JP6693017B2 - グリース、機構部品、グリースの使用方法、及びグリースの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、グリース、当該グリースを用いた機構部品、当該グリースの使用方法、及び当該グリースの製造方法に関する。
一般的な各種産業機械には、軸受等の摺動部品が装着されており、摺動部品の摺動部分には、円滑な駆動のためにグリースや潤滑油などの潤滑材料が使われている。特に、グリースは、潤滑油に比べて封止が容易であり、適用される機械の小型化や軽量化が図れる等の理由から、摺動部分の潤滑のために広く使用されている。
ところで、食用原料の混合や加工用の食品機械にも、軸受等の摺動部品が装着されており、摺動部品の摺動部分にはグリースが使用される場合が多い。
しかしながら、摺動部分の使用されるグリースが、食品原料や食用製品に混入する恐れがある。グリースの構成成分として、人体に有害な物質が混入していると、グリースが食品原料や食用製品に混入することで、人体に予期せぬ害毒を及ぼす恐れがある。
そのため、食用原料の混合や加工用の食品機械に用いられるグリースとしては、一般的なグリースに求められる潤滑性能だけでなく、人体に対する安全性が要求される。
近年、このような要求に対応し得る食品機械用グリースとして、様々なグリースが提案されている。
例えば、特許文献1には、脂肪酸エステルと食品添加物である油類とを所定の比率で含有する基油に、ステアリン酸カルシウムを増ちょう剤とする食品機械用グリースが開示されている。
また、特許文献2には、基油が飽和脂肪酸とグリセリンとのエステルからなる飽和脂肪酸トリグリセライドであり、増ちょう剤がステアリン酸カルシウムとステアリン酸アルミニウムとの混合物である、グリース組成物が開示されている。
特許文献1及び2に開示のグリースは、環境負荷や人体への安全性を考慮し、なされたものである。
特開2009−91502号公報 特開2014−240467号公報
しかしながら、特許文献1及び2に開示のグリースは、増ちょう剤としてステアリン酸カルシウムを使用しているため、滴点が150℃未満と低く、耐熱性が劣るため、高温環境下での使用が難しい。
また、特許文献1及び2に開示のグリースは、耐水性が高いため、食品機械を水で洗浄する際に、摺動部分の使用されるグリースを水により洗い流すことが難しい。
そのため、耐熱性に優れると共に、水で容易に洗浄可能である、食品機械用に適したグリースが求められている。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、環境負荷が低く人体への安全性にも優れると共に、高い混和ちょう度及び滴点を有し、耐熱性に優れ、且つ、水で容易に洗浄可能であるグリース、当該グリースを用いた機構部品、当該グリースの使用方法、並びに、グリースの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、増ちょう剤として、環境負荷が低く、人体への安全性にも優れる、親水性ナノファイバーを用いると共に、所定の太さの親水性ナノファイバーが分散するように調製したグリースが、上記の課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記〔1〕〜〔5〕に関する。
〔1〕基油と、太さ(d)が0.01〜500nmの親水性ナノファイバーとを含有する、グリース。
〔2〕太さ(d’)が0.01〜500nmの親水性ナノファイバーと、基油とを混合して得られる、グリース。
〔3〕上記〔1〕又は〔2〕に記載のグリースを用いた、機構部品。
〔4〕上記〔1〕又は〔2〕に記載のグリースを食品機械の機構部品の潤滑に使用する、グリースの使用方法。
〔5〕下記工程(1)〜(2)を有する、グリースの製造方法。
工程(1):太さの平均(d’)が0.01〜500nmの親水性ナノファイバーを水中に配合してなる水分散液と、基油と、相溶化剤とを混合し、混合液を調製する工程。
工程(2):前記混合液から、水及び前記相溶化剤を除去する工程。
本発明のグリースは、環境負荷が低く人体への安全性にも優れると共に、高い混和ちょう度及び滴点を有し、耐熱性に優れ、且つ、水で容易に洗浄可能である。そのため、当該グリースは、食品機械の摺動部分の潤滑用途に好適である。
〔本発明のグリースの態様〕
本発明のグリースは、基油と、太さ(d)が0.01〜500nmの親水性ナノファイバーとを含有するグリース(第1のグリース)である。
本発明の別態様のグリースは、太さ(d’)が0.01〜500nmの親水性ナノファイバーと、基油とを混合して得られるグリース(第2のグリース)である。
