JP6692264B2 - 連続ベルトコンベア装置及び連続ベルトコンベアの延伸方法 - Google Patents
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係る連続ベルトコンベアの架設構造において、支承架台は、例えば坑内の通行車両の邪魔にならないような高い位置に固定することが好ましい。
このため、支承架台による連続ベルトコンベアの架設位置を高く設定するほど、トンネルの掘進に合わせてテールピース台車を前方に移動させるとき(連続ベルトコンベア延伸時)のベルトコンベア支持作業の負荷が増大することになり、作業負荷の増大を抑制しつつ支承架台の固定位置(連続ベルトコンベアの架設位置)を通行車両の邪魔にならないような高い位置に設定することが難しいという問題があった。
さらに別の好ましい態様では、前記支持台車は作業台を備え、坑内側面に前記支承架台を固定する作業を前記作業台上で行う。
さらに別の好ましい態様では、前記支持台車は、自走可能な牽引台車と前記牽引台車の坑口側に配され前記牽引台車によって牽引される被牽引台車とを含んで構成され、トンネルの掘進に応じて前記牽引台車を自走させ、前記被牽引台車を前記牽引台車で牽引して移動させる。
図1は、本発明に係る連続ベルトコンベア装置の一態様を示す坑内配置図である。
トンネル坑内100の切羽付近には、自走式クラッシャー200が配置される。
自走式クラッシャー200は、トラクタショベルなどによってずりが投入される投入口210、投入口210に投入されたずりを破砕する破砕部220、破砕部220が破砕したずりを連続ベルトコンベア装置300(テールピース台車310)に移送するためのベルトコンベア230、自走用の無限軌道車240などを備える。
連続ベルトコンベア装置300は、テールピース台車310、支持台車320、支承架台(コンベアブラケット)350、連続ベルトコンベア370、ストレージカセット(図示省略)などを含んで構成される。
ここで、テールピース台車310の後端付近での連続ベルトコンベア370の高さH1よりも支承架台350が支持する連続ベルトコンベア370の高さH2がより高く設定される(H1<H2)。
更に、牽引台車330は、図3及び図4に示すように、連続ベルトコンベア370のフレーム373を進退可能(切羽に向かう側と坑口に向かう側との双方に移動可能)に支持する2個1組のローラ(支持部材)336、ローラ336の高さ(連続ベルトコンベア370の支持高さ)を個別に調整する高さ調整装置337を備えている。
牽引台車330のローラ336は、2本を1組として棒状のフレーム336aに回転可能に支持され、各ローラ336にフレーム373のサイドフレーム373aがそれぞれに載せられ、フレーム373を切羽又は坑口に向かう方向(進退方向)に移動させる力を加えるとローラ336が回転して、フレーム373が移動する。
そして、連続ベルトコンベア370を延伸させる場合は、前記のユニット単位でフレームが継ぎ足される。フレーム373の1ユニットは、例えば、2セットのキャリアローラと、1セットのリターンローラとを備えている。
台車本体331に複数備えられるローラ336のうちの最も切羽側(テールピース台車310側)のローラ336は、図5に示すように、台車本体331の前端から切羽側に突き出るようにして設けたステー331dの先端に設けられる。
係る構成により、レバーブロック337aの操作によってステー331dの先端のローラ336に高さ、換言すれば、ステー331dの先端のローラ336による連続ベルトコンベア370の支持高さを調整でき、レバーブロック337a、シーブ337f及びワイヤー337eで構成されるステー331dの吊り下げ構造は、高さ調整装置337としての機能を有する。
2個1組のローラ336は、図4に示すように、棒状のフレーム336aの左右にそれぞれに回転可能に支持される。
このように、シーブ337b、ワイヤー337g及びレバーブロック337cは、ローラ336の高さを調整する高さ調整装置337として機能する。
連結棒360で牽引台車330と被牽引台車340とを連結させる場合は、牽引台車330と被牽引台車340との間隔を一定に保つことができ、ワイヤーロープで牽引台車330と被牽引台車340とを連結させる場合は、牽引台車330と被牽引台車340との間隔をウインチによるワイヤーロープの巻き取りで調整することができる。
そして、牽引台車330と被牽引台車340とを連結棒360で連結する場合、牽引台車330と被牽引台車340とをワイヤーロープで連結する場合のいずれにおいても、牽引台車330と被牽引台車340との間隔を一定に保つことで、連続ベルトコンベア370の上り勾配を一定に保つことができる。
