JP6819784B2 - 温度測定装置、温度測定方法および温度測定プログラム - Google Patents

温度測定装置、温度測定方法および温度測定プログラム Download PDF

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Description

本件は、温度測定装置、温度測定方法および温度測定プログラムに関する。
光源から光ファイバに光を入射した際に当該光ファイバからの後方散乱光を用いて、光ファイバの延伸方向の温度分布を測定する技術が開発されている(例えば、特許文献1,2参照)。
特開平7−218354号公報 特開2014−167399号公報
例えば、LNGタンクのロールオーバー監視においては、液密度計が一般的に使用されている。しかしながら、液密度計は上下動が必要であり、タンクとの接続径も大きく、はめ殺しのため可用性が低く、メンテナンスしにくいという問題がある。そこで、光ファイバを用いてLNGの温度を検出することでロールオーバーを監視することが考えられる。しかしながら、極低温において後方散乱光に含まれるアンチストークス光が小さくなり、S/Nが悪くなるおそれがある。
1つの側面では、本件は、高精度に温度測定を行うことができる温度測定装置、温度測定方法および温度測定プログラムを提供することを目的とする。
1つの態様では、温度測定装置は、所定の経路に沿って配置された複数本の光ファイバと、前記光ファイバからの後方散乱光に基づいて前記複数本の光ファイバの延伸方向の温度分布を測定する温度測定部と、前記所定の経路において前記温度測定部が測定した複数の温度分布の相関に基づいて、前記光ファイバの距離方向における前記複数の温度分布を平均化する平均化処理部と、を備える。
高精度に温度測定を行うことができる。
(a)は実施形態に係る温度測定装置の全体構成を表す概略図であり、(b)は制御部のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。 後方散乱光の成分を表す図である。 (a)はレーザによる光パルス発光後の経過時間とストークス成分およびアンチストークス成分の光強度との関係を例示する図であり、(b)は(a)の検出結果を用いて算出した温度である。 温度に対するストークス成分およびアンチストークス成分の光強度との関係を例示する図である。 (a)〜(c)はロールオーバーについて説明するための図である。 (a)〜(c)は光ファイバによってLNGタンクの温度測定する例を表す図である。 (a)および(b)は保護管を例示する図である。 (a)〜(d)は平均化処理を表す図である。 逆フィルタ処理について例示する図である。 (a)〜(e)は異常判定を例示する図である。 フローチャートを例示する図である。 温度測定システムを例示する図である。
以下、図面を参照しつつ、実施形態について説明する。
(実施形態)
図1(a)は、実施形態に係る温度測定装置100の全体構成を表す概略図である。図1(a)で例示するように、温度測定装置100は、測定機10、制御部20、光ファイバ30などを備える。測定機10は、レーザ11、ビームスプリッタ12、光スイッチ13、フィルタ14、複数の検出器15a,15bなどを備える。制御部20は、指示部21、温度測定部22、平均化処理部23、逆フィルタ処理部24、判定部25などを備える。
図1(b)は、制御部20のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。図1(b)で例示するように、制御部20は、CPU101、RAM102、記憶装置103、インタフェース104などを備える。これらの各機器は、バスなどによって接続されている。CPU(Central Processing Unit)101は、中央演算処理装置である。CPU101は、1以上のコアを含む。RAM(Random Access Memory)102は、CPU101が実行するプログラム、CPU101が処理するデータなどを一時的に記憶する揮発性メモリである。記憶装置103は、不揮発性記憶装置である。記憶装置103として、例えば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリなどのソリッド・ステート・ドライブ(SSD)、ハードディスクドライブに駆動されるハードディスクなどを用いることができる。CPU101が記憶装置103に記憶されている温度測定プログラムを実行することによって、制御部20に指示部21、温度測定部22、平均化処理部23、逆フィルタ処理部24および判定部25が実現される。なお、指示部21、温度測定部22、平均化処理部23、逆フィルタ処理部24および判定部25は、専用の回路などのハードウェアであってもよい。