なお、上記の第2のグリースにおいては、太さ(d’)が0.01〜500nmの親水性ナノファイバーを水中に配合してなる水分散液と、基油と、相溶化剤とを混合し、混合液を調製した後、当該混合液から水及び当該相溶化剤を除去することで得られるグリースであることが好ましい。
上記の水分散液や相溶化剤等の詳細は、以下の「本発明のグリースの製造方法」の項目での記載のとおりである。
本発明の第1及び第2のグリースは、共に、増ちょう剤として、親水性ナノファイバーを用いているため、水で容易に洗浄可能である。
なお、本発明において、「親水性」との語は、常温(25℃)の水に、一部が溶解する特性を有する物質を示す意味で使用ている。具体的には、対象となる物質0.05gを、50mLの水に、攪拌下で平衡まで溶解させ、目開き1μmのメンブレンフィルターで処理した際に、通過する成分が、当該物質中に1質量%以上含まれている場合、当該物質は「親水性」であると判断することができる。
第1のグリースでは、当該グリースに含有している親水性ナノファイバーの太さ(d)(つまり、基油中に分散している親水性ナノファイバーの太さ(d))を規定し、第2のグリースでは、基油と混合前の親水性ナノファイバーの太さ(d’)を規定している。
当該規定を満たすことで、基油中で、親水性ナノファイバーが高次構造を形成しつつ、且つ、親水性ナノファイバーを均一に分散させ易い。その結果、親水性ナノファイバーの含有量が少量であっても、高い混和ちょう度及び滴点を有し、耐熱性に優れたグリースとすることができる。
なお、本明細書において、「親水性ナノファイバーの含有量が少量」とは、当該親水性ナノファイバーの含有量が、グリースの全量(100質量%)基準で、20質量%以下(好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下)であることを意味する。
また、本明細書において、これら「第1のグリース」及び「第2のグリース」をまとめて、「本発明のグリース」又は「本発明の一態様のグリース」ともいう。
本発明の一態様のグリースは、基油及び親水性ナノファイバーと共に、本発明の効果を損なわず、人体への安全性への影響を考慮した範囲において、食品や食品添加物、さらに一般的なグリースに配合される各種添加剤を含有してもよい。
本発明の一態様のグリースにおける、基油及び前記親水性ナノファイバーの合計含有量は、当該グリースの全量(100質量%)基準で、好ましくは60〜100質量%、より好ましくは70〜100質量%、更に好ましくは80〜100質量%、より更に好ましくは90〜100質量%、特に好ましくは95〜100質量%である。
以下、本発明のグリースに含まれる各成分について説明する。
なお、本発明の第1及び第2のグリースにおいて、親水性ナノファイバーの詳細(太さ(d’)等の好適な形状、好適な形成材料、好適な含有量の範囲等)や基油の詳細(好適な種類、性状、及び含有量の範囲等)、及び親水性ナノファイバーと基油と共に配合される各種添加剤の詳細(種類や含有量の範囲等)等は、互いに同じである。
<基油>
本発明で用いる基油としては、グリースとしての潤滑性能を良好とすることができ、環境負荷が低く、人体への安全性にも優れるものであれば、特に制限は無く、植物性油、動物性油、脂肪酸エステル等の合成油、流動パラフィン等が挙げられる。
なお、本発明で用いる基油は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用した混合物であってもよい。
植物性油としては、植物に由来する油類であって、具体的には、菜種油、ピーナッツ油、コーン油、綿実油、キャノーラ油、大豆油、ヒマワリ油、パーム油、やし油、ベニバナ油、ツバキ油、オリーブ油、落花生油等が挙げられる。
動物性油としては、動物に由来する油類であって、具体的には、ラード、牛脚油、サナギ油、イワシ油、ニシン油等が挙げられる。
合成油としては、脂肪酸エステルが挙げられ、具体的には、中鎖脂肪酸トリグリセリド、ジグリセリンカプリル酸エステル、ジグリセリンカプリル酸オレイン酸エステル、ジグリセリンオレイン酸エステル、デカグリセリンカプリル酸オレイン酸エステル、デカグリセリンオレイン酸エステル等が挙げられる。
また、脂肪酸エステル以外の合成油としては、ノルマルパラフィン、イソパラフィン、ポリブテン、ポリイソブチレン、1−デセンオリゴマー、1−デセンとエチレンとの共重合体等のポリα−オレフィン(PAO)及びこれらの水素化物等が挙げられる。
脂肪酸エステルを構成する脂肪酸としては、炭素数が8〜22の脂肪酸が好ましく、具体的には、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、エルカ酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、イソステアリン酸、アラキン酸、リシノール酸、12−ヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。
