[実施形態]
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に説明する一実施形態は、ゲーム装置の一例としての、物品から取得した情報に基づくゲームのプレイを提供可能なゲーム装置に、本発明を適用した例を説明する。しかし、本発明は、物品から取得した情報に基づくゲームを実行することが可能な任意の機器に適用可能である。
本実施形態ではゲーム装置が排出する、ゲームに使用可能な物品は、カードであるものとして説明するが、後述する物品情報が取得可能に構成された物品であれば、物品はカードに限られない。物品は、例えばゲーム要素(キャラクタやアイテム)の外観を有するフィギュア等の造形物であってよい。この場合、物品情報は、該造形物の底面や所定の面にシールや印字等の可視の状態で付されたコードから、あるいは該造形物の内部の記録媒体から取得可能であってよい。また物品はフィギュアだけでなく、玩具やシール等、任意の物品であってよい。
また本実施形態ではゲームに使用可能な全てのカードには、いずれも本発明に係る書き換え不可能な不変情報としての第1の物品情報が、所定の変換演算を適用することで1次元あるいは多次元のパターン(コード)に変換され、カード表面に形成(印刷)される態様で、カードに付されているものとして説明する。カードのコードは、後述の第1リーダにより読み取られることで、該第1の物品情報が取得可能に構成されているものとして説明する。またゲームに使用可能な「一部の」カードには、第1の物品情報に係るコードに加え、本発明に係る書き換え可能な可変情報としての第2の物品情報がカードに内包される近距離通信(NFC:Near Field Communication)用のタグに記録される態様で、カードに付されているものとして説明する。カードのNFCタグは、後述の第2リーダ(リーダライタ)により読み取られることで、該第2の物品情報が取得可能に構成されているものとして説明する。
しかしながら、第1の物品情報及び第2の物品情報をカードに付す態様は、このような態様に限られるものでなく、不可視インクを用いた印刷、所定の識別パターンを中間層に形成する、あるいはNFCタグに限らずカードに含まれるICチップ等の記録媒体に記録され、データとして保持される等、各々情報の取得方式が異なるものであれば、どのような態様であってもよい。特にゲームの主要ユーザ層が幼児等である場合、ゲーム装置にカードを認識させる行為やその手段をユーザに容易に理解させるとの観点では、第1の物品情報は対応する内容がカード上において可視の情報として付され、カードのデザイン性担保及びゲームの興趣性提供との観点では、第2の物品情報は対応する少なくとも一部の内容がカード上において不可視の情報として付されることが好ましい。
また本実施形態ではゲーム装置が実行するゲームにおいて、カードを用いることで登場させることが可能となるゲーム要素は、キャラクタであるものとし、カードには対応するキャラクタの図柄(キャラクタ画像)が付されるものとして説明する。しかしながら、本発明の実施はこれに限られるものではなく、実行されるゲームのゲーム要素を特定する用途のカードは、ゲームに係るキャラクタを特定可能に構成されるものに限らず、アイテムや効果等、その他のゲーム要素を特定するものであってもよいことは言うまでもない。
《ゲーム装置100》
ここで、ゲーム装置100の機能構成を図1のブロック図を用いて説明する。
制御部101は、例えばCPUであり、ゲーム装置100が有する各ブロックの動作を制御する。具体的には制御部101は、例えば記録媒体102に記録されている各ブロックの動作プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより各ブロックの動作を制御する。
記録媒体102は、例えば不揮発性メモリやHDD等の、恒久的にデータを保持可能な記録装置である。記録媒体102は、ゲーム装置100が有する各ブロックの動作プログラムに加え、各ブロックの動作において必要となるパラメータ等の情報や、ゲーム装置100が実行するゲームに使用される各種のグラフィックスデータを記憶する。メモリ103は、例えば揮発性メモリ等の一時的なデータ記憶に使用される記憶装置である。メモリ103は、各ブロックの動作プログラムの展開領域としてだけでなく、各ブロックの動作において出力されたデータ等を一時的に記憶する格納領域としても用いられる。
支払検出部104は、ゲーム装置100において対価の支払いがなされたことを検出する。対価の支払いは、例えば硬貨の投入口に所定の金額の硬貨や相当するコインが投入されたこと、あるいは所定の電子マネーに係るチップとの通信に基づく決算処理の完了等を検出することにより判断されるものであってよい。本実施形態のゲーム装置100は、対価の支払いに基づいてユーザへのカードの排出を伴うサービスの提供を開始するものとして説明するが、対価の支払いは必須の要件ではなく、所定の開始指示に基づいてサービスの提供は開始されるものであってもよい。
取得部105は、本実施形態のゲーム装置100が提供するゲームのプレイに際し、該ゲームに使用するキャラクタの情報を物品情報(第1の物品情報または第1の物品情報及び第2の物品情報)として取得する。物品情報は、ゲーム装置100と同一筐体内、あるいはゲーム装置100の外部に着脱可能に接続された第1リーダ120及び第2リーダ(リーダライタ)130を介してゲーム用の物品であるカードから取得される。このとき、カードから取得された物品情報を、ゲームに係る処理における利用に適した形式に変換するために、所定のデータ変換処理等が行われてもよい。第1リーダ120及び第2リーダ(リーダライタ)130は、カードからの情報取得可能な状態に制御されている期間において、所定の部位にカードが載置されたことの検出、及び該物品の認識または該物品からの情報取得を、例えば撮像装置及び所定の画像処理を用いて行う。本実施形態では第1リーダ120が、カードに付されたコードから第1の物品情報の取得を行い、第2リーダ(リーダライタ)130が、カードがNFCタグを有している場合に、該タグから第2の物品情報の取得を行う。また本実施形態のゲーム装置100では第2リーダ(リーダライタ)130は、カードのNFCタグからの情報取得(リード)機能だけでなく、NFCタグの情報書き換え(ライト)機能も有するものとする。
図2に示されるように、本実施形態のゲーム装置100において、第1リーダ120と第2リーダ(リーダライタ)130とは操作盤上の異なる位置に設けられ、各々の位置においてそれぞれ異なる方式で情報取得を行う。基本的に全てのカードは、第1リーダ120により情報取得を行うことで1回完結のゲームプレイに係るプレイ体験の提供を成立させることが可能に構成されるが、カードがNFCタグを有する場合には、第2リーダ(リーダライタ)130により該カードから取得された第2の物品情報の取得する、及び/または第2リーダ(リーダライタ)130により該カードに第2の物品情報を書き込むことにより、さらに複数回のゲームプレイに係る継続的な遊戯要素を、追加的に提供することができる。第2リーダ(リーダライタ)130は、カードに第2の物品情報を書き込むことや第2の物品情報の少なくとも一部を変更することも可能であるので変更手段としても機能し得る。
また本実施形態のゲーム装置100では、第2の物品情報が書き換え可能である特性を活かし、後述するようなより興趣性の高い遊戯要素を提供できるよう、第2リーダ(リーダライタ)130はゲーム装置100の操作盤上の複数箇所(図ではゲーム装置100正面から見て、操作盤上の左側と右側の2か所)に位置を異ならせて設けられるものとする。