レーザ11は、半導体レーザなどの光源であり、指示部21の指示に従って所定の波長範囲のレーザ光を出射する。本実施形態においては、レーザ11は、所定の時間間隔で光パルス(レーザパルス)を出射する。ビームスプリッタ12は、レーザ11が出射した光パルスを光スイッチ13に入射する。光スイッチ13は、入射された光パルスの出射先(チャネル)を切り替えるスイッチである。ダブルエンド方式では、光スイッチ13は、指示部21の指示に従って、光ファイバ30の第1端および第2端に一定周期で交互に光パルスを入射する。シングルエンド方式では、光スイッチ13は、指示部21の指示に従って、光ファイバ30の第1端または第2端のいずれか一方に光パルスを入射する。光ファイバ30は、温度測定対象の所定の経路に沿って配置されている。
光ファイバ30に入射した光パルスは、光ファイバ30を伝搬する。光パルスは、伝搬方向に進行する前方散乱光および帰還方向に進行する後方散乱光(戻り光)を生成しながら徐々に減衰して光ファイバ30内を伝搬する。後方散乱光は、光スイッチ13を通過してビームスプリッタ12に再度入射する。ビームスプリッタ12に入射した後方散乱光は、フィルタ14に対して出射される。フィルタ14は、WDMカプラなどであり、後方散乱光を長波長成分(後述するストークス成分)と短波長成分(後述するアンチストークス成分)とを抽出する。検出器15a,15bは、受光素子である。検出器15aは、後方散乱光の短波長成分の受光強度を電気信号に変換して温度測定部22に送信する。検出器15bは、後方散乱光の長波長成分の受光強度を電気信号に変換して温度測定部22に送信する。温度測定部22は、ストークス成分およびアンチストークス成分を用いて、光ファイバ30の延伸方向の温度分布を測定する。平均化処理部23は、温度測定部22によって測定された測定温度分布に対して平均化処理を行うことで、補正測定温度を算出する。逆フィルタ処理部24は、平均化処理部23が算出した補正測定温度に対して逆フィルタ処理を行う。判定部25は、逆フィルタ処理後の補正測定温度に基づいて、異常に係る判定を行う。
図2は、後方散乱光の成分を表す図である。図2で例示するように、後方散乱光は、大きく3種類に分類される。これら3種類の光は、光強度の高い順かつ入射光波長に近い順に、OTDR(光パルス試験器)などに使用されるレイリー散乱光、歪測定などに使用されるブリルアン散乱光、温度測定などに使用されるラマン散乱光である。ラマン散乱光は、温度に応じて変化する光ファイバ30内の格子振動と光との干渉で生成される。強めあう干渉によりアンチストークス成分と呼ばれる短波長成分が生成され、弱めあう干渉によりストークス成分とよばれる長波長成分が生成される。
図3(a)は、光ファイバ30の第1端から光入射した場合において、レーザ11による光パルス発光後の経過時間と、ストークス成分(長波長成分)およびアンチストークス成分(短波長成分)の光強度との関係を例示する図である。経過時間は、光ファイバ30における伝搬距離(光ファイバ30における位置)に対応している。図3(a)で例示するように、ストークス成分およびアンチストークス成分の光強度は、両方とも経過時間とともに低減する。これは、光パルスが前方散乱光および後方散乱光を生成しながら徐々に減衰して光ファイバ30内を伝搬することに起因する。
図3(a)で例示するように、アンチストークス成分の光強度は光ファイバ30において高温になる位置では、ストークス成分と比較してより強くなり、低温になる位置では、ストークス成分と比較してより弱くなる。したがって、両成分を検出器15a,15bで検出し、両成分の特性差を利用することによって、光ファイバ30内の各位置の温度を検出することができる。なお、図3(a)において、極大を示す領域は、図1(a)においてドライヤなどで光ファイバ30を意図的に加熱した領域である。また、極小を示す領域は、図1(a)において冷水などで光ファイバ30を意図的に冷却した領域である。
