[実施形態]
本発明の実施形態に係るゲーム装置5を備えたゲームシステム1、およびゲームプログラムについて、図面を参照して説明する。
<ゲームの説明>
図1に示すように、ゲームシステム1では、サーバ装置2とゲーム装置5とが、通信ネットワーク6を介して互いに通信可能に接続されている。
本実施形態で説明するゲームは、ユーザの操作を受けて、プレイヤキャラクタを三次元のゲーム空間で活動させたり、プレイヤキャラクタ同士でグループを編成してノンプレイヤキャラクタである敵キャラクタと戦闘したりするアクションゲームである。ユーザは、通信ネットワーク6を介して他のユーザとオンラインにてゲームを進めることができるが、通信ネットワーク6を介さずに個人でゲームを進めることもできる。
本ゲームのゲーム空間は、複数のステージSGで構成され、各ステージSGは、図2に示すように、複数のエリアCA1〜CA8,MA1〜MA11を有する。複数のエリアCA1〜CA8,MA1〜MA11には、複数の戦闘エリアCA1〜CA8と複数の移動エリア(接続エリア)MA1〜MA11とが含まれ、これらのエリアCA1〜CA8,MA1〜MA11は、互いにシームレス状に接続されている。
戦闘エリアCA1〜CA8は、プレイヤキャラクタPC1と敵キャラクタEM1,EM2とが戦闘を行うエリアであって、各戦闘エリアCA1〜CA8は互いに離れて位置する。敵キャラクタEM1,EM2は、戦闘場所である戦闘エリアCA1〜CA8を、戦闘しながら自発的に出ることはない。
移動エリアMA1〜MA11は、異なる戦闘エリアCA1〜CA8同士を繋ぐものである。敵キャラクタEM1,EM2は、移動エリアMA1〜MA11内を移動して、滞在する戦闘エリアCA1〜CA8を変更することができる。移動エリアMA1〜MA11では、敵キャラクタEM1,EM2は、プレイヤキャラクタPC1からの攻撃を受けることはあっても、自発的にプレイヤキャラクタPC1に攻撃を加えることはない。
このようなゲーム空間にて繰り広げられる各キャラクタPC1,EM1,EM2の動作、および、各キャラクタPC1,EM1,EM2の位置するエリアCA1〜CA8,MA1〜MA11などに応じて、各場面に適した楽曲(BGM)や効果音などの音声が出力される。
特に、本実施形態に係るゲームでは、例えばプレイヤキャラクタPC1と敵キャラクタEM1とが戦闘している場合、プレイヤキャラクタPC1と敵対している敵キャラクタEM1に起因した楽曲が出力される。その楽曲の音量は、プレイヤキャラクタPC1と敵キャラクタEM1との距離に応じたものとなる。これにより、ゲームをプレイするユーザが感じる臨場感および躍動感は、より向上したものとなる。
上記ゲームは、プレイステーション(登録商標)、パーソナルコンピュータ、PlayStation Vita(登録商標)などのゲーム装置5において実行される。
<ゲームシステム1の概要>
図1に示すように、ゲームシステム1は、サーバ装置2およびゲーム装置5にて構成される。
サーバ装置2は、ゲームプログラムの提供およびゲームデータの管理を行う。
ゲーム装置5は、ユーザの操作に基づいて上記ゲームプログラムに応じたゲームを実行する。そのために、ゲーム装置5は、通信ネットワーク6を介してサーバ装置2からゲームプログラム、ゲームデータ、およびこれらのアップデート版を受信(具体的にはダウンロードおよびインストール)することが可能である。
なお、ゲーム装置5は、ゲームを進行するにあたり、先ずはサーバ装置2にログインすることができる。ユーザには、アカウント情報が割り当てられており、アカウント情報には、ユーザの識別情報(ユーザID)およびパスワードが含まれる。
サーバ装置2は、ログイン時にゲーム装置5から送信されたアカウント情報に基づき、アクセスのあったゲーム装置5に対してユーザ認証を行う。ユーザ認証が完了したゲーム装置5は、ゲーム進行に必要なデータがサーバ装置2から送られると、ユーザの操作に基づいてゲーム画像や音声をディスプレイ61およびスピーカ62に出力しながら、ゲームを進行させる。
なお、ゲーム進行に必要なデータは、ログイン時の他、ゲーム進行の所定タイミング(例えばプレイヤキャラクタがクリアする課題(以下「クエスト」)をユーザが選択した時)においても、サーバ装置2から送られる。
このように、サーバ装置2とゲーム装置5とが相互に通信を行うことにより、サーバ装置2とゲーム装置5とで同期を取りながらゲームを進行させることもできる。
<ハードウェア構成>
以下、サーバ装置2のハードウェア構成、および、ゲーム装置5のハードウェア構成について説明する。
<サーバ装置2の構成>
サーバ装置2は、ネットワークインターフェース21、記憶部22および制御部23を有する。ネットワークインターフェース21および記憶部22は、バス29を介して制御部23と電気的に接続されている。
ネットワークインターフェース21は、インターネットおよびLANなどの通信ネットワーク6を介してゲーム装置5と通信可能に接続される。ネットワークインターフェース21を介して、ゲーム装置5へのゲームデータやゲームプログラムの送信、およびアカウント情報のゲーム装置5からの受信が行われる。
記憶部22は、HDD、SSD、RAMおよびROMなどで構成される。記憶部22には、ユーザを照合するためのアカウント情報、ユーザのログイン履歴、ゲームプログラム、ゲームデータ、ゲームプログラム以外の各種プログラムなどが格納されている。
制御部23は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、サーバ装置2自身の動作を制御する。
<サーバ装置2における制御部23の機能的構成>
制御部23は、各種プログラムを実行することにより、情報処理手段231、照合手段232および配信手段233として機能する。
情報処理手段231は、ゲームプログラムの配信に必要なデータを、ゲーム装置5との間で送受信する。情報処理手段231が受信する前記データとしては、ゲームプログラムのダウンロード要求情報が挙げられる。情報処理手段231が送信する前記データとしては、例えばゲームプログラムをゲーム装置5が受信したかを確認するための情報が挙げられる。
