JP6681631B1 - 洗濯用ネットおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】スライドファスナが取り付けられた開口部の端部と、該ファスナの端部との間に縫合されない隙間が設けられる洗濯用ネットにおいて、ファスナにスライダを挿脱させる際の可動域を確保しつつ、その隙間の大きさを狭めて、洗濯時にその隙間から小さい洗濯物が抜け出すのを防ぐ。【解決手段】袋体の側辺部11の上端部を複数回、折り重ねて、開口部2の端部に、網材十枚分以上の厚みで縫合された瘤状部15を形成することにより、隙間Gの周縁を部分的に肥大させて、隙間Gを狭くする。【選択図】図7

Description

本願は、衣類を洗濯する際に用いる洗濯用ネットと、その製造方法に関する。
医療・介護施設、養護施設等においては、入院患者や入居者が使用した衣類等をまとめて洗濯する業務サービスが利用されている。それらの施設では、入院患者や入居者から預かった洗濯物が洗濯時に紛失したり、他人の洗濯物と混ざり合ったりすることを防ぐため、通常は利用者ごとに区別された洗濯用ネットを用いて洗濯物を回収し、洗濯用ネットに洗濯物を入れたままで洗濯から乾燥、返却まで行うという方式を採用している。
そのような業務用の洗濯用ネットは、洗濯時に大型の洗濯槽にまとめて投入され、強い回転力によって激しく攪拌される。このとき、洗濯用ネットの開口部に取り付けられているスライドファスナが、糸屑の絡み付きによって開閉困難になったり、撹拌の衝撃でスライダの引手(摘み)が外れたり、他の洗濯用ネットの網目に引っ掛かって他の洗濯用ネットを破損したりするなどのトラブルが生じて、しばしば洗濯作業の効率を低下させることがある。
かかるトラブルを防止するために本出願人は、特許文献1に開示された洗濯用ネット(図12)を洗濯業務サービスの現場に提供して、作業効率の改善に貢献している。その洗濯用ネット1は、洗濯物を出し入れするための開口部2に、単純な片開き式のスライドファスナではなく、両端部のどちらからでも開閉可能な逆開き式のダブルファスナを採用したものである。そのファスナ3は、一対のファスナ半体4と、それらを開閉する二個のスライダ5とを具備する。各ファスナ半体4は、ファスナテープ(基布:特許文献1では「延在部」)41の片側縁に複数個のエレメント(務歯)42を取り付けて形成され、各エレメント列の一端部にはスライダ5のレールを通過し得る形状の蝶棒43(同文献では「第二端子」)が取り付けられるとともに、他端部にはスライダ5のレールを通過不能な形状の箱棒44(同文献では「第一端子」)が取り付けられている。そして、一方のファスナ半体4の一端部に取り付けられた蝶棒43が、他方のファスナ半体4の箱棒44と対をなし、また、一方のファスナ半体4の他端部に取り付けられた箱棒44が他方のファスナ半体4の蝶棒43と対をなすように、互いが逆配置になっている。
二個のスライダ5は、エレメント列同士を噛合させる側を互いに対向させた、いわゆる尻合わせの向きで、両ファスナ半体4に装着される。したがって、二個のスライダ5を互いに離反させ、それぞれをファスナ3の一端部および他端部に移動させるとファスナ3は全閉となる。また、二個のスライダ5を揃えてファスナ3のいずれか一端部に寄せるとファスナ3の他端部が開き、当該一端部に取り付けられた蝶棒43を二個のスライダ5から抜き取ることで、ファスナ半体4同士がその全長にわたって完全に分離される。さらに、各ファスナ半体4の両端部の蝶棒43と箱棒44とが互いに逆配置になっているため、二個のスライダ5を他端部まで移動させると、当該他端部の蝶棒43が二個のスライダ5から抜き取られて、二個のスライダ5もファスナ3から完全に分離される。
このような構成を採用することで、スライダ5が損傷した場合には、そのスライダ5を簡単に交換することができ、糸屑の絡み付き等によってスライダ5の開閉が困難になれば、スライダ5を取り外してエレメント42やスライダ5を簡単に掃除することができるようになる。
