JP2013213885A - 露光装置及び露光方法及びパターンフィルムの製造方法 - Google Patents

露光装置及び露光方法及びパターンフィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】生産性を落とすことなく、コストを特に増大させることなく、カブリ故障を抑えつつ、良好な露光パターンが得られる露光装置及び露光方法及びパターンフィルムの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の露光装置は、バックアップロールの直径が300mm以上800mm以下とし、光源による前記光反応性膜への露光量が100mJ/cm2以下として、バックアップロールの回転軸の両端に回転軸にかかるラジアル荷重と両方向のアキシアル荷重による負荷を吸収するために設けられた組合せアンギュラ玉軸受を用いた。
【選択図】図5

Description

本発明は、露光装置及び露光方法及びパターンフィルムの製造方法に関するものである。
微細パターンを設けたフィルムやガラス板は、3Dディスプレイ等に用いられる位相差板等に用いられる。また、微細パターンを設けたフィルムの製造効率を向上させるためには、可撓性ウェブに対して長尺のまま微細パターンを形成することが望ましい。3Dディスプレイ等に要求される低コスト及び高品質を満足するために、可撓性ウェブにおける微細パターンの精度をより向上させること及びパターン間の境界領域の欠陥をより減少させることが求められている。
可塑性ウェブに第一の領域と及び第二の領域とを有する微細パターンを設けたフィルムの製造方法として、例えば、特許文献1に記載されている。この製造方法による工程フローチャートは、一軸延伸シートに対して光異性化物質を塗布する光異性化膜塗布工程と、光異性化物質に対して所定のパターンを有するマスクを介して直線偏光光を照射する直線偏光光照射工程と、光異性化物質を硬化させる加熱硬化工程とを有する。
第一の領域を直線偏光光照射領域とし、第二の領域を非照射領域とする。光異性化膜塗布工程により塗布された光異性化物質は、一軸延伸シートの一軸延伸方向に従って、一定の方向に配向する。直線偏光光照射工程により300ルクス以上の光が照射されることにより、第一の領域に塗布された光異性化物質のみの配向方位を変化する。加熱硬化工程により180度で加熱されることにより、第一,第二の領域の両方にある光異性化物質が、その前の状態における配向方位を保持しながら硬化される。
また、可撓性ウェブに塗布された光反応性化合物を含む光反応性膜に対して光を照射して、光反応性膜を反応させる露光装置が知られている。光反応には、光による液晶分子の配向や硬化などが知られている。例えば、特許文献2の露光装置では、光反応による光反応性膜のシワを防止するため、光が照射されるエリアを、バックアップロールで支持された部分に設定している。
光源と光反応性膜との間に配された光マスク板を用いて光反応性膜の一部のみに光を照射する露光装置も知られている(例えば、特許文献3)。特許文献3に記載の光マスク板には、ウェブの長手方向(搬送方向)に延びウェブの幅方向に並ぶスリットが設けられる。特許文献3の露光装置によれば、ウェブを連続搬送しながら光反応性膜において露光により光反応が進んだ線状の露光部分と未露光のため光反応が起きていない線状の未露光部分とが交互に並ぶ、いわゆる、ストライプ状の露光パターンを効率的に形成することができる。
特開平10−153707号公報 特開昭63−194779号公報 特開平09−274323号公報
しかし、特許文献3記載の露光装置のように、光源からの光をレンズやミラーなどの光学系で整えた上でマスク板を通して露光を行うにしても、ランプやLEDなどからなる光源自体が広がりを有している。このため、光学系や光マスク板にいかに高精度のものを用いたとしても、マスク板を露光対象であるフィルムの表面に密着させない限り、原理的に未露光エリアとして設定した領域にも露光が及ぶカブリ故障を避けることができない。この露光工程におけるカブリ故障が、フィルムにおけるストライプ状のパターン間の境界領域の欠陥となって現れてしまう。フィルムに要求される高い品質への要求を満足するためには、露光工程においてカブリ故障を可能な限り低減することが必要であり、このためには、例えば、光マスク板とバックアップロールとのギャップを小さくしなければならない。
ところが、光マスク板をバックアップロールに近づけた場合、バックアップロールの形状に起因して、ウェブの長手方向両端部における光マスク板とバックアップロールとのギャップの、ウェブの長手方向中央部におけるそれとの比が大きくなる。このため、ウェブの長手方向におけるスリットの長さを長くすると、スリットの両端部を通過した光によるカブリ故障が問題となる。このため、カブリ故障を避けるためには、ウェブの長手方向におけるスリットの長さをできるだけ短くすることが必要となる。
一方、光反応性化合物が光反応するためには、一定以上の光エネルギーを必要とする。特許文献1に示すような例では、500〜10000mJ/cm2の照射エネルギーを必要とする。そのため、ウェブの長手方向におけるスリットの長さが短い光マスク板を用いて、光反応性膜に対して光反応を誘発するべく露光する場合には、より光源による照射エネルギーを高くすることが必要となる。しかし、照射エネルギーを高くした場合、次の理由でカブリ故障が多発する。一つは、光源から照射された光マスク板に対して完全に垂直でない光が可撓性ウェブあるいはバックアップロールにより反射され、その反射光がさらに光マスク板によって反射され、未露光部分に設定された領域に光が照射されてしまうことに起因するカブリ故障である。もう一つはバックアップロールの表面温度が高くなることによる熱膨張収縮やバックアップロールの振動などに起因するカブリ故障である。
露光工程において、ウェブの長手方向におけるスリットの長さが短い光マスク板を用いて、照射エネルギーを低く抑えることは、バックアップロールなどによる可撓性ウェブの搬送速度を減少させることで可能ではあるが、生産性やコストの点で見合わない。
発明者は、鋭意検討の結果、生産性を落とすことなく、コストを特に増大させることなく、照射エネルギーを低くし、なおかつ表面温度を低く抑え、バックアップロールの振動もより低く抑える露光装置及び露光工程を見出した。本発明は、カブリ故障を抑えつつ、良好な露光パターンが得られる露光装置及び露光方法及びパターンフィルムの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の露光装置は、表面に光反応性膜が形成された可塑性ウェブの裏面を支持する周面を有し、前記支持された可塑性ウェブを搬送する金属製のバックアップロールと、前記バックアップロールの回転軸にかかるラジアル荷重と両方向のアキシアル荷重による負荷を吸収するために前記回転軸の両端に設けられた組合せアンギュラ玉軸受と、前記支持されている前記可塑性ウェブ上に形成された前記光反応性膜に向けて、前記光反応性膜に光反応を引き起こす光を照射する光源と、前記バックアップロールに近接するようにして前記光源及び前記バックアップロールの間に配置され、前記可塑性ウェブの搬送方向に延び前記可塑性ウェブの幅方向に一定ピッチで複数本配列され前記光源からの光を通過させるスリットを有する光マスク板と、を有する露光装置であって、前記可塑性ウェブを搬送する速度が10m/分以上であることと、前記バックアップロールの直径が300mm以上800mm以下であることと、前記光源による前記光反応性膜への露光量が100mJ/cm2以下であることと、を特徴とする。
