JP6676997B2 - 三次元形状物の製造方法と階調露光用マスクおよびモールド - Google Patents

三次元形状物の製造方法と階調露光用マスクおよびモールド Download PDF

Info

Publication number
JP6676997B2
JP6676997B2 JP2016023408A JP2016023408A JP6676997B2 JP 6676997 B2 JP6676997 B2 JP 6676997B2 JP 2016023408 A JP2016023408 A JP 2016023408A JP 2016023408 A JP2016023408 A JP 2016023408A JP 6676997 B2 JP6676997 B2 JP 6676997B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
energy
energy supply
light
region
shielding film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016023408A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017142357A (ja
Inventor
登山 伸人
登山  伸人
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2016023408A priority Critical patent/JP6676997B2/ja
Publication of JP2017142357A publication Critical patent/JP2017142357A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6676997B2 publication Critical patent/JP6676997B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Description

本発明は、エネルギーを階調で供給することを利用した三次元形状物の製造方法と、この製造方法に使用することができる階調露光用マスクと、三次元形状物製造用のモールドに関する。
従来から、感光性レジストに階調露光を行うことにより現像後のレジスト残膜量を制御して、所望の形状を有する三次元形状物をレジストで形成することが行われている。このような階調露光は、例えば、撮像素子や表示装置等に使用するマイクロレンズの製造にも利用されており、所望の曲率半径を有するマイクロレンズの作製が行われている。
階調露光に使用する階調マスクとして、例えば、露光装置の解像限界を超える小さい領域を配列し、各領域内に設定する光透過部と遮光部の面積比を調整することにより、細かい階調を表現した2値化パターンのグレートーンマスクが提案されている(特許文献1)。
特開2011−8118号公報
従来のグレートーンマスクでは、開口率とレジスト残膜量の関係から所望の高さのレジスト残膜を得るための開口率分布を求め、これに基づいてディザ法または誤差拡散法を用いてドット状に遮光部が配置される。
しかしながら、マイクロレンズのように三次元的に連続して高さが変化する場合、ディザ法では、ドットの遮光パターンを円形状に配置することが難しく、また、誤差拡散法では、拡散方向に非対称性が生じる。このため、形成されたマイクロレンズの表面形状は回転対称とはならず、光学特性に支障を生じる場合があった。
また、階調を細かく表現して三次元形状物の表面形状を滑らかにするためには、遮光部をドット状に配置するために必要な二値化データ量が膨大なものとなる。したがって、マイクロレンズのように、表面形状が滑らかな三次元形状物を製造する場合の負荷が大きいという問題があった。
本発明は、上述のような実状に鑑みてなされたものであり、エネルギーを階調で供給することを利用して三次元形状物を高い精度で簡便に製造する方法と、この製造方法に使用することができる階調露光用マスクと、寸法精度が高い三次元形状を製造するためのモールドを提供することを目的とする。
このような課題を解決するために、本発明は、エネルギー感応型レジストの所望のエネルギー供給領域に対してエネルギーを階調で供給する工程を有する三次元形状物の製造方法において、前記エネルギー供給領域に、所定方向に沿って等ピッチで複数のグリッドを設定し、該グリッド毎に前記グリッドの境界線に平行なライン形状でエネルギーを供給し、該エネルギー供給に際して、前記グリッド毎にエネルギー供給部位の前記ライン形状の幅を設定することにより前記エネルギー階調供給し、前記エネルギー供給領域は、三角形状の複数のエネルギー供給領域の集合体であり、前記三角形状の各エネルギー供給領域は、前記三角形状の1個の頂点を他の前記三角形状のエネルギー供給領域と共有するとともに、該頂点を囲むように隣接して位置し、前記三角形状の各エネルギー供給領域に、前記頂点から底辺に向かう方向に沿って等ピッチで前記グリッドを設定するような構成とした。
発明の他の態様として、前記三次元形状物がマクロレンズであり、前記三角形状の各エネルギー供給領域に共有される前記頂点がマイクロレンズの最大厚みとなる部位に位置するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記エネルギーは、フォトマスクを介した露光により供給され前記フォトマスクは、透明基板と、該透明基板の一方の面に位置する遮光膜パターンとを備え、前記透明基板は、前記グリッドに対応するように所定方向に沿って等ピッチで複数の単位領域が画定されており、前記単位領域毎に前記単位領域の境界に平行なライン形状の光透過部を有する遮光膜パターンが位置し、各単位領域における前記光透過部のライン幅を設定することにより各単位領域における開口率が調整されているような構成とした。
本発明の他の態様として、前記エネルギーは、エネルギー線を照射することにより供給され、前記グリッド毎に、所定面積のスポット形状の前記エネルギー線を走査して、前記グリッドの境界に平行なライン形状となるように前記エネルギー感応型レジストに前記エネルギー線を照射するような構成とした。
本発明の階調露光用マスクは、透明基板の一方の面に位置する遮光膜パターン領域に遮光膜パターンを備えた階調露光用マスクにおいて、前記遮光膜パターン領域には、所定方向に沿って等ピッチで複数の単位領域が画定されており、該単位領域の境界に平行なライン形状の光透過部を有する遮光膜パターンが前記単位領域毎に位置し、各単位領域における開口率は、各単位領域における前記光透過部のライン形状の幅により調整可能であり、二等辺三角形状の複数の前記遮光膜パターン領域が、前記二等辺三角形状の頂点を一致させ、かつ、前記二等辺三角形状の等辺を一致するように隣接して、共通の前記頂点を囲むように位置し、前記二等辺三角形状の各遮光膜パターン領域における前記単位領域が等ピッチで区画され配列されている方向は、前記頂点から前記二等辺三角形状の底辺に向かう方向であるような構成とした。
本発明の三次元形状物の製造方法は、エネルギーを階調で供給するために要するデータ量が少なく、三次元形状物を高い精度で簡便に製造することができる。
また、本発明の階調露光用マスクは、少ないデータ量による細かい階調露光が可能である。
また、本発明のモールドは、具備する凹凸構造の壁面の寸法精度が高く、これにより、高い精度の三次元形状物を製造することができる。
