JP6688024B2 - コラーゲンペプチド及びセラミドを含有する組成物とその製造方法 - Google Patents
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Description
(2)セラミド原料が、固形分中の脂質含量が85重量%以上である、(1)に記載の組成物。
(3)セラミド原料が、牛乳由来のリン脂質を含有する、(1)又は(2)に記載の組成物。
(4)セラミド原料がシクロデキストリンに包接されているセラミド含有顆粒を含有する、(1)〜(3)のいずれか一つに記載の組成物。
(5)シクロデキストリンがγ−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、又はα−シクロデキストリンである、(4)に記載の組成物。
(6)シクロデキストリンがγ−シクロデキストリンである、(4)に記載の組成物。
(7)コラーゲンペプチド含有顆粒が、コラーゲンペプチドと糖質原料を含有することを特徴とする、(1)〜(6)のいずれか一つに記載の組成物。
(8)水分含量が6重量%以下である、(1)〜(7)のいずれか一つに記載の組成物。
(9)コラーゲンペプチドを造粒してコラーゲンペプチド含有顆粒を得る工程、固形分中の脂質含量が70重量%以上であるセラミド原料を造粒してセラミド含有顆粒を得る工程、及び前記コラーゲンペプチド含有顆粒と前記セラミド含有顆粒とを水分6%以下の環境で混合することにより組成物を得る工程を含む、コラーゲンペプチド及びセラミドを含有する組成物を製造する方法。
コラーゲンは、牛や豚等の家畜や魚を加工する際に副生する皮、骨、靭帯、腱、軟骨等から抽出して製造される。本発明において「コラーゲンペプチド」とは、前記のように抽出されたコラーゲン又はゼラチンを、酵素や化学的処理等により分解して得られたものである。コラーゲンペプチドの起源は適宜選択することができるが、魚由来が好ましい。
本発明における「コラーゲンペプチド含有顆粒」とは、コラーゲンペプチドを造粒することによって得られる顆粒である。一般的に、造粒されていない粉末状のコラーゲンペプチドは、水になじみにくい上に粉末自体が軽いため、水の上に浮いてしまう。これを溶かそうとして撹拌すると、粉末表面に膜が形成されて継粉が発生してしまう。コラーゲンペプチド含有顆粒は、空隙の多い多孔質な構造であることから、水が顆粒内に侵入しやすくなる。そのため、コラーゲンペプチド含有顆粒は水に対する分散性に優れている。コラーゲンペプチド含有顆粒を得るための造粒方法として、流動層造粒、押出造粒、圧縮造粒、スプレードライ等が挙げられるが、特に流動層造粒が好ましい。また、コラーゲンペプチド含有顆粒は、前記した造粒工程の後、任意で乾燥工程や冷却工程を経て得られるものも含む。
[セラミド原料]
本発明において「セラミド」とは、スフィンゴ脂質の一種であり、スフィンゴシンと脂肪酸および糖が結合した構造を有し、かつ天然に由来するものをいう。例えば、牛乳、卵等より抽出した動物由来のもの、小麦、米、大豆、こんにゃく芋、トウモロコシ等より抽出した植物由来のもの、酵母等より抽出した微生物由来のもの等が挙げられる。これらのセラミドは、公知の抽出方法により得ることができる。さらに、前記した公知の抽出方法に加えて、乳化剤等をコーティングする加工工程を経て得ることもできる。本発明において「セラミド原料」とは、前記したセラミドを含有するものである。
本発明において「セラミド原料を含有する顆粒」(セラミド含有顆粒)とは、前記したセラミド原料を造粒することによって得られる顆粒である。セラミド原料の造粒方法としては、流動層造粒、押出造粒、圧縮造粒、スプレードライ等が挙げられるが、特に流動層造粒が好ましい。また、セラミド含有顆粒は、前記した造粒工程の後、任意で乾燥工程や冷却工程を経て得られるものも含む。
まず、セラミド原料及び包接剤を水等の溶媒に溶解させ、必要に応じて結合剤を加えた後、続けてコア(デキストリン、デンプン等)に対して噴き付けて造粒することにより製造することができる。または、セラミド原料及び包接剤を水等の溶媒に溶解させた液を噴霧乾燥等の手段によって乾燥させることにより、セラミド含有顆粒を得ることもできる。前記顆粒中において、セラミド原料と包接剤との重量比率は、1:0.5〜1:5であることが好ましく、1:1〜1:2であることがより好ましく、1:1.5〜1:2であることが特に好ましい。
