JP6688961B2 - 発熱検知装置、発熱検知方法、発熱検知プログラムおよび発熱検知システム - Google Patents

発熱検知装置、発熱検知方法、発熱検知プログラムおよび発熱検知システム Download PDF

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Description

本件は、発熱検知装置、発熱検知方法、発熱検知プログラムおよび発熱検知システムに関する。
石炭貯留槽の中心部に、上下方向複数点における石炭の温度を検出する温度検出手段を吊り下げて配置することで、石炭貯留槽内の発熱を検知する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2011−219152号公報
しかしながら、上記技術では、石炭が下部へと供給される際に、温度検出手段を吊り下げる紐が断線するおそれがある。すなわち、石炭貯留槽などの空間内の発熱を検知できないおそれがある。
1つの側面では、本件は、空間内の発熱を検知することができる発熱検知装置、発熱検知方法、発熱検知プログラムおよび発熱検知システムを提供することを目的とする。
1つの態様では、発熱検知装置は、所定の空間の複数箇所の測定点の温度推移を測定する測定部と、前記測定部が測定する各測定点の温度推移に基づいて、前記空間における発熱位置の推移を推定する推定部と、前記推定部によって推定された発熱位置が規定時間にわたって規定範囲内に位置するか否かを判定し、当該発熱位置が当該規定時間にわたって当該規定範囲内に位置すると判定した場合に、発熱が発生していることを検知する検知部と、を備える。
空間内の発熱を検知することができる。
(a)は実施形態に係る発熱検知装置の全体構成を表す概略図であり、(b)は制御部のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。 後方散乱光の成分を表す図である。 (a)はレーザによる光パルス発光後の経過時間とストークス成分およびアンチストークス成分の光強度との関係を例示する図であり、(b)は(a)の検出結果を用いて算出した温度である。 光ファイバが敷設される石炭バンカを例示する図である。 風速依存の熱伝達率を例示する図である。 風速と温度変化量との関係を例示する図である。 風速と温度変化量との関係を例示する図である。 (a)は下部バンカに光ファイバの4つの捲回部が配置された構成を例示する図であり、(b)は4つ以上の捲回部が配置された構成を例示する図である。 発熱検知処理を表すフローチャートの一例である。 温度上昇度の重心位置の時系列変化を例示する図である。 (a)は経過時間と重心位置が構成する外接球の半径との関係を例示する図であり、(b)は各温度帯と温度上昇度f(r)の最大値との関係を例示する図である。 (a)および(b)は熱抵抗大区画を例示する図である。 発熱検知処理の他の例を表すフローチャートの一例である。 (a)は直線近似の結果を例示する図であり、(b)は2次曲線近似の結果を例示する図であり、(c)はSin波形状近似の結果を例示する図である。 発熱検知システムを例示する図である。 (a)は下部バンカのサイズを例示する図であり、(b)は温度測定点の位置5〜8を例示する図である。 (a)は位置1〜8の温度測定点における測定温度の時間推移を例示する図であり、(b)は温度上昇度の時間推移を例示する図である。 (a)は重心位置の時間推移を例示する図であり、(b)は温度上昇度の最大値の時間推移を例示する図である。
以下、図面を参照しつつ、実施形態について説明する。
(実施形態)
図1(a)は、実施形態に係る発熱検知装置100の全体構成を表す概略図である。図1(a)で例示するように、発熱検知装置100は、測定機10、制御部20、光ファイバ30などを備える。測定機10は、レーザ11、ビームスプリッタ12、光スイッチ13、フィルタ14、複数の検出器15a,15bなどを備える。制御部20は、指示部21、温度測定部22、発熱推定部23、検知部24などを備える。
図1(b)は、制御部20のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。図1(b)で例示するように、制御部20は、CPU101、RAM102、記憶装置103、インタフェース104などを備える。これらの各機器は、バスなどによって接続されている。CPU(Central Processing Unit)101は、中央演算処理装置である。CPU101は、1以上のコアを含む。RAM(Random Access Memory)102は、CPU101が実行するプログラム、CPU101が処理するデータなどを一時的に記憶する揮発性メモリである。記憶装置103は、不揮発性記憶装置である。記憶装置103として、例えば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリなどのソリッド・ステート・ドライブ(SSD)、ハードディスクドライブに駆動されるハードディスクなどを用いることができる。CPU101が記憶装置103に記憶されている発熱検知プログラムを実行することによって、制御部20に指示部21、温度測定部22、発熱推定部23、検知部24などが実現される。なお、指示部21、温度測定部22、発熱推定部23および検知部24は、専用の回路などのハードウェアであってもよい。
レーザ11は、半導体レーザなどの光源であり、指示部21の指示に従って所定の波長範囲のレーザ光を出射する。本実施形態においては、レーザ11は、所定の時間間隔で光パルス(レーザパルス)を出射する。ビームスプリッタ12は、レーザ11が出射した光パルスを光スイッチ13に入射する。光スイッチ13は、入射された光パルスの出射先(チャネル)を切り替えるスイッチである。ダブルエンド方式では、光スイッチ13は、指示部21の指示に従って、光ファイバ30の第1端および第2端に一定周期で交互に光パルスを入射する。シングルエンド方式では、光スイッチ13は、指示部21の指示に従って、光ファイバ30の第1端または第2端のいずれか一方に光パルスを入射する。光ファイバ30は、温度測定対象の所定の経路に沿って配置されている。本実施形態においては、光ファイバ30は、下部バンカ42の壁面に配置されている。下部バンカ42の詳細については、後述する。
