが更に好ましい。
[式中、
ArB2は、前記と同じ意味を表す。
Zは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
Zは、好ましくは、アルキル基またはシクロアルキル基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Zが有していてもよい置換基の好ましい範囲は、前述の複素環が有していてもよい置換基の好ましい範囲と同じである。
複素環式化合物(B)としては、例えば、下記式で表される化合物が挙げられる。
[発光層の組成比等]
発光層は、イリジウム錯体(A)と、複素環式化合物(B)とを含有する層である。すなわち、発光層は、イリジウム錯体(A)と複素環式化合物(B)とを含む組成物を含有する。
発光層には、イリジウム錯体(A)が1種単独で含有されていてもよく、2種以上含有されていてもよい。また、発光層には、複素環式化合物(B)が1種単独で含有されていてもよく、2種以上含有されていてもよい。
発光層において、イリジウム錯体(A)の含有量は、イリジウム錯体(A)と複素環式化合物(B)との合計を100重量部とした場合、通常、0.01〜90重量部であり、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、1〜60重量部であることが好ましく、10〜40重量部であることがより好ましい。
イリジウム錯体(A)の分子量(MA)は、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、好ましくは900以上4000以下であり、より好ましくは1200以上4000以下であり、更に好ましくは1600以上4000以下であり、特に好ましくは1600以上3000以下である。
複素環式化合物(B)の分子量(MB)は、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、好ましくは700以上3000以下であり、より好ましくは1500以上3000以下であり、更に好ましくは2000以上3000以下である。
イリジウム錯体(A)の分子量(MA)と、複素環式化合物(B)の分子量(MB)との合計(MA+MB)は、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、好ましくは3400以上であり、より好ましくは4000以上である。
イリジウム錯体(A)の分子量(MA)と、複素環式化合物(B)の分子量(MB)との合計(MA+MB)は、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、好ましくは7000以下であり、より好ましくは6000以下である。
イリジウム錯体(A)の分子量(MA)と、複素環式化合物(B)の分子量(MB)との合計(MA+MB)が10000を超えると、本発明の発光素子を溶液塗布プロセスで作製する際に、イリジウム錯体(A)および複素環式化合物(B)の溶媒への溶解性が問題になる。
イリジウム錯体(A)の分子量(MA)と、複素環式化合物(B)の分子量(MB)との合計(MA+MB)が2700未満であると、発光素子の外部量子効率が低下する。
イリジウム錯体(A)の分子量(MA)と、複素環式化合物(B)の分子量(MB)との合計(MA+MB)は、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、上記式(M1−2)を満たすことが好ましく、上記式(M1−3)を満たすことがより好ましく、式(M1−4)を満たすことが更に好ましい。

4000≦MA+MB≦5400 (M1−4)
複素環式化合物(B)の分子量(MB)に対する、イリジウム錯体(A)の分子量(MA)の比率(MA/MB)は、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、0.65以上であることが好ましい。複素環式化合物(B)の分子量(MB)に対する、イリジウム錯体(A)の分子量(MA)の比率(MA/MB)が、0.35未満であると、発光素子の外部量子効率が低下する。
複素環式化合物(B)の分子量(MB)に対する、イリジウム錯体(A)の分子量(MA)の比率(MA/MB)は、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、2.00以下であることが好ましく、1.30以下であることがより好ましい。複素環式化合物(B)の分子量(MB)に対する、イリジウム錯体(A)の分子量(MA)の比率(MA/MB)が3.00を超えると、発光素子の外部量子効率が低下する。
複素環式化合物(B)の分子量(MB)に対する、イリジウム錯体(A)の分子量(MA)の比率(MA/MB)は、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、上記式(M2−2)を満たすことが好ましく、上記式(M2−3)を満たすことがより好ましい。
イリジウム錯体(A)の分子量(MA)と、複素環式化合物(B)の分子量(MB)とは、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、式(M1−1)および式(M2−2)を満たすことが好ましく、式(M1−2)および式(M2−2)を満たすことがより好ましく、式(M1−3)および式(M2−3)を満たすことが更に好ましく、式(M1−4)および式(M2−3)を満たすことが特に好ましい。
発光層は、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料、発光材料(イリジウム錯体(A)および複素環式化合物(B)とは異なる。)および酸化防止剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の材料を更に含有していてもよい。但し、発光層において、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料および電子注入材料は、複素環式化合物(B)とは異なる。
[正孔輸送材料]
正孔輸送材料は、低分子化合物と高分子化合物とに分類され、好ましくは高分子化合物である。正孔輸送材料は、架橋基を有していてもよい。
高分子化合物としては、例えば、ポリビニルカルバゾールおよびその誘導体;側鎖または主鎖に芳香族アミン構造を有するポリアリーレンおよびその誘導体が挙げられる。高分子化合物は、電子受容性部位が結合された化合物でもよい。電子受容性部位としては、例えば、フラーレン、テトラフルオロテトラシアノキノジメタン、テトラシアノエチレン、トリニトロフルオレノン等が挙げられ、好ましくはフラーレンである。
発光層において、正孔輸送材料の配合量は、イリジウム錯体(A)と複素環式化合物(B)との合計を100重量部とした場合、通常、1〜400重量部であり、好ましくは5〜150重量部である。
正孔輸送材料は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
[電子輸送材料]
電子輸送材料は、低分子化合物と高分子化合物とに分類される。電子輸送材料は、架橋基を有していてもよい。
低分子化合物としては、例えば、8-ヒドロキシキノリンを配位子とする金属錯体、オキサジアゾール、アントラキノジメタン、ベンゾキノン、ナフトキノン、アントラキノン、テトラシアノアントラキノジメタン、フルオレノン、ジフェニルジシアノエチレンおよびジフェノキノン、並びに、これらの誘導体が挙げられる。
高分子化合物としては、例えば、ポリフェニレン、ポリフルオレン、および、これらの誘導体が挙げられる。高分子化合物は、金属でドープされていてもよい。
発光層において、電子輸送材料の配合量は、イリジウム錯体(A)と複素環式化合物(B)との合計を100重量部とした場合、通常、1〜400重量部であり、好ましくは5〜150重量部である。
電子輸送材料は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
[正孔注入材料および電子注入材料]
正孔注入材料および電子注入材料は、各々、低分子化合物と高分子化合物とに分類される。正孔注入材料および電子注入材料は、架橋基を有していてもよい。
低分子化合物としては、例えば、銅フタロシアニン等の金属フタロシアニン;カーボン;モリブデン、タングステン等の金属酸化物;フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化セシウム、フッ化カリウム等の金属フッ化物が挙げられる。
高分子化合物としては、例えば、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリフェニレンビニレン、ポリチエニレンビニレン、ポリキノリンおよびポリキノキサリン、並びに、これらの誘導体;芳香族アミン構造を主鎖または側鎖に含む重合体等の導電性高分子が挙げられる。
発光層において、正孔注入材料および電子注入材料の配合量は、各々、イリジウム錯体(A)と複素環式化合物(B)との合計を100重量部とした場合、通常、1〜400重量部であり、好ましくは5〜150重量部である。
電子注入材料および正孔注入材料は、各々、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
[イオンドープ]
正孔注入材料または電子注入材料が導電性高分子を含む場合、導電性高分子の電気伝導度は、好ましくは、1×10-5S/cm〜1×103S/cmである。導電性高分子の電気伝導度をかかる範囲とするために、導電性高分子に適量のイオンをドープすることができる。
ドープするイオンの種類は、正孔注入材料であればアニオン、電子注入材料であればカチオンである。アニオンとしては、例えば、ポリスチレンスルホン酸イオン、アルキルベンゼンスルホン酸イオン、樟脳スルホン酸イオンが挙げられる。カチオンとしては、例えば、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオンが挙げられる。
ドープするイオンは、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
[発光材料]
発光材料(イリジウム錯体(A)および複素環式化合物(B)とは異なる。)は、低分子化合物と高分子化合物とに分類される。発光材料は、架橋基を有していてもよい。
低分子化合物としては、例えば、ナフタレンおよびその誘導体、アントラセンおよびその誘導体、並びに、ペリレンおよびその誘導体が挙げられる。
高分子化合物としては、例えば、フェニレン基、ナフタレンジイル基、アントラセンジイル基、フルオレンジイル基、フェナントレンジイル基、ジヒドロフェナントレンジイル基、後述の式(X)で表される基、カルバゾールジイル基、フェノキサジンジイル基、フェノチアジンジイル基、ピレンジイル基等を含む高分子化合物が挙げられる。
三重項発光錯体としては、例えば、以下に示す金属錯体が挙げられる。
発光層において、発光材料の配合量は、イリジウム錯体(A)と複素環式化合物(B)との合計を100重量部とした場合、通常、1〜400重量部であり、好ましくは5〜150重量部である。
発光材料は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
[酸化防止剤]
酸化防止剤は、イリジウム錯体(A)と複素環式化合物(B)と同じ溶媒に可溶であり、発光および電荷輸送を阻害しない化合物であればよく、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤が挙げられる。
発光層において、酸化防止剤の配合量は、金属錯体を100重量部とした場合、通常、0.001〜10重量部である。
酸化防止剤は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
[発光層のインク]
イリジウム錯体(A)と、複素環式化合物(B)と、溶媒とを含有する発光層の組成物(以下、「発光層のインク」ともいう。)は、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、キャピラリ−コート法、ノズルコート法等の塗布法に好適に使用することができる。
発光層のインクの粘度は、塗布法の種類によって調整すればよいが、インクジェット印刷法等の溶液が吐出装置を経由する印刷法に適用する場合には、吐出時の目づまりと飛行曲がりが起こりづらいので、好ましくは25℃において1〜20mPa・sである。
発光層のインクに含有される溶媒は、好ましくは、インク中の固形分を溶解または均一に分散できる溶媒である。溶媒としては、例えば、1,2-ジクロロエタン、1,1,2-トリクロロエタン、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒;THF、ジオキサン、アニソール、4-メチルアニソール等のエーテル系溶媒;トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、n-ヘキシルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n-ペンタン、n-ヘキサン、n-へプタン、n-オクタン、n-ノナン、n-デカン、n-ドデカン、ビシクロヘキシル等の脂肪族炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート、安息香酸メチル、酢酸フェニル等のエステル系溶媒;エチレングリコール、グリセリン、1,2-ヘキサンジオール等の多価アルコール系溶媒;イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール等のアルコール系溶媒;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒;N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒が挙げられる。溶媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
発光層のインクにおいて、溶媒の配合量は、イリジウム錯体(A)と複素環式化合物(B)との合計を100重量部とした場合、通常、1000〜100000重量部であり、好ましくは2000〜20000重量部である。
<正孔輸送層>
正孔輸送層は、架橋材料の架橋体を含有する層である。
[架橋材料]
架橋材料は、低分子化合物であっても高分子化合物であってもよいが、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、架橋基A群から選ばれる少なくとも1種の架橋基を有する低分子化合物(以下、「正孔輸送層の低分子化合物」ともいう。)、または、架橋基A群から選ばれる少なくとも1種の架橋基を有する架橋構成単位を含む高分子化合物(以下、「正孔輸送層の高分子化合物」ともいう。)であることが好ましく、架橋基A群から選ばれる少なくとも1種の架橋基を有する架橋構成単位を含む高分子化合物であることが好ましい。
架橋基A群から選ばれる架橋基としては、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、好ましくは、式(XL−1)、(XL−3)、(XL−9)、(XL−16)または(XL−17)で表される架橋基であり、より好ましくは、式(XL−1)、(XL−16)または(XL−17)で表される架橋基であり、更に好ましくは、式(XL−1)または(XL−17)で表される架橋基である。
[正孔輸送層の高分子化合物]
正孔輸送層の高分子化合物に含まれる、架橋基A群から選ばれる少なくとも一種の架橋基を有する構成単位は、後述する式(2)で表される構成単位または式(2')で表される構成単位であることが好ましいが、下記で表される構成単位であってもよい。
正孔輸送層の高分子化合物に含まれる、架橋基A群から選ばれる少なくとも一種の架橋基を有する構成単位は、式(2)で表される構成単位または式(2')で表される構成単位であることが好ましい。
[式(2)で表される構成単位]
nAは、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、好ましくは0〜3の整数であり、より好ましくは0〜2の整数である。
nは、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、好ましくは2である。
Ar3は、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、好ましくは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基である。
Ar3で表される芳香族炭化水素基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6〜60であり、好ましくは6〜30であり、より好ましくは6〜18である。
Ar3で表される芳香族炭化水素基のn個の置換基を除いたアリーレン基部分としては、好ましくは、式(A-1)〜式(A-20)で表される基であり、より好ましくは、式(A-1)、式(A-2)、式(A-6)〜式(A-10)、式(A-19)または式(A-20)で表される基であり、さらに好ましくは、式(A-1)、式(A-2)、式(A-7)、式(A-9)または式(A-19)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Ar3で表される複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常2〜60であり、好ましくは3〜30であり、より好ましくは4〜18である。
Ar3で表される複素環基のn個の置換基を除いた2価の複素環基部分としては、好ましくは、式(AA-1)〜式(AA-34)で表される基である。
Ar3で表される芳香族炭化水素基および複素環基は置換基を有していてもよく、置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、1価の複素環基およびシアノ基が挙げられる。
Aで表されるアルキレン基は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常1〜20であり、好ましくは1〜15であり、より好ましくは1〜10である。LAで表されるシクロアルキレン基は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜20である。
アルキレン基およびシクロアルキレン基は、置換基を有していてもよく、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、シクロヘキシレン基、オクチレン基が挙げられる。
Aで表されるアルキレン基およびシクロアルキレン基は、置換基を有していてもよい。アルキレン基およびシクロアルキレン基が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、ハロゲン原子およびシアノ基が挙げられる。
Aで表されるアリーレン基は、置換基を有していてもよい。アリーレン基としては、フェニレン基またはフルオレンジイル基が好ましく、m−フェニレン基、p−フェニレン基、フルオレン−2,7−ジイル基、フルオレン−9,9−ジイル基がより好ましい。アリーレン基が有してもよい置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、ハロゲン原子、シアノ基および架橋基A群から選ばれる架橋基が挙げられる。
