JP6690667B2 - 金属酸化物分散体、熱可塑性樹脂組成物、及び成形体 - Google Patents
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Description
ナノフィラーを分散させる方法として特許文献1では無機微粒子に分子間凝集力以上のせん断応力を与えることで無機微粒子を解砕し、熱可塑性樹脂に微分散させている。また、特許文献2では変性ポリマーをベースポリマーとは別に用いナノフィラーを分散させる技術、特許文献3では金属酸化物粒子を可塑剤とアルコール系溶媒からなる溶媒へ分散させた分散液を樹脂へ練り込む技術がそれぞれ知られている。
《金属酸化物粒子分散液》
本発明の金属酸化物粒子分散液は、金属酸化物粒子(A)を含有する成形体を形成するために用いられるものであって、金属酸化物粒子(A)と、可塑剤(B)と、分散剤(C)とを含む。そして、この金属酸化物粒子分散液及び熱可塑性樹脂(D)を混合してなる熱可塑性樹脂組成物を用い、射出成形機等で成形した厚み1.8mmの成形体のヘイズ(X1)と、熱可塑性樹脂(D)単体により成形した厚み1.8mmの成形体のヘイズ(X2)とのヘイズ差(X1−X2)が、20%以下であることを特徴とする。透明性の観点から、ヘイズ差(X1−X2)は、より好ましくは、10%以下であり、さらに好ましくは5%以下である。
この範囲にあることで、金属酸化物粒子分散液を安定に作製することができるだけでなく、透明性に優れたものとすることができる。
尚、本発明におけるヘイズはJIS K7136:2000に準拠して測定した値でありヘイズガードプラス(ガードナー社製)等を用いて測定することができる。
ここで主成分とは熱可塑性樹脂の合計100質量%中、最も多く含有される樹脂のことをいう。
なお、熱可塑性樹脂(D)を含有する場合は、熱可塑性樹脂組成物に該当する。
本発明の金属酸化物粒子分散液は、25℃で液体である。通常成形体を形成する際に、液状組成物を添加すると、成形体の強度を保持することが困難であるが、本発明の金属酸化物微粒子分散液は、分散液中に金属酸化物粒子を高濃度に含有させることが可能であるため、液状組成物を用いても、従来の成形体と同程度の強度を保持することができる。
本発明における金属酸化物粒子(A)は、金属酸化物からなる粒子であれば形状等は特に制限されないが、好ましくは、平均粒子径が100nm以下の金属酸化物からなる粒子である。金属酸化物は単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
上記金属酸化物粒子(A)は目的に応じて選択され、例えばガラス代替材料として使用する場合、赤外線や紫外線遮蔽機能を付与できることから金属酸化物粒子(A)は、酸化インジウム錫(ITO)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、セシウムドープ酸化タングステン(CWO)、酸化亜鉛、酸化チタンまたは、酸化ジルコニウムであることが好ましい。
上記平均粒子径は、マイクロトラックを用いて測定することができ、例えば、粒度分布測定装置(日機装社製「UPA−EX150」)等を用いて求めることができる。
本発明における平均分散粒径及び累積体積百分率は動的光散乱式粒径分布測定装置LB−550(堀場製作所社製)等を用いて測定することが出来る。
本発明における可塑剤(B)は、25℃で液体であり、すなわち25℃において流動性を有する可塑剤である。
本明細書における粘度はJIS K7117−1:1999に従ってB型粘度計を用いて25℃で測定した値である。粘度が1000mPa・s以下である可塑剤を用いることで、金属酸化物微粒子分散液中の、金属酸化物微粒子の平均分散粒径が、0.3μm以下という、高い分散性を有する金属酸化物粒子分散液を得ることができるため好ましい。
可塑剤(B)と熱可塑性樹脂(D)の相溶性の観点から、可塑剤(B)がポリエステル樹脂である場合、熱可塑性樹脂(D)はポリエステル樹脂やポリカーボネート樹脂が好ましく、可塑剤(B)がポリアルキレングリコール樹脂の場合、熱可塑性樹脂(D)はポリエステル樹脂が好ましく、可塑剤(B)がポリエーテルエステル樹脂の場合、熱可塑性樹脂(D)はポリカーボネート樹脂やアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂が好ましい。可塑剤(B)がアセチルクエン酸トリブチルの場合、熱可塑性樹脂(D)はポリエステル樹脂が好ましい。
脂肪酸ポリエステル樹脂は脂肪族多価カルボン酸と多価アルコールの反応によって得られるポリエステル樹脂である。
