JP6952520B2 - 低環境負荷グリース組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、環境への負荷を低減したグリース組成物、特には、野外環境で用いるグリース組成物に関する。
金属などの摺動部を潤滑するため、潤滑油基油に増ちょう剤、油性剤、極圧剤などの添加剤を配合したグリースは、様々な機械装置に用いられている。このようなグリースは、その優れた潤滑性により、省エネルギーや長期間の安定運転を可能としており、地球環境の改善に大きく貢献している。
このようなグリースは半固体状であり、通常、摺動部やそれを含む機械装置の外部に漏れだすことはないが、故障などの場合又は使用状況によっては、その系外に排出される可能性は否定できない。特に野外環境で漏えいした場合には、回収することは困難となる。このような使用に対して、生分解性グリースが提案されている。
生分解性グリースとしては、潤滑油基油や増ちょう剤に所定の成分を用いることが多く提案されている。(例えば、特許文献1〜2参照)。
特開2009‐185243号公報 特開平06‐001989号公報
グリース組成物が生分解性を有することのみでは、環境への負荷を十分に低減できない。グリース組成物の潤滑性が十分に高いことも必要である。
本発明者は上記課題を解決するために鋭意研究を進めた結果、驚くべきことに、潤滑油基油としてのポリオールエステルと粉末状糖類とを用いることにより、従来のグリース組成物に比べて充分な耐焼き付き性を確保しつつ生分解性に優れるグリース組成物を見出した。
本発明は、かかる知見に基づきなされたもので、次の通りである。
(1)[A]潤滑油基油としてのポリオールエステル、および、[B]粉末状糖類を含有するグリース組成物。
(2)粉末状糖類が、粉末状でんぷんである(1)に記載のグリース組成物。
(3)さらに、[C]無機粉体を含有する上記(1)又は(2)に記載のグリース組成物。
(4)無機粉体が、炭酸カルシウムおよびタルクの少なくとも一方である上記(1)〜(3)のいずれかに記載のグリース組成物。
(5)さらに、[D]金属石けん増ちょう剤およびウレア系増ちょう剤からなる群から選択される少なくとも1つの増ちょう剤を含有する上記(1)〜(4)のいずれかに記載のグリース組成物。
(6)野外において、固体摺動面に上記(1)〜(5)のいずれかに記載のグリース組成物を介在させる、固体摺動面の潤滑方法。
本発明は、潤滑油基油としてのポリオールエステルと粉末状糖類とを用いることにより、従来のグリース組成物に比べて充分な耐焼き付き性を確保しつつ生分解性に優れるという格別の効果を奏する。
本発明のグリース組成物は、[A]潤滑油基油としてのポリオールエステル、および、[B]粉末状糖類を含有する。また、本発明のグリース組成物は、ちょう度が100〜500、特には220〜450、さらには265〜385のものが好ましい。なお、本発明にいうちょう度の測定は、JIS K2220に準拠する方法による。
[A]潤滑油基油
本発明の組成物に含まれる潤滑油基油は、ポリオールエステルを含む。ポリオールエステルとしては、2価〜6価の多価アルコールと1価カルボン酸または多価カルボン酸とのエステルを用いることができる。多価アルコールとしては、脂肪族アルコールが好ましく、その炭素数は2〜12、特には3〜10が好ましい。具体的には、グリセリン、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ジ−(トリメチロールプロパン)、トリ−(トリメチロールプロパン)、ペンタエリスリトール、ジ−(ペンタエリスリトール)が挙げられるが、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールのようなヒンダードアルコールが好ましい。1価カルボン酸としては、飽和または不飽和の脂肪酸が好ましく、炭素数は3〜20、特には8〜18が好ましい。多価アルコールの水酸基の一部が残留した部分エステルを用いることもできるが、全ての水酸基がエステル結合を形成しているフルエステルが好ましい。また、潤滑油基油として、2種以上のポリオールエステルを組み合わせて使用することもできる。