ファスナ3の両端部には、スライダ5を左右に移動させる際にファスナ3を指先でしっかりと保持して引っ張れるように、サイドタブ6(特許文献1では「支持部」)が取り付けられている。サイドタブ6はコシの強い合成繊維製の織りテープ等からなり、その一方の短辺縁が、各ファスナ半体4を構成するファスナテープ41の端部近傍に縫合される。そして、ファスナ半体4同士が分離しているときには、サイドタブ6が、それ自身の幅によって箱棒44と蝶棒43とを数ミリ程度の離間状態に保持し、箱棒44と蝶棒43とを噛合・分離させる際には、自身を幅方向およびファスナ3の長手方向に撓み変形させることで、箱棒44および蝶棒43とスライダ5との挿脱を可能にしている。
特許第4785812号公報
前記従来の洗濯用ネット1は、開口部2に逆開き式のダブルファスナ3を取り付けて、各ファスナ半体4の蝶棒43と箱棒44とを互いに逆配置にすることで、ファスナ3から二個のスライダ5を完全に分離することができるように構成されている。ただし、そのためには、ファスナ3の両端部と、開口部2の両端部(開口部2に直交する側辺部11の上端部)との間を完全に縫合するのではなく、それらの間にスライダ5を挿脱させる際の可動域となる隙間G(図12には図示せず、図8参照)を設けておく必要がある。その可動域は、相対するファスナ半体4の蝶棒43と箱棒44とがスライダ二個分以上、ファスナ3の長手方向にずれ得るものでなければならず、それを可能にする隙間Gの大きさは、大人の指一本を挿し込めるほどになる。
すると、洗濯時にその隙間Gから、稀に薄手の靴下やハンカチ等の小物が抜け出してしまうことがある。前記従来の洗濯用ネット1は、ファスナ3の両端部に縫合されたサイドタブ6が隙間Gを塞ぐ形にはなっているが、それでも隙間Gから小物が抜け出すことを完全に防止することは難しい。
本願が開示する発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、開口部に取り付けられたファスナの端部と開口部の端部との間に隙間を設けてスライダを挿脱させる際の可動域を確保しつつ、その隙間から小さい洗濯物が抜け出さないように、隙間の大きさを狭めることを解決課題とする。
前述の課題を解決するため、本願が開示する発明の洗濯用ネットは、網材からなる袋体の上辺部に洗濯物を出し入れするための開口部が設けられて、その開口部にスライドファスナが取り付けられ、前記開口部の少なくとも一方の端部と、前記スライドファスナの少なくとも一方の端部との間に、縫合されない隙間が設けられる洗濯用ネットにおいて、前記開口部の端部に、前記網材を複数回、折り重ねて縫合された瘤状部が形成され、前記瘤状部が前記隙間の周縁を部分的に肥大させている、との基本的構成を採用する。この瘤状部が隙間の内側にせり出すことで、隙間が窮屈になり、洗濯物等の通過が困難になる。
前記開口部に取り付けられるスライドファスナが逆開き式のダブルファスナであり、その両端部と開口部の両端部との間に隙間が設けられる場合には、開口部の両端部に前記瘤状部が形成される。
前記瘤状部は、前記袋体の側辺部の上端部を三回以上折り重ねて、前記網材十枚分以上の厚みに縫合されたものとすると、より好ましい。
前記瘤状部には、前記袋体の正面側および背面側の各上辺部にそれぞれ被せて縫合された二本の縁取りテープと、前記袋体の側辺部に被せて縫合された一本の縁取りテープとが、前記網材と一緒に折り込まれて縫合される。
前記ファスナの端部には、前記ファスナを構成する一対のファスナ半体の端部同士を所定間隔だけ離して保持するサイドタブが、その一方の短辺縁を前記ファスナの幅方向に撓ませた状態で、前記ファスナ半体のウラ側から縫合され、前記ファスナを閉じ合わせると、前記サイドタブの撓み部分が前記隙間の内側に膨出して前記瘤状部に接触する。
そして、前述の構成を有する洗濯用ネットは、以下S1〜S7、さらにS8までの工程を含む製造方法によって製造することができる。
S1:矩形に裁断された網材を、底辺部が輪になるように中オモテに折り重ね、正面側および背面側の各上辺部に縁取りテープをそれぞれ被せて当該辺長方向に縫合する。