ポリアルキレングリコール樹脂は一般的には炭素数が1〜6の繰り返し単位を有するアルキレングリコールから構成されることが多いが、25℃における粘度が1,000mPa・s以下である限り、様々なポリアルキレングリコールを使用することができる。相溶性、吸水性の観点から、炭素数が2〜4の繰り返し単位を有するポリアルキレングリコール樹脂が好ましい。
ポリエーテルエステル樹脂は、上記脂肪族多価カルボン酸と上記アルキレングリコールをエステル化させたものである。
分散剤(C)は、金属酸化物粒子(A)と相互作用するものであれば特に制限されるものではなく、例えばポリビニルアセタール(PVA樹脂)、ヒンダートアミン化合物(HALS)、リン酸エステル化合物等が挙げられる。これらの分散剤(C)は単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
分散剤(C)は金属酸化物粒子(A)との相互作用が強いことからリン酸エステル化合物が好ましい。
このような分散剤(C)を用いることで、金属酸化物粒子分散液を安定に作製することができる。さらに、強度の低下を引き起こすことなく、かつ透明性にも優れた成形体を形成可能な、金属酸化物微粒子分散液とすることができる。
ポリビニルアセタール(PVA樹脂)は、アセタール基、アセチル基、水酸基を有するそれぞれ3種の繰り返し単位からなる高分子化合物である。PVA樹脂は、各種の市販品、合成品を単独で、もしくは2種類以上併せて使用することができる。また、水酸基をアシル化、ウレタン化反応などの化学修飾法により調整したものも使用することもできる。アセタール基の種類は特に限定されるものではなく、公知の方法で合成された各種ポリビニルアセタール樹脂を使用することができる。中でもブチラール基を有するものが最も一般的で入手しやすく、可塑剤(B)への溶解性が良好なため好ましい。
ヒンダートアミン化合物(HALS)は、ピペリジン環上の2位および6位に各々2個づつ(計4個)の炭化水素基を有する化合物であり、2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン誘導体や2,2,6,6−テトラメチルピペリジン誘導体、1−アルキル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン誘導体または1−ヒドロ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン誘導体等が挙げられる。上記HALSの融点は、50℃〜200℃が好ましく、70℃〜150℃であることが可塑剤(B)への溶解性が良好なため更に好ましい。
リン酸エステル化合物は、例えばトリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリス(β−クロロエチル)ホスフェート、トリス(β−クロロプロピル)ホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート等のアルキルホスフェートやトリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリス(i−プロペルフェニル)ホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート等のフェニルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート等のアルキルポリオキシエチレンリン酸エステル、アルキルフェノールポリオキシエチレンリン酸エステル及びこれらのナトリウム、カリウム、アンモニア及びアミン等の中和塩が挙げられる。また、これらリン酸エステル化合物は酸価やアミン価を有していても良い。これらのリン酸エステル化合物は単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。金属酸化物粒子(A)の分散性の観点からリン酸エステル化合物は、酸価やアミン価を有するアルキルポリオキシエチレンリン酸エステルやアルキルフェノールポリオキシエチレンリン酸エステルであることが好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、金属酸化物粒子(A)と、熱可塑性樹脂(D)を含有する成形体を形成するための樹脂組成物であって、金属酸化物粒子分散液、および熱可塑性樹脂(D)を含有する。
熱可塑性樹脂組成物は、例えば、ペレット状、粉末状、顆粒状あるいはビーズ状等の形状であることが好ましく、ペレット状がより好ましい。
一旦、マスターバッチとして熱可塑性樹脂組成物中に予備分散した後に、希釈樹脂の熱可塑性樹脂(D)と配合(溶融混錬)して所望の成形体を製造すると、熱可塑性樹脂(D)の加工による熱劣化の影響が少なくなり成形品の物性が維持しやすいために好ましい。