本実施形態においては、温度測定部22は、経過時間ごとにストークス成分とアンチストークス成分とから温度を測定する。それにより、光ファイバ30内における各サンプリング位置の温度を測定することができる。すなわち、光ファイバ30の延伸方向における温度分布を測定することができる。なお、両成分の特性差を利用することから、距離に応じて両成分の光強度が減衰しても、高精度で温度を測定することができる。図3(b)は、図3(a)の検出結果を用いて算出した温度である。図3(b)の横軸は、経過時間を基に算出した光ファイバ30内の位置である。図3(b)で例示するように、ストークス成分およびアンチストークス成分を検出することによって、光ファイバ30内の各位置の温度を測定することができる。
ところで、ストークス成分およびアンチストークス成分は、光学フォノンの準位間遷移である。ストークス成分は、基底状態から励起状態への遷移によって生成される成分である。アンチストークス成分は、励起状態から基底状態への遷移によって生成される成分である。温度が低い状態では、励起状態のフォノンが少ないため、アンチストークス成分の強度は低くなる。
図4は、温度に対するストークス成分およびアンチストークス成分の光強度との関係を例示する図である。図4で例示するように、氷点下などの低温域においては、アンチストークス成分の光強度は、ストークス成分の光強度に対して、大幅に低下してしまう。したがって、氷点下などの低温域においては、アンチストークス成分の光強度の大幅な低下に伴い、ショット雑音の定義と、温度とストークス成分およびアンチストークスとの関係から温度誤差が大きくなってしまう。
しかしながら、LNG(液化天然ガス)タンクなどの施設においては、極低温を測定する技術が望まれている。ここで、一例として、LNGタンクにおけるロールオーバーについて説明する。図5(a)で例示するように、LNGタンク40には、LNGが貯蔵されている。LNGタンク40には、複数の船からLNGが受け入れられることがある。この場合、成分が異なるLNGが受け入れられるため、LNGタンク40内において、LNGの成分差に基づく密度差に起因して、LNGが多層状化する。図5(a)の例では、LNGタンク40内のLNGが2層化している。図5(b)で例示するように、下層は、密度の高いLNG成分である。上層は、密度の低いLNG成分である。
この状態で、図5(a)で例示するように、LNGタンク40に熱が入ると、各層において対流(二重対流)が生じる。二重対流が生じると、上層と下層との境界を介して、各成分と熱が少しずつ移動する。それにより、上層の密度と下層の密度とが次第に近づく。また、上層からのボイルオフガス(BOG)の発生によっても、上層の密度と下層の密度とが次第に近づく。上層の密度と下層の密度との差が小さくなると、上層と下層とが混合され、急激な対流が生じる(ロールオーバー)。2層化されていた状態では、上層のLNG成分の存在によって、下層のLNG成分からのボイルオフガスの発生は抑圧されている。しかしながら、図5(c)で例示するように、ロールオーバー時には、下層のLNG成分が上層へ移動するため、それまで抑圧されていた大量のボイルオフガスが発生し、タンクの圧力を異常に上昇させる。なお、図5(c)において、縦軸は、ボイルオフガス量を示す。
ロールオーバーが発生する場合、事前にLNGタンク40内に温度変化が現れる。この温度変化を検出できれば、ロールオーバーの発生を抑制することができる。しかしながら、多層状化したLNG成分の上下層での温度差は、数℃程度である。また、時間的な温度変化も僅かである。したがって、ロールオーバーを光ファイバ温度測定で監視する場合、多層状化したLNG成分のそれぞれの層の温度を高精度に測定することが要求される。
例えば、図6(a)で例示するように、光ファイバ30をLNGタンク40の上部から下方へと延ばし、上層を通過して下層の低部(例えばLNGタンク40の底)で折り返し、さらに上層を通過してLNGタンク40の上部へと延ばす。これにより、光ファイバ30が上層と接触する箇所では相対的に低い温度が測定され、光ファイバ30が下層と接触する箇所では相対的に高い温度が測定される。