具体的な脂肪酸エステルとしては、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、及びプロピレングリコール脂肪酸エステル等が挙げられる。
グリセリン脂肪酸エステルには、例えば、グリセリンモノオレエート、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノカプリレート、グリセリンジオレエート、グリセリンジステアレート、グリセリンジカプリレート等が挙げられる。
ポリグリセリン脂肪酸エステルには、例えば、ジグリセリンモノオレエート、ジグリセリンモノイソステアレート、ジグリセリンジオレエート、ジグリセリントリオレエート、ジグリセリンモノステアレート、ジグリセリンジステアレート、ジグリセリントリステアレート、ジグリセリントリイソステアレート、ジグリセリンモノカプリレート、ジグリセリンジカプリレート、ジグリセリントリカプリレート、トリグリセリンモノオレエート、トリグリセリンジオレエート、トリグリセリントリオレエート、トリグリセリンテトラオレエート、トリグリセリンモノステアレート、トリグリセリンジステアレート、トリグリセリントリステアレート、トリグリセリンテトラステアレート、トリグリセリンモノカプリレート、トリグリセリンジカプリレート、トリグリセリントリカプリレート、トリグリセリンテトラカプリレート、ジグリセリンモノオレイン酸モノステアリン酸エステル、ジグリセリンモノオレイン酸ジステアリン酸エステル、ジグリセリンモノカプリル酸モノステアリン酸エステル、トリグリセリンモノオレイン酸モノステアリン酸エステル、トリグリセリンジオレイン酸ジステアリン酸エステル、トリグリセリンジオレイン酸モノステアリン酸エステル、トリグリセリンモノオレイン酸モノステアリン酸モノカプリル酸エステル、ジグリセリンモノラウリレート、ジグリセリンジラウリレート、トリグリセリンモノラウリレート、トリグリセリントリラウリレート、トリグリセリントリラウリレート、ジグリセリンモノミリスチレート、ジグリセリンジミリスチレート、トリグリセリンモノミリスチレート、トリグリセリンジミリスチレート、トリグリセリントリミリスチレート、ジグリセリンモノリノレート、ジグリセリンジリノレート、トリグリセリンモノリノレート、トリグリセリンジリノレート、トリグリセリントリリノレート、デカグリセリンモノオレエート、デカグリセリンモノステアレート、デカグリセリンモノカプリル酸モノオレイン酸エステル等が挙げられる。
プロピレングリコール脂肪酸エステルには、例えば、プロピレングリコールモノオレエート、プロピレングリコールモノステアレート、プロピレングリコールモノカプリレート、プロピレングリコールモノラウリレート等が挙げられる。
流動パラフィンとしては、C(m、nは1以上の整数、ただしn<2m+2)で示される分岐構造、環構造を有する脂環式炭化水素化合物又はそれらの混合物が挙げられる。
本発明で用いる基油の40℃における動粘度としては、好ましくは5〜130mm/s、より好ましくは7〜110mm/s、更に好ましくは10〜100mm/sである。
当該動粘度が5mm/s以上であれば、グリースが油分離してしまう現象を抑制することができる。一方、当該動粘度が130mm/s以下であれば、摺動部分へ油が供給され易い。
なお、本発明で用いる基油は、高粘度の基油と、低粘度の基油とを組み合わせて、動粘度を上記範囲に調製した混合基油を用いてもよい。
本発明で用いる基油の粘度指数としては、好ましくは60以上、より好ましくは70以上、更に好ましくは80以上である。
なお、本発明において、40℃における動粘度及び粘度指数は、JIS K2283:2003に準拠して測定した値を意味する。
本発明のグリースに含まれる基油の含有量は、当該グリースの全量(100質量%)基準で、好ましくは40質量%以上、より好ましくは50質量%以上、更に好ましくは60質量%以上、より更に好ましくは70質量%以上であり、また、好ましくは99.9質量%以下である。
<親水性ナノファイバー>
本発明において、親水性ナノファイバーとは、親水性を有する化合物を含む形成材料から構成され、太さが500nm以下の繊維状物を意味し、フレーク状物、パウダー状物、及び粒子状物とは区別される。
なお、本発明において、親水性ナノファイバーの「太さ」は、一般的な繊維状物の太さと同じであるが、親水性ナノファイバーの側面上の任意の点における接線方向に対して垂直に切断したときの切断面において、当該切断面が円又は楕円であれば、直径又は長径であり、当該切断面が多角形であれば、当該多角形の外接円の直径を指す。
