JP2010070436A - 金属酸化物微粒子分散液、合わせガラス用中間膜、及び、合わせガラス - Google Patents

金属酸化物微粒子分散液、合わせガラス用中間膜、及び、合わせガラス Download PDF

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Abstract

【課題】優れた遮熱性と高い透明性とを両立した金属酸化物微粒子分散液を提供する。また、該金属酸化物微粒子分散液を用いてなる合わせガラス用中間膜、及び、該合わせガラス用中間膜を用いてなる合わせガラスを提供する。
【解決手段】金属酸化物微粒子、可塑剤、有機溶剤、及び、分散安定剤を含有する金属酸化物微粒子分散液であって、前記分散安定剤は下記一般式(1)で表され、かつ、前記分散安定剤の含有量が前記金属酸化物微粒子1.0重量部に対して1.0重量部以上である金属酸化物微粒子分散液。[化1]
Figure 2010070436

Rはアルキレン基、nは平均付加モル数である。
【選択図】なし

Description

本発明は、優れた遮熱性と高い透明性とを両立した金属酸化物微粒子分散液に関する。また、本発明は、該金属酸化物微粒子分散液を用いてなる合わせガラス用中間膜、及び、該合わせガラス用中間膜を用いてなる合わせガラスに関する。
合わせガラスは、外部衝撃を受けて破損してもガラスの破片が飛散することが少なく安全である。そのため、合わせガラスは、自動車等の車両、航空機、建築物等の窓ガラス等として広く使用されている。例えば、合わせガラスとして、一対のガラス間に、ポリビニルブチラール樹脂と可塑剤とを含有する合わせガラス用中間膜を介在させ、一体化させた合わせガラスが挙げられる。
しかし、合わせガラスは優れた安全性を持つが、充分に赤外線を遮蔽できないという問題があった。赤外線の波長域は、可視光線より長く、780nm以上の波長域を有する。また、赤外線のエネルギー量は、紫外線のエネルギー量の約10%である。しかし、赤外線は、物質に吸収されると熱として放出されるため、周囲の温度が上昇する。従って、例えば、自動車のフロントガラスやサイドガラスを透過する赤外線を遮断すれば、自動車内部の温度の上昇が抑えられる。特に、近年では、自動車等の開口部の面積が増加する傾向があるため、遮熱性に優れる合わせガラスが要求されている。
特許文献1には、錫ドープ酸化インジウム(ITO)微粒子やアンチモンドープ酸化錫(ATO)微粒子等の遮熱微粒子を分散させた金属酸化物微粒子分散液と、ポリビニルアセタール樹脂とを混練し、成形することで得られる合わせガラス用中間膜が開示されている。遮熱微粒子が分散している合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスは、遮熱性に優れる。しかしながら、遮熱微粒子を分散させた合わせガラスは、ヘイズが高く透明性が低下するという問題があった。
これに対して特許文献2には、遮熱微粒子の分散性を向上させるために、リン酸エステル化合物等の分散安定剤を含有する金属酸化物微粒子分散液を用いた合わせガラス用中間膜が開示されている。しかしながら、特に自動車等の分野では、更に優れた遮熱性と透明性とを両立した合わせガラスの必要性が増大していた。
国際公開WO01/25162号公報 特開2005−187226号公報
本発明は、優れた遮熱性と高い透明性とを両立した金属酸化物微粒子分散液を提供することを目的とする。また、本発明は、該金属酸化物微粒子分散液を用いてなる合わせガラス用中間膜、及び、該合わせガラス用中間膜を用いてなる合わせガラスを提供することを目的とする。
本発明は、金属酸化物微粒子、可塑剤、有機溶剤、及び、分散安定剤を含有する金属酸化物微粒子分散液であって、上記分散安定剤は下記一般式(1)で表され、かつ、上記分散安定剤の含有量が上記金属酸化物微粒子1.0重量部に対して1.0重量部以上である金属酸化物微粒子分散液である。
Figure 2010070436
Rはアルキレン基、nは平均付加モル数である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、金属酸化物微粒子と、可塑剤と、有機溶剤とを含有する金属酸化物微粒子分散液に特定の構造を有する分散安定剤を特定量以上含有させることにより、優れた遮熱性と高い透明性とを両立した金属酸化物微粒子分散液が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の金属酸化物微粒子分散液は、可塑剤(以下、分散液用可塑剤ともいう)を含有する。
上記分散液用可塑剤は後述する金属酸化物微粒子を分散させる分散媒としての役割を有する。
上記分散液用可塑剤は特に限定されず、例えば、有機エステル可塑剤、リン酸可塑剤等が挙げられる。上記有機エステル可塑剤は特に限定されず、例えば、一塩基性有機酸エステル、多塩基性有機酸エステル等が挙げられる。上記リン酸可塑剤は特に限定されず、例えば、有機リン酸可塑剤、有機亜リン酸可塑剤等が挙げられる。上記分散液用可塑剤は液状であることが好ましい。