照合手段232は、ゲーム装置5から受信したアカウント情報を用いて、ユーザの認証処理を行う。
配信手段233は、ゲームプログラムのダウンロード要求情報およびユーザのアカウント情報を情報処理手段231が受信した後、ゲームプログラムおよび受信したアカウント情報に対応するゲームデータを、ゲーム装置5に配信(送信)する。
<ゲーム装置5の構成>
ゲーム装置5には、ディスプレイ61、スピーカ62およびゲームコントローラ63が外部接続または内蔵される。ゲーム装置5では、サーバ装置2から受信したゲームプログラムおよびゲームデータに基づいてゲームが進行される。
ゲーム装置5は、ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54、記憶部55および制御部56を有する。ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54および記憶部55は、バス59を介して制御部56と電気的に接続されている。
ネットワークインターフェース51は、ゲーム装置5とサーバ装置2との間で各種データを送受信するために、通信ネットワーク6に通信可能に接続される。
グラフィック処理部52は、制御部56から出力されるゲーム画像情報に従って、仮想ゲーム空間に関する各種オブジェクトを含むゲーム画像を、動画形式で描画する。グラフィック処理部52は、例えば液晶型であるディスプレイ61と接続されており、動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面としてディスプレイ61上に表示される。
オーディオ処理部53は、制御部56の指示に従って楽曲を含むゲーム音声を再生および合成する。オーディオ処理部53はスピーカ62と接続されており、再生および合成された音声は、スピーカ62から出力される。
操作部54は、ゲームコントローラ63と接続され、操作入力に関するデータをゲームコントローラ63との間で送受信する。例えば、ユーザは、ゲームコントローラ63の各種ボタンを押下することで、ゲーム装置5に操作信号を入力する。
記憶部55は、HDD、SSD、RAMおよびROMなどで構成される。記憶部55は、サーバ装置2からダウンロードしたゲームプログラムおよびゲームデータを記憶することができる。本実施形態において、記憶部55に記憶されるゲームデータには、上記ゲーム音声のデータが含まれる。
制御部56は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置5の動作を制御する。
<ゲーム装置5における制御部56の機能的構成>
制御部56は、前記ゲームプログラムを実行することにより、通信手段561、ゲーム空間生成手段562、プレイヤキャラクタ動作制御手段563、敵キャラクタ動作制御手段564、誘導判定手段565、および音声出力制御手段(音出力制御手段に相当)566として機能する。
このうち、主にゲーム空間生成手段562およびプレイヤキャラクタ動作制御手段563は、ゲーム進行手段としての役割を担う。ゲーム進行手段は、ゲームデータに含まれるゲーム空間オブジェクトおよびテクスチャなどのデータを記憶部55から読み出して、ゲーム画像情報を生成する。ゲーム画像情報がグラフィック処理部52によって処理されることにより、ディスプレイ61には処理後のゲーム画像が表示される。
通信手段561は、ネットワークインターフェース51を介してサーバ装置2との通信を行う機能である。通信手段561は、アカウント情報、および、ユーザの操作に基づく新たなゲームデータのダウンロード要求情報を、サーバ装置2に送信する。通信手段561は、サーバ装置2から送られてきた新たなゲームデータなどを受信する。
ゲーム空間生成手段562は、三次元のゲーム空間、即ち、ユーザによるゲームコントローラ63の操作によりプレイヤキャラクタPC1が動作する仮想空間を生成する。
プレイヤキャラクタ動作制御手段563は、上記ゲーム空間にプレイヤキャラクタPC1を配置する。プレイヤキャラクタ動作制御手段563は、ゲームコントローラ63を介してユーザが行う操作に基づいて、そのプレイヤキャラクタPC1をゲーム空間内で動作させる。
敵キャラクタ動作制御手段564は、ゲームの進行やクエストに応じた敵キャラクタEM1,EM2を上記ゲーム空間に配置する。敵キャラクタ動作制御手段564は、その敵キャラクタEM1,EM2に対し、ゲームやクエストの進行状況に応じて予めある程度設定された動作を行わせる。また、敵キャラクタ動作制御手段564は、プレイヤキャラクタPC1の動作に応じた動作を、敵キャラクタEM1,EM2に行わせる。
誘導判定手段565は、敵キャラクタEM1,EM2と戦闘中のプレイヤキャラクタPC1が移動している際、そのプレイヤキャラクタPC1が当該敵キャラクタEM1,EM2を誘導している誘導状態であるか否かを、所定の誘導判定条件に従って判定する誘導判定処理を行う。誘導状態とは、図3に示すように、移動中のプレイヤキャラクタPC1を敵キャラクタEM1,EM2が追いかける状態、つまりはプレイヤキャラクタPC1の移動に追随して敵キャラクタEM1,EM2が移動している状態を言う。
図3では、プレイヤキャラクタPC1および敵キャラクタEM1それぞれの移動軌跡を、繋がった複数本の矢印にて表している。1本の矢印は、ゲーム画像を構成する複数のフレーム画像のうちの1フレーム分に相当し、各矢印の長さは、1フレームあたりのプレイヤキャラクタPC1および敵キャラクタEM1それぞれの移動量を示す。
誘導判定条件については、<誘導判定処理について>にて詳述する。
音声出力制御手段566は、ゲームの進行状況やクエストの内容、プレイヤキャラクタPC1および敵キャラクタEM1,EM2の動作などに応じて、音声データを記憶部55内から逐次読み出し、オーディオ処理部53を介してスピーカ62から音声を出力させる。
