JP6686882B2 - ポリウレタン樹脂 - Google Patents

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Description

本発明は、少なくとも、主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオールと、ポリイソシアネートと、ポリロタキサンとを反応させて得られるポリウレタン樹脂に関する。
環状分子と、この環状分子を串刺し状に貫通する直鎖状分子と、この直鎖状分子の両末端に配置され、前記環状分子と直鎖状分子との分離を防止する封鎖基とを有するポリロタキサンが開発されている。このポリロタキサンにおいては、耐傷つき性に優れた硬化物を与える塗料の原料や、低圧縮永久歪などの特徴を持つエラストマーの原料として用いられる(特開2011−046917参照)。
中でも、ポリカーボネートポリオールと、ポリロタキサンを用いたウレタン樹脂用組成物は、低永久歪、低応力緩和特性、及び低ヒステリシスロスなどの特徴を持つことが知られており、建築用、パソコンや携帯電話等の情報機器用の塗料や、コーティング剤などへの利用が期待される(特開2011−241401号公報参照)。
一方で、主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオールとポリイソシアネートと鎖延長剤とを反応させて得られるポリウレタン樹脂が提案されている(特開2012−052103号公報参照)。
特開2011−046917号公報 特開2011−241401号公報 特開2012−052103号公報
しかしながら、特開2011−241401号公報に記載されている、脂肪族ポリカーボネートジオールを用いて得られるポリウレタン樹脂は、耐傷つき性に劣るという問題や、破断点応力が小さいという問題があった。また、特開2012−052103号公報に記載されているポリウレタン樹脂は、引張残留歪が大きいという問題があった。
よって本発明は、高い弾性率を持ち、高い破断点応力を有し、かつ、引張残留歪の小さいポリウレタン樹脂フィルムを与える、ポリウレタン樹脂を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記の従来技術の問題点を克服すべく種々の検討を行った結果、主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)とポリイソシアネート(B)と、ポリロタキサン(C)、必要に応じて使用できる鎖延長剤(D)とを反応して得られるポリウレタン樹脂であって、前記ポリロタキサン(C)が、ポリイソシアネートと反応しうる置換基を有する環状分子(Ca)と、この環状分子(Ca)の開口部を串刺し状に貫通する直鎖状分子(Cb)と、この直鎖状分子(Cb)の両末端に配置され、前記環状分子(Ca)と前記直鎖状分子(Cb)との分離を防止する封鎖基(Cc)とを有するポリウレタン樹脂とすることで上記の課題が解決できるとの知見を得て、本発明に至った。
本発明(1)は、主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)と、ポリイソシアネート(B)と、ポリロタキサン(C)と、必要に応じて使用できる鎖延長剤(D)とを反応させて得られるポリウレタン樹脂であって、前記ポリロタキサン(C)が、ポリイソシアネートと反応しうる置換基を有する環状分子(Ca)と、この環状分子(Ca)の開口部を串刺し状に貫通する直鎖状分子(Cb)と、この直鎖状分子(Cb)の両末端に配置され、前記環状分子(Ca)と前記直鎖状分子(Cb)との分離を防止する封鎖基(Cc)とを有するポリウレタン樹脂である。
本発明(2)は、ポリウレタン樹脂中の脂環含有率が、28〜33質量%である前記本発明(1)に記載のポリウレタン樹脂である。
本発明(3)は、ポリロタキサン(C)の質量添加率が、主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)、ポリイソシアネート(B)、ポリロタキサン(C)、必要に応じて使用できる鎖延長剤(D)の質量の総和に対し、10〜30質量%である前記本発明(1)又は(2)に記載のポリウレタン樹脂である。
本発明(4)は、主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)と、ポリイソシアネート(B)と、ポリロタキサン(C)と、必要に応じて使用できる鎖延長剤(D)とを含有する混合液、又は、
ポリイソシアネート(B)と主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)との反応生成物と、ポリロタキサン(C)と、必要に応じて使用できる鎖延長剤(D)とを含有する混合液、又は、
ポリイソシアネート(B)とポリロタキサン(C)との反応生成物と、主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)と、必要に応じて使用できる鎖延長剤(D)とを含有する混合液、
のいずれかの混合液を基材上に塗布し、加熱硬化させる工程を含む方法により得られる、前記本発明(1)〜(3)のいずれか一つに記載のポリウレタン樹脂及び基材を含む、積層体である。
本発明(5)は、主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)と、ポリイソシアネート(B)と、ポリロタキサン(C)と、必要に応じて使用できる鎖延長剤(D)とを含有する混合液、又は、
ポリイソシアネート(B)と主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)との反応生成物と、ポリロタキサン(C)と、必要に応じて使用できる鎖延長剤(D)とを含有する混合液、又は、
ポリイソシアネート(B)とポリロタキサン(C)との反応生成物と、主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)と、必要に応じて使用できる鎖延長剤(D)とを含有する混合液、
のいずれかの混合液を離型性基材上にキャスティングし、加熱硬化させて得られる前記本発明(1)〜(3)のいずれか一つに記載のポリウレタン樹脂からなるポリウレタン樹脂フィルムである。
本発明によれば、高い弾性率を持ち、高い破断点応力を有し、かつ、引張残留歪の小さいポリウレタン樹脂フィルムを与える、ポリウレタン樹脂を提供することができる。
<ポリウレタン樹脂>
ポリウレタン樹脂は、主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)とポリイソシアネート(B)と、ポリロタキサン(C)と、必要に応じて使用できる鎖延長剤(D)とを反応させて得られる。
本発明のポリウレタン樹脂中の脂環含有率は、好ましくは28〜33質量%である。ポリウレタン樹脂中の脂環含有率がこの範囲にあるとき、ポリウレタン樹脂硬化物(以下、単に「ポリウレタン樹脂」又は「硬化物」ということがある)に高い硬度とより小さい残留歪を与えられる傾向がある。ポリウレタン樹脂中の脂環含有率は、
ポリウレタン樹脂中の脂環含有率
=(原料中の脂環構造量(mol))×(脂環構造の分子量(g/mol))/(ポリウレタン樹脂を構成する各原料の仕込み量合計(g))
で表され、ポリカーボネートポリオール(PCP)中の脂環含有率は、
PCP中の脂環含有率
=(PCP1分子中の脂環構造の数(個))×(脂環構造の分子量(g/mol))/(PCPの数平均分子量(Mn))
で表される。
ポリオール中の脂環含有率とは、脂環式炭化水素から2つの水素原子を除いた部分(脂環式炭化水素残基)、例えば脂環構造がシクロヘキサン環である場合は、シクロヘキサンから2つの水素原子を除いた部分(シクロヘキサン残基)が、ポリオール中に質量百分率でどれくらい存在するかを示すものである。また、ポリウレタン樹脂中の脂環含有率とは、脂環式炭化水素残基がポリウレタン樹脂中に質量百分率でどれくらい存在するかを示すものである。
以下、ポリウレタン樹脂を構成する各成分について説明する。
<主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)>
本発明で用いられるポリカーボネートポリオールは、主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオールである。
一般的に、ポリカーボネートポリオールは、1種以上のポリオールモノマーと、炭酸エステルやホスゲンとを反応させることにより得られる。製造が容易な点及び末端塩素化物の副生成がない点から、1種以上のポリオールモノマーと、炭酸エステルとを反応させて得られるポリカーボネートポリオールが好ましい。
前記ポリオールモノマーのうち、少なくとも1種以上は、主鎖に脂環構造を有するポリオールモノマーを用いることにより、主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオールを得ることができる。主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)は、硬化物の強度が高くなるという観点から、また、作業性の観点から、1,4−シクロヘキサンジメタノールと1,6−ヘキサンジオールとからなるポリオール混合物及び炭酸エステルを反応させて得られたポリカーボネートポリオールが好ましい。