上記一塩基性有機酸エステルは特に限定されず、例えば、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリプロピレングリコール等のグリコールと、酪酸、イソ酪酸、カプロン酸、2−エチル酪酸、ヘプチル酸、n−オクチル酸、2−エチルヘキシル酸、ペラルゴン酸(n−ノニル酸)、デシル酸等の一塩基性有機酸との反応によって得られたグリコールエステル化合物が挙げられる。なかでも、トリエチレングリコールジカプロン酸エステル、トリエチレングリコールジ−2−エチル酪酸エステル、トリエチレングリコールジ−n−オクチル酸エステル、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキシル酸エステル等のトリエチレングリコールジアルキル酸エステルが好適である。
上記多塩基性有機酸エステルは特に限定されず、例えば、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等の多塩基性有機酸と、炭素数4〜8の直鎖又は分岐構造を有するアルコールとのエステル化合物が挙げられる。なかでも、ジブチルセバシン酸エステル、ジオクチルアゼライン酸エステル、ジブチルカルビトールアジピン酸エステル等が好適である。
上記有機エステル可塑剤は特に限定されず、例えば、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、トリエチレングリコールジカプリレート、トリエチレングリコールジ−n−オクタノエート、トリエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート、テトラエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート、ジブチルセバケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルカルビトールアジペート、エチレングリコールジ−2−エチルブチレート、1,3−プロピレングリコールジ−2−エチルブチレート、1,4−プロピレングリコールジ−2−エチルブチレート、1,4−ブチレングリコールジ−2−エチルブチレート、1,2−ブチレングリコールジ−2−エチレンブチレート、ジエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、ジプロピレングリコールジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコールジ−2−エチルペンタノエート、テトラエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジカプリエート、テトラエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、トリエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート、テトラエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート、トリエチレングリコールビス−2−エチルブチレート、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、トリエチレングリコールジヘプタノエート、テトラエチレングリコールジヘプタノエート、アジピン酸ジヘキシル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ヘキシルシクロヘキシル、アジピン酸ヘプチルとアジピン酸ノニルとの混合物、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ヘプチルノニル、セバシン酸ジブチル、油変性セバシン酸アルキド、リン酸可塑剤とアジピン酸エステルとの混合物、アジピン酸エステル等が挙げられる。
上記有機リン酸可塑剤は特に限定されず、例えば、トリブトキシエチルホスフェート、イソデシルフェニルホスフェート、トリイソプロピルホスフェート等が挙げられる。
上記分散液用可塑剤のなかでも、加水分解を起こしにくいため、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート(3GH)、テトラエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(4GO)、アジピン酸ジヘキシル(DHA)が好ましく、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)がより好ましい。
本発明の金属酸化物微粒子分散液は、金属酸化物微粒子を含有する。上記金属酸化物微粒子を含有することにより、合わせガラス用中間膜は遮熱性に優れる。