前記光源が照射する前記光が紫外線であることが望ましい。また、前記光マスク板が、前記光に対して透明で反応性を有しない矩形状の板と、前記矩形状の板の少なくともどちらか一方の面上に前記光に対して不透明で反応性を有しない材料により形成されたマスク膜と、を有することが望ましい。また、前記矩形状の板がオゾンレス石英ガラス,合成石英ガラス,天然石英ガラスのうちいずれか一つの材料からなることが望ましい。また、前記マスク膜が金属により形成されていることが望ましい。また、前記金属がクロムであることが望ましい。また、前記マスク膜が真空蒸着,電子ビーム蒸着,イオンビーム蒸着,プラズマ蒸着,スパッタリングのうちいずれか1つの方法で形成されていることが望ましい。
上記目的を達成するために、本発明の露光方法は、金属製のバックアップロールにより表面に光反応性膜が形成された可塑性ウェブの裏面を支持ながら連続搬送する搬送工程と、前記支持されている前記可塑性ウェブ上に形成された前記光反応性膜に向けて、光源により前記光反応性膜に光反応を引き起こす光を照射する照射工程と、を有する露光方法であって、前記可塑性ウェブを搬送する速度が10m/分以上であることと、前記バックアップロールの直径が300mm以上800mm以下であることと、前記光源による前記光反応性膜への露光量が100mJ/cm2以下であることと、前記照射工程において、前記光は、前記バックアップロールに近接するようにして前記光源及び前記バックアップロールの間に配置され、前記可塑性ウェブの搬送方向に延び前記可塑性ウェブの幅方向に一定ピッチで複数本配列され前記光源からの光を通過させるスリットを有する光マスク板を介して照射されることと、を特徴とする。
前記バックアップロールの表面温度が15℃〜30℃であることが望ましい。また、前記光源が照射する前記光が紫外線であり、前記光反応性膜が紫外線に対して反応する性質を有する化合物を含有することが望ましい。
また、前記光マスク板が、前記光に対して透明で反応性を有しない矩形状の板と、前記矩形状の板の少なくともどちらか一方の面上に前記光に対して不透明で反応性を有しない材料により形成されたマスク膜と、を有することが望ましい。また、前記矩形状の板がオゾンレス石英ガラス,合成石英ガラス,天然石英ガラスのうちいずれか一つの材料からなることが望ましい。また、前記マスク膜が金属により形成されていることが望ましい。また、前記金属がクロムであることが望ましい。また、前記マスク膜が真空蒸着,電子ビーム蒸着,イオンビーム蒸着,プラズマ蒸着,スパッタリングのうちいずれか1つの方法で形成されていることが望ましい。
上記目的を達成するために、本発明のパターンフィルムの製造方法は、可塑性ウェブの表面に光反応性膜を形成する光反応性膜形成工程と、上記記載の露光方法による露光工程と、を備えたことを特徴とする。また、前記光反応性膜形成工程は、光反応性膜塗布液を塗布する光反応性膜塗布工程と、前記光反応性塗布液を乾燥する光反応性膜乾燥工程と、を有することが望ましい。また、前記露光方法の前後どちらか一方において、ラビング工程を行うことが望ましい。また、前記露光工程と前記ラビング工程を両方とも行った後に、液晶膜塗布液を塗布する液晶膜塗布工程と、前記液晶膜塗布液を硬化させる液晶膜硬化工程とを行うことが望ましい。
本発明の露光装置は、バックアップロールの直径が300mm以上800mm以下とし、光源による前記光反応性膜への露光量が100mJ/cm2以下として、バックアップロールの回転軸の両端に回転軸にかかるラジアル荷重と両方向のアキシアル荷重による負荷を吸収するために設けられた組合せアンギュラ玉軸受を用いたため、可塑性ウェブを搬送する速度が10m/分以上であっても、生産性を落とすことなく、コストを特に増大させることなく、カブリ故障を抑えつつ、良好な露光パターンが得られる露光装置を提供することができる。また、このような露光装置を用いてする本発明の露光方法は、同様に、生産性を落とすことなく、コストを特に増大させることなく、カブリ故障を抑えつつ、良好な露光パターンが得られる露光方法を提供することができる。また、このような露光方法を用いてする本発明のパターンフィルムの製造方法は、同様に生産性を落とすことなく、コストを特に増大させることなく、カブリ故障を抑えつつ、良好な露光パターンが得られたパターンフィルムを製造することができる。
本発明の実施形態に係る可撓性ウェブに微細パターンを設けたフィルム(以下、パターンフィルム、と称する)の製造工程のフローチャートである。 本発明の実施形態に係る塗布及び乾燥工程を説明する概略図である。 本発明の実施形態に係る露光装置を説明する概略図である。 本発明の実施形態に係る露光装置を説明する断面図であり、図3における(IV)での断面図である。 本発明の実施形態に係る露光装置を説明する断面図であり、図3における(V)での断面図である。
(パターンフィルムの製造工程)
図1(A)及び図2に示すように、パターンフィルムの製造工程は、基材フィルム10の片側の表面に少なくとも一つの光酸発生剤を含むラビング配向膜液を塗布しラビング配向膜12を形成するラビング配向膜塗布工程S2と、その塗布されたラビング配向膜12を乾燥させて第一処理フィルム10Aを得るラビング配向膜乾燥工程S3とを備える。
また、図1(A)及び図3に示すように、パターンフィルムの製造工程は、バックアップロール25により第一処理フィルム10Aの基材フィルム10側を支持しながら搬送する搬送工程S5と、ラビング配向膜液の塗布側の面に対し露光部4に紫外線を照射し非露光部5には紫外線が照射されないようなパターンのスリット29を有するマスク28を介してUV光源34により紫外線を照射して露光部4における光酸発生剤から酸を発生させ第二処理フィルム10Bを得る照射工程S6とを備える。
また、図1(A)に示すように、ラビング配向膜液の塗布側の面に対しラビング配向の方向にラビングするラビング工程S8と、ラビング配向膜液の塗布側の面に対しディスコティック液晶を含有し光学異方性層を形成する液を塗布する液晶膜塗布工程S11と、ディスコティック液晶を配向させる熟成工程S12と、全面に紫外線を照射して露光部4及び非露光部5によってそれぞれの方向に配向されたディスコティック液晶を配向方向が変化しないように硬化させるUV硬化工程S14と、を有する。なお、図1(B)に示すように、ラビング工程S8はラビング配向膜乾燥工程S3と搬送工程S5との間にあっても良い。
[光酸発生剤]
光酸発生剤には、紫外線等の光照射により分解し酸性化合物を発生させる化合物、例えば化1又は化2に示す化合物が用いられる。前記光酸発生剤が、光照射により分解して酸性化合物を発生すると、配向膜の配向制御能に変化が生じる。ここでいう配向制御能の変化は、配向膜単独の配向制御能の変化として特定されるものであっても、配向膜とその上に配置される光学異方性層形成用組成物中に含まれる添加剤等とによって達成される配向制御能の変化として特定されるものであってもよいし、またこれらの組み合わせとして特定されるものであってもよい。
Figure 2013213885
Figure 2013213885
[重合性基を有するディスコティック液晶化合物]
本発明の光学異方性層の主原料として使用可能なディスコティック液晶としては、前記のとおり重合性基を有する化合物が好ましい。前記ディスコティック液晶としては、下記一般式(I)で表される化合物が好ましい。
一般式(I): D(−L−H−Q)
一般式(I)中のDは円盤状コアであり、Lは二価の連結基であり、Hは二価の芳香族環又は複素環であり、Qは重合性基であり、nは3〜12の整数を表す。
円盤状コア(D)は、ベンゼン環、ナフタレン環、トリフェニレン環、アントラキノン環、トルキセン環、ピリジン環、ピリミジン環、トリアジン環が好ましく、ベンゼン環、トリフェニレン環、ピリジン環、ピリミジン環、トリアジン環が特に好ましい。