このような基油は、合成された基油を用いることもでき、又は動植物油を用いることもできる。動植物油であるポリオールエステルとしては、例えば、牛乳脂、牛脂、ラード(豚脂)、羊脂、鯨油、鮭油、かつお油、にしん油、鱈油、大豆油、菜種油、ひまわり油、サフラワー油、落花生油、とうもろこし油、綿実油、米ぬか油、ゴマ油、オリーブ油、アマニ油、ヒマシ油、カカオ脂、パーム油、ヤシ油、麻実油、米油、又は茶種油を用いることができる。
この潤滑油基油の物性としては、40℃における動粘度が10〜3,000mm/sのものが好ましく、20〜1,000mm/sがさらに好ましい。さらに、流動点は−10℃以下が好ましく、安全性の観点から、引火点は150℃以上が好ましい。
この潤滑油基油の含有量は、グリース組成物全量基準で、40〜80質量%、特には50〜70質量%が好ましい。本発明の組成物は、ポリオールエステル以外の基油を含んでもよいが、その含有量は、ポリオールエステルの含有量以下が好ましく、グリース組成物全量基準で、好ましくは10質量%以下、より好ましくは3質量%以下である。
[B]粉末状糖類
本明細書において、粉末状糖類とは、粉末状の単糖類、二糖類、三糖類、四糖類、およびそれ以上の数の単糖が結合した多糖類を意味する。単糖類としては、グルコース(ブドウ糖)、ガラクトース、マンノース、又はフルクトースなどを使用することができる。二糖類としては、スクロース、マルトース、トレハロース、セロビオース、又はラクトースなどを使用することができる。三糖類としては、ラフィノースおよびマルトトリオースなどを使用することができる。四糖類としては、スタキオースなどを使用することができる。多糖類としては、でんぷん、セルロース、および増粘多糖類(キサンタンガム、グァーガム、ペクチン、およびカラギナンなど)を使用することができる。セルロースを粉末状糖類として使用する場合は、セルロース繊維ではなく、粉末状に加工した紛体セルロースを使用する。これらの粉末状糖類は、本発明の効果が得られる限りにおいて、塩又は誘導体の形態のものを使用することもできる。粉末状糖類は1種のみを使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。粉末状糖類は市販されているものを使用することもできる。
粉末状でんぷん
でんぷんとは、葉緑素を有する植物の炭酸固定により生産され、栄養貯蔵物質として、種子、根茎、塊茎、又は球根などに貯蔵される炭水化物を意味する。粉末状でんぷんとは、このでんぷんを粉末状に加工したものを意味する。粉末状でんぷんとしては、ジャガイモ、小麦、大麦、トウモロコシ、サツマイモ、米、クズ、カタクリ、緑豆、さごやし、又はキャッサバなどの根、茎、種子又は果実などから得られたでんぷんを粉末状に加工したものが挙げられる。具体的には、コーンスターチ、小麦澱粉、又は馬鈴薯澱粉などが好適である。
粉末状でんぷんには、粉末状加工でんぷんが含まれる。ここで、加工でんぷんとは、でんぷんに物理的、酵素的または化学的処理を行なったものをいう。加工でんぷんの例としては、アルファー化デンプン、酸化デンプン、酵素処理デンプン、デンプン誘導体、又はデキストリン等が挙げられる。
デンプン誘導体の例としては、エーテル化デンプン、エステル化デンプン、又は架橋デンプン等が挙げられる。エーテル化デンプンの例としては、デンプングリコール酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルデンプン、又はカチオンデンプン等が挙げられる。エステル化デンプンの例としては、酢酸デンプン、リン酸デンプン、又はオクテニルコハク酸デンプン等が挙げられる。架橋デンプンの例としては、リン酸架橋デンプン、アセチル化アジピン酸架橋デンプン、アセチル化リン酸架橋デンプン、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン、又はリン酸モノエステル化リン酸架橋デンプン等が挙げられる。
これらの粉末状糖類の平均粒径は、好ましくは1〜300μm、より好ましくは1〜200μm、さらに好ましくは1〜100μm、さらに好ましくは1〜50μm、最も好ましくは2〜30μmである。なお、平均粒径とは、レーザー回折・散乱法により測定される粒径のメジアン径(50%粒径)を意味する。