上記金属酸化物微粒子は特に限定されず、例えば、アルミニウムドープ酸化錫、インジウムドープ酸化錫、アンチモンドープ酸化錫、ガリウムドープ酸化亜鉛、インジウムドープ酸化亜鉛、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ニオブドープ酸化チタン、ナトリウムドープ酸化タングステン、セシウムドープ酸化タングステン、タリウムドープ酸化タングステン、ルビジウムドープ酸化タングステン、錫ドープ酸化インジウム、錫ドープ酸化亜鉛、珪素ドープ酸化亜鉛等の金属酸化物微粒子が挙げられる。上記金属酸化物微粒子は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記金属酸化物微粒子の1次粒子の体積平均粒径は特に限定されないが、好ましい上限は500nmである。上記体積平均粒径が500nmを超えると、合わせガラス用中間膜の透明性が低下することがある。上記体積平均粒径のより好ましい上限は200nm、更に好ましい上限は100nmである。
本発明の金属酸化物微粒子分散液中における上記金属酸化物微粒子の含有量は特に限定されないが、上記金属酸化物微粒子分散液100重量部中において、好ましい下限は0.05重量部、好ましい上限は49.5重量部である。上記金属酸化物微粒子の含有量が0.05重量部未満であると、合わせガラスに充分な遮熱効果が得られないことがある。上記金属酸化物微粒子の含有量が49.5重量部を超えると、合わせガラスに充分な透明性が得られないことがある。上記金属酸化物微粒子の含有量のより好ましい下限は0.1重量部、より好ましい上限は45重量部である。
本発明の金属酸化物微粒子分散液は、下記一般式(1)で表される分散安定剤を含有する。上記分散安定剤を含有することにより、本発明の金属酸化物微粒子分散液中における上記金属酸化物微粒子の分散性を著しく向上させることができ、高い遮熱性を維持したまま合わせガラス用中間膜の透明性を向上させることができる。
Figure 2010070436
Rはアルキレン基、nは平均付加モル数である。
上記アルキレン基は特に限定されないが、炭素数1〜5のアルキレン基が好ましく、炭素数2〜4のアルキレン基がより好ましい。なかでも、上記アルキレン基はエチレン基又はプロピレン基であることが好ましく、エチレン基であることがより好ましい。
上記平均付加モル数は特に限定されないが、1〜10の範囲内であることが好ましく、2〜5の範囲内であることがより好ましい。
本発明の金属酸化物微粒子分散液中における上記分散安定剤の含有量の下限は、上記金属酸化物微粒子1.0重量部に対して1.0重量部である。上記分散安定剤の含有量が1.0重量部未満であると、上記金属酸化物微粒子の分散安定性が充分に得られず、合わせガラス用中間膜の透明性を向上させる効果が得られない。上記分散安定剤の含有量の好ましい下限は1.5重量部であり、より好ましい下限は2.0重量部である。上記分散安定剤の含有量の上限は特に限定されないが、上記分散安定剤の含有量の好ましい上限は200重量部であり、より好ましい上限は100重量部である。
本発明の金属酸化物微粒子分散液は、有機溶剤を含有する。
上記有機溶剤は特に限定されないが、金属酸化物微粒子が分散しやすく、可塑剤との相溶性が優れるため、アルコール類であることが好適である。
上記アルコール類は特に限定されず、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、ラウリルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等が挙げられる。上記アルコール類は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の金属酸化物微粒子分散液中における上記有機溶剤の含有量は特に限定されないが、上記金属酸化物微粒子分散液100重量部中において、好ましい下限は0.5重量部、好ましい上限は40重量部である。上記有機溶剤の含有量が0.5重量部未満であると、金属酸化物微粒子が充分に分散しないことがある。上記有機溶剤の含有量が40重量部を超えると、合わせガラス用中間膜の成形時に金属酸化物微粒子が凝集し、透明性が低下することがある。上記有機溶剤の含有量のより好ましい下限は2.0重量部、より好ましい上限は25重量部である。
本発明の金属酸化物微粒子分散液は必要に応じて分散剤を含有してもよい。上記分散剤は特に限定されず、例えば、リン酸エステル化合物、硫酸エステル化合物、ポリカルボン酸塩、多価アルコール型界面活性剤等が挙げられる。
本発明の金属酸化物微粒子分散液を製造する方法は特に限定されず、例えば、ビーズミル、サンドグラインドミル、ボールミル、アトライター、二本ロールミル、三本ロールミル、超音波装置、バブルホモジナイザー等を用いる方法等が挙げられる。
本発明の金属酸化物微粒子分散液を用いてなる合わせガラス用中間膜もまた、本発明の1つである。本発明の金属酸化物微粒子分散液を用いることにより、本発明の合わせガラス用中間膜は、金属酸化物微粒子の分散性に優れ、優れた遮熱性と高い透明性とを両立する。
本発明の合わせガラス用中間膜は、ポリビニルアセタール樹脂、金属酸化物微粒子、上記一般式(1)で表される分散安定剤、及び、可塑剤を含有する。
本発明の合わせガラス用中間膜は、ポリビニルアセタール樹脂を含有する。