図1は、三次元形状物を製造するためのエネルギー感応型レジストを備えた基板を示す部分平面図である。 図2は、図1に示されるエネルギー供給領域の部分拡大平面図である。 図3は、階調露光用マスクの一例を示す平面図である。 図4は、図3に示される階調露光用マスクの遮光膜パターン領域の拡大平面図である。 図5は、図4に示される遮光膜パターン領域の部分拡大平面図である。 図6は、マスクの開口率とレジスト残膜量の関係を示す図である。 図7は、図6に示されるマスクの開口率とレジスト残膜量の関係からX軸、Y軸を変換して得られる開口率関数を示す図である。 図8は、三次元形状物の厚みのプロファイルを示す図である。 図9は、三次元形状物に必要な厚みを得るための開口率の分布を示す図である。 図10は、エネルギー照射密度とレジスト残膜量の関係を示す図である。 図11は、図10に示されるエネルギー照射密度とレジスト残膜量の関係からX軸、Y軸を変換して得られるエネルギー照射密度関数を示す図である。 図12は、三次元形状物に必要な厚みを得るためのエネルギー照射密度の分布を示す図である。 図13は、エネルギーの階調供給を示す図である。 図14は、エネルギーの階調供給を行い、露光して得た三次元形状物を示す図である。 図15は、基板上に設けられたエネルギー感応型レジストが画定されるエネルギー供給領域の他の例を示す図である。 図16は、図15に示されるエネルギー供給領域を構成する1個のエネルギー供給領域の拡大平面図である。 図17は、図15、図16に示すようなエネルギーの階調供給を行うための階調露光用マスクの一例を示す平面図である。 図18は、図17に示される階調露光用マスクの遮光膜パターン領域を構成する1個の遮光膜パターン領域の拡大平面図である。 図19は、三次元形状物の厚みのプロファイルを示す図である。 図20は、三次元形状物に必要な厚みを得るための開口率の分布を示す図である。 図21は、三次元形状物に必要な厚みを得るためのエネルギー照射密度の分布を示す図である。 図22は、エネルギーの階調供給を示す図である。 図23は、エネルギーの階調供給を行い、露光して得た三次元形状物を示す図である。 図24は、エネルギー供給領域を頂点を中心に12分割し、マイクロレンズ形状の三次元形状物を形成する場合のグリッドの境界線に平行なライン形状のエネルギー供給部位の一例を示す図である。 図25は、エネルギー供給領域を頂点を中心に12分割し、マイクロレンズ形状の三次元形状物を形成する場合のグリッドの境界線に平行なライン形状のエネルギー供給部位の他の例を示す図である。 図26は、正方形のドット状に遮光部を配置して、マイクロレンズ形状の三次元形状物を形成する場合のエネルギー供給部位の一例を示す図である。 図27は、正方形のドット状に遮光部を配置して、マイクロレンズ形状の三次元形状物を形成する場合のエネルギー供給部位の他の例を示す図である。 図28は、エネルギー供給領域の各グリッドに位置するエネルギー供給部位を説明するための図である。 図29は、エネルギー供給領域の各グリッドに位置するエネルギー供給部位を説明するための図である。 図30は、三次元形状物を製造するためのモールドの一例を示す側面図である。 図31は、モールドが有する凹凸構造を構成する凸部を説明するための図である。 図32は、三次元形状物を製造するためのモールドの他の例を示す側面図である。 図33は、モールドが有する凹凸構造を構成する凹部を説明するための図である。 図34は、三次元形状物を製造するためのモールドの他の例を示す側面図である。 図35は、モールドが有する凹凸構造を構成する凸部を説明するための図である。 図36は、実施例において使用するテストマスクの17段階の開口率を示す図である。 図37は、実施例におけるテストマスクの開口率とレジスト残膜量の関係を示す図である。 図38は、図37に示されるテストマスクの開口率とレジスト残膜量の関係からX軸、Y軸を変換して得られる開口率関数を示す図である。 図39は、実施例において階調露光用マスクM1〜M4を用いて作製した三次元形状物(試料1〜試料4)の形状を示す図である。 図40は、実施例において階調露光用マスクM5〜M8を用いて作製した三次元形状物(試料5〜試料8)の形状を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
尚、図面は模式的または概念的なものであり、各部材の寸法、部材間の大きさの比等は、必ずしも現実のものと同一とは限らず、また、同じ部材等を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比が異なって表される場合もある。
[三次元形状物の製造方法、階調露光用マスク]
本発明の三次元形状物の製造方法は、エネルギー感応型レジストの所望のエネルギー供給領域に対してエネルギーを階調で供給する工程を有している。図1は、三次元形状物を製造するためのエネルギー感応型レジストを備えた基板を示す部分平面図である。この図1の例では、基板1上にエネルギー感応型レジスト5が設けられ、エネルギー感応型レジスト5にはエネルギー供給領域11が画定されている。そして、このエネルギー供給領域11に、矢印で示す所定方向aに沿って一定のピッチPで複数のグリッド21が設定されている。尚、図1では、エネルギー供給領域11の外郭形状を実線で示し、また、各グリッド21の境界を実線で示しており、エネルギー供給領域11の外郭形状、グリッド21の数は便宜的に記載したものである。
エネルギー感応型レジスト5は、紫外線感応型、電子線感応型等、公知のエネルギー感応型レジストを使用することができ、特に制限はない。また、ピッチPは使用するエネルギー感応型レジスト5の解像限界よりも小さい寸法とする。
このようなエネルギー供給領域11へのエネルギー供給は、グリッド21毎にグリッド21の境界線に平行なライン形状でエネルギーを供給する。図2は、図1に示されるエネルギー供給領域11の部分拡大平面図である。図2に示されるように、所定方向aに沿って同一のピッチPで設定されている複数のグリッド21において、グリッド21の境界線に平行なライン形状のエネルギー供給部位25にエネルギーを供給する。図2では、ライン形状のエネルギー供給部位25に斜線を付しており、エネルギー供給部位25は各グリッド21の中央に位置し、所定方向aに沿ってエネルギー供給部位25のライン形状の幅が徐々に減少している。このように、エネルギー供給に際して、グリッド21毎にエネルギー供給部位25のライン形状の幅を設定することにより、エネルギーの階調供給を行うことができる。
上記のようなエネルギーの階調供給は、例えば、フォトマスクを使用した階調露光により行うことができ、また、エネルギー線を走査して照射する描画によっても行うことができる。
まず、フォトマスクを使用した階調露光によるライン形状でのエネルギー供給について説明する。図3は、階調露光用マスクの一例を示す平面図であり、階調露光用マスク101は、透明基板102の一方の面に位置する遮光膜パターン領域104に遮光膜パターンを備えている。遮光膜パターン領域104の周囲は適宜設計することができ、図示例では、遮光膜パターン領域104の周囲には遮光膜103が位置しているが、遮光膜パターン領域104の周囲が光透過部であってもよい。尚、図3では、遮光膜パターン領域104の外郭形状を一点鎖線で示している。
図4は、図3に示される階調露光用マスク101の遮光膜パターン領域104の拡大平面図であり、また、図5は、図4に示される遮光膜パターン領域104の部分拡大平面図である。図4、図5に示されるように、遮光膜パターン領域104には、矢印で示す所定方向a′に沿って一定のピッチP′で複数の単位領域105が設定されている。ピッチP′は、上記のピッチPを基に、後述する露光時の縮小倍率を考慮して設定することができる。図示例では、各単位領域105の境界を実線で示している。このような各単位領域105には、単位領域の境界に平行なライン形状の光透過部106Tを有する遮光膜パターン106が位置している。図5に示される例では、上記のようにエネルギー供給部位25が各グリッド21の中央に位置することに対応して、各単位領域105の中央にライン形状の光透過部106Tが位置し、その両側にライン形状の遮光部106Bが位置しており、所定方向a′に沿ってライン形状の光透過部106Tの幅が徐々に減少している。このように、単位領域105の中央にライン形状の光透過部106Tが位置することにより、ポジネガ反転しても、形成される三次元形状の位置のずれが生じることがなく、ポジ型、ネガ型のいずれのエネルギー感応型レジスト5にも階調露光用マスク101を適用できる。尚、図5では、ライン形状の遮光部106Bに斜線を付して示している。