Aは、正孔輸送層の高分子化合物の製造が容易になるため、好ましくは、アリーレン基またはアルキレン基であり、より好ましくは、フェニレン基、フルオレンジイル基またはアルキレン基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Xで表される架橋基としては、正孔輸送層の高分子化合物の架橋性が優れるので、好ましくは式(XL−1)、(XL−3)、(XL−7)〜(XL−10)、(XL−16)または(XL−17)で表される架橋基であり、より好ましくは、式(XL−1)、(XL−3)、(XL−9)、(XL−16)または(XL−17)で表される架橋基であり、更に好ましくは、式(XL−1)、(XL−16)または(XL−17)で表される架橋基であり、特に好ましくは、式(XL−1)または(XL−17)で表される架橋基である。
式(2)で表される構成単位は、正孔輸送層の高分子化合物の安定性および架橋性が優れるので、正孔輸送層の高分子化合物に含まれる構成単位の合計量に対して、好ましくは0.5〜90モル%であり、より好ましくは3〜75モル%であり、更に好ましくは5〜60モル%である。
式(2)で表される構成単位は、正孔輸送層の高分子化合物中に、1種のみ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。
[式(2')で表される構成単位]
mAは、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、好ましくは0または1であり、より好ましくは0である。
mは、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、好ましくは2である。
cは、正孔輸送層の高分子化合物の製造が容易になり、かつ、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、好ましくは0である。
Ar5は、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、好ましくは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基である。
Ar5で表される芳香族炭化水素基のm個の置換基を除いたアリーレン基部分の定義や例は、後述する式(X)におけるArX2で表されるアリーレン基の定義や例と同じである。
Ar5で表される複素環基のm個の置換基を除いた2価の複素環基部分の定義や例は、後述する式(X)におけるArX2で表される2価の複素環基部分の定義や例と同じである。
Ar5で表される少なくとも1種の芳香族炭化水素環と少なくとも1種の複素環が直接結合した基のm個の置換基を除いた2価の基の定義や例は、後述する式(X)におけるArX2で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基の定義や例と同じである。
Ar4およびAr6は、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、好ましくは置換基を有していてもよいアリーレン基である。
Ar4およびAr6で表されるアリーレン基の定義や例は、後述する式(X)におけるArX1およびArX3で表されるアリーレン基の定義や例と同じである。
Ar4およびAr6で表される2価の複素環基の定義や例は、後述する式(X)におけるArX1およびArX3で表される2価の複素環基の定義や例と同じである。
Ar4、Ar5およびAr6で表される基は置換基を有していてもよく、置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、1価の複素環基およびシアノ基が挙げられる。
Aで表されるアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基の定義や例は、それぞれ、LAで表されるアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基の定義や例と同じである。
Aは、正孔輸送層の高分子化合物の製造が容易になるので、フェニレン基またはメチレン基であることが好ましい。
X’で表される架橋基の定義や例は、前述のXで表される架橋基の定義や例と同じである。
式(2')で表される構成単位は、正孔輸送層の高分子化合物の安定性が優れ、かつ、正孔輸送層の高分子化合物の架橋性が優れるので、正孔輸送層の高分子化合物に含まれる構成単位の合計量に対して、好ましくは0.5〜50モル%であり、より好ましくは3〜30モル%であり、更に好ましくは3〜20モル%である。
式(2')で表される構成単位は、正孔輸送層の高分子化合物中に、1種のみ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。
[式(2)または(2')で表される構成単位の好ましい態様]
式(2)で表される構成単位としては、例えば、式(2-1)〜式(2-30)で表される構成単位が挙げられ、式(2')で表される構成単位としては、例えば、式(2'-1)〜式(2'-9)で表される構成単位が挙げられる。これらの中でも、正孔輸送層の高分子化合物の架橋性が優れるので、好ましくは式(2-1)〜式(2-30)で表される構成単位であり、より好ましくは式(2-1)〜式(2-15)、式(2-19)、式(2-20)、式(2-23)、式(2-25)または式(2-30)で表される構成単位であり、更に好ましくは式(2-1)〜式(2-9)または式(2-30)で表される構成単位である。
[その他の構成単位]
正孔輸送層の高分子化合物は、正孔輸送性が優れるので、更に、式(X)で表される構成単位を含むことが好ましい。
[式中、
X1およびaX2は、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。
ArX1およびArX3は、それぞれ独立に、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX2およびArX4は、それぞれ独立に、アリーレン基、2価の複素環基、または、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ArX2およびArX4が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
X1、RX2およびRX3は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RX2およびRX3が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
X1は、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、好ましくは2以下の整数であり、より好ましくは1である。
X2は、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、好ましくは2以下の整数であり、より好ましくは0である。
X1、RX2およびRX3は、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基であり、より好ましくはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX1およびArX3で表されるアリーレン基は、より好ましくは式(A-1)または式(A-9)で表される基であり、更に好ましくは式(A-1)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX1およびArX3で表される2価の複素環基は、より好ましくは式(AA-1)、式(AA-2)または式(AA-7)〜式(AA-26)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX1およびArX3は、好ましくは置換基を有していてもよいアリーレン基である。
ArX2およびArX4で表されるアリーレン基は、より好ましくは式(A-1)、式(A-6)、式(A-7)、式(A-9)〜式(A-11)または式(A-19)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX2およびArX4で表される2価の複素環基のより好ましい範囲は、ArX1およびArX3で表される2価の複素環基のより好ましい範囲と同じである。
ArX2およびArX4で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基における、アリーレン基および2価の複素環基のより好ましい範囲、更に好ましい範囲は、それぞれ、ArX1およびArX3で表されるアリーレン基および2価の複素環基のより好ましい範囲、更に好ましい範囲と同じである。
ArX2およびArX4で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基としては、例えば、下記式で表される基が挙げられ、これらは置換基を有していてもよい。
[式中、RXXは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
XXは、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX2およびArX4は、好ましくは置換基を有していてもよいアリーレン基である。
ArX1〜ArX4およびRX1〜RX3で表される基が有してもよい置換基としては、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
式(X)で表される構成単位としては、好ましくは式(X-1)〜(X-7)で表される構成単位であり、より好ましくは式(X-3)〜(X-7)で表される構成単位であり、更に好ましくは式(X-3)〜(X-6)で表される構成単位である。
[式中、RX4およびRX5は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、1価の複素環基またはシアノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRX4は、同一でも異なっていてもよい。複数存在するRX5は、同一でも異なっていてもよく、隣接するRX5同士は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子と共に環を形成していてもよい。]
式(X)で表される構成単位は、正孔輸送性が優れるので、正孔輸送層の高分子化合物に含まれる構成単位の合計量に対して、好ましくは0.1〜90モル%であり、より好ましくは1〜70モル%であり、更に好ましくは10〜50モル%である。
式(X)で表される構成単位としては、例えば、式(X1-1)〜(X1-19)で表される構成単位が挙げられ、好ましくは式(X1-6)〜(X1-14)で表される構成単位である。
正孔輸送層の高分子化合物において、式(X)で表される構成単位は、1種のみ含まれていても、2種以上含まれていてもよい。
正孔輸送層の高分子化合物は、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、更に、式(Y)で表される構成単位を含むことが好ましい。
正孔輸送層の高分子化合物は、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、更に、式(X)で表される構成単位および式(Y)で表される構成単位を含むことが好ましい。
[式中、ArY1は、アリーレン基、2価の複素環基、または、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
ArY1で表されるアリーレン基は、より好ましくは式(A-1)、式(A-6)、式(A-7)、式(A-9)〜式(A-11)、式(A-13)または式(A-19)で表される基であり、更に好ましくは式(A-1)、式(A-7)、式(A-9)または式(A-19)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArY1で表される2価の複素環基は、より好ましくは式(AA-4)、式(AA-10)、式(AA-13)、式(AA-15)、式(AA-18)または式(AA-20)で表される基であり、とりわけ好ましくは式(AA-4)、式(AA-10)、式(AA-18)または式(AA-20)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArY1で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基における、アリーレン基および2価の複素環基のより好ましい範囲、更に好ましい範囲は、それぞれ、前述のArY1で表されるアリーレン基および2価の複素環基のより好ましい範囲、更に好ましい範囲と同様である。
ArY1で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基としては、式(X)のArX2およびArX4で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基と同様のものが挙げられる。
ArY1で表される基が有してもよい置換基は、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
式(Y)で表される構成単位としては、例えば、式(Y-1)〜(Y-7)で表される構成単位が挙げられ、本発明の発光素子の外部量子効率の観点からは、好ましくは式(Y-1)または(Y-2)で表される構成単位であり、正孔輸送層の高分子化合物の電子輸送性の観点からは、好ましくは式(Y-3)または(Y-4)で表される構成単位であり、正孔輸送層の高分子化合物の正孔輸送性の観点からは、好ましくは式(Y-5)〜(Y-7)で表される構成単位である。
[式中、RY1は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRY1は、同一でも異なっていてもよく、隣接するRY1同士は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子と共に環を形成していてもよい。]
Y1は、好ましくは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(Y-1)で表される構成単位は、好ましくは、式(Y-1')で表される構成単位である。
[式中、RY11は、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRY11は、同一でも異なっていてもよい。]
Y11は、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、より好ましくは、アルキル基またはシクロアルキル基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
[式中、
Y1は前記と同じ意味を表す。
Y1は、−C(RY2)2−、−C(RY2)=C(RY2)−または−C(RY2)2−C(RY2)2−で表される基を表す。RY2は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRY2は、同一でも異なっていてもよく、RY2同士は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子と共に環を形成していてもよい。]
Y2は、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基であり、より好ましくはアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Y1において、−C(RY2)2−で表される基中の2個のRY2の組み合わせは、好ましくは双方がアルキル基もしくはシクロアルキル基、双方がアリール基、双方が1価の複素環基、または、一方がアルキル基もしくはシクロアルキル基で他方がアリール基もしくは1価の複素環基であり、より好ましくは一方がアルキル基もしくはシクロアルキル基で他方がアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。2個存在するRY2は互いに結合して、それぞれが結合する原子と共に環を形成していてもよく、RY2が環を形成する場合、−C(RY2)2−で表される基としては、好ましくは式(Y-A1)〜(Y-A5)で表される基であり、より好ましくは式(Y-A4)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Y1において、−C(RY2)=C(RY2)−で表される基中の2個のRY2の組み合わせは、好ましくは双方がアルキル基もしくはシクロアルキル基、または、一方がアルキル基もしくはシクロアルキル基で他方がアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Y1において、−C(RY2)2−C(RY2)2−で表される基中の4個のRY2は、好ましくは置換基を有していてもよいアルキル基またはシクロアルキル基である。複数あるRY2は互いに結合して、それぞれが結合する原子と共に環を形成していてもよく、RY2が環を形成する場合、−C(RY2)2−C(RY2)2−で表される基は、好ましくは式(Y-B1)〜(Y-B5)で表される基であり、より好ましくは式(Y-B3)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
[式中、RY2は前記と同じ意味を表す。]
式(Y-2)で表される構成単位は、式(Y-2')で表される構成単位であることが好ましい。
[式中、RY1およびXY1は前記と同じ意味を表す。]
[式中、
Y1は前記と同じ意味を表す。
Y3は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
Y3は、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基であり、より好ましくはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
[式中、
Y1は前記を同じ意味を表す。
Y4は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
Y4は、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基であり、より好ましくはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(Y)で表される構成単位としては、例えば、式(Y-11)〜(Y-55)で表される構成単位が挙げられる。
式(Y)で表される構成単位であって、ArY1がアリーレン基である構成単位は、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、正孔輸送層の高分子化合物に含まれる構成単位の合計量に対して、好ましくは0.5〜80モル%であり、より好ましくは30〜60モル%である。
式(Y)で表される構成単位であって、ArY1が2価の複素環基、または、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基である構成単位は、正孔輸送層の高分子化合物の電荷輸送性が優れるので、正孔輸送層の高分子化合物に含まれる構成単位の合計量に対して、好ましくは0.5〜40モル%であり、より好ましくは3〜30モル%である。
式(Y)で表される構成単位は、正孔輸送層の高分子化合物中に、1種のみ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。
正孔輸送層の高分子化合物としては、例えば、表1に示す高分子化合物P-1〜P-8が挙げられる。ここで、「その他の構成単位」とは、式(2)、式(2')、式(X)および式(Y)で表される構成単位以外の構成単位を意味する。

[表中、p’、q’、r’、s’およびt’は、各構成単位のモル比率を表す。p’+q’+r’+s’+t’=100であり、かつ、70≦p’+q’+r’+s’≦100である。]