上記ポリビニルアセタール樹脂は特に限定されないが、ガラスに対する接着力が優れるため、ポリビニルブチラール樹脂であることが好ましい。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、通常、ポリビニルアルコールをアセタール化することにより製造できる。上記ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度の好ましい下限は40モル%、好ましい上限は85モル%である。上記ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度のより好ましい下限は60モル%、より好ましい上限は75モル%である。
上記ポリビニルアルコールは、通常、ポリ酢酸ビニルをけん化することにより製造できる。
上記ポリビニルアルコールの重合度は特に限定されないが、好ましい下限は200、好ましい上限は5000である。上記ポリビニルアルコールの重合度が200未満であると、合わせガラスの耐貫通性が低下することがある。上記ポリビニルアルコールの重合度が5000を超えると、得られたポリビニルアセタール樹脂の剛性が大きくなり過ぎるため、合わせガラス用中間膜の成形が困難になることがある。上記ポリビニルアルコールの重合度のより好ましい下限は500、より好ましい上限は4000である。
本発明の合わせガラス用中間膜は、金属酸化物微粒子を含有する。
本発明の合わせガラス用中間膜における金属酸化物微粒子の含有量は特に限定されないが、上記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対して、好ましい下限は0.05重量部、好ましい上限は3.0重量部である。上記金属酸化物微粒子の含有量が0.05重量部未満であると、本発明の合わせガラスに充分な遮熱効果が得られないことがある。上記金属酸化物微粒子の含有量が3.0重量部を超えると、本発明の合わせガラスに充分な透明性が得られないことがある。上記金属酸化物微粒子の含有量のより好ましい下限は0.1重量部、より好ましい上限は2.0重量部である。
本発明の合わせガラス用中間膜は、上記一般式(1)で表される分散安定剤を含有する。
上記一般式(1)で表される分散安定剤の含有量は、上記金属酸化物微粒子1.0重量部に対して1.0重量部以上である。上記分散安定剤の含有量が1.0重量部未満であると、合わせガラス用中間膜の透明性を向上させる効果が得られない。上記分散安定剤の含有量の好ましい下限は1.5重量部であり、より好ましい下限は2.0重量部である。上記分散安定剤の含有量の上限は特に限定されないが、上記分散安定剤の含有量の好ましい上限は200重量部であり、より好ましい上限は100重量部である。
本発明の合わせガラス用中間膜は、可塑剤(以下、中間膜用可塑剤ともいう)を含有する。
上記中間膜用可塑剤は特に限定されず、本発明の金属酸化物微粒子分散液に用いる上記分散液用可塑剤と同様の可塑剤を用いることができる。
上記中間膜用可塑剤の含有量は、上記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対して、好ましい下限は30重量部、好ましい上限は60重量部である。
上記中間膜用可塑剤の含有量が30重量部未満であると、本発明の合わせガラスの耐貫通性が低下することがある。上記中間膜用可塑剤の含有量が60重量部を超えると、可塑剤がブリードアウトし、本発明の合わせガラス用中間膜とガラスとの接着力の制御が困難となることがある。上記中間膜用可塑剤の含有量のより好ましい下限は35重量部、より好ましい上限は45重量部である。
本発明の合わせガラス用中間膜は、ガラスに対する接着力を調整するために接着力調整剤を含有してもよい。
上記接着力調整剤は特に限定されず、例えば、アルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩等の金属塩、シリコンオイル等が挙げられる。
上記金属塩は特に限定されず、例えば、2−エチル酪酸マグネシウムや酢酸マグネシウム等が挙げられる。上記接着力調整剤は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
更に、本発明の合わせガラス用中間膜は、必要に応じて、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、難燃剤、帯電防止剤、耐湿剤、顔料、染料、赤外線吸収剤等の添加剤を含有してもよい。
本発明の合わせガラス用中間膜の厚さは特に限定されないが、好ましい下限は0.5mm、好ましい上限は1.5mmである。本発明の合わせガラス用中間膜の厚さが0.5mm未満であると、合わせガラス用中間膜の耐貫通性が低下することがある。本発明の合わせガラス用中間膜の厚さが1.5mmを超えると、合わせガラスに適した厚みを超えてしまうことがある。本発明の合わせガラス用中間膜の厚さのより好ましい下限は0.7mm、より好ましい上限は1.3mmである。
本発明の合わせガラス用中間膜は、単層の合わせガラス用中間膜であってもよいし、2層以上の樹脂膜が積層された合わせガラス用中間膜であってもよい。