上記音声には、各キャラクタPC1,EM1,EM2のボイスや足音、咆哮音などの効果音、敵キャラクタEM1,EM2固有の楽曲などが含まれる。
特に、音声出力制御手段566は、楽曲選択処理および音量変化処理を行う。楽曲選択処理とは、ゲーム進行中の楽曲を各種状況に応じて選択し、選択した当該楽曲をスピーカ62から出力させる処理である。音量変化処理とは、スピーカ62から出力されている楽曲の音量を、各種条件に応じて変化させる処理である。
楽曲選択処理については<楽曲選択処理について>にて、音量変化処理については<音量変化処理について>にて、それぞれ詳述する。
<誘導判定処理について>
誘導判定手段565が行う誘導判定処理について、図3〜図5を用いて詳述する。
戦闘時のプレイヤキャラクタPC1には、使用するアイテム(例えば武器)などの各種設定やユーザの操作の癖に基づく、当該プレイヤキャラクタPC1にとって戦闘が有利となる固有の条件が存在する。図3に示した誘導状態は、そのような条件を考慮して、プレイヤキャラクタPC1にとって戦闘が有利となる場所へと敵キャラクタEM1,EM2をあえて誘導する際に利用される状態である。
図4では、図3と同様、プレイヤキャラクタPC1と敵キャラクタEM1とが戦闘中にある状態を例示している。図4に示すように、誘導状態か否かの判定に用いられる所定の誘導判定条件には、以下の3つの条件が含まれる。
(第1条件)プレイヤキャラクタPC1の移動距離および敵キャラクタEM1の移動距離それぞれが所定距離以上であること。
(第2条件)敵キャラクタEM1が、任意の戦闘エリア(第1エリアに相当、図4ではCA3)から、当該エリアCA3に繋がる移動エリア(第2エリアに相当、図4ではMA5)に移動したこと。
(第3条件)プレイヤキャラクタPC1および敵キャラクタEM1それぞれの移動方向と移動距離を示す移動ベクトル同士の成す角度θが所定範囲内であること。
上記第1条件を判定するにあたり、誘導判定手段565は、図5に示すように、プレイヤキャラクタPC1の移動軌跡および敵キャラクタEM1の移動軌跡それぞれについて、現在から所定フレーム数前(例えば8フレーム前)までをベクトル近似する(移動ベクトル)。誘導判定手段565は、当該移動ベクトルそれぞれの長さを、移動量の総和として算出する。
つまり、各キャラクタPC1,EM1が移動する向きおよび移動量は、フレーム毎に異なっているが、誘導判定手段565は、各フレームでの移動量の合計値を算出するのではなく、現在から過去に所定フレーム数遡ったところまでを一単位として移動距離を算出する。従って、仮にキャラクタPC1,EM1が過去に居た場所に戻るような移動をした場合、この影響を受けて、戻った分移動距離は短く算出される。
誘導判定手段565は、上述した移動距離の算出処理を、毎フレーム繰り返す。誘導判定手段565は、算出結果が所定距離以上である場合は第1条件が満たされていると判定し、算出結果が所定距離以上でない場合は第1条件が満たされていないと判定する。
誘導状態であれば、敵キャラクタEM1は移動中のプレイヤキャラクタPC1を追いかけて移動するため、その分移動距離が長くなる傾向にある。従って、敵キャラクタEM1の移動距離が所定距離よりも短ければ、プレイヤキャラクタPC1は敵キャラクタEM1を誘導していないと言える。それ故、誘導状態を判定する一条件として、第1条件が含まれている。
なお、“所定距離”は、全てのエリアCA1〜CA8,MA1〜MA11の幅よりも長い距離に、各エリア共通の値に予め設定されている。“所定フレーム数”は、適切な値に予め設定されている。
再び図4において、上記第2条件は、戦闘中の敵キャラクタEM1が1回でも戦闘エリアCA3からその隣の移動エリアMA5へと移動した場合に、満たされたと判定される。敵キャラクタEM1が1つの戦闘エリアCA3内に留まっている(即ちエリアチェンジされていない)場合、誘導判定手段565は、第2条件が満たされていないと判定する。
既に述べたように、戦闘している際中、敵キャラクタEM1は、戦闘場所である戦闘エリアCA3を出ないという性質を有するが、プレイヤキャラクタPC1に誘導されていれば戦闘中と云えども戦闘エリアCA3を出る。それ故、誘導状態を判定する一条件として、第2条件が含まれている。
上記第3条件を判定するにあたり、誘導判定手段565は、上記第1条件にて使用した各キャラクタPC1,EM1の移動ベクトルの始点(つまり、現在位置から所定フレーム数前の時点での各キャラクタPC1,EM1の位置)が一致するように、いずれか一方の移動ベクトルを平行移動させる。図4では、一例として、敵キャラクタEM1の移動ベクトルを平行移動させている。
誘導判定手段565は、これらのベクトル同士の成す角度θが所定範囲内である場合、第3条件が満たされていると判定する。誘導判定手段565は、上記角度θが所定範囲内でない場合、第3条件は満たされていないと判定する。
例えば、複数のプレイヤキャラクタが協力して1体の敵キャラクタEM1と戦闘を行っている際、プレイヤキャラクタそれぞれが一斉に異なる方向に移動することが考えられる。この場合、敵キャラクタEM1は1体のため、全てのプレイヤキャラクタが誘導状態となることはできない。一方、敵キャラクタEM1に追いかけられていないプレイヤキャラクタの移動ベクトルと、当該敵キャラクタEM1の移動ベクトルとの成す角度θは、所定範囲を外れる。このことを利用するために、誘導状態を判定する一条件として、第3条件が含まれている。
誘導判定手段565は、プレイヤキャラクタPC1が移動している間は逐次(毎フレーム)、上記第1〜第3条件全てが満たされるか否かを判定する。誘導判定手段565は、第1〜第3条件全てが満たされている場合、誘導状態にあると判定し、第1〜第3条件のうち1つでも満たされていない場合、誘導状態ではないと判定する。