高分子化合物P-1〜P-8における、式(2)、式(2')、式(X)および式(Y)で表される構成単位の例および好ましい範囲は、上述のとおりである。
正孔輸送層の高分子化合物のポリスチレン換算の数平均分子量は、好ましくは5×103〜1×106であり、より好ましくは1×104〜5×105であり、より好ましくは1.5×104〜1×105である。
[正孔輸送層の高分子化合物の製造方法]
正孔輸送層の高分子化合物は、ケミカルレビュー(Chem. Rev.),第109巻,897-1091頁(2009年)等に記載の公知の重合方法を用いて製造することができ、Suzuki反応、Yamamoto反応、Buchwald反応、Stille反応、Negishi反応およびKumada反応等の遷移金属触媒を用いるカップリング反応により重合させる方法が例示される。
前記重合方法において、単量体を仕込む方法としては、単量体全量を反応系に一括して仕込む方法、単量体の一部を仕込んで反応させた後、残りの単量体を一括、連続または分割して仕込む方法、単量体を連続または分割して仕込む方法等が挙げられる。
遷移金属触媒としては、パラジウム触媒、ニッケル触媒等が挙げられる。
重合反応の後処理は、公知の方法、例えば、分液により水溶性不純物を除去する方法、メタノール等の低級アルコールに重合反応後の反応液を加えて、析出させた沈殿を濾過した後、乾燥させる方法等を単独または組み合わせて行う。高分子ホストの純度が低い場合、例えば、晶析、再沈殿、ソックスレー抽出器による連続抽出、カラムクロマトグラフィー等の通常の方法にて精製することができる。
[正孔輸送層の低分子化合物]
正孔輸送層の低分子化合物は、式(3)で表される低分子化合物が好ましい。
[式中、
B1およびmB2は、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。複数存在するmB1は、同一でも異なっていてもよい。
B1は0以上の整数を表す。nB1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
Ar7は、芳香族炭化水素基、複素環基、または、少なくとも1種の芳香族炭化水素環と少なくとも1種の複素環とが直接結合した基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Ar5が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
B1は、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基、−NR’’’−で表される基、酸素原子または硫黄原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R’’’は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。LB1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
X’’は、架橋基A群から選ばれる架橋基、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するX’’は、同一でも異なっていてもよい。但し、複数存在するX’’のうち、少なくとも1つは、架橋基A群から選ばれる架橋基である。]
B1は、通常、0〜10の整数であり、正孔輸送層の低分子化合物の合成が容易になるため、好ましくは0〜5の整数であり、より好ましくは0〜2の整数であり、更に好ましくは0または1であり、特に好ましくは0である。
B2は、通常、0〜10の整数であり、正孔輸送層の低分子化合物の合成が容易となり、かつ、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるため、好ましくは1〜5の整数であり、より好ましくは1〜3の整数であり、更に好ましくは1または2であり、特に好ましくは1である。
B3は、通常、0〜5の整数であり、正孔輸送層の低分子化合物の合成が容易になるため、好ましくは0〜4の整数であり、より好ましくは0〜2の整数であり、更に好ましくは0である。
Ar7で表される芳香族炭化水素基のmB3個の置換基を除いたアリーレン基部分の定義や例は、前述の式(X)におけるArX2で表されるアリーレン基の定義や例と同じである。
Ar7で表される複素環基のmB3個の置換基を除いた2価の複素環基部分の定義や例は、前述の式(X)におけるArX2で表される2価の複素環基部分の定義や例と同じである。
Ar7で表される少なくとも1種の芳香族炭化水素環と少なくとも1種の複素環が直接結合した基のmB3個の置換基を除いた2価の基の定義や例は、前述の式(X)におけるArX2で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基の定義や例と同じである。
Ar7は、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、好ましくは芳香族炭化水素基であり、この芳香族炭化水素基は置換基を有していてもよい。
B1で表されるアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基の定義や例は、それぞれ、LAで表されるアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基の定義や例と同じである。
B1は、正孔輸送層の低分子化合物の合成が容易になるため、好ましくは、アルキレン基、アリーレン基または酸素原子であり、より好ましくはアルキレン基またはアリーレン基であり、更に好ましくはフェニレン基、フルオレンジイル基またはアルキレン基であり、特に好ましくはフェニレン基またはアルキレン基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
X’’は、好ましくは、上記式(XL−1)〜(XL−17)のいずれかで表される架橋基、アリール基または1価の複素環基であり、より好ましくは、式(XL−1)、(XL−3)、(XL−7)〜(XL−10)、(XL−16)若しくは(XL−17)で表される架橋基またはアリール基であり、更に好ましくは、式(XL−1)、(XL−16)若しくは(XL−17)で表される架橋基、フェニル基、ナフチル基またはフルオレニル基であり、特に好ましくは、式(XL−16)若しくは(XL−17)で表される架橋基、フェニル基またはナフチル基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
正孔輸送層の低分子化合物としては、例えば、式(3−1)〜(3−16)で表される低分子化合物が挙げられ、好ましくは式(3−1)〜(3−10)で表される低分子化合物であり、より好ましくは式(3−5)〜(3−9)で表される低分子化合物である。
正孔輸送層の低分子化合物は、Aldrich、Luminescence Technology Corp.、American Dye Source等から入手可能である。
また、上記以外の入手方法として、例えば、国際公開第1997/033193号、国際公開第2005/035221号、国際公開第2005/049548号に記載されている方法に従って合成することができる。
[正孔輸送層の組成比等]
正孔輸送層は、架橋材料の架橋体と、正孔輸送材料(架橋材料の架橋体とは異なる)、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料、発光材料および酸化防止剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の材料とを含有する層であってもよい。
正孔輸送層に含有される正孔輸送材料、電子輸送材料、正孔注入材料、電子注入材料および発光材料の例および好ましい範囲は、発光層に含有される正孔輸送材料、電子輸送材料、正孔注入材料、電子注入材料および発光材料の例および好ましい範囲と同じである。正孔輸送層において、正孔輸送材料、電子輸送材料、正孔注入材料、電子注入材料および発光材料の配合量は、各々、架橋材料の架橋体を100重量部とした場合、通常、1〜400重量部であり、好ましくは5〜150重量部である。
正孔輸送層に含有される酸化防止剤の例および好ましい範囲は、発光層に含有される酸化防止剤の例および好ましい範囲と同じである。正孔輸送層において、酸化防止剤の配合量は、架橋材料の架橋体を100重量部とした場合、通常、0.001〜10重量部である。
[正孔輸送層のインク]
架橋材料と溶媒とを含有する正孔輸送層の組成物(以下、「正孔輸送層のインク」ともいう。)は、発光層のインクと同様に、スピンコート法、インクジェット印刷法等の塗布法に好適に使用することができる。
正孔輸送層のインクの粘度の好ましい範囲は、発光層のインクの粘度の好ましい範囲と同じである。
正孔輸送層のインクに含有される溶媒の例および好ましい範囲は、発光層のインクに含有される溶媒の例および好ましい範囲と同じである。
正孔輸送層のインクにおいて、溶媒の配合量は、架橋材料を100重量部とした場合、通常、1000〜100000重量部であり、好ましくは2000〜20000重量部である。
<発光素子の層構成>
本発明の発光素子は、陽極と、陰極と、陽極および陰極の間に設けられた発光層と、陽極および陰極の間に設けられた正孔輸送層とを有する。本発明の発光素子は、陽極、陰極、発光層および正孔輸送層以外の層を有していてもよい。
本発明の発光素子において、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、発光層と正孔輸送層とは隣接していることが好ましい。
本発明の発光素子は、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、陽極と正孔輸送層との間に、正孔注入層をさらに有することが好ましい。また、本発明の発光素子は、本発明の発光素子の外部量子効率がより優れるので、陰極と発光層との間に、電子輸送層および電子注入層からなる群から選ばれる少なくとも1つの層をさらに有することが好ましい。
本発明の発光素子の好ましい層構成としては、例えば、下記の構成が挙げられる。
(a)陽極−正孔輸送層−発光層−陰極
(b)陽極−正孔輸送層−発光層−電子注入層−陰極
(c)陽極−正孔注入層−正孔輸送層−発光層−陰極
(d)陽極−正孔注入層−正孔輸送層−発光層−電子注入層−陰極
(e)陽極−正孔注入層−正孔輸送層−発光層−電子注入層−陰極
(f)陽極−正孔輸送層−発光層−電子輸送層−電子注入層−陰極
(g)陽極−正孔注入層−正孔輸送層−発光層−電子輸送層−電子注入層−陰極
本発明の発光素子は、更に電極との密着性向上や電極からの電荷注入の改善のために、電極に隣接して絶縁層を設けてもよく、また、界面の密着性向上や混合の防止等のために正孔輸送層、電子輸送層または発光層の界面に薄いバッファー層を挿入してもよい。積層する層の順番や数、および各層の厚さは、外部量子効率や素子寿命を勘案して調整すればよい。
次に、本発明の発光素子の構成について、詳しく説明する。
[基板]
本発明の発光素子が有し得る基板は、電極を形成し、有機層を形成する際に化学的に変化しないものであればよく、例えば、ガラス、プラスチック、高分子フィルム、金属フィルム、シリコン等の基板、これらを積層した基板が用いられる。
本発明の発光素子において、陽極、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層および陰極は、それぞれ、必要に応じて、2層以上設けられていてもよい。
陽極、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層および陰極が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
陽極、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層および陰極の厚さは、通常、1nm〜1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、更に好ましくは5nm〜150nmである。
[電子輸送層]
電子輸送層は、電子輸送材料を含有する層である。電子輸送材料としては、例えば、前述の発光層が含有していてもよい電子輸送材料、並びに、式(ET−1)で表される構成単位および式(ET−2)で表される構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の構成単位を含む高分子化合物(以下、「電子輸送層の高分子化合物」ともいう。)が挙げられ、電子輸送層の高分子化合物が好ましい。
[式中、
nE1は、1以上の整数を表す。
ArE1は、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、これらの基はRE1以外の置換基を有していてもよい。
E1は、式(ES−1)で表される基を表す。RE1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
−RE3−{(QE1nE3−YE1(ME1aE1(ZE1bE1mE1
(ES−1)
[式中、
nE3は0以上の整数を表し、aE1は1以上の整数を表し、bE1は0以上の整数を表し、mE1は1以上の整数を表す。nE3、aE1およびbE1が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。但し、RE3が単結合である場合、mE1は1である。また、aE1およびbE1は、式(ES−1)で表される基の電荷が0となるように選択される。
E3は、単結合、炭化水素基、複素環基または−O−RE3’を表し(RE3’は、炭化水素基または複素環基を表す。)、これらの基は置換基を有していてもよい。
E1は、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、酸素原子または硫黄原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。QE1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
E1は、−CO2 -、−SO3 -、−SO2 -またはPO3 2-を表す。YE1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
E1は、アルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属カチオンまたはアンモニウムカチオンを表し、このアンモニウムカチオンは置換基を有していてもよい。ME1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
E1は、F-、Cl-、Br-、I-、OH-、B(RE44 -、RE4SO3 -、RE4COO-、NO3 -、SO4 2-、HSO4 -、PO4 3-、HPO4 2-、H2PO4 -、BF4 -またはPF6 -を表す。RE4は、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ZE1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
nE1は、通常1〜4の整数であり、好ましくは1または2である。
ArE1で表される芳香族炭化水素基または複素環基としては、1,4−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,2−フェニレン基、2,6−ナフタレンジイル基、1,4−ナフタレンジイル基、2、7−フルオレンジイル基、3,6−フルオレンジイル基、2,7−フェナントレンジイル基または2,7−カルバゾールジイル基から、環を構成する原子に直接結合する水素原子nE1個を除いた基が好ましく、RE1以外の置換基を有していてもよい。
ArE1が有していてもよいRE1以外の置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、置換アミノ基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、シクロアルキニル基、カルボキシル基および式(ES−3)で表される基が挙げられる。
−O−(Cn'2n'O)nx−Cm'2m'+1 (ES−3)
[式中、n’、m’およびnxは、それぞれ独立に、1以上の整数を表す。]
nE3は、通常0〜10の整数であり、好ましくは0〜8の整数であり、より好ましくは0〜2の整数である。
aE1は、通常1〜10の整数であり、好ましくは1〜5の整数であり、より好ましくは1または2である。
bE1は、通常0〜10の整数であり、好ましくは0〜4の整数であり、より好ましくは0または1である。
mE1は、通常1〜5の整数であり、好ましくは1または2であり、より好ましくは0または1である。
E3が−O−RE3’の場合、式(ES−1)で表される基は、下記で表される基である。
−O−RE3’−{(QE1nE3−YE1(ME1aE1(ZE1bE1mE1
E3としては、炭化水素基または複素環基が好ましく、芳香族炭化水素基または芳香族複素環基がより好ましく、芳香族炭化水素基が更に好ましい。
E3が有していてもよい置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基および式(ES−3)で表される基が挙げられ、式(ES−3)で表される基が好ましい。
E1としては、アルキレン基、アリーレン基または酸素原子が好ましく、アルキレン基または酸素原子がより好ましい。
E1としては、−CO2 -、−SO2 -またはPO3 2-が好ましく、−CO2 -がより好ましい。
E1で表されるアルカリ金属カチオンとしては、例えば、Li+、Na+、K+、Rb+、Cs+が挙げられ、K+、Rb+またはCs+が好ましく、Cs+がより好ましい。
E1で表されるアルカリ土類金属カチオンとしては、例えば、Be2+、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+が挙げられ、Mg2+、Ca2+、Sr2+またはBa2+が好ましく、Ba2+がより好ましい。
E1としては、アルカリ金属カチオンまたはアルカリ土類金属カチオンが好ましく、アルカリ金属カチオンがより好ましい。
E1としては、F-、Cl-、Br-、I-、OH-、B(RE44 -、RE4SO3 -、RE4COO-またはNO3 -が好ましく、F-、Cl-、Br-、I-、OH-、RE4SO3 -またはRE4COO-が好ましい。RE4としては、アルキル基が好ましい。
式(ES−1)で表される基としては、例えば、下記式で表される基が挙げられる。
[式中、M+は、Li+、Na+、K+、Cs+またはN(CH34 +を表す。M+が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
[式中、
nE2は、1以上の整数を表す。
ArE2は、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、これらの基はRE2以外の置換基を有していてもよい。
E2は、式(ES−2)で表される基を表す。RE2が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
−RE5−{(QE2nE4−YE2(ME2aE2(ZE2bE2mE2
(ES−2)
[式中、
nE4は0以上の整数を表し、aE2は1以上の整数を表し、bE2は0以上の整数を表し、mE2は1以上の整数を表す。nE4、aE2およびbE2が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。但し、RE5が単結合である場合、mE2は1である。また、aE2およびbE2は、式(ES−2)で表される基の電荷が0となるように選択される。
E5は、単結合、炭化水素基、複素環基または−O−RE5’を表し(RE5’は、炭化水素基または複素環基を表す。)、これらの基は置換基を有していてもよい。