本発明の合わせガラス用中間膜を製造する方法は特に限定されず、例えば、本発明の金属酸化物微粒子分散液、ポリビニルアセタール樹脂、及び、必要に応じて追加する可塑剤や添加剤を混練した後、合わせガラス用中間膜を成形する方法等が挙げられる。上記混練の方法は特に限定されず、例えば、押出機、プラストグラフ、ニーダー、バンバリーミキサー、カレンダーロール等を用いる方法等が挙げられる。
本発明の合わせガラス用中間膜を用いてなる合わせガラスもまた、本発明の1つである。
本発明の合わせガラスに用いられるガラス板は特に限定されず、一般に使用されている透明板ガラスが挙げられる。上記透明板ガラスは特に限定されず、例えば、フロート板ガラス、磨き板ガラス、型板ガラス、網入りガラス、線入り板ガラス、着色された板ガラス、熱線吸収ガラス、熱線反射ガラス、グリーンガラス等の無機ガラスが挙げられる。また、ポリカーボネートやポリアクリレート等の有機プラスチックス板を用いることもできる。
上記ガラス板は、2種以上のガラス板を用いてもよい。例えば、透明板ガラスと、グリーンガラスのような着色されたガラス板との間に、本発明の合わせガラス用中間膜が挟み込まれた合わせガラス等が挙げられる。
本発明の合わせガラスの製造方法は特に限定されず、従来公知の製造方法を用いることができる。
本発明の合わせガラスは、自動車用ガラスとして使用する場合は、フロントガラス、サイドガラス、リアガラス、ルーフガラスとして用いることができる。
本発明によれば、優れた遮熱性と高い透明性とを両立した金属酸化物微粒子分散液を提供することができる。また、本発明によれば、該金属酸化物微粒子分散液を用いてなる合わせガラス用中間膜、及び、該合わせガラス用中間膜を用いてなる合わせガラスを提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1)
(1)金属酸化物微粒子分散液の作製
分散液用可塑剤としてトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)25.0重量部と、金属酸化物微粒子として錫ドープ酸化インジウム(ITO)粉末(1次粒子の体積平均粒径30nm)20.0重量部と、有機溶剤としてエタノール3.0重量部と、分散剤としてリン酸エステル2.0重量部とを混合し、水平型のマイクロビーズミルを用いてITO微粒子を分散させた。その後、分散安定剤としてペンタエチレングリコールモノフェニルエーテル(上記一般式(1)において、R=エチレン基、n(平均付加モル数)=5)50.0重量部を添加し、ITO微粒子分散液を得た。
(2)合わせガラス用中間膜の作製
得られたITO微粒子分散液0.7重量部と、ポリビニルブチラール樹脂100重量部と、中間膜用可塑剤としてトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート32重量部とを充分に混合し、押出機を用いて厚さ760μmの合わせガラス用中間膜を作製した。
(3)合わせガラスの作製
得られた合わせガラス用中間膜を2枚の透明なフロートガラス(縦30cm×横30cm×厚さ2.3mm)で挟み込み積層体とした。得られた積層体を、230℃の加熱ロールを用いて仮圧着させた。仮圧着された合わせガラスを、オートクレーブを用いて135℃、圧力1.2MPaの条件で20分間圧着し、合わせガラスを作製した。
(実施例2)
分散安定剤をジエチレングリコールモノフェニルエーテル(上記一般式(1)において、R=エチレン基、n(平均付加モル数)=2)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、金属酸化物微粒子分散液、合わせガラス用中間膜、及び、合わせガラスを作製した。
(実施例3)
(1)金属酸化物微粒子分散液の作製
表1の組成比に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、金属酸化物微粒子分散液を作製した。
(2)合わせガラス用中間膜の作製
得られたITO微粒子分散液40重量部と、ポリビニルブチラール樹脂100重量部とを充分に混合し、押出機を用いて厚さ760μmの合わせガラス用中間膜を作製した。
(3)合わせガラスの作製
得られた合わせガラス用中間膜を2枚の透明なフロートガラス(縦30cm×横30cm×厚さ2.3mm)で挟み込み積層体とした。得られた積層体を、230℃の加熱ロールを用いて仮圧着させた。仮圧着された合わせガラスを、オートクレーブを用いて135℃、圧力1.2MPaの条件で20分間圧着し、合わせガラスを作製した。
(実施例4)
金属酸化物微粒子分散液の作製において、表1の組成比に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、金属酸化物微粒子分散液、合わせガラス用中間膜、及び、合わせガラスを作製した。
(実施例5)
金属酸化物微粒子分散液の作製において、表1の組成比に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、金属酸化物微粒子分散液、合わせガラス用中間膜、及び、合わせガラスを作製した。
(比較例1)