この粉末状糖類の含有量は、グリース組成物全量基準で、好ましくは3〜65質量%、より好ましくは5〜60質量%、さらに好ましくは5〜50質量%、さらに好ましくは5〜40質量%、最も好ましくは5〜30質量%である。
[C]無機粉体
本発明の組成物は更に無機粉体を含むことが好ましい。無機粉体としては、珪素、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム等の酸化物、水酸化物、炭酸塩、硫酸塩等の粉体を用いることができる。さらにこれらの混合物、及び、天然に産するこれらの化合物を主成分とする鉱石の粉体等も用いることができる。具体的には、炭酸カルシウム又はタルクの粉体が好適である。
これらの無機粉体は、平均粒径が1〜100μmのものが好ましい。
この無機粉体の含有量は、グリース組成物全量基準で、5〜50質量%、特には10〜20質量%が好ましい。
[D]金属石けんおよびウレア系増ちょう剤
本発明の組成物は更に金属石けん増ちょう剤およびウレア系増ちょう剤からなる群から選択される少なくとも1つの増ちょう剤を含有することが好ましい。
本発明の組成物に含まれる金属石けん増ちょう剤は、カルボン酸がステアリン酸、アゼライン酸などの脂肪族カルボン酸でも、テレフタル酸などの芳香族カルボン酸でもよく、特には1価または2価の脂肪族カルボン酸が好ましく、炭素数6〜20の1価または2価脂肪族カルボン酸がさらに好ましい。また、金属は、リチウム、ナトリウムなどのアルカリ金属、カルシウムなどのアルカリ土類金属、アルミニウムのような両性金属でもよいが、アルカリ金属、特にはリチウムが好ましい。このようなカルボン酸金属塩は、一種類を用いてもよく、複数の種類を混合して用いてもよい。
本発明の組成物に含まれるウレア系増ちょう剤としては、モノアミン成分及びジイソシアネートから合成されたウレア系増ちょう剤を用いることができる。
モノアミンとは、アンモニアの1つの水素が炭化水素基で置換された化合物である。アンモニアの1つの水素が脂環族炭化水素基で置換されたモノアミンが脂環族アミンであり、アンモニアの1つの水素が芳香族炭化水素基で置換されたモノアミンが芳香族アミンであり、又、アンモニアの1つの水素が鎖式脂肪族炭化水素基で置換されたモノアミンが鎖式脂肪族アミンである。脂環族アミンとしては、シクロヘキシルアミン、アルキルシクロヘキシルアミンなどのシクロヘキシル環を有する炭素数6〜9のアミンが好ましい。芳香族アミンとしては、アニリン、トルイジンなどのベンゼン環を有する炭素数6〜9のアミンが好ましい。鎖式脂肪族アミンとしては、オクチルアミン、ペンチルアミン、オクタデジルアミンなどの鎖状炭化水素基を有する炭素数6〜20のアミンが好ましい。モノアミンは、一種類を単独で用いてもよく、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
ジイソシアネートとは、炭化水素の2つの水素がイソシアネート基で置換された化合物である。該炭化水素は、非環状炭化水素でも環状炭化水素でもよく、芳香族炭化水素、脂環族炭化水素、及び脂肪族炭化水素のいずれでもよい。該炭化水素の炭素数は、好ましくは4〜20、特に好ましくは8〜18である。ジイソシアネートの好ましい具体例としては、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ビフェニルジイソシアネート(ジフェニルジイソシアネート)、ジフェニルメタンジイソシアネート、オクタデカンジイソシアネート、デカンジイソシアネート、ヘキサンジイソシアネー卜などを挙げることができる。ジイソシアネートは一種類を単独で用いてもよく、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
この金属石けんおよびウレア系増ちょう剤の含有量は、グリース組成物全量基準で、3〜20質量%、特には5〜15質量%が好ましい。
[E]他の添加剤
本発明のグリース組成物には、植物又は動物由来の繊維質又は粉体を添加することもできる。繊維質としては、天然繊維であるセルロース繊維、綿繊維、羊毛繊維、又は麻繊維などである。
上記成分以外に、必要に応じて、一般に潤滑油やグリースなどに用いられている、清浄剤、分散剤、摩耗防止剤、酸化防止剤、さび止め剤、又は腐食防止剤などを適宜添加することができる。しかし、鉛及びモリブデンなどの重金属を含まないことが好ましい。