このような階調露光用マスク101の各単位領域105における開口率は、各単位領域105における光透過部106Tのライン形状の幅により調整可能である。これについて、図6〜図9を参照しながら説明する。図6は、マスクの開口率とレジスト残膜量の関係を示す図である。このような開口率とレジスト残膜量の関係は、種々の開口率を有する遮光膜パターンを備えたテストマスクを用いて、エネルギー感応型レジストを露光、現像して、レジスト残膜量を測定することにより得ることができる。この開口率とレジスト残膜量の関係から、X軸、Y軸を変換して、開口率関数を図7に示すように求める。一方、目的の三次元形状物の厚みのプロファイルを得る。ここでは図8に示すような断面が三角形であるプリズム形状の厚みのプロファイルを例とする。この三次元形状物の厚みのプロファイルと、図7に示される開口率関数から、図9に実線で示すような、プリズム形状の三次元形状物に必要な厚みを得るための開口率の分布を求める。次に、図9に示される開口率の変化が表現可能なように、各単位領域105における光透過部106Tのライン形状の幅を設定してマスク設計を行う。大きな開口率が要求される単位領域105では、光透過部106Tのライン形状の幅が大きいものとなる。そして、このマスク設計にしたがって、階調露光用マスク101を製造することができる。このような階調露光用マスク101は、ドット状の遮光部を備える従来の階調露光用マスクに比べて、少ないデータ量で作製することができる。
このような階調露光用マスク101を使用し、階調露光用マスク101における所定方向a′を、上述の図1に示すようなエネルギー供給領域11の所定方向aと一致させ、所定の縮小、例えば、5倍の縮小をかけて露光することにより、図2に示すようなエネルギーの階調供給を行うことができる。
次に、エネルギー線の描画によるライン形状でのエネルギー供給について説明する。エネルギー線としては、電子線、レーザ光等の荷電粒子、または光等を使用することができる。ライン形状でのエネルギー供給は、所定のスポット径でエネルギー線をライン形状に走査して描画することにより行うことができる。エネルギー線の出力、スポット径、走査速度を一定として、エネルギー照射密度と、エネルギー感応型レジストの現像後のレジスト残膜量との関係を予め求めておくことにより、グリッド21毎のエネルギーの階調供給を行うことができる。例えば、図10に示すように、予めエネルギー照射密度とレジスト残膜量の関係を求め、このエネルギー照射密度とレジスト残膜量との関係から、X軸、Y軸を変換して、エネルギー照射密度関数を図11に示すように求める。一方、目的の三次元形状物の厚みのプロファイル、例えば、上述の図8に示すようなプリズム形状の厚みのプロファイルを得る。この三次元形状物の厚みのプロファイルと、図11に示されるエネルギー照射密度関数から、図12に実線で示すような、プリズム形状の三次元形状物に必要な厚みを得るためのエネルギー照射密度の分布を求める。そして、エネルギー供給領域11におけるエネルギー照射密度が、図12に示されるエネルギー照射密度の分布となるように、グリッド21毎のエネルギー供給部位25のライン形状の幅を設定して描画することにより、エネルギーの階調供給を行うことができる。例えば、グリッド21におけるエネルギー照射密度を高くするためには、エネルギー供給部位25のライン形状の幅が大きいものとなる。
図13は、上述のようなフォトマスクを使用した階調露光、あるいは、エネルギー線を用いた描画によるエネルギーの階調供給を示す図である。図13において、基板1上に設けられたエネルギー感応型レジスト5には、矢印で示す所定方向aに沿って一定のピッチPで複数のグリッド21(図1参照)が設定されており、グリッド21毎にエネルギー供給部位25(図2参照)のライン形状の幅を設定してエネルギーの階調供給を行う。図13では、エネルギー感応型レジスト5をポジ型とし、このエネルギー感応型レジスト5に対するエネルギーの供給量が矢印で示す所定方向aに沿って減少することを、図示の下向きの矢印の幅の減少で便宜的に示している。
このようなエネルギー感応型レジスト5に対するエネルギーの階調供給を行った後、エネルギー感応型レジスト5を現像することにより、図14に示すように、基板1上に三次元形状物7を形成することができる。
本発明では、基板1上に設けられたエネルギー感応型レジスト5に画定されるエネルギー供給領域の外郭形状は、上述のエネルギー供給領域11のような矩形(図1参照)に限定されるものではない。また、感応型レジスト5に画定されるエネルギー供給領域は2以上であってもよい。
図15は、基板1上に設けられたエネルギー感応型レジスト5に画定されるエネルギー供給領域の他の例を示す図である。図15において、基板1上に設けられたエネルギー感応型レジスト5に画定されるエネルギー供給領域31は、三角形状の8個のエネルギー供給領域31a〜31hの集合体である。8個のエネルギー供給領域31a〜31hは1個の頂点31Sを他のエネルギー供給領域と共有するとともに、この頂点31Sを囲むように隣接して位置している。尚、上記の例では、エネルギー供給領域31を頂点31Sを中心に8分割して、8個のエネルギー供給領域31a〜31hを画定しているが、エネルギー供給領域31を構成する三角形状のエネルギー供給領域の数は8個に限定されるものではない。
図16は、図15に示されるエネルギー供給領域31を構成する1個のエネルギー供給領域の拡大平面図であり、エネルギー供給領域31aを例としたものである。図16に示されるように、エネルギー供給領域31aには、頂点31Sから底辺31Bに向かう所定方向a(矢印で示す)に沿って同一のピッチPで複数のグリッド41が設定されている。このピッチPは、使用するエネルギー感応型レジスト5の解像限界よりも小さい寸法とする。そして、グリッド41の境界線に平行なライン形状のエネルギー供給部位45にエネルギーを供給する。図16に示される例では、ライン形状のエネルギー供給部位45に斜線を付しており、エネルギー供給部位45は各グリッド41の中央に位置し、所定方向aに沿ってエネルギー供給部位45のライン形状の幅が徐々に増大している。このように、エネルギー供給に際して、グリッド41毎にエネルギー供給部位45のライン形状の幅を設定することにより、エネルギーの階調供給を行うことができる。エネルギー供給領域31を構成する他のエネルギー供給領域31b〜31hについても同様に、ライン形状のエネルギー階調供給を行う。したがって、三角形状の8個のエネルギー供給領域31a〜31hの集合体であるエネルギー供給領域31では、中央に位置する頂点31Sから周縁方向に向けて略放射状に、エネルギー供給量が徐々に増大するようなエネルギー階調供給が行われる。
このようなエネルギーの階調供給も、上述の例と同様に、フォトマスクを使用した階調露光により行うことができ、また、エネルギー線を走査して照射する描画により行うことができる。
