JP6786940B2 - 発熱検知装置、発熱検知方法および発熱検知プログラム - Google Patents

発熱検知装置、発熱検知方法および発熱検知プログラム Download PDF

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Description

本件は、発熱検知装置、発熱検知方法および発熱検知プログラムに関する。
発熱物質が貯蔵されている貯蔵場所においては、発熱物質が発熱するおそれがある。例えば、貯炭場では、石炭火力発電、製鉄等に使用される石炭が貯蔵されている。貯炭場では、幅数m〜数十m、長さ百〜数百mほどの広さの領域に石炭が貯蔵されている。石炭は、常温でも空気中の酸素と反応して発熱し、200℃を超えると発火する恐れがある。そのため、定期的に散水することで、発火、粉塵の飛散等を防いでいる。しかしながら、濡れた石炭は、使用時に乾燥させる必要がある。濡れた石炭を乾燥させるためにはエネルギーが必要となるため、効率が低下するおそれがある。そのため、石炭の温度を監視や予測しながら必要な場所に必要な量を散水することで効率化を図っている(特許文献1参照)。
特開平1−113628号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、貯蔵されている発熱物質の内部の発熱を検知することが困難である。
1つの側面では、本件は、発熱物質の発熱を検知することができる発熱検知装置、発熱検知方法および発熱検知プログラムを提供することを目的とする。
1つの態様では、発熱検知装置は、貯蔵された発熱物質に液体を散液することで前記液体を供給する供給装置と、前記発熱物質に接触しつつ下方に通過した後の前記液体の温度分布を測定する測定装置と、前記測定装置によって測定された前記温度分布から前記発熱物質の発熱量分布を計算する計算部と、を備える。
発熱物質の発熱を検知することができる。
(a)は発熱検知装置の全体構成を例示するブロック図であり、(b)は全体制御部および計算部のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。 (a)および(b)は貯炭場を例示する図である。 温度測定装置の全体構成を表す概略図である。 後方散乱光の成分を表す図である。 (a)はレーザによる光パルス発光後の経過時間とストークス成分およびアンチストークス成分の光強度との関係を例示する図であり、(b)は(a)の検出結果を用いて算出した温度である。 (a)〜(d)は計算部が用いるデータを例示する図である。 発熱検知装置によって実行される発熱検知処理を例示するフローチャートである。 (a)は石炭量と発熱量との関係を例示する図であり、(b)は石炭温度閾値を例示する図である。 閾値Wth(x,y)のテーブルを例示する図である。 (a)は散水を例示する図であり、(b)は発熱量分布を例示する図である。 (a)および(b)は光ファイバの他の配置を例示する図である。 (a)〜(c)は光ファイバの他の配置を例示する図である。 (a)〜(c)は光ファイバの他の配置を例示する図である。 発熱検知システムを例示する図である。
以下、図面を参照しつつ、実施例について説明する。
(実施形態)
図1(a)は、発熱検知装置100の全体構成を例示するブロック図である。図1(a)で例示するように、発熱検知装置100は、全体制御部110、散水装置120、温度測定装置130、水温測定装置140、水量測定装置150、計算部160などを備える。
全体制御部110は、所定の周期および計算部160の計算結果に応じて、散水装置120に散水の指示を行う。散水装置120は、スプリンクラーなどであり、全体制御部110の指示に従って、貯蔵されている石炭等の発熱物質に散水を行う。本実施形態においては、発熱物質の一例として石炭に着目する。散水装置120は、貯蔵石炭の全体に散水することができ、貯蔵石炭の所定箇所を特定して散水することもできる。
温度測定装置130は、散水装置120によって散水されて貯蔵石炭に接触しつつ下方に通過した水の温度分布を測定する。水温測定装置140は、散水装置120によって散水される前の水の温度を測定する。水量測定装置150は、貯蔵石炭の各位置の通過水量を測定する。例えば、水量測定装置150は、散水箇所および散水量を取得することで、貯蔵石炭の各位置の通過水量を測定することができる。または、散水箇所および散水量と、貯蔵石炭の各位置の通過水量との関係をテーブル等で保持しておくことで、貯蔵石炭の各位置の通過水量を取得するようにしてもよい。
