JP6684537B2 - 免震装置、及び、免震構造体 - Google Patents
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Description
このような免震装置によれば、上部構造体と下部構造体が相対変位する際に復元力が作用しないので、上部構造体の振動を抑制でき、摩擦係数以上の加速度が生じない。よって、復元部材や減衰部材がなくても免震効果を高めることができ、低コストで免震効果の向上を図ることができる。
また、かかる免震装置であって、平常時には、前記上部構造体と前記下部構造体との相対変位を禁止し、前記地震の発生時には、前記上部構造体と前記下部構造体との相対的な位置関係を復元させるための復元力が作用しない状態で、当該上部構造体と当該下部構造体との相対変位を許可するロック機構(ただし、風センサーによって感知するものを除く)を備えたことが望ましい。
このような免震装置によれば、大地震時(レベル2:極めて稀に起こる地震)における応答を通常の免震装置の10分の1程度に低減することができる。かつ、震度3以下の小地震でも免震効果を発揮することができる。
このような免震装置によれば、簡易な構成で原点位置に復帰させることができる。
このような免震装置によれば、上部構造体と下部構造体とが相対変位する際に、確実に抵抗(減衰力)を付与しないようにすることができる。
このような免震装置によれば、地震の際の免震動作を自動的に行うことができる。
このような免震装置によれば、大きい地震の際に確実にロック解除できるので、より免震効果を高めることできる。
<免震構造体1の構成について>
図1は本実施形態にかかる免震構造体1の概略説明図である。図に示すように、本実施形態の免震構造体1は、下部構造体10、上部構造体20、及び、免震装置30を備えている。
図2は、ロック機構32の構成の一例を示す説明図である。なお、図2はロック機構32(エアシリンダー325を除く)の断面を示している。図2に示すロック機構32は、上側枠体321及び下側枠体323を備えている。
図3A及び図3Bはロック機構32のエアシリンダー325の動作を説明するための概念図である。なお、エアシリンダー325の制御(圧縮空気の給気、排気の切り替え)は制御装置35が行っている。
以下、免震構造体1の免震動作について説明する。
上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
免震構造体1は、下部構造体10と上部構造体20との間に免震装置30を設けて上部構造体20の揺れを抑制するものであればどのようなものであってもよい。例えば、免震床、免震展示台、電算機室、精密機械室などであってもよい。
前述の実施形態では、免震装置30の免震支承体31は球体31bを用いた転がり支承タイプのものであったが、これには限られない。例えば、ローラーを用いた転がり支承タイプのものであってもよい。あるいは、滑り支承タイプのものであってもよい。ただし、これらの場合においても摩擦係数μは非常に小さいことが望ましい。これにより、下部構造体10の揺れが上部構造体20に伝わらないようにすることができる。
前述の実施形態では、制御装置35は感震器34の出力に基づいてロック機構32及び原点復帰装置33の動作を制御していたがこれには限られない。例えば、緊急地震速報を受信して制御を行うようにしてもよい。あるいは、作業員が操作ボタンを押下するなど手動で制御するようにしてもよい。
前述の実施形態では、ロック機構32は圧縮空気を用いてピン324を移動させていたがこれには限られない。例えば、電磁ソレノイドによる電磁式のものであってもよい。
前述の実施形態では、原点復帰装置33は電動式のリール33aとワイヤー33bを用いていたが、これ以外の構成であってもよい。例えば、リール33aが、レバーを手で回す手動式であってもよい。また、例えば、手動式の油圧ジャッキを用いて原点に復帰させるものであってもよい。
10 下部構造体
20 上部構造体
30 免震装置
31 免震支承体
31a 板部材
31b 球体
32 ロック機構
33 原点復帰装置
33a リール
33b ワイヤー
34 感震器
35 制御装置
321 上側枠体
322 嵌合溝
323 下側枠体
324 ピン
325 エアシリンダー
326 給排口
Claims (8)
- 上部構造体と下部構造体との間に設けられ、地震の際に前記上部構造体の揺れを抑える免震装置であって、
前記上部構造体を前記下部構造体に対して相対変位可能に支承し、かつ、前記上部構造体と前記下部構造体との相対的な位置関係を復元させる機能を有さず、上下一対の板部材を備える支承体と、
平常時には、前記上部構造体と前記下部構造体との相対変位を禁止し、前記地震の発生時には、前記上部構造体と前記下部構造体との相対的な位置関係を復元させるための復元力が作用しない状態で、当該上部構造体と当該下部構造体との相対変位を許可するロック機構と、
前記地震が収束した後に、前記下部構造体に対する前記上部構造体の位置を変位前の位置に復帰させるための復帰機構と、
を備えたことを特徴とする免震装置。 - 請求項1に記載の免震装置であって、
平常時には、前記上部構造体と前記下部構造体との相対変位を禁止し、前記地震の発生時には、前記上部構造体と前記下部構造体との相対的な位置関係を復元させるための復元力が作用しない状態で、当該上部構造体と当該下部構造体との相対変位を許可するロック機構(ただし、風センサーによって感知するものを除く)を備えた
ことを特徴とする免震装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の免震装置であって、
前記支承体は、前記地震時に前記下部構造体から前記上部構造体に伝達する水平力が、
前記上部構造体の自重の3%以下である
ことを特徴とする免震装置。 - 請求項1乃至請求項3の何れかに記載の免震装置であって、
前記復帰機構は、線材と、前記線材を巻き取るリールと、を有し、
前記上部構造体及び前記下部構造体のうちの一方に前記リールが設置され、前記上部構造体及び前記下部構造体のうちの他方に前記線材が接続されている
ことを特徴とする免震装置。 - 請求項4に記載の免震装置であって、
前記平常時には、前記線材を予め弛ませた状態にしている
ことを特徴とする免震装置。 - 請求項1乃至請求項5の何れかに記載の免震装置であって、
地震を感知する感震器と、前記感震器と連動して前記ロック機構を制御する制御部を有する
ことを特徴とする免震装置。 - 請求項6に記載の免震装置であって、
前記ロック機構は、所定の大きさ以上の地震が発生した場合には前記制御部と連動することなく解除される
ことを特徴とする免震装置。 - 請求項1乃至請求項7の何れかに記載の免震装置を、前記上部構造体と前記下部構造体との間に備えたことを特徴とする免震構造体。
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