このような熱可塑性樹脂組成物を用いて成形体を形成することで、透明性に優れた成形体とすることができる。
熱可塑性樹脂(D)は、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィン・コポリマー(COC)、ポリ塩化ビニル樹脂等が挙げられる。なかでもアクリル樹脂の場合、ポリメチルメタクリレート樹脂が好ましい。ただし、可塑剤(B)である場合は除く。また、好ましくは熱可塑性樹脂(D)は25℃で固体である。
ポリカーボネート樹脂は、芳香族ジヒドロキシ化合物と、ホスゲン或いは炭酸ジエステル等のカーボネート前駆体とを反応させることにより容易に製造される。反応は公知の反応、例えば、ホスゲンを用いる場合は界面法により、また炭酸ジエステルを用いる場合は溶融状で反応させるエステル交換法により得ることができる。
ポリエステル樹脂は、カルボン酸成分(カルボキシル基を有する化合物)と水酸基成分(水酸基を有する化合物)とを重合することによって得ることができる。
アクリル樹脂は、以下に例示する(メタ)アクリル系モノマーを重合することによって得ることができる。モノマーとしては、例えば、アルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマー、水酸基を有する(メタ)アクリル系モノマー、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル系モノマー、グリシジル基を有する(メタ)アクリル系モノマー、酢酸ビニルやプロピオン酸ビニル等のビニルエステル、無水マレイン酸、ビニルエーテル、スチレン等が挙げられる。尚、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは「アクリルおよび/またはメタクリル」を、「(メタ)アクリレート」とは「アクリレートおよび/またはメタクリレート」を、それぞれ意味する。なかでも、ポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂が好ましい。
ポリアミド樹脂は、例えば、上述したカルボン酸成分と、アミノ基を2個以上有する化合物を反応させることによって得ることができる。例えば、カルボン酸成分と、アミノ基を2個以上有する化合物(Am)とを脱水縮合反応させて得ることができる。
フッ素樹脂は含フッ素モノマーの共重合によって得ることができる。含フッ素モノマーとしてはフッ化ビニル、テトラフルオロエチレン、トリフルオロクロロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、ヘキサフルオロイソブチレン、パーフルオロアクリル酸、パーフルオロメタクリル酸、アクリル酸又はメタクリル酸のフルオロアルキルエステル等のフッ素含有エチレン性不飽和化合物や シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル等のフッ素非含有エチレン性不飽和化合物が挙げられる。また含フッ素モノマーと共重合するモノマーとしてはブタジエン、イソプレン、クロロプレン等のフッ素非含有ジエン化合物でもよい。フッ素樹脂としては例えば、フッ化ビニリデンのホモポリマーであるポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF樹脂)、テトラフルオロエチレンのホモポリマーであるポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE樹脂)、エチレンとテトラフルオロエチレンの共重合体であるエチレン−テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE樹脂)等が挙げられる。
本発明の成形体は、本発明の金属酸化物粒子分散液と熱可塑性樹脂(D)を含有する熱可塑性樹脂組成物より形成される。
具体的には、例えば、(方法1)金属酸化物粒子分散液と、熱可塑性樹脂(D)のペレット等を溶融混練して熱可塑性樹脂組成物とし、成形体を得る方法、(方法2)金属酸化物粒子分散液と、熱可塑性樹脂(D)を溶融混練し、マスターバッチとした熱可塑性樹脂組成物を用い、さらに熱可塑性樹脂(D)のペレット等と一緒にを溶融混練して成形体を得る方法、(方法3)金属酸化物粒子分散液と、熱可塑性樹脂(D)を溶融混練し、コンパウンドとし、いったんペレット等にしたものを用い、それをそのまま溶融混練して成形体を得る方法、などが挙げられる。
<金属酸化物粒子(A)>
A−1:透明導電粉末E−ITO (三菱マテリアル社製、粒径25〜35nm、酸化インジウム錫、以下「E−ITO」と称することがある)