計算部160は、温度測定装置130、水温測定装置140および水量測定装置150の測定結果に応じて、散水装置120による散水の必要性に係るパラメータを計算し、全体制御部110に送信する。
図1(b)は、全体制御部110および計算部160のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。図1(b)で例示するように、全体制御部110および計算部160は、CPU101、RAM102、記憶装置103、インタフェース104などを備える。これらの各機器は、バスなどによって接続されている。CPU(Central Processing Unit)101は、中央演算処理装置である。CPU101は、1以上のコアを含む。RAM(Random Access Memory)102は、CPU101が実行するプログラム、CPU101が処理するデータなどを一時的に記憶する揮発性メモリである。記憶装置103は、不揮発性記憶装置である。記憶装置103として、例えば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリなどのソリッド・ステート・ドライブ(SSD)、ハードディスクドライブに駆動されるハードディスクなどを用いることができる。CPU101が記憶装置103に記憶されている発熱検知プログラムを実行することによって、発熱検知装置100に全体制御部110および計算部160が実現される。なお、全体制御部110および計算部160は、専用の回路などのハードウェアであってもよい。
図2(a)は、貯炭場を例示する図である。図2(a)で例示するように、所定の平面を有する貯蔵領域201に石炭が山積されて貯蔵されている。一例として、貯蔵領域201は、幅数m〜数十m、長さ百〜数百mほどの広さの矩形領域である。石炭は、所定の大きさを有する塊状、粒状等の物質である。散水装置120は、例えば、複数のスプリンクラーであり、貯蔵石炭202の周囲において所定の間隔を空けて配置されている。
例えば、貯蔵領域201の対向する2辺に沿って2本の排水溝203が設けられている。散水装置120から貯蔵石炭202に散水された水は、貯蔵石炭202に接触しつつ下方に通過し、排水溝203によって回収される。2本の排水溝203によって回収された水は、合流して排水される。
図2(b)で例示するように、貯蔵領域201の床下に、光ファイバ30が敷設されている。光ファイバ30は、一方の排水溝203から他方の排水溝203まで(例えば各排水溝203の延伸方向に対して垂直に)延び、排水溝203の延伸方向に所定の間隔を空けて折り返し、当該折り返しを繰り返して蛇行する。光ファイバ30は、温度測定装置130の一部をなす。
図3は、温度測定装置130の全体構成を表す概略図である。図3で例示するように、温度測定装置130は、測定機10、制御部20、光ファイバ30などを備える。測定機10は、レーザ11、ビームスプリッタ12、光スイッチ13、フィルタ14、複数の検出器15a,15bなどを備える。制御部20は、指示部21、温度測定部22、記憶部23などを備える。
レーザ11は、半導体レーザなどの光源であり、指示部21の指示に従って所定の波長範囲のレーザ光を出射する。本実施形態においては、レーザ11は、所定の時間間隔で光パルス(レーザパルス)を出射する。ビームスプリッタ12は、レーザ11が出射した光パルスを光スイッチ13に入射する。光スイッチ13は、入射された光パルスの出射先(チャネル)を切り替えるスイッチである。ダブルエンド方式では、光スイッチ13は、指示部21の指示に従って、光ファイバ30の第1端および第2端に一定周期で交互に光パルスを入射する。シングルエンド方式では、光スイッチ13は、指示部21の指示に従って、光ファイバ30の第1端または第2端のいずれか一方に光パルスを入射する。光ファイバ30は、温度測定対象の所定の経路に沿って配置されている。本実施形態においては、図2(b)で例示したように配置されている。
光ファイバ30に入射した光パルスは、光ファイバ30を伝搬する。光パルスは、伝搬方向に進行する前方散乱光および帰還方向に進行する後方散乱光(戻り光)を生成しながら徐々に減衰して光ファイバ30内を伝搬する。後方散乱光は、光スイッチ13を通過してビームスプリッタ12に再度入射する。ビームスプリッタ12に入射した後方散乱光は、フィルタ14に対して出射される。フィルタ14は、WDMカプラなどであり、後方散乱光を長波長成分(後述するストークス成分)と短波長成分(後述するアンチストークス成分)とを抽出する。検出器15a,15bは、受光素子である。検出器15aは、後方散乱光の短波長成分の受光強度を電気信号に変換して温度測定部22に送信する。検出器15bは、後方散乱光の長波長成分の受光強度を電気信号に変換して温度測定部22に送信する。温度測定部22は、ストークス成分およびアンチストークス成分を用いて、光ファイバ30の延伸方向の温度分布を測定する。記憶部23は、温度測定部22が測定した温度分布を記憶する。