Lは、*−O−CO−、*−CO−O−、*−CH=CH−、*−C≡C−及びこれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基が好ましく、*−CH=CH−又は*−C≡C−のいずれか一方を少なくとも一つ以上含む二価の連結基であることが特に好ましい。ここで、*は一般式(I)中のDに結合する位置を表す。
Hは、芳香族環としては、ベンゼン環及びナフタレン環が好ましく、ベンゼン環が特に好ましい。複素環としては、ピリジン環及びピリミジン環が好ましく、ピリジン環が特に好ましい。Hは、芳香族環が特に好ましい。
重合性基Qの重合反応は、付加重合(開環重合を含む)又は縮合重合であることが好ましい。言い換えると、重合性基は、付加重合反応又は縮合重合反応が可能な官能基であることが好ましい。中でも、(メタ)アクリレート基、エポキシ基が好ましい。
前記一般式(I)で表されるディスコティック液晶は、下記一般式(II)又は(III)で表されるディスコティック液晶であることが特に好ましい。
Figure 2013213885
式中、L、H、Qは、前記一般式(I)におけるL、H、Qとそれぞれ同義であり、好ましい範囲も同様である。
Figure 2013213885
式中、Y、Y、及びYは、後述する一般式(IV)におけるY11、Y12、及びY13と同義であり、その好ましい範囲も同一である。また、L、L、L、H、H、H、R、R、及びRも、後述する一般式(IV)におけるL、L、L、H、H、H、R、R、Rと同義であり、その好ましい範囲も同一である。
後述するように、一般式(I)、(II)、(III)及び(IV)で表されるように、分子内に複数個の芳香環を有しているディスコティック液晶は、配向制御剤として用いられるピリジニウム化合物又はイミダゾリウム化合物等のオニウム塩との間に分子間π−π相互作用が起こるため、垂直配向を実現できる。特に、例えば、一般式(II)において、Lが、*−CH=CH−又は*−C≡C−のいずれか一方を少なくとも一つ以上含む二価の連結基である場合、及び、一般式(III)において、複数個の芳香環及び複素環が単結合で連結される場合は、該連結基により結合の自由回転が強く束縛されることにより分子の直線性が保持されるため、液晶性が向上すると共に、より強い分子間π−π相互作用が起こり安定な垂直配向が実現できる。
前記ディスコティック液晶としては、下記一般式(IV)で表される化合物が好ましい。
Figure 2013213885
式中、Y11、Y12及びY13はそれぞれ独立に置換されていてもよいメチン又は窒素原子を表し、L、L及びLはそれぞれ独立に単結合又は二価の連結基を表し、H、H及びHはそれぞれ独立に一般式(I−A)又は(I−B)の基を表し、R、R及びRは、それぞれ独立に下記一般式(I−R)を表す。
Figure 2013213885
一般式(I−A)中、YA及びYAはそれぞれ独立にメチン又は窒素原子を表し、XAは酸素原子,硫黄原子,メチレン又はイミノを表し、*は上記一般式(IV)におけるL〜L側と結合する位置を表し、**は上記一般式(IV)におけるR〜R側と結合する位置を表す。
Figure 2013213885
一般式(I−B)中、YB及びYBはそれぞれ独立にメチン又は窒素原子を表し、XBは酸素原子,硫黄原子,メチレン又はイミノを表し、*は上記一般式(IV)におけるL〜L側と結合する位置を表し、**は上記一般式(IV)におけるR〜R側と結合する位置を表す。
一般式(I−R): *−(−L21−Qn1−L22−L23−Q
一般式(I−R)中、*は、一般式(IV)におけるH〜H側と結合する位置を表し、L21は単結合又は二価の連結基を表し、Qは少なくとも1種類の環状構造を有する二価の基(環状基)を表す。n1は、0〜4の整数を表す。L22は、**−O−、**−O−CO−、**−CO−O−、**−O−CO−O−、**−S−、**−NH−、**−SO−、**−CH−、**−CH=CH−又は**−C≡C−を表す。L23は、−O−、−S−、−C(=O)−、−SO−、−NH−、−CH−、−CH=CH−及び−C≡C−並びにこれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基を表す。Qは重合性基又は水素原子を表す。
前記式(IV)で表される3置換ベンゼン系ディスコティック液晶性化合物の各符号の好ましい範囲、及び前記式(IV)の化合物の具体例については、特開2010−244038号公報の段落[0013]〜[0077]記載を参照することができる。但し、本発明に使用可能なディスコティック液晶性化合物は、前記式(IV)の3置換ベンゼン系ディスコティック液晶性化合物に限定されるものではない。
トリフェニレン化合物としては、特開2007−108732号公報の段落[0062]〜[0067]記載の化合物等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
前記一般式(IV)で表されるディスコティック液晶は、分子内に複数個の芳香環を有しているため、後述する、ピリジニウム化合物又はイミダゾリウム化合物との間に強い分子間π−π相互作用が起こり、ディスコティック液晶の配向膜界面近傍におけるチルト角を増加させる。特に、一般式(IV)で表されるディスコティック液晶は、複数個の芳香環が単結合で連結されているため、分子の回転自由度が束縛された直線性の高い分子構造を有しているため、ピリジニウム化合物又はイミダゾリウム化合物との間により強い分子間π−π相互作用が起こり、ディスコティック液晶の配向膜界面近傍におけるチルト角を増加させ垂直配向状態が実現できる。
本発明では、ディスコティック液晶を垂直配向させるのが好ましい。尚、本明細書において「垂直配向」とは、ディスコティック液晶の円盤面と層面が垂直であることをいう。厳密に垂直であることを要求するものではなく、本明細書では、水平面とのなす傾斜角が70度以上の配向を意味するものとする。傾斜角は85〜90度が好ましく、87〜90度がより好ましく、88〜90度がさらに好ましく、89〜90度が最も好ましい。なお、前記組成物中には、液晶の垂直配向を促進する添加剤を添加していることが好ましく、該添加剤の例には、特開2009−223001号公報の[0055]〜[0063]に記載の化合物が含まれる。
ディスコティック液晶は、オニウム塩を添加することで、直交垂直配向状態になる場合がある。さらに、光照射により発生した酸とそのオニウム塩とがアニオン交換すると、そのオニウム塩の配向膜界面における偏在性が低下し、直交垂直配向効果を低下させ、平行垂直配向状態を形成される場合がある。本実施例においては、光学異方性層に対し、このような特徴を備えるオニウム塩を含有させ、ラビング配向膜にこのような特徴を備える光酸発生剤を含有させるように、材料となる化合物が選択され用いられる。また、配向膜にポリビニルアルコール系の化合物を採用し、光照射により発生した酸によりそのエステル部分を分解させてオニウム塩の配向膜界面偏在性を変化させるように、各種化合物が選択されて用いられてもよい。もちろんこれらに限ることはなく、同様の技術的思想を有する化合物の組み合わせによる実施であれば本発明の範囲内とする。このような技術的思想を用いて、露光部4におけるディスコティック液晶の配向方向と非露光部5におけるそれとをそれぞれ別の方向にしたパターンフィルムが得られる。
[オニウム塩化合物(配向膜側配向制御剤)]
本発明では、前述のように、重合性基を有するディスコティック液晶の垂直配向を実現するために、オニウム塩を添加することが好ましい。オニウム塩は配向膜界面に偏在し、液晶分子の配向膜界面近傍におけるチルト角を増加させる作用をする。
オニウム塩としては、下記一般式(1)で表される化合物が好ましい。
一般式(1) Z−(Y−L−)Cy・X