E2は、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、酸素原子または硫黄原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。QE2が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
E2は、−C+E6 2、−N+E6 3、−P+E6 3、−S+E6 2または−I+E6 2を表す。RE6は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRE6は、同一でも異なっていてもよい。YE2が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
E2は、F-、Cl-、Br-、I-、OH-、B(RE74 -、RE7SO3 -、RE7COO-、BF4 -、SbCl6 -またはSbF6 -を表す。RE7は、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ME2が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
E2は、アルカリ金属カチオンまたはアルカリ土類金属カチオンを表す。ZE2が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
nE2は、通常1〜4の整数であり、好ましくは1または2である。
ArE2で表される芳香族炭化水素基または複素環基としては、1,4−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,2−フェニレン基、2,6−ナフタレンジイル基、1,4−ナフタレンジイル基、2、7−フルオレンジイル基、3,6−フルオレンジイル基、2,7−フェナントレンジイル基または2,7−カルバゾールジイル基から、環を構成する原子に直接結合する水素原子nE2個を除いた基が好ましく、RE2以外の置換基を有していてもよい。
ArE2が有していてもよいRE2以外の置換基としては、ArE1が有していてもよいRE1以外の置換基と同様である。
nE4は、通常0〜10の整数であり、好ましくは0〜8の整数であり、より好ましくは0〜2の整数である。
aE2は、通常1〜10の整数であり、好ましくは1〜5の整数であり、より好ましくは1または2である。
bE2は、通常0〜10の整数であり、好ましくは0〜4の整数であり、より好ましくは0または1である。
mE2は、通常1〜5の整数であり、好ましくは1または2であり、より好ましくは0または1である。
E5が−O−RE5’の場合、式(ES−2)で表される基は、下記で表される基である。
−O−RE5’−{(QE1nE3−YE1(ME1aE1(ZE1bE1mE1
E5としては、炭化水素基または複素環基が好ましく、芳香族炭化水素基または芳香族複素環基がより好ましく、芳香族炭化水素基が更に好ましい。
E5が有していてもよい置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基および式(ES−3)で表される基が挙げられ、式(ES−3)で表される基が好ましい。
E2としては、アルキレン基、アリーレン基または酸素原子が好ましく、アルキレン基または酸素原子がより好ましい。
E2としては、−C+E6 2、−N+E6 3、−P+E6 3または−S+E6 2が好ましく、−N+E6 3がより好ましい。RE6としては、水素原子、アルキル基またはアリール基が好ましく、水素原子またはアルキル基がより好ましい。
E2としては、F-、Cl-、Br-、I-、B(RE74 -、RE7SO3 -、RE7COO-、BF4 -またはSbF6-が好ましく、Br-、I-、B(RE74 -、RE7COO-またはSbF6-がより好ましい。RE7としては、アルキル基が好ましい。
E2で表されるアルカリ金属カチオンとしては、例えば、Li+、Na+、K+、Rb+、Cs+が挙げられ、Li+、Na+またはK+が好ましい。
E2で表されるアルカリ土類金属カチオンとしては、例えば、Be2+、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+が挙げられ、Mg2+またはCa2+が好ましい。
E2としては、アルカリ金属カチオンが好ましい。
式(ES−2)で表される基としては、例えば、下記式で表される基が挙げられる。
[式中、X-は、F-、Cl-、Br-、I-、B(C654 -、CH3COO-またはCF3SO3 -を表す。X-が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
式(ET−1)および式(ET−2)で表される構成単位としては、例えば、下記式(ET−31)〜式(ET−38)で表される構成単位が挙げられる。
電子輸送層の高分子化合物は、例えば、特開2009−239279号公報、特開2012−033845号公報、特開2012−216821号公報、特開2012−216822号公報、特開2012−216815号公報に記載の方法に従って合成することができる。
後述する正孔注入層の形成に用いる材料、発光層の形成に用いる材料、正孔輸送層の形成に用いる材料、電子輸送層の形成に用いる材料、後述する電子注入層の形成に用いる材料は、発光素子の作製において、各々、正孔注入層、発光層、正孔輸送層、電子輸送層および電子注入層に隣接する層の形成時に使用される溶媒に溶解する場合、該溶媒に該材料が溶解することが回避されることが好ましい。材料の溶解を回避する方法としては、i)架橋基を有する材料を用いる方法、または、ii)隣接する層の溶解性に差を設ける方法が好ましい。上記i)の方法では、架橋基を有する材料を用いて層を形成した後、該架橋基を架橋させることにより、該層を不溶化させることができる。
発光層の上に、溶解性の差を利用して電子輸送層を積層する場合、発光層に対して溶解性の低い溶液を用いることで電子輸送層を積層することができる。
発光層の上に、溶解性の差を利用して電子輸送層を積層する場合に用いる溶媒としては、水、アルコール類、エーテル類、エステル類、ニトリル化合物類、ニトロ化合物類、フッ素化アルコール、チオール類、スルフィド類、スルホキシド類、チオケトン類、アミド類、カルボン酸類等が好ましい。該溶媒の具体例としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノール、tert−ブチルアルコール、アセトニトリル、1,2−エタンジオール、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、酢酸、ニトロメタン、炭酸プロピレン、ピリジン、二硫化炭素、および、これらの溶媒の混合溶媒が挙げられる。混合溶媒を用いる場合、水、アルコール類、エーテル類、エステル類、ニトリル化合物類、ニトロ化合物類、フッ素化アルコール、チオール類、スルフィド類、スルホキシド類、チオケトン類、アミド類、カルボン酸類等から選ばれる1種類以上の溶媒と、塩素系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、脂肪族炭化水素系およびケトン系から選ばれる1種類以上の溶媒との混合溶媒であってもよい。
[正孔注入層および電子注入層]
正孔注入層は、正孔注入材料を含有する層である。正孔注入材料としては、例えば、前述の発光層が含有していてもよい正孔注入材料が挙げられる。正孔注入材料は、1種単独で含有されていても、2種以上が含有されていてもよい。
電子注入層は、電子注入材料を含有する層である。電子注入材料としては、例えば、前述の発光層が含有していてもよい電子注入材料が挙げられる。電子注入材料は、1種単独で含有されていても、2種以上が含有されていてもよい。
[電極]
陽極の材料としては、例えば、導電性の金属酸化物、半透明の金属が挙げられ、好ましくは、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ;インジウム・スズ・オキサイド(ITO)、インジウム・亜鉛・オキサイド等の導電性化合物;銀とパラジウムと銅との複合体(APC);NESA、金、白金、銀、銅である。
陰極の材料としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、亜鉛、インジウム等の金属;それらのうち2種以上の合金;それらのうち1種以上と、銀、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫のうち1種以上との合金;並びに、グラファイトおよびグラファイト層間化合物が挙げられる。合金としては、例えば、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金が挙げられる。
本発明の発光素子において、陽極および陰極の少なくとも一方は、通常、透明または半透明であるが、陽極が透明または半透明であることが好ましい。
陽極および陰極の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法およびラミネート法が挙げられる。
[発光素子の製造方法]
本発明の発光素子において、発光層、正孔輸送層、電子輸送層、正孔注入層、電子注入層等の各層の形成方法としては、低分子化合物を用いる場合、例えば、粉末からの真空蒸着法、溶液または溶融状態からの成膜による方法が挙げられ、高分子化合物を用いる場合、例えば、溶液または溶融状態からの成膜による方法が挙げられる。
発光層は発光層のインクを用いて、正孔輸送層は正孔輸送層のインクを用いて、電子輸送層、正孔注入層および電子注入層は、上述した電子輸送材料、正孔注入材料および電子注入材料をそれぞれ含有するインクを用いて、スピンコート法、インクジェット印刷法に代表される塗布法により形成することができる。
本発明の発光素子は、基板上に各層を順次積層することにより製造することができる。
本発明の発光素子は、例えば、基板上に陽極を形成し、必要に応じて陽極上に正孔注入層を形成し、陽極上または正孔注入層上に正孔輸送層を形成し、正孔輸送層上に発光層を形成し、必要に応じて発光層上に電子輸送層および/または電子注入層を形成し、発光層上、電子輸送層上または電子注入層上に陰極を形成することにより、製造することができる。
また、本発明の発光素子は、例えば、基板上に陰極を形成し、必要に応じて陰極上に電子注入層および/または電子輸送層を形成し、陰極、電子注入層または電子輸送層上に発光層を形成し、発光層上に正孔輸送層を形成し、必要に応じて正孔輸送層上に正孔注入層を形成し、正孔輸送層上または正孔注入層上に陽極を形成することにより、製造することができる。
〔発光素子の用途〕
発光素子を用いて面状の発光を得るためには、面状の陽極と陰極が重なり合うように配置すればよい。パターン状の発光を得るためには、面状の発光素子の表面にパターン状の窓を設けたマスクを設置する方法、非発光部にしたい層を極端に厚く形成し実質的に非発光とする方法、陽極若しくは陰極、または両方の電極をパターン状に形成する方法がある。これらのいずれかの方法でパターンを形成し、いくつかの電極を独立にON/OFFできるように配置することにより、数字、文字等を表示できるセグメントタイプの表示装置が得られる。ドットマトリックス表示装置とするためには、陽極と陰極を共にストライプ状に形成して直交するように配置すればよい。複数の種類の発光色の異なる高分子化合物を塗り分ける方法、カラーフィルターまたは蛍光変換フィルターを用いる方法により、部分カラー表示、マルチカラー表示が可能となる。ドットマトリックス表示装置は、パッシブ駆動も可能であるし、TFT等と組み合わせてアクティブ駆動も可能である。これらの表示装置は、コンピュータ、テレビ、携帯端末等のディスプレイに用いることができる。面状の発光素子は、液晶表示装置のバックライト用の面状光源、または、面状の照明用光源として好適に用いることができる。フレキシブルな基板を用いれば、曲面状の光源および表示装置としても使用できる。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例において、高分子化合物のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)およびポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、移動層にテトラヒドロフランを用い、下記のサイズエクスクルージョンクロマトグラフィー(SEC)のいずれかにより求めた。なお、SECの各測定条件は、次のとおりである。
<測定条件1>
測定する高分子化合物を約0.05重量%の濃度でテトラヒドロフランに溶解させ、SECに10μL注入した。移動相は、2.0mL/分の流量で流した。カラムとして、PLgel MIXED−B(ポリマーラボラトリーズ製)を用いた。検出器にはUV−VIS検出器(島津製作所製、商品名:SPD−10Avp)を用いた。
<測定条件2>
測定する高分子化合物を約0.05重量%の濃度でテトラヒドロフランに溶解させ、SECに10μL注入した。移動相は、1.0mL/分の流量で流した。カラムとして、PLgel MIXED−B(ポリマーラボラトリーズ製)を用いた。検出器にはUV−VIS検出器(東ソー製、商品名:UV−8320GPC)を用いた。
<測定条件3>
測定する高分子化合物を約0.05重量%の濃度でテトラヒドロフランに溶解させ、SECに10μL注入した。移動相は、0.6mL/分の流量で流した。カラムとして、TSKguardcolumn SuperAW−Hと、TSKgel Super AWM−Hと、TSKgel SuperAW3000(いずれも東ソー製)の各1本を直列につないで用いた。検出器にはUV−VIS検出器(東ソー製、商品名:UV−8320GPC)を用いた。
LC−MSは、下記の方法で測定した。
測定試料を約2mg/mLの濃度になるようにクロロホルムまたはテトラヒドロフランに溶解させ、LC−MS(Agilent製、商品名:1100LCMSD)に約1μL注入した。LC−MSの移動相には、アセトニトリルおよびテトラヒドロフランの比率を変化させながら用い、0.2mL/分の流量で流した。カラムは、L−column 2 ODS(3μm)(化学物質評価研究機構製、内径:2.1mm、長さ:100mm、粒径3μm)を用いた。
TLC−MSは、下記の方法で測定した。
測定試料をトルエン、テトラヒドロフランまたはクロロホルムのいずれかの溶媒に任意の濃度で溶解させ、DART用TLCプレート(テクノアプリケーションズ社製、商品名:YSK5−100)上に塗布し、TLC−MS(日本電子社製、商品名:JMS−T100TD(The AccuTOF TLC))を用いて測定した。測定時のヘリウムガス温度は、200〜400℃の範囲で調節した。
NMRは、下記の方法で測定した。
5〜10mgの測定試料を約0.5mLの重クロロホルム(CDCl3)、重テトラヒドロフラン、重ジメチルスルホキシド、重アセトン、重N,N-ジメチルホルムアミド、重トルエン、重メタノール、重エタノール、重2−プロパノールまたは重塩化メチレンに溶解させ、NMR装置(Agilent製、商品名:INOVA300またはMERCURY 400VX)を用いて測定した。
化合物の純度の指標として、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)面積百分率の値を用いた。この値は、特に記載がない限り、HPLC(島津製作所製、商品名:LC−20A)でのUV=254nmにおける値とする。この際、測定する化合物は、0.01〜0.2重量%の濃度になるようにテトラヒドロフランまたはクロロホルムに溶解させ、濃度に応じてHPLCに1〜10μL注入した。HPLCの移動相には、アセトニトリル/テトラヒドロフランの比率を100/0〜0/100(容積比)まで変化させながら用い、1.0mL/分の流量で流した。カラムは、Kaseisorb LC ODS 2000(東京化成工業製)または同等の性能を有するODSカラムを用いた。検出器には、フォトダイオードアレイ検出器(島津製作所製、商品名:SPD−M20A)を用いた。
本実施例において、イリジウム錯体(A)の分子量(MA)および低分子化合物(B)の分子量(MB)は、ChemDraw Pro 13.0(ヒューリンクス社製)のMolecular Weightの値を用いて、算出した。
<合成例1> イリジウム錯体1の合成
イリジウム錯体1は、特開2013−237789号公報に記載の方法に従って合成した。イリジウム錯体1の分子量(MA)は、991.4である。
<合成例2> イリジウム錯体2の合成
イリジウム錯体2は、国際公開第2009/131255号に記載の方法に従って合成した。イリジウム錯体2の分子量(MA)は、1676.3である。
<合成例3> イリジウム錯体3の合成
イリジウム錯体3は、特開2014−224101号公報に記載の方法に従って合成した。イリジウム錯体3の分子量(MA)は、2013.0である。
<合成例4> イリジウム錯体4の合成
イリジウム錯体4は、特開2014−224101号公報および国際公開第2009/131255号に記載の方法に準じて合成した。イリジウム錯体4の分子量(MA)は、1676.3である。
<合成例5> イリジウム錯体5の合成
イリジウム錯体5は、特開2014−224101号公報に記載の方法に従って合成した。イリジウム錯体5の分子量は、2013.0である。
<合成例6> イリジウム錯体6の合成
イリジウム錯体6は、特開2014−224101号公報に記載の方法に準じて合成した。イリジウム錯体6の分子量(MA)は、2926.2である。
<合成例7> イリジウム錯体7の合成
イリジウム錯体7は、特開2014−224101号公報に記載の方法に従って合成した。イリジウム錯体7の分子量(MA)は、3599.4である。
<合成例8> イリジウム錯体8の合成
イリジウム錯体8は、特開2006−188673号公報に記載の方法に準じて合成した。イリジウム錯体8の分子量(MA)は、1826.5である。
<合成例9> イリジウム錯体9の合成
イリジウム錯体9は、国際公開第2002/44189号に記載の方法に準じて合成した。イリジウム錯体9の分子量(MA)は、973.3である。
<合成例10> イリジウム錯体10の合成
イリジウム錯体10は、特開2008−179617号公報に記載の方法に従って合成した。イリジウム錯体10の分子量(MA)は、1685.2である。
<合成例11> イリジウム錯体11の合成
(イリジウム錯体11−1の合成)
遮光した反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、イリジウム錯体10(38g)、N−ブロモスクシンイミド(12.1g)およびクロロホルム(1800mL)を加え、室温で24時間攪拌した。得られた反応混合物を、シリカゲルを敷いたろ過器に通液することにより、固形分を取り除いた。得られたろ液を減圧濃縮することにより溶媒を留去し、固体を得た。得られた固体を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルムおよびヘキサンの混合溶媒)により精製し、目的物を含むフラクションを得た。得られたフラクションを濃縮し、晶析(ジクロロメタンおよびヘキサンの混合溶媒)を3回行うことにより精製し、50℃にて一晩減圧乾燥を行うことで、イリジウム錯体11−1(22.1g)を赤色固体として得た。得られたイリジウム錯体11−1のHPLC面積百分率値(検出波長UV254nm)は99.4%を示した。
LC/MS(APCI−posi):m/z=1920[M+H]+
1H−NMR(300MHz/CD2Cl2):δ(ppm=)9.31(d,3H),9.26(dd,3H),8.38(d,12H),8.22(d,3H),7.96(d,3H),7.43(d,12H),7.00(dd,3H),6.82(d,3H),1.23(s,54H).