光ファイバ30に入射した光パルスは、光ファイバ30を伝搬する。光パルスは、伝搬方向に進行する前方散乱光および帰還方向に進行する後方散乱光(戻り光)を生成しながら徐々に減衰して光ファイバ30内を伝搬する。後方散乱光は、光スイッチ13を通過してビームスプリッタ12に再度入射する。ビームスプリッタ12に入射した後方散乱光は、フィルタ14に対して出射される。フィルタ14は、WDMカプラなどであり、後方散乱光を長波長成分(後述するストークス成分)と短波長成分(後述するアンチストークス成分)とを抽出する。検出器15a,15bは、受光素子である。検出器15aは、後方散乱光の短波長成分の受光強度を電気信号に変換して温度測定部22に送信する。検出器15bは、後方散乱光の長波長成分の受光強度を電気信号に変換して温度測定部22に送信する。温度測定部22は、ストークス成分およびアンチストークス成分を用いて、光ファイバ30の延伸方向の温度分布を測定する。発熱推定部23は、温度測定部22が取得した温度分布を用いて、温度測定対象空間における発熱位置を推定する。検知部24は、発熱推定部23が推定した発熱位置を用いて、発熱が発生しているか否かを検知する。
図2は、後方散乱光の成分を表す図である。図2で例示するように、後方散乱光は、大きく3種類に分類される。これら3種類の光は、光強度の高い順かつ入射光波長に近い順に、OTDR(光パルス試験器)などに使用されるレイリー散乱光、歪測定などに使用されるブリルアン散乱光、温度測定などに使用されるラマン散乱光である。ラマン散乱光は、温度に応じて変化する光ファイバ30内の格子振動と光との干渉で生成される。強めあう干渉によりアンチストークス成分と呼ばれる短波長成分が生成され、弱めあう干渉によりストークス成分とよばれる長波長成分が生成される。
図3(a)は、レーザ11による光パルス発光後の経過時間と、ストークス成分(長波長成分)およびアンチストークス成分(短波長成分)の光強度との関係を例示する図である。経過時間は、光ファイバ30における伝搬距離(光ファイバ30における位置)に対応している。図3(a)で例示するように、ストークス成分およびアンチストークス成分の光強度は、両方とも経過時間とともに低減する。これは、光パルスが前方散乱光および後方散乱光を生成しながら徐々に減衰して光ファイバ30内を伝搬することに起因する。
図3(a)で例示するように、アンチストークス成分の光強度は光ファイバ30において高温になる位置では、ストークス成分と比較してより強くなり、低温になる位置では、ストークス成分と比較してより弱くなる。したがって、両成分を検出器15a,15bで検出し、両成分の特性差を利用することによって、光ファイバ30内の各位置の温度を検出することができる。なお、図3(a)において、極大を示す領域は、周囲と比較して高温になっている領域である。また、極小を示す領域は、周囲と比較して低温になっている領域である。
本実施形態においては、温度測定部22は、経過時間ごとにストークス成分とアンチストークス成分とから温度を測定する。それにより、光ファイバ30内における各位置の温度を測定することができる。すなわち、光ファイバ30の延伸方向における温度分布を測定することができる。なお、両成分の特性差を利用することから、距離に応じて両成分の光強度が減衰しても、高精度で温度を測定することができる。図3(b)は、図3(a)の検出結果を用いて算出した温度である。図3(b)の横軸は、経過時間を基に算出した光ファイバ30内の位置である。図3(b)で例示するように、ストークス成分およびアンチストークス成分を検出することによって、光ファイバ30内の各位置の温度を測定することができる。また、温度測定部22は、所定の時間周期(例えば30秒毎)で温度測定を行う。それにより、温度測定部22は、図3(b)のような温度分布を、時系列で測定することができる。すなわち、温度測定部22は、光ファイバ30内の各位置における測定温度の推移を測定することができる。
図4は、光ファイバ30が敷設される石炭バンカ40を例示する図である。図4で例示するように、石炭バンカ40は、石炭が貯留される上部バンカ(メインバンカ)41と下部バンカ(サブバンカ)42とを備えている。上部バンカ41の底面および下部バンカ42の上面とは互いに接続されている。上部バンカ41の底面および下部バンカ42の上面は開口しているため、上部バンカ41と下部バンカ42とは連通している。下部バンカ42の底面には、ゲート43が設けられている。ゲート43が開閉することで、下部バンカ42に貯留されている石炭が給炭機44に供給される。給炭機44は、石炭を微粉炭機へ石炭を供給する。
下部バンカ42の上面の径が上部バンカ41の底面の径よりも大きいため、上部バンカ41の底面によって遮蔽されない部分が生じる。この遮蔽されない部分を点検口として用いることができる。例えば、異常発熱が発生した場合などにおいて、この点検口から注水することで、給炭機44や微粉炭機に導入される石炭の発火・赤熱を防止することができる。
石炭は、空気(酸素)に触れやすい箇所で自然発火しやすいと考えられるため、上部バンカ41の上面付近や下部バンカ42内が、発火確率の高い領域とみなすことができる。上部バンカ41の上面付近は、上方からのサーモグラフィカメラでの撮像や通常の温度センサによる監視が可能であるため、下部バンカ42内での温度監視が重要となる。そこで、本実施形態においては、一例として、図1(a)で例示するように、光ファイバ30は、下部バンカ42の外壁面に沿って敷設されている。なお、光ファイバを用いた温度測定においては、温度測定精度を向上させるためには所定長の光ファイバが同温度領域に配置されていることが好ましい。そこで、光ファイバ30を数周捲回させた捲回部を設けることで、温度測定点における光ファイバ長を長くしてある。本実施形態においては、各捲回部のそれぞれを、温度測定点として用いる。