式中、Cyは5又は6員環のオニウム基であり、L、Y、Z、Xは、後述する一般式(2a)及び(2b)におけるL23、L24、Y22、Y23、Z21、Xに同義であり、その好ましい範囲も同一であり、nは2以上の整数を表す。
5又は6員環のオニウム基(Cy)は、ピラゾリウム環、イミダゾリウム環、トリアゾリウム環、テトラゾリウム環、ピリジニウム環、ピリジニウム環、ピリミジニウム環、トリアジニウム環が好ましく、イミダゾリウム環、ピリジニウム環が特に好ましい。
5又は6員環のオニウム基(Cy)は、配向膜材料と親和性のある基を有するのが好ましい。さらに、オニウム塩化合物は、温度T℃では配向膜材料との親和性が高く、一方、温度T℃では、親和性が低下しているのが好ましい。水素結合は、液晶を配向させる実際の温度範囲内(室温〜150℃程度)において、結合状態にも、その結合が消失した状態にもなり得るので、水素結合による親和性を利用するのが好ましい。但し、この例に限定されるものではない。
例えば、配向膜材料としてポリビニルアルコールを利用する態様では、ポリビニルアルコールの水酸基と水素結合を形成するために、水素結合性基を有しているのが好ましい。水素結合の理論的な解釈としては、例えば、H.Uneyama and K.Morokuma、Journal of American Chemical Society、第99巻、第1316〜1332頁、1977年に報告がある。具体的な水素結合の様式としては、例えば、J.N.イスラエスアチヴィリ著、近藤保、大島広行訳、分子間力と表面力、マグロウヒル社、1991年の第98頁、図17に記載の様式が挙げられる。具体的な水素結合の例としては、例えば、G.R.Desiraju、Angewante Chemistry International Edition English、第34巻、第2311頁、1995年に記載のものが挙げられる。
水素結合性基を有する5又は6員環のオニウム基は、オニウム基の親水性の効果に加え、ポリビニルアルコールと水素結合することによって、配向膜界面の表面偏在性を高めるとともに、ポリビニルアルコール主鎖に対する直交配向性を付与する機能を促進する。好ましい水素結合性基としては、アミノ基、カルボンアミド基、スルホンアミド基、酸アミド基、ウレイド基、カルバモイル基、カルボキシル基、スルホ基、含窒素複素環基(例えば、イミダゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、1,3,5−トリアジル基、ピリミジル基、ピリダジル基、キノリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基、コハクイミド基、フタルイミド基、マレイミド基、ウラシル基、チオウラシル基、バルビツール酸基、ヒダントイン基、マレイン酸ヒドラジド基、イサチン基、ウラミル基などが挙げられる)を挙げることができる。更に好ましい水素結合性基としては、アミノ基、ピリジル基を挙げることができる。
また、イミダゾリウム環の窒素原子ように、5又は6員環のオニウム環に、水素結合性基を有する原子を含有していることも好ましい。
nは、2〜5の整数が好ましく、3又は4であるのがより好ましく、3であるのが特に好ましい。複数のL及びYは、互いに同一であっても異なっていてもよい。nが3以上である場合、一般式(1)で表されるオニウム塩は、3つ以上の5又は6員環を有しているため、前記ディスコティック液晶と強い分子間π−π相互作用が働くため、該ディスコティック液晶の垂直配向、特に、ポリビニルアルコール配向膜上では、ポリビニルアルコール主鎖に対する直交垂直配向を実現することができる。
前記一般式(1)で表されるオニウム塩は、下記一般式(2a)で表されるピリジニウム化合物又は下記一般式(2b)で表されるイミダゾリウム化合物であることが特に好ましい。一般式(2a)及び(2b)で表される化合物は、主に、前記一般式(I)〜(IV)で表されるディスコティック液晶の配向膜界面における配向を制御することを目的として添加され、ディスコティック液晶の分子の配向膜界面近傍におけるチルト角を増加させる作用がある。なお、一般式(2)とは、一般式(2a)及び(2b)のことを指す。
Figure 2013213885
式中、L23及びL24はそれぞれ二価の連結基を表す。L23は、単結合、−O−、−O−CO−、−CO−O−、−C≡C−、−CH=CH−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−O−AL−O−、−O−AL−O−CO−、−O−AL−CO−O−、−CO−O−AL−O−、−CO−O−AL−O−CO−、−CO−O−AL−CO−O−、−O−CO−AL−O−、−O−CO−AL−O−CO−又は−O−CO−AL−CO−O−であるのが好ましく、ALは、炭素原子数が1〜10のアルキレン基である。L23は、単結合、−O−、−O−AL−O−、−O−AL−O−CO−、−O−AL−CO−O−、−CO−O−AL−O−、−CO−O−AL−O−CO−、−CO−O−AL−CO−O−、−O−CO−AL−O−、−O−CO−AL−O−CO−または−O−CO−AL−CO−O−が好ましく、単結合または−O−がさらに好ましく、−O−が最も好ましい。
24は、単結合、−O−、−O−CO−、−CO−O−、−C≡C−、−CH=CH−、−CH=N−、−N=CH−または−N=N−であるのが好ましく、−O−CO−又は−CO−O−がより好ましい。mが2以上のとき、複数のL24が交互に、−O−CO−及び−CO−O−であるのがさらに好ましい。
22は水素原子、無置換アミノ基、又は炭素原子数が1〜20の置換アミノ基である。R22が、ジアルキル置換アミノ基である場合、2つのアルキル基が互いに結合して含窒素複素環を形成してもよい。このとき形成される含窒素複素環は、5員環または6員環が好ましい。R23は水素原子、無置換アミノ基、または炭素原子数が2〜12のジアルキル置換アミノ基であるのがさらに好ましく、水素原子、無置換アミノ基、または炭素原子数が2〜8のジアルキル置換アミノ基であるのがよりさらに好ましい。R23が無置換アミノ基及び置換アミノ基である場合、ピリジニウム環の4位が置換されていることが好ましい。
Xはアニオンである。Xは、一価のアニオンであることが好ましい。アニオンの例には、ハライドイオン(フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン)およびスルホン酸イオン(例、メタンスルホネートイオン、p−トルエンスルホネートイオン、ベンゼンスルホネートイオン)が含まれる。
22及びY23はそれぞれ、5又は6員環を部分構造として有する2価の連結基である。前記5又は6員環が置換基を有していてもよい。好ましくは、Y22及びY23のうち少なくとも1つは、置換基を有する5又は6員環を部分構造として有する2価の連結基である。Y22およびY23は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい6員環を部分構造として有する2価の連結基であるのが好ましい。6員環は、脂肪族環、芳香族環(ベンゼン環)および複素環を含む。6員脂肪族環の例は、シクロヘキサン環、シクロヘキセン環およびシクロヘキサジエン環を含む。6員複素環の例は、ピラン環、ジオキサン環、ジチアン環、チイン環、ピリジン環、ピペリジン環、オキサジン環、モルホリン環、チアジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピペラジン環およびトリアジン環を含む。6員環に、他の6員環または5員環が縮合していてもよい。