また、誘導判定手段565は、上記にて誘導状態であると判定した結果を、第1所定トリガに応じてリセットする。第1所定トリガとしては、誘導状態においてプレイヤキャラクタPC1が所定動作状態を採った時が挙げられる。所定動作状態には、戦闘エリアCA1〜CA8内に滞在する敵キャラクタEM1,EM2(誘導中の敵キャラクタEM1を含む)にプレイヤキャラクタPC1が攻撃を加えた状態、および、敵キャラクタEM1,EM2からプレイヤキャラクタPC1が攻撃を加えられた状態、の少なくとも1つが含まれる。
<楽曲選択処理について>
音声出力制御手段566は、少なくともプレイヤキャラクタPC1および敵キャラクタEM1,EM2が動作しているゲーム進行中、敵キャラクタEM1,EM2に起因した楽曲を選択してスピーカ62から出力させる楽曲選択処理を行う。
−楽曲の種類−
楽曲選択処理において選択候補となる楽曲には、「戦闘曲」「移動曲」「誘導曲」「見失い曲」が含まれる。
「戦闘曲」とは、敵キャラクタEM1,EM2とプレイヤキャラクタPC1とが戦闘している間に出力される楽曲である。
ここで、敵キャラクタEM1,EM2には、雑魚キャラクタ、ステージSG上のボスキャラクタ、ゲームにおける主要敵キャラクタなどのように、複数種類の敵キャラクタが存在し、それらにはゲーム内容に伴ったランク付けが施されている。これに応じて、「戦闘曲」には、「雑魚キャラクタの戦闘曲」「ステージSG上のボスキャラクタの戦闘曲」「主要敵キャラクタの戦闘曲」が存在する。
また、「戦闘曲」には、ステージ固有の「戦闘曲」も存在する。
「移動曲」とは、敵キャラクタEM1,EM2がエリアCA1〜CA8,MA1〜MA11を移動している間に出力される楽曲である。
「誘導曲」とは、移動するプレイヤキャラクタPC1によって敵キャラクタEM1,EM2が誘導されている間(上述した誘導状態の間)に出力される楽曲である。
「見失い曲」とは、敵キャラクタEM1,EM2が、戦闘していたプレイヤキャラクタPC1を見失った時に出力される楽曲である。
−楽曲の選択と切換−
音声出力制御手段566は、上記楽曲の中から、プレイヤキャラクタPC1が敵対する敵キャラクタEM1,EM2の種類および動作状態の種類に応じて、出力されるべき楽曲を選択する。
例えば、ステージSG上のボスキャラクタである敵キャラクタEM1の動作状態がプレイヤキャラクタPC1と戦闘している状態である場合、音声出力制御手段566は、「ステージSG上のボスキャラクタの戦闘曲」を選択する。この敵キャラクタEM1がプレイヤキャラクタPC1によって誘導状態である場合、音声出力制御手段566は、「誘導曲」を選択する。
上記楽曲の選択にあたり、音声出力制御手段566は、更に楽曲の優先度に基づいて楽曲の選択を行う。例えば、同じエリア内に「雑魚キャラクタ」「ステージSG上のボスキャラクタ」「主要敵キャラクタ」が滞在する場合も想定される。一方で「戦闘曲」の優先度は、“「主要敵キャラクタの戦闘曲」>「ステージSG上のボスキャラクタの戦闘曲」>「雑魚キャラクタの戦闘曲」”の順に予め定められている。音声出力制御手段566は、プレイヤキャラクタPC1と戦闘中の敵キャラクタEM1,EM2の種類および上記優先度に従って、戦闘曲を決定する。
また、音声出力制御手段566は、任意の楽曲(第1楽曲)がスピーカ62から出力されている状態時、第2所定トリガに応じて、出力される楽曲を任意の楽曲とは別の楽曲(第2楽曲)に切り替える。第2所定トリガとは、敵キャラクタEM1,EM2の動作状態の種類が変化したこと、プレイヤキャラクタPC1が既に述べた所定動作状態(敵キャラクタに攻撃を加えた状態、および、攻撃を加えられた状態)を採ったことなどが挙げられる。
なお、敵キャラクタ動作制御手段564は、敵キャラクタEM1,EM2が戦闘によって受けたダメージの合計値が基準値を超えると、その敵キャラクタEM1,EM2を当該敵キャラクタの巣などである所定場所に移動させた後に“睡眠状態”にさせる。この場合、音声出力制御手段566は、楽曲の選択は行わず、且つ、楽曲の出力を停止させる。
<音量変化処理について>
楽曲が出力されている間、音声出力制御手段566は、上記楽曲の音量を、プレイヤキャラクタPC1から当該プレイヤキャラクタPC1と戦闘中の敵キャラクタEM1,EM2までの距離に従って変化させる音声変化処理を行う。
プレイヤキャラクタPC1と敵キャラクタEM1,EM2とが戦闘している間、上記楽曲選択処理により、当該敵キャラクタEM1,EM2に起因した楽曲がスピーカ62から出力されている。その戦闘の間、プレイヤキャラクタPC1および敵キャラクタEM1,EM2は互いに動いているため、プレイヤキャラクタPC1と敵キャラクタEM1,EM2との水平面上の距離および垂直面上の距離は、随時変化する。
そこで、音声出力制御手段566は、水平面上の距離および垂直面上の距離に応じて、楽曲の音量を増減させる。具体的に、音声出力制御手段566は、プレイヤキャラクタPC1と敵キャラクタEM1,EM2との距離が小さい(近い)程、音量を大きくし、プレイヤキャラクタPC1と敵キャラクタEM1,EM2との距離が大きい(遠い)程、音量を小さくする。
プレイヤキャラクタPC1または敵キャラクタEM1,EM2がエリア移動を行うと、これらのキャラクタPC1,EM1,EM2同士が同じ戦闘エリアCA1〜CA8内に滞在しない状態となる。そうなるまでに、プレイヤキャラクタPC1と敵キャラクタEM1,EM2との距離は徐々に大きく(遠く)なるため、音声出力制御手段566は、楽曲の音量を徐々に下げていく。音声出力制御手段566は、キャラクタPC1,EM1,EM2同士が同じ戦闘エリアCA1〜CA8内に滞在しなくなってから所定時間経過した時点で、楽曲の出力を停止する。
また、音声出力制御手段566は、上記楽曲選択処理において、出力されている楽曲を任意の第1楽曲から別の第2楽曲に切り替える際、切替前の第1楽曲の音量を徐々に下げつつ、切替後の第2楽曲の音量を徐々に上げる制御を行う(クロスフェード)。
<楽曲選択処理および音量変化処理の具体例>