再度、図1(a)を参照し、光ファイバ30は、下部バンカ42に対して一定の距離ごとに数周捲回させて敷設してある。下部バンカ42の同じ高さにおいて周方向に敷設した後、次の高さに移行し、同様に一定距離ごとに光ファイバ30を数周捲回させて最上段または最下段まで到達したら、測定機10に再度接続される。
ここで、下部バンカの外壁面に微少な孔を開けて、当該孔から温度センサを内部に挿入する温度測定装置について検討する。例えば、当該孔から温度センサを深く挿入すると、例えば最大1000トン以上の質量が下方に移動する。そこで、その力による破壊的な故障を回避するためには、内壁よりも内方にセンサが飛び出さない構造とする必要がある。このような場合に、好適に温度測定が可能なのかを考察する。
例えば、下部バンカ42の最大内径は、約3mである。したがって、下部バンカ42上面中央部で発熱が発生した場合が、最も内壁面から遠方での温度上昇となる。炭化物貯留槽の壁の厚さは5cm以下程度であるから、石炭とバンカ壁とを同じ材料の一様な空隙のある壁とみなして、壁の厚さ:1.5mとみなすことができる。さらに、壁の熱伝導率:0.461w/m・K、内壁面の放射率:0.8、内部対流熱伝達率:7w/m、外部対流熱伝達率は風速依存とし、壁面の熱平衡を計算する。それにより、内壁の温度と外壁の温度の関係を、外壁近傍を流れる風速で表現することができる。
内壁面の放射率は、石炭発熱時の伝熱波長である8μm以上帯の鉄の酸化面の放射率を用いた。内部対流熱伝達率は、局所的には異常発熱で温度が上昇するが、全体としては空気の自然対流の値が支配的であるとして固定値とした。外部対流熱伝達率に関しては、図5で例示するような、風速依存の式を用いた。図6および図7は、計算結果を例示する図である。図6では、下部バンカ42の入口中央で石炭が発熱したことを想定してある。図7では、入口の温度測定点と対向する端部で石炭が発熱したことを想定してある。いずれにおいても、発熱時間を4時間とし、室温を20℃とし、初期石炭温度を40℃としてある。図6では、発熱位置からセンサまでの距離が1.5mとなる。図7では、発熱位置からセンサまでの距離が3mとなる。
石炭と酸素との反応は、大きく分けて、(1)過酸化物の生成領域、(2)その分解領域、(3)酸化炭の生成領域、(4)燃焼領域となる。(1)は50℃未満であり、(2)は50℃〜120℃であり、(3)は120℃〜200℃であり、(4)は200℃以上である。これらを、(1)通常温度、(2)注意温度、(3)危険温度、(4)発火温度として区分することにする。
図6と図7とを比較すると、無風状態において、壁面から1.5mで発熱位置が4時間で40℃から80℃に+40℃昇温するときの壁面の温度上昇値は、0.33℃/1時間である。また、壁面から3mで発熱位置が4時間で40℃から120℃に+80℃昇温するときの壁面の温度上昇値も、同じ0.33℃/1時間である。この結果によれば、0.33℃/時間というわずかな変化を検出する必要があること、0.33℃/時間が検出できたとしても、それを80℃の注意温度と見るか、120℃の危険温度と見るかの判断はできないということがわかる。
また、炭化物貯留槽は建屋内にある場合が多いが、空調を行っていない場合が多い。したがって、外気温度変化と同様に、±0.4℃/1時間程度を考慮する必要がある。しかしながら、これは、上記の0.33℃/時間よりも大きく変化することを意味している。したがって、石炭に発熱が発生したとしても、外気温が低下している場合は相殺されてしまう。また、外気温が上昇している場合には、発火温度状態にある、と誤検出されるおそれがある。
風の影響に関しては、建屋内なので、風速1m/s以下の微風または無風状態を考慮すればよい。しかしながら、風速1m/sが吹きつける面に対しては、図6および図7によれば、壁面から1.5mの発熱では0.1〜0.2℃/時間、壁面から3mの発熱では0.05〜0.1℃/時間程度低めに出力される可能性がある。これは、微風が吹いた場合は石炭の発熱温度がさらに10℃程度相殺されることを意味する。
さらに、温度測定センサ自体は±0.1℃程度の測定誤差を常に考慮する必要があるため、0.1℃程度の増減の場合は測定誤差に埋もれて検知できない可能性がある。特にその場合に、0.1℃/1時間程度のゆっくりした変化が長期的に続く事象に対する危険予知はできない。
これらすべての要素を勘案すると、温度センサを壁面から挿入する方法で温度測定を行ったとしても、常に貯留槽内を注意温度以下に保つための測定精度は得られないことがわかる。このように、炭化物貯留槽内の異常発熱の早期検知のための実用的な方法は困難である。もしくは、石炭の温度を注意温度以下にしておくために必要な測定精度を得ることが困難である。本実施形態においては、高い精度で、石炭バンカなどの空間内の発熱を検知することができる例について説明する。
図8(a)は、下部バンカ42に光ファイバ30の4つの捲回部(温度測定点)が配置された構成を例示する図である。各温度測定点50は、下部バンカ42の外壁面に配置されてもよい。または、外壁面に形成された孔を通して下部バンカ42内に挿入されていてもよい。この場合には、石炭が貯留する内壁面の石炭の移動により破壊されない程度に、内壁面からさらに内方まで挿入されていてもよい。温度測定部22は、各温度測定点50の温度を測定する。また、室温測定点60が備わっている。室温測定点60は、光ファイバ30の一部の捲回部であり、石炭の発熱の影響を受けないように、石炭バンカから離間している。温度測定部22は、室温測定点60の温度も測定する。