前記主鎖に脂環構造を有するポリオールモノマーとしては、特に制限されないが、例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロペンタンジオール、1,4−シクロヘプタンジオール、2,7−ノルボルナンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)シクロヘキサン等の主鎖に脂環構造を有するジオール等が挙げられる。
また、主鎖に脂環構造を有するポリオールモノマー以外のポリオールモノマーを併用する場合には、その種類は特に制限されない。例えば、脂肪族ポリオールモノマー、側鎖のみに脂環構造を有するポリオールモノマー、芳香族ポリオールモノマー、ポリエステルポリオールモノマー、ポリエーテルポリオールモノマー等を用いることができる。
前記脂肪族ポリオールモノマーとしては、特に制限されないが、例えば、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール等の直鎖状脂肪族ジオール;2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,9−ノナンジオール等の分岐鎖状脂肪族ジオール;トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の3官能以上の脂肪族多価アルコール等が挙げられる。
前記芳香族ポリオールモノマーとしては、特に制限されないが、例えば、1,4−ベンゼンジメタノール、1,3−ベンゼンジメタノール、1,2−ベンゼンジメタノール、4,4’−ナフタレンジメタノール、3,4’−ナフタレンジメタノール等が挙げられる。
前記ポリエステルポリオールモノマーとしては、特に制限されないが、例えば、6−ヒドロキシカプロン酸とヘキサンジオールとのポリエステルポリオール等のヒドロキシカルボン酸とジオールとのポリエステルポリオール、アジピン酸とヘキサンジオールとのポリエステルポリオール等のジカルボン酸とジオールとのポリエステルポリオール等が挙げられる。
前記ポリエーテルポリオールモノマーとしては、特に制限されないが、例えば、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールやポリテトラメチレングリコール等のポリアルキレングリコール等が挙げられる。
前記炭酸エステルとしては、特に制限されないが、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の脂肪族炭酸エステル、ジフェニルカーボネート等の芳香族炭酸エステル、エチレンカーボネート等の環状炭酸エステル等が挙げられる。その他に、ポリカーボネートポリオールを生成することができるホスゲン等も使用できる。中でも、ポリカーボネートポリオールの製造のしやすさから、脂肪族炭酸エステルが好ましく、ジメチルカーボネートが特に好ましい。
前記主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)の数平均分子量は500〜3000が好ましい。数平均分子量が500以上であるとき、硬化物の残留歪がより小さくなる傾向がある。また数平均分子量が3000以下であるとき、硬化物の強度が十分に高くなる傾向がある。
数平均分子量は、JIS K 0070に準拠して測定した水酸基価に基づいて算出した数平均分子量とする。具体的には、水酸基価を測定し、末端基定量法により、下記式を用いて算出する。
数平均分子量=(56.1×1000×価数)/水酸基価[mgKOH/g]
前記式中において、価数は1分子中の水酸基の数であり、[mgKOH/g]は水酸基価の単位である。
前記主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)は、一種類を単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。
前記主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)1分子当たりの平均水酸基数は、2〜5が好ましい。平均水酸基数が2以上であるとき、硬化物の強度が十分に高くなる傾向がある。平均水酸基数が5以下であるとき、硬化物の残留歪がより小さくなる傾向がある。
主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)の脂環含有率は、5〜70質量%が好ましく、さらに好ましくは10〜60質量%であり、特に好ましくは30〜45質量%である。脂環含有率が5質量%以上であるとき、硬化物の強度が十分に高くなる傾向がある。脂環含有率が70質量%以下であるとき、硬化物の残留歪がより小さくなる傾向がある。
ポリカーボネートポリオール(A)の脂環含有率は、先に記載した式によって導き出すことができる。
主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)の質量添加率は、主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)、ポリイソシアネート(B)、ポリロタキサン(C)、必要に応じて使用できる鎖延長剤(D)の質量の総和に対し、30〜90質量%が好ましく、さらに好ましくは、45〜80質量%である。主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)の添加量が30質量%以上であるとき、硬化物の強度が十分に高くなる傾向がある。主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)の添加量が90質量%以下であるとき、硬化物の残留歪がより小さくなる傾向がある。
<ポリイソシアネート(B)>
ポリイソシアネート(B)としては、特に制限されないが、例えば、芳香族イソシアネート、脂肪族イソシアネート、脂環式イソシアネート等が挙げられる。
芳香族イソシアネートとしては、特に制限されないが、例えば、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’,4’’−トリフェニルメタントリイソシアネート、m−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート、p−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族イソシアネートとしては、特に制限されないが、例えば、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート等が挙げられる。
脂環式イソシアネートとしては、特に制限されないが、例えば、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水素添加MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水素添加TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−ノルボルナンジイソシアネート、2,6−ノルボルナンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート(H6XDI)等が挙げられる。
ポリイソシアネート(B)は、硬化物の強度が高くなるという観点から、また、硬化物の耐光性を上げる観点から、脂環式イソシアネートを用いることが好ましく、作業性、反応性の観点から、水素添加キシリレンジイソシアネート(H6XDI)を用いることが好ましい。また、ポリイソシアネート(B)は、一種類を単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。
ポリイソシアネート(B)1分子当たりの平均イソシアナト基数は、2〜5が好ましい。平均イソシアナト基数が2以上であるとき、硬化物の強度が十分に高くなる傾向がある。平均官能基数が5以下であるとき、硬化物の残留歪がより小さくなる傾向がある。
ポリイソシアネート(B)の質量添加率は、主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)、ポリイソシアネート(B)、ポリロタキサン(C)、必要に応じて使用できる鎖延長剤(D)の質量の総和に対し、5〜50質量%が好ましく、さらに好ましくは10〜40質量%である。ポリイソシアネート(B)の添加量が5質量%以上であるとき、硬化物の強度が十分に高くなる傾向がある。ポリイソシアネート(B)の添加量が50質量%以下であるとき、硬化物の残留歪がより小さくなる傾向がある。
<ポリロタキサン(C)>
ポリロタキサン(C)は、ポリイソシアネートと反応しうる置換基を有する環状分子(Ca)と、この環状分子(Ca)の開口部を串刺し状に貫通する直鎖状分子(Cb)と、この直鎖状分子(Cb)の両末端に配置され、前記環状分子(Ca)と前記直鎖状分子(Cb)との分離を防止する封鎖基(Cc)と、を有する包接化合物である。ポリロタキサンとしては、カプロラクトンで修飾されたカプロラクトン変性ポリロタキサン、例えばCAS No.928045−45−8で特定されるポリロタキサンが好ましい。
<(Ca)環状分子>