S2:前記網材の正面側および背面側の側辺部同士を重ね合わせ、その重ね合わせた側辺部に縁取りテープを被せて当該辺長方向に縫合することにより、上辺部に開口部を有する袋体を形成する。
S3:前記S2により得られた袋体の側辺部全体を正面側または背面側に折り返し、その側辺部全体を再度、当該辺長方向に縫合する。
S4:前記S3において縫合した側辺部の上端部近傍を、さらにS3とは反対側に折り返し、その折り返し部分と、当該反対側の上辺部とを重ねて縫合する。
S5:前記S4により得られた袋体全体を内外反転させて外オモテにする。
S6:前記ファスナを構成する一対のファスナ半体であって、その全長が前記開口部の開口幅よりも短いファスナ半体を、前記S5により得られた袋体の正面側および背面側の各上辺部のオモテ側に上下逆向きにそれぞれ重ねて縫合する。
S7:前記S6により得られた袋体の開口部全体を、前記側辺部の上端部も含めて前記袋体のウラ側に折り込み、前記上辺部の辺長方向に沿って縫合することにより、前記開口部の端部に、前記網材が複数回折り重ねられた瘤状部を形成する。
S8:前記S7により得られた袋体を内外反転させて中オモテにした状態で、前記ファスナ半体の相対する端部のウラ側にサイドタブを縫合した後、前記袋体を再度、内外反転させて外オモテに戻す。
本願が開示する発明の洗濯用ネットは、袋体の開口部の端部に、網材を複数回折り重ねて縫合された瘤状部が形成され、その瘤状部が、開口部の端部とスライドファスナの端部との間に設けられる隙間の周縁を部分的に肥大させて隙間を狭めるように構成されているので、洗濯時にその隙間から小さい洗濯物が抜け出しにくくなる。
また、本願が開示する洗濯用ネットの製造方法によれば、袋体の開口部の端部に、ファスナの端部との隙間を狭める大きさおよび形状の瘤状部を、合理的な工程で効率よく、かつ美麗に形成することができる。
本願が開示する洗濯用ネットの製造方法の一例を示す説明図であって、工程S1の概要と、要部の断面構造を示す説明図である。 工程S2の概要と、要部の断面構造を示す説明図である。 工程S3の概要と、要部の断面構造を示す説明図である。 工程S4の概要と、要部の断面構造を示す説明図である。 工程S5の概要と、要部の断面構造を示す説明図である。 工程S6の概要と、要部の断面構造を示す説明図である。 工程S7の概要と、要部の断面構造を示す説明図である。 工程S7までで得られた洗濯用ネットのファスナ3の端部近傍を、(a)オモテ側、および(b)ウラ側から、それぞれ見た拡大図である。 工程S8の概要を示す説明図であり、(a)はファスナ3とサイドタブ6との縫合形態をウラ側から見た部分拡大図、(b)は袋体の内側に入り込んだサイドタブ6を外側に引き出す方法を示す説明図、(c)はファスナ3とサイドタブ6との縫合形態をオモテ側から見た部分拡大図である。 ファスナ3の端部に取り付けられたサイドタブ6の作用を示す図であり、(a)はファスナ3にスライダ5を挿脱させる際の変形状態を示す部分拡大図、(b)はファスナ3が閉じ合わされたときの変形状態を示す部分拡大図である。 工程S9の概要を示す説明図であり、(a)はサイドタブ6とカバーフラップとの縫合形態をオモテ側から見た部分拡大図、(b)はカバーフラップの自由端側を捲り上げた状態を示す部分拡大図である。 特許文献1に開示された洗濯用ネットの全体的構成を示す図である。
以下、本願が開示する発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
本願が開示する発明に係る洗濯用ネットは、全体的には図12に示した特許文献1に記載の洗濯用ネットと概ね同様の構成を有するので、従来と実質的に同一の構成要素には共通の符号を付して、説明を簡略化する。また、部位・部材の位置関係や動作の向きを説明する際には、洗濯用ネットを図12と同じ視点で見た状態を正面視とし、その状態での紙面手前側を「前(正面)」、紙面裏側を「後(背面)」、開口部が設けられる側を「上」と定め、それらを基準にして前後(正面/背面)、上下、左右を特定することとする。