図4は、後方散乱光の成分を表す図である。図4で例示するように、後方散乱光は、大きく3種類に分類される。これら3種類の光は、光強度の高い順かつ入射光波長に近い順に、OTDR(光パルス試験器)などに使用されるレイリー散乱光、歪測定などに使用されるブリルアン散乱光、温度測定などに使用されるラマン散乱光である。ラマン散乱光は、温度に応じて変化する光ファイバ30内の格子振動と光との干渉で生成される。強めあう干渉によりアンチストークス成分と呼ばれる短波長成分が生成され、弱めあう干渉によりストークス成分とよばれる長波長成分が生成される。
図5(a)は、レーザ11による光パルス発光後の経過時間と、ストークス成分(長波長成分)およびアンチストークス成分(短波長成分)の光強度との関係を例示する図である。経過時間は、光ファイバ30における伝搬距離(光ファイバ30における位置)に対応している。図5(a)で例示するように、ストークス成分およびアンチストークス成分の光強度は、両方とも経過時間とともに低減する。これは、光パルスが前方散乱光および後方散乱光を生成しながら徐々に減衰して光ファイバ30内を伝搬することに起因する。
図5(a)で例示するように、アンチストークス成分の光強度は光ファイバ30において高温になる位置では、ストークス成分と比較してより強くなり、低温になる位置では、ストークス成分と比較してより弱くなる。したがって、両成分を検出器15a,15bで検出し、両成分の特性差を利用することによって、光ファイバ30内の各位置の温度を検出することができる。なお、図5(a)において、極大を示す領域は、相対的に高温の領域である。また、極小を示す領域は、相対的に低温の領域である。
本実施形態においては、温度測定部22は、経過時間ごとにストークス成分とアンチストークス成分とから温度を測定する。それにより、光ファイバ30内における各位置(各区画)の温度を測定することができる。すなわち、光ファイバ30の延伸方向における温度分布を測定することができる。なお、両成分の特性差を利用することから、距離に応じて両成分の光強度が減衰しても、高精度で温度を測定することができる。図5(b)は、図5(a)の検出結果を用いて算出した温度である。図5(b)の横軸は、経過時間を基に算出した光ファイバ30内の位置である。図5(b)で例示するように、ストークス成分およびアンチストークス成分を検出することによって、光ファイバ30内の各位置の温度を測定することができる。
検出器15a,15bで得られるストークス成分およびアンチストークス成分は、光ファイバ30内における光パルス幅の積分値である。したがって、検出器15a,15bが出力する電気信号は、光パルス幅の影響を受ける。その結果、光パルス幅よりも小さい熱源の温度を直線状の光ファイバで正確に測定することは、困難である。したがって、光パルス幅よりも小さい熱源の温度を光ファイバで測定する場合には、光ファイバを捲回させるなどして、当該熱源に接する光ファイバ長を大きくすることが好ましい。正確に温度を測定できる最小の光ファイバ長を、最小加熱長と称する。例えば、最小加熱長は、光パルス幅と一致する。
続いて、計算部160による計算について詳述する。まず、計算部160が用いるデータについて説明する。図6(a)は、光ファイバ30の各位置における測定温度の時系列データを例示する図である。図6(a)で例示するように、光ファイバ30の各位置における測定温度は、所定の時間間隔で記憶部23に記憶されている。図6(b)は、光ファイバ30の各位置と、貯蔵領域201の各位置(xy座標)との対応関係を例示する図である。図6(b)のテーブルは、記憶部23に記憶されている。図6(a)の測定温度および図6(b)のテーブルを用いることで、貯蔵領域201の各位置(xy座標)に対して通過してくる水の温度を得ることができる。
図6(c)は、散水装置120による散水履歴を例示する図である。図6(c)で例示するように、散水履歴には、散水前の水温、散水場所および散水量が含まれている。散水履歴は、全体制御部110に記憶されている。図6(d)は、貯蔵領域201の各位置(xy座標)における石炭量を例示する図である。図6(d)のテーブルは、事前に作成しておくことができる。図6(d)のテーブルは、全体制御部110に記憶されている。