図17は、図15、図16に示すようなエネルギーの階調供給を行うための階調露光用マスクの一例を示す平面図であり、階調露光用マスク111は、透明基板112の一方の面に位置する遮光膜パターン領域114に遮光膜パターンを備えている。図17では、遮光膜パターン領域114の外郭形状を一点鎖線で示している。階調露光用マスク111を構成する遮光膜パターン領域114は、二等辺三角形状の8個の遮光膜パターン領域114a〜114hが、二形等辺三角状の頂点114Sを一致させ、かつ、二等辺三角形状の等辺を一致するように隣接しており、共通の頂点114Sを囲むように位置している。このような8個の遮光膜パターン領域114a〜114hは、エネルギー供給領域31を構成する8個のエネルギー供給領域に対応するものである。図17では、遮光膜パターン領域114を構成する二等辺三角形状の各遮光膜パターン領域114a〜114hの等辺を鎖線で示している。そして、各遮光膜パターン領域114a〜114hにおいて、共通の頂点114Sから二等辺三角形状の底辺114Bに向けて等ピッチで単位領域115が区画されている。図17では、遮光膜パターン領域114aついてのみ、画定されている単位領域115の境界を実線で示しており、単位領域115の数は便宜的に記載したものである。
いる。尚、遮光膜パターン領域114の周囲は適宜設計することができ、図示例では、遮光膜パターン領域114の周囲には遮光膜113が位置しているが、遮光膜パターン領域114の周囲が光透過部であってもよい。
図18は、図17に示される階調露光用マスク111の遮光膜パターン領域114を構成する1個の遮光膜パターン領域の拡大平面図であり、遮光膜パターン領域114aを例としたものである。図18に示されるように、遮光膜パターン領域114aには、頂点114Sから二等辺三角形状の底辺114Bに向かう所定方向a′(矢印で示す)に沿って同一のピッチP′で複数の単位領域105が設定されている。ピッチP′は、上記のピッチPを基に、後述する露光時の縮小倍率を考慮して設定することができる。図示例では、各単位領域115の境界を実線で示している。このような各単位領域115には、単位領域の境界に平行なライン形状の光透過部116Tを有する遮光膜パターン116が位置している。図18に示される例では、各単位領域115の中央にライン形状の光透過部116Tが位置し、その両側にライン形状の遮光部116Bが位置しており、所定方向a′に沿ってライン形状の光透過部116Tの幅が徐々に増大している。このように、単位領域115の中央にライン形状の光透過部116Tが位置することにより、ポジネガ反転しても、形成される三次元形状の位置のずれが生じることがなく、ポジ型、ネガ型のいずれのエネルギー感応型レジスト5にも階調露光用マスク111を適用することができる。尚、図18では、ライン形状の遮光部116Bに斜線を付して示している。
このような階調露光用マスク111の各単位領域115における開口率は、各単位領域115における光透過部116Tのライン形状の幅により調整可能である。すなわち、図6、図7を参照して説明したように、予めレジスト残膜量と開口率との関係を求める。一方、目的の三次元形状物の厚みのプロファイル、ここでは図19に示すようなマイクロレンズ形状の厚みのプロファイルを得る。この三次元形状物の厚みのプロファイルと、レジスト残膜量と開口率との関係から、図20に実線で示すような、マイクロレンズの頂部から周縁部に至る三次元形状に必要な厚みを得るための開口率の分布を求める。次に、図20に示される開口率の変化が表現可能なように、各単位領域115における光透過部116Tのライン形状の幅を設定し、この設定を遮光膜パターン領域114を構成する8個の遮光膜パターン領域114a〜114hに適用して、マスク設計を行う。そして、このマスク設計にしたがって、階調露光用マスク111を製造することができる。このような階調露光用マスク111は、ドット状の遮光部を備える従来の階調露光用マスクに比べて、少ないデータ量で作製することができる。
このような階調露光用マスク111を使用し、階調露光用マスク111における共通の頂点114S(図17参照)を、エネルギー供給領域31の頂点31S(図15参照)と一致させ、所定の縮小、例えば、5倍の縮小をかけて露光することにより、図16に示すようなエネルギーの階調供給を行うことができる。
次に、上記のエネルギー供給領域31の中央に位置する頂点31S(図15参照)から周縁方向に向けて、略放射状にエネルギー供給量が徐々に増大するようなエネルギー階調供給を、エネルギー線の描画によるライン形状のエネルギー供給で行う場合について説明する。この場合、図10、図11を参照して説明したように、予めレジスト残膜量とエネルギー照射密度との関係を求める。一方、目的の三次元形状物の厚みのプロファイル、例えば、上述の図19に示すようなマイクロレンズ形状の厚みのプロファイルを得る。この三次元形状物の厚みのプロファイルと、レジスト残膜量とエネルギー照射密度の関係から、図21に実線で示すような、マイクロレンズの頂部から周縁部に至る三次元形状に必要な厚みを得るためのエネルギー照射密度の分布を求める。そして、エネルギー供給領域31を構成する三角形状の8個のエネルギー供給領域31a〜31hにおけるエネルギー照射密度が、図21に示されるエネルギー照射密度の分布となるように、グリッド41毎のエネルギー供給部位45のライン形状の幅(図16参照)を設定して描画することにより、エネルギーの階調供給を行うことができる。
図22は、上述のようなフォトマスクを使用した階調露光、あるいは、エネルギー線を用いた描画によるエネルギーの階調供給を示す図である。図22では、エネルギー感応型レジスト5をポジ型とし、図15に示されるエネルギー供給領域31のI−I線に沿ってエネルギー感応型レジスト5に供給されるエネルギーの供給量を、図示の下向きの矢印の幅の増大で便宜的に示している。この図22では、エネルギー供給領域31の中央に位置する頂点31Sから周縁方向に向けて、エネルギーの供給量が増大している。
このようなエネルギー感応型レジスト5に対するエネルギーの階調供給を行った後、エネルギー感応型レジスト5を現像することにより、図23に示すように、基板1上にマイクロレンズ形状の三次元形状物8を形成することができる。
上記の例では、エネルギー供給領域31を、頂点31Sを中心として8分割して8個のエネルギー供給領域31a〜31hを画定しているが、分割数を更に多くしたり、エネルギー供給領域31に画定するグリッド41のピッチPを小さくすることにより、基板1上に形成するマイクロレンズ形状の三次元形状物8の表面形状をより滑らかなものとすることができる。ここで、エネルギー供給領域31を、頂点31Sを中心に12分割し、グリッド41のピッチPを400nmとし、形成するマイクロレンズ形状の三次元形状物の直径を20μmとした場合、1個のエネルギー供給領域31に画定されるグリッド41は25個となり、このようなグリッド41の境界線に平行なライン形状のエネルギー供給部位45(図16参照)は、例えば、図24に示すものとなる。さらに、グリッド41のピッチPを200nmまで小さくした場合、1個のエネルギー供給領域31に画定されるグリッド41は50個となり、このようなグリッド41の境界線に平行なライン形状のエネルギー供給部位45は、例えば、図25に示すものとなる。尚、図24、図25において、エネルギー供給部位45は黒い部位として示されている。
一方、誤差拡散法により、一辺400nmの正方形のドット状に遮光部を配置して、上記と同様に、直径20μmのマイクロレンズ形状の三次元形状物を形成する場合、エネルギー供給部位は、例えば、図26に示すものとなる。また、一辺200nmの正方形のドット状に遮光部を配置して、上記と同様に、直径20μmのマイクロレンズ形状の三次元形状物を形成する場合、エネルギー供給部位は、例えば、図27に示すものとなる。尚、図26、図27において、エネルギー供給部位は黒い部位として示されている。
上記の図24と図26の対比、図25と図27の対比から明らかなように、本発明の三次元形状物の製造方法は、ディザ法または誤差拡散法を用いた従来のドット状のエネルギー階調供給を行う場合に比べて、エネルギーの階調供給に要するデータ量が少なく、三次元形状物を高い精度で簡便に製造することができる。