本願が開示する発明にかかる洗濯用ネットの本体部分を構成する袋体は、例えば正面視略矩形の平袋として形成され、その上辺部に洗濯物を出し入れするための開口部が設けられる。ただし、袋体の縦横比率や下半部の構造は例示形態に限定されるものではなく、例えば底部にマチを設けた形態や、内容量を変化させる拡縮機能を設けた形態の袋体等についても、この発明は適用可能である。
図12に示したように、開口部2には、両端部のどちらからでも開閉し得る逆開き式のダブルファスナが取り付けられる。そのファスナ3は、一対のファスナ半体4と、それらを開閉する二個のスライダ5とを具備し、各ファスナ半体4の両端部には、互いに対をなす蝶棒43と箱棒44とが左右で逆配置となるように取り付けられている。これにより、尻合わせに装着される二個のスライダ5を、ファスナ半体4から分離することができるようになる。
そのために、ファスナ半体4の両端部と、開口部2の両端部(開口部2に直交する側辺部11の上端部)との間には、スライダ5の挿脱に際して、ファスナ半体4の蝶棒43と箱棒44とをファスナ3の長手方向にスライダ二個分以上ずらせるだけの可動域となる未縫合の隙間Gが設けられる。本願が開示する発明の要部は、その隙間Gを囲む部分の縫製構造にある。その縫製構造を実現するための製造方法を、図1〜図11を参照しつつ工程順に説明する。
[工程S1(図1)]
まず、本体部分を構成する網材10を矩形に裁断する。網材10には、例えばポリエステル系繊維やポリアミド系繊維など、耐水・耐薬品性に優れた柔軟で強靱な合成繊維製編地を好適に利用することができる。例示形態では、網目が六角形状のラッセル編地を使用している。ただし、本願が開示する発明は、特に網材10の材質や編み方を限定するものではない。
この網材10を、底辺部12が輪になるように、中オモテに折り重ねる。そして、正面側および背面側の各上辺部13に、縁取りテープ73をそれぞれ被せて、当該辺長方向に縫合する。縁取りテープ73は、例えば薄い平織りの化繊生地等をバイアス(織り目に対し斜め)またはストレート(織り目と平行)に裁断し、内側へ二重に折り込んで、その折り目をアイロンで押えたものである。この縁取りテープ73で網材10を表裏両側から挟み込み、二重に折り込んだ部分にミシンをかけて直線的に縫合する。
なお、図1以下の各図においては、要部拡大断面図の中に、当該工程でミシンをかける位置を黒三角付きの長い交差鎖線で示している。また、当該工程までに縫合されている箇所は短い交差鎖線で示している。
[工程S2(図2)]
次いで、網材10の正面側および背面側の側辺部11同士を揃えて重ね合わせ、その重ね合わせた側辺部11に縁取りテープ71を被せて、当該辺長方向に縫合する。この縁取りテープ71は、前記S1の工程で縁取りテープ73を縫合した各上辺部13の端部も含めて、その外側から被せられる。これにより、左右の側辺部11が、その辺長全体にわたり網材二枚分の厚みで縫合され、上辺部13が開口した袋体が得られる。
[工程S3(図3)]
工程S2により得られた袋体の側辺部11全体を正面側または背面側(例示形態では右側辺部が正面側)に略等幅で折り返し、その側辺部11全体を再度、当該辺長方向に二か所縫合する。その折り返し幅は、縁取りテープ71の幅よりもわずかに広めで、無理なく折り重ねて縫合することができる最小幅くらいを目安とする。これにより、側辺部11が、その辺長全体にわたり網材四枚分の厚みで縫合される。
[工程S4(図4)]
工程S3において縫合した側辺部11の上端部近傍を、さらに工程S3とは反対側(例示形態では右側辺部が背面側)に折り返し、その折り返し部分と、当該反対側の上辺部13とを重ねて縫合する。この折り返し幅も、折り重ねて縫合することができる最小幅くらいを目安とする。これにより、側辺部11の上端部に、網材五枚分の厚みを有する折り重ね縫合部14が形成される。側辺部11の下半部については、工程S3から変わらず、網材四枚分の厚みのままである。
[工程S5(図5)]