光ファイバ温度測定においては、光パルス幅の積算値がその光ファイバ位置の光強度として取得するため、急峻な実温度分布に対しては、図6(b)で例示するように、ローパスフィルタを施したような温度分布が測定温度として得られる。そのため光ファイバの長手方向で急峻に温度が変わるLNGと空気との界面では温度精度が低くなってしまう。そこで応答性を向上させる逆フィルタを施すことで、界面付近の温度精度を向上することが考えられる。しかしながらノイズにも適用されてしまうため、逆フィルタを用いる場合には高い温度精度が求められる。
また、LNG成分は極低温で貯蔵されているため、上述したように、光ファイバで温度測定すると、測定誤差が大きくなってしまう。例えば、図6(c)で例示するように、測定温度におけるノイズが大きくなるおそれがある。そこで、本実施形態に係る温度測定装置100は、温度測定の精度を向上させる構成を有している。
図7(a)は、LNGタンク40内に貯蔵されているLNG成分に接触させる光ファイバ30を保護するための保護管50を例示する図である。図7(a)で例示するように、保護管50は、例えば、金属の螺旋管である。図7(b)は、保護管50の螺旋部の拡大図である。LNGタンク40内においては、ミキシングや流入、払い出しによってLNGに流れが生じている。そこで、保護管50は、LNGから光ファイバ30を遮蔽せずに、通気性および通液性を有している。
保護管50は、例えば、数十メートルの長さを有することもある。したがって、保護管50を螺旋管で構成することで巻き取ることができるため、LNGタンク40への設置および回収が容易である。したがって、光ファイバ30の交換が容易である。また、保護管50は、LNGの流れによって流されないように、錨のような重りを有していることが好ましい。なお、光ファイバ30として、極低温でも脆性破壊しないポリイミド等を被覆したものを用いることが好ましい。
図8(a)で例示するように、保護管50をLNGタンク40の上部から下方へと延ばし、上層を通過して下層の低部(例えばLNGタンク40の底)で折り返し、さらに上層を通過してLNGタンク40の上部へと延ばす。光ファイバ30は、保護管50の一端から他端まで、複数回にわたって延びている。これは、複数本の光ファイバが保護管50内に配置されることを意味する。
それにより、光ファイバ30の各位置における測定温度は、図8(b)で例示するような温度分布を有するようになる。すなわち、LNGタンク40の外では、測定温度が高くなる(外気温)。LNGタンク40内において上層よりも上部の気体部において、急激に測定温度が低くなり、略一定温度となる(例えば、−100℃程度)。これは、LNGタンク40内の温度が極低温で略一定に保たれているからである。上層では、急激に測定温度が低くなり、略一定温度となる(例えば、−160℃程度)。上層と下層との境界で測定温度が若干ながら高くなり、下層で略一定温度となる。下層と上層との境界で測定温度が若干ながら低くなり、上層で略一定温度となる。気体部では、急激に測定温度が高くなり、略一定温度となる。LNGタンク40の外では、測定温度が急激に高くなる。光ファイバ30が保護管50を複数回にわたって延びていることから、この測定温度のサイクルが繰り返されることになる。
同一の保護管50に沿って設けられた光ファイバ30によって得られる測定温度は、同じ温度分布を有するはずである。したがって、ある保護管位置における複数の測定温度分布は高い相関を持つはずである。一方で、相関が低い場合は、温度分布がなくノイズの影響等で相関が低くなっていると想定される。
ある保護管位置x(高さ方向の位置)を中心とした±L(m)のサンプル範囲における各測定温度分布T,Tの相関係数R12(x)は、例えば、下記式(1)のように求めることができる。下記式(1)において、「Tバー」(Tの上部にバーを付したもの)は、測定温度Tの±Lのサンプル範囲における平均値である。「i」は、−Lから+Lまでの各位置を表す。
Figure 0006819784