脂質含量が高いセラミド原料をそのまま組成物に添加すると偏析が起きるため、得られる組成物の品質は好ましくないものとなる。このような組成物を粉末飲料として用いることは好ましくない。そこで、セラミド原料とバインダーを溶解させた液を、コラーゲンペプチドに噴き付けて造粒することにより、各成分が均一に分散した組成物を得ることができる。しかしながら、得られた組成物は、造粒工程中に褐変化して好ましくない臭気を発生する。これは、高温かつ水分が存在する環境下でコラーゲンペプチドとセラミド原料が結着した際に何らかの反応が生じたことが原因と推定される。そのため、造粒工程中の褐変化と臭気を抑制するためには、脂質含量が高いセラミド原料とコラーゲンペプチドとを水分の存在する環境下で接触することなく組成物中に含有させることが重要である。
(ベース粉末)
コラーゲンペプチド(新田ゼラチン製コラーゲンペプチド、分子量約3000):150重量部、アスコルビン酸ナトリウム:10重量部、トレハロース微粉:100重量部、マルトデキストリン:40重量部
(バインダー液)
アラビアガム:0.5重量部、セラミド原料(乳由来リン脂質、脂質含量85重量%、フォンテラジャパン製):10重量部を、撹拌されている水40重量部に加えて溶解させた。
表1に記載した各試験区のサンプルを調製した。本試験例で使用した原料は、比較例1に使用した原料と同じものを用いた。試験区1−1は、未処理のコラーゲンペプチドとした。試験区1−2は、コラーゲンペプチド400重量部を100℃で30分間乾燥することによって調製した。試験区1−3〜1−8は、流動層造粒機にベース粉末原料を入れて、85℃で流動させながらバインダー液を噴霧して造粒した後、100℃で30分間乾燥させることによって調製した。
平均分子量約5,000、約3,000、約2,000、約1,800を有するコラーゲンペプチド(いずれも新田ゼラチン製)をそれぞれ原料として組成物を調製した。流動層造粒機にベース粉末(前記コラーゲンペプチド280重量部)を投入して流動させながら、バインダー液(水30重量部、比較例1と同じセラミド原料17重量部)を85℃で噴霧して造粒した後、100℃で30分間乾燥させた。得られた各組成物をアルミパウチ袋に封入して、23℃、40℃、60℃でそれぞれ1週間保存した。保存後の各組成物について香りと色差を評価した。色差の評価結果を表2に示した。
[セラミド含有顆粒の調製]
流動層造粒機にデキストリン(マルトデキストリン、松谷化学工業製)110重量部を85℃で流動させながら、バインダー液(水40重量部、セラミド原料(乳由来リン脂質、脂質含量85重量%、フォンテラジャパン製):10重量部)を噴霧することにより、セラミド含有顆粒1を調製した。得られた前記顆粒を100℃で15分間乾燥させた後、2分間エアーをあてて冷却した。
(ベース粉末)
コラーゲンペプチド(新田ゼラチン製コラーゲンペプチド、分子量約3000):150重量部、糖質原料(トレハロース微粉):100重量部
(バインダー液)
アラビアガム1.0重量部を、撹拌されている水50重量部に加えて溶解させた。
流動層造粒機に、上記ベース粉末原料を入れて85℃で流動させながら、上記バインダー液を噴霧することにより、コラーゲンペプチド含有顆粒1を得た。
前記コラーゲンペプチド含有顆粒1及び前記した冷却後のセラミド含有顆粒1を水を加えずに混合することにより、組成物1−1を調製した。混合時の装置内の水分量は6%以下であった。さらに、組成物1−1にアスコルビン酸ナトリウム粉末9重量部を加えて均一になるまで混合した。得られた混合物を流動層造粒機において85℃で流動させながら、香料3重量部及び乳化剤2.4重量部を噴霧し、100℃で15分間乾燥させた後、2分間エアーをあてて冷却することにより、組成物1−2を得た。得られた組成物1−1及び1−2は、セラミドとコラーゲンペプチドが均一に分散されたものであり、水分含量は6重量%以下であった。また、いずれの組成物も、造粒工程を含む製造工程中において褐変化することなく製造することができた。
[セラミド含有顆粒の調製]
流動層造粒機に表3に示した各ベース粉末(マルトデキストリン、松谷化学工業製)を85℃で流動させながら、バインダー液を噴霧することにより、セラミド含有顆粒2−1〜2−4をそれぞれ調製した。バインダー液は、水、包接剤(γ−シクロデキストリン、商品名「CAVAMAX(R) W8 Food」、シクロケム社製)、セラミド原料(乳由来リン脂質、脂質含量85重量%、フォンテラジャパン製)を混合することにより調製した。得られた各セラミド含有顆粒は85℃で10分間乾燥された後、2分間エアーをあてて冷却された。
流動層造粒機に、ベース粉末(原料は実施例1で使用したものと同じ、コラーゲンペプチド:370重量部、糖質原料:180重量部)を入れて85℃で流動させながら、バインダー液(水:100重量部、アラビアガム:2.0重量部)を噴霧することにより、コラーゲンペプチド含有顆粒2を得た。