表1の組成比に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、金属酸化物微粒子分散液、合わせガラス用中間膜、及び、合わせガラスを作製した。
(比較例2)
分散安定剤をジプロピレングリコール−n−ブチルエーテルに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、金属酸化物微粒子分散液、合わせガラス用中間膜、及び、合わせガラスを作製した。
(比較例3)
分散安定剤をポリオキシエチレントリメチロールプロパンエーテル(日本乳化剤社製「TMP−30」)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、金属酸化物微粒子分散液、合わせガラス用中間膜、及び、合わせガラスを作製した。
(比較例4)
分散安定剤をポリオキシエチレンペンタエリスリトールエーテル(日本乳化剤社製「PNT−40」)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、金属酸化物微粒子分散液、合わせガラス用中間膜、及び、合わせガラスを作製した。
(比較例5)
分散安定剤をベンジルアルコールに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、金属酸化物微粒子分散液、合わせガラス用中間膜、及び、合わせガラスを作製した。
(比較例6)
分散安定剤をアニソールに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、金属酸化物微粒子分散液、合わせガラス用中間膜、及び、合わせガラスを作製した。
(比較例7)
金属酸化物微粒子分散液の作製において、表1の組成比に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、金属酸化物微粒子分散液、合わせガラス用中間膜、及び、合わせガラスを作製した。
(比較例8)
金属酸化物微粒子分散液の作製において、表1の組成比に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、金属酸化物微粒子分散液、合わせガラス用中間膜、及び、合わせガラスを作製した。
<評価>
実施例1〜5、及び、比較例1〜8で得られた金属酸化物微粒子分散液及び合わせガラスについて以下の評価を行った。結果を表1に示した。
(1)金属酸化物微粒子分散液及び合わせガラスの透過率評価
得られた金属酸化物微粒子分散液を、ITO微粒子の濃度が0.10重量%となるようにトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)で希釈し、10mm角型ガラスセルに注入して評価用の金属酸化物微粒子分散液とした。分光光度計(日立ハイテクノロジーズ社製「U−4100」)を用いて、JIS R 3106(1998)に準拠した方法により、評価用金属酸化物微粒子分散液、及び、得られた合わせガラス(縦30cm×横30cm)の可視光線透過率(Tv)を求めた。また、評価用金属酸化物微粒子分散液、及び、得られた合わせガラスの波長領域780〜2100nmにおける赤外線透過率を、JIS Z 8722、及び、JIS R 3106に準拠した重価係数を用いて規格化することにより、赤外線透過率(Tir)を求めた。
(2)合わせガラスのヘイズ評価
得られた合わせガラスを、縦5cm×横5cmの大きさに切断した。次いで、ヘイズメーター(東京電色社製「TC−H3PP型」)を用いて、JIS K 7015(1981)「プラスチックの光学的特性試験方法」に準拠した方法により、得られた合わせガラス(縦5cm×横5cm)のヘイズを測定した。
Figure 2010070436
本発明によれば、優れた遮熱性と高い透明性とを両立した金属酸化物微粒子分散液を提供することができる。また、本発明によれば、該金属酸化物微粒子分散液を用いてなる合わせガラス用中間膜、及び、該合わせガラス用中間膜を用いてなる合わせガラスを提供することができる。

Claims (4)

  1. 金属酸化物微粒子、可塑剤、有機溶剤、及び、分散安定剤を含有する金属酸化物微粒子分散液であって、
    前記分散安定剤は下記一般式(1)で表され、かつ、前記分散安定剤の含有量が前記金属酸化物微粒子1.0重量部に対して1.0重量部以上である
    ことを特徴とする金属酸化物微粒子分散液。
    Figure 2010070436
    Rはアルキレン基、nは平均付加モル数である。
  2. 有機溶剤はアルコール類であることを特徴とする請求項1記載の金属酸化物微粒子分散液。
  3. 請求項1又は2記載の金属酸化物微粒子分散液を用いてなることを特徴とする合わせガラス用中間膜。
  4. 請求項3記載の合わせガラス用中間膜を用いてなることを特徴とする合わせガラス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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