キャラクタDB106は、ゲームに登場するものとして予め定められたキャラクタの各々についてキャラクタ情報を管理するデータベースである。本実施形態のゲーム装置100が提供するゲームでは、1つのキャラクタについて、NFCタグあり、タグなしの2種類のカードが設けられ、それぞれ使用した場合に行われる該キャラクタの提示態様が異なる。即ち、同一のキャラクタに係るカードであっても、該カードがNFCタグを有しているか否かに応じて、ゲーム装置100で提示される該キャラクタの例えばグラフィックスや装飾が異なっており、ユーザの使用したカードの希少性の違いを示すことができる。故に、詳細は後述するが、本実施形態のキャラクタDB106で管理されるキャラクタ情報は、1つのキャラクタについて、情報取得が行われたカードにNFCタグがある場合及び無い場合の2種類の情報を含むものとする。なお、本実施形態では情報取得が行われたカードが第2の物品情報を有しているか否かに応じて、ゲーム装置100においてカードに対応して提示されるキャラクタの提示態様を異ならせるものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではなく、同一の提示態様を用いるものであってもよい。
提示制御部107は、ゲーム装置100におけるユーザへの各種情報提示の制御を司る。本実施形態のゲーム装置100では、ユーザへの各種情報提示の手段として、画像(ゲーム画面、メニュー画面等)表示を行う表示部140、音声出力を行う音声出力部150を有するものとして説明するが、情報提示の手段はこれらに限られるものではなく、代替あるいは追加が可能であることは言うまでもない。
提示制御部107は、例えばGPU等の描画装置を含み、表示部140に表示させる画面を生成する際には所定の描画処理を行う。具体的には提示制御部107は、ゲーム装置100の稼働中(ゲームプレイ中やスタンバイ状態中)において、制御部101により行われた処理や命令に基づいて必要な描画用オブジェクトに対して適当な演算処理を実行し、画面の描画を行う。生成した画面は、ゲーム装置100と同一筐体内、あるいはゲーム装置100の外部に着脱可能に接続された表示装置である表示部140に出力され、所定の表示領域中に表示されることでユーザに提示される。
また提示制御部107は、例えばサウンドボードやアンプ等の音声信号の出力/増幅を行う回路を含み、音声出力部150から出力させる音声を生成する際には所定の処理を行う。具体的には提示制御部107は、例えば予め記録媒体102に記録された音声データに基づき、同時に出力を行う音声データを確定し、これを電気的な音声信号に変換(D/A変換)して音声出力部150に出力することで、音声出力を行う。音声出力部150は、所定のスピーカ等であってよく、入力された音声信号に基づく音波を出力する。
排出制御部108は、対価の支払いに基づく1回のゲームプレイにつき、カードの排出を制御する。ゲーム装置100において排出されるカードは、例えば所定の遊戯(対戦ゲーム)の提供に係るゲームシーケンスの開始前に排出される、即ち基本的にはゲームのプレイ内容に依らずカードごとに予め定められた(固定の)第1の物品情報を有するカードである。排出部160は、例えばカードディスペンサであり、鉛直方向にカードを堆積する不図示のストッカを有し、排出制御部108によりなされた排出命令に応じてストッカ最下部に保持されているカードを1枚排出する機構を有する構成であってよい。排出されたカードは、排出部160がゲーム装置100と同一筐体内に内蔵される場合は、ゲーム装置100の外部からアクセス可能な排出口201(図2)に導かれることでユーザに提供されてよい。本実施形態のゲーム装置100から排出されるカードは、予め印刷製造された既製カードであり、カード表面に印刷されるキャラクタ画像やパラメータ等のデザインが固定的でNFCタグの有無に依らず、全てのカードは同形同大に形成される。
操作入力部109は、例えば方向入力用の操作部材や決定入力用の操作部材や各種センサ等の、ゲーム装置100が有するユーザインタフェースである。操作入力部109は、操作部材に対する操作入力がなされたことを検出すると、該操作入力に対応する制御信号を制御部101に出力する。なお、本実施形態ではゲーム装置100は物理的な操作部材として各種インタフェースを備えるものとして説明するが、例えば表示部140の画面上になされたタッチ入力を検出するタッチ入力検出センサ等を含んでいてもよい。
通信部110は、ゲーム装置100が有する外部装置との通信インタフェースである。通信部110は、不図示のインターネット等の通信網やケーブル等、有線無線を問わない通信媒体を介して外部装置と接続し、データの送受信を可能とすることができる。通信部110は、例えば送信対象として入力された情報を所定の形式のデータに変換し、ネットワークを介してサーバ等の外部装置に送信する。また通信部110は、例えばネットワークを介して外部装置から情報を受信すると、該情報を復号し、メモリ103に格納する。また本実施形態のゲーム装置100は、ゲームに係る処理のプログラムをパッケージ化したプログラムデータを通信部110を介して外部装置から受信可能に構成される。制御部101は、通信部110により該プログラムデータがプログラムの更新要求とともに受信された場合、更新要求に従って現在記録媒体102に格納されているゲームに係る処理のプログラムを、受信したプログラムデータを用いて更新することができる。なお、ゲームに係る処理のプログラムの更新処理は、この他、例えば記録媒体に記録されているプログラムデータをゲーム装置が有する不図示の光学ドライブ等に挿入した際に自動実行される、あるいは挿入後に管理者が開始命令を行うことによっても実行可能である。
《カード及び物品情報》
次に、本実施形態のゲーム装置100においてゲームに使用可能なカード、及びカードに付される物品情報について、図を用いて詳細を説明する。
図3は、ゲームに使用可能なカードのうち、1体のキャラクタに対応して設けられる、第2の物品情報を有する物品に係る、NFCタグを有するカード(タグ有カード)のオモテ面(図3(a))及びウラ面(図3(b))と、第2の物品情報を有さない物品に係る、NFCタグを有さないカード(タグ無カード)のオモテ面(図3(c))及びウラ面(図3(d))とを例示している。
図示されるように、カードのオモテ面は、カードに対応してゲームに登場させることが可能なキャラクタのキャラクタ画像301、321及びキャラクタ名302、322で構成される。また、カードのウラ面は、カードに対応するキャラクタのキャラクタ名311、331に加え、キャラクタを登場させた場合のゲーム上でのパラメータ312、332、ゲームにおいて所定の条件が満たされた場合に発動可能となる特殊技313、333、及び第1リーダ120による読み取りでカードに付された第1の物品情報を取得可能なコード314、334で構成される。このように、本実施形態のゲーム装置100において使用可能なカードは、基本的にはNFCタグの有無に依らず同様のデザイン要素で構成される。
一方、図3(b)と(d)の詳細対比により理解されるように、パラメータの表記は、タグ有カードとタグ無カードとで一部異なっている。使用した場合に、毎回固定のパラメータでゲームプレイが提供されるタグ無カードでは、パラメータの値を示す数の目盛りのみが各パラメータにつき示されている。一方、使用した場合に、これまでのプレイ内容に応じた変動的なパラメータでゲームプレイが提供される、即ち継続的な遊戯要素が提供されるタグ有カードでは、パラメータの変動し得る値範囲の数の目盛りが各パラメータにつき示され、このうち初期値を示す数の目盛りのみが、タグ無カードと同様に着色された態様で示されている。
