JP6690117B2 - 光学異方性フィルム部材の製造方法 - Google Patents
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Description
[1] 長尺フィルムロールの表面に連続して塗布膜を形成する光学異方性フィルム部材の製造方法であって、
前記塗布膜を形成した長尺フィルムロールの該塗布膜表面に連続送風しながら、長尺フィルムロールの搬送方向を変える工程を含む光学異方性フィルム部材の製造方法。
[2] 工程(1)及び(2)を行う[1]に記載の光学異方性フィルム部材の製造方法。
工程(1)長尺フィルムロールに光学異方性フィルム部材用組成物を塗布する工程
工程(2)塗布された光学異方性フィルム部材用組成物から塗布膜を形成する工程
[3] 光学異方性フィルム部材用組成物が配向膜形成用組成物であり、塗布膜が配向膜である[1]に記載の光学異方性フィルム部材の製造方法。
[4] 光学異方性フィルム部材用組成物が光学異方性膜形成用組成物であり、塗布膜が光学異方性膜である[1]に記載の光学異方性フィルム部材の製造方法。
[5] 工程(11)〜(14)を行う[1]に記載の光学異方性フィルム部材の製造方法。
工程(11)長尺フィルムロールに第1の光学異方性フィルム部材用組成物を塗布する工程
工程(12)塗布された第1の光学異方性フィルム部材用組成物から第一の塗布膜を形成する工程
工程(13)第一の塗布膜の上に第2の光学異方性フィルム部材用組成物を塗布する工程
工程(14)塗布された第2の光学異方性フィルム部材用組成物から第2の塗布膜を形成する工程
[6] 第1の光学異方性フィルム部材用組成物が配向膜形成用組成物であり、第一の塗布膜が配向膜であり、第2の光学異方性フィルム部材用組成物が光学異方性膜形成用組成物であり、第2の塗布膜が光学異方性膜である[5]に記載の光学異方性フィルム部材の製造方法。
[7] 送風を、送風型ガイド部材で行う[1]〜[6]のいずれかに記載の光学異方性フィルムの製造方法。
[8] 長尺フィルムロールを50〜150N/mmの張力で搬送する[1]〜[7]のいずれかに記載の光学異方性フィルム部材の製造方法。
[9] [1]〜[8]のいずれかに記載の光学異方性フィルム部材の製造方法によって得られる光学異方性フィルム部材を含む光学異方性フィルム。
[10] [9]に記載の光学異方性フィルムを備える液晶表示装置。
工程(1)長尺フィルムロールに光学異方性フィルム部材用組成物を塗布する工程
工程(2)塗布された光学異方性フィルム部材用組成物から塗布膜を形成する工程
工程(11)長尺フィルムロールに第1の光学異方性フィルム部材用組成物を塗布する工程
工程(12)塗布された第1の光学異方性フィルム部材用組成物から第一の塗布膜を形成する工程
工程(13)第一の塗布膜の上に第2の光学異方性フィルム部材用組成物を塗布する工程
工程(14)塗布された第2の光学異方性フィルム部材用組成物から第2の塗布膜を形成する工程
長尺フィルムロールは、通常、樹脂製である。
長尺フィルムロールは、好ましくは、透明である。透明とは、光、特に可視光を透過し得る透光性を有する長尺フィルムロールを意味し、透光性とは、波長380nm〜780nmにわたる光線に対しての透過率が80%以上となる特性をいう。
本発明における塗布膜とは、塗布によって形成される固体の膜のことであり、例えば、配向膜、光学異方性膜、保護膜及び接着剤層等が挙げられる。
光学異方性フィルム部材用組成物とは、塗布膜を形成するための溶液であり、好ましくは、塗布膜を形成するための材料及び溶剤を含む。
配向膜とは、後述する液晶化合物を所望の方向に配向させる、配向規制力を有するものである。
配向膜としては、光学異方性膜形成用組成物の塗布等により溶解しない溶剤耐性を有し、また、溶剤の除去や液晶化合物の配向のための加熱処理における耐熱性を有するものが好ましい。配向膜としては、配向性ポリマーを含む配向膜、光配向膜及び表面に凹凸パターンや複数の溝を形成し配向させるグルブ配向膜が挙げられる。
配向性ポリマーとしては、アミド結合を有するポリアミドやゼラチン類、イミド結合を有するポリイミド及びその加水分解物であるポリアミック酸、ポリビニルアルコール、アルキル変性ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリオキサゾール、ポリエチレンイミン、ポリスチレン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸及びポリアクリル酸エステル類が挙げられる。中でも、ポリビニルアルコールが好ましい。2種以上の配向性ポリマーを併用してもよい。
ラビング処理を行う時に、マスキングを行えば、配向の方向が異なる複数の領域(パターン)を配向膜に形成することもできる。