5又は6員環が有する置換基の例は、ハロゲン原子、シアノ、炭素原子数が1〜12のアルキル基および炭素原子数が1〜12のアルコキシ基を含む。アルキル基およびアルコキシ基は、炭素原子数が2〜12のアシル基または炭素原子数が2〜12のアシルオキシ基で置換されていてもよい。置換基は、炭素原子数が1〜12(より好ましくは1〜6、さらに好ましくは1〜3)のアルキル基であるのが好ましい。置換基は2以上であってもよく、例えば、Y22及びY23がフェニレン基である場合は、1〜4の炭素原子数が1〜12(より好ましくは1〜6、さらに好ましくは1〜3)のアルキル基で置換されていてもよい。
なお、mは1又は2であり、2であるのが好ましい。mが2のとき、複数のY23及びL24は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
21は、ハロゲン置換フェニル、ニトロ置換フェニル、シアノ置換フェニル、炭素原子数が1〜10のアルキル基で置換されたフェニル、炭素原子数が2〜10のアルコキシ基で置換されたフェニル、炭素原子数が1〜12のアルキル基、炭素原子数が2〜20のアルキニル基、炭素原子数が1〜12のアルコキシ基、炭素原子数が2〜13のアルコキシカルボニル基、炭素原子数が7〜26のアリールオキシカルボニル基および炭素原子数が7〜26のアリールカルボニルオキシ基からなる群より選ばれる一価の基である。
mが2の場合、Z21は、シアノ、炭素原子数が1〜10のアルキル基または炭素原子数が1〜10のアルコキシ基であることが好ましく、炭素原子数4〜10のアルコキシ基であるのがさらに好ましい。mが1の場合、Z21は、炭素原子数が7〜12のアルキル基、炭素原子数が7〜12のアルコキシ基、炭素原子数が7〜12のアシル置換アルキル基、炭素原子数が7〜12のアシル置換アルコキシ基、炭素原子数が7〜12のアシルオキシ置換アルキル基または炭素原子数が7〜12のアシルオキシ置換アルコキシ基であることが好ましい。
アシル基は−CO−R、アシルオキシ基は−O−CO−Rで表され、Rは脂肪族基(アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基)または芳香族基(アリール基、置換アリール基)である。Rは、脂肪族基であることが好ましく、アルキル基またはアルケニル基であることがさらに好ましい。
pは、1〜10の整数である。pは、1または2であることが特に好ましい。C2pは、分岐構造を有していてもよい鎖状アルキレン基を意味する。C2pは、直鎖状アルキレン基(−(CH−)であることが好ましい。
式(2b)中、R30は、水素原子又は炭素原子数が1〜12(より好ましくは1〜6、さらに好ましくは1〜3)のアルキル基である。
前記式(2a)又は(2b)で表される化合物の中でも、下記式(2a’)又は(2b’)で表される化合物が好ましい。なお、一般式(2’)とは、一般式(2a’)及び(2b’)のことを指す。
Figure 2013213885
式(2a’)及び(2b’)中、式(2)と同一の符号は同一の意義であり、好ましい範囲も同様である。L25はL24と同義であり、好ましい範囲も同様である。L24及びL25は、−O−CO−又は−CO−O−であるのが好ましく、L24が−O−CO−で、且つL25が−CO−O−であるのが好ましい。
23、R24及びR25はそれぞれ、炭素原子数が1〜12(より好ましくは1〜6、さらに好ましくは1〜3)のアルキル基である。n23は0〜4、n24は1〜4、及びn25は0〜4を表す。n23及びn25が0で、n24が1〜4(より好ましくは1〜3)であるのが好ましい。R30は、炭素原子数が1〜12(より好ましくは1〜6、さらに好ましくは1〜3)のアルキル基であるのが好ましい。
一般式(2)で表される化合物の具体例としては、特開2006−113500号公報の明細書中[0058]〜[0061]に記載の化合物が挙げられる。
以下に、一般式(2’)で表される化合物の具体例を示す。但し、下記式中、アニオン(X)は省略した。
Figure 2013213885
Figure 2013213885
式(2a)及び(2b)の化合物は、一般的な方法で製造することができる。例えば、式(2a)のピリジニウム誘導体は、一般にピリジン環をアルキル化(メンシュトキン反応)して得られる。また、オニウム塩は、その添加量が、液晶化合物に対して5質量%を超えることはなく、0.1〜2質量%程度であるのが好ましい。
前記一般式(2a)及び(2b)で表されるオニウム塩は、ピリジニウム基又はイミダリウム基が親水的であるため前記親水的なポリビニルアルコール配向膜表面に偏在する。特に、ピリジニウム基に、さらに、水素原子のアクセプターの置換基であるアミノ基(一般式(2a)及び(2a’)において、R22が無置換のアミノ基又は炭素原子数が1〜20の置換アミノ基)が置換されていると、ポリビニルアルコールとの間に分子間水素結合が発生し、より高密度に配向膜表面に偏在すると共に、水素結合の効果により、ピリジニウム誘導体がポリビニルアルコールの主鎖と直交する方向に配向するため、ラビング方向に対して液晶の直交配向を促進する。前記ピリジニウム誘導体は、分子内に複数個の芳香環を有しているため、前述した、液晶、特にディスコティック液晶との間に強い分子間π−π相互作用が起こり、ディスコティック液晶の配向膜界面近傍における直交配向を誘起する。特に、一般式(2a’)で表されるように、親水的なピリジニウム基に疎水的な芳香環が連結されていると、その疎水性の効果により垂直配向を誘起する効果も有する。
さらに、前記一般式(2a)及び(2b)で表されるオニウム塩を併用すると、ある温度を超えて加熱することで、液晶が、その遅相軸を、ラビング方向に対して平行にして配向する、平行配向を促進することができる。これは、加熱による熱エネルギーでポリビニルアルコールとの水素結合が切断され、オニウム塩が配向膜に均一に分散され配向膜表面における密度が低下し、ラビング配向膜そのものの規制力により液晶が配向するためである。
光反応性膜塗布工程S2及び光反応性膜乾燥工程S3に係る製膜装置について説明する。図2に示すように、この製膜装置は、光反応性膜塗布工程S2においてラビング配向膜液を基材フィルム10に塗布するダイ20と、光反応性膜乾燥工程S3においてラビング配向膜12を乾燥させるために熱風を当てて第一処理フィルム10Aを得る乾燥装置22と、を有する。基材フィルム10,第一処理フィルム10A,及びそれ以降の第二処理フィルム10Bなどを搬送する搬送ローラ23がところどころに設けられている。
ダイ20は、図示しない供給口より、ラビング配向膜液を含有する液が常に供給される。乾燥装置22には排気装置(図示省略)が設けられており、ラビング配向膜12から蒸発した有機溶剤を排気する。
搬送工程S5及び照射工程S6に係る露光装置について説明する。図3及び図4に示すように、この露光装置は、バックアップロール25と、駆動源(図示省略)が接続されバックアップロールを回転運動させる駆動軸26と、露光部4が露光され非露光部5が露光されないようにパターンされたマスク28と、マスク28に設けられたスリット29と、マスク28を支持するマスクフォルダ30と、マスク28を介してバックアップロール25に支持された第一処理フィルム10Aに対して紫外線を照射するUV光源34と、を有する。
マスク28は、例えば、紫外線に対して透明で反応性を有しない矩形状の板28Aのバックアップロール25側の面に対し、紫外線に対して不透明で反応性を有しない材料の蒸着あるいはスパッタにより形成されたマスク膜28Bを形成することで得られる。