この他、カードがタグ有カードとタグ無カードのいずれであるかを明示するため、タグ無カードには含まれないマーク315が、タグ有カードには示されるものとして説明する。しかしながら、本発明の実施はこれに限られるものではなく、カードがタグ有カードとタグ無カードのいずれであるかを峻別可能に構成する必要はない。
コードの形態でカードに付される第1の物品情報は、例えば図8(a)に示されるデータ構成であってよい。図8(a)の例では、カードに付される第1の物品情報は、該カードを識別するカードID801に関連付けて、該カードに対応するキャラクタを特定するキャラクタID802、及び該カードが第2の物品情報を有しているか否か、即ち該カードがタグ有カードであるか否かを示すタグ有フラグ803を含む。本実施形態ではタグ有フラグ803は、例えば論理型の情報として構成され、第2の物品情報が存在する場合に真(true)、存在しない場合に偽(false)を示すものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。例えばタグ有フラグ803はタグ有カードの第1の物品情報にのみ含まれる情報であり、タグ無カードの第1の物品情報には同じデータ長のブランク情報が付されるものであってもよい。
またタグ有カードにてNFCタグに記録される第2の物品情報は、例えば図8(b)に示されるデータ構成であってよい。図8(b)の例では、カードに付される第2の物品情報は、該カードを識別するカードID811に関連付けて、該カードに対応するキャラクタを特定するキャラクタID812、該カードに対応するキャラクタの成長状態を示すランク情報813、及び後述する合成強化において成長状態の差し出しを行ったか否かを示す差出済フラグ814を含む。
上述したように本実施形態のゲーム装置100では、提供するゲームに使用可能なカードはいずれも第1の物品情報を有するため、ユーザはカードがNFCタグを有しているか否かを意識することなく、使用時には第1リーダ120にカードのコードを読み取らせればよい。このとき、カードが第2の物品情報を有している、即ちカードがNFCタグを有し、継続的な遊戯要素を提供可能である場合、後述するようにゲーム装置100では、カードをいずれかの第2リーダ(リーダライタ)130に移動させて追加で情報取得させるようユーザに促す通知を行う。一方で、該移動に際し、第2リーダ(リーダライタ)130に載置させるカードをユーザが取り違える可能性もあるため、本実施形態では第1の物品情報及び第2の物品情報の双方は同一のカードIDを有し、カードIDの一致をもってカードの同一性を判断する。
また本実施形態では簡単のため、同一のカードが有する第1の物品情報のキャラクタID802と第2の物品情報のキャラクタID812とは同一であるものとして説明するが、例えばキャラクタの育成要素に係りキャラクタの形態変化や進化、合成強化等を含む場合は、キャラクタID812がプレイ内容に応じて変更され、結果キャラクタIDが異なる状態となるものであってもよい。
なお、ランク情報とは、本実施形態では簡易的に、ゲームにおけるキャラクタレベル(成長段階を示す値)であるものとし、キャラクタの成長状態に応じたゲーム上の各種パラメータを該キャラクタレベルに基づき特定できるものとして説明するが、本発明の実施においてこれに限られるものではない。例えば、体力や攻撃力、特殊技、スキル等の各種パラメータにつき、基準値からの上昇(成長)を示すゲームにおける段階が設けられており、ランク情報813はこれを特定する情報等、種々の態様で構成されるものであってよい。ランク情報は、カードがタグ有カードである場合には、後述するようにプレイ結果に応じてゲームを有利に進行せしめる値に変更される。例えば本実施形態のようにキャラクタレベルについては、ゲームプレイに際しカードを使用するごとに、あるいはゲームプレイにおいて現在のキャラクタレベルにつき設定された条件を達成するごとに1上昇し、キャラクタレベルの上昇は予め定められた上限レベルに至るまで、即ち上限レベル以下の範囲で行われる。またランク情報の上昇は、ゲームのプレイ内容に限らず、後述するカード間での成長状態の引き継ぎによっても生じ得、この場合であっても上昇変化は上限ランク以下となる範囲で行われるものとする。
このようにカードから取得された物品情報、即ちタグ有カードの場合は第1の物品情報及び第2の物品情報、またタグ無カードの場合は第1の物品情報のみに基づいて、提供するゲームプレイにおいてゲームに登場させるキャラクタの各種情報を決定するため、キャラクタDB106においてキャラクタ情報は、例えば図8(c)に示されるデータ構成であってよい。図8(c)の例では、1つのキャラクタについて管理されるキャラクタ情報は、該キャラクタを特定するキャラクタID821に関連付けて、成長状態を考慮しない状態について予め定められた、体力や攻撃力、特殊技、スキル等の該キャラクタ固有の各種パラメータの初期値(基準値:例えばレベル1の状態での各種パラメータの値)を示す基本パラメータ822、及び成長状態(キャラクタレベル、プレイ回数、プレイ内容)に応じた基本パラメータからの増減幅や、追加付与することが可能な特殊技、スキル等を示す成長時変化情報823を管理する。
またキャラクタ情報は、ゲームに登場させるキャラクタの登録時、あるいはゲーム中において提示するキャラクタ画像(あるいはキャラクタの3Dモデル)、キャラクタ名データ、音声データを示す提示用情報を、タグ無カードとタグ有カードの各々について管理する。即ち、キャラクタの登録に用いられたカードがタグ無カードである場合の第1提示用情報824と、タグ有カードである場合の第2提示用情報825とがキャラクタ情報に含まれる。なお、1つのキャラクタについてタグ無カードとタグ有カードのオモテ面に付されるキャラクタ画像は、第1提示用情報824及び第2提示用情報825のそれぞれにより示されるキャラクタ画像と対応するものであってよい。
さらにキャラクタ情報は、後述する複数のキャラクタに基づく合成強化の遊戯要素につき、合成対象である複数のキャラクタの組み合わせによって合成後に生じるキャラクタを定める合成時変化情報826を含む。本実施形態では便宜上、キャラクタ情報に係るキャラクタが合成の基準である(成長状態を継承する)主キャラクタとして設定された場合に、合成後に生じるキャラクタのキャラクタIDがいずれとなるかを、成長状態を差し出す副キャラクタごとに合成時変化情報826として管理するものとする。しかしながら、合成によるキャラクタの変化に係る情報は、キャラクタ情報とは分離して管理されるものであってもよいことは言うまでもない。
なお、本実施形態では簡単のため、各キャラクタについて第1提示用情報824及び第2提示用情報825が設けられているものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。例えば、所定のランク以上のレアリティが定められたカードについてNFCタグが付される場合に、キャラクタによってはNFCタグが付されるレアリティのカードが設けられていない、あるいはNFCタグが付されるレアリティのカードのみが設けられるものであってもよい。即ち、キャラクタによってはキャラクタ情報は、キャラクタID821、基本パラメータ822、及び第1提示用情報824のみ、あるいはキャラクタID821、基本パラメータ822、成長時変化情報823、第2提示用情報825、及び合成時変化情報826のみを有して構成されるものであってもよい。