増ちょう剤として、数μmサイズのフレーク状、パウダー状、又は粒子状の親水性化合物を、基油に配合した場合、基油中において、親水性化合物が凝集し、いわゆる「ダマ」となり易い。その結果、得られるグリースの表面上には、親水性化合物の凝集物が析出し、分散状態が不均一となり易い。この場合、得られるグリースの混和ちょう度を上げるためには、多量の親水性化合物の添加が必要となるが、油膜厚さよりも大きい粒子を含むために、耐摩耗性が劣るグリースとなってしまう。
一方、本発明のグリースは、太さ(d)が0.01〜500nmの親水性ナノファイバーを含む。それにより、当該親水性ナノファイバーは、基油中にて、高次構造を形成しつつ、且つ、均一に分散した状態を保ち、その結果、親水性ナノファイバーの含有量が少量であるにも関わらず、高い混和ちょう度及び滴点を有するグリースとすることができる。
本発明において、「太さ(d)」は、グリース中に含まれ、基油中に分散している状態の親水性ナノファイバーの太さを示し、基油と混合する前の「親水性ナノファイバーの太さ(d’)」とは区別される。
基油中に分散している親水性ナノファイバーの太さ(d)は、0.01〜500nmであるが、上記観点から、好ましくは0.1〜300nm、より好ましくは1〜200nm、更に好ましくは2〜100nmである。
なお、本発明のグリースは、少なくとも太さ(d)が上記範囲の親水性ナノファイバーを含有するものであるが、太さ(d)が上記範囲から外れた親水性ナノファイバーを含有していてもよい。
ただし、本発明の一態様のグリースにおいて、親水性ナノファイバーによる高次構造を形成しつつ、親水性ナノファイバーを均一に分散させたグリースとする観点から、当該グリースに含まれる親水性ナノファイバーのうち、任意に選択した10本の親水性ナノファイバーの太さ(d)の平均値が、0.01〜500nm(より好ましくは0.1〜300nm、更に好ましくは1〜200nm、より更に好ましくは2〜100nm)であることが好ましい。
また、上記観点から、当該グリースに含まれる親水性ナノファイバーのうち、任意に選択した10本中、太さ(d)が上記範囲の親水性ナノファイバーの本数が、1本以上(より好ましくは5本以上、更に好ましくは7本以上)存在することが好ましく、選択した10本の親水性ナノファイバーの太さ(d)のいずれもが、上記範囲の親水性ナノファイバーであることがより好ましい。
本発明のグリースに含まれる親水性ナノファイバーのアスペクト比としては、好ましくは5以上、より好ましくは10以上、更に好ましくは15以上である。
なお、「アスペクト比」とは、観察対象である親水性ナノファイバーの太さに対する長さの割合〔長さ/太さ〕であり、親水性ナノファイバーの「長さ」とは、当該親水性ナノファイバーの最も離れた2点間の距離を指す。
また、観察対象となる親水性ナノファイバーの一部分が、他の親水性ナノファイバーと接触して「長さ」の認定が難しい場合には、観察対象の親水性ナノファイバーのうち、太さの測定が可能な部分のみの長さを測定し、当該部分のアスペクト比が上記範囲であればよい。
さらに、本発明のグリースに含まれる親水性ナノファイバーのうち、任意に選択した10本の親水性ナノファイバーのアスペクト比の平均値(以下、「平均アスペクト比」ともいう)が5以上(より好ましくは10以上、更に好ましくは15以上)であることが好ましい。
基油と混合する前の親水性ナノファイバーの太さ(d’)としては、好ましくは0.01〜500nm、より好ましくは0.1〜300nm、更に好ましくは1〜200nm、より更に好ましくは2〜100nmである。
また、基油と混合する前の原料としての親水性ナノファイバーの平均アスペクト比としては、好ましくは5以上、より好ましくは10以上、更に好ましくは15以上である。
なお、本明細書において、親水性ナノファイバーの太さ及びアスペクト比は、電子顕微鏡等を用いて測定した値である。
本発明で用いる親水性ナノファイバーは、親水性を有する化合物を含む形成材料から構成されていればよい。親水性を有する化合物としては、水酸基、アミノ基等の水素結合性水酸基を有する官能基を有する化合物、金属酸化物等が挙げられる。
ただし、環境負荷が低く、人体への安全性にも優れるグリースとする観点、及び、基油との相溶性の観点から、本発明で用いる親水性ナノファイバーとしては、多糖類を含むことが好ましい。
なお、本発明において、「多糖類」としては、酸化処理された多糖類も含まれる。
多糖類の中でも、セルロース、カルボキシメチルセルロース、キチン、キトサン、セロウロン酸、キトウロン酸、アミロウロン酸から選ばれる1種以上を含むことが好ましく、セルロースを含むことがより好ましい。