図7は、発熱検知装置100によって実行される発熱検知処理を例示するフローチャートである。図7で例示するように、全体制御部110は、散水装置120に、貯蔵石炭202の全体に散水するように指示する(ステップS1)。それにより、散水装置120は、貯蔵石炭202の全体に散水する。この場合の散水条件は、図6(c)の散水履歴テーブルに格納される。
次に、貯蔵石炭202を水が通過するのに要する時間が経過した後、計算部160は、記憶部23から最新の測定温度を取得し、記憶部23から図6(b)の対応関係を取得する。さらに、計算部160は、全体制御部110から最新の散水履歴を取得し、全体制御部110から図6(d)の対応関係を取得する(ステップS2)。
次に、計算部160は、ステップS2で取得したデータを用いて、貯蔵領域201の各位置(x,y)において貯蔵石炭202を通過した水が得た水の熱量W(x,y)を計算する(ステップS3)。貯蔵領域201の各位置(x,y)の散水量をQ(x,y)とし、散水前の水温をTとする。各位置(x,y)において貯蔵石炭202を通過した水の水温をT´(x,y)とする。水の比熱をcとする。この場合、各位置(x,y)の熱量W(x,y)は、下記式(1)のように表すことができる。
W(x,y)=c×Q(x,y)×(T´(x,y)−T) (1)
次に、計算部160は、貯蔵領域201の各位置(x,y)の熱量W(x,y)が閾値を上回ったか否かを判定する(ステップS4)。なお、ステップS3で計算される各位置の熱量W(x,y)は、各位置の石炭量を考慮していない。例えば、図8(a)で例示するように、石炭の発熱量が少なくても石炭量が多い位置においては計算される熱量は多くなり、石炭量が少なくても石炭の発熱量が多い位置においては計算される熱量は多くなる。したがって、単純に熱量W(x,y)を比較しても、局所的な発熱を検知することは困難である。そこで、各位置の石炭量に応じて、熱量W(x,y)の大小を判断するための閾値を変化させてもよい。
例えば、各位置の閾値Wth(x,y)は以下のように算出することができる。散水前の各位置(x,y)における石炭の温度をT(x,y)とする。散水後の各位置(x,y)における石炭の温度をT´(x,y)とする。各位置(x,y)における石炭量をQとする。石炭の比熱をCとする。石炭温度閾値をTthとする。Tthは、図8(b)で例示するように、赤熱して発火するおそれがある危険温度域の下限値としてもよく、当該下限値よりも低い温度としてもよい。
熱交換率εは、下記式(2)のように表すことができる。石炭が失った熱量は、水が奪った熱量と同等であるため、下記式(3)が成立する。T´(x,y)がTthを上回った場合に熱量W(x,y)が多くなったと判断することができるため、各位置の閾値Wth(x,y)は、一例として、下記式(4)のように表すことができる。例えば、閾値Wth(x,y)は、事前測定、シミュレーションなどによって、全体制御部110がテーブルとして保持していてもよい。図9は、閾値Wth(x,y)のテーブルを例示する図である。
ε=(T´−T)/(T−T´) (2)
×Q×(T−T´)=c×Q×(T´−T) (3)
th(x,y)=f(Tth)
=C×Q(x,y)×(T+(T´(x,y)−T)/ε−Tth) (4)
次に、全体制御部110は、熱量W(x,y)が閾値Wth(x,y)を超えたか否かを判定する(ステップS4)。ステップS4において「Yes」と判定された場合、当該位置(x,y)に散水されるように散水装置120を制御する(ステップS5)。その後、ステップS2が再度実行される。ステップS4において「No」と判定された場合、所定時間経過後にステップS1が再度実行される。
本実施例によれば、図10(a)で例示するように、貯蔵石炭202に対して散水装置120から散水される。図10(a)の例では、黒印が水滴を表している。光ファイバ30を用いることで、貯蔵石炭202に接触しつつ通過した水の温度分布を測定することができる。図10(b)で例示するように、得られた温度分布から場所ごとの貯蔵石炭202の発熱量分布を計算することができる。この場合、貯蔵石炭202の表面だけではなく内部の発熱を検知することができる。図10(b)では、領域Aが高温領域である。また、温度センサを回収する工程なども不要である。したがって、本実施例によれば、工程を抑制しつつ発熱物質の発熱を検知することができる。