また本実施形態では、継続的な遊戯要素を利用可能であることをユーザに通知する、あるいはゲームの興趣性を高めるため、同一のキャラクタであっても、キャラクタ登録に用いたカードがNFCタグを有しているか否かに応じて、該キャラクタの提示態様を異ならせるものとして説明するが、本発明の実施がこれに限られるものでないことは容易に理解されよう。
《プレイ提供処理》
このような構成をもつ本実施形態のゲーム装置100において、1回のゲームプレイに係り実行されるプレイ提供処理について、図4のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。該フローチャートに対応する処理は、制御部101が、例えば記録媒体102に記憶されている対応する処理プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより実現することができる。なお、本プレイ提供処理は、例えば1回のゲームプレイに係る対価の投入がなされたことが支払検出部104により検出された際に開始されるものとして説明する。本プレイ提供処理の実行中、特に言及しない限り提示制御部107は制御部101により行われた処理や命令に基づいて、適宜進行に対応する画面の生成及び表示部140への該画面の表示や、対応する音声データに基づく音声出力部150からの音声出力を行うものとする。
S401で、排出制御部108は制御部101の制御の下、今回のゲームプレイに対するカードの排出を排出部160に行わせる。
S402で、制御部101は、今回のゲームプレイにつきゲームに登場させるキャラクタ(ユーザが操作するキャラクタ。以下、使用キャラクタとする。)を、いずれの登録モードで登録するかを判断する。本実施形態のゲーム装置100では、ゲームに登場させるキャラクタの登録につき、以下の2種類の登録モードを設ける。
1つ目の登録モード(通常モード)は、1回のゲームプレイに際し、1枚のカードを用いて1体のキャラクタをゲームに登場させるものとして登録するモードであり、例えばS401において初めてカードを入手したユーザであっても好適にゲームをプレイできるモードである。より詳しくは通常モードでは、カードがNFCタグを有するか否かに依らずキャラクタの登録が可能であり、所有しているカードがいずれであってもユーザはゲームをプレイできる。通常モードを選択して行われるゲームプレイでは、キャラクタの登録に用いたカードがタグ有カードである場合には、プレイ内容に応じて該カードの第2の物品情報を書き換えることにより、該カードを用いた複数回のゲームプレイにおいて、キャラクタの成長を考慮した継続的な遊戯要素を提供することができる。
一方、2つ目の登録モード(合成モード)は、通常モードのようにゲームのプレイ内容に応じてタグ有カードに係るキャラクタを成長させ、次回以降のゲームプレイにおいて成長状態を反映させたプレイ体験を提供するだけでなく、キャラクタ間での成長状態の引き継ぎを可能ならしめ、より興趣性の高いプレイ体験を提供するためのモードである。換言すれば、合成モードは、例えば合成(成長状態の統合)後のキャラクタをゲームに登場させることを可能ならしめるものであり、通常モードとは異なり、複数のカードに基づく1つのキャラクタをゲームに登場させるものとして登録するモードである。合成モードではユーザは、2枚のタグ有カードを登録に用いることで、一方のタグ有カードが有する第2の物品情報と他方のタグ有カードが有する第2の物品情報とに基づき、1つの新たな第2の物品情報を生成させ、これをいずれか一方のタグ有カードに第2の物品情報として記録させることができる。簡易的には、合成に用いるタグ有カードに対応する2体のキャラクタは、合成の基準となる(合成後に強化される、成長状態を引き継ぐ)主キャラクタと、成長状態を差し出す副キャラクタとに分類され、副キャラクタに係るランク情報813に基づいて、主キャラクタに係るランク情報813がゲームを有利に進行ならしめる状態に変更される(例えばキャラクタレベルや各種パラメータの上昇や合算、特殊技や特殊効果の付加や移動)。
ここで、同一のカードに係る成長状態の差し出しを繰り返し認めてしまえば、合成により1つのキャラクタを容易に強化した成長状態とすることが可能になってしまうため、1度副キャラクタとして合成に用いられたタグ有カードについては、成長状態をリセット(ランク情報813を初期状態に戻す)し、副キャラクタとしての再度の使用を不能にするよう、第2の物品情報の書き換え(差出済フラグ814を真(true)に変更)を行うものとする。本実施形態では簡単のため、副キャラクタとしての使用を1回に限り認めるものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではなく、副キャラクタとして使用可能な回数に上限数を設け、複数回使用を認めるものとしてもよい。この場合、第2の物品情報において成長状態の差し出しを管理する情報は、差出済フラグ814のような1つの論理型の情報ではなく、副キャラクタとして使用された回数を特定可能な情報(例えば使用回数そのものを示す整数、使用回ごとに真となる複数の論理型の情報)で構成されればよい。しかしながら、副キャラクタとしての再度の使用を不能にしたとしても、ユーザのプレイ体験を阻害しないよう、該カードについては主キャラクタとして、あるいは通常モードでの使用は可能に構成されるものであってよい。反対に、主キャラクタとして使用されたカードについては、このような第2の物品情報の更新は行われないため、その後のゲームプレイにおいて主キャラクタとしても副キャラクタとしても使用可能であることは言うまでもない。
またこのような情報の更新ができず、副キャラクタとして使用された回数を管理できないため、本実施形態のゲーム装置100ではタグ無カードは合成には使用できないものとして説明する。しかしながら、本発明の実施はこれに限られるものでなく、必要な枚数のタグ有カードを有していないユーザであっても合成に係る遊戯要素を体験できるよう、タグ無カードも合成に使用可能とし、例えばタグ無カードを用いた場合の合成の効果を当該ゲームプレイ中のみに制限し、次回以降のゲームプレイ時には反映されない(第2の物品情報の書き換えは行われない)よう構成することで、ゲーム難易度やゲームバランスを保つようにしてもよい。
また本実施形態では、合成によって強化がなされることを、より直感的に理解しやすくし、かつ興趣性を高めるため、合成を行う複数のキャラクタは、各々異なるキャラクタであることを要件として説明する。上述したようにキャラクタの各々には、提示用情報としてキャラクタ画像等のゲーム中の形態や模様等の外観が定められているが、異なるキャラクタの合成によってこれが、例えば各々のキャラクタの外観構成要素を引き継いだ新たな外観に変化するよう構成することで、ユーザに、合成が行われ、カードに表されるキャラクタとは異なる態様に変化したことを容易に認識させることができる。即ち、同一キャラクタの合成では外観構成要素が共通となるため、例えば各外観構成要素を2体のキャラクタのいずれかから取得して全体を構成したとしても合成後のキャラクタに外観の変化は生じず、ユーザはパラメータ等でのみ合成による成長状態の強化を認識することになる。故に、本実施形態のゲーム装置100では、外観でも変化を生じるよう、合成に使用される複数のタグ有カードが、各々異なるキャラクタIDに対応付けられていることを要件とする。上述したように、第2の物品情報のキャラクタID812は合成によって変化し得るため、合成に使用されるキャラクタが異なることは、静的である第1の物品情報のキャラクタID802を比較することにより判断されるものとする。