前記環状分子(Ca)は、ポリイソシアネートと反応しうる置換基を有し、かつ、その開口部が、直鎖状分子(Cb)が串刺し状に貫通しうる程度の大きさの分子であれば、特に限定されない。この環状分子(Ca)は、ポリロタキサン(C)の製造にあたって、一種類のみを用いてもよいし、複数種類を用いてもよい。
前記環状分子(Ca)は、ポリイソシアネートと反応しうる置換基として、水酸基を有していることが好ましい。その水酸基の少なくとも一部が、主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)とポリイソシアネート(B)からなるプレポリマーのイソシアネート基、もしくは、ポリイソシアネート(B)のイソシアネート基と架橋反応を起こす。
後述する修飾基(Cd)の導入ができることから、前記環状分子(Ca)としては、シクロデキストリン、例えばα−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン又はγ−シクロデキストリンが好ましい。
前記環状分子(Ca)には、修飾基(Cd)としてリンカーを結合させることにより、立体障害等によりポリイソシアネートと反応しにくい置換基を反応しやすくしたり、ポリロタキサンに親水性を付与したり、ポリロタキサンに疎水性を付与したりすることができる。
前記リンカーとしては、ポリロタキサンに疎水性を付与するための疎水性基を有する化合物が好ましく、さらに、立体障害の少ない水酸基を形成するような化合物が特に好ましい。
前記疎水性基としては、炭素数1〜50の置換基を有していてもよいアルキレン基、炭素数6〜50の置換基を有していてもよいアリーレン基、炭素数4〜50の置換基を有していてもよいヘテロアリーレン基、炭素数3〜12のジオールやオキシアルキレンに由来する2価のポリエーテル基、炭素数3〜12のヒドロキシカルボン酸や環状エステル等に由来する2価のポリエステル基、炭素数3〜8のラクタムに由来する2価のポリアミド基などが挙げられる。
前記置換基としては、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、炭素数1〜20のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、ドデシルオクチル基)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基)、アラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチル基)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基)などが挙げられる。
なお、これらの置換基中の炭素は、前記アルキレン基、アリーレン基及びヘテロアリーレン基における炭素数にカウントしない。
また前記ヘテロアリーレン基としては、フリレン基、チエニレン基、ピリジニレン基、ピリダジニレン基、ピリミジニレン基、ピラジニレン基、トリアジニレン基、イミダゾリニレン基、ピラゾリニレン基、チアゾリニレン基、キナゾリニレン基、フタラジニレン基などが挙げられる。
さらに、前記疎水性基の、前記環状分子(Ca)を修飾する部位の他端に結合している反応性基は、互いに反応することができる基、又はポリイソシアネート(B)のイソシアネート基と反応性を有する基である。そのような反応性基の例としては、水酸基、アミノ基、チオール基、カルボキシ基、(メタ)アクリロイル基、ビニル基及びアリル基などの光反応性基、イソシアナト基、ブロックイソシアナト基、ケトン基、アルデヒド基、エポキシ基、オキセタン基及びカルボジイミド基が挙げられる。
前記疎水性基への導入の容易性からは、前記反応性基としては、ポリカプロラクトンの水酸基又はポリカプロラクタムのアミノ基が特に好ましい。前記「ポリ」は、繰り返し単位が2以上であることを意味する。なお、ポリカプロラクトン又はポリカプロラクタムのうち、反応性基の例として挙げた基に該当する部分以外の部分は、前記疎水性基の一部を構成することになる。
また、以上説明した修飾基(Cd)の環状分子(Ca)への導入方法としては、例えば、以下の方法を採用できる。前記環状分子(Ca)としてシクロデキストリンを用い、当該シクロデキストリンの水酸基をプロピレンオキシドによりヒドロキシプロピル化し(シクロデキストリンの水酸基が疎水性基で修飾される)、その後、ε‐カプロラクトンを添加し、触媒として2‐エチルへキサン酸スズを添加する。これによって、反応性基としてカルボキシ基を有する修飾基(Cd)が環状分子(Ca)に導入される。
このときのシクロデキストリンに対するプロピレンオキシド及びε‐カプロラクトンの添加割合を変更することで、修飾度を任意に制御できる。ここで、前記シクロデキストリンの水酸基が修飾され得る最大数を1とすると、0.02以上の修飾度で修飾されていることが好ましい。なお、この修飾度は、ポリロタキサン(C)一分子で見たときの、ポリロタキサンに含まれる複数のシクロデキストリン分子中の水酸基全体(疎水性基で修飾されているものを含む)に対する、修飾された水酸基の割合である。
以上説明した方法と同様な方法、又はその他の水酸基との反応を利用した公知の方法によって、種々のリンカーや官能基を含む修飾基(Cd)を環状分子(Ca)に導入することができる。
このようにリンカーによって、ポリロタキサン(C)分子の本体から少し離れた位置に架橋点が導入されると、立体障害が減るなどの理由により、ポリイソシアネート(B)との架橋反応が進行しやすくなる。
<(Cb)直鎖状分子>
直鎖状分子(Cb)は、環状分子(Ca)の開口部を串刺し状に貫通して、環状分子(Ca)に包接され得るものであれば、特に限定されない。なお、直鎖状分子(Cb)の両末端には、後述する封鎖基(Cc)を導入する際の反応点となる官能基が存在する。前記官能基の例としては、水酸基、カルボキシ基、アミノ基、メルカプト基、スルホニル基等が挙げられる。
ポリロタキサン(C)の製造に当たっては、この直鎖状分子(Cb)は、一種類のみを用いてもよいし、複数種類を用いてもよい。
前記直鎖状分子(Cb)の例としては、ポリビニルアルコール、ポリカプロラクトン、ポリビニルピロリドン、ポリ(メタ)アクリル酸、セルロース系樹脂(カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等)、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルメチルエーテル、ポリアミン、ポリエチレンイミン、カゼイン、ゼラチン、でんぷん、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂等;
ポリテトラヒドロフラン、ポリアニリン、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリイソプレン、ポリブタジエンなどのポリジエン類、ポリジメチルシロキサンなどのポリシロキサン類、ポリスルホン類、ポリイミン類、ポリ無水酢酸類、ポリ尿素類、ポリスルフィド類、ポリフォスファゼン類、ポリケトン類、ポリフェニレン類、ポリハロオレフィン類、並びにこれらの誘導体、共重合体が挙げられる。
これらのうち、ポリカプロラクトン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラヒドロフラン、ポリジメチルシロキサン、ポリビニルアルコール及びポリビニルメチルエーテルが好ましい。
さらにこれらの中でも、ポリカプロラクトン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラヒドロフラン及びポリジメチルシロキサンがより好ましく、ポリカプロラクトン及びポリエチレングリコールがさらに好ましく、水溶性であることからポリエチレングリコールが特に好ましい。
直鎖状分子(Cb)の重量平均分子量は、ポリウレタン樹脂におけるポリロタキサン(C)の効果をより向上させる観点から、その重量平均分子量が1,000以上、好ましくは2,000以上であり、100,000以下であることがより好ましく、80,000以下であることがさらに好ましい。
なお、前記重量平均分子量は、ゲル濾過クロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の値である。
また、直鎖状分子(Cb)が環状分子(Ca)により包接される際に、直鎖状分子(Cb)が最大限に包接される量(最大包接量)を1とした場合、その平均包接量は0.001〜0.6が好ましく、より好ましくは0.01〜0.5であり、特に好ましくは0.05〜0.4である。
なお、環状分子(Ca)の最大包接量は、直鎖状分子(Cb)の長さと、環状分子(Ca)の直鎖状分子(Cb)の鎖方向における厚さとにより、決定することができる。例えば、直鎖状分子(Cb)がポリエチレングリコールであり、環状分子(Ca)がα−シクロデキストリンの場合、その最大包接量は、Macromolecules 1993, 26, 5698-5703に記載されているように、実験的に求められている。直鎖状分子(Cb)が環状分子(Ca)に包接されることにより、擬ロタキサンと呼ばれる構造をとる。
<(Cc)封鎖基>