以下では、上述した楽曲選択処理および音量変化処理の具体例(パターン1〜5)について、図6〜10を用いて説明する。
なお、以下で説明する各キャラクタPC1,EM1,EM2が採る動作状態は、プレイヤキャラクタ動作制御手段563および敵キャラクタ動作制御手段564によって制御される。
−パターン1−
図6(a)に示すように、プレイヤキャラクタPC1と敵キャラクタEM1とが、戦闘エリアCA1にて戦闘しているとする。プレイヤキャラクタPC1と敵対している敵キャラクタは“EM1”であり、敵キャラクタEM1の動作状態が“戦闘”であるため、音声出力制御手段566は、戦闘曲1を選択してスピーカ62から出力させる。音声出力制御手段566は、戦闘曲1の音量を、各キャラクタPC1,EM1同士の距離に応じて変化させる。
その後、図6(b)に示すように、敵キャラクタEM1は、戦闘エリアチェンジのため、移動エリアMA1を移動しているとする。この場合、敵キャラクタEM1の動作状態が“移動”であるため、音声出力制御手段566は、移動曲1を選択し、出力されている楽曲を戦闘曲1から移動曲1にクロスフェードにて切り替える。音声出力制御手段566は、移動曲1の音量を、各キャラクタPC1,EM1同士の距離に応じて変化させる。
なお、図6(b)では、各キャラクタPC1,EM1同士の距離が図6(a)よりも大きくなっている。
その後、図6(c)に示すように、敵キャラクタEM1は戦闘エリアCA2に到達したものの、プレイヤキャラクタPC1は戦闘エリアCA1に留まっている。この場合の敵キャラクタEM1の動作状態は“戦闘待機”である。音声出力制御手段566は、各キャラクタPC1,EM1同士の距離が図6(b)よりも大きいため、移動曲1の音量を図6(b)よりも更に小さくする。
“戦闘待機”の状態が10秒維持されると、音声出力制御手段566は、移動曲1の音量をミュート(出力停止)する。
−パターン2−
図7(a)に示すように、プレイヤキャラクタPC1と敵キャラクタEM1とが、戦闘エリアCA1にて戦闘しているとする。この場合、図6(a)と同様、音声出力制御手段566は、戦闘曲1を選択してスピーカ62から出力させると共に、戦闘曲1の音量を各キャラクタPC1,EM1同士の距離に応じて変化させる。
その後、図7(b)に示すように、プレイヤキャラクタPC1は、戦闘エリアチェンジのため、移動エリアMA1を移動しているとする。一方、敵キャラクタEM1の動作状態は引き続き“戦闘”であるため、音声出力制御手段566は、図7(a)上記制御を継続させる。
なお、図7(b)では、プレイヤキャラクタPC1が敵キャラクタEM1から遠ざかっているため、戦闘曲1の音量は図7(a)よりも小さくなっている。
その後、図7(c)に示すように、プレイヤキャラクタPC1は戦闘エリアCA2に到達したものの、敵キャラクタEM1は、引き続き“戦闘”の動作状態で戦闘エリアCA1に留まっている。各キャラクタPC1,EM1同士の距離は図7(b)よりも大きくなっている。そのため、音声出力制御手段566は、戦闘曲1の音量を図7(b)よりも更に小さくする。
各キャラクタPC1,EM1が互いに異なる戦闘エリアCA1,CA2に滞在する状態が10秒維持されると、音声出力制御手段566は、戦闘曲1の音量をミュート(出力停止)する。
−パターン3−
図8(a)に示すように、プレイヤキャラクタPC1と敵キャラクタEM1とが、戦闘エリアCA1にて戦闘しているとする。この場合、図6(a)と同様、音声出力制御手段566は、戦闘曲1を選択してスピーカ62から出力させると共に、戦闘曲1の音量を各キャラクタPC1,EM1同士の距離に応じて変化させる。
その後、図8(b)に示すように、敵キャラクタEM1は、戦闘エリアチェンジのため、移動エリアMA1を移動しているとする。この場合、図6(b)と同様、敵キャラクタEM1の動作状態は“移動”である。そのため、音声出力制御手段566は、出力されている楽曲を戦闘曲1から移動曲1にクロスフェードにて切り替えると共に、移動曲1の音量を各キャラクタPC1,EM1同士の距離に応じて変化させる。
なお、図8(b)では、各キャラクタPC1,EM1同士の距離が図8(a)の場合よりも大きくなっている。
その後、図8(c)に示すように、敵キャラクタEM1は引き続き戦闘エリアCA2内を移動しているが、プレイヤキャラクタPC1がいる戦闘エリアCA1には、別の敵キャラクタEM2が登場している。この敵キャラクタEM2が例えばプレイヤキャラクタPC1に攻撃して戦闘状態となった場合、音声出力制御手段566は、各敵キャラクタEM1,EM2に応じた楽曲の優先度に応じて、楽曲の選択及び切替を行う。
具体的に、上記優先度が、“敵キャラクタEM2の戦闘曲2>敵キャラクタEM1の移動曲1”に予め設定されているとする。音声出力制御手段566は、出力されている楽曲を、移動曲1から敵キャラクタEM2に起因する戦闘曲2にクロスフェードにて切り替える。
更に、音声出力制御手段566は、キャラクタPC1,EM2同士の距離に応じて、戦闘曲2の音量を変化させる。図8(c)では、キャラクタPC1,EM2同士の距離が比較的小さいことから、戦闘曲2の音量は、図8(b)に比べて大きくなっている。
−パターン4−
図9(a)に示すように、プレイヤキャラクタPC1と敵キャラクタEM1とが、戦闘エリアCA1にて戦闘しているとする。この場合、図6(a)と同様、音声出力制御手段566は、戦闘曲1を選択してスピーカ62から出力させると共に、戦闘曲1の音量を各キャラクタPC1,EM1同士の距離に応じて変化させる。
更に、図9(a)では、敵キャラクタEM2が別の戦闘エリアCA2に滞在しているが、動作状態は“戦闘待機状態”である。従って、音声出力制御手段566は、敵キャラクタEM2に起因する楽曲の選択は行わない。
その後、図9(b)に示すように、プレイヤキャラクタPC1が戦闘エリアチェンジのため、移動エリアMA1を移動しているとする。一方、敵キャラクタEM1の動作状態は引き続き“戦闘”であるため、音声出力制御手段566は、図9(a)の上記制御を継続させる。