透明な板28Aは、紫外線の透過率に優れ、紫外線光源からの熱に安定なものが好ましく、例えばオゾンレス石英ガラス,合成石英ガラス,天然石英ガラスが好ましい。マスク膜28Bには、成膜しやすい材料であって紫外線に対して反応性を有しないものが使用されるのが望ましく、例えば金属が望ましい。マスク膜28Bの成膜の方法は、真空蒸着,電子ビーム蒸着,イオンビーム蒸着,プラズマ蒸着,スパッタリングのいずれか1つであることが望ましい。また、マスク膜28Bは露光工程中において、ラビング配向膜12から発生するガスなどにより劣化しないものが望ましく、例えば強酸に対して緻密な表面酸化皮膜を形成するクロムが望ましい。
UV光源34として、例えば、少なくとも一つの紫外線ランプを用いることができる。紫外線ランプとしては、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等がある。UV光源34の照度は、例えば、500mW/cm以上1000mW/cm以下である。UV光源34はパターンに対してカブリ防止の観点から平行光が好ましい。その平行度は基材に対して幅方向に10°以下、このましくは5°以下が好ましい。光の平行化の手段に特に限定はないが、ミラーやレンズなど種々の光学機器をもちいることができる。またUV光源34はマスク28のうちマスクパターンが形成されている部分のみに露光されていることが好ましい。これにより、マスクの表面温度が高くなることによる熱膨張収縮に起因するカブリ故障の頻度も低減することができる。前記露光の手段に特に限定はないが、ミラーやレンズを用いた集光や遮光板をもちいることができる。
図3に示すように駆動軸26の両端部には、軸支持部材27が設けられている。図5に示すように、軸支持部材27は、組合せアンギュラ玉軸受27Aと軸固定部材27Bを備えている。組合せアンギュラ玉軸受27Aは、2つのアンギュラ玉軸受を組み合わせて用いられる軸受けである。このアンギュラ玉軸受は、玉と内輪・外輪との接触点を結ぶ直線がある角度(接触角)を持っていることが特徴であるため、軸にかかるラジアル荷重と一方向のアキシアル荷重とによる負荷を吸収することができる。組合せアンギュラ玉軸受27Aは、両方向のアキシアル荷重による負荷を吸収できるように、アンギュラ玉軸受を二個対向させるように組み合わせて、一般に組合せアンギュラ玉軸受として用いられているものである。軸固定部材27Bは組合せアンギュラ玉軸受27Aを固定するようにその外側に設けられ、動かないように固定して取り付けられている。
組合せアンギュラ玉軸受27Aは上記のような特徴を有するため、通常の軸受を用いる場合と比較して、バックアップロール25の幅方向振れが10分の1以下になる。また、このような特徴を有する組合せアンギュラ玉軸受であれば、いかなる公知の組合せアンギュラ玉軸受を用いてもかまわない。また、組合せアンギュラ玉軸受を複数組み合わせてもかまわない。さらに使用時の温度環境変化を小さくすることで高精度を維持できる。好ましくは20℃以内、さらに好ましくは10℃以内である。
さらに、搬送工程S5においてバックアップロール25により第一処理フィルム10Aの基材フィルム10側が支持された状態において、照射工程S6においてバックアップロール25上に支持された第一処理フィルム10Aのラビング配向膜液の塗布側の面に対し、露光部4に紫外線を照射し非露光部5には紫外線が照射されないようなパターンのスリット29を有するマスク28を介して、UV光源34により10mJ/cm2程度のエネルギーの紫外線を照射して、露光部4における光酸発生剤のみから酸を発生させることで、第二処理フィルム10Bが得られる。なお、本実施形態では、露光部4及び非露光部5のウェブの幅方向におけるパターン幅は、280μm程度とした。
第二処理フィルム10Bに対し、ラビング工程S8においてラビング配向膜液の塗布側の面に対し所望の方向にラビングする。また、液晶膜塗布工程S11においてラビング配向膜液の塗布側の面に対しディスコティック液晶を含有し光学異方性層を形成する液を5cc/m2塗布する。さらに、2段階の熟成工程S12が行われる。第1段階では、75度の環境下に置き、ディスコティック液晶をラビング配向方向に垂直な方向に配向させ、露光部4において垂直配向剤と酸とを反応させる。第2段階では、さらに110度の環境下に置き、露光部4においてディスコティック液晶をラビング配向方向に配向させる。最後に、UV硬化工程S14において、フィルムの全面に500mJ/cm2のエネルギーの紫外線を照射して露光部4及び非露光部5においてそれぞれの方向に配向されたディスコティック液晶を配向方向が変化しないように硬化させると、所望のパターンフィルムが得られる。
微細パターンを形成する際に照射する光の照射エネルギーは、本発明に係るパターンフィルムの製造方法においては光酸発生剤が酸を発生する程度のエネルギーである10mJ/cm2程度であり、背景技術に係る可撓性ウェブに微細パターンを設けたフィルムの製造方法においては光異性化物質が配向する程度のエネルギーである500〜10000mJ/cm2程度である。
このため、本発明に係る露光装置では、光源から照射された光マスク板に対して完全に垂直でない光が可撓性ウェブあるいはバックアップロールにより反射され、その反射光がさらに光マスク板によって反射され、未露光部分に設定された領域に光が照射されてしまうことに起因するカブリ故障の頻度を大幅に低減することができる。また、本発明に係る露光装置では、背景技術によるものと比較して、UV光源34により紫外線が照射されるマスク28やバックアップローラ25の表面の温度が上昇しないため、バックアップロール25の表面温度が高くなることによる熱膨張収縮に起因するカブリ故障の頻度も大幅に低減することができる。また、そのために、バックアップローラ25の駆動軸26に組合せアンギュラ玉軸受を用いることが可能となるため、バックアップロール25の振動などに起因するカブリ故障も大幅に低減することができる。
また、バックアップロール25の表面の温度が50度を超えると、光酸発生剤から発生した酸が露光部4から非露光部5へ拡散するため、拡散によるカブリ故障が懸念される。しかし、本発明に係る露光装置では、照射エネルギーが10mJ/cm2程度の紫外線を照射しているため、バックアップローラ25の表面の温度がせいぜい30度までしか上昇しないので、この酸の拡散によるカブリ故障もほとんど起きることはない。
また、本発明に係る露光装置では、バックアップロール25の直径が300mm以上800mm以下であることが望ましい。バックアップロール25の直径が300mm未満である場合は、バックアップロール25の形状に起因して、ウェブの長手方向両端部における光マスク板とバックアップロール25とのギャップの、ウェブの長手方向中央部におけるそれとの比が大きくなるため、カブリ故障が懸念される。また、バックアップロール25の直径が800mmより大きい場合は、組合せアンギュラ玉軸受の使用条件外になってしまうため、バックアップロール25の振動などに起因するカブリ故障が懸念される。しかし、バックアップロール25の直径が300mm以上800mm以下であれば、ウェブの長手方向両端部における光マスク板とバックアップロール25とのギャップの、ウェブの長手方向中央部におけるそれとの比が抑えられ、なおかつ組合せアンギュラ玉軸受27Aの使用条件内になるため、カブリ故障の発生がより抑えられるからである。
また、本発明に係る露光装置では、可塑性ウェブを搬送する速度が10m/分以上であることが望ましい。この速度が10m/分以上であれば、軸受のベアリング形式が他のものを用いた場合には、バックアップロール25が幅方向に200μm程度振動してしまうが、組合せアンギュラ玉軸受を用いた場合にはその振動が5μm以下低減するため、組合せアンギュラ玉軸受を用いる効果がより高い。一方、この速度が10m/分以下であれば、生産性が低下するだけでなく、バックアップロール25上において第一処理フィルム10Aの特定の場所に対する紫外線の露光時間が延びるため、第一処理フィルム10Aにおいて局所的に温度上昇することが懸念される。