上述の実施形態では、図2に示されるように、エネルギー供給部位25は各グリッド21の中央に位置しているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図28(A)、図28(B)に示すように、エネルギー供給部位25が各グリッド21内で、隣接するグリッド寄りに位置するものであってもよい。したがって、図3、図4に示される階調露光用マスク101においても、各単位領域105の中央にライン形状の光透過部106Tが位置する場合の他に、隣接する単位領域105寄りにライン形状の光透過部106Tが位置するものであってもよい。
また、図16に示される例でも、エネルギー供給部位45は各グリッド41の中央に位置しているが、この場合も、例えば、図29(A)、図29(B)に示すように、エネルギー供給部位45が各グリッド41内で、隣接するグリッド寄りに位置するものであってもよい。したがって、図17、図18に示される階調露光用マスク111においても、各単位領域115の中央にライン形状の光透過部116Tが位置する場合の他に、隣接する単位領域115寄りにライン形状の光透過部116Tが位置するものであってもよい。
[三次元形状物製造用のモールド]
図30は、三次元形状物を製造するためのモールドの一例を示す側面図である。図30において、モールド51は、基材52と、この基材52の一方の面52aに位置する凹凸構造53を備えている。
基材52は、モールド51を用いたインプリントに使用する被成形樹脂材料が光硬化性である場合には、これらを硬化させるための照射光が透過可能な材料を用いることができ、例えば、石英ガラス、珪酸系ガラス、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、アクリルガラス等のガラス類の他、サファイアや窒化ガリウム、更にはポリカーボネート、ポリスチレン、アクリル、ポリプロピレン等の樹脂、あるいは、これらの任意の積層材を用いることができる。また、使用する被成形樹脂材料が光硬化性ではない場合には、モールド51は光透過性を具備しなくてもよく、上記の材料以外に、例えば、シリコンやニッケル、チタン、アルミニウム等の金属およびこれらの合金、酸化物、窒化物、あるいは、これらの任意の積層材を用いることができる。
基材52の厚みは、材質の強度、取り扱い適性等を考慮して設定することができ、例えば、300μm〜10mm程度の範囲で適宜設定することができる。尚、基材52の一方の面52a側が2段以上の凸構造、いわゆるメサ構造となっていてもよく、この場合、最上段の面が、凹凸構造53が位置する面52aとなる。
モールド51が備える凹凸構造53は、複数の凸部54を有している。図示例では、各凸部54は、マイクロレンズ形状をなし、これにより、凹凸構造53はマイクロレンズアレイをなしている。図31は、凹凸構造53を構成する凸部54を説明するための図であり、図31(A)は1個の凸部54を示す斜視図であり、図31(B)は1個の凸部54を示す平面図である。各凸部54では、凸部側壁面54aの表面形状の輪郭線のなかで、基材52の一方の面52aから最も高い部位に位置する点55を通る複数の輪郭線が同じである。図示例では、1個の凸部54の点55を通る3本の輪郭線56を二点鎖線で示している。3本の輪郭線56が同一とは、3本の輪郭線56の形状を対比したときに、図31(C)に鎖線で示す輪郭線56のバラツキの幅Wが、使用する光源の波長の1/4以下、例えば、波長が0.55μmの場合、幅Wが0.137μm以下であること、あるいは、バラツキの幅Wが基材52の一方の面52aから最も高い部位に位置する点55までの高さの5%以下であることを意味する。そして、図示例では、点55を通る輪郭線56を便宜的に3本示しているが、点55を通るいずれの輪郭線56であっても、バラツキの幅Wが上記の範囲を満足する。尚、凸部側壁面54aの表面形状の輪郭線56は、(株)小坂研究所製 微細形状測定器 サーフコーダ ET4000A等の装置を使用することにより得ることができる。
このようなモールド51は、上述の本発明の三次元形状物の製造方法により、基材52にエネルギー感応型レジストを用いて凹凸構造53を形成することにより製造できる。このようの製造されたモールド51では、凹凸構造53の耐久性を向上させるために、例えば、凹凸構造53を被覆するように、基材52の一方の面52aに金属薄膜を設けてもよい。このような金属薄膜は、例えば、クロム、ニッケル、アルミニウム等の金属、クロム合金、アルミニウム合金等の合金を用いて、スパッタリング法等の公知の真空成膜法により形成することができ、厚みは、例えば、0.01〜0.1μmの範囲で適宜設定することができる。
図32は、三次元形状物を製造するためのモールドの他の例を示す側面図である。図32において、モールド61は、基材62と、この基材62の一方の面62aに位置する凹凸構造63を備えている。
基材62は、上述のモールド51の基材52と同様とすることができる。
モールド61が備える凹凸構造63は、複数の凹部64を有している。図33は、凹凸構造63を構成する凹部64を説明するための図であり、図33(A)は1個の凹部64を示す斜視図であり、図33(B)は1個の凹部64を示す平面図である。これらの凹部64では、凹部内壁面64aの表面形状の輪郭線のなかで、基材62の一方の面62aから最も低い部位に位置する点65を通る複数の輪郭線が同じである。図示例では、1個の凹部64の点65を通る3本の輪郭線66を二点鎖線で示している。3本の輪郭線66が同一とは、3本の輪郭線66の形状を対比したときに、図33(C)に鎖線で示す輪郭線66のバラツキの幅Wが、使用する光源の波長の1/4以下、例えば、波長が0.55μmの場合、幅Wが0.137μm以下であること、あるいは、バラツキの幅Wが基材62の一方の面62aから最も低い部位に位置する点65までの深さの5%以下であることを意味する。そして、図示例では、点65を通る輪郭線66を便宜的に3本示しているが、点65を通るいずれの輪郭線66であっても、バラツキの幅Wが上記の範囲を満足する。尚、凹部内壁面64aの表面形状の輪郭線66は、上記の輪郭線56と同様にして得ることができる。
このようなモールド61は、上記のモールド51を用いインプリントリソグラフィにより製造することができる。この場合、基材62上に被成形樹脂材料を配設し、この被成形樹脂材料にモールド51を当接させ、被成形樹脂材料を硬化させてエッチングレジストを形成し、このエッチングレジストを介して基材62をエッチングすることによりモールド61を製造することができる。
また、モールド61は、上述の本発明の三次元形状物の製造方法により、エネルギー感応型レジストを用いて基材62に凹凸構造63を形成することにより製造できる。この場合、基材62上にエネルギー感応型レジストを配設し、このエネルギー感応型レジストに対してエネルギーを階調供給し、その後、現像することにより、凹部64を備えたレジスト硬化物である三次元形状物を形成する。このようの製造されたモールド61では、凹凸構造63の耐久性を向上させるために、例えば、凹凸構造63を被覆するように金属薄膜を設けてもよい。このような金属薄膜は、上述のモールド51に形成する金属薄膜と同様とすることができる。
図34は、三次元形状物を製造するためのモールドの他の例を示す側面図である。図34において、モールド71は、基材72と、この基材72の一方の面72aに位置する凹凸構造73を備えている。
基材72は、上述のモールド51の基材52と同様とすることができる。