ポリロタキサン(C)の封鎖基(Cc)は、上記擬ポリロタキサンにおける直鎖状分子(Cb)の両端に配置され、環状分子(Ca)と直鎖状分子(Cb)とが分離しないように作用する基であれば、特に限定されない。そのような封鎖基(Cc)は、一種類のみを用いてもよいし、複数種類を用いてもよい。
前記封鎖基(Cc)の例としては、ジニトロフェニル基、シクロデキストリンに由来する基、アダマンチル基、トリチル基、フルオレセニル基、ピレニル基、置換フェニル基(前記フェニル基の置換基としては、アルキル基、アルキルオキシ基、水酸基、ハロゲン、シアノ基、スルホニル基、カルボキシ基、アミノ基及びフェニル基を挙げることができるがこれらに限定されない。置換基は1つ又は複数存在してもよい。)、置換されていてもよい多環芳香族基(前記多環芳香族基の置換基としては、前記と同じものを挙げることができるがこれらに限定されない。置換基は1つ又は複数存在してもよい。)及びステロイド類が挙げられる。
これらの中でも、封鎖基(Cc)の導入のしやすさの観点から、ジニトロフェニル基、シクロデキストリンに由来する基、アダマンチル基、トリチル基、フルオレセニル基及びピレニル基が好ましく、より好ましくはアダマンチル基及びトリチル基である。
封鎖基(Cc)の直鎖状分子(Cb)の両端への配置は、前記両端に存在する官能基と反応する基を有し、かつその基とは別に、前記封鎖基(Cc)となる部位を有する化合物を、直鎖状分子(Cb)と反応させることによって実施することができる。
ポリロタキサン(C)の質量添加率は、主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)、ポリイソシアネート(B)、ポリロタキサン(C)、必要に応じて使用できる鎖延長剤(D)の質量の総和に対し、5〜50質量%が好ましく、さらに好ましくは、10〜40質量%である。また、10〜30質量%とすることもできる。ポリロタキサン(C)の添加量が5質量%以上であるとき、硬化物の残留歪がより小さくなる傾向がある。ポリロタキサン(C)の添加量が50質量%以下であるとき、硬化物の強度が十分に高くなる傾向がある。
<鎖延長剤(D)>
鎖延長剤(D)としては、特に制限されないが、例えば、ポリオール、ポリアミン、ポリチオール等が挙げられる。
ポリオールとしては、特に制限されないが、例えば、低分子量ポリオールや高分子量ポリオールを用いることができる。
低分子量ポリオールとしては、特に制限されないが、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール(1,4−BD)、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール等の炭素数2〜9の脂肪族ジオール;1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシエチル)シクロヘキサン、2,7−ノルボルナンジオール、テトラヒドロフランジメタノール、2,5−ビス(ヒドロキシメチル)−1,4−ジオキサン等の炭素数6〜12のジオール等を挙げることができる。更に、前記低分子量ポリオールとして、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の低分子量多価アルコールを用いてもよい。
高分子量ポリオールとしては、特に制限されないが、例えば、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等が挙げられる。
ポリカーボネートポリオールは、1種以上のポリオールモノマーと、炭酸エステルやホスゲンとを反応させることにより得られる。製造が容易な点及び末端塩素化物の副生成がない点から、1種以上のポリオールモノマーと、炭酸エステルとを反応させて得られるポリカーボネートジオールが好ましい。
ポリオールモノマーとしては、特に制限されないが、例えば、脂肪族ポリオールモノマー、脂環構造を有するポリオールモノマー、芳香族ポリオールモノマー、ポリエステルポリオールモノマー、ポリエーテルポリオールモノマー等が挙げられる。これらは、主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)の項で例示されたとおりである。
ポリオールモノマーは、高強度な硬化物を得ることができるため、1,4−シクロヘキサンジメタノールと1,6−ヘキサンジオールを組み合わせて用いることが好ましい。
炭酸エステルは、主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)の項で例示されたとおりである。
ポリエステルポリオールとしては、特に制限されないが、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ブチルエチルプロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等のジオール類と、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、無水マレイン酸、フマル酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等のジカルボン酸との反応物が挙げられる。具体的には、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペートジオール、ポリヘキサメチレンアジペートジオール、ポリネオペンチレンアジペートジオール、ポリブチレンヘキサメチレンアジペートジオール及びポリ(ポリテトラメチレンエーテル)アジペートジオール等のアジペート系ポリエステルジオール、ポリブチレンアゼレートジオール等のアゼレート系ポリエステルジオール等が挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、特に制限されないが、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシド、エチレンオキシドとブチレンオキシドとのランダム共重合体やブロック共重合体等が挙げられる。更に、エーテル結合とエステル結合とを有するポリエーテルポリエステルポリオール等を用いてもよい。
ポリアミンとしては、特に制限されないが、例えば、エチレンジアミン、1,4−テトラメチレンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,4−ヘキサメチレンジアミン、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、キシリレンジアミン、ピペラジン、アジポイルヒドラジド、ヒドラジン、2,5−ジメチルピペラジン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等のアミン化合物、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のジオール化合物、ポリエチレングリコールに代表されるポリアルキレングリコール類、などが挙げられる。
ポリチオールとしては、特に制限されないが、例えば、1,2−エタンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,4−ブタンジチオール、2,3−ブタンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,7−ヘプタンジチオール、1,8−オクタンジチオール、1,9−ノナンジチオール、2−メルカプトエチルエーテル、p−キシレン−α,α’−ジチオール、1,2−ベンゼンジチオール、1,3−ベンゼンジチオール、1,4−ベンゼンジチオール、などが挙げられる。
鎖延長剤(D)の数平均分子量は、好ましくは50〜40000で、より好ましくは70〜3000である。数平均分子量が50以上であるとき、硬化物の残留歪がより小さくなる傾向がある。数平均分子量が40000以下であるとき、硬化物の強度が十分に高くなる傾向がある。
鎖延長剤(D)の平均官能基数は、2〜5が好ましい。平均官能基数が2以上であるとき、硬化物の強度が十分に高くなる傾向がある。平均官能基数が5以下であるとき、硬化物の残留歪がより小さくなる傾向がある。
鎖延長剤(D)は、単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。反応性制御の観点から、ポリオールを用いることが好ましく、高強度な硬化物を与えることができるため、前記低分子量ポリオールを用いることがより好ましい。作業性の観点から、1,4−ブタンジオールを用いることがさらに好ましい。
鎖延長剤(D)の質量添加率は、主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)、ポリイソシアネート(B)、ポリロタキサン(C)、鎖延長剤(D)の質量の総和に対し、60質量%以下が好ましく、さらに好ましくは20質量%以下である。鎖延長剤(D)の添加量が60質量%以下であるとき、硬化物の残留歪がより小さくなる傾向がある。
<ポリウレタン樹脂用組成物>
ポリウレタン樹脂用組成物は、主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)と、ポリイソシアネート(B)と、ポリロタキサン(C)と、必要に応じて使用できる鎖延長剤(D)とを含む組成物である。ポリウレタン樹脂用組成物には、触媒、酸化防止剤、脱泡剤、紫外線吸収剤、反応調節剤、可塑剤、離型剤、補強剤、充填剤(無機充填剤・有機充填剤)、安定剤、着色剤(顔料・染料)、難燃性向上剤、光安定剤など、ポリウレタン樹脂用組成物を形成するための従来公知の組成物に使用されている、各種の物質を任意成分として含有することができる。