測定温度分布Tおよび測定温度分布Tの両方において温度信号に対するノイズ成分が少なければ、測定温度分布Tと測定温度分布Tとが類似することになる。この場合、相関係数R12(x)は大きな値となる。したがって、相関係数が大きければ、位置xにおける測定温度の精度は高いことになる。そこで、平均化処理部23は、相関係数がある閾値を超えれば、位置xにおける各測定温度の平均値を、位置xにおける温度として出力する。この場合、高い精度で得られた測定温度を出力することができる。
一方、測定温度分布Tおよび測定温度分布Tの少なくともいずれかにおいて温度信号に対するノイズが大きければ、測定温度分布Tと測定温度分布Tとの類似度が低下する。この場合、相関係数R12(x)は小さな値となる。したがって、相関係数が小さければ、位置xにおける測定温度の精度は低いことになる。そこで、平均化処理部23は、相関係数が閾値以下である場合、各測定温度分布T,Tにおいて、位置xを中心とした±Lの範囲の平均温度の平均値を、位置xにおける温度として出力する。この場合、±Lの範囲で測定温度が平均化されるため、ノイズの影響を抑制することができる。例えば、相関係数が小さくなるほど、測定温度分布において平均化に用いる範囲を広く採用してもよい。Lは短すぎると平均化の効果が小さく、長すぎると温度分布の高周波成分が失われてしまうため、光パルスの幅程度とすることが好ましい。
または、相関係数に基づいて、平均化の度合を決定してもよい。例えば、複数の測定温度分布から作られる相関係数の和ΣRによって平均化の範囲を決めてもよい。ΣR<0ならば位置xを中心とした±Lの範囲の平均温度を出力し、ΣR>0ならば±{L−f(ΣR)}の範囲の平均温度を出力する。
平均化処理部23は、保護管50の高さ方向における各位置の平均化処理によって補正された補正温度分布を出力する。それにより、保護管50の高さ方向における温度分布が出力される。図8(c)の点線が、平均化処理後の補正温度分布を例示する。
逆フィルタ処理部24は、平均化処理部23によって出力された補正温度分布に対して、応答性を向上させるための逆フィルタ処理を施す。測定温度Tは、光ファイバ温度測定を線形システムであると仮定すると、行列表現で下記式(2)のように表すことができる。下記式(2)において、T´は実温度分布を表し、[H]は伝達関数を表す。伝達関数は光ファイバ温度測定におけるインパルス応答から求められる。伝達関数の逆フィルタは[H]−1と表すことができるため、下記式(3)が得られる。逆フィルタ処理部24は、図9で例示するように、平均化処理部23が出力した測定温度分布に逆フィルタ処理を施すことで、補正温度分布を算出する。図8(c)の破線および図8(d)の実線が、逆フィルタ処理後の補正温度分布を例示する。それにより、実温度分布に近い温度分布を得ることができる。なお、逆フィルタ処理部24は、逆フィルタ処理を施す前に、ローパスフィルタ処理を行ってもよい。図8(c)の実線が、ローパスフィルタ処理後の測定温度を例示する。
Figure 0006819784
Figure 0006819784
次に、判定部25は、補正温度分布を基に、LNGタンク40に異常が生じていないか判定する。図10(a)は、上層温度Ttopおよび下層温度Tbottomを例示する図である。図10(a)で例示するように、上層温度Ttopは、下層温度Tbottomよりも低い温度となっている。それにより、上層温度Ttopと下層温度Tbottomとの間には、所定の差異がある。この差異が小さくなると、上層の密度Dtopと下層の密度Dbottomとの差が小さくなり、ロールオーバーが発生することになる。したがって、上層温度Ttopと下層温度Tbottomとの差異を検出することで、ロールオーバーの発生を事前に検出することができる。
図10(b)は、外部の熱の流入が蒸発による冷却よりも小さい場合(case1)における上層温度Ttopおよび下層温度Tbottomを例示する図である。図10(c)は、case1における上層の密度Dtopおよび下層の密度Dbottomを例示する図である。case1では、上層温度Ttopと下層温度Tbottomとの差異が時間の経過とともに徐々に小さくなっている。したがって、Tbottom−Ttop<閾値Tth1となる場合に、ロールオーバーに関する警告を出力することが好ましい。