光配向膜は、通常、光反応性基を有するポリマー又はモノマーと溶剤とを含む配向膜形成用組成物(以下、光配向膜形成用組成物ということがある。)を、長尺フィルムロール又は長尺フィルムロールに形成された塗布膜に塗布し、偏光(好ましくは、偏光UV)を照射することで得られる。光配向膜は、照射する偏光の偏光方向を選択することにより、配向規制力の方向を任意に制御できる点でより好ましい。
グルブ(groove)配向膜は、膜表面に凹凸パターン又は複数のグルブ(溝)を有する膜である。等間隔に並んだ複数の直線状のグルブを有する膜に液晶分子を置いた場合、その溝に沿った方向に液晶分子が配向する。
単官能アクリレートとは、アクリロイルオキシ基(CH2=CH−COO−)及びメタクリロイルオキシ基(CH2=C(CH3)−COO−)からなる群より選ばれる基(以下、(メタ)アクリロイルオキシ基と記すこともある。)を1個有する化合物である。また、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート;トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート;エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート;プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート;ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート;ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート;トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート;トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート;トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート;トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート;トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート;
ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物;ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物;
トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物;
カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物;カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物、及びカプロラクトン変性トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレートと酸無水物等が挙げられる。
カプロラクトン変性とは、(メタ)アクリレート化合物のアルコール由来部位と(メタ)アクリロイルオキシ基との間に、カプロラクトンの開環体、又は、開環重合体が導入されていることを意味する。
光学異方性膜は、通常、液晶化合物及び溶剤を含む光学異方性膜形成用組成物から形成される。
液晶化合物としては、例えば、式(X)で表される基を含む化合物(以下「化合物(X)」という場合がある)が挙げられる。液晶化合物は一種類でもよいし、異なる構造の化合物を複数組み合わせてもよい。
P11−B11−E11−B12−A11−B13− (X)
[式(X)中、P11は、水素原子又は重合性基を表わす。
A11は、2価の脂環式炭化水素基または2価の芳香族炭化水素基を表わす。該2価の脂環式炭化水素基および2価の芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6アルコキシ基、シアノ基またはニトロ基で置換されていてもよく、該炭素数1〜6のアルキル基および該炭素数1〜6アルコキシ基に含まれる水素原子は、フッ素原子で置換されていてもよい。
B11は、−O−、−S−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−CO−NR16−、−NR16−CO−、−CO−、−CS−または単結合を表わす。R16は、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表わす。