なお、本実施形態においては、光ファイバ30を用い、捲回部を温度測定点50および室温測定点60として用いているが、それに限られない。例えば、Kタイプの熱電対、半導体センサ、白金測温抵抗体などの単体センサを用いてもよい。いずれの温度センサを用いても、少なくとも立体を構成する4つの温度測定点の温度を測定することが好ましい。たとえば、図8(a)の場合、少なくとも4つの温度測定点50のうち3つの温度測定点50により形成される平面内から、他の1つの温度測定点50が外れている。光ファイバ30の捲回部などのように所定の拡がりを有する被温度測定部については、測温面もしくは測温体の中心座標を測定点としてみなすことができる。
なお、温度測定点50は、図8(b)で例示するように、4つ以上設けられていてもよい。この場合においても、少なくとも4つの温度測定点50が立体を構成する。すなわち、当該4つの温度測定点50のうち3つの温度測定点50により形成される平面内から、他の1つの温度測定点50が外れている。また、室温測定点60は、2つ以上設けられていてもよい。
図9は、温度測定部22が測定した各測定点の温度推移を用いた発熱検知処理を表すフローチャートの一例である。まず、発熱推定部23は、各測定点における時間に対する温度変化量を算出する(ステップS1)。例えば、発熱推定部23は、各測定点における、所定時間前(例えば1時間前)から現在までの温度変化量を算出する。
まず、各測定点の測定誤差(例えば、±0.1℃)を低減するため、発熱推定部23は、各測定点における時系列(例えば30秒毎)の測定温度を平均化する。例えば、発熱推定部23は、現在から所定時間前(例えば1時間前)までの測定温度を用いて最小2乗法等で所定の式に近似する。例えば、発熱推定部23は、1日の室温変化を鑑みて1次式、2次式、Sin波形状などの複数のパターンを用意しておき、最小2乗誤差などの評価を通じて誤差率が最も小さいものを選定する。発熱推定部23は、得られた近似式を用いて、所定時間前から現在までの温度変化量を算出する。
次に、発熱推定部23は、ステップS1で得られた各温度測定点50の温度変化量から、室温測定点60の温度変化量を引く(ステップS2)。それにより、室温の影響が除去された温度差が得られる。温度が上昇していれば当該温度差はプラスとなり、温度が低下していれば当該温度差はマイナスとなる。なお、複数の室温測定点60を用いる場合、各温度測定点50に近いものを中心に重み付け平均(加重平均)などで各温度測定点50に対する室温測定点60の温度変化量を算出してもよい。
次に、発熱推定部23は、時間経過に対して温度低下傾向にある温度測定点50の測定温度を除外する(ステップS3)。それにより、発熱の検知精度が向上する。例えば、所定時間前から現在までに測定温度が低下する温度測定点50の測定温度を除外してもよい。または、上述した1次式近似した場合に傾きがマイナスとなっている温度測定点50の測定温度を除外してもよい。または、上述した室温の影響が除去された温度差の時間に対する積分値および微分係数の現在時刻を中心とした重み付け平均値の少なくともいずれかが負であれば、当該温度測定点50の測定温度を除外してもよい。
次に、発熱推定部23は、温度上昇の割合と、各温度測定点50の設置位置とから、温度上昇の重心位置を算出する(ステップS4)。まず、発熱推定部23は、位置rの温度測定点50の温度上昇度f(r)を求める。温度上昇度とは、上記温度上昇の割合のことであり、時間に対する温度上昇の大きさを表す値である。例えば、所定時間前(例えば1時間前)から現在までの、上述した室温の影響が除去された温度差の積分値を、単位時間(例えば1時間)当りの温度上昇度として用いることができる。当該積分においては、所定時間前から現在に向けて徐々に重み付けを大きくしてもよい。
この温度上昇度f(r)を、質量中心を求める際の密度とみなす。発熱推定部23は、各位置との関係から、重心位置gを、下記式(1)を満たす座標として算出する。発熱推定部23は、温度測定毎に、重心位置gを時系列で算出する。すなわち、発熱推定部23は、重心位置gの推移を算出する。重心位置gは、発熱位置の推定位置である。
Σ{(g−r)・f(r)}=0 (1)
次に、検知部24は、重心位置gの時系列変化を用いて、発熱が発生しているか否かを判定する(ステップS5)。図10は、重心位置gの時系列変化を例示する図である。図10において、重心位置gは、十字の交点である。図10の実線の円で例示するように、下部バンカ42内に発熱が発生していなければ、重心位置gは、測定誤差等の雑音に起因する挙動を示す。したがって、重心位置gは、所定の箇所に集中せずに分散する。すなわち、重心位置gの時系列で構成される外接球の体積(半径)が大きくなる。これに対して、図10の破線の円で例示するように、下部バンカ42内に発熱が発生すると、当該発熱の位置は動かないため、重心位置gが発熱箇所に集中するようになる。すなわち、重心位置gの時系列で構成される外接球の体積(半径)が小さくなる。そこで、検知部24は、この傾向を利用し、規定時間(例えば過去20分間)の重心位置gの時系列で構成される外接球の体積(半径)が閾値以下となる場合に、当該外接球内において発熱が発生していると判断し、判断結果を出力する。
さらに、検知部24は、当該外接球の体積(半径)が所定値に収束する傾向があることを判定条件に含めてもよい。これにより、発熱の検知精度が向上する。例えば、規定時間にわたって、当該外接球の体積(半径)が規定範囲内にある場合に、収束する傾向があると判定してもよい。図11(a)は、経過時間と、重心位置gが張る(重心位置gが構成する)外接球の半径との関係を例示する図である。