図9(b)では、プレイヤキャラクタPC1が敵キャラクタEM1から遠ざかっているため、戦闘曲1の音量は図9(a)よりも小さくなっている。
その後、図9(c)に示すように、敵キャラクタEM1は引き続き戦闘エリアCA1内に戦闘状態でいるが、戦闘エリアCA2にいる別の敵キャラクタEM2が、当該戦闘エリアCA2に到着したプレイヤキャラクタPC1と戦闘状態になったとする。
楽曲の優先度が“敵キャラクタEM1の戦闘曲1>敵キャラクタEM2の戦闘曲2”に予め設定されているとする。すると、音声出力制御手段566は、敵キャラクタEM1,EM2の動作状態と上記優先度とに応じて、出力される楽曲を引き続き戦闘曲1とし、戦闘曲1の音量を変化させる制御を行うことが考えられる。
ところが、プレイヤキャラクタPC1が実際に戦闘を行っている相手は、同じ戦闘エリアCA2内の敵キャラクタEM2である。上記優先度が重視されると、敵キャラクタEM1の動作状態が戦闘待機状態に遷移してから所定時間(例えば10秒)が経過しない限り、敵キャラクタEM1に伴う戦闘曲1が出力されたままとなる。これでは、戦闘相手と出力されている楽曲とのミスマッチが少なくとも所定時間は生じ、ユーザは違和感を覚えてしまう。
そこで、図9(c)に示すように、例えばプレイヤキャラクタPC1が敵キャラクタEM2に戦闘エリアCA2内で初めて攻撃を加えた(所定動作状態を採った)時、音声出力制御手段566は、出力される楽曲を、戦闘曲1から戦闘曲2に切り替える。具体的には、音声出力制御手段566は、上記攻撃の開始をトリガとして戦闘曲1をミュートにすると共に(出力停止)、各キャラクタPC1,EM2同士の距離に応じた音量の戦闘曲2を出力開始させる。
つまり、音声出力制御手段566は、優先度が戦闘曲同士の場合、当該優先度よりも、プレイヤキャラクタPC1と実際に戦闘している敵キャラクタEM2の戦闘曲2を優先させる。
なお、プレイヤキャラクタPC1は、使用する武器の種類に関係になく、敵キャラクタEM2との距離が比較的近い状態で攻撃を加える。それ故、図9(c)では、戦闘曲2が比較的大きい音量で出力され始めた様子を表す。
−パターン5−
図10(a)に示すように、プレイヤキャラクタPC1と敵キャラクタEM1とが、戦闘エリアCA1にて戦闘しているとする。この場合、図6(a)と同様、音声出力制御手段566は、戦闘曲1を選択してスピーカ62から出力させると共に、戦闘曲1の音量を各キャラクタPC1,EM1同士の距離に応じて変化させる。
その後、図10(b)に示すように、プレイヤキャラクタPC1は、敵キャラクタEM1を誘導し始めたとする。誘導状態の判定については、<誘導判定処理について>で述べた通り、誘導判定手段565が上記誘導判定条件に基づいて行う。誘導状態であると判定されると、音声出力制御手段566は、誘導曲1を選択すると共に、出力される楽曲を戦闘曲1から誘導曲1にクロスフェードにて切り替える。音声出力制御手段566は、誘導曲1の音量を、各キャラクタPC1,EM1同士の距離に応じて変化させる。
その後、図10(c)に示すように、両キャラクタPC1,EM1が戦闘エリアCA2に到着し再び戦闘しているとする。
ところが、既に述べたように、誘導状態か否かは、誘導判定条件の成立の有無によって判定されるため、誘導状態が不成立となるまで、判定結果“誘導状態”は維持される。すると、いくら両キャラクタPC1,EM1間で戦闘が行われていても、敵キャラクタEM1の怒りが収まるまでは誘導状態が維持される。怒り状態の敵キャラクタEM1は、プレイヤキャラクタPC1を追って移動するからである。従って、判定結果“誘導状態”に対応する誘導曲1は、実際には戦闘が行われていても、誘導判定条件が不成立となるまで出力され続けるため、ユーザは違和感を覚えてしまう。
そこで、図10(c)に示すように、例えばプレイヤキャラクタPC1が敵キャラクタEM1に戦闘エリアCA2内で初めて攻撃を加えた(所定動作状態を採った)時、誘導判定手段565は、判定結果“誘導状態”をリセットし、音声出力制御手段566は、出力される楽曲を誘導曲1から戦闘曲1に切り替える。具体的には、音声出力制御手段566は、上記攻撃の開始をトリガとして誘導曲1をミュートにすると共に(出力停止)、各キャラクタPC1,EM2同士の距離に応じた音量の戦闘曲1を出力開始させる。
<ゲーム装置5における一連の処理の流れ>
図11を用いて、ゲーム進行中のゲーム装置5における、上述した各処理を含む一連の処理の流れについて説明する。
ゲーム進行中において、音声出力制御手段566は、敵キャラクタEM1,EM2の動作状態などに応じた楽曲を選択してスピーカ62から出力させる(ステップSt1)。この際、音声出力制御手段566は、プレイヤキャラクタPC1及び敵キャラクタEM1,EM2同士の距離に応じて、上記楽曲の音量の大小を変化させる(ステップSt2)。
誘導判定手段565は、ゲーム画像の毎フレームにて、誘導判定条件(第1条件、第2条件および第3条件)全ての成立の可否を判定する(ステップSt3)。
全ての誘導判定条件が成立している場合(ステップSt3のYes)、誘導判定手段565は、プレイヤキャラクタPC1が敵キャラクタEM1,EM2を誘導している誘導状態であると判定する(ステップSt4)。音声出力制御手段566は、出力される楽曲を、ステップSt1に係る楽曲から誘導曲に切り替え(ステップSt5)、且つ、両キャラクタPC1,EM1,EM2同士の距離に応じて誘導曲の音量の大小を変化させる(ステップSt6)。
誘導状態である際に、プレイヤキャラクタPC1が誘導相手であった敵キャラクタEM1,EM2に攻撃を加えた場合(ステップSt7のYes)、音声出力制御手段566は、出力される楽曲を、それまで出力されていた誘導曲から当該敵キャラクタEM1,EM2の戦闘曲に切り替え(ステップSt8)、且つ、両キャラクタPC1,EM1,EM2同士の距離に応じて当該戦闘曲の音量の大小を変化させる(ステップSt9)。