B12およびB13は、それぞれ独立に、−C≡C−、−CH=CH−、−CH2−CH2−、−O−、−S−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−C(=O)−NR16−、−NR16−C(=O)−、−OCH2−、−OCF2−、−CH2O−、−CF2O−、−CH=CH−C(=O)−O−、−O−C(=O)−CH=CH−または単結合を表わす。
E11は、炭素数1〜12のアルカンジイル基を表わし、該アルカンジイル基に含まれる水素原子は、炭素数1〜5のアルコキシ基で置換されていてもよく、該アルコキシ基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。また、該アルカンジイル基を構成する−CH2−は、−O−または−CO−に置き換わっていてもよい。]
具体的には、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、へキサン−1,6−ジイル基、へプタン−1,7−ジイル基、オクタン−1,8−ジイル基、ノナン−1,9−ジイル基、デカン−1,10−ジイル基、ウンデカン−1,11−ジイル基およびドデカン−1,12−ジイル基等の炭素数1〜12の直鎖状アルカンジイル基;−CH2−CH2−O−CH2−CH2−、−CH2−CH2−O−CH2−CH2−O−CH2−CH2−および−CH2−CH2−O−CH2−CH2−O−CH2−CH2−O−CH2−CH2−等が挙げられる。
B11としては、−O−、−S−、−CO−O−、−O−CO−が好ましく、中でも、−CO−O−がより好ましい。
B12およびB13としては、それぞれ独立に、−O−、−S−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−が好ましく、中でも、−O−または−O−C(=O)−O−がより好ましい。
[式(P−11)〜(P−13)中、
R17〜R21はそれぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基または水素原子を表わす。]
P11−B11−で表わされる基が、アクリロイルオキシ基またはメタアクリロイルオキシ基であることがさらに好ましい。
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-B14-A13-B15-A14-B16-E12-B17-P12 (I)
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-B14-A13-B15-A14-F11 (II)
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-B14-A13-B15-E12-B17-P12 (III)
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-B14-A13-F11 (IV)
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-B14-E12-B17-P12 (V)
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-F11 (VI)
(式中、
A12〜A14はそれぞれ独立に、A11と同義であり、B14〜B16はそれぞれ独立に、B12と同義であり、B17は、B11と同義であり、E12は、E11と同義である。
F11は、水素原子、炭素数1〜13のアルキル基、炭素数1〜13のアルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、ジメチルアミノ基、ヒドロキシ基、メチロール基、ホルミル基、スルホ基(−SO3H)、カルボキシ基、炭素数1〜10のアルコキシカルボニル基またはハロゲン原子を表わし、該アルキル基およびアルコキシ基を構成する−CH2−は、−O−に置き換っていてもよい。
P12は、水素原子又は重合性基を表し、好ましくは重合性基である。重合性基としては、上記P11と同様の重合性基が挙げられる。P11及びP12は少なくとも一方が、重合性基である。)
液晶化合物は好ましくは重合性基を有する。かかる重合性基としては、上記したP11で示される重合性基が挙げられる。
溶剤としては、液晶化合物等の光学異方性膜形成用組成物の構成成分を溶解し得る有機溶剤が好ましく、液晶化合物等の光学異方性膜形成用組成物の構成成分を溶解し得る溶剤であって、さらに、液晶化合物が重合性基を有する場合は、液晶化合物の重合反応に不活性な溶剤がより好ましい。