図10(d)は、外部の熱の流入が蒸発による冷却よりも大きい場合(case2)における上層温度Ttopおよび下層温度Tbottomを例示する図である。図10(e)は、case1における上層の密度Dtopおよび下層の密度Dbottomを例示する図である。case2では、上層温度Ttopと下層温度Tbottomとの差異が時間の経過とともに徐々に大きくなり、急激に差異がなくなっている。また、下層温度Tbottomが時間の経過とともに徐々に大きくなっている。したがって、Tbottom−Ttop>閾値Tth2かつTbottom>閾値Tth3となる場合に、ロールオーバーに関する警告を出力することが好ましい。
図11は、以上の処理を表すフローチャートを例示する図である。以下、図11のフローチャートに沿って、各部の処理の流れを説明する。まず、温度測定部22は、所定の周期で定期的に光ファイバ30の各サンプリング位置の温度を測定する(ステップS1)。次に、平均化処理部23は、LNGタンク40の深さ方向の各位置xにおける測定温度分布の相関係数を算出する(ステップS2)。相関係数は、例えば、上記式(1)によって算出される。次に、平均化処理部23は、ステップS2で算出された相関係数に基づいて、平均化処理を行う(ステップS3)。
次に、逆フィルタ処理部24は、ステップS3で得られた補正温度分布に対して、ローパスフィルタ処理を行う(ステップS4)。それにより、ノイズの影響を抑制することができる。次に、逆フィルタ処理部24は、ステップS4で得られた補正温度分布に対して、逆フィルタ処理を行う(ステップS5)。次に、逆フィルタ処理部24は、逆フィルタ処理によって得られた温度分布を、LNGタンク40の高さ方向の温度分布として出力する(ステップS6)。
ステップS6で出力された温度分布は、RAM102や記憶装置103などに記憶される(ステップS7)。次に、判定部25は、上層温度と下層温度との関係が図10(a)〜図10(e)で説明した所定の条件を満たすか否かを判定する(ステップS8)。ステップS8で「Yes」と判定された場合、判定部25は、ロールオーバーに関する警告を出力する(ステップS9)。ステップS8で「No」と判定された場合、判定部25は、過去の傾向から、あと何時間後にステップS8の条件を満たすか判断し、その結果を出力する(ステップS10)。ステップS9およびステップS10の実行後、フローチャートが終了する。
本実施形態によれば、保護管50に配置された複数本の光ファイバからの後方散乱光を用いて測定された複数の温度分布の相関に基づいて、当該複数の温度分布を平均化している。それにより、高精度に温度測定を行うことができる。
なお、本実施形態においては、1本の光ファイバ30を複数回にわたって保護管50内に延ばすことで、複数本の光ファイバを保護管50内に設けたが、それに限られない。例えば、複数本の切り離された光ファイバをそれぞれ保護管50内に配置し、それぞれの光ファイバを用いて、保護管50内の各位置の温度を測定してもよい。
(他の例)
図12は、温度測定システムを例示する図である。図12で例示するように、温度測定システムは、測定機10が、インターネットなどの電気通信回線301を通じてクラウド302と接続された構成を有する。クラウド302は、図1(b)のCPU101、RAM102、記憶装置103、インタフェース104などを備え、制御部20としての機能を実現する。このような温度測定システムでは、例えば、外国のLNGタンクで測定された測定結果が、日本に設置されているクラウド302で受信され、温度分布が測定される。なお、クラウド302の代わりに、イントラネットなどを介して接続されたサーバを用いてもよい。
上記各例において、光ファイバ30が、所定の経路に沿って配置された複数本の光ファイバの一例である。温度測定部22が、前記光ファイバからの後方散乱光に基づいて前記複数本の光ファイバの延伸方向の温度分布を測定する温度測定部の一例である。平均化処理部23が、前記所定の経路において前記温度測定部が測定した複数の温度分布の相関に基づいて、前記光ファイバの距離方向における前記複数の温度分布を平均化する平均化処理部の一例である。逆フィルタ処理部24が、前記平均化処理部による平均化によって補正された補正温度分布に対して、前記温度測定部による温度測定の伝達関数の逆フィルタを適用する逆フィルタ処理部の一例である。判定部25が、前記上層および前記下層のそれぞれに対して、前記補正測定温度を取得し、取得した各補正測定温度の差異に応じて前記液化天然ガスの異常に関する判定を行う判定部の一例である。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