また、敵キャラクタEM1,EM2への攻撃は加えられていないが(ステップSt7のNo)、誘導判定手段565は、誘導判定条件が少なくとも1つが非成立となったことを判定したとする(ステップSt10のYes)。この場合、音声出力制御手段566は、出力される楽曲を、それまで出力されていた誘導曲から現在敵対している敵キャラクタEM1,EM2の動作状態などに応じた楽曲に切り替え(ステップSt11)、且つ、両キャラクタPC1,EM1,EM2同士の距離に応じて当該楽曲の音量の大小を変化させる(ステップSt12)。
ステップSt10において、誘導判定条件全てが引き続き成立している場合(ステップSt10のNo)、誘導判定手段565および音声出力制御手段566は、ステップSt7以降の動作を繰り返す。
ステップSt3において、誘導判定条件全てが非成立の場合(ステップSt3のNo)、誘導判定手段565は、誘導状態ではないと判定する。
プレイヤキャラクタPC1の戦闘相手(敵キャラクタEM1,EM2)が、それまでの相手とは異なる相手(ステップSt1とは別の敵キャラクタ)に変更した場合(ステップSt13のYes)、音声出力制御手段566は、楽曲の優先度に基づいて、当該優先度にて優先される楽曲と、変更後の戦闘相手に対応する楽曲とが同一か否かを判定する(ステップSt14)。
優先度にて優先される楽曲と変更後の戦闘相手に対応する楽曲とが同一である場合(ステップSt14のYes)、音声出力制御手段566は、上記優先度に従って出力される楽曲を切り替える(ステップSt15)。音声出力制御手段566は、プレイヤキャラクタPC1と変更後の戦闘相手との距離に応じて、当該楽曲の音量の大小を変化させる(ステップSt16)。
優先度にて優先される楽曲と変更後の戦闘相手に対応する楽曲とが同一でない場合(ステップSt14のNo)、音声出力制御手段566は、出力される楽曲を、変更後の戦闘相手に対応する楽曲に切り替える(ステップSt17)。音声出力制御手段566は、プレイヤキャラクタPC1と変更後の戦闘相手との距離に応じて、当該楽曲の音量の大小を変化させる(ステップSt18)。
なお、ステップSt13において、プレイヤキャラクタPC1の戦闘相手が変更されていない場合(ステップSt13のNo)、ステップSt1,St2の状態が引き継がれる。
プレイヤキャラクタPC1の戦闘相手(敵キャラクタEM1,EM2)の動作状態が、その後戦闘待機状態に遷移して所定時間経過した場合(ステップSt19のYes)、音声出力制御手段566は、それまで出力されていた楽曲の音量をミュートにする(ステップSt20)。上記戦闘相手の動作状態が戦闘待機状態に遷移しない場合、および、戦闘待機状態に遷移しても所定時間経たないうちに更に他の動作状態に遷移した場合(ステップSt19のNo)、ステップSt3以降の処理が繰り返される。
以上をまとめると、本実施形態のゲームプログラムは、ゲーム装置5の制御部56(コンピュータ)を、ユーザの操作に基づいて、プレイヤキャラクタPC1をゲーム空間内で動作させるプレイヤキャラクタ動作制御手段563と、プレイヤキャラクタPC1と敵対する敵キャラクタEM1,EM2を、ゲーム空間内で動作させる敵キャラクタ動作制御手段564と、ゲーム空間内でプレイヤキャラクタPC1が移動する際、当該プレイヤキャラクタPC1の移動に追随して敵キャラクタEM1,EM2が移動している誘導状態であるか否かを判定する誘導判定手段565と、として機能させるものである。
<発明の効果>
本実施形態のゲームプログラムによれば、誘導判定手段565は、プレイヤキャラクタPC1の移動に追随して敵キャラクタEM1,EM2が移動している誘導状態であるか否かを判定する。これにより、判定結果に応じた演出を実行するなど、判定結果を利用してゲームの幅を広げることができる。従って、ユーザは、より興趣に富んだゲームをプレイすることができる。
具体的に、誘導判定手段565は、第1条件、第2条件および第3条件を含む誘導判定条件を全て満たす場合に、誘導状態であると判定する。
第1条件は、各キャラクタPC1,EM1,EM2の移動距離が所定距離以上であるとの内容である。誘導状態であれば、各キャラクタPC1,EM1,EM2の移動距離が自ずと長くなるからである。
第2条件は、敵キャラクタEM1,EM2が任意の戦闘エリア(第1エリア)から移動エリア(第2エリア)に移動したとの内容である。本ゲームでは、戦闘中の敵キャラクタEM1,EM2は戦闘エリアCA1〜CA8に留まるという条件が課されていることから、第2条件が満たされていれば誘導状態であるとの可能性が浮上するからである。
第3条件は、各キャラクタPC1,EM1,EM2における移動ベクトル同士の成す角度が、所定範囲内であるとの内容である。複数のプレイヤキャラクタが協力して1体の敵キャラクタEM1,EM2と戦闘している場合、各プレイヤキャラクタが異なる方向に移動する可能性がある。その場合に、第3条件が満たされているプレイヤキャラクタがあれば、そのキャラクタが敵キャラクタを誘導している可能性が浮上するからである。
また、プレイヤキャラクタPC1が所定動作状態を採った時に、誘導判定手段565は、誘導状態であるとの判定結果をリセットする。所定動作状態は、プレイヤキャラクタPC1が敵キャラクタEM1,EM2に攻撃を加えた状態、および、敵キャラクタEM1,EM2から攻撃を加えられた状態、の少なくとも1つを含む。これにより、適切なタイミングで、例えば誘導状態時の演出とは異なる演出に切り替えられることができ、ゲームは、より興趣に富んだものとなる。
特に、上記演出の1つとして、音声出力制御手段566は、誘導状態に応じた誘導曲1(第1楽曲)を出力させる。これにより、スピーカ62からは、誘導状態に合った楽曲が出力されるため、ユーザは、臨場感および躍動感を感じることができ、より興趣に富んだゲームをプレイすることができる。