また、本実施形態では、3Dディスプレイ等に用いられる位相差板等に用いられる微細パターンを設けた可撓性ウェブの製造装置及び製造工程の一部である露光装置及び露光工程について記載したが、これに限ることなく、カラーフィルタ等のカラーパターンや遮光パターンの製造についても同様に用いることができる。
本発明の効果を確認するために、実験1〜3を行った。
(実験1)
<基材フィルム10の作製>
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液Aを調製した。
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セルロースアシレート溶液Aの組成
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置換度2.86のセルロースアセテート 100 質量部
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.8質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 3.9質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 300 質量部
メタノール(第2溶媒) 54 質量部
1−ブタノール 11 質量部
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別のミキシングタンクに、下記の組成物を投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、添加剤溶液Bを調製した。
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添加剤溶液Bの組成
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下記化合物B1(Re低下剤) 40 質量部
下記化合物B2(波長分散制御剤) 4 質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 80 質量部
メタノール(第2溶媒) 20 質量部
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Figure 2013213885
<<セルロースアセテート製の基材フィルム10の作製>>
セルロースアシレート溶液Aを477質量部に、添加剤溶液Bの40質量部を添加し、充分に攪拌して、ドープを調製した。ドープを流延口から0℃に冷却したドラム上に流延した。溶媒含有率70質量%の場外で剥ぎ取り、フィルムの巾方向の両端をピンテンター(特開平4−1009号の図3に記載のピンテンター)で固定し、溶媒含有率が3乃至5質量%の状態で、横方向(機械方向に垂直な方向)の延伸率が3%となる間隔を保ちつつ乾燥した。その後、熱処理装置のロール間を搬送することにより、さらに乾燥し、厚み60μmのセルロースアセテート製の基材フィルム10を作製した。このセルロースアセテート製の基材フィルム10は紫外線吸収剤を含有しておらず、Re(550)は0nmであり、Rth(550)は12.3nmであった。
<<アルカリ鹸化処理>>
セルロースアセテート製の基材フィルム10を、温度60℃の誘電式加熱ロールを通過させ、フィルム表面温度を40℃に昇温した後に、フィルムの片面に下記に示す組成のアルカリ溶液を、バーコーターを用いて塗布量14ml/mで塗布し、110℃に加熱し、(株)ノリタケカンパニーリミテド製のスチーム式遠赤外ヒーターの下に、10秒間搬送した。続いて、同じくバーコーターを用いて、純水を3ml/m塗布した。次いで、ファウンテンコーターによる水洗とエアナイフによる水切りを3回繰り返した後に、70℃の乾燥ゾーンに10秒間搬送して乾燥し、アルカリ鹸化処理したセルロースアセテート製の基材フィルム10を作製した。
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アルカリ溶液の組成(質量部)
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水酸化カリウム 4.7質量部
水 15.8質量部
イソプロパノール 63.7質量部
界面活性剤
SF−1:C1429O(CHCHO)20H 1.0質量部
プロピレングリコール 14.8質量部
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<露光装置>
本実験に用いた露光装置のバックアップロール25の直径を200mmとし、軸受構造の直径を70mmとした。基材フィルム10の走行速度は15m/分とした。軸受構造のベアリング形式は、組合せアンギュラ玉軸受を採用した。
<ラビング配向膜の形成>
上記作製した基材フィルム10の、鹸化処理を施した面に、下記の組成のラビング配向膜液を#8のワイヤーバーで連続的に塗布した。60℃の温風で60秒、さらに100℃の温風で120秒乾燥し、ラビング配向膜を形成した。次に、透過部の横ストライプ幅285μm、遮蔽部の横ストライプ幅285μmのマスク28をラビング配向膜上に配置し、室温空気下にて、UV−C領域における照度2.5mW/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて紫外線を4秒間照射して、光酸発生剤を分解し酸性化合物を発生させることにより第1位相差領域用配向層を形成した。その後に、ストライプマスクのストライプに対して45°の角度を保持して500rpmで一方向に1往復、ラビング処理を行い、ラビング配向膜付透明支持体を作製した。なお、配向膜の膜厚は、0.5μmであった。
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ラビング配向膜液の組成
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配向膜用ポリマー材料 3.9質量部
(PVA103、クラレ(株)製ポリビニルアルコール)
光酸発生剤(S−2) 0.1質量部
メタノール 36 質量部
水 60 質量部
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Figure 2013213885
<パターン化された光学異方性層の形成>
下記の光学異方性層用塗布液を、バーコーターを用いて塗布量4ml/mで塗布した。次いで、膜面温度110℃で2分間加熱熟成した後、80℃まで冷却し空気下にて20mW/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて紫外線を20秒間照射して、その配向状態を固定化することによりパターン光学異方性層Aを形成した。マスク露光部分(第1位相差領域)は、ラビング方向に対し遅相軸方向が平行にディスコティック液晶が垂直配向しており、未露光部分(第2位相差領域)は直交に垂直配向していた。なお、光学異方性層の膜厚は、0.9μmであった。
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光学異方性層用塗布液の組成
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ディスコティック液晶E−1 100 質量部
配向膜界面配向剤(II−1) 3.0質量部
空気界面配向剤(P−1) 0.4質量部
光重合開始剤 3.0質量部
(イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
増感剤(カヤキュア−DETX、日本化薬(株)製) 1.0質量部