(イリジウム錯体11の合成)
<stage1>
反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした後、ビス(4−tert−ブチルフェニル)アミン(98.5g)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(3.21g)、トリ−tert−ブチルホスフィンテトラフルオロボレート塩(4.06g)、ナトリウム−tert−ブトキシド(67.3g)およびトルエン(665mL)を加え、攪拌しながら80℃に加熱した。その後、そこへ、トルエン(55ml)に溶解させたブロモベンゼン(57.1g)を滴下し、85℃で4時間攪拌した。得られた反応混合物をトルエン(680ml)で希釈した後、熱時ろ過することにより固体を除去した。得られたろ液に、活性白土(35g)および活性アルミナ(35g)を加え、90℃で1.5時間攪拌した後、熱時ろ過することにより固体を除去した。得られたろ液を減圧濃縮することにより溶媒を除去し、固体を得た。得られた固体を、晶析(ヘキサンおよびエタノールの混合溶媒)を2回行うことにより精製し、50℃で一晩減圧乾燥を行うことで、目的物である化合物11−S1(99g)を固体として得た。得られた化合物11−S1のHPLC面積百分率値(検出波長UV254nm)は99.5%以上を示した。
<stage2>
遮光した反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした後、化合物11−S1(71.5g)、N−ヨードスクシンイミド(49.5g)およびN,N−ジメチルホルムアミド(800mL)を加え、攪拌しながら30℃に加熱した。その後、そこへ、トリフルオロ酢酸(11.4g)を滴下し、50℃で4時間攪拌した。その後、遮光した反応容器を氷浴を用いて冷却し、イオン交換水(800mL)および10%塩化ナトリウム水溶液(200mL)を滴下したところ、固体が得られた。得られた固体をトルエン(1L)に溶解させた後、イオン交換水(800mL)を用いて2回洗浄した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧濃縮することにより溶媒を留去し、固体を得た。得られた固体を50℃で一晩減圧乾燥した後、晶析(クロロホルムおよびメタノールの混合溶媒)を行うことにより精製し、50℃にて一晩減圧乾燥を行うことで、目的物である化合物11−S2(84g)を固体として得た。得られた化合物11−S2のHPLC面積百分率値(検出波長UV254nm)は99.4%を示した。
<stage3>
遮光した反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、化合物11−S2(7.5g)およびテトラヒドロフラン(80mL)を加えた。その後、そこへ、テトラヒドロフランに溶解させたイソプロピルマグネシウムクロリド(2mol/L、15mL)を滴下し、室温で1時間撹拌した。その後、遮光した反応容器を氷浴を用いて冷却し、2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(6.4mL)を加え、5分間撹拌した。その後、遮光した反応容器を氷浴から取り外し、室温まで昇温しながら3時間撹拌した。その後、遮光した反応容器を氷浴を用いて冷却し、酢酸エチル(90mL)およびトルエン(30mL)の混合溶媒を用いて抽出した。得られた有機層を15重量%の食塩水(50mL)で2回洗浄した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧濃縮することにより溶媒を留去し、固体を得た。得られた固体を、晶析(クロロホルムおよびメタノールの混合溶媒)を2回行うことにより精製し、50℃で一晩減圧乾燥を行うことで、目的物である化合物11−S3(5.5g)を白色固体として得た。得られた化合物11−S3のHPLC面積百分率値(検出波長UV254nm)は99.5%以上を示した。
TLC/MS(DART positive):m/z=484[M+H]+
<stage4>
遮光した反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、イリジウム錯体11−1(5.0g)、化合物11−S3(4.4g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(360mg)、20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(20mL)およびテトラヒドロフラン(210ml)を加え、加熱還流下で24時間攪拌した。その後、室温まで冷却し、トルエン(400mL)およびイオン交換水(400mL)を加え、抽出した。得られた有機層を、イオン交換水で2回、5重量%食塩水で1回洗浄した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧濃縮することにより溶媒を留去し、固体を得た。得られた固体を、晶析(トルエンおよびイソプロパノールの混合溶媒)を行うことにより精製し、50℃で一晩減圧乾燥を行うことで、目的物であるイリジウム錯体11(3.9g)を赤色固体として得た。得られたイリジウム錯体11のHPLC面積百分率値(検出波長UV254nm)は99.5%以上を示した。
1H−NMR(300MHz/CD2Cl2):δ(ppm)=9.41(d,3H),9.21(dd,3H),8.39(d,12H),8.26(d,3H)、7.96(s,3H),7.45〜7.38(m,18H),7.27(dd,12H),7.23〜7.16(m,6H),6.96(d,18H),1.30(s,54H),1.22(s,54H).
LC/MS(APCI positive):m/z=2751[M+H]+
イリジウム錯体11の分子量(MA)は、2751.8である。
<合成例12> イリジウム錯体12の合成
イリジウム錯体12は、特開2014−224101号公報に記載の方法に従って合成した。イリジウム錯体12の分子量(MA)は、3695.4である。
<合成例13> イリジウム錯体13の合成
イリジウム錯体13は、特開2013−147551号公報に記載の方法に従って合成した。イリジウム錯体13の分子量(MA)は、793.0である。
<合成例14> イリジウム錯体14の合成
イリジウム錯体14は、特開2013−147551号公報に記載の方法に従って合成した。イリジウム錯体14の分子量(MA)は、1814.5である。
<合成例15> イリジウム錯体15の合成
イリジウム錯体15は、特開2014−224101号公報に記載の方法に従って合成した。イリジウム錯体15の分子量(MA)は、3737.7である。
<合成例16> イリジウム錯体16の合成
イリジウム錯体16は、国際公開第2015/008851号に記載の方法に従って合成した。イリジウム錯体16の分子量(MA)は、2460.7である。
<合成例17> イリジウム錯体17の合成
イリジウム錯体17は、国際公開第2006/121811号および特開2013−048190号公報に記載の方法に準じて合成した。イリジウム錯体17の分子量(MA)は、1330.8である。
<合成例18> イリジウム錯体18の合成
イリジウム錯体18は、国際公開第2006/121811号に記載の方法に準じて合成した。イリジウム錯体18の分子量(MA)は、1186.7である。
<合成例H1> 化合物H1の合成
化合物H1は、Luminescense Technology社より購入した。化合物H1の分子量(MB)は、484.6である。
<合成例H2> 化合物H2の合成
化合物H2は、特開2010−189630号公報に記載の方法に従って合成した。化合物H2の分子量(MB)は、706.0である。
<合成例H3> 化合物H3の合成
化合物H3は、Luminescense Technology社より購入した。化合物H3の分子量(MB)は、975.3である。
<合成例H4> 化合物H4の合成
(化合物H4−2の合成)
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、特開2010−31259号公報に記載の方法に従って合成した化合物H4−1(336g)、ビス(ピナコラト)ジボロン(113g)、酢酸パラジウム(II)(1.88g)、トリシクロヘキシルホスフィン(4.68g)、酢酸カリウム(72.7g)および1,4−ジオキサン(1580mL)を加え、加熱還流下で26時間撹拌した。室温まで冷却した後、1,4−ジオキサン(1000mL)を加えて希釈し、ろ過することにより固体を除去した。得られたろ液を減圧濃縮することにより固体を得た。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサンおよびジクロロメタンの混合溶媒)により精製した後、更に晶析(ジクロロメタンおよびアセトニトリルの混合溶媒)を2回行うことにより精製した。得られた固体を50℃で一晩減圧乾燥することにより、目的物である化合物H4−2(276g)を白色固体として得た。得られた化合物H4−2のHPLC面積百分率値(検出波長UV254nm)は99.3%であった。
TLC/MS(DART positive):m/z+=886[M+H]+
1H−NMR(300MHz/CD2Cl2):δ(ppm)=8.14(brs,3H),7.88(d,4H),7.84−7.82(m,2H),7.69(d,8H),7.53(d,8H),1.38(brs,48H).
(化合物H4の合成)
反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした後、特開2010−189630号公報に記載の方法に従って合成した化合物H4−3(4.26g)、化合物H4−2(29.21g)、トルエン(100mL)、PdCl2(PPh32(35mg)および20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(22g)を加え、加熱還流下で3時間攪拌した。室温まで冷却した後、トルエン(600mL)を加えて希釈し、イオン交換水(200mL)で2回洗浄し、更に15重量%食塩水(200mL)で洗浄し、分液した。得られた有機層を、無水硫酸ナトリウムを加えることにより乾燥し、ろ過することにより固体を除去した。得られたろ液をシリカゲルカラムに通液し、得られた溶液を減圧濃縮することにより固体を得た。得られた固体を中圧シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサンおよびクロロホルムの混合溶媒)を用いて精製した後、更に晶析(ヘキサンおよびエタノールの混合溶媒)を3回行うことにより精製した。得られた固体を50℃で一晩減圧乾燥することにより、目的物である化合物H4(10.9g)を白色固体として得た。得られた化合物H4のHPLC面積百分率値(検出波長UV254nm)は99.5%以上であった。
1H−NMR(300MHz,CDCl3):δ(ppm)=9.09(s,2H),8.94(d,4H),8.18(s,1H),7.82(m,28H),7.67(m,24H),7.50(d,24H),1.38(s,72H),1.34(s,36H).
化合物H4の分子量(MB)は、2504.6である。
<合成例H5> 化合物H5の合成
化合物H5は、Luminescense Technology社より購入した。化合物H5の分子量(MB)は、2403.4であった。
<合成例H6> 化合物H6の合成
化合物H6は、Luminescense Technology社より購入した。化合物H6の分子量(MB)は、609.8であった。
<合成例M1〜M7> 化合物M1〜M7の合成
化合物M1は、特開2010−189630号公報に記載の方法に従って合成した。
化合物M2は、国際公開第2005/049546号に記載の方法に従って合成した。
化合物M3は、国際公開第2013/146806号に記載の方法に従って合成した。
化合物M4は、特開2008−106241号公報に記載の方法に従って合成した。
化合物M5は、国際公開第2011/049241号に記載の方法に従って合成した。
化合物M6は、国際公開第2002/045184号に記載の方法に従って合成した。
化合物M7は、特開2010−215886号公報に記載の方法に従って合成した。
<合成例M8> 化合物M8の合成
(合成例M8−1) 化合物Ma3の合成
撹拌器を備えたフラスコ内の気体を窒素ガスで置換した後、化合物Ma2(64.6g)およびテトラヒドロフラン(615ml)を加え、−70℃に冷却した。そこへ、n−ブチルリチウムヘキサン溶液(1.6M、218ml)を1時間かけて滴下した後、−70℃で2時間撹拌した。そこへ、化合物Ma1(42.1g)を数回に分けて加えた後、−70℃で2時間撹拌した。そこへ、メタノール(40ml)を1時間かけて滴下した後、室温まで昇温した。その後、減圧濃縮して溶媒を留去し、トルエンおよび水を加えた。その後、水層を分離し、得られた有機層をさらに水で洗浄した。得られた有機層を減圧濃縮して、得られた残渣をシリカゲルカラム(ヘキサンおよび酢酸エチルの混合溶媒)を用いて精製することで、無色油状物として化合物Ma3を71g得た。得られた化合物Ma3のHPLC面積百分率値(UV254nm)は97.5%であった。この操作を繰り返し行うことで、化合物Ma3の必要量を得た。
1H-NMR(CDCl3, 300MHz) δ(ppm):2.43 (1H, s), 3.07-3.13 (4H, m), 6.95 (1H, d),7.07 (1H. s), 7.18-7.28 (3H, m), 7.28-7.40 (4H, m), 7.66 (2H, s).