工程S4により得られた袋体全体を内外反転させて、外オモテにする。側辺部11に沿って縫合された網材五枚分の折り重ね縫合部14は、袋体の内側に反転移動する。
[工程S6(図6)]
工程S5により得られた袋体の、正面側および背面側の各上辺部13の外側(オモテ側)に、スライドファスナ3を構成する一対のファスナ半体4を上下逆向きにしてそれぞれ重ね、それらのファスナテープ41と網材10とを当該辺長方向に縫合する。例示形態では、ファスナテープ41と網材10との縫合ラインが上辺部13の縁取りテープ73に、ぎりぎり重ならない位置になっているが、縫合ラインが縁取りテープ73に重なっても差し支えない。
ここで、各ファスナ半体4の長さが開口部2の開口幅(上辺部13の辺長)よりもやや短く設定されているため、工程S4で形成された網材五枚分の折り重ね縫合部14は、ファスナ半体4の側方にはみ出した状態で配置されることになる。
[工程S7(図7〜図8)]
工程S6により得られた袋体の、正面側および背面側の各上辺部13によって囲まれた開口部2全体を、ファスナ半体4および側辺部11の上端部も含めてウラ側(袋体の内側)に折り込む。そして、折り込んだ部分と網材10との重なり部分を、開口部2の全周にわたり、上辺部13の辺長方向に沿って縫合する。これにより、上辺部13はファスナテープ41に網材二枚を重ねた厚みで縫合される。また、開口部2の端部には、工程S4〜S5で側辺部11の上端部に形成された網材五枚分の折り重ね縫合部14をさらに二つ折りにした折り重ね縫合部が形成される。この折り重ね縫合部は、網材十枚分の厚みを有し、縦方向および横方向に複数回ずつ縫い重ねられて固い瘤状になるので、本願では、この部位を「瘤状部15」と称する。この瘤状部15には、正面側および背面側の各上辺部13にそれぞれ被せて縫合された二本の縁取りテープ73と、側辺部11に被せて縫合された一本の縁取りテープ71も一緒に折り込まれて縫合されている。
図8(a)は、工程S7までで得られた袋体のファスナ3の端部近傍をオモテ側から見た部分拡大図であり、同図(b)は、その袋体を中オモテになるように再度、反転させて、ファスナ3の端部近傍をウラ側から見た部分拡大図である。ファスナ半体4の端部と開口部2の端部との間には隙間Gが形成されて、その隙間Gは、正面側および背面側の上辺部13の端部と、側辺部11の上端部とによって囲まれる。そして、工程S7で側辺部11の上端部に形成された瘤状部15が、隙間Gを囲む周縁の一部分を肥大させることにより、隙間Gの実質的な大きさが狭められる。
[工程S8(図9〜図10)]
工程S7により得られた袋体を中オモテにした状態(図8(b))で、ファスナ3の端部にサイドタブ6を取り付ける。サイドタブ6は、例えばナイロン系繊維やポリエステル系繊維のようなコシの強い合成繊維製の織テープ等からなる数cmほどの長さの帯片である。そのサイドタブ6の一方の短辺縁61をファスナ3の幅方向(ファスナ3の長さ方向に交差する方向)に撓ませた状態で、図9(a)に示すように、各ファスナ半体4を構成するファスナテープ41の端部にウラ側から重ねる。そして、撓ませた短辺縁61が各ファスナ半体4の端部に数mmほど重なるように位置決めし、蝶棒43および箱棒44の外側へそれぞれ数mmずつ離れた箇所をファスナ3の長さ方向に縫合する。
ファスナ半体4にサイドタブ6を縫合したら、その袋体を外オモテになるように再び内外反転させる。このとき、図9(b)に示すように、袋体の内側に入り込んだサイドタブ6を、ファスナ半体4の端部と瘤状部15との間に形成される隙間Gを潜らせるようにして袋体の外側に引き出す。すると、図9(c)に示すように、ファスナ3の延長方向に張り出したサイドタブ6が隙間Gを上方から覆う形になる。
このようにして取り付けられたサイドタブ6の撓み部分62は、スライダ5をファスナ3の端部に挿脱させる際、図10(a)に示すように、蝶棒43と箱棒44とがファスナ3の長手方向に離れるための可動域を確保する作用をなす。また、ファスナ3が閉じ合わされた状態では、図10(b)に示すように、サイドタブ6の撓み部分62が隙間Gの内側に膨湾して瘤状部15に接触することで、隙間Gがさらに狭められる。