なお、本実施形態ではこのような外観の変化を表現したキャラクタ画像形成に係る処理負荷を低減するため、上述したように合成を行うキャラクタの組み合わせに対し合成後のキャラクタを予め定め、該合成後のキャラクタに係るキャラクタ情報から提示用情報を取得することで合成後のキャラクタが提示可能であるものとして説明する。しかしながら、本発明の実施はこれに限られるものではなく、合成の対象となる主キャラクタ及び副キャラクタの提示用情報それぞれから外観構成要素を抽出することで、合成後のキャラクタに係る1体分の提示用情報を生成する態様であってもよい。この場合、該1体分の提示用情報の構成に用いられた外観構成要素の組み合わせの情報が、第2の物品情報に含められ、主キャラクタに係るタグ有カードに書き込まれ、次回以降の該カードを使用するゲームプレイ時には、外観構成要素の組み合わせの情報に基づき、合成後のキャラクタの外観を形成可能に構成されるものであってよい。
また本実施形態では簡単のため、合成に用いられるキャラクタは2体とし、ゲーム装置100には対応する数の第2リーダ(リーダライタ)130が設けられるものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではなく、1枚の主キャラクタに対し、2枚以上のカードに係るキャラクタが副キャラクタとして設定され、合成は行われるものであってもよいことは言うまでもない。
本実施形態のゲーム装置100では、これらのモードのいずれのモードを用いて使用キャラクタの登録を行うかは、ユーザが選択可能に構成される。従って、本ステップで制御部101は、今回のゲームプレイにつき使用キャラクタを通常モードで登録すると判断した場合は処理をS403に移し、合成モードで登録すると判断した場合は処理をS404に移す。
S403で、制御部101は、通常モードに係る登録処理を実行して使用キャラクタを登録する。登録処理は、ユーザが登場を所望するキャラクタに係るカードを、第1リーダ120(または第1リーダ120及び第2リーダ(リーダライタ)130)に読み取らせる(カードからの物品情報の取得を行わせる)ことにより行われる。
〈登録処理(通常モード)〉
ここで、プレイ提供処理のS403において実行される通常モードに係る登録処理について、図5のフローチャートを用いて詳細を説明する。
S501で、制御部101は、第1リーダ120を情報取得可能な状態に制御し、第2リーダ(リーダライタ)130を情報取得不可能な状態に制御する。また制御部101は、第1リーダ120へのカードの載置を促す通知を表示部140及び音声出力部150に行わせるよう、提示制御部107を制御する。上述したように本実施形態のゲーム装置100においてゲームに使用可能なカードは、NFCタグの有無に依らず、第1の物品情報が第1リーダ120の読み取り可能なコードとして付されているため、本登録処理では、ユーザが使用を所望するカードにつき、まず第1リーダ120での読み取りを行う。表示部140になされる通知は、例えば図6(a)に示されるようなものであってよい。
S502で、制御部101は、第1リーダ120においてカード(対象カード)の読み取りがなされたか否かを判断する。制御部101は、取得部105による第1の物品情報の取得がなされたか否かにより本ステップの判断を行う。制御部101は、第1リーダ120において対象カードの読み取りがなされたと判断した場合は処理をS503に移し、なされていないと判断した場合は本ステップの処理を繰り返す。
なお、本実施形態のゲーム装置100では簡単のため、1体の操作キャラクタをユーザが使用する後述の対戦ゲームを提供するものとし、ユーザは、1枚のカードの読み取りを行わせれば、該カードに対応するキャラクタを操作キャラクタとして登場させたゲームをプレイすることができるものとする。従って、本実施形態のゲーム装置100では、登録処理の開始前、プレイ提供処理のS401においてカードの排出を行っているため、ユーザは少なくとも1枚のゲームに使用可能なカードを所有している状態にあり、カードの読み取りがなされるまで本ステップを繰り返すものとして説明するが、これに限られるものではなく、例えば登録スキップ操作、制限時間超過により所定の抽選処理を実行し、決定されたキャラクタを登録する態様であってもよい。またユーザの登録を可能とするキャラクタ数も1体に限られるものではなく、複数回の読み取りを可能に構成し、カードにより登録されたキャラクタ数が不足する場合には、同様に処理すればよい。
S503で、制御部101は、対象カードが第2の物品情報を有するカード(タグ有カード)であるか否かを判断する。具体的には制御部101は、対象カードにつき取得された第1の物品情報のタグ有フラグ803を参照し、本ステップの判断を行う。制御部101は、対象カードが第2の物品情報を有するカードであると判断した場合は処理をS507に移し、第2の物品情報を有するカードではないと判断した場合は処理をS504に移す。
S504で、制御部101は、対象カードにつき取得された第1の物品情報に含まれるキャラクタID802を参照し、対象カードに係るキャラクタ情報をキャラクタDB106から取得する。具体的には制御部101は、キャラクタDB106で管理されるキャラクタ情報のうち、キャラクタID821が、第1の物品情報に含まれるキャラクタID802であるキャラクタ情報を特定し、該情報のうちからタグ無カードに係る情報(キャラクタID821、基本パラメータ822、及び第1提示用情報824)を取得する。そして制御部101は、取得したタグ無カードに係る情報に基づき、対戦ゲームにて参照される使用キャラクタ情報をメモリ103に登録する。使用キャラクタ情報は、例えば図8(d)に示されるようなデータ構造であってよい。図8(d)の例では使用キャラクタ情報は、キャラクタID831に関連付けて、対戦ゲームの進行の決定において参照されるプレイ時パラメータ832、提示用情報833、タグ有カードによって登録がなされたか否かを示すタグ有登録フラグ834、及び読み取り時に対象カードに記録されていたランク情報835を含む。本ステップでは制御部101は、取得したタグ無カードに係る情報のキャラクタID821をキャラクタID831に、基本パラメータ822をプレイ時パラメータ832に、第1提示用情報824を提示用情報833に代入し、タグ有登録フラグ834は偽(false)、ランク情報835はブランク情報として設定し、使用キャラクタ情報の登録を行う。
S505で、制御部101は、第1リーダ120を情報取得不可能な状態に制御する。
S506で、提示制御部107は制御部101の制御の下、対象カード(タグ無カード)に対応するキャラクタ及びパラメータの提示を行い、本登録処理を完了する。キャラクタの提示は、上述したように提示用情報833(第1提示用情報824)に基づく表示部140へのキャラクタ画像及び各種パラメータの表示、音声出力部150による、キャラクタ名の読み上げ音声やキャラクタ固有の台詞音声やテーマ曲等の音声出力等を用いて行われるものであってよい。表示部140への表示は、例えば図6(b)に示されるようなものであってよい。また本実施形態では省略するが、該提示の後、ユーザにゲームに使用するキャラクタの最終確認を経て本登録処理を終了するように構成されてもよい。