ステップS5で「No」と判定された場合、所定時間経過後にステップS1から再度実行される。ステップS5で「Yes」と判定された場合、検知部24は、温度上昇度f(r)の最大値が属する温度帯を求め、ステップS5の結果とともに出力する(ステップS6)。図11(b)は、各温度帯と温度上昇度f(r)の最大値との関係を例示する図である。例えば、検知部24は、温度上昇度f(r)の最大値が注意温度閾値以上であれば当該発熱が注意温度帯に属すると判定し、当該最大値が注意温度閾値よりも高い危険温度閾値以上となった場合に当該発熱が危険温度帯に属すると判定する。
本実施形態によれば、複数の温度測定点50の温度推移に基づいて、下部バンカ42などの空間における発熱位置が推定される。当該推定された発熱位置の推移に応じて、発熱が発生しているか否かが検知される。このような構成によれば、高い精度で空間内の発熱を検知することができる。また、外気温の影響、風速の影響などを抑制することができる。また、当該推定された発熱位置が規定時間にわたって、所定の半径を有する外接球などの規定範囲内に位置すると判定された場合に、発熱が発生していることが検知される。このような構成によれば、より高い精度で空間内の発熱を検知することができる。
また、本実施形態によれば、各温度測定点50における時間に対する温度上昇の大きさと、各温度測定点50の位置座標とに基づいて、発熱位置が推定される。この場合、ゆっくりした温度変化が長期的に続く場合においても、高い精度で発熱を検知することができる。また、本実施形態によれば、温度測定点50の測定温度と室温測定点60の測定温度との温度差が用いられる。この場合、室温の影響が抑制される。
なお、温度差を算出するために、1次式近似、2次曲線近似、Sin波形状近似を用いたが、これに限られない。3次曲線や数か月間のデータ蓄積から得た季節毎の特性曲線を用いてもよい。温度上昇度も現在時刻を最大重みとする重み付け積分での算出としたが、通常の積分等でもかまわない。また、重心位置のばらつきに関して、上記のように重心履歴が張る球の大きさのほか、重心位置のX、Y、Z各方位の各時刻から所定の時間さかのぼった時間範囲の標準偏差の和などで表現してもよい。重心位置の履歴が空間的に収束していることを把握できる指標であればよい。
(変形例)
室温測定点の代替手段として、室温の影響を抑制することが可能な測定方法を用いてもよい。例えば、図12(a)で例示するように、一部の温度測定点50を熱抵抗大の断熱材70で覆うことで、当該温度測定点50の室温に対する感度を小さくすることができる。断熱材70で覆われた温度測定点50を、熱抵抗大区画の測定点と称する。断熱材70で覆われていない温度測定点50を、通常区画の測定点と称する。例えば、熱抵抗大区画の測定点と、通常区画の測定点とは、交互に配置されている。
図12(b)では、図12(a)とは逆に、一部の温度測定点50と下部バンカ42の外壁との間に、熱抵抗大の断熱材70を設ける。それにより、当該温度測定点50の、下部バンカ42の外壁の温度変化に対する感度を小さくする。それにより、当該温度測定点50が、熱抵抗大区画として機能する。例えば、熱抵抗大区画の測定点と、通常区画の測定点とは、交互に配置されている。
図12(a)および図12(b)のいずれの場合においても、熱抵抗大区画の測定点と通常区画の測定点の測定温度差を算出することで、室温の影響が除去された温度差が算出される。例えば、互いに隣接する熱抵抗大区画の測定点と通常区画の測定点の測定温度差を算出することで、精度の高い温度差が算出される。図12(a)の例では、熱抵抗大区画の測定点の測定温度から、通常区画の測定点の測定温度を差し引く。図12(b)の例では、通常区画の測定点の測定温度から熱抵抗大区画の測定点の測定温度を差し引く。
図13は、本変形例に係る発熱検知処理を表すフローチャートの一例である。まず、発熱推定部23は、各温度測定点50における時間に対する温度変化量を算出する(ステップS11)。例えば、発熱推定部23は、各温度測定点50における、所定時間前(例えば1時間前)から現在までの温度変化量を算出する。まず、各温度測定点50の測定誤差(例えば、±0.1℃)を低減するため、発熱推定部23は、各温度測定点50における時系列(例えば30秒毎)の測定温度を平均化する。例えば、発熱推定部23は、現在から所定時間前(例えば1時間前)までの測定温度を用いて最小2乗法等で所定の式に近似する。例えば、発熱推定部23は、1日の室温変化を鑑みて1次式、2次式、Sin波形状などの複数のパターンを用意しておき、最小2乗誤差などの評価を通じて誤差率が最も小さいものを選定する。
図14(a)は、直線近似の結果を例示する図である。図14(b)は、2次曲線近似の結果を例示する図である。図14(c)は、Sin波形状近似の結果を例示する図である。図14(a)〜図14(c)の結果は、図12(b)の例を用いて算出してある。
図14(a)〜図14(c)で例示するように、熱抵抗大区画の測定点では、外気温と風速の影響が支配的となっている。通常区画の測定点で測定された温度は、太い破線で表されている。通常区画の測定点で測定された温度の近似式は、太い実線で表されている。熱抵抗大区画の測定点で測定された温度は、中程度の太さの破線で表されている。熱抵抗大区画の測定点で測定された温度の近似式は、中程度の太さの実線で表されている。通常区画の測定点で測定された温度と熱抵抗大区画の測定点で測定された温度との温度差分は、細い破線で表されている。当該細い破線の近似式は、細い実線で表されている。通常区画および熱抵抗大区画それぞれで過去1時間の蓄積データに対して、直線、放物線、Sin波の3種類の近似を行い、残差の2乗和が最も小さくなる近似関数を用いる。発熱推定部23は、得られた近似式を用いて、所定時間前から現在までの温度変化量を算出する。
次に、発熱推定部23は、互いに隣接する通常区画の測定点の温度変化量から熱抵抗大区画の測定点の温度変化量を差し引く(ステップS12)。それにより、室温の影響が除去された温度差が得られる。なお、複数の隣接する温度測定点を用いる場合、各温度測定点に近いものを中心に重み付け平均(加重平均)などで各温度測定点に対する室温測定点の温度変化量を算出してもよい。