また、発熱量分布を計算することで、散水装置120によって散水すべき箇所を特定することができる。この場合、必要な箇所にだけ散水することができるため、散水が不要な箇所への散水が抑制される。それにより、乾燥などに要するエネルギーを抑制することができる。
なお、発熱物質の一例である石炭は、常温でも空気中の酸素と反応して発熱し、自然発火するおそれがある。石炭は、全体が発熱するのではなく局所的に発熱する傾向にある。本実施例のように流体の温度分布を測定することで発熱量分布を計算すれば、局所的な発熱を検知することができる。したがって、本実施例は、石炭を対象とすることで特に顕著な効果を発揮する。
また、本実施例においては、流体の一例として水を用いているが、それに限られない。例えば、他の液体などを用いてもよい。または、空気などの気体を流体の一例として用いてもよい。また、本実施例においては、発熱物質の一例として石炭を用いているが、それに限られない。例えば、鉄スクラップなどの他の発熱物質を発熱物質の一例として用いてもよい。
(変形例1)
光ファイバ30の配置は、図2(b)に限定されるものではない。例えば、図11(a)および図11(b)で例示するように、光ファイバ30は、各排水溝203に、排水溝203の延伸方向に沿って延びるように配置されていてもよい。例えば、散水装置120による散水によって貯蔵石炭202を通過した水の流動方向が予め得られていれば、光ファイバ30の各位置の測定温度から、各位置(x,y)の熱量を得ることができる。または、各位置(x,y)の熱量を得ることが困難であれば、水の流れから、所定のxy範囲の熱量を得てもよい。
(変形例2)
例えば、図12(a)で例示するように、貯蔵領域201が断面V字の凹部となっている場合がある。この場合、貯蔵石炭202を通過した水は、貯蔵領域201の傾斜面によって下方へと流動する。そこで、図12(b)で例示するように、例えば、光ファイバ30は、傾斜方向に沿って上側および下側のいずれかから他方側へ延び、断面V字の奥行方向に所定の間隔を空けて折り返し、当該折り返しを繰り返して蛇行する。この構成では、貯蔵石炭202を通過した水の流動方向が予め得られるため、光ファイバ30の各位置の測定温度から、各位置(x,y)の熱量を得ることができる。
または、図12(c)で例示するように、光ファイバ30は、貯蔵領域201の最下部において、断面V字の奥行方向に延びるように敷設されていてもよい。この場合、貯蔵石炭202を通過した水は、傾斜面に沿って下方に流動する。したがって、散水装置120による散水によって貯蔵石炭202を通過した水の流動方向が予め得られることになるため、光ファイバ30の各位置の測定温度から、各位置(x,y)の熱量を得ることができる。または、各位置(x,y)の熱量を得ることが困難であれば、光ファイバ30が延びる方向の範囲の熱量を得てもよい。
(変形例3)
例えば、図13(a)で例示するように、貯蔵領域201の床を透水性舗装によって形成し、貯蔵領域201の下方に貯水槽204を設けてもよい。図13(b)および図13(c)で例示するように、光ファイバ30は、透水性舗装内に敷設することができる。変形例2では、貯蔵石炭202を通過した水は、透水性舗装からさらに下方の貯水槽204に落下する。この場合、水が貯蔵領域201上を流動することが抑制されるため、光ファイバ30による温度測定精度が向上する。
(他の例)
図14は、発熱検知システムを例示する図である。図14で例示するように、発熱検知システムは、測定機10が、インターネットなどの電気通信回線301を通じてクラウド302と接続された構成を有する。また、発熱検知システムは、電気通信回線301に接続され、測定機10が設置されている貯蔵領域201を監視する監視サーバ303を備えていてもよい。
クラウド302は、図1(b)のCPU101、RAM102、記憶装置103、インタフェース104などを備え、全体制御部110および計算部160としての機能を実現する。このような発熱検知システムでは、例えば、外国の発電所の貯蔵領域201で測定された測定結果が、日本に設置されているクラウド302で受信し、貯蔵領域201で発熱が発生しているか否かがクラウド302によって検知される。ステップS4で出力された結果が、監視サーバ303に送信される。なお、クラウド302の代わりに、イントラネットなどを介して接続されたサーバを用いてもよい。