一方、S503において対象カードが第2の物品情報を有するカードであると判断した場合、制御部101はS507で、対象カードにつき取得された第1の物品情報に含まれるキャラクタID802を参照し、対象カードに係るキャラクタ情報をキャラクタDB106から取得する。具体的には制御部101は、キャラクタDB106で管理されるキャラクタ情報のうち、キャラクタID821が取得された第1の物品情報に含まれるキャラクタID802であるキャラクタ情報を特定し、該情報のうちからタグ有カードに係る情報(キャラクタID821、基本パラメータ822、成長時変化情報823、及び第2提示用情報825)を取得する。
S508で、提示制御部107は制御部101の制御の下、対象カード(タグ有カード)に対応するキャラクタの提示を行う。キャラクタの提示は、S506と同様に表示部140へのキャラクタ画像の表示、音声出力部150による音声出力等を用いて行われるものであってよい。このとき行われる表示部140への表示は、既にタグ有カードであることが判明しているため、第1提示用情報824ではなく、第2提示用情報825に基づくものであり、例えば同一のキャラクタであっても図6(b)とはキャラクタ画像の態様が異なる図6(c)のようなものであってよい。
タグ有カードの物品情報を取得するためには、第1リーダ120に加えて第2リーダ(リーダライタ)130での情報取得が必要になる。しかしながら、両リーダでの情報取得が完了するまでカードに対応するキャラクタの提示が行われない態様では、第1リーダ120におけるカードの読み取りが適切に行われていないものとユーザが誤認し得る。従って、本実施形態のゲーム装置100では、第1リーダ120の読み取りが完了した時点で、第2の物品情報を有するタグ有カードであることが判明しているのであれば、第2リーダ(リーダライタ)130における該カードの読み取りが行われる前に、少なくともタグ有カードに対応するキャラクタ画像を表示部140に表示する。
S509で、制御部101は、第1リーダ120を情報取得不可能な状態に制御し、第2リーダ(リーダライタ)130を情報取得可能な状態に制御する。また制御部101は、第1リーダ120で読み取りが行われた対象カードを、第2リーダ(リーダライタ)130に移動して載置することを促す通知を表示部140及び音声出力部150に行わせるよう、提示制御部107を制御する。表示部140になされる通知は、例えば図6(d)に示されるようなものであってよい。
S510で、制御部101は、第2リーダ(リーダライタ)130において対象カードの読み取りがなされたか否かを判断する。制御部101は、取得部105による第2の物品情報の取得がなされたか否かにより本ステップの判断を行う。なお、このとき制御部101は、S502において取得された第1の物品情報と、本ステップで取得された第2の物品情報とが同一の対象カードから取得されたものであるかを確認するため、第1の物品情報のカードID801と第2の物品情報のカードID811の一致をみるものとする。制御部101は、第2リーダ(リーダライタ)130において対象カードの読み取りがなされたと判断した場合は処理をS511に移し、なされていないと判断した場合は本ステップの処理を繰り返す。
S511で、制御部101は、第2リーダ(リーダライタ)130を情報取得不可能な状態に制御する。
S512で、制御部101は、S507において取得したキャラクタ情報(タグ有カードに係る情報)と、対象カードにつき取得された第2の物品情報とに基づき、使用キャラクタ情報をメモリ103に登録する。本ステップでは制御部101は、取得したタグ有カードに係る情報のキャラクタID821をキャラクタID831に、第2提示用情報825を提示用情報833に代入、また第2の物品情報のランク情報813をランク情報835に代入し、タグ有登録フラグ834は真(true)として設定して使用キャラクタ情報の登録を行う。また、使用キャラクタ情報のプレイ時パラメータ832は、取得したタグ有カードに係る情報の成長時変化情報823に従い、基本パラメータ822を第2の物品情報のランク情報813に基づいて変更し、代入すればよい。即ち、タグ無カードを用いた登録とタグ有カードを用いた登録とでは、同一のキャラクタであってもプレイ時パラメータ832の決定において、ランク情報813の反映による差が生じる。ランク情報は、例えば初回プレイ時においても、基本パラメータよりもゲームを有利に進行せしめる状態であり、タグ有カードを所有しているユーザの優位性を担保するものであってよい。即ち、対象カードがタグ有カードである場合には、その第2の物品情報に含まれるランク情報813に依らず、あるいは過去のゲームプレイ内容を反映してランク情報813が変更されていれば、同一のキャラクタに係るタグ無カードを用いてゲームプレイを行う場合よりも有利に進行するゲームを、ユーザはプレイすることができる。
S513で、提示制御部107は制御部101の制御の下、さらに対象カードに対応するキャラクタのパラメータ提示を行い、本登録処理を完了する。表示部140へのパラメータ提示は、S509で表示されたキャラクタ画像を含む画面に対し、各種パラメータの表示が図6(e)のように重畳されるものであってよい。
一方、S402において今回のゲームプレイにつき使用キャラクタを合成モードで登録すると判断した場合、制御部101はS404で、合成モードに係る登録処理を実行して使用キャラクタを登録する。
〈登録処理(合成モード)〉
ここで、プレイ提供処理のS404において実行される合成モードに係る登録処理について、図9のフローチャートを用いて詳細を説明する。なお、合成モードに係る登録処理において、通常モードに係る登録処理と同様の処理を行うステップについては同一の参照番号を付して説明を省略し、合成モードに特有の処理を行うステップの説明に留める。
S502において、第1リーダ120で対象カードの読み取りがなされたと判断した場合、制御部101はS901で、対象カードが第2の物品情報を有するカードであるか否かを判断する。制御部101は、対象カードが第2の物品情報を有するカードであると判断した場合は処理をS507に移す。また制御部101は、対象カードが第2の物品情報を有するカードではないと判断した場合、カードが合成の対象とならない旨を提示制御部107を介して通知し、処理をS502に戻す。なお、後述するように副キャラクタに係る対象カードの読み取り時に、既に主キャラクタとして登録されたカードと同一のキャラクタに係るキャラクタIDを有する対象カードである場合も処理をS502に戻すものであってよい。
S508において対象カードに対応するキャラクタの提示が行われた後、制御部101はS902で、今回の対象カードの読み取りが合成に係る1体目のキャラクタを設定するためのものであるか否かを判断する。以下、本実施形態では簡単のため、最初に情報取得が行われたカードに対応するキャラクタを、合成における主キャラクタとして設定するものとして説明する。制御部101は、今回の読み取りが合成に係る1体目のキャラクタを設定するためのものであると判断した場合は処理をS903に移し、1体目のキャラクタを設定するためのものではない、即ち2体目のキャラクタを設定するためのものであると判断した場合は処理をS907に移す。
S903で、制御部101は、第1リーダ120を情報取得不可能な状態に制御し、2つの第2リーダ(リーダライタ)130の両方を情報取得可能な状態に制御する。また制御部101は、第1リーダ120で読み取りが行われた対象カードを、左右いずれかの第2リーダ(リーダライタ)130に移動して載置することを促す通知を表示部140及び音声出力部150に行わせるよう、提示制御部107を制御する。