A−2:透明導電粉末T−1(三菱マテリアル社製、粒径10〜15nm、アンチモンドープ酸化錫、以下「T−1」と称することがある)
A−3:セシウムタングステンオキサイド(粒径30〜40nm、セシウムドープ酸化タングステン、以下「CWO」と称することがある)
A−4:FINEX−50W−LP2(堺化学社製、粒径20nm、酸化亜鉛、以下「50W−LP2」と称することがある)
A−5:TTO−51(1)(石原産業社製、粒径10〜30nm、酸化チタン、以下「TTO−51」と称することがある)
A−6:UEP−100(第一稀元素化学工業社製、平均粒子径11nm、酸化ジルコニウム)
B−1:アデカサイザーRS−107(ADEKA社製、粘度20mPa・s、ポリエーテルエステル樹脂、アジピン酸エーテルエステル樹脂、凝固点−20℃、以下「RS−107」と称することがある)
B−2:ユニオールD−1200(日油社製、粘度mPa・s、ポリアルキレングリコール樹脂、ポリプロピレングリコール樹脂、凝固点−30℃、以下「D−1200」と称することがある)
B−3:アデカサイザーPN−170(ADEKA社製、粘度800mPa・s、脂肪酸ポリエステル樹脂、アジピン酸ポリエステル樹脂、凝固点−15℃、以下「PN−170」と称することがある)
B−4:アデカサイザーPN−6810(ADEKA社製、粘度43mPa・s、アセチルクエン酸トリブチル、凝固点−80℃、以下「PN−6810」と称することがある)
C−1:アデカリアソープPP−70(ADEKA社製、リン酸エステル、以下「PP−70」と称することがある)
C−2:ディスパーBYK−102(ビックケミー社製、リン酸エステル、酸価102mgKOH/g、以下「BYK−102」と称することがある)
C−3:ディスパーBYK−145(ビックケミー社製、リン酸エステル、酸価76mgKOH/g、アミン価71mgKOH/g、以下「BYK−145」と称することがある)
D−1:ユーピロンS−3000(ポリカーボネート樹脂、三菱エンジニアリングプラスチック社製、以下「S−3000」と称することがある)
D−2:ポリエステルMA−2101M(ポリエステル樹脂、ユニチカ製、粘度平均分子量20,000、以下「MA−2101M」と称することがある)
D−3:アクリペットVH(ポリメチルメタクリレート樹脂、三菱ケミカル社製、以下「VH」と称することがある)
D−4:アミランCM3001−N(ポリアミド樹脂、東レ製、以下「CM3001−N」と称することがある)
D−5:KFポリマーW#1100(PVDF樹脂、クレハ社製、以下「W#1000」と称することがある)
金属酸化物粒子(A−1)50質量部、可塑剤(B−1)35質量部、分散剤(C−1)15質量部をビーズミルにて混合・分散し金属酸化物粒子分散液(X−1)を得た。
まず、表1に示す材料と配合量(質量部)にそれぞれ変更した以外は、金属酸化物粒子分散液(X−1)と同様の方法で金属酸化物粒子分散液(X−2〜11)をそれぞれ得た。尚、表1中に数値が記載されていない項目は、含有していないことを表す。
続いて、表3に示す材料と配合量(質量部)にそれぞれ変更した以外は、実施例1と同様の方法により、成形体を得た。尚、表3中に数値が記載されていない項目は、含有していないことを表す。
金属酸化物粒子(A−1)50質量部、可塑剤(B−1)50質量部をビーズミルにて混合し、金属酸化物粒子分散液(XC−1)を得ようとしたが、高粘度のため単離できなかった。
金属酸化物粒子分散液(X−1)10.5質量部、熱可塑性樹脂(D−1)89.5質量部を二軸押出機(日本製鋼所社製)にて混合溶融混練して、固形状のマスターバッチ(Y−1)を得た。
続いて、得られたマスターバッチ(Y−1)10質量部と、熱可塑性樹脂(D−1)100質量部とを混合し、得られた熱可塑性樹脂組成物により、射出成形機(日精樹脂工業社製)にて縦80mm×横45mm×厚み1.8mmの射出成形品である成形体を得た。
金属酸化物粒子(A−1)10.5質量部、熱可塑性樹脂(D−1)89.5質量部を二軸押出機(日本製鋼所社製)にて混合溶融混練して、固形状のマスターバッチ(YC−1)を得た。
続いて、得られたマスターバッチ(YC−1)5質量部と、熱可塑性樹脂(D−1)100質量部とを混合し、得られた熱可塑性樹脂組成物により、射出成形機(日精樹脂工業社製)にて縦80mm×横45mm×厚み1.8mmの射出成形品である成形体を得た。
まず、表2に示す材料と配合量(質量部)にそれぞれ変更した以外は、マスターバッチ(YC−1)と同様の方法でマスターバッチ(YC−2〜5)をそれぞれ得た。尚、表2中に数値が記載されていない項目は、含有していないことを表す。