触媒は、特に制限されないが、例えば、スズ(錫)系触媒(トリメチル錫ラウレート、ジブチル錫ジラウレート等)や鉛系触媒(オクチル酸鉛等)等の金属と有機及び無機酸の塩、並びに有機金属誘導体、アミン系触媒(トリエチルアミン、N−エチルモルホリン、トリエチレンジアミン等)、ジアザビシクロウンデセン系触媒等が挙げられる。中でも、反応性の観点から、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレートが好ましい。使用する触媒の量は特に制限されず、当業者に公知の、適切な量を用いることができる。
酸化防止剤は、特に制限されないが、例えば、IRGANOX1726(チバガイギー社)、IRGANOX1010(チバガイギー社)、IRGANOX1076(チバガイギー社)、IRGANOX245(チバガイギー社)及びバノックス830(フェノール化合物、アルキル化ジフェニルアミン及びトリアルキルホスファイトのブレンド)(R.Tバンデルビルト社)などが挙げられる。
酸化防止剤の添加量は、主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)、ポリイソシアネート(B)、ポリロタキサン(C)、必要に応じて使用できる鎖延長剤(D)の総和に対し、好ましくは0.01〜10質量%であり、より好ましくは0.1〜5質量%である。酸化防止剤の添加量が0.01質量%以上であるとき、本発明の効果がよりよく得られる。酸化防止剤の添加量が10質量%以下であるとき、硬化物の硬度を高くすることができる。
脱泡剤、紫外線吸収剤、反応調節剤、可塑剤、離型剤、補強剤、充填剤(無機充填剤・有機充填剤)、安定剤、着色剤(顔料・染料)、難燃性向上剤、光安定剤など、その他の成分については、その種類及び量は特に制限されず、当業者に公知の、適切な量を用いることができる。
ポリウレタン樹脂用組成物の、主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)と、ポリロタキサン(C)と、必要に応じて使用できる鎖延長剤(D)との有する水酸基(OH)と、ポリイソシアネート(B)の有するイソシアナト基(NCO)のモル比率は、NCO/OHが0.1/1〜10/1であり、より好ましくはNCO/OHが0.5/1〜5/1である。水酸基とイソシアナト基のモル比率をこの範囲内とすることで、硬化物の強度を十分に高くすることができる。
<ポリウレタン樹脂及び基材を含む積層体の製造方法>
次に、ポリウレタン樹脂及び基材を含む積層体の製造方法について説明する。
本発明により得ることのできるポリウレタン樹脂及び基材を含む積層体は、例示すれば、以下の第1工程〜第3工程のようにして製造される。
第1工程:主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)、ポリイソシアネート(B)、ポリロタキサン(C)、必要に応じて使用できる鎖延長剤(D)を混合して混合液を得る工程。
第2工程:混合液を基材上に塗布する工程。
第3工程:塗布した混合液を加熱硬化させる工程。
<<第1工程:主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)、ポリイソシアネート(B)、ポリロタキサン(C)、必要に応じて使用できる鎖延長剤(D)を混合して混合液を得る工程>>
本発明のポリウレタン樹脂を製造するための、主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)、ポリイソシアネート(B)、ポリロタキサン(C)を混合して混合液を得る工程では、鎖延長剤(D)を使用してもよい。本工程により、ポリウレタン樹脂用組成物が得られる。
<<<鎖延長剤(D)を使用しない場合>>>
本発明のポリウレタン樹脂を製造するための各成分の混合方法としては、鎖延長剤(D)を使用しない場合には、その混合方法及び操作順序は特に制限されないが、例えば、主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)、ポリイソシアネート(B)、ポリロタキサン(C)を混合する、いわゆるワンショット法や、主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)と、ポリイソシアネート(B)を事前に反応させて合成したプレポリマーと、ポリロタキサン(C)を混合する、いわゆるプレポリマー法や、ポリイソシアネート(B)とポリロタキサン(C)とを事前に反応させて合成したプレポリマーと、主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)とを混合するプレポリマー法などが挙げられる。
<<<<ワンショット法の場合>>>>
主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)、ポリイソシアネート(B)、ポリロタキサン(C)を混合する、いわゆるワンショット法の場合、その混合方法及び操作順序は特に制限されないが、例えば、一度にすべての成分を混合する方法や、事前に二種類の成分を混合したものに、残りの成分を混合する方法などが挙げられる。混合する成分の順番や、事前に混合する成分の組み合わせは、どの順番や組み合わせでもよい。
<<<<プレポリマー法の場合>>>>
主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)と、ポリイソシアネート(B)を事前に反応させて合成したプレポリマーと、ポリロタキサン(C)を混合する、いわゆるプレポリマー法の場合、その混合方法及び操作順序は特に制限されないが、例えば、主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)と、ポリイソシアネート(B)を事前に反応させて合成したプレポリマーに、ポリロタキサン(C)を混合する方法や、ポリロタキサン(C)に、主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)と、ポリイソシアネート(B)を事前に反応させて合成したプレポリマーを混合する方法などが挙げられる。
主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)の一部と、ポリイソシアネート(B)を事前に反応させてプレポリマーを合成し、主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)の残りと、ポリロタキサン(C)を混合してもよい。プレポリマーとほかの成分の混合順序は特に制限されないが、例えば、一度にすべての成分を混合する方法や、事前に二種類の成分を混合したものに、残りの成分を混合する方法などが挙げられる。混合する成分の順番や、事前に混合する成分の組み合わせは、どの順番や組み合わせでもよい。
ポリイソシアネート(B)とポリロタキサン(C)とを事前に反応させて合成したプレポリマーと、主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)とを混合するプレポリマー法の場合も上記と同様である。
高強度な硬化物が得やすい点、また、作業性の点から、プレポリマー法が好ましい。
<<<鎖延長剤(D)を使用する場合>>>
本発明のポリウレタン樹脂を製造するための各成分の混合方法としては、鎖延長剤(D)を使用する場合には、その混合方法及び操作順序は特に制限されないが、例えば、主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)、ポリイソシアネート(B)、ポリロタキサン(C)、鎖延長剤(D)を混合する、いわゆるワンショット法や、主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)と、ポリイソシアネート(B)を事前に反応させて合成したプレポリマーと、ポリロタキサン(C)、鎖延長剤(D)を混合する、いわゆるプレポリマー法などが挙げられる。
<<<<ワンショット法の場合>>>>
主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)、ポリイソシアネート(B)、ポリロタキサン(C)、鎖延長剤(D)を混合する、いわゆるワンショット法の場合、その混合方法及び操作順序は特に制限されないが、例えば、一度にすべての成分を混合する方法や、事前に二種類の成分を混合したものに、残りの成分を混合する方法や、事前に二種類の成分を混合したものに、残りの二種類の成分を混合したものを混合する方法や、事前に三種類の成分を混合したものに、残りの成分を混合する方法が挙げられる。混合する成分の順番や事前に混合する成分の組み合わせは、どの順番や組み合わせでもよい。
<<<<プレポリマー法の場合>>>>