具体的には、メタノール、エタノール、エチレングリコール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、フェノール等のアルコール溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、プロピオン酸ブチル、酢酸2−メトキシエチル、酢酸2−エトキシエチル、酢酸イソアミル、アセト酢酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等のエステル溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン、メチルイソブチルケトン、N−メチル−2−ピロリジノン等のケトン溶剤;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の非塩素化脂肪族炭化水素溶剤;トルエン、キシレン等の非塩素化芳香族炭化水素溶剤;アセトニトリル等のニトリル溶剤;テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル溶剤;およびクロロホルム、クロロベンゼン等の塩素化炭化水素溶剤;が挙げられる。二種以上の有機溶剤を組み合わせて用いてもよい。
好ましくは、アルコール溶剤、エステル溶剤、ケトン溶剤、非塩素化脂肪族炭化水素溶剤及び非塩素化芳香族炭化水素溶剤である。
重合開始剤としては、光重合開始剤が好ましく、光照射によりラジカルを発生する光重合開始剤が好ましい。
光重合開始剤としては、ベンゾイン化合物、ベンゾフェノン化合物、ベンジルケタール化合物、α−ヒドロキシケトン化合物、α−アミノケトン化合物、α−アセトフェノン化合物、トリアジン化合物、ヨードニウム塩およびスルホニウム塩が挙げられる。具体的には、イルガキュア(Irgacure)907、イルガキュア184、イルガキュア651、イルガキュア819、イルガキュア250、イルガキュア369(以上、全てチバ・ジャパン株式会社製)、セイクオールBZ、セイクオールZ、セイクオールBEE(以上、全て精工化学株式会社製)、カヤキュアー(kayacure)BP100(日本化薬株式会社製)、カヤキュアーUVI−6992(ダウ社製)、アデカオプトマーSP−152、アデカオプトマーSP−170(以上、全て株式会社ADEKA製)、TAZ−A、TAZ−PP(以上、日本シイベルヘグナー社製)およびTAZ−104(三和ケミカル社製)等が挙げられる。中でも、α−アセトフェノン化合物が好ましく、α−アセトフェノン化合物としては、2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルスルファニルフェニル)プロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−2−ベンジルブタン−1−オン及び2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−2−(4−メチルフェニルメチル)ブタン−1−オン等が挙げられ、より好ましくは2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルスルファニルフェニル)プロパン−1−オン及び2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−2−ベンジルブタン−1−オンが挙げられる。α−アセトフェノン化合物の市販品としては、イルガキュア369、379EG、907(以上、BASFジャパン(株)製)及びセイクオールBEE(精工化学社製)等が挙げられる。
重合禁止剤としては、ハイドロキノンおよびアルキルエーテル等の置換基を有するハイドロキノン類;ブチルカテコール等のアルキルエーテル等の置換基を有するカテコール類;ピロガロール類、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシラジカル等のラジカル補足剤;チオフェノール類;β−ナフチルアミン類およびβ−ナフトール類が挙げられる。
重合禁止剤の含有量は、液晶化合物の配向を乱さないためには、液晶化合物100質量部に対して、通常0.1〜30質量部であり、好ましくは0.5〜10質量部である。
光増感剤としては、キサントン、チオキサントン等のキサントン類;アントラセンおよびアルキルエーテル等の置換基を有するアントラセン類;フェノチアジン;ルブレンが挙げられる。
光増感剤を用いることにより、光重合開始剤を高感度化することができる。光増感剤の含有量は、液晶化合物100質量部に対して、通常0.1質量部〜30質量部であり、好ましくは0.5質量部〜10質量部である。