10 測定機
11 レーザ
12 ビームスプリッタ
13 光スイッチ
14 フィルタ
15a,15b 検出器
20 制御部
21 指示部
22 温度測定部
23 平均化処理部
24 逆フィルタ処理部
25 判定部
30 光ファイバ
40 LNGタンク
50 保護管
100 温度測定装置

Claims (10)

  1. 所定の経路に沿って配置された複数本の光ファイバと、
    前記光ファイバからの後方散乱光に基づいて前記複数本の光ファイバの延伸方向の温度分布を測定する温度測定部と、
    前記所定の経路において前記温度測定部が測定した複数の温度分布の相関に基づいて、前記光ファイバの距離方向における前記複数の温度分布を平均化する平均化処理部と、を備えることを特徴とする温度測定装置。
  2. 前記平均化処理部は、前記複数の温度分布の相関に基づいて、前記光ファイバの距離方向における前記複数の温度分布を平均化する範囲または度合いを決定し、決定された前記範囲または前記度合いに基づいて、前記複数の温度分布を平均化することを特徴とする請求項1記載の温度測定装置。
  3. 前記平均化処理部による平均化によって補正された補正温度分布に対して、前記温度測定部による温度測定の伝達関数の逆フィルタを適用する逆フィルタ処理部を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の温度測定装置。
  4. 前記所定の経路に沿って設けられた金属螺旋管を備え、
    前記複数本の光ファイバは、前記金属螺旋管内を距離方向に延びるように配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の温度測定装置。
  5. 前記所定の経路は、液化天然ガス内を通るように設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の温度測定装置。
  6. 前記液化天然ガスは、密度の差異により上層と下層とを成し、
    前記所定の経路は、前記上層および前記下層をまたぐように設けられていることを特徴とする請求項5記載の温度測定装置。
  7. 前記上層および前記下層のそれぞれに対して、前記補正測定温度を取得し、取得した各補正測定温度の差異に応じて前記液化天然ガスの異常に関する判定を行う判定部を備えることを特徴とする請求項6記載の温度測定装置。
  8. 前記判定部は、前記下層の補正測定温度から前記上層の補正測定温度を差し引いた値が第1閾値未満であるか、前記下層の補正測定温度から前記上層の補正測定温度を差し引いた値が第2閾値を上回りかつ前記下層の補正測定温度が第3閾値を上回る場合に、異常に係る情報を出力することを特徴とする請求項7記載の温度測定装置。
  9. 所定の経路に沿って配置された複数本の光ファイバからの後方散乱光に基づいて、前記複数本の光ファイバの延伸方向の温度分布を温度測定部が測定し、
    前記所定の経路において前記温度測定部が測定した複数の温度分布の相関に基づいて、前記光ファイバの距離方向における前記複数の温度分布を平均化処理部が平均化する、ことを特徴とする温度測定方法。
  10. コンピュータに、
    所定の経路に沿って配置された複数本の光ファイバからの後方散乱光に基づいて前記複数本の光ファイバの延伸方向の温度分布を測定する処理と、
    前記所定の経路において前記温度分布を測定する処理によって測定された複数の温度分布の相関に基づいて、前記光ファイバの距離方向における前記複数の温度分布を平均化する処理と、を実行させることを特徴とする温度測定プログラム。
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