(合成例M8−2) 化合物Ma4の合成
撹拌器を備えたフラスコ内の気体を窒素ガスで置換した後、化合物Ma3(72.3g)、トルエン(723ml)およびトリエチルシラン(118.0g)を加え、70℃に昇温した。そこへ、メタンスルホン酸(97.7g)を1.5時間かけて滴下した後、70℃で0.5時間撹拌した。その後、室温まで冷却し、トルエン(1L)および水(1L)を加えた後、水層を分離した。得られた有機層を、水、5重量%炭酸水素ナトリウム水、水の順番で洗浄した。得られた有機層を減圧濃縮して、得られた粗生成物をトルエンおよびエタノールの混合溶液で晶析することで、白色固体として化合物Ma4を51.8g得た。得られた化合物Ma4のHPLC面積百分率値(UV254nm)は99.5%以上であった。この操作を繰り返し行うことで、化合物Ma4の必要量を得た。
1H-NMR(CDCl3, 300MHz) δ(ppm):3.03-3.14 (4H, m), 4.99 (1H, s), 6.68 (1H, s), 6.92-7.01 (2H, m), 7.20-7.28 (2H, m), 7.29-7.38 (4H, m), 7.78 (2H, d).
(合成例M8−3) 化合物Mb3の合成
撹拌器を備えたフラスコ内の気体を窒素ガスで置換した後、化合物Mb1(185.0g)、化合物Mb2(121.1g)、ヨウ化銅(I)(CuI、3.2g)、ジクロロメタン(185ml)およびトリエチルアミン(2.59L)を加え、還流温度に昇温した。その後、還流温度で0.5時間撹拌し、室温まで冷却した。そこへ、ジクロロメタン(1.85L)を加えた後、セライトを敷き詰めたろ過器でろ過した。得られたろ液に10重量%炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた後、水層を分離した。得られた有機層を水で2回洗浄し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、硫酸マグネシウムを加えた。得られた混合物をろ過し、得られたろ液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラム(クロロホルムおよび酢酸エチルの混合溶媒)を用いて精製することで、粗生成物を得た。得られた粗生成物をエタノール(1.4L)に溶解させた後、活性炭(5g)を加え、ろ過した。得られたろ液を減圧濃縮して、得られた残渣をヘキサンで晶析することで、白色固体として化合物Mb3を99.0g得た。得られた化合物Mb3のHPLC面積百分率値(UV254nm)は99.5%以上であった。この操作を繰り返し行うことで、化合物Mb3の必要量を得た。
1H-NMR(DMSO-d6, 300MHz) δ(ppm):1.52-1.55 (8H, m), 2.42 (4H, t), 3.38-3.44 (4H, m), 4.39-4.43(2H, m), 7.31 (4H, s).
(合成例M8−4) 化合物Mb4の合成
撹拌器を備えたフラスコ内の気体を窒素ガスで置換した後、化合物Mb3(110.0g)、エタノール(1.65L)およびパラジウム/炭素(Pd重量10%)(11.0g)を加え、30℃まで昇温した。その後、フラスコ内の気体を水素ガスで置換した。その後、フラスコ内に水素ガスを供給しながら、30℃で3時間撹拌した。その後、フラスコ内の気体を窒素ガスで置換した。得られた混合物をろ過し、得られたろ液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラム(クロロホルムおよび酢酸エチルの混合溶媒)を用いて精製することで、粗生成物を得た。得られた粗生成物をヘキサンで晶析することで、白色固体として化合物Mb4を93.4g得た。得られた化合物Mb4のHPLC面積百分率値(UV254nm)は98.3%であった。
1H-NMR(CDCl3, 300MHz) δ(ppm):1.30-1.40 (8H, m), 1.55-1.65 (8H, m), 2.58 (4H, t), 3.64 (4H, t), 7.09 (4H, s).
13C-NMR(CDCl3, 75MHz) δ(ppm):25.53, 28.99, 31.39, 32.62, 35.37, 62.90, 128.18, 139.85.
(合成例M8−5) 化合物Mb5の合成
撹拌器を備えたフラスコ内の気体を窒素ガスで置換した後、化合物Mb4(61.0g)、ピリジン(0.9g)およびトルエン(732ml)を加え、60℃に昇温した。そこへ、塩化チオニル(91.4g)を1.5時間かけて滴下した後、60℃で5時間撹拌した。得られた混合物を室温まで冷却した後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラム(ヘキサンおよび酢酸エチルの混合溶媒)を用いて精製することで、無色油状物として化合物Mb5を64.3g得た。得られた化合物Mb5のHPLC面積百分率値(UV254nm)は97.2%であった。
1H-NMR(CDCl3, 300MHz) δ(ppm):1.35-1.40 (4H, m), 1.41-1.50 (4H, m), 1.60-1.68 (4H, m), 1.75-1.82 (4H, m), 2.60 (4H, t), 3.55 (4H, t), 7.11 (4H, s).
(合成例M8−6) 化合物Mb6の合成
撹拌器を備えたフラスコ内の気体を窒素ガスで置換した後、化合物Mb5(42.0g)、鉄粉(1.7g)、ヨウ素(0.3g)およびジクロロメタン(800ml)を加えた。その後、フラスコ全体を遮光し、0〜5℃に冷却した。そこへ、臭素(44.7g)およびジクロロメタン(200ml)の混合液を1時間かけて滴下した後、0〜5℃にて一晩撹拌した。得られた混合液を、0〜5℃に冷却した水(1.2L)に加えた後、有機層を分離した。得られた有機層を10重量%チオ硫酸ナトリウム水溶液で洗浄し、さらに、飽和塩化ナトリウム水、水の順番で洗浄した。得られた有機層に硫酸ナトリウムを加えた後、ろ過し、得られたろ液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラム(ヘキサン)を用いて精製することで、粗生成物を得た。得られた粗生成物をヘキサンで晶析することで、白色固体として化合物Mb6を47.0g得た。得られた化合物Mb6のHPLC面積百分率値(UV254nm)は98.3%であった。
1H-NMR(CDCl3, 300MHz) δ(ppm):1.38-1.45 (4H, m), 1.47-1.55 (4H, m), 1.57-1.67 (4H, m), 1.77-1.84(4H, m), 2.66 (4H, t), 3.55 (4H, t), 7.36 (2H, s).
(合成例M8−7) 化合物Mb7の合成
撹拌器を備えたフラスコ内の気体を窒素ガスで置換した後、ヨウ化ナトリウム(152.1g)およびアセトン(600ml)を加え、室温で0.5時間撹拌した。そこへ、Mb6(40.0g)を加えた後、還流温度まで昇温し、還流温度で24時間撹拌した。その後、室温まで冷却し、得られた混合液を水(1.2L)に加えた。析出した固体をろ別した後、水で洗浄することで粗生成物を得た。得られた粗生成物をトルエンおよびメタノールの混合液で晶析することで、白色固体として化合物Mb7を46.0g得た。得られた化合物Mb7のHPLC面積百分率値(UV254nm)は99.4%であった。この操作を繰り返し行うことで、化合物Mb7の必要量を得た。
1H-NMR(CDCl3, 300MHz) δ(ppm):1.35-1.50 (8H, m), 1.57-1.65 (4H, m), 1.80-1.89 (4H, m), 2.65 (4H, t), 3.20 (4H, t), 7.36 (2H, s).
(合成例M8−8) 化合物Mb8の合成
撹拌器を備えたフラスコ内の気体を窒素ガスで置換した後、水素化ナトリウム(60重量%、流動パラフィンに分散)(9.4g)、テトラヒドロフラン(110ml)および化合物Mb7(63.2g)を加えた。そこへ、化合物Ma4(55.0g)を数回に分けて加えた後、12時間撹拌した。そこへ、トルエン(440ml)および水(220ml)を加えた後、水層を分離した。得られた有機層を水で洗浄した後、硫酸マグネシウムを加えた。得られた混合液をろ過して、得られたろ液を減圧濃縮することで粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラム(ヘキサンおよびトルエンの混合溶媒)を用いて精製した。その後、ヘプタンで晶析することで、白色固体として化合物Mb8を84.1g得た。得られた化合物Mb8のHPLC面積百分率値(UV254nm)は99.5%以上であった。
1H-NMR(CDCl3, 300MHz) δ(ppm):0.70-0.76 (4H, m), 1.10-1.21 (8H, m), 1.32-1.44 (4H, m), 2.39-2.58 (8H, m), 3.00-3.12 (8H, m), 6.82-6.94 (4H, m), 7.00-7.05 (2H, m), 7.17-7.28 (10H, m), 7.30-7.38 (4H, m), 7.71-7.77 (4H, m).
(合成例M8−9) 化合物M8の合成
撹拌器を備えたフラスコ内の気体を窒素ガスで置換した後、化合物Mb8(84.0g)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド ジクロロメタン付加物(PdCl2(dppf)・CH2Cl2、2.2g)、ビスピナコラートジボロン(68.3g)、酢酸カリウム(52.8g)およびシクロペンチルメチルエーテル(840ml)を加え、還流温度まで昇温した後、還流温度で5時間撹拌した。その後、室温まで冷却し、トルエン(500ml)および水(300ml)を加えた後、水層を分離した。得られた有機層を水で洗浄した後、活性炭(18.5g)を加えた。得られた混合液をろ過し、得られたろ液を減圧濃縮することで粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラム(ヘキサンおよびトルエンの混合溶媒)を用いて精製した。その後、トルエンおよびアセトニトリルの混合液で晶析する操作を繰り返すことで、白色固体として化合物M8を45.8g得た。得られた化合物M8のHPLC面積百分率値(UV254nm)は99.4%であった。
1H-NMR(CDCl3, 300MHz) δ(ppm):0.70-0.76 (4H, m), 1.24-1.40 (36H, m), 2.39-2.48 (4H, m), 2.66-2.75 (4H, m), 3.00-3.10 (8H, m), 6.76-6.90 (4H, m), 7.00-7.05 (2H, m), 7.19-7.30 (8H, m), 7.30-7.36 (4H, m), 7.43 (2H, s), 7.72 (4H, d).