次に、発熱推定部23は、時間経過に対して温度低下傾向にある温度測定点50の測定温度を除外する(ステップS13)。それにより、発熱の検知精度が向上する。例えば、所定時間前から現在までに測定温度が低下する温度測定点50の測定温度を除外してもよい。または、上述した1次式近似した場合に傾きがマイナスとなっている温度測定点50の測定温度を除外してもよい。または、上述した室温の影響が除去された温度差の時間に対する積分値および微分係数の現在時刻を中心とした重み付け平均値の少なくともいずれかが負であれば、当該温度測定50の測定温度を除外してもよい。ステップS14およびステップS15は、図9のステップS4およびステップS5と同様の処理である。
本変形例によれば、下部バンカ42の外壁に対して低い熱抵抗を有する温度測定点50の測定温度と、当該外壁に対して高い熱抵抗を有する温度測定点50の測定温度とから、1つの測定温度が生成される。この場合、室温や風の影響を抑制することができる。または、下部バンカ42の外壁の周りの雰囲気に対して低い熱抵抗を有する温度測定点50の測定温度と、当該雰囲気に対して高い熱抵抗を有する温度測定点50の測定温度とから、1つの測定温度が生成される。この場合においても、室温や風の影響を抑制することができる。
なお、図12(a)で例示するように、各温度測定点(捲回部)に対して、1個おきに断熱材で保護を行うことが好ましい。保護された捲回部に対する室温変動の直接的な影響および風の影響は抑制され、当該位置の外壁温度の変化を測定することができるからである。この場合、温度上昇度を算出する際に、断熱材で保護した箇所と保護していない隣接箇所を差し引かなくてもよく、直接的に温度変化の時間推移から温度上昇度を算出することができるようになる。なお、この際、まずは、各捲回部ごとに1つの測定温度にする必要がある。たとえば、捲回部の長さが3mで、光ファイバのサンプリング距離が0.5mであれば始点から終点まで7点の温度データが得られることになる。そこで、それらを平均化したり、上位3点平均したり、最大値を使用したりすることで、各捲回部ごとに1つの測定温度を得ることができる。こうして各捲回部ごとの測定温度を一つに代表化できれば、発熱位置の推定および発熱発生の有無の推定が可能になる。
発熱が発生してから、当該発熱の進み方がどのようになるかは、外気温や風の影響に依存する。たとえば、断熱材で保護された捲回部とその隣接の保護されていない捲回部の代表化された温度差を取得すると、風の影響がわかる。当該温度差が大きい場合、発熱してから赤熱、発火へと移行する時間が早くなる可能性がある。この温度差を算出して運転員にシステムとして通知し、そのデータを逐次蓄積し、次回に同様の性質の炭化物を貯留する場合においてそのデータを分析することで、温度は上昇しないがより乾いた状態での管理が可能になる。たとえば、その貯留した炭化物を用いて発電を行う場合などは発電効率の向上を期待できる。
(他の例)
図15は、発熱検知システムを例示する図である。図15で例示するように、発熱検知システムは、測定機10が、インターネットなどの電気通信回線201を通じてクラウド202と接続された構成を有する。また、発熱検知システムは、電気通信回線201に接続され、測定機10が設置されている石炭バンカ40を監視する監視サーバ203を備えていてもよい。
クラウド202は、図1(b)のCPU101、RAM102、記憶装置103、インタフェース104などを備え、制御部20としての機能を実現する。このような発熱検知システムでは、例えば、外国の発電所の石炭バンカ40で測定された測定結果が、日本に設置されているクラウド202で受信し、石炭バンカ40で発熱が発生しているか否かがクラウド202によって検知される。ステップS6やステップS16で出力された結果が、監視サーバ203に送信される。なお、クラウド202の代わりに、イントラネットなどを介して接続されたサーバを用いてもよい。
上記実施形態に従い、具体的な実施例について説明する。図16(a)は、下部バンカ42のサイズを例示する図である。図16(b)は、温度測定点の位置5〜8を例示する図である。位置5〜8の温度測定点は、下部バンカ42の外壁に密着されている。位置5〜8の温度測定点は、耐衝撃用の保護シートでカバーされている。しかしながら、当該カバーの断熱性は低いため、位置5〜8の温度測定点は、室温変動の影響を受ける状態となっている。温度測定点の位置1〜4は、位置5〜8をZ軸周りに0.1m表面上を移動した位置である。すなわち、位置1は、位置5に対してZ軸周りに下部バンカ42の周方向に0.1m移動させた位置である。位置1〜4の温度測定点と下部バンカ42の外壁面との間には断熱材が挿入されている。それにより、位置1〜4の温度測定点は、下部バンカ42の温度変化の影響をほとんど受けない状態となっている。
図17(a)は、位置1〜8の温度測定点における測定温度の時間推移を例示する図である。位置1〜4の温度測定点と比較して、位置5〜8の温度測定点の温度は、わずかに高くなっている。これは、位置1〜4の温度測定点が下部バンカ42の温度変化の影響をほとんど受けないからである。
位置1〜8の温度測定点の温度変化は、1時間に0.5℃未満の緩やかな変化に留まっている。この時間推移データから温度上昇度を求める。まず、ある時間を基準としてその時点を含む1時間前までのデータを用いて最小2乗法により、直線近似を行う。2次曲線近似やSin波近似でも構わないが、本実施例では緩やかな変化なので、直線で十分良好にフィッティングが可能になる。
得られた直線の傾きを求め、その傾きの値を、位置1と位置5との間、位置2と位置6との間、位置3と位置7との間、および位置4と位置8との間でそれぞれ差を算出する。おのおのの温度計は同じ温度帯での温度変化に対す出力の傾きはほぼ同じとみなせるが、オフセット値がばらつくため、切片を含めた比較は行わず、傾きだけの差を取得して高精度を保つ。