続いて、表3に示す材料と配合量(質量部)にそれぞれ変更した以外は、比較例2と同様の方法により、成形体を得た。尚、表3中に数値が記載されていない項目は、含有していないことを表す。
[金属酸化物粒子分散体中の金属酸化物粒子の平均分散粒子径及び累積体積百分率]
平均分散粒子径及び累積体積百分率が90%のときの粒径(D90)は、動的光散乱式粒径分布測定装置LB−550(堀場製作所社製)を用いて測定した。
なお、マスターバッチの場合には、マスターバッチを150℃で質量比がフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン=1/1混合液に溶解させた溶液に調整し、平均分散粒径及びD90を測定した。
作製した縦80mm×横45mmの成形体(X1)を用い、ヘイズを測定した。
また、熱可塑性樹脂(D)単体からなる縦80mm×横45mm×厚み1.8mmの射出成形品である成形体(X2)を形成し、ヘイズを測定した。
これらの値から、ヘイズ差(X1−X2)を求めた。
なお、ヘイズはヘイズガードプラス(ガードナー社製)を用いて測定した。
それぞれ得られた熱可塑性樹脂組成物を用い、射出成形機(東芝機械社製)にて縦80mm×横10mm×厚み4mmの多目的試験片を得た。
得られた成形体を方眼紙の上に乗せ、方眼紙の升目の見え方によって透明性を目視にて評価した。
◎;良好。方眼紙の線がはっきり目視できる。
〇;実用可。方眼紙の線が読み取りにくい。
×;実用不可。方眼紙の線が読み取れない。
得られた多目的試験片を用いてJIS K7171:2016に従い、ノッチ付きのシャルピー衝撃強度、JIS K7191−1,−2:2015に従い、測定荷重1.80MPaにおける荷重たわみ温度を測定した。得られた各々の測定値から、下記式(1)に従い各々の測定値に対する物性保持率を算出した。物性保持率が高いものほど良好であるが、物性保持率90%以上であれば良好、物性保持率90%未満であれば不良と判断した。
物性保持率の値が高いほど、強度に優れているということがいえる。
式(1) 物性保持率(%)=[金属酸化物分散液またはマスターバッチを含む多目的試験片の物性測定値/熱可塑性樹脂(D)単体の多目的試験片の物性測定値]×100
Claims (9)
- 金属酸化物粒子分散液及び熱可塑性樹脂(D)を含有する熱可塑性樹脂組成物に用いられる金属酸化物粒子分散液であって、
前記金属酸化物粒子分散液は、金属酸化物粒子(A)と、可塑剤(B)と、分散剤(C)とを含み、
前記可塑剤(B)は25℃で液体であり、
前記金属酸化物粒子分散液中、金属酸化物粒子(A)の含有率は30〜50重量%、可塑剤(B)の含有率は35〜67重量%であり、
前記熱可塑性樹脂組成物により形成してなる、厚み1.8mmの成形体(X1)のヘイズと、熱可塑性樹脂(D)単体により成形してなる、厚み1.8mmの成形体(X2)のヘイズとのヘイズ差(X1−X2)が、20%以下であることを特徴とする金属酸化物粒子分散液。 - 金属酸化物粒子(A)の平均分散粒子径が、0.3μm以下である、請求項1記載の金属酸化物粒子分散液。
- 金属酸化物粒子(A)は、累積体積百分率が90%のときの粒径(D90)が、0.5μm以下であることを特徴とする請求項1または2記載の金属酸化物粒子分散液。
- 金属酸化物粒子(A)は、酸化インジウム錫(ITO)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、セシウムドープ酸化タングステン(CWO)、酸化亜鉛、酸化チタン及び酸化ジルコニウムからなる群より選ばれる少なくともいずれかである、請求項1〜3いずれか1項記載の金属酸化物粒子分散液。
- 可塑剤(B)は、脂肪酸ポリエステル樹脂、ポリアルキレングリコール樹脂、ポリエーテルエステル樹脂、及びアセチルクエン酸トリブチルからなる群より選ばれる少なくともいずれかである、請求項1〜4いずれか1項記載の金属酸化物粒子分散液。
- 前記分散剤(C)は、リン酸エステル化合物である、請求項1〜5いずれか1項記載の金属酸化物粒子分散液。
- 請求項1〜6いずれか1項記載の金属酸化物粒子分散液及び熱可塑性樹脂(D)を含有する熱可塑性樹脂組成物。
- 前記熱可塑性樹脂(D)は、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂及びフッ素樹脂からなる群より選ばれる少なくともいずれかである請求項7記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 請求項7または8記載の熱可塑性樹脂組成物より成形されてなる成形体。
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