また、本発明で用いる親水性ナノファイバーは、その表面に対して改質処理を施したものを用いてもよく、当該改質処理として、酸化処理を施して金属塩の形態としたものを用いてもよい。
より具体的には、親水性ナノファイバーの表面に対して、カルボキシメチル化、TEMPO酸化、及び過ヨウ素酸酸化から選ばれる1種以上の改質処理を施した親水性ナノファイバーを用いることもできる。
本発明で用いる親水性ナノファイバーにおいて、多糖類を含む親水性ナノファイバーの含有割合としては、親水性ナノファイバーの全量(100質量%)基準で、好ましくは60〜100質量%、より好ましくは70〜100質量%、更に好ましくは80〜100質量%、より更に好ましくは90〜100質量%である。
多糖類の重合度としては、好ましくは50〜3000、より好ましくは100〜1500、更に好ましくは150〜1000、より更に好ましくは200〜800である。
なお、本発明において、多糖高分子の重合度は、粘度法により測定された値を意味する。
本発明のグリースにおいて、親水性ナノファイバーの含有量は、当該グリースの全量(100質量%)基準で、好ましくは0.1〜20質量%、より好ましくは0.5〜17質量%、更に好ましくは0.7〜15質量%、より更に好ましくは1.0〜10質量%である。
親水性ナノファイバーの含有量が0.1質量%以上であれば、高い混和ちょう度及び滴点を有するグリースとすることができる。
一方、親水性ナノファイバーの含有量が20質量%以下であれば、耐摩耗性に優れたグリースとすることができる。
<各種添加剤>
本発明の一態様のグリースにおいて、本発明の効果を損なわず、人体への安全性への影響を考慮した範囲において、食品や食品添加物、及び一般的なグリースに配合される各種添加剤を含有してもよい。
当該各種添加剤としては、例えば、酸化防止剤、防錆剤、油性剤、抗菌剤、防錆剤、摩擦調整剤、潤滑性向上剤、増粘剤、改質剤、清浄分散剤、腐食防止剤、消泡剤、極圧剤、金属不活性剤等が挙げられる。
なお、これらの各種添加剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の一態様のグリースが、これらの添加剤を含有する場合において、これらの添加剤の各含有量は、当該グリースの全量(100質量%)基準で、好ましくは0.01〜20質量%、より好ましくは0.05〜10質量%、更に好ましくは0.1〜5質量%、より更に好ましくは0.2〜2質量%である。
〔本発明のグリースの特性〕
本発明のグリースの25℃における混和ちょう度としては、グリースの硬さを適度な範囲とし、低温トルク特性、耐摩耗性を良好とする観点から、好ましくは200〜350、より好ましくは220〜340、更に好ましくは250〜320である。
なお、本明細書において、グリースの混和ちょう度は、JIS K2220 7:2013に準拠して測定された値である。
本発明のグリースの滴点としては、好ましくは200℃以上、より好ましくは220℃以上、更に好ましくは240℃以上、より更に好ましくは270℃以上である。
なお、本明細書において、グリースの滴点は、JIS K2220 8:2013に準拠して測定した値である。
本発明のグリースにおいて、当該グリースを150℃で加熱した際に、当該グリースの混和ちょう度が200以下もしくは350以上となるまでの時間としては、好ましくは200時間以上、より好ましくは300時間以上、更に好ましくは400時間以上である。
なお、上記の「グリースの混和ちょう度が200以下もしくは350以上となるまでの時間」は、実施例に記載の「耐熱性試験」に基づいて測定された値を意味する。
本発明のグリースにおいて、38℃の水を用いて、JIS K2220:2013の水洗耐久度試験方法に準拠した試験方法により測定した、水に洗い流されたグリースの質量が、試験前のグリース100質量部に対して、好ましくは20質量%以上、より好ましくは25質量%以上、更に好ましくは30質量%以上、より更に好ましくは35質量%以上、特に好ましくは38質量%以上である。
なお、上記の「JIS K2220:2013の水洗耐久度試験方法に準拠した方法」とは、具体的には実施例に記載の方法に基づく。
〔本発明のグリースの製造方法〕
本発明のグリースの製造方法は、下記工程(1)〜(2)を有することが好ましい。
工程(1):太さ(d’)が0.01〜500nmの親水性ナノファイバーを水中に配合してなる水分散液と、基油と、相溶化剤とを混合し、混合液を調製する工程。
工程(2):前記混合液から、水及び前記相溶化剤を除去する工程。