モールド71が備える凹凸構造73は、複数の凸部74を有している。各凸部74は、プリズム形状をなし、これにより、凹凸構造73はプリズムアレイをなしている。図35は、凹凸構造73を構成する凸部74を説明するための図であり、図35(A)は1個の凸部74を示す斜視図である。各凸部74では、凸部側壁面74a,74bの表面形状の輪郭線のなかで、基材72の一方の面72aから最も高い部位である頂部辺75と直交する複数の輪郭線が同じである。図示例では、頂部辺75と直交する3本の輪郭線76を二点鎖線で示している。3本の輪郭線76が同一とは、3本の輪郭線76の形状を対比したときに、図35(B)に鎖線で示す輪郭線76のバラツキの幅Wが、使用する光源の波長の1/4以下、例えば、波長が0.55μmの場合、幅Wが0.137μm以下であること、あるいは、バラツキの幅Wが基材72の一方の面72aから頂部辺75までの高さの5%以下であることを意味する。そして、図示例では、最も高い部位である頂部辺75を通る輪郭線76を便宜的に3本示しているが、頂部辺75と直交するいずれの輪郭線76であっても、バラツキの幅Wが上記の範囲を満足する。尚、凸部側壁面74a,74bの表面形状の輪郭線76は、上記の輪郭線56と同様にして得ることができる。
このようなモールド71は、上述の本発明の三次元形状物の製造方法により、エネルギー感応型レジストを用いて基材72に凹凸構造73を形成することにより製造できる。このようの製造されたモールド71においても、凹凸構造73の耐久性を向上させるために、例えば、凹凸構造73を被覆するように、基材72の一方の面72aに金属薄膜を設けてもよい。
上述のような本発明のモールドは、具備する凹凸構造の壁面の寸法精度が高く、複数の輪郭線が同じであることにより、壁面に突発的な凹凸の変形がなく、これにより、高い精度の三次元形状物を製造することができる。
上述の実施形態は例示であり、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
次に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
[実施例1]
開口率が、図36に示すような0/16〜16/16までの17段階となり、したがって透過光によるエネルギー照射密度も17段階となる17種のパターンを備えたテストマスクを準備した。このテストマスクの各パターンにおける1個の光透過部あるいは遮光部となる正方形状のドットの寸法は50nmとした。図36では、光透過部が黒い部位として示されている。
基材上にエネルギー感応型レジスト(メルク(株)製 AZ5218)を塗布してレジスト層(厚み4.3μm)を形成し、このレジスト層に上記のテストマスクを用いて露光(照射量180mJ)し、現像後のレジストの残膜量を測定して、開口率とレジスト残膜量の関係を求め、図37に示した。この図37の開口率とレジスト残膜量の関係から、X軸、Y軸を変換して、開口率関数を図38に示すように求めた。ここでは、開口率とレジスト残膜量の関係を1種の曲線で近似することが難しいので、下記の式(1)、式(2)ように、レジスト残膜量4.22nmを境界に、2種の曲線近似を行った。
レジスト残膜量4.22nm未満:
y = -0.0015X3 + 0.0364X2 − 0.3187X + 0.9365 式(1)
レジスト残膜量4.22nm以上:
y = -3.8422X2 + 32.374X − 68.072 式(2)
上記の開口率関数から、例えば、高さ2μmの三次元形状物を得るためには、開口率を0.4327とする必要がある。したがって、図4〜図5に示されるような階調露光用マスクにおいて、単位領域のピッチP′が200nmである場合には、光透過部106Tのライン形状の幅は86.54nm(200nm×0.4327)となる。また、単位領域のピッチP′が300nmである場合には、光透過部106Tのライン形状の幅は129.81nm(300nm×0.4327)となる。
以上から、製造対象となる三次元形状物の厚みプロファイルを基に、上記の開口率関数から光透過部106Tのライン形状の幅を設定することにより、当該三次元形状物を製造するための階調露光用マスクを作製することができ、また、エネルギー照射密度を設定することができることを確認した。
[実施例2]
基材として、厚み675μmの石英ガラス(65mm角)を準備し、この基材上にエネルギー感応型レジスト(メルク(株)製 AZ5218)を塗布してレジスト層を形成した。
また、実施例1で得た開口率関数を基にして、階調露光用マスクとして、図4〜図5に示されるように、等ピッチP′で複数の単位領域が設定され、各単位領域にライン状の光透過部が所定のライン幅で設けられた4種の階調露光用マスクM1、M2、M3、M4を作製した。これらの階調露光用マスクM1、M2、M3、M4におけるピッチP′は、100nm、150nm、200nm、250nmとした。
次に、階調露光用マスクM1、M2、M3、M4を用いて、5倍の縮小倍率で上記のレジスト層を階調露光することにより、エネルギーの階調供給を行い、その後、現像し硬化させて、4種のプリズム形状の三次元形状物(試料1〜試料4)を作製した。このように作製した三次元形状物(試料1〜試料4)を、使用した階調露光用マスクと組み合わせて図39に示した。尚、図39では、階調露光用マスクM1、M2、M3、M4の光透過部が白い部位として示されている。
一方、階調露光用マスクとして、誤差拡散法により、正方形のドット状に遮光部を配置した4種の階調露光用マスクM5、M6、M7、M8を作製した。これらの階調露光用マスクM5、M6、M7、M8における正方形のドット状遮光部の寸法は、100nm、150nm、200nm、250nmとした。
次に、階調露光用マスクM5、M6、M7、M8を用いて、5倍の縮小倍率で上記のレジスト層を階調露光することにより、エネルギーの階調供給を行い、その後、現像し硬化させて、4種のプリズム形状の三次元形状物(試料5〜試料8)を作製した。このように作製した三次元形状物(試料5〜試料8)を、使用した階調露光用マスクと組み合わせて図40に示した。尚、図40では、階調露光用マスクM5、M6、M7、M8の光透過部が白い部位として示されている。
図39に示される4種の三次元形状物(試料1〜試料4)は、表面形状が滑らかであり、使用した階調露光用マスク(M1〜M4)の単位領域のピッチP′が小さい程、表面形状がより滑らであった。
これに対して、図40に示される4種の三次元形状物(試料5〜試料8)は、4種の三次元形状物(試料1〜試料4)に比べて表面形状が粗く、特に、ドット状遮光部の寸法が大きくなると表面形状に突発的な変形が発生し、形状精度が著しく低下するものであった。
また、上記の4種の階調露光用マスクM1、M2、M3、M4を作製するに際してのデータ量、および、上記の3種の階調露光用マスクM5、M6、M7を作製するに際してのデータ量から、製造負荷を求めて下記の表1に示した。尚、製造負荷は、実際に階調露光用マスクを製造したときのマスクパターン描画時間(単位:時間)として求めた。
Figure 0006676997
表1に示されるように、階調露光用マスクM1、M2、M3、M4は製造負荷が少なく、単位領域のピッチP′が小さい階調露光用マスクM1であっても、製造負荷が若干増大する程度であった。これに比べて、階調露光用マスクM5、M6、M7の製造負荷は大きく、特にドット状遮光部の寸法が小さい階調露光用マスクM5では、製造負荷が著しく増大することが確認された。
エネルギーの階調供給を行うことにより三次元形状物を製造する工程を有する種々の製造分野において有用である。
1…基板
5…エネルギー感応型レジスト
7,8…三次元形状物
11…エネルギー供給領域
21…グリッド
25…エネルギー供給部位
31,31a,31b,31c,31d,31e,31f,31g,31h…エネルギー供給領域
41…グリッド
45…エネルギー供給部位
51,61,71…モールド
52,62,72…基材
53,63,73…凹凸構造
54,74…凸部
54a,74a,74b…凸部側壁面
64…凹部
64a…凹部内壁面
56,66,76…輪郭線
101,111…階調露光用マスク
102,112…透明基板
103,113…遮光膜
104,114…遮光膜パターン領域
114a,114b,114c,114d,114e,114f,114g,114h…遮光膜パターン領域
105,115…単位領域
106T,116T…光透過部
106B,116B…遮光部