主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)とポリイソシアネート(B)とを事前に反応させて合成したプレポリマーと、ポリロタキサン(C)と、鎖延長剤(D)とを混合する、いわゆるプレポリマー法の場合、その混合方法及び操作順序は特に制限されないが、例えば、プレポリマーとほかの成分を一度に混合する方法や、プレポリマーにほかの成分を順次混合する方法などが挙げられる。
ポリイソシアネート(B)とポリロタキサン(C)とを事前に反応させて合成したプレポリマーと、主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)とを混合するプレポリマー法の場合も上記と同様である。
高強度な硬化物が得やすい点、また、作業性の点から、プレポリマー法が好ましい。プレポリマーのゲル化が起こりにくい点から、プレポリマーに鎖延長剤(D)を混合し、その後、ポリロタキサン(C)を混合する方法が好ましい。
主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)、ポリイソシアネート(B)及びポリロタキサン(C)を混合する工程、又は、主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)、ポリイソシアネート(B)、ポリロタキサン(C)及び鎖延長剤(D)を混合する工程は、0〜150℃で行うことができる。好ましくは20〜100℃である。温度を150℃以下とすることで、ウレタン化反応が過剰に進行し、混合液の粘度が増大し、塗布できなくなることを防止することができる。温度を0℃以上とすることで、混合液の粘度を低くし、均一に混合させることができる。
主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)、ポリイソシアネート(B)及びポリロタキサン(C)を混合する工程、又は、主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)、ポリイソシアネート(B)、ポリロタキサン(C)及び鎖延長剤(D)を混合する工程の混合時間は、5秒〜5時間であることができ、好ましくは10秒〜1時間である。混合時間を5秒以上とすることで、均一に混合することができる。混合時間を5時間以下とすることで、ウレタン化反応が過剰に進行し、混合液の粘度が増大し、塗布できなくなることを防止することができる。
主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)とポリイソシアネート(B)とを反応させてプレポリマーを得る工程では、無溶媒で行ってもよいし、有機溶媒を加えて行なってもよい。前記有機溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、トルエン、キシレン、N−エチルピロリドン及び酢酸エチル等が挙げられる。
前記有機溶媒の添加量は、得られるプレポリマーの全量に対して質量基準で、好ましくは4倍以下であり、より好ましくは2倍以下である。有機溶媒の量をこの範囲とすることで、有機溶媒を除去する工程の時間を短縮することができ、また硬化物中に残存する有機溶媒をなくし、硬化物の強度を高くすることができる。
主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)、ポリイソシアネート(B)及びポリロタキサン(C)を混合する工程、又は、主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)、ポリイソシアネート(B)、ポリロタキサン(C)及び鎖延長剤(D)を混合する工程で、自公転攪拌機、ミキサー、アジター混合器、等の公知の撹拌装置を用いることができる。
主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)、ポリイソシアネート(B)及びポリロタキサン(C)を混合する工程、又は、主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)、ポリイソシアネート(B)、ポリロタキサン(C)及び鎖延長剤(D)を混合する工程では、粘度調整や作業性向上のために、有機溶媒を加えて行なってもよい。前記有機溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、トルエン、キシレン、N−エチルピロリドン、ピリジン、1,4−ジオキサン、無水酢酸、アセトフェノン、ベンズアルデヒド、酢酸ブチル及び酢酸エチル等が挙げられる。
前記工程で加える有機溶媒の沸点は、好ましくは40℃から200℃であり、より好ましくは80℃から150℃である。当該範囲内に沸点を有する有機溶媒を使用すると、加熱硬化時に有機溶媒が急沸しにくく、その結果、表面平滑性に優れた硬化物が得られる。また、有機溶媒が硬化物内に残留しにくいという利点も有する。その中でも、主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)、ポリイソシアネート(B)及びポリロタキサン(C)との相溶性の観点から、トルエンを用いることが望ましい。
前記有機溶媒の添加量は、得られるポリウレタン樹脂用組成物の全量に対して質量基準で、好ましくは0〜5倍であり、より好ましくは0.1〜3倍である。有機溶媒の量が5倍以下であるとき、有機溶媒を除去する工程の時間が短縮され、また硬化物中に残存する有機溶媒をなくし、硬化物の強度が高くなる傾向がある。有機溶媒の量が前記量の範囲であるとき、混合液の粘度が低下し、均一に混合することができる。
<<第2工程:混合液を基材上に塗布する工程>>
主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)、ポリイソシアネート(B)、ポリロタキサン(C)、必要に応じて使用できる鎖延長剤(D)の混合液を基材上に塗布する。
前記基材の材質としては、金属、プラスチック、無機物及び木材等が挙げられる。基材の形状は、特に制限されず、当業者に従来公知の形状を用いることができる。
また、前記基材として、離型性基材を用いる場合には、最終的に前記離型性基材を剥離して、ポリウレタン樹脂フィルムを得ることができる。
主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)、ポリイソシアネート(B)、ポリロタキサン(C)及び必要に応じて使用できる鎖延長剤(D)の混合液の塗布方法としては、キャスト法、スプレー塗装、はけ塗り、浸漬法、ロールコーター、フローコーター等が挙げられる。その中でも、作業性の観点から、キャスト法が好ましい。
また、乾燥して得られるポリウレタン樹脂層の厚さが、0.1μm〜5mmとなるように混合液を基材上に塗布することが好ましい。
<<第3工程:塗布した混合液を加熱硬化する工程>>
主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)、ポリイソシアネート(B)、ポリロタキサン(C)及び必要に応じて使用できる鎖延長剤(D)の混合液は、基材上に塗布した後、加熱下で、溶媒の少なくとも一部を蒸発させた後、主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)とポリロタキサン(C)と、必要に応じて使用できる鎖延長剤(D)の持つ水酸基と、ポリイソシアネート(B)の持つイソシアネート基とを反応させ、硬化させることができる。基材上に塗布した混合液を加熱硬化することにより、本発明のポリウレタン樹脂を有する積層体が得られる。
前記加熱方法としては、ホットプレート、熱風オーブン、電気炉、赤外線誘導加熱炉などを用いることができる。
前記加熱温度は、40〜200℃が好ましい。より好ましくは60〜160℃である。加熱温度が40℃以上であるとき、ウレタン化反応が十分に起こり、加熱温度が200℃以下であるとき、硬化物の黄変を防止することができる。
前記加熱時間は、0.5〜20時間が好ましい。より好ましくは1〜10時間である。加熱時間が0.5時間以上であるとき、硬化物の強度が十分に高くなり、加熱時間が20時間以下であるとき、硬化物の黄変を防止することができる。
加熱硬化して得られるポリウレタン樹脂フィルムや硬化物の厚さは、特に制限されないが、1〜200μmの厚さが好ましい。より好ましくは、3〜100μmの厚さである。厚さが前記範囲内であるとき、ポリウレタン樹脂フィルムや硬化物の強度が十分に高くなる傾向がある。
また、工程2で基材として剥離性基材を用いて、加熱硬化の後、剥離性基材からポリウレタン樹脂フィルムを剥離する工程を設けることにより、ポリウレタン樹脂フィルムを得ることができる。
次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<合成例1>
攪拌機及び加熱器を備えた反応装置で、ETERNACOLL(登録商標)UM90(3/1)(宇部興産製;数平均分子量917;水酸基価122mgKOH/g;ポリオール成分が1,4−シクロヘキサンジメタノール:1,6−ヘキサンジオール=3:1のモル比のポリオール混合物と炭酸エステルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール)917gと、水素添加キシリレンジイソシアネート(H6XDI)594gとを、窒素雰囲気下で混合し、80−90℃で3時間加熱し、イソシアネート基末端プレポリマー「P−1」を得た。
<合成例2>