次に、逐次的に測定が行われるたびに同様に傾きの差を取得することで、各位置の温度上昇度の時間推移を得ることができる。図17(b)に結果を示す。図17(b)で例示するように、13:30以降に外気温とは相関性の低い温度上昇が発生していることがわかる。しかし、13:30の時点では、それまでの経緯を調べれば変動の範囲であるともいえる。たとえば、すべての温度上昇度が0.1℃を超えた場合に発熱が発生したとすれば14:25過ぎにその状態になる。図17(a)に、求めた重心位置(発熱位置)の時間推移を示す。
時間推移は、図16(a)および図16(b)で例示した温度測定点の取付位置と、図17(b)の位置5〜8の温度測定点の温度上昇度の時間推移とから、上記式(1)を用いて求めた。12:50あたりの落ち込みは、4箇所の温度測定点においてすべて温度上昇度が負になったために、重心位置を求められなくなったことによる。
4箇所の温度測定点の各時刻を含む過去15分間の重心位置(発熱位置)のX、Y、Z各方位の標準偏差の和と4箇所の温度測定点の各時刻の温度上昇度の最大値を図18(b)で例示する。温度上昇最大値の閾値を0.1とし、標準偏差の和の閾値を0.4とすると、本実施例では、13:55に発熱が開始されたと特定される。これは前述した人間の主観的な推察による13:30と14:25の間の時間となっている。また、図18(a)によれば、13:55以降はたしかにX,Y,Zは一定値に収束している。したがって、毎測定毎に得られる発熱源の位置がほぼ変わらない状態となっていることがわかる。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
10 測定機
11 レーザ
12 ビームスプリッタ
13 光スイッチ
14 フィルタ
15a,15b 検出器
20 制御部
21 指示部
22 温度測定部
23 発熱推定部
24 検知部
30 光ファイバ
100 発熱検知装置

Claims (20)

  1. 所定の空間の複数箇所の測定点の温度推移を測定する測定部と、
    前記測定部が測定する各測定点の温度推移に基づいて、前記空間における発熱位置の推移を推定する推定部と、
    前記推定部によって推定された発熱位置が規定時間にわたって規定範囲内に位置するか否かを判定し、当該発熱位置が当該規定時間にわたって当該規定範囲内に位置すると判定した場合に、発熱が発生していることを検知する検知部と、を備えることを特徴とする発熱検知装置。
  2. 前記推定部は、前記測定部が測定する各測定点における時間に対する温度上昇の大きさと、前記各測定点の位置座標とに基づいて、前記発熱位置を推定することを特徴とする請求項1記載の発熱検知装置。
  3. 前記検知部は、前記測定部が測定する各測定点における温度上昇の大きさの最大値が閾値以上であるか否かを判定し、当該最大値が当該閾値以上であると判定した場合に、前記発熱が発生していることを検知することを特徴とする請求項1または2に記載の発熱検知装置。
  4. 前記複数箇所の測定点は、少なくとも4つの測定点であり、
    前記4つの測定点のうち、3つの測定点によって構成される平面に対して残りの1つの測定点が外れていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の発熱検知装置。
  5. 前記各測定点は、内部に空間を有する外壁の表面もしくは当該外壁の内部に位置することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の発熱検知装置。
  6. 前記推定部は、前記外壁に対して低い熱抵抗を有する測定点の測定温度と、前記外壁に対して高い熱抵抗を有する測定点の測定温度とから、1つの測定温度を生成することを特徴とする請求項5記載の発熱検知装置。
  7. 前記推定部は、前記外壁の周りの雰囲気に対して低い熱抵抗を有する測定点の測定温度と、前記雰囲気に対して高い熱抵抗を有する測定点の測定温度とから、1つの測定温度を生成することを特徴とする請求項5記載の発熱検知装置。
  8. 前記測定部は、前記各測定点に配置された光ファイバに光を入射し、前記光ファイバからの後方散乱光に基づいて前記各測定点の温度を測定することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の発熱検知装置。
  9. 所定の空間の複数箇所の測定点の温度推移を測定部が測定し、
    前記測定部が測定する各測定点の温度推移に基づいて、前記空間における発熱位置の推移を推定部が推定し、
    検知部が、前記推定部によって推定された発熱位置が規定時間にわたって規定範囲内に位置するか否かを判定し、当該発熱位置が当該規定時間にわたって当該規定範囲内に位置すると判定した場合に、発熱が発生していることを検知する、ことを特徴とする発熱検知方法。
  10. コンピュータに、
    所定の空間の複数箇所の測定点の温度推移を測定する処理と、
    測定された各測定点の温度推移に基づいて、前記空間における発熱位置の推移を推定する処理と、
    推定された発熱位置が規定時間にわたって規定範囲内に位置するか否かを判定し、当該発熱位置が当該規定時間にわたって当該規定範囲内に位置すると判定した場合に、発熱が発生していることを検知する処理と、を実行させることを特徴とする発熱検知プログラム。
  11. 電気通信回線を通じて通信する第1装置および第2装置を備え、
    前記第1装置は、所定の空間の複数箇所の測定点の温度推移を測定する測定部を備え、
    前記第2装置は、前記測定部が測定する各測定点の温度推移に基づいて前記空間における発熱位置の推移を推定する推定部と、前記推定部によって推定された発熱位置が規定時間にわたって規定範囲内に位置するか否かを判定し、当該発熱位置が当該規定時間にわたって当該規定範囲内に位置すると判定した場合に、発熱が発生していることを検知する検知部と、を備えることを特徴とする発熱検知システム。