そして、連続ベルトコンベア370の支持高さが支承架台350の固定高さH2に至ると、その後は、その高さを維持して連続ベルトコンベア370を略水平に延設させる。
なお、図8に示すように、連続ベルトコンベア370のサイドフレーム373aに設けたヒンジ373bでサイドフレーム373aの角度が切り替わることで、被牽引台車340に支持される連続ベルトコンベア370は上り勾配から略水平に切り替わる。
縦枠材341cに配設されるローラ344は2個1組として、図6−7に示すように、棒状のフレーム344aの左右にそれぞれに回転可能に支持される。
支承架台350は、トンネル坑内100の側面から略水平に張り出す支持部350aと、支持部350aの張り出した先端部から支持部350a上方のトンネル坑内100側面に向けて斜め上方に延びるチェーンなどの吊り部材350bとで構成される、吊り下げ式ブラケット(吊チェーン方式)である。
ストレージカセットは、テールピース台車310(テールプーリ311)の前進に伴って自動的にコンベアベルトを繰り出し、連続ベルトコンベア370を延伸させる装置である。ストレージカセットは、連続ベルトコンベア370の坑口側の折り返しであると共に連続ベルトコンベア370の動力部であるヘッドプーリー(図示省略)と、被牽引台車340との間のリターン側に配置される。
図3に示すように、牽引台車330の上部フロア(上部作業台)331cの高さは、支承架台350の吊り部材350bの一端をトンネル坑内100の側面に掛止するためのアンカーなどの掛止部材350cを、トンネル坑内100の側面に取り付ける作業に適した高さに設定されている。
トンネルが掘進し、自走式クラッシャー200及びテールピース台車310を切羽に向けて前進させる場合は、テールピース台車310との距離を保つように牽引台車330を前進させ、牽引台車330に牽引されて被牽引台車340を前進させる。
ここで、テールピース台車310、牽引台車330及び被牽引台車340が相互距離を保った状態でその位置を変えるので、牽引台車330及び被牽引台車340で支持される連続ベルトコンベア370は所定の上り勾配を維持する。
そこで、被牽引台車340の上部フロア341aに上がった作業者は、事前に取り付けられている掛止部材350cを用いて、既設の支承架台350よりも切羽に近い側に支承架台350を新たに設置する作業を行い、既設の支承架台350と被牽引台車340との間の連続ベルトコンベア370を、新たに坑内側面に固定した支承架台350で支持させる。
このような場合は、レバーブロック337a,337c、ジャッキ345aなどの高さ調整装置によって、ローラ336、344の高さを調整し、連続ベルトコンベア370の傾きやローラ336、344からの浮きを解消する。
これにより、連続ベルトコンベア370が被牽引台車340において上り勾配から略水平に角度を変え、かつ、被牽引台車340の後端での連続ベルトコンベア370の高さが支承架台350の支持高さに一致して、被牽引台車340から支承架台350への架け渡しにおいて連続ベルトコンベア370が略水平を保つようにする。
このように、トンネルの掘進に合わせて、テールピース台車310、牽引台車330及び被牽引台車340の前進、新たな支承架台350の設置及びローラ336、344の高さ調整、ずり移送再開を繰り返す。
つまり、テールピース台車310から支承架台350に向けた連続ベルトコンベア370の上り勾配部分が牽引台車330及び被牽引台車340で支持され、テールピース台車310を前進させる連続ベルトコンベア370の延伸時に、テールピース台車310の前進に伴って牽引台車330及び被牽引台車340を前進させることで、テールピース台車310から支承架台350に向かう連続ベルトコンベア370の上り勾配が維持される。
そして、支承架台350の設置高さを高くすれば、支承架台350(支承架台350で略水平に支持される連続ベルトコンベア370)が坑内の通行車両の邪魔になることを回避でき、坑内での作業性が向上する。換言すれば、坑内の通行車両の邪魔にならないような高さに支承架台350を設置しても、連続ベルトコンベア370の延伸時の作業負荷が増えることを抑制できる。
また、支持台車320が牽引台車330と被牽引台車340とで構成され、トンネル工事現場までの輸送時には、牽引台車330と被牽引台車340とを分離して個別に輸送できるので、牽引台車330と被牽引台車340とをトラックで容易に輸送できる。つまり、支持台車320を1つの自走式台車で構成すると、その全長が長くなってトラック輸送が難しくなるが、前後に分解して輸送できれば、必要な全長を確保しつつトラック輸送が容易になる。