Claims (5)

  1. エネルギー感応型レジストの所望のエネルギー供給領域に対してエネルギーを階調で供給する工程を有する三次元形状物の製造方法において、
    前記エネルギー供給領域に、所定方向に沿って等ピッチで複数のグリッドを設定し、該グリッド毎に前記グリッドの境界線に平行なライン形状でエネルギーを供給し、該エネルギー供給に際して、前記グリッド毎にエネルギー供給部位の前記ライン形状の幅を設定することにより前記エネルギー階調供給し、
    前記エネルギー供給領域は、三角形状の複数のエネルギー供給領域の集合体であり、
    前記三角形状の各エネルギー供給領域は、前記三角形状の1個の頂点を他の前記三角形状のエネルギー供給領域と共有するとともに、該頂点を囲むように隣接して位置し、
    前記三角形状の各エネルギー供給領域に、前記頂点から底辺に向かう方向に沿って等ピッチで前記グリッドを設定することを特徴とする三次元形状物の製造方法。
  2. 前記三次元形状物がマクロレンズであり、
    前記三角形状の各エネルギー供給領域に共有される前記頂点が前記マイクロレンズの最大厚みとなる部位に位置することを特徴とする請求項に記載の三次元形状物の製造方法。
  3. 前記エネルギーは、フォトマスクを介した露光により供給され
    前記フォトマスクは、透明基板と、該透明基板の一方の面に位置する遮光膜パターンとを備え、
    前記透明基板は、前記グリッドに対応するように所定方向に沿って等ピッチで複数の単位領域が画定されており、前記単位領域毎に前記単位領域の境界に平行なライン形状の光透過部を有する遮光膜パターンが位置し、各単位領域における前記光透過部のライン幅を設定することにより各単位領域における開口率が調整されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の三次元形状物の製造方法。
  4. 前記エネルギーは、エネルギー線を照射することにより供給され
    前記グリッド毎に、所定面積のスポット形状の前記エネルギー線を走査して、前記グリッドの境界に平行なライン形状となるように前記エネルギー感応型レジストに前記エネルギー線を照射することを特徴とする請求項1又は2に記載の三次元形状物の製造方法。
  5. 透明基板の一方の面に位置する遮光膜パターン領域に遮光膜パターンを備えた階調露光用マスクにおいて、
    前記遮光膜パターン領域には、所定方向に沿って等ピッチで複数の単位領域が画定されており、該単位領域の境界に平行なライン形状の光透過部を有する遮光膜パターンが前記単位領域毎に位置し、
    各単位領域における開口率は、各単位領域における前記光透過部のライン形状の幅により調整可能であり、
    二等辺三角形状の複数の前記遮光膜パターン領域が、前記二等辺三角形状の頂点を一致させ、かつ、前記二等辺三角形状の等辺を一致するように隣接して、共通の前記頂点を囲むように位置し、前記二等辺三角形状の各遮光膜パターン領域における前記単位領域が等ピッチで区画され配列されている方向は、前記頂点から前記二等辺三角形状の底辺に向かう方向であることを特徴とする階調露光用マスク。
JP2016023408A 2016-02-10 2016-02-10 三次元形状物の製造方法と階調露光用マスクおよびモールド Active JP6676997B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016023408A JP6676997B2 (ja) 2016-02-10 2016-02-10 三次元形状物の製造方法と階調露光用マスクおよびモールド