[セラミド含有顆粒の調製]
(セラミド含有顆粒3−1)
流動層造粒機にベース粉末(マルトデキストリン、松谷化学工業製)240重量部を85℃で流動させながら、バインダー液を噴霧することにより、セラミド含有顆粒3−1を調製した。バインダー液は、水:400重量部、包接剤(α−シクロデキストリン、商品名「CAVAMAX(R) W6 Food」、シクロケム社製):44重量部、セラミド原料(乳由来リン脂質、脂質含量85重量%、フォンテラジャパン製):22重量部を混合することにより調製した。得られた顆粒は85℃で10分間乾燥された後、2分間エアーをあてて冷却された。
(セラミド含有顆粒3−2)
上記顆粒3−1のバインダー液を、水:200重量部、包接剤(γ−シクロデキストリン(商品名「CAVAMAX(R) W8 Food」、シクロケム社製):44重量部、セラミド原料:22重量部に置き換えて、同様にしてセラミド含有顆粒3−2を得た。
[セラミド含有顆粒の調製]
流動層造粒機にベース粉末としてマルトデキストリン(松谷化学工業製)190重量部を85℃で流動させながら、バインダー液(セラミド原料(乳由来リン脂質、脂質含量85重量%、フォンテラジャパン製)15重量部を温水60重量部に混合することにより調製)を噴霧することにより、セラミド含有顆粒4−1を調製した。
流動層造粒機に、ベース粉末(原料は実施例1で使用したものと同じ、コラーゲンペプチド:370重量部、糖質原料:175重量部)を入れて85℃で流動させながら、バインダー液(水:200重量部、アラビアガム:2.0重量部)を噴霧することにより、コラーゲンペプチド含有顆粒4−1を得た。
Claims (15)
- コラーゲンペプチドを含有し、セラミド原料を含有しないコラーゲンペプチド含有顆粒と、
固形分中の脂質含量が70重量%以上であるセラミド原料を含有し、コラーゲンペプチドを含有しないセラミド含有顆粒と
を含んでなる、水分含量が6重量%以下である組成物。 - 前記セラミド含有顆粒は、デキストリン、デンプン、結晶セルロース及び糖質原料からなる群から選択される1種以上を含むコアを含有する、請求項1に記載の組成物。
- 前記セラミド含有顆粒のセラミド原料が、固形分中の脂質含量が85重量%以上である、請求項1又は2に記載の組成物。
- 前記セラミド含有顆粒のセラミド原料が、牛乳由来のリン脂質を含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
- 前記セラミド含有顆粒のセラミド原料が包接剤に包接されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記包接剤がシクロデキストリンである、請求項5に記載の組成物。
- 前記シクロデキストリンがγ−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、又はα−シクロデキストリンである、請求項6に記載の組成物。
- 前記シクロデキストリンがγ−シクロデキストリンである、請求項6に記載の組成物。
- 前記コラーゲンペプチド含有顆粒が、コラーゲンペプチドと糖質原料を含有することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記組成物は、前記コラーゲンペプチド含有顆粒と前記セラミド含有顆粒との混合顆粒の形態である、請求項1〜9のいずれかに記載の組成物。
- コラーゲンペプチドを造粒して、セラミド原料を含有しないコラーゲンペプチド含有顆粒を得る工程、
固形分中の脂質含量が70重量%以上であるセラミド原料を造粒して、コラーゲンペプチドを含有しないセラミド含有顆粒を得る工程、及び
前記コラーゲンペプチド含有顆粒と前記セラミド含有顆粒とを水分6%以下の環境で混合することにより組成物を得る工程を含む、コラーゲンペプチド及びセラミドを含有する組成物を製造する方法。 - 前記セラミド含有顆粒を得る工程において、デキストリン、デンプン、結晶セルロース及び糖質原料からなる群から選択される1種以上を含むコアを含有する前記セラミド含有顆粒を得る、請求項11に記載の方法。
- 前記セラミド含有顆粒を得る工程において、前記セラミド原料が包接剤に包接されている前記セラミド含有顆粒を得る、請求項11又は12に記載の方法。
- 前記包接剤がシクロデキストリンである、請求項13に記載の方法。
- 前記組成物は、前記コラーゲンペプチド含有顆粒と前記セラミド含有顆粒との混合顆粒の形態である、請求項11〜14のいずれかに記載の方法。
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