このような工程(1)及び(2)を経て得られるグリースは、基油中において、親水性ナノファイバー同士の凝集を抑制し、繊維形状を維持した状態で、基油中に、太さ(d)が0.01〜500nmの親水性ナノファイバーを分散させることができる。その結果、基油中において、親水性ナノファイバーによる高次構造が形成しつつ、親水性ナノファイバーを均一に分散させたグリースを製造することができる。
以下、工程(1)及び(2)について説明する。
<工程(1)>
工程(1)は、太さ(d’)が0.01〜500nmの親水性ナノファイバーを水中に配合してなる水分散液と、基油と、相溶化剤とを混合し、混合液を調製する工程である。
工程(1)で用いる親水性ナノファイバー及び基油の詳細は、上述のとおりである。
なお、ここでいう「太さ(d’)」は、上述のとおり、基油中や水中に配合される前の原料としての親水性ナノファイバーの太さを示すものであり、「太さ(d’)」の好適範囲は、上記と同じである。
親水性ナノファイバーを配合してなる水分散液の固形分濃度としては、当該水分散液の全量(100質量%)基準で、好ましくは0.1〜70質量%、より好ましくは0.5〜60質量%、更に好ましくは1.0〜50質量%である。
当該水分散液は、水中に親水性ナノファイバーや、必要に応じて界面活性剤等を配合し、手動もしくは撹拌機により、十分に撹拌をして、調製することができる。
基油中において、親水性ナノファイバーによる高次構造が形成しつつ、親水性ナノファイバーを均一に分散させたグリースを製造する観点から、当該水分散液中に含まれる親水性ナノファイバーの太さは、好ましくは0.01〜500nm、より好ましくは0.1〜300nm、更に好ましくは1〜200nm、より更に好ましくは2〜100nmである。
また、同様の観点から、当該水分散液中に含まれる親水性ナノファイバーの平均アスペクト比としては、好ましくは5以上、より好ましくは10以上、更に好ましくは15以上である。
相溶化剤としては、水及び油の双方と相溶性が良好な溶媒であればよく、例えば、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類や、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等が挙げられる。
これらの中でも、アルコール類が好ましく、ヘキシレングリコール又はプロピレングリコールがより好ましい。
工程(1)で調製する混合液における、相溶化剤の配合量は、混合液の全量(100質量%)基準で、好ましくは5〜70質量%、より好ましくは10〜60質量%、更に好ましくは15〜50質量%である。
工程(1)で調製する混合液における、水の配合量は、混合液の全量(100質量%)基準で、好ましくは1〜60質量%、より好ましくは3〜50質量%、更に好ましくは5〜40質量%である。
工程(1)で調製する混合液中における、水と相溶化剤との配合量比〔水/相溶化剤〕としては、質量比で、好ましくは0.01〜10.0、より好ましくは0.02〜7.0、更に好ましくは0.03〜5.0、より更に好ましくは0.04〜4.0である。
混合物は、親水性ナノファイバーを配合してなる水分散液、基油及び相溶化剤と共に、一般的なグリースに配合される上述の各種添加剤を添加してもよい。これらの成分を混合し、手動もしくは撹拌機により、十分に撹拌をして、混合物を調製することができる。
<工程(2)>
工程(2)は、工程(1)で調製した混合液から、水及び相溶化剤を除去する工程である。
水及び相溶化剤を除去する方法としては、混合物を加熱して、水及び相溶化剤を蒸発除去する方法が好ましい。
水を蒸発除去する際の条件としては、圧力が0.001〜0.1MPaの環境下で、温度範囲を0〜100℃にて混合物を加熱することが好ましい。
また、相溶化剤を蒸発除去する際の条件としては、圧力が0.001〜0.1MPaの環境下で、温度範囲を[相溶化剤の沸点(℃)]−120℃〜[相溶化剤の沸点(℃)]−0℃にて混合物を加熱することが好ましい。
なお、水及び相溶化剤の蒸発除去は、常圧蒸留によって行ってもよい。
混合物から水及び相溶化剤を除去した後、必要に応じて、ロールミル等を用いた均一化等の後処理工程を経て、本発明のグリースを得ることができる。
〔本発明のグリースを用いた機構部品、本発明のグリースの使用方法〕
本発明のグリースは、環境負荷が低く人体への安全性にも優れると共に、高い混和ちょう度及び滴点を有し、耐熱性に優れ、且つ、水で容易に洗浄可能である。
そのため、本発明のグリースは、食品機械の軸受や歯車等の摺動部分の潤滑用途に好適である。
つまり、本発明は、以下の機構部品及びグリースの使用方法も提供する。
(1)本発明のグリースを用いた、機構部品。
(2)本発明のグリースを食品機械の機構部品の潤滑に使用する、グリースの使用方法。