攪拌機及び加熱器を備えた反応装置で、ETERNACOLL(登録商標)UM90(1/1)(宇部興産製;数平均分子量914;水酸基価123mgKOH/g;ポリオール成分が1,4−シクロヘキサンジメタノール:1,6−ヘキサンジオール=1:1のモル比のポリオール混合物と炭酸エステルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール)187gと、水素添加キシリレンジイソシアネート(H6XDI)120gとを、窒素雰囲気下で混合し、80−90℃で3時間加熱し、イソシアネート基末端プレポリマー「P−2」を得た。
<合成例3>
攪拌機及び加熱器を備えた反応装置で、ETERNACOLL(登録商標)UM90(1/3)(宇部興産製;数平均分子量893;水酸基価126mgKOH/g;ポリオール成分が1,4−シクロヘキサンジメタノール:1,6−ヘキサンジオール=1:3のモル比のポリオール混合物と炭酸エステルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール)285gと、水素添加キシリレンジイソシアネート(H6XDI)187gとを、窒素雰囲気下で混合し、80−90℃で3時間加熱し、イソシアネート基末端プレポリマー「P−3」を得た。
<合成例4>
攪拌機及び加熱器を備えた反応装置で、ETERNACOLL UC−100(宇部興産製ポリカーボネートジオール;数平均分子量1006;水酸基価112mgKOH/g;1,4−シクロヘキサンジメタノールと炭酸ジメチルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール)201gと、水素添加キシリレンジイソシアネート(H6XDI)116gとを、窒素雰囲気下で混合し、80−90℃で3時間加熱し、イソシアネート基末端プレポリマー「P−4」を得た。
<合成例5>
攪拌機及び加熱器を備えた反応装置で、ETERNACOLL(登録商標)PH100(宇部興産製;数平均分子量1026;水酸基価109mgKOH/g;ポリオール成分が1,5−ペンタンジオール:1,6−ヘキサンジオール=1:1のモル比のポリオール混合物と炭酸エステルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール)216gと、水素添加キシリレンジイソシアネート(H6XDI)117gとを、窒素雰囲気下で混合し、80−90℃で3時間加熱し、イソシアネート基末端プレポリマー「P−5」を得た。
[実施例1]
カプロラクトン変性ポリロタキサン(HAPR−g−PCL;アドバンスト・ソフトマテリアルズ社製「スーパーポリマーSH3400」)6.46gと、ジブチル錫ジラウレート(DBTDL)0.019gと、酸化防止剤(BASFジャパン社製「IRGANOX1726」)0.065gと、トルエン32.3gとを混合し、ポリロタキサントルエン溶液を得た。プレポリマー「P−1」4.03gと、調製したポリロタキサントルエン溶液2.73gと、1,4−ブタンジオール0.41gと、トルエン0.83gとを自公転攪拌機により均一に混合し、混合液を得た。得られた混合液を、乾燥後の厚さが約40μmになるようにガラス板上に塗布し、100℃で7時間加熱することで、ポリウレタン樹脂硬化物を得た。ポリウレタン樹脂硬化物をガラス板から剥離し、引張試験に供した。
[実施例2]
カプロラクトン変性ポリロタキサン(HAPR−g−PCL;アドバンスト・ソフトマテリアルズ社製「スーパーポリマーSH3400」)12.9gと、ジブチル錫ジラウレート(DBTDL)0.019gと、酸化防止剤(BASFジャパン社製「IRGANOX1726」)0.065gと、トルエン32.3gとを混合し、ポリロタキサントルエン溶液を得た。プレポリマー「P−1」3.494gと、調製したポリロタキサントルエン溶液3.36gと、1,4−ブタンジオール0.27gと、トルエン0.80gとを自公転攪拌機により均一に混合し、混合液を得た。得られた混合液を、乾燥後の厚さが約40μmになるようにガラス板上に塗布し、100℃で7時間加熱することで、ポリウレタン樹脂硬化物を得た。ポリウレタン樹脂硬化物をガラス板から剥離し、引張試験に供した。
[実施例3]
カプロラクトン変性ポリロタキサン(HAPR−g−PCL;アドバンスト・ソフトマテリアルズ社製「スーパーポリマーSH3400」)16.2gと、ジブチル錫ジラウレート(DBTDL)0.019gと、酸化防止剤(BASFジャパン社製「IRGANOX1726」)0.065gと、トルエン32.3gとを混合し、ポリロタキサントルエン溶液を得た。プレポリマー「P−1」2.93gと、調製したポリロタキサントルエン溶液3.21gと、1,4−ブタンジオール0.27gと、トルエン0.72gとを自公転攪拌機により均一に混合し、混合液を得た。得られた混合液を、乾燥後の厚さが約40μmになるようにガラス板上に塗布し、100℃で7時間加熱することで、ポリウレタン樹脂硬化物を得た。ポリウレタン樹脂硬化物をガラス板から剥離し、引張試験に供した。
[実施例4]
カプロラクトン変性ポリロタキサン(HAPR−g−PCL;アドバンスト・ソフトマテリアルズ社製「スーパーポリマーSH3400」)19.4gと、ジブチル錫ジラウレート(DBTDL)0.019gと、酸化防止剤(BASFジャパン社製「IRGANOX1726」)0.065gと、トルエン32.3gとを混合し、ポリロタキサントルエン溶液を得た。プレポリマー「P−4」2.57gと、調製したポリロタキサントルエン溶液3.18gと、1,4−ブタンジオール0.20gと、トルエン0.66gとを自公転攪拌機により均一に混合し、混合液を得た。得られた混合液を、乾燥後の厚さが約40μmになるようにガラス板上に塗布し、100℃で7時間加熱することで、ポリウレタン樹脂硬化物を得た。ポリウレタン樹脂硬化物をガラス板から剥離し、引張試験に供した。
[実施例5]
カプロラクトン変性ポリロタキサン(HAPR−g−PCL;アドバンスト・ソフトマテリアルズ社製「スーパーポリマーSH3400」)19.4gと、ジブチル錫ジラウレート(DBTDL)0.019gと、酸化防止剤(BASFジャパン社製「IRGANOX1726」)0.065gと、トルエン32.3gとを混合し、ポリロタキサントルエン溶液を得た。プレポリマー「P−1」3.23gと、調製したポリロタキサントルエン溶液4.02gと、1,4−ブタンジオール0.27gと、トルエン0.84gとを自公転攪拌機により均一に混合し、混合液を得た。得られた混合液を、乾燥後の厚さが約40μmになるようにガラス板上に塗布し、100℃で7時間加熱することで、ポリウレタン樹脂硬化物を得た。ポリウレタン樹脂硬化物をガラス板から剥離し、引張試験に供した。
[実施例6]
カプロラクトン変性ポリロタキサン(HAPR−g−PCL;アドバンスト・ソフトマテリアルズ社製「スーパーポリマーSH3400」)19.4gと、ジブチル錫ジラウレート(DBTDL)0.019gと、酸化防止剤(BASFジャパン社製「IRGANOX1726」)0.065gと、トルエン32.3gとを混合し、ポリロタキサントルエン溶液を得た。プレポリマー「P−2」3.99gと、調製したポリロタキサントルエン溶液4.96gと、1,4−ブタンジオール0.34gと、トルエン1.05gとを自公転攪拌機により均一に混合し、混合液を得た。得られた混合液を、乾燥後の厚さが約40μmになるようにガラス板上に塗布し、100℃で7時間加熱することで、ポリウレタン樹脂硬化物を得た。ポリウレタン樹脂硬化物をガラス板から剥離し、引張試験に供した。
[実施例7]
カプロラクトン変性ポリロタキサン(HAPR−g−PCL;アドバンスト・ソフトマテリアルズ社製「スーパーポリマーSH3400」)16.2gと、ジブチル錫ジラウレート(DBTDL)0.019gと、酸化防止剤(BASFジャパン社製「IRGANOX1726」)0.065gと、トルエン32.3gとを混合し、ポリロタキサントルエン溶液を得た。プレポリマー「P−2」3.52gと、調製したポリロタキサントルエン溶液3.85gと、1,4−ブタンジオール0.32gと、トルエン0.87gとを自公転攪拌機により均一に混合し、混合液を得た。得られた混合液を、乾燥後の厚さが約40μmになるようにガラス板上に塗布し、100℃で7時間加熱することで、ポリウレタン樹脂硬化物を得た。ポリウレタン樹脂硬化物をガラス板から剥離し、引張試験に供した。
[実施例8]
カプロラクトン変性ポリロタキサン(HAPR−g−PCL;アドバンスト・ソフトマテリアルズ社製「スーパーポリマーSH3400」)19.4gと、ジブチル錫ジラウレート(DBTDL)0.019gと、酸化防止剤(BASFジャパン社製「IRGANOX1726」)0.065gと、トルエン32.3gとを混合し、ポリロタキサントルエン溶液を得た。プレポリマー「P−3」3.19gと、調製したポリロタキサントルエン溶液3.98gと、1,4−ブタンジオール0.28gと、トルエン0.83gとを自公転攪拌機により均一に混合し、混合液を得た。得られた混合液を、乾燥後の厚さが約40μmになるようにガラス板上に塗布し、100℃で7時間加熱することで、ポリウレタン樹脂硬化物を得た。ポリウレタン樹脂硬化物をガラス板から剥離し、引張試験に供した。
[実施例9]