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016023408A JP6676997B2 (ja) 2016-02-10 2016-02-10 三次元形状物の製造方法と階調露光用マスクおよびモールド

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017142357A JP2017142357A (ja) 2017-08-17
JP6676997B2 true JP6676997B2 (ja) 2020-04-08

Family

ID=59628465

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016023408A Active JP6676997B2 (ja) 2016-02-10 2016-02-10 三次元形状物の製造方法と階調露光用マスクおよびモールド

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6676997B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20220239153A1 (en) * 2019-05-30 2022-07-28 Panasonic Intellectual Property Management Co.,Ltd. Structural body, system, and structural product
JP2021036295A (ja) * 2019-08-30 2021-03-04 大日本印刷株式会社 パターンデータ、パターンデータの作製方法およびフォトマスク

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3339894B2 (ja) * 1992-12-18 2002-10-28 オリンパス光学工業株式会社 微細パターンの作成方法
JP2003043667A (ja) * 2001-07-30 2003-02-13 Ricoh Opt Ind Co Ltd 濃度分布マスクの製造方法
JP2004012940A (ja) * 2002-06-07 2004-01-15 Canon Inc マスク
JP2005265963A (ja) * 2004-03-16 2005-09-29 Hoya Corp フォトマスク、及び、フォトマスクのセット
JP2006293090A (ja) * 2005-04-12 2006-10-26 Nikon Corp マイクロレンズの製造方法、及びマイクロレンズ用型の製造方法
US20090316417A1 (en) * 2008-06-20 2009-12-24 Rohm And Haas Denmark Finance A/S Light-redirecting article
EP2454619A4 (en) * 2009-07-17 2016-01-06 Hewlett Packard Development Co NON PERIODIC FILTER REFLECTORS WITH FOCUSING STRENGTH AND METHOD FOR THE PRODUCTION THEREOF

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017142357A (ja) 2017-08-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN107430219B (zh) 扩散板
JP4296943B2 (ja) 露光用マスクの製造方法および露光方法ならびに3次元形状の製造方法
JP7056013B2 (ja) テンプレート及びテンプレートブランクス、並びにインプリント用テンプレート基板の製造方法、インプリント用テンプレートの製造方法、及び、テンプレート
TWI652510B (zh) 擴散板及擴散板之製造方法
TWI250377B (en) Exposure mask and mask pattern production method
JP6676997B2 (ja) 三次元形状物の製造方法と階調露光用マスクおよびモールド
JP2007193243A (ja) 露光用マスク、露光方法、露光用マスクの製造方法、3次元デバイスおよび3次元デバイスの製造方法
JP2007041094A (ja) 露光用マスク、露光用マスクの設計方法および露光用マスクの設計プログラム
JP3611613B2 (ja) 三次元形状の形成方法、該方法により形成した三次元構造体およびプレス成形型
JP4366121B2 (ja) 素子の製造方法
JP5310065B2 (ja) 凹凸形状の形成方法、光学素子アレイの製造方法、光学素子アレイ、及びマイクロレンズアレイ
WO2014054250A1 (ja) 微細構造体の製造方法、および微細構造体
CN1698014A (zh) 曝光掩模及其生产方法和曝光方法
JP2002244273A (ja) 濃度分布マスクとその製造方法
KR20080062154A (ko) 마이크로 렌즈 제조방법 및 마이크로 렌즈용 마스터제조방법
JP6686462B2 (ja) 階調露光用テストマスク
JP5671843B2 (ja) ドライエッチング用のトレーとそれを用いたドライエッチング方法とトレーの製造方法およびモールドの製造方法
JP2013246340A (ja) フォトマスクとその製造方法、およびパターン露光方法
JP2004280017A (ja) 微細形状物の製造方法
JP2006058720A (ja) マイクロレンズおよびその製造方法
JP5211762B2 (ja) 反射防止構造体製造方法、反射防止構造体及び光学部材
GB2277998A (en) Mask and apparatus for producing microlenses
Kobayashi et al. Printing of Lenticular Lens Patterns Using Defocused Projection Lithography
JP2004012940A (ja) マスク
JP6753197B2 (ja) インプリントモールド

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181226

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191003

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191029

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191227

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200212

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200225

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6676997

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150