本発明のグリース組成物は、生分解性が高いこと、具体的には、OECD Guidelinesfor the Testing of Chemicals 301F Manometric Respirometry Test(1992)に従い計測して、60%以上であることが好ましい。
本発明のグリース組成物は、耐焼付き性が高いこと、具体的には、ASTM D 2596に準拠した計測法で、3089N以上であることが好ましい。
本発明の上記グリース組成物は、通常のグリースと同様に、金属などの固体摺動面に介在させて、その界面での潤滑性を向上させる。また、防水シールとして作用することもありうる。特に、屋外で使用され、グリース組成物が土壌に拡散する懸念がある環境で好ましく用いられる。さらに、河川、湖水などでの水と接触し得る環境、または海洋、海岸などで海水と接触する環境で好ましく用いられる。具体的には、これらに限定されることはないが、本発明のグリース組成物は、海上、海岸、河川、若しくは湖沼などで稼働する建築機械、浚渫船、地盤改良船、窯業機械、又は水車発電機等において、好ましく用いられる。
次に示す潤滑油基油、無機粉体、粉末状糖類および増ちょう剤を用いて、表1に示す割合(質量%)で混合してグリース組成物を調製した。併せて、ちょう度などの特性を評価した。この結果を表1に示す。
〔グリース組成物の成分〕
A.潤滑油基油
基油A1:エステル(トリメチロールプロパンと脂肪酸とのフルエステル、15℃の密度0.92g/cm、40℃の動粘度が46mm/s)
基油A2:エステル(トリメチロールプロパンと脂肪酸とのフルエステル、15℃の密度0.92g/cm、40℃の動粘度が30mm/s)
基油A3:エステル(トリメチロールプロパンと脂肪酸とのフルエステル、15℃の密度0.92g/cm、40℃の動粘度が200mm/s)
基油A4:鉱油(JXTGエネルギー社製、溶剤精製潤滑油基油、15℃の密度0.80g/cm、40℃の動粘度が46mm/s)
B.粉末状糖類
粉末状糖類B1:コーンスターチ(平均粒径;20μm、密度1.5g/cm
C.無機粉体
無機粉体C1:炭酸カルシウム(平均粒径;1.0μm、見かけ比重;0.80g/cm
D.増ちょう剤
金属石けん増ちょう剤D1:ステアリン酸リチウム
ウレア系増ちょう剤D2:シクロヘキシルアミン成分及びジフェニルメタンジイソシアネートから合成されたウレア
Figure 0006952520
〔ちょう度、滴点〕
JIS K2220に従い、ちょう度及び滴点を測定した。
〔焼付き性〕
ASTM D 2596に準拠し、高速四球試験機を用い、各グリース組成物の1800rpmにおける融着荷重(WL)を測定した。本試験においては、融着荷重が大きいほど、耐摩耗性に優れていることを意味する。
〔生分解性〕
各グリースについて、OECD Guidelines for the Testing of Chemicals 301F Manometric Respirometry Test(1992)を参考にして、生分解度試験を28日間実施した。
試験において、微生物源として標準活性汚泥及び二次処理水を用い、検体の生物化学的酸素消費量(BOD)を閉鎖系酸素消費量自動測定装置で連続測定し、生分解度を算出した。
本発明のグリース組成物は、十分な潤滑性を有し、生分解性が高く、環境負荷を低減できるグリース組成物として有用である。

Claims (4)

  1. [A]潤滑油基油としてのポリオールエステル
    B]粉末状糖類
    [C]無機粉体、ならびに
    [D]金属石けん増ちょう剤およびウレア系増ちょう剤からなる群から選択される少なくとも1つの増ちょう剤
    を含有するグリース組成物であって、
    前記[B]粉末状糖類の含有量が、グリース組成物全量基準で、5〜50質量%である、前記グリース組成物
  2. 粉末状糖類が、粉末状でんぷんである請求項1に記載のグリース組成物。
  3. 無機粉体が、炭酸カルシウムおよびタルクの少なくとも一方である請求項1または2に記載のグリース組成物。
  4. 野外において、固体摺動面に請求項1〜のいずれか一項に記載のグリース組成物を介在させる、固体摺動面の潤滑方法。
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