カプロラクトン変性ポリロタキサン(HAPR−g−PCL;アドバンスト・ソフトマテリアルズ社製「スーパーポリマーSH3400」)9.69gと、ジブチル錫ジラウレート(DBTDL)0.019gと、酸化防止剤(BASFジャパン社製「IRGANOX1726」)0.065gと、トルエン32.3gとを混合し、ポリロタキサントルエン溶液を得た。ETERNACOLL(登録商標)UM90(3/1)26.5gと、トルエン10.6gとを混合し、PCDトルエン溶液を得た。プレポリマー「P−5」2.05gと、調製したポリロタキサントルエン溶液2.94gと、調製したPCDトルエン溶液2.48gと、トルエン0.76gとを自公転攪拌機により均一に混合し、混合液を得た。得られた混合液を、乾燥後の厚さが約40μmになるようにガラス板上に塗布し、100℃で7時間加熱することで、ポリウレタン樹脂硬化物を得た。ポリウレタン樹脂硬化物をガラス板から剥離し、引張試験に供した。
[比較例1]
ジブチル錫ジラウレート(DBTDL)0.019gと、酸化防止剤(BASFジャパン社製「IRGANOX1726」)0.065gと、トルエン32.3gとを混合し、トルエン溶液を得た。プレポリマー「P−1」3.64gと、調製したトルエン溶液2.03gと、1,4−ブタンジオール0.41gと、トルエン0.68gとを自公転攪拌機により均一に混合し、混合液を得た。得られた混合液を、乾燥後の厚さが約40μmになるようにガラス板上に塗布し、100℃で7時間加熱することで、ポリウレタン樹脂硬化物を得た。ポリウレタン樹脂硬化物をガラス板から剥離し、引張試験に供した。
得られた試験片は、2倍(100%)に伸ばせなかったため、残留歪みを測定することができなかった。
[比較例2]
ジブチル錫ジラウレート(DBTDL)0.019gと、酸化防止剤(BASFジャパン社製「IRGANOX1726」)0.065gと、トルエン32.3gとを混合し、トルエン溶液を得た。ETERNACOLL(登録商標)UM90(3/1)26.5gと、トルエン10.6gとを混合し、PCDトルエン溶液を得た。プレポリマー「P−1」2.04gと、調製したトルエン溶液2.18gと、調製したPCDトルエン溶液3.14gと、トルエン0.39gとを自公転攪拌機により均一に混合し、混合液を得た。得られた混合液を、乾燥後の厚さが約40μmになるようにガラス板上に塗布し、100℃で7時間加熱することで、ポリウレタン樹脂硬化物を得た。ポリウレタン樹脂硬化物をガラス板から剥離し、引張試験に供した。
[比較例3]
カプロラクトン変性ポリロタキサン(HAPR−g−PCL;アドバンスト・ソフトマテリアルズ社製「スーパーポリマーSH3400」)19.4gと、ジブチル錫ジラウレート(DBTDL)0.019gと、酸化防止剤(BASFジャパン社製「IRGANOX1726」)0.065gと、トルエン32.3gとを混合し、ポリロタキサントルエン溶液を得た。プレポリマー「P−5」4.01gと、調製したポリロタキサントルエン溶液5.06gと、1,4−ブタンジオール0.27gとを自公転攪拌機により均一に混合し、混合液を得た。得られた混合液を、乾燥後の厚さが約40μmになるようにガラス板上に塗布し、100℃で7時間加熱することで、ポリウレタン樹脂硬化物を得た。ポリウレタン樹脂硬化物をガラス板から剥離し、引張試験に供した。
(ポリロタキサン)
実施例及び比較例で用いたアドバンスドソフトマテリアルズ社製「スーパーポリマーSH3400」は、いずれもCAS No.928045−45−8で特定されるポリロタキサンである。
(硬さの評価)
実施例1−9、及び、比較例1−3で得られたポリウレタン樹脂硬化物について、引張試験機(オリエンテック製;テンシロンUCT−5T)を使用して、温度25℃、湿度50%RHにおいて、クロスヘッド速度100mm/分、チャック間距離3cmで測定し、初期弾性率を求めた。
(引張残留歪の評価)
実施例1−9、及び、比較例1−3で得られたポリウレタン樹脂硬化物について、引張試験機(オリエンテック製;テンシロンUCT−5T)を使用して、温度25℃、湿度50%RHにおいて、クロスヘッド速度100mm/分で、チャック間距離3cmで用意した試料を伸度100%まで伸長した。その後、伸長した状態で5分間静置した。その後、引張試験機から外し、10分間静置した。10分後と3日後のフィルムの伸びから、引張残留歪を計算した。
残留歪={(T1−T2)/(T0−T2)}×100 (%)
T0:伸長時の試験片の長さ (mm)
T1:10分後、3日後の試験片の長さ (mm)
T2:元の試験片の長さ (mm)
Figure 0006686882
Figure 0006686882
ポリロタキサン(C)を用いていない比較例1では、残留歪を測定することができなかった。ポリロタキサン(C)を用いておらず、鎖延長剤(D)も用いていない比較例2では、引張弾性率が大きすぎ、残留歪も十分なものではなかった。また、主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)を用いていない比較例3では、十分な破断点応力を示さなかった。
本発明のポリウレタン樹脂用組成物及びポリウレタン樹脂は、建築用、自動車用、パソコンや携帯電話等の情報機器用の塗料やコーティング剤として広く利用することができる。

Claims (5)

  1. 少なくとも、主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)と、脂環式イソシアネートであるポリイソシアネート(B)と、ポリロタキサン(C)と、必要に応じて使用できる鎖延長剤(D)とを反応させて得られるポリウレタン樹脂であって、
    前記ポリロタキサン(C)は、ポリイソシアネートと反応しうる置換基を有する環状分子(Ca)と、この環状分子(Ca)の開口部を串刺し状に貫通する直鎖状分子(Cb)と、この直鎖状分子(Cb)の両末端に配置され、前記環状分子(Ca)と前記直鎖状分子(Cb)との分離を防止する封鎖基(Cc)とを有するポリロタキサンであるポリウレタン樹脂。
  2. ポリウレタン樹脂中の脂環含有率が、28〜33質量%である請求項1に記載のポリウレタン樹脂。
  3. ポリロタキサン(C)の質量添加率が、主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)、脂環式イソシアネートであるポリイソシアネート(B)、ポリロタキサン(C)、必要に応じて使用できる鎖延長剤(D)の質量の総和に対し、10〜30質量%である請求項1又は2に記載のポリウレタン樹脂。
  4. 主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)と、脂環式イソシアネートであるポリイソシアネート(B)と、ポリロタキサン(C)と、必要に応じて使用できる鎖延長剤(D)とを含有する混合液、又は、
    脂環式イソシアネートであるポリイソシアネート(B)と主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)との反応生成物(ここで、該反応生成物は、ポリイソシアネートに由来するイソシアネート基を有する)と、ポリロタキサン(C)と、必要に応じて使用できる鎖延長剤(D)とを含有する混合液、又は、
    脂環式イソシアネートであるポリイソシアネート(B)とポリロタキサン(C)との反応生成物(ここで、該反応生成物は、ポリイソシアネートに由来するイソシアネート基を有する)と、主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)と、必要に応じて使用できる鎖延長剤(D)とを含有する混合液、
    のいずれかの混合液を基材上に塗布する工程、及び基材上に塗布した前記混合液を加熱硬化させる工程を含む方法により得られる、請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリウレタン樹脂及び基材を含む、積層体。
  5. 主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)と、脂環式イソシアネートであるポリイソシアネート(B)と、ポリロタキサン(C)と、必要に応じて使用できる鎖延長剤(D)とを含有する混合液、又は、
    脂環式イソシアネートであるポリイソシアネート(B)と主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)との反応生成物(ここで、該反応生成物は、ポリイソシアネートに由来するイソシアネート基を有する)と、ポリロタキサン(C)と、必要に応じて使用できる鎖延長剤(D)とを含有する混合液、又は、
    脂環式イソシアネートであるポリイソシアネート(B)とポリロタキサン(C)との反応生成物(ここで、該反応生成物は、ポリイソシアネートに由来するイソシアネート基を有する)と、主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(A)と、必要に応じて使用できる鎖延長剤(D)とを含有する混合液、
    のいずれかの混合液を離型性基材上にキャスティングし、加熱硬化させて得られる、請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリウレタン樹脂からなるポリウレタン樹脂フィルム。
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