レベリング剤としては、有機変性シリコーンオイル系、ポリアクリレート系およびパーフルオロアルキル系のレベリング剤が挙げられる。具体的には、DC3PA、SH7PA、DC11PA、SH28PA、SH29PA、SH30PA、ST80PA、ST86PA、SH8400、SH8700、FZ2123(以上、全て東レ・ダウコーニング(株)製)、KP321、KP323、KP324、KP326、KP340、KP341、X22−161A、KF6001(以上、全て信越化学工業(株)製)、TSF400、TSF401、TSF410、TSF4300、TSF4440、TSF4445、TSF−4446、TSF4452、TSF4460(以上、全てモメンティブ パフォーマンス マテリアルズ ジャパン合同会社製)、フロリナート(fluorinert)(登録商標)FC−72、同FC−40、同FC−43、同FC−3283(以上、全て住友スリーエム(株)製)、メガファック(登録商標)R−08、同R−30、同R−90、同F−410、同F−411、同F−443、同F−445、同F−470、同F−477、同F−479、同F−482、同F−483(以上、いずれもDIC(株)製)、エフトップ(商品名)EF301、同EF303、同EF351、同EF352(以上、全て三菱マテリアル電子化成(株)製)、サーフロン(登録商標)S−381、同S−382、同S−383、同S−393、同SC−101、同SC−105、KH−40、SA−100(以上、全てAGCセイミケミカル(株)製)、商品名E1830、同E5844((株)ダイキンファインケミカル研究所製)、BM−1000、BM−1100、BYK−352、BYK−353及びBYK−361N(いずれも商品名:BM Chemie社製)が挙げられる。2種以上のレベリング剤を組み合わせてもよい。
カイラル剤としては、公知のカイラル剤(例えば、液晶デバイスハンドブック、第3章4−3項、TN、STN用カイラル剤、199頁、日本学術振興会第142委員会編、1989に記載)が挙げられる。
カイラル剤は、一般に不斉炭素原子を含むが、不斉炭素原子を含まない軸性不斉化合物あるいは面性不斉化合物もカイラル剤として用いることができる。軸性不斉化合物または面性不斉化合物としては、ビナフチル、ヘリセン、パラシクロファンおよびこれらの誘導体が挙げられる。
具体的には、特開2007−269640号公報、特開2007−269639号公報、特開2007−176870号公報、特開2003−137887号公報、特表2000−515496号公報、特開2007−169178号公報および特表平9−506088号公報に記載されているような化合物が挙げられ、好ましくはBASFジャパン(株)製のpaliocolor(登録商標) LC756である。
カイラル剤の含有量は、液晶化合物の配向を乱さないためには、液晶化合物100質量部に対して、通常0.1〜30質量部であり、好ましくは1.0〜25質量部である。
反応性添加剤としては、その分子内に炭素−炭素不飽和結合と活性水素反応性基とを有するものが好ましい。なお、ここでいう「活性水素反応性基」とは、カルボキシル基(−COOH)、水酸基(−OH)、アミノ基(−NH2)等の活性水素を有する基に対して反応性を有する基を意味し、エポキシ基、オキサゾリン基、カルボジイミド基、アジリジン基、イミド基、イソシアナート基、チオイソシアナート基、無水マレイン酸基等がその代表例である。
[式(Y)中、
nは1〜10までの整数を表わし、R1’は、炭素数2〜20の2価の脂肪族又は脂環式炭化水素基、或いは炭素数5〜20の2価の芳香族炭化水素基を表わす。各繰り返し単位にある2つのR2’は、一方が−NH−であり、他方が>N−C(=O)−R3’で示される基である。R3’は、水酸基又は炭素−炭素不飽和結合を有する基を表す。
式(Y)中のR3’のうち、少なくとも1つのR3’は炭素−炭素不飽和結合を有する基である。]
化合物(YY)には、市販品をそのまま又は必要に応じて精製して用いることができる。市販品としては、例えば、Laromer(登録商標)LR−9000(BASF社製)等が挙げられる。
配向した液晶化合物をそのまま光学異方性膜として用いてもよいが、液晶化合物が重合性基を有する場合は、液晶化合物を重合して硬化させるのが好ましい。液晶化合物が重合した光学異方性膜は、液晶化合物の配向が固定化されるため、熱による複屈折の変化の影響を受けにくい。
保護膜は、通常、多官能アクリレート(メタクリレート)、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート等からなるアクリル系オリゴマーあるいはポリマー、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルピロリドン、デンプン類、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等の水溶性ポリマーと溶剤とを含有する保護膜形成用組成物から形成される。保護膜形成用組成物は、光学異方性フィルム部材用組成物のひとつである。