<合成例P1> 高分子化合物HTL−1の合成
高分子化合物HTL−1は、化合物M1、化合物M2および化合物M4を用いて、国際公開第2013/146806号に記載の方法に従って合成した。
高分子化合物HTL−1のMnは5.5×104であり、Mwは1.4×105であった。
高分子化合物HTL−1は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物M1から誘導される構成単位と、化合物M2から誘導される構成単位と、化合物M4から誘導される構成単位とが、50:42.5:7.5のモル比で構成されてなる共重合体である。
<合成例P2> 高分子化合物HTL−2の合成
(工程1)反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、化合物M1(0.493g)、化合物M3(0.0620g)、化合物M8(0.130g)、化合物M2(1.15g)、ジクロロビス(トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン)パラジウム(2.2mg)およびトルエン(34mL)を加え、105℃に加熱した。
(工程2)反応液に、20重量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(8.3mL)を滴下し、6時間還流させた。
(工程3)反応後、そこに、フェニルボロン酸(61.0mg)およびジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(1.1mg)を加え、14.5時間還流させた。
(工程4)その後、そこに、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。冷却後、得られた反応液を、水で2回、3重量%酢酸水溶液で2回、水で2回洗浄し、得られた溶液をメタノールに滴下したところ、沈澱が生じた。得られた沈殿物をトルエンに溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムの順番で通すことにより精製した。得られた溶液をメタノールに滴下し、撹拌した後、得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、高分子化合物HTL−2を1.05g得た。
高分子化合物HTL−2のポリスチレン換算の数平均分子量は2.4×104であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は1.8×105であった。
高分子化合物HTL−2は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物M1から誘導される構成単位と、化合物M3から誘導される構成単位と、化合物M8から誘導される構成単位と、化合物M2から誘導される構成単位とが、40:5:5:50のモル比で構成されてなる共重合体である。
<合成例P3> 高分子化合物HTL−3の合成
高分子化合物HTL−3は、化合物M1、化合物M2および化合物M5を用いて、国際公開第2013/146806号に記載の方法に従って合成した。
高分子化合物HTL−3のMnは1.9×104であり、Mwは9.9×104であった。
高分子化合物HTL−3は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物M1から誘導される構成単位と、化合物M2から誘導される構成単位と、化合物M5から誘導される構成単位とが、50:42.5:7.5のモル比で構成されてなる共重合体である。
<合成例P4> 高分子化合物HTL−4の合成
高分子化合物HTL−4は、化合物M1、化合物M4、化合物M7および化合物M6を用いて、特開2014−1327号公報に記載の方法に従って合成した。
高分子化合物HTL−4のMnは5.2×104であり、Mwは2.5×105であった。
高分子化合物HTL−4は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物M1から誘導される構成単位と、化合物M4から誘導される構成単位と、化合物M7から誘導される構成単位と、化合物M6から誘導される構成単位とが、50:5:5:40のモル比で構成されてなる共重合体である。
<合成例P5> 高分子化合物ET1の合成
(高分子化合物ET1aの合成)
高分子化合物ET1aは、特開2012−33845号公報に記載の方法に従って合成した化合物ET1−1、および、特開2012−33845号公報に記載の方法に従って合成した化合物ET1−2を用いて、特開2012−33845号公報記載の合成法に従い合成した。
高分子化合物ET1aのMnは5.2×104であった。
高分子化合物ET1aは、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物ET1−1から誘導される構成単位と、化合物ET1−2から誘導される構成単位とが、50:50のモル比で構成されてなる共重合体である。
(高分子化合物ET1の合成)
反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、高分子化合物ET1a(200mg)、テトラヒドロフラン(20mL)およびエタノール(20mL)を加え、55℃に加熱した。その後、そこへ、水(2mL)に溶解させた水酸化セシウム(200mg)を加え、55℃で6時間撹拌した。その後、室温まで冷却した後、減圧濃縮することにより、固体を得た。得られた固体を水で洗浄した後、減圧乾燥させるにより、高分子化合物ET1(150mg、薄黄色固体)を得た。得られた高分子化合物ET1のNMRスペクトルにより、高分子化合物ET1aのエチルエステル部位のエチル基由来のシグナルが完全に消失していることを確認した。
<比較例CD1> 発光素子CD1の作製と評価
(陽極および正孔注入層の形成)
ガラス基板にスパッタ法により45nmの厚みでITO膜を付けることにより陽極を形成した。該陽極上に、ポリチオフェン・スルホン酸系の正孔注入剤であるAQ−1200(Plextronics社製)をスピンコート法により35nmの厚さで成膜し、大気雰囲気下において、ホットプレート上で170℃、15分間加熱することにより正孔注入層を形成した。
(正孔輸送層の形成)
キシレンに高分子化合物HTL−1を0.7重量%の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を用いて、正孔注入層の上にスピンコート法により20nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、ホットプレート上で180℃、60分間加熱させることにより正孔輸送層を形成した。
(発光層の形成)
クロロベンゼンに、イリジウム錯体1および化合物H1(イリジウム錯体1/化合物H1=30重量%/70重量%、MA+MB=1476、MA/MB=2.05)を2.5重量%の濃度で溶解させた。得られたクロロベンゼン溶液を用いて、正孔輸送層の上にスピンコート法により80nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、130℃、10分間加熱させることにより発光層を形成した。
(陰極の形成)
発光層の形成した基板を蒸着機内において、1.0×10-4Pa以下にまで減圧した後、陰極として、発光層の上にフッ化ナトリウムを約4nm、次いで、フッ化ナトリウム層の上にアルミニウムを約80nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止することにより、発光素子CD1を作製した。
(発光素子の評価)
発光素子CD1に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/m2における外部量子効率は0.11%、CIE色度座標(x,y)=(0.28,0.63)であった。
<比較例CD2> 発光素子CD2の作製および評価
比較例CD1における、イリジウム錯体1および化合物H1(イリジウム錯体1/化合物H1=30重量%/70重量%、MA+MB=1476、MA/MB=2.05)に代えて、イリジウム錯体2および化合物H3(イリジウム錯体2/化合物H3=30重量%/70重量%、MA+MB=2652、MA/MB=1.72)を用いた以外は、比較例CD1と同様にして、発光素子CD2を作製した。
発光素子CD2に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/m2における外部量子効率は2.14%、CIE色度座標(x,y)=(0.29,0.64)であった。
<実施例D1> 発光素子D1の作製および評価
比較例CD1における、イリジウム錯体1および化合物H1(イリジウム錯体1/化合物H1=30重量%/70重量%、MA+MB=1476、MA/MB=2.05)に代えて、イリジウム錯体3および化合物H2(イリジウム錯体3/化合物H2=30重量%/70重量%、MA+MB=2719、MA/MB=2.85)を用いた以外は、比較例CD1と同様にして、発光素子D1を作製した。
発光素子D1に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/m2における外部量子効率は7.31%、CIE色度座標(x,y)=(0.43,0.56)であった。
<実施例D2> 発光素子D2の作製および評価
比較例CD1における、イリジウム錯体1および化合物H1(イリジウム錯体1/化合物H1=30重量%/70重量%、MA+MB=1476、MA/MB=2.05)に代えて、イリジウム錯体1および化合物H4(イリジウム錯体1/化合物H4=30重量%/70重量%、MA+MB=3496、MA/MB=0.40)を用いた以外は、比較例CD1と同様にして、発光素子D2を作製した。
発光素子D2に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/m2における外部量子効率は15.15%、CIE色度座標(x,y)=(0.36,0.59)であった。
<実施例D3> 発光素子D3の作製および評価
比較例CD1における、イリジウム錯体1および化合物H1(イリジウム錯体1/化合物H1=30重量%/70重量%、MA+MB=1476、MA/MB=2.05)に代えて、イリジウム錯体2および化合物H4(イリジウム錯体2/化合物H4=30重量%/70重量%、MA+MB=4181、MA/MB=0.67)を用いた以外は、比較例CD1と同様にして、発光素子D3を作製した。
発光素子D3に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/m2における外部量子効率は16.96%、CIE色度座標(x,y)=(0.31,0.63)であった。
<実施例D4> 発光素子D4の作製および評価
比較例CD1における、イリジウム錯体1および化合物H1(イリジウム錯体1/化合物H1=30重量%/70重量%、MA+MB=1476、MA/MB=2.05)に代えて、イリジウム錯体4および化合物H4(イリジウム錯体4/化合物H4=30重量%/70重量%、MA+MB=4181、MA/MB=0.67)を用いた以外は、比較例CD1と同様にして、発光素子D4を作製した。
発光素子D4に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/m2における外部量子効率は20.27%、CIE色度座標(x,y)=(0.44,0.55)であった。
<実施例D5> 発光素子D5の作製および評価
比較例CD1における、イリジウム錯体1および化合物H1(イリジウム錯体1/化合物H1=30重量%/70重量%、MA+MB=1476、MA/MB=2.05)に代えて、イリジウム錯体3および化合物H4(イリジウム錯体3/化合物H4=30重量%/70重量%、MA+MB=4518、MA/MB=0.80)を用いた以外は、比較例CD1と同様にして、発光素子D5を作製した。
発光素子D5に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/m2における外部量子効率は19.27%、CIE色度座標(x,y)=(0.44,0.55)であった。
<実施例D6> 発光素子D6の作製および評価
比較例CD1における、イリジウム錯体1および化合物H1(イリジウム錯体1/化合物H1=30重量%/70重量%、MA+MB=1476、MA/MB=2.05)に代えて、イリジウム錯体5および化合物H4(イリジウム錯体5/化合物H4=30重量%/70重量%、MA+MB=4518、MA/MB=0.80)を用いた以外は、比較例CD1と同様にして、発光素子D6を作製した。
発光素子D6に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/m2における外部量子効率は18.38%、CIE色度座標(x,y)=(0.31,0.63)であった。
<実施例D7> 発光素子D7の作製および評価
比較例CD1における、イリジウム錯体1および化合物H1(イリジウム錯体1/化合物H1=30重量%/70重量%、MA+MB=1476、MA/MB=2.05)に代えて、イリジウム錯体6および化合物H4(イリジウム錯体6/化合物H4=30重量%/70重量%、MA+MB=5431、MA/MB=1.17)を用いた以外は、比較例CD1と同様にして、発光素子D7を作製した。
発光素子D7に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/m2における外部量子効率は15.22%、CIE色度座標(x,y)=(0.30,0.64)であった。
<実施例D8> 発光素子D8の作製および評価
比較例CD1における、イリジウム錯体1および化合物H1(イリジウム錯体1/化合物H1=30重量%/70重量%、MA+MB=1476、MA/MB=2.05)に代えて、イリジウム錯体7および化合物H4(イリジウム錯体6/化合物H4=30重量%/70重量%、MA+MB=6104、MA/MB=1.44)を用いた以外は、比較例CD1と同様にして、発光素子D8を作製した。
発光素子D8に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/m2における外部量子効率は12.47%、CIE色度座標(x,y)=(0.30,0.63)であった。
<実施例D9> 発光素子D9の作製および評価
比較例CD1における(正孔輸送層の形成)を下記(正孔輸送層の形成−D9)に変更し、(発光層の形成)を下記(発光層の形成−D9)に変更した以外は、比較例CD1と同様にして、発光素子D9を作製した。
(正孔輸送層の形成−D9)
キシレンに高分子化合物HTL−2を0.7重量%の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を用いて、正孔注入層の上にスピンコート法により20nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、ホットプレート上で180℃、60分間加熱させることにより正孔輸送層を形成した。
(発光層の形成−D9)
トルエンに、イリジウム錯体2および化合物H4(イリジウム錯体2/化合物H4=30重量%/70重量%、MA+MB=4181、MA/MB=0.67)を2.5重量%の濃度で溶解させた。得られたトルエン溶液を用いて、正孔輸送層の上にスピンコート法により80nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、130℃、10分間加熱させることにより発光層を形成した。
(発光素子の評価)
発光素子D9に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/m2における外部量子効率は19.09%、CIE色度座標(x,y)=(0.31,0.63)であった。
<実施例D10> 発光素子D10の作製および評価
実施例D3における高分子化合物HTL−1に代えて、高分子化合物HTL−3を用いた以外は、実施例D3と同様にして、発光素子D10を作製した。
発光素子D10に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/m2における外部量子効率は18.63%、CIE色度座標(x,y)=(0.31,0.63)であった。
<実施例D11> 発光素子D11の作製および評価
実施例D3における(正孔輸送層の形成)を下記(正孔輸送層の形成−D11)に変更した以外は、実施例D3と同様にして、発光素子D11を作製した。
(正孔輸送層の形成−D11)
クロロベンゼンに低分子化合物HTL−M1(Luminescense Technology社製)を0.7重量%の濃度で溶解させた。得られたクロロベンゼン溶液を用いて、正孔注入層の上にスピンコート法により20nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、ホットプレート上で180℃、60分間加熱させることにより正孔輸送層を形成した。
発光素子D11に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/m2における外部量子効率は13.09%、CIE色度座標(x,y)=(0.32,0.63)であった。
<比較例CD3> 発光素子CD3の作製と評価
(陽極および正孔注入層の形成)
ガラス基板にスパッタ法により45nmの厚みでITO膜を付けることにより陽極を形成した。該陽極上に、ポリチオフェン・スルホン酸系の正孔注入剤であるAQ−1200(Plextronics社製)をスピンコート法により65nmの厚さで成膜し、大気雰囲気下において、ホットプレート上で170℃、15分間加熱することにより正孔注入層を形成した。
(正孔輸送層の形成)
キシレンに高分子化合物HTL−3を0.7重量%の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を用いて、正孔注入層の上にスピンコート法により20nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、ホットプレート上で180℃、60分間加熱させることにより正孔輸送層を形成した。
(発光層の形成)
キシレンに、イリジウム錯体8および化合物H2(イリジウム錯体8/化合物H2=10重量%/90重量%、MA+MB=2532、MA/MB=2.59)を3重量%の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を用いて、正孔輸送層の上にスピンコート法により80nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、130℃、10分間加熱させることにより発光層を形成した。
(陰極の形成)
発光層の形成した基板を蒸着機内において、1.0×10-4Pa以下にまで減圧した後、陰極として、発光層の上にフッ化ナトリウムを約4nm、次いで、フッ化ナトリウム層の上にアルミニウムを約80nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止することにより、発光素子CD3を作製した。
(発光素子の評価)
発光素子CD3に電圧を印加することによりEL発光が観測された。400cd/m2における外部量子効率は1.75%、CIE色度座標(x,y)=(0.66,0.34)であった。
<実施例D12> 発光素子D12の作製および評価
比較例CD3における(発光層の形成)を下記(発光層の形成−D12)に変更した以外は、比較例CD3と同様にして、発光素子D12を作製した。
(発光層の形成−D12)
クロロベンゼンに、イリジウム錯体9および化合物H4(イリジウム錯体9/化合物H2=10重量%/90重量%、MA+MB=3478、MA/MB=0.39)を2.5重量%の濃度で溶解させた。得られたクロロベンゼン溶液を用いて、正孔輸送層の上にスピンコート法により80nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、130℃、10分間加熱させることにより発光層を形成した。
(発光素子の評価)
発光素子D12に電圧を印加することによりEL発光が観測された。400cd/m2における外部量子効率は11.10%、CIE色度座標(x,y)=(0.68,0.32)であった。
<実施例D13> 発光素子D13の作製および評価
比較例CD3における、イリジウム錯体8および化合物H2(イリジウム錯体8/化合物H2=10重量%/90重量%、MA+MB=2532、MA/MB=2.59)に代えて、イリジウム錯体10および化合物H4(イリジウム錯体10/化合物H4=10重量%/90重量%、MA+MB=4190、MA/MB=0.67)を用いた以外は、比較例CD3と同様にして、発光素子D13を作製した。
発光素子D13に電圧を印加することによりEL発光が観測された。400cd/m2における外部量子効率は14.64%、CIE色度座標(x,y)=(0.61,0.39)であった。