メチルエチルケトン 400 質量部
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上記実験1について、露光条件が適切であるかどうかを、基材フィルム10の走行中における露光装置のバックアップロール25の幅方向の振れの振幅がどれほど小さいかで評価した。なお、その振幅は、出来上がったパターンフィルムにおけるパターン境界線の湾曲具合から求めた。評価の結果、バックアップロール25の幅方向の振れは5μm以下(検出限界以下)であった。
(実験2)
実験2では、バックアップロールの直径を600mmとし、軸受構造の直径を180mmとしたこと以外は、実験1と同じである。
上記実験2についても、実験1と同様の方法で評価した。評価の結果、バックアップロール25の幅方向の振れは5μm以下(検出限界以下)であった。
(実験3)
実験3では、バックアップロールの直径を500mmとし、軸受構造の直径を240mmとし、ベアリング形式を複列円筒ころ軸受及び単列深溝玉軸受に変更したこと以外は、実験1と同じである。
上記実験3についても、実験1と同様の方法で評価した。評価の結果、バックアップロール25の幅方向の振れは200μmであった。
上記実験1〜3の評価結果より、パターンフィルムを製造するための露光装置において組合せアンギュラ玉軸受が有効であることがわかった。
2 パターンフィルム
4 露光部
5 非露光部
10 基材フィルム
10A 第一処理フィルム
10B 第二処理フィルム
12 ラビング配向膜
20 ダイ
22 乾燥装置
23 搬送ローラ
25 バックアップロール
26 駆動軸
27 軸支持部材
27A 組合せアンギュラ玉軸受
27B 軸固定部材
28 マスク
29 スリット
30 マスクフォルダ
34 UV光源
40 UV光路
S2 ラビング配向膜塗布工程
S3 ラビング配向膜乾燥工程
S5 搬送工程
S6 照射工程
S8 ラビング工程
S11 液晶膜塗布工程
S12 熟成工程
S14 UV硬化工程

Claims (19)

  1. 表面に光反応性膜が形成された可塑性ウェブの裏面を支持する周面を有し、前記支持された可塑性ウェブを搬送する金属製のバックアップロールと、
    前記バックアップロールの回転軸にかかるラジアル荷重と両方向のアキシアル荷重による負荷を吸収するために前記回転軸の両端に設けられた組合せアンギュラ玉軸受と、
    前記支持されている前記可塑性ウェブ上に形成された前記光反応性膜に向けて、前記光反応性膜に光反応を引き起こす光を照射する光源と、
    前記バックアップロールに近接するようにして前記光源及び前記バックアップロールの間に配置され、前記可塑性ウェブの搬送方向に延び前記可塑性ウェブの幅方向に一定ピッチで複数本配列され前記光源からの光を通過させるスリットを有する光マスク板と、
    を有する露光装置であって、
    前記可塑性ウェブを搬送する速度が10m/分以上であることと、
    前記バックアップロールの直径が300mm以上800mm以下であることと、
    前記光源による前記光反応性膜への露光量が100mJ/cm2以下であることと、
    を特徴とする露光装置。
  2. 前記光源が照射する前記光が紫外線であることを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
  3. 前記光マスク板が、
    前記光に対して透明で反応性を有しない矩形状の板と、
    前記矩形状の板の少なくともどちらか一方の面上に前記光に対して不透明で反応性を有しない材料により形成されたマスク膜と、
    を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の露光装置。
  4. 前記矩形状の板がオゾンレス石英ガラス,合成石英ガラス,天然石英ガラスのうちいずれか一つの材料からなることを特徴とする請求項3に記載の露光装置。
  5. 前記マスク膜が金属により形成されていることを特徴とする、請求項3または4に記載の露光装置。
  6. 前記金属がクロムであることを特徴とする、請求項5に記載の露光装置。
  7. 前記マスク膜が真空蒸着,電子ビーム蒸着,イオンビーム蒸着,プラズマ蒸着,スパッタリングのうちいずれか1つの方法で形成されていることを特徴とする、請求項3〜6のいずれか一つに記載の露光装置。
  8. 金属製のバックアップロールにより表面に光反応性膜が形成された可塑性ウェブの裏面を支持ながら連続搬送する搬送工程と、
    前記支持されている前記可塑性ウェブ上に形成された前記光反応性膜に向けて、光源により前記光反応性膜に光反応を引き起こす光を照射する照射工程と、
    を有する露光方法であって、
    前記可塑性ウェブを搬送する速度が10m/分以上であることと、
    前記バックアップロールの直径が300mm以上800mm以下であることと、
    前記光源による前記光反応性膜への露光量が100mJ/cm2以下であることと、
    前記照射工程において、前記光は、前記バックアップロールに近接するようにして前記光源及び前記バックアップロールの間に配置され、前記可塑性ウェブの搬送方向に延び前記可塑性ウェブの幅方向に一定ピッチで複数本配列され前記光源からの光を通過させるスリットを有する光マスク板を介して照射されることと、
    を特徴とする、露光方法。
  9. 前記バックアップロールの表面温度が15℃〜30℃であることを特徴とする、請求項8に記載の露光方法。
  10. 前記光源が照射する前記光が紫外線であり、前記光反応性膜が紫外線に対して反応する性質を有する化合物を含有することを特徴とする、請求項8又は9に記載の露光方法。
  11. 前記光マスク板が、
    前記光に対して透明で反応性を有しない矩形状の板と、
    前記矩形状の板の少なくともどちらか一方の面上に前記光に対して不透明で反応性を有しない材料により形成されたマスク膜と、
    を有することを特徴とする、請求項8〜10のいずれか一つに記載の露光方法。
  12. 前記矩形状の板が、オゾンレス石英ガラス,合成石英ガラス,天然石英ガラスのうちいずれか一つの材料からなることを特徴とする、請求項11に記載の露光方法。
  13. 前記マスク膜が金属により形成されていることを特徴とする、請求項11または12に記載の露光方法。
  14. 前記金属がクロムであることを特徴とする、請求項13に記載の露光方法。
  15. 前記マスク膜が真空蒸着,電子ビーム蒸着,イオンビーム蒸着,プラズマ蒸着,スパッタリングのうちいずれか1つの方法で形成されていることを特徴とする、請求項11〜14のいずれか一つに記載の露光方法。
  16. 可塑性ウェブの表面に光反応性膜を形成する光反応性膜形成工程と、
    請求項8〜15のいずれか一つに記載の露光方法による露光工程と、
    を備えたことを特徴とするパターンフィルムの製造方法。
  17. 前記光反応性膜形成工程は、
    光反応性膜塗布液を塗布する光反応性膜塗布工程と、
    前記光反応性塗布液を乾燥する光反応性膜乾燥工程と、
    を有することを特徴とする請求項16に記載のパターンフィルムの製造方法。
  18. 前記露光方法の前後どちらか一方において、ラビング工程を行うことを特徴とする請求項16又は17に記載のパターンフィルムの製造方法。
  19. 前記露光工程と前記ラビング工程を両方とも行った後に、液晶膜塗布液を塗布する液晶膜塗布工程と、前記液晶膜塗布液を硬化させる液晶膜硬化工程とを行うことを特徴とする請求項16〜18のいずれか一つに記載のパターンフィルムの製造方法。
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