S904で、制御部101は、いずれかの第2リーダ(リーダライタ)130において対象カードの読み取りがなされたか否かをS510と同様に判断する。制御部101は、いずれかの第2リーダ(リーダライタ)130において対象カードの読み取りがなされたと判断した場合は処理をS905に移し、なされていないと判断した場合は本ステップの処理を繰り返す。
S905で、制御部101は、2つの第2リーダ(リーダライタ)130の両方を情報取得不可能な状態に制御する。
S906で、制御部101は、S507において取得したキャラクタ情報(タグ有カードに係る情報)、対象カードにつき取得された第2の物品情報、及び対象カードの読み取りがなされた第2リーダ(リーダライタ)130を識別する情報(左側または右側)を、主キャラクタの情報としてメモリ103に格納する。制御部101は、主キャラクタの情報の格納後、2体目のキャラクタ(副キャラクタ)に係る情報取得を行うため、処理をS501に戻し、副キャラクタに対応するカードについて、主キャラクタと同様に読み取り処理を行う。
一方、S902において今回の読み取りが合成に係る2体目のキャラクタを設定するためのものであると判断した場合は、制御部101はS907で、第1リーダ120を情報取得不可能な状態に制御し、主キャラクタに係るカードの読み取りがなされていない第2リーダ(リーダライタ)130を情報取得可能な状態に制御する。また制御部101は、第1リーダ120で読み取りが行われた対象カードを、主キャラクタに係る読み取りがなされていない第2リーダ(リーダライタ)130に移動して載置することを促す通知を表示部140及び音声出力部150に行わせるよう、提示制御部107を制御する。なお、いずれの第2リーダ(リーダライタ)130が、主キャラクタに係る読み取りがなされていない第2リーダ(リーダライタ)130であるかは、S906において格納した主キャラクタの情報を参照すればよい。
S908で、制御部101は、主キャラクタに係る読み取りがなされていない第2リーダ(リーダライタ)130において対象カードの読み取りがなされたか否かをS510と同様に判断する。制御部101は、主キャラクタに係る読み取りがなされていない第2リーダ(リーダライタ)130において対象カードの読み取りがなされたと判断した場合は処理をS909に移し、なされていないと判断した場合は本ステップの処理を繰り返す。
S909で、制御部101は、情報取得可能な状態にある第2リーダ(リーダライタ)130を情報取得不可能な状態に制御する。
S910で、制御部101は、2体目のキャラクタにつきS507において取得したキャラクタ情報(タグ有カードに係る情報)、対象カードにつき取得された第2の物品情報、及び対象カードの読み取りがなされた第2リーダ(リーダライタ)130を識別する情報を、副キャラクタの情報としてメモリ103に格納する。
S911で、制御部101は、主キャラクタと副キャラクタとに基づき合成強化したキャラクタにつき、使用キャラクタ情報を登録する。制御部101は、(主キャラクタのキャラクタIDが関連付けられたキャラクタ情報の合成時変化情報826を参照して)主キャラクタのキャラクタIDと副キャラクタのキャラクタIDとに基づき合成後のキャラクタのキャラクタIDを特定すると、該合成後のキャラクタに係るキャラクタ情報をキャラクタDB106から取得する。そして制御部101は、合成後のキャラクタに係るキャラクタ情報と、主キャラクタの情報及び副キャラクタの情報とに基づき、使用キャラクタの情報を決定する。具体的には制御部101は、合成後のキャラクタのキャラクタIDをキャラクタID831に、合成後のキャラクタに係る第2提示用情報825を提示用情報833に代入し、またタグ有登録フラグ834を真(true)として設定して使用キャラクタ情報の登録を行う。また制御部101は、使用キャラクタ情報のプレイ時パラメータ832及びランク情報835は、主キャラクタの情報と副キャラクタの情報とに基づいて決定すればよい。例えばプレイ時パラメータ832は、主キャラクタに係るランク情報813で定まるキャラクタレベルに、副キャラクタに係るランク情報813で定まるキャラクタレベルを所定の係数を乗じて合算したレベルに基づき、合成後のキャラクタに係るキャラクタレベルを決定することで、使用キャラクタ情報のプレイ時パラメータ832及びランク情報835を設定してもよい。なお、合成強化により生じるキャラクタ、及び該キャラクタの各種パラメータの決定方法はこれに限られるものではなく、種々の手法が用いられるものであってよいことは言うまでもない。
S912で、提示制御部107は制御部101の制御の下、合成強化の演出に係る情報提示(主キャラクタ及び副キャラクタのキャラクタ画像表示、合成後のキャラクタのキャラクタ画像表示、パラメータ表示、その他音声出力)を行い、本登録処理を完了する。合成強化の演出に係る情報提示として、例えば図10(a)に示されるように、表示部140の画面中、主キャラクタに係るカードが載置された第2リーダ(リーダライタ)130(左側)の位置と対応する領域に主キャラクタに係るキャラクタ画像を配置し、副キャラクタに係るカードが載置された第2リーダ(リーダライタ)130(右側)の位置と対応する領域に副キャラクタに係るキャラクタ画像を配置した画面を表示部140に表示する。その後、合成に係る演出を経て、例えば図10(b)に示されるような、合成後のキャラクタに係るキャラクタ画像(主キャラクタの進化後に対応しており、主キャラクタ(及び副キャラクタ)と外観が異なる)と、該キャラクタの各種パラメータとを含む画面を表示部140に表示するものであってよい。
このように各モードでの登録処理が完了すると、制御部101はS405で、登録された使用キャラクタをユーザが操作することでゲームが進行する、本実施形態の対戦ゲームについていずれのゲームステージを選択可能とするかを決定する。本実施形態のゲーム装置100では、対戦ゲームとして提供されるプレイ体験の基本的な進行は共通するが、対戦相手として登場するキャラクタ(相手キャラクタ)、再生されるBGMや音声、効果演出、ゲームフィールド、クリア条件等、各々内容を異ならせた複数種類のゲームが設けられており、それぞれ異なるゲームステージに対応付けられている。本ステップで制御部101は、今回のゲームプレイにつき、ユーザにゲームプレイを提供するゲームステージを特定する。ゲームプレイを提供するゲームステージは、登録された使用キャラクタ情報に応じて決定されるものであってよい。例えば使用キャラクタのレベルまたはランク情報、及び使用キャラクタの分類(シリーズ作品のうちのいずれの作品に登場したキャラクタであるか、関連テレビ放送コンテンツの放映時期がいずれであるか等)の少なくともいずれかに基づき、ユーザに選択可能ならしめるゲームステージは特定されるものであってよい。このように選択可能なゲームステージを制限することで、例えばプレイを開始して間もないようなユーザが、クリア(対戦ゲームで勝利)が不可能なゲームステージを誤って、あるいは意図せず選択してしまい、好適なプレイ体験が得られないといった状況を回避することができる。
S406で、制御部101は、S405において決定した選択可能なゲームステージを提示し、ゲームステージの選択を受け付ける。制御部101は、ゲームステージの選択がなされると、選択されたゲームステージの情報をメモリ103に格納し、処理をS407に移す。