上記(1)の機構部品は、食品原料の混合や食品の製造等の食品機械に組み込まれた機構部品であることが好ましい。
また、上記(1)及び(2)で用いる「グリース」は、本発明のグリースであって、詳しくは上述のとおりである。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、諸特性は、以下に示す方法に従って求めた。
(1)40℃動粘度、粘度指数
JIS K2283:2000に準拠して測定した。
(2)親水性ナノファイバーの太さ、アスペクト比
透過性電子顕微鏡(TEM)を用いて、任意に選択した10本の親水性ナノファイバーの太さ及び長さをそれぞれ測定し、「長さ」/「太さ」から算出される値を、対象となる親水性ナノファイバーの「アスペクト比」とした。
(3)混和ちょう度
JIS K2220 7:2013に準拠して、25℃にて測定した。
(4)滴点
JIS K2220 8:2013に準拠して測定した。
実施例及び比較例で使用した基油、及び親水性ナノファイバーの詳細は以下のとおりである。
<基油>
・菜種油:40℃動粘度=39mm/s、粘度指数=204。
・PAO:ポリα−オレフィン、40℃動粘度=64mm/s、粘度指数=135。
<親水性ナノファイバー分散液>
・CNF(I)分散液:スギノマシン(株)製、製品名「BiNFi−s」(重合度600のセルロースナノファイバー(CNF(I))(太さ(d’)=20〜50nm(平均値35nm)、アスペクト比=100以上(平均アスペクト比100以上))を水中に配合してなる固形分濃度11.0質量%の水分散液。
実施例1
親水性ナノファイバー分散液である上記CNF(I)分散液91g(そのうちCNF(I)量:10.0g)と、基油である上記菜種油90gと、相溶化剤であるプロピレングリコール33gとを混合し、25℃にて、十分に撹拌して、混合液を調製した。
そして、当該混合液を、0.02MPaの環境下で90℃まで加熱し、当該混合液から水を蒸発除去した後、さらに0.02MPaの環境下で170℃まで加熱し、当該混合液から相溶化剤であるプロピレングリコールも蒸発除去した。
室温(25℃)まで冷却後、3本ロールミルを用いて均質化処理を行い、CNF(I)の含有量が10質量%であるグリース(1)を得た。
得られたグリース(1)に含まれるCNF(I)のうち、任意に選択した10本のCNF(I)の太さ(d)はいずれも20〜50nm(太さ(d)の平均値は35nm)であり、この10本のCNF(I)のアスペクト比はいずれも100以上(アスペクト比の平均値も100以上)であった。
実施例2
親水性ナノファイバー分散液である上記CNF(I)分散液73g(そのうちCNF(I)量:8.0g)と、基油である上記菜種油92gと、相溶化剤であるヘキシレングリコール33gとを混合し、25℃にて、十分に撹拌して、混合液を調製した。
そして、実施例1と同様の環境及び操作にて、当該混合液から水及び相溶化剤であるヘキシレングリコールを蒸発除去し、室温(25℃)まで冷却後、3本ロールミルを用いて均質化処理を行い、CNF(I)の含有量が8.0質量%であるグリース(2)を得た。
得られたグリース(2)に含まれるCNF(I)のうち、任意に選択した10本のCNF(I)の太さ(d)はいずれも20〜50nm(太さ(d)の平均値は35nm)であり、この10本のCNF(I)のアスペクト比はいずれも100以上(アスペクト比の平均値も100以上)であった。
実施例3
親水性ナノファイバー分散液である上記CNF(I)分散液91g(そのうちCNF(I)量:10.0g)と、基油である上記PAO90gと、相溶化剤であるヘキシレングリコール33gとを混合し、25℃にて、十分に撹拌して、混合液を調製した。
そして、実施例1と同様の環境及び操作にて、当該混合液から水及び相溶化剤であるヘキシレングリコールを蒸発除去し、室温(25℃)まで冷却後、3本ロールミルを用いて均質化処理を行い、CNF(I)の含有量が10質量%であるグリース(3)を得た。
得られたグリース(3)に含まれるCNT(I)のうち、任意に選択した10本のCNF(I)の太さ(d)はいずれも20〜50nm(太さ(d)の平均値は35nm)であり、この10本のCNF(I)のアスペクト比はいずれも100以上(アスペクト比の平均値も100以上)であった。
比較例1
ステアリン酸17g(60mmol)を、基油である上記菜種油80gに溶解させ、水酸化カルシウム2.2g(30mmol)をイオン交換水10gに溶解させた水溶液を加え、100℃まで加熱し、反応を十分に進行させた。
反応終了後に、室温(25℃)まで冷却し、3本ロールミルを用いて均質化処理を行い、ステアリン酸カルシウムを含むグリース(4)を得た。
比較例2