接着剤層は、通常、粘着剤、接着剤又は活性エネルギー線硬化型接着剤を含む接着剤組成物から形成される。接着剤組成物は、光学異方性フィルム部材用組成物のひとつである。
活性エネルギー線硬化型接着剤としては、エポキシ化合物とカチオン重合開始剤とを含有するカチオン重合性のもの、アクリル系硬化成分とラジカル重合開始剤とを含有するラジカル重合性のもの、エポキシ化合物等のカチオン重合性の硬化成分及びアクリル系化合物等のラジカル重合性の硬化成分の両者を含有し、さらにカチオン重合開始剤及びラジカル重合開始剤を含有するもの、及び、重合開始剤を含まずに電子ビームを照射することで硬化されるもの等が挙げられる。中でも、エポキシ化合物とカチオン重合開始剤を含有するカチオン重合性の活性エネルギー線硬化型接着剤が好ましい。かかる接着剤は、実質的に無溶剤で使用できるため好ましい。
上記の塗布膜が形成された長尺フィルムロールの搬送方向は、上記塗布膜が形成された上記塗布膜表面を連続送風しながら変えられる。好ましくは、塗布膜が形成された表面に風(気体)以外のものを接触させずに搬送方向を変えるものであり、塗布膜が形成された表面側に搬送方向を変えるものである。
長尺フィルムロールに形成された塗布膜表面に連続送風しながら、長尺フィルムロールの搬送方向を変えることによって、張力を維持しながら長尺フィルムロールを搬送することができる。
ここでの角度は、塗布膜面を上層とし、長尺フィルムロール面を下層とした場合において、上層側に搬送方向を変えたときの、変化した角度を意味する。つまり、搬送方向を変える前の搬送方向を基準(0°)とした時の、搬送方向を変えた後の搬送方向の角度を意味する。
長尺フィルムロールの搬送速度は好ましくは3〜20m/分である。
該送風型ガイド部材と該塗布膜との空間距離は、通常0.01〜10mmであり、好ましくは0.1〜5mmである。
本部材としては、以下の構成をこの順に有する部材等が挙げられる。
・長尺フィルムロール、配向膜
・長尺フィルムロール、光学異方性膜
・長尺フィルムロール、配向膜、光学異方性膜
・長尺フィルムロール、配向膜、光学異方性膜、保護膜
・長尺フィルムロール、配向膜、光学異方性膜、接着剤層
・長尺フィルムロール、配向膜、光学異方性膜、保護膜、配向膜
・長尺フィルムロール、配向膜、光学異方性膜、保護膜、配向膜、光学異方性膜
・配向膜、長尺フィルムロール、配向膜
・光学異方性膜、長尺フィルムロール、光学異方性膜
・光学異方性膜、配向膜、長尺フィルムロール、配向膜、光学異方性膜
このような本部材の塗布膜は連続して形成されるのが好ましい。
第1ロール210から長尺フィルムロールを巻き出す。長尺フィルムロールを巻き出す方法は該第1ロール210の巻芯210Aに適当な回転手段を設置し、当該回転手段により第1ロール210を回転させることにより行われる。また、第1ロール210から長尺フィルムロールを搬送する方向に、適当なガイドロール310を設置し、当該ガイドロール310の回転手段で長尺フィルムロールを巻き出す形式でもよい。さらに、第1の巻芯210A及びガイドロール310ともに回転手段を設置することで、長尺フィルムロールに適度な張力を付与しながら、長尺基材を巻き出す形式でもよい。
より欠陥の少ない光学異方性膜を得るためには、図1に示したように、配向膜の形成と、光学異方性膜の形成とを連続して行うのが好ましい。
配向性ポリマー組成物の組成を、表1に示す。市販の配向性ポリマーであるサンエバーSE−610(日産化学工業株式会社製)にN−メチル−2−ピロリドン、2−ブトキシエタノールおよびエチルシクロヘキサンを加えて配向性ポリマー組成物(1)を得た。
光学異方性膜形成用組成物の組成を表2に示す。各成分を混合し、得られた溶液を80℃で1時間攪拌した後、室温まで冷却し、光学異方性膜形成用組成物(1)を得た。
表2におけるLR9000は、BASFジャパン社製のLaromer(登録商標)LR−9000を、Irg907は、BASFジャパン社製のイルガキュア907を、BYK361Nは、ビックケミージャパン製のレベリング剤を、LC242は、下記式で示されるBASF社製の液晶化合物を、PGMEGAは、プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセタートを表す。