S407で、制御部101は、選択されたゲームステージに対応する対戦ゲームに係るゲーム処理を実行する。対戦ゲームでは、ユーザはボタン操作によって各種ボタンに割り当てられた動作を使用キャラクタに実行させることができ、該動作に係りゲーム上で生じる効果は、使用キャラクタ情報のプレイ時パラメータ832と、対戦相手である相手キャラクタのパラメータとに応じて決定される。また使用キャラクタには、対象カードに表記されていた特殊技の発動条件が定められており、対戦ゲーム中において該条件が満たされた場合に、ユーザは特殊技の発動を行うことができる。制御部101は、対戦ゲームに係るゲーム処理が完了、即ち1回のゲームプレイに係る対戦ゲームの勝敗が決する状態まで進行すると、処理をS408に移す。
S408で、制御部101は、使用キャラクタがタグ有カードに基づき登録されたか否かを判断する。具体的には制御部101は、使用キャラクタ情報のタグ有登録フラグ834に基づき、本ステップの判断を行う。制御部101は、使用キャラクタがタグ有カードに基づき登録されたと判断した場合は処理をS409に移し、タグ有カードに基づき登録されていないと判断した場合は本プレイ提供処理を完了する。
S409で、制御部101は、行われた対戦ゲームのプレイ内容に基づき使用キャラクタの成長状態を変更し、該キャラクタの登録に用いられたタグ有カードの第2の物品情報を更新して本プレイ提供処理を完了する。具体的には制御部101は、使用キャラクタ情報のランク情報835をプレイ内容に応じて変更し、変更後のランク情報835に第2の情報のランク情報813を変更するよう、第2リーダ(リーダライタ)130上に載置されている対象カードのNFCタグに、第2リーダ(リーダライタ)130を介してデータの書き込みを行う。このとき、例えば図7(a)のようにプレイ結果と共に変化する成長状態を表示部140に提示した後、さらに図7(b)のように書き込みが完了するまで対象カードを第2リーダ(リーダライタ)130上から移動しないよう通知を行うものであってよい。
なお、本実施形態のゲーム装置100が提供する1回のゲームプレイでは、登録処理においてタグ有カードと判断され、第2の物品情報の取得のために第2リーダ(リーダライタ)130上に載置された対象カードは、該ゲームプレイが行われている間、第2リーダ(リーダライタ)130上から移動されないものとする。しかしながら、本発明の実施はこれに限られるものではなく、例えば書き込みを行う時点で異なるカードが載置されている、あるいはカードが載置されていない場合には、登録に使用したカードの第2リーダ(リーダライタ)130への再度の載置を要求し、カードの同一性確認の後、書き込みを行うよう構成されるものであってもよい。
また、今回のゲームプレイが合成モードを用いて使用キャラクタの登録を行ったものである場合、本ステップで制御部101は、使用キャラクタ(主キャラクタ)に成長状態の差し出しを行った副キャラクタのタグ有カードについても、第2の物品情報の書き換えを行うものとする。書き換えは、該当のカードから取得した第2の物品情報のうちの差出済フラグ814を真(true)に変更したデータを、第2リーダ(リーダライタ)130を介して該カードのNFCタグに書き込むことにより行われる。本実施形態では簡単のため、副キャラクタに係るタグ有カードの書き換えを本ステップで行うものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではなく、例えば登録処理において副キャラクタとして使用されることが確定した後に、該書き換えは行われるものであってよい。
以上説明したように、本実施形態のゲーム装置では、カードがいずれの種別のカードであるかをユーザに判別させてゲーム体験を行わせるのではなく、基本的には1つのリーダで情報取得を行い、必要な場合にのみ異なるリーダでの情報取得を促すことができるため、ゲームの興趣性を向上させつつ、ユーザの利便性を担保することができる。またゲームのプレイ内容に応じてタグ有カードに係るキャラクタを成長させ、次回以降のゲームプレイにおいて成長状態を反映させたプレイ体験を提供するだけでなく、キャラクタ間での成長状態の引継ぎ、及びキャラクタの進化要素を実現し、より興趣性の高いプレイ体験を提供することができる。
[変形例]
上述した実施形態に係るゲーム装置100では、合成モードにおいて合成の対象となるキャラクタは各々異なっていることが条件であるものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。即ち、成長状態の引き継ぎを可能ならしめるとの観点であれば、合成後のキャラクタにつき外観の変化を生じさせることは必須の要件ではないため、同一のキャラクタについて合成強化を可能であるものとしてもよい。この場合、同一のキャラクタの合成により生じる合成後のキャラクタは、合成前のキャラクタから変化させる必要はなく、第2の物品情報においてランク情報813(副キャラクタに係るカードについては、さらに差出済フラグ814)のみが変化させられるものであってよい。
また上述したように、所定のランク以上のレアリティが定められたカードについてNFCタグが付されるよう構成される態様では、タグ有カードの絶対数はタグ無カードに比べて少なく、それだけ排出される確率が低くなる。複数のキャラクタに係るカードの排出がなされることを考慮すれば、当然、同一のキャラクタに係るタグ有カードをユーザが入手する確率はさらに低くなる。一方で、同一のキャラクタに係るタグ有カードを複数入手した場合、いずれかのカードの成長状態がゲームを有利に進行せしめる状態となっているため、ユーザがその他のカードをゲームに使用することは稀であり、ユーザにとって有益なカードの入手とは言い難い。
従って、本変形例のゲーム装置100では、同一のキャラクタに係るタグ有カードを複数枚入手したユーザについては、そのインセンティブとして、合成後のキャラクタに係るランク情報は、所定の上限ランクを超える新たな上限ランク以下の範囲で決定されるものとしてよい。例えば、キャラクタレベル40が上限レベルとして定められており、ユーザが合成の主キャラクタとしてレベル32のキャラクタAを登録し、副キャラクタとしてレベル13のキャラクタAを登録する場合には、異なるキャラクタである場合であれば主キャラクタのレベルが40の上限レベルとなる成長が生じるところを、新たな上限レベルを50とし、32+13=45レベルに成長させるものとしてよい。また上限レベルを超える成長が合成により生じるかは、このような単純なレベルの足し算に限られるものではなく、主キャラクタが上限レベルに至っていることを条件とする、同一のキャラクタに係るタグ有カードの合成回数が所定回数に至った等の追加の条件を含めて決定するものであってもよい。また上限ランクの変更は1回に限られる必要はなく、ユーザの、同一のキャラクタに係るタグ有カードの入手数や合成回数に応じて行われるものであってよい。
このようにすることで、よりユーザの利便性を向上させたプレイ体験を提供することができる。
[その他の実施形態]
本発明は上記実施の形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。また本発明に係るゲーム装置は、1以上のコンピュータを該ゲーム装置として機能させるプログラムによっても実現可能である。該プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されることにより、あるいは電気通信回線を通じて、提供/配布することができる。