  12. 前記電気通信回線を通じて前記第2装置と通信する第3装置を備え、
    前記検知部は、検知結果を前記第3装置に送信することを特徴とする請求項11記載の発熱検知システム。
  13. 所定の空間の複数箇所の測定点の温度推移を測定する測定部と、
    前記測定部が測定する各測定点の温度推移に基づいて、前記空間における発熱位置の推移を推定する推定部と、
    前記推定部によって推定された発熱位置の推移に応じて、発熱が発生しているか否かを検知する検知部と、を備え、
    前記各測定点は、内部に空間を有する外壁の表面もしくは当該外壁の内部に位置し、
    前記推定部は、前記外壁に対して低い熱抵抗を有する測定点の測定温度と、前記外壁に対して高い熱抵抗を有する測定点の測定温度とから、1つの測定温度を生成することを特徴とする発熱検知装置。
  14. 所定の空間の複数箇所の測定点の温度推移を測定部が測定し、
    前記測定部が測定する各測定点の温度推移に基づいて、前記空間における発熱位置の推移を推定部が推定し、
    前記推定部によって推定された発熱位置の推移に応じて、発熱が発生しているか否かを検知部が検知し、
    前記各測定点は、内部に空間を有する外壁の表面もしくは当該外壁の内部に位置し、
    前記推定部は、前記外壁に対して低い熱抵抗を有する測定点の測定温度と、前記外壁に対して高い熱抵抗を有する測定点の測定温度とから、1つの測定温度を生成することを特徴とする発熱検知方法。
  15. コンピュータに、
    所定の空間の複数箇所の測定点の温度推移を測定する処理と、
    測定された各測定点の温度推移に基づいて、前記空間における発熱位置の推移を推定する処理と、
    推定された発熱位置の推移に応じて、発熱が発生しているか否かを検知する処理と、を実行させ、
    前記各測定点は、内部に空間を有する外壁の表面もしくは当該外壁の内部に位置し、
    前記外壁に対して低い熱抵抗を有する測定点の測定温度と、前記外壁に対して高い熱抵抗を有する測定点の測定温度とから、1つの測定温度を生成することを特徴とする発熱検知プログラム。
  16. 電気通信回線を通じて通信する第1装置および第2装置を備え、
    前記第1装置は、所定の空間の複数箇所の測定点の温度推移を測定する測定部を備え、
    前記第2装置は、前記測定部が測定する各測定点の温度推移に基づいて前記空間における発熱位置の推移を推定する推定部と、前記推定部によって推定された発熱位置の推移に応じて発熱が発生しているか否かを検知する検知部と、を備え、
    前記各測定点は、内部に空間を有する外壁の表面もしくは当該外壁の内部に位置し、
    前記推定部は、前記外壁に対して低い熱抵抗を有する測定点の測定温度と、前記外壁に対して高い熱抵抗を有する測定点の測定温度とから、1つの測定温度を生成することを特徴とする発熱検知システム。
  17. 所定の空間の複数箇所の測定点の温度推移を測定する測定部と、
    前記測定部が測定する各測定点の温度推移に基づいて、前記空間における発熱位置の推移を推定する推定部と、
    前記推定部によって推定された発熱位置の推移に応じて、発熱が発生しているか否かを検知する検知部と、を備え、
    前記各測定点は、内部に空間を有する外壁の表面もしくは当該外壁の内部に位置し、
    前記推定部は、前記外壁の周りの雰囲気に対して低い熱抵抗を有する測定点の測定温度と、前記雰囲気に対して高い熱抵抗を有する測定点の測定温度とから、1つの測定温度を生成することを特徴とする発熱検知装置。
  18. 所定の空間の複数箇所の測定点の温度推移を測定部が測定し、
    前記測定部が測定する各測定点の温度推移に基づいて、前記空間における発熱位置の推移を推定部が推定し、
    前記推定部によって推定された発熱位置の推移に応じて、発熱が発生しているか否かを検知部が検知し、
    前記各測定点は、内部に空間を有する外壁の表面もしくは当該外壁の内部に位置し、
    前記推定部は、前記外壁の周りの雰囲気に対して低い熱抵抗を有する測定点の測定温度と、前記雰囲気に対して高い熱抵抗を有する測定点の測定温度とから、1つの測定温度を生成することを特徴とする発熱検知方法。
  19. コンピュータに、
    所定の空間の複数箇所の測定点の温度推移を測定する処理と、
    測定された各測定点の温度推移に基づいて、前記空間における発熱位置の推移を推定する処理と、
    推定された発熱位置の推移に応じて、発熱が発生しているか否かを検知する処理と、を実行させ、
    前記各測定点は、内部に空間を有する外壁の表面もしくは当該外壁の内部に位置し、
    前記外壁の周りの雰囲気に対して低い熱抵抗を有する測定点の測定温度と、前記雰囲気に対して高い熱抵抗を有する測定点の測定温度とから、1つの測定温度を生成することを特徴とする発熱検知プログラム。
  20. 電気通信回線を通じて通信する第1装置および第2装置を備え、
    前記第1装置は、所定の空間の複数箇所の測定点の温度推移を測定する測定部を備え、
    前記第2装置は、前記測定部が測定する各測定点の温度推移に基づいて前記空間における発熱位置の推移を推定する推定部と、前記推定部によって推定された発熱位置の推移に応じて発熱が発生しているか否かを検知する検知部と、を備え、
    前記各測定点は、内部に空間を有する外壁の表面もしくは当該外壁の内部に位置し、
    前記推定部は、前記外壁の周りの雰囲気に対して低い熱抵抗を有する測定点の測定温度と、前記雰囲気に対して高い熱抵抗を有する測定点の測定温度とから、1つの測定温度を生成することを特徴とする発熱検知システム。
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