常圧プラズマ表面処理装置(ロールダイレクトヘッド型 AP−T04S−R890、積水化学工業株式会社製)を用いて、窒素と酸素とを含む雰囲気(体積比 窒素:酸素=99.9:0.1)下で、1.3kV下の条件でプラズマを発生させ、ロール状のシクロオレフィンポリマーフィルム(ZF−14、日本ゼオン株式会社製)の表面を100m処理した。ここで、ロール状のシクロオレフィンポリマーフィルムの巻出及び、巻取張力は70N/mmに設定した。プラズマ処理を施したシクロオレフィンポリマーフィルム表面に、ダイコーターを用いて配向性ポリマー組成物(1)を塗布し、90℃の乾燥炉に搬送して1分間乾燥して配向膜(1)を形成した。配向膜(1)が形成されたロール状のシクロオレフィンポリマーフィルムの搬送方向を、送風型ガイド部材を用いて配向膜(1)表面に連続送風しながら90°変えた。配向膜(1)と送風型ガイド部材との空間距離は略1mmであった。続いて、得られた配向膜(1)の表面にダイコーターを用いて光学異方性膜形成用組成物(1)を塗布し、80℃の乾燥炉に搬送して1分間乾燥し、高圧水銀ランプ(GSユアサ株式会社製)を用いて、紫外線を、波長365nmにおいて160W/cmの照度で照射し、光学異方性膜(1)を形成した。配向膜及び光学異方性膜が形成されたシクロオレフィンポリマーフィルムを巻き取ることで、ロール状の光学異方性フィルム部材(1)を得た。
常圧プラズマ表面処理装置(ロールダイレクトヘッド型 AP−T04S−R890、積水化学工業株式会社製)を用いて、窒素と酸素とを含む雰囲気(体積比 窒素:酸素=99.9:0.1)下で、1.3kV下の条件でプラズマを発生させ、ロール状のシクロオレフィンポリマーフィルム(ZF−14、日本ゼオン株式会社製)の表面を100m処理した。ここで、ロール状のシクロオレフィンポリマーフィルムの巻出及び、巻取張力は70N/mmに設定した。プラズマ処理を施したシクロオレフィンポリマーフィルム表面に、ダイコーターを用いて配向性ポリマー組成物(1)を塗布し、90℃の乾燥炉に搬送して1分間乾燥して配向膜(2)を形成した。配向膜(2)が形成されたロール状のシクロオレフィンポリマーフィルムの搬送方向を、通常のガイドロールを用いて90°変えた。配向膜(2)と通常のガイドロールとは接触した。続いて、得られた配向膜(2)の表面にダイコーターを用いて光学異方性膜形成用組成物(1)を塗布し、80℃の乾燥炉に搬送して1分間乾燥し、高圧水銀ランプ(GSユアサ株式会社製)を用いて、紫外線を、波長365nmにおいて160W/cmの照度で照射し光学異方性膜(2)を形成した。配向膜及び光学異方性膜が形成されたシクロオレフィンポリマーフィルムを巻き取ることで、ロール状の光学異方性フィルム部材(2)を得た。
クロスニコル間に光学異方性フィルム部材(1)及び(2)を設置し、それぞれ8m2をCCDカメラで観察し、光学異方性膜(1)及び(2)の、1m2当たりにおける30μm以上の大きさの欠陥の数を数えた。結果を表3に示す。
光学異方性フィルム部材の位相差を測定機(KOBRA−WR、王子計測機器社製)により測定した。サンプルへの光の入射角を変えて測定し、光学異方性膜(1)及び(2)に含まれる重合した液晶化合物の配向を確認した。結果を表3に示す。
170 塗布膜
210 第1ロール
210A 巻芯
220 第2ロール
220A 巻芯
211A,211B 塗布装置
212A,212B 乾燥炉
213A,213B 光照射装置
300 送風型ガイド部材
310 ガイドロール
320 空間
Claims (5)
- 長尺フィルムロールの表面に連続して塗布膜を形成する光学異方性フィルム部材の製造方法であって、
前記塗布膜を形成した長尺フィルムロールの該塗布膜表面に連続送風しながら、長尺フィルムロールの搬送方向を変える工程を含み、
前記送風を、送風型ガイド部材で行い、
前記送風型ガイド部材と前記塗布膜との空間距離が、0.1〜5mmであり、
工程(11)〜工程(14)を行う光学異方性フィルム部材の製造方法。
工程(11)長尺フィルムロールに第1の配向膜形成用組成物を塗布する工程
工程(12)塗布された第1の配向膜形成用組成物から配向膜を形成する工程
工程(13)配向膜の上に光学異方性膜形成用組成物を塗布する工程
工程(14)塗布された光学異方性膜形成用組成物から重合した液晶化合物が垂直配向した光学異方性膜を形成する工程 - 長尺フィルムロールの搬送方向を変える工程が、工程(12)の後でかつ、工程(13)の前に実施される請求項1に記載の光学異方性フィルム部材の製造方法。
- 塗布膜が形成された長尺フィルムロールの該塗布膜表面に気体以外のものを接触させずに長尺フィルムロールの搬送方向を変える請求項1又は2に記載の光学異方性フィルム部材の製造方法。
- 長尺フィルムロールを50〜150N/mmの張力で搬送する請求項1〜3のいずれかに記載の光学異方性フィルム部材の製造方法。
- 長尺フィルムロールの表面に連続して塗布膜を形成する光学異方性フィルム部材の製造方法であって、
前記長尺フィルムロールを50〜150N/mmの張力で搬送し、
前記塗布膜を形成した長尺フィルムロールの該塗布膜表面に連続送風しながら、長尺フィルムロールの搬送方向を変える工程を含む光学異方性フィルム部材の製造方法。
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