<実施例D14> 発光素子D14の作製および評価
比較例CD3における、イリジウム錯体8および化合物H2(イリジウム錯体8/化合物H2=10重量%/90重量%、MA+MB=2532、MA/MB=2.59)に代えて、イリジウム錯体11および化合物H4(イリジウム錯体11/化合物H4=10重量%/90重量%、MA+MB=5256、MA/MB=1.10)を用いた以外は、比較例CD3と同様にして、発光素子D14を作製した。
発光素子D14に電圧を印加することによりEL発光が観測された。400cd/m2における外部量子効率は13.36%、CIE色度座標(x,y)=(0.65,0.35)であった。
<実施例D15> 発光素子D15の作製および評価
比較例CD3における、イリジウム錯体8および化合物H2(イリジウム錯体8/化合物H2=10重量%/90重量%、MA+MB=2532、MA/MB=2.59)に代えて、イリジウム錯体12および化合物H4(イリジウム錯体12/化合物H4=10重量%/90重量%、MA+MB=6200、MA/MB=1.48)を用いた以外は、比較例CD3と同様にして、発光素子D15を作製した。
発光素子D15に電圧を印加することによりEL発光が観測された。400cd/m2における外部量子効率は11.00%、CIE色度座標(x,y)=(0.63,0.37)であった。
<比較例CD4> 発光素子CD4の作製および評価
比較例CD3における、イリジウム錯体8および化合物H2(イリジウム錯体8/化合物H2=10重量%/90重量%、MA+MB=2532、MA/MB=2.59)に代えて、イリジウム錯体11および化合物H2(イリジウム錯体11/化合物H2=10重量%/90重量%、MA+MB=3458、MA/MB=3.90)を用いた以外は、比較例CD3と同様にして、発光素子CD4を作製した。
発光素子CD4に電圧を印加することによりEL発光が観測された。400cd/m2における外部量子効率は0.83%、CIE色度座標(x,y)=(0.62,0.38)であった。
<比較例CD5> 発光素子CD5の作製および評価
比較例CD3における、イリジウム錯体8および化合物H2(イリジウム錯体8/化合物H2=10重量%/90重量%、MA+MB=2532、MA/MB=2.59)に代えて、イリジウム錯体12および化合物H2(イリジウム錯体12/化合物H2=10重量%/90重量%、MA+MB=4401、MA/MB=5.23)を用いた以外は、比較例CD3と同様にして、発光素子CD5を作製した。
発光素子CD5に電圧を印加することによりEL発光が観測された。400cd/m2における外部量子効率は0.89%、CIE色度座標(x,y)=(0.61,0.38)であった。
<比較例CD6> 発光素子CD6の作製と評価
(陽極および正孔注入層の形成)
ガラス基板にスパッタ法により45nmの厚みでITO膜を付けることにより陽極を形成した。該陽極上に、ポリチオフェン・スルホン酸系の正孔注入剤であるAQ−1200(Plextronics社製)をスピンコート法により35nmの厚さで成膜し、大気雰囲気下において、ホットプレート上で170℃、15分間加熱することにより正孔注入層を形成した。
(正孔輸送層の形成)
キシレンに、高分子化合物HTL−4を0.7重量%の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を用いて、正孔注入層の上にスピンコート法により20nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、ホットプレート上で180℃、60分間加熱させることにより正孔輸送層を形成した。
(発光層の形成)
クロロベンゼンに、イリジウム錯体13および化合物H5(イリジウム錯体13/化合物H5=25重量%/75重量%、MA+MB=3196、MA/MB=0.33)を2重量%の濃度で溶解させた。得られたクロロベンゼン溶液を用いて、正孔輸送層の上にスピンコート法により60nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、130℃、10分間加熱させることにより発光層を形成した。
(電子輸送層の形成)
2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−ペンタノールに、高分子化合物ET1を0.25重量%の濃度で溶解させた。得られた2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−ペンタノール溶液を用いて、発光層の上にスピンコート法により10nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、130℃、10分間加熱させることにより電子輸送層を形成した。
(陰極の形成)
電子輸送層を形成した基板を蒸着機内において、1.0×10-4Pa以下にまで減圧した後、陰極として、電子輸送層の上にフッ化ナトリウムを約4nm、次いで、フッ化ナトリウム層の上にアルミニウムを約80nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止することにより、発光素子CD6を作製した。
(発光素子の評価)
発光素子CD6に電圧を印加することによりEL発光が観測された。200cd/m2における外部量子効率は0.89%、CIE色度座標(x,y)=(0.16,0.22)であった。
<実施例D16> 発光素子D16の作製および評価
比較例CD6における、イリジウム錯体13および化合物H5(イリジウム錯体13/化合物H5=25重量%/75重量%、MA+MB=3196、MA/MB=0.33)に代えて、イリジウム錯体14および化合物H5(イリジウム錯体14/化合物H5=25重量%/75重量%、MA+MB=4218、MA/MB=0.76)を用いた以外は、比較例CD6と同様にして、発光素子D16を作製した。
発光素子D16に電圧を印加することによりEL発光が観測された。200cd/m2における外部量子効率は5.41%、CIE色度座標(x,y)=(0.15,0.30)であった。
<実施例D17> 発光素子D17の作製および評価
比較例CD6における、イリジウム錯体13および化合物H5(イリジウム錯体13/化合物H5=25重量%/75重量%、MA+MB=3196、MA/MB=0.33)に代えて、イリジウム錯体15および化合物H5(イリジウム錯体15/化合物H5=25重量%/75重量%、MA+MB=6141、MA/MB=1.56)を用いた以外は、比較例CD6と同様にして、発光素子D17を作製した。
発光素子D17に電圧を印加することによりEL発光が観測された。200cd/m2における外部量子効率は3.06%、CIE色度座標(x,y)=(0.15,0.29)であった。
<実施例D18> 発光素子D18の作製および評価
比較例CD6における、イリジウム錯体13および化合物H5(イリジウム錯体13/化合物H5=25重量%/75重量%、MA+MB=3196、MA/MB=0.33)に代えて、イリジウム錯体16および化合物H5(イリジウム錯体16/化合物H5=25重量%/75重量%、MA+MB=4864、MA/MB=1.02)を用いた以外は、比較例CD6と同様にして、発光素子D18を作製した。
発光素子D18に電圧を印加することによりEL発光が観測された。50cd/m2における外部量子効率は7.20%、CIE色度座標(x,y)=(0.18,0.39)であった。
<実施例D19> 発光素子D19の作製および評価
比較例CD6における、イリジウム錯体13および化合物H5(イリジウム錯体13/化合物H5=25重量%/75重量%、MA+MB=3196、MA/MB=0.33)に代えて、イリジウム錯体17および化合物H5(イリジウム錯体17/化合物H5=25重量%/75重量%、MA+MB=3734、MA/MB=0.55)を用いた以外は、比較例CD6と同様にして、発光素子D19を作製した。
発光素子D19に電圧を印加することによりEL発光が観測された。50cd/m2における外部量子効率は2.80%、CIE色度座標(x,y)=(0.18,0.39)であった。
<比較例CD7> 発光素子CD7の作製および評価
比較例CD6における、イリジウム錯体13および化合物H5(イリジウム錯体13/化合物H5=25重量%/75重量%、MA+MB=3196、MA/MB=0.33)に代えて、イリジウム錯体18よび化合物H6(イリジウム錯体18/化合物H6=25重量%/75重量%、MA+MB=1796、MA/MB=1.95)を用いた以外は、比較例CD6と同様にして、発光素子CD7を作製した。
発光素子CD7に電圧を印加することによりEL発光が観測された。50cd/m2における外部量子効率は0.60%、CIE色度座標(x,y)=(0.20,0.40)であった。
<実施例D20> 発光素子D20の作製と評価
(陽極および正孔注入層の形成)
ガラス基板にスパッタ法により45nmの厚みでITO膜を付けることにより陽極を形成した。該陽極上に、ポリチオフェン・スルホン酸系の正孔注入剤であるAQ−1200(Plextronics社製)をスピンコート法により65nmの厚さで成膜し、大気雰囲気下において、ホットプレート上で170℃、15分間加熱することにより正孔注入層を形成した。
(正孔輸送層の形成)
キシレンに、高分子化合物HTL−3を0.7重量%の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を用いて、正孔注入層の上にスピンコート法により20nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、ホットプレート上で180℃、60分間加熱させることにより正孔輸送層を形成した。
(発光層の形成)
クロロベンゼンに、イリジウム錯体16および化合物H5(イリジウム錯体16/化合物H5=25重量%/75重量%、MA+MB=4864、MA/MB=1.02)を2重量%の濃度で溶解させた。得られたクロロベンゼン溶液を用いて、正孔輸送層の上にスピンコート法により80nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、130℃、10分間加熱させることにより発光層を形成した。
(電子輸送層の形成)
2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−ペンタノールに、高分子化合物ET1を0.25重量%の濃度で溶解させた。得られた2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−ペンタノール溶液を用いて、発光層の上にスピンコート法により10nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、130℃、10分間加熱させることにより電子輸送層を形成した。
(陰極の形成)
電子輸送層を形成した基板を蒸着機内において、1.0×10-4Pa以下にまで減圧した後、陰極として、電子輸送層の上にフッ化ナトリウムを約4nm、次いで、フッ化ナトリウム層の上にアルミニウムを約80nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止することにより、発光素子D20を作製した。
(発光素子の評価)
発光素子D20に電圧を印加することによりEL発光が観測された。200cd/m2における外部量子効率は7.82%、CIE色度座標(x,y)=(0.19,0.44)であった。
<実施例D21> 発光素子D21の作製と評価
実施例D20における、イリジウム錯体16および化合物H5(イリジウム錯体16/化合物H5=25重量%/75重量%、MA+MB=4864、MA/MB=1.02)に代えて、イリジウム錯体17および化合物H5(イリジウム錯体17/化合物H5=25重量%/75重量%、MA+MB=3734、MA/MB=0.55)を用いた以外は、実施例D20と同様にして、発光素子D21を作製した。
発光素子D21に電圧を印加することによりEL発光が観測された。200cd/m2における外部量子効率は3.17%、CIE色度座標(x,y)=(0.19,0.44)であった。
本発明によれば、外部量子効率に優れる発光素子を提供することができる。また、本発明によれば、外部量子効率に優れる発光素子の製造に有用な組成物を提供することができる。

Claims (11)

  1. イリジウム錯体(A)と、典型元素から構成される複素環式化合物(B)と、溶媒とを含有する、塗布法により発光層を形成するための組成物であって、
    イリジウム錯体(A)が、式(A)で表されるイリジウム錯体であり、
    イリジウム錯体(A)の分子量(MA)と、複素環式化合物(B)の分子量(MB)とが、式(M1−)および式(M2−)を満たす、組成物。
    3400≦MA+MB≦7000 (M1−2)
    0.35≦MA/MB≦2.00 (M2−2)

    [式中、
    は3であり、nは0である。
    およびEは、それぞれ独立に、炭素原子または窒素原子を表す。但し、EおよびEの少なくとも一方は炭素原子である。
    環Rは、ピリジン環を表し、この環は置換基として、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アリール基、ピリジル基、ピリミジニル基、トリアジニル基または置換アミノ基を有していてもよく、これらの基は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を更に有していてもよい。前記置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環Rが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    環Rは、芳香族炭化水素環または芳香族複素環を表し、これらの環は置換基として、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アリール基、ピリジル基、ピリミジニル基、トリアジニル基または置換アミノ基を有していてもよく、これらの基は置換基としてアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基を有していてもよく、これらの基は置換基としてアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基を更に有していてもよい。前記置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環Rが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    環Rが有していてもよい置換基と環Rが有していてもよい置換基とは、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
    −G−Aは、アニオン性の2座配位子を表す。AおよびAは、それぞれ独立に、炭素原子、酸素原子または窒素原子を表し、これらの原子は環を構成する原子であってもよい。Gは、単結合、または、AおよびAとともに2座配位子を構成する原子団を表す。A−G−Aが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
  2. 前記分子量(MB)が1500以上3000以下である、請求項1に記載の組成物。
  3. 環R及び環Rからなる群から選ばれる少なくとも1つの環が、アルキル基、式(D−A1)〜(D−A4)及び(D−A)で表される基、式(D−B1)〜(D−B4)で表される基並びに式(D−C1)〜(D−C3)で表される基からなる群から選ばれる少なくとも1つの置換基を有する、請求項1又は2に記載の組成物。





    [式中、
    p1、Rp2、Rp3、Rp4、Rp5およびRp6は、アルキル基またはシクロアルキル基を表し、
    np1は1であり、np2は0〜3の整数を表し、np3は0または1を表し、np4は0〜4の整数を表し、np5は0〜5の整数を表し、np6は0〜5の整数を表す。複数あるnp2はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。]
  4. 環Rが、ベンゼン環であり、この環は置換基を有していてもよい、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 前記環Rおよび前記環Rからなる群から選ばれる少なくとも1つの環が、置換基を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 前記複素環式化合物(B)が、式(B)で表される複素環式化合物である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。

    [式中、
    B1は、1以上の整数を表す。
    ArB1は、複素環基を表し、この基は置換基を有していてもよい。
    ArB2は、式(D−A)、(D−B)または(D−C)で表される基を表す。ArB2が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]

    [式中、
    DA1、mDA2およびmDA3は、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。
    DAは、窒素原子、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
    ArDA1、ArDA2およびArDA3は、それぞれ独立に、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ArDA1、ArDA2およびArDA3が複数ある場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
    DAは、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数あるTDAは、同一でも異なっていてもよい。]

    [式中、
    DA1、mDA2、mDA3、mDA4、mDA5、mDA6およびmDA7は、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。
    DAは、窒素原子、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数あるGDAは、同一でも異なっていてもよい。
    ArDA1、ArDA2、ArDA3、ArDA4、ArDA5、ArDA6およびArDA7は、それぞれ独立に、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ArDA1、ArDA2、ArDA3、ArDA4、ArDA5、ArDA6およびArDA7が複数ある場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
    DAは、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数あるTDAは、同一でも異なっていてもよい。]

    [式中、
    DA1は、0以上の整数を表す。
    ArDA1は、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ArDA1が複数ある場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    DAは、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
  7. 前記ArB1が、置換基を有していてもよい芳香族複素環基である、請求項6に記載の組成物。
  8. 前記ArB1が、ピリジン環、ピリミジン環またはトリアジン環を有し、置換基を有していてもよい芳香族複素環基である、請求項6に記載の組成物。
  9. 前記分子量(MA)と、前記分子量(MB)とが、式(M1−3)および式(M2−3)を満たす、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
    4000≦MA+MB≦6000 (M1−3)
    0.65≦MA/MB≦1.30 (M2−3)
  10. 請求項1〜のいずれか一項に記載の組成物を用いた塗布法により発光層を形成する、発光層の製造方法。
  11. 陽極と、陰極と、陽極および陰極の間に設けられた発光層と、陽極および陰極の間に設けられた正孔輸送層とを有する、発光素子の製造方法であり、
    請求項1〜のいずれか一項に記載の組成物を用いた塗布法により前記発光層を形成する、発光素子の製造方法。
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