ステアリン酸17g(60mmol)と、アゼライン酸6.0g(40mmol)とを、基油である上記菜種油70gに溶解させ、水酸化アルミニウム4.4g(57mmol)を加え、100℃まで加熱し、反応を十分に進行させた。
反応終了後に、室温(25℃)まで冷却し、3本ロールミルを用いて均質化処理を行い、ステアリン酸アルミニウムとアゼライン酸アルミニウムを含むグリース(5)を得た。
比較例3
セルロース粉末(粒径38μm、400メッシュ通過、和光純薬社製)45gと菜種油55gとを混合し、25℃にて、実施例1と同様に十分撹拌を行った。そして、3本ロールミルを用いて均質化処理を行い、セルロース粉末の含有量が45質量%であるグリース(6)を得た。
なお、得られたグリース(6)の表面には、油膜厚さよりも大きい粒子の浮きが見られた。
実施例及び比較例で得たグリース(1)〜(6)について、上述の方法により、混和ちょう度及び滴点を測定すると共に、以下の試験を行った。これらの結果を表1に示す。
[耐熱性試験]
実施例及び比較例で得たグリース(1)〜(6)のうち、滴点が150℃以上のグリースを対象に当該試験を行った。
鉄板上に、対象となるグリースを塗布し、膜厚2mmの塗膜を形成した。そして、鉄板を150℃まで加熱し、上記塗膜が熱により硬化して混和ちょう度が200以下もしくは350以上となるまでの時間を計測した。当該時間が長いほど、耐熱性に優れたグリースであるといえる。
[水洗耐水度試験]
38℃の水を用いて、JIS K2220:2013の水洗耐久度試験方法に準拠した方法により、試験前のグリースの量100質量%に対する、水に洗い流されたグリースの質量を測定した。
当該質量が大きい程、水による洗浄性に優れたグリースであるといえる。
Figure 0006693017
実施例1〜3で調製したグリース(1)〜(3)は、耐熱性に優れると共に、水洗耐水度が低いため、水で容易に洗浄可能であるグリースであることが分かる。
一方、比較例1〜2で調製したグリース(4)〜(5)は、水洗耐水度が高く、水での洗浄は難しいと考えられる。また、滴点及び耐熱性試験の結果から、グリース(4)〜(5)は、グリース(1)〜(3)に比べて、耐熱性が劣るものであるといえる。
なお、比較例3で調製したグリース(6)は、増ちょう剤としてセルロース粉末を用いているが、混和ちょう度を他のグリースと同程度にするためには、40質量%もの多量のセルロース粉末を配合が必要であった。また、比較例3のグリース(6)は、40質量%もの多量のセルロース粉末が凝集し合い、「ダマ」となり、グリース(6)の表面には大きな粒子の浮きが見られ、セルロース粉末が均一に分散されているとは言い難い状況であった。そのため、当該グリース(6)は、耐摩耗性が劣るものと考えられる。また、グリース(6)の滴点の測定中に焦げて固まる現象が見られたため、グリース(6)については、耐熱性試験及び水洗耐水度試験を行っていない。

Claims (8)

  1. 基油と、太さ(d)が0.01〜500nmの親水性ナノファイバーとを含有し、前記親水性ナノファイバーが、セルロース、カルボキシメチルセルロース、キチン、及びキトサンから選ばれる1種以上の多糖類を含む、食品機械用グリース。
  2. 前記基油が、植物性油、動物性油、合成油、脂肪酸エステル、及び流動パラフィンから選ばれる1種以上を含む、請求項1に記載の食品機械用グリース。
  3. 前記親水性ナノファイバーの含有量が、前記グリースの全量基準で、0.1〜20質量%である、請求項1又は2に記載の食品機械用グリース。
  4. 25℃における混和ちょう度が200〜350である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の食品機械用グリース。
  5. 前記親水性ナノファイバーのアスペクト比が5以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の食品機械用グリース。
  6. 滴点が200℃以上である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の食品機械用グリース。
  7. 38℃の水を用いて、JIS K2220:2013の水洗耐久度試験方法に準拠した試験方法により測定した、水に洗い流されたグリースの質量が、試験前のグリース100質量部に対して、20質量部以上である、請求項1〜のいずれか一項に記載の食品機械用グリース。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の食品機械用グリースを食品機械の機構部品の潤滑に使用する、グリースの使用方法。
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