支持台車320は、牽引台車330と被牽引台車340とを含む構成に限定されず、支承架台350の設置高さが比較的低く、台車の全長をトラック輸送に適した長さに制限しつつ連続ベルトコンベア370の上り勾配を許容範囲内にできる場合には、自走式の支持台車を1つだけ使用する構成とすることができる。
また、支持台車320において、連続ベルトコンベア370のサイドフレーム373aを支持するローラなどの支持部材の高さを調整する高さ調整装置は、レバーブロックやジャッキに限定されず、例えば、ギア機構を用いて高さを調整できるように構成することができる。
また、被牽引台車340はそり343の滑りによって移動するが、そり343に代えてタイヤなどを備える構成とすることができる。被牽引台車340がタイヤで移動する構成とする場合は、ずり搬送時の安定性を確保するためにアウトリガー装置を備えることが好ましい。
また、連続ベルトコンベア370の上り勾配部を支持するローラなどの支持部材を、坑口に向けて上り勾配になるように台車に設置されるフレームに配置し、前記フレームの勾配角度を変更することで、連続ベルトコンベア370の上り勾配の角度を変更できる構成とすることができる。
また、支持台車320(牽引台車330及び被牽引台車340)を含む連続ベルトコンベア装置は、トンネル施工用に限定されるものではなく、例えば、炭鉱などの採掘現場における輸送システムとして用いることができる。
Claims (6)
- トンネル施工用の連続ベルトコンベアのテールプーリを備えたテールピース台車と、坑内側面に固定されて前記テールピース台車よりも高い位置に前記連続ベルトコンベアを支持する支承架台との間に、前記連続ベルトコンベアを前記テールピース台車側から前記支承架台側に向けて上り勾配となるように支持する支持台車を配し、
トンネルの掘進に応じて前記テールピース台車及び前記支持台車を前進させると共にベルトストレージ部からコンベアベルトを繰り出して前記連続ベルトコンベアを延伸させ、
前記支持台車と既設の前記支承架台との間の前記連続ベルトコンベアを新たに坑内側面に固定した前記支承架台で支持する、
連続ベルトコンベアの延伸方法。 - 前記支持台車は、前記連続ベルトコンベアのフレームを支持する支持部材及び前記支持部材の高さを調整する高さ調整装置を備え、
前記高さ調整装置により前記支持台車で支持される前記連続ベルトコンベアの高さを調整する、
請求項1記載の連続ベルトコンベアの延伸方法。 - 前記支持台車は作業台を備え、
坑内側面に前記支承架台を固定する作業を前記作業台上で行う、
請求項1又は請求項2に記載の連続ベルトコンベアの延伸方法。 - 前記支持台車は、自走可能な牽引台車と前記牽引台車の坑口側に配され前記牽引台車によって牽引される被牽引台車とを含んで構成され、
トンネルの掘進に応じて前記牽引台車を自走させ、前記被牽引台車を前記牽引台車で牽引して移動させる、
請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の連続ベルトコンベアの延伸方法。 - 連続ベルトコンベアのテールプーリを備えたテールピース台車と、
坑内側面に固定されて前記連続ベルトコンベアを支持する支承架台と、
前記テールピース台車と前記支承架台との間に配され、前記連続ベルトコンベアを前記テールピース台車側から前記支承架台側に向けて上り勾配となるように支持する支持台車であって、
前記連続ベルトコンベアのフレームを支持する支持部材と、
前記支持部材の高さを調整する高さ調整装置と、
を備える、前記支持台車と、
を含み、
前記連続ベルトコンベアを、前記支持台車によって、前記テールピース台車から前記連続ベルトコンベアの支持位置がより高い前記支承架台に架け渡す、連続ベルトコンベア装置。 - 連続ベルトコンベアのテールプーリを備えたテールピース台車と、
坑内側面に固定されて前記連続ベルトコンベアを支持する支承架台と、
前記テールピース台車と前記支承架台との間に配され、前記連続ベルトコンベアを前記テールピース台車側から前記支承架台側に向けて上り勾配となるように支持する支持台車であって、
自走可能な牽引台車と、
前記牽引台車の前記支承架台側に配され前記牽引台車によって牽引される被牽引台車と、
を含む、前記支持台車と、
を含み、
前記連続ベルトコンベアを、前記支持台車によって、前記テールピース台車から前記連続ベルトコンベアの支持位置がより高い前記支承架台に架け渡す、連続ベルトコンベア装置。
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