[工程S9(図11)]
工程S8で取り付けられたサイドタブ6のオモテ側に、さらにカバーフラップ8を重ねて取り付ける。カバーフラップ8は、サイドタブ6と同様にコシの強い合成繊維製の織テープ等からなる帯片であり、その長さはサイドタブ6よりもやや長い。その帯片の一方の短辺縁83がサイドタブ6の外側の短辺縁63近傍に縫合され、一方の長辺縁84がサイドタブ6の一方の長辺縁64に沿って縫合される。このようにして取り付けられたカバーフラップ8は、洗濯・乾燥作業時にファスナ3の両端部に寄せられたスライダ5を被覆することで、スライダ5に他の洗濯用ネットが引っ掛かったり、スライダ5が洗濯槽等に衝突して損傷したりする等のトラブルを防ぐ。また、両ファスナ半体4にスライダ5を挿脱させる際には、図11(b)に示すように、カバーフラップ8の縫合されていない略斜め半分を捲り上げることで、その作業を無理なく行うことができる。
このような工程によって製造された洗濯用ネットは、図7〜図8に示したように、袋体の開口部2の端部に、網材10を複数回折り重ねて縫合された瘤状部15が形成されて、その瘤状部15が、開口部2の端部とファスナ3の端部との間に形成される隙間Gの周縁を部分的に肥大させる。この瘤状部15は、複数回、縫い重ねられて固くなり、これが隙間Gの内側にせり出すことで、隙間Gが窮屈になって、洗濯物等の通過が困難になる。ただし、瘤状部15が形成されていても、その近傍の周縁部(上辺部13の端部)は網材10の重なり枚数が二枚分しかなくて柔軟性を保持している。したがって、ファスナ3の端部にスライダ5を挿脱させる際の実質的な可動域は小さくならず、ファスナ3の使い勝手は損なわれない。
また、前述の工程によれば、袋体の開口部2の端部に、ファスナ3の端部との隙間Gを狭める大きさおよび形状の瘤状部15を、合理的な工程で効率よく、かつ美麗に形成することができる。この製造方法は、従来の一般的な袋物の製造方法に局部的な折り重ね工程を追加したものであるが、新たな資材や加工装置等は必要としないので、製造コストを押し上げる影響は小さくて済む。
かくして、洗濯時のトラブルが少なく、使い勝手に優れた洗濯用ネットを経済的に得ることができる。そして、この洗濯用ネットを利用する洗濯業者の作業効率もさらに向上する。
なお、本願が開示する発明の技術的範囲は、例示した実施形態によって限定的に解釈されるべきものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて概念的に解釈されるべきものである。本願が開示する発明の実施に際しては、特許請求の範囲において具体的に特定していない部材・部品の形状や構造、位置関係、接合形態等を、例示形態と実質的に同様の作用効果が得られる範囲内で適宜、改変して実施しても差し支えない。
例えば、袋体を構成する網材10の材質(繊維の太さ、柔軟性、目の大きさ等)や、袋体の側辺部11および上辺部13に縫合される縁取りテープ71、73の材質等に応じて、折り返し幅や折り重ね回数を適宜、増減してもよい。同様に、各工程でミシンをかけるラインの位置を多少ずらしたり、縫い重ねる箇所を増やしたりしてもよい。また、開口部2の端部とファスナ3の端部との間に設けられる隙間Gの適正な大きさは、ファスナ3を構成するファスナテープ41の材質やスライダ5の構造、蝶棒43・箱棒44の形状等によっても多少変化するので、それに合わせて瘤状部15の位置や大きさも適宜調整されるのが望ましい。
1 洗濯用ネット
10 網材
11 側辺部
12 底辺部
13 上辺部
14 網材五枚分の折り重ね縫合部
15 瘤状部(網材十枚分の折り重ね縫合部)
2 開口部
3 ファスナ
4 ファスナ半体
41 ファスナテープ
42 エレメント
43 蝶棒
44 箱棒
5 スライダ
6 サイドタブ
61 短辺縁
62 撓み部分
63 短辺縁
64 長辺縁
71 (側辺部の)縁取りテープ
73 (上辺部の)縁取りテープ
8 カバーフラップ