なお、上記各例において、散水装置120が、貯蔵された発熱物質に流体を供給する供給装置の一例として機能する。温度測定装置130が、発熱物質を通過した流体の温度分布を測定する測定装置の一例として機能する。計算部160が、測定装置によって測定された温度分布から発熱物質の発熱量分布を計算する計算部の一例として機能する。全体制御部110が、計算部が計算した発熱量分布に応じて、供給装置によって流体を供給する箇所を特定する特定部の一例として機能する。インタフェース104が、貯蔵された発熱物質を通過した流体の温度分布を取得する取得部の一例として機能する。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
10 測定機
11 レーザ
12 ビームスプリッタ
13 光スイッチ
14 フィルタ
15a,15b 検出器
20 制御部
21 指示部
22 温度測定部
23 記憶部
30 光ファイバ
100 発熱検知装置
110 全体制御部
120 散水装置
130 温度測定装置
140 水温測定装置
150 水量測定装置
160 計算部
201 貯蔵領域
202 貯蔵石炭
203 排水溝

Claims (12)

  1. 貯蔵された発熱物質に液体を散液することで前記液体を供給する供給装置と、
    前記発熱物質に接触しつつ下方に通過した後の前記液体の温度分布を測定する測定装置と、
    前記測定装置によって測定された前記温度分布から前記発熱物質の発熱量分布を計算する計算部と、を備えることを特徴とする発熱検知装置。
  2. 前記計算部が計算した発熱量分布に応じて、前記供給装置によって前記液体を供給する箇所を特定する特定部を備えることを特徴とする請求項1記載の発熱検知装置。
  3. 前記特定部は、前記発熱物質の発熱量が閾値を超える場所を、前記液体を供給する箇所として特定し、
    前記閾値は、場所ごとの前記発熱物質の量に応じた値であることを特徴とする請求項2記載の発熱検知装置。
  4. 前記発熱物質は、石炭であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の発熱検知装置。
  5. 前記測定装置は、前記発熱物質が貯蔵された貯蔵領域の床下に配置された光ファイバに光を入射し、前記光ファイバからの後方散乱光に基づいて各測定点の温度を測定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の発熱検知装置。
  6. 前記貯蔵領域は、液体透過性材料であり、
    前記測定装置は、前記液体透過性材料を透過する前記液体の温度を測定することで、前記液体の温度分布を測定することを特徴とする請求項5記載の発熱検知装置。
  7. 前記発熱物質に接触しつつ下方に通過した前記液体を回収する排水溝と、
    前記排水溝に、排水溝の延伸方向に延びるように配置された光ファイバと、を備え、
    前記測定装置は、前記光ファイバからの後方散乱光に基づいて各測定点の温度を測定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の発熱検知装置。
  8. 前記発熱物質が配置されている面は、傾斜しており、
    前記発熱物質が配置されている面において傾斜方向に沿った光ファイバが延びるように配置されており、
    前記測定装置は、前記光ファイバからの後方散乱光に基づいて各測定点の温度を測定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の発熱検知装置。
  9. 前記発熱物質が配置されている面は、断面V字状に傾斜しており、
    前記光ファイバは、前記断面V字の奥行方向にも延びていることを特徴とする請求項8に記載の発熱検知装置。
  10. 貯蔵された発熱物質に供給装置が液体を散液することで前記液体を供給し、
    前記発熱物質に接触しつつ下方に通過した後の前記液体の温度分布を測定装置が測定し、
    前記測定装置によって測定された前記温度分布から前記発熱物質の発熱量分布を計算装置が計算する、ことを特徴とする発熱検知方法。
  11. コンピュータに、
    貯蔵された発熱物質に液体を散液して前記発熱物質に接触しつつ下方に通過した後の前記液体の温度分布から前記発熱物質の発熱量分布を計算する処理を実行させることを特徴とする発熱検知プログラム。
  12. 貯蔵された発熱物質に液体を散液して前記発熱物質に接触しつつ下方に通過した後の前記液体の温度分布を取得する取得部と、
    前記取得部が取得した前記温度分布から前記発熱物質の発熱量分布を計算する計算部、を備えることを特徴とする発熱検知装置。
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