また、誘導判定手段566が誘導状態であるとの判定結果をリセットした場合、音声出力制御手段566は、出力させる楽曲を、誘導曲(第1楽曲)から別の楽曲(戦闘曲などの第2楽曲)に切り替える。これにより、スピーカ62からは、各種状態に応じた楽曲が出力されるため、ゲームは、より興趣に富んだものとなる。
特に、本ゲームのゲーム空間は、戦闘エリアCA1〜CA8と移動エリアMA1〜MA11とがシームレス状に繋がった空間である。シームレスであるが故に、プレイヤキャラクタPC1がエリアCA1〜CA8,MA1〜MA11を移動する際のロード画面は存在せず、楽曲を変更するタイミングが乏しいと言える。そのようなゲーム空間において、本実施形態では、プレイヤキャラクタPC1が所定動作状態を採ったタイミングで、誘導曲から他の楽曲への切替を行っている。これにより、ユーザにとって違和感のない、臨場感あふれたダイナミックなサウンドを提供できている。
[他の実施形態]
前記実施形態において説明した各種制御手段および処理手順は一例であって、本発明、その適用物、またはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。各種制御手段および処理手順は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更が可能である。
ゲーム装置5の種類は、プレイステーション(登録商標)などの家庭用ゲーム機に限定されない。例えば、ゲーム装置5は、タブレット、パーソナルコンピュータ、携帯型ゲーム機、携帯電話、スマートフォンなどであってもよい。
前記ゲームは、アクションゲームに限定されない。前記ゲームは、ゲーム空間内で敵キャラクタとプレイヤキャラクタとが敵対するタイプのゲームであれば、どのような種類のゲームにも適用できる。
また、前記ゲーム空間は、戦闘エリアと移動エリアとがシームレス状に繋がった空間に限定されない。
また、前記実施形態では、敵キャラクタEM1は、戦闘している際中、戦闘エリアCAを出ないという性質を有すると説明したが、この性質は必須ではない。敵キャラクタ動作制御手段564は、戦闘をしている際中であっても敵キャラクタEM1が戦闘エリアCAを出るように制御してもよい。
前記実施形態では、敵キャラクタに起因して、出力される楽曲が設定されると説明した。しかし、出力される楽曲の設定は、敵キャラクタではなく、プレイヤキャラクタやサブキャラクタに起因して設定されてもよい。
前記実施形態では、楽曲の設定には、更に敵キャラクタの動作状態の種類が考慮されると説明したが、これに限定されない。例えば、敵キャラクタの特性や性質、プレイヤキャラクタの有する属性などが考慮されてもよい。
前記実施形態では、敵キャラクタの種類に応じて楽曲の優先度が設定されていると説明したが、これに限定されない。
また、前記優先度は、固定ではなく、ゲームの進行とともに適宜変化してもよい。
前記実施形態では、プレイヤキャラクタが所定動作状態を採った時に出力される楽曲が切り替わると説明したが、これに限定されない。
また、前記所定動作状態は、プレイヤキャラクタが敵キャラクタに攻撃を加えた状態、および、プレイヤキャラクタが敵キャラクタから攻撃を加えられた状態を含むと説明したが、これに限定されない。所定動作状態は、例えば、プレイヤキャラクタが武器を構えた状態、敵キャラクタがプレイヤキャラクタへの攻撃をひいた状態、敵キャラクタがひるんだ状態、敵キャラクタがプレイヤキャラクタを発見した状態、などを含んでいても良い。
前記実施形態では、誘導判定条件として、第1条件、第2条件および第3条件が含まれると説明した。しかし、誘導判定条件は、第1条件、第2条件および第3条件に限定されない。例えば、常に1のプレイヤキャラクタのみが敵キャラクタと戦闘を行う場合は、第3条件は課されずともよい。また、ゲームの諸条件に従って、更なる条件が誘導判定条件に課されても良い。
前記実施形態では、誘導状態と判定した際、誘導状態に応じた楽曲が出力されると説明したが、これに限定されない。例えば、誘導状態と判定した場合、楽曲の出力が停止されてもよい。
また、誘導状態と判定した際のゲーム上の演出は、楽曲に関する出力以外で表現されていてもよい。例えば、誘導状態と判定した際、ゲーム進行手段は、プレイヤキャラクタまたは敵キャラクタにエフェクトを付加させたゲーム画像をディスプレイ61に表示させてもよい。また、誘導判定と判定した際、ゲーム進行手段は、ゲーム画像上の任意の位置に、誘導状態を示すアイコンを表示させてもよい。
前記実施形態では、所定動作状態を採った際に、誘導状態であるとの判定結果がリセットされると説明したが、判定結果は必ずしもリセットされずともよい。
前記実施形態では、誘導状態であるとの判定結果がリセットされた際、楽曲が切り替わると説明したが、これに限定されない。誘導状態であるとの判定結果がリセットされた際、楽曲の出力が停止されてもよい。
また、誘導状態であるとの判定結果をリセットするトリガとなる前記所定動作状態についても、既に述べた通り、プレイヤキャラクタが敵キャラクタに攻撃を加えた状態、および、プレイヤキャラクタが敵キャラクタから攻撃を加えられた状態の少なくとも1つに限定されない。
なお、複数のプレイヤキャラクタが協力して一体の敵キャラクタと戦闘している場合、誘導状態であるとの判定がなされた1のプレイヤキャラクタに対するゲーム装置5においてのみ、誘導曲が出力されることが好ましい。また、誘導状態ではないが協力して戦闘している他のプレイヤキャラクタに対するゲーム装置5には、誘導しているプレイヤキャラクタの情報がディスプレイ61に表示されてもよい。
前記実施形態では、誘導判定条件全てが成立した場合、誘導曲の出力以外に、更にディスプレイ61上の画面にて演出がなされてもよい。
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本発明の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、および他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。