81 短辺縁
82 長辺縁
G 隙間

Claims (7)

  1. 網材からなる袋体の上辺部に洗濯物を出し入れするための開口部が設けられて、その開口部にスライドファスナが取り付けられ、
    前記開口部の少なくとも一方の端部と、前記スライドファスナの少なくとも一方の端部との間に、縫合されない隙間が設けられる洗濯用ネットにおいて、
    前記開口部の端部に、前記網材を複数回、折り重ねて縫合された瘤状部が形成され、
    前記瘤状部が前記隙間の周縁を部分的に肥大させていることを特徴とする洗濯用ネット。
  2. 請求項1に記載された洗濯用ネットにおいて、
    前記スライドファスナが逆開き式のダブルファスナであり、
    前記隙間が前記開口部の両端部と前記ファスナの両端部との間にそれぞれ設けられ、
    前記瘤状部が前記開口部の両端部に形成されたことを特徴とする洗濯用ネット。
  3. 請求項1または2に記載された洗濯用ネットにおいて、
    前記瘤状部は、前記袋体の側辺部の上端部を三回以上折り重ねて、前記網材十枚分以上の厚みに縫合されたことを特徴とする洗濯用ネット。
  4. 請求項1、2または3に記載された洗濯用ネットにおいて、
    前記瘤状部には、前記袋体の正面側および背面側の各上辺部にそれぞれ被せて縫合された二本の縁取りテープと、前記袋体の側辺部に被せて縫合された一本の縁取りテープとが、前記網材と一緒に折り込まれて縫合されていることを特徴とする洗濯用ネット。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載された洗濯用ネットにおいて、
    前記ファスナの端部には、前記ファスナを構成する一対のファスナ半体の端部同士を所定間隔だけ離して保持するサイドタブが、その一方の短辺縁を前記ファスナの幅方向に撓ませた状態で、前記ファスナ半体のウラ側から縫合され、
    前記ファスナを閉じ合わせると、前記サイドタブの撓み部分が前記隙間の内側に膨出して前記瘤状部に接触することを特徴とする洗濯用ネット。
  6. 請求項4に記載された洗濯用ネットを、以下S1〜S7の工程を含んで製造することを特徴とする洗濯用ネットの製造方法
    S1:矩形に裁断された網材を、底辺部が輪になるように中オモテに折り重ね、正面側および背面側の各上辺部に縁取りテープをそれぞれ被せて当該辺長方向に縫合する。
    S2:前記網材の正面側および背面側の側辺部同士を重ね合わせ、その重ね合わせた側辺部に縁取りテープを被せて当該辺長方向に縫合することにより、上辺部に開口部を有する袋体を形成する。
    S3:前記S2により得られた袋体の側辺部全体を正面側または背面側に折り返し、その側辺部全体を再度、当該辺長方向に縫合する。
    S4:前記S3において縫合した側辺部の上端部近傍を、さらにS3とは反対側に折り返し、その折り返し部分と、当該反対側の上辺部とを重ねて縫合する。
    S5:前記S4により得られた袋体全体を内外反転させて外オモテにする。
    S6:前記ファスナを構成する一対のファスナ半体であって、その全長が前記開口部の開口幅よりも短いファスナ半体を、前記S5により得られた袋体の正面側および背面側の各上辺部のオモテ側に上下逆向きにそれぞれ重ねて縫合する。
    S7:前記S6により得られた袋体の開口部全体を、前記側辺部の上端部も含めて前記袋体のウラ側に折り込み、前記上辺部の辺長方向に沿って縫合することにより、前記開口部の端部に、前記網材が複数回折り重ねられた瘤状部を形成する。
  7. 請求項6に記載された洗濯用ネットの製造方法において、さらに以下の工程を含むことを特徴とする洗濯用ネットの製造方法
    S8:前記S7により得られた袋体を内外反転させて中オモテにした状態で、前記ファスナ半体の相対する端部のウラ側にサイドタブを縫合した後、前記袋体を再度、内外反転させて外オモテに戻す。
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